JP2015191167A - 電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
に「感光体」ともいう。) については、無公害で成膜が容易、製造が容易である等の利
点を有する有機系の光導電物質を使用した感光体が使用されている。
有機系電子写真感光体においては、電荷の発生と移動の機能を別々の化合物に分担させる、いわゆる機能分離型の感光体が、材料選択の余地が大きく、感光体の特性の制御がし易いことから、開発の主流となっている。層構成の観点からは、電荷発生材料と電荷輸送材料を同一の層中に有する単層型の電子写真感光体(以下、単層型感光体という。)と、電荷発生材料と電荷輸送材料を別々の層(電荷発生層と電荷輸送層)中に分離、積層する積層型の電子写真感光体(以下、積層型感光体という。)が知られている。
電位(明電位)が残留して、次の周における帯電工程を経ても、かかる部分においては所望する帯電電位(暗電位)を得ることができない現象(露光メモリー)が発生しやすい問題がある。そして、露光メモリーの発生する部分と発生しない部分とでは画像濃度が変わってしまい、良好な画像を得難い問題がある。
露光メモリーの発生を抑制する手段として、感光層の膜厚を薄くすること、感光層に含有させる電荷発生材料の含有量を少なくすることが有効であるが、その場合には、感光層の露光光に対する感度が低下するため、所望の画像濃度が得られないといった課題があった。近年、電子写真プロセスの高速化に対応するため、より少ない露光エネルギーでも十分な明電位を得られる高感度特性を持った感光体が望まれているが、前述の課題のため、十分な感度と良好なメモリー特性を両立させることが難しかった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、接触帯電方式の帯電部を備え、正帯電単層型電子写真感光体を用いる画像形成装置において、良好な感度特性とメモリー特性の両方を有する正帯電単層型電子写真感光体を提供することを目的とする。また、本発明は前述の正帯電単層型電子写真感光体を像担持体として備える画像形成装置を提供することを目的とする。
<1>導電性支持体上に、少なくとも電荷発生物質、電荷輸送物質、及びバインダー樹脂を含む単層型感光層を有する接触帯電方式に用いられる正帯電用電子写真感光体であって、前記電荷発生物質が、CuKα特性による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)7.6°、10.3°、22.5°、24.2°、25.4°及び28.6°に主たる回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニン組成物であることを特徴とする、正帯電用電子写真感光体。
<2>前記電荷発生物質の含有量が、バインダー樹脂100質量部に対し2質量部以上10質量部以下であることを特徴とする<1>に記載の電子写真感光体。
<3>前記感光層の膜厚が、15um以上40um以下であることを特徴とする<1>又は<2>に記載の電子写真感光体
<4>前記感光層が、下記式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする、<1>〜<3>のいずれかに電子写真感光体。
<5>前記感光層が、下記式(2)又は(3)で表される化合物を含有することを特徴とする、<1>〜<4>のいずれかに電子写真感光体。
<6><1>〜<5>のいずれかに記載の電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を帯電させる帯電装置、該帯電した電子写真感光体を露光させて静電潜像を形成する露光装置、及び、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像装置からなる群から選ばれる少なくとも1つ、を備えたことを特徴とする電子写真感光体カートリッジ。
<7><1>〜<5>のいずれかに記載の電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、該帯電した電子写真感光体を露光させて静電潜像を形成する露光装置、及び、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像装置、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
以下に、本発明の電子写真感光体の構成について説明する。本発明の電子写真感光体は単層型感光層を有する。単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質に加えて、膜強度確保のためにバインダー樹脂を使用して形成する。具体的には、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、導電性支持体上(下引き層を設ける場合は下引き層上)に塗布、乾燥して得ることができる。
導電性支持体については特に制限はないが、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫等の導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使
用される。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用しても良い。導電性支持体の形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状等のものが用いられる。更には、金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性等の制御や欠陥被覆のために、適当な抵抗値を有する導電性材料を塗布したものを用いても良い。また、導電性支持体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いた場合、陽極酸化被膜を施してから用いても良い。陽極酸化被膜を施した場合には、公知の方法により封孔処理を施すのが望ましい。
導電性支持体と感光層との間には、接着性、ブロッキング性等の改善、支持体の表面欠陥の隠ぺい等の目的のため、下引き層を設けても良い。下引き層としては、樹脂、又は樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したもの等が用いられる。また、下引き層は、単一層からなるものであっても、複数層からなるものであってもかまわない。
で使用してもよい。中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は、良好な分散性、塗布性を示すことから好ましい。
下引き層の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、電子写真感光体の電気特性、強露光特性、画像特性、繰り返し特性、及び製造時の塗布性を向上させる観点から、通常は0.01μm以上、好ましくは0.1μm以上、また、通常30μm以下、好ましくは20μm以下である。下引き層には、公知の酸化防止剤等を混合しても良い。画像欠陥防止等を目的として、顔料粒子、樹脂粒子等を含有させて用いても良い。
本発明の電荷発生物質は、CuKα特性による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)7.6°、10.3°、22.5°、24.2°、25.4°及び28.6°に主たる回折ピークを示す。前記ピークは、一般的にはB型もしくはα型と呼ばれる結晶型のものである。本発明に係るオキシチタニウムフタロシアニン組成物はこれらの結晶型を有するものであれば、どのような製造方法であってよい。
また、オキシチタニウムフタロシアニン組成物は、本発明に係る前述した1種を単独、あるいは2種類を混合して用いてもよい。また、主成分が本発明に係る前述のオキシチタニウムフタロシアニン組成物であれば、それとは異なる公知の顔料を混合して2種類以上の顔料を用いてもよい。主成分とは使用する電荷発生物質の総量に対し、50質量%以上
の含量である成分を指す。このとき混合する電荷発生物質としては、例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料等が挙げられ、これらの中でも、光感度の面から、特にフタロシアニン顔料またはアゾ顔料が好ましい。電荷発生物質としてこれらの顔料を使用する場合、通常はこれらの顔料の微粒子を、各種のバインダー樹脂で結着した分散層の形で使用する。
本発明に係る電子写真感光体の感光層形成用塗布液に用いられるバインダー樹脂としては、感光層形成用塗布液に用いられる有機溶媒に可溶であれば、特に限定されるものではない。バインダー樹脂の例としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールや、アセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル系ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、カゼインや、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシ変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アルキッド樹脂、シリコン−アルキッド樹脂
、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の絶縁性樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルペリレン等の有機光導電性ポリマーの中から選択し、用いることが出来るが、これらポリマーに限定されるものではない。また、これらのバインダー樹脂は単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。
電荷輸送物質としては特に限定されず、任意の物質を用いることが可能である。公知の電荷輸送物質の例としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、ペリレン等のイミド化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物等の電子輸送物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、或いはこれらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等の正孔輸送物質等が挙げられる。これらの電荷輸送物質は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせで併用しても良い。この中でも、単層型感光層における電気特性の観点から、下記式(1)で表される正孔輸送物質を少なくとも一種含することが好ましい。
上記式(1)においてAr1〜Ar6は、それぞれ独立して置換基を有していても良いアリール基を表す。アリール基の炭素数としては、30以下、好ましくは20以下、更に好ましくは15以下である。具体的にはフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基等があげられる。中でも、電子写真感光体の特性を考慮すると、フェニル基、ナフチル基、アントリル基が好ましく、電荷輸送能力の観点からは、フェニル基、ナフチル基がより好ましく、フェニル基が更に好ましい。Ar1〜Ar6が有していてもよい置換基としてはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられ、具体的にはアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等の直鎖状アルキル基、イソプロピル基、エチルヘキシル基等の分岐状アルキル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基が挙げられ、アリール基としては、置換基を有していてもよ
いフェニル基、ナフチル基等が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等の直鎖状アルコキシ基、イソプロポキシ基、エチルヘキシロキシ基等の分岐状アルコキシ基、シクロヘキシロキシ基等の環状アルコキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、1,1,1−トリフルオロエトキシ基等のフッ素原子を有するアルコキシ基が挙げられ、ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等があげられる。これらの中でも、製造原料の汎用性から炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基が好ましく、製造時の取扱性の面から、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基がより好ましく、電子写真感光体としての光減衰特性の面から、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基が更に好ましい。Ar1〜Ar6がフェニル基である場合、電荷輸送能力の観点から置換基を有することが好ましく、置換基の数としては1〜5個が可能であるが、製造原料の汎用性からは1〜3個が好ましく、電子写真感光体の特性の面からは、1〜2個がより好ましい。また、Ar1〜Ar6がナフチル基である場合は、製造原料の汎用性から置換基の数が2以下、もしくは置換基を有さないことが好ましく、より好ましくは置換基の数が1、もしくは置換基を有さないことである。Ar1〜Ar6は、窒素原子に対してオルト位又はパラ位に少なくとも1つの置換基を有することが好ましく、置換基としては、表面抵抗低減抑制の観点からアルキル基を有することが好ましく、炭素数1〜20のアルキル基がより好ましい。
また、単層型感光層における電気特性の観点から、下記式(2)又は(3)で表される電子輸送物質を少なくとも一種含することが好ましい。
R1〜R4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等の直鎖状アルキル基、ターシャリーブチル基、イソプロピル基、エチルヘキシル基等の分岐状アルキル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基が挙げられ、R1〜R4は、電子輸送能の観点から分岐状アルキル基が好ましい。
前記感光層形成用塗布液に用いる有機溶媒としては、バインダー樹脂を溶解するものであれば特に限定されるものではない。例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン等の飽和脂肪族系溶媒、トルエン、キシレン、アニソール等の芳香族系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒、グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、アセトン、シクロヘキサノンお、メチルエチルケトン等の鎖状、及び環状ケトン系溶媒、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のエーテルケトン溶媒、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、1,2―ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等の鎖状、及び環状エーテル系溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルフォラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。後述の下引き層を溶解しないものが好ましく用いられる。またこれらは単独、または2種以上を併用しても用いることが可能である。
単層型感光層形成用の塗布液の製造方法としては、公知の方法、例えばサンドグラインドミル、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、及び超音波分散機等を用いて、前記電荷発生物質、電荷輸送物質、バインダー樹脂及び有機溶媒を分散混合して塗布液を調整することができる。これら含有物のすべてを同時に分散混合してもよいし、前記含有物の一部を別々に有機溶剤に混合または分散させたものを、最後に調合することで塗布液を作製してもよい。
上記した感光体を構成する各層は、含有させる物質を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布液を、導電性支持体上に浸漬塗布、リング塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等の公知の方法により、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。溶媒又は分散媒の使用量は特に制限されないが、各層の目的や選択した溶媒・分散媒の性質を考慮して、塗布液の固形分濃度や粘度等の物性が所望の範囲となるように適宜調整するのが好ましい。
塗布液の乾燥は、室温における放置乾燥後、通常30℃以上、200℃以下の温度範囲で、1分から2時間の間、静止又は送風下で加熱乾燥させることが好ましい。また、加熱温度は一定であってもよく、乾燥時に温度を変更させながら加熱を行っても良い。
次に、本発明の電子写真感光体を用いたドラムカートリッジ、画像形成装置について、装置の一例を示す図2に基づいて説明する。
図2において、1はドラム状感光体であり、正帯電方式の電子写真プロセスに用いられる。矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1はその回転過程で帯電手段2により、その表面に正の所定電位の均一帯電を受け、ついで露光部3において像露光手段により潜像形成のための露光が行われる。
び下部の各定着部材71、72は、ステンレス、アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シートなどが公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71、72は、離型性を向上させる為にシリコーンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
露光はハロゲンランプ、蛍光灯、レーザー(半導体、He−Ne)、LED、感光体内部露光方式等が用いられるが、デジタル式電子写真方式として、レーザー、LED、光シャッターアレイ等を用いることが好ましい。波長としては780nmの単色光の他、600〜700nm領域のやや短波長寄りの単色光を用いることができる。
あるいは「重量部」を示す。
CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)が27.3°に強い回折ピークを示し、図3に示す粉末X線回折スペクトルを有するオキシチタニウムフタロシアニン10質量部を1,2−ジメトキシエタン150質量部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行い、顔料分散液を作製した。こうして得られた160質量部の顔料分散液を、ポリビニルブチラール(電気化学工業社製、商品名#6000C)の5質量%1,2−ジメトキシエタン溶液100質量部と適量の1,2−ジメトキシエタンに加え、最終的に固形分濃度4.0質量%の分散液を作製した。
この分散液を、外径24mm、長さ248mm、肉厚0.75mmのアルミニウム合金よりなるシリンダー上に、乾燥後の膜厚が0.4μmとなるように浸漬塗布した後、乾燥して下引き層を形成した。
表−1のとおりに、感光層膜厚、電子輸送剤種類、B−TiOPcの質量部を変更した以外は、実施例1と同様にして単層型感光体を得た。
[比較例1]
B−TiOPcの代わりに無金属フタロシアニン(H2Pc)を用い、シリカ粒子分散液を混合しないこと以外は、実施例1と同様にして単層型感光体を得た。
表−1のとおりに、感光層膜厚を変更した以外は、比較例1と同様にして単層型感光体を得た。
<電気特性試験>
電子写真学会測定標準に従って製造された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)を使用し、上記感光体ドラムを一定回転数50rpmで回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行なった。その際、感光体の初期表面電位が+700Vになるように帯電させ、ハロゲンランプの光を干渉フィルターで780nmの単色光としたものを露光したときの露光後表面電位が、初期表面電位の半分の値をとった時の露光エネルギーを感光層の感度(μJ/cm2)とした。このとき、露光から電位測定に要する時間を233ミリ秒とした。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%で行なった。
実施例及び比較例で得られた正帯電単層型感光体を、帯電ローラーによる接触帯電方式を用いるプリンター(FS−1040、京セラミタ株式会社製)に装着し、印刷画像を観察した。ハーフトーンの画質評価は、画像が均一でカスレが全くない場合を◎、画像が均一であるが、濃度の低下から軽微なカスレが見られる場合を〇、画像の一部にカスレが見られる場合を△、画像全面にカスレが見られる場合を×とした。また、カブリの評価は、カブリが全く無く良好な場合を◎、概ね良好であるが軽微なカブリが見られるものを〇、画像の一部にカブリが見られる場合を△、画像全面にカブリが見られる場合を×とした。また、露光メモリーの評価は、感光体の前周の印字パターン(一辺が20mmのアルファベット)が次週のハーフトーン上に現れる露光メモリーの強さを評価した。前周の印字パターンがハーフトーン上にまったく現れない状態を◎、前周の印字パターンがごくわずかに現れる状態を〇、前周の印字パターンがぼんやりと現れるが、読み取れない状態を△、前周の印字パターンがくっきりと現れ、明瞭に読み取れる状態を×とした。評価結果を表−1に示す。
2 帯電装置(帯電ローラ;帯電部)
3 露光装置(露光部)
4 現像装置(現像部)
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙,媒体)
Claims (7)
- 導電性支持体上に、少なくとも電荷発生物質、電荷輸送物質、及びバインダー樹脂を含む単層型感光層を有する接触帯電方式に用いられる正帯電用電子写真感光体であって、前記電荷発生物質が、CuKα特性による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)7.6°、10.3°、22.5°、24.2°、25.4°及び28.6°に主たる回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニン組成物であることを特徴とする、正帯電用電子写真感光体。
- 前記電荷発生物質の含有量が、バインダー樹脂100質量部に対し2質量部以上10質量部以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層の膜厚が、15um以上40um以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体
- 前記感光層が、下記式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする、電子写真感光体。
- 前記感光層が、下記式(2)又は(3)で表される化合物を含有することを特徴とする、電子写真感光体。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を帯電させる帯電装置、該帯電した電子写真感光体を露光させて静電潜像を形成する露光装置、及び、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像装置からなる群から選ばれる少なくとも1つ、を備えたことを特徴とする電子写真感光体カートリッジ。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、該帯電した電子写真感光体を露光させて静電潜像を形成する露光装置、及び、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像装置、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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