JP5369513B2 - 電子写真感光体及び該電子写真感光体を用いる画像形成装置 - Google Patents
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更に、前記感光層が、2乃至10個の硫黄酸誘導体構造を有する化合物とヒンダードフェノール系酸化防止剤とを含有することが好ましく、前記硫黄酸誘導体構造が、硫黄酸エステルであることが好ましく、記硫黄酸誘導体構造を有する化合物が、下記式(1)で表される化合物であることが好ましい。
また本発明は、電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した該電子写真感光体に対し像露光を行い、静電潜像を形成する像露光手段と、この静電潜像をトナーで現像する現像手段と、トナーを被転写体に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、上記電子写真感光体を用いることを特徴とする画像形成装置を提供するものである。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に、複数種の電子吸引性の化合物を含有する感光層を有する電子写真感光体である。本発明における電子吸引性の化合物とは、LUMOのエネルギーレベルの値が、−1.0eVから−3.0eVの範囲である化合物のことを示す。
LUMOのエネルギーレベルの値は、PM3パラメーターを使った半経験的分子軌道計算を用いた構造最適化による(以下これを単に、「半経験的分子軌道計算による」と略記する)。LUMOのエネルギーレベルの絶対値が1.0eVよりも小さくなると、電子吸引性の効果が小さくなり、本発明の効果を充分に発揮することが困難になる。また、LUMOのエネルギーレベルの絶対値が3.0eVを超えると、電子写真感光体の帯電性能が低下する場合がある。したがって、LUMOのエネルギーレベルの絶対値は、より好ましくは1.5eV以上であり、更に好ましくは1.7eV以上であり、特に好ましくは1.9eV以上である。また、2.7eV以下がより好ましく、更に好ましくは2.5eV以下である。
好適に用いられる電子吸引性化合物としては、具体的には、スルホン酸エステル化合物、カルボン酸エステル化合物、有機シアノ化合物、ニトロ化合物、芳香族ハロゲン誘導体があげられるが、より好ましくは、スルホン酸エステル化合物、有機シアノ化合物、であり、更にはスルホン酸エステル化合物が好ましい。また、スルホン酸エステル構造を分子内に1個以上有することが好ましく、2個以上有することがより好ましく、更に好ましくは3個以上であって、10個以下が好ましく、更に好ましくは5個以下である。
以下に、本発明における代表的な電子吸引性化合物の例と、当該化合物のLUMOのエネルギーレベルの値をあげるが、本発明における電子吸引性化合物は、これらに限定されるものではない。
本発明の電子写真感光体は、感光層中に2乃至10個の硫黄酸誘導体構造を有する化合物とヒンダードフェノール系酸化防止剤とを含有することが好ましい。
本発明における2乃至10個の硫黄酸誘導体構造を有する化合物は、例えば、硫黄酸エステル構造に代表されるような、硫黄酸を由来とする硫黄酸誘導体構造を有するものであって、しかも該硫黄酸誘導体構造の個数が2乃至10個のものである。ここで本発明における硫黄酸とは、硫黄から誘導される酸成分であり、例えば、スルホン酸、スルフィン酸、スルフェン酸等が挙げられ、発明の効果を高める意義から、スルホン酸から誘導される化合物が好ましい。本発明においては、無機硫黄酸誘導体構造は、電気特性の悪化を招く場合があるため、有機硫黄酸誘導体構造を有することが好ましい。
式(1)において、R1は、好ましくは炭素数15以下の有機基であり、更に好ましくは炭素数10以下の有機基である。また、R1は、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよい芳香族基、又は、置換基を有してもよい縮合多環基であることが好ましい。
メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;
フェノキシ基等のアリールオキシ基;
フェニル基、ナフチル基等のアリール基;
ホルミル基;
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等のアルコキシカルボニル基;
フェノキシカルボニル等のアリールオキシカルボニル基;
アセトキシ基等のアシルオキシ基;
メトキシスルホニル、エトキシスルホニル等のアルコキシスルホニル基;
アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基、トルオイル基、ナフトイル基、等のアシル基;
フッ素、塩素、臭素等のハロゲン基;
ニトロ基;シアノ基;アゾ基;
等が挙げられる。
メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;
フェノキシ基等のアリールオキシ基;
フェニル基、ナフチル基等のアリール基;
ホルミル基;
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等のアルコキシカルボニル基;
フェノキシカルボニル等のアリールオキシカルボニル基;
アセトキシ基等のアシルオキシ基;
メトキシスルホニル、エトキシスルホニル等のアルコキシスルホニル基;
アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基、トルオイル基、ナフトイル基、等のアシル基;
フッ素、塩素、臭素等のハロゲン基;
ニトロ基;シアノ基;アゾ基;
等が挙げられる。
基礎編II 改訂4版」、丸善株式会社、平成5年9月30日発行、p.364〜365等 に記載されており、以下に示す。
<導電性支持体>
本発明の電子写真感光体に用いる導電性支持体としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫等
の導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状等のものが用いられる。金属材料の導電性支持体に、導電性、表面性等の制御のためや欠陥被覆のために、適当な抵抗値をもつ導電性材料を塗布したものでもよい。
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性やブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けてもよい。下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したもの等が用いられる。また、下引き層は、単一層であっても、複数層を設けてもかまわない。
が、通常はバインダー樹脂100重量部に対して、10重量部以上500重量部以下の範囲で使用することが、塗布液の安定性、塗布性の面で好ましい。
下引き層形成用塗布液に金属酸化物粒子を含有する場合、該金属酸化物粒子は塗布液中に分散されて存在する。塗布液中に金属酸化物粒子を分散させるには、例えば、ボールミル、サンドグラインドミル、遊星ミル、ロールミルなどの公知の機械的な粉砕装置で有機溶媒中にて湿式分散することにより製造することができるが、分散メディアを利用して分散することが好ましい。
分散メディアを利用して分散する分散装置としては、公知のどのような分散装置を用いて分散しても構わないが、ペブルミル、ボールミル、サンドミル、スクリーンミル、ギャップミル、振動ミル、ペイントシェーカー、アトライター等が挙げられる。これらの中でも塗布液を循環させて分散できるものが好ましく、分散効率、到達粒径の細かさ、連続運転の容易さ等の点から、サンドミル、スクリーンミル、ギャップミルが用いられる。サンドミルは、縦型、横型いずれのものでもよい。サンドミルのディスク形状は、平板型、垂直ピン型、水平ピン型等任意のものを使用できる。特に、特開2006−171703の実施例1に示されたような、下引き層形成用分散液は好適に用いられる。
導電性支持体上に形成された感光層としては、電荷発生物質と電荷輸送物質が同一層に存在し、バインダー樹脂中に分散された単層構造のものであっても、若しくは電荷発生物質がバインダー中に分散された電荷発生層と電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層とに機能分離された積層構造のものの何れであってもよい。本発明においては、必要に応じて、電荷発生物質、染顔料を使用することが好ましい。この具体例としては、例えば、セレニウム及びその合金、硫化カドミウム、その他無機系光導電材料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料等の有機顔料等各種光導電材料が使用でき、特に有機顔料、更にはフタロシアニン顔料、アゾ顔料が好ましい。
クトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.0°〜9.7°に、明瞭な回折ピークを有することが好ましい。
トルエン、キシレン、アニソール等の芳香族系溶媒、
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒、
ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒、
グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、
アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、4−メトキシ−4−メチル−2−
ペンタノン等の鎖状、分岐及び環状ケトン系溶媒、
ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、
塩化メチレン、クロロホルム、1,2―ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等の鎖状及び環状エーテル系溶媒、
アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルフォラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒、
n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物、
リグロイン等の鉱油、
水
等が挙げられ、前述した下引き層を溶解しないものが好ましく用いられる。またこれらは単独、又は2種以上を併用しても用いることが可能である。
導電性支持体上に形成された感光層としては、電荷発生物質と電荷輸送物質が同一層に存在し、バインダー樹脂中に分散された単層構造のものであっても、若しくは電荷発生物質がバインダー中に分散された電荷発生層と電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層とに機能分離された積層構造のものの何れであってもよいが、通常はバインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。該電荷輸送層は、具体的には、例えば電荷輸送物質等とバインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には電荷発生層上に、また、逆積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける本発明は下引き層上に)塗布、乾燥して得ることができる。
電荷発生層と電荷輸送層を有する機能分離型感光体の電荷輸送層及び単層型感光体の感光層形成の際は、膜強度確保のため、化合物を分散させるためバインダー樹脂が使用される。機能分離型感光体の電荷輸送層の場合、電荷輸送物質と各種バインダー樹脂とを溶剤に溶解、あるいは分散してえられる塗布液、また、単層型感光体の場合、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダー樹脂を溶剤に溶解、あるいは分散して得られる塗布液を塗布、乾燥して得ることができる。バインダー樹脂としては、例えばブタジエン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は珪素試薬等で修飾されていてもよい。上記バインダー樹脂のうち、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂が好ましい。
ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂は、一般的に、ジオール成分の部分構造を有する。これらの構造を形成するジオール成分としては、ビスフェノール残基、ビフェノール残基等があげられる。
その具体例としては、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルフェニル)プロパン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)エタン、ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)エタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)プロパン、ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルエタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)シクロヘキサン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ジベンジルメタン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス−[フェノール]、4,4’−[1,4−フェニレンビスメチレン]ビス−[フェノール]、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス−[2,6−ジメチルフェノール]、4,4 ’−[1,4−フェニレンビスメチレン]ビス−[2,6−ジメチルフェノール]、4,4’−[1,4−フェニレンビスメチレン]ビス−[2,3,6−トリメチルフェノール]、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス−[2,3,6−トリメ チルフェノール]、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス −[2,3,6−トリメチルフェノール]、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、 4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)吉草酸ステアリルエステル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、フェノールフタルレイン、4,4'−[1,4−フェニレンビス(1−メチルビニリデン)]ビスフェノール、4,4'−[1,4−フェニレンビス(1−メチルビニリデン)]ビス[2−メチルフェノール]、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシ −5−メチルフェニル)(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1,1−(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、等のビスフェノール成分、4,4’−ビフェノール、2,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジメチル−2,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジ−(t−ブチル)−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラ−(t−ブチル)−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル等のビフェノール成分等があげられる。
バインダー樹脂の分子量は、低すぎると機械的強度が不足し、逆に分子量が高すぎると感光層形成のための塗布液の粘度が高すぎて生産性が低下するといった不具合が生じる場合があるため、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂(ポリアリレート樹脂を含む)の場合、粘度平均分子量で10,000以上が好ましく、特に好ましくは20,000以上である。また、70,000以下が好ましく、特に好ましくは50,000以下である。粘度平均分子量は、実施例に記載されている測定方法で測定し、それによって定義される。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、α−トコフェロール、β−トコフェロール、2,2,4−トリメチル−6−ヒドロキシ−7−t−ブチルクロマン、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2’−チオエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシアニソール、1−[2−{(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−[3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペラジル、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、等を挙げることができる。
中でも、分子中のフェノール環にt−ブチル基を1個以上有するものが好ましく、特にその中でも、そのt−ブチル基がフェノール性水酸基の隣接した位置に結合したものがより好適である。その具体例を挙げると、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート等のモノフェノール系酸化防止剤、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等のポリフェノール系酸化防止剤などが好適である。これらを用いることにより、繰返し使用してもかぶりのない電子写真感光体を作成することができる。
また、耐酸性ガス性を向上させるために、特開平3−172852や特開2007−52408に示されるような置換基を有しても良いアルキルアミン化合物を用いることが出来る。それらの中でも、例えば、トリベンジルアミンを好適に用いることができる。
感光体を構成する各層は、各層を構成する材料を含有する塗布液を、支持体上に公知の塗布方法を用い、各層ごとに塗布・乾燥工程を繰り返し、順次塗布していくことにより形成される。
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
ここでは、接触方式の例を示しているが、非接触の方式もあり、ジャンピング現像が挙げられる。
また、本発明においてトナーは特に乳化重合凝集法によるトナーが好ましくは、好ましい物性値は、特開2007−213050に示された方法で測定した、平均円形度は0.940以上、1.000以下が好ましく、体積平均粒径(Dv)を個数平均粒径(Dn)で除した値(Dv/Dn)は、1.00以上、1.20以下が好ましく、例えば上記公開公報の製造例に示された現像トナーAを好適に用いることができる。
以上のように構成された電子写真装置では、次のようにして画像の記録が行なわれる。即ち、まず感光体1の表面(感光面)が、帯電装置2によって所定の電位(例えば−600V)に帯電される。この際、直流電圧により帯電させてもよく、直流電圧に交流電圧を重畳させて帯電させてもよい。
実施例1
表面が鏡面仕上げされた外径30mm、長さ376mm、肉厚0.75mmのアルミニウム製シリンダーの表面に、陽極酸化処理を行ない、その後、酢酸ニッケルを主成分とする封孔剤によって封孔処理を行なうことにより、約6μmの陽極酸化被膜(アルマイト被膜)を形成した。このシリンダーを、以下に示す電荷発生層形成用塗布液と電荷輸送層形成用塗布液を浸漬塗布法により順次塗布し、乾燥後の膜厚がそれぞれ、0.35μm、18μmとなるように、電荷発生層と電荷輸送層を形成し感光体ドラムを得た。
電荷発生層形成用塗布液は以下のように作製した。電荷発生物質として、図2のX線回折スペクトルで示されるオキシチタニウムフタロシアニン20部と1,2−ジメトキシエタン280部を混合し、サンドグラインドミルで2時間粉砕して微粒化分散処理を行なった。続いてこの微細化処理液に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)10部を、1,2−ジメトキシエタンの255部と4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンの85部の混合液に溶解させて得られたバインダー液及び230部の1,2−ジメトキシエタンを混合して電荷発生層形成用塗布液を調製した。
電荷輸送層形成用塗布液は以下のように作製した。電荷輸送物質として下記化合物CT−1を70部と、バインダー樹脂として下記構造を繰り返し単位として持つポリカーボネート(PC−1:粘度平均分子量約30,000;m:n=1:1)100部、
工業(株))0.05部を、テトラヒドロフラン/トルエン(8/2)混合溶媒640部に溶解させて電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
作製した感光体ドラムを、沖データ社製カラープリンターMICROLINE Pro
9800PS−E用のブラックドラムカートリッジに装着した。次に、特開2007−213050の現像用トナーAの製造方法に従って製造した現像用トナー(体積平均粒径7.05μm、Dv/Dn=1.14、平均円形度0.963)をブラックトナーカートリッジに搭載した。これらのドラムカートリッジ、トナーカートリッジを上記プリンターに装着した。
MICROLINE Pro 9800PS−Eの仕様
4連タンデム
カラー36ppm、モノクロ40ppm
1200dpi
接触ローラ帯電(直流電圧印加)
LED露光
除電光あり
初期、及び30,000枚画像形成を行ったところ、いずれも画像欠陥やノイズの無い、良好な画像が得られた。次に、感光体ドラムに白色蛍光灯(三菱オスラム社製ネオルミスーパーFK20SS・W/18)の光を、電子写真感光体表面での光強度が1000ルックス(lx)になるように調整して10分間照射した後に画像形成したが、ゴースト、カブリ、濃度低下等の画像劣化のない良好な画像が得られた。
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液において、酸化防止剤として下記の構造を有する酸化防止剤を用いた以外は実施例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液1を調製した。
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液において、バインダー樹脂として下記構造を繰り返し単位として持つポリカーボネート(PC−2:粘度平均分子量約50,000)を用いた以外は実施例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液2を調製した。
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液において、バインダー樹脂として下記構造を繰り返し単位として持つポリカーボネート(PC−3:粘度平均分子量約50,100)を用いた以外は実施例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液3を調製した。
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液において、バインダー樹脂として下記構造を繰り返し単位として持つポリアリレート(PA−1:粘度平均分子量約40,100)を用いた以外は実施例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液4を調製した。
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液において、バインダー樹脂としてPC1の代わりに、PC2(粘度平均分子量約50,000)を50部、PA1(粘度平均分子量約40,100)を50部用いた以外は実施例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液5を調製した。
この電荷輸送層形成用塗布液5を用いる以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、画像評価を行った。初期、繰返し画像形成後、白色蛍光灯による光照射後も画像劣化のない良好な画像が得られた。
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液において、バインダー樹脂としてPC1の代わりに、PC3(粘度平均分子量約50,100)を50部、PA1(粘度平均分子量約40,100)を50部用いた以外は実施例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液6を調製した。
この電荷輸送層形成用塗布液6を用いる以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、画像評価を行った。初期、繰返し画像形成後、白色蛍光灯による光照射後も画像劣化のない良好な画像が得られた。
実施例1の電荷輸送層形成用塗布液において、例示化合物63/例示化合物83/例示化合物93(67.2/14.5/18.3)の混合物を用いる代わりに、例示化合物3/例示化合物1(90/10)の混合物を用いた以外は実施例1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液7を調製した。
この電荷輸送層形成用塗布液7を用いる以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、画像評価を行った。初期、繰返し画像形成後、白色蛍光灯による光照射後も画像劣化のない良好な画像が得られた。
実施例1において、アルマイト被膜を形成したシリンダー上に以下に示す、下引き層形成用塗布液を塗布し、1.5μmの下引き層を形成した以外は、同様にして、下引き層上に電荷発生形成用塗布液と電荷輸送層形成用塗布液を浸漬塗布法により順次塗布し、乾燥後の膜厚がそれぞれ、0.35μm、18μmとなるように、電荷発生層と電荷輸送層を形成し感光体ドラムを得た。
平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業株式会社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3重量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、ヘンシェルミキサーにて混合して得られた表面処理酸化チタン50部と、メタノール120部を混合してなる原料スラリー1kgを、直径約100μmのジルコニアビーズ(株式会社ニッカトー製 YTZ)を分散メディアとして、ミル容積約0.15Lの寿工業株式会社製ウルトラアペックスミル(UAM−015型)を用い、ロータ周速10m/秒、液流量10kg/時間の液循環状態で1時間分散処理し、酸化チタン分散液を作製した。
前記酸化チタン分散液と、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒、および、ε−カプロラクタム[下記式(A)で表わされる化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(B)で表わされる化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(C)で表わされる化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(D)で表わされる化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(E)で表わされる化合物]の組成モル比率が、75%/9.5%/3%/9.5%/3%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、出力1200Wの超音波発信器による超音波分散処理を1時間行い、更に孔径5μmのPTFE製メンブレンフィルター(アドバンテック製 マイテックス LC)により濾過し、表面処理酸化チタン/共重合ポリアミドを重量比が3/1であり、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒の重量比が7/1/2であって、含有する固形分の濃度が18.0重量%の下引き層形成用塗布液を得た。
実施例9において用いた電荷輸送層形成用塗布液の代わりに、実施例6で用いた電荷輸送層形成用塗布液5を用いた以外は、実施例9と同様にして電子写真感光体を作製し、画像評価を行った。初期、繰返し画像形成後、白色蛍光灯による光照射後も画像劣化のない良好な画像が得られた。
実施例9において用いた電荷発生層形成用塗布液の代わりに、以下に示す電荷発生層形成用塗布液1を用いた以外は、実施例9と同様にして電子写真感光体を作製した。
電荷発生層形成用塗布液1は以下のようにして作製した。電荷発生物質として下記構造を有する電荷発生物質15部に1,2−ジメトキシエタン300部加え、サンドグラインドミルで8時間粉砕し、微粒化分散処理を行った。続いて、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)7.5部、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製品、PKHH)7.5部を1,2−ジメトキシエタン285部に溶解したバインダー溶液と混合し、最後に1,2−ジメトキシエタン63重量部と4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン72重量部の混合液を加えて、固形分(顔料+樹脂)濃度4.0重量%のアゾ顔料分散液を調整した。
このアゾ顔料分散液と、実施例1で調製した電荷発生層形成用塗布液を1対1の重量比で混合し、アゾ顔料とチタニルフタロシアニンの両方を含む電荷発生層形成用塗布液1を調製した。
得られた電子写真感光体を用いて実施例1と同様にして、画像評価を行った。初期、繰返し画像形成後、白色蛍光灯による光照射後も画像劣化のない良好な画像が得られた。また、ゴーストのない非常に良好な画像であった。
実施例9において用いた電荷発生層形成用塗布液の代わりに、以下に示す電荷発生層形成用塗布液2を用いた以外は、実施例9と同様にして電子写真感光体を作製した。
電荷発生層形成用塗布液2は以下のようにして作製した。電荷発生物質として下記構造を有する電荷発生物質15部に1,2−ジメトキシエタン300部加え、サンドグラインドミルで8時間粉砕し、微粒化分散処理を行った。続いて、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)7.5部、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製品、PKHH)7.5部を1,2−ジメトキシエタン285部に溶解したバインダー溶液と混合し、最後に1,2−ジメトキシエタン63重量部と4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン72重量部の混合液を加えて、固形分(顔料+樹脂)濃度4.0重量%のアゾ顔料分散液を調整した。
このアゾ顔料分散液と、実施例1で調製した電荷発生層形成用塗布液を1対4の重量比で混合し、アゾ顔料とチタニルフタロシアニンの両方を含む電荷発生層形成用塗布液2を調製した。
得られた電子写真感光体を用いて実施例1と同様にして、画像評価を行った。初期、繰
返し画像形成後、白色蛍光灯による光照射後も画像劣化のない良好な画像が得られた。また、ゴーストのない非常に良好な画像であった。
実施例12において用いた電荷輸送層形成用塗布液の代わりに、実施例6で用いた電荷輸送層形成用塗布液5を用いた以外は、実施例12と同様にして電子写真感光体を作製し、画像評価を行った。初期、繰返し画像形成後、白色蛍光灯による光照射後も画像劣化のない良好な画像が得られた。
実施例13において用いた電荷輸送層の膜厚を9μmとした以外は、実施例13と同様にして電子写真感光体を作製し、画像評価を行った。初期、繰返し画像形成後、白色蛍光灯による光照射後も画像劣化のない良好な画像が得られた。
実施例1において用いた電荷輸送層形成用塗布液において酸化防止剤を用いない以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、画像評価を行った。初期、繰返し画像形成後、白色蛍光灯による光照射後の画像を評価したところ、30,000枚画像形成したのちにかぶりが発生した。
実施例1において用いた電荷輸送層形成用塗布液において例示化合物63/例示化合物83/例示化合物93(67.2/14.5/18.3)の混合物を用いない以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、画像評価を行った。初期、繰返し画像形成後、白色蛍光灯による光照射後の画像を評価したところ、白色蛍光灯照射後に、ハーフトーンの著しい濃度低下が見られた。
比較例3
実施例1において用いた電荷輸送層形成用塗布液において例示化合物63/例示化合物83/例示化合物93(67.2/14.5/18.3)の混合物の代わりに、下記式で表される比較化合物Aを用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、画像評価を行った。初期、繰返し画像形成後、白色蛍光灯による光照射後の画像を評価したところ、白色蛍光灯照射後、照射部分でハーフトーンの濃度上昇が見られた。
平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3質量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、高速流動式混合混練機((株)カワタ社製「SMG300」)に投入し、回転周速34.5m/秒で高速混合して得られた表面処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの重量比が7/3の混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、疎水化処理酸化チタンの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1
−プロパノール/トルエンの混合溶媒及び特開平4−31870号公報の実施例に記載された、ε−カプロラクタム[下記式(A)で表わされる化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(B)で表わされる化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(C)で表わされる化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(D)で表わされる化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(E)で表わされる化合物]の組成モル比率が、60%/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行なうことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの重量比が7/1/2で、疎水性処理酸化チタン/共重合ポリアミドを重量比3/1で含有する、固形分濃度18.0%の下引き層用分散液Aを作製した。
この感光体を市販のモノクロレーザープリンター(レックスマーク社製、Optra
S2450、A4縦送りで24枚/分、DC電圧印加のローラー帯電、ローラー転写)に装着して常温常湿下において30,000枚のプリントを行った。また、感光体ドラムに白色蛍光灯(三菱オスラム社製ネオルミスーパーFK20SS・W/18)の光を、電子写真感光体表面での光強度が1000ルックス(lx)になるように調整して10分間照射した後に画像形成したが、ゴースト、カブリ、濃度低下等の画像劣化のない良好な画像が得られた。
表面が粗切削(Rmax=1.0)された外径30mm、長さ346mm、肉厚1.0mmのアルミニウム合金よりなるシリンダーの表面に、陽極酸化処理を行い、その後酢酸ニッケルを主成分とする封孔剤によって封孔処理を行うことにより、約6μmの陽極酸化被膜(アルマイト被膜)を形成した。
このシリンダーを実施例15で調製した下引き層用分散液Aに浸漬塗布し、乾燥後の膜厚約1.3μmの下引き層を形成した。さらに、実施例11で作製した電荷発生層形成用塗布液2に浸漬塗布し、乾燥後の膜厚が0.3μmとなるように形成した。次に、この電荷発生層を形成したシリンダーを、特開2002−80432号公報中の実施例1に示された、下記式(CT−2)で表わされる構造を主成分とする、幾何異性体の化合物群からなる混合物を30重量部、例示化合物63/例示化合物83/例示化合物93(67.2/14.5/18.3)の混合物を0.5重量部、酸化防止剤(チバガイギー社製、Irganox1076)4重量部、バインダー樹脂としてPC−2を100重量部、シリコーンオイル(信越化学社製、商品名KF96)0.05重量部をテトラヒドロフラン/トルエン混合溶媒(テトラヒドロフラン80重量%、トルエン20重量%)640重量部に溶解させた液に浸漬塗布することにより、乾燥後の膜厚25μmの電荷輸送層を設けることにより、感光体ドラムを作製した。
実施例16で作製した電荷輸送層形成用塗布液において、バインダー樹脂PC−2の代わりに、PC3を50重量部、PA1を50重量部ずつ用いた以外は、実施例16と同様にして、感光体ドラムを作製し、画像評価を行った。初期、繰返し画像形成後、白色蛍光灯による光照射後も画像劣化のない良好な画像が得られた。
表面が粗切削(Rmax=1.2)された外径30mm、長さ350mm、肉厚1.0mmのアルミニウム合金よりなるシリンダーを、実施例15で調製した下引き層用分散液Aに浸漬塗布し、膜厚約2μmの下引き層を形成した。このシリンダーを実施例1で作製した電荷発生層形成用塗布液に浸漬塗布し、乾燥後の重量が0.3g/m2(膜厚約0.3μm)となるように電荷発生層を形成した。次に、この電荷発生層を形成したシリンダーを、実施例6で作製した電荷輸送層形成用塗布液5に浸漬塗布することにより、乾燥後の膜厚26μmの電荷輸送層を設けた。このようにして得られた感光体ドラムをA5とする。
この感光体を市販のデジタル複合機(ミノルタ社製、DiALTA Di350、A4 横送りで35枚/分、スコロトロン帯電、2成分現像、解像度600dpi×600dpi)に装着して常温常湿下において50,000枚のプリントを行った。また、感光体ドラムに白色蛍光灯(三菱オスラム社製ネオルミスーパーFK20SS・W/18)の光を、電子写真感光体表面での光強度が1000ルックス(lx)になるように調整して10分間照射した後に画像形成したが、ゴースト、カブリ、濃度低下等の画像劣化のない良好な画像が得られた。
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙
Claims (6)
- 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層がLUMOのエネルギーレベルの値が、−1.0eVから−3.0eVの範囲である電子吸引性化合物を複数種とヒンダードフェノール系酸化防止剤とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
- 前記感光層が、オキシチタニウムフタロシアニンを含有することを特徴とする、請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が、アゾ顔料を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が、ポリカーボネート樹脂およびポリアリレート樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 導電性支持体上に、バインダー樹脂と金属酸化物粒子を含有する下引き層、および該層上に形成される感光層を有する電子写真感光体において、該下引き層をメタノールと1−プロパノールとを7:3の重量比で混合した溶媒に分散した液中の金属酸化物粒子の動的光散乱法により測定される、体積平均粒子径が0.1μm以下であって、且つ、累積90%粒子径が0.3μm以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した該電子写真感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段と、この静電潜像をトナーで現像する現像手段と、トナーを被転写体に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、該電子写真感光体が請求項1〜5の何れかの1項に記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
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