JP5786520B2 - 電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
また、感光体の感度向上、残留電位の低減、さらに応答性向上への取り組みとして、2-ナフチル基を有するトリアリールアミン系電荷輸送物質が提案されている(特許文献3
)。感光体の耐久性向上に関しては、電子写真感光体の表面層用の結着樹脂として、従来ポリカーボネート樹脂がよく使用されてきたが、近年、機械的強度が高いポリアリレート樹脂を使用することで、耐久性を向上させる提案がなされている(特許文献4、5)。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、クリーニング不良、フィルミング、濃度低下等が少ない電子写真感光体を提供することにある。また、この電子写真感光体を用いて、印刷時において、ブレード反転、摺擦音の発生しない電子写真カートリッジ及び画像形成装置を提供することにある。
い電子写真感光体を提供することができ、また、この電子写真感光体を用いることにより、印刷時において、ブレード反転、摺擦音の発生しない電子写真カートリッジ及び画像形成装置を提供することができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の第2の要旨は、上記の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該電子写真感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段、該静電潜像をトナーで現像する現像手段、該トナーを該電子写真感光体から被転写体に転写する転写手段、及び転写後の該電子写真感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段のうち、少なくとも一つを備えることを特徴とする、電子写真カートリッジに存する。
また、フロー式粒子像分析装置によって測定される該トナーの平均円形度が、0.945以上1.000以下であることが好ましい。
本発明の第3の要旨は、上記の電子写真感光体と、少なくとも該電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した該電子写真感光体に対し像露光を行ない静電潜像を形成する像露光手段と、該静電潜像をトナーで現像する現像手段と、該トナーを被転写体に転写する転写手段とを備えることを特徴とする、画像形成装置に存する。
また、フロー式粒子像分析装置によって測定される該トナーの平均円形度が、0.945以上1.000以下であることが好ましい。
ることにより、印刷時において、ブレード反転、摺擦音の発生しない電子写真カートリッジ及び画像形成装置を提供することができる。
[1.電子写真感光体]
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体と、該導電性支持体上に形成された感光層とを有する電子写真感光体において、該感光層が少なくとも前記一般式[1]で表されるポリ
アリレート樹脂と、前記一般式[6]で表されるトリアリールアミン型電荷輸送物質とを含
有するものである。
本発明の感光体に用いる導電性支持体としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料;金属、カーボン、酸化錫等の導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料;アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙;等が主として使用される。なお、導電性支持体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
導電性支持体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いた場合、導電性支持体表面に陽極酸化被膜を施したものを用いてもよい。陽極酸化被膜を施す場合、公知の方法により封孔処理を施すことが好ましい。陽極酸化処理の方法としては、例えば、クロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中で、陽極酸化処理することにより陽極酸化被膜が形成されるが、中でも、硫酸中での陽極酸化処理がより良好な結果を与える。
また、封孔処理をスムーズに進めるために、処理温度は、通常25℃以上、好ましくは30℃以上、また、その上限は、通常40℃以下、好ましくは35℃以下である。
また、酢酸ニッケル水溶液のpHは、通常5.0以上、また、通常6.0以下の範囲でが好ましい。
pH調節剤としては、アンモニア水、酢酸ナトリウム等を用いることができる。なお、pH調整剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
上記の処理の後、必要に応じて、水洗、乾燥等を行うことにより、高温封孔処理を完了させることができる。
導電性支持体表面は、平滑であってもよいし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理したりすることにより、粗面化されていてもよい。また、導電性支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものであってもよい。また、安価化のためには切削処理を施さず、引き抜き管をそのまま使用することも可能である。特に引き抜き加工、インパクト加工、しごき加工等の非切削アルミニウム支持体を用いる場合、処理により、表面に存在した汚れ、異物等の付着物、小さな傷等が無くなり、均一で清
浄な支持体が得られるので好ましい。
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性、ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けてもよい。下引き層としては、例えば、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したもの等が用いられる。また、下引き層は、単一層であっても、複数層を設けてもよい。
酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理が施されていてもよい。これらの処理は何れか1種でもよく、2種以上が施されていてもよい。
金属酸化物粒子の粒径は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、下引き層の原料であるバインダー樹脂等の特性及び溶液の安定性の観点から、平均一次粒径が、通常10nm以上、好ましくは20nm以上、また、通常100nm以下、好ましくは50nm以下のものが望ましい。この平均一次粒径は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)写真により測定できる。
き層形成用塗布液の安定性、塗布性の観点から、バインダー樹脂100重量部に対して、通常10重量部以上、また、通常500重量部以下が望ましい。
下引き層形成用塗布液に金属酸化物粒子を含有する場合、通常、金属酸化物粒子は塗布液中に分散させて存在する。下引き層形成用塗布液中に金属酸化物粒子を分散させる方法としては、例えば、ボールミル、サンドグラインドミル、遊星ミル、ロールミル等の公知の機械的な粉砕装置を用い、有機溶媒中にて湿式分散することができる。中でも、分散メディアを利用して分散することが好ましい。
環Z 8801:2000等に記載のふるいによりふるい分けする方法、例えば(株)ニレコ製のLU環ZEX50等の画像解析装置を用いた画像解析等により求めることができる。
また、密度は、例えばアルキメデス法により測定することができる。
分散メディアの平均粒子径としては、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、その上限は、通常200μm以下、好ましくは100μmである。一般的には、小さな粒径の分散メディアを用いることにより、短時間で均一な分散液を与える傾向があるが、粒径が小さくなりすぎる場合、分散メディアの質量が小さくなり、効率の良い分散が行えない可能性がある。
分散メディアの密度としては、通常5.5g/cm3以上、好ましくは5.9g/cm3以上、より好ましくは6.0g/cm3以上のものが用いられる。一般に、より高密度の分散メディアを使用して分散した方が、短時間で均一な分散液が得られる傾向にある。
分散メディアとしては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができるが、下引き層形成用塗布液に不溶、且つ、比重が下引き層形成用塗布液より大きなものであって、下引き層形成用塗布液と反応したり、下引き層形成用塗布液を変質させたりしないものであることが好ましい。分散メディアの具体例としては、クローム球(玉軸受用鋼球)、カーボン球(炭素鋼球)等のスチール球;ステンレス球;窒化珪素球、炭化珪素、ジルコニア、アルミナ等のセラミック球;窒化チタン、炭窒化チタン等の膜でコーティングされた球等が挙げられるが、これらの中でもセラミック球が好ましく、特にはジルコニア焼成ボールが好ましい。より具体的には、特許第3400836号公報に記載のジルコニア焼成ビーズを用いることが特に好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
また、下引き層測定用分散液中の金属酸化物粒子は、動的光散乱法により測定された累積90%粒子径が、通常10nm以上、好ましくは20nm以上、より好ましくは50nm以上、また、その上限は、通常0.3μm以下、好ましくは0.25μm以下、より好ましくは0.2μm以下であることが望ましい。
[1−3.感光層]
感光層の構成は、公知の電子写真感光体に適用可能な如何なる構成も採用することが可能である。具体例を挙げると、光導電性材料をバインダー樹脂中に溶解又は分散させた単層の感光層を有する、いわゆる単層型感光体;電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を積層してなる複数の層からなる感光層を有する、いわゆる積層型感光体等が挙げられる。一般に光導電性材料は、単層型でも積層型でも、機能としては同等の性能を示すことが知られている。
また、本発明の電子写真感光体における感光層は、少なくとも特定の構造を有するポリアリレート樹脂と特定の電荷輸送物質とを含有する。
本発明の電子写真感光体における感光層は、下記式[1]で表される繰返し構造を有するポリアリレート樹脂(以下、適宜「ポリアリレート樹脂[1]」と言う。)を含有する。なお、ポリアリレート樹脂[1]は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組みあわせで用いてもよい。
で表される基であって、kは0以上の整数を表す。Yは、単結合、酸素原子、硫黄原子、又は下記式[5]で表される基である。)
<構造>
上記式[1]中、Ar1〜Ar4は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアリーレン基を表す。アリーレン基が有する炭素数としては、通常6以上、また、その上限は、通常20以下、好ましくは10以下、より好ましくは6である。炭素数が多すぎる場合、製造コストが高くなり、電気特性も悪化する虞がある。
より詳しくは、Ar3及びAr4は、それぞれ独立に置換基の数は0個以上2個以下が好ましく、接着性の観点から置換基の数は1個以上2個以下であることがより好ましく、中でも、耐磨耗性の観点から置換基の数は1個であることが特に好ましい。また、置換基としてはアルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
ることが好ましい。
一方、Ar1及びAr2は、それぞれ独立して、置換基の数は0以上2以下が好ましく、耐磨耗性の観点から置換基の数が0個であることがより好ましい。
上記式[1]において、Xは単結合、酸素原子、硫黄原子、下記式[2]で表される基、又は下記式[3]で表される基であって、式[2]中のR1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表し、R1とR2とが結合して、シクロアルキリデン基のような環を形成していてもよく、式[3]中のR3は、アルキレン基、アリーレン基、又は下記式[4]で表される基であって、式[4]中のR4及びR5は、それぞれ独立に、アルキレン基を表し、Ar5はアリーレン基を表す。
式[2]中のR1及びR2のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられ、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。また、式[2]中のR1とR2とが結合して形成されるシクロアルキリデン基としては、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、シクロヘプチリデン基などが挙げられる。さらに、式[3]中のR3のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などが挙げられる。式[3]中のR3のアリーレン基としては、フェニレン基、テルフェニレン基などが挙げられる。式[4]で表される基として、具体的には下記式[7]で表される基が挙げられる。
また、上記式[1]において、Yは、単結合、酸素原子、硫黄原子、又は下記式[5]表される基である。
上記ポリアリレート樹脂の中の二価ヒドロキシアリール残基となる二価ヒドロキシアリール成分は、下記一般式[9]で表されるが、好ましくは下記一般式[10]で表される。
具体的には、一般式[10]中のR8が水素原子の場合、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(3−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−ヒドロキシフェニル)メタン、(3−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタン、(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)メタン、(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)メタン、(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)メタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)メタン、(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタンが挙げられる。
ビス(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)エタン、1−(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1−(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタンが挙げられる。
一般式[9]で表される二価ヒドロキシアリール成分の具体例としては、3,3',5
,5'−テトラメチル−4,4'−ジヒドロキシビフェニル、2,4,3',5'−テトラメチル−3,4'−ジヒドロキシビフェニル、2,2',4,4'−テトラメチル−3,3'−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エーテル、(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)エーテル、ビス(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)メタン、ビス(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、1−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、1−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル)シクロヘキサンが挙げられ、好ましくは、3,3',5,5'−テトラメチル−4,4'−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサンである。あるいは、ビス(2−ヒドロキシフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシフェニル)(3−ヒドロキシフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−ヒドロキシフェニル)エーテル、(3−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(2−ヒドロ
キシ−3−メチルフェニル)エーテル、ビス(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エーテル、ビス(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)エーテル、ビス(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)エーテル、(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、(3−ヒドロキシ−4−エチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エーテル、さらには、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メトキシメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−メトキシエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−メトキシプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメトキシメタン、等が挙げられる。
上記ポリアリレート樹脂の中のジカルボン酸残基であるジカルボン酸成分は、下記一般式[11]で表される。
一般式[12]で表される好ましいジカルボン酸残基の具体的としては、ジフェニルエーテル−2,2'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−2,3'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−2,4'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−3,3'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−3,4'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテ
ル−4,4'−ジカルボン酸残基等が挙げられる。これらの中でも、ジカルボン酸成分の
製造の簡便性を考慮すれば、ジフェニルエーテル−2,2'−ジカルボン酸残基、ジフェ
ニルエーテル−2,4'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸残基がより好ましく、ジフェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸残基が特に好まし
い。
ジカルボン酸残基、ビフェニル−4,4'−ジカルボン酸残基であり、特に好ましくは、
イソフタル酸残基、テレフタル酸残基であり、これらのジカルボン酸残基を複数組み合わせて用いることも可能である。
一般式[1]で表される繰り返し構造を含むポリアリレート樹脂において、粘度平均分
子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、好ましくは10,000以上、より好ましくは20,000以上、また、その上限は、好ましくは70,000以下、より好ましくは50,000以下であることが望ましい。粘度平均分子量の値が小さす
ぎる場合、ポリアリレート樹脂の機械的強度が不足する可能性があり、大きすぎる場合、感光層形成のための塗布液の粘度が高すぎて生産性が低下する可能性がある。なお、粘度平均分子量は、例えばウベローデ型毛細管粘度計等を用いて、実施例に記載の方法で測定することができる。
[1−3−2.電荷輸送物質]
本発明に用いられるトリアリールアミン型電荷輸送物質は、下記一般式[6]で表され
る化合物である。
以下である置換基を少なくとも一つ有するフェニル基、または炭素数1〜4のハメット則における置換基定数σp が0.20以下である置換基を有していても良い芳香族の縮合多環式炭化水素基を示し、R9は、炭素数1〜4のハメット則における置換基定数σp が0.20以下である置換基を示し、mは0〜5の整数を表す。R10は、炭素数1〜4のアルキル基を示す。ただし、mは1以上の場合、R9は同一であっても異なっていても良いこ
ととする)
Ar6の置換基としては、例えば、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜4のジアルキルアミノ基などが挙げられ、具体的には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、メトキシ、エトキシ、
プロポキシ、ブトキシ、N, N−ジメチルアミノ、N, N−ジエチルアミノなどが挙げられる。中でも、電気特性や製造コストの面から、炭素数1〜2の置換基が特に好ましい。なお、感光体の耐酸性ガス性向上やメモリ特性改良の観点から、Ar6の置換基のハメット則における置換基定数σp が-0.3以上であることが好ましい。
前記一般式[6]中、R9としては、例えば、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜4のジアルキルアミノ基などが挙げられ、具体的には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、メトキシ、エ
トキシ、プロポキシ、ブトキシ、N, N−ジメチルアミノ、N, N−ジエチルアミノなどが挙げられる。中でも、電気特性や製造コストの面から、炭素数1〜2の置換基が特に好ましい。また、感光体の耐酸性ガス性向上やメモリ特性改良の観点から、R9のハメット則における置換基定数σp が-0.3以上であることが好ましい。
であっても異なっていても良い。例えば、メチル基とエチル基の組み合わせ、メチル基とメトキシ基の組み合わせなどが挙げられる。
前記一般式[6]中、R10としては、炭素数1〜4のアルキル基であって、例えば、メチル、エチル、 n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル基が挙げられる。電気特性や製造コストの面から、R2は、メチル基やエチル基のような短鎖アルキル基が特に好ましい。炭素数1〜4の場合は電荷輸送物質とバインダー樹脂との相性が良く、電気特性と表面特性の両立できる電子写真感光体が得られる。
範囲を満足すると実写評価をした際にクリーニング性が良好となり、音鳴りやフィルミングを防止しやすくなる。これは低分子の電荷輸送物質を使用することで、感光体の表面硬度が高いためであると考えられる。したがって、前記一般式[6]中、Ar6またはそれ
の置換基、さらに置換基R9、R10は、上記分子量を鑑みて調整することが好ましい。一方で下限値としては、電気特性の観点から400以上であることが好ましい。
送物質はこれらの化合物に限定されるものではない。
本発明の電子写真感光体における感光層は、少なくとも上記一般式[1]で表されるポリ
アリレート樹脂と一般式[6]で表される電荷輸送物質とを含有する。ただし、バインダー
樹脂として、一般式[1]で表されるポリアリレート樹脂以外の樹脂を含んでもよい。この
場合、積層型感光体の電荷輸送層及び単層型感光体の感光層に使用される全バインダー樹脂中、本発明のポリアリレート樹脂が通常30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは80重量%以上、特に好ましくは100重量%であることが望ましい。
脂としては、例えばブタジエン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は珪素試薬等で修飾されていてもよい。上記バインダー樹脂のうち、ポリカーボネート樹脂が特に好ましい。なお、バインダー樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
上記式[13]において、Ar21及びAr22は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアリーレン基を表す。アリーレン基としては、例えば1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントリレン基が挙げられるが、電気特性の観点から1,4−フェニレン基が好ましい。
Ar21及びAr22は、それぞれ独立に、置換基を有さないか、1個又は2個の置換基を有することが好ましく、接着性の観点から、1個又は2個の置換基を有することがより好ましく、滑り性の観点から、1個の置換基を有することが特に好ましい。置換基としてはアルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
ここで、Rc及びRdは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン基、又はアルコキシ基を表す。また、Rc及びRdのうち、感光層用のバインダー樹脂としての機械的特性と感光層形成用塗布液に対する溶解性とを勘案すれば、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が好ましく、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、ハロゲン基としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が好ましい。
さらに、ポリカーボネート樹脂を製造する際に通常用いられる二価ヒドロキシ化合物を
製造する際の簡便性を勘案すれば、X2としては、硫黄原子、酸素原子、シクロヘキシリデン、−CRcRd−が好ましい。中でも、X2が−CRcRd−であることが好ましく、Rc及びRdが水素原子又はメチル基等のアルキル基であることがより好ましく、耐磨耗性の観点から、Rc及びRdのうち少なくとも一方が水素原子であることが特に好ましい。
その具体例としては、4,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジ(t−ブチル)−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラ(t−ブチル)−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、2,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−2,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジ(t−ブチル)−2,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、2,2’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジ(t−ブチル)−2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル等のビフェノール化合物;
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等の芳香族環上に置換基を有しないビスフェノール化合物;
ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族環上に置換基としてアリール基を有するビスフェノール化合物;
ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン等、
ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)シクロヘキサン等、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−(sec−ブチル)フェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)エタン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)シクロヘキサン等の芳香族環上に置換基としてアルキル基を有するビスフェノール化合物;
ビス(4−ヒドロキシフェニル)(フェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)(ジフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)(ジベンジル)メタン等の芳香族環を連結する2価基が置換基としてアリール基を有するビスフェノール化合物;等が挙げられる。なお、ジオール成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
上記のポリカーボネート樹脂において、式[13]で表される部分構造の重量比率は、電気特性及び耐磨耗性の観点から、多いほど好ましい。具体的には、ポリカーボネート樹脂の全重量に対して、式[13]で表される部分構造が、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上であって、特に好ましくは100重量%であることが望ましい。
本発明のトリアリールアミン型電荷輸送物質以外にも、公知の他の電荷輸送物質を併用してもよい。他の電荷輸送物質を併用する場合、その種類は特に制限されないが、例えば、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物等の電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等が挙げられる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、ヒドラゾン誘導体、エナミン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましい。これらの電荷輸送物質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
本発明においては、必要に応じて、電荷発生物質を使用することが好ましい。電化発生物質は、通常、単層型感光層では当該単層型感光層に含有され、積層型感光層では電荷発生層に含有される。
電化発生物質の具体例としては、例えば、セレニウム及びその合金、硫化カドミウム、その他無機系光導電材料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料等の有機顔料等各種光導電材料が使用でき、特に有機顔料、更にはフタロシアニン顔料、アゾ顔料が好ましい。なお、電荷発生物質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
型等のμ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体が好適である。なお、これらのフタロシアニンのうち、A型(β型)、B型(α型)、D型(Y型)オキシチタニウムフタロシアニン、II型クロロガリウムフタロシアニン、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型μ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体等が特に好ましい。特に、オキシチタニウムフタロシアニンは、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に主たる明瞭な回折ピークを有するものが好ま
しい。
また、上記オキシチタニウムフタロシアニンにおいては、結晶内の塩素含有量が1.5重量%以下であることが好ましい。なお、塩素含有量は、例えば元素分析により求めることができる。
また、上記のオキシチタニウムフタロシアニンは、塩素原子以外に、例えば、フッ素原子、ニトロ基、シアノ基、スルホン基等の置換基で置換された、各種オキシチタニウムフタロシアニン誘導体を含有しても構わない。なお、これらの置換基は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
プラーを表す。
機能分離型感光体における電荷発生層に通常用いられるバインダー樹脂の例としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールや、アセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル系ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、カゼインや、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシ変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アルキッド樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の絶縁性樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルペリレン等の有機光導電性ポリマーの中から選択し、用いることができるが、これらポリマーに限定されるものではない。また、これらのバインダー樹脂は単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。
電荷発生層の形成方法は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、積層型感光体の場合、通常は電荷発生物質を分散させた電荷発生層形成用塗布液を塗布・乾燥させることにより、形成することができる。
[1−3−6.その他の成分]
また、感光層には、例えば成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性等を向上させるために、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤、増感剤等の添加剤を含有させてもよい。添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、α−トコフェロール、β−トコフェロール、2,2,4−トリメチル−6−ヒドロキシ−7−t−ブチルクロマン、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2’−チオエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシアニソール、1−[2−{(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−[3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペラジル、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、等を挙げることができる。
も、当該t−ブチル基がフェノール性水酸基の隣接した位置に結合したもの(即ち、水酸基に対してオルト位にt−ブチル基が結合したもの)がより好適である。それらの中でも、そのt−ブチル基がフェノール性水酸基の隣接した位置に2個結合したもの(即ち、水酸基に対して2位及び6位の位置にt−ブチル基が結合したもの)が特に好ましい。その具体例を挙げると、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート等のモノフェノール系酸化防止剤、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等のポリフェノール系酸化防止剤等が好適である。これらを用いることにより、繰返し使用してもカブリのない電子写真感光体を容易に製造することができる。
[1−4.保護層]
感光体の最表面層には、感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電物質等による感光層の劣化を防止、軽減等したりする目的で保護層を設けてもよい。保護層は、例えば導電性材料を適当なバインダー樹脂中に含有させて形成するか、特開平9−190004号公報の記載のようなトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する化合物を用いた共重合体を用いることができる。導電性材料としては、TPD(N,N'−ジフェニ
ル−N,N'−ビス−(m−トリル)ベンジジン)等の芳香族アミノ化合物、酸化アンチ
モン、酸化インジウム、酸化錫、酸化チタン、酸化錫−酸化アンチモン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物等を用いることが可能であるが、これに限定されるものではない。なお、これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
[1−5.層形成方法]
感光体を構成する各層は、通常、各層を構成する材料を含有する塗布液を、支持体上に
公知の塗布方法を用い、各層ごとに塗布、乾燥工程を繰り返し、順次塗布していくことにより形成される。
トルエン、キシレン、アニソール等の芳香族系溶媒、
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒、
ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒、
グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、
アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン等の鎖状、分岐及び環状ケトン系溶媒、
ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、
塩化メチレン、クロロホルム、1,2―ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン(以下、適宜「THF」と言う。)、1,4−ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等の鎖状及び環状エーテル系溶媒、
アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルフォラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒、
n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物、
リグロイン等の鉱油、
水
等が挙げられ、前述した下引き層を溶解しないものが好ましく用いられる。なお、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
また、塗布液の粘度は、通常10mPa・s以上、好ましくは50mPa・s以上、また、その上限は、通常500mPa・s以下、好ましくは400mPa・s以下である。
また、塗布液の粘度は、通常0.01mPa・s以上、好ましくは0.1mPa・s以上、また、その上限は、通常20mPa・s以下、好ましくは10mPa・s以下である。
単層型感光体の感光層の膜厚は、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、その上限は、通常100μm以下、好ましくは50μm以下である。
[1−6. 感光層の物性]
<弾性変形率及びユニバーサル硬度>
本発明の電子写真感光体表面の弾性変形率は、通常42%以上、好ましくは43%以上、より好ましくは44.5%以上、特に好ましくは45%以上、また、その上限は、通常60%以下、好ましくは50%以下である。弾性変形率が大きいほど、感光層の耐傷性が改善され、トナーの外添剤に使用されるシリカ等がクリーニングブレードに押圧されることによって生じるフィルミングが改善される傾向にある。ただし、弾性変形率が大きすぎる場合、クリーニングブレードとの摺擦音が発生しやすくなる可能性がある。
本発明における弾性変形率及びユニバーサル硬度は、Fischer社製微小硬度計FISCHERSCOPE H100Cを用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定した値である。測定には対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いる。測定条件は以下の通りに設定して行い、圧子にかかる荷重とその荷重下における押し込み深さとを連続的に読み取り、それぞれY軸、X軸にプロットした図1に示すようなプロファイルを取得する。
最大押込み加重 1mN
負荷所要時間 27秒
除荷所要時間 27秒
上記の弾性変形率は下記式により定義される値であり、押し込みに要した全仕事量に対して、除荷の際に膜が弾性によって行う仕事の割合である。
上記式中、全仕事量Wt(nJ)は図1中のA−B−D−Aで囲まれる面積を示し、弾性変形仕事量We(nJ)はC−B−D−C で囲まれる面積を示す。弾性変形率が大き
いほど、負荷に対する変形が残留しにくく、弾性変形率が100の場合には変形が残らないことを意味する。
ユニバーサル硬度(N/mm2)=試験荷重(N)/試験荷重下でのビッカース圧子の表面積(mm2)
上記のポリアリレート樹脂[1]並びに本発明の電荷輸送物質を組み合わせて用いること
により、上記の弾性率、ユニバーサル硬度を容易に得ることができる。中でも、一般式[1]において、Xが酸素原子であり、且つk=1のポリアリレート樹脂を用いた場合、弾性変形率及びユニバーサル硬度が特に好ましい特性を示す。
本発明の電子写真感光体を用いて画像形成を行なう場合、潜像を現像するための現像剤
であるトナーとしては、任意のトナーを用いることができるが、中でも、特定の平均円形度を有するトナーを用いることが特に好ましい。このように特定の円形度を有するトナーを用いることにより、本発明の画像形成装置はより高画質な画像を形成することができる。
本発明のトナーの形状は、トナーを構成する粒子群に含まれる各粒子の形状が、互いに近いものであって、球形に近いほどトナーの粒子内での帯電量の局在化が起こりにくく、現像性が均一になる傾向にあり、画像品質を高めるうえで好ましい。特に、トナーの形状が完全な球形に近い形状となれば、電子写真感光体との接触面積が小さくなり、トナーの転写率が高まり、トナーの消費量を低減することが可能となる場合がある。一方で、完全な球形状のトナーを作ることは製造上困難であり、トナーが高コスト化するため、一定以上の条件で球形に近ければよく、完全な球形である必要は無い。
円形度a=L0/L (X)
(式(X)中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは画像処理したときの粒子像の周囲長を示す。)
上記の円形度は、トナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.000を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。
次に、本発明の電子写真感光体(以下、適宜「感光体」と言う。)を用いた画像形成装置(以下、適宜「本発明の画像形成装置」と言う。)の実施の形態について、装置の要部構成を示す図2を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変更して実施することができる。
感光体1は、上記した本発明の感光体であれば特に制限はないが、図2ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上記した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この感光体1の外周面に沿って、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
i以上が主流であるが、高性能機種では1200dpiのものも存在する。書き込み解像度により、静電潜像、トナー像の解像度が決定され、解像度が高いほど鮮明な画像が得られるので、1200dpi以上の解像度が好ましい。例えば、600dpi、1200dpiの解像度を持つLEDで書き込んだ場合、最小ドット形成間隔は、それぞれ、42μm、21μmとなる。
現像ローラ44は、感光体1と供給ローラ43との間に配置され、感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、感光体1の表面に接触させる。
00g/cm)される。必要に応じて、この規制部材45に、トナーTとの摩擦帯電によりトナーTに帯電を付与する機能を具備させてもよい。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写等の静電転写法、圧力転写法、粘着転写法等、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が感光体1に対向して配置された転写チャージャー、転写ローラ、転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙、媒体)Pに転写するものである。
定着装置7は、上部定着部材(定着ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成され、定着部材71又は72の内部には加熱装置73が備えられている。なお、図2では、上部定着部材71の内部に加熱装置73が備えられた例を示す。上部及び下部の各定着部材71及び72は、ステンレス、アルミニウム等の金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シート等が公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71及び72は、離型性を向上させる為にシリコーンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着等、任意の方式による定着装置を
設けることができる。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
なお、画像形成装置は、上記した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としても良い。除電工程は、感光体に露光を行なうことで感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
なお、感光体1と、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5及びクリーニング装置6のうち、少なくとも一つとを組み合わせて、一体型のカートリッジ(以下、適宜「電子写真カートリッジ」と言う。)として構成し、この電子写真カートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能な構成にしてもよい。この場合、例えば感光体1やその他の部材が劣化した場合に、この電子写真カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい電子写真カートリッジを画像形成装置本体に装着することにより、画像形成装置の保守及び管理が容易となる。
電子写真カートリッジとして構成し、当該電子写真カートリッジがクリーニング装置6を有する場合、クリーニング装置6はブレードクリーニング機構を有するものであることが好ましい。また、中でも、当該ブレードクリーニング機構がカウンター当接方式であることがより好ましい。
断りがない限り「質量部」を示す。
[粘度平均分子量の算出方法]
電荷輸送層に含まれるポリアリレート樹脂の粘度平均分子量は、以下のようにして算出した。
a=0.438×ηsp+1
ηsp=(t/t0)−1
t0=136.16[s]
b=100×ηsp/C
C=6.00[g/L]
η=b/a
Mv=3207×η1.205
[電荷輸送層形成用塗布液の製造]
<製造例1>
下記の繰返し構造を有するポリアリレート樹脂100部(樹脂1、粘度平均分子量43000)、電荷輸送物質として前記のCT-1を80部、酸化防止剤として下記式で表される化合物(AOX1)8部及びレベリング剤としてシリコーンオイル0.05部を、THF/トルエン(8/2(重量比))の混合溶媒640部に溶解させて電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
製造例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いたCT-1の代わりに、CT-3(製造例2に対応)
、CT-4(製造例3)、CT-5(製造例4)、CT-6(製造例5)、CT-7(製造例6)、をそれぞれ用い、製造例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製し、製造例2〜6として得た。
<製造例7>
製造例5の電荷輸送層形成用塗布液に用いたポリアリレート樹脂(樹脂1)の代わりに
、下記の繰返し構造を有するポリアリレート樹脂(樹脂2、粘度平均分子量43200)
を用いた以外は、製造例5と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
製造例5の電荷輸送層形成用塗布液に用いたポリアリレート樹脂(樹脂1)の代わりに
、下記の繰返し構造を有するポリアリレート樹脂(樹脂3、粘度平均分子量43,200)を用いた以外は、製造例5と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
製造例5の電荷輸送層形成用塗布液に用いたポリアリレート樹脂(樹脂1)を75重量
部とし、更に、下記の繰返し構造を有するポリカーボネート樹脂(樹脂4、粘度平均分子量40000)25重量部を用いた以外は、製造例5と同様にして電荷輸送層形成用塗布
液を調製した。
製造例5の電荷輸送層形成用塗布液に用いたポリアリレート樹脂(樹脂1)の代わりに
、下記の繰返し構造を有するポリアリレート樹脂(樹脂5、粘度平均分子量41000)を用いた以外は、製造例5と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
製造例5の電荷輸送層形成用塗布液に用いたポリアリレート樹脂(樹脂1)の代わりに
、ユニチカ社製U−ポリマー(樹脂6)を用い、THF/トルエン(8/2(重量比))混合溶媒の代わりに、ジクロロエタンを用いた(THF/トルエン混合溶媒では塗布液のゲル化が発生したため)以外は、製造例5と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製し
た。
製造例5の電荷輸送層形成用塗布液に用いたポリアリレート樹脂(樹脂1)の代わりに
、下記の繰返し構造を有するポリアリレート樹脂(樹脂7、粘度平均分子量37000)を用いた以外は、製造例5と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
製造例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いたCT-1の代わりに、下記式で表される化合物CT-11を用い、製造例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
製造例5の電荷輸送層形成用塗布液に用いたポリアリレート樹脂(樹脂1)の代わりに
、下記の繰返し構造を有するポリカーボネート樹脂(樹脂8、粘度平均分子量40,000)を用いた以外は、製造例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
製造例5の電荷輸送層形成用塗布液に用いたポリアリレート樹脂(樹脂1)の代わりに
、下記の繰返し構造を有するポリカーボネート樹脂(樹脂9、粘度平均分子量30,000)を用いた以外は、製造例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
製造例5の電荷輸送層形成用塗布液に用いたポリアリレート樹脂(樹脂1)の代わりに
、下記の繰返し構造を有するポリカーボネート樹脂(樹脂10、粘度平均分子量36,000)を用いた以外は、製造例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
製造例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いたCT-1の代わりに、下記式で表される化合物CT-12を用い、製造例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
製造例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いたCT-1の代わりに、下記式で表される化合物CT-13を用い、製造例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
製造例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いたCT-1の代わりに、下記式で表される化合物CT-14を用い、製造例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
表面が鏡面仕上げされた外径30mm、長さ260.5mm、肉厚0.75mmのアルミニウム製シリンダー上に、以下に示す下引き層形成用塗布液、電荷発生層形成用塗布液、電荷輸送層形成用塗布液を浸漬塗布法により順次塗布し、乾燥後の膜厚がそれぞれ、1.3μm、0.4μm、25μmとなるように、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を形成し、感光体ドラムを得た。
下引き層形成用塗布液は以下のように作製した。平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3質量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、ヘンシェルミキサーにて混合して得られた表面処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの重量比が7/3の混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、表面処理酸化チタンの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒及び、ε−カプロラクタム[下記式(F)で表される化合物]/ビス(4−アミノ−
3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(G)で表される化合物]/ヘキサメチレン
ジアミン[下記式(H)で表される化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(J)で表される化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(K)で表される化合物]
の組成モル比率が、60%/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行なうことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの重量比が7/1/2で、表面処理酸化チタン/共重合ポリアミドを重量比3/1で含有する、固形分濃度18.0%の下引き層形成用塗布液を作製した。
電荷発生層形成用塗布液は以下のように作製した。電荷発生物質として、図3のCuKα特性X線によるX線回折スペクトルを示すオキシチタニウムフタロシアニン20部と1,2−ジメトキシエタン280部とを混合し、サンドグラインドミルで1時間粉砕して微粒化分散処理を行なった。続いてこの微細化処理液に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)10部を、1,2−ジメトキシエタンの255部と4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンの85部との混合液に溶解させて得られたバインダー液、及び230部の1,2−ジメトキシエタンを混合して電荷発生層形成用塗布液Lを調製した。
電荷輸送層形成用塗布液は、製造例1で作製した塗布液を用いた。
得られた電子写真感光体ドラムについて以下の電気特性試験を行なった。
[電気特性試験]
電子写真学会測定標準に従って製造された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)を使用し、上記感光体ドラムを一定回転数60rpmで回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行なった。その際、感光体の初期表面電位が−(マイナス。以下同じ。)700Vになるように帯電させ、ハロゲンランプの光を干渉フィルターで780nmの単色光としたものを1.0μJ/cm2で露光したときの100ミリ秒後の露光後表面電位(以下、VLと呼ぶことがある。)を測定した。VL測定に際しては、露光から電位測定に要する時間を100msとし、高速応答の条件とした。また、感光体表面電位が、−700Vから−350Vになるまでに要した半減露光エネルギーE1/2(μJ/cm2)を求めた。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%で行なった。得られた結果を表2に示す。なお、表2中、「CTM」は、「電荷輸送物質」を表す。
次に、上記で作製した感光体ドラムと平均粒径6.0μm、平均円形度0.990のトナーT1とを用いて、実機に搭載し、画像特性試験を行った。
画像特性試験は、ヒューレットパッカード社製カラープリンターHP Color LaserJet 4700dn(クリーニングブレード、カウンター当接方式)を用いて行った。
実施例1の電子写真感光体を用いた画像形成装置においては、画像形成前及び10000枚画像形成後においても、濃度低下、フィルミング、クリーニング不良等の画像劣化のない良好な画像が得られた。また、印刷時の異音の発生もなかった。この結果も、表2に
まとめて示す。
実施例1において用いた製造例1で作製した電荷輸送層形成用塗布液の代わりに、製造例2〜12で作製した電荷輸送層形成用塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして感光体を製造した。また、電気特性試験、画像特性試験も、実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
実施例1において用いた製造例1で作製した電荷輸送層形成用塗布液の代わりに、比較製造例1〜7で作製した電荷輸送層形成用塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして感光体を製造した。また、電気特性試験、画像特性試験も、実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
実施例9において用いたトナーT1の代わりに、平均粒径6.0μm、平均円形度0.931のトナーT2を用いた以外は、実施例6と同様にして画像特性試験を行った。結果を表2
に示す。
の比較からわかるように、一般式[6]で表される本発明の電荷輸送物質を用いた感光体は
、本発明範囲外の、類似構造を有するトリアリールアミン系電荷輸送物質CT-11、CT-13、CT-14より、電気特性が優れている。特に、炭素数4以上の長鎖アルキル基を置換基として分子構造に導入した化合物は、本発明のポリアリレート樹脂との相性が悪く、電気特性の
悪化が激しく、電荷輸送物質として使い難い(比較例6〜7)。一方、本発明範囲外の、公知の電荷輸送物質CT-12は、本発明のポリアリレート樹脂とを組み合わせて使用する時、本
発明の電荷輸送物質とほぼ同様な電気特性を有することもわかる(比較例3)。
実写結果において、表2の実施例1〜12と比較例1〜7との比較から分かるように、本発明のポリアリレート樹脂と一般式[6]で表される本発明の電荷輸送物質とを組み合わせて用い
ることにより、濃度低下やクリーニング不良、フィルミングの発生がなく良好な画像を得られた。中でも、バインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂[1]中のAr3、Ar4が置
換基を有することが、剥離性の観点から特に好ましいこともわかった(実施例1〜9、実施例12参照)。置換基を有さないポリアリレート樹脂を用いた実施例10及び11は、端部が剥離したものの、それ以外は良好な特性を示した。これに対して、ポリカーボネート樹脂(樹脂8〜10)のみを用いた場合、電気特性の面では好適であるが、クリーニング不良、フ
ィルミングが発生している(比較例2〜4参照)。また、本発明範囲外の、公知の電荷輸送物質CT-12は、本発明のポリアリレート樹脂とを組み合わせて使用する時、電気特性の面
で問題ないものの、感光体の表面特性に問題あるため、フィルミングが発生している(比較例5)。本発明範囲外の、炭素数4以上の長鎖アルキル基を置換基として分子構造に導入したトリアリールアミン化合物も同様に、本明のポリアリレート樹脂との相性が悪く、
フィルミングが発生している(比較例6〜7参照)。
印刷時の異音も抑えられることが明らかとなった。比較例6、7では異音が発生している。
また、本発明のポリアリレート樹脂と本発明範囲外のトリアリールアミン型電荷輸送物質CT-11またはCT-13、CT-14とを組み合わせて用いた場合は、電気特性が不十分のため、
濃度低下が発生している(比較例1、比較例6〜7)。
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙
Claims (8)
- 導電性支持体上に、感光層を有する電子写真感光体において、該感光層は下記式[1]で表される繰り返し構造を有するポリアリレート樹脂と、下記式[6]で表される化合物とを少なくとも含有することを特徴とする電子写真感光体。
- 前記式[1]中のkが0〜5の整数であり、kが1以上の場合、Xが酸素原子であり、かつYが前記式[5]で表される基であることを特徴とする、請求項1に記載の電子写真感光体。
- 請求項1又は2に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該電子写真感光体に対し像露光を行い、静電潜像を形成する像露光手段、該静電潜像をトナーで現像する現像手段、該トナーを該電子写真感光体から被転写体に転写する転写手段、及び転写後の該電子写真感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段のうち、少なくとも一つを備えることを特徴とする、電子写真カートリッジ。
- ブレードクリーニング機構を有し、かつ該ブレードクリーニング機構がカウンター当接方式であることを特徴とする、請求項3に記載の電子写真カートリッジ。
- フロー式粒子像分析装置によって測定されるトナーの平均円形度が、0.945以上1.000以下であることを特徴とする、請求項3又は4に記載の電子写真カートリッジ。
- 請求項1又は2に記載の電子写真感光体と、少なくとも該電子写真感光体を帯電させる
帯電手段と、帯電した該電子写真感光体に対し像露光を行ない静電潜像を形成する像露光手段と、該静電潜像をトナーで現像する現像手段と、該トナーを被転写体に転写する転写手段とを備えることを特徴とする、画像形成装置。 - ブレードクリーニング機構を有し、かつ該ブレードクリーニング機構がカウンター当接方式であることを特徴とする、請求項6に記載の画像形成装置。
- フロー式粒子像分析装置によって測定されるトナーの平均円形度が、0.945以上1.000以下であることを特徴とする、請求項6または7に記載の画像形成装置。
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