JP4640154B2 - 電子写真感光体、該感光体を用いた画像形成装置、および該感光体を用いた電子写真カートリッジ - Google Patents
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Description
有機系電子写真感光体の層構成としてはいくつか考案されているが、電荷発生と電荷輸送の機能を分離して電荷発生層と電荷輸送層を積層したいわゆる積層型感光体と、電荷発生材料と電荷輸送材料とを同一の層に含有したいわゆる単層型感光体が、一般に用いられている。そして積層型感光体の層構成として、電荷輸送層と電荷発生層を導電性支持体側からこの順に積層した順積層型感光層と、逆に積層にした逆積層型感光層が知られている。
導電性支持体上に、バインダー樹脂と電荷輸送物質とを含有する感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が下記式(1−1)で表される繰り返し構造を有するバインダー樹脂、下記式(2)で表される電荷輸送物質、および下記式(4)で表される電荷輸送物質を含有することを特徴とする電子写真感光体
前記請求項1に記載の電子写真感光体と、該感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した該感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段と、この静電潜像をトナーで現像する現像手段と、トナーを被転写体に転写する転写手段とを有することを特徴とする画像形成装置に存し、本発明の第三の要旨は、
前記請求項1に記載の電子写真感光体と、該感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段、この静電潜像をトナーで現像する現像手段、及び、トナーを被転写体に転写する転写手段のうち、少なくとも一つとを有することを特徴とする電子写真カートリッジ
に存する。
<バインダー樹脂>
本発明の電子写真感光体に係る感光層は、下記式(1−1)で表される繰り返し構造を有するバインダー樹脂を含有する。
Ar1、Ar2で表されるアリーレン基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アリール基があげられる。また、これらの置換基は更に置換基を有していても構わない。
R1は単結合もしくは二価の連結基を表し、二価の連結基としては、(シクロ)アルキレン基、スルホニル基、−S−、−O−、または−CR7R8−の何れかを表し、R7およびR8は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、ハロゲン原子、または置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基を示す。またR7およびR8は、お互いに結合して環を形成してもよい。
AがAr3である場合、Ar3はAr1、Ar2で表されるアリーレン基と同様に説明されるアリーレン基を表す。ただし、Ar3は、上記のAr1、Ar2と、互いに同一でも異なっていても構わない。即ち、Ar1〜Ar3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリーレン基を表すのである。
<電荷輸送物質>
本発明の電子写真感光体に係る感光層は、下記式(2)で表される電荷輸送物質、および下記式(4)で表される電荷輸送物質を含有する。
前記アリール基の有する置換基としては、それぞれ独立に最大5つの置換基を有することができるが、置換基の数としては、2以下が好ましい。該置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基があげられる。
前記アリーレン基の有する置換基としては、それぞれ独立に最大4つの置換基を有することができるが、置換基の数としては、2以下が好ましい。置換基としては、前記式(2)および式(4)のアリール基が有する置換基と同様のものが挙げられ、好ましい置換基もまた同様である。
式(3)における置換基を有していてもよいアルキル基の、アルキル基としては、環状のものであっても、鎖状のものであっても構わず、鎖状のものにおいては直鎖状であっても分岐を有していても構わない。好ましくは鎖状のアルキル基であって、直鎖状のものがより好ましい。アルキル基の有する炭素数に特に制限はないが、好ましくは炭素数1〜10のものであって、より好ましくは炭素数1〜5のアルキル基である。具体的には例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、sec−ペンチル基、n−ヘキシル基等があげられ、中でもメチル基が好ましい。
式(3)におけるアルキル基およびアリーレン基の有していても構わない置換基としては、前記式(2)および式(4)のアリール基が有する置換基と同様のものが挙げられ、好ましい置換基もまた同様である。
本発明に係る電荷輸送物質としては、式(2)および式(4)で表される化合物が用いられるが、これら以外の電荷輸送物質を併用しても構わない。併用する電荷輸送物質としては、公知の何れの電荷輸送物質も使用可能であるが、正孔輸送性能を有するものが好ましく、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリグリシジルカルバゾール、ポリアセナフチレン等の高分子化合物、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、ピラゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアジアゾール誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、アリールアミン誘導体等の低分子化合物、もしくはこれらが複数結合されたものが使用でき、これらの中でも、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、アリールアミン誘導体、もしくはこれらが複数結合されたものが好適に用いられる。
<感光体>
本発明の感光体は、導電性支持体上に感光層を有する。感光体を構成する感光層構成としては、従前知られた何れの構成も使用することができるが、具体的な構成としては、電荷発生物質を含んだ層と電荷輸送物質を含んだ層を積層した積層型感光体と、電荷輸送物質を含む層に電荷発生物質を分散させた単層型感光体があげられる。また、積層型感光体では、電荷発生層、電荷輸送層を支持体側からこの順に積層した順積層型感光体と、逆に積層した逆積層型感光体があり、本発明ではいずれの感光層構成も用いることができるが、最もバランスの取れた光導電性を発揮できる順積層型感光体が好ましい。いずれの場合にも、感光層は本発明に係る式(2)で表される電荷輸送物質と、式(4)で表される電荷輸送物質を含有する。
本発明に係わるバインダー樹脂は、電子写真感光体の導電性支持体上に設けられる感光層中のバインダー樹脂として用いられる。
導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料やアルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫合金)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙などが主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のため、適当な抵抗値を持つ導電性材料を塗布したものでも良い。
例えば、クロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中で、陽極酸化処理することにより陽極酸化被膜が形成されるが、硫酸中での陽極酸化処理がより良好な結果を与える。硫酸中での陽極酸化の場合、硫酸濃度は100〜300g/l、溶存アルミニウム濃度は2〜15g/l、液温は15〜30℃、電解電圧は10〜20V、電流密度は0.5〜2A/dm2の範囲内に設定されるのが好ましいが、前記条件に限定されるものではない。
上記低温封孔処理の場合に使用されるフッ化ニッケル水溶液濃度は、適宜選べるが、3〜6g/lの範囲で使用された場合、より好ましい結果が得られる。また、封孔処理をスムーズに進めるために、処理温度としては、通常25以上、好ましくは30℃以上、また、通常40℃以下、好ましくは35℃以下で、また、フッ化ニッケル水溶液pHは、通常4.5以上、好ましくは5.5以上、また、通常6.5以下、好ましくは6.0以下の範囲で処理するのがよい。pH調節剤としては、シュウ酸、ホウ酸、ギ酸、酢酸、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、アンモニア水等を用いることが出来る。処理時間は、被膜の膜厚1μmあたり1〜3分の範囲で処理することが好ましい。なお、被膜物性を更に改良するためにフッ化コバルト、酢酸コバルト、硫酸ニッケル、界面活性剤等をフッ化ニッケル水溶液に添加しておいてもよい。次いで水洗、乾燥して低温封孔処理を終える。前記高温封孔処理の場合の封孔剤としては、酢酸ニッケル、酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル−コバルト、硝酸バリウム等の金属塩水溶液を用いることが出来るが、特に酢酸ニッケルを用いるのが好ましい。酢酸ニッケル水溶液を用いる場合の濃度は5〜20g/lの範囲内で使用するのが好ましい。処理温度は、通常80℃以上、好ましくは90℃以上、また、通常100℃以下、好ましくは98℃以下で、また、酢酸ニッケル水溶液のpHは5.0〜6.0の範囲で処理するのが好ましい。ここでpH調節剤としてはアンモニア水、酢酸ナトリウム等を用いることが出来る。処理時間は10分以上、好ましくは15分以上処理するのが好ましい。なお、この場合も被膜物性を改良するために酢酸ナトリウム、有機カルボン酸、アニオン系、ノニオン系界面活性剤等を酢酸ニッケル水溶液に添加してもよい。更に、実質上塩類を含まない高温水や高温水蒸気で処理しても構わない。次いで水洗、乾燥して高温封孔処理を終える。平均膜厚が厚い場合には、封孔液の高濃度化、高温・長時間処理により強い封孔条件にすることが望ましくなる。従ってその場合には生産性が悪くなると共に、被膜表面にシミ、汚れ、粉ふきといった表面欠陥を生じやすくなる。このような点から、陽極酸化被膜の平均膜厚は通常20μm以下、特に7μm以下で形成されることが好ましい。
導電性支持体と感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。
下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子が挙げられる。一種類の粒子のみを用いても良いし複数の種類の粒子を混合して用いても良い。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタンおよび酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理を施されていても良い。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。複数の結晶状態のものが含まれていても良い。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、フェノキシ、エポキシ、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等が単独あるいは硬化剤とともに硬化した形で使用できるが、中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は良好な分散性、塗布性を示し好ましい。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特性および塗布性から0.1μm〜20μmが好ましい。また下引き層には、公知の酸化防止剤等を含んでいても良い。
<電荷発生物質>
本発明の感光体に用いる電荷発生物質としては、例えばセレンおよびその合金、硫化カドミウム、その他無機系光導電材料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料などの有機顔料等各種光導電材料が使用でき、特に有機顔料、更にフタロシアニン顔料、アゾ顔料が好ましい。
本発明の感光体が積層型感光体である場合、電荷発生物質を含有する電荷発生層を有する。電荷発生物質は単独で用いてもよいし、いくつかを混合して用いてもよい。通常これらの電荷発生材料がバインダー樹脂に結着した形で電荷発生層が形成される。電荷発生層は、単一の層から成っていても良いし、構成成分あるいは組成比の異なる複数の層を重ねたものでも良い。バインダー樹脂としては、例えばポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリアクル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテル等を使用することができる。使用比率はバインダー樹脂100重量部に対して電荷発生物質が30から500重量部の範囲より使用され、その膜厚は、通常0.1μm以上、好ましくは0.15μm以上、また、通常2μm以下、好ましくは0.8μm以下、より好ましくは0.6μm以下が好適である。
<電荷輸送層>
本発明の感光体が積層型感光体である場合、感光層は、式(1−1)で表されるバインダー樹脂、式(2)で表される電荷輸送物質、および式(4)で表される電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有する。電荷輸送層は、単一の層から成っていても良いし、構成成分あるいは組成比の異なる複数の層を重ねたものでも良い。
単層型電子写真感光体の感光層の場合には、上記電荷輸送層と同様の配合比の電荷輸送媒体中に、前出の電荷発生物質が分散される。
その場合の電荷発生物質の粒子径は充分小さいことが望ましいため、好ましくは1μm以下より好ましくは0.5μm以下で使用される。感光層内に分散される電荷発生物質の量は少なすぎると充分な感度が得られず、多すぎると帯電性の低下、感度の低下などの弊害があり、例えば、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、また、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下の範囲で使用される。
積層型および単層型いずれの感光体においても、感光層の上に感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電生成物等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で保護層を設けても良い。
また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を軽減する目的で、表面の層にはフッ素系樹脂、シリコーン樹脂等を含んでいても良い。また、これらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を含んでいても良い。
感光体を構成する各層を塗布形成するための塗布液の作製に用いられる溶媒あるいは分散媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類;ギ酸メチル、酢酸エチル、等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、テトラクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、トリクロロエチレン等の塩素化炭化水素類;n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン等の含窒素化合物類;アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤類等があげられ、これらは単独でまたは2種以上を併用して用いられる。
これらの感光体を構成する各層は、支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、スパイラル塗布、リング塗布、バーコート塗布、ロールコート塗布、ブレード塗布等により塗布し、乾燥することにより形成される。
スプレー塗布法としては、エアスプレー、エアレススプレー、静電エアスプレー、静電エアレススプレー、回転霧化式静電スプレー、ホットスプレー、ホットエアレススプレー等があるが、均一な膜厚を得るための微粒化度、付着効率等を考えると回転霧化式静電スプレーにおいて、再公表平1−805198号公報に開示されている搬送方法、すなわち円筒状ワークを回転させながらその軸方向に間隔を開けることなく連続して搬送することにより、総合的に高い付着効率で膜厚の均一性に優れた電子写真感光体を得ることができる。
浸漬塗布法の場合は、塗布液あるいは分散液の作製において、単層型感光層の場合、および積層型感光層の電荷輸送層の場合には、全固形分濃度を好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは15重量%以上、好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは35重量%以下、粘度を好ましくは50mPa・s以上、更に好ましくは100mPa・s以上、好ましくは700mPa・s以下、更に好ましくは500mPa・s以下とし、積層型感光層の電荷発生層の場合には、固形分濃度を好ましくは1重量%以上、好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下、粘度を好ましくは0.1〜10mPa・sとする。
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2,露光装置3,現像装置4,転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
なお、電子写真感光体1及び帯電装置2は、多くの場合、この両方を備えたカートリッジ(以下適宜、感光体カートリッジという)として、画像形成装置の本体から取り外し可能に設計されている。そして、例えば電子写真感光体1や帯電装置2が劣化した場合に、この感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することができるようになっている。また、後述するトナーについても、多くの場合、トナーカートリッジ中に蓄えられて、画像形成装置本体から取り外し可能に設計され、使用しているトナーカートリッジ中のトナーが無くなった場合に、このトナーカートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しいトナーカートリッジを装着することができるようになっている。更に、電子写真感光体1,帯電装置2,トナーが全て備えられたカートリッジを用いることもある。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
トナーTの種類は任意であり、粉状トナーのほか、懸濁重合法や乳化重合法などを用いた重合トナー等を用いることができる。特に、重合トナーを用いる場合には径が4〜8μm程度の小粒径のものが好ましく、また、トナーの粒子の形状も球形に近いものからポテト上の球形から外れたものまで様々に使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化に好適に用いられる。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除
電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
さらに、感光体カートリッジは、上記のような電子写真感光体1及び帯電装置2を備えた構成以外の構成としてもよい。具体的には、電子写真感光体1を、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6、及び定着装置7のうち1つ又は2つ以上と組み合わせて、一体型のカートリッジ(電子写真感光体カートリッジ)として構成し、この電子写真感光体カートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱可能な構成にしてもよい。例えば、帯電手段2、像露光手段3、現像手段4、および転写手段5の内、少なくとも1つをドラム状感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化とすることが出来る。この場合、例えば電子写真感光体1やその他の部材が劣化した場合に、この電子写真感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい電子写真感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することにより、画像形成装置の保守・管理が容易となる。
CuKα特性X線に対する粉末X線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2°)が、9.3°,13.2°,26.2°および27.1°に主たる回折ピークを示すA型のオキシチタニウムフタロシアニン10部、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名:デンカブチラール #6000C)2.5部、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイト社製、商品名:PKHH)2.5部、1,2−ジメトキシエタン450部、および4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 50部を混合し、サンドグラインドミルで粉砕、分散処理を行った。このようにして得られた分散液を、直径30mm、長さ357mmの、表面をアルマイト処理したアルミニウム製チューブ面に、膜厚が0.4μmになるように塗布して電荷発生層を設けた。
このようにして得られた感光体を、キヤノン社製デジタル複写機GP405の電子写真カートリッジに搭載し、画像を形成し、形成された画像の1枚目(初期画像)と、30000枚目(耐刷後画像)の画質を評価した。同様に、複写機の現像機に代えて表面電位計を取り付け、1枚目の黒ベタ画像形成時の感光体の表面電位(初期電位)と、30000枚目の黒ベタ画像形成時の表面電位(耐刷後電位)を計測した。また、その際の感光体の感光層の膜減り量を、感光層厚みの変化から計測した結果を表3に示す。
1000mLビーカーに水酸化ナトリウム22.34gと水940mLとを量り取り、攪拌しながら溶解させた。そこに1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン51.04gを添加、攪拌、溶解した後、このアルカリ水溶液を2L反応槽に移した。次いで、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド0.5579g及び2,3,5−トリメチルフェノール1.0613gを順次反応槽に添加した。別途、ジフェニルエーテルー4,4’−ジカルボン酸クロライド63.37gとジクロロメタン470mLの混合溶液を滴下ロート内に移した。
実施例1の感光体において用いたバインダー樹脂に代えて、下記に示す繰り返し構造を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量40,000)を用いて感光体を作製し、実施例1と同様に画質、表面電位と膜減り量を評価した。結果を表3に示す。
実施例1の感光体において用いた電荷輸送物質CTM−1にかえて、下記に示す電荷輸送物質を用いて感光体を作製し、実施例1と同様に画質、表面電位と膜減り量を評価した。結果を表3に示す。
実施例1の感光体において用いた電荷輸送物質CTM−2にかえて、下記に示す電荷輸送物質を用いて感光体を作製し、実施例1と同様に画質、表面電位と膜減り量を評価した。結果を表3に示す。
実施例1の感光体において用いた電荷輸送物質CTM−2を用いることなく、CTM−1の部数を60部として感光体を作製し、実施例1と同様に画質、表面電位と膜減り量を評価した。結果を表3に示す。
<比較例5>
実施例1の感光体において用いた電荷輸送物質CTM−1を用いることなく、CTM−2の部数を60部にして感光体を作製し、実施例1と同様に画質、表面電位と膜減り量を評価した。結果を表3に示す。
実施例2の感光体において用いた電荷輸送物質CTM−2を用いることなく、CTM−1の部数を60部として感光体を作製し、実施例1と同様に画質、表面電位と膜減り量を評価した。結果を表3に示す。
実施例2の感光体において用いた電荷輸送物質CTM−1を用いることなく、CTM−2の部数を60部にして感光体を作製し、実施例1と同様に画質、表面電位と膜減り量を評価した。結果を表3に示す。
比較例1の感光体において用いた電荷輸送物質CTM−2を用いることなく、CTM−1の部数を60部として感光体を作製し、実施例1と同様に画質、表面電位と膜減り量を評価した。結果を表3に示す。
比較例1の感光体において用いた電荷輸送物質CTM−1を用いることなく、CTM−2の部数を60部にして感光体を作製し、実施例1と同様に画質、表面電位と膜減り量を評価した。結果を表3に示す。
さらに、この比較例8及び9を、電荷輸送物質を変えずに膜減りを改良したものが比較例4〜7である。比較例4〜7の結果を見ると、本発明のバインダー樹脂と電荷輸送物質との相性が原因で、そのままでは適正な濃度を得ることができないことがわかる。
以上から、実施例1,2のように、本発明のバインダー樹脂と、式(2)で表される電荷輸送物質と、下記式(4)で表される電荷輸送物質とを組み合わせて含有させた場合に限って、特異的に良好な結果を得ることができることが確認された。
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙、媒体)
Claims (3)
- 導電性支持体上に、バインダー樹脂と電荷輸送物質とを含有する感光層を有する電子写真感光体において、
該感光層が下記式(1−1)で表される繰り返し構造を有するバインダー樹脂、下記式(2)で表される電荷輸送物質、および下記式(4)で表される電荷輸送物質を含有することを特徴とする電子写真感光体。
- 請求項1に記載の電子写真感光体と、該感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した該感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段と、この静電潜像をトナーで現像する現像手段と、トナーを被転写体に転写する転写手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1に記載の電子写真感光体と、
該感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段、この静電潜像をトナーで現像する現像手段、及び、トナーを被転写体に転写する転写手段のうち、少なくとも一つとを有することを特徴とする電子写真カートリッジ。
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