JP5884459B2 - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、優れた電気特性および機械特性を有する電子写真感光体の製造方法に関する。
電子写真技術は、即時的に高品質の画像が得られることなどから、複写機、プリンター、印刷機として広く使われている。電子写真技術の中核となる電子写真感光体(以下適宜「感光体」という)については、無公害で成膜が容易、性能面でも電子写真プロセスの要求に幅広く対応可能でバリエーションに富むことから、有機系の光導電物質を使用した感光体が広く使用されている。
近年、高画質化の要求により、トナーの小径化が進み、中でもケミカルトナーにおいては形状が球に近い形態となることが多いため、感光体上に残ったトナーをブレードによりクリーニングする際にすり抜けが発生し易く、その結果地汚れ等の画像欠陥となる可能性が高くなっている。そのため、クリーニングブレードを強い圧力で感光体に当接し、トナーのすり抜けを防止する対策が取られることが多くなっている。
クリーニングブレードの感光体への当接圧が大きくなると、ブレードが感光体最表面とくっつき/滑りを繰り返す、いわゆるスティック・スリップ現象によるビビリを生じ、その結果、異音を発生するリスクが高くなる。また、トナー成分である外添剤やトナーキャリア、紙粉等がクリーニングブレードにニップ部を介して感光体に強く押し当てられた状態で回転することにより、感光層の摩耗の増大による寿命の低下や周方向傷の発生による画像欠陥も発生し易くなる。また、感光体表面に微細な傷が生成すると、それをきっかけにトナーの成分が固着し、クリーニングブレードによる除去が困難になる、いわゆるフィルミング現象も発生し易くなり、持続的な画像欠陥となるリスクも高くなってくる。
このような厳しい使用条件下でも、画像欠陥や異音、寿命の低減を最小限にするような表面機械物性を有することが、感光体には求められる。表面機械物性を改良する手段として、感光体の最表層にポリエステル樹脂、中でも高い弾性変形率を有するポリアリレート樹脂(全芳香族系ポリエステル樹脂)を使用することが、上記のような厳しい機械物性の改良要求に応えられる手段として実用化されている(特許文献1〜9参照)。
一方で、近年、省スペース化の観点から、さらなる画像形成装置の小型化が求められている。この場合、画像形成装置の小型化の実現のため、感光体は30mmφ等の小径型が用いられる。
特開昭50−098332号公報 特開昭59−071057号公報 特開昭59−184251号公報 特開昭56−135844号公報 特開平03−006567号公報 特開平10−288845号公報 特開平10−20514号公報 特開2006−53549号公報 特開2008−293006号公報
しかしながら本発明者の検討によると、特許文献4〜9に記載の技術では、電気特性、耐摩耗性等に向上は見られるが、感光層の密着性において充分な性能が得られない場合があり、基板との接着性が不充分な際に剥離が発生するという問題が判明した。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、実用上の負荷に対する耐摩耗性に優れ、高い機械的強度を保ちつつ電気特性に優れ、且つ基板との接着性に優れたバインダー樹脂を含有する電子写真感光体を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決しうる電子写真感光体について鋭意検討を行なった結果、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該導電性支持体が陽極酸化処理及び封孔処理を施されており、且つ該導電性支持体上に設けられた感光層にポリアリレート樹脂が含有されることにより、上記課題を解決できることを見出し、係る知見に基づき本発明に至った。
即ち、本発明の要旨は以下<1>〜<4>に存する。
<1>
導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体の製造方法において、該導電性支持体は陽極酸化処理及び封孔処理を施されており、該感光層が電荷発生層及び電荷輸送層を有する積層型感光層であり、少なくとも該電荷輸送層がポリアリレート樹脂を含有し、該電荷輸送層が、該電荷輸送層のガラス転移温度+30℃以上の温度で乾燥する工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
<2>
該電荷輸送層の乾燥工程の温度が、該電荷輸送層のガラス転移温度+100℃以下であることを特徴とする<1>に記載の電子写真感光体の製造方法。
<3>
該ポリアリレート樹脂が、ジオール成分として下記一般式(1)で表される構造を有し、且つジカルボン酸成分として下記一般式(2)で表される構造を有することを特徴とする<1>または<2>に記載の電子写真感光体の製造方法。
Figure 0005884459
(式(1)において、Ar1及びAr2は、それぞれ独立に置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、Xは、それぞれ独立に単結合または二価の連結基を表し、式(2)において、Ar3及びAr4は、それぞれ独立に置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、Yは、それぞれ独立に単結合または二価の連結基を表し、kは0以上の整数を表す。)<
式(2)において、Yが酸素原子で、且つk=1であることを特徴とする<>に記載の電子写真感光体の製造方法。
本発明によれば、耐摩耗性のみならず、電気特性及び感光層と基体との接着性等に優れた電子写真感光体が得られる。
本発明の画像形成装置の一実施態様の要部構成を示す概略図である。
以下、本発明について説明するが、本発明は以下の実施の具体的形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において任意に変形することができる。
[1.電子写真感光体]
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に感光層を有し、該導電性支持体は陽極酸化処理及び封孔処理を施されており、且つ該導電性支持体上に設けられた感光層にポリアリレート樹脂が含有されることを特徴とする。
[1−1.導電性支持体]
本発明の感光体に用いる導電性支持体としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料が主として使用される。導電性支持体は、1種の材料を単独で用いてもよく、2種以上の材料を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。組み合わせるその他の材料成分としては、金属、カーボン、酸化錫等の導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料;アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙;等が挙げられる。
形態としては、例えば、ドラム状、シート状、ベルト状等のものが用いられるが、本発明の接着性が良好になるとの効果の発揮の最大化の観点から、感光層の内部応力が大きく働き、感光層と導電性支持体との接着性が不十分となる傾向にあるドラム状であることが好ましい。
本発明において、導電性支持体は、導電性支持体表面に陽極酸化被膜を施したものを用いる。陽極酸化被膜を施す場合、公知の方法により封孔処理を施すことが好ましい。陽極酸化処理の方法としては、例えば、クロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中で、陽極酸化処理することにより陽極酸化被膜が形成されるが、中でも、硫酸中での陽極酸化処理がより良好な結果を与える。
硫酸中での陽極酸化の場合、各種条件は所望の陽極酸化処理を行える限り任意であるが
、中でも、硫酸濃度は通常100g/L以上、また、通常300g/L以下、溶存アルミニウム濃度は通常2g/L以上、また、通常15g/L以下、液温は通常15℃以上、また、通常30℃以下、電解電圧は通常10V以上、また、通常20V以下、電流密度は通常0.5A/dm2以上、また、通常2A/dm2以下が望ましい。
このようにして形成された陽極酸化被膜に対して、封孔処理を行なうことが好ましい。封孔処理は、公知の方法で行うことができるが、封孔処理方法として、例えば、主成分としてフッ化ニッケルを含有する水溶液(フッ化ニッケル水溶液)中に浸漬させる低温封孔処理、又は主成分として酢酸ニッケルを含有する水溶液(酢酸ニッケル水溶液)中に浸漬させる高温封孔処理が好ましい。
上記低温封孔処理の場合に使用されるフッ化ニッケル水溶液中のフッ化ニッケルの濃度は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常3g/L以上、また、通常6g/L以下の濃度となるように使用した場合に、より好ましい結果が得られる。
また、封孔処理をスムーズに進めるために、処理温度は、通常25℃以上、好ましくは30℃以上、また、その上限は、通常40℃以下、好ましくは35℃以下である。
また、フッ化ニッケル水溶液のpHは、通常4.5以上、好ましくは5.5以上、また、その上限は、通常6.5以下、好ましくは6.0以下であることが望ましい。pH調節剤としては、公知の任意の物質を用いることができるが、例えば、シュウ酸、ホウ酸、ギ酸、酢酸、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、アンモニア水等を用いることができる。
なお、pH調整剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
処理時間は、被膜の膜厚1μmあたり、通常1分以上、また、通常3分以下の範囲で処理することが好ましい。なお、被膜物性を更に改良するために、例えばフッ化コバルト、酢酸コバルト、硫酸ニッケル、界面活性剤等をフッ化ニッケル水溶液に混合してもよい。上記の処理の後、必要に応じて、水洗、乾燥等を行うことにより、低温封孔処理を完了させることができる。
また、上記の高温封孔処理の場合の封孔剤としては、例えば酢酸ニッケル、酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル−コバルト、硝酸バリウム等の金属塩水溶液を用いることができるが、特に酢酸ニッケルの水溶液を用いることが好ましい。酢酸ニッケル水溶液を用いる場合、酢酸ニッケル水溶液中の酢酸ニッケルの濃度は、通常5g/L以上、また、通常20g/L以下の濃度範囲内で使用することが好ましい。
さらに、処理温度は通常80℃以上、好ましくは90℃以上、また、その上限は、通常100℃以下、好ましくは98℃以下でる。また、酢酸ニッケル水溶液のpHは、通常5.0以上、また、通常6.0以下の範囲でが好ましい。pH調節剤としては、アンモニア水、酢酸ナトリウム等を用いることができる。なお、pH調整剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
処理時間は通常10分以上、好ましくは20分以上処理することが好ましい。なお、この場合も、被膜物性を改良するために、酢酸ナトリウム、有機カルボン酸、アニオン系、ノニオン系界面活性剤等を酢酸ニッケル水溶液に混合してもよい。
上記の処理の後、必要に応じて、水洗、乾燥等を行うことにより、高温封孔処理を完了させることができる。
平均膜厚が厚い場合には、封孔処理液の高濃度化、高温・長時間処理により強い封孔条件を必要とする場合がある。従って、生産性が悪くなると共に、被膜表面にシミ、汚れ、
粉ふきといった表面欠陥を生じやすくなる。このような観点から、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に7μm以下で形成されることが好ましい。
導電性支持体表面は、平滑であってもよいし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理したりすることにより、粗面化されていてもよい。また、導電性支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものであってもよい。また、安価化のためには切削処理を施さず、引き抜き管をそのまま使用することも可能である。特に引き抜き加工、インパクト加工、しごき加工等の非切削アルミニウム支持体を用いる場合、処理により、表面に存在した汚れ、異物等の付着物、小さな傷等が無くなり、均一で清浄な支持体が得られるので好ましい。
[1−2.下引き層]
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けてもよいが、本発明における感光層と導電性支持体との接着性向上の観点から、下引き層を設けないことが好ましい。下引き層としては、樹脂、または樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したもの等が用いられる。また、下引き層は、単一層からなるものであっても、複数層からなるものであってもかまわない。
下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子等が挙げられる。これらは一種類の粒子を単独で用いても良いし、複数の種類の粒子を混合して用いても良い。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタン及び酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコン等の有機物による処理を施されていても良い。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。また、複数の結晶状態のものが含まれていても良い。
また、金属酸化物粒子の粒径としては種々のものが利用できるが、中でも特性及び液の安定性の点から、その平均一次粒径は、10nm以上100nm以下が好ましく、特に10nm以上50nm以下が好ましい。この平均一次粒径は、TEM写真等から得ることができる。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ニトロセルロース等のセルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物等の有機ジルコニウム化合物、チタニルキレート化合物、チタンアルコキシド化合物等の有機チタニル化合物、シランカップリング剤等の公知のバインダー樹脂が挙げられる。これらは単独で用いても良く、或いは2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。また、硬化剤とともに硬化した形で使用してもよい。中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は、良好な分散性、塗布性を示すことから好ましい。
下引き層に用いられるバインダー樹脂に対する無機粒子の使用比率は任意に選ぶことが
可能であるが、分散液の安定性、塗布性の観点から、バインダー樹脂に対して、通常は10質量%以上、500質量%以下の範囲で使用することが好ましい。
下引き層の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、電子写真感光体の電気特性、強露光特性、画像特性、繰り返し特性、及び製造時の塗布性を向上させる観点から、通常は0.01μm以上、好ましくは0.1μm以上、また、通常30μm以下、好ましくは20μm以下である。下引き層には、公知の酸化防止剤等を混合しても良い。画像欠陥防止等を目的として、顔料粒子、樹脂粒子等を含有させて用いても良い。
[1−3.感光層]
感光層の構成は、公知の電子写真感光体に適用可能な如何なる構成も採用することが可能である。具体例を挙げると、光導電性材料をバインダー樹脂中に溶解又は分散させた単層の感光層(即ち、単層型感光層)を有する、いわゆる単層型感光体;電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を積層してなる複数の層からなる感光層(即ち、積層型感光層)を有する、いわゆる積層型感光体等が挙げられる。一般に光導電性材料は、単層型でも積層型でも、機能としては同等の性能を示すことが知られている。
本発明の電子写真感光体の有する感光層は、公知のいずれの形態であっても構わないが、電子写真感光体の機械的物性、電気特性、製造安定性等を総合的に勘案して、積層型の電子写真感光体が好ましい。特に、導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に積層した順積層型感光体がより好ましい。
また、本発明の電子写真感光体における感光層は、少なくともポリアリレート樹脂を含有し、積層型感光体においては、少なくとも電荷輸送層にポリアリレート樹脂を含有する。
[1−3−1.ポリアリレート樹脂]
本発明の電子写真感光体における感光層は、ポリアリレート樹脂を含有する。
ポリアリレート樹脂としては、公知の任意のものを用いることができるが、中でも、ジオール成分として下記一般式(1)で表される構造を有し、且つジカルボン酸成分として下記一般式(2)で表される構造を有するポリアリレート樹脂を用いることが好ましい。
Figure 0005884459
式(1)において、Ar1及びAr2は、それぞれ独立に置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、Xは、それぞれ独立に単結合または二価の連結基を表し、式(2)において、Ar3及びAr4は、それぞれ独立に置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、Yは、それぞれ独立に単結合または二価の連結基を表し、kは0以上の整数を表す。)繰返し構造を有するものを用いることが好ましい。なお、ポリアリレート樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
<A.構造>
上記式(1)及び式(2)中、Ar〜Arは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアリーレン基を表す。アリーレン基は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。アリーレン基が有する炭素数としては、通常6以上、また、その上限は、通常20
以下、好ましくは10以下である。炭素数が多すぎる場合、電気特性が悪化する可能性がある。
アリーレン基の具体例としては、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントリレン基等が挙げられる。中でも、アリーレン基としては、電気特性の観点から、1,4−フェニレン基が好ましい。アリーレン基は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
また、Ar〜Arは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい。置換基の具体例を挙げると、アルキル基、アリール基、ハロゲン基、アルコキシ基等が挙げられる。中でも、感光層用のバインダー樹脂としての機械的特性と感光層形成用塗布液に対する溶解性とを勘案すれば、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が好ましく、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、ハロゲン基としてフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が好ましい。
なお、置換基がアルキル基である場合、そのアルキル基の炭素数は通常1以上、また、通常10以下、好ましくは8以下、より好ましくは2以下である。
Ar及びArは、それぞれ独立に、置換基の数は0以上2以下が好ましく、接着性、及びクリーニング性の観点から置換基を有することがより好ましく、中でも、耐磨耗性の観点から置換基の数は1個であることが特に好ましい。また、置換基としてはアルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
上記の観点から、Ar及びArの少なくとも一方が置換基を有するアリーレン基であることが好ましい。
一方、Ar及びArは、それぞれ独立して、置換基の数は0以上2以下が好ましく、耐磨耗性の観点から置換基を有さないことがより好ましい。
また、上記式(1)において、X及びYは、それぞれ独立に、単結合又は二価の連結基を表す。好適なX及びYとしては、硫黄原子、酸素原子、スルホニル基、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン等のシクロアルキリデン基、−CR−が挙げられる。
ここで、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン基、又はアルコキシ基を表す。また、R及びRのうち、感光層用のバインダー樹脂としての機械的特性と感光層形成用塗布液に対する溶解性とを勘案すれば、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が好ましく、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、ハロゲン基としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が好ましい。
なお、R又はRがアルキル基である場合、そのアルキル基の炭素数は、通常1以上、また、通常10以下、好ましくは8以下、より好ましくは2以下である。
さらに、ポリアリレート樹脂を製造する際に通常用いられる二価ヒドロキシ化合物(式(1)で表されるジオール成分)を製造する際の簡便性を勘案すれば、Xとしては、硫黄原子、酸素原子、シクロヘキシリデン、−CR−が好ましい。中でも、Xが−CR−であることが好ましく、R及びRが水素原子又はメチル基等のアルキル基であることがより好ましく、耐磨耗性の観点から、R及びRのうち少なくとも一方が水素原子であることが特に好ましい。
一方、ポリアリレート樹脂を製造する際に通常用いられる二価ジカルボキシ化合物(式
(2)で表されるジカルボン酸成分)を製造する際の簡便性を勘案すれば、Yとしては、単結合;酸素原子、硫黄原子、メチレン基等の原子数3以下の2価の連結基;が好ましく、耐磨耗性、及びクリーニング性の観点から、原子数3以下の2価の連結基が好ましく、中でも酸素原子が特に好ましい。
また、式(2)において、kは0以上の整数である。中でも、ポリアリレート樹脂を製造する際の簡便性を勘案すれば、kは0又は1が好ましく、耐磨耗性の観点から、kは1であることが特に好ましい。
即ち、上記式(2)において、Yが酸素原子であり、且つk=1であることが好ましい。
ポリアリレート樹脂が有する繰返し構造として好ましいものは、以下に記載するものが挙げられる。ただし、ポリアリレート樹脂が有しうる繰返し構造は、以下に記載する繰返し構造に限定されない。また、下記構造の1種を単独で含んでもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで含んでもよい。
・kが0の場合の繰返し構造
Figure 0005884459
・kが1の場合の繰り返し構造
Figure 0005884459
Figure 0005884459
ポリアリレート樹脂が有する、式(1)及び式(2)からなる繰返し構造の量は、本発明の効果を著しく損なわない限り、任意である。ただし、繰返し構造部分の重量比率が多いほど、電気特性、耐磨耗性の観点から好ましい。具体的には、ポリアリレート樹脂に対して、式(1)及び式(2)からなる繰返し構造が、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、特に好ましくはポリアリレート樹脂が有する繰返し構造の全てが、式(1)及び式(2)からなる構造であることが望ましい。
また、ポリアリレート樹脂を形成する式(2)で表されるジカルボン酸成分の具体例としては、以下の構造を有するジカルボン酸成分を用いることが好ましい。
Figure 0005884459
上記のものの中でも、電気特性、耐磨耗性の観点から、以下の構造を有するジカルボン酸成分が好ましい。
Figure 0005884459
一方、ポリアリレート樹脂を形成する式(1)で表されるジオール成分としては、例えば、ビスフェノール化合物、ビフェノール化合物等が挙げられる。ジオール成分も、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
その具体例としては、4,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジ(t−ブチル)−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラ(t−ブチル)−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、2,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−2,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジ(t−ブチル)−2,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、2,2’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジ(t−ブチル)−2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル等のビフェノール化合物;
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等の芳香族環上に置換基を有しないビスフェノール化合物;
ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族環上に置換基としてアリール基を有するビスフェノール化合物;
ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン等、
ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)シクロヘキサン等、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−(sec−ブチル)フェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)シクロヘキサン等の芳香族環上に置換基としてアルキル基を有するビスフェノール化合物;
ビス(4−ヒドロキシフェニル)(フェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)(ジフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)(ジベンジル)メタン等の芳香族環を連結する2価基が置換基としてアリール基を有するビスフェノール化合物;等が挙げられる。
上記のものの中でも、ジオール成分としては、以下の構造を有するものが好ましい。
Figure 0005884459
<B.物性>
ポリアリレート樹脂の粘度平均分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、好ましくは10000以上、より好ましくは20000以上、また、その上限は、好ましくは1500000以下、より好ましくは100000以下であることが望ましい。粘度平均分子量の値が小さすぎる場合、ポリアリレート樹脂の機械的強度が不足する可能性があり、大きすぎる場合、感光層形成のための塗布液の粘度が高すぎて生産性が低下する可能性がある。なお、粘度平均分子量は、例えばウベローデ型毛細管粘度計等を用いて、実施例に記載の方法で測定することができる。
ポリアリレート樹脂の末端に存在するカルボキシル基の量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、ポリアリレート樹脂に対して、通常30μeq/g以下、好ましくは15μeq/g以下、より好ましくは10μeq/g以下、特に好ましくは5μeq/g以下である。末端カルボキシル基量が多すぎる場合、表面電位の上昇等電気特性が悪くなる可能性がある。また、末端カルボキシル基量が少ないほど、電荷輸送物質の分解を抑制することが可能となる。
なお、末端カルボキシル基量は、例えば精秤したポリアリレート樹脂をベンジルアルコールに加熱溶解し、0.01規定の水酸化ナトリウム−ベンジルアルコール溶液で滴定することにより、定量することができる。
ポリアリレート樹脂の分子鎖中に含まれる窒素量は、ポリアリレート樹脂に対して、通常100ppm以下、好ましくは50ppm以下、より好ましくは20ppm以下である。窒素量が多すぎる場合、表面電位の上昇等電気特性が悪くなる可能性がある。
なお、ポリアリレート樹脂中の窒素量は、例えば(株)三菱化学製全窒素分析計(TN−10)により測定できる。
また、ポリアリレート樹脂の末端に残存する酸クロライド基(−COCl)量は、ポリアリレート樹脂に対して、通常1μeq/g以下、好ましくは0.3μeq/g以下、特に好ましくは0.1μeq/g以下である。酸クロライド基量が多すぎる場合、保存安定
性が低下する可能性がある。
なお、末端酸クロライド基量は、例えば精秤したポリアリレート樹脂を塩化メチレンに溶解し、4−(p−ニトロベンジル)ピリジンの1重量%塩化メチレン溶液を加え発色させ、440nmの波長の吸光度を測定する。そして、別途塩化ベンゾイルの塩化メチレン溶液を用いて吸光係数を求めることにより、ポリアリレート樹脂中の酸クロライド基量を定量することができる。
さらに、ポリアリレート樹脂の末端に存在する水酸基量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、好ましくは50μeq/g以下、より好ましくは20μeq/g以下である。水酸基量が多すぎる場合、表面電位の上昇等電気特性が悪くなる可能性がある。
なお、末端水酸基量は、例えば酢酸酸性化で四塩化チタンにより発色させ、480nmの波長の吸光度を測定することにより、定量することができる。
[1−3−2.電荷輸送物質]
電荷輸送物質としては特に限定されず、任意の物質を用いることが可能である。
電荷輸送物質の例としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族 ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物等の電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等が挙げられる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチ ルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましい。
[1−3−3.その他の成分]
<ポリアリレート樹脂以外のバインダー樹脂>
本発明の電子写真感光体における感光層は、バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂の他に、ポリアリレート樹脂以外の樹脂を含んでもよい。この場合、積層型感光体の電荷輸送層及び単層型感光体の感光層に使用される全バインダー樹脂中、ポリアリレート樹脂が通常30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは80重量%以上、特に好ましくは100重量%であることが望ましい。
電荷発生層と電荷輸送層とを有する機能分離型感光体(即ち、積層型感光体)の電荷輸送層及び単層型感光体の感光層形成の際は、膜強度確保のため、通常、化合物を分散させるためバインダー樹脂が使用される。機能分離型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質と各種バインダー樹脂とを溶剤に溶解、あるいは分散して得られる塗布液を塗布、乾燥して得ることができる。また、単層型感光体は、電荷発生物質、電荷輸送物質及び各種バインダー樹脂を溶剤に溶解、あるいは分散して得られる塗布液を塗布、乾燥して得ることができる。
ポリアリレート樹脂と組み合わせて使用できるバインダー樹脂としては、例えばブタジエン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、シ
リコーン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は珪素試薬等で修飾されていてもよい。上記バインダー樹脂のうち、ポリカーボネート樹脂が好ましい。なお、バインダー樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
ポリアリレート樹脂と併用しうるポリカーボネート樹脂としては、下記式(3)で表される繰返し構造を有するポリカーボネート樹脂を用いることが好ましい。
Figure 0005884459
(式(3)中、Ar及びArは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアリーレン基を表し、Xは単結合又は二価の連結基を表す。)
上記式(2)において、Ar及びArは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアリーレン基を表す。アリーレン基としては、例えば1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントリレン基が挙げられるが、電気特性の観点から1,4−フェニレン基が好ましい。
また、Ar及びArは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい。置換基の具体例を挙げると、アルキル基、アリール基、ハロゲン基、アルコキシ基等が挙げられる。これらの中でも、感光層用のバインダー樹脂としての機械的特性と感光層形成用塗布液に対する溶解性とを勘案すれば、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が好ましく、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、ハロゲン基としてフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が好ましく例示される。
なお、置換基がアルキル基である場合、そのアルキル基の炭素数は通常1以上、また、通常10以下、好ましくは8以下、より好ましくは2以下である。
Ar及びArは、それぞれ独立に、置換基を有さないか、1個又は2個の置換基を有することが好ましく、接着性の観点から、1個又は2個の置換基を有することがより好ましく、滑り性の観点から、1個の置換基を有することが特に好ましい。置換基としてはアルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
また、上記式(2)において、Xは単結合又は二価の連結基を表す。好適なXの具体例を挙げると、硫黄原子、酸素原子、スルホニル基、カルボニル基、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン等のシクロアルキリデン基、−CR−が挙げられる。
ここで、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン基、又はアルコキシ基を表す。また、R及びRのうち、感光層用のバインダー樹脂としての機械的特性と感光層形成用塗布液に対する溶解性とを勘案すれば、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が好ましく、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、ハロゲン基としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が好ましい。
なお、R又はRがアルキル基である場合、そのアルキル基の炭素数は、通常1以上
、また、通常10以下、好ましくは8以下、より好ましくは2以下である。
さらに、ポリカーボネート樹脂を製造する際に通常用いられる二価ヒドロキシ化合物を製造する際の簡便性を勘案すれば、Xとしては、硫黄原子、酸素原子、シクロヘキシリデン、−CR−が好ましい。中でも、Xが−CR−であることが好ましく、R及びRが水素原子又はメチル基等のアルキル基であることがより好ましく、耐磨耗性の観点から、R及びRのうち少なくとも一方が水素原子であることが特に好ましい。
これらの構造を形成するジオール成分としては、ビスフェノール化合物、ビフェノール化合物等が挙げられる。
その具体例としては、4,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジ(t−ブチル)−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラ(t−ブチル)−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、2,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−2,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジ(t−ブチル)−2,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、2,2’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジ(t−ブチル)−2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル等のビフェノール化合物;
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等の芳香族環上に置換基を有しないビスフェノール化合物;
ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族環上に置換基としてアリール基を有するビスフェノール化合物;
ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン等、
ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)シクロヘキサン等、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−(sec−ブチル)フェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
−3,6−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)シクロヘキサン等の芳香族環上に置換基としてアルキル基を有するビスフェノール化合物;
ビス(4−ヒドロキシフェニル)(フェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)(ジフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)(ジベンジル)メタン等の芳香族環を連結する2価基が置換基としてアリール基を有するビスフェノール化合物;等が挙げられる。なお、ジオール成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
中でも以下に示されるビスフェノール又はビフェノールから形成されるポリカーボネート樹脂が好適に使用される。
Figure 0005884459
特に、以下の構造を有するビスフェノールから形成されるポリカーボネート樹脂が好ましい。
Figure 0005884459
なお、ポリカーボネート樹脂は、部分構造として上記式(3)で表される以外のポリカーボネート構造を含んでもよい。更に、部分構造として、ポリカーボネート樹脂以外の構造を含んでもよい。
上記のポリカーボネート樹脂において、式(3)で表される部分構造の重量比率は、電気特性及び耐磨耗性の観点から、多いほど好ましい。具体的には、ポリカーボネート樹脂
の全重量に対して、式(3)で表される部分構造が、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上であって、特に好ましくは100重量%であることが望ましい。
ポリアリレート樹脂と組み合わせて使用できるバインダー樹脂の粘度平均分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、好ましくは10000以上、より好ましくは20000以上、また、その上限は、好ましくは150000以下、より好ましくは100000以下であることが望ましい。粘度平均分子量の値が小さすぎる場合、バインダー樹脂の機械的強度が不足する可能性があり、大きすぎる場合、感光層形成のための塗布液の粘度が高すぎて生産性が低下する可能性がある。なお、粘度平均分子量は、前記ポリアリレート樹脂の場合と同様に測定することができる。
積層型感光体の電荷輸送層並びに単層型感光体の感光層に使用されるバインダー樹脂と電荷輸送物質との使用割合は、単層型、積層型共に、バインダー樹脂100重量部に対して、電荷輸送物質の量が、通常20重量部以上、残留電位低減の観点から、好ましくは30重量部以上、繰り返し使用時の安定性、電荷移動度の観点から、より好ましくは40重量部以上、また、感光層の熱安定性の観点から、通常150重量部以下、電荷輸送物質とバインダー樹脂との相溶性の観点から、好ましくは120重量部以下、耐刷性の観点から、より好ましくは100重量部以下、耐傷性の観点から特に好ましくは80重量部以下である。
単層型感光体の場合には、上記の感光層に、更に後述する電荷発生物質が分散される。その場合の電荷発生物質の粒子径は十分小さいことが重要であり、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下で使用される。
また、電荷発生物質の使用量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは1重量%以上、また、その上限は、好ましくは50重量%以下、より好ましくは20重量%以下の範囲で使用される。電荷発生物質の使用量が少なすぎる場合、十分な感度が得られない可能性があり、多すぎる場合、帯電性の低下、感度の低下等の弊害が生じる可能性がある。
<電荷発生層>
積層型感光体(機能分離型感光体)の場合、電荷発生層は、電荷発生物質をバインダー樹脂で結着することにより形成される。
電荷発生物質としては、セレニウム及びその合金、硫化カドミウム等の無機系光導電材料と、有機顔料等の有機系光導電材料とが挙げられるが、有機系光導電材料の方が好ましく、特に有機顔料が好ましい。有機顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料等が挙げられる。これらの中でも、特にフタロシアニン顔料又はアゾ顔料が好ましい。電荷発生物質として有機顔料を使用する場合、通常はこれらの有機顔料の微粒子を、各種のバインダー樹脂で結着した分散層の形で使用する。
電荷発生物質として無金属フタロシアニン化合物、金属含有フタロシアニン化合物を用いた場合は比較的長波長のレーザー光、例えば780nm近辺の波長を有するレーザー光に対して高感度の感光体が得られ、またモノアゾ、ジアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料を用いた場合には、白色光、又は660nm近辺の波長を有するレーザー光、もしくは比較的短波長のレーザー光、例えば450nm、400nm近辺の波長を有するレーザーに対して十分な感度を有する感光体を得ることができる。
電荷発生物質として有機顔料を使用する場合、特にフタロシアニン顔料又はアゾ顔料が
好ましい。フタロシアニン顔料は、比較的長波長のレーザー光に対して高感度の感光体が得られる点で、また、アゾ顔料は、白色光及び比較的短波長のレーザー光に対し十分な感度を持つ点で、それぞれ優れている。
電荷発生物質としてフタロシアニン顔料を使用する場合、具体的には無金属フタロシアニン、銅、インジウム、ガリウム、スズ、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム、アルミニウムなどの金属又はその酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、アルコキシドなどの配位したフタロシアニン類の各結晶型を持ったもの、酸素原子等を架橋原子として用いたフタロシアニンダイマー類などが使用される。特に、感度の高い結晶型であるX型、τ型無金属フタロシアニン、A型(別称β型)、B型(別称α型)、D型(別称Y型)等のチタニルフタロシアニン(別称:オキシチタニウムフタロシアニン)、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、ヒドロキシインジウムフタロシアニン、II型等のクロロガリウムフタロシアニン、V型等のヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型、I型等のμ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体、II型等のμ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体が好適である。
また、これらフタロシアニンの中でも、A型(別称β型)、B型(別称α型)、及び粉末X線回折の回折角2θ(±0.2゜)が27.1゜、もしくは27.3゜に明瞭なピークを示すことを特徴とするD型(Y型)チタニルフタロシアニン、II型クロロガリウムフタロシアニン、V型及び28.1゜にもっとも強いピークを有すること、また26.2゜にピークを持たず28.1゜に明瞭なピークを有し、かつ25.9゜の半値幅Wが0.1゜≦W≦0.4゜であることを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型μ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体等が特に好ましい。これらの中でも、D型(Y型)チタニルフタロシアニンが良好な感度を示し最も好ましい。
フタロシアニン化合物は単一の化合物のものを用いてもよいし、幾つかの混合又は混晶状態のものを用いてもよい。ここでのフタロシアニン化合物ないしは結晶状態に置ける混合状態としては、それぞれの構成要素を後から混合したものを用いてもよいし、合成、顔料化、結晶化等のフタロシアニン化合物の製造・処理工程において混合状態を生じさせたものでもよい。このような処理としては、酸ペースト処理・磨砕処理・溶剤処理等が知られている。混晶状態を生じさせるためには、特開平10−48859号公報記載のように、2種類の結晶を混合後に機械的に磨砕、不定形化した後に、溶剤処理によって特定の結晶状態に変換する方法が挙げられる。
電荷発生物質としてアゾ顔料を使用する場合には、各種ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料が好適に用いられる。
電荷発生物質として有機顔料を用いる場合には、1種を単独で用いてもよいが、2種類以上の顔料を混合して用いてもよい。この場合、可視域と近赤域の異なるスペクトル領域で分光感度特性を有する2種類以上の電荷発生物質を組み合わせて用いることが好ましく、中でもジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料とフタロシアニン顔料とを組み合わせて用いることがより好ましい。
電荷発生層に用いるバインダー樹脂は特に制限されないが、例としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールや、アセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル系ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、カゼインや、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシ変性塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、カルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アルキッド樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の絶縁性樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルペリレン等の有機光導電性ポリマーなどが挙げられる。これらのバインダ樹脂は、何れか1種を単独で用いても良く、2種類以上を任意の組み合わせで混合して用いても良い。
電荷発生層は、具体的に、上述のバインダー樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に、本発明のハロゲン置換インジウムフタロシアニン及び場合によって用いられるその他の電荷発生物質を分散させて塗布液を調整し、これを導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布することにより形成される。
塗布液の作製に用いられる溶剤としては、バインダー樹脂を溶解させるものであれば特に制限されないが、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン等の飽和脂肪族系溶媒、トルエン、キシレン、アニソール等の芳香族系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒、グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等の鎖状又は環状ケトン系溶媒、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等の鎖状又は環状エーテル系溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルフォラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物、リグロイン等の鉱油、水などが挙げられる。これらは何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を併用して用いてもよい。なお、上述の下引き層を設ける場合には、この下引き層を溶解しないものが好ましい。
電荷発生層において、バインダー樹脂と電荷発生物質との配合比(重量)は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質が通常10質量部以上、好ましくは30質量部以上、また、通常1000質量部以下、好ましくは500質量部以下の範囲であり、その膜厚は通常0.1μm以上、好ましくは0.15μm以上、また、通常10μm以下、好ましくは0.6μm以下の範囲である。電荷発生物質の比率が高過ぎると、電荷発生物質の凝集等により塗布液の安定性が低下するおそれがある一方、電荷発生物質の比率が低過ぎると、感光体としての感度の低下を招くおそれがある。
電荷発生物質を分散させる方法としては、ボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の公知の分散法を用いることができる。この際、粒子を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.15μm以下の範囲の粒子サイズに微細化することが有効である。
<その他の成分>
また、感光層には、例えば成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性等を向上させるために、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤、増感剤等の添加剤を含有させてもよい。添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
酸化防止剤の例としては、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物等が挙げられる。また染料、顔料の例としては、各種の色素化合物、アゾ化合物等が挙げられ、レベリング剤の例としては、シリコ−ンオイル、フッ素系オイル等が挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、α−トコフェロール、β−トコフェロール、2,2,4−トリメチル−6−ヒドロキシ−7−t−ブチルクロマン、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2’−チオエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシアニソール、1−[2−{(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−[3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペラジル、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、等を挙げることができる。
中でも、分子中のフェノール環にt−ブチル基を1個以上有するものが好ましく、中でも、当該t−ブチル基がフェノール性水酸基の隣接した位置に結合したもの(即ち、水酸基に対してオルト位にt−ブチル基が結合したもの)がより好適である。それらの中でも、そのt−ブチル基がフェノール性水酸基の隣接した位置に2個結合したもの(即ち、水酸基に対して2位及び6位の位置にt−ブチル基が結合したもの)が特に好ましい。その具体例を挙げると、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート等のモノフェノール系酸化防止剤、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等のポリフェノール系酸化防止剤等が好適である。これらを用いることにより、繰返し使用してもかぶりのない電子写真感光体を容易に製造することができる。
また、耐酸性ガス性を向上させるために、公知の置換基を有しても良いアルキルアミン化合物を用いることが可能である。例えば、特開平3−172852号公報、特開2007−52408号公報等に示される化合物を用いることが好ましい。それらの中でも、例えば、トリベンジルアミンを好適に用いることができる。
<保護層等>
感光体の最表面層には、感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電物質等による感光層の劣化を防止、軽減等したりする目的で保護層を設けてもよい。保護層は、例えば導電性材料を適当なバインダー樹脂中に含有させて形成するか、特開平9−190004号公報の記載のようなトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する化合物を用
いた共重合体を用いることができる。導電性材料としては、TPD(N,N'−ジフェニ
ル−N,N'−ビス−(m−トリル)ベンジジン)等の芳香族アミノ化合物、酸化アンチ
モン、酸化インジウム、酸化錫、酸化チタン、酸化錫−酸化アンチモン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物等を用いることが可能であるが、これに限定されるものではない。なお、これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
保護層に用いるバインダー樹脂としては、例えばポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、シロキサン樹脂等の公知の樹脂を用いることができ、また、特開平9−190004号公報に記載のような、トリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する骨格と上記樹脂との共重合体を用いることもできる。なお、保護層に用いるバインダー樹脂も、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
上記保護層は、電気抵抗が通常10Ω・cm以上1014Ω・cm以下となるように形成することが望ましい。電気抵抗が小さすぎる場合、画像のボケ、解像度の低下が生じる可能性があり、電気抵抗が大きすぎる場合、残留電位が上昇しカブリの多い画像となる可能性がある。また、保護層は、像露光に照射される光の透過を実質上妨げないように形成することが好ましい。
また、例えば、感光体表面の摩擦抵抗、摩耗を低減、トナーの感光体から転写ベルト、紙への転写効率を高める等の目的で、表面層にフッ素系樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂等を含んでいてもよい。また、これらの樹脂からなる粒子、無機化合物の粒子等を表面層に含んでいてもよい。
[1−4.層形成方法]
感光体を構成する各層は、通常、各層を構成する材料を含有する塗布液を、導電性支持体上に公知の塗布方法を用い、各層ごとに塗布、乾燥工程を繰り返し、順次塗布していくことにより形成される。
バインダー樹脂を溶解させ、塗布液の作製に用いられる溶媒、分散媒としては例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン等の飽和脂肪族系溶媒、トルエン、キシレン、アニソール等の芳香族系溶媒、
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒、
グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、
アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン等の鎖状、分岐及び環状ケトン系溶媒、
ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、
塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン(以下、適宜「THF」と言う。)、1,4−ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等の鎖状及び環状エーテル系溶媒、
アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルフォラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒、
n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物、
リグロイン等の鉱油、
水等が挙げられ、前述した下引き層を溶解しないものが好ましく用いられる。なお、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
層形成用の塗布液は、単層型感光体及び積層型感光体の電荷輸送層の場合には、固形分濃度が、通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上、また、その上限は、通常40重量%以下、好ましくは35重量%以下である。
また、塗布液の粘度は、通常10mPa・s以上、好ましくは50mPa・s以上、また、その上限は、通常500mPa・s以下、好ましくは400mPa・s以下である。
積層型感光体の電荷発生層の場合には、固形分濃度を、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、また、その上限は、通常15重量%以下、好ましくは10重量%以下である。
また、塗布液の粘度は、通常0.01mPa・s以上、好ましくは0.1mPa・s以上、また、その上限は、通常20mPa・s以下、好ましくは10mPa・s以下である。
塗布液の塗布方法としては、例えば浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられるが、他の公知のコーティング法を用いることも可能である。なお、これらの方法は、1種を単独で利用してもよく、2種以上を任意に組み合わせて利用してもよい。
塗布液を塗布した後の乾燥は室温(通常25℃)における指触乾燥後、通常30℃以上200℃以下の温度範囲で、通常1分以上2時間以下の間、無風、又は送風下で加熱乾燥させることが好ましい。また加熱温度は一定であっても、乾燥時に変更させながら行なってもよい。
本発明の電子写真感光体において、積層型感光体の場合、電荷輸送層用塗布液の塗布後の乾燥工程においては、その乾燥温度は、特に限定はないが、電荷輸送層の接着性向上の観点から、電荷輸送層のガラス転移温度以上とすることが好ましく、より好ましくは、電荷輸送層のガラス転移温度+10℃以上であり、更に好ましくは、+20℃以上であり、特に好ましくは、+30℃以上であり、一方、ガラス転移温度+100℃以下が好ましい。尚、電荷輸送層用塗布液の塗布後の乾燥工程における乾燥温度は、下限は、通常、50℃以上であり、好ましくは80℃以上であり、より好ましくは100℃以上であり、更に好ましくは120℃以上であり、特に好ましくは130℃以上である。一方、上限は、通常、200℃以下であり、生産性の観点から、好ましくは180℃以下である。
電荷輸送層のガラス転移温度は、電荷輸送層用塗布液を塗布後、乾燥工程を経て得られた電荷輸送層を公知のガラス転移温度測定方法により測定することにより得られる。
単層型感光体の感光層の膜厚は、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、その上限は、通常100μm以下、好ましくは50μm以下である。
また、順積層型感光体の電荷輸送層の膜厚は、通常5μm以上50μm以下の範囲で用いられるが、長寿命、画像安定性の観点からは、好ましくは10μm以上45μm以下、高解像度の観点からは、より好ましくは10μm以上30μm以下である。
<電子写真感光体の外径>
ドラム状の導電性支持体を用いる場合、その電子写真感光体の外径は、通常、100mm以下であり、好ましくは80mm以下であり、より好ましくは30mm以下であり、更に好ましくは外径20mm以下、特に好ましくは16mm以下である。一方で、外径は、通常、10mm以上である。
<2.画像形成装置および電子写真カートリッジ>
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置(本発明の画像形成装置)の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
図1に示すように、画像形成装置100は、電子写真感光体1、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、および転写装置5を備えて構成され、更に、必要に応じてクリーニング装置6および定着装置7が設けられる。
以下に、それぞれの各装置について説明する。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5およびクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
帯電装置2は、電子写真感光体1を帯電させるもので、電子写真感光体1の表面を所定電位に均一帯電させる。帯電装置としては、コロトロンやスコロトロン等のコロナ帯電装置、電圧印加された直接帯電部材を感光体表面に接触させて帯電させる直接帯電装置(接触型帯電装置)帯電ブラシ等の接触型帯電装置などがよく用いられる。直接帯電手段の例としては、帯電ローラ、帯電ブラシ等の接触帯電器などが挙げられる。なお、図1では、帯電装置2の一例として、ローラ型の帯電装置(帯電ローラ)を示している。直接帯電手段として、気中放電を伴う帯電、あるいは気中放電を伴わない注入帯電いずれも可能である。また、帯電時に印可する電圧としては、直流電圧だけの場合、および直流に交流を重畳させて用いることもできる。
露光装置3は、電子写真感光体1に露光を行なって、電子写真感光体1の感光面に静電潜像を形成することができるものであれば、その種類に特に制限はない。具体例としては、ハロゲンランプ、蛍光灯、半導体レーザーやHe−Neレーザー等のレーザー、LEDなどが挙げられる。また、感光体内部露光方式によって露光を行なうようにしてもよい。
露光を行なう際の光は任意であるが、例えば、波長が780nmの単色光、波長600nm〜700nmのやや短波長寄りの単色光、波長380nm〜500nmの短波長の単色光などで露光を行なえばよい。これらの中で380〜500nmの短波長光を用いると解像度が高くなり好ましい。中でも405nmの単色光が好適である。また、書き込み解像度は、現在は600dpi以上が主流であるが、高性能機種では1200dpiのものも存在する。書き込み解像度により、静電潜像、トナー像の解像度が決定され、解像度が高いほど鮮明な画像が得られるので、1200dpi以上の解像度が好ましい。例えば、600dpi、1200dpiの解像度を持つLEDで書き込んだ場合、最小ドット形成間隔は、それぞれ、42μm、21μmとなる。
現像装置4は、その種類に特に制限はなく、カスケード現像、一成分絶縁トナー現像、一成分導電トナー現像、二成分磁気ブラシ現像などの乾式現像方式や、湿式現像方式などの任意の装置を用いることができる。図1では、現像装置4は、現像槽41、アジテータ42、供給ローラ43、現像ローラ44、および、規制部材45からなり、現像槽41の内部にトナーTを貯留している構成となっている。また、必要に応じ、トナーTを補給する補給装置(図示せず)を現像装置4に付帯させてもよい。この補給装置は、ボトル、カートリッジなどの容器からトナーTを補給することが可能に構成される。なお、本実施形態では、トナーTとして、上述した本発明のトナーを使用することが好ましい。
供給ローラ43は、導電性スポンジ等から形成される。現像ローラ44は、鉄、ステン
レス鋼、アルミニウム、ニッケルなどの金属ロール、またはこうした金属ロールにシリコーン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂などを被覆した樹脂ロールなどからなる。この現像ローラ44の表面には、必要に応じて、平滑加工や粗面加工を加えてもよい。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1および供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43および現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
規制部材45は、シリコーン樹脂やウレタン樹脂などの樹脂ブレード、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、真鍮、リン青銅などの金属ブレード、またはこうした金属ブレードに樹脂を被覆したブレード等により形成されている。この規制部材45は、現像ローラ44に当接し、ばね等によって現像ローラ44側に所定の力で押圧(一般的なブレード線圧は5〜500g/cm)される。必要に応じて、この規制部材45に、トナーTとの摩擦帯電によりトナーTに帯電を付与する機能を具備させてもよい。
アジテータ42は、回転駆動機構によってそれぞれ回転されており、トナーTを攪拌するとともに、トナーTを供給ローラ43側に搬送する。アジテータ42は、羽根形状、大きさ等を違えて複数設けてもよい。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法など、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー、転写ローラ、転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙,媒体)Pに転写するものである。
クリーニング装置6について特に制限はなく、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、ブレードクリーナーなど、任意のクリーニング装置を用いることができる。クリーニング装置6は、電子写真感光体1に付着している残留トナーをクリーニング部材で掻き落とし、残留トナーを回収するものである。感光体表面に残留するトナーが少ないか、殆ど無い場合には、クリーニング装置6は無くても構わない。
中でも、構成が簡易で小型・低コストであり、クリーニング性能・信頼性に優れていることからブレードクリーニング方式が好ましい。ブレードクリーニング方式において、当接法と加圧法で分類することが可能である(第57回日本画像学会技術講習会 予稿集P196〜211)。当接法においては、カウンター当接、順方向当接に分類され、加圧法においては、低変位方式と低荷重方式に分類される。
本発明において、トナーを効果的に除去するためにブレードクリーニング方式が好ましく、特に、円形度の高いトナーを使用する場合、ブレードと感光体間をトナーがすり抜けしやすいため、カウンター当接方式が好ましい。また、ブレードの感光体に対する線圧は20−60g/cmに設定することが好ましい。
以上のような条件にブレードを設定すると感光体とブレード間での摺擦音が発生するきらいがあるが、本発明の感光体を使用することにより、回避することが可能である。
また、外径20mm以下の電子写真感光体を用いる場合には、特にクリーニングブレードの線圧を強く設定する場合があるため、ブレード反転を回避するために、クリーニングブレードの電子写真感光体と接触する部位に、潤滑剤を塗布しておくことが好ましい。潤滑剤としては、トナー、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、シリコーン樹脂
等が挙げられる。
定着装置7は、上部定着部材(定着ローラ)71および下部定着部材(定着ローラ)72から構成され、定着部材71または72の内部には加熱装置73が備えられている。なお、図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73が備えられた例を示す。上部および下部の各定着部材71,72は、ステンレス、アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更に、テフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シートなどが公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71,72は、離型性を向上させる為にシリコーンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
記録紙P上に転写されたトナーは、所定温度に加熱された上部定着部材71と下部定着部材72との間を通過する際、トナーが溶融状態まで熱加熱され、通過後冷却されて記録紙P上にトナーが定着される。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
以上のように構成された電子写真装置100では、例えば、次のようにして画像の記録が行なわれる。即ち、まず電子写真感光体1の表面(感光面)が、帯電装置2によって所定の電位(例えば−600V)に帯電される。この際、直流電圧により帯電させてもよく、直流電圧に交流電圧を重畳させて帯電させてもよい。
続いて、帯電された電子写真感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その電子写真感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像装置4は、供給ローラ43により供給されるトナーTを、規制部材(現像ブレード)45により薄層化するとともに、所定の極性(ここでは感光体1の帯電電位と同極性であり、負極性)に摩擦帯電させ、現像ローラ44に担持しながら搬送して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが電子写真感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が電子写真感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに電子写真感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置7を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで、最終的な画像が得られる。
なお、画像形成装置100は、上述した構成に加え、例えば、除電工程を行なうことができる構成としてもよい。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
また、画像形成装置は更に変形して構成してもよく、例えば、前露光工程、補助帯電工程などの工程を行なうことができる構成としたり、オフセット印刷を行なう構成としたり、更には複数種のトナーを用いたフルカラータンデム方式の構成としてもよい。
なお、電子写真感光体1を、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6、および定着装置7のうち1つまたは2つ以上と組み合わせて、一体型のカートリッジ(以下適宜「電子写真カートリッジ」という)として構成し、この電子写真カートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱可能
な構成にしてもよい。この場合、例えば、電子写真感光体1やその他の部材が劣化した場合に、この電子写真カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい電子写真カートリッジを画像形成装置本体に装着することにより、画像形成装置の保守・管理が容易となる。
参考例1]
切削加工した外径30mm、長さ246mm、肉厚1mmのアルミニウムシリンダーを、脱脂剤NG−#30(キザイ(株)製)の30g/L水溶液中で60℃、5分間脱脂洗浄を行った。続いて水洗を行った後、7%硝酸に25℃で1分間浸漬した。
更に水洗後、180g/Lの硫酸電解液中(溶存アルミニウム濃度7g/L)で1.2A/dmの電流密度で陽極酸化を行い、平均膜厚6μmの陽極酸化被膜を形成した。次いで、水洗後酢酸ニッケルを主成分とする高温封孔剤トップシールDX−500(奥野製薬工業(株)製)の10g/L水溶液に95℃で30分間浸漬し封孔処理を行った。続いて水洗を行った後、ポリエステル製スポンジを用いて被膜面を8回、往復させてこすり洗浄を行った。最後に水洗し乾燥し、表面粗さRa=0.14μmの基体を得た。
次に、電荷発生物質として、CuKα特性X線(波長1.541Å)に対するブラッグ角(2θ±0.2°)9.6°、24.1°及び27.2°に主たる回折ピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン20部を1,2−ジメトキシエタン280部を混合し、サンドグラインドミルで1時間粉砕して微粒化分散処理を行なった。続いて、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)15部と、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイト社製「PKHH」)15部と、1,2−ジメトキシエタン445部と、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン106部とを混合して得られたバインダー樹脂液と、前記微細化処理液と、230部の1,2−ジメトキシエタンとを混合して分散液(電荷発生材)を調製した。
この分散液(電荷発生材)に、前記陽極酸化処理及び封孔処理を施したアルミニウムシリンダーを浸漬塗布し、乾燥後の膜厚が0.4μm(0.4g/m)となるように電荷発生層を作製した。
次に、バインダー樹脂として下記構造を繰り返し単位からなるポリアリレート樹脂(粘度平均分子量約70,000)100部、下記構造を有する電荷輸送剤(CT−1)40部、下記構造を有する電荷輸送剤(CT−2)15部、
Figure 0005884459
ポリアリレート樹脂
Figure 0005884459
下記構造を有する化合物4部、
Figure 0005884459
下記構造を有する化合物1部、
Figure 0005884459
下記構造を有する化合物0.5部
Figure 0005884459
及びレベリング剤としてシリコーンオイル(商品名 KF96 信越化学工業(株))0.05部を、テトラヒドロフラン/トルエン(8/2)混合溶媒640部に溶解させた電荷輸送層用塗布液を、上述の電荷発生層上に、乾燥後の膜厚が18μmとなるように浸漬塗布し、125℃で20分乾燥して積層型感光層を有する感光体ドラム1を得た。
[実施例2]
参考例1において、電荷輸送層用塗布液を塗布後の乾燥温度を135℃とした以外は参考例1と同様にして、感光体ドラム2を得た。
[比較例1]
参考例1において、陽極酸化処理及び封孔処理を施したアルミニウムシリンダーを以下の下引き層を設けたアルミニウムシリンダーAに変更した以外は参考例1と同様にして、
感光体ドラム3を得た。
(下引き層形成用塗布液)
下引き層形成用塗布液は以下のように作製した。平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3質量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、ヘンシェルミキサーにて混合して得られた表面処理酸化チタンを、メタノール中で、ビーズミル(寿工業(株)製 ウルトラアペックスミル)により分散させることにより、表面処理酸化チタンの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒、及び、ε−カプロラクタム[下記式(A)で表わされる化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(B)で表わされる化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(C)で表わされる化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(D)で表わされる化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(E)で表わされる化合物]の組成モル比率が、60%/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた。その後、超音波分散処理を行なうことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの重量比が7/1/2で、表面処理酸化チタン/共重合ポリアミドを重量比3/1で含
有する、固形分濃度18.0%の下引き層形成用塗布液を作製した。
Figure 0005884459
(下引き層を設けたアルミニウムシリンダーの作製)
外径20mm、長さ246mm、肉厚1mmのアルミニウム製シリンダー上に、上記下引き層形成用塗布液を浸漬塗布法により順次塗布し、乾燥後の膜厚が1.0μmとなるように、下引き層を形成し、下引き層を設けたアルミニウムシリンダーAを得た。
[比較例2]
比較例1において、電荷輸送層用塗布液を塗布後の乾燥温度を135℃とした以外は比較例1と同様にして、感光体ドラム4を得た。
[感光体ドラムの評価]
上記参考例1、実施例2、及び比較例1〜2で得られた感光体ドラム1〜4について、以下の評価項目について評価を行った結果を表−1に示す。
(1)電気特性
V0=700(-V)になるように帯電条件を設定し、露光後0.06秒後の電位を測定
VL:露光エネルギー:0.7μJ/cm2照射後の電位
VR:除電後の電位
DDR:帯電後5秒経過後の電位減衰率
(2)接着性
5mm角に6マス分、切れ目を入れ、ドラム表面にテープを貼り付けた後、ドラム軸方向に勢いよく指で引っ張り剥がし、剥れた感光層の枚数をカウントする。
Figure 0005884459
表−1の評価結果からも明らかなように、陽極酸化処理及び封孔処理を施された導電性支持体上にポリアリレート樹脂を含有する感光層を設けることにより、優れた電気特性及び機械特性を有する感光体を得ることができる。さらに感光層を電荷輸送層のガラス転移
温度以上の温度で乾燥させることにより、より優れた接着性を有する感光体を得ることができる。
1 感光体
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
100 画像形成装置
T トナー
P 記録紙

Claims (4)

  1. 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体の製造方法において、
    該導電性支持体は陽極酸化処理及び封孔処理を施されており、
    該感光層が電荷発生層及び電荷輸送層を有する積層型感光層であり、少なくとも該電荷輸送層がポリアリレート樹脂を含有し、
    該電荷輸送層が、該電荷輸送層のガラス転移温度+30℃以上の温度で乾燥する工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  2. 該電荷輸送層の乾燥工程の温度が、該電荷輸送層のガラス転移温度+100℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 該ポリアリレート樹脂が、ジオール成分として下記一般式(1)で表される構造を有し、且つジカルボン酸成分として下記一般式(2)で表される構造を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体の製造方法。
    Figure 0005884459
    (式(1)において、Ar1及びAr2は、それぞれ独立に置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、Xは、それぞれ独立に単結合または二価の連結基を表し、式(2)において、Ar3及びAr4は、それぞれ独立に置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、Yは、それぞれ独立に単結合または二価の連結基を表し、kは0以上の整数を表す。)
  4. 式(2)において、Yが酸素原子で、且つk=1であることを特徴とする請求項3に記載の電子写真感光体の製造方法。
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