JP2005182006A - 電子写真感光体、該感光体を用いた画像形成装置およびカートリッジ - Google Patents
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Abstract
Description
電子写真技術の中核となる感光体については、近年ではその光導電材料として、無公害で成膜が容易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導電材料を使用した感光体が開発されている。
<ポリカーボネート樹脂>
本発明において、感光層は、下記式(1)で示される繰り返し構造単位からなるポリカーボネート樹脂をバインダー樹脂として含有する。該ポリカーボネート樹脂は、特開平63−148263号公報に記載の製造方法にて合成することができるが、この製造方法に限定されるものではない。
<移動度>
本発明の電子写真感光体の感光層は、電界強度25V/μmにおいて、7×10-6(cm2 /V・s)以上の移動度のものであるが、好ましくは9×10-6(cm2 /V・s)以上、より好ましくは1×10-5(cm2 /V・s)以上の移動度のものである。移動度に
は、特に上限はなく、本発明に規定の値以上の移動度であれば本発明の効果を得ることができる。本発明に係る電子写真感光体は、前記の特定のポリカーボネート樹脂を含有し、且つ特定の移動度の感光層を有することにより、カブリ、メモリー、白スジ、黒スジ、白
抜け、黒抜け、白ぽち、黒ぽち等の画像欠陥が発生せず、しかも耐久性に優れたものとなる。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に感光層を形成して構成される。
感光層が形成される導電性支持体としては、周知の電子写真感光体に採用されているものがいずれも使用できる。具体的には例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル、亜鉛、インジウム、金、銀等の金属材料からなるドラム、シートあるいはこれらの金属箔のラミネート物、蒸着物、あるいは表面にアルミニウム、銅、パラジウム、酸化すず、酸化インジウム、ITO(インジウム−スズ酸化物)、導電性高分子等の導電性層を設けたポリエステルフィルム、紙、ガラス等の絶縁性支持体が挙げられる。更に、金属粉末、カーボンブラック、ヨウ化銅、高分子電解質等の導電性物質を適当なバインダーとともに塗布して導電処理したプラスチックフィルム、プラスチックドラム、紙、紙管等が挙げられる。また、金属粉末、カーボンブラック、炭素繊維等の導電性物質を含有し、導電性となったプラスチックのシートやドラムが挙げられる。又、酸化スズ、酸化インジウム等の導電性金属酸化物で導電処理したプラスチックフィルムやベルトが挙げられる。このように導電性支持体の表面は、画質に影響のない範囲で各種の処理、例えば、表面の酸化処理や薬品処理を行うことができる。形状はドラム、シート、ベルト、シームレスベルト等の任意の形状を取ることができる。
支持体表面は、平滑であっても良いし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていても良い。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでも良い。
導電性支持体と感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。
下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子が挙げられる。金属酸化物粒子は、一種類の粒子のみを用いても良いし複数の種類の粒子を混合して用いても良い。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタンおよび酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、ポリシロキサン、シラン、シリコーン等の有機物による処理を施されていても良い。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。複数の結晶状態のものが含まれていても良い。
また、金属酸化物粒子の粒子径としては、種々のものが利用できるが、中でも特性および液の安定性の面から、平均一次粒子径として10nm以上100nm以下が好ましく、特に好ましいのは、10nm以上50nm以下である。
また、前記無機金属酸化物と併用、あるいは単独で電子輸送性有機顔料を含有してもよい。該有機顔料としては多環キノン顔料、ペリレン顔料、アゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料等があげられる。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、フェノキシ、エポキシ、ポリビニルピロ
リドン、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン
、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等が単独あるいは硬化剤とともに硬化した形で使用できるが、中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は良好な分散性、塗布性を示し好ましい。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特性および塗布性から0.1μmから20μmが好ましい。また下引き層は、公知の酸化防止剤等を含有していても良い。
感光層は、いわゆる積層型の感光層、あるいは分散型の感光層のいずれの形態も用いることができるが、感光体の機械的物性、電気特性、製造安定性など総合的に勘案して、順積層型の感光体が好ましい。
・電荷発生層
本発明の電子写真感光体が積層型感光体である場合、その電荷発生層に使用される電荷発生物質としては例えばセレニウム及びその合金、硫化カドミウム、その他無機系光導電材料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料などの有機顔料等各種光導電材料が使用でき、特に有機顔料、更にフタロシアニン顔料、アゾ顔料が好ましい。
ロシアニン化合物ないしは結晶状態に置ける混合状態として、それぞれの構成要素を後から混合して用いても良いし、合成、顔料化、結晶化等のフタロシアニン化合物の製造・処理工程において混合状態を生じせしめたものでも良い。このような処理としては、酸ペースト処理・磨砕処理・溶剤処理等が知られている。
.01〜5μm、好ましくは0.05〜2μm、より好ましくは0.15〜0.8μm
である。また電荷発生層は必要に応じて塗布性を改善するためのレベリング剤や酸化防止剤、増感剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
本発明の電子写真感光体が機能分離型の感光層を有する場合、電荷輸送層は、電荷輸送物質および式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネート樹脂を含有して形成される。電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質としては、ジフェノキノン誘導体、2,4,7−トリニトロフルオレノンなどの芳香族ニトロ化合物、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、チアジアゾール誘導体などの複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン化合物、これらの化合物が複数結合されたもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖もしくは側鎖に有する重合体などが挙げられる。なお、上記電荷輸送物質は、2種類以上を混合して使用しても良い。
さらに、電荷輸送層には、必要に応じて酸化防止剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、滑剤、紫外線吸収剤、増感剤等の各種添加剤並びに他の電荷輸送物質を含んでいてもよい。
またこの他に、塗膜の機械的強度や、耐久性向上のための種々の添加剤を用いることができる。この様な添加剤としては、周知の可塑剤や、種々の安定剤、流動性付与剤、架橋剤等が挙げられる。
本発明の電子写真感光体が分散型の感光層を有する場合は、電荷発生物質は電荷輸送物
質と共に、一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネート樹脂を含有する層中に分散または溶解して用いられる。
感光層内に分散または溶解される電荷発生物質の量は、例えば0.5〜50重量%の範囲であるが、少なすぎると充分な感度が得られず、多すぎると帯電性の低下、感度の低下などの弊害があり、より好ましくは1〜20重量%の範囲で使用される。
またこの他に、塗膜の機械的強度や、耐久性向上のための種々の添加剤を用いることもできる。この様な添加剤としては、周知の可塑剤や、種々の安定剤、流動性付与剤、架橋剤等が挙げられる。
得られる塗布液を導電性支持体上に塗布、乾燥し、感光層を形成するが、通常、数μ〜数十μ、好ましくは10〜45μm、さらに好ましくは20〜35μmで用いられる。
上記各層を塗布する際に使用される溶媒、分散媒としては、ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、1,2ージクロルエタン、1,2ージクロルプロパン、1,1,2−トリクロルエタン、1,1,1−トリクロルエタン、トリクロルエチレン、テトラクロルエタン、ジクロルメタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブ、等が挙げられる。これらの溶媒は、1種類単独で使用してもよく、或いは2種類以上を混合して用いても良い。
感光層の塗布形成方法としては、電子写真感光体の感光層を塗布形成するのに通常用いられる、スプレー塗布法、バーコーター法、ブレード法、ロールコーター法、ワイヤーバー塗布法、ナイフコーター塗布法、スパイラル塗布法、リング塗布法、浸漬塗布法等、何れの塗布方法も用いることができる。塗布液を塗布後、乾燥することにより感光層を得る。
浸漬塗布法としては、一例としては以下のような電荷輸送層の塗布形成手順が挙げられる。
その後塗膜を乾燥するが、必要且つ充分な乾燥が行われる様に乾燥温度、時間を調整する。乾燥温度は、通常100〜250℃、好ましくは、110〜170℃、さらに好ましくは、115〜140℃の範囲である。乾燥方法としては、熱風乾燥機、蒸気乾燥機、赤外線乾燥機及び遠赤外線乾燥機等を用いることができる。
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置の実施の形態について、装置の要
部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2,露光装置3,現像装置4,転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
なお、電子写真感光体1及び帯電装置2は、多くの場合、この両方を備えたカートリッジ(以下適宜、感光体カートリッジという)として、画像形成装置の本体から取り外し可能に設計されている。そして、例えば電子写真感光体1や帯電装置2が劣化した場合に、この感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することができるようになっている。また、後述するトナーについても、多くの場合、トナーカートリッジ中に蓄えられて、画像形成装置本体から取り外し可能に設計され、使用しているトナーカートリッジ中のトナーが無くなった場合に、このトナーカートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しいトナーカートリッジを装着することができるようになっている。更に、電子写真感光体1,帯電装置2,トナーが全て備えられたカートリッジを用いることもある。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に供給する。
トナーTの種類は任意であり、粉状トナーのほか、懸濁重合法や乳化重合法などを用いた重合トナー等を用いることができる。特に、重合トナーを用いる場合には径が4〜8μm程度の小粒径のものが好ましく、また、トナーの粒子の形状も球形に近いものからポテト上の球形から外れたものまで様々に使用することができるが、球形に近いものが好ましい。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化に好適に用いられる。
造する。
は前記モノマーに代えて、ブレンステッド酸性基を有するモノマー(以下、単に酸性モノマーと称すことがある)及び/またはブレンステッド塩基性基を有するモノマー(以下、単に塩基性モノマーと称することがある)を原料モノマーとして使用することも好ましい。酸性モノマーとしては、スルホン酸基を有するモノマー、スルホンアミド基を有するモノマー等が挙げられる。また、塩基性モノマーとしては、アミノ基を有する芳香族ビニル化合物、窒素含有複素環含有モノマー、アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これら酸性モノマー及び塩基性モノマーは、単独で用いても複数を混合して用いてもよく、また、対イオンを伴って塩として存在していてもよい。
重合体一次粒子を構成するバインダー樹脂の軟化点(以下Spと記載)は、通常150
℃以下、好ましくは140℃以下であることが低エネルギー定着のためには好ましい。また、該Spは、80℃以上、好ましくは100℃以上であることが耐高温オフセット性、耐久性の点で好ましい。ここで該Spは、フローテスター(島津製作所社製CFT−500)において、試料1.0gをノズル1mm×10mm、荷重30kg、予熱時間50℃で5分、昇温速度3℃/分の条件下で測定を行ったときの、フロー開始から終了までのストランドの中間点での温度として求めることができる。
バインダー樹脂としてスチレン系樹脂を用いる場合、該バインダー樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPC)における数平均分子量が、好ましくは2千以上、より好ましくは2千5百以上、さらに好ましくは3千以上であり、好ましくは5万以下、より好ましくは4万以下、さらに好ましくは3.5万以下であることが望ましい。また、該バインダー樹脂は、同様にして求めた重量平均分子量が、好ましくは5万以上、より好ましくは10万以上、さらに好ましくは20万以上であり、好ましくは200万以下、より好ましくは100万以下、さらに好ましくは50万以下であることが望ましい。スチレン系樹脂の数平均分子量および重量平均分子量が前記範囲にある場合、トナーの耐久性、保存性、定着性が良好となるため望ましい。
着色剤についても限定されるものではなく、トナーの着色剤として一般に用いられて
いる各種の無機系及び有機系の染料や顔料などを用いることができる。
また、静電荷像現像用トナーは帯電制御剤を含有しているのが好ましく、その帯電制御剤として従来公知のものが使用できる。帯電制御剤の含有割合は、前記重合体一次粒子100重量部に対して0.01〜10重量部であるのが好ましく、0.1〜5重量部であるのが更に好ましい。
また、前記離型剤の含有割合は、前記重合性一次粒子100重量部に対して0.1〜30重量部であるのが好ましく、5〜25重量部であるのが更に好ましい。
離型剤は、前記重合性モノマーの乳化重合におけるシードとして用いてシード重合することにより、離型剤を含有する重合性一次粒子を製造することもできる。
乳化重合凝集法によるトナー粒子の製造は、前記乳化重合で得られた重合体一次粒子のエマルジョンに、着色剤、必要に応じて更に、帯電制御剤、離型剤等の添加剤を添加し、次いで、ディスパーザー、ミキサー等で攪拌、混合しつつ、例えば、加熱、電解質添加、pH調整、または硬化剤添加等、エマルジョンとしての重合体一次粒子の分散安定性を低下させ、一次粒子同士を凝集させる処理を施して凝集体となし、引き続いて、加熱処理によって凝集体における一次粒子同士を熟成(融着)させて安定化する。このような加熱処理により、凝集体における一次粒子同士の融着一体化がなされ、凝集体としてのトナー粒子形状も球形に近いものとなる。
005μm以上であり、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下であるものが望ましい。また、異なる材質や異なる平均粒径の外添微粒子を複数配合することもできる。
静電荷像現像用トナーの帯電性は限定されないが、負帯電性の現像剤であることが望ましく、23℃、相対湿度50%における帯電量が好ましくは−10μC/g以下、より好ましくは−20μC/g以下であり、好ましくは−90μC/g以上、より好ましくは−70μC/g以上であることが望ましい。本発明の静電荷像現像用トナーが前記範囲の帯電量を有する場合、カブリが少なく高画質となるので好ましい。
定着装置7は、上部定着部材(加圧ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成され、定着部材71又は72の内部には加熱装置73がそなえられている。なお、図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73がそなえられた例を示す。上部及び下部の各定着部材71,72は、ステンレス,アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シートなどが公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71,72は、離型性を向上させる為にシリコーンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5
によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
このようにして得られた本発明の電子写真感光体は長期間にわたって優れた耐刷性と滑り性を維持し、複写機、プリンター、ファックス、製版機等の電子写真分野に好適である
。
<感光体の作製>
実施例1
CuKα特性X線によるX線回折において、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3゜に最大回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニン10部と、1,2−ジメトキシエタン150部を混合し、さらにサンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行い、顔料分散液を作製した。
先に作製した顔料分散液160部、バインダー樹脂溶液100部、適量の1,2−ジメトキシエタン、および適量の4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2を混合して、固形分濃度4.0%、1,2−ジメトキシエタン:4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2=9:1の電荷発生層塗布形成用分散液を作製した。
送層形成用塗布液に浸漬塗布して、乾燥後の膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。電荷輸送層塗布形成用分散液は、粘度の安定性がが高く、ムラ、ヨリ、膜厚振れなどのない良好な電荷輸送層を形成することができた。このようにして得られた感光体ドラムをAとする。
電荷輸送物質を、下記式(B)に示す化合物を主成分とする、該化合物の構造異性体の
組成物からなる電荷輸送物質とした以外は、実施例1と同様にして感光体ドラムを作製
した。得られた感光体ドラムをBとする。
電荷輸送物質を、下記構造をもつ電荷輸送物質(D)25重量部と電荷輸送物質(E)25重量部の組成物とした以外は、実施例1と同様にして作製した電荷輸送層形成用塗布液を、実施例1と同様にして作製したシリンダーの表面に浸漬塗布することにより、乾燥後の膜厚が25μmになるように電荷輸送層を形成した。このようにして得られた感光体を感光体ドラムGとする。
ポリカーボネート樹脂を、下記式(2)で表される繰り返し単位からなるポリカーボネート樹脂とした以外は、実施例1と同様にして感光体ドラムを作製した。得られた感光体ドラムをCとする。
ポリカーボネート樹脂を、下記式(3)で表される繰り返し単位からなるポリカーボネート樹脂とした以外は、実施例1と同様にして感光体ドラムを作製した。得られた感光体ドラムをDとする。
ポリカーボネート樹脂を、下記式(4)で表される繰り返し単位からなるポリアリレート樹脂とした以外は、実施例1と同様にして感光体ドラムを作製した。得られた感光体ドラムをEとする。
電荷輸送物質を、下記電荷輸送物質(C)とした以外は、実施例1と同様にして感光体ドラムを作製した。得られた感光体ドラムをFとする。
[TOF法による移動度の測定]
実施例1〜3および比較例1〜5で作製した電子写真感光体の移動度の測定は、以下のようにして行った。
実施例1〜3および比較例1〜5で使用した塗布液を、膜厚75μmのポリエステルフィルム上にアルミニウムを蒸着させた導電性支持体に塗布乾燥することにより、実施例1〜3および比較例1〜5の感光体ドラムA〜Hにそれぞれ対応する、電荷発生層および電荷輸送層を設けた感光体シートA〜Hを作製した。
μ = L2/TtV (1)
感光体シートA〜Fを作製する際に用いた電荷輸送層形成用塗布液を、膜厚75μmのポリエステルフィルム上に、乾燥後の膜厚が25μmとなるように塗布形成した層の表面抵抗を、表面抵抗計(ハイレスターUP(MCP−HT450);三菱化学社製)でURS型プローブを用いて、印加電圧1000Vの条件で測定した後に、市販の卓上蛍光灯を使用して光量1000luxの光を60分照射させ、再度同様の方法により表面抵抗を測定した。結果を表2に示す。
感光体シートA〜Fの電気特性を、感光体特性試験器(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)に装着し、帯電、露光、電位測定、
除電のサイクルによる電気特性評価試験を行った。
初期表面電位は−700Vとし、露光はハロゲンランプの光を干渉フィルターで780nmの単色光としたものを用いて、表面電位が−700Vから−350Vに半減するのに要した露光量(以下、半減露光量またはE1/2ということがある)、1.4μJ/cm2の光を照射した時の表面電位(以下、VLということがある)を測定した。露光から電
位測定までの時間は、75msとした。また、除電光には660nmのLED光を用いて、除電光照射後の表面電位(以下、残留電位またはVrということがある)を測定した。測定は温度5℃、相対湿度10%(以下、この環境をL/L環境ということがある)、温度25℃、相対湿度50%(以下、この環境をN/N環境ということがある)、温度35℃、相対湿度85%(以下、この環境をH/H環境ということがある)の3環境下で行った。結果を表3に示す。
感光体ドラムA〜Hを、市販のレーザープリンター(沖データ(株)社製 ML9300)のカートリッジに装着して、乳化重合凝集法により製造した、スチレン−アクリル酸−n−ブチルアクリレート共重合体(ピーク分子量3万)を主成分としたシアン色のベーストナー1000重量部、ヘキサメチルジシラザン処理をした1次粒径約30nmのシリカ粒子20重量部、およびジメチルポリシロキサン処理をした1次粒径約7nmのシリカ粒子を5重量部を、三井鉱山(株)製ヘンシェルミキサーにて混合することにより得られた体積平均粒子径7μmの重合トナーを用いて、NN環境下において30000枚の画像形成を行った。画像形成初期に、白ベタ、ハーフトーン、メモリー確認画像を印刷し、30000枚の画像形成後にも同様の画像を形成した。
メモリー画像の評価は、ハーフトーン画像の形成を行った後の濃度(以下、H1という)を測定し、次にメモリー確認画像(黒ベタ丸が画像上部にあり、その下はハーフトーンである画像)を形成し、黒ベタ丸を始点として、ドラム周期(94.2mm)位置の濃度(以下、H2という)を測定して、H1とH2の差の絶対値をメモリー値とした。メモリー値もカブリ値と同様に、画像形成初期、および30000枚の画像形成後に測定した。カブリ値、およびメモリー値の値は、大きくなるほど画像が悪いことを示している。結果を表4に示す。感光体Gの画像は均一で、NN環境下において30000枚の画像形成後にも、初期画像と同様の画像を形成した。
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙
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JP2007212510A (ja) * | 2006-02-07 | 2007-08-23 | Mitsubishi Chemicals Corp | 電子写真感光体、画像形成方法及び画像形成装置 |
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JP2015052734A (ja) * | 2013-09-09 | 2015-03-19 | 三菱化学株式会社 | 電子写真感光体及び画像形成装置 |
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