JP2010217625A - 画像形成装置および電子写真カートリッジ - Google Patents

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直 水島
Shunichiro Kurihara
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Abstract

【課題】 小粒径で粒度分布のせまい粉砕トナーを用いた場合に、汚れ、残像(ゴースト)、カスレ(ベタ追従性)、特にフィルミングの発生が抑制された画像形成装置、或いは電子写真カートリッジを提供すること。
【解決手段】 電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該電子写真感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段、前記トナーを該電子写真感光体から被転写体に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、前記電子写真感光体の表面層の弾性変形率が、44.0%以上であり、前記トナーの、D 5 0 vが3.5〜8.0μm以下であり、体積粒度分布の標準偏差がD 5 0 vの1 / 4以下であり、(1.4× D 5 0 v)μm以上の粒子の含有量が5体積% 以下であり、(0.6×D 5 0 p)μm以下の粒子の含有量が5個数%以下であることを特徴とする画像形成装置。
【選択図】 なし

Description

本発明は、複写機やプリンター等に用いられる画像形成装置、及び電子写真カートリッジに関する。
近年、電子写真複写機等の画像形成装置の用途は拡大しており、画像品質への市場の要望は一段と高い水準を求めるものになってきている。特に、事務用の書類等においても、入力における写像技術、潜像形成技術の発展に加え、出力時においても、文字の象形の種類はより豊富に、より微細化されており、またプレゼンテーションソフトウェアの普及と発達により、印刷画像に欠陥や不鮮明さの少ない、極めて高画質な潜像の再現性が求められている。特に、画像形成装置を構成する潜像担持体上の静電潜像が100μm以下(凡そ300dpi以上)の線画像の場合に用いる現像剤としては、従来の粒径の大きなトナーでは、細線再現性が一般に悪く、線画像の鮮明さがいまだに充分とはいえないものとなっている。
高画質対応にはトナーの小粒径化が有効であり、この技術はケミカルトナーが特意とするところであり、種々のトナーを開発されている(特許文献1〜11)。しかし、ケミカルトナーは材料の選択性が粉砕法に比べると劣り、特に低温定着に優れるポリエステル樹脂の適用が実用化されてはいるものの、技術的に難しく、また、コスト的にも不利であった。
一方、従来から使用されている粉砕法はコストや材料選択性に優れ、特にポリエステル樹脂の使用が容易であった。また、粉砕法では、従来は小粒径化が困難であったが、オープンロール型混練機の使用や、外添剤の存在下で粉砕を行う技術によって、小粒径で粒度分布の狭い粉砕トナーを製造できることが報告されている(特許文献12〜13)。
しかしながら、これらの小粒径の粉砕トナーを用いた場合には、フィルミングの発生が起こりやすいという問題点があった。形状が比較的均一なケミカルトナーと違い、粉砕トナーは不均一なため、一部に外添剤を遊離して、フィルミングを発生しやすい成分が存在すると考えられる。特に、近年、画像形成装置は高速化が顕著であり、30ppm以上のプリンターも販売されている。この高速化もフィルミングの発生を助長する要因となっていた。そのため、従来の画像形成装置においては、小粒径トナーのポテンシャルを十分に発揮することが出来なかった。
特開平2−284158号公報 特開平5−119530号公報 特開平1−221755号公報 特開平6−289648号公報 特開2001−134005号公報 特開平11−174731号公報 特開平11−362389号公報 特開平2−000877号公報 特開2004−045948号公報 特開2003−255567 号公報 WO2004−088431 特開2006−091175号公報 特開2006−119616号公報
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、小粒径で粒度分布のせまい粉砕トナーを用いた場合に、汚れ、残像(ゴースト)、カスレ(ベタ追従性)、特にフィルミングの発生が抑制された画像形成装置、或いは電子写真カートリッジを提供することにある。
本発明者らは、これらの現状に鑑み鋭意検討を重ねた結果、感光層表面の弾性変形率を特定の範囲にすることにより、特にバインダー樹脂としてポリアリレート樹脂を用いた場合に、小粒径の粉砕トナーを用いても、フィルミングの発生がなく、高精細な画像が得られることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち本発明の要旨は、電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該電子写真感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段、前記トナーを該電子写真感光体から被転写体に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、
前記電子写真感光体の表面層を、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、ビッカース圧子を用いて、最大押込み荷重5mN、負荷所要時間10秒、除荷所要時間10秒の条件で測定したときの弾性変形率が、44.0%以上であり、
前記トナーが体積中位粒径(D 5 0 v)が3.5μm以上、8.0μm以下であり、トナーの体積粒度分布の標準偏差がD 5 0 vの1 / 4以下であり、粒径が( 1 . 4× D 5 0
v) μ m以上の粒子の含有量が5体積% 以下であり、粒径が( 0 . 6× 個数中位粒径
( D 5 0 p) ) μ m以下の粒子の含有量が5個数% 以下であることを特徴とする画像形成装置に存する。
また、電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該電子写真感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段、前記トナーを該電子写真感光体から被転写体に転写する転写手段、該転写後の有機感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段のうち、少なくとも一つとを備えることを特徴とする、電子写真カートリッジにおいて、
前記電子写真感光体の表面層を、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、ビッカース圧子を用いて、最大押込み荷重5mN、負荷所要時間10秒、除荷所要時間10秒の条件で測定したときの弾性変形率が、44.0%以上であり、
前記トナーの体積中位粒径(D 5 0 v)が3.5μm以上、8.0μm以下でありであり、トナーの体積粒度分布の標準偏差がD 5 0 vの1 / 4以下であり、粒径が( 1 . 4× D 5 0 v) μ m以上の粒子の含有量が5体積% 以下であり、粒径が( 0 . 6× 個数中
位粒径( D 5 0 p) ) μ m以下の粒子の含有量が5個数% 以下であることを特徴とする電子写真カートリッジ、の存する。
本発明によれば、感光層表面の弾性変形率を特性の範囲にすることにより、特にバインダー樹脂としてポリアリレート樹脂を用いた場合に、小粒径の粉砕トナーを用いても、フィルミングの発生がなく、高精細な画像を得ることが可能である。本発明では、オイルレス定着、クリーニングブレードを使用したときに、その効果が顕著である。
本発明の画像形成装置の一実施態様の要部構成を示す概略図である。 本発明の実施例および比較例で用いたオキシチタニウムフタロシアニンの粉末X線回折スペクトルを示すX線回折図である。 Fischer社製微小硬度計FISCHERSCOPE H100Cを用いて電子写真感光体の表面層の弾性変形率を求めるときの、荷重(X軸)と押込み深さ(Y軸)のプロファイルである。
以下、本発明の実施の形態につき詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜実施することができる。
本発明の画像形成装置及び電子写真カートリッジは、特定の弾性変形率を有する電子写真感光体、及び特定のパラメータ範囲のトナーを用いることにある。
[本発明に係る電子写真感光体]
<弾性変形率、及びユニバーサル硬度>
本発明の電子写真感光体の弾性変形率は、通常44.0%以上、好ましくは45.0%以上、より好ましくは46.0%以上である。また通常60.0%以下、好ましくは50.0%以下である。弾性変形率が大きいほど、感光層の耐傷性が改善され、トナーの外添剤に使用されるシリカなどがクリーニングブレードに押圧されることによって生じるフィルミングが改善される。一方、弾性変形率が大きすぎるとクリーニングブレードとの摺擦音が発生しやすくなるため、前記範囲が好ましい。また、本発明の効果をより発揮させるには、本発明のユニバーサル硬度は好ましくは180N/mm以上、より好ましくは200N/mm以上、特に好ましくは210N/mm以上であり、また好ましくは300N/mm以下、より好ましくは270N/mm以下、特に好ましくは240N/mm以下とするのがよい。
本発明における弾性変形率、及びユニバーサル硬度は、Fischer社製微小硬度計FISCHERSCOPE H100Cを用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定した値である。測定には対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いる。測定条件は以下に示す設定して行い、圧子にかかる荷重とその荷重下における押し込み深さを連続的に読み取り、それぞれY軸、X軸にプロットした図3に示すようなプロファイルを取得する。
測定条件
最大押込み加重 5mN
負荷所要時間 10秒
除荷所要時間 10秒
本発明における弾性変形率は、下記式により定義される値であり、押し込みに要した全仕事量に対して、除荷の際に膜が弾性によって行う仕事の割合である。
弾性変形率(%)=We/Wt × 100
上記式中、全仕事量Wt(nJ )は図3中のA−B−D−Aで囲まれる面積を示し、
弾性変形仕事量We(nJ)はC−B−D−C で囲まれる面積を示す。
弾性変形率が大きいほど、負荷に対する変形が残留しにくく、100の時には変形が残らないことを意味する。
本発明において、ユニバーサル硬度は、押込み加重 5mNまで押し込んだ時の値であり、その時の荷重から以下の式により定義される値である。
ユニバーサル硬度(N/mm)=試験荷重(N)/試験荷重下でのビッカース圧子の表面積(mm
<導電性支持体>
本発明の電子写真感光体に用いる導電性支持体としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫等の導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状等のものが用いられる。金属材料の導電性支持体に、導電性、表面性等の制御のためや欠陥被覆のために、適当な抵抗値をもつ導電性材料を塗布したものでもよい。
導電性支持体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いた場合、陽極酸化被膜を施してから用いてもよい。陽極酸化被膜を施した場合、公知の方法により封孔処理を施すのが望ましい。例えば、クロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中で、陽極酸化処理することにより陽極酸化被膜が形成されるが、硫酸中での陽極酸化処理がより良好な結果を与える。硫酸中での陽極酸化の場合、硫酸濃度は100〜300g/L、溶存アルミニウム濃度は2〜15g/L、液温は15〜30℃、電解電圧は10〜20V、電流密度は0.5〜2A/dm2の範囲内に設定されるのが好ましいが、前記条件に限定されるものではない。
このようにして形成された陽極酸化被膜に対して、封孔処理を行なうことが好ましい。封孔処理は、公知の方法で行われればよいが、例えば、主成分としてフッ化ニッケルを含有する水溶液中に浸漬させる低温封孔処理、あるいは主成分として酢酸ニッケルを含有する水溶液中に浸漬させる高温封孔処理が施されるのが好ましい。
上記低温封孔処理の場合に使用されるフッ化ニッケル水溶液濃度は、適宜選べるが、3〜6g/Lの範囲で使用された場合、より好ましい結果が得られる。また、封孔処理をスムーズに進めるために、処理温度としては、25〜40℃、好ましくは30〜35℃で、また、フッ化ニッケル水溶液pHは、4.5〜6.5、好ましくは5.5〜6.0の範囲で処理するのがよい。pH調節剤としては、シュウ酸、ホウ酸、ギ酸、酢酸、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、アンモニア水等を用いることができる。処理時間は、被膜の膜厚1μmあたり1〜3分の範囲で処理することが好ましい。なお、被膜物性を更に改良するためにフッ化コバルト、酢酸コバルト、硫酸ニッケル、界面活性剤等をフッ化ニッケル水溶液に添加しておいてもよい。次いで水洗、乾燥して低温封孔処理を終える。
前記高温封孔処理の場合の封孔剤としては、酢酸ニッケル、酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル−コバルト、硝酸バリウム等の金属塩水溶液を用いることができるが、特に酢酸ニッケルを用いるのが好ましい。酢酸ニッケル水溶液を用いる場合の濃度は5〜20g/Lの範囲内で使用するのが好ましい。処理温度は80〜100℃、好ましくは90〜98℃で、また、酢酸ニッケル水溶液のpHは5.0〜6.0の範囲で処理するのが好ましい。
ここでpH調節剤としては、アンモニア水、酢酸ナトリウム等を用いることができる。処理時間は10分以上、好ましくは20分以上処理するのが好ましい。なお、この場合も被膜物性を改良するために酢酸ナトリウム、有機カルボン酸、アニオン系、ノニオン系界面活性剤等を酢酸ニッケル水溶液に添加してもよい。次いで水洗、乾燥して高温封孔処理を終える。平均膜厚が厚い場合には、封孔液の高濃度化、高温・長時間処理により強い封孔条件を必要とする。従って生産性が悪くなると共に、被膜表面にシミ、汚れ、粉ふきといった表面欠陥を生じやすくなる。このような点から、陽極酸化被膜の平均膜厚は通常20μm以下、特に7μm以下で形成されることが好ましい。
支持体表面は、平滑であってもよいし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理したりすることにより、粗面化されていてもよい。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものであってもよい。また、安価化のためには切削処理を施さず、引き抜き管をそのまま使用することも可能である。特に引き抜き加工、インパクト加工、しごき加工等の非切削アルミニウム支持体を用いる場合、処理により、表面に存在した汚れや異物等の付着物、小さな傷等が無くなり、均一で清浄な支持体が得られるので好ましい。
<下引き層>
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性やブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けてもよい。下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したもの等が用いられる。また、下引き層は、単一層であっても、複数層を設けてもかまわない。
下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子等が挙げられる。これらは一種類の粒子を単独で用いてもよいし、複数の種類の粒子を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
これらの金属酸化物粒子の中でも、酸化チタン及び酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。
酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理を施されていてもよい。これらの処理は何れか1種でもよく、2種以上が施されていてもよい。
酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスの何れを用いることができる。なお、酸化チタン粒子は、その結晶型が1種類のみであってもよく、2種以上の結晶型が任意の組み合わせ及び比率で含まれていてもよい。
金属酸化物粒子の粒径としては種々のものが利用できるが、中でも下引き層の原料であるバインダー樹脂等の特性及び液の安定性の面から、平均一次粒径として通常10nm以上、また、通常100nm以下、好ましくは50nm以下のものが望ましい。この平均一次粒径は、TEM写真から計測によって求められたもので定義される。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ニトロセルロース等のセルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物等の有機ジルコニウム化合物、チタニルキレート化合物、チタニルアルコキシド化合物等の有機チタニル化合物、シランカップリング剤等が挙げられる。なお、これらは単独で用いてもよく、或いは2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、硬化剤とともに硬化した形で使用してもよい。中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は、良好な分散性及び塗布性を示し、好ましい。
下引き層に用いられるバインダー樹脂に対する金属酸化物粒子の混合比は任意に選べるが、通常はバインダー樹脂100重量部に対して、10重量部以上500重量部以下の範囲で使用することが、塗布液の安定性、塗布性の面で好ましい。
下引き層形成用塗布液に金属酸化物粒子を含有する場合、該金属酸化物粒子は塗布液中に分散されて存在する。塗布液中に金属酸化物粒子を分散させるには、例えば、ボールミル、サンドグラインドミル、遊星ミル、ロールミルなどの公知の機械的な粉砕装置で有機溶媒中にて湿式分散することにより製造することができるが、分散メディアを利用して分散することが好ましい。
分散メディアを利用して分散する分散装置としては、公知のどのような分散装置を用いて分散しても構わないが、ペブルミル、ボールミル、サンドミル、スクリーンミル、ギャップミル、振動ミル、ペイントシェーカー、アトライター等が挙げられる。これらの中でも塗布液を循環させて分散できるものが好ましく、分散効率、到達粒径の細かさ、連続運転の容易さ等の点から、サンドミル、スクリーンミル、ギャップミルが用いられる。サンドミルは、縦型、横型いずれのものでもよい。サンドミルのディスク形状は、平板型、垂直ピン型、水平ピン型等任意のものを使用できる。
酸化チタン粒子を下引き層用塗布液に分散させるには、各種の粒子径のものを用いることができるが、平均粒子径5μm〜200μmの分散メディアを用いることが好ましい。
分散メディアは通常、真球に近い形状をしているため、例えばJIS Z 8801:2000等に記載のふるいによりふるい分けする方法や、画像解析により測定することにより平均粒子径を求めることができ、アルキメデス法により密度を測定することができる。具体的には例えば、(株)ニレコ製のLUZEX50等に代表される画像解析装置により、平均粒子径と真球度を測定することが可能である。分散メディアの平均粒子径としては、通常5μm〜200μmのものが用いられ、特に10μm〜100μmであるのが好ましい。一般に小さな粒径の分散メディアの方が、短時間で均一な分散液を与える傾向があるが、過度に粒径が小さくなると分散メディアの質量が小さくなりすぎて効率よい分散ができなくなる。
分散メディアの密度としては、通常5.5g/cm以上のものが用いられ、好ましくは5.9g/cm以上、より好ましくは6.0g/cm以上のものが用いられる。一般に、より高密度の分散メディアを使用して分散した方が短時間で均一な分散液を与える傾向がある。分散メディアの真球度としては、1.08以下のものが好ましく、より好ましくは1.07以下の真球度を持つ分散メディアを用いる。
分散メディアの材質としては、下引き層形成用塗布液に不溶、且つ、比重が下引き層形成用塗布液より大きなものであって、下引き層形成用塗布液と反応したり、下引き層形成用塗布液変質させたりしないものであれば、公知の如何なる分散メディアも使用することができ、クローム球(玉軸受用鋼球)、カーボン球(炭素鋼球)等のスチール球;ステンレス球;窒化珪素球、炭化珪素、ジルコニア、アルミナ等のセラミック球;窒化チタン、炭窒化チタン等の膜でコーティングされた球などがあげられるが、これらの中でもセラミック球が好ましく、特にはジルコニア焼成ボールが好ましい。より具体的には、特許第3400836号公報に記載のジルコニア焼成ビーズを用いることが特に好ましい。
特開2007−334335に示されたように、金属酸化物粒子は、下引き層測定用分散液中で動的光散乱法により測定された体積平均粒子径が、0.1μm以下、好ましくは95nm以下、より好ましくは90nm以下である。また、前記の体積平均粒子径の下限に制限は無いが、通常20nm以上である。上記範囲を満たすことにより、本発明の電子写真感光体は、低温低湿下での露光−帯電繰り返し特性が安定し、得られる画像に黒点、色点などの画像欠陥が生じることを抑制することができる。
同じく、特開2007−334335に示されたように、金属酸化物粒子は、下引き層測定用分散液中で動的光散乱法により測定された累積90%粒子径が、0.3μm以下、好ましくは0.25μm以下、より好ましくは0.2μm以下である。また、前記の累積90%粒子径の下限に制限は無いが、通常10nm以上、好ましくは20nm以上、より好ましくは50nm以上である。従来の電子写真感光体では、下引き層に、金属酸化物粒子が凝集することによってなる、下引き層の表裏を貫通できるほど大きい金属酸化物粒子凝集体が含有され、当該大きな金属酸化物粒子凝集体によって、画像形成時に欠陥が生じる可能性があった。さらに、帯電手段として接触式のものを用いた場合には、感光層に帯電を行なう際に当該金属酸化物粒子を通って感光層から導電性支持体に電荷が移動し、適切に帯電を行なうことができなくなる可能性もあった。しかし、本発明の電子写真感光体では、累積90%粒子径が非常に小さいため、前記のように欠陥の原因となるような大きな金属酸化物粒子が非常に少なくなる。この結果、本発明の電子写真感光体では、欠陥の発生、及び、適切に帯電できなくなることを抑制でき、高品質な画像形成が可能である。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、電子写真感光体の電気特性、強露光特性、画像特性、及び繰り返し特性、並びに製造時の塗布性を向上させる観点から、通常は0.01μm以上、好ましくは0.1μm以上、また、通常30μm以下、好ましくは20μm以下である。
<電荷発生物質>
導電性支持体上に形成された感光層としては、電荷発生物質と電荷輸送物質が同一層に存在し、バインダー樹脂中に分散された単層構造のものであっても、若しくは電荷発生物質がバインダー中に分散された電荷発生層と電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層とに機能分離された積層構造のものの何れであってもよい。本発明においては、必要に応じて、電荷発生物質、染顔料を使用することが好ましい。この具体例としては、例えば、セレニウム及びその合金、硫化カドミウム、その他無機系光導電材料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料等の有機顔料等各種光導電材料が使用でき、特に有機顔料、更にはフタロシアニン顔料、アゾ顔料が好ましい。
使用されるフタロシアニンとしては、具体的には、無金属フタロシアニン、銅、インジウム、ガリウム、錫、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム等の金属、又はその酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、アルコキシド等の配位したフタロシアニン類の各種結晶型が使用される。特に、感度の高い結晶型であるX型、τ型無金属フタロシアニン、A型(別称β型)、B型(別称α型)、D型(別称Y型)等のチタニルフタロシアニン(別称:オキシチタニウムフタロシアニン)、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、II型等のクロロガリウムフタロシアニン、V型等のヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型,I型等のμ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体、IIS
型等のμ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体が好適である。なお、これらのフタロシアニンのうち、A型(β型)、B型(α型)、D型(Y型)オキシチタニウムフタロシアニン、II型クロロガリウムフタロシアニン、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型μ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体等が特に好ましい。特に、オキシチタニウムフタロシアニンは、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に主たる明瞭な回折ピークを有するものが好ましい。
また、該オキシチタニウム二ロシアニンは、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.0°〜9.7°に、明瞭な回折ピークを有することが好ましい。
また、該オキシチタニウムフタロシアニンにおいては、結晶内の塩素含有量が1.5質量%以下であることが好ましい。該塩素含有量は元素分析から求められる。
また、該オキシチタニウムフタロシアニン結晶内においては、下記式(3)で表される塩素化オキシチタニウムフタロシアニンの割合が、下記式(4)で表される無置換オキシチタニウムフタロシアニンに対して、マススペクトル強度比で、0.070以下であるものである。また、好ましくはマススペクトル強度比が0.060以下であり、より好ましくは0.055以下である。製造の際、非晶質化に乾式摩砕法を用いる場合は、0.02以上が好ましく、非晶質化にアシッドペースト法を用いる場合は、0.03以下が好ましい。塩素置換量は、特開2001−115054号公報の手法に基づいて測定する。
Figure 2010217625
これらオキシチタニルフタロシアニンの粒子径は製法、結晶変換方法によって大きく異なるが、分散性を考慮すると、1次粒子径として、500nm以下が好ましく、塗布成膜性の面からは300nm以下であることが好ましい。
また、該オキシチタニウムフタロシアニンは、塩素化オキシチタニウムフタロシアニン以外に、例えば、フッ素原子、ニトロ基、シアノ基を含有していても構わない。又はスルホン基等の置換基で置換された、各種オキシチタニウムフタロシアニン誘導体を含有してもよい。
アゾ顔料としては、各種公知のビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料が好適に用いられる。好ましいアゾ顔料の例を下記式(5)に示す。下記式(5)において、Cp乃至、Cpは、カップラーを表す。
Figure 2010217625
上記式(5)において、カップラーCp乃至Cpとしては、以下の構造が好ましい。
Figure 2010217625
フタロシアニンとアゾ顔料を併用することによって、高感度かつゴーストのない感光体を作製することが可能である。
機能分離型感光体における電荷発生層に用いられる結着樹脂の例としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールや、アセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル系ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、カゼインや、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシ変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アルキッド樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の絶縁性樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルペリレン等の有機光導電性ポリマーの中から選択し、用いることができるが、これらポリマーに限定されるものではない。また、これら結着樹脂は単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。
結着樹脂を溶解させ、塗布液の作製に用いられる溶媒、分散媒としては例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン等の飽和脂肪族系溶媒、
トルエン、キシレン、アニソール等の芳香族系溶媒、
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒、
ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒、
グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、
アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン等の鎖状、分岐及び環状ケトン系溶媒、
ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、
塩化メチレン、クロロホルム、1,2―ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等の鎖状及び環状エーテル系溶媒、
アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルフォラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒、
n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物、
リグロイン等の鉱油、

等が挙げられ、前述した下引き層を溶解しないものが好ましく用いられる。またこれらは単独、又は2種以上を併用しても用いることが可能である。
機能分離型感光体の電荷発生層において、前記結着樹脂と電荷発生物質との配合比(重量)は、バインダー樹脂100重量部に対して10重量部〜1000重量部、好ましくは30重量部〜500重量部の範囲であり、その膜厚は通常0.1μm〜4μm、好ましくは0.15μm〜0.6μmである。電荷発生物質の比率が高すぎる場合は電荷発生物質の凝集等の問題により塗布液の安定性が低下し、一方低すぎる場合は感光体としての感度の低下をまねくことから、前記範囲で使用するのが好ましい。前記電荷発生物質を分散させる方法としては、ボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法、超音波分散法等の公知の分散方法を用いることができる。この際粒子を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.15μm以下の粒子サイズに微細化することが有効である。
<電荷輸送物質>
本発明においては、電荷輸送物質として任意の公知の電荷輸送物質を用いることが可能である。公知の電荷輸送物質の例としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物等の電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等が挙げられる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、ヒドラゾン誘導体、エナミン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましい。これらの電荷輸送物質は、何れか1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせで併用してもよい。
前記電荷輸送物質の好適な構造の具体例を以下に示す。下記の化合物において、Rは同一でも、それぞれ異なっていても構わない。具体的には、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、アリールアルキル等が好ましい。特に好ましくは、メチル基、エチル基又はベンジル基である。また、nは0乃至2の整数である。これら具体例は例示のために示したものであり、本発明の趣旨に反しない限りは如何なる公知の電荷輸送物質を用いてもよい。
Figure 2010217625
Figure 2010217625
<バインダー樹脂>
電荷発生層と電荷輸送層を有する機能分離型感光体の電荷輸送層及び単層型感光体の感光層形成の際は、膜強度確保のため、化合物を分散させるためバインダー樹脂が使用される。機能分離型感光体の電荷輸送層の場合、電荷輸送物質と各種バインダー樹脂とを溶剤に溶解、あるいは分散してえられる塗布液、また、単層型感光体の場合、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダー樹脂を溶剤に溶解、あるいは分散して得られる塗布液を塗布、乾燥して得ることができる。バインダー樹脂としては、例えばブタジエン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は珪素試薬等で修飾されていてもよい。上記バインダー樹脂のうち、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂が好ましく、ポリアリレート樹脂であることが特に好ましい。
本発明に規定される弾性変形率、ユニバーサル硬度を有する感光体であれば、その構成に制限はないが、ポリアリレート樹脂を用いることが好ましく、特にポリアリレート樹脂として、式(1)で表される化合物を用いることが好ましい。
Figure 2010217625
式(1)中、Ar1〜Ar4は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアリーレン基を表わし、X、Yは単結合または二価の連結基を表わし、kは0以上の整数を表す。
前記式(1)において、Ar〜Arは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアリーレン基を表わす。アリーレン基としては、1、2−フェニレン基、1、3−フェニレン基、1、4−フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントリレン基が挙げられるが、電気特性の面から1、4−フェニレン基が好ましい。
また、Ar〜Arを構成するアリーレン基は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい。置換基の具体例を挙げると、アルキル基、アリール基、ハロゲン基、またはアルコキシ基が挙げられる。このうち、感光層用のバインダー樹脂としての機械的特性と感光層形成用塗布液に対する溶解性とを勘案すれば、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が好ましく、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が好ましく、ハロゲン基としてフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が好ましく、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が好ましく例示される。なお、置換基がアルキル基である場合、そのアルキル基の炭素数は通常1以上、また、通常10以下、好ましくは8以下、より好ましくは2以下である。
Ar、Arは、それぞれ置換基の数は0〜2個有することが好ましく、接着性の面から置換基を有することが好ましく、更に、耐磨耗性の面から置換基を1個有することが好ましい。また、置換基としてはアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
Ar、Arは、それぞれ置換基の数は0〜2個有することが好ましく、耐磨耗性の面から置換基を有さないことが好ましい。
また、前記式(1)において、X、Yはそれぞれ独立に単結合または二価の連結基を表わす。好適なX、Yの例を挙げると、硫黄原子、酸素原子、スルホニル基、シクロアルキリデン基、−CR4−などが挙げられる。ここで、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン基、またはアルコキシ基を表わす。また、R及びRのうち、感光層用のバインダー樹脂としての機械的特性と感光層形成用塗布液に対する溶解性とを勘案すれば、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が好ましく、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基などが好ましく、ハロゲン基としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が好ましく、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が好ましく例示される。なお、RまたはRがアルキル基である場合、そのアルキル基の炭素数は、通常1以上、また、通常10以下、好ましくは8以下、より好ましくは2以下である。
さらに、樹脂を製造する際に用いる二価ヒドロキシ化合物の製造の簡便性を勘案すれば、Xとして好ましい基の例としては、−O−、−S−、シクロヘキシリデン、−CR4−が挙げられる。中でも、Xが−CR4−であることが好ましく、R、Rが水素原子、又はアルキル基であることが好ましく、R、Rのうち少なくとも一方が水素原子であることが耐磨耗性の点で最も好ましい。
さらに、樹脂を製造する際に用いる二価ヒドロキシ化合物の製造の簡便性を勘案すれば、Yとして好ましい基の例としては、単結合、−O−、−S−、−CH2−が挙げられる。耐磨耗性の面から、原子数3以下の2価の連結基が好ましく、中でも−O−が最も好ましい。
kは0以上の整数であり、製造の簡便性を勘案すれば0〜1が好ましく、耐磨耗性の面からk=1であることが最も好ましい。
Yが酸素で、k=1の樹脂を用いた場合は、弾性変形率が特に好ましい特性を示す。
また、ポリエステル樹脂を形成する酸成分の具体例としては、以下の構造を有するものを用いることが好ましい。
Figure 2010217625
特に好ましい酸成分は、電気特性、耐磨耗性の観点から、以下の構造を有するものである。
Figure 2010217625
ポリエステル樹脂に用いられるジオールとしては、前記したポリカーボネート樹脂に用いられるジオールが使用可能であるが、これらの中でも特に、下記構造のジオールを繰り返し単位構造として有するポリアリレート樹脂が好ましい例をして挙げられる。
Figure 2010217625
これらのジカルボン酸成分やジオール成分は、複数種組み合わせて用いることも可能である。
本発明に係るポリアリレート樹脂において、式(1)で表される構造部分の重量比率は多いほど、電気特性、耐磨耗性の観点から好ましい。樹脂成分の全重量に対して、式(1)で表される構造部分が50重量%以上であることが好ましく、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上であって、特には樹脂成分全てが式(2)で表される構造であることが最も好ましい。
本発明に係るポリアリレート樹脂として好適に用いられる樹脂の繰り返し構造を以下に例示する。但し、本発明に係るポリアリレート樹脂はこれらに制限されるものではない。

・nが0の場合の繰り返し構造
Figure 2010217625
・nが1の場合の繰り返し構造
Figure 2010217625
Figure 2010217625
バインダー樹脂の分子量は、低すぎると機械的強度が不足し、逆に分子量が高すぎると感光層形成のための塗布液の粘度が高すぎて生産性が低下するといった不具合が生じる場合があるため、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂の場合、粘度平均分子量で10,000以上が好ましく、特に好ましくは20,000以上である。また、70,000以下が好ましく、特に好ましくは50,000以下である。粘度平均分子量は、実施例に記載されている測定方法で測定し、それによって定義される。
本発明においては、ポリアリレート樹脂を用いることが好ましい。ポリアリレート樹脂はポリカーボネート樹脂に比べて耐磨耗性において優れる。
本発明に用いられるポリアリレート樹脂の末端に存在するカルボキシル基(−COOH基)量は通常30μeq/g以下、好ましくは15μeq/g以下、より好ましくは10μeq/g以下、特に好ましくは5μeq/g以下である。末端カルボキシル基量が多くなると表面電位の上昇など電気特性が悪くなる傾向が見られあまり好ましくない。また、末端カルボン酸基量が低いほど、電荷輸送材料の分解を抑制することが可能である。末端カルボキシル基量は、精秤したポリアリレート樹脂をベンジルアルコールに加熱溶解し、0.01N−NaOHベンジルアルコール溶液で滴定することにより定量することができる。
本発明に用いられるポリアリレートの分子鎖中に取り込まれた窒素量は、通常100ppm以下、好ましくは50ppm以下であり、特に好ましくは20ppm以下である。窒素含量が上記範囲を超えると表面電位の上昇など電気特性が悪くなり好ましくない。樹脂中の窒素含有量は三菱化学製、全窒素分析計(TN−10)により測定できる。
また、ポリアリレート樹脂の末端に残存する酸クロライド基量は通常1μeq/g以下、好ましくは0.3μeq/g以下、特に好ましくは0.1μeq/g以下である。末端酸クロライド基量が上記範囲を超えると、保存安定性が低下し好ましくない。末端酸クロライド基量は、精秤したポリアリレート樹脂を塩化メチレンに溶解し、4−(p−ニトロベンジル)ピリジンの1wt%塩化メチレン溶液を加え発色させ、440nmの波長の吸光度を測定する。別途塩化ベンゾイルの塩化メチレン溶液を用い吸光係数を求め、樹脂中の酸クロライド基量を定量することができる。
同様に、ポリアリレート樹脂の末端に存在するOH基量は通常制限は無いが、好ましくは50μeq/g以下、特に好ましくは20μeq/g以下である。末端OH基量が多くなると表面電位の上昇など電気特性が悪くなる傾向が見られ好ましくない。末端OH基量は、酢酸酸性化で四塩化チタンにより発色させ、480nmの波長の吸光度を測定することにより定量することができる。
また、ポリカーボネート樹脂としては、下記式(2)で表される繰返し構造を有するポリカーボネート樹脂を用いることが好ましい。
Figure 2010217625
式(2)中、Ar21、Ar22は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアリーレン基を表わし、X1は単結合または二価の連結基を表わす。
前記式(2)において、Ar21、Ar22は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアリーレン基を表わす。アリーレン基としては、1、2−フェニレン基、1、3−フェニレン基、1、4−フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントリレン基が挙げられるが、電気特性の面から1、4−フェニレン基が好ましい。
また、Ar21、Ar22を構成するアリーレン基は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい。置換基の具体例を挙げると、アルキル基、アリール基、ハロゲン基、またはアルコキシ基が挙げられる。このうち、感光層用のバインダー樹脂としての機械的特性と感光層形成用塗布液に対する溶解性とを勘案すれば、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が好ましく、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が好ましく、ハロゲン基としてフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が好ましく、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が好ましく例示される。なお、置換基がアルキル基である場合、そのアルキル基の炭素数は通常1以上、また、通常10以下、好ましくは8以下、より好ましくは2以下である。
Ar21、Ar22は、それぞれ置換基の数は0〜2個有することが好ましく、接着性の面から置換基を有することが好ましく、更に、滑り性の面から置換基を1個有することが好ましい。置換基としてはアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
また、前記式(2)において、X1は単結合または二価の連結基を表わす。好適なX1の例を挙げると、硫黄原子、酸素原子、スルホニル基、カルボニル基、シクロアルキリデン基、−CR2−などが挙げられる。ここで、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン基、またはアルコキシ基を表わす。また、R及びRのうち、感光層用のバインダー樹脂としての機械的特性と感光層形成用塗布液に対する溶解性とを勘案すれば、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が好ましく、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基などが好ましく、ハロゲン基としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が好ましく、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が好ましく例示される。なお、R又はRがアルキル基である場合、そのアルキル基の炭素数は、通常1以上、また、通常10以下、好ましくは8以下、より好ましくは2以下である。
さらに、樹脂を製造する際に用いる二価ヒドロキシ化合物の製造の簡便性を勘案すれば、Xとして好ましい基の例としては、−O−、−S−、シクロヘキシリデン基、−
CR2−が挙げられる。中でも、Xが−CR2−であることが好ましく、R1、
R2が水素原子、又はアルキル基であることが好ましく、R、Rのうち少なくとも一
方が水素原子であることが耐磨耗性の点で最も好ましい。
これらの構造を形成するジオール成分としては、ビスフェノール化合物、ビフェノール化合物等があげられる。
その具体例としては、4,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジ(t−ブチル)−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラ(t−ブチル)−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、2,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−2,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジ(t−ブチル)−2,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、2,2’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジ(t−ブチル)−2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル等のビフェノール化合物;
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等の芳香族環上に置換基を有しないビスフェノール化合物;
ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族環上に置換基としてアリール基を有するビスフェノール化合物;
ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン等、
ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)シクロヘキサン等、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−(sec−ブチル)フェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)シクロヘキサン等の芳香族環上に置換基としてアルキル基を有するビスフェノール化合物;
ビス(4−ヒドロキシフェニル)(フェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)(ジフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)(ジベンジル)メタン等の芳香族環を連結する2価基が置換基としてアリール基を有するビスフェノール化合物;
中でも以下に示されるビスフェノール、ビフェノールを繰り返し構造として有するポリカーボネート樹脂が好適に使用される。
Figure 2010217625
特に、本発明の効果を最大限に発揮するためには、以下構造を示すビスフェノール誘導体を含有するポリカーボネート樹脂が好ましい。
Figure 2010217625
本発明に係るポリカーボネート樹脂は、部分構造として式(2)で表される以外のポリカーボネート構造を含んでも構わない。更に、部分構造として、ポリカーボネート樹脂以外の構造を含んでも構わない。
本発明に係るポリカーボネート樹脂において、式(2)で表される構造部分の重量比率は多いほど、電気特性、耐磨耗性の観点から好ましい。樹脂成分の全重量に対して、式(2)で表される構造部分が50重量%以上であることが好ましく、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上であって、特には樹脂成分全てが式(2)で表される構造であることが最も好ましい。
積層型感光体の電荷輸送層及び単層型感光体の感光層に使用されるバインダー樹脂と電荷輸送物質の割合は、単層型、積層型共に、通常、バインダー樹脂100重量部に対して電荷輸送物質が20重量部以上であって、残留電位低減の観点から30重量部以上が好ましく、繰り返し使用時の安定性、電荷移動度の点から、40重量部以上がより好ましい。また、一方で感光層の熱安定性の点から、通常は150重量部以下、電荷輸送物質とバインダー樹脂の相溶性の点からは好ましくは120重量部以下、耐刷性の点からは100重量部以下がより好ましく、耐傷性の点からは80重量部以下が特に好ましい。
単層型感光体の場合には、上記のような配合比の電荷輸送媒体中に、更に前記の電荷発生物質が分散される。その場合の電荷発生物質の粒子径は充分小さいことが必要であり、好ましくは1μm以下が好ましく、より好ましくは0.5μm以下で使用される。感光層内に分散される電荷発生物質は少なすぎると、充分な感度が得られない場合があったり、一方、多すぎると、帯電性の低下、感度の低下等の弊害が生じる場合がある。例えば、好ましくは0.1〜50質量%の範囲、特に好ましくは1〜20質量%の範囲で使用される。
単層型感光体の感光層の膜厚は、通常5〜100μm、好ましくは10〜50μmの範囲で使用され、順積層型感光体の電荷輸送層の膜厚は、通常5〜50μmの範囲で用いられるが、長寿命、画像安定性の点からは、好ましくは10〜45μm、高解像度の点からは10〜30μmがより好ましい。
<その他>
なお、感光層には成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性等を向上させるために周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤等の添加剤を含有させてもよい。また感光層には必要に応じて塗布性を改善するためのレベリング剤や酸化防止剤、増感剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。酸化防止剤の例としては、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物等が挙げられる。また染料、顔料の例としては、各種の色素化合物、アゾ化合物等が挙げられ、界面活性剤の例としては、シリコ−ンオイル、フッ素系オイル等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、α−トコフェロール、β−トコフェロール、2,2,4−トリメチル−6−ヒドロキシ−7−t−ブチルクロマン、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2’−チオエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシアニソール、1−[2−{(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−[3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペラジル、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、等を挙げることができる。
中でも、分子中のフェノール環にt−ブチル基を1個以上有するものが好ましく、特にその中でも、そのt−ブチル基がフェノール性水酸基の隣接した位置に結合したものがより好適である。それらの中でも、そのt−ブチル基がフェノール性水酸基の隣接した位置に2個結合したものが最も好ましい。その具体例を挙げると、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート等のモノフェノール系酸化防止剤、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等のポリフェノール系酸化防止剤などが好適である。これらを用いることにより、繰返し使用してもかぶりのない電子写真感光体を作成することができる。
また、耐酸性ガス性を向上させるために、公知の置換基を有しても良いアルキルアミン化合物を用いることが可能である。例えば、特開平3−172852や特開2007−52408に示される化合物を用いると効果がある。それらの中でも、例えば、トリベンジルアミンを好適に用いることができる。
感光体の最表面層には、感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電物質等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で保護層を設けてもよい。保護層は導電性材料を適当な結着樹脂中に含有させて形成するか、特開平9−190004号公報、特開平10−252377号公報の記載のようなトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する化合物を用いた共重合体を用いることができる。導電性材料としては、TPD(N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス−(m−トリル)ベンジジン)等の芳香族アミノ化合物、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化錫、酸化チタン、酸化錫−酸化アンチモン、酸化アルミ、酸化亜鉛等の金属酸化物等を用いることが可能であるが、これに限定されるものではない。
保護層に用いる結着樹脂としてはポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、シロキサン樹脂等の公知の樹脂を用いることができ、また、特開平9−190004号公報、特開平10−252377号公報の記載のような、トリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する骨格と、上記樹脂の共重合体を用いることもできる。上記保護層は電気抵抗が10〜1014Ω・cmとなるように構成することが好ましく。電気抵抗が1014Ω・cmより高くなると残留電位が上昇しカブリの多い画像となってしまい、一方10Ω・cmより低くなると画像のボケ、解像度の低下が生じてしまう。また、保護層は像露光に照射される光の透過を実質上妨げないように構成されなければならない。
また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を低減、トナーの感光体から転写ベルト、紙への転写効率を高める等の目的で、表面層にフッ素系樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂等を含んでいてもよい。また、これらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を含んでいてもよい。
<層形成方法>
感光体を構成する各層は、各層を構成する材料を含有する塗布液を、支持体上に公知の塗布方法を用い、各層ごとに塗布・乾燥工程を繰り返し、順次塗布していくことにより形成される。
層形成用の塗布液は、単層型感光体及び積層型感光体の電荷輸送層の場合には、固形分濃度を、通常5〜40質量%の範囲で用いられるが、10〜35質量%の範囲で使用するのが好ましい。また、該塗布液の粘度は、通常10〜500mPa・sの範囲で用いられるが、50〜400mPa・sの範囲とするのが好ましい。
積層型感光体の電荷発生層の場合には、固形分濃度を、通常0.1〜15質量%の範囲で使用されるが、1〜10質量%の範囲で使用することがより好ましい。塗布液の粘度は、通常0.01〜20mPa・sの範囲で使用されるが、0.1〜10mPa・sの範囲で使用されることがより好ましい。
塗布液の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられるが、他の公知のコーティング法を用いることも可能である。
塗布液の乾燥は室温における指触乾燥後、30〜200℃の温度範囲で、1分から2時間の間、無風、又は送風下で加熱乾燥させることが好ましい。また加熱温度は一定であっても、乾燥時に変更させながら行なってもよい。
[本発明に係るトナー]
<トナーのパラメータ>
本発明により得られるトナーの体積中位粒径( D 5 0 v) は、通常3 . 5μm以上、
より好ましくは4.0μm以上でありであり、通常7.0μ m以下、好ましくは6.5μm以下、より好ましくは6.0μm以下である。また、トナーの個数中位粒径( D 5 0 p
) は、通常3μm以上であり、通常 7 . 5μ m以下、好ましくは 6 . 5μ m以下、より好ましくは6μm以下である。体積中位粒径、個数中位粒径ともに小さいほど高精細の画
像を提供することが出来るが、小さすぎると微粉の発生量が多くなるため上記範囲が好ましい。
トナーの体積粒度分布の標準偏差は、好ましくはD 5 0 vの1 / 4以下、より好ましく
はD 5 0 vの1 / 7以上、 1 / 4以下である。一般的に標準偏差が大きいと帯電量の分布
がブロードになり、帯電不良から画像欠陥を招きやすい。更には、トナーの部材等への付着による汚染、飛散による汚染を誘発するきらいがあるため標準偏差を小さくすることが好ましい。一方で、工業的見地から、標準偏差はある程度の大きさを持つことが好ましい。
トナーの比表面積の低下による遊離外添剤の増加を抑制し、耐久性を向上させる観点から、粒径が( 1 . 4× D 5 0 v) μ m 以上の粒子の含有量は、トナー中、5体積% 以下が好ましく、4体積% 以下がより好ましい。一方、トナーの比表面積の増大による外添剤の欠如に伴う流動性、帯電性の低下を防止し、耐久性を向上させる観点から、粒径が(
0 . 6× D 5 0 p) μ m 以下の粒子の含有量は、トナー中、5個数% 以下が好ましく、4個数% 以下がより好ましい。
本発明においてはフィルミング防止とクリーニング性のバランスの観点から、トナーの平均円形度は好ましくは0.98以下であり、より好ましくは0.96以下、更に好ましくは0.95以下である。一方下限値としては、好ましくは0.90以上であり、より好ましくは0.92以上であり、更に好ましくは0.93以上である。
トナーの平均円形度は、実施例に記載の方法で測定され、そのように測定されたものとして定義される。本発明におけるトナーの平均円形度は0.93以上であり、0.94以上であることが好ましい。一般的に円形度が高いとするトナーは転写効率がよい。円形度の高い球形トナーは、トナー相互又は種々の部材とのひっかかりが少ないため、帯電ローラーでの機械的シェアが小さく、表面の形状変化が軽微である。また、トナー母体自体の流動性が高いため、外添された無機粉体の量が変化しても流動性が大きく変化しにくい。このように球形トナーはトナーの劣化が少ない形状因子を持っている。更に、感光ドラムからの離型性に優れるため、転写効率が優れており、画像濃度を十分に確保することができるとともに転写残トナーを少なくすることができる。このような理由から、高速印刷機に使用されるトナーとしては円形度の高いトナーを使用することが望ましい。
しかしながら、平均円形度が高いトナーは、E−SPARTアナライザーで計測した弱帯電トナー率WST[%]が増加する傾向にあり、トナー飛散が悪化することがある。更に、転写残トナーをクリーニングブレードでかき取る際に当該クリーニングブレードをすり抜け易く、画像を汚す原因となる。高速印刷する場合には、当該現象はより顕著になる。従って、本発明におけるトナーの平均円形度は0.98以下が好ましく、より好ましくは0.96以下である。
更に、粒径が小さく、かつ、円形度が高いトナーにおいては、クリーニングブレードでのかき取りが困難であり、トナーがクリーニングブレードを抜け易いため、特に円形度に応じて粒子径分布を制御することが必要である。
<トナーの製造方法>
本発明におけるトナーの製造方法は、前期パラメータを満たすものであれば、特に限定されない。すなわち、粉砕法(得られたトナーを「粉砕トナー」と省略する場合がある。)や水系媒体中で粒子を形成させる方法(以下、「湿式法」と略記する場合がある)等によって製造することができる。湿式法としては、懸濁重合法、乳化重合凝集法等の水系媒体中でラジカル重合を行う方法(以下、「重合法」と略記し、得られたトナーを「重合トナー」と略記する場合がある)や、溶融懸濁法に代表される化学粉砕法等が好適に使用できる。但し、材料選択性に優れ、コスト的に優位な粉砕トナーが好ましい。以下、粉砕法について説明する。
粉砕法によるのトナーの製造方法は、少なくとも
工程( I ) : 結着樹脂、ワックス及び着色剤を含有した原料を用いて溶融混練する工程、
工程(I I) : 工程( I ) で得られた混練物を冷却し、粉砕する工程、及び
工程( I I I ): 工程( I I )で得られた粉砕物を分級する工程
を有するものである。
以下に、各工程について説明する。
工程( I ) は、結着樹脂、ワックス及び着色剤を含有した原料を用いて溶融混練す
る工程である。
結着樹脂としては、ポリエステル、スチレン− アクリル樹脂、ポリエステルとスチレ
ン− アクリル樹脂の混合樹脂、2 種以上の樹脂成分を有するハイブリッド樹脂等が挙げられるが、着色剤の分散性や透明性の観点から、ポリエステルを主成分とすることが好ましい。結着樹脂中のポリエステルの含有量は、5 0〜 1 0 0重量% が好ましく、7 0〜 1 0 0重量% がより好ましい。なお、ハイブリッド樹脂としては、ポリエステル、ポリエステル・ポリアミド、ポリアミド等の縮重合系樹脂とビニル重合系樹脂等の付加重合系樹脂とが部分的に化学結合した樹脂が好ましく、2 種以上の樹脂を原料として得られたもの
であっても、1 種の樹脂と他種の樹脂の原料モノマーの混合物から得られたものであっ
てもよいが、効率よくハイブリッド樹脂を得るためには、2 種以上の樹脂の原料モノマ
ーの混合物から得られたものが好ましい。
ポリエステルの原料モノマーは、特に限定されないが、公知のアルコール成分と、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等の公知のカルボン酸成分が用いられる。
アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン( 2 . 2 ) - 2 , 2 -ビス( 4 -ヒド
ロキシフェニル) プロパン、ポリオキシエチレン( 2 . 2 ) - 2 , 2 -ビス( 4 -ヒドロキシフェニル) プロパン等のビスフェノールA のアルキレン( 炭素数2〜 3) オキサ
イド( 平均付加モル数1〜 1 6) 付加物、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、水素添加ビスフェノールA 、ソルビトール、又はそれらのアルキレン( 炭素数2〜 4) オキサイド( 平均付加モル数1〜 1 6) 付加物等が挙げられる。
また、カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、コハク酸等のジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等の炭素数1〜 2 0のアルキル基又は炭素数2〜 2 0のアルケニル基で置換されたコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3 価以上の多価カルボン酸、それらの
酸の無水物及びそれらの酸のアルキル( 炭素数1〜 3) エステル等が挙げられる。
ポリエステルは、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中にて、要すればエステル化触媒を用いて、1 8 0〜 2 5 0℃ の温度で縮重合することにより製造することができる。
ポリエステルの酸価は、5〜 4 0 m g K O H / gが好ましく、1 0〜 3 5 m g K O H / gがより好ましく、1 5〜 3 0 m g K O H / gがさらに好ましい。
また、ポリエステルの軟化点は、8 0〜 1 6 5℃ が好ましく、ガラス転移点は5 0〜 8 5℃ が好ましい。
ワックスとしては、カルナウバワックス、ライスワックス等の天然エステル系ワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプッシュ等の合成ワックス、パラフィンワックス等の石油ワックス、モンタンワックス等の石炭系ワックス、アルコール系ワックス等のワックスが挙げられ、天然エステル系ワックスと石油ワックスとの併用が好ましい。これらは単独、または2 種以上を混合して含有されていてもよい。
ワックスの融点は、低温定着性及び耐オフセット性の観点から、5 0〜 1 2 0℃ が好ましく、6 0〜 1 2 0℃ がより好ましい。
ワックスの配合量は、耐オフセット性と耐久性の観点から、トナー中、2重量%以上、好ましくは4重量%以上、より好ましくは5重量%以上、6重量%以上が最も好ましい。また、
通常15重量%以下、好ましくは 1 0重量%以下である。特に、5重量%以上で、オイルレス定着が可能となるため、好適である。また、通常、ワックスを多量に使用すると、粉砕時に粉砕物が融着しやすく、粉砕効率が低下しやすいが、トナー中のワックスの平均粒径を調整することによって、ワックスを多めに使用した場合であっても、効率よく粉砕することが可能である。即ち、本発明のトナーは、ワックスの個数平均粒径が、通常1μ m 以
下、好ましくは0 . 05〜 0 . 6μ m であり、トナー中のワックスの平均粒径を上記範囲内に調整することにより、粉砕法でも小粒径、かつ粒度分布のシャープなトナーを効率的に得ることが可能である。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンF G、
ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB 、ローダミン− B ベー
ス、ソルベントレッド4 9、ソルベントレッド1 4 6 、ソルベントブルー3 5、キナクリドン、カーミン6 B 、ジスアゾエロー等が挙げられ、これらは単独で又は2 種以上を混
合して用いることができ、本発明により製造するトナーは、黒トナー、カラートナーのいずれであってもよい。着色剤の配合量は、結着樹脂1 0 0重量部に対して、1〜 4 0重量部が好ましく、3〜 1 0重量部がより好ましい。
本発明においては、さらに、荷電制御剤、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤、磁性体等の添加剤を原料として配合してもよい。
結着樹脂、ワックス、着色剤等の原料は、ヘンシェルミキサー等により予備混合して、溶融混練に供するのが好ましい。
本発明において、原料の溶融混練に用いる混練機は特に限定されず、公知のものを使用することができる。中でもオープンロール型混練機を用いることが好ましい。オープンロール型混練機を用いることにより、混練の繰り返しや分散助剤の使用をしなくても、ワックスを効率よく高分散させることができる。
オープンロール型混練機としては、少なくとも2 本のロールを備え、溶融混練部がオ
ープン型であるものをいい、少なくとも加熱ロールと冷却ロールとの2 本のロールを備
えた混練機を用いることが好ましい。かかるオープンロール型混練機は、溶融混練の際に発生する混練熱を容易に放熱することができる。また、オープンロール型混練機は、生産効率の観点から、連続式であるのが好ましい。
さらに、前記オープンロール型混練機において、2 本のロールは並行に近接して配設
されており、ロールの間隙は、0 . 0 1〜 5m m が好ましく、0 . 0 5〜 2m m がより好ましい。また、ロールの構造、大きさ、材料等は特に限定されず、ロール表面も、平滑、波型、凸凹型等のいずれであってもよい。
ロールの回転数、即ち周速度は、2〜 1 0 0 m / m i nであることが好ましい。冷却ロ
ールの周速度は2〜 1 0 0 m / m i nが好ましく、1 0〜 6 0 m / m i nがより好ましく、1 5〜 5 0 m / m i nがさらに好ましい。また、2 本のロールは、互いに周速度が異なっていることが好ましく、2 本のロールの周速度の比( 冷却ロール/ 加熱ロール) は、1 / 1 0〜 9 / 1 0が好ましく、3 / 1 0〜 8 / 1 0がより好ましい。
混練物が加熱ロールに張りつきやすくするために、加熱ロールの温度は結着樹脂の軟化点及びワックスの融点のいずれの温度よりも高く、冷却ロールの温度は結着樹脂の軟化点及びワックスの融点のいずれの温度よりも低く調整されているのが好ましい。具体的には、加熱ロールの温度は8 0〜 2 0 0℃ が好ましく、冷却ロールの温度は2 0〜 1 4 0℃ が好ましい。
加熱ロールと冷却ロールの温度の差は、6 0〜 1 5 0℃ が好ましく、8 0〜 1 2 0℃ がより好ましい。
なお、ロールの温度は、例えば、ロール内部に通す熱媒体の温度により調整することができ、各ロールには、ロール内部を2 以上に分割して温度の異なる熱媒体を通じてもよ
い。
加熱ロール、特に原料投入側の温度は、結着樹脂の軟化点及び各々のワックスの融点のいずれの温度よりも高いことが好ましく、そのいずれかの高い方の温度よりも、0〜 8 0
℃高いことがより好ましく、5〜 5 0℃ 高いことがさらに好ましい。また、冷却ロールの温度は、結着樹脂の軟化点及び各々のワックスの融点のいずれの温度よりも低いことが好ましく、そのいずれかの低い方の温度よりも、0〜 8 0℃ 低いことがより好ましく、4 0
〜 8 0℃ 低いことがさらに好ましい。
工程(II) は、工程( I ) で得られた混練物を冷却し、粉砕する工程である。
混練物を冷却する温度は特に限定されず、混練物を粉砕可能な硬度に達するまで適宜冷却すればよい。
工程(II) における冷却した混練物の粉砕は、一度に行っても、複数回に分けて行
ってもよいが、粉砕効率及び生産効率の観点から、粗粉砕と微粉砕とを含むことが好ましく、予め粒径を体積中位粒径( D 5 0 ) 1 0〜 1 0 0 0μ m 程度に粗粉砕した後、得られた粗粉砕物をさらに目的のトナー粒径を考慮して微粉砕することが好ましい。
混練物を粗粉砕する工程には、アトマイザー、ロートプレックス等を用いることができる。
粗粉砕物を微粉砕する工程に用いる粉砕機としては、流動層式ジェットミル、気流式ジェットミル等のジェット式粉砕機、ターボミル等の機械式粉砕機等が挙げられるが、特定の粒径にワックスを分散させた効果がより顕著に発揮される点で、ジェット式粉砕機が好ましい。
本発明に用いられる流動層式ジェットミルとしては、例えば、下方部分に複数のジェットノズルが対向するように配置された粉砕室を少なくとも有し、ジェットノズルから噴出する高速のガス噴流により、粉砕容器内に供給された粒子の流動層が形成され、流動層において、粒子の加速、相互衝突が繰り返されることにより、粒子が微粉砕される構造・原理を有する、粉砕機が挙げられる。
上記構造を有するジェットミルにおいて、ジェットノズルの本数は特に限定されないが、風量、流量、流速のバランスや粒子の衝突効率等の観点から、複数、好ましくは3 〜 4本のジェットノズルが、対向して配置されていることが好ましい。
さらに、粉砕室の上方部分には粉砕により小粒径化され、上昇した小粒径の粒子を捕集する分級ロータが設けられている。粒度分布は、かかる分級ロータの回転数により容易に調整することができる。分級ロータによる分級により、微粉砕物( 上限分級粉) が得られる。
分級ロータは、鉛直方向に対して縦向き、横向きのいずれに配置されていてもよいが、分級性能の観点から、縦向きに配置されていることが好ましい。
複数のジェットノズルが備えられ、さらに分級ロータを有する流動層式ジェットミルの具体例としては、特開昭6 0 − 1 6 6 5 4 7 号公報、特開2 0 0 2 − 3
5 6 3 1 号公報に開示された粉砕機が挙げられる。
本発明において好適に用いられる流動層式ジェットミルとしては、ホソカワミクロン社製の「T F G 」シリーズ、ホソカワミクロン社製の「A F G 」シリーズ等が挙げられる。
また、気流式ジェットミルとしては、例えば、ベンチュリノズルと該ベンチュリノズルと対向するように配置した衝突部材とを備えた衝突式ジェットミル等が挙げられる。
本発明において好適に用いられる気流式ジェットミルとしては、日本ニューマチック社製の「I D S 」シリーズ等が挙げられる。
本発明において、粗粉砕物を微粉砕する際、特定の粒径を有する外添剤の存在下で行うことにより、粒度分布がシャープなトナーを得ることが出来る。トナーは粒径が小さくなるに従い、凝集性が高まり、粉砕効率が低下する。そのため粉砕法では小粒径化が難しかった。しかし、本発明の方法では粉砕と同時に外添を行うので、凝集を防ぐことができ、小粒径で分布がシャープなトナーを得ることが可能である。
工程( I I )において用いられる外添剤は、1種類でも複数種でも良く、特に限定されない。
外添剤としては、シリカ、チタニア、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化鉄、酸化銅、酸化錫等の無機酸化物が好ましく、これらの中では、帯電性付与の観点から、シリカが好ましい。 なお、シリカ( S i O ) の微粉末は、乾式
法および湿式法で製造されたもののいずれであってもよい。また、無水シリカのほか、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸亜鉛などを含有するものであってもよいが、S i Oを8 5重量% 以上含むものが好ましい。
また、外添剤の表面には疎水化処理が施されていてもよい。疎水化処理の方法は特に限定されず、疎水化処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン( H M D S ) 、ジメチルジクロロシラン( D M D S ) 等のシランカップリング剤、ジメチルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル等のシリコーンオイル処理剤等が挙げられ、これらの中では、シランカップリング剤が好ましい。疎水化処理剤による処理量は、外添剤の表面積あたり、1〜 7mg/m2が好ましい。
外添剤の平均粒径は、流動性を付与する観点から、8〜 5 0n m であり、8〜 4 0n
m が好ましく、1 2〜 2 0n m がより好ましい。なお、ここでの平均粒径は、個数平均粒径である。
外添剤の存在下で粗粉砕物を微粉砕する方法としては、粉砕前に予め粗粉砕物を外添剤と混合する方法、粉砕機への供給時に両者を合わせ同時に両者を粉砕機に供給する方法、それぞれ別の供給口から粉砕機に供給する方法等、特に限定されないが、本発明では、外添剤の付着性の観点から、予め粗粉砕物を外添剤と混合する方法が好ましい。
粉砕機中に粗粉砕物と外添剤を供給すると、粗粉砕物同士の衝突により粉砕が進む一方で、( 粗) 粉砕物と外添剤の衝突が起こり、粉砕物表面に外添剤が付着する。目的とするトナーに見合った外添剤の量を共存させることにより、外添剤を適度な量と付着力でトナー母粒子表面へ付着させることができる。

粗粉砕物と外添剤との混合は、例えば、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の高速攪拌可能な混合機によって行うことができる。
工程( I I I )は、工程( I I )で得られた粉砕物を分級する工程である。
工程( I I I )で用いられる分級機としては、風力分級機、慣性式分級機、篩式分級機
等が挙げられるが、本発明においては、微粉を除去する能力の観点から、ケーシング内に鉛直方向に配置された駆動軸を中心軸とする分級ロータと、該分級ロータと同一の駆動軸を中心軸とし、該分級ロータの外周の分級ゾーンに該分級ロータの外周とは間隔を空けて配置された不動の螺旋状案内羽根とを有する分級機であることが好ましい。かかる構造を有する分級機の具体例としては、特開平1 1 - 2 1 6 4 2 5号公報の図2 、特開2 0 0 4 - 7 8 0 6 3号公報の図6 に図示された分級機や、ホソカワミクロン社製の「T S P
」シリーズ等の市販品等が挙げられるが、以下に分級機構の概略を説明する。
分級機のケーシング内に供給された粉砕物は、螺旋状案内羽根に誘導されながら分級ロータ外周の分級ゾーンを下降する。分級ロータ内部と分級ゾーンは、分級ロータの外周面に設けられた分級羽根を介して連通しており、粉砕物が下降する際に、分級空気に乗った微粉は分級羽根を介して分級ロータ内部に吸引され、微粉排出口から排出される。一方、分級空気流に乗らなかった粗粉は重力により、分級ゾーンを下降し、粗粉排出口から排出される。
さらに、工程( I I I )で用いる分級機は、1 つのケーシング内で同一の駆動軸を中心軸とする2 個の分級ロータを有するものであることが好ましく、分級ロータは各々独立
して同方向に回転することが好ましい。分級ロータを上下2 段に備えた分級機の具体例
としては、特開2 0 0 1 - 2 9 3 4 3 8号公報の図1 に図示された分級機や、ホソカワミクロン社製の「T TS P 」シリーズ等の市販品等が挙げられる。
分級ロータが上下2 段に備えられている場合には、両者における分級空気の吸引速度、分級ロータの回転速度等をそれぞれ調整することにより、より精度の高い分級が可能となり、より好ましい。
例えば、上段の分級ロータの回転数と下段の分級ロータの回転数の比( 上段の分級ロ
ータの回転数/ 下段の分級ロータの回転数) は、乱流を防止する観点から、1/ 1 . 0 5〜 1 . 0 5/ 1が好ましく、1/ 1がより好ましい。
また、上段の分級エア吸引口から導入されるエア流量と下段の分級エア吸引口から導入されるエア流量との比( 上段の分級エア吸引口から導入されるエア流量/ 下段の分級エア吸引口から導入されるエア流量) は、分級精度やトナーの収率の観点から、ほぼ等し
いことが好ましい。
なお、工程( I I I )で用いる分級機は、主として微粉を除去する微粉側分級( 下限分級)に用いることが好ましい。なお、分級工程により除去された微粉は、再分級により必要な部分を再捕集するため、工程( I I I )に供してもよい。
本発明のトナーは、少なくとも前記工程( I ) 〜 ( I I I )を経て得られるもので
あるが、工程( I I I )により得られたトナーには、さらに外添剤を添加してもよい。
外添剤としては、シリカ、チタニア、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化鉄、酸化銅、酸化錫等の無機酸化物が好ましく、これらの中では、帯電性付与の観点から、シリカが好ましい。
なお、シリカ(S i O ) の微粉末は、乾式法および湿式法で製造されたもののいずれであってもよい。また、無水シリカのほか、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸亜鉛などを含有するものであってもよいが、S i O 2 を8 5重量% 以上含むものが好ましい。
また、外添剤の表面には疎水化処理が施されていてもよい。疎水化処理の方法は特に限定されず、疎水化処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン( H M D S ) 、ジメチルジクロロシラン( D M D S ) 等のシランカップリング剤、ジメチルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル等のシリコーンオイル処理剤等が挙げられ、これらの中では、シランカップリング剤が好ましい。疎水化処理剤による処理量は、外添剤の表面積あたり、1〜 7 m g / m が好ましい。
外添剤の平均粒子径は、トナー表面への付着性の観点から、8〜 2 0 0n m が好まし
く、1 2〜 1 0 0n m がより好ましい。なお、ここでの平均粒子径は、個数平均粒子径
である。
本発明では、前記の如く、ワックスの分散径が調整されているため、小粒径、かつ粒度分布のシャープなトナーを得ることができる。
本発明のトナーは、オイルレス定着方式においても良好に定着させることができる。ここで、オイルレス定着方式とは、オイル供給装置を備えていないヒートロール定着装置等を用いて定着させる方法をいう。オイル供給装置とは、オイルタンクを有し、定量的にオイルをヒートロール表面に塗布する機構を有する装置の他、オイルを予め含浸させたロールをヒートロールに接触させるような機構を有する装置等を含む。
本発明により得られるトナーは、磁性体微粉末を含有するときは単独で磁性一成分現像用トナーとして、また磁性体微粉末を含有しないときは非磁性一成分現像用トナーとして、もしくはキャリアと混合される二成分現像用トナーとして、特に限定されることなく、いずれの現像方法にも用いることができる。
[画像形成装置および電子写真カートリッジ]
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置(本発明の画像形成装置)の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
図1に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1,帯電装置2,露光装置3および現像装置4を備えて構成され、更に、必要に応じて転写装置5,クリーニング装置6および定着装置7が設けられる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2,露光装置3,現像装置4,転写装置5およびクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
帯電装置2は、電子写真感光体1を帯電させるもので、電子写真感光体1の表面を所定電位に均一帯電させる。帯電装置としては、コロトロンやスコロトロン等のコロナ帯電装置、電圧印加された直接帯電部材を感光体表面に接触させて帯電させる直接帯電装置(接触型帯電装置)帯電ブラシ等の接触型帯電装置などがよく用いられる。直接帯電手段の例としては、帯電ローラ、帯電ブラシ等の接触帯電器などが挙げられる。なお、図1では、帯電装置2の一例としてローラ型の帯電装置(帯電ローラ)を示している。直接帯電手段として、気中放電を伴う帯電、あるいは気中放電を伴わない注入帯電いずれも可能である。また、帯電時に印可する電圧としては、直流電圧だけの場合、および直流に交流を重畳させて用いることもできる。
露光装置3は、電子写真感光体1に露光を行なって電子写真感光体1の感光面に静電潜像を形成することができるものであれば、その種類に特に制限はない。具体例としては、ハロゲンランプ、蛍光灯、半導体レーザーやHe−Neレーザー等のレーザー、LEDなどが挙げられる。また、感光体内部露光方式によって露光を行なうようにしてもよい。露光を行なう際の光は任意であるが、例えば波長が780nmの単色光、波長600nm〜700nmのやや短波長寄りの単色光、波長380nm〜500nmの短波長の単色光などで露光を行なえばよい。これらの中で380〜500nmの短波長光を用いると解像度が高くなり好ましい。中でも405nmの単色光が好適である。 また、書き込み解像度
は、現在は600dpi以上が主流であるが、高性能機種では1200dpiのものも存在する。書き込み解像度により、静電潜像、トナー像の解像度が決定され、解像度が高いほど鮮明な画像が得られるので、1200dpi以上の解像度が好ましい。例えば、600dpi、1200dpiの解像度を持つLEDで書き込んだ場合、最小ドット形成間隔は、それぞれ、42μm、21μmとなる。
現像装置4は、その種類に特に制限はなく、カスケード現像、一成分絶縁トナー現像、一成分導電トナー現像、二成分磁気ブラシ現像などの乾式現像方式や、湿式現像方式などの任意の装置を用いることができる。図1では、現像装置4は、現像槽41、アジテータ42、供給ローラ43、現像ローラ44、および、規制部材45からなり、現像槽41の内部にトナーTを貯留している構成となっている。また、必要に応じ、トナーTを補給する補給装置(図示せず)を現像装置4に付帯させてもよい。この補給装置は、ボトル、カートリッジなどの容器からトナーTを補給することが可能に構成される。なお、本実施形態では、トナーTとして、上述した本発明のトナーを使用することが好ましい。
供給ローラ43は、導電性スポンジ等から形成される。現像ローラ44は、鉄,ステンレス鋼,アルミニウム,ニッケルなどの金属ロール、またはこうした金属ロールにシリコーン樹脂,ウレタン樹脂,フッ素樹脂などを被覆した樹脂ロールなどからなる。この現像ローラ44の表面には、必要に応じて、平滑加工や粗面加工を加えてもよい。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1および供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43および現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
規制部材45は、シリコーン樹脂やウレタン樹脂などの樹脂ブレード、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、真鍮、リン青銅などの金属ブレード、またはこうした金属ブレードに樹脂を被覆したブレード等により形成されている。この規制部材45は、現像ローラ44に当接し、ばね等によって現像ローラ44側に所定の力で押圧(一般的なブレード線圧は5〜500g/cm)される。必要に応じて、この規制部材45に、トナーTとの摩擦帯電によりトナーTに帯電を付与する機能を具備させてもよい。
アジテータ42は、回転駆動機構によってそれぞれ回転されており、トナーTを攪拌するとともに、トナーTを供給ローラ43側に搬送する。アジテータ42は、羽根形状、大きさ等を違えて複数設けてもよい。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法など、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー,転写ローラ,転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙,媒体)Pに転写するものである。
クリーニング装置6について特に制限はなく、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、ブレードクリーナーなど、任意のクリーニング装置を用いることができる。クリーニング装置6は、感光体1に付着している残留トナーをクリーニング部材で掻き落とし、残留トナーを回収するものである。感光体表面に残留するトナーが少ないか、殆ど無い場合には、クリーニング装置6は無くても構わない。 但し、本発明においては、少量の微粉を効果的に除去するためにブレードクリーニング機構を有することが好ましい。
定着装置7は、上部定着部材(定着ローラ)71および下部定着部材(定着ローラ)72から構成され、定着部材71または72の内部には加熱装置73が備えられている。なお、図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73が備えられた例を示す。上部および下部の各定着部材71,72は、ステンレス,アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シートなどが公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71,72は、離型性を向上させる為にシリコーンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
記録紙P上に転写されたトナーは、所定温度に加熱された上部定着部材71と下部定着部材72との間を通過する際、トナーが溶融状態まで熱加熱され、通過後冷却されて記録紙P上にトナーが定着される。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
以上のように構成された電子写真装置では、次のようにして画像の記録が行なわれる。即ち、まず感光体1の表面(感光面)が、帯電装置2によって所定の電位(例えば−600V)に帯電される。この際、直流電圧により帯電させても良く、直流電圧に交流電圧を重畳させて帯電させてもよい。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像装置4は、供給ローラ43により供給されるトナーTを、規制部材(現像ブレード)45により薄層化するとともに、所定の極性(ここでは感光体1の帯電電位と同極性であり、負極性)に摩擦帯電させ、現像ローラ44に担持しながら搬送して、感光体1の表面に接触させる。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置7を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで、最終的な画像が得られる。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
また、画像形成装置は更に変形して構成してもよく、例えば、前露光工程、補助帯電工程などの工程を行なうことができる構成としたり、オフセット印刷を行なう構成としたり、更には複数種のトナーを用いたフルカラータンデム方式の構成としてもよい。
なお、電子写真感光体1を、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6、および定着装置7のうち1つまたは2つ以上と組み合わせて、一体型のカートリッジ(以下適宜「電子写真カートリッジ」という)として構成し、この電子写真カートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱可能な構成にしてもよい。この場合、例えば電子写真感光体1やその他の部材が劣化した場合に、この電子写真カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい電子写真カートリッジを画像形成装置本体に装着することにより、画像形成装置の保守・管理が容易となる。
[実施例]
以下、製造例,実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。なお、以下の実施例は本発明を詳細に説明するために示すものであり、本発明はその趣旨に反しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
〔トナーの粒度分布〕
<体積中位径(Dv50)の測定方法と定義>
外添工程を経て、最終的に得られたトナーの測定前処理として次の様にした。内径47mm、高さ51mmの円筒形のポリエチレン(PE)製ビーカーに、スパチュラーを用いてトナーを0.100g、スポイトを用いて20質量%DBS水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS−20A)を0.15g添加した。この際、ビーカーの縁等にトナーが飛び散らない様にビーカーの底部にのみトナー及び20%DBS水溶液を入れた。次に、スパチュラーを用いてトナーと20%DBS水溶液がペースト状になるまで3分間攪拌した。この際もビーカーの縁等にトナーが飛び散らない様にした。
続いて、分散媒アイソトンIIを30g添加し、スパチュラーを用いて2分間攪拌し全体を目視で均一な溶液とした。次に、長さ31mm直径6mmのフッ素樹脂コート回転子をビーカーの中に入れて、スターラーを用いて400rpmで20分間分散させた。この際、3分間に1回の割合でスパチュラーを用いて気液界面とビーカーの縁に目視で観察される巨視的な粒をビーカー内部に落とし込み均一な分散液となるようにした。続いて、これを目開き63μmのメッシュで濾過し、得られたろ液を「トナー分散液」とした。
なお、トナー母粒子の製造工程中の粒径の測定については、凝集中のスラリーを63μmのメッシュで濾過したろ液を「スラリー液」とした。
粒子の体積中位径(Dv50)はベックマンコールター社製マルチサイザーIII(アパ ーチャー径100μm)(以下、「マルチサイザー」と略記する)を用い、分散媒には同社製アイソトンIIを用い、上述の「トナー分散液」又は「スラリー液」を、分散質濃度0.03質量%になるように希釈して、マルチサイザーIII解析ソフトで、KD値は118 .5として測定した。測定粒子径範囲は2.00から64.00μmまでとし、この範囲を対数目盛で等間隔となるように256分割に離散化し、それらの体積基準および個数基準での統計値をもとに、体積中位粒径( D - 5 0 、μ m ) 、粒径が( 1 . 4× D - 5 0 ) μ m 以上の粒子の含有量( 体積% ) 、粒径が3μ m 以下の粒子の含有量( 個数% ) 及び体積粒度分布における標準偏差を求めた。
〔トナーの平均円形度〕
本発明における「平均円形度」は、以下のように測定し、以下のように定義する。すなわち、トナー母粒子を分散媒(アイソトンII、ベックマンコールター社製)に、5720〜7140個/μLの範囲になるように分散させ、フロー式粒子像分析装置(シスメックス社(旧東亜医用電子社)製、FPIA2100)を用いて、以下の装置条件にて測定を行い、その値を「平均円形度」と定義する。本発明においては、同様の測定を3回行い、3個の「平均円形度」の相加平均値を、「平均円形度」として採用する。
・モード :HPF
・HPF分析量 :0.35μL
・HPF検出個数:2000〜2500個
以下は、上記装置で測定され、上記装置内で自動的に計算されて表示されるものであるが、「円形度」は下記式で定義される。
[円形度]=[粒子投影面積と同じ面積の円の周長]/[粒子投影像の周長]
そして、HPF検出個数である2000〜2500個を測定し、この個々の粒子の円形度の算術平均(相加平均)が「平均円形度」として装置に表示される。
トナー用ポリエステル樹脂の製造例
ポリオキシプロピレン( 2 . 2 ) - 2 , 2 -ビス( 4 -ヒドロキシフェニル) プロパン
5 6 8 g、ポリオキシエチレン( 2 . 2 ) - 2 , 2 -ビス( 4 -ヒドロキシフェニル) プロパン 7 9 2 g、テレフタル酸6 4 0 g、及びオクチル酸錫 1 0 gを窒素気流下、2 1 0℃
にて攪拌しつつ反応させた。軟化点により重合度を追跡し、軟化点が1 1 0℃ に達した
時点で反応を終了した。得られた樹脂を樹脂A とする。樹脂A のガラス転移点は6 8℃ であった。
このポリエステル樹脂を用い、公知の製造法を用いて、表2に示す物性値を有するトナーA〜Dを作製した。
製造例1
下記の繰返し構造で表されるポリエステル樹脂100部(樹脂1、粘度平均分子量43,000)、電荷輸送物質として下記式で表される化合物(CTM1)を80部、酸化防止剤として下記式で表される化合物(AOX1)8部、及びレベリング剤としてシリコーンオイル0.05質量部をテトラヒドロフラン/トルエン(8/2)混合溶媒640質量部に溶解させて電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
Figure 2010217625
製造例2
製造例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いたCTM1の代わりに、下記式で表される化合物(CTM2)を用いた以外は、製造例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
Figure 2010217625
製造例3
製造例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いたCTM1の代わりに、下記式で表される化合物(CTM3)を用いた以外は、製造例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
Figure 2010217625
製造例4
製造例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いたポリエステル樹脂(樹脂1)の代わりに、下記の繰返し構造で表されるポリエステル樹脂(樹脂2、粘度平均分子量43,200)を用いた以外は、製造例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
Figure 2010217625
製造例5
製造例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いたポリエステル樹脂(樹脂1)の代わりに、下記の繰返し構造で表されるポリエステル樹脂(樹脂3、粘度平均分子量43,200)を用いた以外は、製造例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
Figure 2010217625
製造例6
製造例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いたポリエステル樹脂(樹脂1)を75重量部とし、更に、下記の繰返し構造で表されるポリカーボネート樹脂(樹脂4、粘度平均分子量50,000)25重量部を用いた以外は、製造例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
Figure 2010217625
製造例7
製造例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いたポリエステル樹脂(樹脂1)の代わりに、製造例5に記載のポリエステル樹脂(樹脂2、粘度平均分子量43,200)を用い、CTM1の代わりに、下記式で表されるCTM4を90部とCTM5を10部用いた以外は、製造例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
Figure 2010217625
比較製造例1
製造例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いたポリエステル樹脂(樹脂1)の代わりに、下記の繰返し構造で表されるポリカーボネート樹脂(樹脂5、粘度平均分子量40,000)を用いた以外は、製造例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
Figure 2010217625
比較製造例2
製造例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いたポリエステル樹脂(樹脂1)の代わりに、下記の繰返し構造で表されるポリカーボネート樹脂(樹脂6、粘度平均分子量40,000)を用いた以外は、製造例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
Figure 2010217625
実施例1
表面が鏡面仕上げされた外径30mm、長さ246mm、肉厚0.75mmのアルミニウム製シリンダーの表面に、陽極酸化処理を行ない、その後、酢酸ニッケルを主成分とする封孔剤によって封孔処理を行なうことにより、約6μmの陽極酸化被膜(アルマイト被膜)を形成した。このシリンダーを、以下に示す電荷発生層形成用塗布液と電荷輸送層形成用塗布液を浸漬塗布法により順次塗布し、乾燥後の膜厚がそれぞれ、0.4μm、21μmとなるように、電荷発生層と電荷輸送層を形成し感光体ドラムを得た。
電荷発生層形成用塗布液は以下のように作製した。電荷発生物質として、図2のX線回折スペクトルで示されるオキシチタニウムフタロシアニン20部と1,2−ジメトキシエタン280部を混合し、サンドグラインドミルで2時間粉砕して微粒化分散処理を行なった。続いてこの微細化処理液に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)10部を、1,2−ジメトキシエタンの255部と4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンの85部の混合液に溶解させて得られたバインダー液及び230部の1,2−ジメトキシエタンを混合して電荷発生層形成用塗布液を調製した。
電荷輸送層形成用塗布液は製造例1で作製した塗布液を用いた。
この感光体ドラムとトナーAを用いて画像特性試験を行った。
初期、及び20,000枚画像形成後においても、いずれもゴースト、カブリ、濃度低下、フィルミング等の画像劣化の無い、良好な画像が得られた。
得られた電子写真感光体の弾性変形率、及びユニバーサル硬度を測定し、表1に示した。
得られた電子写真感光体の弾性変形率、及びユニバーサル硬度は、Fischer社製微小硬度計FISCHERSCOPE H100Cを用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定した値である。測定には対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いる。測定条件は以下に示す設定して行い、圧子にかかる荷重とその荷重下における押し込み深さを連続的に読み取り、それぞれY軸、X軸にプロットした図3に示すようなプロファイルを取得する。
測定条件
最大押込み加重 5mN
負荷所要時間 10秒
除荷所要時間 10秒
得られた電子写真感光体の弾性変形率は、下記式により定義される値であり、押し込みに要した全仕事量に対して、除荷の際に膜が弾性によって行う仕事の割合である。
弾性変形率(%)=We/Wt × 100
上記式中、全仕事量Wt(nJ )は図3中のA−B−D−Aで囲まれる面積を示し、
弾性変形仕事量We(nJ)はC−B−D−C で囲まれる面積を示す。
弾性変形率が大きいほど、負荷に対する変形が残留しにくく、100の時には変形が残らないことを意味する。
得られた電子写真感光体のユニバーサル硬度は、押込み加重 5mNまで押し込んだ時の値であり、その時の荷重から以下の式により定義される値である。
ユニバーサル硬度(N/mm)=試験荷重(N)/試験荷重下でのビッカース圧子の表面積(mm
<画像特性試験>
画像特性試験は、沖データ社製カラープリンターC5900dnを用いて行った。
作製した感光体ドラムを、ブラックドラムカートリッジに装着し、作製したトナーをブラックトナーカートリッジに充填し、これらのカートリッジをプリンターに装着した。温度25℃、湿度50%環境下で、20,000枚の画像形成を行い、ゴースト、かぶり、濃度低下、フィルミングの評価を行った。
C5900dnの仕様
4連タンデム
カラー26ppm、モノクロ32ppm
接触ローラ帯電(直流電圧印加)
非磁性1成分接触現像
LED露光 600dpi
Figure 2010217625
Figure 2010217625
実施例2〜7
実施例1において用いた製造例1で作製した電荷輸送層形成用塗布液の代わりに、製造例2〜6で作製した電荷輸送層形成用塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示した。
実施例8〜9
実施例1において用いたトナーAの代わりに、トナーB、Cを用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示した。
比較例1〜2
実施例1において用いた製造例1で作製した電荷輸送層形成用塗布液の代わりに、比較製造例1〜2で作製した電荷輸送層形成用塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示した。
比較例3
実施例1において用いたトナーAの代わりに、トナーDを用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示した。
表1に示すように、実施例1〜9と比較例1〜2との比較から、本発明の弾性変形率を有する感光体を用いた場合、小粒径の粉砕トナーを用いた場合にもフィルミングが発生せず良好な結果を示す。式(1)で表されるポリアリレート樹脂を用いた場合、中でもYが酸素原子で、k=1のポリアリレート樹脂を用いた場合、本発明の効果を発揮することが出来る。
また、比較例3から分かるように、本発明の範囲外のトナーを用いた場合、高精細な画像形成は達成することができない。
本発明は電子写真感光体を使用する任意の分野で使用することが可能であり、特に、プリンターや複写機等の画像形成装置に用いて好適である。
1 感光体
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙

Claims (16)

  1. 電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該電子写真感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段、前記トナーを該電子写真感光体から被転写体に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、
    前記電子写真感光体の表面層を、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、ビッカース圧子を用いて、最大押込み荷重5mN、負荷所要時間10秒、除荷所要時間10秒の条件で測定したときの弾性変形率が、44.0%以上であり、
    前記トナーが体積中位粒径(D 5 0 v)が3.5μm以上、8.0μm以下であり、トナーの体積粒度分布の標準偏差がD 5 0 vの1 / 4以下であり、粒径が( 1 . 4× D 5 0 v) μ m以上の粒子の含有量が5体積% 以下であり、粒径が( 0 . 6× 個数中位粒径( D 5 0 p) ) μ m以下の粒子の含有量が5個数% 以下であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記トナーが、粉砕トナーであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記トナーが、ワックス添加量を5重量%以上としたトナーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. ブレードクリーニング機構を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記電子写真感光体の表面層が、ポリアリレート樹脂を含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記ポリアリレート樹脂が下記繰返し構造を有することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
    Figure 2010217625
    (式(1)中、Ar、Arはそれぞれ独立に置換基を有してもよいアリーレン基を表し、Ar、Arはそれぞれ独立に置換基を有してもよいアリーレン基を表わし、X、Yは単結合または二価の連結基を表わし、kは0以上の整数を表す。)
  7. 式(1)において、Yが酸素原子で、且つk=1であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記電子写真感光体の表面層を、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、ビッカース圧子を用いて、最大押込み荷重5mN、負荷所要時間10秒、除荷所要時間10秒の条件で測定したときのユニバーサル硬度が、180N/mm以上、300N/mm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該電子写真感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段、前記トナーを該電子写真感光体から被転写体に転写する転写手段、該転写後の有機感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段のうち、少なくとも一つとを備えることを特徴とする、電子写真カートリッジにおいて、
    前記電子写真感光体の表面層を、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、ビッカース圧子を用いて、最大押込み荷重5mN、負荷所要時間10秒、除荷所要時間10秒の条件で測定したときの弾性変形率が、44.0%以上であり、
    前記トナーの体積中位粒径(D 5 0 v)が3.5μm以上、8.0μm以下でありであり、トナーの体積粒度分布の標準偏差がD 5 0 vの1 / 4以下であり、粒径が( 1 . 4× D 5 0 v) μ m以上の粒子の含有量が5体積% 以下であり、粒径が( 0 . 6× 個数中
    位粒径( D 5 0 p) ) μ m以下の粒子の含有量が5個数% 以下であることを特徴とする電子写真カートリッジ。
  10. 前記トナーが、粉砕トナーであることを特徴とする請求項9に記載の電子写真カートリッジ。
  11. 前記トナーが、ワックス添加量を5重量%以上としたトナーであることを特徴とする請求項9又は10に記載の電子写真カートリッジ。
  12. ブレードクリーニング機構を有することを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の電子写真カートリッジ。
  13. 前記電子写真感光体の表面層が、ポリアリレート樹脂を含有することを特徴とする、請求項9〜12のいずれか1項に記載の電子写真カートリッジ。
  14. 前記ポリアリレート樹脂が下記繰返し構造を有することを特徴とする請求項13に記載の電子写真カートリッジ。
    Figure 2010217625
    (式(1)中、Ar、Arはそれぞれ独立に置換基を有してもよいアリーレン基を表し、Ar、Arはそれぞれ独立に置換基を有してもよいアリーレン基を表わし、X、Yは単結合または二価の連結基を表わし、kは0以上の整数を表す。)
  15. 式(1)において、Yが酸素原子で、且つk=1であることを特徴とする請求項14に記載の電子写真カートリッジ。
  16. 前記電子写真感光体の表面層を、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、ビッカース圧子を用いて、最大押込み荷重5mN、負荷所要時間10秒、除荷所要時間10秒の条件で測定したときのユニバーサル硬度が、180N/mm以上、300N/mm以下であることを特徴とする請求項9〜15のいずれか1項に記載の電子写真カートリッジ。
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