JP5614010B2 - 電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジおよび画像形成装置 - Google Patents
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第1の本発明において、3級アルキルアミンの含有量は、エナミン化合物の総質量に対して0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましい。これにより、塗布液中において、エナミン化合物が分解するのを効果的に抑制し、また、感光体の残留電位の増加を防ぐことができる。
このような3級アルキルアミンを用いることにより、塗布液中におけるエナミンの分解をより効果的に抑制することができる。
このようなポリアリレート樹脂を用いることにより、感光体の電気特性および耐磨耗性をより良好にすることができる。
本発明の電子写真感光体は、感光層中に少なくともエナミン化合物、および、3級アルキルアミンを含有することを特徴とする。電子写真感光体の感光層が後に説明する積層型の場合には、電荷輸送層に、エナミン化合物、3級アルキルアミン、バインダー樹脂、溶剤、その他に必要に応じて酸化防止剤、レベリング剤、その他添加物を含むものである。
また、電子写真感光体の感光層が、後に説明する単層型の場合には、前述の積層型感光体の電荷輸送層に用いられる成分に加えて電荷発生材料、電子輸送材料を用いるのが一般的である。
本発明で用いられるエナミン化合物は、分子中に下記式(1)で表される部分構造を有するエナミン化合物であれば、いかなるものであってもよい。
なお、上記アルキル基、アルコキシ基が有してもよい置換基としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等が挙げられる。
Ar6、Ar7はそれぞれ独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基を表し、Ar6、Ar7のうち少なくとも一つは置換基を有していてもよいアリール基である。
置換基を有していてもよいアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ターシャリブチル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。また、アリール基の例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基等が挙げられる。アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。アラルキルオキシ基の例としては、ベンジルオキシ基等が挙げられる。アリールオキシ基の例としては、フェノキシ基、1−ナフトキシ基等が挙げられる。アリール基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、および、アリールオキシ基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等が挙げられる。
連結基X1の具体例としては、置換基を有していてもよい複素環を有する基、置換基を有していてもよい芳香族性を有する環(以下、適宜「芳香環」と言う。)を有する基、置換基を有していてもよい縮合多環を有する基、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を有する基、−O−(CH2)n−O−、等が挙げられる。なお、連結基X1は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
連結基X1が置換基を有していてもよい縮合多環を有する基である場合、縮合多環としては、テトラリン、アズレン、フルオレンが好ましく、テトラリン、フルオレンがより好ましく、フルオレンが更に好ましい。
連結基X1が置換基を有していても脂肪族炭化水素基を有する基である場合、脂肪族炭化水素基としては、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アルキリデン基が好ましい。
連結基X1がアルキレン基である場合、炭素数が、通常1以上、好ましくは2以上、また、通常20以下、好ましくは15以下、更に好ましくは10以下であるアルキレン基が好ましい。
連結基X1がアルケニレン基である場合、炭素数が、通常2以上、また、通常20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下であるアルケニレン基が好ましい。
連結基X1がアルキニレン基である場合、炭素数が、通常2以上、また、通常20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下であるアルキニレン基が好ましい。
連結基X1がアルキリデン基である場合、炭素数が、通常2以上、好ましくは3以上、また、通常9以下、好ましくは6以下であるアルキリデン基が好ましい。
連結基X1が置換基を有していてもよい複素環を有する基である場合、連結基X1は、窒素、酸素、および、硫黄から選ばれる1以上を有するものが挙げられ、具体的には、連結基X1としては、例えば、インドール環を有する2価基、オキサゾール環を有する2価基、イソオキサゾール環を有する2価基、オキサジアゾール環を有する2価基、チオフェン環を有する2価基等のヘテロアリール環を有する2価基などが挙げられる。
上記式(8)中、R16、R17、R18、R19はそれぞれ独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基を表し、これらの中でも、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基が好ましく、電荷輸送能の面から水素原子がより好ましい。アルキル基、アリール基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等が挙げられる。中でも、R16、R17、R18、R19のすべてが水素原子であることがより好ましい。Ar14は置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントリレン基が、例として挙げられ、この中でも電子写真感光体の特性を考慮すると、フェニレン基、ナフチレン基が好ましく、より好ましくはフェニレン基である。アリーレン基が有してもよい置換基としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等が挙げられる。kは1〜3の整数を表す。kの数が大きくなるとエナミン化合物の溶解性の低下を招く可能性があることから、好ましくは2以下、更に好ましくは1である。
以下に本発明に好適なエナミン化合物の構造を例示する。以下の構造は本発明をより具体的にするために例示するものであり、本発明の概念を逸脱しない限りは下記構造に限定されるものではない。
エナミン系化合物は溶液中における化合物の安定性が低く、塗布液中において加水分解してアルデヒド基を有する化合物を生成しやすいという特徴がある。分解が進行した塗布液を用いて作製した電子写真感光体はアルデヒドの影響で残留電位が高くなるため、感光体中のアルデヒド量は少ないことが好ましい。感光体中のアルデヒド量は、全エナミン化合物の総質量に対して通常1000ppm以下、好ましくは700ppm以下、より好ましくは500ppm以下、特に好ましくは400ppm以下である。エナミンの分解は酸成分があると進行しやすく、特にポリアリレートを用いた場合、末端に残存するカルボン酸成分のために、特別な管理方法を用いない限り、アルデヒド量は1000ppm以上になるのが普通であった。本発明の電子写真感光体を得るための手段として、塗布液の水分量の管理、塗布液の温度の管理、使用する樹脂の選択、3級アルキルアミンの添加、2級アミンの添加等が挙げられる。以下では、これらについて詳細に説明するが、本発明の効果が得られればこれらの方法に限るものではない。
本発明の電子写真感光体の感光層を形成するために用いられる塗布液は、少なくともエナミン系化合物、および、3級アルキルアミンを含有する溶液、又は分散液である。電子写真感光体の感光層が、後に説明する積層型感光体の場合には、塗布液は、主に電荷輸送層形成用塗布液として使われ、エナミン化合物、3級アルキルアミン、バインダー樹脂、溶剤、その他に必要に応じて酸化防止剤、レベリング剤、その他添加物を含むものである。また、電子写真感光体の感光層が、後に説明する単層型の場合には、電荷輸送層形成用塗布液の成分に加えて電荷発生材料、電子輸送材料を用いるのが一般的である。これらを塗布することにより電子写真感光体を製造することができる。
溶剤を加熱する場合の温度は、容器を大気圧に開放している場合は、40℃以上であって、溶剤中に含まれる化合物のうち、最も沸点の低い化合物の沸点より10℃以上低い温度範囲で加熱することができる。塗布液の製造は、容器を密閉して行っても構わない。この場合、密閉可能な容器に塗布液を構成する原料をすべて入れ、撹拌混合しながら、内温を30℃以上100℃以下に加熱し、1時間以上10時間以下維持することにより塗布液を製造することができる。但し、塗布液の液安定性を勘案すれば、40℃以下で、好ましくは30℃以下、より好ましくは20℃以下で溶解させることが好ましい。
使用可能な3級アルキルアミンは、下記一般式(A1)で表される化合物である。Ra、Rb、Rxはそれぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基である。Ra、Rb、Rxのうちの2つが結合して環を形成してもよい。
有してもよい置換基としては、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン基等が挙げられる。これらの置換基は更に別の置換基を有してもよい。
Ra、Rb、Rxは、それぞれ独立に一般式(A2)で表されるが、分解抑制の観点からRa、Rb、Rxのうち少なくとも1つは、Rc〜Reがアリール基でないことが好ましく、Ra、Rb、Rxのうち少なくとも2つが、Rc〜Reがアリール基でないことがより好ましく、Ra、Rb、Rxのうちのいずれも、Rc〜Reがアリール基でないことがさらに好ましい。
また、3級アルキルアミンの沸点が、電子写真感光体作製時の乾燥温度以下であることが好ましい。この場合、乾燥時にアルキルアミンが蒸発するために、電気特性の悪化を生じない。例えば、沸点89.4℃のトリエチルアミンを、120℃で乾燥させることにより蒸発し、良好な電気特性の感光体を作製することができる。
本発明の電子写真感光体に用いる導電性支持体としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫等の導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状等のものが用いられる。金属材料の導電性支持体に、導電性、表面性等の制御のためや欠陥被覆のために、適当な抵抗値をもつ導電性材料を塗布したものでもよい。
処理時間は10分以上、好ましくは20分以上処理するのが好ましい。なお、この場合も被膜物性を改良するために酢酸ナトリウム、有機カルボン酸、アニオン系、ノニオン系界面活性剤等を酢酸ニッケル水溶液に添加してもよい。次いで水洗、乾燥して高温封孔処理を終える。平均膜厚が厚い場合には、封孔液の高濃度化、高温・長時間処理により強い封孔条件を必要とする。従って生産性が悪くなると共に、被膜表面にシミ、汚れ、粉ふきといった表面欠陥を生じやすくなる。このような点から、陽極酸化被膜の平均膜厚は通常20μm以下、特に7μm以下で形成されることが好ましい。
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性やブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けてもよい。下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散させたもの等が用いられる。また、下引き層は、単一層であっても、複数層を設けても構わない。
下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子等が挙げられる。これらは一種類の粒子を単独で用いてもよいし、複数の種類の粒子を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理を施されていてもよい。これらの処理は何れか1種でもよく、2種以上が施されていてもよい。
金属酸化物粒子の粒径としては種々のものが利用できるが、中でも下引き層の原料であるバインダー樹脂等の特性及び液の安定性の面から、平均一次粒径として通常10nm以上、また、通常100nm以下、好ましくは50nm以下のものが望ましい。この平均一次粒径は、TEM写真から計測によって求められたもので定義される。
下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ニトロセルロース等のセルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物等の有機ジルコニウム化合物、チタニルキレート化合物、チタニルアルコキシド化合物等の有機チタニル化合物、シランカップリング剤等が挙げられる。なお、これらは単独で用いてもよく、あるいは2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、硬化剤とともに硬化した形で使用してもよい。中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は、良好な分散性及び塗布性を示し、好ましい。
下引き層形成用塗布液に金属酸化物粒子を含有する場合、該金属酸化物粒子は塗布液中に分散されて存在する。塗布液中に金属酸化物粒子を分散させるには、例えば、ボールミル、サンドグラインドミル、遊星ミル、ロールミルなどの公知の機械的な粉砕装置で有機溶媒中にて湿式分散することにより製造することができるが、分散メディアを利用して分散することが好ましい。
分散メディアは通常、真球に近い形状をしているため、例えばJIS Z 8801:2000等に記載のふるいによりふるい分けする方法や、画像解析により測定することにより平均粒子径を求めることができ、アルキメデス法により密度を測定することができる。
具体的には例えば、ニレコ社製のLUZEX50等に代表される画像解析装置により、平均粒子径と真球度を測定することが可能である。分散メディアの平均粒子径としては、通常5μm以上200μm以下のものが用いられ、特に10μm以上100μm以下であるのが好ましい。一般に小さな粒径の分散メディアの方が、短時間で均一な分散液を与える傾向があるが、過度に粒径が小さくなると分散メディアの質量が小さくなりすぎて効率よい分散ができなくなる。
分散メディアの材質としては、下引き層形成用塗布液に不溶、且つ、比重が下引き層形成用塗布液より大きなものであって、下引き層形成用塗布液と反応したり、下引き層形成用塗布液を変質させたりしないものであれば、公知の如何なる分散メディアも使用することができる。例えば、クローム球(玉軸受用鋼球)、カーボン球(炭素鋼球)等のスチール球;ステンレス球;窒化珪素球、炭化珪素、ジルコニア、アルミナ等のセラミック球;窒化チタン、炭窒化チタン等の膜でコーティングされた球等が挙げられるが、これらの中でもセラミック球が好ましく、特にはジルコニア焼成ボールが好ましい。より具体的には、特許第3400836号公報に記載のジルコニア焼成ビーズを用いることが特に好ましい。
導電性支持体上に形成された感光層としては、電荷発生物質と電荷輸送物質が同一層に存在し、バインダー樹脂中に分散された単層構造のものであっても、若しくは電荷発生物質がバインダー中に分散された電荷発生層と電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層とに機能分離された積層構造のものの何れであってもよい。本発明においては、必要に応じて、電荷発生物質、染顔料を使用することが好ましい。具体例としては、例えば、セレニウム及びその合金、硫化カドミウム、その他無機系光導電材料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料等の有機顔料等各種光導電材料が使用でき、特に有機顔料、更にはフタロシアニン顔料、アゾ顔料が好ましい。
本発明においては、電荷輸送物質として前述したエナミン化合物を用いることが必須であるが、その他の任意の公知の電荷輸送物質を併用することが可能である。公知の電荷輸送物質の例としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物等の電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等が挙げられる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、ヒドラゾン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましい。これらの電荷輸送物質は、何れか1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせで併用してもよい。なお、本発明に係わるエナミン化合物と、公知の他の電荷輸送物質とを併用する場合は、併用する電荷輸送物質の電荷輸送物質全量における含有比率は、特に制限されないが、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
電荷発生層と電荷輸送層を有する機能分離型感光体の電荷輸送層及び単層型感光体の感光層形成の際は、膜強度確保のため、および、化合物を分散させるためバインダー樹脂が使用される。機能分離型感光体の電荷輸送層の場合、電荷輸送物質と各種バインダー樹脂とを溶剤に溶解、あるいは分散して得られる塗布液を塗布、乾燥して得ることができる。
また、単層型感光体の場合、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダー樹脂を溶剤に溶解、あるいは分散して得られる塗布液を塗布、乾燥して得ることができる。バインダー樹脂としては、例えば、ブタジエン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は珪素試薬等で修飾されていてもよい。上記バインダー樹脂のうち、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂が好ましい。
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等の芳香族環上に置換基を有しないビスフェノール化合物;
ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族環上に置換基としてアリール基を有するビスフェノール化合物;
ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン等、
ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)シクロヘキサン等、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−(sec−ブチル)フェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)シクロヘキサン等の芳香族環上に置換基としてアルキル基を有するビスフェノール化合物;
ビス(4−ヒドロキシフェニル)(フェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)(ジフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)(ジベンジル)メタン等の芳香族環を連結する2価基が置換基としてアリール基を有するビスフェノール化合物;
本発明の電子写真感光体におけるバインダー樹脂としては、得られた感光体が耐摩耗性に優れる点から、ポリアリレート樹脂を用いることが好ましい。ポリアリレート樹脂としては、一般式(A)で表される繰返し構造を有するものを用いることが好ましい。
一方で、ポリアリレート樹脂は、末端にカルボン酸が残存するために塗布液中においてエナミン化合物を分解させやすい。
また、一方で感光層の熱安定性の点から、通常は150質量部以下、電荷輸送物質とバインダー樹脂の相溶性の点からは好ましくは120質量部以下、耐刷性の点からは100質量部以下がより好ましく、耐傷性の点からは80質量部以下が特に好ましい。
なお、感光層には成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性等を向上させるために周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤、増感剤、染料、顔料、界面活性剤等の添加剤を含有させてもよい。酸化防止剤の例としては、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物等が挙げられる。また染料、顔料の例としては、各種の色素化合物、アゾ化合物等が挙げられ、界面活性剤の例としては、シリコ−ンオイル、フッ素系オイル等が挙げられる。
感光体を構成する各層は、各層を構成する材料を含有する塗布液を、支持体上に公知の塗布方法を用い、各層ごとに塗布・乾燥工程を繰り返し、順次塗布していくことにより形成される。
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
ここでは、接触方式の例を示しているが、非接触の方式もあり、ジャンピング現像が挙げられる。
以上のように構成された電子写真装置では、次のようにして画像の記録が行われる。即ち、まず感光体1の表面(感光面)が、帯電装置2によって所定の電位(例えば−600V)に帯電される。この際、直流電圧により帯電させてもよく、直流電圧に交流電圧を重畳させて帯電させてもよい。
なお、以下において、実施例7について「実施例」は「参考例」と読み替えるものとする。
(製造例1)
下記の繰返し構造で表されるポリエステル樹脂100部(樹脂1、粘度平均分子量40,000)、電荷輸送物質として下記式で表される化合物(CTM1)を50部、3級アルキルアミンとして例示化合物B1を0.05部、酸化防止剤として下記式で表される化合物(AOX1)8部、及びレベリング剤としてシリコーンオイル0.03部をテトラヒドロフラン/トルエン(8/2(質量比))混合溶媒640部に溶解させて電荷輸送層形成用塗布液を調製した。このとき、塗布液中のカールフィッシャー水分計による水分量は0.2%だった。
末端カルボン酸基量:15μeq/g
末端OH基量:10μeq/g
末端酸クロライド基量:0.010μeq/g
製造例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた例示化合物B1の代わりに、例示化合物B2の3級アルキルアミンを用いた以外は、製造例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
製造例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた例示化合物B1の代わりに、例示化合物B8の3級アルキルアミンを用いた以外は、製造例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
製造例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた例示化合物B1の代わりに、例示化合物B13の3級アルキルアミンを用いた以外は、製造例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
製造例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた例示化合物B1の代わりに、例示化合物B15の3級アルキルアミンを用いた以外は、製造例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
製造例5の電荷輸送層形成用塗布液に用いたCTM1の代わりに、下記式で表される化合物(CTM2)を用いた以外は、製造例5と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
製造例5の電荷輸送層形成用塗布液に用いたCTM1の代わりに、下記式で表される化合物(CTM3)を用いた以外は、製造例5と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
製造例5の電荷輸送層形成用塗布液に用いたポリエステル樹脂(樹脂1)の代わりに、下記の繰返し構造で表されるポリエステル樹脂(樹脂2、粘度平均分子量40,000)を用いた以外は、製造例5と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
末端カルボン酸基量:11μeq/g
末端OH基量:14μeq/g
末端酸クロライド基量:0.010μeq/g
製造例5の電荷輸送層形成用塗布液に用いたポリエステル樹脂(樹脂1)の代わりに、下記の繰返し構造で表されるポリエステル樹脂(樹脂3、粘度平均分子量31,000)を用いた以外は、製造例5と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
末端カルボン酸基量:50μeq/g
末端OH基量:6μeq/g
末端酸クロライド基量:0.011μeq/g
製造例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた3級アルキルアミンである例示化合物B1を用いない以外は、製造例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
製造例7の電荷輸送層形成用塗布液に用いた3級アルキルアミンである例示化合物B15を用いない以外は、製造例7と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
製造例9の電荷輸送層形成用塗布液に用いた3級アルキルアミンである例示化合物B15を用いない以外は、製造例9と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
製造例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた例示化合物B1の代わりに、下記式(Ad1)で表される化合物を1部用いた以外は、製造例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
製造例1の電荷輸送層形成用塗布液に用いた電荷輸送物質(CTM1)の代わりに、下記式に示す構造を主体とする、特開2002−080432号公報記載の組成物(CTM4)を用い、3級アルキルアミンである例示化合物B1を用いない以外は、製造例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
試料を塩化メチレンに溶解し濃度Cが6.00g/Lの溶液を調製した。溶媒(塩化メチレン)の流下時間t0が136.21秒のウベローデ型毛管粘度計を用いて、20.0℃に設定した恒温水槽中で試料溶液の流下時間tを測定した。以下の式に従って粘度平均分子量Mvを算出した。
a=0.438×ηsp+1 ηsp=t/t0−1
b=100×ηsp/C C =6.00(g/L)
η=b/a
Mv=3207×η1.205
トールビーカーに約0.4gのポリアリレート樹脂を精秤し、ベンジルアルコール25mL加え、195℃のオイルバスにて加熱溶解させた。完全溶解を確認の上、オイルバスから取り出し溶液を冷却した。冷却後エチルアルコール2mLをトールビーカーの壁を伝わせ静かに入れる。
この溶液を、自動滴定装置(GT100、三菱化学製)を用い、0.01N−NaOHベンジルアルコール溶液で滴定した。
別途、溶媒のベンジルアルコールのみを0.01N−NaOHベンジルアルコール溶液で滴定しブランク値を求めた。
また、0.01N−NaOHベンジルアルコール液のファクターは、下記の方法で求めた。
(1)0.1N 塩酸(HCL)(容量分析用試薬 既知規定液(FHCL)10mLをホールピペットで正確に100mLメスフラスコに入れ、脱塩水で標線を合わせ均一混合した。
(2)(1)の調製液1,2,4mLをホールピペットで正確に滴定用トールビーカに秤取る。
(3)それぞれにベンジルアルコール25mL、エチルアルコール2mLを加える。
(4)自動滴定装置(GT100、三菱化学製)を用い、0.01N−NaOHベンジルアルコール溶液で滴定した。
(5)計算:(1)の塩酸調整液量(X軸)に対するNaOHベンジルアルコール滴定液量(Y軸)をプロットし、その傾きをSとする。
0.01N−NaOHベンジルアルコール溶液のファクターF=FHCL/S
・末端COOH基={(A−B)×F×10}/W
・末端COOH基:当量/106g(=μeq/g)
A:測定滴定量(mL)
B:ブランク滴定量(mL)
F:0.01N NaOHベンジルアルコール液のファクター
W:ポリアリレート樹脂量(g)
約0.2gのポリアリレート樹脂を精秤し塩化メチレン10mLに溶解した。これに5%酢酸/塩化メチレン溶液を5mL加え、更に四塩化チタン溶液(*1)10mLを添加して発色させたのち、全液量を25mLに調整した。この溶液を分光光度計を用い480nmの波長の吸光度を測定した(*1:塩化メチレン450mL、5%酢酸/塩化メチレン溶液5mL、四塩化チタン12.5mLの混合溶液)。別途、測定するポリアリレート樹脂と同組成のビスフェノール化合物(組成物)の塩化メチレン溶液を用いて吸光係数を求め、樹脂中のOH基量を定量した。
約1gのポリアリレート樹脂を精秤し、塩化メチレン20mLを加え溶解した。これに4−(p−ニトロベンジル)ピリジンの1wt%塩化メチレン溶液を2mL加え発色させたのち、全液量を25mLに調整した。この溶液を分光光度計を用い440nmの波長の吸光度を測定した。別途塩化ベンゾイルの塩化メチレン溶液を用い吸光係数を求め、樹脂中のCF基量を定量した。
(実施例1)
平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3質量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、ヘンシェルミキサーにて混合して得られた表面処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの質量比が7/3の混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、表面処理酸化チタンの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒及び、ε−カプロラクタム[下記式(A)で表わされる化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(B)で表わされる化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(C)で表わされる化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(D)で表わされる化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(E)で表わされる化合物]の組成モル比率が、60%/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行なうことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの質量比が7/1/2で、表面処理酸化チタン/共重合ポリアミドを質量比3/1で含有する、固形分濃度18.0%の下引き層形成用塗布液を作製した。
更に、製造例1で作製した電荷輸送層形成用塗布液を温度25℃で2ヶ月間保存した後に、同様にして電子写真感光体を作製した。
電子写真学会測定標準に準拠した電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、第404頁〜405頁記載)を使用し、感光体ドラムを一定回転数で回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行った。初期表面電位を−700V、露光光として780nm、除電光として660nmの単色光を用い、露光光を1.0μJ/cm2照射した時点の表面電位(VL)を測定した。VL測定に際しては、露光から電位測定に要する時間を100msとした。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%(NN環境)で行った。VL値の絶対値が小さいほど応答性が良い(単位:−V)。結果を表5に示す。
電子写真感光体の感光層をテトラヒドロフランで剥離し、高速液体クロマトグラフィーによる測定を行った。アルデヒドの標品、エナミン化合物の標品を用いて、それぞれについて検量線を作製し、全エナミン量に対する、アルデヒド量を計算した。
上記感光体シートを直径10cmの円状に切断しテーバー摩耗試験機(Taber社製)により、摩耗評価を行った。試験条件は、23℃、50%RHの雰囲気下、摩耗輪CS−10Fを用いて、荷重なし(摩耗輪の自重)で1000回回転後の摩耗量を試験前後の質量を比較することにより測定した。
実施例1において用いた製造例1で作製した電荷輸送層形成用塗布液の代わりに、製造例2〜9で作製した電荷輸送層形成用塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表5に示した。
実施例1において用いた製造例1で作製した電荷輸送層形成用塗布液の代わりに、比較製造例1〜5で作製した電荷輸送層形成用塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表5に示した。
表面が鏡面仕上げされた外径30mm、長さ376mm、肉厚0.75mmのアルミニウム製シリンダーの表面に、陽極酸化処理を行ない、その後、酢酸ニッケルを主成分とする封孔剤によって封孔処理を行なうことにより、約6μmの陽極酸化被膜(アルマイト被膜)を形成した。このシリンダーを実施例1で作製した電荷発生層形成用塗布液、製造例1で作製した電荷輸送層形成用塗布液を順次浸漬塗布し、乾燥後の膜厚がそれぞれ0.4μm、18μmとなるように電荷発生層、電荷輸送層を形成し、電子写真感光体ドラムを得た。
4連タンデム
カラー36ppm、モノクロ40ppm
1200dpi
接触ローラ帯電(直流電圧印加)
LED露光
除電光あり
25℃で2ヶ月間保存した電荷輸送層形成用塗布液を用いて、同様の実験を行ったところ、初期、及び30,000枚画像形成後ともに、ゴースト、カブリ、濃度低下等の画像劣化の無い、良好な画像が得られた。
実施例10において用いた、製造例1で作製した電荷輸送層形成用塗布液の代わりに、比較製造例5で作製した電荷輸送層形成用塗布液(2ヶ月間保存した液)を用いた以外は実施例10と同様にして電子写真感光体を作製し、画像評価を行った。
温度35℃、湿度80%の環境で、初期、及び30,000枚画像形成を行ったところ、耐刷試験末期において、ネガゴーストが発生した。
表面が粗切削(Rmax=0.8)された外径30mm、長さ254mm、肉厚0.75mmのアルミニウム合金よりなるシリンダーを、実施例1で作製した下引き層形成用塗布液に浸漬塗布し、膜厚約1.3μmの下引き層を形成した。このシリンダーを実施例1で作製した電荷発生層形成用塗布液、製造例1で作製した電荷輸送層形成用塗布液を順次浸漬塗布し、乾燥後の膜厚がそれぞれ0.3μm、25μmとなるように電荷発生層、電荷輸送層を形成し、電子写真感光体ドラムを得た。
表面が粗切削(Rmax=1.0)された外径30mm、長さ346mm、肉厚1.0mmのアルミニウム合金よりなるシリンダーの表面に、陽極酸化処理を行い、その後酢酸ニッケルを主成分とする封孔剤によって封孔処理を行うことにより、約6μmの陽極酸化被膜(アルマイト被膜)を形成した。
このシリンダーを実施例1で調製した下引き層形成用塗布液に浸漬塗布し、乾燥後の膜厚約1.3μmの下引き層を形成した。このシリンダーを実施例1で作製した電荷発生形成用塗布液、製造例1で作製した電荷輸送層形成用塗布液を順次浸漬塗布し、乾燥後の膜厚がそれぞれ0.3μm、25μmとなるように電荷発生層、電荷輸送層を形成し、電子写真感光体ドラムを得た。
作製直後の塗布液、25℃で2ヶ月間保存した塗布液、いずれを用いた場合にも、初期、及び30,000枚画像形成後ともに、ゴースト、カブリ、濃度低下等の画像劣化の無い、良好な画像が得られた。
表面が粗切削(Rmax=1.2)された外径30mm、長さ350mm、肉厚1.0mmのアルミニウム合金よりなるシリンダーを、実施例1で調製した下引き層形成用塗布液に浸漬塗布し、膜厚約2μmの下引き層を形成した。このシリンダーを実施例1で作製した電荷発生形成用塗布液、製造例1で作製した電荷輸送層形成用塗布液を順次浸漬塗布し、乾燥後の膜厚がそれぞれ0.3μm、26μmとなるように電荷発生層、電荷輸送層を形成し、電子写真感光体ドラムを得た。
この感光体を市販のデジタル複合機(ミノルタ社製、DiALTA Di350、A4横送りで35枚/分、スコロトロン帯電、2成分現像、解像度600dpi×600dpi)に装着して常温常湿下において50,000枚のプリントを行った。
作製直後の塗布液、25℃で2ヶ月間保存した塗布液、いずれを用いた場合にも、初期、及び50,000枚画像形成後ともに、ゴースト、カブリ、濃度低下等の画像劣化の無い、良好な画像が得られた。
表面が鏡面仕上げされた外径30mm、長さ285mm、肉厚1.0mmのアルミニウム合金よりなるシリンダーの表面に陽極酸化処理を行い、その後、酢酸ニッケルを主成分とする封孔剤によって封孔処理を行うことにより、約6μmの陽極酸化被膜(アルマイト被膜)を形成した。このシリンダーを後述する電荷発生形成用塗布液、製造例1で作製した電荷輸送層形成用塗布液を順次浸漬塗布し、乾燥後の膜厚がそれぞれ0.4μm、20μmとなるように電荷発生層、電荷輸送層を形成し、電子写真感光体ドラムを得た。
作製した感光体ドラムを、エプソン社製カラーレーザープリンターLP2000C(4サイクル、スコロトロン帯電、レーザー露光、ジャンピング現像)に搭載し、初期、及び6,000枚画像形成を行った。
作製直後の塗布液、25℃で2ヶ月間保存した塗布液、いずれを用いた場合にも、初期、及び6,000枚画像形成後ともに、ゴースト、カブリ、濃度低下等の画像劣化の無い、良好な画像が得られた。
実施例14において、電荷輸送層形成用塗布液として、製造例6で作製した塗布液を用いた以外は、実施例14と同様に電子写真感光体ドラムを作製し、同様にして画像形成試験を実施した。その結果、作製直後の塗布液、及び25℃で2ヶ月間保存した塗布液、いずれを用いた場合においても、初期、および、6000枚画像形成後ともに、ゴースト、かぶり、濃度低下等の画像劣化の無い、良好な画像が得られた。
実施例14において、電荷輸送層形成用塗布液として、製造例7で作製した塗布液を用いた以外は、実施例14と同様に電子写真感光体ドラムを作製し、同様にして画像形成試験を実施した。その結果、作製直後の塗布液、及び25℃で2ヶ月間保存した塗布液、いずれを用いた場合においても、初期においては、かぶり、画像濃度低下は見られなかった。ただし、いずれにおいても初期画像濃度が低く、十分な黒ベタ濃度は得られなかった。また、いずれにおいても6,000枚画像形成後に薄いゴーストが見られた。
2 帯電装置(帯電ローラ;帯電部)
3 露光装置(露光部)
4 現像装置(現像部)
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙,媒体)
Claims (9)
- 前記3級アルキルアミンの含有量が、エナミン化合物の総質量に対して0.01質量%以上10質量%以下である、請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記電子写真感光体が、ポリアリレート樹脂を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体、少なくとも該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該電子写真感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段、および、前記トナーを被転写体に転写する転写手段を備えてなる画像形成装置。
- 前記帯電手段が、接触帯電方式である、請求項6に記載の画像形成装置。
- 電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該電子写真感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段、および、前記トナーを被転写体に転写する転写手段からなる群から選ばれる少なくとも一つと、請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体とを備えてなる電子写真感光体カートリッジ。
- 前記帯電手段が、接触帯電方式である、請求項8に記載の電子写真感光体カートリッジ。
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