JP4720527B2 - 電子写真感光体、画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
近年、出力画像の高解像度化の要望が強くなっており、露光光波長の短波長化が検討されている。露光光の短波長化を行なえば、走査レンズの像面湾曲の影響を受けにくくなるために小径レーザースポットの均一化が比較的容易になり、高解像度化に有効である。技術の進歩とともに、400nm前後の波長を持つ光源の応用も始まっており、短波長光露光技術に対応した実用的な電子写真感光体の要望も最近とみに高まっている。この、短波
長の光源で露光する感光体に好適な種々の感光体が提案されている(例えば、特許文献1〜3)。
即ち本発明の第一の要旨は、導電性支持体上に感光層を有する感光体において、該感光層がバインダー樹脂、及びアゾ顔料を含有し、該バインダー樹脂は下記式(1)で表される繰り返し構造単位からなるポリカーボネート樹脂を、該ポリカーボネート樹脂を含有する層の全バインダー樹脂に対して50重量%以上含有し、かつ波長380〜500nmの光で露光されることを特徴とする電子写真感光体に存する。
キル基を表し、m、nは1〜4の整数を表す。また、本発明の第二の要旨は、本発明に係る電子写真感光体を用いて、該感光体を波長380〜500nmの単色光で露光し形成した潜像を現像し、該像を記録紙に転写することを特徴とする、画像形成方法に存し、本発明の第三の要旨は、本発明に係る電子写真感光体、帯電装置、露光装置、現像装置、および転写装置を有する画像形成装置において、該帯電装置が該電子写真感光体を帯電させる際に該電子写真感光体に接触配置されるものであって、露光光が波長380〜500nmの単色光であることを特徴とする、画像形成装置に存する。
本発明は、特定のポリカーボネート樹脂を含有する、波長380〜500nmの光で露光用の電子写真感光体にある。
本発明の電子写真感光体が有する感光層は、下記式(1)で示される繰り返し構造単位からなるポリカーボネート樹脂を含有する。当該ポリカーボネート樹脂は、通常、感光層を結着するために用いられる。
式(1)中、R1は水素原子またはアルキル基を表し、好ましくは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基、より好ましくは水素原子または炭素数3以下のアルキル基であり、特には水素原子またはメチル基であることが好ましい。R2およびR3はアルキル基を表し、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基、より好ましくは炭素数3以下のアルキル基であり、特にはメチル基が好ましい。mおよびnは1〜4の整数を表し、好ましくは2以下、特に好ましくは1である。mおよびnが、2以上である場合、複数存在するR2およびR3は、互いに異なっていてもよい。R2およびR3は、式(1)中のベンゼン環に対して任意の位置に結合することが可能であるが、それぞれのベンゼン環に結合する酸素原子に対して、o−位(ortho−)に結合することが好ましく、この場合特にmおよびnがともに1であることが好ましい。
リカーボネート樹脂があげられるが、本発明に係るポリカーボネート樹脂はこれらのポリカーボネート樹脂に限るものではない。
一般式(1)のポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、低すぎると機械的強度が不足するため、通常10,000以上、好ましくは20,000以上であり、特には30,000以上である。また、粘度平均分子量が高すぎると、感光層形成のための塗布液の粘度が高くなり生産性が低下する場合があるため、通常150,000以下、好ましくは100,000以下であり、特には50,000以下で用いられる。この場合の粘度平均分子量は、以下のようにして測定することができる。即ち、当該ポリカーボネート樹脂をジクロロメタンに溶解し、濃度Cが6.00g/Lの溶液を調製する。溶媒(ジクロロメタン)の流下時間t0が136.16秒のウベローデ型毛細管粘度計を用いて、20.0℃に設定した恒温水槽中で試料溶液の流下時間tを測定する。以下の式に従って粘度平均分子量Mvを算出する。
b=100×ηsp/C C=6.00(g/L)
η=b/a
Mv=3207×η1.205
本発明の感光層は、式(1)で表される繰り返し構造単位からなるポリカーボネート樹脂を含有するものであるが、式(1)で表される繰り返し構造単位からなるポリカーボネート樹脂は、実質上式(1)で表される繰り返し構造単位からなるものであれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、他の繰り返し構造単位を有していても構わない。
以下、本発明の電子写真感光体について説明する。
電子写真感光体の感光層は、導電性支持体上に設けられ、下引き層を有する場合は下引き層上に設けられる。感光層の型式としては、電荷発生物質と電荷輸送物質とが同一層に存在し、バインダー樹脂中に分散された、いわゆる単層型感光体、電荷発生物質がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層及び電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層の二つに機能分離された複層構造の、いわゆる積層型感光体があげられるが、何れの構成であってもよい。また、感光層上に、帯電性の改善や、耐摩耗性改善を目的としてオーバーコート層を設けてもよい。
本発明の電子写真感光体で使用されるアゾ化合物および式(1)で表されるポリカーボネート樹脂は、導電性支持体上に形成される何れの層に含有されていても構わないが、アゾ化合物は通常、単層型感光層または積層型感光層の電荷発生層に、式(1)で表されるポリカーボネート樹脂は通常、単層型感光層または積層型感光層の電荷輸送層に含有される。特に、電気特性に高い効果が得られることから、積層型感光層の各層中に含有されるのが好ましい。
感光体に用いる導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステ
ンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導電性支持体に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のために。適当な抵抗値をもつ導電性材料を塗布したものでもよい。
例えば、クロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中で、陽極酸化処理することにより陽極酸化被膜が形成されるが、硫酸中での陽極酸化処理がより良好な結果を与える。硫酸中での陽極酸化の場合、硫酸濃度は100〜300g/l、溶存アルミニウム濃度は2〜15g/l、液温は15〜30℃、電解電圧は10〜20V、電流密度は0.5〜2A/dm2の範囲内に設定されるのが好ましいが、前記条件に限定され
るものではない。
上記低温封孔処理の場合に使用されるフッ化ニッケル水溶液濃度は、適宜選べるが、3〜6g/lの範囲で使用された場合、より好ましい結果が得られる。また、封孔処理をスムーズに進めるために、処理温度としては、25〜40℃、好ましくは30〜35℃で、また、フッ化ニッケル水溶液pHは、4.5〜6.5、好ましくは5.5〜6.0の範囲で処理するのがよい。pH調節剤としては、シュウ酸、ホウ酸、ギ酸、酢酸、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、アンモニア水等を用いることが出来る。処理時間は、被膜の膜厚1μmあたり1〜3分の範囲で処理することが好ましい。なお、被膜物性を更に改良するためにフッ化コバルト、酢酸コバルト、硫酸ニッケル、界面活性剤等をフッ化ニッケル水溶液に添加しておいてもよい。次いで水洗、乾燥して低温封孔処理を終える。前記高温封孔処理の場合の封孔剤としては、酢酸ニッケル、酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル−コバルト、硝酸バリウム等の金属塩水溶液を用いることが出来るが、特に酢酸ニッケルを用いるのが好ましい。酢酸ニッケル水溶液を用いる場合の濃度は5〜20g/lの範囲内で使用するのが好ましい。処理温度は80〜100℃、好ましくは90〜98℃で、また、酢酸ニッケル水溶液のpHは5.0〜6.0の範囲で処理するのが好ましい。ここでpH調節剤としてはアンモニア水、酢酸ナトリウム等を用いることが出来る。処理時間は10分以上、好ましくは20分以上処理するのが好ましい。なお、この場合も被膜物性を改良するために酢酸ナトリウム、有機カルボン酸、アニオン系、ノニオン系界面活性剤等を酢酸ニッケル水溶液に添加してもよい。次いで水洗、乾燥して高温封孔処理を終える。平均膜厚が厚い場合には、封孔液の高濃度化、高温・長時間処理により強い封孔条件を必要とする。従って生産性が悪くなると共に、被膜表面にシミ、汚れ、粉ふきといった表面欠陥を生じやすくなる。このような点から、陽極酸化被膜の平均膜厚は通常20μm以下、特に7μm以下で形成されることが好ましい。
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けてもよい。下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。
下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子などがあげられる。これらは一種類の粒子を単独で用いてもよいし、複数の種類の粒子を混合して用いてもよい。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタン及び酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコン等の有機物による処理を施されていてもよい。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。また、複数の結晶状態のものが含まれていてもよい。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ニトロセルロース等のセルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物等の有機ジルコニウム化合物、チタニルキレート化合物、チタニルアルコキシド化合物等の有機チタニル化合物、シランカップリング剤などの公知のバインダー樹脂があげられる。これらは単独で用いても良く、或いは2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、硬化剤とともに硬化した形で使用してもよい。中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は、良好な分散性、塗布性を示すことから好ましい。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特性及び塗布性を向上させる観点から、通常は0.1μm以上、20μm以下の範囲が好ましい。
下引き層には、公知の酸化防止剤等を混合してもよい。画像欠陥防止などを目的として、顔料粒子、樹脂粒子等を含有させ用いてもよい。
導電性支持体上に形成された感光層としては、電荷発生物質と電荷輸送物質が同一層に存在し、バインダー樹脂中に分散された単層構造のものであっても、もしくは電荷発生物質がバインダー中に分散された電荷発生層と電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散され
た電荷輸送層とに機能分離された積層構造のもののいずれであってもよい。感光層が積層構造のものである場合の電荷発生層は、結着樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に電荷発生物質を分散させることにより調製される塗布液を導電性支持体上、または導電性支持体上に形成された下引き層上に塗布し、電荷発生物質の微粒子と各種バインダー樹脂とを結着することにより形成される。
本発明に係る感光層が含有するアゾ顔料としては、電子写真感光体に用いることができるものであればどのようなアゾ顔料も使用することが可能である。従前知られた電荷発生物質として機能するアゾ顔料としては、モノアゾ顔料、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、テトラキスアゾ顔料などがあげられる。これらの中でも、アゾ結合を複数有するものが好ましく、特には、ビスアゾ顔料、またはトリスアゾ顔料が好ましい。また、複数のアゾ結合を有するアゾ顔料の場合、カップラー成分は同じでも異なっていてもよく、より好ましくは異なるカップラーを用いる。
環Xの有していてもよい置換基としては、フッ素原子、ヨウ素原子、塩素原子などのハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基などのアルコキシ基が挙げられる。これらのなかではフッ素原子、塩素原子、メトキシ基が好ましい。しかし最も好ましいのは、Xで示されるベンゼン環に置換基が存在しないことである。
明で用いる電荷発生物質は、以下のアゾ顔料に限定されるものではない。
本発明に係る電荷発生物質は、1種類のみを用いても、いくつかを併用してもよい。また好ましくはフタロシアニン顔料またはアゾ顔料が用いられるが、所望ならば、それら以外の電荷発生物質を併用することもできる。併用する他の電荷発生物質に特に制限はなく、本発明の電子写真感光体の特性を妨げない限り、従前公知のどのような化合物も用いることができる。また、併用する他の電荷発生物質の量に特に制限はないが、本発明の効果を充分に得るため、併用する電荷発生物質の感光層中に含まれる総重量は、フタロシアニン顔料およびアゾ顔料の重量を超えないことが好ましい。なお、フタロシアニン顔料と、アゾ顔料の併用も妨げるものではなく、感度の安定化という点においてより好ましい。
積層型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質を含有するとともに、通常はバインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷輸送層は、具体的には、例えば電荷輸送物質等とバインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には電荷発生層上に、また、逆積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布、乾燥して得ることができる。
電荷輸送物質の例としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物等の電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等が挙げられる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましい。これらの電荷輸送物質は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせで併用しても良い。
感光層は、蒸着膜であっても構わないが、通常、電荷発生物質や本発明の電荷輸送物質などの原料をバインダー樹脂により結着することにより形成される。本発明に係るポリカーボネート樹脂は、通常バインダー樹脂として用いられる。複数の層が積層された感光層の場合、本発明のポリカーボネート樹脂はその何れの層に用いられても構わないが、通常、積層型感光層の電荷輸送層、または単層型感光体の感光層に用いられる。バインダー樹脂は、本発明のポリカーボネートの他に、通常電子写真感光体に適用可能なものであればどのようなバインダー樹脂も併用可能である。
なお、感光層には成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させるために周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤などの添加物を含有させてもよい。また感光層には必要に応じて塗布性を改善するためのレベリング剤や酸化防止剤、増感剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。酸化防止剤の例としては、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物などが挙げられる。また染料、顔料の例としては、各種の色素化合物、アゾ化合物などが挙げられ、界面活性剤の例としては、シリコ−ンオイル、フッ素系オイルなどが挙げられる。
感光体を構成する各層は、各層を構成する材料を含有する塗布液を、支持体上に公知の塗布方法を用い、各層ごとに塗布・乾燥工程を繰り返し、順次塗布していくことにより形成される。
層形成用の塗布液は、単層型感光体および積層型感光体の電荷輸送層の場合には、固形分濃度を、通常5〜40重量%の範囲で用いられるが、10〜35重量%の範囲で使用するのが好ましい。また、該塗布液の粘度は、通常10〜500mPa・sの範囲で用いられるが、50〜400mPa・sの範囲とするのが好ましい。
積層型感光体の電荷発生層の場合には、固形分濃度を、通常0.1〜15重量%の範囲で使用されるが、1〜10%の範囲で使用することがより好ましい。塗布液の粘度は、通常0.01〜20mPa・sの範囲で使用されるが、0.1〜10mPa・sの範囲で使用されることがより好ましい。
塗布液の乾燥は室温における指触乾燥後、30〜200℃の温度範囲で、1分から2時
間の間、無風、または送風下で加熱乾燥させることが好ましい。また加熱温度は一定であっても、乾燥時に変更させながら行なってもよい。
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置(本発明の画像形成装置)の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
図1に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1,帯電装置2,露光装置3及び現像装置4を備えて構成され、更に、必要に応じて転写装置5,クリーニング装置6及び定着装置7が設けられる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2,露光装置3,現像装置4,転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
現像ローラー44は、電子写真感光体1と供給ローラー43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラー43に各々当接している。供給ローラー43及び現像ローラー44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラー43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラー44に供給する。現像ローラー44は、供給ローラー43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラー転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法など、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー,転写ローラー,転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙,媒体)Pに転写するものである。本発明は、この転写電圧が大きい場合により大きな効果を発現する。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラー定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着、IH定着、ベルト定着、IHF定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。などの公知の方法のいずれでも用いることが可能であり、これら定着方式は単独で用いても良く、複数の定着方式を組み合わせた形で使用してもよい。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像ローラー44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
なお、電子写真感光体1を、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6、及び定着装置7のうち1つ又は2つ以上と組み合わせて、一体型のカートリッジ(以下適宜「電子写真感光体カートリッジ」という)として構成し、この電子写真感光体カートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱可能な構成にしてもよい。例えば、帯電手段3、現像手段4及びクリーニング手段6の内、少なくとも1つをドラム状感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化とすることが出来る。この場合、例えば電子写真感光体1やその他の部材が劣化した場合に、この電子写真感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい電子写真感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することにより、画像形成装置の保守・管理が容易となる。
実施例1
表面が鏡面仕上げされた外径30mm、長さ351mm、肉厚1.0mmのアルミニウム合金よりなるシリンダーの表面に、陽極酸化処理を行い、その後酢酸ニッケルを主成分とする封孔剤によって封孔処理を行なうことにより、約6μmの陽極酸化被膜(アルマイト被膜)を形成した。
この分散液に、陽極酸化処理したアルミニウムシリンダーを浸漬塗布し、乾燥後の膜厚が0.6μmとなるように電荷発生層を作製した。
次に、電荷輸送物質として下記構造を有する化合物をそれぞれ35部、合計70部と、
電荷輸送層のバインダー樹脂として、下記構造を繰り返し構造単位として持つポリカーボネート(PC2;粘度平均分子量約30,000)100部を用いた以外は、実施例1と同様にして感光体Bを得た。
電荷発生物質として、図2に示すように、CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)が27.3゜に強い回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニンを用いた以外は、実施例1と同様にして感光体Cを得た。
比較例1
電荷輸送層のバインダー樹脂として、下記構造を繰り返し構造単位として持つポリカーボネート(PC3;粘度平均分子量約30,000)100部を用いた以外は、実施例1と同様にして感光体Dを得た。
電荷輸送層のバインダー樹脂として、下記構造を繰り返し構造単位として持つポリカーボネート(PC4;粘度平均分子量約30,000)100部を用いた以外は、実施例1と同様にして感光体Eを得た。
電荷発生物質として、図2に示すように、CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)が27.3゜に強い回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニンを用いた以外は、比較例1と同様にして感光体Fを得た。
比較例4
電荷発生物質として、図2に示すように、CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)が27.3゜に強い回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニンを用いた以外は、比較例2と同様にして感光体Gを得た。
感光体の初期表面電位が−700Vになるように帯電させ、ハロゲンランプの光を干渉フィルターで400nmの単色光としたものを照射して、1.0μJ/cm2で露光したときの露光後表面電位(以下、VLと呼ぶことがある)を測定した。VL測定に際しては、露光から電位測定に要する時間を200msとした。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%で行なった。
以上の結果から、波長380〜500nmの単色光露光用の感光体は、本発明に係る式(1)で表される繰り返し構造からなるポリカーボネート樹脂を用いて結着した場合に特段に優れた機械的強度を有するものとなり、特にアゾ顔料を含有する感光層を有する電子写真感光体では、その奏する効果が顕著であることが分かった。
2 帯電装置(帯電ローラー)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラー
44 現像ローラー
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラー)
72 下部定着部材(定着ローラー)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙
Claims (4)
- 請求項1または2に記載の電子写真感光体を用いて、該感光体を波長380〜500nmの単色光で露光し形成した潜像を現像し、該像を記録紙に転写することを特徴とする、画像形成方法。
- 請求項1または2に記載の電子写真感光体と、帯電装置、露光装置、現像装置、および転写装置を有する画像形成装置において、該帯電装置が該電子写真感光体を帯電させる際に該電子写真感光体に接触配置されるものであって、露光光が波長380〜500nmの単色光であることを特徴とする、画像形成装置。
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