JP2014089224A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】感光体10は、表面層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない樹脂成分と無機微粒子とから構成され、1×104[V/cm]の電界強度のときの表面固有抵抗率R1が1013[Ω/cm2]以上であり、その表面固有抵抗率R1と1.5×105[V/cm]の電界強度のときの表面固有抵抗率R1.5との比率R1/R1.5が100以上5000以下である高耐久感光体である。クリーニングブレードのブレード部材622は、100%モジュラス値が互いに異なる材質からなる複数層によって構成された積層構造の弾性ブレードであり、その複数層のうち、先端稜線部62cを備えるエッジ層622bを、バックアップ層622aに比べて100%モジュラス値の高い材質によって形成した。
【選択図】図10
Description
また、本発明のブレード部材は、感光体表面に当接する先端稜線部(エッジ部)を含んだエッジ層と他の層とからなる複数層構成としているので、それぞれの層で機能分担することが可能である。本発明では、エッジ層について、100%モジュラス値が大きくかつゴム硬度が高い材料を用いることで、クリーニング対象が高耐久感光体の表面であっても、ブレード部の先端稜線部が不安定な挙動を示すことを抑制できる。これにより、高耐久感光体に対する高いクリーニング性と高い耐摩耗性を実現できるとともに、白抜け状の異常画像の発生を抑制できる。また、他の層については、100%モジュラス値を低くしているので、長期使用でもヘタリが少ない。したがって、長期使用でも感光体表面に対するブレード部の当接圧低下が生じにくい。
図1は、本実施形態における画像形成装置であるプリンタ100を示す概略構成図である。
プリンタ100は、フルカラー画像を形成するものであって、画像形成部120、中間転写装置160及び給紙部130から主として構成されている。なお、以下の説明において、添え字Y、C、M、Kは、それぞれ、イエロー用、シアン用、マゼンタ用、ブラック用の部材であることを示すものである。
ここで、各プロセスカートリッジ121の構成はほぼ同様であるので、以下の説明では色分け用の添え字Y、C、M、Kを省略して、プロセスカートリッジ121の構成及び動作について説明する。
プロセスカートリッジ121は、感光体10と、感光体10の周りに配置されたクリーニング装置30、帯電装置40及び現像装置50とを備えている。
プリンタ100では、不図示のオペレーションパネルやパーソナルコンピュータ等の外部機器からプリント命令を受け付けると、まず、感光体10を図2中矢印Aの方向に回転させ、帯電装置40の帯電ローラ41によって感光体10の表面を所定の極性に一様帯電させる。帯電後の感光体10に対し、露光装置140は、入力されたカラー画像データに対応して光変調された例えばレーザービーム光を色ごとに照射し、これによって各感光体10の表面にそれぞれ各色の静電潜像を形成する。各静電潜像に対し、各色の現像装置50の現像ローラ51から各色の現像剤を供給し、各色の静電潜像を各色の現像剤で現像し、各色に対応したトナー像を形成して可視像化する。次いで、一次転写ローラ161にトナー像と逆極性の転写電圧を印加することによって、中間転写ベルト162を挟んで感光体10と一次転写ローラ161との間に一次転写電界を形成し、一次転写ローラ161で中間転写ベルト162を弱圧接することで一次転写ニップを形成する。これらの作用により、各感光体10上のトナー像は中間転写ベルト162上に効率よく一次転写される。中間転写ベルト162上には、各感光体10で形成された各色のトナー像が互いに重なり合うように転写され、積層トナー像が形成される。
本プリンタに好適に使用されるトナーは、600dpi以上の微少ドットを再現するために、トナーの体積平均粒径が3〜6[μm]のものが好ましい。また、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が、1.00〜1.40の範囲にあるトナーが好ましい。(Dv/Dn)が1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π)/4 ・・・(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
SF−2={(PERI)2/AREA}×100/(4π) ・・・(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
着色剤としては、公知の染料及び顔料がすべて使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR1、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSYVP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージNEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LR1−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
離型剤としては、融点が50〜120[℃]の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2[μm]であることが好ましく、特に5×10−3〜0.5[μm]であることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500[m2/g]であることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−4[μm]以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
(1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100[℃]未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150[℃]、好ましくは40〜98[℃]である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
図6(a)、(b)、(c)は、トナーの形状を模式的に示す図である。
図6(a)、(b)、(c)において、略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、トナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)(図6(b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)(図6(c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。
図8は、本実施形態のクリーニングブレード62の概略構成を示す模式図である。
クリーニングブレード62は、金属や硬質プラスチックなどの剛性材料からなる短冊形状のホルダー621と、短冊形状の弾性ブレード622とで構成されている。弾性ブレード622は、ホルダー621の一端側に接着剤などにより固定されており、ホルダー621の他端側は、クリーニング装置30のケースに片持ち支持されている。
図9に示すクリーニングブレードは、100%モジュラス値が2.5[MPa]、硬度72度程度の比較的中硬度の弾性ブレードからなるクリーニングブレードである。このような従来の単層クリーニングブレードでは、図示するように、先端稜線部62cの強度が低いため、図9(b)に示すように、感光体10を回転駆動させたときの先端稜線部の変形が大きく、スティックスリップ量が大きくなり、ニップ(感光体とクリーニングブレードとの当接部)の挙動が不安定となる。そのため、クリーニング性が低下し易く、またトナー添加剤などを感光体表面に擦りつけてしまい、白抜け状の異常画像が発生する。特に、感光体10の表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置を持たない画像形成装置の中で用いる場合には、異常画像が大きな課題となる場合がある。また、先端稜線部62cの振動が大きく、感光体の膜削れ量やブレード摩耗量が増加するという課題がある。
本実施形態のクリーニングブレードにおいては、高強度材料からなるエッジ層622bの効果により、先端稜線部62cの強度が高くなっている。これにより、図10(b)に示すように、先端稜線部62cの変形、振動を小さくすることができ、ニップ挙動を安定化することができる。その為、非常に良好なクリーニング性が得られ、また白抜け状の異常画像も発生しない。さらに、潤滑剤塗布装置をもたない画像形成装置の中で用いた場合にも、白抜け状の異常画像が発生することがない。また、振動が抑制される結果、感光体膜削れ量やブレード摩耗量も少なく抑えることができる。
本実施形態の感光体10は、導電性支持体上に、少なくとも感光層及び表面層をこの順に有してなり、更に必要に応じてその他の構成を有してなる。
本発明の電子写真感光体は、上記表面層に本発明で規定する材料及び表面抵抗率を有するものであり、上記導電性支持体、上記感光層、及び上記その他の構成については、従来と同様のものを適用することができる。
上記表面層は、電荷輸送性を有しない樹脂と無機微粒子とを少なくとも含有し、更に必要に応じて添加剤を含有し、後述する所定の表面固有抵抗率を有し、好ましくは後述する所定の硬度及び弾性仕事率を有する。
上記表面層の電荷輸送材料を極力低減した場合であっても、優れた電子写真感光体特性を有させるためには、一般の電子写真感光体と同様に、帯電性、電荷輸送性、潜像維持性を持たせることが重要である。この帯電性に関しては、感光層に代替機能として持たせることが可能であるため、特に、上記表面層に必要とされる機能としては、電荷輸送性、潜像維持性などが重要な要件と考えられる。上記表面層の電荷輸送性材料を極力低減した場合であっても、これらの機能を十分に有する電子写真感光体とするために、電子写真感光体の駆動時よりも低い電界強度(1×104[V/cm]〜3×104[V/cm])のときには感光体の表面層が高い抵抗値を示し、電子写真感光体の駆動時と同程度の電界強度(1.5×105[V/cm])の時には感光体の表面層が低い抵抗値を示すことが重要である。
上記表面固有抵抗率R1は、上記表面層における電界強度が1×104[V/cm]であるときの表面固有抵抗率である。
上記表面固有抵抗率R1としては、1×1013[Ω/cm2]以上であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、優れた潜像維持性を有する点で、1×1014[Ω/cm2]以上が好ましい。上記表面固有抵抗率R1が、1×1013[Ω/cm2]未満であると、潜像維持性が十分ではなく、出力画像のドットの細りや画像ボケが発生することがある。また、上記表面層においては、潜像維持に対して寄与の大きな電界が上記電界強度近傍であることに由来すると考えられ、この電界強度範囲において比較的高抵抗とすることによって、電荷の移動を阻害し潜像維持性が高くすることが可能となる。
上記表面固有抵抗率R3は、上記表面層における電界強度が3×104[V/cm]であるときの表面固有抵抗率である。
上記表面固有抵抗率R3としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、優れた潜像維持性を有する点で、1×1014[Ω/cm2]以上が好ましい。上記表面層においては、潜像維持に対して寄与の大きな電界が上記電界強度近傍であることに由来すると考えられ、この電界強度範囲において比較的高抵抗とすることによって、電荷の移動を阻害し潜像維持性が高くすることが可能となる。
上記表面固有抵抗率R1.5は、上記表面層における電界強度が1.5×105[V/cm]であるときの表面固有抵抗率である。
上記表面固有抵抗率R1.5としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、駆動時の電子写真の露光部電位低減の点で、1×109[Ω/cm]〜1×1011[Ω/cm]が好ましい。
上記表面固有抵抗率R1と上記表面固有抵抗率R3との比(R1/R3)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、抵抗変動を小さくすることができる点で、0.1〜10が好ましく、0.1〜2がより好ましい。上記比(R1/R3)が、0.1未満であるときは、電荷輸送性が低下し、残留電位の上昇などが発生することがあり、10を超えると、潜像維持性が十分とはならず、出力画像のドットの細りが発生することがある。
上記表面固有抵抗率R1と上記表面固有抵抗率R1.5との比(R1/R1.5)としては、100〜5000であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100〜1000が好ましい。上記比(R1/R1.5)が100未満であると、表面層の電荷輸送性が十分ではなく、残留電位上昇に伴う画像欠陥の発生などが生じることがあり、5000を超えると、電子写真感光体の帯電性が不足し、時汚れの発生、階調性低下などの懸念が生じることがある。上記表面固有抵抗率R1と比較して上記表面固有抵抗率R1.5を十分小さくすることにより、優れた電荷輸送性を示すことがわかっている。本実施形態の表面層においては、電荷輸送機能に対して寄与の大きな電界強度が1.5×105[V/cm]以上の範囲であることがわかり、この電界強度範囲において比較的高抵抗である表面層とすることによりスムーズな電荷輸送を促すことができる。
上記表面固有抵抗率の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、JIS−C2139:2008(固体電気絶縁材料−体積抵抗率及び表面抵抗率の測定方法)などに準拠して測定する方法などが挙げられる。一般に電子写真感光体はシリンダー形状を示すものが多く、JIS−C2139:2008に記載の方法で測定が困難な場合は、下記に示す方法を用いてもよい。
なお、上記表面固有抵抗率R1は、上記表面層のどの位置を測定しても同等の数値を示し、例えば、電子写真感光体の表面層における上端部から70[mm]、170[mm]、及び270[mm]の三箇所の位置で測定した値の平均値を用いてもよい。
なお、上記表面固有抵抗率R3は、上記表面層のどの位置を測定しても同等の数値を示し、例えば、電子写真感光体の表面層における上端部から70[mm]、170[mm]、及び270[mm]の三箇所の位置で測定した値の平均値を用いてもよい。
なお、上記表面固有抵抗率R1.5は、上記表面層のどの位置を測定しても同等の数値を示し、例えば、電子写真感光体の表面層における上端部から70[mm]、170[mm]、及び270[mm]の三箇所の位置で測定した値の平均値を用いてもよい。
上記電子写真感光体の機械的耐久性や耐汚染性は、表面のごく狭い領域での物性に左右される。そのため、上記電子写真感光体の表面層における機械的耐久性や耐汚染性の指標として、ユニバーサル硬度を用いることが好ましい。
〔条件〕
装置:フィッシャースコープH−100(フィッシャー・インストルメンツ社製)
ソフト:WIN−HCU(フィッシャー・インストルメンツ社製)
最大試験荷重:1mN
荷重アプリケーション時間:30秒間
荷重の増加:1mN/30秒間
最大試験荷重でのクリープ:5秒間
荷重の減少:荷重の増加と同条件
徐荷後のクリープ:5秒間
圧子:SMC117
上記弾性仕事率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50%以上が好ましく、55%以上がより好ましい。上記弾性仕事率の測定は、例えば、上記ユニバーサル硬度と同様の方法により測定することができる。上記弾性仕事率は、下記式(3)を用いて算出することができる。
弾性仕事率(%)=100×(最大変位−塑性変位)/最大変位 ・・・(3)
上記電荷輸送性を有しない樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電荷輸送性構造を有しない樹脂などが挙げられる。
上記電荷輸送性構造を有しない樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾール等の正孔輸送性構造;縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基、ニトロ基等の電子吸引性芳香族環などの電子輸送性構造を有しない樹脂などが挙げられる。
これらの中でも、本実施形態の表面層における電荷輸送性及び潜像維持性に優れる点で、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が好ましく、ラジカル重合性官能基を有する化合物を光照射して架橋することにより得られる架橋構造を有する樹脂として、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂がより好ましく、上記架橋構造を有するアクリル樹脂が特に好ましい。
上記アクリル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレートなどが挙げられる。
上記フェノール樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ノボラック樹脂、レゾール樹脂などが挙げられる。これらの中でも、潜像維持性に優れ、酸触媒等の開始剤を必須とするノボラック樹脂と比較して上記開始剤を用いることなく架橋反応させることができる点で、レゾール樹脂が好ましい。
上記ウレタン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エステル系ウレタン樹脂、エーテル系ウレタン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記2官能以上のポリオール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキレングリコール、アルキレンエーテルグリコール、脂環式ジオール、脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等のジオール化合物;多価脂肪族アルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等)、3価以上のフェノール類(例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等)、3価以上のフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等の3価以上のポリオール化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記2官能以上のイソシアネート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、HDIイソシアネート体、HDIビウレット体、XDIトリメチロールプロパンアダクト体、IPDIトリメチロールプロパンアダクト体、IPDIイソシアヌレート体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記エポキシ樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ビニルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、メタクリル変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、脂肪酸エステル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、フロロアルキル変性シリコーンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態において、表面層中の電荷輸送性材料含有量を低減した場合であっても、電子写真感光体の表面層に無機微粒子を分散させることにより、所望の表面抵抗率を制御し、電荷輸送性及び潜像維持性を有する電子写真感光体を得ることができることを突き止めた。
また、上記第13族元素をドープした酸化亜鉛を用いることにより、表面層の表面抵抗率を制御することができ、比較的導電性が高く、大気中で長期に亘って安定した電気特性を維持することができ、経時安定性に優れた表面層を形成することができる。
ここで、ドープするとは、上記第13族元素を制御された濃度だけ上記酸化亜鉛に添加することをいう。
上記元素分析及びそのマッピング方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エネルギー分散型X線検出器/走査型電子顕微鏡(EDS−SEM)などを用いて測定する方法などが挙げられる。なお、上記EDS−SEMは、被観察体を細く絞られた電子線で走査し、放出される二次電子量を検出することによって被観察体表面像を詳細(一般に50倍〜30万倍)に観察すると同時に、電子線照射により発生する特性X線を検出することにより、表面の微小領域の元素比率の分析や、特定元素のマッピングなどを行う装置である。
まず、電子写真感光体の断面構造をミクロトーム、FIB等の一般に用いられる方法で露出させた後に、上記記載の方法で電子写真感光体断面の無機微粒子の構成元素のマッピングを行い、無機微粒子構成元素検出面積を観察面積で除することによって、観察断面における有機無機複合微粒子の占める面積割合を得る。次いで、その面積比率を体積比率に換算(面積比率の3/2乗)することにより、該有機無機複合微粒子の表面層に占める割合を得ることができる。
上記電荷輸送性を有しない樹脂と無機微粒子との組み合わせとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、電気的特性に優れ、かつ高画質な画像出力を維持することができる点で、アクリル樹脂とガリウム元素をドープした酸化亜鉛との組合せ、ポリカーボネート樹脂とガリウム元素をドープした酸化亜鉛との組合せ、ポリアリレート樹脂とガリウム元素をドープした酸化亜鉛との組合せ、スチレン樹脂とガリウム元素をドープした酸化亜鉛との組合せ、フェノール樹脂とガリウム元素をドープした酸化亜鉛との組合せ、ウレタン樹脂とガリウム元素をドープした酸化亜鉛との組合せ、シリコーン樹脂とガリウム元素をドープした酸化亜鉛との組合せが好ましい。
上記添加剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属微粒子、反応性有機基を有する化合物、分散剤、界面活性剤、電荷輸送性化合物、可塑剤、レベリング剤などが挙げられる。
上記金属微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化カルシウム、ITO、酸化シリコン、コロイダルシリカ、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化鉄、酸化マンガン、酸化ニオブ、酸化バナジウム、酸化セレン、窒化硼素、窒化珪素などが挙げられる。
上記反応性有機基を有する化合物は、本実施形態で規定する表面抵抗率を有する表面層とするために、また、電子写真感光体の機能増強や分散性向上等を目的として、第13族元素をドープした酸化亜鉛を表面修飾するために添加される。
上記無機微粒子(第13族元素をドープした酸化亜鉛)を表面層中に良好に分散させる場合、分散剤を用いてもよい。上記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
上記分散剤の含有量としては、特に制限はなく、無機微粒子の粒径等の目的に応じて適宜選択することができるが、無機微粒子の全量に対して、0.5質量%〜30質量%が好ましく、1質量%〜15質量%がより好ましい。上記含有量が、0.5質量%未満であると、上記無機微粒子の分散効果が得られないことがあり、30質量%を超えると、残留電位の著しい上昇を引き起こす等の不具合を生じることがある。
上記無機微粒子(第13族元素をドープした酸化亜鉛)を表面層中に良好に分散させる場合、界面活性剤を用いてもよい。上記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
上記界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、無機微粒子の粒径等の目的に応じて適宜選択することができるが、無機微粒子の全量に対して、0.5質量%〜30質量%が好ましく、1質量%〜15質量%がより好ましい。上記含有量が、0.5質量%未満であると、上記無機微粒子の分散効果が得られないことがあり、30質量%を超えると、残留電位の著しい上昇を引き起こす等の不具合を生じることがある。
上記電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾール等の正孔輸送性構造を有する公知の正孔輸送物質;電子吸引性芳香族環(縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基、ニトロ基等)などの電子輸送構造を有する公知の電子輸送物質などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記電荷輸送性を有しない樹脂として、上記架橋重合体を用いる場合には、上記架橋重合体に対して反応性を有する官能基、例えば、水酸基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等を有する電荷輸送材料を用いてもよい。
まず、上記検量線の作成について説明する。
上記検量線は、上記電荷輸送性化合物未添加の表面層におけるカルボニル由来の振動ピーク強度から算出された面積をα0とし、上記電荷輸送性化合物添加の表面層におけるカルボニル由来の振動ピーク強度から算出された面積をβ0とし、上記表面層全量に対して電荷輸送性化合物を20質量%、40質量%、及び60質量%を添加した場合の各振動ピーク強度から算出される面積を、それぞれα20、α40、及びα60、並びにβ20、β40、β60とした場合、振動強度比(βx/αx)と電荷輸送性化合物の添加量とをプロットすることにより作成する。
次に、電荷輸送性化合物含有量未知の表面層について、上述した方法と同様の方法により、上記FT−IRのATR法で測定を行い、上記振動強度比を算出し、検量線に基づいて電荷輸送性化合物含有量を算出する。上記表面層における電荷輸送性化合物の含有量を求める場合は、一般に知られるエッチング法や表面層断面形成手段(ミクロトームなど)により電荷輸送性化合物含有量を測定したい箇所を露出させ、上述した方法と同様の方法により電荷輸送性化合物の含有量を算出する。
上記可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上記可塑剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、上記電荷輸送性を有しない樹脂100質量部に対して、0質量部〜30質量部が好ましい。
上記レベリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類;側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー又はオリゴマー;などが挙げられる。上記レベリング剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、上記電荷輸送性を有しない樹脂100質量部に対して、0質量部〜1質量部が好ましい。
上記表面層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記電荷輸送性を有しない樹脂、上記無機微粒子、及び上記添加剤を含む塗工液を、電子写真感光体における感光層の表面に塗工した後、加熱乾燥を行い、硬化することにより形成する方法などが挙げられる。
上記加熱する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、空気、窒素等の気体、蒸気、各種熱媒体、赤外線、電磁波等の熱エネルギーを塗工面側又は上記導電性支持体側から加熱する方法などが挙げられる。
上記加熱する際の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100[℃]〜170[℃]が好ましい。上記温度が、100[℃]未満であると、上記表面層中に残留する溶媒が多くなりやすく、電子写真感光体特性に影響を与えることがあり、170[℃]を超えると、上記表面層に隣接する感光層中の低分子量成分が、上記表面層に移行しやすくなり、本実施形態に記載した表面抵抗率の制御やその他特性の低下を引き起こす恐れがある。
上記感光層としては、積層型感光層であってもよく、単層型感光層であってもよい。
上記単層型感光層は、電荷発生機能と電荷輸送機能とを同時に有する層である。
上記単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、及び結着樹脂を含有し、更に必要に応じて可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等のその他の成分を含有する。
上記電荷発生物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する積層型感光層で用いられるものと同様の物質などが挙げられる。上記電荷発生物質の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、上記結着樹脂100質量部に対し、5質量部〜40質量部が好ましい。
上記電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する積層型感光層で用いられるものと同様の物質などが挙げられる。上記電荷輸送物質の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、上記結着樹脂100質量部に対し、190質量部以下が好ましく、50質量部〜150質量部がより好ましい。
上記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する積層型感光層で用いられるものと同様の結着樹脂などが挙げられる。
上記単層型感光層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電荷発生物質、電荷輸送物質、結着樹脂、その他の成分等を分散機を用いて適当な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等)に溶解乃至分散して得られた塗工液を、塗布乃至乾燥することにより形成する方法などが挙げられる。
上記積層型感光層は、電荷発生機能及び電荷輸送機能をそれぞれ独立した層が担うため、少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層とをこの順に有し、更に必要に応じてその他の層を有する。なお、上記電荷発生層、上記電荷輸送層、及び上記その他の層は、従来公知のものを使用することができる。
上記電荷発生層は、電荷発生物質を含み、結着樹脂を含むことが好ましく、更に必要に応じて上述の酸化防止剤等のその他の成分を含む。
上記電荷発生物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機系材料、有機系材料などが挙げられる。
無機系材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶セレン、アモルファス−セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物、アモルファス−シリコン(例えば、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子等でターミネートしたもの;ホウ素原子、リン原子等をドープしたものなどが好適)などが挙げられる。
上記有機系材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料;アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリアクリルアミド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低分子電荷輸送物質、溶媒、レベリング剤などが挙げられ、上述の酸化防止剤を含んでもよい。
上記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、添加する層の総質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましい。
上記低分子電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子輸送物質、正孔輸送物質などが挙げられる。
上記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記レベリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記電荷発生層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記電荷発生物質及び上記結着樹脂を上記溶媒等の上記その他の成分に溶解乃至分散して得られた塗工液を、上記導電性支持体上に塗布して乾燥することにより形成する方法などが挙げられる。なお、上記塗工液は、前述のキャスティング法により塗布することができる。
上記電荷輸送層は、帯電電荷を保持させ、かつ、露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的を達成するためには、電気抵抗が高いことが要求される。また、保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小さく、かつ、電荷移動性がよいことが要求される。
上記電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子輸送物質、正孔輸送物質、高分子電荷輸送物質などが挙げられる。
上記電子輸送物質(電子受容性物質)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記正孔輸送物質(電子供与性物質)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記高分子電荷輸送物質は、後述する結着樹脂の機能と電荷輸送物質の機能を併せ持材料である。特に、本実施形態に記載している非晶質酸化物を中間層に適用した場合には、電荷輸送物質として高分子電荷輸送物質を適用することにより、帯電性低下や地汚れの発生が抑制されることがわかっており、好適である。
上記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、フェノキシ樹脂などが用いられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、上記電荷輸送層は、架橋性のバインダー樹脂と架橋性の電荷輸送物質との共重合体を含むこともできる。
上記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶媒、可塑剤、レベリング剤などが挙げられ、上述した酸化防止剤を含んでもよい。
上記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、添加する層の総質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましい。
上記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、上記電荷発生層と同様なものが使用できるが、上記電荷輸送物質及び上記結着樹脂を良好に溶解する溶媒が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
上記可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般樹脂の可塑剤などが挙げられる。
上記レベリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類;側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー乃至オリゴマーなどが挙げられる。
上記電荷輸送層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記電荷輸送物質及び上記結着樹脂を上記溶媒等の上記その他の成分に溶解乃至分散して得られた塗工液を、上記電荷発生層上に塗布して加熱乃至乾燥することにより形成する方法などが挙げられる。
上記加熱する方法としては、例えば、空気、窒素等の気体、蒸気、各種熱媒体、赤外線、電磁波等の熱エネルギーを塗工面側又は支持体側から加熱する方法などが挙げられる。
上記加熱する際の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100[℃]〜170[℃]が好ましい。上記温度が、100[℃]未満であると、膜中の有機溶媒を十分取り除くことができず、電子写真特性の低下や摩耗耐久性低下が生じることがあり、170[℃]を超えると、表面にゆず肌状の欠陥や亀裂の発生、隣接層との界面で剥離の発生などが生じるだけでなく、感光層中の揮発性成分が外部に霧散した場合、所望の電気特性が得られなくなることがある。
上記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下引き層、中間層などが挙げられる。
上記下引き層は、上記導電性支持体と上記感光層との間に設けることができる。
上記下引き層は、樹脂を含み、更に必要に応じて上述の酸化防止剤、微粉末顔料、カップリング剤等のその他の成分を含む。
これらの中でも、上記樹脂の上に感光層を溶媒で塗布する点で、一般の有機溶媒に対して耐溶媒性の高い樹脂が好ましい。
上記中間層は、上記電荷輸送層と上記架橋型電荷輸送層との間に、上記架橋型電荷輸送層への電荷輸送層成分の混入を抑える又は両層間の接着性を改善することを目的として設けることができる。
上記導電性支持体としては、体積抵抗値が1×1010[Ω・cm]以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスベルト(エンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルト等)を用いてもよい。
上記導電性層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性粉体及び結着樹脂を、必要に応じて溶媒に分散乃至溶解して得られた塗工液を上記導電性支持体上に塗布することにより形成する方法、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)等の素材に上記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブを用いて形成する方法などが挙げられる。
構成例1に係る電子写真感光体の層構成について、図11を用いて説明する。
図11は、単層型感光層を有する構成であり、導電性支持体21上に、単層型感光層26及び表面層25を順次積層した電子写真感光体の層構成を示した図である。
構成例2に係る電子写真感光体の層構成について、図12を用いて説明する。
図12は、積層型感光層を有する構成であり、導電性支持体21上に、電荷発生層23、電荷輸送層24、及び表面層25を順次積層した電子写真感光体の層構成を示した図である。なお、電荷発生層23及び電荷輸送層24が感光層に該当する。
構成例3に係る電子写真感光体の層構成について、図13を用いて説明する。
図13は、図12の構成を有する電子写真感光体に、更に中間層を設けた構成を有する。
図13は、導電性支持体21上に、中間層22、電荷発生層23、電荷輸送層24、及び表面層25を順次積層した電子写真感光体の層構成を示した図である。なお、電荷発生層23及び電荷輸送層24が感光層に該当する。
構成例4に係る電子写真感光体の層構成について、図14を用いて説明する。
図14は、積層型感光層を有する構成であり、導電性支持体21上に、電荷輸送層24、電荷発生層23、及び表面層25を順次積層した電子写真感光体の層構成を示した図である。なお、電荷発生層23及び電荷輸送層24が感光層に該当する。
直径φ40[mm]のアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布、乾燥することにより、厚み3.5[μm]の下引き層、厚み0.2[μm]の電荷発生層、及び厚み20[μm]の電荷輸送層を形成した。
・ アルキッド樹脂 ・・・ 12部
(ベッコゾール1307−60−EL、DIC社製)
・ メラミン樹脂 ・・・ 8部
(スーパーベッカミン G−821−60、DIC社製)
・ 酸化チタン ・・・ 80部
(CR−EL、石原産業社製)
・ メチルエチルケトン ・・・ 250部〔電荷発生層用塗工液〕
・ 下記構造式(1)のビスアゾ顔料 ・・・ 2.5部
・ ポリビニルブチラール(XYHL、UCC社製) ・・・ 0.5部
・ シクロヘキサノン ・・・ 200部
・ メチルエチルケトン ・・・ 80部
・ ビスフェノールZポリカーボネート ・・・ 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成社製)
・ 下記構造式(2)の電荷輸送性化合物 ・・・ 7部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
・ 1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 ・・・ 1部
(KF50−100CS、信越化学工業社製)
なお、上記表面層用塗工液は、下記のように調製した。まず、ジルコニア製ビーズ(平均粒子径:0.1[mm])を110[g]投入した50[mL]容器に、Alドープ酸化亜鉛、界面活性剤、及びシクロヘキサノンを入れ、1500[rpm]の振動条件で2時間の振動分散を行い、Alドープ酸化亜鉛を分散させた分散液を調製した。次に、上記分散液を、シルコニア製ビーズ(平均粒子径:5[mm])を60[g]投入した50[mL]容器に移し替え、200[rpm]の回転速度で24時間の分散を行い、ミルベースを調製した。そして、ビスフェノールZポリカーボネートを溶解したテトラヒドロフラン溶液に、上記ミルベースを添加して、下記組成の表面層用塗工液を調製した。
・ ビスフェノールZポリカーボネート ・・・ 100部
(パンライトTS−2050、帝人化成社製)
・ Alドープ酸化亜鉛 ・・・ 33.3部
(Pazet CK、平均粒径35[nm]、ハクスイテック社製)
・ 界面活性剤(低分子量不飽和ポリカルボン酸のポリマー) ・・・ 1.7部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 711部
・ シクロヘキサノン ・・・ 178部
実施例1の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ ビスフェノールZポリカーボネート ・・・ 100部
(パンライトTS−2050、帝人化成社製)
・ Alドープ酸化亜鉛 ・・・ 53.8部
(Pazet CK、平均粒径35[nm]、ハクスイテック社製)
・ 界面活性剤 ・・・ 2.7部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 821部
・ シクロヘキサノン ・・・ 205部
実施例1の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ ビスフェノールZポリカーボネート ・・・ 100部
(パンライトTS−2050、帝人化成社製)
・ Alドープ酸化亜鉛 ・・・ 100部
(Pazet CK、平均粒径35[nm]、ハクスイテック社製)
・ 界面活性剤 ・・・ 5.0部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 1067部
・ シクロヘキサノン ・・・ 267部
実施例1の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ ビスフェノールZポリカーボネート ・・・ 100部
(パンライトTS−2050、帝人化成社製)
・ Alドープ酸化亜鉛 ・・・ 150部
(Pazet CK、平均粒径35[nm]、ハクスイテック社製)
・ 界面活性剤 ・・・ 7.5部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 1333部
・ シクロヘキサノン ・・・ 333部
実施例1のAlドープ酸化亜鉛をGaドープ酸化亜鉛(Pazet GK−40、平均粒径32[nm]、ハクスイテック社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例2のAlドープ酸化亜鉛をGaドープ酸化亜鉛(Pazet GK−40、平均粒径32[nm]、ハクスイテック社製)に変更した以外は、実施例2と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例3のAlドープ酸化亜鉛をGaドープ酸化亜鉛(Pazet GK−40、平均粒径32[nm]、ハクスイテック社製)に変更した以外は、実施例3と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例4のAlドープ酸化亜鉛をGaドープ酸化亜鉛(Pazet GK−40、平均粒径32[nm]、ハクスイテック社製)に変更した以外は、実施例4と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例1で用いた表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ ビスフェノールZポリカーボネート ・・・ 100部
(パンライトTS−2050、帝人化成社製)
・ 上記構造式(2)の電荷輸送性化合物 ・・・ 10部
・ Gaドープ酸化亜鉛 ・・・ 110部
(Pazet GK−40、平均粒径32[nm]、ハクスイテック社製)
・ 界面活性剤 ・・・ 5.5部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 1173部
・ シクロヘキサノン ・・・ 293部
実施例1で用いた表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ ビスフェノールZポリカーボネート ・・・ 100部
(パンライトTS−2050、帝人化成社製)
・ 上記構造式(2)の電荷輸送性化合物 ・・・ 20部
・ Gaドープ酸化亜鉛 ・・・ 120部
(Pazet GK−40、平均粒径32[nm]、ハクスイテック社製)
・ 界面活性剤 ・・・ 6.0部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 1280部
・ シクロヘキサノン ・・・ 320部
実施例1で用いた表面層用塗工液において、電荷輸送性を有しない樹脂を、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、東京化成社製)100部と光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)5部とを混合して、下記に示した紫外線照射及び乾燥プロセスを実施して得られた樹脂に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔紫外線照射及び乾燥プロセス〕
導電性支持体/下引き層/電荷発生層/電荷輸送層からなる積層体上に上記表面層用塗工液を塗布したものを回転させながら、メタルハライドランプを用いて、照度900[mW/cm2]、照射時間120秒間の条件で光照射を行うことで表面層を架橋させた後に、130[℃]で30分間、乾燥を行った。
実施例2で用いた表面層用塗工液において、電荷輸送性を有しない樹脂を、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、東京化成社製)100部と光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)5部とを混合して、下記に示した紫外線照射及び乾燥プロセスを実施して得られた樹脂に変更した以外は、実施例2と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔紫外線照射及び乾燥プロセス〕
導電性支持体/下引き層/電荷発生層/電荷輸送層からなる積層体上に上記表面層用塗工液を塗布したものを回転させながら、メタルハライドランプを用いて、照度900[mW/cm2]、照射時間120秒間の条件で光照射を行うことで表面層を架橋させた後に、130[℃]で30分間、乾燥を行った。
実施例3で用いた表面層用塗工液において、電荷輸送性を有しない樹脂を、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、東京化成社製)100部と光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)5部とを混合して、下記に示した紫外線照射及び乾燥プロセスを実施して得られた樹脂に変更した以外は、実施例3と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔紫外線照射及び乾燥プロセス〕
導電性支持体/下引き層/電荷発生層/電荷輸送層からなる積層体上に上記表面層用塗工液を塗布したものを回転させながら、メタルハライドランプを用いて、照度900[mW/cm2]、照射時間120秒間の条件で光照射を行うことで表面層を架橋させた後に、130[℃]で30分間、乾燥を行った。
実施例4で用いた表面層用塗工液において、電荷輸送性を有しない樹脂を、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、東京化成社製)100部と光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)5部とを混合して、下記に示した紫外線照射及び乾燥プロセスを実施して得られた樹脂に変更した以外は、実施例4と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔紫外線照射及び乾燥プロセス〕
導電性支持体/下引き層/電荷発生層/電荷輸送層からなる積層体上に上記表面層用塗工液を塗布したものを回転させながら、メタルハライドランプを用いて、照度900[mW/cm2]、照射時間120秒間の条件で光照射を行うことで表面層を架橋させた後に、130[℃]で30分間、乾燥を行った。
実施例5で用いた表面層用塗工液において、電荷輸送性を有しない樹脂を、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、東京化成社製)100部と光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)5部とを混合して、下記に示した紫外線照射及び乾燥プロセスを実施して得られた樹脂に変更した以外は、実施例5と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔紫外線照射及び乾燥プロセス〕
導電性支持体/下引き層/電荷発生層/電荷輸送層からなる積層体上に上記表面層用塗工液を塗布したものを回転させながら、メタルハライドランプを用いて、照度900[mW/cm2]、照射時間120秒間の条件で光照射を行うことで表面層を架橋させた後に、130[℃]で30分間、乾燥を行った。
実施例6で用いた表面層用塗工液において、電荷輸送性を有しない樹脂を、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、東京化成社製)100部と光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)5部とを混合して、下記に示した紫外線照射及び乾燥プロセスを実施して得られた樹脂に変更した以外は、実施例6と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔紫外線照射及び乾燥プロセス〕
導電性支持体/下引き層/電荷発生層/電荷輸送層からなる積層体上に上記表面層用塗工液を塗布したものを回転させながら、メタルハライドランプを用いて、照度900[mW/cm2]、照射時間120秒間の条件で光照射を行うことで表面層を架橋させた後に、130[℃]で30分間、乾燥を行った。
実施例7で用いた表面層用塗工液において、電荷輸送性を有しない樹脂を、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、東京化成社製)100部と光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)5部とを混合して、下記に示した紫外線照射及び乾燥プロセスを実施して得られた樹脂に変更した以外は、実施例7と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔紫外線照射及び乾燥プロセス〕
導電性支持体/下引き層/電荷発生層/電荷輸送層からなる積層体上に上記表面層用塗工液を塗布したものを回転させながら、メタルハライドランプを用いて、照度900[mW/cm2]、照射時間120秒間の条件で光照射を行うことで表面層を架橋させた後に、130[℃]で30分間、乾燥を行った。
実施例8で用いた表面層用塗工液において、電荷輸送性を有しない樹脂を、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、東京化成社製)100部と光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)5部とを混合して、下記に示した紫外線照射及び乾燥プロセスを実施して得られた樹脂に変更した以外は、実施例8と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔紫外線照射及び乾燥プロセス〕
導電性支持体/下引き層/電荷発生層/電荷輸送層からなる積層体上に上記表面層用塗工液を塗布したものを回転させながら、メタルハライドランプを用いて、照度900[mW/cm2]、照射時間120秒間の条件で光照射を行うことで表面層を架橋させた後に、130[℃]で30分間、乾燥を行った。
実施例9で用いた表面層用塗工液おいて、電荷輸送性化合物を下記構造式(3)の電荷輸送性化合物に変更し、電荷輸送性を有しない樹脂を、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、東京化成社製)100部と光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)5部とを混合して、下記に示した紫外線照射及び乾燥プロセスを実施して得られた樹脂に変更した以外は、実施例9と同様にして、電子写真感光体を作製した。
導電性支持体/下引き層/電荷発生層/電荷輸送層からなる積層体上に上記表面層用塗工液を塗布したものを回転させながら、メタルハライドランプを用いて、照度900[mW/cm2]、照射時間120秒間の条件で光照射を行うことで表面層を架橋させた後に、130[℃]で30分間、乾燥を行った。
実施例10で用いた表面層用塗工液おいて、電荷輸送性化合物を上記構造式(3)の電荷輸送性化合物に変更し、電荷輸送性を有しない樹脂を、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、東京化成社製)100部と光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)5部とを混合して、下記に示した紫外線照射及び乾燥プロセスを実施した以外は実施例10と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔紫外線照射及び乾燥プロセス〕
導電性支持体/下引き層/電荷発生層/電荷輸送層からなる積層体上に上記表面層用塗工液を塗布したものを回転させながら、メタルハライドランプを用いて、照度900[mW/cm2]、照射時間120秒間の条件で光照射を行うことで表面層を架橋させた後に、130[℃]で30分間、乾燥を行った。
実施例12のAlドープ酸化亜鉛(Pazet CK、平均粒径35[nm]、ハクスイテック社製)をAlドープ酸化亜鉛(23−K、平均粒径152[nm]、ハクスイテック社製)に変更した以外は、実施例12と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例13のAlドープ酸化亜鉛(Pazet CK、平均粒径35[nm]、ハクスイテック社製)をAlドープ酸化亜鉛(23−K、平均粒径152[nm]、ハクスイテック社製)に変更した以外は、実施例13と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例17の表面層用塗工液で用いたトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、東京化成社製)100部を、下記樹脂に変更した以外は、実施例17と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔樹脂〕
[1]及び[2]の化合物を混合して得られた樹脂
[1]トリメチロールプロパントリアクリレート ・・・ 40部
(TMPTA、東京化成社製)
[2]下記構造式で表される化合物 ・・・ 60部
(ビスフェノールA型アクリレートモノマー、サートマー社製)
実施例17の表面層用塗工液で用いたトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、東京化成社製)100部を、下記樹脂に変更した以外は、実施例17と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔樹脂〕
[1]及び[2]の化合物を混合して得られた樹脂
[1]トリメチロールプロパントリアクリレート ・・・ 80部
(TMPTA、東京化成社製)
[2]下記構造式で表される化合物 ・・・ 20部
(カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、日本化薬社製)
実施例3の電荷輸送性を有しない樹脂をポリアリレート樹脂(U−100、ユニチカ社製)に変更した以外は、実施例3と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例3の電荷輸送性を有しない樹脂をスチレン樹脂(製品名:セプトン2043、クラレ社製)に変更した以外は、実施例3と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例3の電荷輸送性を有しない樹脂をフェノール樹脂(製品名:PR9480、住友ベークライト社製)に変更した以外は、実施例3と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例3の電荷輸送性を有しない樹脂を下記樹脂に変更した以外は、実施例3と同様にして、電子写真感光体を作製した。
下記[1]及び[2]の化合物をOH価/NCO価=1.0となるように反応させて得られた樹脂
[1]下記構造式(4)のポリオール化合物
[2]イソシアネート化合物(タケネートD140N、三井武田ケミカル社製)
実施例3の電荷輸送性を有しない樹脂を下記の方法により調製した化合物に変更した以外は、実施例3と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔化合物の調製〕
下記処方の液を60[℃]の温度条件で2時間攪拌を行った後、錫有機酸塩(nBu2・Sn(OAc)2)を0.016部添加して、40[℃]の温度条件で3時間攪拌することにより上記化合物を得た。
・ メチルトリメトキシシラン ・・・ 10部
・ 1%酢酸水溶液 ・・・ 5部
・ n−ブタノール ・・・ 15部
実施例1の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ ビスフェノールZポリカーボネート ・・・ 100部
(パンライトTS−2050、帝人化成社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 533部
・ シクロヘキサノン ・・・ 133部
実施例1の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ ビスフェノールZポリカーボネート ・・・ 100部
(パンライトTS−2050、帝人化成社製)
・ 上記構造式(2)の電荷輸送性化合物 ・・・ 10部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 587部
・ シクロヘキサノン ・・・ 147部
実施例1の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ ビスフェノールZポリカーボネート ・・・ 100部
(パンライトTS−2050、帝人化成社製)
・ 上記構造式(2)の電荷輸送性化合物 ・・・ 20部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 640部
・ シクロヘキサノン ・・・ 160部
実施例11の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例11と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ トリメチロールプロパントリアクリレート ・・・ 100部
(TMPTA、東京化成社製)
・ 光重合開始剤 ・・・ 5部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 533部
・ シクロヘキサノン ・・・ 133部
実施例11の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例11と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ トリメチロールプロパントリアクリレート ・・・ 100部
(TMPTA、東京化成社製)
・ 光重合開始剤 ・・・ 5部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・ 上記構造式(3)の電荷輸送性化合物 ・・・ 10部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 587部
・ シクロヘキサノン ・・・ 147部
実施例11の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例11と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ トリメチロールプロパントリアクリレート ・・・ 100部
(TMPTA、東京化成社製)
・ 光重合開始剤 ・・・ 5部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・ 上記構造式(3)の電荷輸送性化合物 ・・・ 20部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 640部
・ シクロヘキサノン ・・・ 160部
実施例1の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ ビスフェノールZポリカーボネート ・・・ 100部
(パンライトTS−2050、帝人化成社製)
・ Gaドープ酸化亜鉛 ・・・ 5.3部
(Pazet GK−40、平均粒径32[nm]、ハクスイテック社製)
・ 界面活性剤 ・・・ 0.3部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 561部
・ シクロヘキサノン ・・・ 140部
実施例1の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ ビスフェノールZポリカーボネート ・・・ 100部
(パンライトTS−2050、帝人化成社製)
・ Gaドープ酸化亜鉛 ・・・ 11.1部
(Pazet GK−40、平均粒径32[nm]、ハクスイテック社製)
・ 界面活性剤 ・・・ 0.6部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 593部
・ シクロヘキサノン ・・・ 148部
実施例1の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ ビスフェノールZポリカーボネート ・・・ 100部
(パンライトTS−2050、帝人化成社製)
・ Gaドープ酸化亜鉛 ・・・ 233.3部
(Pazet GK−40、平均粒径32[nm]、ハクスイテック社製)
・ 界面活性剤 ・・・ 11.7部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 1779部
・ シクロヘキサノン ・・・ 444部
実施例11の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例11と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ トリメチロールプロパントリアクリレート ・・・ 100部
(TMPTA、東京化成社製)
・ 光重合開始剤 ・・・ 5部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・ Gaドープ酸化亜鉛 ・・・ 5.3部
(Pazet GK−40、平均粒径32[nm]、ハクスイテック社製)
・ 界面活性剤 ・・・ 0.3部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 561部
・ シクロヘキサノン ・・・ 140部
実施例11の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例11と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ トリメチロールプロパントリアクリレート ・・・ 100部
(TMPTA、東京化成社製)
・ Gaドープ酸化亜鉛 ・・・ 11.1部
(Pazet GK−40、平均粒径32[nm]、ハクスイテック社製)
・ 光重合開始剤 ・・・ 5部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・ 界面活性剤 ・・・ 0.6部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 593部
・ シクロヘキサノン ・・・ 148部
実施例11の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例11と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ トリメチロールプロパントリアクリレート ・・・ 100部
(TMPTA、東京化成社製)
・ Gaドープ酸化亜鉛 ・・・ 233.3部
(Pazet GK−40、平均粒径32[nm]、ハクスイテック社製)
・ 光重合開始剤 ・・・ 5部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・ 界面活性剤 ・・・ 11.7部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 1779部
・ シクロヘキサノン ・・・ 444部
実施例1の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ ビスフェノールZポリカーボネート ・・・ 100部
(パンライトTS−2050、帝人化成社製)
・ 上記構造式(2)の電荷輸送性化合物 ・・・ 30部
・ Gaドープ酸化亜鉛 ・・・ 130部
(Pazet GK−40、平均粒径32[nm]、ハクスイテック社製)
・ 光重合開始剤 ・・・ 5部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・ 界面活性剤 ・・・ 6.5部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 1387部
・ シクロヘキサノン ・・・ 347部
実施例1の表面層用塗工液を下記のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ ビスフェノールZポリカーボネート ・・・ 100部
(パンライトTS−2050、帝人化成社製)
・ 上記構造式(2)の電荷輸送性化合物 ・・・ 40部
・ Gaドープ酸化亜鉛 ・・・ 140部
(Pazet GK−40、平均粒径32[nm]、ハクスイテック社製)
・ 光重合開始剤 ・・・ 5部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・ 界面活性剤 ・・・ 7.0部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 1493部
・ シクロヘキサノン ・・・ 373部
実施例11の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例11と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ トリメチロールプロパントリアクリレート ・・・ 100部
(TMPTA、東京化成社製)
・ 上記構造式(3)の電荷輸送性化合物 ・・・ 30部
・ 光重合開始剤 ・・・ 5部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・ Gaドープ酸化亜鉛 ・・・ 130部
(Pazet GK−40、平均粒径32[nm]、ハクスイテック社製)
・ 界面活性剤 ・・・ 6.5部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 1387部
・ シクロヘキサノン ・・・ 347部
実施例11の表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例11と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ トリメチロールプロパントリアクリレート ・・・ 100部
(TMPTA、東京化成社製)
・ 上記構造式(3)の電荷輸送性化合物 ・・・ 40部
・ 光重合開始剤 ・・・ 5部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・ Gaドープ酸化亜鉛 ・・・ 140部
(Pazet GK−40、平均粒径32[nm]、ハクスイテック社製)
・ 界面活性剤 ・・・ 7.0部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 1493部
・ シクロヘキサノン ・・・ 373部
実施例1の表面層用塗工液に用いたAlドープ酸化亜鉛を酸化亜鉛(Nanotek ZnO、平均粒径34[nm]、シーアイ化成社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例2の表面層用塗工液に用いたAlドープ酸化亜鉛を酸化亜鉛(Nanotek ZnO、平均粒径34[nm]、シーアイ化成社製)に変更した以外は、実施例2と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例3の表面層用塗工液に用いたAlドープ酸化亜鉛を酸化亜鉛(Nanotek ZnO、平均粒径34[nm]、シーアイ化成社製)に変更した以外は、実施例3と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例4の表面層用塗工液に用いたAlドープ酸化亜鉛を酸化亜鉛(Nanotek ZnO、平均粒径34[nm]、シーアイ化成社製)に変更した以外は、実施例4と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例11の表面層用塗工液に用いたAlドープ酸化亜鉛を酸化亜鉛(Nanotek
ZnO、平均粒径34[nm]、シーアイ化成社製)に変更した以外は、実施例11と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例12の表面層用塗工液に用いたAlドープ酸化亜鉛を酸化亜鉛(Nanotek
ZnO、平均粒径34[nm]、シーアイ化成社製)に変更した以外は、実施例12と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例13の表面層用塗工液に用いたAlドープ酸化亜鉛を酸化亜鉛(Nanotek
ZnO、平均粒径34[nm]、シーアイ化成社製)に変更した以外は、実施例13と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例14の表面層用塗工液に用いたAlドープ酸化亜鉛を酸化亜鉛(Nanotek
ZnO、平均粒径34[nm]、シーアイ化成社製)に変更した以外は、実施例14と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例11で用いた表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例11と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ トリメチロールプロパントリアクリレート ・・・ 100部
(TMPTA、東京化成社製)
・ 光重合開始剤 ・・・ 5部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・ 酸化チタン微粒子 ・・・ 53.8部
(Nanotek TiO2、平均粒径36[nm]、シーアイ化成社製)
・ 界面活性剤 ・・・ 2.7部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 821部
・ シクロヘキサノン ・・・ 205部
実施例11で用いた表面層用塗工液を下記表面層用塗工液に変更した以外は、実施例11と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面層用塗工液〕
・ トリメチロールプロパントリアクリレート ・・・ 100部
(TMPTA、東京化成社製)
・ 光重合開始剤 ・・・ 5部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(イルガキュアI−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・ 酸化チタン微粒子 ・・・ 100部
(Nanotek TiO2、平均粒径36[nm]、シーアイ化成社製)
・ 界面活性剤 ・・・ 5.0部
(BYK−P105、ビックケミー社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 1067部
・ シクロヘキサノン ・・・ 267部
比較例25の表面層用塗工液に用いた酸化チタン微粒子を酸化アルミニウム微粒子(Nanotek Al2O3、平均粒径31[nm]、シーアイ化成社製)に変更した以外は比較例25と同様にして、電子写真感光体を作製した。
比較例26の表面層用塗工液に用いた酸化チタン微粒子を酸化アルミニウム微粒子(Nanotek Al2O3、平均粒径31[nm]、シーアイ化成社製)に変更した以外は比較例26と同様にして、電子写真感光体を作製した。
比較例25の表面層用塗工液に用いた酸化チタン微粒子を酸化錫微粒子(Nanotek SnO2、平均粒径21[nm]、シーアイ化成社製)に変更した以外は比較例25と同様にして、電子写真感光体を作製した。
比較例26の表面層用塗工液に用いた酸化チタン微粒子を酸化錫微粒子(Nanotek SnO2、平均粒径21[nm]、シーアイ化成社製)に変更した以外は比較例26と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例で作製した電子写真感光体を表1に示し、比較例で作製した電子写真感光体を表2示す。
各電界強度における電子写真感光体の表面抵抗率を測定した。
上記表面固有抵抗率R1は、上記表面層における電界強度が1×104[V/cm]であるときの表面固有抵抗率を測定した。上記電界強度(1×104[V/cm])の設定は、電極(長さ:10[mm]、電極間隙:25[μm])を電子写真感光体表面に形成し、上記電極間隙から算出される適性バイアスを電極に印加することにより行った。上記表面固有抵抗率R1は、電子写真感光体の表面層における上端部から70[mm]、170[mm]、及び270[mm]の三箇所の位置で測定した値の平均値とした。
・電流−電圧計:Keithley社製 ソースメジャーユニット タイプ2410
・電極金属 :金
・電極長さ :10[mm]
・電極間隙 :25[μm]
・測定雰囲気 :25[℃]/50%RH
・測定時間 :70秒間(電圧印加後60秒後の電流値から表面抵抗を算出)
上記表1の結果から、実施例1〜29の電子写真感光体は、低電界(1×104[V/cm])において表面抵抗率が1×1013[Ω/cm2]以上を示し、低電界(1×104[V/cm])においては高抵抗を示すことがわかった。また、実施例1〜29の電子写真感光体における表面固有抵抗率R1と表面固有抵抗率R3との比(R1/R3)については、10以下を示す結果となっており、低電界強度領域での表面抵抗率が極めて安定していることがわかった。
また、実施例1〜29の電子写真感光体は、低電界強度と比較して高電界強度の表面抵抗率は2〜4桁小さくなる傾向であった。特に無機微粒子の含有量が多い場合、低電界強度の表面抵抗率と高電界強度の表面抵抗率との比は大きくなり、約4000程度に達することがわかった。この挙動は表面層に少量の電荷輸送性化合物が含有される場合(電荷輸送性を有しない樹脂100質量部に対して電荷輸送性化合物が20質量部以下、含有される場合)も同様の傾向が見られ、本実施形態に記載の電荷輸送性化合物の含有量であれば、表面抵抗率への影響は小さく抑えることができ、電荷輸送機能を増強することが示唆された。
実施例及び比較例で作製した電子写真感光体について、下記評価を実施した。
画像形成装置(Imagio MP C5000、株式会社リコー製)の感光体ユニットから帯電ユニットを除く部材(クリーニングブレード等)を取り除いた改造感光体ユニットを用いてランニング試験に用いた。実施例及び比較例で作製した電子写真感光体を取り付けた改造感光体ユニットを画像形成装置(Imagio MP C5000)の改造機にセットし、通紙を行わず帯電、現像のみを繰り返し実施できるようにした。帯電条件としては、帯電ローラを用い、直流電圧に交流電圧を重畳させた交番電圧を印加し、交流電圧のピークツーピーク電圧Vppを約1.9[kV]、周波数fを約900[Hz]、直流電圧を−650[V]、電子写真感光体の回転速度を230[mm/sec]に設定した。現像条件としては、655[nm]のLDを用い、書き込みパターンを100%書き込みパターン(全ベタ)とした。本条件で10万枚のランニング(5%テストパターン/帯電−露光電位差550[V]/電子写真感光体静電容量110[pF/cm2])と同等の静電疲労を電子写真感光体に負荷するためには、約2.5時間のランニングによって達成できることが通過電荷量計算からわかっており、電気特性の評価では、ランニング10万枚相当の静電疲労試験を上述の改造機を用いて実施した。また、画像出力の評価では、画像出力時の初期空転プロセスをなくすように改造したIPSiO MP C5000改造機を用いて実施した。
電気特性及び画像出力の評価では、トナーとして、Imagioトナータイプ27(株式会社リコー製)を用い、用紙としてはNBS MyPaper(A4サイズ、株式会社リコー製)を用いた。
電気特性の評価は、スタート時の感光体表面電位を−650[V]として、上記静電疲労前後における機内電位(帯電後電位及び露光部電位)を測定することにより評価した。結果を表3に示す。
画像出力の評価は、出力画像として、ハーフトーン出力を3枚連続で行い、出力画像のドット再現状態を目視及び顕微鏡にて確認することにより評価した。結果を表5及び表6に示す。
上記摩耗耐久試験は、画像形成装置として、Imagio MP C5000(株式会社リコー製)を改造したものを使用した。画像形成装置の改造は、以下のように行った。
プロセスカートリッジから予め滑剤バーを取り除き、電子写真感光体外部から滑剤供給をしないように予め改造した装置を用いた。トナーとしてが、Imagioトナータイプ27(株式会社リコー製)を用い、用紙としてはNBS MyPaper(A4サイズ、株式会社リコー製)を用いた。ランニング条件としてはスタート時に感光体表面電位を−650[V]となるように帯電条件を調整し、5%テストチャートを用いて10万枚のランニングを実施し、ランニング前後の膜厚測定結果をもとに感光体摩耗量を評価した。
ランニングに供した電子写真感光体は、上記電子写真感光体の表面層に含有される電荷輸送性を有しない樹脂として架橋構造を有する樹脂を使用したものであって、上記試験により長期間使用しても暗部電位及び明部電位の変動が比較的少なかった実施例11〜24で作製した電子写真感光体を使用した。結果を表7に示す。
上記ユニバーサル硬度の測定は、電子写真感光体の状態で下記条件において5回測定することにより行い、それらの平均値を電子写真感光体のユニバーサル硬度とした。
〔条件〕
装置:フィッシャースコープ H−100(フィッシャー・インストルメンツ社製)
ソフト:WIN−HCU(フィッシャー・インストルメンツ社製)
最大試験荷重:1mN
荷重アプリケーション時間:30秒間
荷重の増加:1mN/30秒間
最大試験荷重でのクリープ:5秒間
荷重の減少:荷重の増加と同条件
徐荷後のクリープ:5秒間
圧子:SMC117
上記弾性仕事率の測定は、上記ユニバーサル硬度と同様の方法により測定した。上記弾性仕事率は、下記式(4)を用いて算出した。
弾性仕事率(%)=100×(最大変位−塑性変位)/最大変位 ・・・(4)
本結果から、上記表面層における電荷輸送性を有しない樹脂が架橋性構造を有し、上記表面層のユニバーサル硬度が250[N/mm2]以上であると、表面付着が少ない表面層となることがわかった。また、本実施形態において優れた摩耗耐久性を示す表面層としては、上記表面層の弾性仕事率が50%以上であれば良く、55%以上の場合には摩耗耐久性が極めて高くなることがわかった。
先の図1に示した画像形成装置においては、各プロセスカートリッジ121Y,121C,121M,121Kの帯電ローラ41に印加するバイアスを直流にしているが、帯電ローラ41に印加するバイアスとして直流電圧に交流電圧を重畳することで、帯電ローラ41の汚れを抑制することができる。これにより、帯電ローラ41に直流電圧のみを印加するものに比べて、帯電ローラ41の汚れによる帯電不良を抑制することができ、プロセスカートリッジ121の寿命を延ばすことができるという利点がある。
具体的に説明すると、Y、C、M色用のクリーニングブレード62Y,62c,62Mは、弾性ブレード622のエッジ層622bの100%モジュラス値が、バックアップ層622aより大きい先の図8を用いて説明したクリーニングブレード62を用い、K色用のクリーニングブレード62Kは、エッジ層622bの100%モジュラス値が、バックアップ層622aより小さい弾性ブレード622を用いた。
(態様A)
表面移動する感光体10等の像担持体の表面にトナー像を形成し、該トナー像を最終的に転写紙等の記録材上に転写して該記録材上に画像を形成するとともに、転写後の該像担持体の表面に付着している付着物をクリーニング装置30によって除去するプリンタ100等の画像形成装置において、上記像坦持体は、導電性支持体21上に少なくとも感光層23,24,26と表面層25とを順に積層した感光体10であり、該表面層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない樹脂成分と無機微粒子とから構成されており、1×104[V/cm]の電界強度のときの該感光体の表面固有抵抗率R1が1013[Ω/cm2]以上であり、該表面固有抵抗率R1と1.5×105[V/cm]の電界強度のときの表面固有抵抗率R1.5との比率R1/R1.5が、100以上5000以下の範囲内であるものであり、上記クリーニング装置30は、弾性ブレード622等のブレード部材と、該ブレード部材を保持するホルダー621等の保持部材とを備えており、該ブレード部材の先端稜線部62cを上記像坦持体の表面に当接させて該像坦持体の表面から付着物を除去するものであり、上記ブレード部材は、100%モジュラス値が互いに異なる材質からなる複数の層によって構成された積層構造の弾性ブレードであり、該弾性ブレードの複数の層のうち、上記先端稜線部を備えるエッジ層622bを、バックアップ層622a等の他の層に比べて100%モジュラス値の高い材質によって形成したことを特徴とする。
これによれば、当該感光体を用いることで高耐久感光体を実現でき、その感光体表面に潤滑剤を付与しなくても、感光体表面の膜厚減少を抑制して、感光体の高寿命化が可能である。また、本態様で用いるブレード部材は、エッジ層について、100%モジュラス値が大きくかつゴム硬度が高い材料を用いることで、クリーニング対象が高耐久感光体の表面であっても、ブレード部の先端稜線部が不安定な挙動を示すことを抑制できる。これにより、高耐久感光体に対する高いクリーニング性と高い耐摩耗性を実現できるとともに、白抜け状の異常画像の発生を抑制できる。また、他の層については、100%モジュラス値を低くしているので、長期使用でもヘタリが少ない。したがって、長期使用でも感光体表面に対するブレード部の当接圧低下が生じにくい。
上記態様Aにおいて、上記像担持体の表面層における1×104[V/cm]の電界強度のときの表面固有抵抗率R1と3×104[V/cm]の電界強度のときの表面固有抵抗率R3との比率R1/R3が、0.1以上10以下の範囲内であることを特徴とする。
これによれば、低電界強度領域での表面抵抗率を安定させることができ、初期状態から経時にわたって良好なドット再現性を得ることができる。
上記態様A又はBにおいて、上記像担持体の表面層を構成する上記無機微粒子は、ガリウム元素をドープした酸化亜鉛粒子であることを特徴とする。
これによれば、明部電位の安定性が高くなり、暗部電位及び明部電位とも変動を抑制できる。
上記態様A〜Cのいずれかの態様において、上記像担持体の表面層を構成する上記樹脂成分は、架橋重合性化合物を含むことを特徴とする。
これによれば、電荷輸送性及び潜像維持性に優れる表面層を得ることができる。
上記態様Dにおいて、上記架橋重合性化合物は、ラジカル重合性官能基を有する化合物を光照射によって架橋重合させてなる架橋重合体であることを特徴とする。
これによれば、電荷輸送性及び潜像維持性に優れる表面層を良好に得ることができる。
上記態様A〜Eのいずれかの態様において、上記弾性ブレードの上記エッジ層を、23[℃]の温度下における100%モジュラス値が6[MPa]以上12[MPa]以下である材質で形成したことを特徴とする。
これによれば、上述した効果が得られる弾性ブレードの実現が容易となる。
上記態様A〜Fのいずれかの態様において、黒色と黒色以外の色とを含む2色以上のトナー像をそれぞれ個別の像担持体の表面に形成し、各色トナー像を最終的に記録材上に重なり合うように転写して該記録材上に画像を形成するとともに、転写後の各像担持体の表面に付着している付着物をそれぞれのクリーニング装置によって除去するものであり、少なくとも上記黒色以外の色について、対応する像担持体として上記感光体を用い、かつ、対応するクリーニング装置として、上記ブレード部材を備えたものを用いたことを特徴とする。
これによれば、使用頻度が相対的に低い黒色以外の色については、上述した態様に係る像担持体及びクリーニング装置を用いることで、潤滑剤供給装置を省略して小型化、低コスト化を図ることができる。一方、使用頻度が相対的に高い黒色については、既存の像担持体やクリーニング装置を用いるとともに潤滑剤供給装置を設けるという構成をとることができ、交流電圧による感光体表面劣化や感光体膜削れ量の低減を安定して図ることができる。
上記態様Gにおいて、電圧が印加された帯電部材によって各像担持体の表面を一様に帯電処理した後に、各像担持体の表面にトナー像を形成するものであり、黒色についての帯電部材には、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加し、黒色以外の色についての帯電部材には、直流電圧のみを印加することを特徴とする。
これによれば、黒色についての帯電部材には、高寿命化、高画質化への要求から、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加する一方、黒色以外の色についての帯電部材には、交流電圧を印加せずに、交流電圧の印加による不具合を軽減することができる。すなわち、交流電圧の印加による異常音やオゾン発生に対応するための手段(防音部材やオゾン処理機構)の追加や、これによる装置の大型化や重量化などの不具合が軽減される。また、黒色以外の色についての帯電部材には、交流電圧を印加しないので、感光体膜削れの防止や感光体表面劣化防止の目的での潤滑剤塗布を省略することが可能となり、更なる装置の小型化、コスト低減が図れる。
上記態様Hにおいて、黒色についての像担持体の表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置を有することを特徴とする。
これによれば、交流電圧の印加による感光体膜削れや感光体表面劣化を抑制して、黒色についての像担持体の長寿命化を図るとともに、クリーニングブレードのエッジ挙動を安定させてクリーニング性能を向上させる等のメリットも得られる。
上記態様H又はIにおいて、上記黒色以外の色についての帯電部材は、上記像坦持体の表面に接触して該像担持体の表面を帯電させる接触帯電部材であることを特徴とする。
これによれば、オゾンの発生を抑制できる。
30 クリーニング装置
41 帯電ローラ
50 現像装置
62 クリーニングブレード
62c 先端稜線部
70 潤滑剤塗布装置
90 定着装置
100 プリンタ
121 プロセスカートリッジ
140 露光装置
160 中間転写装置
162 中間転写ベルト
165 二次転写ローラ
201 防音部材
202 オゾン処理機構
621 ホルダー
622 弾性ブレード
622a バックアップ層
622b エッジ層
Claims (10)
- 表面移動する像担持体の表面にトナー像を形成し、該トナー像を最終的に記録材上に転写して該記録材上に画像を形成するとともに、転写後の該像担持体の表面に付着している付着物をクリーニング装置によって除去する画像形成装置において、
上記像坦持体は、導電性支持体上に少なくとも感光層と表面層とを順に積層した感光体であり、該表面層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない樹脂成分と無機微粒子とから構成されており、1×104[V/cm]の電界強度のときの該感光体の表面固有抵抗率R1が1013[Ω/cm2]以上であり、該表面固有抵抗率R1と1.5×105[V/cm]の電界強度のときの表面固有抵抗率R1.5との比率R1/R1.5が、100以上5000以下の範囲内であるものであり、
上記クリーニング装置は、ブレード部材と、該ブレード部材を保持する保持部材とを備えており、該ブレード部材の先端稜線部を上記像坦持体の表面に当接させて該像坦持体の表面から付着物を除去するものであり、
上記ブレード部材は、100%モジュラス値が互いに異なる材質からなる複数の層によって構成された積層構造の弾性ブレードであり、該弾性ブレードの複数の層のうち、上記先端稜線部を備えるエッジ層を、他の層に比べて100%モジュラス値の高い材質によって形成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記像担持体の表面層における1×104[V/cm]の電界強度のときの表面固有抵抗率R1と3×104[V/cm]の電界強度のときの表面固有抵抗率R3との比率R1/R3が、0.1以上10以下の範囲内であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2の画像形成装置において、
上記像担持体の表面層を構成する上記無機微粒子は、ガリウム元素をドープした酸化亜鉛粒子であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記像担持体の表面層を構成する上記樹脂成分は、架橋重合性化合物を含むことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4の画像形成装置において、
上記架橋重合性化合物は、ラジカル重合性官能基を有する化合物を光照射によって架橋重合させてなる架橋重合体であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記弾性ブレードの上記エッジ層を、23[℃]の温度下における100%モジュラス値が6[MPa]以上12[MPa]以下である材質で形成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
黒色と黒色以外の色とを含む2色以上のトナー像をそれぞれ個別の像担持体の表面に形成し、各色トナー像を最終的に記録材上に重なり合うように転写して該記録材上に画像を形成するとともに、転写後の各像担持体の表面に付着している付着物をそれぞれのクリーニング装置によって除去するものであり、
少なくとも上記黒色以外の色について、対応する像担持体として上記感光体を用い、かつ、対応するクリーニング装置として、上記ブレード部材を備えたものを用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項7の画像形成装置において、
電圧が印加された帯電部材によって各像担持体の表面を一様に帯電処理した後に、各像担持体の表面にトナー像を形成するものであり、
黒色についての帯電部材には、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加し、黒色以外の色についての帯電部材には、直流電圧のみを印加することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8の画像形成装置において、
黒色についての像担持体の表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8又は9の画像形成装置において、
上記黒色以外の色についての帯電部材は、上記像坦持体の表面に接触して該像担持体の表面を帯電させる接触帯電部材であることを特徴とする画像形成装置。
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