JP2014026272A - 電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性支持体上に、少なくとも下引き層及び感光層を有する電子写真感光体であって、
前記下引き層がバインダー樹脂を含み、
前記バインダー樹脂が、下記測定法に基づく弾性変形率が56.0%以上であるポリアミド樹脂を含有する、電子写真感光体。
[測定法]ポリアミド樹脂を膜厚10μm以上のフィルム状に成形し、前記ポリアミド樹脂を、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、ビッカース圧子を用いて最大押し込み荷重5mN、負荷所要時間10秒及び除荷所要時間10秒の条件で測定したときの最大押し込み深さにおける値を弾性変形率とする。
【選択図】なし
Description
また電荷輸送層に使用されるバインダー樹脂としては、ポリカーボネート樹脂やポリアリレート樹脂が好適に用いられている(特許文献2)。
わけではない。特に近年、耐磨耗性の向上が望まれており、その一つの解決手段として、電荷輸送層に耐摩耗性に優れた結着樹脂を用いて、かつ電荷輸送物質の含有量を減少させ、結着樹脂の性能を極力損なわない手法がある。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものである。即ち、本発明の目的は、収縮の大きさに関わらず、感光層の接着性が極めて良好に保たれ、さらに、良好な電気特性と画像特性とを両立する電子写真感光体を提供すること、また該電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジ、および画像形成装置を提供することにある。
(1)導電性支持体上に、少なくとも下引き層及び感光層を有する電子写真感光体であって、
前記下引き層がバインダー樹脂を含み、
前記バインダー樹脂が、下記測定法に基づく弾性変形率が56.0%以上であるポリアミド樹脂を含有する、電子写真感光体。
[測定法]ポリアミド樹脂を膜厚10μm以上のフィルム状に成形し、前記ポリアミド樹脂を、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、ビッカース圧子を用いて最大押し込み荷重5mN、負荷所要時間10秒及び除荷所要時間10秒の条件で測定したときの最大押し込み深さにおける値を弾性変形率とする。
(2)前記ポリアミド樹脂が、質量比がメタノール:トルエン=1:1の混合溶媒に対して固形分濃度5wt%で溶解し、且つ、該溶液の25℃における調液後2時間以内の該溶液
の粘度が8.0cP〜15.0cPであることを特徴とする(1)に記載の電子写真感光体。
(3)前記ポリアミド樹脂が、ポリエーテル構造を含有する、(1)又は(2)に記載の電子写真感光体。
(4)前記ポリアミド樹脂含有量が、前記バインダー樹脂100質量部に対して、25質量部以上である、(1)〜(3)のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
(5)前記感光層が、ポリアリレート樹脂を含有する、(1)〜(4)のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
(6)前記下引き層における、前記ポリアミド樹脂の含有量が、10質量%以上であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
(7)前記下引き層が、金属酸化物の粒子を含有していることを特徴とする(1)〜(6
)のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
(8)前記金属酸化物が酸化チタンであることを特徴とする(7)に記載の電子写真感光体。
(9)導電性支持体上に、少なくとも下引き層及び感光層を有する電子写真感光体であって、
前記下引き層の下記測定法に基づくユニバーサル硬度が、55N/mm2以下であるポリア
ミド樹脂を含有する、電子写真感光体。
[測定法]
下引き層を、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、ビッカース圧子を用いて最大押し込み荷重5mN、負荷所要時間10秒及び除荷所要時間10秒の条件で測定したときの最大押し込み深さにおける値をユニバーサル硬度とする。
(10)(1)〜(9)のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電部、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部、該電子写真感光体上をクリーニングするクリーニング部のうち、少なくとも一つとを備えることを特徴とする電子写真感光体カートリッジ。
(11)(1)〜(9)のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電部、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部、及び該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
以下、本発明の電子写真感光体について詳述する。
感光体に用いる導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導電性支持体に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のために、適当な抵
抗値をもつ導電性材料を塗布したものでもよい。
例えば、クロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中で、陽極酸化処理することにより形成されるが、硫酸中での陽極酸化処理がより良好な結果を与える。硫酸中での陽極酸化の場合、硫酸濃度は100−300g/l、溶存アルミニウム濃度は2−15g/l、液温は15−30℃、電解電圧は10−20V、電流密度は0.5−2A/dm2の範囲内に設定されるのが好ましいが、前記条件に限定されるものではない。
上記低温封孔処理の場合に使用されるフッ化ニッケル水溶液濃度は、適宜選べるが、3−6g/lの範囲で使用された場合、より好ましい結果が得られる。また、封孔処理をスムーズに進めるために、処理温度としては、25−40℃、好ましくは30−35℃で、また、フッ化ニッケル水溶液のpHは、4.5−6.5、好ましくは5.5−6.0の範囲で処理するのがよい。pH調節剤としては、シュウ酸、ホウ酸、ギ酸、酢酸、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、アンモニア水等を用いることが出来る。処理時間は、被膜の膜厚1μmあたり1−3分の範囲で処理することが好ましい。なお、被膜物性を更に改良するためにフッ化コバルト、酢酸コバルト、硫酸ニッケル、界面活性剤等をフッ化ニッケル水溶液に添加しておいてもよい。次いで水洗、乾燥して低温封孔処理を終える。
導電性支持体と後述する感光層との間には、下引き層を設けることが好ましい。下引き層としては、樹脂や、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられ、さらにバインダー樹脂を含む。これらは単独として用いてもよいし、またはいくつかの樹脂、金属酸化物等の粒子を組み合わせて同時に用いてもよい。金属酸化物等の粒子とバインダー樹脂とを含む導電層とバインダー樹脂を含む中間層を積層して下引き層としても良い。
酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることが出来る。また、複数の結晶状態のものが含有されていてもよい。
下引き層に用いられるバインダー樹脂に対する金属酸化物粒子の添加比は任意に選ぶことが可能であるが、分散液の安定性、塗布性の観点から、バインダー樹脂に対して、通常は10質量%以上、500質量%以下の範囲で使用することが好ましい。
本発明における下引き層にはバインダー樹脂として弾性変形率が56.0%以上のポリアミド樹脂が含まれる。弾性変形率については後述するが、弾性変形率が56.0%以上のポリアミド樹脂は、例えば、ポリアミド成分をハードセグメントとし、そこにソフトセグメントを導入することによって共重合ポリアミド系樹脂とすることで達成される。バインダー樹脂としては、ポリアミド樹脂以外に含んでいてもよい樹脂は後述する。
ソフトセグメントとしては、エントロピー弾性を示すようなソフト成分である脂肪族ポリエステル成分又は脂肪族ポリエーテルが挙げられる。中でも、ポリアミド樹脂が、脂肪族ポリエーテルといったポリエーテル構造を含むことが溶剤への可溶性及び接着性の点から好ましい。
脂肪族ポリエーテルとしては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルグリコールが挙げられる。
また、弾性変形率が56.0%以上のポリアミド樹脂は、バインダー樹脂全体100質量部に対して、下限は、5質量部以上が接着性の点から好ましく、25質量部以上がより好ましく、50質量部以上が更に好ましい。100質量部であることが特に好ましい。
本発明における下引き層に含有されるポリアミド樹脂の塗布膜の弾性変形率は、56.0%以上、より好ましくは60.0%以上、特に好ましくは65.0%以上である。弾性変形率を前記範囲とすることにより、著しく感光層と導電性支持体との接着性を向上させることが可能となる。また上限は、特に制限は無いが製造の容易性の観点から、通常100%以下、好ましくは90.0%以下、更に好ましくは80.0%以下である。この理由は定かではないが、以下に説明する。
下引き層の樹脂の弾性変形率が低い場合、下引き層が歪の少ない状態へ変形しにくいため、この収縮に伴って発生した下引き層の歪を緩和できず、下引き層と感光層の界面が破断しやすい状態になってしまうと考えられる。
また、下引き層のユニバーサル硬度は、通常55N/mm2以下、より好ましくは50
N/mm2以下である。下限は、特に制限は無いが製造の容易性の観点から、通常1N/mm2以上、好ましくは5N/mm2以上、より好ましくは10N/mm2以上である。
弾性変形率の場合にはポリアミド樹脂を、ユニバーサル硬度の場合には下引き層を、膜厚10μm以上のフィルム上に成形し、測定試料とする。測定には対面角136°のビッカース四角錘ダイヤモンド圧子を用いる。測定条件はそれぞれ以下の通りに設定して行い、ビッカース圧子にかかる荷重とその荷重下における押し込み深さを連続的に読み取り、それぞれY軸、X軸にプロットした図1に示すようなプロファイルを取得する。
最大押し込み荷重 5mN
負荷所要時間 10秒
除荷所要時間 10秒
(下引き層の測定条件)
最大押し込み荷重 0.2mN
負荷所要時間 10秒
除荷所要時間 10秒
本発明における弾性変形率は、上記測定により得られた結果から、下記式により定義される値であり、押し込みに要した全仕事量に対して、除荷の際に膜が弾性によって行う仕事の割合である。
上記式中、Wtは全仕事量(nJ)を表し、図1中のA−B−D−Aで囲まれる面積で表される。Weは弾性変形仕事量(nJ)を表し、図1中のC−B−D−Cで囲まれる面積で表される。
弾性変形率が大きいほど、負荷に対する変形が残留しにくいことを表し、弾性変形率100%とは変形が一切残らないことを意味する。
できる。
本発明において、下引き層のユニバーサル硬度は、上記測定により得られた結果のうち、押し込み荷重0.2mNまで押し込んだときの値を用いて、その押し込み深さから以下の式により定義される値である。
ユニバーサル硬度(N/mm2)=試験荷重(N)/試験荷重下でのビッカース圧子の表面積(mm2)
また、下引き層のユニバーサル硬度を測定する際には、例えば、感光体ドラムの感光層を溶剤などで剥離し、下引き層を最表面に露出することで行うことができる。
ポリアミド樹脂のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計において、昇温速度10℃/分の条件で測定した曲線の転移(変曲)開始部に接線を引き、2つの接線の交点の温度として求めることができる。
ポリアミド樹脂溶液の粘度は、測定温度25℃の条件下、回転式粘度計を用いて測定を行うことができる。即ち、メタノール/トルエン=1/1(質量比)の溶液を作製し、これに測定対象のポリアミド樹脂を5質量%になるように溶解させる。この溶液を測定温度25℃の条件で、回転式粘度計を用いて適切な回転速度で測定し、溶液の粘度を確認することができる。
ハードセグメントとしては、公知のポリアミド成分を用いることができる。例えば、ジもしくはトリカルボン酸、ラクタム化合物、アミノカルボン酸、ジアミン等から誘導される単位を重合してポリアミド成分とすることが好ましい。
前記ラクタムおよび前記アミノカルボン酸としては、炭素数は、経済性、入手の容易さの観点から通常2以上、好ましくは4以上、更に好ましくは6以上である。上限は、通常20以下、好ましくは16以下、更に好ましくは12以下である。
100mol%であることが好ましい。
例えば、シュウ酸、マロン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸などの飽和脂肪族ジもしくはトリカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、デセン酸、ウンデセン酸
、ドデセン酸、トリデセン酸、テトラデセン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデセン酸、オクタデセン酸、ノナデセン酸、エイコセン酸などの脂肪族モノ不飽和脂肪酸、デカジエン酸、ウンデカジエン酸、ドデカジエン酸、トリデカジエン酸、テトラデカジエン酸、ペンタデカジエン酸、ヘキサデカジエン酸、ヘプタデカジエン酸、オクタデカジエン酸、ノナデカジエン酸、エイコサジエン酸、およびドコサジエン酸などのジ不飽和脂肪酸などが挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。弾性変形率向上の観点から、飽和脂肪族ジもしくはトリカルボン酸が好ましい。弾性変形率向上の観点から、直鎖状飽和脂肪族ジカルボン酸が好ましい。具体的には、合成の容易さの観点から、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸が好ましく、経済性、入手の容易さの観点から、アジピン酸が特に好ましい。これらは、複数成分を用いることができる。
好ましくは3mol%以上、更に好ましくは5mol%以上、特に好ましくは10mol%
以上である。上限は通常、ポリアミド樹脂全体の50mol%以下、好ましくは45mol%以下、更に好ましくは40mol%以下、特に好ましくは30mol%以下である。
ジアミンとしては、炭素数は、経済性、入手の容易さの観点から通常2以上、好ましくは4以上、更に好ましくは6以上である。上限は、通常32以下、好ましくは26以下、更に好ましくは20以下である。
は5mol%以上、更に好ましくは10mol%以上、特に好ましくは20mol%以上で
ある。上限は通常、全ジアミン成分の90mol%以下、好ましくは70mol%以下、更に好ましくは60mol%以下、特に好ましくは40mol%以下である。
ソフトセグメントとしては、ポリエーテル成分が含まれていることが好ましい。ポリエーテル成分とは、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)などのポリC2〜6アルキレングリコール、ポリC2〜4アルキレングリコールなどが挙げられる。これらのうち、ポリエーテルブロックには、低吸水性の観点から、ポリプロピレングリコール(PPG)またはポリテトラメチレングリコール(PTMG)が含まれることが好ましく、PPGとPTMGを共に含んでいてもよい。これらは、複数成分を用いることができるが、
ソフトセグメントに含まれていてもよい他の成分としては、例えばジカルボン酸、トリカルボン酸、ポリエステル等が挙げられる。
しくは10mol%以上である。電気特性の観点から、上限は通常、ポリアミド樹脂全体
の90mol%以下、好ましくは85mol%以下、更に好ましくは80mol%以下、特
に好ましくは70mol%以下である。
ポリエーテル成分量は、下限は、通常15質量%以上、30質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。上限は、通常90質量%以下、80質量%以下が好ましい。
トリ又はジカルボン酸成分量は合計で、下限は、通常0.5質量%以上、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましい。上限は、通常20質量%以下、10質量%以下が好ましい。
/kg以上である。接着性の観点から好ましくは15mmol/kg以上、さらに好まし
くは20mmol/kg以上である。上限は、通常300mmol/kg以下、電気特性の観点から好ましくは280mmol/kg以下、さらに好ましくは250mmol/kg以下である。
ol/kg以下であり、電気特性の観点から好ましくは280mmol/kg以下、さらに好ましくは250mmol/kg以下である。
なお、数平均分子量は、HFIP(ヘキサフルオロイソプロパノール)を溶媒とし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィにより、ポリメタクリル酸メチル換算で測定できる。
。
前記ポリアミド樹脂の融点又は軟化点は、下限は、通常75℃以上であり、電子写真感光体の乾燥最低温度の観点から好ましくは90℃以上、さらに好ましくは100℃以上である。上限は、通常160℃以下であり、電子写真感光体の乾燥最高温度の観点から好ましくは140℃以下、さらに好ましくは130℃以下である。前記ポリアミド樹脂の融点は、各成分が相溶し、示差走査熱量計(DSC)で単一のピークが生じる場合、単一のピークに対応する温度を意味する。各成分が非相溶であり、DSCで複数のピークが生じる場合、複数のピークのうち高温側のピークに対応する温度が前記ポリアミド樹脂の融点を意味するものである。熱溶融性は、示差走査熱量計により軟化温度として測定でき、結晶性の前記ポリアミド樹脂の融点は、示差走査熱量計により測定できる。
下引き層は、前記金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ニトロセルロース等のセルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物等の有機ジルコニウム化合物、チタニルキレート化合物、チタニルアルコキシド化合物等の有機チタニル化合物、シランカップリング剤などの公知の結着樹脂を用いることが出来る。これらは硬化剤とともに硬化した形でも使用できる。
下引き層形成用塗布液に用いる有機溶媒としては、本発明に係るバインダー樹脂を溶解することができる有機溶媒であれば、どのようなものでも使用することができる。具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールまたはノルマルプロピルアルコール等の炭素数5以下のアルコール類;クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、トリクレン、四塩化炭素、1,2−ジクロロプロパン等のハロゲン化炭化水素類;ジメチルホルムアミド等の含窒素有機溶媒類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類があげられるが、これらの中から任意の組み合わせ及び任意の割合の混合溶媒で用いることができる。また、単独では本発明に係る下引き層用のバインダー樹脂を溶解しない有機溶媒であっても、例えば上記の有機溶媒との混合溶媒とすることで該バインダー樹脂を溶解可能で有れば、使用することができる。一般に、混合溶媒を用いた方が塗布ムラを少なくすることができる。
本発明の下引き層形成用塗布液は、金属酸化物粒子を含有するものが好ましいが、該金属酸化物粒子は塗布液中に分散されて存在する。塗布液中に金属酸化物粒子を分散させるには、例えば、ボールミル、サンドグラインドミル、遊星ミル、ロールミルなどの公知の機械的な粉砕装置で有機溶媒中にて湿式分散することにより製造することができるが、分散メディアを利用して分散することが好ましい。分散メディアとして、平均粒子径が、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常1mm以下、好ましくは500μm以下、より好ましくは200μm以下、特に好ましくは100μm以下の分散メディアを使用する。なお、前記ミルは、縦型、横型いずれのものでもよい。また、ミルのディスク形状は、平板型、垂直ピン型、水平ピン型等任意のものを使用できる。好ましくは、液循環型のサンドミルが用いられる。湿式撹拌ボールミルとしては、例えば寿工業株式会社製のウルトラアペックスミルを使用することが好ましい。
感光層は、上述の下引き層上に形成される。感光層の形式としては、電荷発生物質と電荷輸送物質(本発明の電荷輸送物質を含む)とが同一層に存在し、それらがバインダー樹脂中に分散された単層構造のもの(以下適宜、「単層型感光層」という。)と、電荷発生物質がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層及び電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層を含む、二層以上の層からなる積層構造の機能分離型のもの(以下適宜、「積層型感光層」という)が挙げられるが、何れの形態であってもよい。
<電荷発生層>
積層型感光層(機能分離型感光層)の電荷発生層は、電荷発生材料を含有すると共に、通常はバインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷発生層は、例えば、電荷発生材料の微粒子及びバインダー樹脂を溶媒又は分散媒に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)、また、逆積層型感光層の場合には電荷輸送層上に塗布、乾燥して得ることができる。
電荷発生物質は単独として用いてもよいし、またはいくつかの染顔料との混合状態で用いてもよい。
電荷発生物質としては、セレニウム及びその合金、硫化カドミウム等の無機系光導電材料と、有機顔料等の有機系光導電材料とが挙げられるが、有機系光導電材料の方が好ましく、中でも特に有機顔料が好ましい。有機顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料等が挙げられる。これらの中でも、混合状態として用いる染顔料と
しては、光感度の面から、特にフタロシアニン顔料またはアゾ顔料が好ましい。電荷発生物質として有機顔料を使用する場合、通常はこれらの有機顔料の微粒子を、各種のバインダー樹脂で結着した分散層の形で使用する。
スアゾ顔料、トリスアゾ顔料が好適に用いられる。好ましいアゾ顔料の例を下記に示す。
−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アルキッド樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の絶縁性樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルペリレン等の有機光導電性ポリマーの中から選択し、用いることが出来るが、これらポリマーに限定されるものではない。また、これら結着樹脂は単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。
バインダー樹脂を溶解させ、塗布液の作製に用いられる溶媒、分散媒としては例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン等の飽和脂肪族系溶媒、トルエン、キシレン、アニソール等の芳香族系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒、グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等の鎖状、及び環状ケトン系溶媒、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、1,2―ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等の鎖状、及び環状エーテル系溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルフォラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物、リグロイン等の鉱油、水などが挙げられ、前述の下引き層を溶解しないものが好ましく用いられる。またこれらは単独、または2種以上を併用しても用いることが可能である。
<バインダー樹脂>
電荷発生層と電荷輸送層を有する機能分離型感光体の電荷輸送層、及び単層型感光体の感光層形成の際は、膜強度確保のためバインダー樹脂が使用される。機能分離型感光体の電荷輸送層の場合、電荷輸送物質と各種バインダー樹脂とを溶剤に溶解、あるいは分散して得られる塗布液、また、単層型感光体の場合、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダー樹脂を溶剤に溶解、あるいは分散して得られる塗布液を塗布、乾燥して得ることが出来る。バインダー樹脂としては、例えばブタジエン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニル
ブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等があげられる。これら樹脂は珪素試薬などで修飾されていてもよい。上記バインダー樹脂のうち、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が特に好ましい。
次に、ポリカーボネート樹脂について説明する。一般に、ポリカーボネート樹脂は、ビスフェノール類とホスゲンとを溶液中で反応させる、界面法(界面重縮合法)や溶液法のような溶剤法で製造されたものや、ビスフェノールと炭酸ジエステルとをエステル交換反応により重縮合反応させる溶融法が、安価な製法として広く用いられている。ビスフェノール類としては、下記の化合物が好適に用いられる。なお、ポリカーボネート樹脂としては、一種のビスフェノール類からなるホモポリマーだけでなく、二種以上のビスフェノール類を共重合させて製造されるコポリマーも用いられる。
れ独立して水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、j及びkは0〜4を表す。W は、単結合、酸素原子、-CReRf-を表し、置換基Re及びRfは、それぞれ独立して
水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基を表す。但し、tとuのユニットは異なる構造をとる。)
アルキル基の炭素数としては、通常6以下であり、4以下が好ましく、3以下が特に好ましい。アルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基等の直鎖のアルキル基、イソプロピル基、tertブチル基、イソブチル基等の分岐のアルキル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等の環状アルキル基が挙げられるが、この中でも合成の観点から、メチル基が特に好ましい。また、置換基が相互に結合して環を形成していても良い。
<ポリアリレート樹脂>
以下に本発明に用いることのできるポリアリレート樹脂を例示する。本例示は、本発明の趣旨を明確にするために行うものであり、本発明の趣旨に反しない限りは例示される構造に限定されるものではない。
感光層に含まれるポリアリレート樹脂は、例えば、下記一般式[1]で表される繰り返し構造を含むものであり、公知の方法により、例えば二価ヒドロキシアリール成分とジカルボン酸成分とにより製造することができる。
ーレン基の場合、感光層の接着性が悪いことから、Ar3とAr4のうちいずれか一方は置換基を有するアリーレン基である。
層形成用塗布液に対する溶解性を勘案すれば、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が好ましく、ハロゲン基としてフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、アルコキシ基としてメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基が好ましく、アルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がさらに好ましく、炭素数1〜2のアルキル基が特に好ましく、具体的にはメチル基が最も好ましい。Ar1〜Ar4それぞれの置換基の数に特に制限は無いが、3個以下であることが好ましく、2個以下であることがより好ましく、1個以下であることが特に好ましい。
一般式[1]中、Yは、単結合、硫黄原子、酸素原子、又は式[6]で表される構造を有する2価の有機残基を示す。式[6]中のR6及びR7は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はR6とR7とが結合して形成されるシクロアルキリデン基を表す。感光層用バインダー樹脂としての機械的特性と感光層形成用塗布液に対する溶解性を勘案すれば、アリール基として、フェニル基、ナフチル基が好ましく
、アルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基が好ましい。また、アルキル基としては、炭素数が1〜10のアルキル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数が1〜8であり、特に好ましくは炭素数が1〜2である。ポリアリレート樹脂を製造する際に用いる二価ヒドロキシアリール成分の製造の簡便性を勘案すれば、Yとして、単結合、−O−、−S−、−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−、シクロヘキシリデンが好ましく、より好ましくは、−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−、シクロヘキシリデンであり、特に好ましくは−CH2−、−CH(CH3)−である。
具体的には、一般式[9]中のR8が水素原子の場合、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(3−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−ヒドロキシフェニル)メタン、(3−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタン、(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)メタン、(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)メタン、(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)メタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)メタン、(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタンが挙げられる。また、R8がメチル基の場合は、1,1−ビス(2−ヒドロキシフェニル)エタン、1−(2−ヒドロキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシフェニル)エタン、1−(2−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ヒドロキシフェニル)エタン、1−(3−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタン、1−(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)エタン、1−(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)エタン、1−(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1−(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)エタン、1−(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1−(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタンが挙げられる。
一般式[8]で表される二価ヒドロキシアリール成分の具体例としては、3,3',5
,5'−テトラメチル−4,4'−ジヒドロキシビフェニル、2,4,3',5'−テトラメチル−3,4'−ジヒドロキシビフェニル、2,2',4,4'−テトラメチル−3,3'−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エーテル、(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)エーテル、ビス(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)メタン、ビス(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、1−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、1−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)シクロヘキサンが挙げられ、好ましくは、3,3',5,5'−テトラメチル−4,4'−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサンである。あるいは、ビス(2−ヒドロキシフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシフェニル)(3−ヒドロキシフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−ヒドロキシフェニル)エーテル、(3−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、ビス(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エーテル、ビス(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)エーテル、ビス(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)エーテル、(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エーテル、さらには、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メトキシメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−メトキシエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−メトキシプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメトキシメタン、等が挙げられる。
好ましいジカルボン酸残基の具体的としては、ジフェニルエーテル−2,2'−ジカル
ボン酸残基、ジフェニルエーテル−2,3'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−
2,4'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−3,3'−ジカルボン酸残基、ジフェ
ニルエーテル−3,4'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸残基等が挙げられる。これらの中でも、ジカルボン酸成分の製造の簡便性を考慮すれば、ジフェニルエーテル−2,2'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−2,4'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸残基がより好ましく、ジ
フェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸残基が特に好ましい。
4,4'−ジカルボン酸残基であり、特に好ましくは、イソフタル酸残基、テレフタル酸
残基であり、これらのジカルボン酸残基を複数組み合わせて用いることも可能である。
電荷輸送物質としては特に限定されず、任意の物質を用いることが可能である。公知の電荷輸送物質の例としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物等の電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、およびこれらの化合物の複数種が結合したもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖または側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等が挙げられる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、およびこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましい。これらの電荷輸送物質は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせで併用しても良い。
なお、以下の例示物は、電荷輸送物質の具体例であり、その他の電荷輸送物質は以下のものに限定されない。
観点、更には高解像度の観点から、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、一方、通常50μm以下、好ましくは45μm以下、更に好ましくは30μm以下の範囲とする。
<単層型感光層>
単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質に加えて、機能分離型感光体の電荷輸送層と同様に、バインダー樹脂を使用して形成する。具体的には、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作成し、導電性支持体上(下引き層を設ける場合は下引き層上)に塗布、乾燥して得ることが出来る。
電荷発生物質は、積層型感光体の電荷発生層について説明したものと同様のものが使用できる。但し、単層型感光体の感光層の場合、電荷発生物質の粒子径を十分に小さくする必要がある。具体的には、通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下の範囲とする。
また、単層型感光層におけるバインダー樹脂と電荷発生物質との使用比率は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質が通常0.1質量部以上、好ましくは1質量部以上、また、通常30質量部以下、好ましくは10質量部以下の範囲とする。
単層型感光層の膜厚は、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常100μm以下、好ましくは50μm以下の範囲である。
<その他の機能層>
積層型、あるいは単層型感光体では、その最表層に、感光層の損耗を防止し、帯電器等からの発生する放電物質等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で保護層を設けてもよい。保護層は導電性材料を適当な結着樹脂中に含有させて形成するか、特開平9−190004号公報、特開平10−252377号公報の記載のようなトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する化合物を用いた共重合体を用いることが出来る。
保護層に用いる結着樹脂としてはポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、シロキサン樹脂等の公知の樹脂を用いることができ、また、特開平9−190004号公報記載のようなトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する骨格と上記樹脂の共重合体を用いることも出来る。
また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を低減、トナーの感光体から転写ベルト、紙への転写効率を高める等の目的で、表面層にフッ素系樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂等、又はこれらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を含有させても良い。或いは、これらの樹脂や粒子を含む層を新たに表面層として形成しても良い。
上記した感光体を構成する各層は、含有させる物質を溶剤に溶解または分散させて得られた塗布液を、導電性支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等の公知の方法により、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。
例えば、単層型感光体、及び機能分離型感光体の電荷輸送層の場合には、塗布液の固形分濃度を通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、また、通常40質量%以下、好ましくは35質量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度を使用時の温度において通常10mPa・s以上、好ましくは50mPa・s以上、また、通常500mPa・s以下、好ましくは400mPa・s以下の範囲とする。
温度は一定であってもよく、乾燥時に温度を変更させながら加熱を行っても良い。
次に、本発明の電子写真感光体を用いたドラムカートリッジ、画像形成装置について、装置の一例を示す図2に基づいて説明する。
図2において、1はドラム状感光体であり、矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1はその回転過程で帯電手段2により、その表面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、ついで露光部3において像露光手段により潜像形成のための露光が行われる。
像転写後の感光体1の表面はクリーニング手段6により転写残りのトナーが除去され、除電手段により除電されて次の画像形成のために清浄化される。
現像行程はカスケード現像、1成分絶縁トナー現像、1成分導電トナー現像、二成分磁気ブラシ現像などの乾式現像方式や湿式現像方式などが用いられる。
いられる。
クリーニングにはブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラークリーナー、ブレードクリーナー、などが用いられる。
本発明においては、上記ドラム状感光体1、帯電手段2、現像手段4及びクリーニング手段6等の構成要素の内の複数のものをドラムカートリッジとして一体に結合して構成し、このドラムカートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱可能な構成にしてもよい。例えば、帯電手段2、現像手段4及びクリーニング手段6の内、少なくとも1つをドラム状感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化とすることが出来る。
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた5リットルの圧力容器に12−アミノドデカン酸400.0g及びアジピン酸100.0gを仕込んだ。容器を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速500mL/分で供給しながら徐々に加熱した。攪拌は速度50rpmで行った。3時間かけて室温から240℃まで昇温し、230℃で4時間重合を行い、ナイロン12のオリゴマーを合成した。
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた5リットルの圧力容器に12−アミノドデカン酸800.02g、XYX型のトリブロックポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製のXTJ−542、全アミン:1.95meq/g)1049.30g、アジピン酸150.68g、次亜リン酸ナトリウムの35.55質量%水溶液2.81g及び酸化防止剤(トミノックス917)5.00gを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速500mL
/分で供給しながら徐々に加熱を行った。攪拌は速度50rpmで行った。4時間かけて室温から225℃まで昇温し、225℃で10時間重合を行った。次に、攪拌を停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーを紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約1.68kgのポリアミド樹脂IIのペレットを得た。
・ポリアミド樹脂III : TPAE32 富士化成(株)製
・ポリアミド樹脂IV : PA100 富士化成(株)製、特許文献5 特開2006−20
8474号公報 参照
・ポリアミド樹脂 V : PA200 富士化成(株)製、特許文献5 特開2006−20
8474号公報 参照
・ポリアミド樹脂 VI : トーマイド394 富士化成(株)製
・ポリアミド樹脂 VII : 特許文献6 特開2011−170041号公報 実施例に記
載の共重合ポリアミド
・ポリアミド樹脂 VIII : FR101 株式会社 鉛市製、特許文献7 特開2006−189595号公報 参照
・ポリアミド樹脂 IX : FR301 株式会社 鉛市製、特許文献7 特開2006−189595号公報 参照
本実施例又は比較例で使用するポリアミド樹脂の構成成分を以下に示す。
以下の手順に従い、弾性変形率測定用のポリアミド樹脂塗布膜を作成した。
即ち、ポリアミド樹脂1.5gとメタノール/n−プロパノール/トルエン=5/1/4の混合溶液8.5gを混合し、加熱しながら撹拌してポリアミド樹脂を溶解させた。
20cm四方、厚さ5mmのガラス板上に、乾燥後の膜厚が20μmとなるようにアプリケーターを用いて塗布し、125℃で20分間乾燥してポリアミド塗布膜を形成した。
この塗布膜に対して<弾性変形率、およびユニバーサル硬度>で示した[ポリアミド樹
脂塗布膜の測定条件]で測定を行い、弾性変形率の値を得た。結果を表−1に示す。
以下の手順に従い、粘度測定のためのポリアミド樹脂溶液を作成した。
即ち、測定対象のポリアミド樹脂を4.5gと、メタノール42.75g、トルエン42.75gを混合し、加熱、および撹拌してポリアミド樹脂を溶解させ、5wt%のポリアミド溶液を調製した。この溶液について、溶液温度を室温まで戻した後、すぐに回転式粘度測定装置を用いて粘度測定を行った。測定温度25℃、測定回転数20rpm〜50rpmの条件下で行った。結果を表−1に示す。
[実施例1]
以下の手順に従い、電子写真感光体の1形態である感光体シートを作製した。初めに、下引き層用分散液は、次のようにして製造した。即ち、平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3質量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、高速流動式混合混練機((株)カワタ社製「SMG300」)に投入し、回転周速34.5m/秒で高速混合して得られた表面処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、疎水化処理酸化チタンの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒、および、ポリアミド樹脂Iを加熱しながら撹拌、混合してポリアミド樹脂を溶解させた後、超音波分散
処理を行なうことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの質量比が6/1/3で、疎水性処理酸化チタン/ポリアミド樹脂Iを質量比3/1で含有する、固形分濃度
18.0%の下引き層用分散液とした。
次に、CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)が27.3゜に強い回折ピークを示し、図3に示す粉末X線回折スペクトルを有するオキシチタニウムフタロシアニン10質量部を1,2−ジメトキシエタン150質量部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行い、顔料分散液を作製した。こうして得られた160質量部の顔料分散液をポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名#6000C)
の5質量%1,2−ジメトキシエタン溶液100質量部に加え、適量の1,2−ジメトキシエタンを加え、最終的に固形分濃度4.0質量%の電荷発生層形成用塗布液を作製した。
次に、電荷輸送物質として特開2002−80432号公報中の実施例1に示された、下記式[12]で表わされる構造を主成分とする、幾何異性体の化合物群からなる混合物を30質量部、下記繰り返し構造からなるポリアリレートA(PAR-A、粘度平均分子量41
,000)100質量部、およびレベリング剤としてシリコーンオイル0.05質量部を、テトラヒドロフランとトルエンとの混合溶媒(テトラヒドロフラン80質量%、トルエン20質量%)640質量部に混合し、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
この接着性試験用感光体上に、NTカッターを用いて、5mm間隔で縦に3本、横に4本切り込みを入れ、2×3の6マスを作製した。その上からセロテープ(登録商標)(ニチバン製)を貼り付け、接着面に対し90゜に引き上げることで、感光層の接着性を試験した。これを5箇所行い、計30マスのうち、支持体上に残存した感光層のマス数の割合を残存率として評価した。残存したマス数が多いほど残存率は高く、接着性は良好である。結果を表−2に示す。
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた結着樹脂のポリアリレートA(PAR-A)の代
わりに、下記繰り返し構造からなるポリアリレートB(PAR-B)を100質量部とした以外
は、実施例1と同様にして接着性試験用感光体PE2を作製した。この接着性試験用感光体
を実施例1と同様に評価し、結果を表−2に示した。
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた結着樹脂のポリアリレートA(PAR-A)の代
わりに、下記繰り返し構造からなるポリカーボネートC(PCR-C)を100質量部とした以
外は、実施例1と同様にして接着性試験用感光体PE3を作製した。この接着性試験用感光
体を実施例1と同様に評価し、結果を表−2に示した。
実施例1の下引き層用分散液に用いたポリアミド樹脂Iの代わりに、ポリアミド樹脂II
を用いた以外は、実施例1と同様にして接着性試験用感光体PE4を作製した。この接着性
試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−2に示した。
[実施例5]
実施例4の電荷輸送層形成用塗布液に用いた結着樹脂のポリアリレートA(PAR-A)の代
わりに、ポリアリレートB(PAR-B)を100質量部とした以外は、実施例4と同様にして
接着性試験用感光体PE5を作製した。この接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し
、結果を表−2に示した。
実施例4の電荷輸送層形成用塗布液に用いた結着樹脂のポリアリレートA(PAR-A)の代
わりに、ポリカーボネートC(PCR-C)を100質量部とした以外は、実施例4と同様にし
て接着性試験用感光体PE6を作製した。この接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価
し、結果を表−2に示した。
実施例1の下引き層用分散液に用いたポリアミド樹脂Iの代わりに、ポリアミド樹脂IIIを用いた以外は、実施例1と同様にして接着性試験用感光体PE7を作製した。この接着性
試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−2に示した。
[実施例8]
実施例7の電荷輸送層形成用塗布液に用いた結着樹脂のポリアリレートA(PAR-A)の代
わりに、ポリアリレートB(PAR-B)を100質量部とした以外は、実施例7と同様にして
接着性試験用感光体PE8を作製した。この接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し
、結果を表−2に示した。
実施例7の電荷輸送層形成用塗布液に用いた結着樹脂のポリアリレートA(PAR-A)の代
わりに、ポリカーボネートC(PCR-C)を100質量部とした以外は、実施例7と同様にし
て接着性試験用感光体PE9を作製した。この接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価
し、結果を表−2に示した。
実施例1の下引き層用分散液の代わりに、実施例1における疎水性処理酸化チタンを用いずに作成した下引き層用塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして接着性試験用感光体PE10を作製した。この接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−2に示した。
実施例1の下引き層用分散液の代わりに、疎水性処理酸化チタン/ポリアミド樹脂Iの
質量比を2/1に変えて作成した下引き層用分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして接着性試験用感光体PE11を作製した。この接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−2に示した。
実施例1の下引き層用分散液の代わりに、疎水性処理酸化チタン/ポリアミド樹脂Iの
質量比を4/1に変えて作成した下引き層用分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして接着性試験用感光体PE12を作製した。この接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−2に示した。
実施例1の下引き層用分散液に用いたポリアミド樹脂Iの代わりに、ポリアミド樹脂Iとポリアミド樹脂VIIを質量比1/2でブレンドして使用した以外は、実施例1と同様にし
て接着性試験用感光体PE13を作製した。この接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−2に示した。
実施例1の疎水性処理酸化チタンの代わりに、酸化アルミを用いた以外は、実施例1と同様にして接着性試験用感光体PE14を作製した。この接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−2に示した。
[比較例1]
実施例3の下引き層用分散液に用いたポリアミド樹脂Iの代わりに、ポリアミド樹脂IV
を用いた以外は、実施例3と同様にして接着性試験用感光体PP1を作製した。この接着性
試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−2に示した。
実施例3の下引き層用分散液に用いたポリアミド樹脂Iの代わりに、ポリアミド樹脂Vを用いた以外は、実施例4と同様にして接着性試験用感光体PP2を作製した。この接着性試
験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−2に示した。
[比較例3]
実施例3の下引き層用分散液に用いたポリアミド樹脂Iの代わりに、ポリアミド樹脂VI
を用いた以外は、実施例3と同様にして接着性試験用感光体PP3を作製した。この接着性
試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−2に示した。
実施例1の下引き層用分散液に用いたポリアミド樹脂Iの代わりに、ポリアミド樹脂VII
を用いた以外は、実施例1と同様にして接着性試験用感光体PP4を作製した。この接着性
試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−2に示した。
[比較例5]
実施例2の下引き層用分散液に用いたポリアミド樹脂Iの代わりに、ポリアミド樹脂VIIを用いた以外は、実施例2と同様にして接着性試験用感光体PP5を作製した。この接着性
試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−2に示した。
実施例3の下引き層用分散液に用いたポリアミド樹脂Iの代わりに、ポリアミド樹脂VIIを用いた以外は、実施例3と同様にして接着性試験用感光体PP6を作製した。この接着性
試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−2に示した。
[比較例7]
実施例3の下引き層用分散液に用いたポリアミド樹脂Iの代わりに、ポリアミド樹脂VIIIを用いた以外は、実施例3と同様にして接着性試験用感光体PP7を作製した。この接着性試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−2に示した。
実施例3の下引き層用分散液に用いたポリアミド樹脂Iの代わりに、ポリアミド樹脂IX
を用いた以外は、実施例3と同様にして接着性試験用感光体PP8を作製した。この接着性
試験用感光体を実施例1と同様に評価し、結果を表−2に示した。
[製造例3]
表面が鏡面仕上げされた外径30mm、長さ260.5mm、肉厚0.75mmのアルミニウム製シリンダー上に、実施例3で用いた下引き層形成用塗布液を塗布し、1.5μmの下引き層を形成し、同じく実施例3で用いた電荷発生層用塗布液と電荷輸送層用塗布液を、下引き層上に浸漬塗布法により順次塗布し、乾燥後の膜厚がそれぞれ、0.4μm、18μmとなるように、電荷発生層と電荷輸送層を形成し感光体ドラムDE1を作製した
。
製造例3の下引き層用分散液に用いたポリアミド樹脂Iの代わりに、ポリアミド樹脂IIIを用いた以外は、製造例3と同様にして感光体ドラムDE2を作製した。
[製造例5]
製造例3の下引き層用分散液に用いたポリアミド樹脂Iの代わりに、ポリアミド樹脂Vを用いた以外は、製造例3と同様にして感光体ドラムDP1を作製した。
製造例3の下引き層用分散液に用いたポリアミド樹脂Iの代わりに、ポリアミド樹脂VIIを用いた以外は、製造例3と同様にして感光体ドラムDP2を作製した。
[参考例]
<画像特性試験>
製造例1〜製造例4で得られた感光体ドラムを用いて、画像特性試験を行った。
作製した感光体ドラムとトナーとをシアン色用のプロセスカートリッジに装着し、このカートリッジをプリンターに装着した。温度10℃、湿度15%環境下(LL環境下と称することがある)で、10,000枚の画像形成を行い、ゴースト、かぶり、濃度低下の評価を行った。結果を表−3に示す。
◎:画像異常が全く観察されず良好である。
○:ゴースト、LL環境下での濃度不良、地肌部の汚れなどがわずかに観察されるが、実用上問題なく良好である。
△:ゴースト、LL環境下での濃度不良、地肌部の汚れなどが観察されるが、実用上使用可能なレベルである。
×:ゴースト、LL環境下での濃度不良、地肌部の汚れなどが明らかで、実用上問題がある。
[製造例7]
製造例3の下引き層用分散液に用いたポリアミド樹脂Iの代わりに、ポリアミド樹脂VIIIを用いた以外は、製造例3と同様にして感光体ドラムDP3を作製した。
製造例3の下引き層用分散液に用いたポリアミド樹脂Iの代わりに、ポリアミド樹脂IX
を用いた以外は、製造例3と同様にして感光体ドラムDP4を作製した。
<下引き層のユニバーサル硬度測定>
製造例3で得られた感光体ドラムDE1をテトラヒドロフラン溶液に浸漬し、下引き層が
最表面になるように感光層を剥離した。125℃で20分間乾燥させた後、<弾性変形率、およびユニバーサル硬度>で示した[下引き層の測定条件]で測定を行い、ユニバーサル硬度の値を得た。結果を表−4に示す。
製造例4で得られた感光体ドラムDE2に対して、実施例15と同様にして、ユニバーサ
ル硬度の測定を行った。結果を表−4に示す。
[比較例9]
製造例5で得られた感光体ドラムDP1に対して、実施例15と同様にして、ユニバーサ
ル硬度の測定を行った。結果を表−4に示す。
製造例6で得られた感光体ドラムDP2に対して、実施例15と同様にして、ユニバーサ
ル硬度の測定を行った。結果を表−4に示す。
[比較例11]
製造例7で得られた感光体ドラムDP3に対して、実施例15と同様にして、ユニバーサ
ル硬度の測定を行った。結果を表−4に示す。
製造例8で得られた感光体ドラムDP4に対して、実施例15と同様にして、ユニバーサ
ル硬度の測定を行った。結果を表−4に示す。
[実施例17]
実施例15で用いたアルミニウム製シリンダーの代わりに、表面が鏡面仕上げされた外径30mm、長さ376mm、肉厚0.75mmのアルミニウム製シリンダーを用いた以外は実施例15と同様にして感光体ドラムDE3を作製した。
比較例12で用いたアルミニウム製シリンダーの代わりに、表面が鏡面仕上げされた外
径30mm、長さ376mm、肉厚0.75mmのアルミニウム製シリンダーを用いた以外は比較例12と同様にして感光体ドラムDP5を作製した。
MICROLINE Pro 9800PS−Eの仕様
4連タンデム
カラー36ppm、モノクロ40ppm
1200dpi
接触ローラ帯電(直流電圧印加)
LED露光
除電光あり
温度25℃、湿度50%の条件下、約5%の印字面積を有するテキスト文書を30,
000枚の画像形成を行った。その時の画像特性試験の結果を表−5に示す。
3の感光体ドラムDP5では感光層の接着性の悪さが原因と思われる、ドラムの端部に小さ
な傷が発生し、それが原因で、画像の端部に汚れが見られ、実使用上問題のある結果となった。
2 帯電装置(帯電ローラ;帯電部)
3 露光装置(露光部)
4 現像装置(現像部)
5 転写装置
6 クリーニング装置(クリーニング部)
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラー
44 現像ローラー
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラー)
72 下部定着部材(定着ローラー)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙,媒体)
Claims (11)
- 導電性支持体上に、少なくとも下引き層及び感光層を有する電子写真感光体であって、
前記下引き層がバインダー樹脂を含み、
前記バインダー樹脂が、下記測定法に基づく弾性変形率が56.0%以上であるポリアミド樹脂を含有する、電子写真感光体。
[測定法]ポリアミド樹脂を膜厚10μm以上のフィルム状に成形し、前記ポリアミド樹脂を、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、ビッカース圧子を用いて最大押し込み荷重5mN、負荷所要時間10秒及び除荷所要時間10秒の条件で測定したときの最大押し込み深さにおける値を弾性変形率とする。 - 前記ポリアミド樹脂が、質量比がメタノール:トルエン=1:1の混合溶媒に対して固形分濃度5wt%で溶解し、且つ、該溶液の25℃における調液後2時間以内の該溶液の粘
度が8.0cP〜15.0cPであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。 - 前記ポリアミド樹脂が、ポリエーテル構造を含有する、請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
- 前記ポリアミド樹脂含有量が、前記バインダー樹脂100質量部に対して、25質量部以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が、ポリアリレート樹脂を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記下引き層における、前記ポリアミド樹脂の含有量が、10質量%以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記下引き層が、金属酸化物の粒子を含有していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記金属酸化物が酸化チタンであることを特徴とする請求項7に記載の電子写真感光体。
- 導電性支持体上に、少なくとも下引き層及び感光層を有する電子写真感光体であって、
前記下引き層の下記測定法に基づくユニバーサル硬度が、55N/mm2以下であるポリア
ミド樹脂を含有する、電子写真感光体。
[測定法]
下引き層を、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、ビッカース圧子を用いて最大押し込み荷重5mN、負荷所要時間10秒及び除荷所要時間10秒の条件で測定したときの最大押し込み深さにおける値をユニバーサル硬度とする。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電部、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部、該電子写真感光体上をクリーニングするクリーニング部のうち、少なくとも一つとを備えることを特徴とする電子写真感光体カートリッジ。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電部、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部、及び該電子
写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
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