JP5365077B2 - 電子写真感光体、電子写真カートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に感光層を有するものであって、該感光層がポリシロキサン成分を有する樹脂を含有し、且つポリアリレート樹脂を含有する。
本発明で用いられるポリシロキサン成分を有する樹脂は、ポリシロキサン成分を部分構造として有する樹脂ならば如何なる樹脂でも構わない。
1.A−Bのように、片末端にポリシロキサン成分を有するブロック共重合体
2.B−A−Bのように、両末端にポリシロキサン成分を有するブロック共重合体
3.A−B−Aのように、ポリシロキサン成分の両側に樹脂成分を有するブロック共重合体
4.A−A(−B)−Aのように、ポリシロキサン成分が主鎖の樹脂から分岐しているブロック共重合体
有する置換基の数は任意であるが、置換基を有さないアルキル基であることが好ましい。
アリール基の有してもよい置換基としては、アルキル基の有してもよい置換基と同じものが挙げられ、有する置換基の数は任意である。具体例を挙げると、フェニル基、4−メチルフェニル基、ナフチル基が好ましい。
Xは連結基を表し、連結基としては2価基または単結合が用いられ、ポリシロキサン成分を有するポリカーボネート樹脂の製造の容易性を勘案すれば、炭素数20以下の連結基が好ましく、炭素数10以下の連結基がさらに好ましく、炭素数3以下の連結基が特に好ましい。より詳しくは、単結合、2価の芳香族基、2価のラクトン基、2価のフルオレン基、または下記に表される2価の基が挙げられる。
有する置換基の数は任意であるが、置換基を有さないアルキル基であることが好ましい。
更に、R1とR2は結合して環を形成してもよく、その場合の2価基はシクロへキシリデン基、シクロペンチリデン基が好ましい。
アリール基の有してもよい置換基としては、アルキル基の有してもよい置換基と同じものが挙げられ、有する置換基の数は任意である。具体例を挙げると、フェニル基、4−メチルフェニル基、ナフチル基が好ましい。
以上の中でもR1〜R7としては、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基がより好ましく用いられる。中でも特に、水素原子、メチル基のみを用いることが好ましい。
前記式の中で、lは1以上6以下の整数、mは2以上20以下の整数を示す。
該二官能性フェノール化合物としては、例えば、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス−(2−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)メタン、ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)エタン、1,1−ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ジベンジルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(2−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エーテル、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルビニリデン)]ビスフェノール、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルビニリデン)]ビス[2−メチルフェノール]、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル等が挙げられる。
本発明で使用するポリカーボネート樹脂において、式(2)で表される構造部分の重量比率は多いほど、耐磨耗性が向上し、且つ滑り性の持続という観点において好ましい。式(2)で表される構造部分とそれ以外の構造部分を足した重量から、式(3)で表される構造部分を除いた樹脂成分の全重量に対して、式(2)で表される構造が50重量%以上であることが好ましく、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上であって、特には樹脂成分全てが式(2)で表される構造であることが最も好ましい。
アルキル基の有してもよい置換基としては、水酸基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基等の直鎖状、分岐鎖状及び環状のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基等のアルコキシ基;アリル基等のアルケニル基;ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基;フェノキシ基、トリロキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等のアリールアルコキシ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;スチリル基、ナフチルビニル基等のアリールアルケニル基;アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基等のジアリールアミノ基;ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基等のジアラルキルアミノ基、ジピリジルアミノ基、ジチエニルアミノ基等のジ複素環アミノ基;ジアリルアミノ基、或いはアルキル基、アリール基アラルキル基、複素環基等の上記アミノ基の置換基を組み合わせたジ置換アミノ基が挙げられる。
有する置換基の数は任意であるが、置換基を有さないアルキル基であることが好ましい。より具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、sec−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の無置換のアルキル基が挙げられる。
Wは2価の連結基を表すが、2価の連結基としては、単結合、O、CO、COO、NH、NHCO、S、SO、SO2が挙げられる。なかでも、酸素原子を有する2価の連結基が好ましく、より好ましくは、O、COOが用いられる。
本発明に係る電子写真感光体の感光層は、ポリシロキサン成分を有する樹脂と、ポリアリレート樹脂とを含有する。以下に、本発明に用いられるポリアリレート樹脂について説明する。
中でも、前記ポリアリレート樹脂が、下記式(1)で表されるジカルボン酸残基を有することが好ましい。
有する置換基の数は任意であるが、置換基を有さないアルキル基であることが好ましい。
ジカルボン酸残基の具体例としては、以下に例示するジカルボン酸化合物のカルボキシル基からヒドロキシル基を取り除いた構造のジカルボン酸残基が挙げられる。
nが0の場合、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トルエン−2,5−ジカルボン酸、p−キシレン−2,5−ジカルボン酸が挙げられる。中でも、イソフタル酸、テレフタル酸が好ましい。
但し、本発明で使用するポリアリレート樹脂においてnが1以外のジカルボン酸残基の量は、耐摩耗性の観点から、少ないことが好ましい。具体的な比率に制限は無いが、繰り返し単位の数の比率で、ジカルボン酸残基全量に占めるnが1のジカルボン酸残基の比率が、通常70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上であり、特に好ましくは100%である。
当該二官能性フェノール化合物としては、例えば、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス−(2−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)メタン、ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)エタン、1,1−ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ジベンジルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(2−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エーテル、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルビニリデン)]ビスフェノール、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルビニリデン)]ビス[2−メチルフェノール]、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル等が挙げられる。
上述した本発明で使用するポリシロキサン成分を有する樹脂と、ポリアリレート樹脂は、感光層においてバインダー樹脂として作用するものである。但し、感光層には、本発明で使用する樹脂に加えて他の樹脂を併用してもよい。ここで併用される他の樹脂としては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができるが、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、およびその共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルポリカーボネート、ポリスルホン、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の熱可塑性樹脂や種々の熱硬化性樹脂等が挙げられる。これらの樹脂のなかでも、ポリカーボネート樹脂が好ましい。
また、併用する樹脂の使用割合は特に限定されないが、本発明の効果を十分に得るためには、本発明で使用するポリアリレート樹脂の割合を超えない範囲で併用することが好ましい。さらに、特には、他の樹脂は併用しないことが好ましい。
本発明の電子写真感光体は、ポリシロキサン成分を有する樹脂と、ポリアリレート樹脂とを含有する感光層を有するものである。感光層は、通常は導電性支持体上に設けられる。
本発明で使用する樹脂は、上記の感光層に含有されるものである。また、感光層が2以上の層(例えば、電荷発生層および電荷輸送層)から構成されている場合、本発明の樹脂は、当該感光層を構成する層のうち少なくとも1層に含有されていればよいが、最表面層が含有することが好ましく、中でも積層型感光層の電荷輸送層に含有されることが特に好ましい。
本発明の電子写真感光体の表面自由エネルギーは、通常20mN/m以上、好ましくは25mN/m以上であり、また、通常35mN/m以下、好ましくは32mN/m以下である。表面自由エネルギーが過度に高いと、クリーニングブレード、帯電ローラ等の感光体との接触部材との摩擦係数が高くなり、感光体回転時に発生するジッターを原因とする画像不良が発生しやすくなる。また、トナー転写率の低下も懸念される。一方、表面自由エネルギーが過度に低いと感光体とトナーとの付着力が弱く、トナー飛散等の不具合を発生する。
本発明の電子写真感光体の弾性変形率は、通常43%以上、好ましくは45%以上であり、また通常60%以下、好ましくは50%以下である。弾性変形率を前記範囲とすることにより、クリーニング部材との密着がよくなり、円形度の高いトナーを用いた場合でもクリーニング不良の発生を抑制することが可能となる。また本発明におけるユニバーサル硬度は通常150N/mm2以上、好ましくは160N/mm2以上、より好ましくは170N/mm2以上であり、また通常200N/mm2以下、好ましくは190N/mm2以下、より好ましくは185N/mm2以下である。ユニバーサル硬度を前記範囲とすることにより、同様に、クリーニング部材との密着性がよくなり、円形度の高いトナーを用いた場合でもクリーニング不良の発生を抑制することが可能となる。
最大押込み深さ 1μm
負荷所要時間 20s
除荷所要時間 20s
弾性変形率(%)=We/Wt * 100
上記式中、全仕事量Wt(nJ)は図3中のA−B−D−Aで囲まれる面積を示し、弾性変形仕事量We(nJ)はC−B−D−C で囲まれる面積を示している。
弾性変形率が大きいほど、負荷に対する変形が残留しにくく、100の時には変形が残らないことを意味する。
ユニバーサル硬度(N/mm2)=試験荷重(N)/試験荷重下でのビッカース圧子の表面積(mm2)
導電性支持体について特に制限は無いが、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫等の導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着または塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用しても良い。導電性支持体の形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状等のものが用いられる。更には、金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性等の制御や欠陥被覆のために、適当な抵抗値を有する導電性材料を塗布したものを用いても良い。
支持体表面は、平滑であっても良いし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていても良い。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでも良い。また、安価化のためには、切削処理を施さず、引き抜き管をそのまま使用することも可能である。
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したもの等が用いられる。
下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子等が挙げられる。これらは一種類の粒子を単独で用いても良いし、複数の種類の粒子を混合して用いても良い。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタンおよび酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、またはステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理を施されていても良い。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルックカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。また、複数の結晶状態のものが含まれていても良い。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ニトロセルロース等のセルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物等の有機ジルコニウム化合物、チタニルキレート化合物、チタニルアルコキシド化合物等の有機チタニル化合物、シランカップリング剤等の公知のバインダー樹脂が挙げられる。これらは単独で用いても良く、或いは2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用しても良い。また、硬化剤とともに硬化した形で使用してもよい。中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は、良好な分散性、塗布性を示すことから好ましい。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特性および塗布性を向上させる観点から、通常は0.1μm以上、20μm以下の範囲が好ましい。
また、複数の下引き層を併用することも可能である。その場合、複数の層に機能を分離することができる。例えば、電荷ブロッキング、接着性、モアレ防止機能を異なる層に分けることが可能である。
感光層の形式としては、電荷発生物質と電荷輸送物質とが同一層に存在し、バインダー樹脂中に分散された単層型と、電荷発生物質がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層および電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層の二層からなる機能分離型(積層型)とが挙げられるが、何れの形式であってもよい。
・電荷発生層
積層型感光体(機能分離型感光体)の場合、電荷発生層は、電荷発生物質をバインダー樹脂で結着することにより形成される。
電荷発生物質として有機顔料を用いる場合には、1種を単独で用いてもよいが、2種類以上の顔料を混合して用いてもよい。この場合、可視域と近赤域の異なるスペクトル領域で分光感度特性を有する2種類以上の電荷発生物質を組み合わせて用いることが好ましく、中でもジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料とフタロシアニン顔料とを組み合わせて用いることがより好ましい。
また、複数の電荷発生層を併用することも可能である。
積層型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質を含有するとともに、通常はバインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷輸送層は、具体的には、例えば電荷輸送物質等とバインダー樹脂とを溶剤に溶解または分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には電荷発生層上に、また、逆積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布、乾燥して得ることができる。
単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質に加えて、積層型感光体の電荷輸送層と同様に、膜強度確保のためにバインダー樹脂を使用して形成する。具体的には、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダー樹脂とを溶剤に溶解または分散して塗布液を作製し、導電性支持体上(下引き層を設ける場合は下引き層上)に塗布、乾燥して得ることができる。
電荷発生物質は、積層型感光体の電荷発生層について説明したものと同様のものが使用できる。但し、単層型感光体の感光層の場合、電荷発生物質の粒子径を充分に小さくする必要がある。具体的には、通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下の範囲とする。
また、単層型感光層におけるバインダー樹脂と電荷発生物質との使用比率は、バインダー樹脂100重量部に対して電荷発生物質が通常0.1重量部以上、好ましくは1重量部以上、また、通常30重量部以下、好ましくは10重量部以下の範囲とする。
感光層の膜厚は、高品質な画像を得るために、20μm以下が好ましく、16μm以下がより好ましく、13μm以下が更に好ましい。膜厚が小さいほど、細線の再現性が良くなる。
積層型感光体、単層型感光体ともに、感光層またはそれを構成する各層には、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性等を向上させる目的で、周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤等の添加物を含有させても良い。
例えば、感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電生成物等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で、保護層を設けても良い。
保護層は、導電性材料を適当なバインダー樹脂中に含有させて形成するか、特開平9−190004号、特開平10−252377号各公報に記載のトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する化合物を用いた共重合体を用いることができる。
保護層に用いるバインダー樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、シロキサン樹脂等の公知の樹脂を用いることができ、また、特開平9−190004号公報、特開平10−252377号公報の記載のようなトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する骨格と上記樹脂の共重合体を用いることもできる。
これらの感光体を構成する各層は、含有させる物質を溶剤に溶解または分散させて得られた塗布液を、支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等の公知の方法により、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。
例えば、単層型感光体、および機能分離型感光体の電荷輸送層層の場合には、塗布液の固形分濃度を通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上、また、通常40重量%以下、好ましくは35重量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度を通常10mPa・s以上、好ましくは50mPa・s以上、また、通常500mPa・s以下、好ましくは400mPa・s以下の範囲とする。
塗布液の乾燥は、室温における指触乾燥後、通常30℃以上、200℃以下の温度範囲で、1分から2時間の間、静止または送風下で加熱乾燥させることが好ましい。また、加熱温度は一定であってもよく、乾燥時に温度を変更させながら加熱を行なっても良い。
<トナーの種類>
本発明で使用するトナーは、上記の平均円形度を有する限り他に制限は無い。トナーの種類は、通常はその製造方法に応じて様々なものが得られるが、本発明においては、そのいずれを用いることも可能である。
本発明で使用するトナーは、従前公知のどのような方法で製造しても構わず、例えば重合法や溶融懸濁法等が挙げられるが、水系媒体中でトナー粒子を生成する、いわゆる重合法トナーが好ましい。重合法トナーとしては、例えば、懸濁重合法トナー、乳化重合凝集法トナー等が挙げられる。特に、乳化重合凝集法は、液状媒体中でポリマー樹脂微粒子と着色剤等とを凝集させてトナーを製造する方法であり、凝集条件を制御することによってトナーの粒径および円形度を調整することができるので好ましい。
乳化重合凝集法によりトナーを製造する場合、その製造工程としては、通常、重合工程、混合工程、凝集工程、融合工程、洗浄・乾燥工程を行なう。即ち、一般的には乳化重合により重合体一次粒子を得て(重合工程)、その重合体一次粒子を含む分散液に、必要に応じ、着色剤(顔料)、ワックス、帯電制御剤等の分散体を混合し(混合工程)、この分散液中に凝集剤を加えて一次粒子を凝集させて粒子凝集体とし(凝集工程)、必要に応じて微粒子等を付着する操作を行ない、その後に融合させて粒子を得て(融合工程)、得られた粒子を洗浄、乾燥することにより(洗浄・乾燥工程)、母粒子が得られる。
重合体の微粒子(重合体一次粒子)としては、特に限定されない。したがって、液状媒体中で重合性単量体を、懸濁重合法、乳化重合法等により重合させて得られる微粒子、樹脂等の重合体の塊を粉砕することによって得られる微粒子のいずれを重合体一次粒子として用いてもよい。但し、重合法、特に乳化重合法、なかでも乳化重合におけるシードとしてワックスを用いたものが好ましい。乳化重合におけるシードとしてワックスを用いると、重合体がワックスを包み込んだ構造の微粒子を重合体一次粒子として製造することができる。この方法によれば、ワックスをトナーの表面に露出させず、トナー内に含有させることができる。このため、ワックスによる装置部材の汚染がなく、また、トナーの帯電性を損なうこともなく、かつ、トナーの低温定着性や高温オフセット性、耐フィルミング性、離型性等を向上させることができる。
乳化重合法としては、従来より知られている方法に従って行えばよい。通常は、ワックスを乳化剤の存在下で液状媒体に分散してワックス微粒子とし、これに重合開始剤、重合により重合体を与える重合性単量体、即ち、重合性の炭素−炭素二重結合を有する化合物、および、必要に応じて連鎖移動剤、pH調整剤、重合度調節剤、消泡剤、保護コロイド、内添剤等を混合、攪拌して重合を行なう。これにより、重合体がワックスを包み込んだ構造を有する重合体の微粒子(即ち、重合体一次粒子)が液状媒体に分散したエマルジョンが得られる。尚、重合体がワックスを包み込んだ構造としては、コアシェル型、相分離型、オクルージョン型等が挙げられるが、コアシェル型が好ましい。
ワックスとしては、この用途に用い得ることが知られている任意のものを用いることができる。例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、共重合ポリエチレン等のオレフィン系ワックス;パラフィンワックス;アルキル基を有するシリコーンワックス;低分子量ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂系ワックス;ステアリン酸等の高級脂肪酸;エイコサノール等の長鎖脂肪族アルコール;ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸エステル、ステアリン酸ステアリル等の長鎖脂肪族基を有するエステル系ワックス;ジステアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン類;水添ひまし油、カルナバワックス等の植物系ワックス;グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと長鎖脂肪酸より得られるエステル類または部分エステル類;オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド;低分子量ポリエステル等が挙げられる。なかでも、示差熱分析(DSC)による吸熱ピークを50〜100℃に少なくとも1つ有するものが好ましい。
尚、ワックスは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用しても良い。
乳化剤に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない範囲で任意のものを使用することができる。例えば、非イオン性、アニオン性、カチオン性、および両性のいずれの界面活性剤も用いることができる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタンモノラウレート等のソルビタン脂肪酸エステル類等が挙げられる。
さらに、カチオン系界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩類、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド等の4級アンモニウム塩類等が挙げられる。
これらの中でも、非イオン性界面活性剤、アニオン系界面活性剤が好ましい。
尚、乳化剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用しても良い。
液状媒体としては、通常は水系媒体を用い、特に好ましくは水を用いる。但し、液状媒体の質は液状媒体中の粒子の再凝集による粗大化にも関係し、液状媒体の導電率が高いと経時の分散安定性が悪化する傾向がある。したがって、液状媒体として水等の水系媒体を使用する場合、導電率を、通常10μS/cm以下、好ましくは5μS/cm以下となるように脱塩処理されたイオン交換水あるいは蒸留水を用いることが好ましい。尚、導電率の測定は、導電率計(横河電機社製のパーソナルSCメータモデルSC72と検出器SC72SN−11)を用いて25℃下で測定を行なう。
尚、液状媒体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
この液状媒体に、乳化剤の存在下で前記ワックスを分散させることにより、ワックス微粒子を得る。乳化剤およびワックスを液状媒体に配合する順は任意であるが、通常は、まず乳化剤を液状媒体に配合し、その後、ワックスを混合する。また、乳化剤は連続的に液状媒体に配合してもよい。
上記のワックス微粒子を調製した後、液状媒体に、重合開始剤を配合する。重合開始剤としては本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができる。その例を挙げると、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類;t−ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、p−メンタンヒドロパーオキシド等の有機過酸化物類;過酸化水素等の無機過酸化物類等が挙げられる。中でも、無機過酸化物類が好ましい。尚、重合開始剤は1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
上記のワックス微粒子を調製した後、液状媒体には、前記の重合開始剤の他に、重合性単量体を配合する。重合性単量体に特に制限は無いが、例えば、スチレン類、(メタ)アクリル酸エステル、アクリルアミド類、ブレンステッド酸性基を有する単量体(以下、単に「酸性モノマー」と略記することがある)、ブレンステッド塩基性基を有する単量体(以下、単に「塩基性モノマー」と略記することがある)等の単官能性モノマーが主として用いられる。また、単官能性のモノマーに多官能性のモノマーを併用することもできる。
また、(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル等が挙げられる。
さらに、酸性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸等のカルボキシル基を有するモノマー;スルホン化スチレン等のスルホン酸基を有するモノマー;ビニルベンゼンスルホンアミド等のスルホンアミド基を有するモノマー等が挙げられる。
尚、酸性モノマーおよび塩基性モノマーは、対イオンを伴って塩として存在していてもよい。
ワックスをシードとして乳化重合を行なう際には、酸性モノマーまたは塩基性モノマーと、これら以外のモノマーとを併用するのが好ましい。酸性モノマーまたは塩基性モノマーを併用することにより、重合体一次粒子の分散安定性を向上させることができるからである。
上記のワックス微粒子を調製した後、液状媒体には、前記の重合開始剤および重合性単量体の他に、必要に応じて、連鎖移動剤、pH調整剤、重合度調節剤、消泡剤、保護コロイド、内添剤等の添加剤を配合する。これらの添加剤は本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができる。また、これらの添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用しても良い。
さらに、保護コロイドとしては、この用途に用い得ることが知られている任意のものを使用することができる。具体例を挙げると、部分または完全ケン化ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体類等が挙げられる。
ワックス微粒子を含む液状媒体に重合開始剤および重合性単量体、並びに、必要に応じて添加剤を混合し、攪拌し、重合させることにより、重合体一次粒子を得る。この重合体一次粒子は、液状媒体中にエマルジョンの状態で得ることができる。
さらに、重合(乳化重合反応)の反応温度も反応が進行する限り任意である。但し、重合温度は、通常50℃以上、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上、また、通常120℃以下、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下である。
測定下限 :0.0008μm
チャンネル数:52
測定時間 :100sec.
粒子透過性 :吸収
粒子屈折率 :N/A(適用しない)
粒子形状 :非球形
密度 :1g/cm3
分散媒種類 :WATER
分散媒屈折率:1.333
前記の重合体一次粒子が分散したエマルジョンに、顔料粒子を混合し、凝集させることにより、重合体、顔料を含む凝集体(凝集粒子)のエマルジョンを得る。この際、顔料は、予め液状媒体に界面活性剤等を用いて均一に分散させた顔料粒子分散体を用意し、これを重合体一次粒子のエマルジョンに混合することが好ましい。この際、顔料粒子分散体の液状媒体として通常は水等の水系溶媒を使用し、顔料粒子分散体を水系分散体として用意する。また、その際には、必要に応じてワックス、帯電制御剤、離型剤、内添剤等をエマルジョンに混合してもよい。また、顔料粒子分散体の安定性を保持するために、上述した乳化剤を加えてもよい。
併用重合体粒子としては、例えば、懸濁重合や粉砕で得られた微粒子等が挙げられる。このような併用重合体粒子の材料としては樹脂を使用できるが、この樹脂としては、上述の乳化重合に供する単量体の(共)重合体の他に、例えば、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルアルコール、ビニルブチラール、ビニルピロリドン等のビニル系単量体の単独重合体または共重合体、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱可塑性樹脂、および、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。尚、これらの併用重合体粒子も、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用しても良い。但し、併用重合体粒子の割合は、重合体一次粒子および併用重合体粒子の重合体の合計に対して、通常5重量%以下、好ましくは4重量%以下、より好ましくは3重量%以下である。
このうち、黒色顔料として使用されるカーボンブラックは、非常に微細な一次粒子の凝集体として存在し、顔料粒子分散体として分散させたときに、再凝集によるカーボンブラック粒子の粗大化が発生しやすい。カーボンブラック粒子の再凝集の程度は、カーボンブラック中に含まれる不純物量(未分解有機物量の残留程度)の大小と相関が見られ、不純物が多いと分散後の再凝集による粗大化が顕著となる傾向を示す。
尚、カーボンブラックの紫外線吸光度(λc)は、次の方法で求める。即ち、まずカーボンブラック3gをトルエン30mlに充分に分散、混合させて、続いてこの混合液をNo.5C濾紙を使用して濾過する。その後、濾液を吸光部が1cm角の石英セルに入れて市販の紫外線分光光度計を用いて波長336nmの吸光度を測定した値(λs)と、同じ方法でリファレンスとしてトルエンのみの吸光度を測定した値(λo)とから、紫外線吸光度はλc=λs−λoで求める。市販の分光光度計としては、例えば島津製作所製紫外可視分光光度計(UV−3100PC)等がある。
さらに、マゼンタ顔料としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキウ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物等が用いられる。
尚、顔料は1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用しても良い。
さらに、顔料粒子分散体には、界面活性剤を含有させても良い。この界面活性剤に特に制限は無いが、例えば、乳化重合法の説明において乳化剤として例示した界面活性剤と同様のものが挙げられる。中でも、非イオン系界面活性剤、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩類等のアニオン系活性剤、ポリマー系界面活性剤等が好ましく用いられる。また、この際、界面活性剤は1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用しても良い。
また、顔料粒子分散体の液状媒体としては、通常は水系媒体を用い、好ましくは水を用いる。この際、重合体一次粒子および顔料粒子分散体の水質は各粒子の再凝集による粗大化にも関係し、導電率が高いと経時の分散安定性が悪化する傾向がある。したがって、導電率を、通常10μS/cm以下、好ましくは5μS/cm以下となるように脱塩処理されたイオン交換水あるいは蒸留水を用いることが好ましい。尚、導電率の測定は、導電率計(横河電機社製のパーソナルSCメータモデルSC72と検出器SC72SN−11)を用いて25℃下で測定を行なう。
また、重合体一次粒子を含有するエマルジョンに顔料を混合させる際、エマルジョンに帯電制御剤を混合しても良い。
帯電制御剤は、重合体一次粒子を含有するエマルジョンに顔料を混合する前、混合中、混合後のいずれにおいて混合しても良い。
上記の重合体一次粒子を含有するエマルジョンに顔料を混合した後、重合体一次粒子と顔料とを凝集させる。尚、上述したとおり、混合の際には、通常、顔料は顔料粒子分散体とした状態で混合させる。
電解質を混合して凝集を行なう場合の電解質としては、例えば、NaCl、KCl、LiCl、MgCl2、CaCl2等の塩化物;Na2SO4、K2SO4、Li2SO4、MgSO4、CaSO4、ZnSO4、Al2(SO4)3、Fe2(SO4)3等の硫酸塩等の無機塩;CH3COONa、C6H5SO3Na等の有機塩等が挙げられる。これらのうち、2価以上の多価の金属カチオンを有する無機塩が好ましい。
電解質の使用量は、電解質の種類によって異なるが、エマルジョン中の固形成分100重量部に対して、通常0.05重量部以上、好ましくは0.1重量部以上、また、通常25重量部以下、好ましくは15重量部以下、より好ましくは10重量部以下である。電解質を混合して凝集を行なう場合において、電解質の使用量が少なすぎると、凝集反応の進行が遅くなり凝集反応後も1μm以下の微粉が残ったり、得られる凝集体の平均粒径が目的の粒径に達しない等の可能性があり、また、電解質の使用量が多すぎると、凝集反応が急速に起こるため粒径の制御が困難となり、得られる凝集体中に粗粉や不定形のものが含まれる可能性がある。
一方、加熱により凝集を行なう場合、温度条件は凝集が進行する限り任意である。具体的な温度条件を挙げると、通常15℃以上、好ましくは20℃以上、また、重合体一次粒子の重合体のガラス転移温度〔Tg〕以下、好ましくは55℃以下の温度条件で凝集を行なう。凝集を行なう時間も任意であるが、通常10分以上、好ましくは60分以上、また、通常300分以下、好ましくは180分以下である。
凝集体を得た後、当該凝集体には、必要に応じて樹脂被覆層を形成することが好ましい。凝集体に樹脂被覆層を形成させるカプセル化工程とは、凝集体の表面に樹脂被覆層を形成することにより、凝集体を樹脂により被覆する工程である。これにより、製造されるトナーは樹脂被覆層を備えることになる。カプセル化工程では、トナー全体が完全に被覆されない場合もあるが、顔料は、実質的にトナー粒子の表面に露出していないトナーを得ることができるようになる。この際の樹脂被覆層の厚さに制限は無いが、通常は0.01μm〜0.5μmの範囲である。
上記スプレードライ法により樹脂被覆層を形成する方法としては、例えば、内層を形成する凝集体と樹脂被覆層を形成する樹脂微粒子とを水媒体中に分散して分散液を作製し、分散液をスプレー噴出し、乾燥することによって、凝集体表面に樹脂被覆層を形成することができる。
また、前記液中粒子被覆法としては、例えば、内層を形成する凝集体と外層を形成する樹脂微粒子とを、水媒体中で反応あるいは結合させ、内層を形成する凝集体の表面に樹脂被覆層を形成させる方法である。
さらに、凝集体に対する樹脂微粒子の固着または融合を効果的に行なうためには、樹脂微粒子の粒径は、通常は、0.04μm〜1μm程度のものが好ましく用いられる。
ポリシロキサンワックスの含有量に制限は無いが、トナー中、通常0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上、より好ましくは0.08重量%以上、また、通常2重量%以下、好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下とする。樹脂被覆層中のポリシロキサンワックスの量が少なすぎると耐高温オフセット性が不十分となる可能性があり、多すぎると耐ブロッキング性が低下する可能性がある。
融合工程では、凝集体を加熱処理することにより、凝集体を構成する重合体の溶融一体化を行なう。
また、凝集体に樹脂被覆層を形成してカプセル化樹脂微粒子とした場合には、加熱処理をすることにより、凝集体を構成する重合体およびその表面の樹脂被覆層の融合一体化がなされることになる。これにより、顔料粒子は実質的に表面に露出しない形態で得られる。
上述した各工程を液状媒体中で行なっていた場合には、融合工程の後、得られたカプセル化樹脂粒子を洗浄し、乾燥して液状媒体を除去することにより、トナーを得ることができる。洗浄および乾燥の方法に制限は無く任意である。
・トナーの平均円形度
本発明で使用するトナーの形状は、トナーを構成する粒子群に含まれる各粒子の形状が、互いに近いものであって、球形に近いほどトナーの粒子内での帯電量の局在化が起こりにくく、現像性が均一になる傾向にあり、画像品質を高める上で好ましい。特に、トナーの形状が完全な球形に近い形状となれば、電子写真感光体との接触面積が小さくなり、トナーの転写率が高まり、トナーの消費量を低減することが可能となる場合がある。一方で、完全な球状トナーを作ることは製造上困難であり、トナーが高コスト化するため、一定以上の条件で球に近ければよく、完全な球である必要は無い。
したがって、具体的には、本発明で使用するトナーは、フロー式粒子像分析装置によって測定される平均円形度が、通常0.940以上、好ましくは0.950以上、より好ましくは0.960以上、特に好ましくは0.970以上である。また、前記平均円形度の上限は1.000以下であれば制限は無いが、生産の容易さの観点から、好ましくは0.998以下、より好ましくは0.995以下である。
円形度a=L0/L (A)
(式(A)中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは画像処理した時の粒子像の周囲長を示す。)
前記の円形度は、トナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.00を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。
本発明で使用するトナーの体積平均粒径〔Dv〕に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常4μm以上、好ましくは5μm以上、また、通常10μm以下、好ましくは8μm以下である。トナーの体積平均粒径〔Dv〕が小さすぎると画質の安定性が低下する可能性があり、大きすぎると解像度が低下する可能性がある。
さらに、本発明で使用するトナーは、粒径5μm以下の個数分率が、通常15%以下、好ましくは10%以下であることが、画像カブリの改善に効果があるので、望ましい。
本発明で使用するトナーのTHF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略す場合がある)におけるピーク分子量のうち少なくとも1つは、通常1万以上、好ましくは2万以上、より好ましくは3万以上であり、通常15万以下、好ましくは10万以下、より好ましくは7万以下である。尚、THFはテトラヒドロフランのことを言う。ピーク分子量が何れも前記範囲より低い場合は、非磁性一成分現像方式における機械的耐久性が悪化する場合があり、ピーク分子量が何れも前記範囲より高い場合は、低温定着性や定着強度が悪化する場合がある。
尚、本発明で使用するトナーのピーク分子量は、測定装置:HLC−8120GPC(東ソー株式会社製)を用いて次の条件で測定される。
測定は、試料濃度(樹脂の濃度)を0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のTHF溶液を測定装置に50〜200μl注入して行なう。試料(トナー中の樹脂成分)の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Chemical Co.製あるいは、東洋ソーダ工業社製の、分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
本発明で使用するトナーの軟化点〔Sp〕に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、低エネルギーで定着する観点から、通常150℃以下、好ましくは140℃以下である。また、耐高温オフセット性、耐久性の点からは、軟化点は、通常80℃以上、好ましくは100℃以上である。
また、本発明で使用するトナーのガラス転移温度〔Tg〕に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常80℃以下、好ましくは70℃以下であると、低エネルギーで定着できるので望ましい。また、ガラス転移温度〔Tg〕は、通常40℃以上、好ましくは50℃以上であると、耐ブロッキング性の点で好ましい。
トナーの軟化点〔Sp〕およびガラス転移温度〔Tg〕は、トナーに含まれる重合体の種類および組成比に大きく影響を受ける。このため、トナーの軟化点〔Sp〕およびガラス転移温度〔Tg〕は、前記の重合体の種類および組成を適宜最適化することにより調整することができる。また、重合体の分子量、ゲル分、ワックス等の低融点成分の種類および配合量によっても、調整することが可能である。
本発明で使用するトナーがワックスを含有する場合、トナー粒子中のワックスの分散粒径は、平均粒径として、通常0.1μm以上、好ましくは0.3μm以上であり、また、上限は通常3μm以下、好ましくは1μm以下である。分散粒径が小さすぎるとトナーの耐フィルミング性改良の効果が得られない可能性があり、また、分散粒径が大きすぎるとトナーの表面にワックスが露出しやすくなり帯電性や耐熱性が低下する可能性がある。
また、トナーに占めるワックスの割合は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.05重量%以上、好ましくは0.1重量%以上であり、また通常20重量%以下、好ましくは15重量%以下である。ワックスが少なすぎると定着温度幅が不十分となる可能性があり、多すぎると装置部材を汚染して画質が低下する可能性がある。
トナーの流動性、帯電安定性、高温下での耐ブロッキング性等を向上させるために、トナー粒子表面に外添微粒子を添着させてもよい。
外添微粒子をトナー粒子表面に添着させる方法としては、例えば、上述したトナーの製造方法において、液状媒体中で二次凝集体と外添微粒子を混合した後、加熱してトナー粒子上に外添微粒子を固着させる方法;二次凝集体を液状媒体から分離、洗浄、乾燥させて得られたトナー粒子に乾式で外添微粒子を混合または固着させる方法等が挙げられる。
圧縮剪断処理装置は、一般に、間隔を保持しながら相対的に運動するヘッド面とヘッド面、ヘッド面と壁面、あるいは壁面と壁面によって構成される狭い間隙部を有し、被処理粒子が該間隙部を強制的に通過させられることによって、実質的に粉砕されることなく、粒子表面に対して圧縮応力および剪断応力が加えられるように構成されている。このような圧縮剪断処理装置としては、例えば、ホソカワミクロン社製のメカノフュージョン装置等が挙げられる。
また、外添微粒子としては、この用途に用い得ることが知られている公知のものが使用できる。例えば、無機微粒子、有機微粒子等が挙げられる。
これら外添微粒子の中では、特に、シリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、カーボンブラック等が好適に使用される。
また、これらの無機または有機微粒子の表面は、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、シリコーンワニス、フッ素系シランカップリング剤、フッ素系シリコーンオイル、アミノ基や第4級アンモニウム塩基を有するカップリング剤等の処理剤によって疎水化等の表面処理が施されていてもよい。尚、処理剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用しても良い。
本発明で使用するトナーの帯電特性は、負帯電性であっても、正帯電性であっても良く、用いる画像形成装置の方式に応じて設定することができる。尚、トナーの帯電特性は、帯電制御剤等のトナー母粒子構成物の選択および組成比、外添微粒子の選択および組成比等により調整することができる。
二成分現像剤として用いる場合には、トナーと混合して現像剤を形成するキャリアとしては、例えば、公知の鉄粉系、フェライト系、マグネタイト系キャリア等の磁性物質、または、それらの表面に樹脂コーティングを施したものや磁性樹脂キャリアを用いることができる。
また、キャリアの平均粒径は特に制限はないが、10〜200μmの平均粒径を有するものが好ましい。これらのキャリアは、トナー1重量部に対して5〜100重量部の割合で用いるのが好ましい。
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置(本発明の画像形成装置)の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5およびクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
尚、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着等、任意の方式による定着装置を設けることができる。
続いて、帯電された電子写真感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その電子写真感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが電子写真感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が電子写真感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに電子写真感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
尚、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体1に露光を行なうことで電子写真感光体1の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
尚、電子写真感光体1を、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6、および定着装置7のうち1つまたは2つ以上と組み合わせて、一体型のカートリッジ(以下、適宜、「電子写真カートリッジ」という)として構成し、この電子写真カートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能な構成にしてもよい。この場合、例えば電子写真感光体1やその他の部材が劣化した場合に、この電子写真カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい電子写真カートリッジを画像形成装置本体に装着することにより、画像形成装置の保守・管理が容易となる。
[ポリカーボネートの製造]
1−(1).ビスフェノールCオリゴマーの製造
・2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(=ビスフェノールC) 100部
・水酸化ナトリウム 78部
・水 922部
・塩化メチレン 412部
上記混合物を撹拌機付き反応機に仕込み、撹拌した。これにホスゲン87部を吹き込み反応を行った。反応終了後ポリカーボネートオリゴマーを含有する塩化メチレン溶液のみを補集した。得られたオリゴマーの塩化メチレン溶液の分析結果は下記の通りであった。
末端クロロホルメート基濃度(注2)0.56規定
末端フェノール性水酸基濃度(注3)0.33規定
(注2)アニリンと反応させて得られるアニリン塩酸塩を0.1規定水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定した。
(注3)塩化メチレン、四塩化チタン、酢酸溶液に溶解させた時の発色を546nmで比色定量した。
・1−(1)で得られたビスフェノールCオリゴマー溶液 268mL
・塩化メチレン 232mL
・2−ベンゾイル−5−(3−ポリジメチルシロキサンプロポキシ)フェノール(ポリシロキサンの平均重合度n=37) 17.9g
引続き水830mLおよびメチレンクロライド456mLを加え30分間撹拌後、反応溶液を分液した。ポリカーボネート樹脂を含む塩化メチレン溶液を0.1N水酸化ナトリウム水溶液、0.1N塩酸水溶液、脱塩水を用いて順次各々2回ずつ洗浄した。洗浄後の塩化メチレン溶液を5倍量(体積)のメタノールに注いで得られた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的の末端ポリシロキサンポリカーボネートを得た。この樹脂を樹脂Xとする。
試料を塩化メチレンに溶解し濃度Cが6.00g/Lの溶液を調製した。溶媒(塩化メチレン)の流下時間t0 が136.21秒のウベローデ型毛管粘度計を用いて、20.0℃に設定した恒温水槽中で試料溶液の流下時間tを測定した。以下の式に従って粘度平均分子量Mvを算出した。
b=100×ηsp/C
ηsp=t/t0 −1
C =6.00(g/L)
η=b/a
Mv=3207×η1.205
2−(1).ビスフェノールPオリゴマーの製造
・1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン(=ビスフェノールP) 100部
・水酸化ナトリウム 46部
・水 1,000部
・塩化メチレン 420部
オリゴマー濃度 22.6重量%
末端クロロホルメート基濃度 0.322規定
末端フェノール性水酸基濃度 0.016規定
※それぞれ、製造例1の場合と同様にして測定した。
・1−(1)で得られたビスフェノールCオリゴマー溶液 127.6mL
・2−(1)で得られたビスフェノールPオリゴマー溶液 156.4mL
・塩化メチレン 216mL
・2−ベンゾイル−5−(3−ポリジメチルシロキサンプロポキシ)フェノール(ポリシロキサンの平均重合度n=37) 17.0g
水167mLに水酸化ナトリウム9.06gを溶解した水溶液、2wt%トリエチルアミン水溶液5.4mLを撹拌機付き2L重合槽に仕込み、20℃にて撹拌し、4時間界面重合を行った。
<感光体シートの製造>
[実施例1]
以下の手順に従い、電子写真感光体の1形態である感光体シートを作製した。初めに、下引き層用分散液は、次のようにして製造した。即ち、平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3重量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、高速流動式混合混練機((株)カワタ社製「SMG300」)に投入し、回転周速34.5m/秒で高速混合して得られた表面処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、疎水化処理酸化チタンの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒、および、ε−カプロラクタム/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン/ヘキサメチレンジアミン/デカメチレンジカルボン酸/オクタデカメチレンジカルボン酸の組成モル比率が、60%/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行なうことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの重量比が7/1/2で、疎水性処理酸化チタン/共重合ポリアミドを重量比3/1で含有する、固形分濃度18.0%の下引き層用分散液とした。
このようにして得られた下引き層形成用塗布液を、表面にアルミ蒸着したポリエチレンテレフタレートシート上に、乾燥後の膜厚が1.2μmになるようにワイヤーバーで塗布、乾燥して下引き層を設けた。
この電荷発生層形成用塗布液を、上述の下引き層上に乾燥後の膜厚が0.4μmとなるようにワイヤーバーで塗布した後、乾燥して電荷発生層を形成した。
この感光体シートを後述する表面性試験によって滑り性の評価を行った。また、後述する感光体特性試験機(川口電機(株)製モデルEPA8100)によって電気特性の評価を行った。結果を表1に示した。
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた樹脂Xを25重量部とし、ポリアリレート樹脂Aを75重量部とした以外は、実施例1と同様にして感光体シートを作製した。この感光体シートを実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた樹脂Aの代わりに、下記繰り返し構造からなるポリアリレート樹脂B(粘度平均分子量32,000)を用いた以外は、実施例1と同様にして感光体シートを作製した。この感光体シートを実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
参考例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた樹脂Xを25重量部とし、ポリアリレート樹脂Bを75重量部とした以外は、参考例1と同様にして感光体シートを作製した。この感光体シートを実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
実施例2の電荷輸送層形成用塗布液に用いた樹脂Xの代わりに、製造例2で製造した樹脂Yを用いた以外は、実施例2と同様にして感光体シートを作製した。この感光体シートを実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
参考例2の電荷輸送層形成用塗布液に用いた樹脂Xの代わりに、製造例2で製造した樹脂Yを用いた以外は、参考例2と同様にして感光体シートを作製した。この感光体シートを実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた樹脂Aを用いず、樹脂Xを100重量部とした以外は、実施例1と同様にして感光体シートを作製した。この感光体シートを実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた樹脂Xと樹脂Aを用いず、製造例2で製造した樹脂Y100重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして感光体シートを作製した。この感光体シートを実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた樹脂Xを用いず、樹脂Aを100重量部とした以外は、実施例1と同様にして感光体シートを作製した。この感光体シートを実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
参考例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた樹脂Xを用いず、樹脂Bを100重量部とした以外は、参考例1と同様にして感光体シートを作製した。この感光体シートを実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた樹脂Aの代わりに下記繰り返し構造からなるポリカーボネート樹脂C(粘度平均分子量49,000)50重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして感光体シートを作製した。この感光体シートを実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
実施例5の電荷輸送層形成用塗布液に用いた樹脂Yを50重量部とし、樹脂Aの変わりに、ポリカーボネート樹脂C(粘度平均分子量49,000)50重量部を用いた以外は、実施例5と同様にして感光体シートを作製した。この感光体シートを実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
前述の感光体シート(実施例1、2,5〜6、比較例1〜6、参考例1〜3)を幅60mm長さ130mmの大きさに切り出し、摩耗試験機(スガ試験機株式会社製FR−2型)の往復移動テーブル上に粘着テープで固定した。7.8Nの荷重をかけ、3M社製Wetordry Tri−M−ite Paper 2000により電子写真感光体上を300回往復させ研磨した。その後、7.8N重の荷重をかけ株式会社クレシア社製JKワイパー(登録商標)ティシュー150−Sにより電子写真感光体上を300回往復させ研磨した。
上記の実施例および比較例(実施例1、2,5〜6、比較例1〜6、参考例1〜3)で作製した感光体シートを、感光体特性試験機(川口電機(株)製モデルEPA8100)に装着して、暗所で35μAのコロナ電流により感光体シートを負帯電させたあと、780nmの光を連続的に照射し、表面電位が−700Vから−350Vに減少するのに要した半減露光量(E1/2)および10μJ/cm2照射したときの残留電位(Vr)を測定した。その結果を表1に示す。
上記の実施例と比較例(実施例1、2,5〜6、比較例1,2,5,6、参考例1〜3)の感光体シートを、それぞれ直径10cmの円状に切断し、テーバー摩耗試験機(Taber社製)により摩耗評価を行なった。試験条件は、23℃、50%RHの雰囲気下、摩耗輪CS−10Fを用いて、荷重なし(摩耗輪の自重)で1000回回転後の摩耗量を試験前後の重量を比較することにより測定した。結果を表2に示す。
・ワックス・長鎖重合性単量体分散液A1の調製
パラフィンワックス(日本精鑞社製HNP−9、表面張力23.5mN/m、融点82℃、融解熱量220J/g、融解ピーク半値幅8.2℃、結晶化ピーク半値幅13.0℃)27部(540g)、ステアリルアクリレート(東京化成社製)2.8部、20重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS20A、以下適宜「20%DBS水溶液」と略称する)1.9部、脱塩水68.3部を90℃に加熱してホモミキサー(特殊機化工業社製 マークII fモデル)で8000rpmの回転数で10分間攪拌した。
アルキル変性シリコーンワックス(融点72℃)27部(540g)、20%DBS水溶液1.9部、脱塩水71.1部を3Lのステンレス容器に入れ90℃に加熱してホモミキサー(特殊機化工業社製 マークII fモデル)で8000rpmの回転数で10分間攪拌した。
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、および各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器(内容積21リットル、内径250mm、高さ420mm)に、ワックス・長鎖重合性単量体分散液A1を35.6重量部(712.12g)と、脱塩水259部とを仕込み、回転数103rpmで攪拌しながら窒素気流下で90℃に昇温した。
スチレン 76.8部 (1535.0g)
アクリル酸ブチル 23.2部
アクリル酸 1.5部
トリクロロブロモメタン 1.0部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.7部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 67.1部
[開始剤水溶液]
8%過酸化水素水溶液 15.5部
8%L(+)−アスコルビン酸水溶液 15.5部
[追加開始剤水溶液]
8%L(+)−アスコルビン酸水溶液 14.2部
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、および各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器(内容積21リットル、内径250mm、高さ420mm)に、シリコーンワックス分散液A2を23.6重量部(472.3g)と、20%DBS水溶液1.5重量部と、脱塩水324部とを仕込み、窒素気流下で90℃に昇温し、103rpmで攪拌しながら8%過酸化水素水溶液3.2部、8%L(+)−アスコルビン酸水溶液3.2部を一括添加した。
スチレン 92.5部 (1850.0g)
アクリル酸ブチル 7.5部
アクリル酸 1.5部
トリクロロブロモメタン 0.6部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.5部
脱塩水 66.2部
[開始剤水溶液]
8%過酸化水素水溶液 18.9部
8%L(+)−アスコルビン酸水溶液 18.9部
攪拌機(プロペラ翼)を備えた内容積300Lの容器に、トルエン抽出液の紫外線吸光度が0.02であり、真密度が1.8g/cm3のファーネス法で製造されたカーボンブ ラック(三菱化学株式会社製、三菱カーボンブラックMA100S)20部(40kg)、20%DBS水溶液1部、非イオン界面活性剤(花王社製、エマルゲン120)4部、電気伝導度が2μS/cmのイオン交換水75部を加えて予備分散して顔料プレミックス液を得た。導電率の測定は、導電率計(横河電機社製のパーソナルSCメータモデルSC72と検出器SC72SN−11)を用いて行なった。
重合体一次粒子分散液A1 固形分として95部(固形分として998.2g)
重合体一次粒子分散液A2 固形分として5部
着色剤微粒子分散液A 着色剤固形分として6部
20%DBS水溶液 固形分として0.1部
上記の各成分を用いて、以下の手順によりトナーを製造した。
その後、250rpmのまま重合体一次粒子分散液A2を3分かけて添加してそのまま60分保持し、回転数を168rpmに落としてすぐに20%DBS水溶液(固形分として6部)を10分かけて添加した。更に168rpmのまま内温を30分かけて90℃に昇温して60分保持した(以下、この工程を融合工程と呼ぶことがある)。
攪拌機(Z/A0羽根)と上部より壁面に対し直角に向いたディフレクターを備えた内容積10L(直径230mm,高さ240mm)のヘンシェルミキサー内に、現像用母粒子A100部(1,000g)を投入し、続いてシリコーンオイルで疎水化処理された体積平均一次粒径0.04μmのシリカ微粒子0.5部と、シリコーンオイルで疎水化処理された体積平均一次粒径0.012μmのシリカ微粒子2.0部とを添加し、3000rpmで10分間攪拌・混合して150メッシュを通し篩別する事により現像用トナーAを得た。マルチサイザーIIで測定したトナーAの体積平均粒径は7.05μm、Dv/Dnは1.14、FPIA2000で測定した平均円形度は0.963であった。
現像用母粒子Aの製造における融合工程を、90℃に昇温して60分保持することから、96℃に昇温して90分保持することに変更した以外は、現像用母粒子Aと同様の方法で現像用母粒子Bを作製した。現像用トナーAの製造において用いた現像用母粒子Aの代わりに、現像用母粒子Bを用いた以外は現像用トナーAと同様の方法で、現像用トナーBを製造した。マルチサイザーIIで測定したトナーBの体積平均粒径は6.98μm、Dv/Dnは1.14、FPIA2000で測定した平均円形度は0.981であった。
[実施例7]
以下の手順に従い、電子写真感光体の1形態である感光体ドラムを作製した。初めに、表面が鏡面仕上げされた外径30mm、長さ376mm、肉厚0.75mmのアルミニウム製シリンダーの表面に、陽極酸化処理を行ない、その後、酢酸ニッケルを主成分とする封孔剤によって封孔処理を行なうことにより、約6μmの陽極酸化被膜(アルマイト被膜)を形成した。このシリンダーを、実施例1で作成した電荷発生層形成用塗布液に浸漬塗布して、乾燥後の膜厚が約0.4μmとなるように電荷発生層を形成した。
ここで作製した感光体ドラム、および、上記現像用トナーAをカラープリンター((株)沖データ社製MICROLINE Pro 9800PS−E)のブラックドラムカートリッジ、および、ブラックトナーカートリッジにそれぞれ搭載し、該カートリッジを上記プリンターに装着した。
4連タンデム
カラー36ppm、モノクロ40ppm
1200dpi
接触ローラ帯電(直流電圧印加)
LED露光
除電光あり
また、QEA社製のTestTarget(rev4)を印刷したところ、初期、10,000枚の画像形成後、いずれも良好な階調性の画像が得られた。
実施例7において電荷輸送層の乾燥後の膜厚を22μmから12μmに変更した以外は、実施例7と同様にして感光体ドラムを作製し、同様の方法で評価を行なった。結果は同様に表3に示した。
また、QEA社製のTestTarget(rev4)を印刷したところ、初期、10,000枚の画像形成後、いずれも良好な階調性の画像が得られた。細線の再現性が22μmの感光体ドラムと比較して良好であった。
実施例7において用いた樹脂Aを樹脂Bとした以外は実施例7と同様にして感光体ドラムを作製し、同様の方法で評価を行なった。結果は同様に表3に示した。
また、QEA社製のTestTarget(rev4)を印刷したところ、初期、10,000枚の画像形成後、いずれも良好な階調性の画像が得られた。
実施例7において用いた現像用トナーAを現像用トナーBとした以外は実施例7と同様の方法で評価を行なった。結果は同様に表3に示した。
また、QEA社製のTestTarget(rev4)を印刷したところ、初期、10,000枚の画像形成後の階調性の画像は、実施例7のものより良好であった。
実施例7において用いた樹脂Xを用いず、樹脂Aを100重量部とした以外は実施例7と同様にして感光体ドラムを作製し、同様の方法で評価を行なった。結果は同様に表3に示した。
実施例7において用いた樹脂Aを樹脂Cとした以外は実施例7と同様にして感光体ドラムを作製し、同様の方法で評価を行なった。結果は同様に表3に示した。
実施例7の感光体ドラムの製造において用いたアルミニウム製シリンダーを、外径30mm、長さ351mm、肉厚1.0mmのものに代えた他は、実施例7と同様にして感光体ドラムを作製した。
ここで得られた感光体ドラムをカラープリンター((株)沖データ社製MICROLINE 3050c)のブラックドラムカートリッジに装着し、上記プリンターに装着した。トナーには上記プリンター用の溶融混練粉砕法により製造された市販のトナーを使用した。当該トナーの平均円形度は0.935であった。
4連タンデム
カラー21ppm、モノクロ26ppm
1200dpi
接触ローラ帯電(直流電圧印加)
LED露光
除電光なし
QEA社製のTestTarget(rev4)を印刷したところ、10,000枚の画像形成後、低濃度領域の階調性に悪化が見られた。
実施例7の感光体ドラムの製造において用いたアルミニウム製シリンダーを、外径30mm、長さ246mm、肉厚0.75mmのものに変更し、電荷輸送層の膜厚を18μmとした他は、実施例7と同様にして感光体ドラムを作製した。
ここで得られた感光体ドラムをカラープリンター((株)沖データ社製C3100)のブラックドラムカートリッジに装着し、上記プリンターに装着した。
4連タンデム
カラー12ppm、モノクロ20ppm
600dpi
接触ローラ帯電(直流電圧印加)
LED露光
また、QEA社製のTestTarget(rev4)を印刷したところ、初期、10,000枚の画像形成後、いずれも良好な階調性の画像が得られた。
比較例7の感光体ドラムの製造において用いたアルミニウム製シリンダーを、外径30mm、長さ246mm、肉厚0.75mmのものに変更し、電荷輸送層の膜厚を18μmとした他は、比較例7と同様にして感光体ドラムを作製した。この感光体ドラムを実施例12と同様にして評価し、結果を表4に示した。
Claims (14)
- 前記ポリシロキサン成分を有する樹脂が、ポリカーボネート成分とポリシロキサン成分とによるブロック共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層の膜厚が15μm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 1,200dpi以上の解像度の露光手段を有する画像形成装置に用いられることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した当該電子写真感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段、当該静電潜像をトナーで現像しトナー像を形成する現像手段、当該トナー像を前記電子写真感光体から被転写体に転写する転写手段、当該トナー像の転写後に当該電子写真感光体上に残留する電荷を除去する除電手段、当該トナー像を転写した後の当該電子写真感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段のうち、少なくとも一つと、を備える
ことを特徴とする電子写真カートリッジ。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段と、
前記静電潜像をトナーで現像しトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を前記電子写真感光体から被転写体に転写する転写手段と、
前記被転写体に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、を有する
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記像露光手段が、1,200dpi以上の解像度を有する露光手段であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
- フロー式粒子像分析装置によって測定される前記トナーの平均円形度が、0.940以上1.000以下であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
- 前記トナーが水系媒体中で製造されたトナーであることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記トナーが、少なくとも重合体一次粒子および着色剤粒子を凝集させて粒子凝集体とする工程を経て得られるトナーであることを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記トナーが、樹脂被覆層を有することを特徴とする請求項7乃至請求項11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記樹脂被覆層中にポリシロキサンワックスを含有することを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
- 前記トナー内にパラフィンワックスを含有することを特徴とする請求項7乃至請求項13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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