JP4343052B2 - 電子写真感光体、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
しかしながら、これらの樹脂単独(単層)の中間層は電気抵抗が高いため、残留電位を生じネガ・ポジ現像においては画像濃度低下を生じる。また、不純物等に起因するイオン伝導性を示すことから、低温低湿下では中間層の電気抵抗が特に高くなるため、残留電位が著しく上昇する。このため、中間層を薄膜化する必要があり、繰り返し使用後の特性において帯電性及び帯電保持性が不十分になる欠点があった。
しかしながら、地汚れ発生の原因は導電性支持体から感光層への電荷(正孔)注入だけでなく、感光層における熱キャリア発生の影響も無視できない。このため、電荷発生層に使用する電荷発生材料およびその粒子状態をコントロールしないと、繰り返し使用における地汚れ発生は完全には制御できないものであった。
また、上記感光体を用い、繰り返し画像形成(出力)を行っても異常画像発生の少ない画像形成装置を提供することにある。具体的には、地汚れや濃度低下といったネガ・ポジ現像使用時の最大の課題を解決した高耐久で、安定動作が可能な画像形成装置を提供することにある。また、環境依存性が小さく、あらゆる環境においても安定動作が可能な画像形成装置を提供することにある。
更には、上記感光体を用い、高耐久で取扱いが良好な画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することにある。
しかるに、上記課題は以下の構成を採用することにより解決される。
(1)導電性支持体上に、少なくとも電荷ブロッキング層、モアレ防止層および感光層を順に積層してなる電子写真感光体において、該感光層中にCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、かつ26.3°にピークを有する結晶型で、一次粒子の平均粒子サイズが0.25μm以下であるチタニルフタロシアニン結晶を含有し、前記チタニルフタロシアニン結晶が、CuKαの特性X線に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも7.0〜7.5゜に最大回折ピークを有し、その回折ピークの半値巾が1゜以上である一次粒子の平均粒子サイズが0.1μm以下の不定形チタニルフタロシアニンもしくは低結晶性チタニルフタロシアニンを水の存在下で有機溶媒により結晶変換を行ない、結晶変換後の一次粒子の平均粒子サイズが0.25μmより大きく成長する前に、有機溶媒より分別、濾過されたものであることを特徴とする電子写真感光体。
(3)前記感光層が電荷発生層と電荷輸送層の積層構成からなることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の電子写真感光体。
(6)前記絶縁性材料がポリアミドであることを特徴とする上記(5)に記載の電子写真感光体。
(8)前記バインダー樹脂が熱硬化型樹脂であることを特徴とする上記(7)に記載の電子写真感光体。
(9)前記熱硬化型樹脂がアルキッド/メラミン樹脂の混合物であることを特徴とする上記(8)に記載の電子写真感光体。
(10)前記アルキッド樹脂とメラミン樹脂の混合比が、5/5〜8/2(重量比)の範囲であることを特徴とする上記(9)に記載の電子写真感光体。
(12)前記酸化チタンが平均粒径の異なる2種類の酸化チタンであり、平均粒径の大きい方の酸化チタン(T1)の平均粒径(D1)とし、他方の酸化チタン(T2)の平均粒径を(D2)とした場合、0.2<(D2/D1)≦0.5の関係を満たすことを特徴とする上記(11)に記載の電子写真感光体。
(13)前記酸化チタン(T2)の平均粒径(D2)が、0.05μm<D2<0.2μmであることを特徴とする上記(12)に記載の電子写真感光体。
(14)前記平均粒径の異なる2種の酸化チタンの混合比率(重量比)が、0.2≦T2/(T1+T2)≦0.8であることを特徴とする上記(12)又は(13)に記載の電子写真感光体。
(16)前記保護層が、比抵抗1010Ω・cm以上の無機顔料または金属酸化物を含有することを特徴とする上記(15)に記載の電子写真感光体。
(17)前記金属酸化物が、比抵抗1010Ω・cm以上のアルミナ、酸化チタン、シリカのいずれかであることを特徴とする上記(16)に記載の電子写真感光体。
(18)前記金属酸化物が、比抵抗1010Ω・cm以上のα−アルミナであることを特徴とする上記(17)に記載の電子写真感光体。
(20)前記保護層が、架橋構造を有するバインダー樹脂を含有することを特徴とする上記(15)乃至(18)の何れか一項に記載の電子写真感光体。
(21)前記架橋構造を有するバインダー樹脂の構造中に、電荷輸送部位を有することを特徴とする上記(20)に記載の電子写真感光体。
(23)少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、及び電子写真感光体からなる画像形成要素を複数配列したことを特徴とする上記(22)に記載の画像形成装置。
(24)前記画像形成装置の帯電手段に、接触帯電方式を用いることを特徴とする上記(22)又は(23)に記載の画像形成装置。
(26)前記帯電手段に用いられる帯電部材と感光体間の空隙が100μm以下であることを特徴とする上記(25)に記載の画像形成装置。
(27)前記画像形成装置の帯電手段として、交流重畳電圧印加を行うことを特徴とする上記(24)乃至(26)の何れか一項に記載の画像形成装置。
(29)少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段から選ばれる1つの手段と、電子写真感光体とが一体となった画像形成装置用プロセスカートリッジにおいて、該電子写真感光体が上記(1)乃至(21)の何れか一項に記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
また、上記感光体を用い、繰り返し画像形成(出力)を行っても異常画像発生の少ない画像形成装置が提供される。具体的には、地汚れや濃度低下といったネガ・ポジ現像使用時の最大の課題を解決した高耐久で、安定動作が可能な画像形成装置が提供される。また、環境依存性が小さく、あらゆる環境においても安定動作が可能な画像形成装置が提供される。
更には、上記感光体を用い、高耐久で取扱いが良好な画像形成装置用プロセスカートリッジが提供される。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に少なくとも電荷ブロッキング層、モアレ防止層、および感光層を順に形成してなる電子写真感光体であって、該感光層中にCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、かつ、前記7.3°のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さず、かつ26.3°にピークを有する結晶型で、一次粒子の平均粒子サイズが0.25μm以下であるチタニルフタロシアニン結晶を含有するものである。
初めにチタニルフタロシアニン結晶の合成粗品の合成法について述べる。フタロシアニン類の合成方法は古くから知られており、非特許文献1、2、及び特許文献35等に記載されている。
例えば、第1の方法として、無水フタル酸類、金属あるいはハロゲン化金属及び尿素の混合物を高沸点溶媒の存在下あるいは不存在下において加熱する方法である。この場合、必要に応じてモリブデン酸アンモニウム等の触媒が併用される。第2の方法としては、フタロニトリル類とハロゲン化金属を高沸点溶媒の存在下あるいは不存在下において加熱する方法である。この方法は、第1の方法で製造できないフタロシアニン類、例えば、アルミニウムフタロシアニン類、インジウムフタロシアニン類、オキソバナジウムフタロシアニン類、オキソチタニウムフタロシアニン類、ジルコニウムフタロシアニン類等に用いられる。第3の方法は、無水フタル酸あるいはフタロニトリル類とアンモニアを先ず反応させて、例えば1,3−ジイミノイソインドリン類等の中間体を製造し、次いでハロゲン化金属と高沸点溶媒中で反応させる方法である。第4の方法は、尿素等存在下で、フタロニトリル類と金属アルコキシドを反応させる方法である。特に、第4の方法はベンゼン環への塩素化(ハロゲン化)が起こらず、電子写真用材料の合成法としては、極めて有用な方法であり、本発明においては極めて有効に使用される。
具体的な方法としては、上記の合成粗品を10〜50倍量の濃硫酸に溶解し、必要に応じて不溶物を濾過等により除去し、これを硫酸の10〜50倍量の充分に冷却した水もしくは氷水にゆっくりと投入し、チタニルフタロシアニンを再析出させる。析出したチタニルフタロシアニンを濾過した後、イオン交換水で洗浄・濾過を行ない、濾液が中性になるまで充分にこの操作を繰り返す。最終的に、綺麗なイオン交換水で洗浄した後、濾過を行ない、固形分濃度で5〜15wt%程度の水ペーストを得る。
先ず、1回目の結晶変換方法について述べる。1回目の結晶変換は、前記不定形チタニルフタロシアニン(低結晶性チタニルフタロシアニン)を、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、前記7.3°のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さず、かつ26.3゜にピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶に変換する工程である。
この際、使用される有機溶媒は、所望の結晶型を得られるものであれば、いかなる有機溶媒も使用できるが、特にテトラヒドロフラン、トルエン、塩化メチレン、二硫化炭素、オルトジクロロベンゼン、1,1,2−トリクロロエタンの中から選ばれる1種を選択すると、良好な結果が得られる。これら有機溶媒は単独で用いることが好ましいが、これらの有機溶媒を2種以上混合する、あるいは他の溶媒と混合して用いることも可能である。
以上の結晶変換方法は前述の特許文献33に準じた結晶変換方法である。本発明の電子写真装置に用いる感光体に含有される電荷発生物質においては、チタニルフタロシアニン結晶の粒子サイズをより細かくすることにより、その効果がより一層顕著なものとなる。
チタニルフタロシアニン結晶の粒子サイズをより細かくするために、本発明者らが観察したところによれば、前述の不定形チタニルフタロシアニン(低結晶性チタニルフタロシアニン)は、一次粒径が0.1μm以下(そのほとんどが0.01〜0.05μm程度)であるが(図3参照、スケール・バーは0.2μmである)、結晶変換に際しては、結晶成長と共に結晶が変換されることが分かった。通常、この種の結晶変換においては、原料の残存をおそれて充分な結晶変換時間を確保し、結晶変換が十二分に行なわれた後に、濾過を行ない、所望の結晶型を有するチタニルフタロシアニン結晶を得るものである。このため、原料として充分に小さな一次粒子を有する原料を用いているにもかかわらず、結晶変換後の結晶としては一次粒子の大きな結晶(概ね0.3〜0.5μm)を得ているものである(図4参照、スケール・バーは0.2μmである)。
この2種類の分散液の平均粒径並びに粒度分布を公知の方法に従って、市販の粒度分布測定装置(堀場製作所製:超遠心式自動粒度分布測定装置、CAPA700)により測定した。その結果を図8に示す。図8における「A」が図6に示す分散液に対応し、「B」が図7に示す分散液に対応する。両者を比較すると、粒度分布に関してはほとんど差が認められない。また、両者の平均粒径値は、「A」が0.29μm、「B」が0.28μmと求められ、測定誤差を加味した上では、両者に全くの差異が認められない。
従って、公知の平均粒径(平均粒子サイズ)の規定だけでは、微量な粗大粒子の残存を検出できずに、昨今の高解像度のネガ・ポジ現像には対応できていないことが理解される。この微量な粗大粒子の存在は、塗工液を顕微鏡レベルで観察することにより、初めて認識できたものである。
このような結晶変換方法を採用することにより、一次平均粒子サイズの小さな(0.25μm以下、好ましくは0.2μm以下)チタニルフタロシアニン結晶を得ることができる。特許文献33に記載された技術に加えて、必要に応じて上述のような技術(微細なチタニルフタロシアニン結晶を得るための結晶変換方法)を併用することは、本発明の効果を高めるために有効な手段である。
その後、分別されたチタニルフタロシアニン結晶は、必要に応じて加熱乾燥される。加熱乾燥に使用する乾燥機は、公知のものがいずれも使用可能であるが、大気下で行なう場合には送風型の乾燥機が好ましい。更に、乾燥速度を早め、本発明の効果をより顕著に発現させるために減圧下の乾燥も非常に有効な手段である。特に、高温で分解する、あるいは結晶型が変化するような材料に対しては有効な手段である。特に10mmHgよりも真空度が高い状態で乾燥することが有効である。
1つは、先に作製したチタニルフタロシアニン結晶を有機溶媒中で処理する方法である。使用される有機溶媒としては、27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、かつ26.3°にピークを有さない結晶型を、26.3゜にピークを有する結晶型に変換できる溶媒であればいかなるものも使用できるが、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類が良好に用いられる。有機溶媒の処理に関しては、前記チタニルフタロシアニン結晶を有機溶媒中にそのまま浸漬させておくだけでも構わないが、撹拌、超音波印加などの補助手段を併用することにより、処理時間を短縮することができ、有効である。有機溶媒による処理を行なった後、濾過分別して、再び乾燥を行なうことにより、目的とするチタニルフタロシアニン結晶を得ることができる。
このように作製されたチタニルフタロシアニン結晶を分散するにあたっては、合成後のチタニルフタロシアニンの一次粒子が小さいため、図4に示すような粗大粒子を含むチタニルフタロシアニンを分散するような強いシェアを与えずとも所望の分散(平均粒子サイズを、0.25μm以下、好ましくは0.2μm以下にすること)が可能である。この結果、前述の如き、過度の分散によって粒子の一部が所望の結晶型でない結晶型へと転移し易い結果を生むことはない。
すなわち、結晶転移が起こらない範囲でできる限り粒子を微細にした分散液を作製後、適当なフィルターで濾過してしまう方法である。この方法では、残存する目視では観察できない(あるいは粒径測定では検出できない)微量な粗大粒子をも取り除くことができ、また粒度分布を揃えるという点からも非常に有効な手段である。具体的には、上述のように作製した分散液を有効孔径が3μm以下のフィルター、より好ましくは1μm以下のフィルターにて濾過する操作を行ない、分散液を完成させるというものである。この方法によっても、平均粒子サイズの小さな(0.25μm以下、好ましくは0.2μm以下)チタニルフタロシアニン結晶のみを含む分散液を作製することができ、これを用いた感光体を画像形成装置に搭載使用することにより、本願の効果をより一層顕著にするものである。
使用するチタニルフタロシアニン結晶を粉末状態で、一般的なX線回折装置にて、X線回折スペクトルを測定する。得られたスペクトルに対して、ベースライン補正を行なった後、26.3±0.2゜のピーク強度、および27.2±0.2゜のピーク強度を求める。その値を用いて、26.3±0.2゜のピーク強度を27.2±0.2゜のピーク強度で割った値が、本発明で言うところのピーク強度比である。
ピーク強度比(%)=(26.3±0.2゜のピーク強度
/27.2±0.2゜のピーク強度)×100
なお、ピーク強度比が1%以下になるような場合には、広い範囲での測定ではベースラインの補正が難しい場合がある。その場合には、測定範囲を狭めて(例えば、25〜30゜の範囲で測定する等)、再測定を行なうことにより、より正確に強度比を求めることができる。
図9は、本発明に用いられる電子写真感光体の構成例を示す断面図であり、導電性支持体1上に、電荷ブロッキング層5、モアレ防止層6、特定の結晶型を有し特定の平均粒子サイズ以下のチタニルフタロシアニン結晶を含有する感光層4が順に積層された構成をとっている。
図10は、本発明に用いられる電子写真感光体の別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体1上に、電荷ブロッキング層5、モアレ防止層6、特定の結晶型を有し特定の平均粒子サイズ以下のチタニルフタロシアニン結晶を含有する電荷発生層7、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層8が順に積層された構成をとっている。
図11は、本発明に用いられる電子写真感光体の更に別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体1上に、電荷ブロッキング層5、モアレ防止層6、特定の結晶型を有し、特定の平均粒子サイズ以下のチタニルフタロシアニン結晶を含有する電荷発生層7、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層8、保護層9が順に積層された構成をとっている。
また、整流性のある導電性高分子や、帯電極性に合わせてアクセプター(ドナー)性の樹脂・化合物などを加えて、基体からの電荷注入を制抑するなどの機能を持たせても良い。
バインダー樹脂としては、熱硬化型樹脂が良好に使用される。特に、アルキッド/メラミン樹脂の混合物が最も良好に使用される。この際、アルキッド/メラミン樹脂の混合比は、モアレ防止層の構造及び特性を決定する重要な因子である。両者の比(重量比)が5/5〜8/2の範囲が良好な混合比の範囲として挙げることが出来る。5/5よりもメラミン樹脂がリッチであると、熱硬化の際に体積収縮が大きくなり塗膜欠陥を生じやすくなったり、感光体の残留電位を大きくする方向にあり望ましくない。また、8/2よりもアルキッド樹脂がリッチであると、感光体の残留電位低減には効果があるものの、バルク抵抗が低くなりすぎて地汚れが悪くなる方向になり望ましくない。
塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。電荷発生層7の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
また、上記反応性モノマーとして、全部もしくは一部に電荷輸送能を有するモノマーを使用することは非常に有効な手段である。このようなモノマーを使用することにより、網目構造中に電荷輸送部位が形成され、電荷輸送層としての機能を十分に発現することが可能となる。電荷輸送能を有するモノマーとしては、トリアリールアミン構造を有する反応性モノマーが有効に使用される。
また、上記反応性モノマーとして、全部もしくは一部に電荷輸送能を有するモノマーを使用することは非常に有効な手段である。このようなモノマーを使用することにより、網目構造中に電荷輸送部位が形成され、電荷輸送層としての機能を十分に発現することが可能となる。電荷輸送能を有するモノマーとしては、トリアリールアミン構造を有する反応性モノマーが有効に使用される。
ここで、本発明におけるフィラーのpHは、ゼータ電位から等電点におけるpH値を記載した。この際、ゼータ電位の測定は、大塚電子(株)製レーザーゼータ電位計にて測定した。
これらフィラー材料は、適当な分散機を用いることにより分散できる。また、保護層の透過率の点から使用するフィラーは1次粒子レベルまで分散され、凝集体が少ない方が好ましい。
図12は、本発明の画像形成プロセスおよび画像形成装置を説明するための概略図であり、下記に示すような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図12において、感光体11は導電性支持体上に少なくとも電荷ブロッキング層、モアレ防止層、感光層が設けられてなり、感光層にはCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、かつ26.3゜にピークを有し、一次粒子の平均粒子サイズが0.25μm以下であるチタニルフタロシアニン結晶を含有してなる。感光体11はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。帯電ローラ13、転写前チャージャ17、転写チャージャ20、分離チャージャ21、クリーニング前チャージャ23には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラ、転写ローラを始めとする公知の手段が用いられる。
ここでいう接触方式の帯電部材とは、感光体表面に帯電部材の表面が接触するタイプのものであり、帯電ローラ、帯電ブレード、帯電ブラシの形状がある。中でも帯電ローラや帯電ブラシが良好に使用される。
かかる光源等は、図12に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光が照射される。
これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られ、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
図15において、51は感光体、53は帯電ローラ、54は画像露光部、55はクリーニングブラシ、56は現像ローラ、57は転写ローラである。
図16において、符号61C、61M、61Y、61Kはドラム状の感光体であり、感光体61は導電性支持体上に少なくとも電荷ブロッキング層、モアレ防止層、感光層が設けられてなり、感光層にはCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、かつ26.3゜にピークを有し、一次粒子の平均粒子サイズが0.25μm以下であるチタニルフタロシアニン結晶を含有してなる。
まず、本発明に用いた電荷発生材料の合成例について述べる。
(比較合成例1)
特許文献33に準じて、顔料を作製した。即ち、1,3−ジイミノイソインドリン292gとスルホラン2000mlを混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド204gを滴下する。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行なった。反応終了後、放冷した後析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、つぎにメタノールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。粗チタニルフタロシアニンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の氷水に撹拌しながら滴下し、析出した結晶をろ過、ついで洗浄液が中性になるまで水洗いを繰り返し(洗浄後のイオン交換水のpH値は6.8であった)、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキ(水ペースト)を得た。得られたこのウェットケーキ(水ペースト)400gをテトラヒドロフラン2000gに投入し、4時間攪拌を行なった後、濾過を行ない、乾燥して、チタニルフタロシアニン粉末を得た。更に、このチタニルフタロシアニン結晶30gをテトラヒドロフラン300gに浸漬し、2回目の結晶変換を行なった。12時間浸漬放置した後、濾過分別し、上記と同じ条件で減圧乾燥を行ない、チタニルフタロシアニン結晶を得た。これを顔料1とする。上記ウェットケーキの固形分濃度は、15wt%であった。結晶変換溶媒のウェットケーキに対する重量比は33倍である。尚、比較合成例1の原材料には、ハロゲン化物を使用していない。
比較合成例1の方法に従って、チタニルフタロシアニン顔料の水ペーストを合成し、次のように結晶変換を行ない、比較合成例1よりも一次粒子の小さなフタロシアニン結晶を得た。
比較合成例1で得られた結晶変換前の水ペースト600部にテトラヒドロフラン4000部を加え、室温下でホモミキサー(ケニス、MARKIIfモデル)により強烈に撹拌(2000rpm)し、ペーストの濃紺色の色が淡い青色に変化したら(撹拌開始後20分)、撹拌を停止し、直ちに減圧濾過を行なった。濾過装置上で得られた結晶をテトラヒドロフランで洗浄し、顔料のウェットケーキを得た。これを減圧下(5mmHg)、70℃で2日間乾燥して、チタニルフタロシアニン結晶88部を得た。
更に、このチタニルフタロシアニン結晶30gをテトラヒドロフラン300gに浸漬し、2回目の結晶変換を行なった。12時間浸漬放置した後、濾過分別し、上記と同じ条件で減圧乾燥を行ない、チタニルフタロシアニン結晶を得た。これを顔料2とする。合成例1の原材料には、ハロゲン化物を使用していない。上記ウェットケーキの固形分濃度は、15wt%であった。結晶変換溶媒のウェットケーキに対する重量比は44倍である。
合成例1における2回目の結晶変換操作を下記の通りの条件に変更した以外は、合成例1と同様に処理を行ない、チタニルフタロシアニン結晶を得た。これを顔料3とする。
2回目の結晶変換処理
1回目の結晶変換処理を行なったチタニルフタロシアニン結晶30gを、市販のミキサーにより機械的剪断力を5分間与えた後、粉末を取り出した。
合成例1における2回目の結晶変換操作を下記の通りの条件に変更した以外は、合成例1と同様に処理を行ない、チタニルフタロシアニン結晶を得た。これを顔料4とする。
2回目の結晶変換処理
1回目の結晶変換処理を行なったチタニルフタロシアニン結晶30gを、2kgのφ6mmのジルコニアボールと共に、φ90mmのガラスポットに投入し、乾式ミリングを10分間行なった後、粉末を取り出した。
比較合成例1における2回目の結晶変換溶媒をテトラヒドロフランからメタノールに変更した以外は、比較合成例1と同様に処理を行ない、チタニルフタロシアニン結晶を得た。これを顔料5とする。
比較合成例1において、1回目の結晶変換溶媒として、テトラヒドロフランの代わりに2−ブタノンを用い、2回目の結晶変換を行なわない以外は、比較合成例1と同様に処理を行ない、チタニルフタロシアニン結晶を得た。これを顔料6とする。
上述のように得られた水ペーストの乾燥粉末と、合成例1〜3および比較合成例1〜3で得られたチタニルフタロシアニン結晶についてのX線回折スペクトルを以下に示す条件で測定した。水ペーストの乾燥粉末のX線回折スペクトルを図17に示す。
X線管球:Cu
電圧:40kV
電流:20mA
走査速度:1°/分
走査範囲:3°〜40°
時定数:2秒
比較合成例2で得られたチタニルフタロシアニン結晶のX線回折スペクトルを図19に示すが、26.3°にピークを示さないものであった。
比較合成例3で得られたチタニルフタロシアニン結晶のX線回折スペクトルを図20に示すが、最低角が7.5°に存在するものであった。
特許文献48の実施例1に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、先の比較合成例1で作製したウェットケーキを乾燥し、乾燥物1gをポリエチレングリコール50gに加え、100gのガラスビーズと共に、サンドミルを行なった。結晶転移後、希硫酸、水酸化アンモニウム水溶液で順次洗浄し、乾燥して顔料を得た。これを顔料7とする。
特許文献49の製造例1に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、先の比較合成例1で作製したウェットケーキを乾燥し、乾燥物1gをイオン交換水10gとモノクロルベンゼン1gの混合溶媒中で1時間撹拌(50℃)した後、メタノールとイオン交換水で洗浄し、乾燥して顔料を得た。これを顔料8とする。
特許文献50の製造例に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、フタロジニトリル9.8gと1−クロロナフタレン75mlを撹拌混合し、窒素気流下で四塩化チタン2.2mlを滴下する。滴下終了後、徐々に200℃まで昇温し、反応温度を200℃〜220℃の間に保ちながら3時間撹拌して反応を行なった。反応終了後、放冷し130℃になったところ熱時濾過し、次いで1−クロロナフタレンで粉体が青色になるまで洗浄、次にメタノールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で数回洗浄した後、乾燥し顔料を得た。これを顔料9とする。
特許文献51の合成例1に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、α型TiOPc5部を食塩10gおよびアセトフェノン5gと共にサンドグラインダーにて100℃にて10時間結晶変換処理を行なった。これをイオン交換水及びメタノールで洗浄し、希硫酸水溶液で精製し、イオン交換水で酸分がなくなるまで洗浄した後、乾燥して顔料を得た。これを顔料10とする。
特許文献52の実施例1に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、O−フタロジニトリル20.4部、四塩化チタン部7.6部をキノリン50部中で200℃にて2時間加熱反応後、水蒸気蒸留で溶媒を除き、2%塩化水溶液、続いて2%水酸化ナトリウム水溶液で精製し、メタノール、N,N−ジメチルホルムアミドで洗浄後、乾燥し、チタニルフタロシアニンを得た。このチタニルフタロシアニン2部を5℃の98%硫酸40部の中に少しずつ溶解し、その混合物を約1時間、5℃以下の温度を保ちながら攪拌する。続いて硫酸溶液を高速攪拌した400部の氷水中に、ゆっくりと注入し、析出した結晶を濾過する。結晶を酸が残量しなくなるまで蒸留水で洗浄し、ウェットケーキを得る。そのケーキをTHF100部中で約5時間攪拌を行ない、濾過、THFによる洗浄を行ない乾燥後、顔料を得た。これを顔料11とする。
特許文献53の合成例2に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、先の比較合成例1で作製したウェットケーキ10部を塩化ナトリウム15部とジエチレングリコール7部に混合し、80℃の加熱下で自動乳鉢により60時間ミリング処理を行なった。次に、この処理品に含まれる塩化ナトリウムとジエチレングリコールを完全に除去するために充分な水洗を行なった。これを減圧乾燥した後にシクロヘキサノン200部と直径1mmのガラスビーズを加えて、30分間サンドミルにより処理を行ない、顔料を得た。これを顔料12とする。
特許文献54の実施例4に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、先の比較合成例7で得られたウェットケーキを5%の塩酸で洗浄し、中性になるまで水洗・濾過を行ない、乾燥した。更にこれをTHFと共にボールミルで10時間分散し、濾過・乾燥して顔料粉末を得た。これを顔料13とする。
特許文献55の製造例1及び製造例2に記載の方法に準じて、顔料を作製した。 即ち、フタロジニトリル97.5gをα−クロロナフタレン750ml中に加え、次に窒素雰囲気下で四塩化チタン22mlを滴下する。滴下後昇温し、撹拌しながら200〜220℃で3時間反応させた後、放冷し、100〜130℃で熱時濾過し、100℃に加熱したα−クロロナフタレン200mlで洗浄した。更に200mlのN−メチルピロリドンで熱懸洗処理(100℃、1時間)を3回行った。続いてメタノール300mlで室温にて懸洗しさらにメタノール500mlで1時間熱懸洗を3回行った。これをフタロシアニン1とする。
次いで、フタロシアニン1をサンドグラインドミルにて20時間磨砕処理しを行い、続いて水400ml、o−ジクロロベンゼン40mlの懸濁液中に入れ、60℃で1時間加熱処理を行った。これをフタロシアニン2とする。
更に、特許文献55の実施例1に準じて、フタロシアニン1およびフタロシアニン2をそれぞれ6重量部および4重量部混合し、n−プロパノール200重量部を加え、サンドグラインドミルで10時間粉砕、微粒化分散処理を行った。これを乾燥して、フタロシアニン粉末を得た。これを顔料14とする。
特許文献37のチタニルフタロシアニン結晶体の製造方法に準じて、顔料を作製した。即ち、1,3−ジイミノイソインドリン58g、テトラブトキシチタン51gをα−クロロナフタレン300mL中で210℃にて5時間反応後、α−クロロナフタレン、ジメチルホルムアミド(DMF)の順で洗浄した。その後、熱DMF、熱水、メタノールで洗浄、乾燥して50gのチタニルフタロシアニンを得た。チタニルフタロシアニン4gを0℃に冷却した硫酸400g中に加え、引き続き0℃、1時間撹拌した。フタロシアニンが完全に溶解したことを確認した後、0℃に冷却した水800mL/トルエン800mL混合液中に添加した。室温で2時間撹拌後、析出したフタロシアニン結晶体を混合液より濾別し、メタノール、水の順で洗浄した。洗浄水の中性を確認した後、洗浄水よりフタロシアニン結晶体を濾別し、乾燥して、2.9gのチタニルフタロシアニン結晶体を得た。これを顔料15とする。
以上の方法により求められた合成例1における水ペースト中の平均粒子サイズは、0.06μmであった。
なお、表2中の26.3°のピーク強度比とは、前述の通り、26.3°のピーク強度の27.2°のピーク強度の比である。この計算に際して、図18のように26.3°のピークが明確に観測されない場合には、ピーク強度=0として計算を行なった。
比較合成例1で作製した顔料1を下記組成の処方にて、下記に示す条件にて分散を行い電荷発生層用塗工液として、分散液を作製した。
チタニルフタロシアニン顔料(顔料1) 15部
ポリビニルブチラール(積水化学製:BX−1) 10部
2−ブタノン 280部
市販のビーズミル分散機に直径0.5mmのPSZボールを用い、ポリビニルブチラールを溶解した2−ブタノンおよび顔料を全て投入し、ローター回転数1200r.p.m.にて30分間分散を行ない、分散液を作製した(分散液1とする)。
分散液作製例1で使用した顔料1に変えて、それぞれ合成例1〜3及び比較合成例2〜12で作製した顔料2〜15を使用して、分散液作製例1と同じ条件にて分散液を作製した(顔料番号に対応して、それぞれ分散液2〜15とする)。
分散液作製例1で作製した分散液1を、アドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−1−CS(有効孔径1μm)を用いて、濾過を行なった。濾過に際しては、ポンプを使用し、加圧状態で濾過を行なった(分散液16とする)。
分散液作製例16で使用したフィルターを、アドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−3−CS(有効孔径3μm)に変えた以外は、分散液作製例16と同様に加圧濾過を行ない分散液を作製した(分散液17とする)。
分散液作製例16で使用したフィルターを、アドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−5−CS(有効孔径5μm)に変えた以外は、分散液作製例16と同様に加圧濾過を行ない分散液を作製した(分散液18とする)。
分散液作製例1における分散条件を下記の通り変更して、分散を行った(分散液19とする)。
ローター回転数:1000r.p.m.にて20分間分散を行った。
分散液作製例19で作製した分散液をアドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−1−CS(有効孔径1μm)を用いて、濾過を行なった。濾過に際しては、ポンプを使用し、加圧状態で濾過を行なった。濾過の途中でフィルターが目詰まりを起こして、全ての分散液を濾過することが出来なかった。このため以下の評価は未実施である。
直径60mmのアルミニウムシリンダー(JIS1050)に、下記組成の電荷ブロッキング層塗工液、モアレ防止層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥し、0.5μmの電荷ブロッキング層、3.5μmのモアレ防止層、電荷発生層、23μmの電荷輸送層を形成し、積層感光体を作製した。なお、電荷発生層の膜厚は、780nmにおける電荷発生層の透過率が20%になるように調整した。電荷発生層の透過率は、下記組成の電荷発生層塗工液を、ポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き付けたアルミシリンダーに感光体作製と同じ条件で塗工を行ない、電荷発生層を塗工していないポリエチレンテレフタレートフィルムを比較対照とし、市販の分光光度計(島津:UV−3100)にて、780nmの透過率を評価した。
アルコール可溶性ナイロン(東レ:アミランCM8000) 4部
メタノール 70部
n−ブタノール 30部
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製) 84部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
先に作製した分散液1を用いた。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
比較例1で使用した電荷発生層塗工液(分散液1)をそれぞれ、分散液2〜19に変更した以外は、比較例1と同様に感光体を作製した。なお、電荷発生層の膜厚は、比較例1と同様に、すべての塗工液を用いた場合に780nmの透過率が20%になるように調整した。実施例番号と使用した分散液の対応は、表4に示す。
実施例1において、電荷ブロッキング層を設けない以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
(比較例16)
実施例1において、モアレ防止層を設けない以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
(比較例17)
実施例1において、電荷ブロッキング層とモアレ防止層の塗工順序を入れ替えた以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
実施例1において、電荷ブロッキング層の膜厚を0.3μmとした以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
(実施例5)
実施例1において、電荷ブロッキング層の膜厚を1.0μmとした以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
(実施例6)
実施例1において、電荷ブロッキング層の膜厚を2.0μmとした以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
(実施例7)
実施例1において、電荷ブロッキング層の膜厚を0.1μmとした以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製) 252部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 300部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、3/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製) 120部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 150部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、0.7/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製) 336部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 350部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、4/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
実施例1において、電荷ブロッキング層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
◎電荷ブロッキング層塗工液
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 500部
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
◎モアレ防止層塗工液
酸化亜鉛(SAZEX4000:堺化学製) 110部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 120部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製) 84部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 22.4部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 28部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、4/6重量比である。
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製) 84部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 28部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 23.3部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、5/5重量比である。
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1
と同様に感光体を作製した。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製) 84部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 39.2部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 14部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、7/3重量比である。
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1
と同様に感光体を作製した。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製) 84部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 44.8部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 9.3部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、8/2重量比である。
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製) 84部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 50.4部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 4.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、9/1重量比である。
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製) 84部
アルコール可溶性ナイロン(東レ:アミランCM8000) 24部
メタノール 300部
n−ブタノール 130部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1である。
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 42部
酸化チタン(PT−401M:石原産業社製、平均粒径:0.07μm) 42部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
平均粒径の比は0.28、両者の混合比は0.5である。
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 75.6部
酸化チタン(PT−401M:石原産業社製、平均粒径:0.07μm) 8.4部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
平均粒径の比は0.28、両者の混合比は0.1である。
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 8.4部
酸化チタン(PT−401M:石原産業社製、平均粒径:0.07μm)75.6部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
平均粒径の比は0.28、両者の混合比は0.9である。
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 42部
酸化チタン(TTO−F1:石原産業社製、平均粒径:0.04μm) 42部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
平均粒径の比は0.16、両者の混合比は0.5である。
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 42部
酸化チタン(A−100:石原産業社製、平均粒径:0.15μm) 42部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
平均粒径の比は0.6、両者の混合比は0.5である。
以上のように作製した実施例1〜23、参考例1〜2及び比較例1〜17の電子写真感光体を図12に示す電子写真装置に搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材として接触方式の帯電ローラ、転写部材として転写ベルトを用い、下記の帯電条件にて、書き込み率6%のチャートを用い、連続20万枚印刷を行った。その後の白ベタおよびハーフトーン画像を出力、評価し、地汚れの有無、モアレの有無、画像濃度を確認した。尚、地汚れ画像評価は4段階にて行ない、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。
これらの評価は、22℃−55%RH、10℃−15%RH、30℃−90%RHの3
環境にて行なった。以上の結果を表4に示す。
帯電条件:
DCバイアス:−900V
ACバイアス:2.0kV(Peak to peak)、周波数:2.0kHz
実施例1における電荷輸送層塗工液を以下の組成のものに変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
◎電荷輸送層塗工液
下記組成の高分子電荷輸送物質(重量平均分子量:約143000) 10部
実施例1における電荷輸送層の膜厚を18μmとし、電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を塗布乾燥し、5μmの保護層を設けた以外は実施例1と同様に感光体を作製した。
◎保護層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製)
(粘度平均分子量:5万) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
平均一次粒径:0.4μm) 4部
シクロヘキサノン 500部
テトラヒドロフラン 150部
実施例48における保護層塗工液中のアルミナ微粒子を以下のものに変更した以外は、実施例48と同様に感光体を作製した。
酸化チタン微粒子(比抵抗:1.5×1010Ω・cm、
平均一次粒径:0.5μm) 4部
(実施例50)
実施例48における保護層塗工液中のアルミナ微粒子を以下のものに変更した以外は、実施例48と同様に感光体を作製した。
酸化錫−酸化アンチモン粉末 4部
(比抵抗:106Ω・cm、平均1次粒径0.4μm)
実施例1における電荷輸送層の膜厚を18μmとし、電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を塗布乾燥し、5μmの保護層を設けた以外は実施例1と同様に感光体を作製した。
◎保護層塗工液
メチルトリメトキシシラン 100部
3%酢酸 20部
下記構造の電荷輸送性化合物 35部
硬化剤(ジブチル錫アセテート) 1部
2−プロパノール 200部
実施例1における電荷輸送層の膜厚を18μmとし、電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を塗布乾燥し、5μmの保護層を設けた以外は実施例1と同様に感光体を作製した。
◎保護層塗工液
メチルトリメトキシシラン 100部
3%酢酸 20部
下記構造の電荷輸送性化合物 35部
酸化防止剤(サノール LS2626:三共化学社製) 1部
ポリカルボン酸化合物 BYK P104:ビックケミー社製 0.4部
硬化剤(ジブチル錫アセテート) 1部
2−プロパノール 200部
以上のように作製した実施例1及び実施例47〜52の電子写真感光体を図12に示す電子写真装置に搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)として、帯電部材として帯電部材として図13に示すような帯電ローラの両端部に厚さ50μmの絶縁テープを巻き付けた近接配置用の帯電部材(感光体と帯電部材表面間の空隙が50μm)を用い、下記の帯電条件にて、書き込み率6%のチャートを用い、連続20万枚印刷を行った。その後、白ベタおよびハーフトーン画像の出力を行い、地汚れの有無、モアレの有無及び画像濃度を確認した(試験環境は、22℃−55%RHである)。尚、地汚れの評価は4段階にて行ない、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。また、20万枚印刷後の感光層の摩耗量(保護層を有する場合は保護層の摩耗量)を測定した。以上の結果を表5に示す。
帯電条件:
DCバイアス:−900V
ACバイアス:2.2kV(Peak to peak)、周波数:2.0kHz
実施例53において20万枚の通紙試験の後、30℃−90%RH環境下でハーフトーン画像を出力し、画像評価を行なった。
実施例53における帯電部材を近接配置用帯電部材からスコロトロン・チャージャーに変更し、感光体非画像部の表面電位を実施例53と同じ(−900V)にあわせるようにセッティングした。これ以外の条件を変更せずに、実施例53と同様に20万枚の通紙試験を行なった。通紙試験の後、実施例60と同様に30℃−90%RH環境下でハーフトーン画像を出力し、画像評価を行なった。
実施例53における帯電部材を近接配置用帯電部材から接触用帯電部材(空隙なし)に変更し、帯電条件を実施例53と同じ条件にセッティングした。これ以外の条件を変更せずに、実施例53と同様に20万枚の通紙試験を行なった。通紙試験の後、実施例60と同様に30℃−90%RH環境下でハーフトーン画像を出力し、画像評価を行なった。
実施例62における帯電条件を以下のように変更した以外は、実施例62と同様に評価を行なった。
帯電条件:
DCバイアス:−1600V(初期状態の感光体非画像部の表面電位が−900V)
ACバイアス:なし
実施例53における帯電条件を以下のように変更した以外は、実施例53と同様に評価を行なった。20万枚の通紙試験の後、実施例60と同様に30℃−90%RH環境下でハーフトーン画像を出力し、画像評価を行なった。
帯電条件:
DCバイアス:−1600V(初期状態の感光体非画像部の表面電位が−900V)
ACバイアス:なし
実施例53で使用した帯電部材(近接帯電ローラ)のギャップを70μmに変更した以外は、実施例53と同様に評価を行なった。20万枚の通紙試験の後、実施例60と同様に30℃−90%RH環境下でハーフトーン画像を出力し、画像評価を行なった。
実施例53で使用した帯電部材(近接帯電ローラ)のギャップを100μmに変更した以外は、実施例53と同様に評価を行なった。20万枚の通紙試験の後、実施例60と同様に30℃−90%RH環境下でハーフトーン画像を出力し、画像評価を行なった。
実施例53で使用した帯電部材(近接帯電ローラ)のギャップを150μmに変更した以外は、実施例53と同様に評価を行なった。20万枚の通紙試験の後、実施例60と同様に30℃−90%RH環境下でハーフトーン画像を出力し、画像評価を行なった。
実施例54において20万枚の通紙試験の後、30℃−90%RH環境下でハーフトーン画像を出力し、画像評価を行なった。
実施例55において20万枚の通紙試験の後、30℃−90%RH環境下でハーフトーン画像を出力し、画像評価を行なった。
比較例6のアルミシリンダーを直径30mmのものに変え、比較例6と同じ組成の感光体を作製した。
(比較例36)
比較例7のアルミシリンダーを直径30mmのものに変え、比較例7と同じ組成の感光体を作製した。
(比較例37)
比較例8のアルミシリンダーを直径30mmのものに変え、比較例8と同じ組成の感光体を作製した。
実施例1のアルミシリンダーを直径30mmのものに変え、実施例1と同じ組成の感光体を作製した。
(参考例5)
参考例1のアルミシリンダーを直径30mmのものに変え、参考例1と同じ組成の感光体を作製した。
比較例15のアルミシリンダーを直径30mmのものに変え、比較例15と同じ組成の感光体を作製した。
(比較例39)
比較例16のアルミシリンダーを直径30mmのものに変え、比較例16と同じ組成の感光体を作製した。
(比較例40)
比較例17のアルミシリンダーを直径30mmのものに変え、比較例17と同じ組成の感光体を作製した。
以上のように作製した実施例70、参考例5及び比較例35〜40の感光体を、帯電部材と共に1つの電子写真装置用プロセスカートリッジに装着し、更に図16に示すフルカラー電子写真装置に搭載した。4つの画像形成要素は以下に示すプロセス条件にてフルカラー画像20万枚通紙試験を行った。この後に、地汚れの有無の確認、及びハーフトーン画像評価を実施した(試験環境は、22℃−55%RHである)。なお、文字抜け、地汚れ評価は4段階にて行ない、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。以上の結果を表7に示す。
帯電条件:DCバイアス −800V、
ACバイアス 2.2kV(Peak to peak)、
周波数 2.0kHz
帯電部材:実施例53に使用したものと同じ
書き込み:780nmのLD(ポリゴン・ミラー使用)
比較合成例2で得られた顔料(最低角7.3°)に特許文献56に記載の顔料(最大回折ピークを7.5°に有する)と同様に作製したものを3重量%添加し、乳鉢で混合して、先程と同様にX線回折スペクトルを測定した。測定例1のX線回折スペクトルを図21に示す。
比較合成例3で得られた顔料(最低角7.5°)に特許文献56に記載の顔料(最大回折ピークを7.5°に有する)と同様に作製したものを3重量%添加し、乳鉢で混合して、先程と同様にX線回折スペクトルを測定した。測定例2のX線回折スペクトルを図22に示す。
以上のことから、本願発明のチタニルフタロシアニン結晶における最低角ピークである7.3°は、公知のチタニルフタロシアニン結晶における7.5°のピークとは異なるものであることが判る。
2 フィラー分散層
3 樹脂層
4 感光層
5 電荷ブロッキング層
6 モアレ防止層
7 電荷発生層
8 電荷輸送層
9 保護層
11、41、51、61C、61M、61Y、61K 感光体
12 除電ランプ
13、53 帯電ローラ
15、54 画像露光部
16 現像ユニット
17 転写前チャージャ
18 レジストローラ
19 転写紙
20、45 転写チャージャ
21 分離チャージャ
22 分離爪
23 クリーニング前チャージャ
24 ファーブラシ
25 クリーニングブレード
31 ギャップ形成部材
32 金属シャフト
33 画像形成領域
34 非画像形成領域
42a、42b 駆動ローラ
43 帯電チャージャ
44 像露光源
45 転写チャージャ
46 クリーニング前露光
47、55 クリーニングブラシ
48 除電光源
53 帯電ローラ
56 現像ローラ
57 転写ローラ
62C、62M、62Y、62K 帯電部材
63C、63M、63Y、63K レーザー光
64C、64M、64Y、64K 現像部材
65C、65M、65Y、65K クリーニング部材
66C、66M、66Y、66K 画像形成要素
67 転写紙
68 給紙コロ
69 レジストローラ
70 転写搬送ベルト
71C、71M、71Y、71K 転写ブラシ
Claims (29)
- 導電性支持体上に、少なくとも電荷ブロッキング層、モアレ防止層および感光層を順に積層してなる電子写真感光体において、該感光層中にCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、かつ26.3°にピークを有する結晶型で、一次粒子の平均粒子サイズが0.25μm以下であるチタニルフタロシアニン結晶を含有し、前記チタニルフタロシアニン結晶が、CuKαの特性X線に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも7.0〜7.5゜に最大回折ピークを有し、その回折ピークの半値巾が1゜以上である一次粒子の平均粒子サイズが0.1μm以下の不定形チタニルフタロシアニンもしくは低結晶性チタニルフタロシアニンを水の存在下で有機溶媒により結晶変換を行ない、結晶変換後の一次粒子の平均粒子サイズが0.25μmより大きく成長する前に、有機溶媒より分別、濾過されたものであることを特徴とする電子写真感光体。
- 前記チタニルフタロシアニン結晶において、26.3゜のピーク強度が最大回折ピーク27.2゜のピーク強度に対して0.1〜5%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が電荷発生層と電荷輸送層の積層構成からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
- 前記チタニルフタロシアニン結晶が、ハロゲン化物を含まない原材料を使用して合成されたものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷ブロッキング層が絶縁性材料からなり、その膜厚が2.0μm未満であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の電子写真感光体。
- 前記絶縁性材料がポリアミドであることを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体。
- 前記モアレ防止層が無機顔料とバインダー樹脂を含有し、両者の容積比が1/1乃至3/1の範囲であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の電子写真感光体。
- 前記バインダー樹脂が熱硬化型樹脂であることを特徴とする請求項7に記載の電子写真感光体。
- 前記熱硬化型樹脂がアルキッド/メラミン樹脂の混合物であることを特徴とする請求項8に記載の電子写真感光体。
- 前記アルキッド樹脂とメラミン樹脂の混合比が、5/5〜8/2(重量比)の範囲であることを特徴とする請求項9に記載の電子写真感光体。
- 前記無機顔料が酸化チタンであることを特徴とする請求項7乃至10の何れか一項に記載の電子写真感光体。
- 前記酸化チタンが平均粒径の異なる2種類の酸化チタンであり、平均粒径の大きい方の酸化チタン(T1)の平均粒径(D1)とし、他方の酸化チタン(T2)の平均粒径を(D2)とした場合、0.2<(D2/D1)≦0.5の関係を満たすことを特徴とする請求項11に記載の電子写真感光体。
- 前記酸化チタン(T2)の平均粒径(D2)が、0.05μm<D2<0.2μmであることを特徴とする請求項12に記載の電子写真感光体。
- 前記平均粒径の異なる2種の酸化チタンの混合比率(重量比)が、0.2≦T2/(T1+T2)≦0.8であることを特徴とする請求項12又は13に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層上に保護層を有することを特徴とする請求項1乃至14の何れか一項に記載の電子写真感光体。
- 前記保護層が、比抵抗1010Ω・cm以上の無機顔料または金属酸化物を含有することを特徴とする請求項15に記載の電子写真感光体。
- 前記金属酸化物が、比抵抗1010Ω・cm以上のアルミナ、酸化チタン、シリカのいずれかであることを特徴とする請求項16に記載の電子写真感光体。
- 前記金属酸化物が、比抵抗1010Ω・cm以上のα−アルミナであることを特徴とする請求項17に記載の電子写真感光体。
- 前記保護層が、高分子電荷輸送物質を含有することを特徴とする請求項15乃至18の何れか一項に記載の電子写真感光体。
- 前記保護層が、架橋構造を有するバインダー樹脂を含有することを特徴とする請求項15乃至18の何れか一項に記載の電子写真感光体。
- 前記架橋構造を有するバインダー樹脂の構造中に、電荷輸送部位を有することを特徴とする請求項20に記載の電子写真感光体。
- 少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、及び電子写真感光体を具備してなる画像形成装置において、該電子写真感光体が請求項1乃至21の何れか一項に記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
- 少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、及び電子写真感光体からなる画像形成要素を複数配列したことを特徴とする請求項22に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置の帯電手段に、接触帯電方式を用いることを特徴とする請求項22又は23に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置の帯電手段に、非接触の近接配置方式を用いることを特徴とする請求項22又は23に記載の画像形成装置。
- 前記帯電手段に用いられる帯電部材と感光体間の空隙が100μm以下であることを特徴とする請求項25に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置の帯電手段として、交流重畳電圧印加を行うことを特徴とする請求項24乃至26の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置が、感光体と少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段から選ばれる1つの手段とが一体となった装置本体と着脱自在なカートリッジを搭載していることを特徴とする請求項22乃至27の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段から選ばれる1つの手段と、電子写真感光体とが一体となった画像形成装置用プロセスカートリッジにおいて、該電子写真感光体が請求項1乃至21の何れか一項に記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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