JP4990679B2 - 電子写真感光体、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
例えば、円筒状支持体の例を挙げると、押出・引き抜き加工を施すED管や、押し出し後に外表面にしごき加工を施すEI管、しぼり・しごき加工を施すことにより製作されるDI管等、各種のものが用いられており、いずれも表面切削を要しないために量産性に優れ、コストダウンが図れる。
そこで、支持体表面を粗面化する他の方法として、例えば湿式(液体)ホーニング処理が考案されている。
(2)「前記中空粒子が、架橋構造を有する樹脂粒子であることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真感光体」
(3)「前記中空粒子が、スチレン−アクリル共重合体系の樹脂粒子であることを特徴とする前記第(2)項に記載の電子写真感光体」
(4)「前記中空粒子が、無機粒子であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項の何れかに記載の電子写真感光体」
(5)「前記中空粒子が、平均粒径が異なる2種以上の粒子であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項の何れかに記載の電子写真感光体」
(6)「前記金属酸化物が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化錫、酸化ジルコニウム、または酸化インジウムからなる群より選択される少なくとも1種の粒子であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項の何れかに記載の電子写真感光体」
(7)「前記金属酸化物が、平均粒径が異なる2種以上の粒子であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項の何れかに記載の電子写真感光体」
(8)「前記結着樹脂が、硬化性樹脂であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項の何れかに記載の電子写真感光体」
(9)「前記下引き層の膜厚が3μm以上25μm以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項の何れかに記載の電子写真感光体」、により達成される。
(11)前記帯電手段が、接触配置された帯電部材により帯電を行なう帯電手段であることを特徴とする(10)記載の画像形成装置により達成される。
(12)前記帯電手段が、近接配置された帯電部材により帯電を行なう帯電手段であることを特徴とする(10)記載の画像形成装置により達成される。
(13)画像形成装置本体に対して、着脱自在に装着し得るプロセスカートリッジであって、前記第(1)項乃至第(9)項の何れかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、の中から選ばれた少なくとも1つの手段とをカートリッジ容器に組み込んで構成したものであることを特徴とするプロセスカートリッジにより達成される。
(14)前記帯電手段が、接触配置された帯電部材により帯電を行なう帯電手段であることを特徴とする前記第(13)項に記載のプロセスカートリッジにより達成される。
(15)前記帯電手段が、近接配置された帯電部材により帯電を行なう帯電手段であることを特徴とする前記第(13)項に記載のプロセスカートリッジにより達成される。
説明の都合上、本発明における最良の形態の例を、主に積層型感光体について説明するが、本発明は積層型感光体に限定されるものではない。
本発明の画像形成装置に用いられる電子写真感光体は、導電性支持体上に、少なくとも下引き層、感光層を順次積層し、該下引き層が少なくとも、中空粒子、金属酸化物、及び結着樹脂からなることを特徴とするものである。
図1は、本発明において用いられる電子写真感光体の一例を示す断面図であり、導電性支持体(21)上に、少なくとも中空粒子、金属酸化物、及び結着樹脂を含有する下引き層(22)と、少なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する感光層(25)が順次形成されているものである。
導電性支持体(21)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨などの表面処理した管などを使用することができる。アルミ素管についてはJIS3003系、JIS5000系、JIS6000系等のアルミニウム合金を、EI法、ED法、DI法、II法など一般的な方法により管状に成形を行なったもの、更にはダイヤモンドバイト等による表面切削加工や研磨、陽極酸化処理等を行なったものを用いることができる。
また、フレキシブルにレイアウトできることから装置の小型化が図れるエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルト等を導電性支持体(21)として有効に用いることができる。
本発明に用いられる感光体おいて、下引き層(22)は、導電性支持体(21)と感光層(25)との間に設けられる、少なくとも、中空粒子、金属酸化物、及び結着樹脂を含有する層である。
例えば、酸化チタンは、鉱石を硫酸と反応させ硫酸塩溶液を作り、溶液の清澄、加水分解による含水酸化チタンの沈殿、含水酸化チタンの洗浄、焼成、粉砕・表面処理する工程よりなる硫酸法をはじめとして、塩素法、弗酸法、塩化チタンカリウム法、四塩化チタン水溶液法等の製法に準じて得られるが、中でも高純度の酸化チタンを得るには塩素法の方が好ましい。塩素法は原料のチタンスラグを塩素により塩素化し四塩化チタンとし、これを分離・凝縮・精製後酸化し、生成した酸化チタンを粉砕・分級、必要に応じ表面処理し、濾過・洗浄・乾燥後、粉砕することで酸化チタンを製造する製造法である。
更に、分散性向上等の諸特性を改善するために、表面被覆処理を施した粒子等を適宜用いることができ、また均一な表面処理を行なうために、金属酸化物粒子の表面に複数回の表面処理を施すことも有効である。
また、適切な比抵抗を得るために、必要に応じて導電性被覆層を設けたものを用いることも有効である。
金属ワイヤーに高電圧を印加して用いる従来のコロナ放電による帯電プロセスでは、コロナ帯電器下の画像ボケや感度低下、またコロナ帯電による電子写真プロセスを繰り返すことによるオゾン濃度の増加や、金属ワイヤーの汚れによる画像品質の低下を引き起こすといった問題点を補うために提案されたものであるが、従来のコロナ放電による帯電プロセスを用いた装置では発生しなかった新たな画像欠陥という問題が発生するようになってきている。
特に、近接帯電装置においては、帯電均一性を確保するためには、帯電部材への印加電圧が直流成分のみであれば帯電部材及び感光体の部品精度を非常に高くする必要があり、現実的には帯電部材への印加電圧は直流成分に帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧を有する交流電圧を重畳することが必須である。しかしながら、帯電部材への印加電圧を、直流成分に帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧を有する交流電圧を重畳したものとした場合には、微小空隙における放電によって感光層の削れ量が著しく増大し、感光層の膜厚減少によって電界強度が増大するために、支持体側からの電荷注入が促進され、帯電能の低下や反転現像系における地汚れ等の現象が現れたり、静電疲労の促進などを生じることになり、感光体の寿命を著しく低減する要因となる。ここで電界強度とは、電界強度(V/μm)=現像位置における未露光部表面電位(V)/感光層膜厚(μm)で定義されるものである。
しかしながら、キャリアの小粒径化は、現像ローラの中の磁石によって生じる磁場から受ける磁気的拘束力の弱まりを生じ、粒子が飛散して感光体へのキャリア付着の問題を引き起こし、結果として絶縁破壊による異常画像を生じる。
例えば、支持体から電荷が注入されると、帯電性の低下や、反転現像方式の場合には、画像を印字しない白地領域に無数の黒点が発生する地汚れ現象を引き起こし、電気的抵抗が高すぎると感光層で発生した電荷が下引き層を経由して支持体に移動することが困難になるために、感光層内部に滞留し、その結果として残留電位の上昇や繰り返し使用による電位変動の原因になる。
第1の効果は、中空粒子であることにより、効果的に光散乱性等の機能を向上させることができることである。すなわち、中空粒子を用いることにより、例えば架橋重合体粒子の場合、有機外殻を形成するポリマー部と内部の空間との光の屈折率が異なるため、光を散乱、遮蔽する効果を発揮する。したがって、このような中空粒子は光散乱材の光散乱成分として効果的に使用することができる。
近年、電子写真方式の画像形成方法はデジタル方式の画像形成が主流であり、デジタル方式の画像形成方法は半導体レーザーの単波長光を用いて1画素の小さなドット画像を忠実に顕像化する高画質技術が要求されている。
従来、このような干渉縞発生への防止対策として、導電性支持体や下引き層表面に粗面化処理を施する方法を採用していたために、製造工程の複雑さが製造コストを上昇させてしまう欠点を有していたが、本発明では、光散乱性の機能を有する粒子を、金属酸化物および、適当な結着樹脂に分散させて、浸漬塗工法にて導電性支持体を被覆する方法を用いているために生産性の向上が図れる。
一般に、中空粒子は、その製造方法による性能の違いはあるものの、空隙の無い、いわゆる「中実粒子」に比較すれば、光散乱性、白色度、軽量化の向上が認められている。しかしながら、中空粒子を添加した塗工液では、高剪断力下での粘度が増大するという課題を抱えていることも事実であり、塗工作業性が悪化する場合がある。
光散乱性を向上させるといった点においては、粒子径が揃えられた方が好ましく、粒径の異なる粒子同士の混合系は、粒子径が均一に揃えられたものと比較して、その光散乱性は低下する。しかしながら、粒子径を均一にすると溶液の粘度は増大するために、分散性に優れた塗布液は得られにくくなり、特に中空粒子の場合はその傾向が顕著となる。しかしながら、本発明の下引き層にあるように、均一な粒子径を有する中空粒子に粒径の異なる中空粒子が混入した塗布液は、中空粒子の光散乱性等を低下させることなく、粘度上昇を抑制できる。
更に、塗布液の粘度上昇は、塗布槽中に設けられた攪拌装置によって攪拌しても粘度上昇によって混ざりにくく、場合によっては、気泡が混入しやすく、一度気泡が混入すると抜けにくい。また、塗工時においても、気泡の発生を極力抑えるために浸漬状態からの引き上げ速度を落とすことにより対処することもできるが生産効率を低下させるといった問題があるが、本発明によれば、感光体作製時の気泡発生を抑制し、組成ムラや膜厚ムラの影響がほとんど無く、また、繰り返し使用による感度や残留電位や抵抗値変動の無い優れた画像を形成することができる。
本発明の下引き層の構成は、適切な粒径および混合比でもって含有されている中空粒子、金属酸化物および結着樹脂が、下引き層の適切な充填化を実現し、かつその中空粒子自体が有する弾性力(クッション性)が成膜時における体積収縮の局所的な応力集中を緩和している。すなわち、本発明の下引き層中に含有される中空粒子自身が、成膜時のみならず、画像形成時の外部応力を吸収する緩衝層としての機能をも担い、下引き層の機能を飛躍的に高めることができる。
一般に、下引き層または感光層をコーティングした後に感光体がコーティングした側にカールするのは、塗布した下引き層または感光層と支持体との間で熱収縮における不整合があるためと考えられている。すなわち、塗工後に高温加熱して乾燥させ、次いで室温にまで冷却した際に、この不整合が表面化する。つまり、下引き層や感光層の寸法収縮が支持体の収縮よりも大きく、そのために感光体がコーティングした側にカールしてしまうが、本発明では、断熱効果を有する中空粒子を含有した構成によりカール矯正効果が発現し易く、上記問題を解消するものである。
例えば、絶縁破壊を抑制する上で有効とされている下引き層の厚膜化は電気抵抗が上昇するため残留電位の上昇を引き起こしてしまう。そこで、電気抵抗を低減させる目的で、酸化錫をコートした金属酸化物粒子や、下引き層中の導電性粒子間に形成されていた空隙を充填するような小粒径の金属酸化物を用いることにより、粒子間での良好な電気伝導性が得られ、残留電位の上昇を引き起こすことのない厚膜の下引き層を形成することが可能となる。しかしながら、一方で、電気抵抗値の低下が、支持体からの電荷注入を招く結果にもなり得て、抵抗調整の機能と支持体からの電荷をブロッキングする機能との両立は非常に困難であった。
更に、接触帯電方式や二成分現像方式を用いる画像形成装置において、感光体表面に導電性の異物が付着または貫入した場合でも、本発明は、適当な抵抗値を有した厚膜の下引き層の形成を可能にするので、局所的な高電場が印加されることによって生じる感光層の絶縁破壊の発生が低減されるものと考えている。
本発明において、中空粒子とは粒子体積の内部に1つ又は複数の空隙を有する粒子であり、例えば、外殻部分、いわゆるシェルを有するものをいう。中空粒子の外殻部分の厚みは、中空粒子の内部に空隙部を確保することができれば、薄いものから厚いものまで含み得る。
本発明に適した有機高分子材料からなる中空粒子は、特定の製法に限定されるものではなく、大日本インキ、三井東圧、日本ゼオン、JSRなどから市販されているような、一般的なエマルジョン重合、乳化重合、ガス発泡タイプの懸濁重合などで製造された粒子を使用することができるが、高品質の画像特性を得る観点から、本発明では、特に架橋型重合体粒子が好ましく用いられる。
架橋重合型の中空粒子とは、中空粒子のシェル部を構成している樹脂が、架橋されていることを意味しており、例えば、架橋スチレン系粒子、架橋アクリル系粒子、架橋ウレタン系粒子、架橋シリコーン系粒子、架橋アルキド系粒子、架橋ポリエステル系粒子等が挙げられる。
特に、スチレン−アクリル共重合体を主成分とする中空粒子であれば、粒子調製時にジビニルベンゼン等で架橋されているものが分散性に優れるために好ましい。ジビニルベンゼン共重合体粒子は硬度が高いため粒子間の凝集力が小さく、再分散性に優れ、更に耐熱性、耐溶剤性にも優れる好ましい。例えば、JSR社製のSX8782(P)、SX8782(A)、SX866(A)等が挙げられる。
本発明における平均粒径とは、特別な記載のない限り体積平均粒径であり、市販の超遠心式自動粒度分布測定装置:CAPA−700(堀場製作所製)を用い、粒度分布測定装置取扱いマニュアルに準じて測定したものである。この際、累積分布の50%に相当する粒子径(Median径)として算出されたものである。試料濃度は、吸光度で0.9〜1.0の範囲に入るように調整したものを用いた。
ここで体積中空率とは中空粒子の外径と内径の値から算出され、粒子体積に対する中空部分の体積の割合を示したものである。他の方法として、中空粒子と貧溶媒からなる中空粒子分散液の比重、前記分散液における中空粒子の質量分率及び中空粒子の壁材を形成する無機化合物の真比重、及び貧溶媒の比重から求めることもできる。なお貧溶媒とは中空粒子の壁材を形成する無機化合物を溶解及び/又は膨潤させない溶媒を指す。更に、中空粒子の体積中空率については、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)等を用いて、下引き層の断面写真から求めることも可能である。
これらの金属酸化物は前述の無機中空粒子を用いる場合に、例えば二酸化珪素からなる無機中空粒子を添加することで、それで中空粒子と金属酸化物の両者を兼ねても良いし、または、別に酸化チタンを添加して中空粒子と金属酸化物を別々としても良いが、中空粒子と金属酸化物を別々として兼ねないほうが好ましい。
異なる粒子径を有する金属酸化物を含有することにより、塗布液の分散安定性が良好で、かつ塗布液の粘度調整が容易になるために、均一な塗膜形成が可能となる結果、下引き層の抵抗値の偏りが低減する。更に、繰り返し使用による残留電位上昇が引き起こす画像劣化の抑制することができる。
更に、小粒径の金属酸化物粒子を用いることにより、支持体表面の微小な凹凸部の間隙を埋めて、密着性を著しく向上させることができる。したがって、剥離やクラックの発生させることなく、形状の曲率が高い小径の円筒状支持体上や、ベルト駆動ローラー等と当接する際に発生するローラー部の曲率による応力や駆動時・停止時のテンションによる応力等、ドラム状感光体よりも受ける機械的負荷が大きいベルト状感光体にも採用することができる。
金属酸化物10gを水100ミリリットル中に添加、分散剤添加、pHを10.5に調整後、ジルコニアビーズ(φ0.5mm)を200g投入し、ペイントシェーカーにて2時間分散を行った。得られた金属酸化物分散液数滴をpH10.5に調整した水300ミリリットル中に滴下、更に超音波分散を1分行い、粒度分布測定用の測定液を調整した。この測定液を、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(HORIBA LA-910)にて測定、粒度分布を得るとともに、装置保有の解析モードにより平均粒径値を得た。
この効果は、本発明による平均粒径が異なる2種以上の金属酸化物粒子と組み合わせることによって更に向上し、構造的に緻密でかつ吸湿性の低い下引き層を得ることができる。
硬化剤としては、メラミン樹脂、ポリイソシアネート樹脂、フェノール樹脂等、公知の硬化剤を用いることができる。
アルキッド樹脂の市販品としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製の「ベッコゾール」シリーズ、「スーパーベッコゾール」シリーズなどが挙げられる。
メラミン樹脂の市販品としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製のブチル化メラミン樹脂である「スーパーベッカミン」シリーズ、三井サイテック社製の「サイメル」シリーズ、住友化学社製の「スミマール」シリーズ、三和ケミカル社製の「ニカラック」シリーズなどが挙げられる。
フェノール樹脂の市販品としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製の「プライオーフェン」シリーズが挙げられる。
下引き層(22)の形成の際には、本発明の金属酸化物および結着樹脂と、必要に応じてその他の添加剤を適当な溶剤に混合・分散させた下引き層用塗工液が用いられる。溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶剤、トルエン等の芳香族炭化水素系溶剤、エチルセロソルブ、メチルセルソルブ等が挙げられ、これらは単独、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
下引き層の塗膜の熱硬化は、下引き層塗布後直ちに行ってもよいが、下引き層上に形成される感光層(25)を形成する際の過熱によって行ってもよい。
乾燥温度は、10℃〜250℃、好ましくは100℃〜200℃の範囲で5分〜5時間、好ましくは10分〜2時間の送風乾燥または静止乾燥により行なうことができる。
下引き層の膜厚は、渦電流式膜厚計フィッシャースコープMMS(フィッシャー・インストルメンツ社製)等を用いて測定することができる。
本発明の感光体においては、必要に応じて導電性支持体(21)と感光層(25)との間に中間層を設けることができる。すなわち導電性支持体(21)と下引き層(22)との間か、下引き層(22)上に設けることができる。その上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い構成であるが望ましい。
高温高湿、低温低湿などの環境においても電気特性に影響を受けず、繰り返し使用においても電位安定性に優れていることから、ジルコニウム、チタニウム、シリコン等を含有する有機金属化合物を含有する硬化膜により形成されていることが好ましい。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルモノメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、モノフェニルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
中間層の膜厚は、残留電位の上昇や感度低下を引き起こすことなく、電気的なブロッキング機能を有する3μm以下が好ましく、更に好ましくは、0.05〜0.5μm程度が適当である。
次に、感光層(25)について説明する。本発明における感光層(25)は積層構成でも単層構成でもよいが、ここでは、説明の都合上、まず、積層構成について述べる。
はじめに電荷発生層(23)について説明する。
電荷発生層(23)は、画像露光により潜像電荷を発生分離させることを目的とし、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
また、電荷発生層(23)のバインダー樹脂として、高分子電荷輸送物質を用いることができる。
たとえば、ポリ−N−ビニルカルバゾール等のカルバゾール環を有する重合体、特開昭57−78402号公報等に例示されるヒドラゾン構造を有する重合体、特開昭63−285552号公報等に例示されるポリシリレン重合体、特開平8−269183号公報、特開平9−151248号公報、特開平9−71642号公報、特開平9−104746号、特開平9−328539号公報、特開平9−272735号公報、特開平9−241369号公報、特開平11−29634号公報、特開平11−5836号公報、特開平11−71453号公報、特開平9−221544号公報、特開平9−227669号公報、特開平9−157378号公報、特開平9−302084号公報、特開平9−302085号公報、特開平9−268226号公報、特開平9−235367号公報、特開平9−87376号公報、特開平9−110976号公報、特開2000−38442号公報に例示される芳香族ポリカーボネートが挙げられる。これらの高分子電荷輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層(23)に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層(23)を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とに大別できる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法などが用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
以上のようにして設けられる電荷発生層(23)の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
電荷輸送層(24)は、帯電電荷を保持させ、かつ露光により電荷発生層(23)で発生した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的達成のために電気抵抗が高いことが要求され、また保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的と達成するためには、誘電率が小さくかつ電荷移動性が良いことが要求される。これらの要件を満足させるための電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層(23)上に塗布、乾燥することにより形成できる。
また、電荷発生層(23)上に第1電荷輸送層および第2電荷輸送層を有し、第2電荷輸送層が表面層となる積層型の電荷輸送層を形成することも可能である。
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂等が挙げられ、単独でも2種以上の樹脂を混合して用いてもよい。
また、電荷輸送層(24)には、結着樹脂としての機能と電荷輸送物質としての機能を持った高分子電荷輸送物質も良好に使用される。これらの高分子電荷輸送物質から構成される電荷輸送層は、耐摩耗性に優れ有効である。本発明においては、これらの高分子電荷輸送物質に前述の結着樹脂や低分子電荷輸送物質を混合して用いることも可能である。高分子電荷輸送物質としては、前記電荷発生層(23)で記載したような公知の材料を用いることができるが、特に、トリアリールアミン構造を主鎖及び/又は側鎖に含むポリカーボネートが良好に用いられる。
併用できるレベリング剤としてはジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は結着樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
また、併用できる可塑剤としては、例えばハロゲン化パラフィン、ジメチルナフタレン、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート等やポリエステル等の重合体および共重合体などが挙げられ、その使用量は結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
電荷輸送層(24)の膜厚は、5〜100μm程度が適当であり、好ましくは、10〜40μm程度が適当である。
更にこれらの粒子は、分散性向上、表面性改質等の理由から少なくとも1種の無機物、有機物で表面処理させることが好ましい。
これまで、感光層が積層の場合について述べたが、本発明においては、感光層(25)が単層構成でも構わない。単層構成の感光層(25)は、前述した電荷発生物質、電荷輸送物質、結着樹脂等を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを本発明の下引き層(21)上に塗布、乾燥することにより形成できる。結着樹脂としては、電荷発生層(23)や電荷輸送層(24)の説明で挙げた材料を用いることができる。更に、前述した高分子電荷輸送物質も結着樹脂と電荷輸送物質の機能を併せ持つため、良好に使用される。
感光層(25)は、電荷発生物質、結着樹脂を電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、トルエン、メチルエチルケトン、アセトン等の溶剤に溶解ないし分散し、これを浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。
また、必要により前記の可塑剤やレベリング剤等の各種添加剤を添加することもできる。
感光層(25)の膜厚は、5〜50μm程度が適当であり、好ましくは、10〜40μm程度が適当である。
これに使用される材料としては、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン/ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、AS樹脂、AB樹脂、BS樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
また、2種以上の酸化防止剤を混合して添加することにより効果が顕著に高まることがあり、有効である。本発明に用いることができる酸化防止剤として、下記のものが挙げられる。
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコールエステル、トコフェロール類など。
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
本発明における酸化防止剤の添加量は、添加する層の総重量に対して0〜10重量%である。
本発明は、上記電子写真感光体を提供すると共に、本発明の電子写真感光体、帯電手段、画像露光手段、現像手段、および転写手段を用いることを特徴とする画像形成方法、本発明の電子写真感光体、帯電手段、画像露光手段、現像手段、および転写手段を有することを特徴とする画像形成装置を提供するものである。
同図において、本発明の感光体(1)には帯電装置(2)が対向配置される。
図4に示す画像形成装置における帯電装置(2)は、ローラ式の帯電装置を用いる接触帯電方式であるが、本発明では帯電装置(2)にはコロナ帯電装置、接触帯電装置、近接帯電装置(非接触帯電装置)などのいずれの帯電装置も用いることができる。近接帯電法とは、帯電部材と感光体間を数十μm離して帯電する手段である。
帯電ローラ(14)は軸部(14a)とローラ部(14b)とからなる。ローラ部(14b)は軸部(14a)の回転によって回動可能であり、感光体表面のうち画像が形成される画像形成領域(11)に対向する部分は感光体と非接触である。帯電ローラ(14)は、その長手方向(軸方向)の寸法が画像形成領域よりも少し長く設定されており、その長手方向の両端部にスペーサ(15)を設けている。これら2つのスペーサ(15)を感光体表面の両端部の非画像形成領域(12)に当接させることによって、感光体(1)と帯電ローラとの間に微小なギャップ(13)を形成している。
潜像の現像時には、電圧印加機構(図示せず)から現像スリーブ(図示せず)に、感光体(1)の露光部と非露光部の間にある、適当な大きさの電圧またはこれに交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される。
現像されて顕像化されたトナー像は、転写手段(5)により、被転写体(コピー用紙)(9)にトナー像が転写される。このとき転写手段(5)には、転写バイアスとして、トナー帯電の極性と逆極性の電位が印加されることが好ましい。その後、被転写体(9)は、分離装置(6)で感光体(1)より分離された後、定着装置(8)を経て出力画像として排出される。
クリーニング手段(7)は、ゴム製のクリーニングブレードやファーブラシ、マグファーブラシ等のブラシ等を用いることができる。図4では、クリーニング装置(7)はクリーニングブレード(7−1)のみを配設した形式であるが、クリーニングブラシを併設したクリーニング装置も使用可能である。
クリーニングブラシはクリーニングブレード(7−1)の補助的役目を果たすもので、感光体(1)上にトナー量が多い場合に有効である。クリーニングブラシにはループブラシとカットパイルブラシが知られており、システム条件によって使い分けることが望ましい。
感光体(1)には、本発明の感光体が用いられている。感光体(1)は、駆動手段(1C)により駆動され、帯電手段(2)による帯電、露光手段(3)による像露光、現像(図示せず)、転写手段(6)による転写、クリーニング前露光手段(1B)によるクリーニング前露光、クリーニング手段(7)によるクリーニング、除電手段(1A)による除電が繰返し行なわれる。図7においては、感光体(この場合は支持体が透光性である)の支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行なわれる。
なお、実施例中に使用する部は、すべて重量部を表わす。
導電性円筒状支持体として、直径30mm、長さ340mmの3003系アルミニウム合金からなるED管を用意した。このED管上に、下記組成の下引き層用塗工液、中間層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布乾燥することにより、本発明の感光体1を得た。
15cm硬質ガラスポットにその容積の1/2量の1cmφのアルミナ焼結ボールPSZボール、中空粒子、金属酸化物及び結着樹脂、溶剤を投入し、80rpmで72時間ミリングして下引き層用塗工液を調製した。
この下引き層用塗工液をφ30mmのアルミニウムドラム上に浸漬塗布した後、130℃で25分間、加熱硬化乾燥し、約20μmの下引き層を形成した。
酸化チタン 200重量部
(PT−101 平均粒径:0.07μm、石原産業(株)社製)
酸化チタン 150重量部
(CR97 平均粒径:0.3μm、石原産業(株)社製)
アルキッド樹脂 70重量部
(ベッコライト M6401−50、固形分:50%、大日本インキ化学工業(株)社製)
メラミン樹脂 50重量部
(スーパーベッカミン G−821−60、固形分:60%、大日本インキ化学工業(株)社製)
架橋スチレン−アクリル系中空粒子 20重量部
(SX8782(P) 体積中空率:55%、平均粒径:1.1μm JSR(株)社製)
架橋スチレン−アクリル系中空粒子 20重量部
(SX866(A) 体積中空率:30体積%、平均粒径:0.3μm JSR(株)社製)
メチルエチルケトン 500重量部
9cm硬質ガラスポットに容積の1/2量の1cmφのPSZボールと電荷発生物質、ポリビニルブチラールおよび溶剤を投入し、回転数85r.p.m.にて7日間分散を行ない、電荷発生層用塗工液を作製した。この塗工液を上記下引き層上に浸漬塗工し、120℃で20分間加熱乾燥して電荷発生層を形成した。
なお、電荷発生層の膜厚は、655nmにおける電荷発生層の透過率が20%になるように調整した。電荷発生層の透過率は、下記組成の電荷発生層塗工液を、ポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き付けたアルミシリンダーに感光体作製と同じ条件で塗工を行ない、電荷発生層を塗工していないポリエチレンテレフタレートフィルムを比較対照とし、市販の分光光度計(島津:UV−3100)にて、655nmの透過率を評価した。
下記構造式で表わされる電荷発生物質 5重量部
(エスレックBM−1、積水化学工業(株)社製)
シクロヘキサノン 200重量部
メチルエチルケトン 80重量部
下記組成の電荷輸送層用塗工液を前記電荷発生層上に浸漬塗布した後、135℃で25分間加熱乾燥して、30μmの電荷輸送層を形成した。
下記構造式で表わされる電荷輸送物質(D−1) 10重量部
(パンライトTS−2050、 帝人化成(株)社製)
1%シリコーンオイルテトラヒドロフラン溶液 1重量部
(KF−50100CS、信越化学工業(株)社製)
テトラヒドロフラン 90重量部
感光体作製例1における下引き層用塗工液を下記組成のものに変更し、25μmの下引き層を形成した以外は、感光体作製例1と同様に感光体2を作製した。
〔下引き層用塗工液〕
酸化チタン 350重量部
(PT−101 平均粒径:0.07μm、石原産業(株)社製)
アルキッド樹脂 70重量部
(ベッコライト M6401−50、固形分:50%、大日本インキ化学工業(株)社製)
メラミン樹脂 50重量部
(スーパーベッカミン G−821−60、固形分:60%、大日本インキ化学工業(株)社製)
架橋スチレン−アクリル系中空粒子 20重量部
(SX866(A) 体積中空率:30体積%、平均粒径:0.3μm JSR(株)社製)
無機中空粒子 20重量部
(ゴッドボールB−6C、壁材主成分:二酸化珪素、体積中空率91%、平均粒径:2.3μm、鈴木油脂工業(株)製)
メチルエチルケトン 500重量部
感光体作製例1における下引き層用塗工液を下記組成のものに変更し、15μmの下引き層を形成した以外は、感光体作製例1と同様に感光体3を作製した。
〔下引き層用塗工液〕
酸化チタン 350重量部
(CR97 平均粒径:0.3μm、石原産業(株)社製)
アルキッド樹脂 70重量部
(ベッコライト M6401−50、固形分:50%、大日本インキ化学工業(株)社製)
メラミン樹脂 50重量部
(スーパーベッカミン G−821−60、固形分:60%、大日本インキ化学工業(株)社製)
架橋スチレン−アクリル系中空粒子 40重量部
(SX866(A) 体積中空率:30体積%、平均粒径:0.3μm JSR(株)社製)
メチルエチルケトン 500重量部
感光体作製例1における下引き層用塗工液を下記組成のものに変更し、25μmの下引き層を形成した以外は、感光体作製例1と同様に感光体4を作製した。
〔下引き層用塗工液〕
酸化亜鉛 300重量部
(Nano Tek ZnO 平均粒径:0.03μm、シーアイ化成(株)社製)
アルキッド樹脂 90重量部
(ベッコライト M6401−50、固形分:50%、大日本インキ化学工業(株)社製)
メラミン樹脂 70重量部
(スーパーベッカミン G−821−60、固形分:60%、大日本インキ化学工業(株)社製)
架橋スチレン−アクリル系中空粒子 30重量部
(SX8782(P) 体積中空率:55%、平均粒径:1.1μm JSR(株)社製)
メチルエチルケトン 500重量部
感光体作製例1における下引き層用塗工液を下記組成のものに変更し、25μmの下引き層を形成した以外は、感光体作製例1と同様に感光体5を作製した。
酸化亜鉛 300重量部
(Nano Tek ZnO 平均粒径:0.03μm、シーアイ化成(株)社製)
アルキッド樹脂 90重量部
(ベッコライト M6401−50、固形分:50%、大日本インキ化学工業(株)社製)
メラミン樹脂 70重量部
(スーパーベッカミン G−821−60、固形分:60%、大日本インキ化学工業(株)社製)
無機中空粒子 40重量部
(ゴッドボールB−6C、壁材主成分:二酸化珪素、体積中空率91%、平均粒径:2.3μm、鈴木油脂工業(株)製)
メチルエチルケトン 500重量部
感光体作製例1における下引き層用塗工液を下記組成のものに変更し、5μmの下引き層を形成した以外は、感光体製造例1と同様に感光体6を作製した。
〔下引き層用塗工液〕
酸化チタン 60重量部
(PT−101 平均粒径:0.07μm、石原産業(株)社製)
ポリアミド樹脂 90重量部
(アミランCM8000、東レ(株)社製)
架橋スチレン−アクリル系中空粒子 30重量部
(SX8782(P) 体積中空率:55%、平均粒径:1.1μm JSR(株)社製)
メチルアルコール 1400重量部
n−ブチルアルコール 600重量部
感光体作製例1における下引き層用塗工液を下記組成のものに変更し、2μmの下引き層を形成した以外は、感光体作製例1と同様に感光体7を作製した。
酸化チタン 350重量部
(PT−101 平均粒径:0.07μm、石原産業(株)社製)
アルキッド樹脂 70重量部
(ベッコライト M6401−50、固形分:50%、大日本インキ化学工業(株)社製)
メラミン樹脂 50重量部
(スーパーベッカミン G−821−60、固形分:60%、大日本インキ化学工業(株)社製)
架橋スチレン−アクリル系中空粒子 40重量部
(SX866(A) 体積中空率:30体積%、平均粒径:0.3μm JSR(株)社製)
メチルエチルケトン 500重量部
感光体作製例1における下引き層用塗工液を下記組成のものに変更し、20μmの下引き層を形成した以外は、感光体作製例1と同様に感光体8を作製した。
〔下引き層用塗工液〕
酸化チタン 200重量部
(PT−101 平均粒径:0.07μm、石原産業(株)社製)
酸化チタン 150重量部
(CR97 平均粒径:0.3μm、石原産業(株)社製)
アルキッド樹脂 70重量部
(ベッコライト M6401−50、固形分:50%、大日本インキ化学工業(株)社製)
メラミン樹脂 50重量部
(スーパーベッカミン G−821−60、固形分:60%、大日本インキ化学工業(株)社製)
架橋スチレン−アクリル系中空粒子 20重量部
(SX866(A) 体積中空率:30体積%、平均粒径:0.3μm JSR(株)社製)
シリコーン樹脂粒子(中実粒子) 20重量部
(R930 平均粒径:1.0μm 東レ・ファインケミカル(株)社製)
メチルエチルケトン 500重量部
感光体作製例1における下引き層用塗工液を下記組成のものに変更し、3μmの下引き層を形成した以外は、感光体作製例1と同様に感光体9を作製した。
酸化チタン 40重量部
(PT−101 平均粒径:0.07μm、石原産業(株)社製)
酸化チタン 20重量部
(CR97 平均粒径:0.3μm、石原産業(株)社製)
ポリアミド樹脂 90重量部
(アミランCM8000、東レ(株)社製)
架橋スチレン−アクリル系中空粒子 20重量部
(SX8782(P) 体積中空率:55%、平均粒径:1.1μm JSR(株)社製)
架橋スチレン−アクリル系中空粒子 20重量部
(SX866(A) 体積中空率:30体積%、平均粒径:0.3μm JSR(株)社製)
メチルアルコール 1400重量部
n−ブチルアルコール 600重量部
感光体作製例1において、中空粒子を含有しない以外は感光体作製例1と同様に感光体10を作製した。
感光体作製例1における下引き層用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体11を作製した。
酸化チタン 200重量部
(PT−101 平均粒径:0.07μm、石原産業(株)社製)
酸化チタン 150重量部
(CR97 平均粒径:0.3μm、石原産業(株)社製)
アルキッド樹脂 70重量部
(ベッコライト M6401−50、固形分:50%、大日本インキ化学工業(株)社製)
メラミン樹脂 50重量部
(スーパーベッカミン G−821−60、固形分:60%、大日本インキ化学工業(株)社製)
シリコーン樹脂粒子(中実粒子) 20重量部
(R930 平均粒径:1.0μm 東レ・ファインケミカル(株)社製)
シリコーン樹脂粒子(中実粒子) 20重量部
(トスパール120 平均粒径:2.0μm GE東芝シリコーン(株)社製)
メチルエチルケトン 500重量部
感光体作製例1における下引き層用塗工液を下記組成のものに変更し、5μmの下引き層を形成した以外は、感光体作製例1と同様に感光体12を作製した。
酸化チタン 350重量部
(PT−101 平均粒径:0.07μm、石原産業(株)社製)
アルキッド樹脂 70重量部
(ベッコライト M6401−50、固形分:50%、大日本インキ化学工業(株)社製)
メラミン樹脂 50重量部
(スーパーベッカミン G−821−60、固形分:60%、大日本インキ化学工業(株)社製)
シリコーン樹脂粒子(中実粒子) 40重量部
(トスパール120 平均粒径:2.0μm GE東芝シリコーン(株)社製)
メチルエチルケトン 500重量部
感光体作製例1における導電性支持体を、厚さ30μmのニッケルシームレスベルトに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体13を作製した。
感光体作製例2における導電性支持体を、厚さ30μmのニッケルシームレスベルトに変更した以外は、感光体作製例2と同様に感光体14を作製した。
感光体作製例3における導電性支持体を、厚さ30μmのニッケルシームレスベルトに変更した以外は、感光体作製例3と同様に感光体15を作製した。
感光体作製例9における導電性支持体を、厚さ30μmのニッケルシームレスベルトに変更した以外は、感光体作製例9と同様に感光体16を作製した。
感光体作製例11における導電性支持体を、厚さ30μmのニッケルシームレスベルトに変更した以外は、感光体作製例11と同様に感光体17を作製した。
感光体製造例12における導電性支持体を、厚さ30μmのニッケルシームレスベルトに変更した以外は、感光体作製例12と同様に感光体18を作製した。
(芯材粒子製造例)
マンガン及び鉄の酸化物を混合し、ボールミルを用い、水中で48時間湿式粉砕・分散した後乾燥して、電熱式の雰囲気焼成炉にて、弱還元雰囲気下で850℃、1時間の仮焼を行なった。
湿式粉砕は、粉砕メディアとしては10mmφのジルコニアボールをボールミルポット容積の30vol%充填し、固形分を25%となるように調整した酸化物スラリーをボールミルポット容積の20vol%充填して行なった。
続いて、得られた仮焼物を、再度同様の条件で、ボールミルを用い水中で24時間湿式粉砕・分散し、マンガン鉄複合酸化物のスラリーを得た。
このスラリーに、バインダーとしてポリビニルアルコール及び分散剤を加え、スプレードライヤーを用いて造粒・乾燥し、超音波振動篩を用いて分級し、造粒粒子を作成した。
得られた造粒粒子を、電熱式の雰囲気焼成炉にて、弱還元雰囲気下で1200℃、4時間の本焼成して、マンガンフェライト粒子を得た。
更に、得られたマンガンフェライト粒子を、超音波振動篩を用いて分級し、芯材粒子を得た。
シリコーン樹脂(SR2411 東レ・ダウコーニンウ・シリコーン(株)製)100部、アクリル樹脂50部の割合で含むトルエン希釈混合物(固形分:20wt%)に、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン(SH 6020P 東レ・ダウコーニンウ・シリコーン(株)製)を2.0部添加し、さらにトルエンを150部添加してキャリア被覆層塗布液1を得た。
次に、上記芯材粒子に対して、上記塗布液1を流動床型コーティング装置を用いて、80℃の雰囲気下で、50g/minの割合で塗布した。更に、200℃で2時間加熱して、重量平均粒径:35.5μm、キャリア被覆層膜厚:0.6μmのキャリアを得た。
キャリア被覆層の膜厚の調整はコート液量により行い、膜厚の測定は、キャリアを破砕し、その断面を走査型電子顕微鏡で観察することにより求めた。
(添加用ポリエステルの製造例)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物690部、テレフタル酸230部を常圧下、210℃で10時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後160℃まで冷却し、これに18部の無水フタル酸を加えて2時間反応し変性されていないポリエステル(a)(重量平均分子量Mw:85000)を得た。
(プレポリマーの製造例)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物800部、イソフタル酸160部、テレフタル酸60部、およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧において230℃で8時間反応し、更に10〜15mmHgの減圧で脱水しながら5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート170部と2時間反応を行いイソシアネート基含有プレポ
リマー(Mw:35000)を得た。
(ケチミン化合物の製造例)
攪拌棒および温度計のついた反応槽中にイソホロンジアミン30部とメチルエチルケトン70部を仕込み、50℃で5時間反応し、ケチミン化合物を得た。
ビーカー内に上記のプレポリマー14.3部、ポリエステル(a)55部、酢酸エチル78.6部を入れ、攪拌し溶解した。次いで、離型剤であるライスWAX(融点83℃)10部、銅フタロシアニンブルー顔料4部を入れ、40℃にてTK式ホモミキサーを用いて12000rpmで20分攪拌した後、ビーズミルで40分間20℃において粉砕処理した。これをトナー材料油性分散液とする。
ビーカー内にイオン交換水306部、リン酸三カルシウム10%懸濁液265部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ、TK式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、この水分散液に上記トナー材料油性分散液及びケチミン化合物2.7部を加え、攪拌を続けながらウレアー反応させた。
反応後の分散液(粘度:3500mP・s)を減圧下1.0時間以内に50℃以下の温度で有機溶剤を除去した後、濾別、洗浄、乾燥し、次いで風力分級し、球形状のトナー母体粒子(1)を得た。
次に、得られた母体粒子100部、帯電制御剤(オリエント化学社製ボントロンE−84)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定して混合処理した。この場合、その混合操作は、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。
更に、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.7部添加し、混合処理した。この場合、その混合操作は、周速を15m/secとして30秒混合1分間休止を5サイクル行った。
以上のようにして、シアントナーを得た。この顔料系着色材平均分散粒径は5μm、トナーの円形度は0.960であった。
トナーの重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(Dn)は、粒度測定器(「コールターカウンターTAII」;ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定した。これらの結果から(重量平均粒径(D4)/個数平均粒径(Dn))を算出した。
トナー製造例で得られたトナー粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値である平均円形度を評価した。この値はフロー式粒子像分析装置FPIA−2000により平均円形度として計測することができ、具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加え、試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
条件は次のとおりである。
・現像ギャップ(感光体−現像スリーブ):0.4mm
・ドクターギャップ(現像スリーブ−ドクター):0.7mm
・感光体線速度:125mm/sec
・(現像スリーブ線速度)/(感光体線速度):1.5
・書込み密度:600dpi
・帯電電位(Vd):−750V
・画像部(ベタ原稿)にあたる部分の感光後の電位:−100V
・現像バイアス:DC−500V/交流バイアス成分:2KHz、−100V〜−900V、50%duty
評価方法としては、初期の電気特性を評価した後、3万枚(A4サイズで横方向に通紙)の通紙試験を実施し、耐久性試験後の電気特性、および3万枚通紙後後の画像について、(1)干渉縞発生の有無、(2)地汚れ、(3)ハーフトーンの画像品質評価を行なうと同時に、感光体の表面観察を行って絶縁破壊の発生を確認した。
[電気特性の評価]
初期の暗部電位(VD)、露光部電位(VL)を測定した。なお、露光部電位については、第8図に示す装置の現像部に電位計プローブを装着し、帯電、像露光後、現像部位まで移動した際の感光体表面電位を測定した。帯電電位(暗部電位:VD)を−750V、VLを−100(V)になるように初期設定を行なった。ΔVD、ΔVLは、それぞれ
、初期時と3万枚通紙試験後の暗部電位、露光部電位の電位変化量を表わす。
ΔVD=(初期時における暗部電位:−750V)−(3万枚通紙後における暗部電位
)
ΔVL=(初期時における露光部電位:−100V)−(3万枚通紙後における露光部
電位)
ハーフトーン画像を出力して干渉縞発生の度合いを目視評価した。評価は以下基準で3段階に分けて判定した。
○:全く見えない
△:極僅かに観察されるレベル
×:はっきり観察され、実使用上に問題あり
段階見本との比較によって以下の基準で5段階に分けて判定した。
5:地肌汚れが全く観察されず、画像品質が優れていた
4:地汚れが極めて僅かに観察される
3:地肌汚れが僅かに観察されるが、実用上問題ないレベル
2:画像品質を低下させるが、実用上問題ないレベル
1:画像全面に地肌汚れが発生
初期及び3万枚通紙後に各画像形成要素について単色ハーフトーン画像を出力し、目視及び顕微鏡で画質を評価した。画質評価ランクは以下のように行った。
◎:良好
○:局所的にやや濃度ムラがある
△:濃度ムラが発生するが、実使用上問題なし
×:濃度ムラが目立つ
○:電荷リークによる感光体の絶縁破壊が発生しなかった
×:電荷リークによる感光体の絶縁破壊が発生した
実施例1〜3、6〜7、参考例4、及び5の結果より、下引き層に中空粒子を用いることで干渉縞の発生を防止し、静電特性の安定性に優れた感光体特性を示すことがわかる。なかでも、粒子径の異なる中空粒子を用いることによって特に良好な特性を示すことがわかる。
一方、比較例1〜3は下引き層に含有される干渉縞防止効果を有する中空粒子からそれぞれ、未含有、中実粒子の混合型、中実粒子1種に変更したものである。
比較例1からは、干渉縞模様が発生し、濃度ムラによる画像欠陥が見られた。更に、支持体からの電荷注入によりプリント画像全面に地汚れが認められた。比較例2の中実粒子を用いた場合には、干渉縞模様が僅かに認められた。比較例3では、下引き層の抵抗値のバラツキによって、局所的な濃度低下が見られた。更に耐久性試験によって電界強度が増大し、地汚れと絶縁破壊が顕著であった。
上記と同様のプロセス条件で実施し、初期および3万枚通紙後に露光部電位の電位変化量および画像評価を行った結果を表3に示す。
実施例8〜10および比較例4の結果より、粒子径の異なる中空粒子を用いることによってタンデム方式のフルカラー画像形成装置用感光体として極めて均質な特性を示すことがわかる。
帯電ローラの印加電圧はAC成分としてピーク間電圧1.5kV、周波数0.9kHzを選択した。また、DC成分は試験開始時の感光体の帯電電位が−750Vとなるようなバイアスを設定し、試験終了に至るまでこの帯電条件で試験を行った。
条件は次のとおりである。
・現像ギャップ(感光体−現像スリーブ):0.4mm
・ドクターギャップ(現像スリーブ−ドクター):0.7mm
・感光体線速度:125mm/sec
・(現像スリーブ線速度)/(感光体線速度):1.5
・書込み密度:600dpi
・帯電電位(Vd):−750V
・画像部(ベタ原稿)にあたる部分の感光後の電位:−100V
・現像バイアス:DC−500V/交流バイアス成分:2KHz、−100V〜−900V、50%duty
評価の手順としては、フルカラー画像出力を低温低湿(10℃/15%RH)環境下で耐久性試験を行ない、初期および3万枚通紙後のフルカラー画像について画質評価を行った結果を表4に示す。
実施例11〜13及び参考例14の結果より、下引き層に中空粒子を用いることで干渉縞模様の発生を防止し、環境特性、静電特性に対し、画像形成装置用感光体として安定な特性を示すことがわかる。なかでも、結着樹脂としてポリアミドを用いた場合には、低温低湿の環境下で電気抵抗の増大を招く場合があるため、粒子径の異なる中空粒子と硬化型樹脂を用いることにより特に良好な特性を示すことがわかる。
条件は次のとおりである。
・現像ギャップ(感光体−現像スリーブ):0.4mm
・ドクターギャップ(現像スリーブ−ドクター):0.7mm
・感光体線速度:178mm/sec
・(現像スリーブ線速度)/(感光体線速度):1.5
・書込み密度:600dpi
・帯電電位(Vd):−750V
・画像部(ベタ原稿)にあたる部分の感光後の電位:−100V
・現像バイアス:DC−500V/交流バイアス成分:2KHz、−100V〜−900V、50%duty
目視によって以下の基準で判定を行った。
◎:全く見られない
○:極僅かに観察される
△:若干観察される
×:画像品質を低下させるレベルのクラックが発生する
目視によって以下の基準で判定を行った。
◎:全く見られない
○:極僅かに観察される
△:若干観察される
×:実使用上の問題有り
実施例15〜17及び参考例18の結果から明らかであるように、中空粒子を用いた本発明の下引き層をベルト状支持体上に形成した場合、ベルト端部に発生しやすいカールを抑制し、更に繰り返し使用においても剥離が認められない感光体が得られた。
比較例11、12では下引き層および感光層を塗布し、その後乾燥することによって支持体端部にカールが発生し、また、画像形成装置内の周辺部材への接触によって剥離が発生した。
2 帯電手段
3 露光手段
4 現像手段
5 転写手段
6 分離手段
7 クリーニング手段
7−1 クリーニングブレード
8 定着手段
9 受像媒体
21 導電性支持体
22 下引き層
23 電荷発生層
24 電荷輸送層
25 感光層
26 保護層
1A 除電手段
1B クリーニング前露光手段
1C 駆動手段
11 画像形成領域
12 非画像形成領域
13 ギャップ
16 加圧バネ
17 電源
14 帯電ローラ
14a 軸部
14b ローラ部
15 スペーサ
Claims (13)
- 導電性支持体上に、少なくとも下引き層、及び感光層を順次積層してなる電子写真感光体において、
該下引き層が少なくとも中空粒子、金属酸化物、及び結着樹脂を含有してなり、
前記中空粒子が、架橋構造を有する樹脂粒子を含み、
前記結着樹脂が、硬化性樹脂と硬化剤との硬化物であり、
前記下引き層における前記中空粒子の含有量が、0.01重量%〜10重量%である
ことを特徴とする電子写真感光体。 - 前記架橋構造を有する樹脂粒子が、スチレン−アクリル共重合体系の樹脂粒子であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記中空粒子が、更に無機粒子を含むことを特徴とする請求項1乃至2の何れかに記載の電子写真感光体。
- 前記中空粒子が、平均粒径が異なる2種以上の粒子であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電子写真感光体。
- 前記金属酸化物が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化錫、酸化ジルコニウム、及び酸化インジウムからなる群より選択される少なくとも1種の粒子であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の電子写真感光体。
- 前記金属酸化物が、平均粒径が異なる2種以上の粒子であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の電子写真感光体。
- 前記下引き層の膜厚が3μm以上25μm以下であることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の電子写真感光体。
- 少なくとも請求項1乃至7の何れかに記載の電子写真感光体と帯電手段、画像露光手段、現像手段、及び転写手段を有することを特徴とする画像形成装置。
- 前記帯電手段が、接触配置された帯電部材により帯電を行なう帯電手段であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
- 前記帯電手段が、近接配置された帯電部材により帯電を行なう帯電手段であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
- 画像形成装置本体に対して、着脱自在に装着し得るプロセスカートリッジであって、請求項1乃至7の何れかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、画像露光手段、現像手段、及び転写手段の中から選ばれた少なくとも1つの手段とをカートリッジ容器に組み込んで構成したものであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 前記帯電手段が、接触配置された帯電部材により帯電を行なう帯電手段であることを特徴とする請求項11に記載のプロセスカートリッジ。
- 前記帯電手段が、近接配置された帯電部材により帯電を行なう帯電手段であることを特徴とする請求項11に記載のプロセスカートリッジ。
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