JP4466414B2 - 電子写真感光体、該感光体を用いた画像形成装置、およびカートリッジ - Google Patents
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Description
電子写真技術の中核となる感光体については、近年ではその光導電材料として、無公害で成膜が容易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導電材料を使用した感光体が開発されている。特に光を吸収して電荷を発生する機能と、発生した電荷を輸送する機能を分離した電荷発生層および、電荷移動層からなる積層型の感光体は、主流となっている。現在これらの感光体は、複写機、レーザープリンター等の画像形成装置の分野に広く用いられている。
下引き層としては、種々の樹脂材料を用いることが知られているが、中でも特に可溶性ポリアミド樹脂が好ましいことが知られている(例えば、特許文献1 参照)。そして、ポリアミド樹脂の中でも特に好ましいものとして、特定のジアミン成分を構成成分として有する共重合ポリアミド樹脂が知られている(例えば、特許文献2 参照)。更に、ポリアミド樹脂に無機材料を分散させた下引き層として、例えば、酸化チタンと酸化スズを8−ナイロンに分散させたものが知られている(例えば、引用文献3 参照)。
本発明では導電性支持体上に、硫黄原子を含む有機基を有する金属化合物粒子と、バインダーを含有する下引き層が形成される。ここで、金属化合物粒子が硫黄原子を含む有機基を有する状態としては、金属化合物粒子全体で硫黄原子を含む有機基を有してさえいればよく、より具体的には、硫黄原子を含む有機基が金属化合物粒子表面に化学的に結合していても構わないし、硫黄原子を含む有機基を有する化合物が金属化合物粒子表面に付着しているだけでも構わない。硫黄原子を含む有機基を有する化合物が金属化合物粒子表面に付着しているという状態についても、物理的吸着状態に限らず、化学的吸着状態によっても構わない。
金属化合物粒子の粒径は、塗布液への分散安定性の理由から、通常その平均粒径が100nm以下のものが好ましく、特に10〜60nmが好ましい。塗布液に用いる粒子の粒径は、均一であってもまた、異なる粒径の複合系でも良い。異なる粒径の複合系の場合、粒径の最大ピークが150nm付近にあり最小粒径が約30nmから約500nmの粒径分布をもつようなものが好ましく、例えば平均粒径が0.1μmのものと0.03μmのものを混合して用いても良い。
表面処理剤の量については、処理量が少ない場合、本発明の効果が得られず、処理量が多過ぎると、電気特性が悪化しやすくなる。更に、処理量が多過ぎる場合には、粒子表面に修飾されない処理剤が存在し、塗布工程等の際に塗布膜のはじき等の原因になる。従って、表面処理剤の量は金属化合物粒子の種類によって調整することが好ましく、用いられる金属化合物粒子に対して、通常0.1重量部以上、好ましくは0.2重量%以上であって、通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下の表面処理剤によって処理される。
表面処理剤で処理された金属化合物粒子とバインダー樹脂の比率は、任意に選ぶことができるが、液の安定性、塗布性、および電気特性面からバインダー樹脂1重量部に対して0.5重量部から6重量部の範囲が好ましい。下引き層は主として、硫黄原子を含有する有機化合物で被覆された金属化合物粒子とバインダー樹脂で構成されるが、必要に応じて、他の表面処理金属化合物粒子(フッ素シラン処理の酸化チタン、メチルジメトキシシラン処理の酸化チタン等)、表面処理無し金属化合物粒子、酸化防止剤、添加剤、導電剤等を加えても良い。
下引き層の体積抵抗値は、通常1×1011Ω以上、好ましくは1×1012Ω以上であって、通常1×1014Ω以下、好ましくは1×1013Ω以下である。
<電子写真感光体>
下引き層の上には感光層が形成される。感光層は、単層構造でもよいが、電荷発生層と電荷輸送層の分離された、積層構造の方が好ましい。本発明の電子写真感光体は、導電性支持体(基体)上に感光層を設けたものであれば、その構造は特に制限されない。
<導電性支持体>
導電性支持体について特に制限は無いが、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。導電性支持体の形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。更には、金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御や欠陥被覆のために、適当な抵抗値を有する導電性材料を塗布したものを用いても良い。
支持体表面は、平滑であっても良いし、特別な切削方法を用いたり、粗面化処理を施したりすることにより、粗面化されていても良い。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでも良い。また、安価化のためには、切削処理を施さず、引き抜き管をそのまま使用することも可能である。
<感光層>
感光層の形式としては、電荷発生物質と電荷輸送物質とが同一層に存在し、バインダ樹脂中に分散された単層型と、電荷発生物質がバインダ樹脂中に分散された電荷発生層及び電荷輸送物質がバインダ樹脂中に分散された電荷輸送層の二層からなる機能分離型(積層型)とが挙げられるが、何れの形式であってもよい。
<積層型感光層>
・電荷発生層
積層型感光体(機能分離型感光体)の場合、電荷発生層は、電荷発生物質をバインダ樹脂で結着することにより形成される。
電荷発生物質としてフタロシアニン顔料を使用する場合、具体的には無金属フタロシアニン、銅、インジウム、ガリウム、スズ、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム、アルミニウムなどの金属又はその酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、アルコキシドなどの配位したフタロシアニン類の各結晶型を持ったもの、酸素原子等を架橋原子として用いたフタロシアニンダイマー類などが使用される。特に、感度の高い結晶型であるX型、τ型無金属フタロシアニン、A型(別称β型)、B型(別称α型)、D型(別称Y型)等のチタニルフタロシアニン(別称:オキシチタニウムフタロシアニン)、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、ヒドロキシインジウムフタロシアニン、II型等のクロロガリウムフタロシアニン、V型等のヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型、I型等のμ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体、II型等のμ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体が好適である。
電荷発生物質として有機顔料を用いる場合には、1種を単独で用いてもよいが、2種類以上の顔料を混合して用いてもよい。この場合、可視域と近赤域の異なるスペクトル領域で分光感度特性を有する2種類以上の電荷発生物質を組み合わせて用いることが好ましく、中でもジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料とフタロシアニン顔料とを組み合わせて用いることがより好ましい。
塗布液の作製に用いられる溶剤としては、バインダ樹脂を溶解させるものであれば特に制限されないが、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン等の飽和脂肪族系溶媒、トルエン、キシレン、アニソール等の芳香族系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒、グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等の鎖状又は環状ケトン系溶媒、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等の鎖状又は環状エーテル系溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルフォラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物、リグロイン等の鉱油、水などが挙げられる。これらは何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を併用して用いてもよい。なお、上述の下引き層を設ける場合には、この下引き層を溶解しないものが好ましい。
・電荷輸送層
積層型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質を含有するとともに、通常はバインダ樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷輸送層は、具体的には、例えば電荷輸送物質等とバインダ樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には電荷発生層上に、また、逆積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布、乾燥して得ることができる。
<単層型感光層>
単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質に加えて、積層型感光体の電荷輸送層と同様に、膜強度確保のためにバインダ樹脂を使用して形成する。具体的には、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダ樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、導電性支持体上(下引き層を設ける場合は下引き層上)に塗布、乾燥して得ることができる。
電荷発生物質は、積層型感光体の電荷発生層について説明したものと同様のものが使用できる。但し、単層型感光体の感光層の場合、電荷発生物質の粒子径を充分に小さくする必要がある。具体的には、通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下の範囲とする。
また、単層型感光層におけるバインダ樹脂と電荷発生物質との使用比率は、バインダ樹脂100重量部に対して電荷発生物質が通常0.1重量部以上、好ましくは1重量部以上、また、通常30重量部以下、好ましくは10重量部以下の範囲とする。
<その他の機能層>
積層型感光体、単層型感光体ともに、感光層又はそれを構成する各層には、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させる目的で、周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤などの添加物を含有させても良い。
例えば、感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電生成物等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で、保護層を設けても良い。
保護層は、導電性材料を適当なバインダ樹脂中に含有させて形成するか、特開平9−190004号、特開平10−252377号各公報に記載のトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する化合物を用いた共重合体を用いることができる。
保護層に用いるバインダ樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、シロキサン樹脂等の公知の樹脂を用いることができ、また、特開平9−190004号公報、特開平10−252377号公報の記載のようなトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する骨格と上記樹脂の共重合体を用いることもできる。
気抵抗が前記範囲より高くなると、残留電位が上昇しカブリの多い画像となってしまう一方、前記範囲より低くなると、画像のボケ、解像度の低下が生じてしまう。また、保護層は像露光の際に照射される光の透過を実質上妨げないように構成されなければならない。
また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を低減、トナーの感光体から転写ベルト、紙への転写効率を高める等の目的で、表面層にフッ素系樹脂、シリコン樹脂、ポリエチレン樹脂等、又はこれらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を、表面層に含有させても良い。或いは、これらの樹脂や粒子を含む層を新たに表面層として形成しても良い。
<各層の形成方法>
本発明の下引き層、および感光体を構成する各層は、各層に含有させる物質を溶剤に溶解または分散させて得られた塗布液を、支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等の公知の方法により、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。
例えば、単層型感光体、及び機能分離型感光体の電荷輸送層層の場合には、塗布液の固形分濃度を通常5重量%以上、通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上、また、通常40重量%以下、好ましくは35重量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度を通常10cps以上、好ましくは50cps以上、また、通常500cps以下、好ましくは400cps以下の範囲とする。
塗布液の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられるが、他の公知のコーティング法を用いることも可能である。
<画像形成装置>
本発明の電子写真感光体を使用する複写機、プリンター等の画像形成装置は、少なくとも帯電、露光、現像、転写、除電の各プロセスを含むが、どのプロセスも通常用いられる方法のいずれを用いてもよい。
クリーニングにはブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラークリーナー、ブレードクリーナー、などが用いられる。
本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2,露光装置3,現像装置4,転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
なお、電子写真感光体1及び帯電装置2は、多くの場合、この両方を備えたカートリッジ(以下、感光体カートリッジということがある)として、画像形成装置の本体から取り外し可能に設計されている。そして、例えば電子写真感光体1や帯電装置2が劣化した場合に、この感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することができるようになっている。また、後述するトナーについても、多くの場合、トナーカートリッジ中に蓄えられて、画像形成装置本体から取り外し可能に設計され、使用しているトナーカートリッジ中のトナーが無くなった場合に、このトナーカートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しいトナーカートリッジを装着することができるようになっている。更に、電子写真感光体1,帯電装置2,トナーが全て備えられたカートリッジを用いることもある。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
トナーTの種類は任意であり、粉状トナーのほか、懸濁重合法や乳化重合法などを用いた重合トナー等を用いることができる。特に、重合トナーを用いる場合には径が4〜8μm程度の小粒径のものが好ましく、また、トナーの粒子の形状も球形に近いものからポテト上の球形から外れたものまで様々に使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化に好適に用いられる。
定着装置7は、上部定着部材(定着ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成され、定着部材71又は72の内部には加熱装置73がそなえられている。なお、図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73がそなえられた例を示す。上部及び下部の各定着部材71,72は、ステンレス,アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シートなどが公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71,72は、離型性を向上させる為にシリコンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としてもよい。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
<下引き層塗布形成用分散液の製造>
・分散液P1
平均一次粒子径40nmのルチル型白色酸化チタン(石原産業(株)製、製品名 TTO55N)と該酸化チタン100部に対して、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(東芝シリコーン社製 製品名 TSL8380)5部を、ボールミルにて混合して得られたスラリーを120℃、1時間焼成して表面処理酸化チタンを作製した。次にこの表面処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノール=7/3の混合溶媒中でボールミル分散を行い、固形分濃度33.3重量%のγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン処理酸化チタン分散液を得た。
分散液P1の調製において使用したγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランの量を10部とした以外は、分散液P1の調製と同様にして分散液P2を調製した。
・分散液P3
分散液P1の調製において使用したγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン処理酸化チタンの代わりに、メチルジメトキシシランを5部使用した以外は、分散液P1と同様にして、分散液P3を調製した。
・分散液P4
分散液P1の調製において使用したγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン処理酸化チタンの代わりに、メチルジメトキシシランを10部を用いた以外は、分散液P1と同様にして、分散液P4を調製した。
・分散液P5
表面処理を行っていない酸化チタンを使用したこと以外分散液P1と同様にして分散P5を調製した。
実施例1
表面が鏡面仕上げされた外径30mm、長さ254mm、肉厚1.0mmのアルミニウム製シリンダー上に、分散液P1を、その乾燥膜厚が0.75μmとなるように浸漬塗布して下引き層を設けた。
実施例1の下引き層形成に用いた分散液P1の代わりに、分散液P2を用いた以外は、実施例1と同様にして感光体A2を作製した。
比較例1
実施例1の下引き層形成に用いた分散液P1の代わりに、分散液P3を用いた以外は、実施例1と同様にして比較感光体A3を作製した。
比較例2
実施例1の下引き層形成に用いた分散液P1の代わりに、分散液P4を用いた以外は、実施例1と同様にして比較感光体A4を作製した。
比較例3
実施例1の下引き層形成に用いた分散液P1の代わりに、分散液P5を用いた以外は、実施例1と同様にして比較感光体A5を作製した。
実施例3
下引き層の乾燥膜厚が、1.25μmとなるように下引き層を設けた以外は、実施例1と同様にして感光体ドラムを得た。このようにして得た感光体を感光体B1とする。
実施例4
実施例1の下引き層形成に用いた分散液P1の代わりに、分散液P2を浸漬塗布し、その乾燥膜厚が1.25μmとなるように下引き層を設けた以外は、実施例1と同様にして感光体ドラムを得た。このようにして得た感光体を感光体B2とする。
比較例4
実施例2の下引き層形成に用いた分散液P2の代わりに、分散液P3を浸漬塗布し、その乾燥膜厚が1.25μmとなるように下引き層を設けた以外は、実施例2と同様にして感光体ドラムを得た。このようにして得た感光体を比較感光体B3とする。
比較例5
実施例1で用いたアルミニウム製シリンダーを、分散液P4に浸漬塗布し、その乾燥膜厚が1.25μmとなるように下引き層を設けた以外は、実施例1と同様にして感光体ドラムを得た。このようにして得た感光体を比較感光体B4とする。
比較例6
実施例1で用いたアルミニウム製シリンダーを、分散液P5に浸漬塗布し、その乾燥膜厚が1.25μmとなるよう引き層を設けた以外は、実施例1と同様にして感光体ドラムを得た。このようにして得た感光体を比較感光体B5とする。
比較例7
下引き層を設けない以外は、実施例1と同様にして感光体ドラムを得た。この感光体を比較感光体C1とする。
[感光体ドラムの評価]
実施例1〜4、および比較例1〜7で製造した感光体を、市販のレーザープリンター(HEWLETT PACKARD製 LASER JET 4 PLUS)に装着し、種々の環境下において白地画像を形成し、画像評価を行った。画像評価は、Spectro Color Meter SE2000(NIPPON DENSHOKU社製)を使用し、画像印刷前の紙の白度(1枚辺り5点測定し、その平均値をデータとして取得した。)を測定した紙を用いて白ベタ画像を形成し、画像印刷前の紙の白度を測定したのと同様にして画像形成後の紙の白度を測定し、画像形成後の白度値から画像形成前の白度値の差を計算して白度とした。結果を表1に示す。
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙
Claims (4)
- 導電性基体上に、下引き層および感光層を有する電子写真感光体において、該下引き層が、実質的にメルカプト基を有する有機ケイ素化合物のみで表面処理された平均一次粒径が100nm以下の酸化チタン粒子と、バインダー樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体。
- バインダー樹脂が、ポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 請求項1又は2に記載の電子写真感光体を用いた、画像形成装置。
- 請求項1又は2に記載の電子写真感光体を用いた、画像形成装置用のカートリッジ。
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