JP4230340B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
小型化の課題に対しては、コンパクトな帯電方式として、ローラー形状であり、感光体と接触する形態を有する接触方式の帯電部材が用いられている。この方式は、ワイヤー方式(コロトロン、スコロトロン)に比べて、帯電部材への印加バイアスが低く抑えられることから、帯電部材に使用されるパワーパックの容量が小さくて済み、使用電力の低減化に非常に有利な方式である。また、帯電の際に帯電部材と感光体間の電界強度さが小さくて済むことから、オゾンやNOxといった酸化性ガスの発生量も低減化され、環境に与える影響および電子写真感光体への影響も低減化される。このため、異常画像の発生や感光体の劣化を防止できる。しかしながら、感光体と帯電部材が接触した状態での帯電を行うため、感光体もしくは帯電部材の抵抗が低い部分が局所的に存在したり、帯電ニップ中に導電性の異物などが混入したりすると、感光体が絶縁破壊を起こしやすいという問題が発生する場合がある。
このような問題は、低い解像度(400dpi以下)の書き込み光では、それほど問題にならない現象であったが、昨今の高解像度書き込み(600dpi以上、より精細な書き込みは1200dpi以上)において顕著に現れる問題である。
また、接触帯電部材使用時に特有の感光体絶縁破壊の問題を解決し、感光体の長寿命化を可能にすることで、安定した画像出力を長期にわたり可能にした画像形成装置を提供することにある。
また、電界強度の上昇は上述の問題を発生させるだけでなく、感光体を絶縁破壊してしまうという問題も有している。この絶縁破壊は、特に接触帯電部材を用いる際に顕著な問題として挙げられるものであるが、帯電部材と感光体との間の微小空間における放電現象により、感光体あるいは帯電ローラにおける局所的な欠陥(特に抵抗の低い部分)に電界が集中し、落雷現象が起こり、感光体そのものに穴を空けてしまう現象である。
電界強度(V/μm)=現像位置における未露光部表面電位(V)/感光層膜厚(μm) 」、(2)前記チタニルフタロシアニン結晶は、26.3°のピーク強度が、最大回折ピーク27.2°のピーク強度に対して0.1〜5%の範囲であるチタニルフタロシアニン結晶であることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真装置。(3)「前記電荷輸送層に少なくともトリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートを含有することを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載の画像形成装置」、(4)「前記電荷輸送層上に保護層を有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項に記載の画像形成装置」、(5)「前記保護層に比抵抗1010Ω・cm以上の金属酸化物を含有することを特徴とする前記第(4)項に記載の画像形成装置」、(6)「前記保護層に高分子電荷輸送物質を含有することを特徴とする前記第(4)項または(5)項に記載の画像形成装置」、(7)「前記保護層のバインダー樹脂が、架橋構造を有することを特徴とする前記(3)項乃至(6)項の何れか1項に記載の画像形成装置」、(8)「前記架橋構造を有するバインダー樹脂の構造中に、電荷輸送部位を有することを特徴とする前記第(7)項に記載の画像形成装置」、(9)「前記電子写真感光体の導電性支持体表面が陽極酸化皮膜処理されたものであることを特徴とする前記第(1)項乃至(8)項の何れか1項に記載の画像形成装置」、(10)「少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、及び電子写真感光体からなる画像形成要素を複数配列したことを特徴とする前記第(1)項乃至(9)項の何れか1項に記載の画像形成装置」、(11)「前記電子写真装置の帯電手段に、交流重畳電圧印加を行うことを特徴とする前記第(1)項乃至(10)項の何れか1項に記載の画像形成装置」、(12)「感光体と少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段から選ばれる1つの手段とが一体となった装置本体と着脱自在なカートリッジを搭載していることを特徴とする前記第(1)項乃至(11)項の何れか1項に記載の画像形成装置」により達成される。
具体的には、高画質な画像を形成するため、接触帯電部材により30V/μm以上の電界強度が形成されるように感光体に帯電を行い、更に600dpi以上の書き込み光源による書き込みを行うことにより静電潜像を形成する画像形成装置において、特定結晶型で特定粒子サイズのチタニルフタロシアニン結晶を含有する感光体を使用することにより、チタニルフタロシアニン固有の高感度を維持し、高耐久で、高画質画像を高速で出力が可能な画像形成装置が提供される。
また、接触帯電部材使用時に特有の感光体絶縁破壊の問題を解決し、感光体の長寿命化を可能にすることで、安定した画像出力を長期にわたり可能にした画像形成装置が提供される。
図3は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図であり、下記に示すような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図3において、感光体(1)は導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層を含む感光層が設けられてなり、電荷発生層にはCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、かつ、前記7.3°のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さず、更に26.3゜にピークを有する一次粒子の平均粒子サイズが0.25μm以下のチタニルフタロシアニン結晶を含有してなる。感光体(1)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
ここでいう接触方式の帯電部材とは、感光体表面に帯電部材の表面が接触するタイプのものであり、帯電ローラ、帯電ブレード、帯電ブラシの形状がある。中でも帯電ローラや帯電ブラシが良好に使用される。
図3には転写部材として、転写ベルト(10)が記載されているが、このほかに転写チャージャー、転写ローラを用いることも可能である。中でも、オゾン発生量の少ない転写ベルトや転写ローラ等の接触型を用いることが望ましい。このような転写部材は、構成上、本発明の構成を満足できるものであれば、公知のものを使用することができる。
かかる光源等は、図3に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光が照射される。
図4において、符号(1C)、(1M)、(1Y)、(1K)はドラム状の感光体であり、感光体(1)は導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層を含む感光層が設けられてなり、電荷発生層にはCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、かつ、前記7.3°のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さず、更に26.3゜にピークを有する一次粒子の平均粒子サイズが0.25μm以下のチタニルフタロシアニン結晶を含有してなる。
本発明に用いられる電子写真感光体は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を形成してなる電子写真感光体であって、該電荷発生層中にCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、かつ、前記7.3°のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さず、更に26.3゜にピークを有する一次粒子の平均粒子サイズが0.25μm以下のチタニルフタロシアニン結晶を含有するものである。
初めにチタニルフタロシアニン結晶の合成粗品の合成法について述べる。 フタロシアニン類の合成方法は古くから知られており、Moser等による「Phthalocyanine Compounds」(1963年)、「The Phthalocyanines」(1983年)、特開平6−293769号公報等に記載されている。
先ず、1回目の結晶変換方法について述べる。1回目の結晶変換は、前記不定形チタニルフタロシアニン(低結晶性チタニルフタロシアニン)を、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、かつ、前記7.3°のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さず、かつ26.3゜にピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶に変換する工程である。
図中のスケール・バーは、いずれも0.2μmである。
図8に示されるように1次粒子が小さい状態で作製されたチタニルフタロシアニン結晶を分散するにあたっては、分散後の粒子サイズを小さなもの(0.25μm以下、より好ましくは0.2μm以下)にするためには、1次粒子が凝集(集合)して集まって形成する2次粒子をほぐすだけのシェアを与えることで分散が可能である。この結果、必要以上のエネルギーを与えないため、前述の如き、粒子の一部が所望の結晶型でない結晶型へと転移し易い結果は生み出さずに、粒度分布の細かい分散液を容易に作製することが可能である。
粗大粒子が感光体(電荷発生層)中に存在すると、感光体の初期及び繰り返し使用後に地汚れを発生させる。また、繰り返し使用後において絶縁破壊を生じ易くさせるという問題を有することになる。このため本発明においては、上述の様にチタニルフタロシアニンの平均粒子サイズを規定するだけでなく、3μm以上、好ましくは1μm以上、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子を実質的に存在させないことが望まれる。
1つは、先に作製したチタニルフタロシアニン結晶を有機溶媒中で処理する方法である。使用される有機溶媒としては、27.2゜に最大回折ピークを有する結晶型を、26.3゜に最大回折ピークを有する結晶型に変換できる溶媒であればいかなるものも使用できるが、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、アセトン、2―ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類が良好に用いられる。
いずれの方法を用いる場合にも、26.3゜のピーク強度が最大回折ピーク27.2゜のピーク強度に対して0.1〜5%の範囲であることが重要である。溶媒中での処理時間あるいは機械的剪断力を与える処理時間により26.3゜のピーク強度が決定されるが、使用する原料(1回目の結晶変換により作製したチタニルフタロシアニン結晶)の状態(例えば、粉末の大きさ、固さ等)によっても異なるため、予備的な実験により、処理時間を決定することが望ましい。
分散液の作製に関しては一般的な方法が用いられ、前記チタニルフタロシアニン結晶を必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル、超音波などを用いて分散することで得られるものである。この際、バインダー樹脂は感光体の静電特性などにより、また溶媒は顔料へのぬれ性、顔料の分散性などにより選択すればよい。
このような処理により、3μm以上、好ましくは1μm以上、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子を実質的に取り除くことにより、本発明の効果はより一層顕著なものとなる。
使用するチタニルフタロシアニン結晶を粉末状態で、一般的なX線回折装置にて、X線回折スペクトルを測定する。得られたスペクトルに対して、ベースライン補正を行なった後、26.3±0.2゜のピーク強度、および27.2±0.2゜のピーク強度を求める。その値を用いて、26.3±0.2゜のピーク強度を27.2±0.2゜のピーク強度で割った値が、本発明で言うところのピーク強度比である。
26.3±0.2゜のピーク強度/27.2±0.2゜のピーク強度
なお、ピーク強度比が1%以下になるような場合には、広い範囲での測定ではベースラインの補正が難しい場合がある。その場合には、測定範囲を狭めて(例えば、25〜30゜の範囲で測定する等)、再測定を行なうことにより、より正確に強度比を求めることができる。
図12は、本発明に用いられる電子写真感光体の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(31)上に、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層(35)と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層(37)とが、積層された構成をとっている。
また、図13は、本発明に用いられる電子写真感光体の別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(31)上に、中間層(33)、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層(35)と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層(37)とが、積層された構成をとっている。
特に、反転現像(ネガ・ポジ現像)に用いた際に発生する点欠陥(黒ポチ、地汚れ)を防止する点で優れている。
更に、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体(31)として良好に用いることができる。
必要に応じて電荷発生層(35)に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
また、使用するフィラーの体積平均粒径は、0.1μm〜2μmの範囲が良好に使用され、好ましくは0.3μm〜1μmの範囲である。この場合、平均粒径が小さすぎると耐摩耗性が充分に発揮されず、大きすぎると塗膜の表面性が悪くなったり、塗膜そのものが形成できなかったりするからである。
ここで、本発明におけるフィラーのpHは、ゼータ電位から等電点におけるpH値を記載した。この際、ゼータ電位の測定は、大塚電子(株)製レーザーゼータ電位計にて測定した。
まず、電荷発生材料(チタニルフタロシアニン結晶)の合成例について述べる。
(比較合成例1)
特開2001−19871号公報に準じて、顔料を作製した。即ち、1,3−ジイミノイソインドリン29.2gとスルホラン200mlを混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド20.4gを滴下する。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行なった。反応終了後、放冷した後析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、つぎにメタノールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。粗チタニルフタロシアニンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の氷水に撹拌しながら滴下し、析出した結晶をろ過、ついで洗浄液が中性になるまで水洗いを繰り返し、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキ(水ペースト)を得た。得られたこのウェットケーキ(水ペースト)2gをテトラヒドロフラン20gに投入し、4時間攪拌を行なった後、濾過を行ない、乾燥して、チタニルフタロシアニン粉末を得た。
更に、このチタニルフタロシアニン結晶30gをテトラヒドロフラン300gに浸漬し、2回目の結晶変換を行なった。12時間浸漬放置した後、濾過分別し、上記と同じ条件で減圧乾燥を行ない、本発明で用いるチタニルフタロシアニン結晶を得た。これを顔料1とする。
比較合成例1の方法に従って、チタニルフタロシアニン顔料の水ペーストを合成し、次のように結晶変換を行ない、比較合成例1よりも一次粒子の小さなフタロシアニン結晶を得た。
比較合成例1で得られた結晶変換前の水ペースト60部にテトラヒドロフラン1500部を加え、室温下でホモミキサー(ケニス、MARKIIfモデル)により強烈に撹拌(2000rpm)し、ペーストの濃紺色の色が淡い青色に変化したら(撹拌開始後20分)、撹拌を停止し、直ちに減圧濾過を行なった。濾過装置上で得られた結晶をテトラヒドロフランで洗浄し、顔料のウェットケーキを得た。これを減圧下(5mmHg)、70℃で2日間乾燥して、チタニルフタロシアニン結晶58部を得た。
更に、このチタニルフタロシアニン結晶30gをテトラヒドロフラン300gに浸漬し、2回目の結晶変換を行なった。12時間浸漬放置した後、濾過分別し、上記と同じ条件で減圧乾燥を行ない、本発明で用いるチタニルフタロシアニン結晶を得た。これを顔料2とする。
合成例1における2回目の結晶変換操作を下記の通りの条件に変更した以外は、合成例1と同様に処理を行ない、本発明のチタニルフタロシアニン結晶(図10参照)を得た。これを顔料3とする。
(2回目の結晶変換処理)
1回目の結晶変換処理を行なったチタニルフタロシアニン結晶30gを、市販のミキサーにより機械的剪断力を5分間与えた後、粉末を取り出した。
合成例1における2回目の結晶変換操作を下記の通りの条件に変更した以外は、合成例1と同様に処理を行ない、本発明のチタニルフタロシアニン結晶を得た。これを顔料4とする。
(2回目の結晶変換処理)
1回目の結晶変換処理を行なったチタニルフタロシアニン結晶30gを、2kgのφ6mmのジルコニアボールと共に、φ90mmのガラスポットに投入し、乾式ミリングを10分間行なった後、粉末を取り出した。
合成例1における2回目の結晶変換溶媒をテトラヒドロフランからメタノールに変更した以外は、合成例1と同様に処理を行ない、チタニルフタロシアニン結晶を得た。これを顔料5とする。
合成例1において、1回目の結晶変換溶媒として、テトラヒドロフランの代わりに2−ブタノンを用い、2回目の結晶変換を行なわない以外は、合成例1と同様に処理を行ない、チタニルフタロシアニン結晶を得た。これを顔料6とする。
以上のようにして得られたチタニルフタロシアニン粉末を、下記の条件によりX線回折スペクトル測定した。
(X線回折スペクトル測定条件)
X線管球:Cu
電圧:50kV
電流:30mA
走査速度:2°/分
走査範囲:3°〜40°
時定数:2秒
また、比較合成例1で得られた水ペーストの一部を80℃の減圧下(5mmHg)で、2日間乾燥して、低結晶性チタニルフタロシアニン粉末を得た。水ペーストの乾燥粉末のX線回折スペクトルを図15に示す。
比較合成例3で得られたチタニルフタロシアニン結晶(顔料6)のX線回折スペクトルを図17に示すが、最低角が7.5°に存在するものであった。図中の矢印が、26.3°のピークであり、ピーク強度比は8%である。
以上の方法により求められた合成例1における水ペースト中の平均粒子サイズは、0.06μmであった。
特開平1−299874号(特許第2512081号)公報、実施例1に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、先の比較合成例1で作製したウェットケーキを乾燥し、乾燥物1gをポリエチレングリコール50gに加え、100gのガラスビーズと共に、サンドミルを行なった。結晶転移後、希硫酸、水酸化アンモニウム水溶液で順次洗浄し、乾燥して顔料を得た。これを顔料7とする。
特開平3−269064号(特許第2584682号)公報、製造例1に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、先の比較合成例1で作製したウェットケーキを乾燥し、乾燥物1gをイオン交換水10gとモノクロルベンゼン1gの混合溶媒中で1時間撹拌(50℃)した後、メタノールとイオン交換水で洗浄し、乾燥して顔料を得た。これを顔料8とする。
特開平2−8256号(特公平7−91486号)公報の製造例に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、フタロジニトリル9.8gと1−クロロナフタレン75mlを撹拌混合し、窒素気流下で四塩化チタン2.2mlを滴下する。滴下終了後、徐々に200℃まで昇温し、反応温度を200℃〜220℃の間に保ちながら3時間撹拌して反応を行なった。反応終了後、放冷し130℃になったところ熱時ろ過し、次いで1−クロロナフタレンで粉体が青色になるまで洗浄、次にメタノールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で数回洗浄した後、乾燥し顔料を得た。これを顔料9とする。
特開昭64−17066号(特公平7−97221号)公報、合成例1に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、α型チタニルフタロシアニン5部を食塩10gおよびアセトフェノン5gと共にサンドグラインダーにて100℃にて10時間結晶変換処理を行なった。これをイオン交換水及びメタノールで洗浄し、希硫酸水溶液で精製し、イオン交換水で酸分がなくなるまで洗浄した後、乾燥して顔料を得た。これを顔料10とする。
特開平11−5919号(特許第3003664号)公報、実施例1に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、O−フタロジニトリル20.4部、四塩化チタン部7.6部をキノリン50部中で200℃にて2時間加熱反応後、水蒸気蒸留で溶媒を除き、2%塩酸、続いて2%水酸化ナトリウム水溶液で精製し、メタノール、N,N−ジメチルホルムアミドで洗浄後、乾燥し、チタニルフタロシアニンを得た。このチタニルフタロシアニン2部を5℃の98%硫酸40部の中に少しずつ溶解し、その混合物を約1時間、5℃以下の温度を保ちながら攪拌する。続いて硫酸溶液を高速攪拌した400部の氷水中に、ゆっくりと注入し、析出した結晶を濾過する。結晶を酸が残量しなくなるまで蒸留水で洗浄し、ウエットケーキを得る。そのケーキをTHF100部中で約5時間攪拌を行ない、ろ過、THFによる洗浄を行ない乾燥後、顔料を得た。これを顔料11とする。
特開平3−255456号(特許第3005052号)公報、合成例2に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、先の比較合成例1で作製したウェットケーキ10部を塩化ナトリウム15部とジエチレングリコール7部に混合し、80℃の加熱下で自動乳鉢により60時間ミリング処理を行なった。次に、この処理品に含まれる塩化ナトリウムとジエチレングリコールを完全に除去するために充分な水洗を行なった。これを減圧乾燥した後にシクロヘキサノン200部と直径1mmのガラスビーズを加えて、30分間サンドミルにより処理を行ない、顔料を得た。これを顔料12とする。
特開平11−5919号(特許第3003664号)公報、実施例4に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、先の比較合成例8で得られたウェットケーキを5%の塩酸で洗浄し、中性になるまで水洗・濾過を行ない、乾燥した。更にこれをTHFと共にボールミルで10時間分散し、濾過・乾燥して顔料粉末を得た。これを顔料13とする。
特開平5−134437号(特許第3196260号)公報、製造例1及び製造例2に記載の方法に準じて、顔料を作製した。
即ち、フタロジニトリル97.5gをα−クロロナフタレン750ml中に加え、次に窒素雰囲気下で四塩化チタン22mlを滴下する。滴下後昇温し、撹拌しながら200〜220℃で3時間反応させた後、放冷し、100〜130℃で熱時濾過し、100℃に加熱したα−クロロナフタレン200mlで洗浄した。更に200mlのN−メチルピロリドンで熱懸洗処理(100℃、1時間)を3回行った。続いてメタノール300mlで室温にて懸洗しさらにメタノール500mlで1時間熱懸洗を3回行った。これをフタロシアニン1とする。
次いで、フタロシアニン1をサンドグラインドミルにて20時間磨砕処理しを行い、続いて水400ml、o−ジクロロベンゼン40mlの懸濁液中に入れ、60℃で1時間加熱処理を行った。これをフタロシアニン2とする。
更に、特開平5−134437号実施例1に準じて、フタロシアニン1およびフタロシアニン2をそれぞれ6重量部および4重量部混合し、n−プロパノール200重量部を加え、サンドグラインドミルで10時間粉砕、微粒化分散処理を行った。これを乾燥して、フタロシアニン粉末を得た。これを顔料14とする。
特開平8−110649号公報のチタニルフタロシアニン結晶体の製造方法に準じて、顔料を作製した。即ち、1,3−ジイミノイソインドリン58g、テトラブトキシチタン51gをα−クロロナフタレン300mL中で210℃にて5時間反応後、α−クロロナフタレン、ジメチルホルムアミド(DMF)の順で洗浄した。その後、熱DMF、熱水、メタノールで洗浄、乾燥して50gのチタニルフタロシアニンを得た。チタニルフタロシアニン4gを0℃に冷却した濃硫酸400g中に加え、引き続き0℃、1時間撹拌した。フタロシアニンが完全に溶解したことを確認した後、0℃に冷却した水800mL/トルエン800mL混合液中に添加した。室温で2時間撹拌後、析出したフタロシアニン結晶体を混合液より濾別し、メタノール、水の順で洗浄した。洗浄水の中性を確認した後、洗浄水よりフタロシアニン結晶体を濾別し、乾燥して、2.9gのチタニルフタロシアニン結晶体を得た。これを顔料15とする。
以上の比較合成例4〜11で作製した顔料7〜14は、先程と同様の方法でX線回折スペクトルを測定し、それぞれの公報に記載のスペクトルと同様であることを確認した。表2に顔料1〜14のX線回折スペクトルのピーク位置の特徴を示す。
比較合成例1で作製した顔料1を下記組成の処方にて、下記に示す条件にて分散を行い電荷発生層用塗工液として、分散液を作製した。
チタニルフタロシアニン顔料(顔料1) 15部
ポリビニルブチラール(積水化学製:BX−1) 10部
2−ブタノン 280部
市販のビーズミル分散機に直径0.5mmのPSZボールを用い、ポリビニルブチラールを溶解した2−ブタノンおよび顔料を全て投入し、ローター回転数1200r.p.m.にて30分間分散を行ない、分散液を作製した(分散液1とする)。
分散液作製例1で使用した顔料1に変えて、それぞれ合成例1〜3及び比較合成例2〜12で作製した顔料2〜15を使用して、分散液作製例1と同じ条件にて分散液を作製した(顔料番号に対応して、それぞれ分散液2〜15とする)。
分散液作製例1で作製した分散液1を、アドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−1−CS(有効孔径1μm)を用いて、濾過を行なった。濾過に際しては、ポンプを使用し、加圧状態で濾過を行なった(分散液16とする)。
分散液作製例16で使用したフィルターを、アドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−3−CS(有効孔径3μm)に変えた以外は、分散液作製例16と同様に加圧濾過を行ない分散液を作製した(分散液17とする)。
分散液作製例15で使用したフィルターを、アドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−5−CS(有効孔径5μm)に変えた以外は、分散液作製例16と同様に加圧濾過を行ない分散液を作製した(分散液18とする)。
分散液作製例1における分散条件を下記の通り変更して、分散を行った(分散液19とする)。
ローター回転数:1000r.p.m.にて20分間分散を行った。
分散液作製例19で作製した分散液をアドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−1−CS(有効孔径1μm)を用いて、濾過を行なった。濾過に際しては、ポンプを使用し、加圧状態で濾過を行なった。濾過の途中でフィルターが目詰まりを起こして、全ての分散液を濾過することが出来なかった。このため以下の評価は未実施。
以上のように作製した分散液中の顔料粒子の粒度分布を、堀場製作所:CAPA−700にて測定した。結果を表3に示す。
直径60mmのアルミニウムシリンダー(JIS1050)に、下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥し、3.5μmの下引き層、電荷発生層、20μmの電荷輸送層を形成し、積層感光体を作製した(感光体1とする)。なお、電荷発生層の膜厚は、780nmにおける電荷発生層の透過率が20%になるように調整した。電荷発生層の透過率は、下記組成の電荷発生層塗工液を、ポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き付けたアルミシリンダーに感光体作製と同じ条件で塗工を行ない、比較対照を電荷発生層を塗工していないポリエチレンテレフタレートフィルムとし、市販の分光光度計(島津:UV−3100)にて、780nmの透過率を評価した。
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製) 70部
アルキッド樹脂 15部
(ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 10部
(スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製)
2−ブタノン 100部
◎電荷発生層塗工液
先に作製した分散液1を用いた。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
感光体作製例1で使用した電荷発生層塗工液(分散液1)をそれぞれ、分散液2〜19に変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した。なお、電荷発生層の膜厚は、感光体作製例1と同様に、すべての塗工液を用いた場合に780nmの透過率が20%になるように調整した。
以上のように作製した感光体作製例1〜19の電子写真感光体を図3に示す画像形成装置に搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み、解像度600dpi)、帯電部材として接触方式の帯電ローラ、転写部材として転写ベルトを用い、下記の帯電条件にて、書き込み率6%のチャートを用い、連続10万枚印刷を行った(試験環境は、22℃−55%RHである)。
帯電条件1:
DCバイアス:−700V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数:1.5kHz
帯電条件2:
DCバイアス:−560V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数:1.5kHz
なお、画像評価は10万枚印刷後に、下記2つの評価を実施した。
(i)地汚れの評価:
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
(ii)ドット形成状態の評価
直径60μmの1ドット画像を形成し、ドット形成状態を150倍の顕微鏡にて観察し、ランク評価を実施した。
何れの場合にもランク評価は4段階にて行ない、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。以上の結果を表4に示す。
更に、22℃−55%RHでの上記試験の後、上記の帯電条件のまま(帯電条件は−700Vのみ)、10℃−15%RHで2万枚、30℃−90%RHで2万枚のランニング試験を行ない、それぞれの2万枚後の画像を同じように画像評価を行なった。結果をそれぞれ、表5、表6に示す。
感光体作製例2における電荷輸送層塗工液を以下の組成のものに変更した以外は、感光体作製例2と同様に感光体を作製した。
◎電荷輸送層塗工液
下記組成の高分子電荷輸送物質 10部
(重量平均分子量:約135000)
感光体作製例2における電荷輸送層の膜厚を15μmとし、電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を塗布乾燥し、5μmの保護層を設けた以外は感光体作製例2と同様に感光体を作製した。
◎保護層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
(比抵抗:2.5×1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm)
シクロヘキサノン 500部
テトラヒドロフラン 150部
感光体作製例21における保護層塗工液中のアルミナ微粒子を以下のものに変更した以外は、感光体作製例21と同様に感光体を作製した。
酸化チタン微粒子 4部
(比抵抗:1.5×1010Ω・cm、平均一次粒径:0.5μm)
感光体作製例21における保護層塗工液中のアルミナ微粒子を以下のものに変更した以外は、感光体作製例21と同様に感光体を作製した。
酸化錫−酸化アンチモン粉末 4部
(比抵抗:106Ω・cm、平均1次粒径0.4μm)
感光体作製例21における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例21と同様に電子写真感光体を作製した。
◎保護層塗工液
下記構造式の高分子電荷輸送物質 17部
「GPCにより測定した結果、nはおよそ250と求められた」
(比抵抗:2.5×1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm)
シクロへキサノン 500部
テトラヒドロフラン 150部
感光体作製例21における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例21と同様に電子写真感光体を作製した。
◎保護層塗工液
メチルトリメトキシシラン 100部
3%酢酸 20部
下記構造の電荷輸送性化合物 35部
硬化剤(ジブチル錫アセテート) 1部
2−プロパノール 200部
感光体作製例21における保護層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、感光体作製例21と同様に電子写真感光体を作製した。
◎保護層塗工液
メチルトリメトキシシラン 100部
3%酢酸 20部
下記構造の電荷輸送性化合物 35部
酸化防止剤(サノール LS2626:三共化学社製) 1部
ポリカルボン酸化合物 BYK P104:ビックケミー社製 0.4部
硬化剤(ジブチル錫アセテート) 1部
2−プロパノール 200部
感光体作製例2におけるアルミニウムシリンダー(JIS1050)を以下の陽極酸化皮膜処理を行ない、次いで下引き層を設けずに、感光体作製例2と同様に電荷発生層、電荷輸送層を設け、感光体を作製した。
◎陽極酸化皮膜処理
支持体表面の鏡面研磨仕上げを行ない、脱脂洗浄、水洗浄を行なった後、液温20℃、硫酸15vol%の電解浴に浸し、電解電圧15Vにて30分間陽極酸化皮膜処理を行なった。更に、水洗浄を行なった後、7%の酢酸ニッケル水溶液(50℃)にて封孔処理を行なった。その後純水による洗浄を経て、7μmの陽極酸化皮膜が形成された支持体を得た。
以上のように感光体作製例20〜27で作製した電子写真感光体を図3に示す画像形成装置に搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み、解像度600dpi)、帯電部材として接触方式の帯電ローラ、転写部材として転写ベルトを用い、下記の帯電条件にて、書き込み率6%のチャートを用い、連続10万枚印刷を行った(試験環境は、22℃−55%RHである)。
帯電条件1:
DCバイアス:−700V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数:1.5kHz
帯電条件2:
DCバイアス:−560V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数:1.5kHz
なお、画像評価は10万枚印刷後に、下記2つの評価を実施した。
(i)地汚れの評価:
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
(ii)ドット形成状態の評価
直径60μmの1ドット画像を形成し、ドット形成状態を150倍の顕微鏡にて観察し、ランク評価を実施した。
何れの場合にもランク評価は4段階にて行ない、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。また、10万枚印刷後の感光層
の摩耗量(保護層を有する場合は保護層の摩耗量)を測定した。以上の結果、実施例1の場合と併せて表7に示す。
感光体作製例1のアルミシリンダーを直径30mmのものに変え、感光体作製例1と同じ組成の感光体を作製した。
感光体作製例2のアルミシリンダーを直径30mmのものに変え、感光体作製例2と同じ組成の感光体を作製した。
感光体作製例4のアルミシリンダーを直径30mmのものに変え、感光体作製例4と同じ組成の感光体を作製した。
感光体作製例13のアルミシリンダーを直径30mmのものに変え、感光体作製例13と同じ組成の感光体を作製した。
感光体作製例14のアルミシリンダーを直径30mmのものに変え、感光体作製例14と同じ組成の感光体を作製した。
感光体作製例15のアルミシリンダーを直径30mmのものに変え、感光体作製例15と同じ組成の感光体を作製した。
以上のように作製した感光体作製例28〜33の感光体を、帯電部材(接触帯電ローラ)と共に、図5に示すような1つの画像形成装置用プロセスカートリッジに装着し、更に図4に示すフルカラー画像形成装置に搭載した。4つの画像形成要素では画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み、解像度600dpi)、帯電部材として接触方式の帯電ローラ、転写部材として転写ベルトを用い、下記の帯電条件にて、書き込み率6%のチャートを用い、連続10万枚印刷を行った(試験環境は、22℃−55%RHである)。
帯電条件1:
DCバイアス:−700V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数:1.5kHz
帯電条件2:
DCバイアス:−560V
ACバイアス:2.0kV(peak to peak)、周波数:1.5kHz
なお、画像評価は10万枚印刷後に、下記3つの評価を実施した。
(i)地汚れの評価:
白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。
(ii)ドット形成状態の評価
直径60μmの1ドット画像を形成し、ドット形成状態を150倍の顕微鏡にて観察し、ランク評価を実施した。
(iii)色再現性の評価
感光体初期状態と10万枚ランニング後に、同じフルカラー画像を出力し、色再現性の評価を試みた。
何れの場合にもランク評価は4段階にて行ない、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。また、10万枚印刷後の感光層の摩耗量(保護層を有する場合は保護層の摩耗量)を測定した。以上の結果を表8に示す。
(測定例1)
比較合成例3で得られた顔料(最低角7.3°)に特開昭61−239248号公報に記載の顔料(最大回折ピークを7.5°に有する)と同様に作製したものを3重量%添加し、乳鉢で混合して、先程と同様にX線回折スペクトルを測定した。測定例1のX線回折スペクトルを図18に示す。
比較合成例2で得られた顔料(最低角7.5°)に特開昭61−239248号公報に記載の顔料(最大回折ピークを7.5°に有する)と同様に作製したものを3重量%添加し、乳鉢で混合して、先程と同様にX線回折スペクトルを測定した。測定例2のX線回折スペクトルを図19に示す。
図19のスペクトルにおいては、低角側に7.3°と7.5°の2つの独立したピークが存在し、少なくとも7.3°と7.5°のピークは異なるものであることが判る。一方、図18のスペクトルにおいては、低角側のピークは7.5°のみに存在し、図19のスペクトルとは明らかに異なっている。
以上のことから、本願発明のチタニルフタロシアニン結晶における最低角ピークである7.3°は、公知のチタニルフタロシアニン結晶における7.5°のピークとは異なるものであることが判る。
1C 感光体
1M 感光体
1Y 感光体
1K 感光体
2 除電ランプ
2C 帯電部材
2M 帯電部材
2Y 帯電部材
2K 帯電部材
3 帯電ローラ
3C レーザー光
3M レーザー光
3Y レーザー光
3K レーザー光
4C 現像部材
4M 現像部材
4Y 現像部材
4K 現像部材
5 画像露光部
5C クリーニング部材
5M クリーニング部材
5Y クリーニング部材
5K クリーニング部材
6 現像ユニット
6C 画像形成要素
6M 画像形成要素
6Y 画像形成要素
6K 画像形成要素
7 転写紙
8 給紙コロ
9 レジストローラ
10 転写搬送ベルト
11 転写バイアスローラ
11C 転写ブラシ
11M 転写ブラシ
11Y 転写ブラシ
11K 転写ブラシ
12 定着装置
13 クリーニング前チャージャー
14 ファーブラシ
15 クリーニングブラシ
16 現像ローラ
17 転写ローラ
18 分離爪
21 ギャップ形成部材
22 金属シャフト
23 画像形成領域
24 非画像形成領域
31 導電性支持体
33 中間層
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
101 感光体
102 帯電手段
103 露光
104 現像手段
105 転写体
106 転写手段
107 クリーニング手段
Claims (12)
- 少なくとも接触方式の帯電手段、600dpi以上の解像度を有する露光手段、現像手段、転写手段、及び電子写真感光体を具備してなる画像形成装置において、帯電手段から感光体に印加される下記に定義する電界強度の絶対値が30(V/μm)以上であり、かつ電子写真感光体が導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を順に積層してなる電子写真感光体であり、該電荷発生層中にCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3゜にピークを有する一次粒子の平均サイズが0.25μm以下であるチタニルフタロシアニン結晶を含有し、前記チタニルフタロシアニン結晶が、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも7.0〜7.5゜に最大回折ピークを有し、その回折ピークの半値巾が1゜以上である一次粒子の平均サイズが0.1μm以下の不定形チタニルフタロシアニンもしくは低結晶性チタニルフタロシアニンを水の存在下で有機溶媒により結晶変換を行ない、結晶変換後の一次粒子の平均サイズが0.25μmよりも大きく成長する前に、有機溶媒より結晶変換後のチタニルフタロシアニンを分別、濾過されたものであることを特徴とする含むことを特徴とする画像形成装置。
電界強度(V/μm)=現像位置における未露光部表面電位(V)/感光層膜厚(μm) - 前記チタニルフタロシアニン結晶は、26.3°のピーク強度が、最大回折ピーク27.2°のピーク強度に対して0.1〜5%の範囲であるチタニルフタロシアニン結晶であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真装置。
- 前記電荷輸送層に少なくともトリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記電荷輸送層上に保護層を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置。
- 前記保護層に比抵抗1010Ω・cm以上の金属酸化物を含有することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記保護層に高分子電荷輸送物質を含有することを特徴とする請求項4または5に記載の画像形成装置。
- 前記保護層のバインダー樹脂が、架橋構造を有することを特徴とする請求項3乃至6の何れか1項に記載の画像形成装置。
- 前記架橋構造を有するバインダー樹脂の構造中に、電荷輸送部位を有することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
- 前記電子写真感光体の導電性支持体表面が陽極酸化皮膜処理されたものであることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の画像形成装置。
- 少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、及び電子写真感光体からなる画像形成要素を複数配列したことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の画像形成装置。
- 前記電子写真装置の帯電手段に、交流重畳電圧印加を行うことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の画像形成装置。
- 感光体と少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段から選ばれる1つの手段とが一体となった装置本体と着脱自在なカートリッジを搭載していることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の画像形成装置。
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