JP2005024929A - 電子写真感光体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高感度で帯電性、残留電位等の各種電気特性のバランスが良好であり、且つ塗布液の安定性が良く、しかも耐光性にすぐれた感光体を提供する。また、380〜500nmの短波長の光に対して高い感度を有する、高性能な電子写真感光体を提供する。
【解決手段】導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、該感光層に下記一般式(1)で示される化合物および下記一般式(2)で表される化合物とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
Figure 2005024929

はアルキル置換基を有していてもよい炭素数4〜20のシクロアルキルアルキル基を表す。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体に関するものである。さらに詳しくは、有機系の光導電性物質を含有する感光層を有し、特に380〜500nmの単色光により露光して使用するのに好適な電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、有機系の光導電性物質を電子写真用感光体の感光層に用いる研究が進み、そのいくつかが実用化された。有機系の光導電性物質は無機系のものに比し、軽量である、成膜が容易である、感光体の製造が容易である、種類によっては透明な感光体を製造できる、材料が無公害である等の利点を有する。
【0003】
特に、電荷キャリヤーの発生と移動の機能を別々の化合物に分担させる、いわゆる機能分離型の感光体が高感度化に有効であることから、開発の主流となっている。このような機能分離型感光体の感光層には、いくつかの層構成が考案されているが、電荷発生と電荷輸送の機能を分離して電荷発生層と電荷輸送層を積層した、いわゆる積層型感光体と、電荷発生物質と電荷輸送物質とを同一の層に含有した、いわゆる単層型感光体が、一般に用いられている。
【0004】
電荷の輸送媒体としては、ポリビニルカルバゾールなどの高分子光導電性化合物を用いる場合と、低分子光導電性化合物をバインダー樹脂中に分散または溶解する場合とがある。特に、有機系の低分子光導電性化合物は、バインダー樹脂として皮膜性、可とう性、接着性などにすぐれたポリマーを選択することができるので、容易に機械的特性の優れた感光体を得ることができる。また、残留電位、光応答性、繰り返し使用した場合の帯電性、感度変動等種々の特性がバランス良く好適な感光体を得るために、電荷輸送物質として、特定のヒドラゾン化合物、トリアリールアミン化合物などを使用し、バランスのよい電子写真感光体を提供する技術が報告されている(例えば、特許文献1および特許文献2 参照)。
【0005】
しかしながら、絶え間ない高性能化要請の中で、電気特性的に、残留電位が不十分、光応答性が悪い、繰り返し使用した場合帯電性が低下し、残留電位が蓄積する等種々の問題が発生し、これまでの技術では必ずしも十分ではなくなっているのが実状である。かくして感光体の諸特性、および全体としての特性をバランスよく向上させる技術の要請は継続的である。
【0006】
また、感光体の露光光としてLEDやレーザー等に代表される単色光を露光光として用いる、電子写真装置が知られている。このような電子写真装置では、露光光として波長が600〜800nm程度の比較的長波長のレーザーを用いるものが主流となっている。
近年、出力画像の高解像度化の要望が強くなっており、露光光波長の短波長化が検討されている。露光光の短波長化を行えば、走査レンズの像面湾曲の影響を受けにくくなるために小径レーザースポットの均一化が比較的容易になり、高解像度化に有効である。技術の進歩とともに、400nm前後の波長を持つ光源の応用もされ始めてきており、短波長光露光技術に対応した実用的な電子写真感光体の要望も最近とみに高まっている。
【0007】
短波長光を露光光に用いる場合には、従来用いられていたような長波長の光に適合した感光体とは異なり、短波長光に対して感度に代表される電気特性が優れた感光体を用いることが必要である。比較的長波長のレーザーを用いた電子写真装置では、電荷発生物質として主に長波長光に対して感度のよいフタロシアニン化合物が用いられている。しかし、フタロシアニン化合物は、500nm以下の波長の光に対しては感度が低く、現在検討されている380〜500nmの短波長の光での露光には適当ではない。
【0008】
現在、短波長の光源用の電荷発生物質として検討されているものの一つは、アゾ化合物であり、種々の構造のアゾ化合物が、380〜500nmの波長の光を出す半導体レーザーを光源とする電子写真装置の感光体の電荷発生物質として提案されている(例えば、特許文献3)。
本発明者らの検討によれば、なかでも下記式(4)で表されるアゾ化合物は、短波長の光に対して良好な感度を有している。
【0009】
【化5】
Figure 2005024929
【0010】
(Zは
【0011】
【化6】
Figure 2005024929
【0012】
を表す。)
また、現在、有機感光体に用いられている電荷輸送物質の多くは短波長側に吸収を持つため、電荷発生物質を含有する電荷発生層の上に電荷輸送層を含有する電荷輸送層を形成したような積層型感光体の場合には、露光光が電荷輸送層を通過する際にその一部が吸収されてしまうため、短波長の光源で露光する感光体にこのような電荷輸送物質を用いると、電荷発生能が損なわれて感度が低下することがあった。これに対し、短波長の光源で露光する感光体に好適な電荷輸送物質も種々提案されている(例えば、特許文献4および特許文献5 参照)。本発明者らの検討によれば、これらのなかでも下記式(5)で表されるものが、電気特性の良好な感光体を与える。
【0013】
【化7】
Figure 2005024929
【0014】
(式中、Ar〜Ar10は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基を示し、Ar11及びAr12は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。Zは置換基を有していてもよい炭素数4〜8の飽和炭化水素環を表す。)
しかしながら、式(5)の化合物は、溶媒への溶解性が悪いという欠点がある。この化合物を含む感光層形成用塗布液は、保存安定性が悪く、保存中に結晶を析出し易いので、この化合物を電荷輸送物質とする感光体を工業的に製造することは困難であり、他の電荷輸送物質を混合して使用しなけらばならなかった。
【0015】
さらに式(5)の電荷輸送物質を有する感光体は、マシン組立時やメンテナンス時に曝される外部光によって大きなダメージを受け、感光体内部に大量の電荷トラップが生成し、感光体の性能が低下するという問題点があった。
【0016】
【特許文献1】
特開昭61−134767号公報
【特許文献2】
特開平6−324502号公報
【特許文献3】
特開2000−105478号公報
【特許文献4】
特開2000−105475号公報
【特許文献5】
特開2001−350282号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高感度で帯電性、残留電位等の各種電気特性のバランスが良好であり、且つ塗布液の安定性が良く、しかも耐光性にすぐれた感光体を提供しようとするものである。また、特には、380〜500nmの短波長の光に対して高い感度を有する、高性能な電子写真感光体を提供しようとするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは,これらの目的を満足しえる電子写真感光体について鋭意研究したところ、特定のアゾ化合物および特定のアリールアミン系化合物を含有する感光層を有する電子写真感光体が好適であることを見い出し、本発明にいたった。本発明に係る電子写真感光体は、導電性支持体上に電荷発生物質として下記式(1)で示される化合物と、電荷輸送物質として下記式(2)で示される化合物とを含有している感光層を有することを特徴とする、電子写真感光体に存する。
【0019】
【化8】
Figure 2005024929
【0020】
(式(1)中、Rはアルキル置換基を有していてもよい炭素数4〜20のシクロアルキルアルキル基を表し、Zは
【0021】
【化9】
Figure 2005024929
【0022】
を表す。なお環Xは置換基を有していてもよい。)
【0023】
【化10】
Figure 2005024929
【0024】
(式(2)中、Ar,Arは、それぞれNに対して、パラ位および少なくとも1つのメタ位にアルキル置換基を持つ、同一でも異なっていてもよいフェニル基を表し、Ar、Arは、置換基を有していてもよい同一でも異なっていてもよいアリール基を表す。また、ArとArおよび/またはArとArとの間で環構造を形成してもよく、Ar,Arは、置換基を有していてもよい同一であっても異なっていてもよいアリーレン基を表わす。また、Yは置換基を有していてもよい二価の残基を表す。)
【0025】
【発明の実施の形態】
式(1)の化合物;
本発明の電子写真感光体は、下記式(1)で示される化合物を含有する感光層を有する。
【0026】
【化11】
Figure 2005024929
【0027】
式(1)で示される化合物は1種類のみを用いても、いくつかを併用してもよい。また所望ならば式(1)で示される化合物に、更に他の電荷発生物質を併用することもできる。併用する電荷発生物質の量に特に制限はないが、本発明の効果を充分に得るため、併用する電荷発生物質の感光層中に含まれる総重量は、式(1)で示される化合物の重量を超えないことが好ましい。
【0028】
は環にアルキル置換基を有していてもよい炭素数4〜20のシクロアルキルアルキル基を表す。−OR基の結合位置は任意であるが、−CONH−基の結合炭素原子に対してメタ位に結合するのが好ましい。Rが表すシクロアルキルアルキル基としては、アルキル基部分の炭素数が5以下、より好ましくは1〜3のものであり、シクロアルキル基部分の炭素数が8以下、より好ましくは4〜6のものである。Rは、より具体的には第1表に示すものが挙げられるが、なかでもシクロアルキル基部分がシクロヘキシル基であるものが好ましく、特に好ましいのはシクロヘキシルメチル基である。
【0029】
なお、ナフタレンに対する−CONH−基の結合位置は、−N=N−基の結合している環であれば任意であるが、−N=N−基の結合炭素に対してメタ位であるのが好ましい。
【0030】
【表1】
Figure 2005024929
【0031】
【表2】
Figure 2005024929
【0032】
また、式(1)において、Zは下記のいずれかの基を表す。
【0033】
【化12】
Figure 2005024929
【0034】
ここで環Xは、置換基を有していてもよい。環Xの有していてもよい置換基としては、フッ素原子、ヨウ素原子、塩素原子などのハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基などのアルコキシ基が挙げられる。これらのなかではフッ素原子、塩素原子、メトキシ基が好ましい。しかし最も好ましいのは、Xで示されるベンゼン環に置換基が存在しないことである。なお、式(1)で示される化合物は、特開平9−281733号公報に電荷発生物質として記載されているが、式(2)で表される化合物と380〜500nmという短波長の光に対して優れた特性を有することは知られていない。
式(2)の化合物;
本発明の電子写真感光体は、下記式(2)で示される化合物を含有する感光層を有する。式(2)で示される化合物は1種類のみを用いても、いくつかを併用してもよい。また所望ならば式(2)で示される化合物に更に他の電荷輸送物質を併用することもできる。併用する電荷輸送物質の量に特に制限はないが、本発明の効果を充分に得るため、併用する電荷輸送物質の感光層中に含まれる総重量は、式(2)で示される化合物の重量を超えないことが好ましい。
【0035】
【化13】
Figure 2005024929
【0036】
式(2)中、Ar,Arは、それぞれNに対して、パラ位および少なくとも1つのメタ位にアルキル置換基を持つ、同一でも異なっていてもよいフェニル基を表し、Ar、Arは、置換基を有していてもよい同一でも異なっていてもよいアリール基を表す。また、ArとArおよび/またはArとArとの間で環構造を形成してもよく、Ar,Arは、置換基を有していてもよい同一であっても異なっていてもよいアリーレン基を表わす。また、Yは置換基を有していてもよい二価の残基を表す。
<Ar〜Ar
式(1)中Ar,Arは、少なくとも一つのメタ位と、パラ位がアルキル基で置換されたフェニル基を表すが、さらに他の位置に置換基を有していてもよい。
【0037】
Ar,Arは、同一でも異なっていてもよいアリール基を表すが、好ましくはフェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基等の炭化水素系アリール基または、ピリジル基、フラニル基、チオフェニル基等の複素環系アリール基である。また、これらのアリール基は置換基を有していてもよい。
【0038】
Ar,Arは、フェニレン基、キシリレン基、ナフチレン基等の炭化水素系アリーレン基または、ピリジレン基、フラニレン基、チオフェニレン基等の複素環系アリーレン基を表わし、Ar,Arは、同一であっても異なっていてもよい。
Ar〜Arのアリール基、Ar,Arのアリーレン基は、感光層の電子写真特性、感光層形成時の塗布液に用いられる有機溶媒に対する溶解性などに悪影響を及ぼさない範囲で、それぞれ独立に置換基を有していてもよい。具体的に有していてもよい置換基としては、
水酸基;
フッ素原子、塩素原子,臭素原子,沃素原子,などのハロゲン原子;
メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ヘキシル基、イソプロピル基等のアルキル基;
メトキシ基,エトキシ基,プロピルオキシ基等のアルコキシ基;
アリル基,ベンジル基,ナフチルメチル基,フェネチル基等のアラルキル基;
フェノキシ基,トリロキシ基等のアリールオキシ基;
ベンジルオキシ基,フェネチルオキシ基等のアリールアルコキシ基;
フェニル基,ナフチル基等の炭化水素系アリール基;
チオフェニル基、フラニル基、ピリジル基等の複素環系アリール基;
スチリル基,ナフチルビニル基等のアリールビニル基;
アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基;
ジアリルアミノ基;
ジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;
ジフェニルアミノ基,ジナフチルアミノ基等のジアリールアミノ基;
ジベンジルアミノ基,ジフェネチルアミノ基等のジアラルキルアミノ基,
ジピリジルアミノ基,ジチエニルアミノ基等のジ複素環アミノ基;
また、上記のアミノ基の置換基を組み合わせたジ置換アミノ基等の置換アミノ基があげられる。これらの置換基はお互いに縮合して、単結合,メチレン基,エチレン基,カルボニル基,ビニリデン基,エチレニレン基等を介した炭素環基;
酸素原子,硫黄原子,窒素原子等を含む,複素環基を形成してもよいが、これらの中でも特に電気特性を考慮した場合には、アルキル基、アルコキシ基、アリール基が好ましい。
【0039】
Ar〜Arが、アルキル置換基を有する場合には、アルキル置換基の炭素数が多過ぎると、製造過程で油状となり、晶析、再沈などの分離、精製手法が適用困難となり不利であるので、炭素数は、通常15以下であり、好ましくは8以下、特に好ましくは6以下である。
特に、Ar,Arがメタ位および少なくとも一つのパラ位に有するアルキル基、およびAr,Arがアルキル置換基を有する場合のアルキル置換基は、物性に与える影響が大きく油状となりやすいため、炭素数は、通常10以下であり、好ましくは6以下、特に好ましくは4以下である。
【0040】
つまり、より具体的にはメチル基、エチル基、炭素数が3つの直鎖及び分岐アルキル基、炭素数が4つの直鎖および分岐アルキル基が、それそれの置換位置に任意の組み合わせで導入される場合が好ましい。
Ar,Arの具体的な例としては、3,4−ジメチルフェニル基、3−メチル−4−エチルフェニル基、3,4−ジエチルフェニル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、3,4,6−トリメチルフェニル基、3,4−ジメチル−5−フェニル基、などが挙げられる。これらの中でも、3,4−ジメチルフェニル基が特に好ましい。
電気特性およびコストの点から、Ar,Arは、置換基としてアルキル基、アルコキシ基および/またはアリール基を有することが好ましく、より具体的な例としては、3,4−ジメチルフェニル基、3−メチル−4−エチルフェニル基、3,4−ジエチルフェニル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、3,4,6−トリメチルフェニル基、3,4−ジメチル−5−フェニル基、4−フェニル−フェニル基、4−メトキシ−フェニル基、4−ベンジルーフェニル基などが挙げられる。
Ar,Arとしては、アルキル基、アルコキシ基および/またはアリール基を有するフェニレン基か、無置換のフェニレン基が好ましい。特に、無置換のフェニレン基が好ましい。
<Y>
式(2)中、Yは置換基を有していてもよい二価の残基を表し、より好ましくは、−O−,−S−,−SO−、置換基を有していてもよい二価の有機残基である。更に好ましくは、Yは一般式(3)で表される構造を表す。
【0041】
【化14】
Figure 2005024929
【0042】
式(3)中、R,Rは、同一でも異なっていてもよい、水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、R,Rによって、炭素以外の原子を含んでいてもよい環を形成していても構わない。R,Rは、互いに異なるものが好ましく、より好ましくは、R,Rのどちらか一方が、置換基を有していてもよいアルキル基である。更に好ましくは、R,Rのどちらか一方が、置換基を有していてもよいアルキル基であり、もう一方が水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアリール基である。
【0043】
またはRのアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基などがあげられ、直鎖、分岐および環状のいずれの構造を持ってもよい。RまたはRのアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、チオフェニル基、フラニル基、ピレニル基、など、炭化水素系アリール基および複素環系アリール基があげられる。これらアルキル基、およびアリール基はさらに置換基を有していてもよく、置換基としてはたとえば、
水酸基;
フッ素原子,塩素原子,臭素原子,沃素原子などのハロゲン原子;
メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ヘキシル基,イソプロピル基等のアルキル基;
メトキシ基,エトキシ基,プロピルオキシ基等のアルコキシ基;
アリル基,ベンジル基,ナフチルメチル基,フェネチル基等のアラルキル基;
フェノキシ基,トリロキシ基等のアリールオキシ基;
ベンジルオキシ基,フェネチルオキシ基等のアリールアルコキシ基;
フェニル基,ナフチル基等の炭化水素系アリール基;
チオフェニル基,フラニル基,ピリジル基等の複素環系アリール基;
スチリル基,ナフチルビニル基等のアリールビニル基;
アセチル基,ベンゾイル基等のアシル基;
ジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;
ジフェニルアミノ基,ジナフチルアミノ基等のジアリールアミノ基;
ジベンジルアミノ基,ジフェネチルアミノ基等のジアラルキルアミノ基;
ジピリジルアミノ基,ジチエニルアミノ基等のジ複素環アミノ基;
ジアリルアミノ基;
また、上記の置換アミノ基の有する置換基を2つ組み合わせた、ジ置換アミノ基等の置換アミノ基があげられる。
【0044】
これらのうち特に、一般式(3)の表す構造が、アルキル置換メチレン構造であることが好ましい。
一般式(3)の表す構造の総炭素数は、少なすぎると溶解度が低下して吸着剤等による精製処理が困難となる問題があるため、通常2以上、好ましくは3以上、より好ましくは5以上であり、多すぎると油状となり固体化しないため、晶析、再沈等の精製処理や、製品として使用する際に包装からの取り出しや秤量などの取り扱いが難しくなる問題が生じる点で好ましくないため、通常10以下、好ましくは7以下、より好ましくは4以下である。
【0045】
一般式(3)に示される構造として、より具体的には、1−フェニル−メチレン基、1,1―エチレン基、1,1−プロピレン基、1,1−ブチレン基、2−メチル−1,1−プロピレン基、1,1−ペンチレン基、2−メチル−1,1−ブチレン基、2,2−ジメチル−1,1−プロピレン基、2−エチル−1,1−ブチレン基、2,2−プロピレン基、2,2−ブチレン基、3,3−ペンチレン基、2−フェニル−1,1−エチレン基があげられる。電子写真感光層を形成する際に溶媒として通常用いられるトルエンに対する溶解度を考慮すると、2−メチル−1,1−ブチレン基など、Ar,Arとの結合位置に水素原子が結合した形の分子構造が対称中心を持たない分子となるようなアルキレン基であることが更に好ましい。
【0046】
以下に、一般式(2)に示される化合物についてその代表例を挙げるが、これら代表例は例示の為にしめされるのであって、本発明に含まれるアリールアミン系化合物はこれら代表例に限定されるものではない。
【0047】
【化15】
Figure 2005024929
【0048】
【化16】
Figure 2005024929
【0049】
【化17】
Figure 2005024929
【0050】
【化18】
Figure 2005024929
【0051】
【化19】
Figure 2005024929
【0052】
電子写真感光体;
<支持体>
導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス銅、銅、ニッケル等の金属材料や金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料やアルミニウム、ニッケル、ITO等の導電性材料をその表面に蒸着または塗布した樹脂、ガラス、紙などが主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のために、適当な抵抗値をもつ導電性材料を塗布したものでもよい。
【0053】
導電性支持体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いた場合、陽極酸化処理、化成皮膜処理を施してから用いてもよい。陽極酸化処理を施した場合、公知の方法により封孔処理を施すのが望ましい。
支持体表面は、平滑であってもよいし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていてもよい。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでもよい。また、安価化のためには、切削処理を施さず、引き抜き管をそのまま使用することもある。導電性支持体と感光層の間には、接着性・ブロッキング性等の改善のために、下引き層を設けてもよい。下引き層には、チタニア、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の金属酸化物あるいは銅、銀、アルミニウム等の金属微粉末を分散させて用いてもよい。 金属酸化物粒子を添加して用いる場合、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素粒子を用いることが好ましい。下引き層は、金属酸化物をバインダー樹脂に分散した形で形成されることが望ましい。下引き層に使用されるバインダー樹脂としては、フェノキシ、エポキシ、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等が単独あるいは硬化剤とともに使用できるが、中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等が好ましい。バインダー樹脂に対する無機粒子の添加比は、10重量%から500重量%の範囲が好ましい。これらの下引き層の膜厚は適宜設定できるが、0.05μmから20μm、好ましくは0.1μmから10μmの範囲で用いることが好ましい。
【0054】
<感光層>
前記導電性支持体上に形成する感光層としては、式(1)で示される化合物と式(2)で表される化合物を、バインダー樹脂中に分散した単層型と、式(1)で示される化合物をバインダー樹脂中に分散した電荷発生層と、式(2)で表される化合物をバインダー樹脂中に分散した電荷移動層の二層からなる積層型のいずれであってもよい。また、式(1)で示される化合物を含有する層には、公知の電荷発生物質を併用することができ、式(2)で表される化合物を含有する層には、公知の電荷輸送物質を併用することができる。
【0055】
式(1)で示される化合物と併用できる電荷発生物質としては、公知の何れの化合物も適用可能であるが、無金属フタロシアニン、金属含有フタロシアニン、ペリノン系顔料、チオインジゴ、キナクリドン、ペリレン系顔料、アントラキノン系顔料、アゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料、テトラキス系アゾ顔料、シアニン系顔料、多環キノン、ピリリウム塩、チオピリリウム塩、インジゴ、アントアントロン、ピラントロン等の各種有機顔料、染料等の有機光伝導性化合物が挙げられる。
【0056】
また、式(2)で示される化合物と併用できる電荷輸送物質としては、公知の何れの化合物も適用可能であるが、ジフェノキノン誘導体、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、チオジアゾール誘導体などの複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン化合物、これらの化合物が複数結合されたもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖もしくは側鎖に有する重合体などが挙げられる。
【0057】
単層型における感光層ならびに、積層型における電荷発生層および電荷移動層を形成する塗布液の調液方法としては、溶剤としては、たとえば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、ギ酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、テトラクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、トリクロロアセチレン等の塩素化炭化水素類、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン等の含窒素化合物類、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶剤類などが挙げられる。
【0058】
特に積層型感光層における電荷発生層を形成する塗布液には、アルコール類、エーテル類が好ましい。これらは単独、または2種以上を併用して用いられる。式(1)で示される化合物の微細化混合の方法としては、ペイントシェーカー磨砕、サンドグラインドミル、ボールミル、超音波処理、撹拌等が挙げられる。
このようにして得られた微細粒子分散液をたとえばブタジエン、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体や共重合体、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、セルロースエーテル、フェノキシ樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂などの各種バインダー樹脂で結着した形の感光層液として、基体に製膜し使用される。この場合の式(1)で示される化合物の比率は、少なすぎると電荷発生機能が十分に発揮できず、また一定量以上多すぎると液の劣化を促進するため、バインダー樹脂100重量部に対して30〜500重量部の範囲より使用される。
【0059】
特に積層型感光層における電荷移動層を形成する塗布液には、エーテル類、ケトン類、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素類、非プロトン性極性溶剤類が好ましい。これらは単独、または2種以上を併用して用いられる。
単層型感光層または電荷移動層に使用されるバインダー樹脂としては、例えばポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどのビニル重合体、及びその共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリイミド、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂などが挙げられ、またこれらの部分的架橋硬化物或いはこれらを混合しても使用できる。電荷移動層は単一の層でもよいし、構成成分あるいは組成比の異なる複数の層を重ね 本発明の感光層において、特に好ましく使用されるバインダー樹脂としては、繰り返し構造が、下記一般式(6)で表されるポリカーボネート樹脂、および下記一般式(7)で表されるポリエステル樹脂が挙げられる。
【0060】
【化20】
Figure 2005024929
【0061】
一般式(6),(7)それぞれの式において、Ar13,Ar14およびAr15は、各々独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル置換基、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ置換基、を有していてもよいフェニレン基を表す。Qは単結合または―CR―を表し、RおよびRは各々独立して水素原子、アルキル基、アリール基、または連結した脂環構造を表す。
【0062】
一般式(6),(7)において、O−Ar13−Q−Ar14−Oは、ビスフェノール成分あるいはビフェノール成分の部分構造を表すが、ビスフェノール成分およびビフェノール成分の具体例としては、
ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルフェニル)プロパン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)エタン、ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)エタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)プロパン、ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルエタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)シクロヘキサン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ジベンジルメタン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス−[フェノール]、4,4’−[1,4−フェニレンビスメチレン]ビス−[フェノール]、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス−[2,6−ジメチルフェノール]、4,4’−[1,4−フェニレンビスメチレン]ビス−[2,6−ジメチルフェノール]、4,4’−[1,4−フェニレンビスメチレン]ビス−[2,3,6−トリメチルフェノール]、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス−[2,3,6−トリメチルフェノール]、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス−[2,3,6−トリメチルフェノール]、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)吉草酸ステアリルエステル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、フェノールフタルレイン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルビニリデン)]ビスフェノール、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルビニリデン)]ビス[2−メチルフェノール]、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1,1−(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、等のビスフェノール成分、
4,4’−ビフェノール、2,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジメチル−2,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジ−(t−ブチル)−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラ−(t−ブチル)−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル −4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル等のビフェノール成分などが挙げられる。
【0063】
これらの中で好ましい化合物は、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−ヒドロキシフェニル(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノール成分が挙げられる。
【0064】
バインダー樹脂の分子量は、低すぎると機械的強度が不足し、逆に分子量が高すぎると感光層形成のための塗布液の粘度が高すぎて生産性が低下するといった不具合が生じるため、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂の場合、粘度平均分子量で10,000以上、好ましくは20,000以上で、100,000以下、より好ましくは70,000以下の範囲で用いられる。
【0065】
バインダー樹脂と式(2)の化合物の割合は、通常、バインダー樹脂100重量部に対して30〜200重量部、好ましくは40〜150重量部の範囲で使用される。また膜厚は一般に5〜50μm、好ましくは10〜45μmがよい。なお、電荷移動層には、成膜性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させるために周知の可塑剤、電子吸引性化合物、染料、顔料、レベリング剤、酸化防止剤などの添加物を含有させてもよい。
【0066】
単層型感光層の場合には、上記の電荷輸送層のような配合比の電荷輸送媒体中に、式(1)で示される化合物が分散される。式(1)で示される化合物の量は、バインダー樹脂に対して、0.5〜50重量%の範囲が好ましく、より好ましくは、1〜20重量%の範囲で使用される。感光層の膜厚は一般に5〜50μm、好ましくは10〜45μmがよい。なおこの場合にも、成膜性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、などを向上させるために周知の可塑剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、酸化防止剤などの添加物を含有させてもよい。
【0067】
感光層の上には電気的、機械的劣化を防止する目的で保護層を設けてもよい。また、感光体表面の摩擦抵抗や摩耗を軽減する目的で、表面の層にフッ素系樹脂、シリコーン樹脂等を含んでも良く、これらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を含んでいてもよい。
【0068】
<層形成方法>
本発明の電子写真用感光体の感光層は、常法に従って、式(1)で示される化合物および/または式(2)で示される化合物をバインダーと共に適当な溶剤中に溶解または分散し、必要に応じ、適当な電荷発生物質、増感染料、電子吸引性化合物、他の電荷輸送物質、あるいは、可塑剤、顔料等との周知の添加剤を添加して得られる塗布液を、導電性基体上に塗布、乾燥させることにより製造することができる。
【0069】
電荷発生層と電荷輸送層の二層からなる感光層の場合は、電荷発生層の上に上記塗布液を塗布するか、上記塗布液を塗布して得られる電荷輸送層の上に電荷発生層を形成させることにより、製造することができる。
感光層の塗布形成方法としては、スプレー塗布法、スパイラル塗布法、リング塗布法、浸漬塗布法等がある。
【0070】
スプレー塗布法としては、エアスプレー、エアレススプレー、静電エアスプレー、静電エアレススプレー、回転霧化式静電スプレー、ホットスプレー、ホットエアレススプレー等があるが、均一な膜厚を得るための微粒化度、付着効率等を考えると回転霧化式静電スプレーにおいて、再公表平1−805198号公報に開示されている搬送方法、すなわち円筒状ワークを回転させながらその軸方向に間隔を開けることなく連続して搬送すること
により、総合的に高い付着効率で膜厚の均一性に優れた電子写真感光体を得ることができる。
【0071】
スパイラル塗布法としては、特開昭52−119651号公報に開示されている注液塗布機またはカーテン塗布機を用いた方法、特開平1−231966号公報に開示されている微小開口部から塗料を筋状に連続して飛翔させる方法、特開平3−193161号公報に開示されているマルチノズル体を用いた方法等がある。
【0072】
塗膜形成後、塗膜を乾燥させるが、必要且つ充分な乾燥が行われる様に乾燥温度時間を調整するとよい。乾燥温度は、高すぎると感光層内に気泡が混入する原因となり、低すぎると乾燥に時間を要し、残留溶媒量が増加して電気特性に悪影響を与えるなどの問題があるため、通常100〜250℃、好ましくは110〜170℃、さらに好ましくは120〜140℃の範囲である。乾燥方法としては、熱風乾燥機、蒸気乾燥機、赤外線乾燥機及び遠赤外線乾燥機等を用いることができる。
【0073】
このようにして得られる電子写真用感光体は高感度で、残留電位が低く帯電性が高く、かつ、繰返しによる変動が小さく、特に、画像濃度に影響する帯電安定性が良好であることから、高耐久性感光体として用いることができる。また、380〜500nmの領域の感度が高いことから、特に該領域の半導体レーザーやLEDによる露光手段を持った電子写真装置用の感光体に適している。
【0074】
【実施例】
次に本発明を実施例と比較例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下において「部」とあるのは「重量部」を表す。
実施例1
膜厚75μmのポリエステルフィルム上にアルミニウムを蒸着させたものを支持体として用い、この上に下記の電荷発生層塗布液を乾燥後の膜厚が0.4g/m(約0.4μm)となるようにワイヤーバーで塗布して乾燥し、電荷発生層を形成した。この上に下記の電荷輸送層塗布液をアプリケーターで塗布し、室温で30分間、次いで125℃で20分間乾燥させて、膜厚25μmの電荷移動層を有する感光体Aを製造した。
電荷発生層塗布液;
下記式(8)に示される化合物1.5部に、1,2−ジメトキシエタン30部加え、サンドグラインドミルで8時間粉砕し、微粒化分散処理を行った。続いて、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)0.75部、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製品、PKHH)0.75部を1,2−ジメトキシエタン28.5部に溶解したバインダー溶液と混合し、最後に1,2−ジメトキシエタンと4−メトキシー4−メチルペンタノンー2の任意混合液13.5部を加えて、固形分濃度4.0重量%の電荷発生層塗布液を調整した。
【0075】
【化21】
Figure 2005024929
【0076】
(Zは
【0077】
【化22】
Figure 2005024929
【0078】
を表す。)
電荷輸送層塗布液;
下記式(9)で示される化合物70部と、下記式(10)で示されるポリカーボネート樹脂(m:n=51:49,粘度平均分子量30,000)100部を、テトラヒドロフラン480部およびトルエン120部に溶解させて電荷輸送層塗布液を調整した。
【0079】
【化23】
Figure 2005024929
【0080】
実施例2
実施例1において、式(9)に示される化合物の使用量を60部とした以外は、実施例1と同様にして、感光体Bを製造した。
比較例1
実施例1において、式(6)に示される化合物のかわりに、前記式(4)の化合物を使用した以外は、すべて実施例1と同様にして、感光体Cを製造した。
比較例2
実施例1において、式(9)に示される化合物の代わりに、下記式(11)の電荷輸送物質35部と式(12)の電荷輸送物質35部を使用した以外は、すべて実施例1と同様にして、感光体Dを製造した。
【0081】
【化24】
Figure 2005024929
【0082】
比較例3
実施例1において、式(8)に示される化合物の代わりに、式(4)の化合物を、式(9)に示される化合物の代わりに、式(11)の物質35部、式(12)の物質35部を使用した以外は、すべて実施例1と同様にして、感光体Eを製造した。
【0083】
【化25】
Figure 2005024929
【0084】
(Zは
【0085】
【化26】
Figure 2005024929
【0086】
を表す。)
得られた各感光体A〜Eは、感光体特性評価装置[三菱化学(株)製]に装着し、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性の評価を行った。
まず、感光体の初期表面電位が−700Vとなるように帯電させ、露光はハロゲンランプの光を干渉フィルターで452nmの単色光としたものを用いて、表面電位が−350Vとなる露光量(以下、感度ということがある)と光量1.21μJ/cmで露光した時の表面電位(以下、VLという)を求めた。感度は、表面電位が初期の電位の1/2になるのに必要な露光量であり、数値の小さい方がより感度が高いものとなる。また、VLは露光後の電位であり、より値の小さい方が電気特性として優れる。露光から電位測定までの時間は340ミリ秒とした。除電光には660nmのLED光を用いて、除電光照射後の残留電位(以下、Vrという)を測定した。結果を第2表に示す。
【0087】
【表3】
Figure 2005024929
【0088】
実施例1、2の感光体は、何れも比較例1〜3の感光体に比し、感度が高くしかもVLが低いものであった。
続いて感光体A、B及びDに白色蛍光灯(三菱オスラム社製ネオルミスーパーFL20SS・W/18)の光を、感光体表面での光強度が2000ルクスになるように調整後10分間照射し、その後暗所で10分間放置した後同様の測定を行った。
【0089】
第3表に、初期表面電位とVLの白色蛍光灯照射前後での電気特性の変化量を示す。変化量の小さい感光体の方が、強い光に暴露された場合でも特性変化が小さいことを示し、感光体の電気特性として、耐強光性能がより優れたものである。
【0090】
【表4】
Figure 2005024929
【0091】
実施例1、2の感光体は、比較例2の感光体に比し強い光に暴露された後でも電位の変化量が小さく、耐強光性能に優れていた。
以上のように、式(8)の化合物と式(9)の化合物を含有する感光層を有する感光体は、感度、VLなどの電気特性に優れ、しかも強い光に暴露された場合でも光劣化し難いものであった。
【0092】
【発明の効果】
本発明によれば、高感度で、残留電位が低く帯電性が高く、かつ、強光暴露による変動が小さく、特に、画像濃度に影響する帯電安定性が良好であることから、高耐久性感光体として用いることができる。また、380〜500nmの領域の感度が高いことから、特に該領域の半導体レーザーやLEDによる露光手段を持った電子写真装置用の感光体に適している。

Claims (3)

  1. 導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、該感光層に下記一般式(1)で示される化合物および下記一般式(2)で表される化合物とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 2005024929
    (式(1)中、Rはアルキル置換基を有していてもよい炭素数4〜20のシクロアルキルアルキル基を表し、Zは
    Figure 2005024929
    を表す。なお環Xは置換基を有していてもよい。)
    Figure 2005024929
    (式(2)中、Ar,Arは、それぞれNに対して、パラ位および少なくとも1つのメタ位にアルキル置換基を持つ、同一でも異なっていてもよいフェニル基を表し、Ar、Arは、置換基を有していてもよい同一でも異なっていてもよいアリール基を表す。また、ArとArおよび/またはArとArとの間で環構造を形成してもよい。Ar,Arは、置換基を有していてもよい同一であっても異なっていてもよいアリーレン基を表わす。また、Yは置換基を有していてもよい二価の残基を表す。)
  2. 一般式(2)において、Yが下記一般式(3)で表される構造を有する基であることを特徴とする、請求項1に記載の電子写真感光体。
    Figure 2005024929
    (式(3)中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基を表し、Rは水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。)
  3. 380〜500nmの範囲内の単色光による露光用であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の電子写真感光体。
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