JP2006234924A - 有機感光体、画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

有機感光体、画像形成方法及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006234924A
JP2006234924A JP2005045757A JP2005045757A JP2006234924A JP 2006234924 A JP2006234924 A JP 2006234924A JP 2005045757 A JP2005045757 A JP 2005045757A JP 2005045757 A JP2005045757 A JP 2005045757A JP 2006234924 A JP2006234924 A JP 2006234924A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic photoreceptor
charge transport
charge
image
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005045757A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunihiro Ogura
都宏 小倉
Koichi Kudo
浩一 工藤
Hiroko Yamaguchi
裕子 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Business Technologies Inc
Original Assignee
Konica Minolta Business Technologies Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Business Technologies Inc filed Critical Konica Minolta Business Technologies Inc
Priority to JP2005045757A priority Critical patent/JP2006234924A/ja
Publication of JP2006234924A publication Critical patent/JP2006234924A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 本発明の目的は、秒速400mm以上の高速で電子写真画像を作製できる有機感光体を提供することであり、高速で、且つ100万枚の印刷が可能な有機感光体を提供することであり、又、非ハロゲン溶剤を用いて、高電位の電位特性が安定した有機感光体を提供することであり、該有機感光体を用いた画像形成方法及び画像形成装置を提供することである。
【解決手段】 プロセススピードが400mm/sec以上で、有機感光体上に帯電工程で均一帯電を付与し、像露光工程で静電潜像を形成し、現像工程での未露光部電位(|VH|)が600V〜1000Vの条件で、静電潜像をトナー像に顕像化する画像形成方法に用いる有機感光体において、導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層を有し、該電荷輸送層が電荷輸送物質、電子受容性物質、ピリリウム化合物及びバインダー樹脂を含有し、非ハロゲン溶媒を用いて形成されたことを特徴とする有機感光体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真方式の複写機やプリンターに適用できる有機感光体、画像形成方法及び画像形成装置に関するものであり、秒速400mm以上の高速で電子写真画像を作製できる有機感光体、画像形成方法及び画像形成装置に関する発明である。
従来、電子写真法として最も代表的なカールソン法での複写機においては、感光体を一様に帯電させた後、露光によって電荷を像様に消去せしめ、静電荷潜像を形成する。この静電荷潜像をトナーによって現像して可視化し、次いでそのトナーを紙などに転写してから定着することにより画像形成が行われてきた。
これまで電子写真感光体としては、セレン、酸化亜鉛、カドミウムなどの無機光導電性物質を感光層の主成分とする無機感光体が、広く使用されてきた。しかし、これらの無機感光体は有害なものが多く、環境対策上問題がある。
従って近年、無公害である有機物を用いた有機感光体の開発が盛んであり、広く実用化されてきている。なかでも電荷発生機能と電荷輸送機能とを異なる物質に分担させ、所望の特性を有する化合物を広い範囲から選択できる機能分離型の感光体が盛んに開発されている。
又、近年、電子写真方式を用いた画像形成方法は、デジタル信号処理による書き込みで、高速化が進展し、カット紙を用いた複写機やプリンターでは秒速100枚以上の印刷速度を持つ複写機やプリンターが開発されている。
しかしながら、このような複写機やプリンターに適用する有機感光体は、例えば100万枚を印刷可能な電子写真特性、即ち、帯電安定性や感度の安定性が求められ、しかも高速の現像に対応するため、現像時に高電位での電位安定性が求められる。
このような高電位で、安定した電位特性を達成するため、有機感光体の表面層を耐久性の高いバインダー樹脂や硬化型シリコン樹脂等で形成する技術が公開されている(特許文献1及び特許文献2)。
一方、有機感光体の製造には、バインダー樹脂の溶解性が高いハロゲン溶剤が一般に広く用いられているが、これらハロゲン溶剤は、近年の環境問題への観点から非ハロゲン溶媒に変更されることが望ましい。
しかしながら、前記した耐久性の高いバインダー樹脂や硬化型シリコン樹脂等を非ハロゲン溶媒を用いて溶解し、電荷輸送層等の感光層を形成すると、上記した電位安定性が劣化するといった問題が発生している。即ち、ハロゲン溶媒から非ハロゲン溶媒に変更して有機感光体を作製すると、繰り返し使用による残留電位が上昇し、徐々に画像濃度が低下するといった問題や、高温高湿環境下で、同様に残留電位が上昇しやすいと云った問題が発生している。
特開昭60−172044号公報 特開2000−221723号公報
本発明の目的は、秒速400mm以上の高速で電子写真画像を作製できる有機感光体を提供することであり、高速で、且つ100万枚の印刷が可能な有機感光体を提供することであり、又、非ハロゲン溶剤を用いて、高電位の電位特性が安定した有機感光体を提供することであり、該有機感光体を用いた画像形成方法及び画像形成装置を提供することである。
本発明者等は、上記課題について、詳細に検討した結果、非ハロゲン溶剤を用いて、高速で印刷を可能にする、高電位の電位特性が安定した有機感光体を得るためには、有機感光体の内部に残留する溶媒やバインダー樹脂の凝集等に起因して発生する電荷のトラップサイトを隠蔽することが効果的であるとの知見から、電荷輸送層に、電荷輸送物質の他に、これら電荷トラップを隠蔽する電子受容性物質及びピリリウム化合物を添加した結果、高速のプロセススピードで、安定した電位特性を維持できることを見出し、本発明を完成した。即ち、本発明の上記目的は、以下の構成を用いることにより達成される。
(請求項1)
プロセススピードが400mm/sec以上で、有機感光体上に帯電工程で均一帯電を付与し、像露光工程で静電潜像を形成し、現像工程での未露光部電位(|VH|)が600V〜1000Vの条件で、静電潜像をトナー像に顕像化する画像形成方法に用いる有機感光体において、導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層を有し、該電荷輸送層が電荷輸送物質、電子受容性物質、ピリリウム化合物及びバインダー樹脂を含有し、非ハロゲン溶媒を用いて形成されたことを特徴とする有機感光体。
(請求項2)
前記電荷輸送層が複数層で構成され、該複数層の最上層が電荷輸送物質、電子受容性物質、ピリリウム化合物及びバインダー樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
(請求項3)
前記最上層のバインダー樹脂が少なくともポリカーボネートを含有することを特徴とする請求項2に記載の有機感光体。
(請求項4)
前記最上層が酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項2又は3に記載の有機感光体。
(請求項5)
前記電荷輸送物質の少なくとも1つがスチルベン化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機感光体。
(請求項6)
前記電荷発生層が電荷発生物質としてオキシチタニルフタロシアニン顔料を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機感光体。
(請求項7)
前記電荷発生層が電荷発生物質としてペリレン顔料を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機感光体。
(請求項8)
前記有機感光体の電荷移動度(電界強度:3.2×105V/cmにおける)が5.0×10-6cm2/V・sec以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機感光体。
(請求項9)
プロセススピードが400mm/sec以上で、有機感光体上に帯電工程で均一帯電を付与し、像露光工程で静電潜像を形成し、現像工程での未露光部電位(|VH|)が600V〜1000Vの条件で、静電潜像をトナー像に顕像化する画像形成方法において、該有機感光体が導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層を有し、該電荷輸送層が非ハロゲン溶剤中に、少なくとも電荷輸送物質、電子受容性物質、ピリリウム化合物及びバインダー樹脂を溶解分散させた電荷輸送層分散液を塗布乾燥して形成され、該電荷輸送層が非ハロゲン溶媒を用いて形成されたことを特徴とする画像形成方法。
(請求項10)
プロセススピードが400mm/sec以上であり、有機感光体及び該有機感光体上に均一帯電を付与する帯電器、有機感光体上に静電潜像を形成する像露光器、有機感光体上の未露光電位(|VH|)が600V〜1000Vの条件で、静電潜像をトナー像に顕像化する現像器を有する画像形成装置において、該有機感光体が導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層を有し、該電荷輸送層が非ハロゲン溶剤中に、少なくとも電荷輸送物質、電子受容性物質、ピリリウム化合物及びバインダー樹脂を溶解分散させた電荷輸送層分散液を塗布乾燥して形成され、該電荷輸送層が非ハロゲン溶媒を用いて形成されたことを特徴とする画像形成装置。
本発明の有機感光体を用いることにより、非ハロゲン溶媒で有機感光体を作製しても、プロセススピードが400mm/sec以上の高速複写機に十分適応できる電位特性を示す有機感光体を提供でき、画像濃度が十分で鮮鋭性が良好な電子写真画像を提供することができ、且つ該有機感光体を用いた画像形成方法及び画像形成装置を提供することができる。
本発明の有機感光体は、プロセススピードが400mm/sec以上で、有機感光体上に帯電工程で均一帯電を付与し、像露光工程で静電潜像を形成し、現像工程での未露光部電位(|VH|)が600V〜1000Vの条件で、静電潜像をトナー像に顕像化する画像形成方法に用いる有機感光体であり、導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層を有し、該電荷輸送層が電荷輸送物質、電子受容性物質、ピリリウム化合物及びバインダー樹脂を含有し、非ハロゲン溶媒を用いて形成されたことを特徴とする。
有機感光体が上記のような構成を有することにより、プロセススピードが400mm/sec以上で、有機感光体上に帯電工程で均一帯電を付与し、像露光工程で静電潜像を形成し、現像工程での未露光部電位(|VH|)が600V〜1000Vの条件で、静電潜像をトナー像に顕像化する画像形成方法に用いたとき、多数枚のプリントやコピーを行なっても、残留電位の上昇が小さく、且つ安定した電位特性を示し、画像濃度や鮮鋭性の初期画像特性が、100万枚のプリントやコピー後も、安定して達成される。
以下、本発明の有機感光体の構成を記載する。
本発明において、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能のいずれか一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機電子写真感光体を全て含有する。
本発明の有機感光体の層構成は、導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該電荷輸送層は複数層から形成されることが好ましい。又、導電性支持体と電荷発生層の間には、該支持体からのフリーキャリアの進入をブロックできる中間層を設置することが好ましい。以下、本発明の有機感光体の好ましい構成を示す。
導電性支持体
本発明の感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ましい。
円筒状導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真円度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
導電性の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。
本発明で用いられる導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/L、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/L、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
中間層
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、支持体からのフリーキャリアの進入をブロックできる中間層を設置することが好ましい。
本発明においては導電性支持体と前記感光層のとの接着性改良、或いは該支持体からの電荷注入を防止するために、該支持体と前記感光層の間に中間層(下引層も含む)を設けることもできる。該中間層の材料としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら下引き樹脂の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さくできる樹脂としてはポリアミド樹脂が好ましい。又、これら樹脂を用いた中間層の膜厚は0.01〜0.5μmが好ましい。
又、本発明に好ましく用いられる中間層はシランカップリング剤、チタンカップリング剤等の有機金属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂を用いた中間層が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた中間層の膜厚は、0.1〜2μmが好ましい。
又、本発明に好ましく用いられる中間層は無機粒子をバインダー樹脂中に分散した中間層が挙げられる。無機粒子の平均粒径は0.01〜1μmが好ましい。特に、表面処理をしたN型半導性微粒子をバインダー中に分散した中間層が好ましい。例えばシリカ・アルミナ処理及びシラン化合物で表面処理した平均粒径が0.01〜1μmの酸化チタンをポリアミド樹脂中に分散した中間層が挙げられる。このような中間層の膜厚は、1〜20μmが好ましい。
N型半導性微粒子とは、導電性キャリアを電子とする性質をもつ微粒子を示す。すなわち、導電性キャリアを電子とする性質とは、該N型半導性微粒子を絶縁性バインダーに含有させることにより、基体からのホール注入を効率的にブロックし、また、感光層からの電子に対してはブロッキング性を示さない性質を有するものをいう。
ここで、N型半導性粒子の判別方法について説明する。
導電性支持体上に膜厚5μmの中間層(中間層を構成するバインダー樹脂中に粒子を50質量%分散させた分散液を用いて中間層を形成する)を形成する。該中間層に負極性に帯電させて、光減衰特性を評価する。又、正極性に帯電させて同様に光減衰特性を評価する。
N型半導性粒子とは、上記評価で、負極性に帯電させた時の光減衰が正極性に帯電させた時の光減衰よりも大きい場合に、中間層に分散された粒子をN型半導性粒子という。
前記N型半導性微粒子は、具体的には酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、等の微粒子が挙げられるが、本発明では、特に酸化チタンが好ましく用いられる。
本発明に用いられるN型半導性微粒子の平均粒径は、数平均一次粒径において10nm以上500nm以下の範囲のものが好ましく、より好ましくは10nm〜200nm、特に好ましくは、15nm〜50nmである。
数平均一次粒径の値が前記範囲内にあるN型半導性微粒子を用いた中間層は層内での分散を緻密なものとすることができ、十分な電位安定性、及び黒ポチ発生防止機能を有する。
前記N型半導性微粒子の数平均一次粒径は、例えば酸化チタンの場合、透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によりフェレ径の数平均径として測定される。
本発明に用いられるN型半導性微粒子の形状は、樹枝状、針状および粒状等の形状があり、このような形状のN型半導性微粒子は、例えば酸化チタン粒子では、結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型及びアモルファス型等があるが、いずれの結晶型のものを用いてもよく、また2種以上の結晶型を混合して用いてもよい。その中でもルチル型のものが最も良い。
N型半導性微粒子に行われる疎水化表面処理の1つは、複数回の表面処理を行い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物による表面処理を行うものである。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理であり、最後に反応性有機ケイ素化合物の表面処理を行うことが好ましい。
尚、アルミナ処理、シリカ処理、ジルコニア処理とはN型半導性微粒子表面にアルミナ、シリカ、或いはジルコニアを析出させる処理を云い、これらの表面に析出したアルミナ、シリカ、ジルコニアにはアルミナ、シリカ、ジルコニアの水和物も含まれる。又、反応性有機ケイ素化合物の表面処理とは、処理液に反応性有機ケイ素化合物を用いることを意味する。
この様に、酸化チタン粒子の様なN型半導性微粒子の表面処理を少なくとも2回以上行うことにより、N型半導性微粒子表面が均一に表面被覆(処理)され、該表面処理されたN型半導性微粒子を中間層に用いると、中間層内における酸化チタン粒子等のN型半導性微粒子の分散性が良好で、かつ黒ポチ等の画像欠陥を発生させない良好な感光体を得ることができるのである。
感光層
本発明の感光体の感光層構成は電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとる。更に、電荷輸送層を少なくとも2層で構成し、上層の電荷輸送層に電荷輸送物質以外に、電子受容性物質とピリリウム化合物を含有させることが好ましい。以下、本発明の最も好ましい感光層構成について記載する。
以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成について説明する。
電荷発生層
電荷発生層:電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
電荷発生物質(CGM)としては公知の電荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGMは複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θが27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができる。
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
電荷輸送層
本発明に係わる電荷輸送層は、上下2層の電荷輸送層で構成し、上層の電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)の他に、電子受容性物質、ピリリウム化合物及びバインダー樹脂を含有させることが好ましい。
電荷輸送物質(CTM)としては公知の電荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。
本発明の有機感光体の電荷移動度(電界強度:3.2×105V/cmにおけるにおける)は、5.0×10-6cm2/V・sec以上であることが好ましい。即ち、有機感光体全体の電荷移動度が5.0×10-6cm2/V・sec以上であることにより、400mm/sec以上の高速プロセスにおいても、残留電位の増加が小さく抑えられ、高濃度で且つ鮮鋭性の良好な電子写真画像を作製することができる。
上記電荷移動度は、単位電界強度当たりの電荷の移動速度と定義され、該電荷移動度はTOF(タイム・オフ・フライト)法で測定できる。この測定方法は感光層の両面を電極で挟むサンドイッチ構造体で行なわれ、まず、電極間に電圧を印加し、そこに電極を通して、パルス光を試料に照射し、発生した電荷が試料の片面から対抗する面へ移動する課程で、電極間に流れる電流の波形を観察し、波形が鋭く落ち込む点が飛行時間τとなる(該電流波形はオシロスコープで改造し、飛行時間τを求める)。移動度は以下の関係式より求められる。
飛行時間τ=(試料膜厚)/(速度)
速度=(移動度)×(電界)
電荷移動度の測定用サンプルは、ポリエチレンフタレートフイルムにアルミ蒸着した導電性支持体上に実施例と同じ、電荷発生層及び複数の電荷輸送層を積層して作製した試料を用いた。測定時の電圧は、電界強度が3.2×105V/cmになるように電圧を印加した後、波長680nmのレーザーダイオードによるパルス光照射を行って電荷発生層から電荷を発生させ、生じた過渡電流波形を高速電流アンプ(keithley428)と
デジタルストレージオシロスコープ(ヒューレットパッカード 54111D)を用いて測定した。走行時間(Transit time)の判定には、電流(i)と時刻(t)との関係を対数変換し、得られた波形の折れ曲がり点から求める方法(Scher−Montroll法)を用いた。
本発明の有機感光体の移動度を5.0×10-6cm2/V・sec以上にするには、電荷輸送層に下記のの電荷輸送物質を用いることが好ましい。
Figure 2006234924
Figure 2006234924
次に、本発明に係わる電子受容性物質について記載する。
電子受容性物質としては、電気陰性度が高いハロゲンやシアノ基等の官能基を有する化合物が挙げられるが、本発明に好ましく用いられる化合物としては、下記一般式(A)で表される。
Figure 2006234924
〔一般式(A)中、Arは置換又は未置換の芳香族基を表し、Xはカルボニル基又はスルホニル基を表す。〕
これら電子受容性物質の含有量は、同じ層で含有される電荷輸送物質100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましい。
以下、一般式(A)で表される化合物の具体例を下記に示す。
Figure 2006234924
Figure 2006234924
次に、本発明に係わるピリリウム化合物について記載する。
本発明に用いられるピリリウム化合物としては、一般にピリリウム染料として用いられる化合物を用いることができる。本発明で好ましく用いられるピリリウム化合物を下記に例示する。
化合物No. 化合物名
p1 4−〔4−ビス−2(クロロエチル)アミノフェニル〕−2・6−ジフェニルチ アピリリウムパークロレート
p2 4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2・6−ジフェニルチアピリリウムパー クロレート
p3 4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2・6−ジフェニルチアピリリウムフル オロボレート
p4 4−(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−2・6−ジフェニルピリリ ウムパークロレート
p5 4−〔4−ビス(2−クロロエチル)アミノフェニル〕−2−(4−メトキシフ ェニル)−6−フェニルチアピリリウムパークロレート
p6 4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2・6−ジフェニルチアピリリウムサル フエート
p7 4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2・6−ジフェニルチアピリリウムP− トルエンスルホネート
p8 4−(4−ジメチルアミノフェニル)2・6−ジフェニルピリリウム−P−トル エンスルホネート
p9 2・6−ビス(4−エチルフェニル)−4−(4−ジメチルアミノフェニル)チ アピリリウムパークロレート
p10 4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)−6− フェニルチアピリリウムパークロレート
p11 4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−エトキシフェニル)−6− フェニルチアピリリウムパークロレート
p12 4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)−6− (4−メチルフェニル)−ピリリウムパークロレート
p13 4−(4−ジフェニルアミノフェニル)−2・6−ジフェニルチアピリリウム パークロレート
p14 2−4−6−トリフェニルピリリウムパークロレート
p15 4−(4−メトキシフェニル)−2・6−ジフェニルピリリウムパークロレー ト
これらピリリウム化合物の含有量は、同じ層で含有される電荷輸送物質100質量部に対し、0.001〜1.0質量部が好ましい。
本発明に係わる電荷輸送層に用いるバインダー樹脂としては、ポリカーボネート樹脂を用いることが好ましい。本発明に用いられるポリカーボネート樹脂としては、下記のような繰り返しモノマー単位構造を有するポリカーボネートが挙げられる。
Figure 2006234924
Figure 2006234924
これらのポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平均分子量で10,000〜200,000が好ましい。
又、本発明に係わる電荷輸送層には酸化防止剤を含有させることが好ましい。好ましく用いられる酸化防止剤としては、以下のような化合物が挙げられる。
Figure 2006234924
Figure 2006234924
Figure 2006234924
Figure 2006234924
本発明に係わる電荷輸送層は上下2層で構成されることが好ましい。電荷輸送層を2層で構成する場合、上層の電荷輸送層(第二電荷輸送層)が電荷輸送物質、電子受容性物質、ピリリウム化合物バインダー樹脂及び酸化防止剤を含有させ、下層の電荷輸送層(第一電荷輸送層)には、電荷輸送物質、バインダー樹脂及び酸化防止剤を含有させることが好ましい。又、第一電荷輸送層の電荷輸送物質の含有量はバインダー樹脂100質量部に対し、50〜200質量部と、高濃度で含有させることが好ましい。一方、第二電荷輸送層の電荷輸送物質の含有量は、第一電荷輸送層に比し、低濃度で含有させることが好ましい。該含有量は、バインダー樹脂100質量部に対し、30〜70質量部が好ましい。
このような2層構成で、電荷輸送層を形成することにより、非ハロゲン溶剤を用いて電荷輸送層を形成した場合の、残留電位上昇や高温高湿での電位変動を改善し、高速適正に優れ、電位特性が安定した有機感光体を構成することができる。
第一電荷輸送層の膜厚は5〜25μmが好ましく、第二電荷輸送層の膜厚は1〜10μmが好ましい。
本発明に係わる電荷輸送層を作製する場合、電荷輸送層の分散液を作製する。この電荷輸送層分散液の溶媒としては、環境負荷が小さい非ハロゲン溶媒を用いる。非ハロゲン溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ、等が挙げられる。
電荷輸送層分散液の溶媒としては、これらに限定されるものではないが、特に、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキソラン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
本発明の有機感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお前記スプレー塗布については例えば特開平3−90250号及び特開平3−269238号公報に詳細に記載され、前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
以下、この発明に係る画像形成装置の実施形態を添付の図面に基づいて具体的に説明すると共に、実施形態の画像形成装置、現像装置を用いて作像を行なう具体的な実施例を挙げて説明し、本発明の現像方法により、黒ポチやカブリの発生もなく、階調性、画像濃度も十分な良好な画像が得られることを明らかにする。
図1は本発明の画像形成方法の1例としての画像形成装置の断面図である。
図1に於いて50は像担持体である感光体ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布した本発明の感光体で、接地されて時計方向に駆動回転される。52は帯電工程で、スコロトロンの帯電器で、感光体ドラム50周面に対し一様な帯電をコロナ放電によって与えられる。この帯電器52による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を用いた帯電前露光部51による露光を行って感光体周面の除電をしてもよい。
感光体への一様帯電の後、像露光工程の像露光器53により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像露光器53は図示しないレーザーダイオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー531、fθレンズ等を経て反射ミラー532により光路を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成される。
ここで、本発明の感光体の未露光部電位とは帯電器52により、感光体表面を一様に帯電し、像露光が行われない領域の感光体表面電位を意味する。又、露光部電位とは像露光が行われた領域の感光体表面電位を意味する。電位測定は電位センサー547を図1のように現像位置に設けて行う。
その静電潜像は次いで現像工程で現像器54を用いて現像される。感光体ドラム50周縁にはトナーとキャリアとから成る現像剤を内蔵した現像器54が設けられていて、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ541によって現像が行われる。現像器54内部は現像剤攪拌搬送部材544、543、搬送量規制部材542等から構成されており、現像剤は攪拌、搬送されて現像スリーブに供給されるが、その供給量は該搬送量規制部材542により制御される。該現像剤の搬送量は適用される有機電子写真感光体の線速及び現像剤比重によっても異なるが、一般的には20〜200mg/cm2の範囲である。
現像剤は、例えば前述のフェライトをコアとしてそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリアと、前述のスチレンアクリル系樹脂を主材料としてカーボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と本発明の低分子量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリカ、酸化チタン等を外添したトナーとからなるもので、現像剤は搬送量規制部材によって層厚を規制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時通常は現像スリーブ541に直流バイアス電圧、必要に応じて交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。また、現像剤は感光体に対して接触あるいは非接触の状態で現像される。
記録紙Pは画像形成後、転写のタイミングの整った時点で給紙ローラー57の回転作動により転写域へと給紙される。
転写域においては転写のタイミングに同期して感光体ドラム50の周面に転写電極(転写器)58が圧接され、給紙された記録紙Pを挟着して転写される。
次いで記録紙Pは転写ローラーとほぼ同時に圧接状態とされた分離電極(分離器)59によって除電がなされ、感光体ドラム50の周面により分離して定着装置60に搬送され、熱ローラー601と圧着ローラー602の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排紙ローラー61を介して装置外部に排出される。なお前記の転写電極58及び分離電極59は記録紙Pの通過後感光体ドラム50の周面より退避離間して次なるトナー像の形成に備える。
一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム50は、クリーニング器62のブレード621の圧接により残留トナーを除去・清掃し、再び帯電前露光部51による除電と帯電器52による帯電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
尚、70は感光体、帯電器、転写器、分離器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプロセスカートリッジである。
図2は前記図1の感光体ドラム50の帯電電位制御の構成を拡大した図である。
以下に、未露光部電位の測定法と未露光部電位の修正を目的とした帯電電位調整プロセスを図2を用いて説明する。
まず、感光体50上に帯電器52により一様に帯電する。帯電された感光体上にレーザーダイオードの像露光器53によりデジタル露光されない未露光領域を形成する。該未露光領域の表面電位(未露光部電位)を電位センサー547により検出し、この検出された電位信号は図2中のプロセス制御部63に伝達する。プロセス制御部63は電位センサー547からの電位信号に基づいて帯電極を制御するプロセス制御器である。該制御器は電位センサーからの電位信号と目標電位信号とを比較し、その差を修正し、目標電位を達成する修正信号を決定する。高圧制御ユニット64はプロセス制御部63の制御信号を受け帯電器52に電流、電圧を供給する高圧制御ユニットである。前記決定された修正信号に基づきプロセス制御器から帯電電流、帯電グリット電圧の修正信号が高圧制御ユニットに出され、続いて高圧制御ユニットから帯電器52のコロナワイヤー521、スコロトロングリット522へそれぞれ修正された帯電電流、帯電グリット電圧が出力される。このプロセスを数回繰り返すことにより、電位センサー位置の感光体電位(未露光部電位)を目標電位に修正する事ができる。
感光体の現像位置での未露光部電位を正確に測定する為には、上記電位センサーの位置を現像位置に取り付けて(必要により現像器を外して)測定するのが好ましいが、電位センサーの取り付け位置が現像位置から離れている場合は、電位センサーから現像位置までの電位暗減衰量を計算し、その分を補正すればよい。
ここで、現像位置とは感光体上の潜像が現像剤により現像される位置を示すが、具体的には感光体と現像スリーブが最も接近した位置を現像位置の中心と見なす。即ち、本発明では現像位置の未露光部電位とは感光体が現像スリーブに最も接近した時の未露光部表面電位を示す。
前記未露光部目標電位の設定には種々の方法があるが、本発明に用いられる反転現像方法では次に述べるような未露光部目標電位の設定方法(図3を用いて説明する)が好ましく用いられる。
即ち、図3に示すように、プリンターや複写機の毎日の使用開始時、或いは所定のプリント枚数毎に感光体に帯電、像露光を行い、像露光後の露光部電位(VL)を電位センサーにより検知する。該VLを基準にして、画像濃度を支配する現像バイアス電位、次に現像バイアス電位を基準として、カブリの発生を防止する為の未露光部目標電位(VH)を設定する。
本発明の反転現像の条件は感光体の現像位置での未露光部電位(|VH|)が絶対値で600〜1000Vである。VHと現像スリーブにかかる直流バイアス電位(|VDC|)の差(現像バイアス)は50〜300V、より好ましくは70〜280Vである。このような高電圧を印加した条件でも、本発明の感光体を用いて反転現像を行うと、反転現像に特有の黒ポチの発生が少なく、高濃度、高階調性の良好な画像が達成される。|VH|が600Vより低いと、階調性が低くなりやすく、1000Vを超えると、感光層の静電破壊が発生しやく、黒ポチ等の画像欠陥が発生しやすい。又|VH|−|VDC|の差が50Vより小さいと、黒ポチ等の画像欠陥が発生しやすく、300Vを超えると、弱帯電性トナーの付着やキャリア付着の発生が増加する。
本発明においては有機感光体と該現像剤を担持する現像スリーブとの距離(Dsd)は350〜800μm、感光体と現像スリーブの線速比は1:1〜1:3.5の範囲が好ましい。前記Dsdが800μmを越えると現像電界が弱くなり、現像性が低下する。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。但し、下記文中の「部」は「質量部」を示す。
実施例
以下のようにして、評価に用いる感光体を作製した。
感光体1の作製
中間層(感光体の作製はbh660)
洗浄済み円筒状アルミニウム基体(切削加工によりJISB−0601規定の十点表面粗さRz:0.81μmに加工した)上に、下記中間層塗布液を浸漬塗布法で塗布し、120℃30分で乾燥し、乾燥膜厚1.0μmの中間層を形成した。
下記中間層分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルター公称濾過精度:5ミクロン、圧力;50kPa)し、中間層塗布液を作製した。
(中間層分散液の作製)
バインダー樹脂:(例示ポリアミドN−1) 1部(1.00体積部)
ルチル形酸化チタンA1(一次粒径35nm;メチルハイドロジェンシロキサンとジメチルシロキサンの共重合体(モル比1:1)を用い、酸化チタン全質量の5質量%の量で表面処理したもの) 3.5部(1.0体積部)
エタノール/n−プロピルアルコール/THF(=45/20/30質量比)10部
上記成分を混合し、サンドミル分散機を用い、10時間、バッチ式にて分散して、中間層分散液を作製した。
電荷発生層
下記成分を混合し、サンドミル分散機を用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
チタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kαの特性X線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2°)において、少なくとも27.3°に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料) 20部
シリコーン変性ポリビニルブチラール 10部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 700部
t−ブチルアセテート 300部
〈電荷輸送層1(CTL1)〉
電荷輸送物質(CT−4) 100部
ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製:Po−1) 150部
酸化防止剤(例示化合物AO2−1) 5部
THF/トルエン(質量比:7/3) 1000部
シリコンオイル(KF−96:信越化学社製) 1部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液1を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、110℃70分の乾燥を行い、乾燥膜厚18.0μmの電荷輸送層1を形成した。
〈電荷輸送層2(CTL2)〉
電荷輸送物質(CT−4) 50部
電子受容性物質(A−2) 2部
ピリリウム化合物(p2) 0.0025部
ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製:Po−1) 100部
酸化防止剤(例示化合物AO1−1) 2.5部
THF/トルエン(質量比:7/3) 1200部
シリコンオイル(KF−96:信越化学社製) 1部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液2を調製した。この塗布液を前記電荷輸送層1の上に円形スライドホッパ型塗布機で塗布し、120℃70分の乾燥を行い、乾燥膜厚7.0μmの電荷輸送層2(表面層)を形成し、感光体1を作製した。
感光体2〜15の作製
電荷輸送層1、2の電荷輸送物質、電荷輸送層2(CTL2)の電子受容性物質及びピリリウム化合物の種類と添加量等を表1のように変化させた以外は感光体1と同様にして感光体2〜15を作製した。
Figure 2006234924
《評価1》
上記感光体を図1及び図2の構造を基本的に有するデジタル複写機Konica「Sitios」7085((コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)社製)スコロトロン帯電器、半導体レーザー像露光器、反転現像手段を有する)に設定し、複写実験を行った。この実験においては図2のプロセス制御部のメモリー中に未露光部目標電位のプログラムを組み込み、自動的に現像位置の未露光部目標電位が設定されるようにデジタル複写機を改造した。この複写実験の画像形成に際し、前記電位センサーにより未露光部電位を測定し、目標値の未露光部電位が得られていない場合は、制御部を通して、未露光部目標電位を達成するために、帯電手段の出力値を制御した。
《画像評価》
上記デジタル複写機に各感光体を取り付け、複写スタート時に、現像位置の未露光部電位(|VH|)を表2のようにし、高温高湿(30℃、80%RH)環境でA4紙、100万枚の文字画像、白べた画像、黒べた画像を有するオリジナル画像の複写を行い、スタート時及び10万枚コピー毎に複写画像を取り出し、下記の画像評価を行った。
画像形成のその他の条件
プロセススピード:420mm/sec
現像剤:キャリア及びトナーを含有する二成分現像剤を用いた。
(画像濃度)
複写画像の黒ベタ画像をマクベス社製RD−918を使用して測定。紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定した
(画像濃度)
◎:スタートから100万枚まで、黒ベタ画像濃度が1.3以上で画像濃度が高い。
○:スタートから100万枚まで、黒ベタ画像濃度が1.0以上で実用的に十分な画像濃度である。
△:スタートから100万枚までの間に、黒ベタ画像濃度が0.7〜1.0未満が発生(実用性には、再検討要)
×:スタートから100万枚までの間に、黒ベタ画像濃度が0.7未満が発生(実用性には、問題有り)
(カブリ)
マクベス反射濃度計「RD−918」を用いて、複写用紙(白紙)の濃度を20カ所、絶対画像濃度で測定し、その平均値を白紙濃度とする。次に、複写画像の白べた画像を同様に20カ所、絶対画像濃度で測定し、その平均濃度から前記白紙濃度を引いた値をカブリ濃度として評価した。
◎:スタートから100万枚まで、白ベタ画像濃度が0.005以下(良好)
○:スタートから100万枚まで、白ベタ画像濃度が、0.01以下(実用上問題ないレベル)
×:スタートから100万枚までの間に、白ベタ画像濃度が0.01より大のカブリ発生(明らかに、実用上問題あり)
(鮮鋭性)
鮮鋭性は、文字画像で評価した。複写画像の3ポイント、5ポイントの漢字文字画像を用いて、下記の判断基準で評価した。
◎:スタートから100万枚まで、3ポイント、5ポイントとも明瞭であり、容易に判読可能(良好)
○:スタートから100万枚までの間に、3ポイントは一部判読不能の複写画像が発生するが、5ポイントは明瞭であり、容易に判読可能(実用上問題ないレベル)
×:スタートから100万枚までの間に、3ポイントは殆ど判読不能し、5ポイントも一部あるいは全部が判読不能が発生した(明らかに、実用上問題あり)。
Figure 2006234924
表2中、VLは露光部電位、ΔVH、ΔVLはそれぞれ、VH、VLの100万枚後の電位増大値(−符号は減少値)を示す。又、表2中の感光体の電荷移動度は前記した方法で測定した。
表2から明らかなように、電荷輸送層を非ハロゲン溶媒を用いて形成しても、本発明の条件を満たした、即ち、電荷輸送層が電荷輸送物質、電子受容性物質、ピリリウム化合物及びバインダー樹脂を含有した感光体1〜12は、100万枚の複写画像後も電位変動が小さく、その結果、画像濃度、カブリ、鮮鋭性のいずれの評価も良好な結果を得ているが、電子受容性物質及びピリリウム化合物を含有していない感光体13では、VH及びVLの変動が大きく、画像濃度の低下及びカブリが発生し、電子受容性物質を含有していない感光体14でも、VH及びVLの変動が大きく、画像濃度が低下し、ピリリウム化合物を含有していない感光体15でも、VH及びVLの変動が大きく、画像濃度の低下及びカブリが発生しており、プロセススピードが420mm/sec以上での高速性に適合していない。
《評価2》
評価1の条件で、プロセススピード:420mm/secから350mm/secに変更した以外は同様の条件で評価を行なった。
その結果、感光体13,14、15でも、電位変動が小さくなり、感光体1〜12との差が小さくない、画像濃度の低下やカブリの発生も見られなかった。
本発明の画像形成方法の1例としての画像形成装置の断面図。 図1の感光体ドラムの帯電電位制御の構成を拡大した図。 未露光部目標電位の設定方法を説明する図。
符号の説明
50 感光体ドラム(又は感光体)
51 帯電前露光部
52 帯電器
53 像露光器
54 現像器
541 現像スリーブ
542 搬送量規制部材
543 現像剤攪拌搬送部材
544 現像剤攪拌搬送部材
547 電位センサー
57 給紙ローラー
58 転写電極
59 分離電極(分離器)
60 定着装置
61 排紙ローラー
62 クリーニング器
70 プロセスカートリッジ

Claims (10)

  1. プロセススピードが400mm/sec以上で、有機感光体上に帯電工程で均一帯電を付与し、像露光工程で静電潜像を形成し、現像工程での未露光部電位(|VH|)が600V〜1000Vの条件で、静電潜像をトナー像に顕像化する画像形成方法に用いる有機感光体において、導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層を有し、該電荷輸送層が電荷輸送物質、電子受容性物質、ピリリウム化合物及びバインダー樹脂を含有し、非ハロゲン溶媒を用いて形成されたことを特徴とする有機感光体。
  2. 前記電荷輸送層が複数層で構成され、該複数層の最上層が電荷輸送物質、電子受容性物質、ピリリウム化合物及びバインダー樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
  3. 前記最上層のバインダー樹脂が少なくともポリカーボネートを含有することを特徴とする請求項2に記載の有機感光体。
  4. 前記最上層が酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項2又は3に記載の有機感光体。
  5. 前記電荷輸送物質の少なくとも1つがスチルベン化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機感光体。
  6. 前記電荷発生層が電荷発生物質としてオキシチタニルフタロシアニン顔料を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機感光体。
  7. 前記電荷発生層が電荷発生物質としてペリレン顔料を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機感光体。
  8. 前記有機感光体の電荷移動度(電界強度:3.2×105V/cmにおける)が5.0×10-6cm2/V・sec以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機感光体。
  9. プロセススピードが400mm/sec以上で、有機感光体上に帯電工程で均一帯電を付与し、像露光工程で静電潜像を形成し、現像工程での未露光部電位(|VH|)が600V〜1000Vの条件で、静電潜像をトナー像に顕像化する画像形成方法において、該有機感光体が導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層を有し、該電荷輸送層が非ハロゲン溶剤中に、少なくとも電荷輸送物質、電子受容性物質、ピリリウム化合物及びバインダー樹脂を溶解分散させた電荷輸送層分散液を塗布乾燥して形成され、該電荷輸送層が非ハロゲン溶媒を用いて形成されたことを特徴とする画像形成方法。
  10. プロセススピードが400mm/sec以上であり、有機感光体及び該有機感光体上に均一帯電を付与する帯電器、有機感光体上に静電潜像を形成する像露光器、有機感光体上の未露光電位(|VH|)が600V〜1000Vの条件で、静電潜像をトナー像に顕像化する現像器を有する画像形成装置において、該有機感光体が導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層を有し、該電荷輸送層が非ハロゲン溶剤中に、少なくとも電荷輸送物質、電子受容性物質、ピリリウム化合物及びバインダー樹脂を溶解分散させた電荷輸送層分散液を塗布乾燥して形成され、該電荷輸送層が非ハロゲン溶媒を用いて形成されたことを特徴とする画像形成装置。
JP2005045757A 2005-02-22 2005-02-22 有機感光体、画像形成方法及び画像形成装置 Pending JP2006234924A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005045757A JP2006234924A (ja) 2005-02-22 2005-02-22 有機感光体、画像形成方法及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005045757A JP2006234924A (ja) 2005-02-22 2005-02-22 有機感光体、画像形成方法及び画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006234924A true JP2006234924A (ja) 2006-09-07

Family

ID=37042681

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005045757A Pending JP2006234924A (ja) 2005-02-22 2005-02-22 有機感光体、画像形成方法及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006234924A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009104111A (ja) * 2007-10-03 2009-05-14 Mitsubishi Chemicals Corp 電子写真感光体及び該電子写真感光体を用いる画像形成装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009104111A (ja) * 2007-10-03 2009-05-14 Mitsubishi Chemicals Corp 電子写真感光体及び該電子写真感光体を用いる画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6333629B2 (ja) 電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置
JP6426490B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法
US9316933B2 (en) Electrophotographic photoreceptor and image forming apparatus including the same
JP5719886B2 (ja) 電子写真感光体及びそれを用いた画像形成装置
US20150160572A1 (en) Coating solution for forming charge transport layer, electrophotographic photoreceptor prepared therewith and image forming apparatus comprising the same
JP2005017579A (ja) 有機感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP3988685B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP2005017580A (ja) 有機感光体、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置
JP3991929B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP2006234924A (ja) 有機感光体、画像形成方法及び画像形成装置
JP5718413B2 (ja) 電子写真感光体及びそれを用いた画像形成装置
JP2003280223A (ja) 有機感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP4114578B2 (ja) 有機感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
US20160363886A1 (en) Image forming apparatus
JP2004347854A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2006234925A (ja) 有機感光体、画像形成方法及び画像形成装置
JP2005115356A (ja) 有機感光体、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置
JP3952833B2 (ja) 有機感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2007114649A (ja) 有機感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2007011253A (ja) 有機感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2007010958A (ja) 有機感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2015114348A (ja) 電荷輸送層形成用塗布液、それを用いた電子写真感光体および画像形成装置
JP2016053634A (ja) 電子写真感光体、その製造検査方法および電子写真感光体を備えた画像形成装置
JP2007010961A (ja) 有機感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2007010960A (ja) 有機感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ