JP2004078148A - 電子写真感光体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】380〜500nmの波長の光で露光させるのに好適な電子写真感光体を提供する。
【解決手段】感光層に含有させる電荷輸送剤として式(1)で示される化合物と式(2)で示される化合物とを併用する。
【化1】
Figure 2004078148

【化2】
Figure 2004078148

(式中、Ar 〜Ar 及びAr 〜Ar10はそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基を示し、Ar 、Ar 、Ar11及びAr12はそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリーレン基を示す。R は置換基を有していてもよいアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示す。Zは置換基を有していてもよい炭素数4〜8の飽和炭化水素環を示す)
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真感光体、特に380〜500nmの短波長の光で露光して感光させるのに好適な感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、レーザープリンターなどに代表される、光源としてレーザーを用いる電子写真装置が用いられている。光源のレーザーとしては、主に780〜800nm又は680nmの波長の光を出す半導体レーザーが用いられている。しかし、近年、出力画像の高解像度化の要望が強くなっており、これに対応すべく種々の試みがなされている。レーザー波長の短波長化もその一つである。光源の短波長化は、走査レンズの像面湾曲の影響を受けにくくするため、小径レーザースポットの均一化が比較的容易になり、高解像度化に有効である。
【0003】
短波長の光源を用いる場合には、この光源に対して電気特性の優れた感光体を用いることが必要である。現在、有機感光体に用いられている電荷輸送剤の多くは短波長側に吸収を有しているので、短波長の光源で露光する感光体にこのような電荷輸送剤を用いると、感度が低下する。
これに対し、短波長の光源で露光する感光体に好適な電荷輸送剤も種々提案されている(特許文献1、及び特許文献2参照)。本発明者らの検討によれば、これらのなかでも下記式(2)で表されるものが、電気特性の良好な感光体を与える。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−105475号公報。
【特許文献1】
特開2001−350282号公報。
【0005】
【化7】
Figure 2004078148
【0006】
(式中、Ar 〜Ar10は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基を示し、Ar11及びAr12は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリーレン基を示す。Zは置換基を有していてもよい炭素数4〜8の飽和炭化水素環を示す)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、式(2)の化合物は、溶媒への溶解性が悪いという欠点がある。この化合物を含む感光層形成用塗布液は、保存安定性が悪く、保存中に結晶を析出し易いので、この化合物を電荷輸送剤とする感光体を工業的に製造することは困難である。
従って本発明は、式(2)の化合物を電荷輸送剤とする感光体を、工業的に容易に製造する方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、式(2)の化合物は単独では溶媒への溶解性が悪いが、この化合物に下記式(1)で示される化合物を併用すると、溶媒への溶解性が良好となることを見出し、本発明を達成した。
【0009】
【化8】
Figure 2004078148
【0010】
(式中、Ar 〜Ar は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基を示し、Ar 及びAr は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリーレン基を示す。R は置換基を有していてもよいアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示す)
式(1)の化合物自体も、短波長の光源で露光する感光体に好適な電荷輸送剤である。そして、式(1)の化合物と式(2)の化合物とを共に含有する感光層形成用塗布液は、保存安定性が良く、通常の保存条件下では結晶の析出を起さない。また、この塗布液で形成した感光層は、式(2)の化合物のみを電荷輸送剤とする感光層と同様の優れた電気特性を示す。
【0011】
【発明の実施の形態】
電荷輸送剤;
本発明では、電荷輸送剤として、下記の式(1)及び式(2)の化合物を併用する。通常は式(1)及び(2)の化合物のそれぞれ1種づつを併用するが、複数種を併用してもよい。また式(1)及び式(2)の化合物以外の電荷輸送剤も併用することもできるが、通常は式(1)及び式(2)の化合物のみを用いる。
【0012】
【化9】
Figure 2004078148
【0013】
上記式(1)及び(2)において、Ar 〜Ar 及びAr 〜Ar10は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基を示す。またAr 、Ar 、Ar11及びAr12は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリーレン基を示す。Ar 〜Ar 及びAr 〜Ar10としてはフェニル基またはトリル基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。Ar 、Ar 、Ar11及びAr12としてはフェニレン基またはトリレン基が好ましく、フェニレン基が特に好ましい。またアリール基やアリーレン基の置換基は、通常は炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基である。
【0014】
上記式(1)において、R は置換基を有していてもよいアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、2−メチルプロピル基、n−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。アリール基としてはフェニル基、トリル基などが挙げられる。
上記式(2)において、Zは置換基を有していてもよい炭素数4〜8の飽和炭化水素環を示す。Zは環上にメチル基又はエチル基を有していてもよいシクロヘキサン環であるのが好ましい。
【0015】
式(1)で示される化合物と式(2)で示される化合物とは、両者の合計重量に対して式(1)の化合物が20〜95重量%となるように用いるのが好ましい。式(1)の化合物が20重量%よりも少なくなると、塗布液の安定性が悪くなるおそれがある。両者の合計に対して式(1)の化合物が20〜80重量%、特に40〜60重量%となるように用いるのが好ましい。式(1)の化合物と式(2)の化合物を含む感光層形成用塗布液の調製は、常法に従って行えばよい。本発明では、電荷輸送剤として式(1)の化合物と式(2)の化合物を併用する以外は、常法に従って感光体を製造することができる。
【0016】
電荷発生剤;
電荷発生剤としては、特開平9−281733号公報に記載されているような、アゾ系のものを用いるのが好ましい。なかでも好ましいのは下記式(3)で示されるものである。
【0017】
【化10】
Figure 2004078148
【0018】
式(3)において、Rは環にアルキル基を有していてもよい炭素数4〜20のシクロアルキルアルキル基を示す。ベンゼン環に対する−OR基の結合位置は任意であるが、−CONH−基の結合炭素原子に対してメタ位が好ましい。Rが示すシクロアルキルアルキル基としては表1に示すものが挙げられるが、シクロアルキル基として好ましいのは5員環以上のものであり、なかでも好ましいのはシクロヘキシルメチル基である。
なお、ナフタレン環に対する−CONH基の結合位置は−N=N−基の結合している環であれば任意であるが、−N=N−基の結合炭素原子に対してメタ位であるのが好ましい。
【0019】
【表1】
Figure 2004078148
【0020】
【表2】
Figure 2004078148
【0021】
式(1)において、Yは下記のいずれかの基を示す。
【化11】
Figure 2004078148
【0022】
Xで示されるベンゼン環の置換基としては、フッ素原子、ヨウ素原子、塩素原子などのハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基などのアルコキシ基が挙げられる。これらのなかではフッ素原子、塩素原子、メトキシ基が好ましい。しかし最も好ましいのは、Xで示されるベンゼン環に置換基が存在しないことである。
【0023】
感光層の構成;
電子写真感光体には、周知のように、導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層とがこの順序で積層されている順積層型感光体、積層順序が逆になっている逆積層型感光体、さらには電荷発生剤と電荷輸送剤とが一つの感光層中に混在している単層型感光体があるが、本発明はいずれのタイプの感光体にも適用できる。なかでも順積層型感光体に適用するのが好ましい。
【0024】
支持体;
導電性支持体としては、周知のようにアルミニウム、ステンレス鋼、銅、ニッケル、亜鉛などの金属材料や、ポリエステル等の合成樹脂、紙、ガラス等の絶縁性基体上にアルミニウム、パラジウム、酸化錫、酸化インジウム、導電性高分子等の導電層を設けたものなどを用いることができる。これらの導電性支持体の表面には常用の種々の処理を施すことができる。例えばアルミニウムからなる導電性支持体には、所望により陽極酸化が施される。導電性支持体の形状は、ドラム、シート、シームレスベルトなど任意の形状とすることができる。
【0025】
感光層の形成;
電荷発生層の形成は、電荷発生剤を蒸着やスパッタリング等の気相製膜法で支持体上に膜形成させることにより行うこともできるが、通常は電荷発生剤とバインダー樹脂とを適当な溶媒中に加え、ボールミル、ペイントシエイカー、アトライター、サンドグラインダー、超音波分散器などでよく分散させて塗布液とし、これをディッピング法、スプレー法、バーコーター法、ブレード法、ロールコーター法、ワイヤーバー塗工法、ナイフコーター塗工法などの常用の塗布法により、支持体に塗布することにより行う。電荷発生層の膜厚は0.01〜5μm、特に0.05〜2μmであるのが好ましい。バインダー樹脂としては、例えばブタジエン、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体や共重合体、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、セルロースエーテル、フェノキシ樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂などが用いられる。またこれらのいくつかを併用したり、これらに適当な架橋剤を組合せて架橋させて用いることもできる。バインダー樹脂は、電荷発生剤100重量部に対し、5〜500重量部、特に20〜300重量部となるように用いるのが好ましい。溶媒としては、ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が用いられる。通常はこれらのいくつかを併用する。塗布液中には、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤などの常用の助剤を含有させることもできる。
【0026】
電荷輸送層も、適宜の溶媒に電荷発生剤とバインダー樹脂とを溶解させて調製した塗布液を用いて、電荷発生層と同様の手法で塗布することにより形成することができる。塗布液中には、電荷発生層形成の場合と同じく、種々の助剤を含有させることができる。バインダー樹脂及び溶媒としては、上記したものを用いればよい。バインダー樹脂は電荷輸送剤100重量部に対し10〜500重量部、特に30〜300重量部となるように用いるのが好ましい。電荷輸送層の膜厚は10〜50μm、特に13〜35μmとするのが好ましい。
なお、単層型感光体を製造する場合には、上記した適宜の溶媒中に、バインダー樹脂、電荷発生剤及び電荷輸送剤を、バインダー樹脂100重量部に対して電荷発生剤1〜20重量部、及び電荷輸送剤30〜300重量部の割合となるように添加し、分散処理して調製した塗布液を用いればよい。
【0027】
他の層;
本発明に係る電子写真感光体は、本質的に導電性支持体とこの上に形成された感光層とから成っているが、これに更に下引き層、中間層、透明絶縁層、表面保護層など、電子写真感光体に周知の付加的な層を有していてもよい。例えば下引き層としては、適宜の溶媒にポリアミド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、カゼイン、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、セルロース、ニトロセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等の樹脂を溶解したものや、これに酸化チタン、酸化アルミニウム、ジルコニア、酸化ケイ素などの無機微粒子を添加したものを、導電性支持体に乾燥後の膜厚が0.01〜50μm、好ましくは0.01〜10μmとなるように塗布すればよい。表面保護層を設ける場合には、その膜厚は0.01〜20μm、特に0.1〜10μmとするのが好ましい。
【0028】
露光光源;
本発明に係る電子写真感光体は白色光及び単色光のいずれでも露光させることができる。単色光としては現在汎用されている780nmのレーザー光以外にも、630nm、650nm、680nm等の赤色レーザー光を用いることもできる。しかし最も好ましいのは380〜500nm、特に400〜450nmの短波長の光で露光させることである。光源としてはこの波長の単色光を出すいわゆる青色レーザーが好ましいが、青色LEDを用いることもできる。
【0029】
【実施例】
以下に実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、部は重量部である。
実施例1
膜厚75μmのポリエステルフィルム上にアルミニウムを蒸着させたものを支持体として用い、この上に下記の電荷発生層塗布液を乾燥後の膜厚が0.4g/m (約0.4μm)となるようにワイヤーバーで塗布して乾燥し、電荷発生層を形成した。この上に下記の電荷輸送層塗布液をアプリケーターで塗布し、室温で30分間、次いで125℃で20分間乾燥させて、膜厚25μmの電荷輸送層を有する感光体を製造した。
【0030】
電荷発生層塗布液;
下記の式(4)のアゾ化合物1.5部に1,2−ジメトキシエタン30部を加え、サンドグラインドミルで8時間粉砕し、分散処理を行った。続いて、ポリビニルブチラール(電気化学工業社製品、「デンカブチラール#6000C」)0.75部、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製品、「PKHH」)0.75部を1,2−ジメトキシエタン28.5部に溶解したバインダー溶液と混合し、最後に1,2−ジメトキシエタンと4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2の混合液13.5部を加えて、最終的に、1,2−ジメトキシエタンと4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2(重量比9:1)の混合溶媒中に、固形分(顔料+樹脂)濃度4.0重量%の塗布液を調製した。
【0031】
【化12】
Figure 2004078148
【0032】
電荷輸送層塗布液
テトラヒドロフランとトルエンとの8:2の混合溶媒550部に、下記の式(5)の電荷輸送剤35部、式(6)の電荷輸送剤35部、及び式(7)のポリカーボネート樹脂100部を溶解して、固形分濃度23.6重量%(電荷輸送剤濃度9.7重量%)の塗布液を調製した。電荷輸送剤は室温で容易に溶解した。
【0033】
【化13】
Figure 2004078148
【0034】
比較例1
式(5)と式(6)の電荷輸送剤の代りに式(6)の電荷輸送剤70部を用いた以外は実施例1と同様にして電荷輸送層塗布液を調製し、かつこの塗布液を用いた以外は実施例1と同様にして感光体を製造した。なお、電荷輸送剤(6)は室温では溶解し難かったため、50℃に加熱して溶解した。
【0035】
比較例2
式(5)と式(6)の電荷輸送剤の代りに下記の式(8)の電荷輸送剤70部を用いた以外は実施例1と同様にして電荷輸送層塗布液を調製し、かつこの塗布液を用いた以外は実施例1と同様にして感光体を製造した。
【0036】
【化14】
Figure 2004078148
【0037】
比較例3
式(5)と式(6)の電荷輸送剤の代りに下記の式(9)の電荷輸送剤70部を用いた以外は実施例1と同様にして電荷輸送層塗布液を調製し、かつこの塗布液を用いた以外は実施例1と同様にして感光体を製造した。
【0038】
【化15】
Figure 2004078148
【0039】
感光体の電気特性の評価1:
実施例1、及び比較例1〜3で製造した各感光体を直径80mmのアルミニウム管に巻き付け、ドラム感光体用評価装置で以下の評価を行った。
感光体をスコロトロン帯電器で−700Vに帯電させ、25℃、湿度50%の条件下で、白色光を427nm、及び501nmの各干渉フィルターを通して得られた単色光で露光して、半減露光量(Ea1/2 、表面電位が−700Vから−350Vになるのに必要な露光量)、1/5露光量(Ea1/5 、表面電位が−700Vから−140Vになるのに必要な露光量)、光量1.213μW/cm2 で露光後の電位(VL)及び残留電位(Vr)を測定した。結果を表2及び表3に示す。
【0040】
【表3】
Figure 2004078148
【0041】
【表4】
Figure 2004078148
【0042】
実施例2
式(5)の電荷輸送剤を25部、式(6)の電荷輸送剤を25部用いた以外は実施例1と同様にして電荷輸送層塗布液を調製し、かつこの塗布液を用いた以外は実施例1と同様にして感光体を製造した。
【0043】
比較例4
式(6)の電荷輸送剤を50部用いた以外は比較例1と同様にして電荷輸送層塗布液を調製し、かつこの塗布液を用いた以外は比較例1と同様にして感光体を製造した。
【0044】
比較例5
式(8)の電荷輸送剤を50部用いた以外は比較例2と同様にして電荷輸送層塗布液を調製し、かつこの塗布液を用いた以外は比較例2と同様にして感光体を製造した。
【0045】
比較例5
式(9)の電荷輸送剤を50部用いた以外は比較例3と同様にして電荷輸送層塗布液を調製し、かつこの塗布液を用いた以外は比較例3と同様にして感光体を製造した。
【0046】
感光体の電気特性の評価2:
実施例2、及び比較例4〜6で製造した各感光体を直径30mmのアルミニウム管に巻き付け、ドラム感光体用評価装置で以下の評価を行った。
感光体をスコロトロン帯電器で−700Vに帯電させ、25℃、湿度50%の条件下で、白色光を452nmの干渉フィルターを通して得られた単色光で露光して、半減露光量(Ea1/2 、表面電位が−700Vから−350Vになるのに必要な露光量)、1/5露光量(Ea1/5 、表面電位が−700Vから−140Vになるのに必要な露光量)、露光後の電位(VL)及び残留電位(Vr)を測定した。結果を表4に示す。
【0047】
【表5】
Figure 2004078148
【0048】
感光体の電気特性の評価3:
実施例2、及び比較例4〜6で製造した各感光体を直径30mmのアルミニウム管に巻き付け、ドラム感光体用評価装置で以下の評価を行った。
温度5℃、湿度10%の条件下で、感光体をスコロトロン帯電器で−700Vに帯電させ、白色光を452nmの干渉フィルターを通して得られた単色光で露光(露光強度0.65μJ/cm2 )して、露光後の経過時間に対する表面電位の変化を測定した。結果を表5に示す。
【0049】
【表6】
Figure 2004078148
【0050】
表2ないし表5より、実施例1及び2、比較例1及び4の感光体は、短波長においても感度が高く、応答性も良好であるのに対し、式(8)の電荷輸送剤を用いた比較例2及び5の感光体は、応答性は良好なものの、短波長で感度が低く、また、式(9)の電荷輸送剤を用いた比較例3及び6の感光体は、短波長で特に感度が低くなるというようなことはないが全体的に感度が低く、また応答性が悪いことが分かる。
【0051】
電荷輸送層塗布液の安定性試験:
実施例1、及び比較例1で調製した電荷輸送層塗布液を容器に密封し、5℃に保持して保存安定性を調べた。実施例1の塗布液は30日後も変化がみられなかったが、比較例1の塗布液は2日後に固形分の析出が認められた。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、電荷輸送層の塗布液としての安定性に優れ、且つ、短波長における感度が高く、応答性も良好な感光体を得ることができる。

Claims (7)

  1. 支持体上に電荷輸送剤として式(1)で示される化合物と式(2)で示される化合物とを含有している感光層を有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 2004078148
    (式中、Ar 〜Ar は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基を示し、Ar 及びAr は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリーレン基を示す。R は置換基を有していてもよいアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示す)
    Figure 2004078148
    (式中、Ar 〜Ar10は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基を示し、Ar11及びAr12は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリーレン基を示す。Zは置換基を有していてもよい炭素数4〜8の飽和炭化水素環を示す)
  2. 式(1)で示される化合物と式(2)で示される化合物とが、両者の合計重量に対して式(1)の化合物が20〜95重量%となるように含有されていることを特徴とする請求項(1)記載の電子写真感光体。
  3. Ar1 〜Ar 及びAr 〜Ar10が、それぞれ独立して、フェニル基又はトリル基であり、Ar 、Ar 、Ar11及びAr12が、それぞれ独立して、フェニレン基又はトリレン基であることを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真感光体。
  4. 感光層が電荷発生剤として式(3)で示される化合物を含有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電子写真感光体。
    Figure 2004078148
    (式中、Rは環にアルキル基を有していてもよい炭素数4〜20のシクロアルキルアルキル基を表し、Yは
    Figure 2004078148
    を表す。なお、環Xは置換基を有していてもよい。)
  5. 380nm〜500nmの単色光で露光して感光させるものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の電子写真感光体。
  6. 支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を有する電子写真感光体の製造方法において、電荷輸送層の形成を、式(1)で示される化合物と式(2)で示される化合物とを、式(1)/式(2)の重量比で95/5〜20/80の比で含有する溶液を塗布することにより行うことを特徴とする方法。
    Figure 2004078148
    (式中、Ar 〜Ar は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基を示し、Ar 及びAr は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリーレン基を示す。R は置換基を有していてもよいアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示す)
    Figure 2004078148
    (式中、Ar 〜Ar10は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基を示し、Ar11及びAr12は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリーレン基を示す。Zは置換基を有していてもよい炭素数4〜8の飽和炭化水素環を示す)
  7. Ar 〜Ar 及びAr 〜Ar10が、それぞれ独立して、フェニル基又はトリル基であり、Ar 、Ar 、Ar11及びAr12が、それぞれ独立して、フェニレン基又はトリレン基であることを特徴とする請求項6記載の方法。
JP2003036720A 2002-06-20 2003-02-14 電子写真感光体の製造方法 Expired - Fee Related JP4200781B2 (ja)

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