JPH0895270A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH0895270A
JPH0895270A JP23174094A JP23174094A JPH0895270A JP H0895270 A JPH0895270 A JP H0895270A JP 23174094 A JP23174094 A JP 23174094A JP 23174094 A JP23174094 A JP 23174094A JP H0895270 A JPH0895270 A JP H0895270A
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JP
Japan
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group
substituent
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compound represented
general formula
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Application number
JP23174094A
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English (en)
Inventor
Toru Uenaka
徹 上中
Osamu Murakami
修 村上
Shuichi Maeda
修一 前田
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高い光感度を示し、残留電位が充分低く、特
性の変動が少なく、耐久性に優れ、かつ重大な欠陥のな
い感光体を得る。 【構成】 光導電層中に下記一般式(I)で示される化
合物および下記一般式(II)で示される化合物からなる
群より選ばれた2種類以上を含有することを特徴とする
電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体に関す
るものである。詳しくは、非常に高感度でかつ高性能な
電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真技術は、即時性、高品質の画像
が得られることなどから、近年では複写機の分野にとど
まらず、各種プリンターの分野でも広く使われ応用され
てきている。電子写真技術の中核となる感光体について
は、その光導電材料として従来からのセレン、ヒ素−セ
レン合金、硫化カドミウム、酸化亜鉛といった無機系の
光導電体から、最近では、無公害で成膜が容易、製造が
容易である等の利点を有する有機系の光導電材料を使用
した感光体が開発されている。
【0003】有機系感光体の中でも電荷発生層及び電荷
輸送層を積層した、いわゆる積層型感光体が考案され研
究の主流となっている。積層型感光体は、それぞれ効率
の高い電荷発生物質及び電荷輸送物質を組合せることに
より高感度な感光体が得られること、材料の選択範囲が
広く安全性の高い感光体が得られること、また塗布の生
産性が高く比較的コスト面でも有利なことから、感光体
の主流になる可能性も高く鋭意開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
で実用化されている積層型感光体は、電気特性的には光
感度が不十分、残留電位が高い、光応答性が悪い、更に
繰り返し使用した場合帯電性が低下する、残留電位が蓄
積する、感度が変動する等種々の問題を抱えており、ま
だまだ充分な特性を有しているとは言えない。その中で
もより高感度の感光体を開発することは、高速の複写機
やプリンター等に使用するためにも広く望まれている。
感光体の光感度は例えば積層型感光体の場合、電荷発生
物質の光吸収によるキャリアー発生効率、電荷発生物質
から電荷輸送物質へのキャリアー注入効率、電荷輸送層
中での電荷移動効率等と深く関係している。また残留電
位は有機感光体の開発においてはしばしば問題となって
おり、高耐刷化を妨げる大きな要因となっている。残留
電位が生じる原因はいくつか考えられるが、最も影響を
及ぼすと考えられるのは電荷輸送層中に存在する不純物
によるものである。この様な不純物としては元来組成物
中に存在する物、コロナ放電により生成する物、像露光
により生成するキャリアー(電流)が層内を流れるこ
と、放電ランプの光に繰り返し晒されること、更にはメ
ンテナンス時に外部光に晒されること等により分解生成
する物などが考えられる。すなわちこの様な不純物がト
ラップとなりキャリアーを捕捉し、動けない空間電荷を
形成することにより残留電位になると考えられる。
【0005】一方、現在一般に使用されている積層型感
光体はその耐久性においてはまだ無機系感光体に劣って
おり、比較的低級機種に限って使用されているのが現状
である。この耐久性が劣る大きな原因の一つとして、電
子写真プロセスのクリーニング工程における感光層の摩
擦による膜の摩耗が挙げられている。すなわち膜が摩耗
することにより帯電電位が下がり画像上のコントラスト
が低下するためである。
【0006】この様な膜の摩耗を少なくするためには、
感光層表面の耐摩耗性を向上させることが重要である
が、一方感光層の膜厚を厚くすることも有力な手段の一
つと考えられる。こうすることにより膜の摩耗の絶対量
は同じでも、相対的な膜の摩耗の変化量は小さくなり帯
電電位や感度の変動を少なく抑えることができるためで
ある。
【0007】こうした厚膜化により膜の摩耗による帯電
電位や感度の変動を抑制することができるが、一方感光
体の製造工程での自然乾燥又は強制乾燥時に感光層に電
荷輸送物質等の析出が発生する。この析出物は、画像上
大きな欠陥となると共に感光体の製造歩留りを大きく低
下させる。また、電荷輸送物質の種類によっては、塗布
液作成後に電荷輸送物質等の析出が起こり液の保存安定
性が悪く感光体の製造コストを引き上げる原因の一つに
なっている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の様
な点に鑑み、高い光感度を示し、膜厚を厚くした場合に
おいても残留電位が充分低く、繰り返し使用しても特性
の変動が少なく、耐久性に優れ、かつ重大な欠陥のない
感光体を得るべく鋭意検討した結果、光導電層に2種類
以上の特定構造の電荷輸送物質を含有させることにより
半減露光感度、残留電位及び耐久性等の点で非常に優
れ、かつ重大な欠陥となる電荷輸送物質等の析出を大幅
に抑制せしめ、画像および耐刷性に優れた電子写真感光
体を、容易に提供し得ることを見い出し本発明に到達し
た。
【0009】すなわち本発明の要旨は、導電性基体上に
少なくとも光導電層を有する電子写真感光体において、
該光導電層に下記の一般式(I)で示される化合物、及
び下記の一般式(II)で示される化合物からなる群から
選ばれた2種類以上を含有することを特徴とする電子写
真感光体に存する。
【0010】
【化3】
【0011】(式(I)中、Ar1 およびAr2 は、そ
れぞれ、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基
を有していてもよいアリール基、または置換基を有して
いてもよい複素環基を表し、これらは互いに同一でも異
なっていてもよい。Ar3 およびAr4 は、それぞれ、
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素の2価基を表
し、これらは互いに同一でも異なっていてもよい。
【0012】A1 およびA2 は、各々、飽和或いは不飽
和の脂肪族炭化水素基、アリール基、または隣接するA
1 もしくはAr2 と結合した含窒素複素環を表し、こ
れらは置換基を有していてもよい。Xは置換基を有して
いてもよい2価の炭化水素残基を表わす。)
【0013】
【化4】
【0014】(式中、Ar5 およびAr6 は、それぞ
れ、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素の2価基
を表し、これらは互いに同一でも異なっていてもよい。
1 、R2 、R3 およびR4 は、それぞれ置換基を有し
ていてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいア
リール基、または置換基を有していてもよい複素環基を
表し、これらは互いに同一でも異なっていてもよい。但
し、R1 はR2またはAr5 と、およびR3 はR4 また
はAr6 と互いに一体となって含窒素複素環を形成して
もよい。YおよびZは、それぞれ、置換基を有していて
もよい2価の炭化水素残基を表す。)以下本発明を詳細
に説明する。
【0015】本発明方法に用いる導電性支持体として
は、例えばアルミニウム、ステンレス鋼、銅、ニッケル
等の金属材料、表面にアルミニウム、銅、パラジウム、
酸化すず、酸化インジウム等の導電性層を設けたポリエ
ステルフィルム、紙等の絶縁性支持体が挙げられる。な
かでもアルミ等の金属のエンドレスパイプが好ましい支
持体である。
【0016】導電性支持体と感光層の間には通常使用さ
れているような公知のバリアー層が設けられていてもよ
い。バリアー層としては、例えばアルミニウム陽極酸化
被膜、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等の無機
層、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビニルピロ
リドン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デ
ンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等の有
機層が使用される。
【0017】光導電層は電荷発生層、電荷輸送層をこの
順に積層したもの、或いは逆に積層したものである積層
型、更には電荷輸送物質を含む媒体中に電荷発生物質の
粒子を分散したいわゆる分散型などいずれも用いること
ができる。積層型光導電層の場合の電荷発生層に用いら
れる電荷発生物質あるいは分散型光導電層における電荷
発生物質としては、セレン及びその合金、ヒ素−セレ
ン、硫化カドミニウム、酸化亜鉛、その他の無機光導電
物質、フタロシアニン、アゾ色素、キナクリドン、多環
キノン、ピリリウム塩、チアピリリウム塩、インジゴ、
チオインジゴ、アントアントロン、ピラントロン、シア
ニン等の各種有機顔料、染料が使用できる。中でも無金
属フタロシアニン、銅塩化インジウム、塩化ガリウム、
錫、オキシチタニウム、亜鉛、バナジウム、等の金属又
は、その酸化物、塩化物の配位したフタロシアニン類、
モノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ、ポリアゾ類等のアゾ
顔料が好ましい。
【0018】積層型光導電層における電荷発生層はこれ
らの物質の微粒子を、例えばポリエステル樹脂、ポリビ
ニルアセテート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタク
リル酸エステル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポ
リビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナー
ル、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ
樹脂、ウレタン樹脂、セルロースエステル、セルロース
エーテルなどの各種バインダー樹脂で結着した形の分散
層で使用してもよい。この場合の電荷発生物質の使用比
率は、通常、バインダー樹脂100重量部に対して30
から500重量部の範囲より使用され、電荷発生層の膜
厚は通常0.1μmから2μm、好ましくは0.15μ
mから0.8μmが好適である。また電荷発生層は必要
に応じて塗布性を改善するためのレベリング剤や酸化防
止剤、増感剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。更に
また電荷発生層は上記電荷発生物質の蒸着膜であっても
よい。
【0019】分散型光導電層の場合の電荷発生物質の粒
子径は充分小さいことが必要であり、好ましくは1μm
以下、より好ましくは0.5μm以下で使用される。光
導電層内に分散される電荷発生物質の量は例えば0.5
〜50重量%の範囲であるが少なすぎると充分な感度が
得られず、多すぎると帯電性の低下、感度の低下などの
弊害があり、より好ましくは1−20重量%の範囲で使
用される。
【0020】積層型光電層における電荷輸送層は基本的
にはバインダー樹脂とともに一般式(I)で示される化
合物、及び一般式(II)で示される化合物からなる群か
ら選ばれた2種類以上から構成され、分散型光導電層の
場合には、バインダー樹脂と一般式(I)及び一般式
(II)で示される化合物からなる群から選ばれた2種類
以上を主成分とするマトリックス中に、前述の電荷発生
物質が分散される。一般式(I)
【0021】
【化5】
【0022】において、Ar1 およびAr2 は、それぞ
れ、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;
フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等のアリー
ル基;ピロリル基、チオフェニル基、フリル基、カルバ
ゾリル基等の複素環基を表し、これらは、互いに同一で
も異なっていてもよく、アリール基が好ましく、特にフ
ェニル基が好ましい。
【0023】これらのアルキル基、アリール基、および
複素環基は置換基を有していてもよく、置換基として
は、水酸基;塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロ
ゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;メトキシ
基、エトキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基;アリル
基;ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等の
アラルキル基;フェノキシ基、トリロキシ基等のアリー
ルオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等
のアリールアルコキシ基;フェニル基、ナフチル基等の
アリール基;スチリル基、ナフチルビニル基等のアリー
ルビニル基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の
ジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基、ジナフチル
アミノ基等のジアリールアミノ基;ジベンジルアミノ
基、ジフェネチルアミノ基等のジアラルキルアミノ基;
ジピリジルアミノ基、ジチエニルアミノ基等のジ複素環
アミノ基;ジアリルアミノ基又は、上記のアミノ基の置
換基を組み合せたジ置換アミノ基等があげられる。
【0024】Ar3 およびAr4 は、それぞれフェニレ
ン基、ナフチレン基、アントラセニレン基等の芳香族炭
化水素の2価基を表わし、互いに同一でも異なってもよ
く、特にフェニレン基が好ましい。これらAr3 および
Ar4 の基はハロゲン原子、水酸基、飽和或いは不飽和
の炭化水素基(アルキル基、アリール基等)、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、ジアルキルアミノ基、ジアリ
ールアミノ基などの置換基を有していてもよい。
【0025】A1 およびA2 は、各々独立してメチル
基、エチル基、プロピル基、アリル基、プロペニル基な
どの飽和あるいは不飽和脂肪族炭化水素基;フェニル
基、ビフェニル基、ナフチル基等のアリール基;あるい
は隣接するAr1 もしくはAr2と結合しインドリン、
インドール、カルバゾール、ベンゾカルバゾール等の含
窒素複素環を表わす。A1 およびA2 は、アリール基で
ある場合、または隣接するAr1 もしくはAr2 と結合
して含窒素複素環を形成する場合が好ましい。これら
は、Ar1 、Ar2 と同様な置換基を有していてもよ
い。
【0026】またXは2価の炭化水素残基を表わす。具
体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等の
アルキレン基;フェニレン基、ナフチレン基等のアリー
レン基;キシリレン基等のアルキレン基とアリーレン基
が結合した基;シクロヘキシレン基等のシクロアルキレ
ン基;ビニレン基等のアルケニレン基等が例示でき、互
いに同一でも異なっていてもよく、特にアルキレン基、
アリーレン基、又はアルキレン基とアリーレン基が結合
した基が好ましい。これらはハロゲン原子、水酸基、飽
和或いは不飽和の炭化水素基、アルコキシ基、アリール
オキシ基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基な
どの置換基を有していてもよい。Xは特に炭素数5以下
のアルキレン基、炭素数5以下のアルケニル基又はキシ
リレン基が好ましい。
【0027】一般式(I)の化合物は、より具体的には
下記一般式(III )で示される構造が好ましい。
【0028】
【化6】
【0029】但し、式中R5 からR22は各々独立して水
素原子;ハロゲン原子;メチル基、プロピル基、オクチ
ル基等の飽和脂肪族炭化水素基;アリル基、イソプロペ
ニル基等の不飽和脂肪族炭化水素基;フェニル基、ナフ
チル基等のアリール基:メトキシ基、エトキシ基、ブト
キシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキ
シ基などのアリールオキシ基;ジエチルアミノ基、ジイ
ソプロピルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジベンジ
ルアミノ基、ジフェニルアミノ基などのジアリールアミ
ノ基を表わし、飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素
基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ジ
アルキルアミノ基、ジアリールアミノ基は置換基を有し
ていてもよい。
【0030】上記式(III )中のA1 、A2 およびXは
一般式(I)におけるのと同義である。特に、A1 は下
記一般式(IV)、A2 は下記一般式(V)の構造である
場合が好ましい。
【0031】
【化7】
【0032】上記一般式(IV)及び一般式(V)におい
てR23〜R32は各々独立して下記一般式(VI)で示され
る基又は水素原子;ハロゲン原子;メチル基、プロピル
基、オクチル基等の飽和脂肪族炭化水素基;アリル基、
イソプロペニル基等の不飽和脂肪族炭化水素基;フェニ
ル基、ナフチル基等のアリール基:メトキシ基、エトキ
シ基、ブトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基、ベ
ンジルオキシ基などのアリールオキシ基:ジエチルアミ
ノ基、ジイソプロピルアミノ基等のジアルキルアミノ
基:ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基などのジ
アリールアミノ基を表わし、飽和もしくは不飽和の脂肪
族炭化水素基、アリール基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基は置
換基を有していてもよい。
【0033】
【化8】
【0034】R33、R34およびR35は、それぞれ、水素
原子;メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル
基;フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等のア
リール基;ピロリル基、チオフェニル基、フリル基、カ
ルバゾリル基等の複素環基等を表し、これらは互いに同
一でも異なっていてもよい。
【0035】これらのアルキル基、アリール基、および
複素環基は置換基を有していてもよく、置換基として
は、水酸基;塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロ
ゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘキシル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ
基、ブトキシ基等のアルコキシ基;アリル基;ベンジル
基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル
基;フェノキシ基、トリロキシ基等のアリールオキシ
基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等のアリー
ルアルコキシ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール
基;スチリル基、ナフチルビニル基等のアリールビニル
基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキ
ルアミノ基;ジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基
等のジアリールアミノ基;ジベンジルアミノ基、ジフェ
ネチルアミノ基等のジアラルキルアミノ基;ジピリジル
アミノ基、ジチエニルアミノ基等のジ複素環アミノ基;
ジアリルアミノ基又、上記のアミノ基の置換基を組み合
せたジ置換アミノ基等があげられる。
【0036】次に一般式(I)で示される化合物の主な
具体例を示すが、これらに限定するものではない。な
お、下記例示において特に記載のない限りA1 およびA
2 はフェニル基とする。また、例示化合物中(1)から
(30)は、一般式(III )で示される化合物であり、
特に記載の無い限りR5 からR22は水素原子であるもの
とする。
【0037】Xにベンゼン環あるいはシクロヘキサン環
が存在する場合は、水素原子以外の2個の結合基あるい
は置換基の位置がオルソ位の場合は、化学式のうしろに
oとつけるものとする。同様にメタ位、パラ位の場合は
それぞれm、pとつけるものとする。
【0038】例示化合物
【表1】 (1) X ;−CH2 − (2) X ;−CH2 CH2 CH2 − (3) X ;−CH(CH3 )CH(CH3 )− (4) X ;−CH(C6 5 )CH(C6 5 )− (5) X ;−CH2 CH(OH)CH2 − (6) X ;−CH2 CH(CH=CH2 )− (7) X ;−CH(C6 4 Cl)−,m (8) X ;−CH=CH− (9) X ;−CH2 − R6 及びR19 ;−CH3 (10) X ;−CH2 − R7 、R20 ;−CH3 1 及びA2 ;−C6 5 −CH3 (パラ位で結合している) (11) X ;−CH2 − R7 及びR20 ;−C6 5 (12) X ;−CH2 − R7 及びR20 ;−OCH3 (13) X ;−CH2 (C6 4 )CH2 −,p (14) X ;−CH2 (C6 4 )CH2 −,m (15) X ;−CH2 (C6 4 )CH2 −,o (16) X ;−C6 4 −,p R6 及びR19 ;−CH3 (17) X ;−C6 10−,o (18) X ;−CH2 − R6 及びR19 ;−Cl (19) X ;−CH2 CH2 CH2 − R7 及びR20 ;−N(C2 5 2
【0039】
【表2】 (20) X ;−CH2 − R7 及びR20 ;−OCH2 (C6 5 ) (21) X ;−CH2 − R7 及びR20 ;−C6 4 −N(C6 5 2 (パラ位で結合して いる) (22) X ;−CH2 (C6 4 )CH2 −,p R7 及びR20 ;−CH2 CH2 OH (23) X ;−CH2 CH(OCH3 )CH2 − R7 及びR20 ;−OCH3 (24) X ;−CH2 − R6 及びR19 ;−C(CH3 )=CH2 (25) X ;−CH2 (C6 4 )CH2 −,m R6 及びR19 ;−OC6 5 (26) X ;−CH2 CH2 CH2 − R6 及びR19 ;−N(C6 5 2 (27) X ;−CH2 − R18 ;−CH2 CH3 (28) X ;−CH2 − R18 ;−CH2 −CH=CH2 (29) X ;−CH2 (C6 4 )CH2 −,m R18 ;ナフチル(α) (30) X ;−CH2 − A1 及びA2 ;−CH3
【0040】
【化9】
【0041】
【化10】
【0042】
【化11】
【0043】
【化12】 一般式(II)
【0044】
【化13】
【0045】において、Ar5 およびAr6 はそれぞれ
フェニレン基、ナフチレン基、アントラセニル基等の芳
香族炭化水素の2価基を表し、これらは互いに同一でも
異なっていてもよく、特にフェニレン基が好ましい。こ
れらの芳香族炭化水素の2価基は、置換基を有していて
もよく、置換基としては、水酸基;塩素原子、臭素原
子、よう素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等のアルキル
基;メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等のアルコキ
シ基;アリル基;ベンジル基、ナフチルメチル基、フェ
ネチル基等のアラルキル基;フェノキシ基、トリロキシ
基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチ
ルオキシ基等のアリールアルコキシ基;フェニル基、ナ
フチル基等のアリール基;スチリル基、ナフチルビニル
基等のアリールビニル基、ジメチルアミノ基、ジエチル
アミノ基等のジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ
基、ジナフチルアミノ基等のジアリールアミノ基;ジベ
ンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基等のジアラルキ
ルアミノ基;ジピリジルアミノ基、ジチエニルアミノ基
等のジ複素環アミノ基;ジアリルアミノ基又、上記のア
ミノ基の置換基を組み合せたジ置換アミノ基等があげら
れる。
【0046】R1 からR4 は、それぞれ、メチル基、エ
チル基、プロピル基等のアルキル基;フェニル基、ナフ
チル基、アントラセニル基等のアリール基;ピロリル
基、チオフェニル基、フリル基、カルバゾリル基等の複
素環基を表す。これらは、互いに同一でも異なっていて
もよく、R1 がアルキル基のときは、R2 はアリール基
または複素環基が好ましく、R3 がアルキル基のとき
は、R4 はアリール基または複素環基が好ましいが、R
1 〜R4 はいずれもアリール基、特にフェニル基が好ま
しい。但し、Ar5 及びAr6 並びにR1 、R2 、R3
及びR4 については、それぞれ上述の置換基から誘導さ
れ、環を形成する3価又は2価の置換基である場合も本
発明に包含されることとし、R1 はR2 またはAr
1 と、およびR3はR4 またはAr2 と一体となって含
窒素複素環を形成してもよい。この様な例としては、ピ
ロリジル基、ピペリジル基、モルホリノ基、カルバゾリ
ル基等があげられる。これらのアルキル基、アリール
基、および複素環基は置換基を有していてもよく、置換
基としては、水酸基;塩素原子、臭素原子、よう素原子
等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、ヘキシル基等のアルキル基;メトキシ基、エ
トキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基;アリル基;ベ
ンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラル
キル基;フェノキシ基、トリロキシ基等のアリールオキ
シ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等のアリ
ールアルコキシ基;フェニル基、ナフチル基等のアリー
ル基;スチリル基、ナフチルビニル基等のアリールビニ
ル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアル
キルアミノ基;ジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ
基等のジアリールアミノ基;ジベンジルアミノ基、ジフ
ェネチルアミノ基等のジアラルキルアミノ基;ジピリジ
ルアミノ基、ジチエニルアミノ基等のジ複素環アミノ
基;ジアリルアミノ基又は、上記のアミノ基の置換基を
組み合せたジ置換アミノ基等があげられる。
【0047】また、YおよびZは2価の炭化水素残基を
表わす。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピ
レン基等のアルキレン基;フェニレン基、ナフチレン基
等のアリレン基;キシリレン基等のアルキレン基とアリ
レン基が結合した基;シクロヘキシレン基等のシクロア
ルキレン基;ビニレン基等のアルケニレン基等が例示で
き、互いに同一でも異なっていてもよく、特にアルキレ
ン基、アリレン基、又はアルキレン基とアリレン基が結
合した基が好ましい。これらはハロゲン原子、水酸基、
飽和或いは不飽和の炭化水素基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基
などの置換基を有していてもよい。Xは特に炭素数5以
下のアルキレン基、炭素数5以下のアルケニル基又はキ
シリレン基が好ましい。
【0048】一般式(II)で示される化合物は、より具
体的には、一般式(VII)で示される化合物が好ましい。
【0049】
【化14】
【0050】式中、R36、R37、R38およびR39は、水
素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
ヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基、
アントラセニル基等のアリール基;又はピロリル基、チ
オフェニル基、フリル基等の複素環基を表し、これらは
互いに同一でも異なっていてもよく、特に、水素原子、
アルキル基が好ましい。これらのアルキル基、アリール
基、および複素環基は置換基を有していてもよく、置換
基としては、水酸基;塩素原子、臭素原子、よう素原子
等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、ヘキシル基等のアルキル基;メトキシ基、エ
トキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基;アリル基;ベ
ンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラル
キル基;フェノキシ基、トリロキシ基等のアリールオキ
シ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等のアリ
ールアルコキシ基;フェニル基、ナフチル基等のアリー
ル基;スチリル基、ナフチルビニル基等のアリールビニ
ル基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアル
キルアミノ基;ジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ
基等のジアリールアミノ基;ジベンジルアミノ基、ジフ
ェネチルアミノ基等のジアラルキルアミノ基;ジピリジ
ルアミノ基、ジチエニルアミノ基等のジ複素環アミノ
基;ジアリルアミノ基又、上記のアミノ基の置換基を組
み合せたジ置換アミノ基等があげられる。
【0051】又、mおよびnは1〜6の整数を表し、こ
れらは同一でも異なっていてもよく特に1〜3の整数が
好ましい。上記式(VII)中、Ar5 、Ar6 、R1 、R
2 、R3 およびR4 は、一般式(II)におけるのと同義
である。Ar5 についての
【0052】
【化15】 の置換位置、Ar6 についての
【0053】
【化16】 の置換位置は、特に
【0054】
【化17】
【0055】に直接結合するベンゼン環のパラ位が好ま
しい。次に一般式(II)で示される化合物の主な具体例
を示すが、これらに限定するものではない。なお、下記
例示において特に記載のない限り、一般式(VII)で示さ
れる構造で、Ar5 及びAr6 はパラフェニレン基であ
り、R1 、R2 、R3 及びR4 はフェニル基であり、R
36、R37、R38及びR39は水素原子とする。又mとnは
それぞれ1であるものとする。
【0056】ただしAr5 及び/又はAr6 が置換基を
持つパラフェニレン基である場合は、窒素原子に結合し
ている炭素原子を1とし、その隣りの炭素原子を2とし
順次3、4、5、6としてその数値を示すことで置換基
の結合位置を示すものとする。Ar5 及び/又はAr6
がナフチレン基、あるいはアントラセニル基である場合
は、次に示す位置で、窒素原子及び、R36とR37の結合
した炭素原子、またはR38とR39の結合した炭素原子に
結合しているものとする。
【0057】
【化18】
【0058】R1 、R2 、R3 及び/又はR4 がチエニ
ル基あるいはフリル基の場合特に記載がなければ次に示
す数字の2の位置で結合しているものとする。又チエニ
ル基あるいはフリル基が、置換基を有する場合の置換基
の結合位置は次に示す数字で示すものとする。
【0059】
【化19】
【0060】R1 がAr5 及び窒素原子とカルバゾール
環を形成する場合、特に記載しなければ、次に示す数字
の3の位置でR36及びR37が結合した炭素原子に結合し
ているものとする。
【0061】
【化20】
【0062】R2 がAr6 及び窒素原子とカルバゾール
環を形成する場合も上記と同様に示すものとする。 例示化合物 (1)
【0063】
【化21】
【0064】
【表3】 (2) R1 がAr5 及び窒素原子と環形成 ;カルバゾリル基 R2 ;エチル基 R3 とR4 で窒素原子を含む環形成 ;カルバゾリル基 m ;6 n ;6 (3) Ar5 及びAr6 ;アントラセニル基 R1 、R2 、R3 及びR4 ;メチル基 (4) R1 及びR3 ;メチル基 (5) R1 とR2 で窒素原子を含む環形成 ;ピペリジノ基 (6) Ar5 及びAr6 ;2の位置にメチル基が結合した パラフェニレン基 R3 ;メチル基 (7) Ar5 及びAr6 ;ナフチレン基 R1 及びR2 ;パラトリル基
【0065】
【表4】 (8) Ar5 及びAr6 ;2の位置にメチル基が結合した パラフェニレン基 R1 及びR3 ;5の位置にメチル基が結合した チエニル基 R36 ;メチル基 (9) Ar5 及びAr6 ;2の位置にメチル基が結合した パラフェニレン基 R1 ;5の位置にメチル基が結合した チエニル基 R3 ;パラトリル基 R36及びR37 ;メチル基 (10) Ar5 及びAr6 ;ナフチレン基 R1 、R2 、R3 及びR4 ;フリル基 R36及びR38 ;メチル基 (11) Ar5 及びAr6 ;2の位置に塩素原子が結合した パラフェニレン基 R1 、R2 、R3 及びR4 ;パラトリル基 R37及びR38 ;チエニル基 (12) R1 とR2 で窒素原子を含む環形成 ;カルバゾリル基 R37及びR38 ;パラトリル基 (13) R38及びR39 ;メチル基 (14) R1 がAr1 及び窒素原子と環形成 ;カルバゾリル基 R3 がAr6 及び窒素原子と環形成 ;カルバゾリル基 R2 及びR4 ;メチル基 R36、R37、R38及びR39 ;メチル基 (15) R1 及びR3 ;パラトリル基
【0066】
【表5】 (16) R1 及びR3 ;パラ位にメトキシ基が結合した フェニル基 (17) Ar6 ;2の位置に塩素原子が結合した パラフェニレン基 n ;2 (18) Ar5 及びAr6 ;2の位置にメチル基が結合した パラフェニレン基 R1 及びR3 ;フリル基 R36 ;メチル基 n ;4 (19) Ar5 及びAr6 ;ナフチレン基 R1 及びR3 ;メチル基 R36及びR37 ;メチル基 n ;6 (20) Ar5 ;アントラセニル基 R1 及びR3 ;パラトリル基 R37 ;メチル基 m ;2 n ;2 (21) Ar6 ;2の位置にメトキシ基の結合し たパラフェニレン基 m ;2 n ;3 (22) R1 とR2 で窒素原子を含む環形成 ;ピペリジノ基 m ;2 n ;4
【0067】
【表6】 (23) R1 及びR3 ;フリル基 R37 ;メチル基 m ;2 n ;5 (24) R1 がAr5 及び窒素原子と環形成 ;カルバゾリル基 R3 ;パラトリル基 m ;3 n ;3 (25) R1 及びR2 ;5の位置にメチル基が結合した チエニル基 Ar6 ;ナフチレン基 m ;3 n ;5 (26) m ;3 n ;6 (27) R1 及びR3 ;パラトリル基 m ;4 n ;4 (28) R1 及びR3 ;メチル基 R2 ;パラ位にメトキシ基が結合した フェニル基 Ar6 ;2の位置に塩素原子が結合した パラフェニレン基 R4 ;パラトリル基 m ;5 n ;6
【0068】一般式(I)及び一般式(II)で示される
化合物から選ばれる2種以上の好ましい化合物の種類や
配合比率は、感光体の感度や残留電位等の電気特性、製
造工程の乾燥時に発生する欠陥、塗布液の保存安定性等
を考慮して決められる。例えば、一般式(I)と一般式
(II)より選ばれた2種の化合物を混合する場合、重量
部で90対10ないし20対80の範囲が好ましいが、
より高い効果を得るには85対15ないし40対60の
範囲がより好ましい。
【0069】積層型光電層の場合の電荷輸送層にあるい
は分散型光電層の場合のマトリックスとして使用される
バインダー樹脂としては、例えばポリメチルメタクリレ
ート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合
体、及びその共重合体、ポリカーボネート、ポリエステ
ル、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリイ
ミド、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂等があげ
られ、またこれらの部分的架橋硬化物も使用できる。
【0070】バインダー樹脂と前記一般式(I)及び一
般式(II)で示される化合物との総量の割合は、バイン
ダー樹脂100重量部に対して通常、30〜200重量
部、好ましくは40〜150重量部の範囲で使用され、
かつ一般式(I)で表わされる化合物は電荷輸送層中1
0重量パーセントを超えて使用されるが、より高い効果
を得るためには20〜40重量パーセントの範囲が好ま
しい。
【0071】積層型光導電層の場合の電荷輸送層には、
必要に応じて酸化防止剤、増感剤等の各種添加剤を含ん
でいてもよい。電荷輸送層の膜厚は10〜60μm、好
ましくは10〜45μmの厚みで使用されるのがよい。
最表面層として従来公知の例えば熱可塑性或いは熱硬化
性ポリマーを主体とするオーバーコート層を設けても良
い。通常は、電荷発生層の上に電荷移動層を形成する
が、逆も可能である。各層の形成方法としては、層に含
有させる物質を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布
液を順次塗布するなどの公知の方法が適用できる。
【0072】分散型光導電層の膜厚は通常5−50μ
m、より好ましくは10−45μmで使用される。また
この場合にも成膜性、可とう性、機械的強度等を改良す
るための公知の可塑剤、残留電位を抑制するための添加
剤分散安定性向上のための分散補助剤、塗布性を改善す
るためのレベリング剤、界面活性剤、例えばシリコーン
オイル、フッ素系オイルその他の添加剤が添加されてい
ても良い。
【0073】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例
に限定されるものではない。 実施例1 次式(1)で表されるビスアゾ化合物10重量部を15
0重量部の4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2に
加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行なっ
た。ここで得られた顔料分散液をポリビニルブチラール
(積水化学工業(株)製、商品名BH−3)の5%ジメ
トキシエタン溶液に加え、最終的に固形分濃度4.0%
の分散液を作製した。
【0074】
【化22】
【0075】この様にして得られた分散液に、表面が鏡
面仕上げされた外径80mm、長さ340mm、肉厚
2.0mmのアルミシリンダーを浸漬塗布し、その乾燥
膜厚が約0.4μmとなるように電荷発生層を設けた。
次にこのアルミシリンダーを、次式(2)で表わされる
化合物90重量部と次式(3)で表わされる化合物10
重量部及びポリカーボネート樹脂(三菱化成(株)製、
ノバレックス7030A、粘度平均分子量20、30
0)100重量部をテトラヒドロフラン318重量部、
1,4−ジオキサン171重量部の混合溶剤に溶解させ
て得た塗布液(固形分濃度30%、粘度163センチポ
アーズ)に浸漬塗布した後、室温で30分放置し、その
後熱風恒温乾燥器で乾燥温度100℃で24分間130
℃で24分間乾燥させ、乾燥後の膜厚が35μmとなる
ように電荷輸送層を設けた。
【0076】
【化23】
【0077】この様に作成した感光体ドラム10本を市
販の複写機に装着して、コピー画像を調べたところ8本
は析出物由来の欠陥のない画像が得られた。結果を表−
1に示す。また、得られた塗布液の一部を3ケ月保存し
たが、物性に変化は見られなかった。作製した感光体を
感光体特性測定機に装着し、表面電位が−700Vにな
るように帯電させた時の半減露光感度E1/2 、及び残留
電位を測定した。この結果を表−2に示す。
【0078】実施例2 (2)式で表わされる化合物85重量部と(3)式で表
わされる化合物15重量部にして塗布液を得たこと以外
は、実施例1と同様に行った。塗布液の一部を3ケ月保
存したが、物性に変化は見られなかった。また、作成し
た感光体ドラム10本のコピー画像を調べたところ、全
ての感光ドラムに析出物由来の欠陥のない画像が得られ
た。結果を表−1に示す。また、感光体特性測定機に装
着し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表−2に
示す。
【0079】実施例3 (2)式で表わされる化合物50重量部と(3)式で表
わされる化合物50重量部にして塗布液を得たこと以外
は、実施例1と同様に行った。得られた塗布液の一部を
3ケ月保存したが、物性に変化は見られなかった。また
作成した感光ドラム10本のコピー画像を調べたとこ
ろ、全ての感光ドラムに析出物由来の欠陥のない画像が
得られた。結果を表−1に示す。また、感光体特性測定
機に装着し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表
−2に示す。
【0080】比較例1 (2)式で表わされる化合物100重量部単独にして塗
布液を得たこと以外は、実施例1と同様に行った。得ら
れた塗布液の一部を3ケ月保存したが、物性に変化は見
られなかった。作成した感光ドラム10本のコピー画像
を調べたところ、全ての感光ドラムに析出物由来の多数
欠陥のある画像となった結果を表−1に示す。また、感
光体特性測定機に装着し、実施例1と同様の評価を行っ
た。結果を表−2に示す。
【0081】実施例4 (4)式で表わされる化合物50重量部と(5)式で表
わされる化合物50重量部にして塗布液を得たこと以外
は、実施例1と同様に行なった。その塗布液の一部の保
存安定性を調べたところ少なくとも3ケ月以上の長期に
わたり物性に変化が見られなかった。また、得られた感
光体ドラム10本のコピー画像を調べたところ、全ての
感光ドラムに析出物由来の欠陥のない画像が得られた。
結果を表−1に示す。また、感光体特性測定機に装着
し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表−2に示
す。
【0082】
【化24】
【0083】実施例5 (4)式で表わされる化合物50重量部と(2)式で表
わされる化合物50重量部にして塗布液を得たこと以外
は、実施例1と同様に行なった。塗布液の保存安定性を
調べたところ少なくとも3ケ月間物性に変化が見られな
かった。また、得られた感光体ドラム10本のコピー画
像を調べたところ、全ての感光ドラムに析出物由来の欠
陥のない画像が得られた。結果を表−1に示す。また、
感光体特性測定機に装着し、実施例1と同様の評価を行
った。結果を表−2に示す。
【0084】比較例2 (4)式で表わされる化合物100重量部単独にしたこ
と以外は、実施例1と同様に塗布液を作成しその塗布液
の保存安定性を調べたところ約1週間程度で電荷輸送物
質等の析出が起こった。また、感光体特性測定機に装着
し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表−2に示
す。
【0085】また、得られた感光ドラム10本のコピー
画像を調べたところ、全ての感光ドラムに析出物由来の
多数欠陥のある画像となった。結果を表−1に示す。以
上の結果から本発明方法により塗布液の保存安定性が良
好で乾燥工程で発生する析出物由来の欠陥が抑制され、
コピー画像上欠陥のない良好な画像を有する電子写真感
光体が得られることが明らかである。
【0086】
【表7】 表−1 感光体ドラム10本当りに析出物由来 の欠陥が発生したドラム数 実施例1 2 実施例2 0 実施例3 0 比較例1 10 実施例4 0 実施例5 0 比較例2 10
【0087】
【表8】 表−2 半減露光感度 残留電位 〔 lux・sec 〕 〔V〕 実施例1 0.78 11 〃 2 0.78 8 〃 3 0.78 7 〃 4 0.71 1 〃 5 0.72 2 比較例1 0.78 11 〃 2 0.70 1
【0088】
【発明の効果】本発明方法による光導電層に特定の化合
物を含有させた電子写真感光体は、塗布後の感光体の乾
燥工程において発生する析出物由来の重大な欠陥を抑制
させ、更に塗布液の保存安定性も良好で極めて高い光感
度を有し、かつ低い残留電位を示し、繰返し使用しても
帯電性・感度・残留電位の変動も非常に少なく安定性が
極めて良好であるため、高品質且つ耐刷性にすぐれた電
子写真感光体を製造することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に少なくとも光導電層を有
    する電子写真感光体において、該光導電層中に下記一般
    式(I)で示される化合物および下記一般式(II)で示
    される化合物からなる群から選ばれた2種類以上を含有
    することを特徴とする電子写真感光体。 【化1】 (式(I)中、Ar1 およびAr2 は、それぞれ、置換
    基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していて
    もよいアリール基、または置換基を有していてもよい複
    素環基を表し、これらは互いに同一でも異なっていても
    よい。Ar3 およびAr4 は、それぞれ、置換基を有し
    ていてもよい芳香族炭化水素の2価基を表し、これらは
    互いに同一でも異なっていてもよい。A1 およびA
    2 は、それぞれ飽和或いは不飽和の脂肪族炭化水素基、
    アリール基、または隣接するAr1 もしくはAr2 と結
    合した含窒素複素環を表し、これらは置換基を有してい
    てもよい。Xは置換基を有していてもよい2価の炭化水
    素残基を表わす。) 【化2】 (式中、Ar5 およびAr6 は、それぞれ、置換基を有
    していてもよい芳香族炭化水素の2価基を表し、これら
    は互いに同一でも異なっていてもよい。R1 、R2 、R
    3 およびR4 は、それぞれ置換基を有していてもよいア
    ルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、また
    は置換基を有していてもよい複素環基を表し、これらは
    互いに同一でも異なっていてもよい。但し、R1 はR2
    またはAr5 と、およびR3 はR4 またはAr6 と互い
    に一体となって含窒素複素環を形成してもよい。Yおよ
    びZは、それぞれ、置換基を有していてもよい2価の炭
    化水素残基を表す。)
  2. 【請求項2】 感光層が電荷発生物質及び電荷輸送物質
    を含有し、電荷輸送物質として前記請求項1記載の一般
    式(I)で示される化合物および一般式(II)で示され
    る化合物からなる群から選ばれた2種類以上を用いるこ
    とを特徴とする、請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 感光層が、少なくとも、電荷発生物質を
    含む電荷発生層と、電荷輸送物質とバインダー樹脂を含
    む電荷輸送層とを有し、電荷輸送層中の電荷輸送物質と
    して請求項1記載の一般式(I)で示される化合物およ
    び一般式(II)で示される化合物からなる群から選ばれ
    た2種類以上を用いることを特徴とする、請求項1又は
    2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 電荷発生層が、電荷発生物質とバインダ
    ー樹脂とを含むことを特徴とする、請求項3記載の電子
    写真感光体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000147813A (ja) * 1998-11-13 2000-05-26 Canon Inc 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2000147814A (ja) * 1998-11-13 2000-05-26 Canon Inc 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2006104183A (ja) * 2004-09-10 2006-04-20 Canon Inc アミン化合物、電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP2007531762A (ja) * 2004-03-31 2007-11-08 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 電荷輸送材料として使用するトリアリールアミン化合物

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