JP5884459B2 - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents
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本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、実用上の負荷に対する耐摩耗性に優れ、高い機械的強度を保ちつつ電気特性に優れ、且つ基板との接着性に優れたバインダー樹脂を含有する電子写真感光体を提供することにある。
<1>
導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体の製造方法において、該導電性支持体は陽極酸化処理及び封孔処理を施されており、該感光層が電荷発生層及び電荷輸送層を有する積層型感光層であり、少なくとも該電荷輸送層がポリアリレート樹脂を含有し、該電荷輸送層が、該電荷輸送層のガラス転移温度+30℃以上の温度で乾燥する工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
<2>
該電荷輸送層の乾燥工程の温度が、該電荷輸送層のガラス転移温度+100℃以下であることを特徴とする<1>に記載の電子写真感光体の製造方法。
<3>
該ポリアリレート樹脂が、ジオール成分として下記一般式(1)で表される構造を有し、且つジカルボン酸成分として下記一般式(2)で表される構造を有することを特徴とする<1>または<2>に記載の電子写真感光体の製造方法。
式(2)において、Yが酸素原子で、且つk=1であることを特徴とする<3>に記載の電子写真感光体の製造方法。
[1.電子写真感光体]
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に感光層を有し、該導電性支持体は陽極酸化処理及び封孔処理を施されており、且つ該導電性支持体上に設けられた感光層にポリアリレート樹脂が含有されることを特徴とする。
本発明の感光体に用いる導電性支持体としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料が主として使用される。導電性支持体は、1種の材料を単独で用いてもよく、2種以上の材料を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。組み合わせるその他の材料成分としては、金属、カーボン、酸化錫等の導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料;アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙;等が挙げられる。
本発明において、導電性支持体は、導電性支持体表面に陽極酸化被膜を施したものを用いる。陽極酸化被膜を施す場合、公知の方法により封孔処理を施すことが好ましい。陽極酸化処理の方法としては、例えば、クロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中で、陽極酸化処理することにより陽極酸化被膜が形成されるが、中でも、硫酸中での陽極酸化処理がより良好な結果を与える。
、中でも、硫酸濃度は通常100g/L以上、また、通常300g/L以下、溶存アルミニウム濃度は通常2g/L以上、また、通常15g/L以下、液温は通常15℃以上、また、通常30℃以下、電解電圧は通常10V以上、また、通常20V以下、電流密度は通常0.5A/dm2以上、また、通常2A/dm2以下が望ましい。
また、封孔処理をスムーズに進めるために、処理温度は、通常25℃以上、好ましくは30℃以上、また、その上限は、通常40℃以下、好ましくは35℃以下である。
なお、pH調整剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
上記の処理の後、必要に応じて、水洗、乾燥等を行うことにより、高温封孔処理を完了させることができる。
粉ふきといった表面欠陥を生じやすくなる。このような観点から、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に7μm以下で形成されることが好ましい。
導電性支持体表面は、平滑であってもよいし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理したりすることにより、粗面化されていてもよい。また、導電性支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものであってもよい。また、安価化のためには切削処理を施さず、引き抜き管をそのまま使用することも可能である。特に引き抜き加工、インパクト加工、しごき加工等の非切削アルミニウム支持体を用いる場合、処理により、表面に存在した汚れ、異物等の付着物、小さな傷等が無くなり、均一で清浄な支持体が得られるので好ましい。
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けてもよいが、本発明における感光層と導電性支持体との接着性向上の観点から、下引き層を設けないことが好ましい。下引き層としては、樹脂、または樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したもの等が用いられる。また、下引き層は、単一層からなるものであっても、複数層からなるものであってもかまわない。
また、金属酸化物粒子の粒径としては種々のものが利用できるが、中でも特性及び液の安定性の点から、その平均一次粒径は、10nm以上100nm以下が好ましく、特に10nm以上50nm以下が好ましい。この平均一次粒径は、TEM写真等から得ることができる。
可能であるが、分散液の安定性、塗布性の観点から、バインダー樹脂に対して、通常は10質量%以上、500質量%以下の範囲で使用することが好ましい。
下引き層の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、電子写真感光体の電気特性、強露光特性、画像特性、繰り返し特性、及び製造時の塗布性を向上させる観点から、通常は0.01μm以上、好ましくは0.1μm以上、また、通常30μm以下、好ましくは20μm以下である。下引き層には、公知の酸化防止剤等を混合しても良い。画像欠陥防止等を目的として、顔料粒子、樹脂粒子等を含有させて用いても良い。
感光層の構成は、公知の電子写真感光体に適用可能な如何なる構成も採用することが可能である。具体例を挙げると、光導電性材料をバインダー樹脂中に溶解又は分散させた単層の感光層(即ち、単層型感光層)を有する、いわゆる単層型感光体;電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を積層してなる複数の層からなる感光層(即ち、積層型感光層)を有する、いわゆる積層型感光体等が挙げられる。一般に光導電性材料は、単層型でも積層型でも、機能としては同等の性能を示すことが知られている。
また、本発明の電子写真感光体における感光層は、少なくともポリアリレート樹脂を含有し、積層型感光体においては、少なくとも電荷輸送層にポリアリレート樹脂を含有する。
本発明の電子写真感光体における感光層は、ポリアリレート樹脂を含有する。
ポリアリレート樹脂としては、公知の任意のものを用いることができるが、中でも、ジオール成分として下記一般式(1)で表される構造を有し、且つジカルボン酸成分として下記一般式(2)で表される構造を有するポリアリレート樹脂を用いることが好ましい。
上記式(1)及び式(2)中、Ar1〜Ar4は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアリーレン基を表す。アリーレン基は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。アリーレン基が有する炭素数としては、通常6以上、また、その上限は、通常20
以下、好ましくは10以下である。炭素数が多すぎる場合、電気特性が悪化する可能性がある。
Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、置換基の数は0以上2以下が好ましく、接着性、及びクリーニング性の観点から置換基を有することがより好ましく、中でも、耐磨耗性の観点から置換基の数は1個であることが特に好ましい。また、置換基としてはアルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
一方、Ar3及びAr4は、それぞれ独立して、置換基の数は0以上2以下が好ましく、耐磨耗性の観点から置換基を有さないことがより好ましい。
また、上記式(1)において、X及びYは、それぞれ独立に、単結合又は二価の連結基を表す。好適なX及びYとしては、硫黄原子、酸素原子、スルホニル基、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン等のシクロアルキリデン基、−CRaRb−が挙げられる。
さらに、ポリアリレート樹脂を製造する際に通常用いられる二価ヒドロキシ化合物(式(1)で表されるジオール成分)を製造する際の簡便性を勘案すれば、Xとしては、硫黄原子、酸素原子、シクロヘキシリデン、−CRaRb−が好ましい。中でも、Xが−CRaRb−であることが好ましく、Ra及びRbが水素原子又はメチル基等のアルキル基であることがより好ましく、耐磨耗性の観点から、Ra及びRbのうち少なくとも一方が水素原子であることが特に好ましい。
(2)で表されるジカルボン酸成分)を製造する際の簡便性を勘案すれば、Yとしては、単結合;酸素原子、硫黄原子、メチレン基等の原子数3以下の2価の連結基;が好ましく、耐磨耗性、及びクリーニング性の観点から、原子数3以下の2価の連結基が好ましく、中でも酸素原子が特に好ましい。
即ち、上記式(2)において、Yが酸素原子であり、且つk=1であることが好ましい。
・kが0の場合の繰返し構造
その具体例としては、4,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジ(t−ブチル)−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラ(t−ブチル)−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、2,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−2,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジ(t−ブチル)−2,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、2,2’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジ(t−ブチル)−2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル等のビフェノール化合物;
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等の芳香族環上に置換基を有しないビスフェノール化合物;
ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族環上に置換基としてアリール基を有するビスフェノール化合物;
ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン等、
ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)シクロヘキサン等、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−(sec−ブチル)フェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)シクロヘキサン等の芳香族環上に置換基としてアルキル基を有するビスフェノール化合物;
ビス(4−ヒドロキシフェニル)(フェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)(ジフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)(ジベンジル)メタン等の芳香族環を連結する2価基が置換基としてアリール基を有するビスフェノール化合物;等が挙げられる。
ポリアリレート樹脂の粘度平均分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、好ましくは10000以上、より好ましくは20000以上、また、その上限は、好ましくは1500000以下、より好ましくは100000以下であることが望ましい。粘度平均分子量の値が小さすぎる場合、ポリアリレート樹脂の機械的強度が不足する可能性があり、大きすぎる場合、感光層形成のための塗布液の粘度が高すぎて生産性が低下する可能性がある。なお、粘度平均分子量は、例えばウベローデ型毛細管粘度計等を用いて、実施例に記載の方法で測定することができる。
ポリアリレート樹脂の分子鎖中に含まれる窒素量は、ポリアリレート樹脂に対して、通常100ppm以下、好ましくは50ppm以下、より好ましくは20ppm以下である。窒素量が多すぎる場合、表面電位の上昇等電気特性が悪くなる可能性がある。
また、ポリアリレート樹脂の末端に残存する酸クロライド基(−COCl)量は、ポリアリレート樹脂に対して、通常1μeq/g以下、好ましくは0.3μeq/g以下、特に好ましくは0.1μeq/g以下である。酸クロライド基量が多すぎる場合、保存安定
性が低下する可能性がある。
なお、末端水酸基量は、例えば酢酸酸性化で四塩化チタンにより発色させ、480nmの波長の吸光度を測定することにより、定量することができる。
電荷輸送物質としては特に限定されず、任意の物質を用いることが可能である。
電荷輸送物質の例としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族 ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物等の電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等が挙げられる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチ ルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましい。
<ポリアリレート樹脂以外のバインダー樹脂>
本発明の電子写真感光体における感光層は、バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂の他に、ポリアリレート樹脂以外の樹脂を含んでもよい。この場合、積層型感光体の電荷輸送層及び単層型感光体の感光層に使用される全バインダー樹脂中、ポリアリレート樹脂が通常30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは80重量%以上、特に好ましくは100重量%であることが望ましい。
リコーン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は珪素試薬等で修飾されていてもよい。上記バインダー樹脂のうち、ポリカーボネート樹脂が好ましい。なお、バインダー樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
上記式(2)において、Ar5及びAr6は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアリーレン基を表す。アリーレン基としては、例えば1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントリレン基が挙げられるが、電気特性の観点から1,4−フェニレン基が好ましい。
Ar5及びAr6は、それぞれ独立に、置換基を有さないか、1個又は2個の置換基を有することが好ましく、接着性の観点から、1個又は2個の置換基を有することがより好ましく、滑り性の観点から、1個の置換基を有することが特に好ましい。置換基としてはアルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
ここで、Rc及びRdは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン基、又はアルコキシ基を表す。また、Rc及びRdのうち、感光層用のバインダー樹脂としての機械的特性と感光層形成用塗布液に対する溶解性とを勘案すれば、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が好ましく、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、ハロゲン基としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が好ましい。
、また、通常10以下、好ましくは8以下、より好ましくは2以下である。
さらに、ポリカーボネート樹脂を製造する際に通常用いられる二価ヒドロキシ化合物を製造する際の簡便性を勘案すれば、X2としては、硫黄原子、酸素原子、シクロヘキシリデン、−CRcRd−が好ましい。中でも、X2が−CRcRd−であることが好ましく、Rc及びRdが水素原子又はメチル基等のアルキル基であることがより好ましく、耐磨耗性の観点から、Rc及びRdのうち少なくとも一方が水素原子であることが特に好ましい。
その具体例としては、4,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジ(t−ブチル)−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラ(t−ブチル)−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、2,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−2,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジ(t−ブチル)−2,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、2,2’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジ(t−ブチル)−2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル等のビフェノール化合物;
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等の芳香族環上に置換基を有しないビスフェノール化合物;
ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン等、
ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)シクロヘキサン等、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−(sec−ブチル)フェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
−3,6−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)シクロヘキサン等の芳香族環上に置換基としてアルキル基を有するビスフェノール化合物;
上記のポリカーボネート樹脂において、式(3)で表される部分構造の重量比率は、電気特性及び耐磨耗性の観点から、多いほど好ましい。具体的には、ポリカーボネート樹脂
の全重量に対して、式(3)で表される部分構造が、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上であって、特に好ましくは100重量%であることが望ましい。
また、電荷発生物質の使用量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは1重量%以上、また、その上限は、好ましくは50重量%以下、より好ましくは20重量%以下の範囲で使用される。電荷発生物質の使用量が少なすぎる場合、十分な感度が得られない可能性があり、多すぎる場合、帯電性の低下、感度の低下等の弊害が生じる可能性がある。
積層型感光体(機能分離型感光体)の場合、電荷発生層は、電荷発生物質をバインダー樹脂で結着することにより形成される。
電荷発生物質としては、セレニウム及びその合金、硫化カドミウム等の無機系光導電材料と、有機顔料等の有機系光導電材料とが挙げられるが、有機系光導電材料の方が好ましく、特に有機顔料が好ましい。有機顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料等が挙げられる。これらの中でも、特にフタロシアニン顔料又はアゾ顔料が好ましい。電荷発生物質として有機顔料を使用する場合、通常はこれらの有機顔料の微粒子を、各種のバインダー樹脂で結着した分散層の形で使用する。
好ましい。フタロシアニン顔料は、比較的長波長のレーザー光に対して高感度の感光体が得られる点で、また、アゾ顔料は、白色光及び比較的短波長のレーザー光に対し十分な感度を持つ点で、それぞれ優れている。
電荷発生物質としてフタロシアニン顔料を使用する場合、具体的には無金属フタロシアニン、銅、インジウム、ガリウム、スズ、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム、アルミニウムなどの金属又はその酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、アルコキシドなどの配位したフタロシアニン類の各結晶型を持ったもの、酸素原子等を架橋原子として用いたフタロシアニンダイマー類などが使用される。特に、感度の高い結晶型であるX型、τ型無金属フタロシアニン、A型(別称β型)、B型(別称α型)、D型(別称Y型)等のチタニルフタロシアニン(別称:オキシチタニウムフタロシアニン)、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、ヒドロキシインジウムフタロシアニン、II型等のクロロガリウムフタロシアニン、V型等のヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型、I型等のμ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体、II型等のμ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体が好適である。
電荷発生物質として有機顔料を用いる場合には、1種を単独で用いてもよいが、2種類以上の顔料を混合して用いてもよい。この場合、可視域と近赤域の異なるスペクトル領域で分光感度特性を有する2種類以上の電荷発生物質を組み合わせて用いることが好ましく、中でもジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料とフタロシアニン顔料とを組み合わせて用いることがより好ましい。
酸ビニル共重合体、カルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アルキッド樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の絶縁性樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルペリレン等の有機光導電性ポリマーなどが挙げられる。これらのバインダ樹脂は、何れか1種を単独で用いても良く、2種類以上を任意の組み合わせで混合して用いても良い。
塗布液の作製に用いられる溶剤としては、バインダー樹脂を溶解させるものであれば特に制限されないが、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン等の飽和脂肪族系溶媒、トルエン、キシレン、アニソール等の芳香族系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒、グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等の鎖状又は環状ケトン系溶媒、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等の鎖状又は環状エーテル系溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルフォラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物、リグロイン等の鉱油、水などが挙げられる。これらは何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を併用して用いてもよい。なお、上述の下引き層を設ける場合には、この下引き層を溶解しないものが好ましい。
電荷発生物質を分散させる方法としては、ボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の公知の分散法を用いることができる。この際、粒子を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.15μm以下の範囲の粒子サイズに微細化することが有効である。
また、感光層には、例えば成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性等を向上させるために、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤、増感剤等の添加剤を含有させてもよい。添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
酸化防止剤の例としては、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物等が挙げられる。また染料、顔料の例としては、各種の色素化合物、アゾ化合物等が挙げられ、レベリング剤の例としては、シリコ−ンオイル、フッ素系オイル等が挙げられる。
感光体の最表面層には、感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電物質等による感光層の劣化を防止、軽減等したりする目的で保護層を設けてもよい。保護層は、例えば導電性材料を適当なバインダー樹脂中に含有させて形成するか、特開平9−190004号公報の記載のようなトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する化合物を用
いた共重合体を用いることができる。導電性材料としては、TPD(N,N'−ジフェニ
ル−N,N'−ビス−(m−トリル)ベンジジン)等の芳香族アミノ化合物、酸化アンチ
モン、酸化インジウム、酸化錫、酸化チタン、酸化錫−酸化アンチモン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物等を用いることが可能であるが、これに限定されるものではない。なお、これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
また、例えば、感光体表面の摩擦抵抗、摩耗を低減、トナーの感光体から転写ベルト、紙への転写効率を高める等の目的で、表面層にフッ素系樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂等を含んでいてもよい。また、これらの樹脂からなる粒子、無機化合物の粒子等を表面層に含んでいてもよい。
感光体を構成する各層は、通常、各層を構成する材料を含有する塗布液を、導電性支持体上に公知の塗布方法を用い、各層ごとに塗布、乾燥工程を繰り返し、順次塗布していくことにより形成される。
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒、
グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、
アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン等の鎖状、分岐及び環状ケトン系溶媒、
ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、
塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン(以下、適宜「THF」と言う。)、1,4−ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等の鎖状及び環状エーテル系溶媒、
アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルフォラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒、
n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物、
リグロイン等の鉱油、
水等が挙げられ、前述した下引き層を溶解しないものが好ましく用いられる。なお、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
また、塗布液の粘度は、通常10mPa・s以上、好ましくは50mPa・s以上、また、その上限は、通常500mPa・s以下、好ましくは400mPa・s以下である。
また、塗布液の粘度は、通常0.01mPa・s以上、好ましくは0.1mPa・s以上、また、その上限は、通常20mPa・s以下、好ましくは10mPa・s以下である。
本発明の電子写真感光体において、積層型感光体の場合、電荷輸送層用塗布液の塗布後の乾燥工程においては、その乾燥温度は、特に限定はないが、電荷輸送層の接着性向上の観点から、電荷輸送層のガラス転移温度以上とすることが好ましく、より好ましくは、電荷輸送層のガラス転移温度+10℃以上であり、更に好ましくは、+20℃以上であり、特に好ましくは、+30℃以上であり、一方、ガラス転移温度+100℃以下が好ましい。尚、電荷輸送層用塗布液の塗布後の乾燥工程における乾燥温度は、下限は、通常、50℃以上であり、好ましくは80℃以上であり、より好ましくは100℃以上であり、更に好ましくは120℃以上であり、特に好ましくは130℃以上である。一方、上限は、通常、200℃以下であり、生産性の観点から、好ましくは180℃以下である。
単層型感光体の感光層の膜厚は、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、その上限は、通常100μm以下、好ましくは50μm以下である。
また、順積層型感光体の電荷輸送層の膜厚は、通常5μm以上50μm以下の範囲で用いられるが、長寿命、画像安定性の観点からは、好ましくは10μm以上45μm以下、高解像度の観点からは、より好ましくは10μm以上30μm以下である。
ドラム状の導電性支持体を用いる場合、その電子写真感光体の外径は、通常、100mm以下であり、好ましくは80mm以下であり、より好ましくは30mm以下であり、更に好ましくは外径20mm以下、特に好ましくは16mm以下である。一方で、外径は、通常、10mm以上である。
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置(本発明の画像形成装置)の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
以下に、それぞれの各装置について説明する。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5およびクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
露光を行なう際の光は任意であるが、例えば、波長が780nmの単色光、波長600nm〜700nmのやや短波長寄りの単色光、波長380nm〜500nmの短波長の単色光などで露光を行なえばよい。これらの中で380〜500nmの短波長光を用いると解像度が高くなり好ましい。中でも405nmの単色光が好適である。また、書き込み解像度は、現在は600dpi以上が主流であるが、高性能機種では1200dpiのものも存在する。書き込み解像度により、静電潜像、トナー像の解像度が決定され、解像度が高いほど鮮明な画像が得られるので、1200dpi以上の解像度が好ましい。例えば、600dpi、1200dpiの解像度を持つLEDで書き込んだ場合、最小ドット形成間隔は、それぞれ、42μm、21μmとなる。
レス鋼、アルミニウム、ニッケルなどの金属ロール、またはこうした金属ロールにシリコーン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂などを被覆した樹脂ロールなどからなる。この現像ローラ44の表面には、必要に応じて、平滑加工や粗面加工を加えてもよい。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1および供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43および現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法など、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー、転写ローラ、転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙,媒体)Pに転写するものである。
以上のような条件にブレードを設定すると感光体とブレード間での摺擦音が発生するきらいがあるが、本発明の感光体を使用することにより、回避することが可能である。
等が挙げられる。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
続いて、帯電された電子写真感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その電子写真感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが電子写真感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が電子写真感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに電子写真感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
なお、画像形成装置100は、上述した構成に加え、例えば、除電工程を行なうことができる構成としてもよい。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
なお、電子写真感光体1を、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6、および定着装置7のうち1つまたは2つ以上と組み合わせて、一体型のカートリッジ(以下適宜「電子写真カートリッジ」という)として構成し、この電子写真カートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱可能
な構成にしてもよい。この場合、例えば、電子写真感光体1やその他の部材が劣化した場合に、この電子写真カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい電子写真カートリッジを画像形成装置本体に装着することにより、画像形成装置の保守・管理が容易となる。
切削加工した外径30mm、長さ246mm、肉厚1mmのアルミニウムシリンダーを、脱脂剤NG−#30(キザイ(株)製)の30g/L水溶液中で60℃、5分間脱脂洗浄を行った。続いて水洗を行った後、7%硝酸に25℃で1分間浸漬した。
更に水洗後、180g/Lの硫酸電解液中(溶存アルミニウム濃度7g/L)で1.2A/dm2の電流密度で陽極酸化を行い、平均膜厚6μmの陽極酸化被膜を形成した。次いで、水洗後酢酸ニッケルを主成分とする高温封孔剤トップシールDX−500(奥野製薬工業(株)製)の10g/L水溶液に95℃で30分間浸漬し封孔処理を行った。続いて水洗を行った後、ポリエステル製スポンジを用いて被膜面を8回、往復させてこすり洗浄を行った。最後に水洗し乾燥し、表面粗さRa=0.14μmの基体を得た。
次に、バインダー樹脂として下記構造を繰り返し単位からなるポリアリレート樹脂(粘度平均分子量約70,000)100部、下記構造を有する電荷輸送剤(CT−1)40部、下記構造を有する電荷輸送剤(CT−2)15部、
[実施例2]
参考例1において、電荷輸送層用塗布液を塗布後の乾燥温度を135℃とした以外は参考例1と同様にして、感光体ドラム2を得た。
参考例1において、陽極酸化処理及び封孔処理を施したアルミニウムシリンダーを以下の下引き層を設けたアルミニウムシリンダーAに変更した以外は参考例1と同様にして、
感光体ドラム3を得た。
下引き層形成用塗布液は以下のように作製した。平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3質量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、ヘンシェルミキサーにて混合して得られた表面処理酸化チタンを、メタノール中で、ビーズミル(寿工業(株)製 ウルトラアペックスミル)により分散させることにより、表面処理酸化チタンの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒、及び、ε−カプロラクタム[下記式(A)で表わされる化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(B)で表わされる化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(C)で表わされる化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(D)で表わされる化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(E)で表わされる化合物]の組成モル比率が、60%/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた。その後、超音波分散処理を行なうことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの重量比が7/1/2で、表面処理酸化チタン/共重合ポリアミドを重量比3/1で含
有する、固形分濃度18.0%の下引き層形成用塗布液を作製した。
外径20mm、長さ246mm、肉厚1mmのアルミニウム製シリンダー上に、上記下引き層形成用塗布液を浸漬塗布法により順次塗布し、乾燥後の膜厚が1.0μmとなるように、下引き層を形成し、下引き層を設けたアルミニウムシリンダーAを得た。
[比較例2]
比較例1において、電荷輸送層用塗布液を塗布後の乾燥温度を135℃とした以外は比較例1と同様にして、感光体ドラム4を得た。
上記参考例1、実施例2、及び比較例1〜2で得られた感光体ドラム1〜4について、以下の評価項目について評価を行った結果を表−1に示す。
(1)電気特性
V0=700(-V)になるように帯電条件を設定し、露光後0.06秒後の電位を測定
VL:露光エネルギー:0.7μJ/cm2照射後の電位
VR:除電後の電位
DDR:帯電後5秒経過後の電位減衰率
(2)接着性
5mm角に6マス分、切れ目を入れ、ドラム表面にテープを貼り付けた後、ドラム軸方向に勢いよく指で引っ張り剥がし、剥れた感光層の枚数をカウントする。
温度以上の温度で乾燥させることにより、より優れた接着性を有する感光体を得ることができる。
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
100 画像形成装置
T トナー
P 記録紙
Claims (4)
- 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体の製造方法において、
該導電性支持体は陽極酸化処理及び封孔処理を施されており、
該感光層が電荷発生層及び電荷輸送層を有する積層型感光層であり、少なくとも該電荷輸送層がポリアリレート樹脂を含有し、
該電荷輸送層が、該電荷輸送層のガラス転移温度+30℃以上の温度で乾燥する工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。 - 該電荷輸送層の乾燥工程の温度が、該電荷輸送層のガラス転移温度+100℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 式(2)において、Yが酸素原子で、且つk=1であることを特徴とする請求項3に記載の電子写真感光体の製造方法。
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