JP7069552B2 - 電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、最表層である単層型感光層に特定構造を有するバインダー樹脂を含有させることで、カブリに対し優れた効果を発揮する電子写真感光体及び画像形成装置、カートリッジに関するものである。
電子写真技術は、即時的に高品質の画像が得られること等から、複写機、各種プリンター等の分野で広く応用されている。電子写真技術の中核となる電子写真感光体( 以下、
単に「感光体」ともいう。) については、無公害で成膜が容易である、製造が容易であ
る等の利点を有する有機系の光導電材料を使用した有機感光体が使用されている。
有機電子写真感光体においては、電荷の発生と移動の機能を別々の化合物に分担させる、いわゆる機能分離型の感光体が、材料選択の余地が大きく、感光体の特性の制御がし易いことから、開発の主流となっている。層構成の観点からは、電荷発生材料と電荷輸送材料を同一の層中に有する単層型の電子写真感光体(以下、単層型感光体という。)と、電荷発生材料と電荷輸送材料を別々の層(電荷発生層と電荷輸送層)中に分離、積層する積層型の電子写真感光体(以下、積層型感光体という。)が知られている。
このうち積層型感光体は、感光体設計上からは、層ごとに機能の最適化が図り易く、特性の制御も容易なことから、現行感光体の大部分はこのタイプになっている。このような積層型感光体のほとんどのものは、基体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層をこの順序で有している。該電荷輸送層においては、好適な電子輸送材料がきわめて少ないのに対して、正孔輸送材料は特性の良好な材料が数多く知られている。そのため、このような正孔輸送材料を用いた積層型感光体においては、帯電においては負帯電方式が採用される。このような負帯電方式において、負のコロナ放電により感光体を帯電させる場合に、発生するオゾンが環境及び感光体特性に悪影響を及ぼすことがある。
それに対し、単層型感光体においては、負帯電方式であっても正帯電方式であっても利用できるので、正帯電方式を利用すれば、上記積層型感光体で問題になるオゾン発生を低く抑えることができる。そのため、電気特性面では負帯電の積層型感光体よりも劣るものが多いものの、一部実用化されている。このようなオゾン発生に対する効果の他にも、単層型感光体は、塗布工程が少なくなる、半導体レーザー光に対する干渉縞が生じ難い、等の利点がある。単層型感光体では、以上のような利点に加え、更に、感光層の表面近傍で入射光のほとんどが吸収され、電荷が発生するので、入射光の感光層中での拡散はほとんど無視でき、更に帯電後の表面電荷が中和するまでの電荷の移動距離が積層型感光体に比べて少ないという利点が挙げられる。このため、光の拡散及び電荷の拡散による画像ボケが起き難く、高解像度が期待できるだけでなく、感光層の膜厚をより厚くした場合にも電荷の拡散及び入射光の拡散の度合いがさほど変わらず、解像度もあまり低下しない(例えば、特許文献1~5を参照)。
現像方式については、使用されるトナーの磁性、キャリアの有無、現像ローラーと感光体との接触の有無といった観点から、様々な方法が実用化され、分類されているが、近年の画像形成装置の省スペース化の要請により、特に小型の装置においては、キャリアを必要とせず、また、それに付随して、トナーとキャリアの混合比率を計測するためのトナー濃度センサー等の部材を必要としない、非磁性1成分接触現像方式が多く採用されている。また、小型化を目的として、ブレードやブラシによるクリーニング機構を省略し、現像ローラーを用いて、感光体上の残存トナーを回収する機構が提案されている。例えば、正帯現像方式の場合、転写工程の後に感光体上に残存したトナー及び感光体表面は、正極性
を与える帯電器を通過することで所定の正帯電圧に帯電する。次工程で現像ローラーを通過する際に、正帯電圧に帯電している感光体上に残存したトナーには、相対的に低い正帯電圧が印加されている現像ローラー側に移動する力が働く。このような機構により、現像ローラーを用いた感光体上の残存トナーの回収が達成される。
しかし、単層型正帯電感光体について、非磁性1成分接触現像方式によりトナーを感光体上の静電潜像へ現像しようとする場合、現像ローラーと感光体表面の間に適切な現像電界を与えた場合であっても、感光体上の非現像部にトナーが付着する、いわゆるカブリと呼ばれる現象が発生する場合があった。この現象の原因の一つとして、非磁性1成分接触現像においては、現像ローラー表面に静電気力により付着したトナー粒子と、感光体ドラム表面との間に摩擦が生じる結果、トナー粒子が意図された帯電量に帯電しない、或いは逆極性に帯電するトナーが生じ、これが非現像部に付着するという機構が考えられている。特に、現像ローラーの周速を感光体の周速よりも大きくすることで、感光体上へのトナー供給量を増大させて画像濃度を良好に維持しようとする場合、前述の現像ローラー上のトナー粒子と感光体表面との摩擦が増大し、カブリがより発生しやすくなる。また、電子写真感光体の主要成分である正孔輸送材料は、異材料と接触し摩擦が生じた場合に容易に電子を放出し、正極性に帯電する性質を有することから、逆極性に帯電されたトナー、すなわち、負帯電現像方式における正極性に帯電したトナーよりも、正帯電現像方式における負極性に帯電したトナーをより引き付けやすく、これにより、正帯電現像方式を用いた場合に、カブリの解決を難しくする傾向にあった。また、現像ローラーを用いて残存トナーを回収する機構を採用する場合、十分に残存トナーを回収するためには、感光体の帯電圧と現像ローラーの帯電圧のギャップを大きくする必要があり、感光体の帯電圧を相対的に大きくする必要があった。このような場合、逆極性に帯電したトナーはより強く感光体表面に引き付けられるため、カブリを悪化させることがあった。
このような課題に対して、感光層のバインダー樹脂として特定シロキサン構造を有するポリカーボネート樹脂を用いる方法や、感光層に電気陰性度の大きい原子を含むオレフィン重合体を用いる方法等が提案されている(例えば特許文献6~7を参照)。
特開昭61-77054号公報 特開昭61-188543号公報 特開平2-228670号公報 特公平7-97223号公報 特公平7-97225号公報 特開2001-142235号公報 特許5340057号公報
しかしながら、これらの先行技術を用いた場合であっても、カブリの抑制が不十分であり、また、感光層を構成するバインダー樹脂の構造が、カブリの抑制に与える影響について十分検討されてこなかった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、正帯電現像方式において非磁性1成分接触現像方式を用いた場合のような、カブリが発生しやすい環境においても、カブリの発生を好適に抑制できる画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、導電性支持体上に単層型感光層が形成された電子写真感光体において、
Si-O結合を有する樹脂を有するバインダー樹脂、及び特定の構造を有するバインダー樹脂を含有する場合において、前述のカブリを抑制することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には本発明は以下のものを提供する。本発明の要旨は下記の<1>~<7>に存する。
<1>
導電性支持体上に、単層型感光層を最表層として有する電子写真感光体、トナー、及び接触式現像ローラーを有する画像形成装置であって、
前記最表層が電荷発生材料、電荷輸送材料、及びSi-O結合を有する樹脂を含有し、更に下記式(1-1)で表される繰返し単位を含有するSi-O結合を有しない樹脂、下記式(1-2)で表される繰返し単位を含有するSi-O結合を有しない樹脂及び下記式(1-3)で表される繰返し単位を含有するSi-O結合を有しない樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種を含み、
該式(1-1)、式(1-2)及び式(1-3)中のR11~R14が、式(1-4)を満たし、
前記接触式現像ローラーが、前記電子写真感光体上に存在する残存トナーを回収する機構を備えていることを特徴とする画像形成装置。
Figure 0007069552000001
(式(1-1)、式(1-2)及び式(1-3)において、R11、R12はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~10のアルキル基、又は置換基を有していてもよい炭素数1~10のアルケニル基表し、R11とR12同士は互いに結合して環状構造を形成してもよい。R13はそれぞれ独立に、酸素原子、―(C=O)O―、―O―(C=O)―又は―O―(C=O)O―を表す。R14は単結合、酸素原子を表す。Ar11~Ar14はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。n及びmは、式(1-1)及び式(1-2)中におけるそれぞれの繰り返し単位の含有割合(%)を示し、0≦n≦100、0≦m≦100であり、n+m=100である。)
式(1-4)
i)繰返し単位が式(1-1)及び式(1-2)の場合、
50≦0.01・n{4R13w-(R11w+R12w)}+0.01・mR14w≦120
ii)繰返し単位が式(1-3)の場合、
50≦0.5・{4R13w-(R11w+R12w)}+0.5・R14w≦120
(式(1-4)中、R11w~R14wは、それぞれ、R11~R14の分子量を表す。)
<2>
前記最表層の弾性変形率が42%以上50%以下であることを特徴とする、<1>に記載の画像形成装置。
<3>
前記R13が―(C=O)O―又は―O―(C=O)―であることを特徴とする<1>または<2>に記載の画像形成装置。
<4>
前記Si-O結合を有する構造を有する樹脂の含有量が、前記最表層に含まれる全バインダー樹脂100質量部に対し、2質量部以上50質量部以下であることを特徴とする、<1>乃至<3>の何れか一項に記載の画像形成装置。
<5>
前記(1-1)で表される繰返し単位を含有するSi-O結合を有しない樹脂、前記式(1-2)で表される繰返し単位を含有するSi-O結合を有しない樹脂及び前記式(1-3)で表される繰返し単位を含有するSi-O結合を有しない樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種の含有量が、前記最表層に含まれる全バインダー樹脂100重量部に対し、50質量部以上98質量部以下であることを特徴とする、<1>乃至<4>のいずれか1項に記載の画像形成装置。
<6>
前記最表層のユニバーサル硬度が、170以上200以下であることを特徴とする、<1>乃至<5>のいずれか一項に記載の画像形成装置。
<7>
前記最表層に含まれる電子輸送材料の含有量が、前記感最表層に含まれる全バインダー樹脂100質量部に対し、10質量部以上60質量部以下であることを特徴とする<1>乃至<6>のいずれか一項に記載の画像形成装置。
本発明によれば、カブリの発生を好適に抑制し、良好な画像特性を得られる画像形成装置を提供できる。
本発明の画像形成装置の一実施態様の要部構成を示す概略図である。 実施例で用いたオキシチタニウムフタロシアニンのCuKα特性X線によるX線回折スペクトルを示す図である。 感光体の押込み深さに対する荷重曲線を示したグラフで、ユニバーサル硬度と弾性変形率の算出方法を示した概略図である。
以下、本発明の実施の形態につき詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は本発明の実施形態の代表例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変形して実施することができる。
≪正帯電用電子写真感光体≫
以下に、本発明の電子写真感光体の構成について説明する。本発明の電子写真感光体は単層型感光層を最表層として有する。正電荷の輸送能力を向上させるため、導電性支持体側に正孔輸送材料及びバインダー樹脂を含有する中間層を設けることもできる。
<導電性支持体>
導電性支持体については特に制限はないが、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫等の導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用してもよい。導電性支持体の形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状等のものが用いられる。更には、金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性等の制御や欠陥被覆のために、適当な抵抗値を有する導電性材料を塗布したものを用いてもよい。また、導電性支持体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いた場合、陽極酸化被膜を施してから用いてもよい。陽極酸化被膜を施した場合には、公知の方法により封孔処理を施すのが望ましい。
導電性支持体表面は、平滑であってもよいし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていてもよい。また、導電性支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものであってもよい。また、安価化のためには、切削処理を施さず、引き抜き管をそのまま使用することも可能である。
<下引き層>
導電性支持体と感光層との間には、接着性、ブロッキング性等の改善、支持体の表面欠陥の隠ぺい等の目的のため、下引き層を設けてもよい。下引き層としては、樹脂、又は樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したもの等が用いられる。また、下引き層は、単一層からなるものであっても、複数層からなるものであってもかまわない。
下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子等が挙げられる。これらは一種類の粒子を単独で用いてもよいし、複数の種類の粒子を混合して用いてもよい。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタン及び酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコン等の有機物による処理を施されていてもよい。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。また、複数の結晶状態のものが含まれていてもよい。
また、金属酸化物粒子の粒径としては種々のものが利用できるが、中でも特性及び液の安定性の点から、その平均一次粒径は、10nm以上100nm以下が好ましく、特に10nm以上50nm以下が好ましい。この平均一次粒径は、TEM写真等から得ることができる。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合
体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ニトロセルロース等のセルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物等の有機ジルコニウム化合物、チタニルキレート化合物、チタンアルコキシド化合物等の有機チタニル化合物、シランカップリング剤等の公知のバインダー樹脂が挙げられる。これらは単独で用いても良く、或いは2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、硬化剤とともに硬化した形で使用してもよい。中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は、良好な分散性、塗布性を示すことから好ましい。
本発明の単層型感光体においては、積層型感光体を構成する電荷発生層を下引き層の代用とすることもできる。この場合は、フタロシアニン顔料やアゾ顔料をバインダー樹脂中に分散して塗布したもの等が、電気特性が優れる場合があることから好適に用いられる。中でも、フタロシアニン顔料(フタロシアニン化合物)を用いることが、電気特性の点から、より好ましい。バインダー樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂類が好ましく用いられ、特にはポリビニルブチラール樹脂が好ましく用いられる。その場合、CuKα線を用いた粉末X線回折において、回折角2θ±0.2°が27.2°に明瞭なピークを示すオキシチタニウムフタロシアニンを混合することが好ましい。
下引き層に用いられるバインダー樹脂に対する粒子の使用比率は任意に選ぶことが可能であるが、分散液の安定性、塗布性の観点から、バインダー樹脂に対して、通常は10質量%以上、500質量%以下の範囲で使用することが好ましい。
下引き層の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、電子写真感光体の電気特性、強露光特性、画像特性、繰り返し特性、及び製造時の塗布性を向上させる観点から、通常は0.01μm以上、好ましくは0.1μm以上、また、通常30μm以下、好ましくは20μm以下である。下引き層には、公知の酸化防止剤等を混合してもよい。画像欠陥防止等を目的として、顔料粒子、樹脂粒子等を含有させて用いてもよい。
<単層型感光層>
単層型感光層は、電荷発生材料と電荷輸送材料に加えて、膜強度確保のためにバインダー樹脂を使用して形成する。具体的には、電荷発生材料と電荷輸送材料と各種バインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、導電性支持体上(下引き層を設ける場合は下引き層上)に塗布、乾燥して得ることができる。電荷発生材料が露光されることにより発生する負電荷は感光層表面側に、正電荷は導電性支持体側に、感光層中に形成された電場に応じてそれぞれ輸送される。最表層となる単層型感光層の弾性変形率は、42%以上60%以下が好ましい。カブリを防止する観点から、さらに好ましくは43%以上である。高い弾性変形率がカブリを抑制する機構は必ずしも明らかではないが、現像工程時にトナー粒子と感光体最表層に間に働く応力を、感光体最表層が弾性変形することで緩和するため、トナー粒子と感光体最表層との間で不要な摩擦帯電が起きにくいことが推測される。最表層は、劣化した最表層のリフレッシュ、放電生成物除去の観点から、適度に摩耗することが好ましく、この観点から、弾性変形率は、好ましくは50%以下である。
また、トナー成分による傷発生を予防する観点から、最表面のユニバーサル硬度は、160N/mm以上であることが好ましく、170N/mm以上がより好ましい。一方、感光層の劣化部分の除去、最表層のリフレッシュトナー粒子と感光体最表層の間の摩擦力の観点から、通常300N/mm以下であり、好ましくは220N/mm以下、より好ましくは200N/mm以下である。
<電荷発生材料>
電荷発生材料としては、セレニウム及びその合金、硫化カドミウム等の無機系光導電材料と、有機顔料等の有機系光導電材料とが挙げられるが、有機系光導電材料の方が好ましく、特に有機顔料が好ましい。有機顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料等が挙げられる。これらの中でも、特にフタロシアニン顔料又はアゾ顔料が好ましい。電荷発生材料として有機顔料を使用する場合、通常はこれらの有機顔料の微粒子を、各種のバインダー樹脂で結着した分散層の形で使用する。
電荷発生材料としてフタロシアニン顔料を使用する場合、具体的には無金属フタロシアニン、銅、インジウム、ガリウム、スズ、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム、アルミニウムなどの金属又はその酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、アルコキシドなどの配位したフタロシアニン類の各結晶型を持ったもの、酸素原子等を架橋原子として用いたフタロシアニンダイマー類などが使用される。特に、感度の高い結晶型であるX型、τ型無金属フタロシアニン、A型(別称β型)、B型(別称α型)、D型(別称Y型)等のチタニルフタロシアニン(別称:オキシチタニウムフタロシアニン)、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、ヒドロキシインジウムフタロシアニン、II型等のクロロガリウムフタロシアニン、V型等のヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型、I型等のμ-オキソ-ガリウムフタロシアニン二量体、II型等のμ-オキソ-アルミニウムフタロシアニン二量体が好適である。
また、これらフタロシアニンの中でも、X型無金属フタロシアニン、A型(別称β型)、B型(別称α型)、及び粉末X線回折の回折角2θ(±0.2゜)が27.1゜、もしくは27.3゜に明瞭なピークを示すことを特徴とするD型(Y型)チタニルフタロシアニン、II型クロロガリウムフタロシアニン、V型及び28.1゜にもっとも強いピークを有すること、また26.2゜にピークを持たず28.1゜に明瞭なピークを有し、かつ25.9゜の半値幅Wが0.1゜≦W≦0.4゜であることを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型μ-オキソ-ガリウムフタロシアニン二量体が特に好ましい。
フタロシアニン化合物は単一の化合物のものを用いてもよいし、幾つかの混合又は混晶状態のものを用いてもよい。ここでのフタロシアニン化合物ないしは結晶状態に置ける混合状態としては、それぞれの構成要素を後から混合したものを用いてもよいし、合成、顔料化、結晶化等のフタロシアニン化合物の製造・処理工程において混合状態を生じさせたものでもよい。このような処理としては、酸ペースト処理・磨砕処理・溶剤処理等が知られている。混晶状態を生じさせるためには、特開平10-48859号公報記載のように、2種類の結晶を混合後に機械的に磨砕、不定形化した後に、溶剤処理によって特定の結晶状態に変換する方法が挙げられる。
電荷発生材料の粒子径は、通常1μm以下であり、好ましくは0.5μm以下で使用される。感光層内に分散される電荷発生材料は、通常、結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上である。また、感度の観点から、通常20質量部以下、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。
<バインダー樹脂>
バインダー樹脂は、Si-O結合を有する樹脂を含有する。
Si-O結合を有する樹脂の構成は、公知のSi-O結合を有する樹脂の構成を用いることができる。例えば、Si-O結合を有しない繰返し構造単位をAとし、Si-O結合を有する繰返し構造単位をBとした場合、A-B(片末端にSi-O結合を有する繰返し構造単位を有するブロック共重合体)、B-A-B(両末端にSi-O結合を有する繰返
し構造単位を有するブロック共重合体 )、A-B-A(Si-O結合を有する繰返し構
造単位の両側にSi-O結合を有しない繰返し構造単位を有するブロック共重合体)、A-A(-B)-A(Si-O結合を有する繰返し構造単位が、主鎖〔Si-O結合を有しない繰返し構造単位〕から分岐しているブロック共重合体)が挙げられる。これらのうちの1つ、或いは複数の構成を組み合わせた樹脂を用いることもできる。
Si-O結合を有する樹脂はポリシロキサン構造を有すると好ましい。ポリシロキサン構造としては、下記一般式(C)で表される構造、下記一般式(E)で表されるジオール残基、又は下記一般式(F)で表されるジオール残基であることが好ましい。
Figure 0007069552000002
(一般式(C)中、RC4は、単結合、O、CO、COO、NH、NHCO、S,SO、SOを表し、RC5は、脂肪族及び芳香族のうち少なくとも一方を含む2価の有機基を表し、RC1~RC3は、少なくとも1つが下記一般式(D)で表される基であり、残りはそれぞれ独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、又はハロゲンを表す。)
カブリの発生を抑制する観点から、RC4は単結合、O、CO,COOが好ましい。
カブリの発生を抑制する観点から、RC5は置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアリーレン基が好ましく、置換基を有していてもよいアルキレン基がより好ましい。置換基を有していてもよいアルキレン基の炭素数に特に制限はないが、通常1以上であり、一方通常10以下、好ましくは6以下、より好ましくは4以下である。置換基を有していてもよいアリーレン基の炭素数に特に制限はないが、通常6以上であり、一方通常15以下、好ましくは10以下である。
カブリの発生を抑制する観点から、RC1~RC3は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基が好ましく、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基が好ましい。置換基を有していてもよいアルキル基の炭素数に特に制限はないが、通常1以上であり一方通常5以下、好ましくは4以下、より好ましくは3以下である。置換基を有していてもよいアリーレン基の炭素数に特に制限はないが、通常6以上であり、一方通常15以下、好ましくは10以下である。置換基を有していてもよいアルケニル基の炭素数に特に宣言はないが、通常3以上一方通常10以下、好ましくは5以下、より好ましくは4以下である。ハロゲンとしてはフッ素原子、塩素原子が好ましい。
Figure 0007069552000003
(一般式(D)中、RD1~RD3は、それぞれ独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、nは1~500の整数を表す。)
カブリの発生を抑制する観点から、RD1~RD3は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基が好ましく、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基が好ましい。置換基を有していてもよいアルキル基の炭素数に特に制限はないが、通常1以上であり一方通常5以下、好ましくは4以下、より好ましくは3以下である。置換基を有していてもよいアリール基の炭素数に特に制限はないが、通常6以上であり、一方通常15以下、好ましくは10以下である。nは50以下が好ましい。
Figure 0007069552000004
(一般式(E)中、RE1~RE6はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、アルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基又は式(C)を表し、pE及びqEはそれぞれ独立して0~500の整数を表す。)
カブリの発生を抑制する観点から、RE1~RE6は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基が好ましい。RE1~RE2は水素原子、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基がより好ましく、水素原子、置換基を有していてもよいアルコキシ基が更に好ましい。RE3~RE6は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基がより好ましく、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基が更に好ましい。
置換基を有していてもよいアルキル基の炭素数に特に制限はないが、通常1以上であり一方通常5以下、好ましくは4以下、より好ましくは3以下である。置換基を有していてもよいアルコキシ基の炭素数に特に制限はないが、通常1以上であり一方通常5以下、好ましくは4以下、より好ましくは3以下であり、更に好ましくはメトキシ基、エトキシ基である。置換基を有していてもよいアリール基の炭素数に特に制限はないが、通常6以上であり、一方通常15以下、好ましくは10以下である。
pE及びqEはそれぞれ独立して好ましくは1以上、一方好ましくは20以下である。
Figure 0007069552000005
(一般式(F)中、RF1~RF7はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、RF8は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は式(D)を表す。fF、gF、hF及びiFは、それぞれ独立して0~500の整数を表す。)
カブリの発生を抑制する観点から、RF1~RF8は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基が好ましく、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基が好ましい。置換基を有していてもよいアルキル基の炭素数に特に制限はないが、通常1以上であり一方通常5以下、好ましくは4以下、より好ましくは3以下である。置換基を有していてもよいアリール基の炭素数に特に制限はないが、通常6以上であり、一方通常15以下、好ましくは10以下である。fF、gF、hF、iFはそれぞれ独立して好ましくは20以下である。
なお、一般式(C)、一般式(D)、一般式(E)及び一般式(F)における置換基に特に制限はないが、具体的にはハロゲン、アルキル基、アルコキシ基が挙げられる。
カブリの発生を抑制する観点から、ハロゲンとしてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子及び塩素原子が好ましい。アルキル基の炭素数に特に制限はないが、通常1以上であり一方通常5以下、好ましくは4以下、より好ましくは3以下である。アルコキシ基の炭素数に特に制限はないが、通常1以上であり一方通常5以下、好ましくは4以下、より好ましくは3以下であり、更に好ましくはメトキシ基、エトキシ基である。更に好ましくは、置換基を有していない態様である。
Si-O結合を有する樹脂中の含有量について、Si-O結合を有しない繰返し構造単位をAとし、Si-O結合を有する繰返し構造単位をBとした場合、Bの割合は、特に限定されないが、A+Bの全量に対して、通常30mol%以下であり、好ましくは20mol%以下、より好ましくは10mol%以下であり、特に好ましくは5mol%以下である。また、通常0.001mol%以上であり、好ましくは0.01mol%以上であり、より好ましくは0.05mol%以上である。また、通常30wt%以下であり、好ましくは20wt%以下であり、より好ましくは10wt%以下であり、通常0.01wt%以上であり、好ましくは0.05wt%以上であり、より好ましくは0.1wt%以上である。
前記Si-O結合を有する樹脂の粘度平均分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、耐摩耗性の観点から、好ましくは5,000以上、より好ましくは10,000以上である。また、溶剤への溶解性、及び生産性の観点から、好ましくは100,000以下、より好ましくは90,000以下である。なお、粘度平均分子量は、例えばウベローデ型毛細管粘度計等を用いて、実施例に記載の方法で測定することができる。
感光層中の全バインダー樹脂におけるSi-O結合を有する成分を有する樹脂とその他のバインダー樹脂との配合比(質量)は、全バインダー樹脂100質量部に対してSi-O結合を有する成分を有する樹脂が、通常2質量部以上、表面滑り性の観点から、好ましくは4質量部以上である。耐摩耗性、及び表面機械物性の観点から、通常90質量部以下、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下である。
Si-O結合を有する成分を有する樹脂を構成する他の樹脂成分としては、例えば、ブタジエン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン-アルキッド樹脂、ポリ-N-ビニルカルバゾール樹脂、及びこれらのうちの複数の樹脂を共重合した樹脂が用いられる。これらの中でも、機械的強度の観点からポリカーボネート樹脂、又はポリアリレート樹脂が好ましい。分散性の観点から、ポリエステル樹脂の中でも、下記の式(A)で表される構造単位を有することが好ましい。
Figure 0007069552000006
(式(A)中、ArA1~ArA4はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、RA1は単結合、酸素原子、硫黄原子、又はアルキレン基を表す。mは0以上2以下の整数を表す。RA2は、単結合、酸素原子、硫黄原子、又はアルキレン基を表す。)
上記式(A)中、ArA1~ArA4におけるアリーレン基の炭素数としては、通常6以上であり、また、通常20以下、好ましくは10以下であり、より好ましくは6である。ArA1~ArA4の具体例としては、1,2-フェニレン基、1,3-フェニレン基、1,4-フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントリレン基等が挙げられる。中でも、アリーレン基としては、電気特性の観点から、1,4-フェニレン基が好ましい。アリーレン基は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。また、ArA1~ArA4が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン基、アルコキシ基等が挙げられる。中でも、ポリエステル樹脂を感光層用のバインダー樹脂として用いる場合、機械的特性と感光層形成用塗布液に対する溶解性とを勘案すれば、炭素数1~4のアルキル基、炭素数6~12のアリール基が好ましく、炭素数1~4のアルコキシ基も好ましい。具体的には、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が好ましく、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が好ましい。
より詳しくは、ArA3及びArA4は、それぞれ独立して置換基の数は0以上2以下が好ましく、接着性の観点から置換基を有することがより好ましく、中でも、耐摩耗性の観点から置換基の数は1個であることが特に好ましい。また、置換基としてはアルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。一方、ArA1及びArA2は、それぞれ独立し
て、置換基の数は0以上2以下が好ましく、耐摩耗性の観点から置換基を有さないことがより好ましい。
また、上記式(A)において、RA2は単結合、酸素原子、硫黄原子又はアルキレン基である。アルキレン基としては、-CH-、-CH(CH)-、-C(CH-、シクロヘキシレン基が好ましく、より好ましくは、-CH-、-CH(CH)-、-C(CH-である。また、上記式(A)において、RA1は単結合、酸素原子、硫黄原子又はアルキレン基であって、中でも、RA1は酸素原子であることが好ましい。
が1の場合に好ましい式(A)で表される構造単位であるジカルボン酸残基の具体例としては、ジフェニルエーテル-2,2’-ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル-2,3’-ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル-2,4’-ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル-3,3’-ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル-3,4’-ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル-4,4’-ジカルボン酸残基等が挙げられる。これらの中でも、ジカルボン酸成分の製造の簡便性を考慮すれば、ジフェニルエーテル-2,2’-ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル-2,4’-ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル-4,4’-ジカルボン酸残基がより好ましく、ジフェニルエーテル-4,4’-ジカルボン酸残基が特に好ましい。mが0の場合のジカルボン酸残基の具体例としては、フタル酸残基、イソフタル酸残基、テレフタル酸残基、トルエン-2,5-ジカルボン酸残基、p-キシレン-2,5-ジカルボン酸残基、ナフタレン-1,4-ジカルボン酸残基、ナフタレン-2,3-ジカルボン酸残基、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸残基、ビフェニル-2,2’-ジカルボン酸残基、ビフェニル-4,4’-ジカルボン酸残基が挙げられる。好ましくは、フタル酸残基、イソフタル酸残基、テレフタル酸残基、ナフタレン-1,4-ジカルボン酸残基、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸残基、ビフェニル-2,2’-ジカルボン酸残基、ビフェニル-4,4’-ジカルボン酸残基であり、特に好ましくは、イソフタル酸残基、テレフタル酸残基である。これらのジカルボン酸残基を複数組み合わせて用いることも可能である。
電気特性の観点から、ポリカーボネート樹脂の中でも、下記式(B)で表される構造単位を有することが好ましい。
Figure 0007069552000007
(一般式(B)中、置換基RB1及びRB2は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1~10のアルキル基を表し、置換基は結合して環を形成してもよい。置換基RB3及びRB4は、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1~10のアルキル基を表す。RB5は、単結合、酸素原子、又は-CRB6B7-を表し、置換基RB6及びRB7は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1~8のアルキル基、又はフェニル基を表す。但し、tとuのユニットは異なる構造をとる。)
摩耗抑制やカブリ抑制のためバインダー樹脂をより剛直にする観点から、一般式(B)において、tBのユニットの含有割合及びuBのユニットの含有割合の合計を100としたときのuBの割合に特に制限はないが、カブリの発生を抑制する観点から、通常2以上、好ましくは10以上であり、一方通常60以下、好ましくは50以下である。
アルキル基の炭素数としては、通常8以下であり、6以下が好ましく、3以下がより好ましい。アルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基等の直鎖のアルキル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、イソブチル基等の分岐のアルキル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等の環状アルキル基が挙げられるが、この中でも合成の観点から、メチル基が特に好ましい。また、置換基が相互に結合して環を形成していてもよい。アリール基の炭素数としては、通常30以下、好ましくは20以下、更に好ましくは15以下である。具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、ピレニル基等が挙げられ、合成の観点からフェニル基又はナフチル基が好ましく、耐クラック性の観点からはナフチル基が特に好ましく、製造の容易さの観点からはフェニル基が特に好ましい。好適な構造の具体例を以下に示す。
Figure 0007069552000008
下記式(1-1)で表される繰返し単位を含有するSi-O結合を有しない樹脂、下記式(1-2)で表される繰返し単位を含有するSi-O結合を有しない樹脂及び下記式(1-3)で表される繰返し単位を含有するSi-O結合を有しない樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種を含み、
該式(1-1)、式(1-2)及び式(1-3)中のR11~R14が、式(1-4)を満たす。
Figure 0007069552000009
(式(1-1)、式(1-2)及び式(1-3)において、R11、R12はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~10のアルキル基、又は置換基を有していてもよい炭素数1~10のアルケニル基表し、R11とR12同士は互いに結合して環状構造を形成してもよい。R13はそれぞれ独立に、酸素原子、―(C=O)O―、―O―(C=O)―又は―O―(C=O)O―を表す。R14は単結合、酸素原子を表す。Ar11~Ar14はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。n及びmは、式(1-1)及び式(1-2)中におけるそれぞれの繰り返し単位の含有割合(%)を示し、0≦n≦100、0≦m≦100であり、n+m=100である。)
式(1-1)、式(1-2)及び式(1-3)において、R11、R12が置換基を有していてもよい炭素数1以上10以下のアルキル基の場合、炭素数は好ましくは8以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは4以下である。また、R11、R12が置換基を有していてもよい炭素数2以上10以下のアルケニル基の場合、炭素数は好ましくは8以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは4以下である。R13はそれぞれ独立に、酸素原子、―(C=O)O―、―O―(C=O)―又は―O―(C=O)O―を表し、好ましくは、―(C=O)O―、―O―(C=O)―である。
Ar11~Ar14はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアリーレン基の炭素数に特に制限はないが、通常6以上、好ましくは7以上、一方通常15以下、好ましくは10以下、更に好ましくは9以下である。上記の範囲であると、カブリの抑制やクラックの抑制、基体からの膜剥がれの抑制の観点で好ましい。
このような構造を有する樹脂を含有することがカブリを抑制する機構については鋭意検討中であるが、バインダー樹脂の剛直性を高めることで、現像工程時にトナー粒子と感光体表面の間に働く応力により、感光体表面が塑性変形することで生じるトナー粒子と感光体表面の接触面積増大を抑制する結果、逆帯電トナーの発生を抑制する効果があるものと推測される。
ここで、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~10のアルキル基、又は置換基を有していてもよい炭素数1~10のアルケニル基から選択されるR11及びR12は、その分子量R11w及びR12wが相対的に大きい方が、近傍の分子鎖の回転が阻害されることにより、分子鎖がより剛直になると考えられる。また、R13は、その分子量R13wが相対的に小さい方が主鎖を構成する結合の数が少なくなり、回転の自由度が小さくなるため、分子鎖がより剛直になると考えられる。また、単結合、酸素原子から選択されるR14は、その分子量R14wが相対的に小さい方が、主鎖を構成する結合の数が少なくなり、回転の自由度が小さくなるため、分子鎖がより剛直になると考えられる。
式(1-4)は、このような観点から適切なR11w、R12w、R13w及びR14wの総合的な関係を導いたものであり、式(1-4)を満たす場合は、分子鎖の剛直性が適切となり、カブリを抑制できると推測される。内部応力が抑制され、クラックや基体からの膜剥がれなどの不具合が抑制できると推測される。
式(1-1)で表される繰返し単位を含有するSi-O結合を有しない樹脂、式(1-2)で表される繰返し単位を含有するSi-O結合を有しない樹脂及び式(1-3)で表される繰返し単位を含有するSi-O結合を有しない樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種の含有量に特に制限はないが、最表面層に含まれる全バインダー樹脂100質量部に対し、通常30質量部以上、好ましくは50質量部以上、より好ましくは60質量部以上、更に好ましくは70質量部以上、一層好ましくは80質量部以上であり、一方、通常、99質量部以下、好ましくは98質量部以下、更に好ましくは95質量部以下である。
式(1-1)で表される繰返し単位を含有するSi-O結合を有しない樹脂、式(1-
2)で表される繰返し単位を含有するSi-O結合を有しない樹脂及び式(1-3)で表
される繰返し単位を含有するSi-O結合を有しない樹脂からなる群から選ばれる少なく
とも一種は、2種類以上を混合してもよい。また、同一分子内に複数種類の式(1-1)
で表される繰返し単位、式(1-2)で表される繰返し単位及び式(1-3)で表される
繰返し単位を含有する共重合体であってもよい。このような場合、式(1-4)が、50
以上120以下であればよい。例えば、下記Binder-1およびBinder-2の
繰り返し単位を同一分子内に有する、下記構造式で表されるBinder-13の場合、
以下のように計算される。
Figure 0007069552000010
(Binder-13の式(1-4)の値)
=(Binder-1の式(1-4)の値)×60/100
+(Binder-2の式(1-4)の値)×40/100
=88×60/100+95×40/100
=92.2
Figure 0007069552000011
全バインダー樹脂における、Si-O結合を有する樹脂並びに式(1-1)で表される繰返し単位を含有するSi-O結合を有しない樹脂、式(1-2)で表される繰返し単位を含有するSi-O結合を有しない樹脂及び式(1-3)で表される繰返し単位を含有するSi-O結合を有しない樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種以外のバインダー樹脂としては、感光層形成用塗布液に用いられる有機溶媒に可溶であれば、特に限定されるものではない。例としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールや、アセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル系ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、カゼインや、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシ変性塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性塩化ビニル-酢酸ビニル共
重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体等の塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-アルキッド樹脂、シリコン-アルキッド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂等の絶縁性樹脂や、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルペリレン等の有機光導電性ポリマーの中から選択し、用いることが出来るが、これらポリマーに限定されるものではない。また、これらのバインダー樹脂は単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。この中でも、弾性変形率を向上させる観点から、ポリカーボネート樹脂及びポリエステル樹脂が好適に用いられる。カブリ抑制の観点から、ポリエステル樹脂の中でも、前記式(1-3)で表される構造単位を有する樹脂であることが好ましい。
Si-O結合を有する成分を有する樹脂以外のバインダー樹脂の粘度平均分子量は、本
発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、機械的強度の観点から、通常20,000以上、好ましくは30,000以上、より好ましくは40,000以上である。また、前記化合物の分散性、塗布液の粘度等の生産性の観点から、通常100,000以下、好ましくは90,000以下、より好ましくは80,000以下である。なお、粘度平均分子量は、例えばウベローデ型毛細管粘度計等を用いて、公知の方法で測定することができる。
<電荷輸送材料>
[電子輸送材料]
感光層には電子輸送材料として下記式(4)で表される化合物を含有することが好ましい。
Figure 0007069552000012
(式(4)中、R41~R44はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基、又は置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルケニル基表し、R41とR42同士、またはR43とR44同士は互いに結合して環状構造を形成してもよい。Xは分子量120以上250以下の有機残基を表す。)
41~R44はそれぞれ独立して水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基、又は炭素数1~20のアルケニル基を表す。置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基の例としては、例えば、メチル基、エチル基及びヘキシル基等の直鎖アルキル基、iso-プロピル基、tert-ブチル基及びtert-アミル基等の分岐アルキル基、並びにシクロヘキシル基及びシクロペンチル基等の環状アルキル基が挙げられる。これらの中でも原料の汎用性の面から炭素数1~15のアルキル基が好ましく、製造時の取り扱い性からは、炭素数1~10のアルキル基がより好ましく、炭素数1~5のアルキル基が更に好ましい。また、電子輸送能力の面から直鎖アルキル基又は分岐アルキル基が好ましく、中でもメチル基、tert-ブチル基又はtert-アミル基がより好ましく、塗布液に用いる有機溶剤への溶解性の面から、tert-ブチル基又は
tert-アミル基が更に好ましい。
置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルケニル基としては、例えば、エテニル基等の直鎖アルケニル基、2-メチル-1-プロペニル基等の分岐アルケニル基及びシクロヘキセニル基等の環状アルケニル基等が挙げられる。これらの中でも、感光体の光減衰特性の面から、炭素数1~10の直鎖アルケニル基が好ましい。
前記置換基R41~R44は、R41とR42同士、またはR43とR44同士が互いに結合して環状構造を形成してもよい。電子移動度の観点から、R41とR42が共にアルケニル基である場合、お互いに結合して芳香環を形成することが好ましく、R41とR42が共にエテニル基で、お互いに結合し、ベンゼン環構造を有することがより好ましい。
前記式(4)中、Xは分子量120以上250以下の有機残基を表し、感光体の光減衰特性の観点から、Xが下記式(X1)~(X4)で表されるいずれか1つの有機残基であることが好ましい。
Figure 0007069552000013
(式(2e)中、RX1~RX3はそれぞれ独立して水素原子、又は炭素数1~6のアルキル基を表す。)
Figure 0007069552000014
(式(3e)中、RX4~RX7はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1~6のアルキル基を表す。)
Figure 0007069552000015
(式(4e)中、RX8は水素原子、炭素数1~6のアルキル基、又はハロゲン原子を表す。)
Figure 0007069552000016
(式(5e)中、RX9及びRX10はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1~6のアルキル基、又は炭素原子6~12のアリール基を表す。)
X1~RX10における、炭素数1~6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基及びヘキシル基等の直鎖アルキル基、iso-プロピル基、tert-ブチル基及びtert-アミル基等の分岐アルキル基、並びにシクロヘキシル基等の環状アルキル基が挙げられる。電子輸送能力の面から、メチル基、tert-ブチル基又はtert-アミル基がより好ましい。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられ、電子輸送能力の面から、塩素が好ましい。炭素原子6~12のアリール基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基等が挙げられ、感光層の膜物性の観点から、フェニル基又はナフチル基が好ましく、より好ましくはフェニル基である。Xは、前記式(X1)~(X4)の中でも、繰り返し画像形成した際の画質安定性の観点から、式(X1)又は式(X2)であることが好ましく、式(X2)であることがより好ましい。また、式(4)で表される化合物を単独で用いてもよいし、構造の異なる式(4)で表される化合物を併用してもよく、その他の電子輸送材料と併用することもできる。以下に好ましい電子輸送材料の構造を例示する。
Figure 0007069552000017
感光層中のバインダー樹脂と前記電子輸送材料との割合は、全バインダー樹脂100質量部に対して、光疲労抑制の観点から、通常、電子輸送材料を10質量部以上であり、20質量部以上がより好ましく、30質量部以上がより好ましい。一方、電気特性の安定性の観点から、通常、電子輸送材料を100質量部以下であり、80質量部以下が好ましく、60質量部以下がより好ましい。
[正孔輸送材料]
正孔輸送材料としては、例えば、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体及びエナミン誘導体並びにこれらの化合物の複数種が結合したもの、及びこれらの化合物からなる基を主鎖若しくは側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等が挙げられる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体及びエナミン誘導体並びにこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましく、カブリ抑制の観点から、下記式(5)~(7)で表される正孔輸送材料群から選ばれるいずれか1種以上の正孔輸送材料を含有することが好ましい。
Figure 0007069552000018
(式(5)中、Ar51Ar52は、それぞれ独立して置換機を有していてもよいアリール基、アルコキシ基、水素原子のいずれかを表し、R51は炭素数12以上30以下の置換基を表す。)
Figure 0007069552000019
(式(6)中、Ar61、Ar62は、それぞれ独立して置換機を有していてもよいアリール基、アルコキシ基、又は水素原子、R61は炭素数18以上70以下の置換基、nは1~3の整数を表す。)
Figure 0007069552000020
(式(7)中、R71~R78はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はフェニル基、nは0又は1を表す。)
Ar51、Ar52、Ar61及びAr62において、アリール基の炭素数に特に制限はないが、通常30以下、好ましくは20以下、さらに好ましくは15以下である。また、炭素数は6以上が好ましい。具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基等が挙げられ、このうちフェニル基が特に好ましい。アルコキシ基の炭素数としては、10以下、好ましくは5以下、さらに好ましくは4以下である。メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基等の直鎖状アルコキシ基、イソプロポキシ基、エチルヘキシロキシ基等の分岐状アルコキシ基、シクロヘキシロキシ基等の環状アルコキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、2,2,2-トリフルオロエトキシ基等のフッ素原子を有するアルコキシ基が挙げられ、直鎖状又は分岐状アルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基が好ましい。有してもよい置換基としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられ、具体的にはアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基等の直鎖状アルキル基、イソプロピル基、エチルヘキシル基等の分岐状アルキル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基が挙げられ、アリール基、アルコキシ基としては上述のものが挙げられ、ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。製造の観点から、無置換又はアルキル基が好ましい。
51は、炭素数12以上30以下の置換基であり、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子又はこれらから誘導される置換基が挙げられる。R61は、炭素数18以上70以下の置換基であり、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子又はこれらから誘導される置換基が挙げられる。電気特性及び溶解性の観点から、nは1又は2であることが好ましい。R71~R78はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はフェニル基を表す。アルキル基としては鎖状又は分岐状アルキル基が好ましく、炭素数は1~6が好ましい。この中でも、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。アルコキシ基としては、直鎖状又は分岐状アルコキシ基が好ましく、この中でも、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基がより好ましい。nは0又は1を表し、0が好ましい。特に、R71~R78は水素原子又はアルキル基であることが好ましく、窒素原子、又はビニル基に対して、オルト位、又はパラ位にアルキル基を有することが好ましい。以下に好ましい正孔輸送材料の構造を例示する。
Figure 0007069552000021
Figure 0007069552000022
Figure 0007069552000023
前記正孔輸送材料の中でも、残留電位の観点から、HTM34、HTM35、39、HTM41及びHTM44が好ましい。
感光層中の結着樹脂と正孔輸送材料との割合は、同一層中の結着樹脂100質量部に対して、通常、正孔輸送材料を20質量部以上で使用する。残留電位低減の観点から30質量部以上が好ましく、繰り返し使用した際の安定性や電荷移動度の観点から40質量部以上がより好ましい。一方、同一層中の結着樹脂100質量部に対して、通常、正孔輸送材料を100質量部以下で使用する。正孔輸送材料と結着樹脂との相溶性の観点から80質量部以下が好ましい。
<感光層形成用塗布液>
前記感光層形成用塗布液に用いる有機溶媒としては、バインダー樹脂を溶解するものであれば特に限定されるものではない。例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン等の飽和脂肪族系溶媒、トルエン、キシレン、アニソール等の芳香族系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒、ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン等のアミド系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒、グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等の鎖状、及び環状ケトン系溶媒、4-メトキシ-4-メチル-2-ペンタノン等のエーテルケトン溶媒、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、1,2―ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等の鎖状、及び環状エーテル系溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルフォラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。後述の下引き層を溶解しないものが好ましく用いられる。またこれらは単独、又は2種以上を併用しても用いることが可能である。
また、塗布液の固形分濃度及び粘度は、塗布性の観点から、以下のような範囲が好ましい。通常10質量%以上、好ましくは15質量%以上、また、通常40質量%以下、好ましくは30質量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度は、使用時の温度において、通常50mPa・s以上、好ましくは100mPa・s以上、また、通常1000mPa・s以下、好ましくは800mPa・s以下の範囲とする。
<感光層形成用塗布液の製造方法>
単層型感光層形成用の塗布液の製造方法としては、公知の方法、例えばサンドグライン
ドミル、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、及び超音波分散機等を用いて、前記電荷発生材料、電荷輸送材料、バインダー樹脂及び有機溶媒を分散混合して塗布液を調整することができる。これら含有物のすべてを同時に分散混合してもよいし、前記含有物の一部を別々に有機溶剤に混合又は分散させたものを、最後に調合することで塗布液を作製してもよい。
電荷発生材料の塗布液中における分散状態を保持する目的で、分散助剤を添加してもよい。分散助剤としては、シリカ粒子が好適に用いられる。シリカ粒子の平均一次粒径は、1~100nmが好ましく、3~50nmがより好ましく、5~20nmが更に好ましい。シリカ粒子は、粒子の分散性を向上させるため表面処理されていてもよい。
<各層の形成方法>
前述した感光体を構成する各層は、含有させる材料を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布液を、導電性支持体上に浸漬塗布、リング塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等の公知の方法により、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。溶媒又は分散媒の使用量は特に制限されないが、各層の目的や選択した溶媒・分散媒の性質を考慮して、塗布液の固形分濃度や粘度等の物性が所望の範囲となるように適宜調整するのが好ましい。
塗布液の乾燥は、室温における放置乾燥後、通常30℃以上、200℃以下の温度範囲で、1分から2時間の間、静止又は送風下で加熱乾燥させることが好ましい。また、加熱温度は一定であってもよく、乾燥時に温度を変更させながら加熱を行ってもよい。
≪画像形成装置≫
次に、本発明の電子写真感光体を用いたドラムカートリッジ、画像形成装置について、装置の一例を示す図1に基づいて説明する。
図1において、1はドラム状感光体であり、正帯電方式の電子写真プロセスに用いられる。矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1はその回転過程で帯電手段2により、その表面に正の所定電位の均一帯電を受け、ついで露光部3において像露光手段により潜像形成のための露光が行われる。形成された静電潜像は、次に現像手段4でトナー現像され、そのトナー現像像がコロナ転写手段5により給紙部から給送された印刷媒体(紙など)Pに、中間転写体を介さずに順次直接転写されていく。図1では、現像手段4は、現像槽41、アジテータ42、供給ローラ43、現像ローラ44、及び、規制部材45からなり、現像槽41の内部にトナーTを貯留している構成となっている。また、必要に応じ、トナーTを補給する補給装置(図示せず)を現像手段4に付帯させてもよい。この補給装置は、ボトル、カートリッジなどの容器からトナーTを補給することが可能に構成される。
像転写された転写体はついで定着手段7に送られ、像定着され、機外へプリントアウトされる。定着手段7は、上部定着部材(定着ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成され、定着部材71又は72の内部には加熱装置73が備えられている。なお、図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73が備えられた例を示す。上部及び下部の各定着部材71、72は、ステンレス、アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シートなどが公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71、72は、離型性を向上させる為にシリコーンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
記録紙P上に転写されたトナーは、所定温度に加熱された上部定着部材71と下部定着部材72との間を通過する際、トナーが溶融状態まで熱加熱され、通過後冷却されて記録紙P上にトナーが定着される。像転写後の感光体1の表面はクリーニング手段6により転
写残りのトナーが除去され、除電手段により除電されて次の画像形成のために清浄化される。
本発明の画像形成装置を構成するにあたって、帯電器としては、電圧印加されたローラー状部材を感光体表面に接触させて帯電させる接触式帯電ローラーを用いる。帯電形態として、気中放電を伴うもの、あるいは気中放電を伴わない注入帯電いずれも可能である。また、帯電時に印可する電圧としては、直流電圧だけの場合、及び直流に交流を重畳させて用いることもできる。
露光はハロゲンランプ、蛍光灯、レーザー(半導体、He-Ne)、LED、感光体内部露光方式等が用いられるが、デジタル式電子写真方式として、レーザー、LED、光シャッターアレイ等を用いることが好ましい。波長としては780nmの単色光の他、600~700nm領域のやや短波長寄りの単色光を用いることができる。
現像工程は、非磁性1成分現像方式を用いる。また、感光体上の残存トナーを現像ローラー上で回収する機構を有することを特徴とする。トナーとしては、粉砕トナーの他に、懸濁造粒、懸濁重合、乳化重合凝集法等のケミカルトナーを用いることができる。特に、ケミカルトナーの場合には、4~8μm程度の小粒径のものが用いられ、形状も球形に近いものから、ポテト状の球形から外れたものも使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化には好適に用いられる。トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、及び荷電制御剤を含有し、低温定着性の観点から、結着樹脂としてポリエステル樹脂を使用することが好ましい。更に、正帯電性を付与する観点から、少なくともアミノ基含有処理剤で表面を処理した無機粒子を含有することが好ましい。
転写工程はコロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法が用いられる。転写電圧としては、通常負の直流電圧が使用されるが、交流成分を重畳させることも行われる。定着は熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着、IH定着、ベルト定着、IHF定着などが用いられ、これら定着方式は単独で用いても良く、複数の定着方式を組み合わせた形で使用してもよい。クリーニングにはブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、ブレードクリーナーなどが用いられる。前述の現像工程において、現像ローラー上でトナーを回収する機構を有することから、クリーニング部材を省略する構成も可能である。除電工程は、省略される場合も多いが、使用される場合には、蛍光灯、LED等が使用され、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーが使用される場合が多い。これらのプロセスのほかに、前露光工程、補助帯電工程のプロセスを有してもよい。
本発明においては、上記ドラム状感光体1、帯電手段2、現像手段4及びクリーニング手段6等の構成要素の内の複数のものをドラムカートリッジとして一体に結合して構成し、このドラムカートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱可能な構成にしてもよい。例えば、帯電手段2、現像手段4及びクリーニング手段6の内、少なくとも1つをドラム状感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化とすることが出来る。また、本発明に係る電子写真感光体、帯電手段2、露光部3、現像手段4及びクリーニング手段6を備える画像形成装置に適用することも可能である。
以下、実施例を示して本発明の実施の形態を更に具体的に説明する。ただし、以下の実施例は本発明を詳細に説明するために示すものであり、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下に示した実施例に限定されるものではなく任意に変形して実施することができる。また、以下の実施例、及び比較例中の「部」の記載は、特に指定しない限り「質量部」を示す。
[実施例1]
CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)が27.3°に強い回折ピークを示し、図2に示す粉末X線回折スペクトルを有するオキシチタニウムフタロシアニン10質量部を1,2-ジメトキシエタン150質量部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行い、顔料分散液を作製した。こうして得られた160質量部の顔料分散液を、ポリビニルブチラール(電気化学工業社製、商品名#6000C)の5質量%1,2-ジメトキシエタン溶液100質量部と適量の1,2-ジメトキシエタンに加え、最終的に固形分濃度4.0質量%の分散液を作製した。
この分散液を、外径30mm、長さ244mm、肉厚0.75mmのアルミニウム合金よりなるシリンダー上に、乾燥後の膜厚が0.4μmとなるように浸漬塗布した後、乾燥して下引き層を形成した。
次に、X型無金属フタロシアニン2質量部をトルエン55質量部と共にサンドグラインドミルにより分散することで、無金属フタロシアニン分散液を得た。一方、正孔輸送材料(HTM39)80質量部と、電子輸送材料(ET-2)30質量部と、下記構造で表される添加材(ADD-1)10質量部と、バインダー樹脂としてポリアリレート樹脂(B
inder-1、粘度平均分子量 45,700)75質量部と、下記構造を繰り返し単位として持つSi-O結合を有する樹脂(Binder-14)25質量部を、テトラヒドロフラン630質量部とトルエン92質量部に溶解した。これにレベリング剤としてシリコーンオイル0.05質量部を加え、更に前記顔料分散液を加えて、ホモジナイザーにより均一になるように混合した。このように調製した塗布液を、上述の下引き層上に、乾燥後の膜厚が20μmになるように浸漬塗布して感光層を形成し、125℃で20分加熱乾燥することで単層型感光体を得た。
Figure 0007069552000024
(Binder-14)
粘度平均分子量 21,000
Figure 0007069552000025
ただし、式中の括弧右下の数字は共重合モル比を表す。
(Binder-15)
粘度平均分子量 36,200
Si-O結合を有する樹脂の含有量 12.5重量%
Figure 0007069552000026
[実施例2~5]
表―2の通りに、バインダー樹脂及びSi-O結合を有する樹脂を変更した以外は、実施例1と同様にして単層型感光体を得た。
[比較例1~6]
表―2の通りに、バインダー樹脂及びSi-O結合を有する樹脂を変更した以外は、実施例1と同様にして単層型感光体を得た。
<感光体の弾性変形率測定>
感光体の弾性変形率は、Fischer社製微小硬度計FISCHERSCOPE H
100C(もしくはその後継機で同等性能を有するHM2000)を用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定した。測定には対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いる。測定条件は以下の通りに設定して行い、圧子にかかる荷重とその荷重下における押し込み深さとを連続的に読み取り、それぞれY軸、X軸にプロットした図3に示すようなプロファイルを取得する。
[測定条件 ]
最大押込み加重 5mN
負荷所要時間 10秒
除荷所要時間 10秒
上記の弾性変形率は下記式により定義される値であり、押し込みに要した全仕事量に対して、除荷の際に膜が弾性によって行う仕事の割合である。
弾性変形率(%)=(We/Wt)×100
上記式中、全仕事量Wt(nJ)は図3中のA-B-D-Aで囲まれる面積を示し、弾性変形仕事量We(nJ)はC-B-D-C で囲まれる面積を示す。弾性変形率が大き
いほど、負荷に対する変形が残留しにくく、弾性変形率が100の場合には変形が残らないことを意味する。
<感光体の表面硬度測定>
感光体表面のユニバーサル硬度を、Fischer社製微小硬度計FISCHERSCOPE H100Cを用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定した。ユニバ
ーサル硬度値は、押込み加重5mNまで押し込んだ時の値であり、その時の押込み深さから以下の式により定義される値である。この領域での測定では、基体(アルミニウム管)の硬度の影響を排除することができる。
ユニバーサル硬度(N/mm)=試験荷重(N)/試験荷重下でのビッカース圧子の表面積(mm
<画像評価試験>
実施例及び比較例で得られた正帯電単層型感光体を、電子写真方式のプリンター(Br
other HL2270DW、ブラザー工業株式会社製)に装着し、白紙を1枚印刷して
印刷画像を観察した。トナーには、平均粒径が8μmであり、結着樹脂としてポリエステ
ルを含有し、アミノ基含有処理剤で表面処理したシリカを含む非磁性1成分現像方式用ト
ナーを用いた。カブリの評価は、印刷画像を観察し、まったくカブリが見られない場合を
〇、画像の一部にカブリが見られる場合を△、画像全面にカブリが見られる場合を×とし
た。また、印刷前後の色差を測色計(日本電色社製 SE2000)を用いて計測し、(
印刷前のWB値)-(印刷後のWB値)をカブリの測定値とした。測定値が小さい方が印
刷前後で色差が小さいことを意味し、カブリが少ないことを表す。評価結果を表-に示
す。
Figure 0007069552000027
これらの結果より、本発明は、カブリを好適に抑制し、良好な画像が得られることが分かる。
1 感光体(電子写真感光体)
2 帯電装置(帯電ローラ;帯電部)
3 露光装置(露光部)
4 現像装置(現像部)
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙,媒体)

Claims (7)

  1. 導電性支持体上に、単層型感光層を最表層として有する電子写真感光体、トナー、及び
    接触式現像ローラーを有する画像形成装置であって、
    前記最表層が電荷発生材料、電荷輸送材料、及びSi-O結合を有する樹脂を含有し、
    更に、下記式(1-1)で表される繰返し単位及び下記式(1-2)で表される繰返し
    単位から構成されるSi-O結合を有しない樹脂、又は、下記式(1-3)で表される繰
    返し単位から構成されるSi-O結合を有しない樹脂を含み、
    該式(1-1)、式(1-2)及び式(1-3)中のR11~R14が、式(1-4)
    を満たし、
    前記接触式現像ローラーが、前記電子写真感光体上に存在する残存トナーを回収する機
    構を備えていることを特徴とする画像形成装置。
    Figure 0007069552000028
    (式(1-1)、式(1-2)及び式(1-3)において、R11、R12はそれぞれ独
    立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~10のアルキル基、又は置換基
    を有していてもよい炭素数1~10のアルケニル基表し、R11とR12同士は互いに
    結合して環状構造を形成してもよい。R14は単結合又は酸素原子を表すが、式(1-2
    )におけるR 14 は単結合であり、式(1-3)におけるR 14 は酸素原子である。Ar
    11~Ar14はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。n及び
    mは、式(1-1)及び式(1-2)中におけるそれぞれの繰り返し単位の含有割合(%
    )を示し、0≦n≦100、0≦m≦100であり、n+m=100である。式(1-1
    )及び式(1-2)において、R13は―O―(C=O)O―を表し、式(1-3)にお
    いて、R13はそれぞれ独立に、―(C=O)O―又は―O―(C=O)―を表す。)
    式(1-4)
    i)繰返し単位が式(1-1)及び式(1-2)の場合、
    50≦0.01・n{4R13w-(R11w+R12w)}+0.01・mR14w≦120
    ii)繰返し単位が式(1-3)の場合、
    50≦0.5・{4R13w-(R11w+R12w)}+0.5・R14w≦120
    (式(1-4)中、R11w~R14wは、それぞれ、R11~R14の分子量を表す。
  2. 前記最表層の弾性変形率が42%以上50%以下であることを特徴とする、請求項1に
    記載の画像形成装置。
  3. 前記R 13 が―(C=O)O―又は―O―(C=O)―であることを特徴とする請求項
    又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記Si-O結合を有する構造を有する樹脂の含有量が、前記最表層に含まれる全バイ
    ンダー樹脂100質量部に対し、2質量部以上50質量部以下であることを特徴とする、
    請求項1乃至の何れか一項に記載の画像形成装置。
  5. 前記Si-O結合を有しない樹脂の含有量が、前記最表層に含まれる全バインダー樹脂
    100重量部に対し、50質量部以上98質量部以下であることを特徴とする、請求項1
    乃至のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記最表層のユニバーサル硬度が、170以上200以下であることを特徴とする、請
    求項1乃至のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記最表層に含まれる電子輸送材料の含有量が、前記最表層に含まれる全バインダー樹
    脂100質量部に対し、10質量部以上60質量部以下であることを特徴とする請求項1
    乃至のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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