JP2008176315A - 電子写真感光体、並びに該感光体を備えた電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、並びに該感光体を備えた電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Yuuta Kumano
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Abstract

【課題】電気特性に影響を及ぼすことなく、感光体表面の耐摩耗性を改良した電子写真感光体を提供する。
【解決手段】感光層が、下記式(1)で表される繰り返し単位を有し、粘度平均分子量が35,000以上であるポリカーボネート樹脂を含有する。
Figure 2008176315

【選択図】なし

Description

本発明は、特定の材料を組み合わせて使用する電子写真感光体に関するものである。更には、レーザープリンター、複写機、ファクス等の使用において、膜減りが少なく耐久性に優れた電子写真感光に関するものである。
電子写真技術は、即時性、高品質の画像が得られることなどから、近年では複写機の分野にとどまらず、各種プリンターの分野でも広く使われ応用されている。電子写真技術の中核となる感光体については、近年ではその光導電材料として、無公害で成膜が容易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導電材料を使用した感光体が開発されている。
有機系の光導電材料を使用した感光体としては、光導電性微粉末をバインダー樹脂中に分散させたいわゆる分散型感光体、電荷発生層及び電荷輸送層を積層した積層型感光体が知られている。また、積層型感光体では電荷発生層及び電荷輸送層を導電性基体上にこの順で積層した順積層型感光体と、電荷輸送層及び電荷発生層をこの順に積層した逆積層型感光体が知られている。積層型感光体は、それぞれ効率の高い電荷発生物質、及び電荷輸送物質を組み合わせることにより高感度な感光体が得られること、材料選択範囲が広く安全性の高い感光体が得られること、また塗布の生産性が高く比較的コスト面でも有利なことから感光体の主流として鋭意開発され実用化されている。
電子写真感光体は、電子写真プロセスすなわち帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電等のサイクルで繰り返し使用される。感光体は繰り返し使用されることで、様々なストレスを受け機能低下する。このような機能低下としては例えば、帯電器から発生する強酸化性のオゾンやNOxが感光層に化学的なダメ−ジを与えたり、像露光で生成したキャリアー(電流)が感光層内を流れることや除電光、外部からの光によって感光層組成物が分解するなどによる化学的、電気的機能低下がある。これらの機能低下を抑えるために、電荷発生物質、電荷輸送物質、添加剤などの検討が行われている。
また、上記電気的要因とは異なる機能低下として、感光体を帯電させるために感光体に接触している帯電ローラや帯電ブラシ、余分なトナーを除去するためのクリーニングブレード、画像を転写するための転写ローラなどによる機械的機能低下がある。特にこの様な感光層表面に生じる損傷はコピー画像上に現れやすく、直接画像品質を損なうため感光体の寿命を著しく制限する大きな要因となっている。従って、高寿命の感光体を開発するためには電気的、化学的耐久性を高めると同時に機械的強度を高めることも望ましい。
順積層感光体の場合、電気的、化学的または機械的付加を受けるのは、一般には最外層にある電荷輸送層である。電荷輸送層は通常バインダー樹脂と電荷輸送物質から構成されており、実質的に強度を決めるのはバインダー樹脂である。そのため各種バインダー樹脂の開発が鋭意行われている。
本発明は電気特性に影響を及ぼすことなく、感光体表面の耐摩耗性を改良した電子写真感光体を提供することを目的とするものである。
本発明者らは電子写真感光体の表面の耐摩耗性の改良について鋭意検討を行った結果、特定の繰り返し構造を有し、且つ特定の粘度平均分子量を有するポリカーボネート樹脂を感光層に含有させることにより、耐久性が著しく向上して電子写真感光体の寿命が長くなることを見出した。
即ち、本発明の要旨は、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が、下記式(1)で表される繰り返し単位を有し、粘度平均分子量が35,000以上であるポリカーボネート樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体(請求項1)、実質的に、式(1)で表される繰り返し単位のみからなるポリカーボネート樹脂を含有することを特徴とする該電子写真感光体(請求項2)、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該電子写真感光体に対し露光を行ない静電潜像を形成する露光手段、該静電潜像をトナーで現像する現像手段、および該トナーを被転写体に転写する転写手段、から選ばれる少なくとも一つの手段と、本発明の電子写真感光体とを備えることを特徴とする電子写真感光体カートリッジ(請求項3)、および本発明の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した該電子写真感光体に対し露光を行ない静電潜像を形成する露光手段と、該静電潜像をトナーで現像する現像手段と、該トナーを被転写体に転写する転写手段とを備えることを特徴とする、画像形成装置(請求項4)に存する。
Figure 2008176315
〔式(1)中、R1,R2,R3は炭素数1〜3のアルキル基を表す。〕
本発明によれば、画像形成装置内での機械的負荷を受けても、電子写真感光体の感光層膜が破損し難く、高耐久性能の電子写真感光体を提供することが出来る。粘度平均分子量が35,000以上である特定のポリカーボネート樹脂を感光層のバインダー樹脂としてすることにより、電気特性に影響を及ぼすことなく、感光体表面の耐摩耗性を改良した電子写真感光体を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態につき詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に感光層を有するものであって、該感光層が、下記式(1)で表される繰り返し単位を有し、しかも粘度平均分子量が35,000以上であるポリカーボネート樹脂を含有することを特徴とする。式(1)中、R1,R2,R3は炭素数1〜3のアルキル基を表す。
Figure 2008176315
<ポリカーボネート樹脂>
本発明の電子写真感光体が有する感光層の含有するポリカーボネート樹脂は、前記式(1)で示される繰り返し構造単位を有するが、前記式(1)中、R1,R2,R3は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などの、炭素数1〜3のアルキル基を表す。R1,R2,R3としては、炭素数1〜3のアルキル基であれば、直鎖の基であっても分岐を有する基であっても構わないが、直鎖の基が好ましい。アルキル基の炭素数は、より好ましくは炭素数1または2であり、更に好ましくは炭素数1、すなわちメチル基が好ましい。中でも、R1,R2,R3が全てメチル基であることが、特に好ましい。
一般式(1)のポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、特定以上に高くなると特異的に機械的強度が上昇する。粘度平均分子量が35,000以上の場合に、特異的に感光層の磨耗による膜減りを抑制する効果が著しくなり、40,000以上であることが更に好ましく、特には45,000以上であることが好ましい。通常、本発明に使用するポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量に上限はないが、粘度平均分子量が高すぎると、感光層を塗布液を用いて塗布形成する場合には、塗布液の粘度が高くなり生産性が低下する場合があるため、好ましくは150,000以下、より好ましくは100,000以下であり、特には60,000以下であり、さらに好ましくは50,000未満で用いられる。
本願発明に係る式(1)で表される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂は、通常知られるどのような製造方法により製造されても構わない。本願発明に係る式(1)で表される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量を、35,000以上とするには、重合停止剤の量を減らしたり、重合温度条件をオリゴマーが分解しない程度に高くしたり、触媒量を調整したり、反応時間と重合停止剤の混合時期を調整するなどの、従前公知の粘度平均分子量調整方法により達成することが可能であり、如何なる手法により達成しても構わない。
本願発明に係る式(1)で表される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂、例えば、R1、R2,R3がそれぞれメチル基である下記の繰り返し単位のみからなる樹脂は、特開2003−270806号公報に記載の製造方法にて下記の繰り返し単位のみから成るオリゴマーを製造し、その素材をもとに合成することができる。ただし、本発明に係るポリカーボネート樹脂は、この製造方法に限定されるものではない。
Figure 2008176315
本発明の感光層は、式(1)で表される繰り返し単位を含むポリカーボネート樹脂を含有するものであるが、一般式(1)で表される、異なった複数の繰り返し単位の共重合体でも構わず、さらには、電子写真感光体に使用可能な他の樹脂の有する、いかなる繰り返し構造との共重合体であっても構わない。
本発明に係るポリカーボネート樹脂が共重合体である場合、式(1)で表される繰り返し単位の割合に特に制限は無いが、式(1)で表される繰り返し単位の割合が、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上であり、実質的に式(1)のみからなる重合体が特に好ましい。ここで、実質的にとは、効果に影響を及ぼさない程度の微量であれば、他の繰り返し単位との共重合体であっても構わないことを示す。
また、本発明のポリカーボネート樹脂は、他の樹脂と混合して、電子写真感光体に用いることも可能である。ここで併用される他の樹脂としては、例えばポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等のビニル重合体およびその共重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステルポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の熱可塑性樹脂や種々の熱硬化性樹脂などが挙げられる。これらを1種類または2種類以上を任意の比率及び組み合わせで用いることができる。これら樹脂のなかでもポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂が好ましい。
併用する樹脂の混合割合は、特に限定されないが、本発明の効果を十分に得るためには、本発明のポリカーボネート樹脂の割合を超えない範囲で併用することが好ましく、更には他の樹脂を併用しないことが好ましい。
<電子写真感光体>
以下、本発明の電子写真感光体について説明する。
電子写真感光体の感光層は、導電性支持体上に設けられ、例えば下引き層を有する場合は下引き層上に設けられる。感光層の型式としては、電荷発生物質と電荷輸送物質とが同一層に存在し、バインダー樹脂中に分散された、いわゆる単層型感光体、電荷発生物質がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層及び電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層の二つに機能分離された複層構造の、いわゆる積層型感光体があげられるが、何れの構成であってもよい。また、感光層上に、例えば帯電性の改善や、耐摩耗性改善を目的としてオーバーコート層を設けてもよい。
積層型感光層としては、導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層して設ける順積層型感光層と、逆に電荷輸送層、電荷発生層の順に積層して設ける逆積層型感光層とがあり、いずれを採用することも可能であるが、最もバランスの取れた光導電性を発揮できる順積層型感光層が好ましい。
本発明の電子写真感光体で使用される式(1)で表される繰り返し構造を含むポリカーボネート樹脂は、導電性支持体上に形成される何れの層に含有されていても構わないが、通常、単層型感光層または積層型感光体の電荷輸送層に含有される。特に、電気特性に高い効果が得られることから、積層型感光体の電荷輸送層中に含有されるのが好ましい。
<導電性支持体>
感光体に用いる導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を混合して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。これらは1種単独で、または2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いることができる。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導電性支持体に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のために適当な抵抗値をもつ導電性材料を塗布したものでもよい。
導電性支持体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いた場合、例えば陽極酸化被膜を施してから用いてもよい。陽極酸化被膜を施した場合、公知の方法により封孔処理を施すのが望ましい。
例えば、クロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中で、陽極酸化処理することにより陽極酸化被膜が形成されるが、硫酸中での陽極酸化処理がより良好な結果を与える。硫酸中での陽極酸化の場合、硫酸濃度は100〜300g/l、溶存アルミニウム濃度は2〜15g/l、液温は15〜30℃、電解電圧は10〜20V、電流密度は0.5〜2A/dm2の範囲内に設定されるのが好ましいが、前記条件に限定されるものではない。
このようにして形成された陽極酸化被膜に対して、封孔処理を行なうことが好ましい。封孔処理は、公知の方法で行われればよいが、例えば、主成分としてフッ化ニッケルを含有する水溶液中に浸漬させる低温封孔処理、あるいは主成分として酢酸ニッケルを含有する水溶液中に浸漬させる高温封孔処理が施されるのが好ましい。
上記低温封孔処理の場合に使用されるフッ化ニッケル水溶液濃度は、適宜選べるが、3〜6g/lの範囲で使用された場合、より好ましい結果が得られる。また、封孔処理をスムーズに進めるために、処理温度としては、通常25℃以上、好ましくは30℃以上である。また通常40℃以下であり、好ましくは35℃以下である。また、フッ化ニッケル水溶液pHは、通常4.5以上、好ましくは5.5以上であり、また通常6.5以下、好ましくは6.0以下で処理するのがよい。pH調節剤としては、例えばシュウ酸、ホウ酸、ギ酸、酢酸、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、アンモニア水等を用いることが出来る。これらは1種単独で、または2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いることができる。処理時間は、被膜の膜厚1μmあたり1〜3分の範囲で処理することが好ましい。なお、被膜物性を更に改良するために例えばフッ化コバルト、酢酸コバルト、硫酸ニッケル、界面活性剤等をフッ化ニッケル水溶液に混合しておいてもよい。次いで水洗、乾燥して低温封孔処理を終える。前記高温封孔処理の場合の封孔剤としては、例えば酢酸ニッケル、酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル−コバルト、硝酸バリウム等の金属塩水溶液を用いることが出来、これらは1種単独で、または2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いることができるが、特に酢酸ニッケルを用いるのが好ましい。酢酸ニッケル水溶液を用いる場合の濃度は5〜20g/lの範囲内で使用するのが好ましい。処理温度は通常80℃以上、好ましくは90℃以上であり、また通常100℃以下、好ましくは98℃である。また、酢酸ニッケル水溶液のpHは5.0〜6.0の範囲で処理するのが好ましい。ここでpH調節剤としては、例えばアンモニア水、酢酸ナトリウム等を用いることが出来る。処理時間は10分以上、好ましくは20分以上処理するのが好ましい。これらは1種単独で、または2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いることができる。なお、この場合も被膜物性を改良するために例えば酢酸ナトリウム、有機カルボン酸、アニオン系、ノニオン系界面活性剤等を酢酸ニッケル水溶液に混合してもよい。次いで水洗、乾燥して高温封孔処理を終える。平均膜厚が厚い場合には、封孔液の高濃度化、高温・長時間処理により強い封孔条件を行う。従って生産性が低下する傾向があると共に、被膜表面にシミ、汚れ、粉ふきといった表面欠陥を生じやすくなる傾向がある。このような点から、陽極酸化被膜の平均膜厚は通常20μm以下、特に7μm以下で形成されることが好ましい。
支持体表面は、平滑であってもよいし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理したりすることにより、粗面化されていてもよい。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものであってもよい。また、安価化のためには切削処理を施さず、引き抜き管をそのまま使用することも可能である。特に引き抜き加工、インパクト加工、しごき加工等の非切削アルミニウム支持体を用いる場合、処理により、表面に存在した汚れや異物等の付着物、小さな傷等が無くなり、均一で清浄な支持体が得られるので好ましい。
<下引き層>
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けてもよい。下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。
下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子などがあげられる。これらは一種類の粒子を単独で用いてもよいし、複数の種類の粒子を任意の比率及び組み合わせで混合して用いてもよい。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタン及び酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコン等の有機物による処理を施されていてもよい。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。また、複数の結晶状態のものが含まれていてもよい。
また、金属酸化物粒子の粒径としては種々のものが利用できるが、中でも電気特性および下引き層形成要の塗布液の安定性の面から、平均一次粒径として通常1nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常100nm以下、好ましくは50nm以下のものが望ましい。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ニトロセルロース等のセルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物等の有機ジルコニウム化合物、チタニルキレート化合物、チタニルアルコキシド化合物等の有機チタニル化合物、シランカップリング剤などの公知のバインダー樹脂があげられる。これらは単独で用いても良く、或いは2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、硬化剤とともに硬化した形で使用してもよい。中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は、良好な分散性、塗布性を示すことから好ましい。
下引き層に用いられるバインダー樹脂に対する無機粒子の使用比率は任意に選ぶことが可能であるが、分散液の安定性、塗布性の観点から、通常は10質量%以上、500質量%以下の範囲で使用することが好ましい。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特性及び塗布性を向上させる観点から、通常は0.1μm以上、20μm以下の範囲が好ましい。
下引き層には、例えば公知の酸化防止剤等を混合してもよい。画像欠陥防止などを目的として、顔料粒子、樹脂粒子等を含有させ用いてもよい。
<電荷発生物質>
電荷発生物質としては、例えばセレニウム及びその合金、硫化カドミウム等の無機系光導電材料と、有機顔料等の有機系光導電材料とが挙げられるが、有機系光導電材料の方が好ましく、特に有機顔料が好ましい。これらは1種単独で、または2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いることができる。有機顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料等が挙げられる。これらの中でも、特にフタロシアニン顔料又はアゾ顔料が好ましい。
電荷発生物質として有機顔料を使用する場合、特にフタロシアニン顔料又はアゾ顔料が好ましい。フタロシアニン顔料は、比較的長波長のレーザー光に対して高感度の感光体が得られる点で、また、アゾ顔料は、白色光及び比較的短波長のレーザー光に対し十分な感度を持つ点で、それぞれ優れている。
フタロシアニン顔料の例として、具体的には無金属フタロシアニン、銅、インジウム、ガリウム、スズ、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム、アルミニウムなどの金属又はその酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、アルコキシドなどの配位したフタロシアニン類の各結晶型を持ったもの、酸素原子等を架橋原子として用いたフタロシアニンダイマー類などが挙げられる。特に、感度の高い結晶型であるX型、τ型無金属フタロシアニン、A型(別称β型)、B型(別称α型)、D型(別称Y型)等のチタニルフタロシアニン(別称:オキシチタニウムフタロシアニン)、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、ヒドロキシインジウムフタロシアニン、II型等のクロロガリウムフタロシアニン、V型等のヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型、I型等のμ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体、II型等のμ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体が好適である。
また、これらフタロシアニンの中でも、A型(別称β型)、B型(別称α型)、及び粉末X線回折の回折角2θ(±0.2゜)が27.1゜、もしくは27.3゜に明瞭なピークを示すことを特徴とするD型(Y型)チタニルフタロシアニン、II型クロロガリウムフタロシアニン、V型及び28.1゜にもっとも強いピークを有すること、また26.2゜にピークを持たず28.1゜に明瞭なピークを有し、かつ25.9゜の半値幅Wが0.1゜≦W≦0.4゜であることを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニンが特に好ましい。
積層型感光体においての電荷発生層は、結着樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に前記顔料を少なくとも1種含有する電荷発生物質とを分散させることにより塗布液を調整し、これを導電性支持体上に塗布し、電荷発生物質の微粒子と各種バインダー樹脂とを結着することにより形成される。
積層型感光体における電荷発生層に用いられる結着樹脂の例としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールや、アセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル系ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、カゼインや、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシ変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アルキッド樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の絶縁性樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルペリレン等の有機光導電性ポリマーの中から選択し、用いることが出来るが、これらポリマーに限定されるものではない。また、これら結着樹脂は単独で用いても、2種類以上を任意の比率及び組み合わせで混合して用いてもよい。
結着樹脂を溶解させ、塗布液の作製に用いられる溶媒、分散媒としては例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン等の飽和脂肪族系溶媒、トルエン、キシレン、アニソール等の芳香族系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒、グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等の鎖状、及び環状ケトン系溶媒、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、1,2―ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等の鎖状、及び環状エーテル系溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルフォラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物、リグロイン等の鉱油、水などが挙げられ、後述する下引き層を溶解しないものが好ましく用いられる。またこれらは単独、または2種以上を併用しても用いることが可能である。
積層型感光体の電荷発生層において、前記結着樹脂と電荷発生物質との配合比(質量)は、バインダー樹脂100質量部に対して通常10質量部以上、好ましくは30質量部以上である。また通常1000質量部以下、好ましくは500質量部であり、その膜厚は通常0.1μm以上、好ましくは0.15μm以上である。また通常4μm以下であり、好ましくは0.6μm以下である。電荷発生物質の比率が高すぎる場合は電荷発生物質の凝集等により塗布液の安定性が低下する可能性があり、一方低すぎる場合は感光体としての感度の低下の可能性があることから、前記範囲で使用する事が好ましい。前記電荷発生物質を分散させる方法としては、例えばボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の公知の分散方法を用いることが出来る。この際粒子を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.15μm以下の粒子サイズに微細化することが有効である。
<電荷輸送物質>
積層型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質を含有するとともに、通常はバインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷輸送層は、具体的には、例えば本発明の電荷輸送物質等とバインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には電荷発生層上に、また、逆積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布、乾燥して得ることができる。
電荷輸送物質としては特に限定されず、任意の物質を用いることが可能である。公知の電荷輸送物質の例としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物等の電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等が挙げられる。これは1種単独で、または2種以上を任意の比率およびくみあわせで用いることができる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましい。
<バインダー樹脂>
感光層は、蒸着膜であっても構わないが、通常、電荷発生物質や本発明の電荷輸送物質などの原料をバインダー樹脂により結着することにより形成され、本発明に係るポリカーボネート樹脂はバインダー樹脂として用いられる。複数の層が積層された感光層の場合、本発明のポリカーボネート樹脂はその何れの層に用いられても構わないが、通常、積層型感光層の電荷輸送層、または単層型感光体の感光層に用いられる。バインダー樹脂は、本発明のポリカーボネートの他に、通常電子写真感光体に適用可能なものであればどのようなバインダー樹脂も併用可能である。本発明の効果を発現するためには、本発明のポリカーボネート樹脂を最外層に含むことが望ましい。
積層型感光体の電荷輸送層、および単層型感光体の感光層に使用されるバインダー樹脂と電荷輸送物質の割合は、単層型、積層型共に、通常、バインダー樹脂100質量部に対して電荷輸送物質が20質量部以上であって、残留電位低減の観点から30質量部以上が好ましく、さらに繰り返し使用時の安定性、電荷移動度の観点から、40質量部以上がより好ましい。また、一方で感光層の熱安定性の観点から、通常は150質量部以下、さらに電荷輸送物質とバインダー樹脂の相溶性の観点からは好ましくは120質量部以下、さらに耐刷性の観点からは100質量部以下がより好ましく、耐傷性の観点からは80質量部以下がとりわけ好ましい。
単層型感光体の場合には、上記のような配合比の電荷輸送媒体中に、さらに前記の電荷発生物質が分散される。その場合の電荷発生物質の粒子径は充分小さいことが好ましく、好ましくは1μm以下であり、より好ましくは0.5μm以下で使用される。感光層内に分散される電荷発生物質は少なすぎると充分な感度が得られず、多すぎると帯電性の低下、感度の低下の可能性があり、例えば、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上であり、また通常50質量%以下、好ましくは20質量%以下で使用される。
単層型感光体の感光層の膜厚は、通常5μm以上、好ましくは10μm以上である。また通常100μm以下、好ましくは50μm以下で使用され、順積層型感光体の電荷輸送層の膜厚は、通常5μm以上であり、長寿命、画像安定性、及び高解像度の観点から好ましくは10μm以上である。また通常50μm以下であり、長寿命、画像安定性の観点から好ましくは45μm以下、さらに高解像度の観点からより好ましくは30μm以下である。
なお、感光層には成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させるために例えば周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤、増感剤などの各種添加物を含有させてもよい。酸化防止剤の例としては、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物などが挙げられる。また染料、顔料の例としては、各種の色素化合物、アゾ化合物などが挙げられ、界面活性剤の例としては、シリコ−ンオイル、フッ素系オイルなどが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いることができる。
感光体の最表面層には、感光層の損耗を防止したり、帯電器等からの発生する放電物質等による感光層の機能低下を防止・軽減する目的で保護層を設けてもよい。
また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を低減、トナーの感光体から転写ベルト、紙への転写効率を高める等の目的で、表面層に例えばフッ素系樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂等を含んでいてもよい。また、これらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を含んでいてもよい。
<層形成方法>
感光体を構成する各層は、各層を構成する材料を含有する塗布液を、支持体上に公知の塗布方法を用い、各層ごとに塗布・乾燥工程を繰り返し、順次塗布していくことにより形成される。
層形成用の塗布液は、単層型感光体および積層型感光体の電荷輸送層の場合には、固形分濃度を、通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上である。また通常40質量%以下、好ましくは35質量%以下の範囲である。また、該塗布液の粘度は、通常10mPa・s以上、好ましくは50mPa・s以上である。また通常500mPa・s以下、好ましくは400mPa・s以下である。
積層型感光体の電荷発生層の場合には、固形分濃度を、通常0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上であり、通常15質量%以下、好ましくは10質量%以下である。塗布液の粘度は、通常0.01mPa・s以上であり、好ましくは0.1mPa・s以上である。また通常20mPa・s以下、好ましくは10mPa・s以下である。
塗布液の塗布方法としては、例えば浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等があげられるが、他の公知のコーティング法を用いることも可能である。
塗布液の乾燥は室温における指触乾燥後、30〜200℃の温度範囲で、1分から2時間の間、無風、または送風下で加熱乾燥させることが好ましい。また加熱温度は一定であっても、乾燥時に変更させながら行なってもよい。
<画像形成装置及び電子写真感光体カートリッジ>
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置(本発明の画像形成装置)の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
図1に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1、帯電装置(帯電手段)2、露光装置(露光手段;像露光手段)3、現像装置(現像手段)4及び転写装置(転写手段)5を備えて構成され、更に、必要に応じてクリーニング装置(クリーニング手段)6及び定着装置(定着手段)7が設けられる。
また、本発明の画像形成装置では、感光体1として、上述した本発明の電子写真感光体を備えている。即ち、本発明の画像形成装置は、電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した該電子写真感光体に対し像露光を行ない静電潜像を形成する像露光手段と、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段と、前記トナーを被転写体に転写する転写手段とを備える画像形成装置において、該電子写真感光体として、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体であって、該感光層が上述した式(1)で表される繰り返し単位を有し、粘度平均分子量が35,000以上であるポリカーボネート樹脂を含有するものを備えているのである。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
帯電装置2は、電子写真感光体1を帯電させるもので、電子写真感光体1の表面を所定電位に均一帯電させる。本発明の効果を有効に活用するには、帯電装置は、電気写真感光体1に対して接触配置することが好ましい。図1では帯電装置2の一例としてローラ型の帯電装置(帯電ローラ)を示しているが、他にもコロトロンやスコロトロン等のコロナ帯電装置、帯電ブラシ等の接触型帯電装置などがよく用いられる。
なお、電子写真感光体1及び帯電装置2は、多くの場合、この両方を備えたカートリッジ(以下適宜、感光体カートリッジという)として、画像形成装置の本体から取り外し可能に設計されている。そして、例えば電子写真感光体1や帯電装置2が機能低下した場合に、この感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することができるようになっている。また、後述するトナーについても、多くの場合、トナーカートリッジ中に蓄えられて、画像形成装置本体から取り外し可能に設計され、使用しているトナーカートリッジ中のトナーが無くなった場合に、このトナーカートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しいトナーカートリッジを装着することができるようになっている。更に、電子写真感光体1、帯電装置2、トナーが全て備えられたカートリッジを用いることもある。
露光装置3は、電子写真感光体1に対し露光(像露光)を行なって電子写真感光体1の感光面に静電潜像を形成することができるものであれば、その種類に特に制限はない。具体例としては、ハロゲンランプ、蛍光灯、半導体レーザーやHe−Neレーザー等のレーザー、LED(発光ダイオード)などが挙げられる。また、感光体内部露光方式によって露光を行なうようにしてもよい。露光を行なう際の光は任意であるが、例えば、波長が780nmの単色光、波長600nm〜700nmのやや短波長寄りの単色光、波長380nm〜600nmの短波長の単色光などで露光を行なえばよい。これらの中でも波長350nm〜600nmの短波長の単色光などで露光することが好ましく、より好ましくは波長380nm〜500nmの単色光で露光することである。
現像装置4は前記の静電潜像を現像するものである。その種類に特に制限はなく、カスケード現像、一成分導電トナー現像、二成分磁気ブラシ現像などの乾式現像方式や、湿式現像方式などの任意の装置を用いることができる。図1では、現像装置4は、現像槽41、アジテータ42、供給ローラ43、現像ローラ44、及び、規制部材45からなり、現像槽41の内部にトナーTを貯留している構成となっている。また、必要に応じ、トナーTを補給する補給装置(図示せず)を現像装置4に付帯させてもよい。この補給装置は、ボトル、カートリッジなどの容器からトナーTを補給することが可能に構成される。
供給ローラ43は、導電性スポンジ等から形成される。現像ローラ44は、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケルなどの金属ロール、またはこうした金属ロールにシリコーン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂などを被覆した樹脂ロールなどからなる。この現像ローラ44の表面には、必要に応じて、平滑加工や粗面加工を加えてもよい。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
規制部材45は、シリコーン樹脂やウレタン樹脂などの樹脂ブレード、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、真鍮、リン青銅などの金属ブレード、またはこうした金属ブレードに樹脂を被覆したブレード等により形成されている。この規制部材45は、現像ローラ44に当接し、ばね等によって現像ローラ44側に所定の力で押圧(一般的なブレード線圧は5〜500g/cm)される。必要に応じて、この規制部材45に、トナーTとの摩擦帯電によりトナーTに帯電を付与する機能を具備させてもよい。
アジテータ42は、回転駆動機構によってそれぞれ回転されており、トナーTを攪拌するとともに、トナーTを供給ローラ43側に搬送する。アジテータ42は、羽根形状、大きさ等を違えて複数設けてもよい。
トナーTの種類は任意であり、粉状トナーのほか、懸濁重合法や乳化重合法などを用いた重合トナー等を用いることができる。特に、重合トナーを用いる場合には径が4〜8μm程度の小粒径のものが好ましく、また、トナーの粒子の形状も球形に近いものからポテト状の球形から外れたものまで様々に使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化に好適に用いられる。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法など、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー、転写ローラ、転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を転写材(被転写体,用紙,媒体)Pに転写するものである。本発明においては、転写装置5が転写材を介して感光体に接触配置される場合に効果的である。
クリーニング装置6について特に制限はなく、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、ブレードクリーナーなど、任意のクリーニング装置を用いることができる。クリーニング装置6は、感光体1に付着している残留トナーをクリーニング部材で掻き落とし、残留トナーを回収するものである。但し、感光体表面に残留するトナーが少ないか、殆ど無い場合には、クリーニング装置6は無くても構わない。
定着装置7は、上部定着部材(定着ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成され、定着部材71又は72の内部には加熱装置73が備えられている。なお、図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73が備えられた例を示す。上部及び下部の各定着部材71,72は、ステンレス、アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にフッ素樹脂で被覆した定着ロール、定着シートなどの公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71,72は、離型性を向上させる為にシリコーンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
記録紙P上に転写されたトナーは、所定温度に加熱された上部定着部材71と下部定着部材72との間を通過する際、トナーが溶融状態まで熱加熱され、通過後冷却されて記録紙P上にトナーが定着される。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
以上のように構成された電子写真装置では、次のようにして画像の記録が行なわれる。即ち、まず感光体1の表面(感光面)が、帯電装置2によって所定の電位(例えば−600V)に帯電される。この際、直流電圧により帯電させても良く、直流電圧に交流電圧を重畳させて帯電させてもよい。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像装置4は、供給ローラ43により供給されるトナーTを、規制部材(現像ブレード)45により薄層化するとともに、所定の極性(ここでは感光体1の帯電電位と同極性であり、負極性)に摩擦帯電させ、現像ローラ44に担持しながら搬送して、感光体1の表面に接触させる。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置7を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで、最終的な画像が得られる。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
また、画像形成装置は更に変形して構成してもよく、例えば、前露光工程、補助帯電工程などの工程を行なうことができる構成としたり、オフセット印刷を行なう構成としたり、更には複数種のトナーを用いたフルカラータンデム方式の構成としてもよい。
なお、感光体1は、上記のように帯電装置2と組み合わせてカートリッジとして構成する場合、さらに、現像装置4を備えて構成することが好ましい。さらに、前記の感光体1に加えて、必要に応じて、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6、及び定着装置7のうち1つ又は2つ以上と組み合わせて、一体型のカートリッジ(電子写真感光体カートリッジ)として構成し、この電子写真感光体カートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱可能な構成にしてもよい。即ち、本発明の電子写真感光体カートリッジは、電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該電子写真感光体に対し像露光を行ない静電潜像を形成する像露光手段、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段、及び、前記トナーを被転写体に転写する転写手段の少なくとも一つを備えた電子写真感光体カートリッジであって、該電子写真感光体として、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体であって、該感光層が上述した式(1)で表される繰り返し単位を有し、粘度平均分子量が35,000以上であるポリカーボネート樹脂を含有するものを備えることが好ましい。
この場合、上記実施形態で説明したカートリッジと同様に、例えば電子写真感光体1やその他の部材が機能低下した場合に、この電子写真感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい電子写真感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することにより、画像形成装置の保守・管理が容易となる。
本発明の画像形成装置及び電気写真カートリッジによれば、高品質の画像を形成することができる。具体的には、本発明の画像形成装置及び電気写真カートリッジは、耐久性に優れる。
以下、実施例及び比較例によって本発明を説明する。実施例は本発明を詳細に説明するために示すものであり、本発明の要旨に反しない限り、実施例に限定されるものではない。なお、以下の例中、「部」及び「%」は特記しない限り、「質量部」、「質量%」を意味する。
<下引き層用分散液の作製>
平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3質量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、高速流動式混合混練機((株)カワタ社製「SMG300」)に投入し、回転周速34.5m/秒で高速混合して得られた表面処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、疎水化処理酸化チタンの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒、及び、ε−カプロラクタム[下記式(A)で表わされる化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(B)で表わされる化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(C)で表わされる化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(D)で表わされる化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(E)で表わされる化合物]の組成モル比率が、60%/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行なうことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの質量比が7/1/2で、疎水性処理酸化チタン/共重合ポリアミドを質量比3/1で含有する、固形分濃度18.0%の下引き層用分散液とした。
Figure 2008176315
<電荷発生層用分散液の作製>
・電荷発生層用分散液β1
CuKα線によるX線回折において、ブラッグ角(2θ±0.2)27.3°に最大回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニン10部を、1,2−ジメトキシエタン150部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行ない、顔料分散液を作製した。
この顔料分散液160部に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名デンカブチラール#6000C)5部を1,2−ジメトキシエタン溶液95部に溶解した固形分濃度5%のバインダー溶液100部と、適量の1,2−ジメトキシエタンと、適量の4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンとを混合して、質量比が1,2−ジメトキシエタン:4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン=9:1であって、固形分濃度4.0%の電荷発生層用分散液β1を作製した。
・電荷発生層用分散液β2
CuKα線によるX線回折において、ブラッグ角(2θ±0.2)9.3°、10.6°、13.2°、15.1°、15.7°、16.1°、20.8°、23.3°、26.3°、27.1°に強い回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニン10部を、1,2−ジメトキシエタン150部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行ない、顔料分散液を作製した。
この顔料分散液160部に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名デンカブチラール#6000C)5部を1,2−ジメトキシエタン溶液95部に溶解した固形分濃度5%のバインダー溶液100部と、適量の1,2−ジメトキシエタンと、適量の4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンとを混合し、質量比が1,2−ジメトキシエタン:4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン=9:1であって、固形分濃度4.0%の電荷発生層用分散液β2を作製した。
・電荷発生層用分散液β3
電荷発生層用分散液β1と電荷発生層用分散液β2とを質量比8:2の割合で混合し、電荷発生層用分散液β3を調製した。
実施例1
表面が粗切削された外径30mm、長さ254mm、肉厚0.75mmのアルミニウム合金よりなるシリンダーを、先に調製した下引き層用分散液に浸漬塗布し、膜厚1.3umの下引き層を形成した。このシリンダーを先に調製した電荷発生層用分散液β3に浸漬塗布し、乾燥後の固形分付着量が0.3g/m2となるように電荷発生層を形成した。
次に、この電荷発生層を形成したシリンダーを、特開2002−80432中に示された以下構造を主成分とする異性体からなる電荷輸送物質50部と、下記繰り返し単位(A)のみからなる粘度平均分子量が35,500のポリカーボネート樹脂100部、レベリング剤としてシリコーンオイル(信越化学社製、商品名KF96)0.05部をテトラヒドロフラン/トルエン(80質量%/20質量%)混合溶媒640部に溶解させた液に浸漬塗布することにより、乾燥後の膜厚が25μmとなるように電荷輸送層を設けた。このようにして得られた感光体を感光体A1とする。
Figure 2008176315
なお、樹脂の粘度平均分子量は以下の方法により測定した。樹脂をジクロロメタンに溶解し濃度Cが6.00g/Lの溶液を調製する。溶媒(ジクロロメタン)の流下時間t0が136.16秒のウベローデ型毛細管粘度計を用いて、20.0℃に設定した恒温水槽中で試料溶液の流下時間tを測定する。以下の式に従って粘度平均分子量Mvを算出する。
a=0.438×ηsp+1 ηsp=t/t0−1
b=100×ηsp/C C=6.00(g/L)
η=b/a
Mv=3207×η1.205
実施例2
実施例1の電荷輸送層に用いたポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量を42,700とした以外は、実施例1と同様にして感光体A2を得た。
実施例3
実施例1の電荷輸送層に用いたポリカーボネート樹脂を、下記の繰り返し単位(B)からなり、粘度平均分子量が40,300であるポリカーボネート樹脂にかえた以外は、実施例1と同様にして感光体A3を得た。
Figure 2008176315
比較例1
実施例1の電荷輸送層に用いた繰り返し単位(A)のみからなるポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量を29,000とした以外は、実施例1と同様にして感光体A4を得た。
比較例2
実施例1の電荷輸送層に用いたポリカーボネート樹脂を、下記の繰り返し単位(C)からなり、粘度平均分子量が30,000であるポリカーボネート樹脂にかえた以外は、実施例1と同様にして、感光体A5を得た。
Figure 2008176315
比較例3
比較例2の電荷輸送層に用いたポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量を40,000とした以外は、実施例1と同様にして感光体A6を得た。
比較例4
実施例1の電荷輸送層に用いたポリカーボネート樹脂を、下記の繰り返し単位(D)からなり、粘度平均分子量が30,000であるポリカーボネート樹脂にかえた以外は、実施例1と同様にして、感光体A7を得た。
Figure 2008176315
比較例5
比較例2の電荷輸送層に用いたポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量を50,000とした以外は、実施例1と同様にして感光体A8を得た。
製造した感光体A1〜A8について、以下の電気特性試験と耐刷試験を行ない、これらの結果を表1に示す。更に、ポリカーボネート樹脂の繰り返し構造ごとの、粘度平均分子量に対する磨耗量の関係を表すグラフを図2に示す。
<電気特性試験>
電子写真学会測定標準に従って製造された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)を使用し、上記感光体ドラムを一定回転数60rpmで回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行なった。その際、感光体の初期表面電位が−700Vになるように帯電させ、ハロゲンランプの光を干渉フィルターで780nmの単色光としたものを1.0μJ/cm2で露光したときの100ms後の表面電位(−V)を測定した。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%で行なった。
<耐刷試験>
市販のモノクロレーザープリンター(レックスマーク社製、Optra S2450)に感光体ドラムを装着して常温常湿下において30,000枚のプリントを行った。プリント前後の膜厚の差から10,000枚あたりの膜減り量(μm)を計算した。
Figure 2008176315
表1および表1の結果をプロットした図2のグラフに示すように、本発明に係る繰り返し単位(A)を有するポリカーボネート樹脂を感光層のバインダー樹脂として用いた場合、摩耗量の粘度平均分子量に対する依存性が特異的に大きく、粘度平均分子量35,000以上の場合に限り、本発明外の繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂に比し特異的に磨耗量の少ない高耐久性能の電子写真感光体を得ることができる。
本発明の画像形成装置の一実施態様の要部構成を示す概略図である。 本発明の実施例、および比較例の電子写真感光体に用いたポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量と、該電子写真感光体の磨耗量の関係を表したグラフである。
符号の説明
1 電子写真感光体
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙

Claims (4)

  1. 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が、下記式(1)で表される繰り返し単位を有し、粘度平均分子量が35,000以上であるポリカーボネート樹脂を含有することを特徴とする、電子写真感光体。
    Figure 2008176315
    式(1)中、R1,R2,R3は炭素数1〜3のアルキル基を表す。
  2. 実質的に、式(1)で表される繰り返し単位のみからなるポリカーボネート樹脂を含有することを特徴とする、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該電子写真感光体に対し露光を行ない静電潜像を形成する露光手段、該静電潜像をトナーで現像する現像手段、および該トナーを被転写体に転写する転写手段、から選ばれる少なくとも一つの手段と、請求項1または請求項2に記載の電子写真感光体とを備えることを特徴とする、電子写真感光体カートリッジ。
  4. 請求項1または請求項2に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した該電子写真感光体に対し露光を行ない静電潜像を形成する露光手段と、該静電潜像をトナーで現像する現像手段と、該トナーを被転写体に転写する転写手段とを備えることを特徴とする、画像形成装置。
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