JP5340057B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば静電式複写機、レーザービームプリンタ等の画像形成装置に用いられる電子写真感光体に関し、特に、かぶりの発生を抑制する単層型電子写真感光体に関する。
画像形成装置で行われる現像方式として、正帯電型反転現像方式がある。この方式では、現像手段によって正極に摩擦帯電されたトナーを、正極に帯電している電子写真感光体上の静電潜像に静電気力で付着させて、反転現像を行う。そして、この現像されたトナー像を記録媒体に転写及び定着させて、画像形成を行っている。
この方式で用いられる電子写真感光体として、製造が容易であるとともに、電荷輸送剤として正孔輸送剤と電子輸送剤とを併用でき、電荷発生剤、電荷輸送剤、結着樹脂等の感光体材料の選択肢が多様な単層型正帯電有機感光体がある。
単層型正帯電有機感光体として、感光体の最表層に位置する感光層の結着樹脂に下記化学式(2−1)で表されるビスフェノールZ型ポリカーボネートを用いることで、1200dpiレベルの高解像度と高画質を実現した単層型電子写真感光体がある(例えば、特許文献1)。
特開2002−214806号公報 特開2003−270819号公報 特開平6−51543号公報
しかしながら、近年では画像形成の高速化が求められており、上記単層型電子写真感光体の線速を例えば150mm/sec以上に設定して連続して画像形成したときには、現像手段によるトナーの摩擦帯電が不十分になりやすい。そして、摩擦帯電していないトナーは電子写真感光体の静電潜像以外の部分にも付着するので、形成画像において所謂「かぶり」という画像障害を引き起こしやすい。
かぶりの発生を抑制する方法として、例えば、電子輸送剤として特定のアリーリデン誘導体を用いることが提案されている(例えば、特許文献2)。しかしながら、この方法では電子写真感光体の製造コスト増加という新たな問題を引き起こす。
一方、特許文献3には、感光体の最表層に位置する電荷移動層の結着樹脂として、ポリカーボネートと、ポリ塩化ビニル及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の少なくとも一方との混合樹脂を用いた積層型電子写真感光体が開示されている。
しかしながら、特許文献3に開示された電子写真感光体は、特許文献1に開示された単層型正帯電有機感光体とは層構造及び電荷発生位置が異なるだけでなく、帯電極性も正反対の積層型負帯電有機感光体である。そして、特許文献3に記載された発明においては、正帯電有機感光体への適用については何ら検討されていなかった。又、特許文献3に記載された発明においては、耐トナー・フィルミング性を維持するために、樹脂として、接触時の摩耗や傷付きに強いポリ塩化ビニル又は塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体と、ポリカーボネートとを混合させた混合樹脂を用いたに過ぎず、トナーの摩擦帯電性能を向上させることについては全く検討されていなかった。従って、ポリカーボネートと、ポリ塩化ビニル及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の少なくとも一方との混合樹脂を用いて単層型正帯電有機感光体を構成しても、感光層の膜厚、正孔輸送剤と電子輸送剤の組合せ又は帯電電位によっては、かぶり発生が抑制されないだけでなく、かぶりが多発するおそれもあった。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、画像形成速度の高低に関わらず、かぶりの発生を抑制することができる単層型電子写真感光体を提供することにある。
本発明者は、感光層の結着樹脂としてポリカーボネートを用いた単層型正帯電有機感光体においてかぶりが発生する原因を検討したところ、正帯電型反転現像方式では、トナーとして感光体と比べて摩擦帯電系列で負側に位置するものを採用しているため、現像手段に正極に帯電しなかったトナー(未帯電トナー)は、静電潜像の現像時に正極に帯電している感光体に接触帯電することで、感光体よりも負になり、この感光体よりも負に帯電したトナーが感光体の静電潜像以外の部分に付着するのであろうとの考えの下に、感光層の結着樹脂の一部に、単量体単位毎に水素原子よりも電気陰性度の大きい原子又は官能基が主鎖の炭素原子に結合したオレフィン重合体を用いたところ、結着樹脂としてポリカーボネートのみを用いた場合と比較して、かぶりの発生を格段に抑制できる電子写真感光体を提供できることを見出した。
即ち、本発明の電子写真感光体は、導電性基体と感光層とを備えた単層型電子写真感光体であって、該感光体の最表層が前記感光層であり、前記感光層は結着樹脂として、ポリカーボネート及びポリアリレートの少なくとも一方と、少なくとも下記一般式(1)で表される単量体単位を含むオレフィン重合体と、を含有する電子写真感光体である。
(一般式(1)において、X、X、X及びXの少なくとも1つは水素原子よりも電気陰性度の大きい原子又は官能基であり、残りは水素原子である。)
一般式(1)で表される単量体単位を含むオレフィン重合体は、水素原子よりも電気陰性度の大きい原子又は官能基を単量体単位毎に1〜4つ有するので、感光層中の他の結着樹脂(即ち、ポリカーボネート及び/又はポリアリレート)と比べて未帯電トナーを強く求引する。そして、感光体最表層の感光層とトナーとが接触する静電潜像の現像時に、未帯電トナーはオレフィン重合体に比べて摩擦帯電系列で正側に位置するため、この未帯電トナーが感光体よりも負側で帯電されるのを防止すると推測される。その結果、通常の速度で画像形成するときだけでなく、高速で画像形成するときも、かぶりの発生を抑制することができる。
又、一般式(1)で表される単量体単位において、X、X、X及びXの電気陰性度は原子及び官能基固有の値であって経時変化することはないので、本発明の電子写真感光体は長期に亘ってかぶりの発生を抑制することができる。
前記電子写真感光体において、前記水素原子よりも電気陰性度の大きい原子が塩素原子であることが好ましい。塩素原子の電気陰性度はフッ素原子、酸素原子に次いで大きいので、塩素系オレフィン重合体を含有する感光層は未帯電トナーが感光体よりも負側で帯電されるのをより効率的に防止することができる。又、塩素系オレフィン重合体は化学的に安定しているので、この電子写真感光体はより長期的にかぶりの発生を抑制することができる。
前記電子写真感光体において、前記オレフィン重合体は、一般式(1)で表される単量体単位の単独重合体、一般式(1)で表される単量体単位と他の単量体単位との二元共重合体、及び、一般式(1)で表される単量体単位と他の単量体単位と何れとも異なる単量体単位との三元共重合体の少なくとも1つであることが好ましく、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体及び塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシアルキルアクリレート共重合体の少なくとも1つであることがより好ましい。これら単独重合体、二元共重合体及び三元共重合体は、それぞれ、重合体全体に占める一般式(1)で表される単量体単位の配合比率が高いため、前記オレフィン重合体がこれら重合体の少なくとも1つである電子写真感光体は、かぶりの発生をより一層抑制することができる。
そして、前記オレフィン重合体はポリ塩化ビニルであることがより一層好ましい。ポリ塩化ビニルは単一の単量体単位からなる単独重合体であり、重合体全体に均等に配置された塩素原子が多くの未帯電トナーを求引するので、感光体よりも負側に帯電する未帯電トナーの数量をより低減させることができる。
本発明の電子写真感光体によれば、感光層中の一般式(1)で表される単量体単位を含むオレフィン重合体は、未帯電トナーを強く引き付け、感光体に対して未帯電トナーを負側に帯電することを防止するので、高速で画像形成する場合においてもかぶりの発生を抑制することができる。
(a)、(b)は、単層型感光体の構造を説明するために供する概略断面図である。
以下、本発明に係る電子写真感光体について詳細に説明する。
本発明の電子写真感光体は、導電性基体と感光層とを備えた単層型電子写真感光体であって、該感光体の最表層が前記感光層であり、前記感光層は結着樹脂として、ポリカーボネート及びポリアリレートの少なくとも一方と、少なくとも前記一般式(1)で表される単量体単位を含むオレフィン重合体と、を含有する電子写真感光体である。
[感光体の構成]
本発明の電子写真感光体は、その最表層に単一の感光層を設けており、その下方に導電性基体が位置する単層型電子写真感光体である。
単層型電子写真感光体10として、例えば、図1(a)に示すように、導電性基体12の表面に感光層14を形成したものが挙げられる。又、図1(b)に示すように、導電性基体12と感光層14との間に、感光体の特性を阻害しない範囲で中間層16を形成したものが挙げられる。図1(a)及び図1(b)の何れの感光体10においても、感光層14が最表層に位置しているのは、感光層14中の上記オレフィン重合体が未帯電トナーに直接接触する方が接触帯電しやすいからである。
本発明の電子写真感光体は正帯電型電子写真感光体及び負帯電型電子写真感光体の何れにも適用可能であるが、正帯電型反転現像方式においてかぶりの発生を著しく抑制する観点から、正帯電型電子写真感光体に適用することが好ましい。又、正帯電型電子写真感光体は、負帯電型電子写真感光体と比べて、帯電工程におけるオゾン等の酸化性ガスの発生を効果的に抑制することができ、ひいては、感光層の酸化劣化を効果的に抑制することができる。
[導電性基体]
上記導電性基体としては、導電性を有する種々の材料が使用され、例えばアルミニウム、鉄、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属単体や、上記金属が蒸着又はラミネートされたプラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、アルマイト、酸化スズ又は酸化インジウム等で被覆されたガラス等が挙げられる。
この導電性基体はシート状、ドラム状等の何れの形態であってもよく、基体自体が導電性を有するか、あるいは基体の表面が導電性を有しておればよい。又、導電性基体は、使用に際して、十分な機械的強度を有するものが望ましい。
[中間層の構成]
図1(b)に示すように、基体12と感光層14の間に中間層16を設けることで、基体と感光層との密着性を向上させることができる。又、この中間層内に所定の微粉末を添加することで、入射光を散乱させて、干渉縞の発生を抑制し、さらに、かぶりや黒点の原因となる非露光時における基体から感光層への電荷注入を抑制することができる。
中間層内に添加される微粉末としては、光散乱性、分散性を有するものであれば特に限定されない。例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、鉛白、リトポン等の白色顔料や、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料としての無機顔料やフッ素樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、スチレン樹脂粒子等を用いることができる。
中間層の厚さは0.1〜50μmの範囲内であることが好ましい。中間層の膜厚を0.1μm以上にすることで、基体と感光層との密着性が向上する傾向がある。一方、中間層の膜厚を50μm以下にすることで、残留電位が生じにくくなる傾向がある。中間層の膜厚が0.2〜40μmの範囲内にあることが好ましく、0.5〜30μmの範囲内にあることがより好ましい。
[感光層の構成]
上記感光層は、少なくとも、電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、及び結着樹脂が分散状態にある単層構造である。電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤等の各成分を結着樹脂等とともに溶媒中に溶解・分散させ、得られた塗布液を導電基体上に(直接に又は中間層を介して)塗布、乾燥することによって形成されるものである。
感光層の厚さは5〜100μmの範囲内であることが好ましく、10〜50μmの範囲内であることがさらに好ましい。
[結着樹脂]
本発明の電子写真感光体の感光層は、結着樹脂として、ポリカーボネート及びポリアリレートの少なくとも一方と、少なくとも一般式(1)で表される単量体単位を含むオレフィン重合体と、を含有している。
これは、感光層が結着樹脂として、少なくとも一般式(1)で表される単量体単位を含むオレフィン重合体を含有することにより、オレフィン重合体の一般式(1)で表される単量体単位毎に存在する1〜4つの水素原子よりも電気陰性度の大きい原子又は官能基が、未帯電トナーを強く求引し、静電潜像の現像時に、この求引されたトナーが感光体よりも負で帯電されるのを防止すると考えられるからである。
従って、発明の電子写真感光体であれば、現像手段におけるトナーの摩擦帯電が不十分な場合であっても、静電潜像以外の部分にトナーが付着することを効果的に抑制することができ、ひいては、トナーの帯電状態によらず、安定的にかぶりの発生を抑制することができるからである。
以下、各結着樹脂について、より具体的に説明する。
[ポリカーボネート及び/又はポリアリレート]
本発明の電子写真感光体の感光層が結着樹脂として、ポリカーボネート及びポリアリレートの少なくとも一方を含有しているのは、両重合体とも感光層中の電荷発生剤に潜像形成用の光が当るのに必要な透明性と、感光層として必要な強度とを十分に有しているからである。
ポリカーボネートとは、下記一般式(2)で表される主鎖にカーボネート結合をもつ重合体であり、例えば、下記一般式(2−1)で表されるArがビスフェノールZ縮合物のビスフェノールZ型ポリカーボネート、下記一般式(2−2)で表されるArがビスフェノールA縮合物のビスフェノールA型ポリカーボネート、下記一般式(2−3)で表されるArがビフェニル縮合物のビフェニル型ポリカーボネートが挙げられる。ポリカーボネートのうち、耐摩耗性の観点から、一般式(2−1)で表されるビスフェノールZ型ポリカーボネートを用いるのが好ましい。
(一般式(2)において、Arは有機基を表し、nは1以上の整数を表す。)
ポリカーボネートは、1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。又、ポリカーボネートの数平均分子量は5000〜100000の範囲内にあることが好ましい。ポリカーボネートの数平均分子量を5000以上にすることで、耐摩耗性をさらに向上させることができ、画像形成装置内において電子写真感光体と接触部材の摩耗をさらに抑制することができる。一方、数平均分子量を100000以下にすることで、溶剤に溶解したときの粘度上昇をさらに抑えることができ、より高い生産性を確保することができる。ポリカーボネートの数平均分子量は10000〜70000の範囲内にあることがより好ましい。
ポリアリレートとは、芳香族ポリエステルであり、例えば、下記一般式(3)で表されるポリアリレートが挙げられる。
ポリアリレートは、1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。又、ポリアリレートの数平均分子量は5000〜100000の範囲内にあることが好ましい。ポリアリレートの数平均分子量を5000以上にすることで、耐摩耗性をさらに向上させることができ、画像形成装置内において電子写真感光体と接触部材の摩耗をさらに抑制することができる。一方、ポリアリレートの数平均分子量を100000以下にすることで、溶剤に溶解したときの粘度上昇をさらに抑えることができ、より高い生産性を確保することができる。ポリアリレートの数平均分子量は10000〜70000の範囲内にあることがより好ましい。
又、ポリカーボネート及びポリアリレートはそれぞれ単独で用いてもよいし、両者を混合して用いてもよい。
[オレフィン重合体]
本明細書において、少なくとも一般式(1)で表される単量体単位を含むオレフィン重合体とは、1種類のオレフィンから得られるオレフィン重合体、即ち一般式(1)で表される単量体単位のオレフィン単独重合体、又は、2種類以上のオレフィンから得られるオレフィン共重合体、即ち一般式(1)で表される単量体単位と1若しくは2以上の何れも相異なる単量体単位との多元共重合体をいう。
一般式(1)で表される単量体単位において、水素原子よりも電気陰性度の大きい原子とは、ポーリングによって提案された電気陰性度の値が水素原子よりも大きい原子をいう。例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アスタチン原子のハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、セレン原子;窒素原子;炭素原子が挙げられる。1原子で未帯電トナーを強く求引する観点から、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子又は塩素原子がより好ましい。尚、水素原子よりも電気陰性度の大きい原子のうち、価数が2以上の原子は、後述する水素原子よりも電気陰性度の大きい官能基の一部を形成することもある。
一般式(1)で表される単量体単位において、水素原子よりも電気陰性度の大きい官能基とは、パールによって提案された電気陰性度の値が水素原子よりも大きい官能基をいう。例えば、シアノ基、カルボニル基が挙げられる。
一般式(1)で表される単量体単位において、主鎖の炭素原子は主鎖を軸として回転することができるので、水素原子よりも電気陰性度の大きい原子又は官能基として全て同一の原子又は官能基を選択したときには、水素原子よりも電気陰性度の大きい原子又は官能基の配置形態として、Xのみが水素原子よりも電気陰性度の大きい原子又は官能基である場合、X及びXが水素原子よりも電気陰性度の大きい原子又は官能基である場合、X及びXが水素原子よりも電気陰性度の大きい原子又は官能基である場合、X、X及びXが水素原子よりも電気陰性度の大きい原子又は官能基である場合、X、X、X及びXの全てが水素原子よりも電気陰性度の大きい原子又は官能基である場合に分けられる。
一般式(1)で表される単量体単位において水素原子よりも電気陰性度の大きい原子又は官能基が非対称に配置されている方が、対称配置されているときと比べて、未帯電トナーの求引力が高まる観点から、X、X、X及びXの全てが水素原子よりも電気陰性度の大きい原子又は官能基である場合よりも他の場合が好ましい。そして、X及びXが水素原子よりも電気陰性度の大きい原子又は官能基である場合よりも、Xのみが水素原子よりも電気陰性度の大きい原子又は官能基である場合、X及びXが水素原子よりも電気陰性度の大きい原子又は官能基である場合並びにX、X及びXが水素原子よりも電気陰性度の大きい原子又は官能基である場合がより好ましい。又、X及びXが水素原子よりも電気陰性度の大きい原子又は官能基である場合よりも、Xのみが水素原子よりも電気陰性度の大きい原子又は官能基である場合並びにX、X及びXが水素原子よりも電気陰性度の大きい原子又は官能基である場合がさらに好ましい。
例えば、上記オレフィン重合体のうち、一般式(1)で表される単量体単位のオレフィン単独重合体であって、水素原子よりも電気陰性度の大きい原子が塩素原子であるオレフィン重合体に着目すると、X及びXが水素原子よりも電気陰性度の大きい原子又は官能基であるポリ塩化ビニリデンに比べて、Xのみが水素原子よりも電気陰性度の大きい原子又は官能基であるポリ塩化ビニルは未帯電トナーの求引力が高く、かぶりの発生を抑制することができる。
一般式(1)で表される単量体単位のオレフィン単独重合体として、例えば、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ臭化ビニル、ポリ臭化ビニリデン、ヨウ化ビニル、ヨウ化ビニリデンが挙げられる。
、X、X及びXの水素原子よりも電気陰性度の大きい原子又は官能基は、未帯電トナーの求引力を高める観点から、それぞれ異なっていてもよいし、何れかが同じであってもよい。
一般式(1)で表される単量体単位と1若しくは2以上の何れも相異なる単量体単位との多元共重合体は、未帯電トナーの求引力を高める観点から、一般式(1)で表される単量体単位と他の単量体単位との二元共重合体又は一般式(1)で表される単量体単位と他の単量体単位と何れとも異なる単量体単位との三元共重合体が好ましく、例えば、フッビニル−酢酸ビニル共重合体、フッビニル−ビニルアルコール共重合体、フッ化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、フッ化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシアルキルアクリレート共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシアルキルアクリレート共重合体、臭化ビニル−酢酸ビニル共重合体、臭化ビニル−ビニルアルコール共重合体、臭化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、臭化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシアルキルアクリレート共重合体が挙げられる。
又、一般式(1)で表される単量体単位と1若しくは2以上の何れも相異なる単量体単位との多元共重合体において、多元共重合体に占める一般式(1)で表される単量体単位の比率が、他の何れの単量体単位が多元共重合体に占める比率より高いことが好ましく、多元共重合体に占める一般式(1)で表される単量体単位の比率が半分以上であることがより好ましい。これにより、未帯電トナーの求引力がより高まるからである。例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体に比べて、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体は未帯電トナーの求引力が高いので、かぶりの発生を抑制することができる。
オレフィン重合体は、一般式(1)で表される単量体単位のオレフィン単独重合体及び一般式(1)で表される単量体単位と1若しくは2以上の何れも相異なる単量体単位との多元共重合体のうちの1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
結着樹脂全体におけるオレフィン重合体の配合比率は、特に限定されない。しかし、かぶりの発生を抑制する観点から、結着樹脂の総量100質量部のうち、オレフィン重合体は1質量部以上であることが好ましく、3質量部以上であることがより好ましく、5質量部以上であることがさらに好ましい。一方、帯電電位の低下及び感度電位の変動を防ぐ観点から、結着樹脂の総量100質量部のうち、オレフィン重合体は50質量部以下であることが好ましく、40質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることがさらに好ましい。
[その他の結着樹脂]
上記感光層には、感光層の透明度、強度及び電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、結着樹脂として、上記ポリカーボネート、ポリアリレート及びオレフィン重合体以外に、従来から感光層に使用されている種々の樹脂を配合することができる。例えば、スチレン系重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、アイオノマー、ポリエステル、アルキド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂や、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂、さらにエポキシアクリレート樹脂、ウレタン−アクリレート共重合樹脂等の光硬化性樹脂等が挙げられる。
[電荷輸送剤]
上記感光層に含まれる電荷輸送剤には、正孔輸送剤と電子輸送剤とがある。
正孔輸送剤として、種々の公知の正孔輸送剤を用いることができる。このうち、高い正孔輸送能を有する種々の化合物が好ましい。例えば、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系化合物、有機ポリシラン化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物、縮合多環式化合物等が挙げられる。これらのうち、α−スチルベン誘導体として、下記化学式(4)で表される化合物がより好ましい。

これら正孔輸送剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。正孔輸送剤の含有量は、感光層の結着樹脂100質量部に対して、5〜500質量部の範囲内の値とすることが好ましく、25〜200質量部の範囲内の値とすることが好ましい。
電子輸送剤として、種々の公知の電子輸送剤を用いることができる。このうち、高い電子輸送能を有する種々の化合物が好ましい。例えば、ビシクロヘプタフラノン誘導体、ベンゾキノン系化合物、ジフェノキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物等のキノン系化合物、マロノニトリル系化合物、チオピラン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4, 8−トリニトロチオキサントン、3, 4, 5, 7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン系化合物、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキノン等が挙げられる。これらのうち、ナフトキノン系化合物として、下記化学式(5)で表される化合物がより好ましい。
これら電子輸送剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。電子輸送剤の含有量は、感光層の結着樹脂100質量部に対して、5〜100質量部の範囲内の値とすることが好ましく、10〜80の範囲内の値とすることがより好ましい。
さらに、正孔輸送剤と電子輸送剤との総量は、結着樹脂100質量部に対して20〜500質量部の範囲内の値とすることが好ましく、30〜200の範囲内の値とすることがより好ましい。
[電荷発生剤]
電荷発生剤として、種々の公知の電荷発生剤を用いることができる。例えば、下記化学式(6)で表されるX型無金属フタロシアニン(x−HPc)、Y型オキソチタニルフタロシアニン(Y−TiOPc)、ペリレン顔料、ビスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料等が挙げられる。これらのうち、X型無金属フタロシアニンが好ましい。

例示した電荷発生剤のほかに、例えばセレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、アモルファスシリコン等の無機光導電材料の粉末や、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料等の従来公知の電荷発生剤を用いてもよい。
電荷発生剤は、所望の領域に吸収波長を有するように、1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。さらに、電荷発生剤のうち、特に半導体レーザー等の光源を使用したレーザービームプリンタやファクシミリ等のデジタル光学系の画像形成装置には、700nm以上の波長領域に感度を有する感光体が必要となるため、例えば無金属フタロシアニンやオキソチタニルフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料が好適に用いられる。尚、上記フタロシアニン系顔料の結晶形については特に限定されず、種々のものが使用される。
一方、ハロゲンランプ等の白色の光源を使用した静電式複写機等のアナログ光学系の画像形成装置には、可視領域に感度を有する感光体が必要となるため、例えばペリレン顔料やビスアゾ顔料等が好適に用いられる。
電荷発生剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対して、0.1〜50質量部の範囲内の値であることが好ましい。電荷発生剤の添加量を0.1質量部以上にすることで、量子収率が高まり、正帯電型電子写真感光体の感度特性、電気特性、安定性等をさらに向上させることができる。一方、電荷発生剤の添加量を50質量部以下にすることで、可視光における赤色領域、近赤外領域、又は赤外領域に波長を有する光に対する吸光係数が大きくなり、感光体の感度特性、電気特性、安定性等をさらに向上させることができる。電荷発生剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対して、0.5〜30質量部の範囲内の値であることがより好ましく、1〜10質量部の範囲内の値であることがさらに好ましい。
[添加剤]
上記感光層には、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、それ自体公知の種々の添加剤、例えば、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を配合することができる。又、感光層の感度を向上させるために、例えばテルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
[電子写真感光体の製造方法]
次に、電子写真感光体の製造方法について説明する。
電子写真感光体は、正孔輸送剤、電子輸送剤、電荷発生剤、結着樹脂等を適切な溶剤に溶解又は分散した塗布液を、塗布等の手段によって導電性基体上に塗布し、乾燥させることにより製造される。即ち、前記例示の電荷輸送剤(正孔輸送剤、電子輸送剤)、電荷発生剤、結着樹脂等を、適切な溶剤とともに、公知の方法、例えば、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカーあるいは超音波分散器等を用いて分散混合して塗布液を調製し、これを常法より塗布、乾燥すればよい。
塗布液を調製するための溶剤としては、種々の有機溶剤が使用可能であり、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの溶剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
さらに、電荷輸送材料や電荷発生材料の分散性、感光層表面の平滑性を良くするために界面活性剤、レベリング剤等を使用してもよい。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。尚、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
[電子写真感光体の製造]
(実施例1)
容器内に、電荷発生剤として、化学式(6)で表わされるX型無金属フタロシアニン結晶3質量部と、正孔輸送剤として、化学式(4)で表わされるスチルベンアミン化合物50質量部と、電子輸送剤として、化学式(5)で表わされるナフトキノン系化合物30質量部と、結着樹脂として、化学式(2−1)で表わされるビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(数平均分子量30000)95質量部及びポリ塩化ビニル(ナカライテスク株式会社製、品番36305−65、以下、オレフィン重合体1と略記することもある。)5質量部と、溶剤として、テトラヒドロフラン700質量部と、を収容した。
次いで、容器内に収容したこれら材料を、ボールミルを用いて50時間、混合・分散し、感光層用塗布液を作製した。
次いで、得られた感光層用塗布液を、アルミ素管からなる直径30mmの基体表面にディップコート法で塗布した後、130℃の条件下で45分間熱風乾燥し、膜厚30μmの単層型電感光層を形成した。
次いで、基体の下端領域部に形成された感光層をテトラヒドロフランに浸漬させることにより、所定の膜厚まで薄膜化して、ギャップ規制コロが当接する部分を形成した。このようにして、最表層に膜厚30μmの感光層を備えた単層型電子写真感光体を製造した。
(実施例2)
結着樹脂として、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂95質量部及びポリ塩化ビニル5質量部に代えて、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂90質量部及びポリ塩化ビニル10質量部を用いたほかは、実施例1と同様にして単層型感光体を製造した。
(実施例3)
結着樹脂として、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂95質量部及びポリ塩化ビニル5質量部に代えて、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂80質量部及びポリ塩化ビニル20質量部を用いたほかは、実施例1と同様にして単層型感光体を製造した。
(実施例4〜6)
結着樹脂として、化学式(2−1)で表わされるビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂に代えて、同質量の化学式(3)で表わされるポリアリレート(ユニチカ株式会社製、品番U−100)を用いたほかは、実施例1〜3と同様にして単層型感光体を製造した。
(実施例7〜9)
結着樹脂として、オレフィン重合体1に代えて、同質量の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(日信化学工業株式会社製、品番CL、数平均分子量25000、以下、オレフィン重合体2と略記することもある。)を用いたほかは、実施例1〜3と同様にして単層型感光体を製造した。
(実施例10〜12)
結着樹脂として、化学式(2−1)で表わされるビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂に代えて、同質量の化学式(3)で表わされるポリアリレートを用いたほかは、実施例7〜9と同様にして単層型感光体を製造した。
(実施例13〜15)
結着樹脂として、オレフィン重合体1に代えて、同質量の塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体(日信化学工業株式会社製、品番TAO、数平均分子量15000、以下、オレフィン重合体3と略記することもある。)を用いたほかは、実施例1〜3と同様にして単層型感光体を製造した。
(実施例16〜18)
結着樹脂として、化学式(2−1)で表わされるビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂に代えて、同質量の化学式(3)で表わされるポリアリレートを用いたほかは、実施例13〜15と同様にして単層型感光体を製造した。
(実施例19〜21)
結着樹脂として、オレフィン重合体1に代えて、同質量の塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシアルキルアクリレート共重合体(日信化学工業株式会社製、品番TA2、数平均分子量50000、以下、オレフィン重合体4と略記することもある。)を用いたほかは、実施例1〜3と同様にして単層型感光体を製造した。
(実施例22〜24)
結着樹脂として、化学式(2−1)で表わされるビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂に代えて、同質量の化学式(3)で表わされるポリアリレートを用いたほかは、実施例19〜21と同様にして単層型感光体を製造した。
(実施例25〜27)
結着樹脂として、オレフィン重合体1に代えて、同質量のポリ塩化ビニリデン(旭化成ケミカルズ株式会社製、品番F216、以下、オレフィン重合体5と略記することもある。)を用いたほかは、実施例1〜3と同様にして単層型感光体を製造した。
(実施例28〜30)
結着樹脂として、化学式(2−1)で表わされるビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂に代えて、同質量の化学式(3)で表わされるポリアリレートを用いたほかは、実施例25〜27と同様にして単層型感光体を製造した。
(比較例1)
結着樹脂として、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂95質量部及びポリ塩化ビニル5質量部に代えて、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂100質量部を用いたほかは、実施例1と同様にして単層型感光体を製造した。
(比較例2)
結着樹脂として、ポリアリレート樹脂95質量部及びポリ塩化ビニル5質量部に代えて、ポリアリレート樹脂100質量部を用いたほかは、実施例4と同様にして単層型感光体を製造した。
[感光体特性の評価]
上記実施例1〜30及び比較例1、2で得られた電子写真感光体について、下記のかぶり濃度、帯電電位及び感度電位を評価した。
(かぶり濃度の評価)
得られた単層型電子写真感光体を用いて画像形成を行い、かぶり濃度の評価を行った。 即ち、得られた単層型電子写真感光体を、画像形成装置(京セラミタ(株)製、FS−1300D改造機)に組み付け、温度:20℃、相対湿度:50%RHにて白紙画像を10枚形成した。
次いで、分光光度計(グレタグマクベス(株)製、SpectroEye)を用いて、得られた形成画像の白紙部分におけるかぶり濃度(−)を測定し、下記基準に沿って、◎及び○を合格として評価した。
◎:かぶり濃度の値が0.01未満の値である。
○:かぶり濃度の値が0.01以上、且つ、0.012未満の値である。
△:かぶり濃度の値が0.012以上、且つ、0.02未満の値である。
×:かぶり濃度の値が0.02以上の値である。
尚、画像形成装置の画像形成条件を以下に示す。
電子写真感光体の線速 168mm/sec
帯電方式 スコロトロン帯電(帯電電位:+600V)
露光方式 レーザースキャナー(波長:780nm)
現像方式 2成分現像方式、反転現像方式
転写方式 中間転写方式
クリーニング方式 カウンタブレード方式
除電方式 LED光除電(波長:630nm)
(帯電電位の評価)
得られた単層型電子写真感光体における帯電電位の評価を行った。
即ち、電位プローブを備えた電位測定冶具を電子写真感光体に対する現像位置にセットし、比較例1の電子写真感光体の表面電位が600Vとなるように、帯電条件を設定した。
次いで、かかる設定を変えずに、比較例1の電子写真感光体を実施例1の電子写真感光体に入れ替えた後、帯電させ、白紙原稿に相当する印字動作を行った後の表面電位を測定し、帯電電位とするとともに、下記基準に沿って、◎及び○を合格として評価した。
次いで、実施例2〜30及び比較例2の電子写真感光体についても、同様に帯電電位を測定し、評価した。
◎:帯電電位の値が580〜620Vの範囲内の値である。
○:帯電電位の値が560V以上且つ580V未満の範囲内、又は、620Vを超えるとともに640V以下の範囲内の値である。
×:帯電電位の値が560V未満、又は、640Vを超えた値である。
(感度電位の評価)
得られた単層型電子写真感光体における感度電位の評価を行った。
即ち、帯電電位の測定条件と同様の条件下にて、ベタ画像に相当する印字動作を行った後の表面電位を測定し、感度電位とするとともに、下記基準に沿って◎及び○を合格として評価した。
◎:感度電位の値が65V以下の値である。
○:感度電位の値が65Vを超えるとともに70V以下の範囲内の値である。
×:感度電位の値が70Vを超えた値である。
上記実施例1〜30及び比較例1、2で得られた感光体について、使用した結着樹脂及びその質量配合比率を、かぶり濃度、帯電電位及び感度電位の評価結果とともに表1に示す。
表1より明らかなように、結着樹脂として、ポリカーボネート及びポリアリレートの何れか一方と、一般式(1)で表される単量体単位を含むオレフィン重合体であるオレフィン重合体1〜5の何れか1つとを含有した感光層を備えた実施例1〜30の感光体は、結着樹脂として、オレフィン重合体1〜5の何れをも含有せず、ポリカーボネート又はポリアリレートのみを含有した感光層を備えた比較例1、2の感光体に比べて、かぶりの発生が抑制されている。又、帯電電位及び感度電位も合格基準を満たしている。
以上、詳述したように、本発明によれば、感光層に結着樹脂として、ポリカーボネート及びポリアリレートの少なくとも一方と、少なくとも一般式(1)で表される単量体単位を含むオレフィン重合体と、を含有させることにより、かぶりの発生を抑制する電子写真感光体が得られるようになった。
従って、本発明の電子写真感光体は、高速で画像形成を行う複写機やプリンター等の各種画像形成装置の高性能化等に寄与することが期待される。
10 単層型電子写真感光体
12 導電性基体
14 感光層
16 中間層

Claims (6)

  1. 導電性基体と感光層とを備えた単層型電子写真感光体であって、
    該感光体の最表層が前記感光層であり、
    前記感光層は結着樹脂として、ポリアリレートと、少なくとも下記一般式(1)で表される単量体単位を含むオレフィン重合体と、を含有する電子写真感光体。

    (一般式(1)において、X、X、X及びXの少なくとも1つは水素原子よりも電気陰性度の大きい原子であり、残りは水素原子である。)
  2. 前記一般式(1)において、前記水素原子よりも電気陰性度の大きい原子が塩素原子である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記オレフィン重合体が、前記一般式(1)で表される単量体単位の単独重合体、前記一般式(1)で表される単量体単位と他の単量体単位との二元共重合体、及び、前記一般式(1)で表される単量体単位と他の単量体単位と何れとも異なる単量体単位との三元共重合体の少なくとも1つである請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記オレフィン重合体が、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体及び塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシアルキルアクリレート共重合体の少なくとも1つである請求項3に記載の電子写真感光体。
  5. 前記オレフィン重合体がポリ塩化ビニルである請求項4に記載の電子写真感光体。
  6. 前記ポリアリレートが、下記一般式(3)で表されるポリアリレートである請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。

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