JP4151515B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

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Description

本発明は、特に露光手段として半導体レーザー光などの可干渉光を用いて像形成を行う電子写真装置に搭載され、下引き層と感光層を有する電子写真感光体において、電気特性および画像特性が良好な電子写真感光体に関するものである。
従来、電子写真感光体には、セレン、セレン−テルル合金、セレン化ヒ素、硫化カドミウム等の無機系光導電物質が広く用いられてきたが、近年では低公害であり、製造が容易な有機系の光導電物質を感光層に用いた電子写真感光体が主流となっている。特に光を吸収して電荷を発生する機能と、発生した電荷を輸送する機能を分離した電荷発生層および電荷移動層からなる積層型の感光体が主流となっている。これらの感光体は、複写機、レーザープリンター等の分野に広く用いられている。
電子写真感光体は、導電性支持体上に感光層を形成したものが基本構成である。支持体からの電荷注入や支持体の欠陥による画像欠陥の解消、感光層との接着性向上、帯電性の改善のために、感光層と支持体の間に下引き層を設けることが行われている。
従来より、下引き層としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、ポリビニルアルコール、カゼイン、ゼラチン等の樹脂材料を用いることが知られている。これらの樹脂材料の中でも特に溶剤可溶性ポリアミド樹脂が好ましいとされている。更にポリアミド樹脂に無機材料を分散させた下引き層として、例えば平均1次粒子径が100nm以下の酸化チタン粒子を溶剤可溶性ポリアミド樹脂に分散させたものが提案されている(例えば、特許文献1)。
最近は、デジタル化の流れの中で、電子写真装置も、デジタル方式の装置が主流になってきた。デジタル方式の電子写真装置は、半導体レーザーなどの可干渉光を用いて像形成を行うため、干渉縞模様の画像欠陥も抑制する必要が生じてくる。この原因は電荷発生層を透過した光が基体表面あるいは下引き層表面で反射し、この反射光と電荷輸送層表面での反射光との干渉を生じたものによると考えられる。その干渉縞模様の画像欠陥の抑制には、上述した100nm以下の酸化チタン粒子をバインダー樹脂に分散させた下引き層は不十分であった。電荷発生層を透過した光を散乱させ電荷輸送層表面での反射光との干渉を起こりにくくする目的で、平均1次粒子径が0.1μm未満の無機粒子と、粒子径が0.1μm以上2μm未満である粒子を含む下引き層(例えば、特許文献2)等が提案されているが、干渉縞模様の画像欠陥はある程度抑制できるものの、十分とはいえず、更なる改善が望まれている。また、同様の考え方から、特定の粒子径を有する有機微粒子添加すること(例えば、特許文献3)が検討されている。
また、従来より黒色顔料を分散した下引き層も知られており、黒色顔料としては主としてカーボンブラック、四三酸化鉄等が用いられてきたが、カーボンブラックでは下引き層の抵抗値が分散度合いにより著しく変化するため、抵抗値のコントロールが難しく、四三酸化鉄は磁化されやすい、比重が5.2と大きいため溶剤に分散したときの分散性に劣るなどの問題点があり、どちらも実用的ではなかった。
特開平3−24558号公報 特開2001−209200公報 特開平10−177267公報
上述したように、従来の下引き層及び感光層を有する電子写真感光体では、レーザー光等の可干渉光を用いて像形成を行う電子写真装置に用いた場合は、干渉模様の画像不良を解消することが困難であった。本発明の目的は、下引き層及び感光層を有する電子写真感光体において、良好な電気特性を持ちながらも、画像欠陥が見られず、更に感光層との接着性等の機械的特性にも優れる電子写真感光体を提供することを目的とする。
本発明者は、下引き層中に、9.8MPa圧粉体の電気抵抗値が1〜104Ω・cmで
ある黒色の無機化合物を含有させることにより、上記課題を解決できることを見いだし、本発明に到達した。すなわち本発明の要旨は導電性基体上に、下引き層および感光層を有する電子写真感光体において、該下引き層が9.8MPa圧粉体の電気抵抗値が1〜104Ω・cmである黒色の無機化合物と、n型性の金属化合物粒子を含有することを特徴と
する電子写真感光体にある。
本発明の下引き層を有する電子写真感光体を用いることにより、可干渉光を光源として用いる電子写真装置に用いても、干渉縞模様の発生を抑制し、画像特性、電気特性、機械特性共に良好な感光体を提供することができる。
本発明における電子写真感光体は、導電性支持体と感光層の間に、9.8MPa圧粉体の電気抵抗値が1〜104Ω・cmである黒色の無機化合物を含有する下引き層を有する。
本発明における黒色の無機化合物は、9.8MPa圧粉体の電気抵抗値が1〜104Ω・cmであれば、どのようなものでも構わないが、ハンターLab表色系において、L値が25以下の黒色のものが好適に用いられる。また、該下引き層には他の無機化合物を併用することが可能であるが、その際に充分な効果を得るため、より好ましくはL値が20以下のものが用いられる。
黒色の無機化合物の粒子径は、均一な下引き層を形成することができるものであれば特に制限されないが、下引き層を形成する際の塗布液の安定性の面から、電子顕微鏡観察による平均一次粒子径が通常1μm以下であり、0.5μm以下がより好ましく、通常0.03μm以上であり、0.1μm以上がより好ましい。
黒色の無機化合物の電気抵抗は、小さすぎると含有量に対する下引き層の体積抵抗率の変化が大きくなり過ぎ、感光体の製造が困難になるため、通常、JIS K 7194に準拠した方法により、9.8MPa圧粉体で測定した際の電気抵抗が、1Ω・cm以上のものが用いられる。また、電気抵抗が大きくなりすぎると、下引き層の体積抵抗率を所望の値にするのに、多量の黒色の無機化合物、または他の導電性の粒子を含有するものとする必要があり、結着樹脂の比率が減少して層の強度が下がる上に製造コストが嵩むことになるので、同様に9.8MPa圧粉体で測定した際の電気抵抗が、104Ω・cm以下の
ものが用いられる。
黒色の無機化合物には、表面処理を施した炭素粒子や各種金属酸化物、特には黒色酸化チタンが挙げられる。通常の酸化チタンは白色であるが、本発明に好適な黒色酸化チタンを得る方法としては、例えば、特公昭52−12733公報に開示されるような、二酸化チタン粉末と金属チタン粉末との混合物を真空または還元雰囲気下で550〜1100℃
で加熱する方法、特開昭64−72921公報に開示されるような、二酸化チタン粉末を無水ヒドラジンガスのような特殊雰囲気中で加熱還元する方法、特開平5−193942公報に開示されるような二酸化チタン粉末と水素化ホウ素ナトリウムを不活性雰囲気下で300〜950℃で加熱する方法等があげられ、本発明における黒色酸化チタンとしては何れのものも用いることができるが、加熱温度が高いと焼結して粗大化する、還元性ガスは腐食性が強く取り扱いが困難であることから、二酸化チタン粉末と水素化ホウ素ナトリウムを不活性雰囲気下で加熱する方法を用いることが好ましい。
本発明における下引き層は、黒色の無機化合物とは別に、金属化合物粒子を含有していても良い。併用することのできる金属化合物粒子としては、n型性(電子輸送性)の粒子が好ましい。このような金属化合物としては、具体的には、チタン酸ストロンチウム,チタン酸カルシウム,チタン酸バリウム等のチタン酸塩;白色酸化チタン;酸化チタンに酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化コバルト等の金属酸化物を固溶させたもの;酸化チタンにニオブ,アンチモン,タングステン,インジウム,ニッケル,鉄,珪素等の金属元素をドープしたもの等が挙げられる。これらの中でも、価格および化合物としての安定性から、白色酸化チタン粒子が好ましい。これらの金属化合物粒子は、下引き層形成用塗布液の分散安定性の面および残留電位等の電気特性の面から、平均一次粒子径としては、通常100nm以下の粒子が好ましい。また、無機酸化物粒子を分散した分散液を安定化するために、該金属化合物は、疎水化処理されていてもよい。
黒色の無機化合物と、併用しても構わない金属化合物粒子の存在量比に特に制限はないが、本発明の効果を充分に得るために、黒色の無機化合物が下引き層に含まれる全金属化合物粒子に対して10重量%以上であることが好ましい。
通常下引き層は、バインダー樹脂により結着形成される。該バインダー樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、ポリビニルアルコール、カゼイン、ゼラチン等の樹脂材料を用いることができる。
なかでも、支持体との接着性に優れ、感光層塗布形成用の塗布液に用いられる溶媒に対する溶解性の小さなポリアミド樹脂が好ましい。その中でも特に下記一般式で示されるジアミン成分を構成成分として有する共重合ポリアミド樹脂が好ましい。
Figure 0004151515
(A、Bは、それぞれ独立して置換基を有していてもよいシクロヘキシル環を表し、R1、R2はそれぞれ独立して水素、アルキル基、アルコキシ基、アリール基を表す。)
黒色の無機化合物と、バインダー樹脂の比率は任意に選ぶことができるが、下引き層の接着性、機械的強度、塗布液の安定性および電気特性面から、バインダー樹脂1重量部に対して、黒色の無機化合物が通常0.5重量部以上、より好ましくは2重量部以上であり、通常6重量部以下、より好ましくは4重量部以下の範囲で用いられる。黒色の無機化合物と、他の金属化合物粒子を併用する際には、黒色の無機化合物と、他の金属化合物粒子の和が、上記比率となるのが好ましい。
下引き層は、常法により形成すればよい。すなわち、層の含有する材料を溶剤に溶解または分散し、得られた塗布液を導電性支持体上に塗布、乾燥することにより形成される。塗布液中には、下引き層の特性および塗布液の分散安定性を悪化させない範囲で、必要に応じて、シリカ、酸化チタン等の無機化合物粒子、有機化合物粒子、光導電性物質、酸化防止剤、分散剤、レベリング剤、その他の添加剤等を加えても良い。
下引き層の塗布は、ある程度均一に塗布できる方法であれば、いかなる塗布方法を用いても良いが、一般的には、浸漬塗布やスプレー塗布、ノズル塗布方法等で塗布される。
下引き層の厚さは、薄すぎると局所的な帯電不良に対する効果が充分でなく、また逆に厚すぎると残留電位の上昇、あるいは導電性基体と感光層との間の接着強度の低下の原因となる。本発明の下引き層の膜厚は、通常0.1μm以上、好ましくは1μm以上で使用され、通常18μm以下、好ましくは10μm以下で使用される。
下引き層の体積抵抗率は、低すぎると電荷が容易に移動してしまい、感光体が帯電しないため、好ましくは1×107Ωcm以上で用いられ、体積抵抗率が高すぎると残留電位
の蓄積に繋がるため、好ましくは1×1014Ωcm以下で用いられる。
<支持体>
本発明で用いる導電性支持体としては、周知の電子写真感光体に採用されているものがいずれも使用できる。具体的には例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料からなるドラム、シートあるいはこれらの金属箔のラミネート物、蒸着物、あるいは表面にアルミニウム、銅、パラジウム、酸化すず、酸化インジウム等の導電性層を設けたポリエステルフィルム、紙等の絶縁性支持体が挙げられる。更に、金属粉末、カーボンブラック、ヨウ化銅、高分子電解質等の導電性物質を適当なバインダーとともに塗布して導電処理したプラスチックフィルム、プラスチックドラム、紙、紙管等が挙げられる。また、金属粉末、カーボンブラック、炭素繊維等の導電性物質を含有し、導電性となったプラスチックのシートやドラムが挙げられる。そして、酸化スズ、酸化インジウム等の導電性金属酸化物で導電処理したプラスチックフィルムやベルトが挙げられる。
なかでもアルミニウム等の金属のエンドレスパイプが好ましい支持体である。アルミニウムまたはその合金のエンドレスパイプは、押し出し、引き抜き、しごき等の加工により成形される。成形したものをそのまま用いても良いし、更に切削、研削、研磨などの加工を加えたものでも良い。導電性支持体の表面には、画質に影響のない範囲で、例えば酸化処理や薬品処理等の各種の処理を施すことができる。
<感光層>
下引き層の上には感光層が形成される。感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質およびバインダ−樹脂を単一の層に含むような単層構造(以下、単層型感光層ということがある)でもよいし、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を積層した積層構造(以下、積層型感光体ということがある)でも構わない。
<電荷発生層>
積層型感光層の電荷発生層に用いられる電荷発生物質としては、フタロシアニン、アゾ、ペリレン、キナクリドン、多環キノン、ピリリウム塩、インジゴ、チオインジゴ、アントアントロン、ピラントロン、シアニン等の各種有機顔料、色素が使用できる。中でも無金属フタロシアニン、銅、インジウム、ガリウム、錫、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン等の金属、またはその酸化物、水酸化物、塩化物の配位したフタロシアニン類、モノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ、ポリアゾ類等のアゾ顔料、ペリレン顔料が好ましい。
そして、これらの電荷発生材量の中でも、無金属および金属含有フタロシアニン類が、比較的長波長のレーザー光に対して高感度の感光体が得られる点で、また、モノアゾ、ビ
スアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料が、白色光および比較的短波長のレーザー光に対し十分な感度を持つ点で優れており、好ましい。
また、フタロシアニン類の中でも特に、CuKα特性X線に対するX線回折スペクトルのブラック角(2θ±0.2°)が、27.3°に主たる回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニン、9.3°,13.2°,26.2°および27.1°に主たる回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニン、9.2,14.1,15.3,19.7
,27.1 ゜に主たる回折ピークを有するジヒドロキシシリコンフタロシアニン、8.
5°,12.2°,13.8°,16.9°,22.4°,28.4°および30.1°に主たる回折ピークを示すジクロロスズフタロシアニン、7.5゜,9.9゜,12.5゜,16.3゜,18.6゜,25.1゜および28.3゜に主たる回折ピークを示すヒドロキシガリウムフタロシアニン、7.4゜,16.6゜,25.5゜および28.3゜に回折ピークを示すクロロガリウムフタロシアニンが、好ましい。
電荷発生層はこれらの物質の微粒子とバインダーポリマーを溶剤に溶解あるいは分散して得られる塗布液を塗布乾燥して得ることができる。
バインダー樹脂としては、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルアルコール、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体および共重合体、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、セルロースエーテル、フェノキシ樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂はこれらの樹脂の中の1種だけを用いても良いし、2種類以上の混合物であっても構わない。これらの樹脂の中でも、顔料の分散安定性の理由からポリビニルアセタール樹脂、フェノキシ樹脂が好ましい。
溶剤としては、メタノール、プロパノールのようなアルコール類、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンのようなエーテル類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2のようなケトン類、トルエンのような炭化水素類が挙げられる。これらの溶媒の中から1種だけを用いても良いし、2種類以上の混合物であっても構わない。これらの溶媒の中でも、顔料の結晶安定性の理由から1,2−メトキシエタン、4−メトキシ−4−メチルペンタノンが好ましい。
電荷発生物質とバインダーポリマーの割合は、特に制限はないが、一般には電荷発生物質100重量部に対し、5〜500重量部、好ましくは20〜300重量部のバインダーポリマーを使用する。
また電荷発生層は上記電荷発生物質の蒸着膜であってもよい。
電荷発生層の膜厚は、0.05〜5μm、好ましくは0.1〜2μmである。
<電荷輸送層>
積層型感光層の電荷輸送層中の電荷輸送物質としては、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリアセナフチレン等の高分子化合物、または各種ピラゾリン誘導体、オキサゾール誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、アリールアミン誘導体等の低分子化合物が使用でき、今日では、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、ヒドラゾン誘導体の低分子化合物が好適に用いられる。
電荷輸送層はこれら電荷輸送物質とバインダーポリマーを溶剤に溶解して得られる塗布液を電荷発生層の上に塗布乾燥して得ることができる。バインダーポリマーとしては、上記電荷輸送物質と相溶性が良く、塗膜形成後に電荷輸送物質が結晶化したり、相分離することのないポリマーが好ましい。それらの例としては、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニ
ル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルアルコール、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体および共重合体、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロースエステル、セルロースエーテル、フェノキシ樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂および、上記記載の低分子化合物の電荷移動材料を主鎖または/および側鎖に導入した重合体等が挙げられる。
これらの中でも、耐摩耗性などの機械的特性、溶液中での電荷輸送物質とバインダーポリマーの相溶性の点でポリカーボネート樹脂が好適に用いられる。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂に対して電荷輸送物質が少なすぎると電気特性が悪化するため、通常バインダー樹脂100重量部に対して10重量部以上、好ましくは20重量部以上であり、特に好ましくは30重量部以上で用いられる。また、電荷輸送物質が多すぎると電荷輸送層の硬度が下がり、使用時の摩耗が大きくなったり、表面が傷つき画像欠陥が発生しやすくなることから、通常バインダー樹脂100重量部に対して200重量部以下、好ましくは150重量部以下であり、特に好ましくは100重量部以下である。
電荷輸送層の膜厚は、通常10〜50μm、好ましくは13〜35μmの範囲で使用される。
電荷輸送層は必要に応じて電子吸引性化合物を添加しても良い。電子吸引性化合物としては、テトラシアノキノジメタン、ジシアノキノメタン、ジシアノキノビニル基を有する芳香族エステル類等のシアノ化合物、2,4,6−トリニトロフルオレノン等のニトロ化合物、ペリレン等の縮合多環芳香族化合物、ジフェノキノン誘導体、キノン類、アルデヒド類、ケトン類、エステル類、酸無水物、フタリド類、置換および無置換サリチル酸の金属錯体、置換および無置換サリチル酸の金属塩、芳香族カルボン酸の金属錯体、芳香族カルボン酸の金属塩が挙げられる。好ましくは、シアノ化合物、ニトロ化合物、縮合多環芳香族化合物、ジフェノキノン誘導体、置換および無置換サリチル酸の金属錯体、置換および無置換サリチル酸の金属塩、芳香族カルボン酸の金属錯体、芳香族カルボン酸の金属塩を用いるのがよい。
本発明の電子写真用感光体の感光層は成膜性、可とう性、塗布性、機械的強度、滑り性、オゾン,NOx等の耐ガス特性を向上させるために可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、無機粒子、樹脂粒子、ワックス、シリコーンオイル、レベリング剤を含有していてもよい。
<単層型感光体>
感光層が単層構造の場合には、感光材料がバインダーに分散してなる公知のものが使用される。例えば、電荷発生物質を主成分として、バインダー樹脂に分散させたもの、電荷発生物質および電荷輸送物質を主成分として、バインダー樹脂に分散させたものが用いられる。これらの場合、電荷発生物質、電荷輸送物質およびバインダー樹脂には、積層型感光層で使用可能な公知のものが使用できる。また、感光層形成用塗布液の溶媒には、積層型感光層の電荷輸送層形成用に用いることのできる溶媒類を同様に好適に用いることができる。
例えば、電荷発生物質および電荷輸送物質を主成分として、バインダー樹脂に分散させたものの場合には、積層型感光体の電荷輸送層のような配合比の電荷輸送媒体中に、電荷発生物質が分散される。この場合の電荷発生物質の粒子径は充分小さいことが必要であり、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下で使用される。感光層内に分散される電荷発生物質の量は、少な過ぎると充分な感度が得られない一方で、多過ぎると帯
電性の低下・感度の低下などの弊害があることから、通常0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上、また、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下の範囲で使用される。単層型感光層の膜厚は、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常100μm以下、好ましくは50μm以下の範囲である。
<その他の機能層>
感光層の上に、機械的特性の向上およびオゾン,NOx等の耐ガス特性向上のために、オーバーコート層を用いても良い。更に必要に応じて、接着層、中間層、透明絶縁層等を有していてもよい。
更に、下引き層と感光層の間に更に中間層を設けても良いが、本発明の下引き層は、それのみで、繰り返し時の電気特性を含めて、良好な電気特性を示すので、そのような中間層を設けない方が、生産性およびコストの面で好ましい。
<層形成法>
下引き層および感光層は、塗布液をスプレー法、スパイラル法、リング法、浸漬法等により導電性支持体上に塗布して形成させる。
スプレー法に用いるスプレーとしては、エアスプレー、エアレススプレー、静電エアスプレー、静電エアレススプレー、回転霧化式静電スプレー、ホットスプレー、ホットエアレススプレー等が挙げられる。膜厚を均一とするには、再公表平1−805198号公報に記載されている回転霧化式静電スプレーを用い方法が好ましい。
スパイラル法としては、特開昭52−119651号公報に記載されている注液塗布機又はカーテン塗布機を用いた方法、特開平1−231966号公報に記載されている微小開口部から塗料を筋状に連続して飛翔させる方法、特開平3−193161号公報に開示されているマルチノズル体を用いた方法等が挙げられる。
<画像形成装置>
本発明の電子写真感光体を使用する複写機、プリンター等の画像形成装置は、少なくとも帯電、露光、現像、転写、除電の各プロセスを含むが、どのプロセスも通常用いられる方法のいずれを用いても良い。
帯電方法(帯電機)としては、例えばコロナ放電を利用したコロトロン、スコロトロン帯電の他に、電圧印加された直接帯電部材を感光体表面に接触させて帯電させる直接帯電手段を用いてもよい。直接帯電手段としては、導電性ローラーあるいはブラシ、フィルムなどによる接触帯電などいずれを用いてもよく、気中放電を伴うもの、あるいは気中放電を伴わない注入帯電いずれも可能である。このうち、コロナ放電を使用した帯電方法では暗部電位を一定に保つため、スコロトロン帯電が好ましい。導電性ローラー等を用いた接触帯電装置の場合の帯電方式としては、直流帯電または交流重畳直流帯電を用いることができる。
露光光はハロゲンランプ、蛍光灯、レーザー(半導体、He−Ne)、LED、感光体内部露光方式等が用いられるが、デジタル式電子写真方式として、レーザー、LED、光シャッターアレイ等を用いることが好ましい。波長としては780nmの単色光の他、600〜700nm領域のやや短波長寄りの単色光、および380〜500nm領域の短波長単色光を用いることができる。
現像工程はカスケード現像、1成分絶縁トナー現像、1成分導電トナー現像、二成分磁気ブラシ現像などの乾式現像方式や湿式現像方式などが用いられる。トナーとしては、粉砕トナーの他に、懸濁重合、乳化重合凝集法等の重合トナーを用いることができる。特に、重合トナーの場合には、平均径4〜8μm程度の小粒径のものが用いられ、形状も球形に近いものから、ポテト状の球形から外れたものも使用することができる。重合トナーは
、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化に好適に用いられる。
転写行程はコロナ転写、ローラー転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法が用いられる。定着は熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着などが用いられる。
クリーニングにはブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラークリーナー、ブレードクリーナー、などが用いられる。
除電工程は、省略される場合も多いが、使用される場合には、蛍光灯、LED等が使用され、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーが使用される場合が多い。また、これらのプロセスのほかに、前露光工程、補助帯電工程のプロセスを有しても良い。
本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
図1に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1,帯電装置2,露光装置3及び現像装置4を備えて構成され、更に、必要に応じて転写装置5,クリーニング装置6及び定着装置7が設けられる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2,露光装置3,現像装置4,転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
帯電装置2は、電子写真感光体1を帯電させるもので、電子写真感光体1の表面を所定電位に均一帯電させる。図1では帯電装置2の一例としてローラ型の帯電装置(帯電ローラ)を示しているが、他にもコロトロンやスコロトロン等のコロナ帯電装置、帯電ブラシ等の接触型帯電装置などがよく用いられる。
なお、電子写真感光体1及び帯電装置2は、多くの場合、この両方を備えたカートリッジ(以下適宜、感光体カートリッジという)として、画像形成装置の本体から取り外し可能に設計されている。そして、例えば電子写真感光体1や帯電装置2が劣化した場合に、この感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することができるようになっている。また、後述するトナーについても、多くの場合、トナーカートリッジ中に蓄えられて、画像形成装置本体から取り外し可能に設計され、使用しているトナーカートリッジ中のトナーが無くなった場合に、このトナーカートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しいトナーカートリッジを装着することができるようになっている。更に、電子写真感光体1,帯電装置2,トナーが全て備えられたカートリッジを用いることもある。
露光装置3は、電子写真感光体1に露光を行なって電子写真感光体1の感光面に静電潜像を形成することができるものであれば、その種類に特に制限はない。具体例としては、ハロゲンランプ、蛍光灯、半導体レーザーやHe−Neレーザー等のレーザー、LEDなどが挙げられる。また、感光体内部露光方式によって露光を行なうようにしてもよい。露光を行なう際の光は任意であるが、例えば波長が780nmの単色光、波長600nm〜700nmのやや短波長寄りの単色光、波長380nm〜500nmの短波長の単色光などで露光を行なえばよい。
現像装置4は、その種類に特に制限はなく、カスケード現像、一成分導電トナー現像、二成分磁気ブラシ現像などの乾式現像方式や、湿式現像方式などの任意の装置を用いることができる。図1では、現像装置4は、現像槽41、アジテータ42、供給ローラ43、現像ローラ44、及び、規制部材45からなり、現像槽41の内部にトナーTを貯留している構成となっている。また、必要に応じ、トナーTを補給する補給装置(図示せず)を現像装置4に付帯させてもよい。この補給装置は、ボトル、カートリッジなどの容器からトナーTを補給することが可能に構成される。
供給ローラ43は、導電性スポンジ等から形成される。現像ローラ44は、鉄,ステンレス鋼,アルミニウム,ニッケルなどの金属ロール、又はこうした金属ロールにシリコン樹脂,ウレタン樹脂,フッ素樹脂などを被覆した樹脂ロールなどからなる。この現像ローラ44の表面には、必要に応じて、平滑加工や粗面加工を加えてもよい。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
規制部材45は、シリコン樹脂やウレタン樹脂などの樹脂ブレード、ステンレス鋼,アルミニウム,銅,真鍮,リン青銅などの金属ブレード、又はこうした金属ブレードに樹脂を被覆したブレード等により形成されている。この規制部材45は、現像ローラ44に当接し、ばね等によって現像ローラ44側に所定の力で押圧(一般的なブレード線圧は5〜500g/cm)される。必要に応じて、この規制部材45に、トナーTとの摩擦帯電によりトナーTに帯電を付与する機能を具備させてもよい。
アジテータ42は、回転駆動機構によってそれぞれ回転されており、トナーTを攪拌するとともに、トナーTを供給ローラ43側に搬送する。アジテータ42は、羽根形状、大きさ等を違えて複数設けてもよい。
トナーTの種類は任意であり、粉状トナーのほか、懸濁重合法や乳化重合法などを用いた重合トナー等を用いることができる。特に、重合トナーを用いる場合には径が4〜8μm程度の小粒径のものが好ましく、また、トナーの粒子の形状も球形に近いものからポテト上の球形から外れたものまで様々に使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化に好適に用いられる。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法など、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー,転写ローラ,転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙,媒体)Pに転写するものである。
クリーニング装置6について特に制限はなく、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、ブレードクリーナーなど、任意のクリーニング装置を用いることができる。クリーニング装置6は、感光体1に付着している残留トナーをクリーニング部材で掻き落とし、残留トナーを回収するものである。
定着装置7は、上部定着部材(定着ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成され、定着部材71又は72の内部には加熱装置73がそなえられている。なお
、図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73がそなえられた例を示す。上部及び下部の各定着部材71,72は、ステンレス,アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シートなどが公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71,72は、離型性を向上させる為にシリコンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
記録紙P上に転写されたトナーは、所定温度に加熱された上部定着部材71と下部定着部材72との間を通過する際、トナーが溶融状態まで熱加熱され、通過後冷却されて記録紙P上にトナーが定着される。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
以上のように構成された電子写真装置では、次のようにして画像の記録が行なわれる。即ち、まず感光体1の表面(感光面)が、帯電装置2によって所定の電位(例えば−600V)に帯電される。この際、直流電圧により帯電させても良く、直流電圧に交流電圧を重畳させて帯電させてもよい。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像装置4は、供給ローラ43により供給されるトナーTを、規制部材(現像ブレード)45により薄層化するとともに、所定の極性(ここでは感光体1の帯電電位と同極性であり、負極性)に摩擦帯電させ、現像ローラ44に担持しながら搬送して、感光体1の表面に接触させる。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置7を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで、最終的な画像が得られる。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
また、画像形成装置は更に変形して構成してもよく、例えば、前露光工程、補助帯電工程などの工程を行なうことができる構成としたり、オフセット印刷を行なう構成としたり、更には複数種のトナーを用いたフルカラータンデム方式の構成としてもよい。
以下本発明を実施例、比較例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらに限定されるものではない。なお、実施例中で用いる「部」は特に断りが
ない限り、「重量部」を示す。
<分散液S1の作製方法>
平均一次粒子径40nmのルチル型白色の酸化チタン(石原産業(株)製、製品名 TTO55N)と該酸化チタンに対して3重量%のメチルジメトキシシランをボールミルにて混合して得られたスラリーを乾燥後、更にメタノールで洗浄した後乾燥して得られた疎水化処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノール=5/2の混合溶媒中でボールミル分散を行い、固形分濃度33.3重量%の疎水化処理酸化チタンの分散スラリーを得た。
ここで得られた分散スラリーに、更に、メタノール、1−プロパノール、トルエン、及び下記構造式で表されるナイロンのペレットを混合し、加温しながら攪拌して、ナイロンペレットを溶解し、その後、超音波分散処理を行うことにより、最終的に、溶媒としてメタノール/1−プロパノール/トルエン=5/2/3(重量比)、固形分として疎水化処理酸化チタン/ナイロン=3/1(重量比)、固形分濃度24%の分散液を調整し、これを分散液S1とした。
Figure 0004151515
<分散液S2の作製方法>
9.8MPa圧粉体の電気抵抗が120Ω・cm、黒色度(L値)15、電子顕微鏡観察による一次粒子径が0.2〜0.4μmの黒色酸化チタン(赤穂化成(株) 製品名 Tilack D(微粒タイプ))をメタノール/1−プロパノール=5/2の混合溶媒中でボールミル分散を行い、固形分濃度33.3重量%の黒色酸化チタンの分散スラリーを得た。更に、メタノール、1−プロパノール、トルエン、ナイロンのペレットを添加し、加温しながら攪拌混合を行い、ナイロンペレットを溶解し、その後、超音波分散処理を行うことにより、最終的に、固形分濃度24重量%の黒色酸化チタン/ナイロン=3/1の分散液を調整し、これを分散液S2とした。
<分散液S3の作製方法>
分散液S1の作製と同様にして、疎水化処理白色酸化チタンをメタノール/1−プロパノールの混合溶媒中でボールミル分散を行い、疎水化処理白色酸化チタンの分散スラリーを得た。また、分散液S2の作成と同様にして、黒色酸化チタンの分散スラリーを作製した。
得られた2つの分散スラリーを混合し、更に、メタノール、1−プロパノール、トルエン、ナイロンのペレットを添加し、加温しながら攪拌混合を行い、ナイロンペレットを溶解し、その後、超音波分散処理を行うことにより、最終的に、固形分濃度24重量%の疎水化処理白色酸化チタン/黒色酸化チタン/ナイロン=2.625/0.375/1の分散液を調整し、これを分散液S3とした。
<分散液S4の作製方法>
分散液S2の作製と同様にして、9.8MPa圧粉体の電気抵抗が20Ω・cm、黒色度(L値)17、電子顕微鏡観察による一次粒子径が0.03〜0.1μmの黒色酸化チタン(赤穂化成(株) 製品名 Tilack D(超微粒タイプ))をメタノール/1−プロパノールの混合溶媒中でボールミル分散を行い、黒色酸化チタンの分散スラリーを得た。更に、メタノール、1−プロパノール、トルエン、ナイロンのペレットを添加し、加温しながら攪拌混合を行い、ナイロンペレットを溶解し、その後、超音波分散処理を行うことにより、最終的に、固形分濃度24重量%の、黒色酸化チタン/ナイロン=3/1の分散液を調整し、これを分散液S4とした。
<分散液S5の作製方法>
分散液S1の作製と同様にして疎水化処理白色酸化チタンをメタノール/1−プロパノールの混合溶媒中でボールミル分散を行い、疎水化処理白色酸化チタンの分散スラリーを得た。また、同様にして、平均粒径0.28±0.03μmのシリカ球状粒子(株式会社日本触媒 製品名 シーホスターKE−P30)の分散スラリーを作製した。得られた2つの分散スラリーを混合し、更に、メタノール、1−プロパノール、トルエン、ナイロンのペレットを添加し、加温しながら攪拌混合を行い、ナイロンペレットを溶解し、その後、超音波分散処理を行うことにより、最終的に、固形分濃度24重量%の疎水化処理白色酸化チタン/シリカ球状粒子/ナイロン=3/1/1の分散液を調整し、これを分散液S5とした。
<参考例1>
分散液S2を、表面が鏡面仕上げされた外径30mm、長さ357mm、肉厚0.75mmのアルミニウム製シリンダーに浸漬塗布し、その乾燥膜厚が、2μmとなるように下引き層を設けた。
次に、CuKα線により粉末X線スペクトルパターンにおいてブラック角2θ(±0.2゜)27.3゜に特徴的なピークを示すオキシチタニウムフタロシニアン10部、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名#6000−C)5部、1,2−ジメトキシエタン500部を混合し、サンドグラインドミルで粉砕、分散処理を行った。この分散液を、先のアルミニウム製シリンダーの下引き層上に浸漬塗布し、その乾燥膜厚が0.3g/m2 (約0.3μm)となるように電荷発生層を設けた。
次に下記構造式で表される共重合ポリカーボネート100部
Figure 0004151515
下記構造式で表されるアリールアミン系化合物50部
Figure 0004151515
下記構造式で表されるヒンダードフェノール系化合物8部
Figure 0004151515
をテトラヒドロフラン:トルエン=8/2の混合溶媒560部と混合した塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布することにより、乾燥後の膜厚が25μmになるように電荷移動層をもうけた。このようにして得られた感光体をA1とする。
参考例2
参考例1で用いたアルミニウム製シリンダー上に、分散液S2を浸漬塗布し、その乾燥膜厚が4μmとなるように下引き層を設けた以外は、参考例1と同様にして感光体を得た。このようにして得た感光体をA2とする。
参考例3>
参考例1で用いたアルミニウム製シリンダー上に、分散液S2を浸漬塗布し、その乾燥膜厚が6μmとなるように下引き層を設けた以外は、参考例1と同様にして感光体を得た。このようにして得た感光体をA3とする。
<実施例>
参考例1で用いたアルミニウム製シリンダー上に、分散液S3を浸漬塗布し、その乾燥膜厚が4μmとなるように下引き層を設けた以外は、参考例1と同様にして感光体を得た。このようにして得た感光体をA4とする。
参考例4
参考例1で用いたアルミニウム製シリンダー上に、分散液S4を浸漬塗布し、その乾燥膜厚が4μmとなるように下引き層を設けた以外は、参考例1と同様にして感光体を得た。このようにして得た感光体をA5とする。
<比較例1>
参考例1で用いたアルミニウム製シリンダー上に、分散液S1を浸漬塗布し、その乾燥膜厚が2μmとなるように下引き層を設けた以外は、参考例1と同様にして感光体を得た。このようにして得た感光体をB1とする。
<比較例2>
参考例1で用いたアルミニウム製シリンダー上に、分散液S5を浸漬塗布し、その乾燥膜厚が4μmとなるように下引き層を設けた以外は、参考例1と同様にして感光体を得た。このようにして得た感光体をB2とする。
<評価>
次にこれらの電子写真感光体を電子写真学会標準に従って作製された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)に装着し、感光体特性測定機に装着して、25℃/50%環境(以下、NN環境ということがある)下の表面電位が−700Vになるように帯電させた後、780nmの光を照射した時の半減露光量(以下、E1/2ということがある)、更に−700Vに帯電して5秒放置後の電位保持率(以下、DDRということがある)、660nmのLED光を照射した後の残留電位(以下、Vrということがある)を測定した。この電気特性評価結果を表1に示す。
Figure 0004151515
実施例、参考例1〜4の感光体A1〜A5、比較例1,2の感光体B1,B2何れも、良好な電気特性を示した。
次に、ポリエステルフィルム上に塗布液S1〜S5を、乾燥後の膜厚が表2のようになるように、ワイヤーバーで塗布し、下引き層を形成した。これらの下引き層の780nmにおける透過率を、分光光度計(島津製作所 製品名 UV−3100PC)をもちいて、測定した。また、これらの下引き層の780nmにおける標準白板(BaSO4粉末)
に対する拡散反射率を、積分球付属装置(島津製作所 製品名 ISR−3100)を用いて測定した。それぞれの結果を表4に示す。
黒色酸化チタンを含有するS2〜S4からなる下引き層では、透過率、拡散反射率ともに15%以下となった。一方、疎水化処理酸化チタンのみを用いた塗布液S1を塗布してなる下引き層では、拡散反射率は15%以下であったが、透過率が大きかった。また、疎水化処理酸化チタンと、シリカ球状粒子を用いた塗布液S5を塗布してなる下引き層では、透過率、拡散反射率共に15%以上であった。
Figure 0004151515
次に実施例、参考例1〜4の感光体A1〜A4および比較例1,2の感光体B1,B2を市販のモノクロレーザープリンター(ヒュウレッドパッカード社製 LASER JET 5000 PCL6)に装着して、NN環境下で、ProRes 1200−最高品質モード(1200dpiモード)で5種類の濃度のハーフトーン(最も薄いHT1から最も濃いHT5まで)画像を形成し、画像評価を行った。肉眼で干渉縞が確認できないものを○、干渉縞が認められるものを×とした。その結果を表3に示す。
Figure 0004151515
実施例、参考例の感光体A1〜A5では、いずれの濃度のハーフトーン画像においても干渉縞模様は観察されず、良好な画像を形成することができたが、比較例の感光体B1では、いずれの濃度のハーフトーン画像でも明確に干渉縞模様が観察された。また、比較例の感光体B2では、薄い濃度のハーフトーン画像では干渉縞は確認されないものの、濃いハーフトーン画像では干渉縞模様が観察された。
画像評価結果と分光光度計による測定結果から、黒色酸化チタンを含有する下引き層を有する電子写真感光体では、干渉縞模様が発生しない良好な画像が得られることが分かった。
電子写真感光体の下引き層に、9.8MPa圧粉体の電気抵抗値が10-1〜104Ω・
cmである黒色の無機化合物を含有させることにより、可干渉光を光源として用いるプリンター、ファクシミリ、複写機等の電子写真装置に適用可能な電子写真感光体を提供することができる。
本発明の電子写真感光体を備えた画像形成装置の一実施態様の要部構成を示す概略図である。
符号の説明
1 感光体
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙,媒体)

Claims (9)

  1. 導電性基体上に、下引き層および感光層を有する電子写真感光体において、該下引き層が、9.8MPa圧粉体の電気抵抗が1〜104Ω・cmである黒色の無機化合物と、n型
    性の金属化合物粒子を含有することを特徴とする、電子写真感光体。
  2. 黒色の無機化合物が、黒色酸化チタンであることを特徴とする、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記下引き層の、780nmにおける透過率および拡散反射率が、ともに15%以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記黒色無機化合物の一次粒子径が、0.5μm以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. n型性の金属化合物粒子が白色酸化チタンであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  6. 下引き層に含まれる金属化合物粒子の総量が、バインダー樹脂1重量部に対して、2〜4重量部であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  7. 黒色の無機化合物が下引き層に含まれる全金属化合物粒子に対して10重量%以上であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  8. 下引き層の膜厚が1μm〜18μmであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする、画像形
    成装置。
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