JP3144145B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

Info

Publication number
JP3144145B2
JP3144145B2 JP09155193A JP9155193A JP3144145B2 JP 3144145 B2 JP3144145 B2 JP 3144145B2 JP 09155193 A JP09155193 A JP 09155193A JP 9155193 A JP9155193 A JP 9155193A JP 3144145 B2 JP3144145 B2 JP 3144145B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
substituent
general formula
represented
iii
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP09155193A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06308751A (ja
Inventor
護 臨
政行 廣井
清 関原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP09155193A priority Critical patent/JP3144145B2/ja
Publication of JPH06308751A publication Critical patent/JPH06308751A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3144145B2 publication Critical patent/JP3144145B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体に関する
ものである。詳しくは、非常に高感度でかつ高性能な電
子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真技術は、即時性、高品質の画像
が得られることなどから、近年では複写機の分野にとど
まらず、各種プリンターの分野でも広く使われ応用され
てきている。電子写真技術の中核となる感光体について
は、その光導電材料として従来からのセレニウム、ヒ素
−セレニウム合金、硫化カドミニウム、酸化亜鉛といっ
た無機系の光導電体から、最近では、無公害で成膜が容
易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導電
材料を使用した感光体が開発されている。
【0003】有機系感光体の中でも電荷発生層、及び電
荷輸送層を積層した、いわゆる積層型感光体が考案さ
れ、研究の主流となっている。積層型感光体は、それぞ
れ効率の高い電荷発生物質、及び電荷輸送物質を組合せ
ることにより高感度な感光体が得られること、材料の選
択範囲が広く安全性の高い感光体が得られること、また
塗布の生産性が高く比較的コスト面でも有利なことか
ら、感光体の主流になる可能性も高く鋭意開発されてい
る。ここで感光体に要求される性能としては、十分な光
感度を有すること、帯電性の良いこと、残留電位が十分
低いこと、光減衰応答性が良いこと、十分な機械的強度
を有すること、繰返し使用した場合の特性変動が少ない
こと、更には環境変動に対して特性の変動が少ないこと
等が挙げられる。この様な性能を高めるため、これまで
膨大な数の材料が開発され検討されている。本発明者ら
も例えば特開昭55−117151号公報、同57−1
76055号公報、同61−109056号公報では電
荷発生材料を、特開昭54−150128号公報、同5
8−159536号公報及び同59−15251号公報
において、種々の電荷輸送物質を開示してきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題及び解決手段】また最近
では特開平4−340556号公報において特定の構造
の電荷輸送物質を用いることにより、非常に高感度でか
つ耐久性に優れた感光体が得られることを開示した。し
かしながらその後詳細に検討したところ、高温高湿下で
繰返し使用した場合残留電位が蓄積しやすいことがわか
った。そこでこの欠点を改良するため鋭意検討した結
果、特定の電荷輸送物質を混合して使用することにより
飛躍的に改良できることを見出し本発明を完成するに至
った。
【0005】すなわち本発明の要旨は、導電性基体上
に、少なくとも光導電層を有する電子写真感光体におい
て、該光導電層に前記一般式〔I〕で示される化合物お
よび前記一般式〔II〕で示される化合物を、一般式
〔I〕で示される化合物100重量部に対し、一般式
〔II〕で示される化合物2乃至40重量部の割合で含有
することを特徴とする電子写真感光体に存する。
【0006】以下本発明を詳細に説明する。本発明の光
導電層は導電性支持体上に設けられる。導電性支持体と
しては、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、ニッケル等
の金属材料、表面にアルミニウム、銅、パラジウム、酸
化すず、酸化インジウム等の導電性層を設けたポリエス
テルフィルム、紙等の絶縁性支持体が使用される。
【0007】導電性支持体と光導電層との間には通常使
用されるような公知のバリアー層が設けられていてもよ
い。バリアー層としては、例えばアルミニウム陽極酸化
被膜、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等の無機
層,ポリビニルアルコール,カゼイン.,ポリビニルピ
ロリドン,ポリアクリル酸,セルロース類,ゼラチン,
デンプン,ポリウレタン,ポリイミド,ポリアミド,等
の有機層が使用される。
【0008】光導電層は電荷発生層,電荷輸送層をこの
順に積層したもの、或いは逆に積層したもの、更には電
荷輸送媒体中に電荷発生物質粒子を分散したいわゆる分
散型などいずれも用いることができる。積層型光導電層
の場合、電荷発生層に用いられる電荷発生物質として
は、セレン及びその合金,ヒ素−セレン,硫化カドミニ
ウム,酸化亜鉛,その他の無機光導電物質,フタロシア
ニン,アゾ色素,キナクリドン,多環キノン,ピリリウ
ム塩,チアピリリウム塩,インジゴ,チオインジゴ,ア
ントアントロン,ピラントロン,シアニン等の各種有機
顔料,染料が使用できる。中でも無金属フタロシアニ
ン,銅塩化インジウム,塩化ガリウム,錫,オキシチタ
ニウム,亜鉛,バナジウム,等の金属又は、その酸化
物,塩化物の配位したフタロシアニン類,モノアゾ,ビ
スアゾ,トリスアゾ,ポリアゾ類等のアゾ顔料が好まし
い。電荷発生層はこれらの物質の微粒子を、例えばポリ
エステル樹脂、ポリビニルアセテート,ポリアクリル酸
エステル,ポリメタクリル酸エステル,ポリエステル,
ポリカーボネート,ポリビニルアセトアセタール,ポリ
ビニルプロピオナール,ポリビニルブチラール,フェノ
キシ樹脂,エポキシ樹脂,ウレタン樹脂,セルロースエ
ステル,セルロースエーテルなどの各種バインダー樹脂
で結着した形の分散層で使用してもよい。この場合の使
用比率はバインダー樹脂100重量部に対して30から
500重量部の範囲より使用され、その膜厚は通常0.
1μmから2μm,好ましくは0.15μmから0.8
μmが好適である。また電荷発生層には必要に応じて塗
布性を改善するためのレベリング剤や酸化防止剤,増感
剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。また電荷発生層
は上記電荷発生物質の蒸着膜であってもよい。
【0009】電荷輸送層は基本的に下記一般式〔I〕で
示される化合物及び下記一般式〔II〕で示される化合物
とバインダー樹脂とから構成される。以下、一般式
〔I〕で示される化合物について説明する。
【0010】
【化4】
【0011】Xは水素原子又は一般式〔II〕−C
(R8 )=N−Q2 で示される基を表わし;Q1 は下記
一般式[III] 〜[VII] で示されるいずれかの基を表わ
し;Q2 は下記一般式〔IV〕〜〔VIII〕で示されるいず
れかの基を表わす。
【0012】
【化5】
【0013】Yはハロゲン原子、水酸基、飽和或いは不
飽和の炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、
ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基などの置換基
を有していてもよい、例えばメチレン基、プロピレン
基、キシリレン基、シクロヘキシレン基、ビニレン基、
フェニレン基などの2価の炭化水素残基を表わす。
【0014】Ar1 およびAr2 はメチル基、エチル基
等の低級アルキル基、メトキシ基、エトキシ基等の低級
アルコキシ基、フェニル基等の置換基を有していてもよ
いフェニル基、ナフチル基等のアリール基又は同様の置
換基を有してもよいピロリル基、チオフェニル基、フリ
ル基、カルバゾリル基等の複素環基を表わしこれらは互
いに同一でも異なっていてもよい。
【0015】R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 およびR9
は水素原子;塩素原子、臭素原子、沃素原子等のハロゲ
ン原子;メチル基、エチル基等の低級アルキル基;メト
キシ基、エトキシ基等の低級アルコキシ基を表わし、低
級アルキル基、低級アルコキシ基は置換基を有してもよ
く、これらR1 〜R5 およびR9 は互いに同一でも異な
っていてもよい。
【0016】R6 およびR8 は水素原子;メチル基;フ
ェニル基;トリル基、アニシル基、クロロフェニル基等
の置換フェニル基を表わし、これらは互いに同一でも異
なっていてもよい。R7 およびR10はフェニル基、ナフ
チル基、トリル基、アニシル基、クロロフェニル基等の
置換基を有していてもよいアリール基を表す。そしてR
7 ,R10は互いに同一でも異なっていてもよい。
【0017】以下に一般式〔I〕で表わされる化合物に
ついてその代表例を挙げるが、本発明に用いる化合物は
その要旨を越えない限りこれら具体例に限定されるもの
ではない。なお、下記例示において、記載のない限りA
1 ,Ar2 ,R7 及びR10はいずれもフェニル基、R
1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 ,R8 ,R9 及びX
はいずれも水素原子であるものとする。
【0018】又、下記例示において記載のない限り、−
C(R6 )=N−Q1 及び−C(R8 )=N−Q2 のベ
ンゼン核に対する結合位置は、窒素原子と結合している
ベンゼン核の炭素原子を1とし、その隣の炭素原子を2
とし、順次3,4,5,6とした時、4の位置であるも
のとする。又、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 及びR9
のベンゼン核に対する結合位置は、窒素原子と結合して
いるベンゼン核の炭素原子を1とし、その隣の炭素原子
を2とし、順次3,4,5,6とする。例えばR1 がメ
チル基であってベンゼン核の2の位置に結合している場
合、 R1 :2−メチル基と表わす。 又、次の置換基が結合される位置は、次のように番号で
表わす。
【0019】
【化6】
【0020】例えばR7 がナフチル基であって、1の位
置で結合している場合、 R7 :1−ナフチルと表わす。 又、下記例示において、Yの化学式中にフェニレン基が
存在する場合はYの化学式の後にo,m又はpを記載す
ることによってフェニレン基に対する結合位置がそれぞ
れオルソ位、メタ位又はパラ位であることを示す。
【0021】
【表1】化合物例 化合物 No. A−1 Q1 :[III] Y :−CH2 − A−2 Q1 :[III] Y :−CH2 CH2 CH2 − A−3 Q1 :[III] Y :−CH2 CH(OH)CH2 − A−4 Q1 :[III] Y :−CH(C6 4 Cl)− (Clはメタ位に結合したものである。) A−5 Q1 :[III] Y :−CH2 − Ar1 及びAr2 :m−トリル基 A−6 Q1 :[III] Y :−CH2 − Ar1 及びAr2 :4−ビフェニル基 A−7 Q1 :[III] Y :−CH2 − Ar1 及びAr2 :p−メトキシフェニル基 A−8 Q1 :[III] Y :−CH2 −C6 4 −CH2 −,p A−9 Q1 :[III] Y :−CH2 −C6 4 −CH2 −,m A−10 Q1 :[III] Y :−CH2 −C6 4 −CH2 −,o A−11 Q1 :[III] Y :−CH2 − R7 :1−ナフチル基 A−12 Q1 :[IV] Y :−CH2 − A−13 Q1 :[III] Y :−CH2 − R6 :メチル基 A−14 Q1 :[VII] Y :−CH2 −CH2 −CH2 − A−15 Q1 :[III] R5 :4−メチル基 Y :−CH2 −C6 4 −CH2 −,o A−16 Q1 :〔V〕 Y :−CH2 −C6 4 −CH2 −,o A−17 Q1 :[III] Ar2 :2−チエニル基 Y :−CH2 − A−18 Q1 :[III] Ar1 及びAr2 :P−クロロフェニル基 Y :−CH2 −C6 4 −CH2 −,m A−19 Q1 :[III] R6 :P−トリル基 Y :−CH2 − A−20 Q1 :[IV] Y :−CH2 −C6 4 −CH2 −,o A−21 Q1 :[III] Y :−CH2 − X :[II] Q2 :[VIII] A−22 Q1 :[III] Y :−CH2 CH2 CH2 − X :[II] Q2 :[VIII] A−23 Q1 :[III] Y :−CH2 CH(OCH3)CH2 − X :[II] Q2 :[VIII] A−24 Q1 :[III] Y :−CH(C6 4 Cl)− (Clはメタ位で結合したものである。) X :[II] Q2 :[VIII] A−25 Q1 :[III] Ar1 及びAr2 :m−トリル基 Y :−CH2 − X :[II] Q2 :[VIII] A−26 Q1 :[III] Ar1 及びAr2 :4−ビフェニル基 Y :−CH2 − X :[II] Q2 :[VIII] A−27 Q1 :[III] Y :−CH2 −C6 4 −CH2 −,p X :[II] Q2 :[VIII] A−28 Q1 :[III] Y :−CH2 −C6 4 −CH2 −,m X :[II] Q2 :[VIII] A−29 Q1 :[III] Y :−CH2 −C6 4 −CH2 −,o X :[II] Q2 :[VIII] A−30 Q1 :[III] R7 及びR10 :1−ナフチル基 Y :−CH2 − X :[II] Q2 :[VIII] A−31 Q1 及びQ2 :[VI] Y :−CH2 CH2 CH2 − X :[II] A−32 Q1 及びQ2 :[VII] Y :−CH2 CH2 CH2 − X :[II] A−33 Q1 :[III] R6 及びR8 :メチル基 Y :−CH2 −C6 4 −CH2 −,m X :[II] Q2 :[VIII] A−34 Q1 :[III] R5 :4−メチル基 Y :−CH2 −C6 4 −CH2 −,p X :[II] Q2 :[VIII] A−35 Q1 及びQ2 :〔V〕 Y :−CH2 −C6 4 −CH2 −,o X :[II] A−36 Q1 :[III] Y :−CH=CH− X :[II] Q2 :[VIII] A−37 Q1 :[III] Ar1 及びAr2 :2−チエニル基 Y :−CH2 − X :[II] Q2 :[VIII] A−38 Q1 :[III] Ar1 及びAr2 :P−クロロフェニル基 Y :−CH2 −C6 4 −CH2 −,m X :[II] Q2 :[VIII] A−39 Q1 :[III] R6 及びR8 :フェニル基 Y :−CH2 CH2 CH2 − X :[II] Q2 :[VIII] A−40 Q1 及びQ2 :[IV] Y :−CH2 −C6 4 −CH2 −,o X :[II]
【0022】次に、一般式〔II〕で示される化合物につ
いて説明する。
【0023】
【化7】
【0024】式中、R11はアルキル基、アリール基、ア
リル基またはアラルキル基を表わし、これらは置換基を
有していてもよく、R12はハロゲン原子、アルキル基、
アルコキシ基またはアリールオキシ基を表わし、アルキ
ル基、アルコキシ基またはアリール基は、置換基を有し
ていてもよく、R13およびR14はアルキル基、アリル
基、置換基を有していてもよいアリール基またはアラル
キル基を表す。
【0025】ここでR11はメチル基、エチル基、イソプ
ロピル基、n−ブチル基等のアルキル基;アリル基;フ
ェニル基、ベンジル基等のアリール基;アラルキル基を
表わす。これらは置換基を有していてもよい。R12はク
ロル原子、ブロム原子等のハロゲン原子、メチル基、エ
チル基、イソプロピル基、t−ブチル基等のアルキル
基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等のア
ルコキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基等のアリ
ールオキシ基を表わす。アルキル基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基は置換基を有していてもよい。
【0026】R13,R14は各々独立してメチル基、エチ
ル基、ブチル基などのアルキル基、アリル基、置換基を
有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール
基またはベンジル基などのアラルキル基を表わす。以下
に一般式〔II〕で表わされる化合物についてその代表例
を挙げるが本発明に用いる化合物はその要旨を越えない
限りこれら具体例に限定されるものではない。
【0027】
【表2】化合物例 化合物 No. R11121314 B−1 メチル基 −H フェニル基 フェニル基 B−2 メチル基 −H フェニル基 メチル基 B−3 メチル基 −H フェニル基 α−ナフチル基 B−4 メチル基 −H フェニル基 ベンジル基 B−5 プロピル基 −H フェニル基 フェニル基 B−6 プロピル基 −H フェニル基 アリール基 B−7 メチル基 6-メトキシ基 フェニル基 フェニル基 B−8 メチル基 6-クロル基 フェニル基 フェニル基 B−9 ベンジル基 −H フェニル基 フェニル基 B−10 メチル基 −H フェニル基 β−ナフチル基 B−11 3-ヒドロキシ プロピル基 −H フェニル基 フェニル基 B−12 メチル基 6-メチル基 フェニル基 フェニル基
【0028】一般式〔I〕で示される化合物と一般式
〔II〕で示される化合物との配合比率は重量部で、10
0対2ないし100対40の範囲、好ましくは100対
2ないし100対20の範囲で用いるとより高い効果が
得られる。電荷輸送層に使用されるバインダー樹脂とし
ては、例えばポリメチルメタクリレート、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、及びその共重合
体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルカ
ーボネート、ポリスルホン、ポリイミド、フェノキシ、
エポキシ、シリコーン樹脂等があげられ、またこれらの
部分的架橋硬化物も使用できる。
【0029】バインダー樹脂に対する前記一般式〔I〕
で示される化合物と一般式〔II〕で示される化合物との
総量の割合は、通常、バインダー樹脂100重量部に対
して30〜200重量部、好ましくは40〜150重量
部の範囲で使用される。また電荷輸送層には、必要に応
じて酸化防止剤、増感剤等の各種添加剤を含んでいても
よい。電荷輸送層の膜厚は10〜60μm、好ましくは
10〜45μmの厚みで使用されるのがよい。最表面層
として従来公知の例えば熱可塑性或いは熱硬化性ポリマ
ーを主体とするオーバーコート層を設けても良い。通常
は、電荷発生層の上に電荷輸送層を形成するが、逆も可
能である。各層の形成方法としては、層に含有させる物
質を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布液を順次塗
布するなどの公知の方法が適用できる。
【0030】分散型光導電層の場合には、上記のような
配合比のバインダー樹脂と前記一般式〔I〕で示される
化合物及び前記一般式〔II〕で示される化合物を主成分
とするマトリックス中に前述の電荷発生物質が分散され
る。その場合の粒子径は充分小さいことが必要であり、
好ましくは1μm以下より好ましくは0.5μm以下で
使用される。感光層内に分散される電荷発生物質の量は
少なすぎると充分な感度が得られず、多すぎると帯電性
の低下、感度の低下などの弊害があり、例えば好ましく
は0.5−50重量%の範囲で、より好ましくは1−2
0重量%の範囲で使用される。感光層の膜厚は通常5−
50μm、より好ましくは10−45μmで使用され
る。またこの場合にも成膜性,可とう性,機械的強度等
を改良するための公知の可塑剤、残留電位を抑制するた
めの添加剤分散安定性向上のための分散補助剤,塗布性
を改善するためのレベリング剤,界面活性剤,例えばシ
リコーンオイル,フッ素系オイルその他の添加剤が添加
されていても良い。
【0031】
【実施例】以下本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例
に限定されるものではない。 実施例−1 図−1に示す粉末X線スペクトルを有するチタニルフタ
ロシアニン10重量部を150重量部の1,2−ジメト
キシエタンに加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散
処理を行なった。ここで得られた顔料分散液をポリビニ
ルブチラール(電気化学工業(株)製,商品名#600
0−C)の5%1,2−ジメトキシエタン溶液100重
量部に加え、最終的に固形分濃度4.0%の分散液を作
製した。
【0032】この様にして得られた分散液を表面にアル
ミニウムが蒸着されたポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上に塗布し、その乾燥膜厚が0.4g/m2 となる
ように電荷発生層を設けた。次にこの電荷発生層上に下
記の構造を有するヒドラゾン系化合物(HD)60重量
【0033】
【化8】
【0034】およびN−メチルカルバゾール−3−カル
バルデヒド ジフェニル ヒドラゾン10重量部、4−
(2,2−ジシアノビニル)フェニル−2,4,5−ト
リクロロベンゼンスルホネート1.5重量部及び下記構
造のポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量22,00
0)100重量部を
【0035】
【化9】
【0036】1,4−ジオキサンとテトラヒドロフラン
の混合溶媒に溶解させた液を塗布した後、室温で10
分,125℃で20分乾燥させ、乾燥後の膜厚が20μ
mとなるように電荷輸送層を設けた。この様にして作製
した感光体Aを感光体特性測定機に装着し、まず表面電
位が−700Vになるように帯電させた後、780nm
の光を照射した時の半減露光感度、更に1μJ/cm2
の強度の光を照射した時の明部電位VLを測定した。こ
の結果を表−1に示す。
【0037】実施例−2 実施例−1においてN−メチルカルバゾール−9−カル
バルデヒド ジフェニル ヒドラゾンの量を5重量部に
変えた以外は実施例−1と同様に行い感光体Bを作成
し、評価した。
【0038】比較例−1 実施例−1において電荷輸送物質としてN−メチルカル
バゾール−9−カルバルデヒド ジフェニル ヒドラゾ
ンだけを70重量部用いた以外は実施例−1と同様に行
い感光体Cを作成し、評価した。 比較例−2 実施例−1において電荷輸送物質としてヒドラゾン系化
合物(HD)だけを60重量部用いた以外は実施例−1
と同様に行い感光体Dを作成し、評価した。
【0039】
【表3】
【0040】ここでLLは温度5℃,湿度15%,NN
は温度25℃,湿度60%,HHは温度35℃,湿度8
5%の環境条件を表す。この結果から明らかなように本
発明の感光体A及びBは各環境下で高い感度を示すと共
に比較例の感光体C及びDに比較したより良好な明部電
位を示すことが判る。
【0041】次に感光体A,BおよびDをHH条件下で
それぞれ感光体特性測定機に装着し、まず表面電位が−
700Vになるように帯電させた後、白色光による露
光、660nmのLED光除電のサイクルを15万回行
い繰り返し特性を評価した。その時の暗部電位VO 及び
明部電位VL の変化を表−2に示す。
【0042】
【表4】
【0043】この結果から、本発明の感光体はA及びB
は比較例の感光体Dに比較し高温高湿下において明部電
位の変化が少なく良好な繰返し特性を示すことが判る。
【0044】
【発明の効果】本発明による光導電層に特定の化合物を
含有させた電子写真感光体は、極めて高い光感度を有
し、かつ低い残留電位を示し、繰返し使用しても残留電
位の蓄積がほとんどなく、また帯電性,感度の変動も非
常に少なく安定性が極めて良好であるため耐久性に優れ
ており、高速の複写機やプリンターにも何等問題なく用
いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いたチタニルフタロシアニンの粉
末X線スペクトル図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−340556(JP,A) 特開 平5−19512(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/00 - 5/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に、少なくとも光導電層を
    有する電子写真感光体において、該光導電層に下記一般
    式〔I〕で示される化合物および下記一般式〔II〕で示
    される化合物を、一般式〔I〕で示される化合物100
    重量部に対し、一般式〔II〕で示される化合物2乃至4
    0重量部の割合で含有することを特徴とする電子写真感
    光体。 【化1】 (式中、Xは水素原子又は一般式〔II〕−C(R8 )=
    N−Q2 で示される基を表わし;Q1 は下記一般式[II
    I] 〜[VII] で示されるいずれかの基を表わし;Q 2
    下記一般式〔IV〕〜〔VIII〕で示されるいずれかの基を
    表わし; 【化2】 Yは置換基を有していてもよい2価の炭化水素残基を表
    わし;Ar1 およびAr 2 はそれぞれ置換基を有してい
    てもよいアリール基又は複素環基であり、これらは互い
    に同一でも異なっていてもよく;R1 ,R2 ,R3 ,R
    4 ,R5 およびR 9 はそれぞれ水素原子、置換基を有し
    ていてもよい低級アルキル基、ハロゲン原子、または置
    換基を有していてもよい低級アルコキシ基を表わし、こ
    れらは互いに同一でも異なっていてもよく;R6 および
    8 はそれぞれ水素原子、メチル基、または置換基を有
    していてもよいフェニル基を表わし、これらは互いに同
    一でも異なっていてもよく;R7 およびR10はそれぞれ
    置換基を有していてもよいアリール基を表す。)一般式
    (II) 【化3】 (式中、R11はアルキル基、アリール基、アリル基また
    はアラルキル基を表わしこれらは置換基を有していても
    よく、R12はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基
    またはアリールオキシ基を表わし、アルキル基、アルコ
    キシ基またはアリールオキシ基は置換基を有していても
    よく、R13およびR14はアルキル基、アリル基、置換基
    を有していてもよいアリール基またはアラルキル基を表
    す。)
JP09155193A 1993-04-19 1993-04-19 電子写真感光体 Expired - Fee Related JP3144145B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09155193A JP3144145B2 (ja) 1993-04-19 1993-04-19 電子写真感光体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09155193A JP3144145B2 (ja) 1993-04-19 1993-04-19 電子写真感光体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06308751A JPH06308751A (ja) 1994-11-04
JP3144145B2 true JP3144145B2 (ja) 2001-03-12

Family

ID=14029642

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09155193A Expired - Fee Related JP3144145B2 (ja) 1993-04-19 1993-04-19 電子写真感光体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3144145B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR200495531Y1 (ko) * 2020-09-23 2022-06-16 주식회사 아가프라 마스크

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR200495531Y1 (ko) * 2020-09-23 2022-06-16 주식회사 아가프라 마스크

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06308751A (ja) 1994-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH05158258A (ja) 電子写真感光体
JP2629885B2 (ja) 電子写真用感光体
US5134049A (en) Photoconductor for electrophotography
JPH01152461A (ja) 電子写真用感光体
JP3144145B2 (ja) 電子写真感光体
JP3644972B2 (ja) 電子写真感光体
JPH05204175A (ja) 電子写真用感光体
JP2789700B2 (ja) 電子写真感光体
JP3768353B2 (ja) 電子写真感光体
JPH0895270A (ja) 電子写真感光体
JP3010808B2 (ja) 電子写真感光体
JP2814739B2 (ja) 電子写真用感光体
JP2811761B2 (ja) 感光体
JPH0446350A (ja) 感光体
JPH08320581A (ja) 電子写真感光体
JPH04271356A (ja) 電子写真用感光体
JP2789701B2 (ja) 電子写真用感光体
JP2817807B2 (ja) 電子写真用感光体
JP2796843B2 (ja) 電子写真感光体
JP2998306B2 (ja) 電子写真感光体
JPH08248657A (ja) 電子写真感光体
JP2998218B2 (ja) 感光体
JP3520687B2 (ja) 電子写真感光体
JP3104243B2 (ja) 感光体
JP3346411B2 (ja) 電子写真用感光体

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090105

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090105

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100105

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees