JP5460957B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

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本発明は、電子写真感光体に関するものである。さらに詳しくは、特定のポルフィリン化合物を含有する感光層を有する電子写真感光体に係るものであり、特に380〜600nmの単色光により露光して使用するのに好適な電子写真感光体に関するものであって、380〜600nmの単色光により露光して画像を形成する画像形成装置に係るものである。
近年、有機系の光導電性物質を電子写真用感光体の感光層に用いる研究が進み、そのいくつかが実用化された。有機系の光導電性物質は無機系のものに比し、軽量である、成膜が容易である、感光体の製造が容易である、種類によっては透明な感光体を製造できる、材料が無公害である等の利点を有する。
特に、電荷キャリヤーの発生と移動の機能を別々の化合物に分担させる、いわゆる機能分離型の感光体が高感度化に有効であることから、開発の主流となっている。このような機能分離型感光体の感光層には、いくつかの層構成が考案されているが、電荷発生と電荷輸送の機能を分離して電荷発生層と電荷輸送層を積層した、いわゆる積層型感光体と、電荷発生物質と電荷輸送物質とを同一の層に含有した、いわゆる単層型感光体が、一般に用いられている。
電荷発生物質としては、フタロシアニン化合物などの大環状化合物を使用する技術が知られている。また、残留電位、光応答性、繰り返し使用した場合の帯電性など、種々の特性がバランス良く好適な感光体を得るために、電荷発生物質をバインダー樹脂中に分散または溶解させて、バランスのよい電子写真感光体を提供する技術が報告されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
しかし、フタロシアニン化合物は、環境変動、露光波長変動による電気特性、画像特性の変動があり、使用しにくい化合物であった。
一方、感光体の露光光として、LEDやレーザー等に代表される単色光を露光光として用いる電子写真装置が知られている。このような電子写真装置では、露光光として波長が600〜800nm程度の比較的長波長の光源を用いるものが主流となっている。
近年、出力画像の高解像度化の要望が強くなっており、露光光波長の短波長化が検討されている。露光光の短波長化を行えば、走査レンズの像面湾曲の影響を受けにくくなるために小径露光スポットの均一化が比較的容易になり、高解像度化に有効である。技術の進歩とともに、400nm前後の波長を持つ光源の応用もされ始めてきており、短波長光露光技術に対応した実用的な電子写真感光体の要望も最近とみに高まっている。
短波長光を露光光に用いる場合には、従来用いられていたような長波長の光に適合した感光体とは異なり、短波長光に対して感度に代表される電気特性が優れた感光体を用いることが必要である。比較的長波長のレーザーを用いた電子写真装置では、電荷発生物質として主に長波長光に対して感度のよいフタロシアニン化合物が用いられている。しかし、フタロシアニン化合物は、550nm〜400nm付近の波長の光に対しては感度が低い。また、400nm付近の波長の光に対しては感度を有するものの、波長の変動による感度変化が大きく、安定した画像形成を行うことができないため380〜600nmの短波長の光での露光には適当ではない。
特開昭59−194393公報 特開平03−194560公報
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたもので、感光層形成用塗布液の安定性が良く、優れた電子写真感光体特性を有し、高感度で帯電性、残留電位等の各種電気特性のバランスが良好であり、特に、波長380nm〜600nmの光に対して特に高い感度を有する上に、露光光の波長が変動しても感度に代表される電気特性の変化が小さく安定な電子写真感光体を提供しようとするものである。
更に、本発明に係る電子写真感光体を備えた、高性能の電子写真用カートリッジ、および画像形成装置を提供しようとするものである。
本発明者らは、上記の目的を満足しうる電子写真感光体について鋭意研究したところ、特定のポルフィリン化合物を含有する感光層を有する電子写真感光体が好適であることを見出し、本発明に至った。
本発明の第一の要旨は、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が電荷輸送層又は電荷輸送媒体を含み、該電荷輸送層又は該電荷輸送媒体の露光光の透過率が95%以上であり、下記式(1)の構造を有する化合物を含有する電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該電子写真感光体に対し像露光を行ない静電潜像を形成する像露光手段、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段、並びに前記トナーを被転写体に転写する転写手段のうち、少なくとも一つとを備え、且つ380〜430nmの単色光で露光することを特徴とする、画像形成装置に存する。
Figure 0005460957
(式(1)中、A、B、C、Dが、下記式(2)で表され、X1 〜X4水素原子を表す
。また、Mは水素、亜鉛、銅、ニッケル、チタン、ガリウム、バナジウム、珪素、ゲルマニウム、ホウ素の原子または原子団を表す。)
Figure 0005460957
(式(2)中、Y1 〜Y4 は置換基を有していてもよい炭素原子を表す。)
本発明の第二の要旨は、本発明の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該電子写真感光体に対し像露光を行ない静電潜像を形成する像露光手段、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段、並びに前記トナーを被転写体に転写する転写手段のうち、少なくとも一つとを備えることを特徴とする、電子写真用カートリッジに存する。
本発明の第三の要旨は、本発明の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該電子写真感光体に対し像露光を行ない静電潜像を形成する像露光手段、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段、並びに前記トナーを被転写体に転写する転写手段のうち、少なくとも一つとを備えることを特徴とする、画像形成装置に存する。
本発明によれば、高感度で、残留電位が低く、帯電性が高く、且つ、強光暴露によるそれらの電気特性の変動が小さく、特に、画像濃度に影響する帯電安定性が良好で、耐久性に優れた感光体を提供することができる。また、感光層を形成するのに用いる塗布形成用塗布液の安定性に優れ、しかも、380〜600nmの領域の感度が高く、特に該領域の単色光を発する半導体レーザーやLEDによる露光手段を用いた高性能の画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態につき、代表的例により説明するが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形して実施することが可能で、本発明は、以下の説明に限定されるものではない。
<電子写真感光体>
・層構成
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に感光層を有する。電子写真感光体を構成する感光層構成としては、従前知られた何れの構成も使用することができるが、具体的な構成としてはたとえば、電荷発生物質を含んだ層と電荷輸送物質を含んだ層を積層した積層型感光体と、電荷輸送物質を含む層に電荷発生物質を分散させた単層型感光体があげられる。また、積層型感光体では、電荷発生層、電荷輸送層を支持体側からこの順に積層した順積層型感光体と、逆に積層した逆積層型感光体があり、本発明ではいずれの感光層構成も用いることができるが、最もバランスの取れた光導電性を発揮できる順積層型感光体が好ましい。
いずれの場合にも、本発明の電子写真感光体に係る感光層は、下記式(1)で表される化合物を含有する。
Figure 0005460957
(式(1)中、A、B、C、Dは置換基を有していてもよい環状構造を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。X1 〜X4 は原子数30以下の置換基を表す。また、Mはポルフィリン骨格の窒素原子と結合しうる任意の原子または原子団を表す。)
式(1)で表される化合物は、電荷発生物質として用いられることが好ましいが、特に限定はされない。本発明の電子写真感光体の有する感光層は、式(1)で表される化合物の他に、本発明の電子写真感光体が電子写真感光体として機能し、画像を形成することが可能なものであれば、どのような化合物を併用してもかまわない。一般に、電荷発生物質は単層型感光体に用いられる場合でも、積層型感光体に用いられる場合でも、電荷を発生する機能としては同等の性能を示すことが知られている。
・支持体
導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付
与した樹脂材料やアルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫合金)等の導電性材料をその表面に蒸着または塗布した樹脂、ガラス、紙などが主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のため、適当な抵抗値を持つ導電性材料を塗布したものでもよい。
導電性支持体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いた場合、陽極酸化被膜を施してから用いてもよい。陽極酸化被膜を施した場合、公知の方法により封孔処理を施すのが望ましい。
例えば、クロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中で、陽極酸化処理することにより陽極酸化被膜が形成されるが、硫酸中での陽極酸化処理がより良好な結果を与える。硫酸中での陽極酸化の場合、硫酸濃度は100〜300g/l、溶存アルミニウム濃度は2〜15g/l、液温は15〜30℃、電解電圧は10〜20V、電流密度は0.5〜2A/dm2 の範囲内に設定されるのが好ましいが、前記条件に限定されるものではない。
このようにして形成された陽極酸化被膜に対して、封孔処理を行うことは好ましい。封孔処理は、公知の方法で行われればよいが、例えば、主成分としてフッ化ニッケルを含有する水溶液中に浸漬させる低温封孔処理、あるいは主成分として酢酸ニッケルを含有する水溶液中に浸漬させる高温封孔処理が施されるのが好ましい。
上記低温封孔処理の場合に使用されるフッ化ニッケル水溶液濃度は、適宜選べるが、3〜6g/lの範囲で使用された場合、より好ましい結果が得られる。また、封孔処理をスムーズに進めるために、処理温度としては、25〜40℃、好ましくは30〜35℃で、また、フッ化ニッケル水溶液pHは、4.5〜6.5、好ましくは5.5〜6.0の範囲で処理するのがよい。pH調節剤としては、シュウ酸、ホウ酸、ギ酸、酢酸、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、アンモニア水等を用いることが出来る。処理時間は、被膜の膜厚1μmあたり1〜3分の範囲で処理することが好ましい。なお、被膜物性を更に改良するためにフッ化コバルト、酢酸コバルト、硫酸ニッケル、界面活性剤等をフッ化ニッケル水溶液に添加しておいてもよい。次いで水洗、乾燥して低温封孔処理を終える。前記高温封孔処理の場合の封孔剤としては、酢酸ニッケル、酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル−コバルト、硝酸バリウム等の金属塩水溶液を用いることが出来るが、特に酢酸ニッケルを用いるのが好ましい。酢酸ニッケル水溶液を用いる場合の濃度は5〜20g/lの範囲内で使用するのが好ましい。処理温度は80〜100℃、好ましくは90〜98℃で、また、酢酸ニッケル水溶液のpHは5.0〜6.0の範囲で処理するのが好ましい。ここでpH調節剤としてはアンモニア水、酢酸ナトリウム等を用いることが出来る。処理時間は10分以上、好ましくは15分以上処理するのが好ましい。なお、この場合も被膜物性を改良するために酢酸ナトリウム、有機カルボン酸、アニオン系、ノニオン系界面活性剤等を酢酸ニッケル水溶液に添加してもよい。更に、実質上塩類を含まない高温水や高温水蒸気で処理しても構わない。次いで水洗、乾燥して高温封孔処理を終える。平均膜厚が厚い場合には、封孔液の高濃度化、高温・長時間処理により強い封孔条件を必要とする。従って生産性が悪くなると共に、被膜表面にシミ、汚れ、粉ふきといった表面欠陥を生じやすくなる。このような点から、陽極酸化被膜の平均膜厚は通常20μm以下、特に7μm以下で形成されることが好ましい。
支持体表面は、平滑であってもよいし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていてもよい。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでもよい。
導電性支持体と感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けてもよい。
・下引き層
下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子が挙げられる。一種類の粒子のみを用いてもよいし複数の種類の粒子を混合して用いてもよい。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタンおよび酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、またはステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理を施されていてもよい。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。複数の結晶状態のものが含まれていてもよい。
また、金属酸化物粒子の粒径としては、種々のものが利用できるが、中でも特性および液の安定性の面から、平均一時粒径として10nm以上100nm以下が好ましく、特に好ましいのは、10nm以上50nm以下である。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等が単独あるいは硬化剤とともに硬化した形で使用できるが、中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は良好な分散性、塗布性を示し好ましい。
バインダー樹脂に対する無機粒子の混合比は任意に選べるが、10質量%から500質量%の範囲で使用することが、分散液の安定性、塗布性の面で好ましい。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特性および塗布性から0.1μm〜20μmが好ましい。また下引き層には、公知の酸化防止剤等を含んでいてもよい。
<式(1)で表される化合物>
本発明の電子写真感光体は、380〜600nmの単色光で露光されることを特徴とし、下記式(1)で表される化合物を含有する感光層を有する。
Figure 0005460957
式(1)中、A、B、C、Dは置換基を有していてもよい環状構造を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。X1 〜X4 は原子数30以下の置換基を表す。また、Mはポルフィリン骨格の窒素原子と結合しうる任意の原子または原子団を表す。
式(1)で表される化合物は1種類のみを用いても、いくつかを併用してもよい。
式(1)中、A、B、C、Dが、芳香環構造を形成することは、電気特性の観点から好ましい。また、6員環構造であることは、電気特性の安定性から好ましい。更にこの6員環構造は、下記式(2)で表されることが、好ましい。
Figure 0005460957
式(2)中、Y1 〜Y4 は置換基を有していてもよい炭素原子、または窒素原子を表す。窒素原子が入る場合は、Y1 〜Y4 のうち、2個ないし1個が窒素原子であり、その残りは、炭素原子であることが好ましい。化合物の安定性を考えた場合、すべて炭素原子が好ましい。
式(1)中の環状構造AないしDは、置換基を有しても良く、この置換基は、大きすぎると電気特性の悪化を招く可能性があるため、原子数30以下が好ましく、更に好ましくは、原子数20以下であり、更に好ましくは、原子数10以下である。パッキングを鑑みた場合、1以上が好ましい。また、無置換であることは、結晶安定性の観点から好ましい。
具体的な置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシキル基、スルホン基などがあげられ、これらの置換基は、更に(原子数の大きくない:原子数10以下が好ましい)置換基を有していてもよい。この置換基としては、アルキル基、アリール基などがあげられる。
1 〜X4 は原子数30以下の置換基を表し、好ましくは、原子数20以下であり、更に好ましくは、原子数10以下である。具体的には、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、シアノ基、ニトロ基、水酸基、置換又は無置換のアミノ基、アシル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリール基、複素環芳香族基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。好ましくは、アリール基、アルキル基である。
また、Mはポルフィリンと結合しうる任意の少なくとも1つの原子または原子団を表す。具体的には、水素(−H−H−)、または、単体で、金属、半金属を示す元素が好ましい。水素(−H−H−)は好ましい。
金属としては、遷移金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属、典型元素の金属などが挙げられ、具体的には、マグネシウム、カルシウム、チタン、亜鉛、銅、鉛、マンガン、コバルト、鉄、ニッケル、パラジウム、イリジウム、白金、バナジウム、ガリウムなどが挙げられ、亜鉛、銅、ニッケル、チタン、ガリウム、バナジウムなどが好ましい。また、半金属は、金属と非金属の中間の物質であり、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、テルル、ポロニウムなどがあげられ、ケイ素、ゲルマニウム、ホウ素などが好ましい。
具体的には、本発明の式(1)の化合物は、電荷発生剤、電荷輸送剤、などに使用できるが、強い吸収を有することから、ここでは特に電荷発生剤として使用することは好ましい。また、他の同種の電子材料と併用して使用することは好ましい。
<電荷発生層>
本発明の電子写真感光体においては、必要に応じて、電荷発生物質、顔料を使用することは好ましい。この電荷発生物質を含有する層が電荷発生層である。
<電荷発生物質>
この電荷発生層に含まれる電荷発生剤として、式(1)で表される化合物を使用する事は、好ましい。また、この式(1)以外の染顔料を併用しても構わない。但し、この場合式(1)で表される化合物の量を超えない量を使用することが好ましい。
併用できる化合物としては、例えばセレニウム及びその合金、硫化カドミウム、その他無機系光導電材料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料などの有機顔料等各種光導電材料が使用でき、特に有機顔料、更にはフタロシアニン顔料、ポルフィリン顔料、アゾ顔料などが好ましい。
また、併用されうるフタロシアニンとしては、具体的には、無金属フタロシアニン、銅、インジウム、ガリウム、錫、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム等の金属、またはその酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、アルコキシド等の配位したフタロシアニン類の各種結晶型が使用される。特に、感度の高い結晶型であるX型、τ型無金属フタロシアニン、A型(別称β型)、B型(別称α型)、D型(別称Y型)などのチタニルフタロシアニン(別称:オキシチタニウムフタロシアニン)、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、II型等のクロロガリウムフタロシアニン、V型等のヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型、I型等のμ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体、II型等のμ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体が好適である。なお、これらのフタロシアニンのうち、A型(β型)、B型(α型)、D型(Y型)オキシチタニウムフタロシアニン、II型クロロガリウムフタロシアニン、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型μ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体等が特に好ましい。
特に、オキシチタニウムフタロシアニンは、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に主たる明瞭な回折ピークを有するものは、好ましい。
また、該オキシチタニウムフタロシアニンは、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.0°〜9.7°に、明瞭な回折ピークを有することは、好ましい。
また、該オキシチタニウムフタロシアニンにおいては、結晶内の塩素含有量が1.5wt%以下であることは好ましい。該塩素含有量は元素分析から求められる。
また、該オキシチタニウムフタロシアニン結晶内においては、下記式(A)で表される塩素化オキシチタニウムフタロシアニンの割合が、下記式(B)で表される無置換オキシチタニウムフタロシアニンに対して、マススペクトル強度比で、0.070以下であるものが好ましい。また、好ましくはマススペクトル強度比が0.060以下であり、より好ましくは0.055以下である。製造の際、非晶質化に乾式摩砕法を用いる場合は、0.015以上が好ましく、0.02以上がより好ましく、非晶質化にアシッドペースト法を用いる場合は、0.03以下が好ましい。クロル置換量は、特開2001−115054号の手法に基づいて、測定できる。
Figure 0005460957
これらオキシチタニルフタロシアニンの粒子径は製法、結晶変換方法によって大きく異なるが、分散性を考慮すると、1次粒子径として、500nm以下が好ましく、塗布成膜性の面からは300nm以下であることが好ましく、更に好ましくは、100nm以下である。
また、該オキシチタニウムフタロシアニンは、塩素化オキシチタニウムフタロシアニン以外に、例えば、フッ素原子、ニトロ基、シアノ基を有していても構わない。またはスルホン基等の置換基で置換された、各種オキシチタニウムフタロシアニン誘導体を含有しても構わない。
オキシチタニウムフタロシアニンのCuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルは、通常固体の粉末X線回折測定に用いられる方法に従って測定することができる。
本発明において、使用が好適な、オキシチタニウムフタロシアニンは、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に明瞭な回折ピークを有する。更に、9.0°〜9.8°に明瞭な回折ピークを有するものが好ましい。より好ましくは、9.0°、9.6°、または9.5°および9.7°に明瞭な回折ピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンであって、特に、ブラッグ角(2θ±0.2°)26.3°には明瞭な回折ピークを有さないものが好ましい。
フタロシアニン化合物は混晶状態でもよい。ここでのフタロシアニン化合物ないしは結晶状態に置ける混合状態として、それぞれの構成要素を後から混合して用いてもよいし、合成、顔料化、結晶化等のフタロシアニン化合物の製造・処理工程において混合状態を生じせしめたものでもよい。このような処理としては、酸ペースト処理・磨砕処理・溶剤処理等が知られている。混晶状態を生じさせるためには、特開平10−48859号公報記載のように、2種類の結晶を混合後に機械的に摩砕、不定形化した後に、溶剤処理によって特定の結晶状態に変換する方法が挙げられる。
また、アゾ顔料を併用する場合には、各種公知のビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料が好適に用いられる。好ましいアゾ顔料の例を下記に示す。
下記式において、Cp1 ないしCp3 は、カップラーを表す。
Figure 0005460957
カップラーCp1 ないしCp3 としては、好ましくは、以下構造を示す。
Figure 0005460957
具体的には、以下化合物が好ましい。
Figure 0005460957
Figure 0005460957
特には、下記式(3)で表される以下化合物が特に好ましい。
Figure 0005460957
式(3)中、R12は、アルキル置換基を有していてもよいシクロアルキル基を有する、総炭素数4〜20のアルキル基を表す。
Zは、
Figure 0005460957
または
Figure 0005460957
を表す。なお環Xは置換基を有していてもよい。
環Xの有していてもよい置換基としては、フッ素原子、ヨウ素原子、塩素原子などのハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基などのアルコキシ基が挙げられる。これらのなかではフッ素原子、塩素原子、メトキシ基、メチル基が好ましい。より好ましくはメチル基、置換基が存在しないことであり、更に好ましいのは、Xで示されるベンゼン環に置換基が存在しないことである。
式(3)において、−OR12基の結合位置は任意であるが、−CONH−基の結合する炭素原子に対して、メタ位に結合するのが好ましい。R12が表すシクロアルキル基を有するアルキル基としては、アルキル基部分の炭素数が5以下、より好ましくは1〜3のものである。また、シクロアルキル基部分の炭素数が、8以下であって、より好ましくは4〜6のものである。R12は、下記構造を有するものが挙げられるが、なかでもシクロアルキル基部分がシクロヘキシル基であるものが好ましく、特に好ましいのはシクロヘキシルメチル基である。
Figure 0005460957
<バインダー樹脂>
積層型感光体における電荷発生層に用いられる結着樹脂の例としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールやアセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル系ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、カゼインや、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシ変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アルキッド樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の絶縁性樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルペリレン等の有機光導電性ポリマーの中から選択し、用いることが出来るが、これらポリマーに限定されるものではない。また、これら結着樹脂は単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。これらの中でも、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールは好ましく、特には、アセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂が好ましい。
結着樹脂を溶解させ、塗布液の作製に用いられる溶媒、分散媒としては例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン等の飽和脂肪族系溶媒、トルエン、キシレン、アニソール等の芳香族系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒、グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン等の鎖状、分岐、及び環状ケトン系溶媒、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、1,2―ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等の鎖状、及び環状エーテル系溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルフォラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物、リグロイン等の鉱油、水などが挙げられ、前述した下引き層を溶解しないものが好ましく用いられる。またこれらは単独、または2種以上を併用しても用いることが可能である。
積層型感光体の電荷発生層において、前記結着樹脂と電荷発生物質との質量配合比は、バインダー樹脂100質量部に対して10〜1000質量部、好ましくは30〜500質量部の範囲であり、その膜厚は通常0.1〜4μm、好ましくは0.15〜0.6μmである。電荷発生物質の比率が高すぎる場合は電荷発生物質の凝集等の問題により塗布液の安定性が低下し、一方低すぎる場合は感光体としての感度の低下をまねくことから、前記
範囲で使用する事が好ましい。前記電荷発生物質を分散させる方法としては、ボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の公知の分散方法を用いることが出来る。この際粒子を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.15μm以下の粒子サイズに微細化することが有効である。
<電荷輸送層>
本発明の電子写真感光体においては、必要に応じて、電荷輸送物質を使用することは好ましい。この電荷輸送物質を含有する層が電荷輸送層である。この電荷輸送層は、通常はバインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。該電荷輸送層は、具体的には、例えば電荷輸送物質等とバインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には電荷発生層上に、また、逆積層型感光層の場合には導電性支持体上に(中間層を設ける場合には中間層上に)塗布、乾燥して得ることができる。
積層型感光体の場合、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層が形成される。電荷輸送層は単一の層でもよいし、構成成分あるいは組成比の異なる複数の層を重ねたものでもかまわない。また、単層型感光体の感光層では、積層型感光体の電荷輸送層と同様の構成の電荷輸送媒体の中に電荷発生物質が分散される。積層型感光体の電荷輸送層、および単層型感光体の電荷輸送媒体は、通常これらの電荷輸送物質を、バインダー樹脂により結着することで得られる。
順積層型感光体、および単層型感光体は、電荷輸送層、または感光層を通過した光が電荷発生物質に達することにより機能するために、電荷輸送層や電荷輸送媒体は、露光光を遮断しないような露光光透過性の優れたものである必要があり、電荷輸送物質とバインダー樹脂は相溶性が高く、構成物質が析出したり、濁りを生じたりしないものが好ましい。また、良好な画像を形成するためには、露光光を吸収しないものが好ましく、電荷輸送層や電荷輸送媒体の露光光の透過率が、87%以上のものが好ましく、より好ましくは90%以上、更に好ましくは93%以上、特には95%以上であることが好ましい。電荷輸送層や電荷輸送媒体の露光光の透過率は、電荷輸送物質を選択することにより達成することが可能であるし、電荷輸送層の膜厚を調整することによっても達成可能である。露光光の透過率の測定には、公知のどのような方法も用いることが可能であるが、例えば当該層を測定波長において透明な板(例えば石英ガラス板)上に形成し、市販の分光光度計により測定することができる。
積層型感光体の電荷輸送層、および単層型感光体の感光層において、バインダー樹脂と電荷輸送物質の含有比率は、通常、バインダー樹脂100質量部に対して全電荷輸送物質が30〜200質量部、好ましくは40〜150質量部の範囲である。電荷輸送層、および単層型感光体の感光層の膜厚は、通常5〜50μm、好ましくは10〜45μmである。膜厚が薄くなり過ぎると摩耗により感光体の寿命が短くなり、膜厚が厚くなりすぎると露光光や電荷の拡散により画像の解像度が悪化する傾向がある。
なお、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させるために周知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、界面活性剤、例えばシリコ−ンオイル、フッ素系オイルその他の添加剤などを含有させてもよい。酸化防止剤の例としては、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物などが挙げられる。
積層型感光体の電荷輸送層、および単層型感光体の感光層に使用されるバインダー樹脂としては、例えばポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどのビニル重合体、およびその共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルカーボ
ネート、ポリスルホン、ポリイミド、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられ、またこれらの部分的架橋硬化物或いはこれらを混合しても使用できる。
<電荷輸送物質>
本発明の感光体においては、電荷輸送物質として、イオン化ポテンシャル4.8以上、5.5以下の電荷輸送剤を含有することは好ましい。イオン化ポテンシャルは、AC−1(理研製)を使用して、簡便に、大気中で、粉体、又は、膜を使用して、測定することができる。小さすぎると、オゾンなどに弱くなるため、4.9以上が好ましく、更に好ましくは、5.0以上である。値が大きすぎると、電荷発生剤からの電荷の注入効率が悪くなるため、5.4以下が好ましい。
具体的には、下記式(4)で表される化合物であることは、好ましい。
Figure 0005460957
上記式(4)において、Ar1 ないしAr6 は置換基を有してもよい芳香族残基、または、置換基を有してもよい脂肪族残基を表し、Xは有機残基を表し、R1 ないしR4 は、有機基を表し、n1ないしn6は、0ないし2の整数を表す。
式(4)において、Ar1 ないしAr6 は置換基を有してもよい芳香族残基、または、置換基を有してもよい脂肪族残基を表す。具体的な芳香族には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピレン、ペリレン、フェナントレン、フルオレンなどの芳香族炭化水素、チオフェン、ピロール、カルバゾール、イミダゾール、などの芳香族複素環などが挙げられる。炭素数としては、5ないし20が好ましく、更に好ましくは、16以下であり、更に好ましくは、10以下である。下限は、電気特性の観点から、6以上が好ましい。特に、好ましくは、芳香族炭化水素残基であり、ベンゼン残基である事は好ましい。
また、具体的な脂肪族としては、炭素数としては、1ないし20が好ましく、更に好ましくは、16以下であり、更に好ましくは、10以下である。飽和脂肪族の場合は、炭素数6以下が好ましく、不飽和脂肪族の場合は、炭素数2以上が好ましい。飽和脂肪族としては、メタン、エタン、プロパン、イソプロパン、イソブタン、などの分岐、直鎖アルキルがあげられ、不飽和脂肪族としては、エチレン、ブチレンなどのアルケン類などが挙げられる。
また、これらに置換する置換基としては、特に制限はないが、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アリル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;フェニル基、インデニル基、ナフチル基、アセナフチル基、フェナントリル基、ピレニル基等のアリール基;インドリル基、キノリル基、カルバゾリル基等の複素環基が挙げられる。また、これら置換基は、連結基、または直接結合して環を形成してもよい。
また、これらの置換基は、導入することにより、分子内電荷を調節し、電荷移動度を増大させる効果がある一方で、嵩が大きくなりすぎると、分子内の共役面の歪み、分子間立体反発によってかえって電荷移動度を下げるため、好ましくは炭素原子数1以上であって
、好ましくは炭素原子数6以下、より好ましくは炭素原子数4以下、特には炭素原子数2以下である。
また、置換基を有する場合は、複数の置換基を有するのは、結晶析出をさけるので、好ましいが、多すぎると分子内の共役面の歪み、分子間立体反発によってかえって電荷移動度を下げるため、好ましくは一つの環につき、2個以下である。そして、感光層中における安定性を向上させ、電気特性を向上させるため、立体的に嵩高くないものが好ましく、より具体的には、メチル基、エチル基、ブチル基、イソプロピル基、メトキシ基が好ましい。
特に、Ar1 ないしAr4 が、ベンゼン残基である場合は、置換基を有することは好ましく、より好ましい置換基は炭素数12以下のアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数6以下のアルキル基であって、特にはメチル基が好ましい。また、Ar5 ないしAr6 が、ベンゼン残基である場合、好ましい置換基は、炭素数6以下のアルキル基または炭素数6以下のアルコキシ基であり、更にはメチル基、メトキシ基が好ましい。特には、式(4)中、Ar1 が、フルオレン構造を有することが好ましい。
また、Xは、有機残基であり、例えば、置換基を有してもよい、芳香族残基、飽和脂肪族残基、複素環残基、エーテル構造を有する有機残基、ジビニル構造を有する有機残基等が挙げられる。特に好ましくは、炭素数1ないし15の有機残基であることは好ましく、中でも、芳香族残基、飽和脂肪族残基は好ましい。芳香族残基の場合、炭素数6以上14以下であることは好ましく、更に好ましくは、10以下である。また、飽和脂肪族残基の場合、炭素数1以上10以下であることは好ましく、更に好ましくは、8以下である。
この有機残基Xは、上にあげた構造に置換基を有していてもよい。これらに置換する置換基としては、特に制限はないが、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アリル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;フェニル基、インデニル基、ナフチル基、アセナフチル基、フェナントリル基、ピレニル基等のアリール基;インドリル基、キノリル基、カルバゾリル基等の複素環基が挙げられる。また、これら置換基は、連結基、または直接結合して環を形成してもよい。また、これらの置換基は、好ましくは炭素原子数1以上であって、好ましくは炭素原子数10以下、より好ましくは炭素原子数6以下、特には炭素原子数3以下である。より具体的には、メチル基、エチル基、ブチル基、イソプロピル基、メトキシ基が好ましい。
また、置換基を有する場合は、複数の置換基を有するのは、結晶析出をさけるので、好ましいが、多すぎると分子内の共役面の歪み、分子間立体反発によってかえって電荷移動度を下げるため、好ましくは一つのXにつき、2個以下である。
n1ないしn4は、0ないし2の整数を表す。n1は、好ましくは、1であり、n2は、好ましくは、0ないし1である。
1 ないしR4 は、有機基である。好ましくは、炭素数30以下の有機基であり、より好ましくは炭素数20以下の有機基であり、更に好ましくは炭素数10以下の有機基であり、特に好ましくは炭素数5以下の有機基である。
n5ないしn6は、0ないし2の整数を表す。n5が0の場合は直接結合を表し、n6が0の場合は、n5は0が好ましい。n5、n6がともに1の場合、Xはアルキリデン、アリーレン、またはエーテル構造を有することが好ましい。また、アルキリデンの構造としては、フェニルメチリデン、2−メチルプロピリデン、2−メチルブチリデン、シクロヘキシリデンなどは好ましい。また、アリーレンの構造としては、フェニレン、ナフチレンなどが好ましい。また、エーテル構造を有する基としては、−O−CH2 −O−などが好ましい。
n5、n6がともに0である場合は、Ar5 は、ベンゼン残基、フルオレン残基であることが好ましい。ベンゼン残基である場合、アルキル基、アルコキシ基を置換することは好ましく、更に好ましくは、メチル基、メトキシ基であり、窒素原子のp位に置換することは好ましい。n6が2の場合は、Xは、ベンゼン残基であることが好ましい。n1ないしn6の具体的な組合せの一例としては、以下が挙げられる。
Figure 0005460957
式(4)で表される化合物のより具体的な構造例を以下に示す。
Figure 0005460957
Figure 0005460957
上記例示構造のうちRは、同一でも、それぞれ異なっていても構わない。具体的には、水素原子又は、置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基等が好ましい。特に好ましくは、メチル基、フェニル基である。また、nは0ないし2の整数である。
また、式(4)で表される化合物と、任意の公知の電荷輸送物質を併用しても構わない。公知の電荷輸送物質の例としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化
合物等の電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等が挙げられる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましい。これらの電荷輸送物質は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせで併用してもよい。
<バインダー樹脂>
電荷発生層と電荷輸送層を有する機能分離型感光体の電荷輸送層、及び単層型感光体の感光層形成の際は、膜強度確保のため、化合物を分散させるためバインダー樹脂が使用される。機能分離型感光体の電荷輸送層の場合、電荷輸送物質と各種バインダー樹脂とを溶剤に溶解、あるいは分散してえられる塗布液、また、単層型感光体の場合、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダー樹脂を溶剤に溶解、あるいは分散して得られる塗布液を塗布、乾燥して得ることが出来る。バインダー樹脂としては、例えばブタジエン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等があげられる。これら樹脂は珪素試薬などで修飾されていてもよい。
特に、本発明においては、界面重合で得られた一種類以上のポリマーを含有することは好ましい。界面重合とは、互いに混ざり合わない2つ以上の溶媒(多くは、有機溶媒−水系)の界面で進行される重縮合反応を利用する重合法である。例えば、ジカルボン酸塩化物を有機溶媒に、グリコール成分をアルカリ水等に溶かして、常温で両液を混合させて、2相にわけ、その界面で、重縮合反応を進ませて、ポリマーを生成させる。他の2成分の例としては、ホスゲンとグリコール水溶液などが挙げられる。また、ポリカーボネートオリゴマーを界面重合で縮合する場合のように、2成分をそれぞれ、2相に分けるのではなく、界面を重合の場として、利用する場合もある。
反応溶媒としては、有機相と、水相の二層を使用するのは好ましく、有機相としては、メチレンクロライド、水相は、アルカリ性水溶液が好ましい。
反応時に、触媒を使用することは好ましく、反応で使用する縮合触媒の添加量は、ジオールに対して0.005〜0.1mol%程度、好ましくは0.03〜0.08mol%である。0.1mol%を超えると、重縮合後の洗浄工程で触媒の抽出除去に多大の労力を要し好ましくない。
反応温度は、80℃以下、好ましくは60℃以下、さらに好ましくは10℃〜50℃の範囲にあることが好ましく、また反応時間は反応温度によっても左右されるが、通常0.5分〜30時間、好ましくは1分〜20時間である。反応温度が高すぎると、副反応の制御ができず、一方、低すぎると、反応制御上は好ましい状況ではあるが、冷凍負荷が増大して、その分コストアップとなり好ましくない。
また、有機相中の濃度は、得られる組成物が可溶な範囲であればよく、具体的には、10〜40質量%程度である。有機相の割合はジオールのアルカリ金属水酸化物水溶液、即ち水相に対して0.2〜1.0の容積比であることが好ましい。
また、重縮合によって得られる有機相中の生成樹脂の濃度が5〜30質量%となるように溶媒の量が調整されるのが好ましい。しかる後、新たに水及びアルカリ金属水酸化物を含む水相を加え、さらに重縮合条件を整えるために好ましくは縮合触媒を添加して界面重縮合法に従い、所期の重縮合を完結させる。重縮合時の有機相と水相の割合は容積比で有機相:水相=1:0.2〜1程度が好ましい。
界面重合により生成する該ポリマーとしては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂(特にポリアリレート樹脂が好ましい)が特に好ましい。
該ポリマーは、芳香族ジオールを原料とするポリマーであることは好ましく、好ましい芳香族ジオール化合物としては、下記式(5)で表されるものである。
Figure 0005460957
(式(5)中、Xは
Figure 0005460957
又は単結合を示し、R1 及びR2 は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、置換されていてもよいアリール基、又は、ハロゲン化アルキル基を示し、Zは4〜20の置換又は非置換の炭素環を示し、Y1 ないしY8 は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、置換されていてもよいアリール基、又は、ハロゲン化アルキル基を示す。)
特に、下記構造式を有するビスフェノール、又はビフェノール成分が含有されるポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が感度、残留電位の点から好ましく、なかでも移動度の面からポリカーボネート樹脂がより好ましい。
ポリカーボネート樹脂に好適に用いる事の出来るビスフェノール、ビフェノールの構造を以下に例示する。本例示は、趣旨を明確にするために行うものであり、本発明の趣旨に反しない限りは例示される構造に限定されるものではない。
Figure 0005460957
特に、本発明の効果を最大限に発揮するためには、以下構造を示すビスフェノール誘導体を含有するポリカーボネートは好ましい。
Figure 0005460957
また、機械特性向上のためには、ポリエステル特に、ポリアリレートを使用することは好ましく、この場合は、ビスフェノール成分として以下構造を用いるのが好ましく、
Figure 0005460957
酸成分としては、以下構造を用いることが好ましい。
Figure 0005460957
また、テレフタル酸とイソフタル酸を使用する際は、テレフタル酸のモル比が多い方が好ましい。また、特に以下構造を用いることは好ましい。
Figure 0005460957
積層型感光体の電荷輸送層、および単層型感光体の感光層に使用されるバインダー樹脂と電荷輸送物質の割合は、単層型、積層型共に、通常、バインダー樹脂100質量部に対して電荷輸送物質が20質量部以上であって、残留電位低減の観点から30質量部以上が好ましく、さらに繰り返し使用時の安定性、電荷移動度の観点から、40質量部以上がより好ましい。また、一方で感光層の熱安定性の観点から、通常は150質量部以下、さらに電荷輸送物質とバインダー樹脂の相溶性の観点からは好ましくは120質量部以下、さらに耐刷性の観点からは100質量部以下がより好ましく、耐傷性の観点からは80質量部以下がとりわけ好ましい。
単層型感光体の場合には、上記のような配合比の電荷輸送媒体中に、さらに前記の電荷発生物質が分散される。その場合の電荷発生物質の粒子径は充分小さいことが必要であり、好ましくは1μm以下が好ましく、より好ましくは0.5μm以下で使用される。感光層内に分散される電荷発生物質は少なすぎると充分な感度が得られず、多すぎると帯電性の低下、感度の低下の弊害があり、例えば、好ましくは0.1〜50質量%の範囲、好ましくは1〜20質量%の範囲で使用される。
単層型感光体の感光層の膜厚は、通常5〜100μm、好ましくは10〜50μmの範囲で使用され、順積層型感光体の電荷輸送層の膜厚は、通常5〜50μmの範囲で用いられるが、長寿命、画像安定性の観点からは、好ましくは10〜45μm、高解像度の観点からは10〜30μmがより好ましい。
なお、感光層には成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させるために周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤などの添加物を含有させてもよい。また感光層には必要に応じて塗布性を改善するためのレベリング剤や酸化防止剤、増感剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。酸化防止剤の例としては、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物などが挙げられる。また染料、顔料の例としては、各種の色素化合物、アゾ化合物などが挙げられ、界面活性剤の例としては、シリコ−ンオイル、フッ素系オイルなどが挙げられる。
<酸化防止剤>
酸化防止剤は、感光体に含まれる部材の酸化を防止するために添加される安定剤の一種である。電荷発生層に含まれることが好ましいが、その他いずれの層に存在していても構わない。
酸化防止剤は、ラジカル補足剤としての機能があり、具体的には、フェノール誘導体、アミン化合物、ホスホン酸エステル、硫黄化合物、ビタミン、ビタミン誘導体などがあげられる。
この中でも、フェノール誘導体、アミン化合物、ビタミン等は、好ましい。特に好ましくは、嵩高い置換基を、ヒドロキシ基近辺に有する、ヒンダードフェノール、または、トリアルキルアミン誘導体等は好ましい。
特には、ヒドロキシ基のo位に、t−ブチル基を有するアリール化合物誘導体は好ましく、ヒドロキシ基のo位に、t−ブチル基を2つ有するアリール化合物誘導体は好ましい。
また、該酸化防止剤は、分子量は大きすぎると、酸化防止能に問題が生じることがあり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィにより測定される分子量1500以下、特には
、分子量1000以下の化合物が好ましい。下限は、100以上、好ましくは、150以上が好ましく、更に好ましくは、200以上が好ましい。
以下、本発明に使用できる酸化防止剤を示す。本発明に使用できる酸化防止剤としては、プラスチック、ゴム、石油、油脂類の酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤として公知の材料すべては用いる事ができるが、とりわけ次に示す化合物群より選ばれる材料が好ましく使用できる。
(1)特開昭57−122444号公報に記載のフェノール類、特開昭60−188956号公報に記載のフェノール誘導体及び特開昭63−18356号公報に記載のビンダードフェノール類。
(2)特開昭57−122444号公報に記載のパラフェニレンジアミン類、特開昭60−188956号公報に記載のパラフェニレンジアミン誘導体及び特開昭63−18356号公報に記載のパラフェニレンジアミン類。
(3)特開昭57−122444号公報に記載のハイドロキノン類、特開昭60−188956号公報に記載のハイドロキノン誘導体及び特開昭63−18356号公報に記載のハイドロキノン類。
(4)特開昭57−188956号公報に記載のイオウ化合物及び特開昭63−18356号公報に記載の有機イオウ化合物類。
(5)特開昭57−122444号公報に記載の有機リン化合物及び特開昭63−18356号公報に記載の有機リン化合物類。
(6)特開昭57−122444号公報に記載のヒドロキシアニソール類。
(7)特開昭63−18355号公報に記載の特定の骨格構造を有するピペリジン誘導体及びオキソピペラジン誘導体。
(8)特開昭60−188956号公報に記載のカロチン類、アミン類、トコフェロール類、Ni(II)錯体、スルフィド類等。
また、特に好ましくは、以下に示す、ヒンダードフェノール類が好ましい(ヒンダードフェノールとは、嵩高い置換基を、ヒドロキシ基近辺に有する、フェノール類を示す)。
ジブチルヒドロキシトルエン、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、α−トコフェノール、β−トコフェノール、2,2,4−トリメチル−6−ヒドロキシ−7−t−ブチルクロマン、ペンタエリスチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2’−チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシアニソール、オクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン
上記、ヒンダードフェノール類の中でも、特には、以下の化合物が好ましい。
オクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン
これらの化合物はゴム、プラスチック、油脂類等の酸化防止剤として知られており、市販品として入手することが可能である。
本発明の感光体において表面層中の前記酸化防止剤の量は、特に制限されないが、電荷輸送層に使用される場合、電荷輸送層に含まれるバインダー樹脂100質量部当り0.1質量部以上、20質量部以下が好ましい。この範囲以外の場合、良好な電気特性が得られない。特に好ましくは、1質量部以上である。また、多すぎると、電気特性だけでなく、
耐刷性にも問題を起こすので、好ましくは、15質量部以下であり、更に好ましくは、10質量部以下である。
<電子吸引性化合物>
感光体には、電子吸引性の化合物を有することは好ましく、具体的には、電荷輸送層に含まれることは好ましい。具体的には、スルホン酸エステル化合物、カルボン酸エステル化合物、有機シアノ化合物、ニトロ化合物、芳香族ハロゲン誘導体などは好ましいが、特に好ましくは、スルホン酸エステル化合物、有機シアノ化合物、であり、特に、スルホン酸エステル化合物は好ましい。
電子吸引能力は、LUMOの値で予見することも可能であると考えられる。特に、PM3パラメーターを使った半経験的分子軌道計算を用いた構造最適化による(以下これを単に、半経験的分子軌道計算によるとする)LUMOcalの値が−0.5〜−3.0eVである化合物が好ましい。LUMOcalの絶対値が、0.5eVよりも小さくなると、電子吸引性の効き目があまり期待できず、3.0eVを超えると、帯電の悪化が懸念される。LUMOcalの絶対値は、より好ましくは、1.0eV以上であり、更に好ましくは、1.2eV以上であり、更に好ましくは、1.4eV以上である。LUMOcalの絶対値は、より好ましくは、2.7eV以下が好ましく、更に好ましくは、2.5eV以下であり、更に好ましくは、2.3eV以下である。
具体的には、以下化合物があげられる。
Figure 0005460957
本発明の感光体において表面層中の前記電子吸引性化合物の量は、特に制限されないが、電荷輸送層に使用される場合、電荷輸送層に含まれるバインダー樹脂100質量部当り0.01質量部以上、10質量部以下が好ましい。この範囲以外の場合、良好な電気特性が得られない。特に好ましくは、0.1質量部以上である。また、多すぎると、電気特性だけでなく、繰り返し使用時の耐久性が低下する虞があるので、好ましくは、8質量部以下であり、更に好ましくは、5質量部以下である。
感光層の上には電気的、機械的劣化を防止する目的で保護層を設けてもよい。また、感光体表面の摩擦抵抗や摩耗を軽減する目的で、表面の層にフッ素系樹脂、シリコーン樹脂等を含んでも良く、これらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を含んでいてもよい。
・層形成方法
本発明の電子写真用感光体の感光層は、常法に従って、式(1)で表される化合物を、バインダー樹脂と共に適当な溶剤中に溶解または分散し、必要に応じ、適当な電荷発生物
質、増感染料、電子吸引性化合物、他の電荷輸送物質、あるいは、可塑剤、顔料等との周知の添加剤を添加して得られる塗布液を、導電性基体上に塗布、乾燥させることにより製造することができる。
<塗布法>
電荷発生層と電荷輸送層の二層からなる感光層の場合は、電荷発生層の上に上記塗布液を塗布するか、上記塗布液を塗布して得られる電荷輸送層の上に電荷発生層を形成させることにより、製造することができる。
感光体を構成する各層を塗布形成するための塗布液の作製に用いられる溶媒あるいは分散媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類;ギ酸メチル、酢酸エチル、等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、テトラクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、トリクロロエチレン等の塩素化炭化水素類;n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン等の含窒素化合物類;アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤類等があげられ、これらは単独でまたは2種以上を併用して用いられる。
感光層の塗布形成方法としては、スプレー塗布法、スパイラル塗布法、リング塗布法、浸漬塗布法等がある。
スプレー塗布法としては、エアスプレー、エアレススプレー、静電エアスプレー、静電エアレススプレー、回転霧化式静電スプレー、ホットスプレー、ホットエアレススプレー等があるが、均一な膜厚を得るための微粒化度、付着効率等を考えると回転霧化式静電スプレーにおいて、再公表平1−805198号公報に開示されている搬送方法、すなわち円筒状ワークを回転させながらその軸方向に間隔を開けることなく連続して搬送することにより、総合的に高い付着効率で膜厚の均一性に優れた電子写真感光体を得ることができる。
スパイラル塗布法としては、特開昭52−119651号公報に開示されている注液塗布機またはカーテン塗布機を用いた方法、特開平1−231966号公報に開示されている微小開口部から塗料を筋状に連続して飛翔させる方法、特開平3−193161号公報に開示されているマルチノズル体を用いた方法等がある。
浸漬塗布法の場合は、塗布液あるいは分散液の作製において、単層型感光層の場合、および積層型感光層の電荷輸送層の場合には、全固形分濃度を好ましくは10質量%以上であって50質量%以下、さらに好ましくは15質量%以上35質量%以下、粘度を好ましくは50〜700mPa・s、更に好ましくは100〜500mPa・sとし、積層型感光層の電荷発生層の場合には、固形分濃度を好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは1〜10質量%、粘度を好ましくは0.1〜10mPa・sとする。
塗膜形成後、塗膜を乾燥させるが、必要且つ充分な乾燥が行われる様に乾燥温度時間を調整するとよい。乾燥温度は、高すぎると感光層内に気泡が混入する原因となり、低すぎると乾燥に時間を要し、残留溶媒量が増加して電気特性に悪影響を与えるなどの問題があるため、通常100〜250℃、好ましくは110〜170℃、さらに好ましくは120〜140℃の範囲である。乾燥方法としては、熱風乾燥機、蒸気乾燥機、赤外線乾燥機および遠赤外線乾燥機等を用いることができる。
<画像形成装置>
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
図1に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1、帯電装置2、露光装置3及び現像装置4を備えて構成され、更に、必要に応じて転写装置5、クリーニング装置6及び定着装置7が設けられる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
帯電装置2は、電子写真感光体1を帯電させるもので、電子写真感光体1の表面を所定電位に均一帯電させる。図1では帯電装置2の一例としてローラ型の帯電装置(帯電ローラ)を示しているが、他にもコロトロンやスコロトロン等のコロナ帯電装置、帯電ブラシ等の接触型帯電装置などがよく用いられる。
なお、電子写真感光体1及び帯電装置2は、多くの場合、この両方を備えたカートリッジ(以下適宜、感光体カートリッジという)として、画像形成装置の本体から取り外し可能に設計されている。そして、例えば電子写真感光体1や帯電装置2が劣化した場合に、この感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することができるようになっている。また、後述するトナーについても、多くの場合、トナーカートリッジ中に蓄えられて、画像形成装置本体から取り外し可能に設計され、使用しているトナーカートリッジ中のトナーが無くなった場合に、このトナーカートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しいトナーカートリッジを装着することができるようになっている。更に、電子写真感光体1、帯電装置2、トナーが全て備えられたカートリッジを用いることもある。
露光装置3は、電子写真感光体1に露光を行なって電子写真感光体1の感光面に静電潜像を形成することができるものであれば、その種類に特に制限はない。具体例としては、ハロゲンランプ、蛍光灯、半導体レーザーやHe−Neレーザー等のレーザー、LEDなどが挙げられる。また、感光体内部露光方式によって露光を行なうようにしてもよい。露光を行なう際の光は任意であるが、特に波長380〜600nmの短波長の単色光などで露光することが好ましく、より好ましくは380〜500nmの単色光て露光することであり、更に好ましくは、波長380〜430nmの単色光で露光することである。
現像装置4は、その種類に特に制限はなく、カスケード現像、一成分導電トナー現像、二成分磁気ブラシ現像などの乾式現像方式や、湿式現像方式などの任意の装置を用いることができる。図1では、現像装置4は、現像槽41、アジテータ42、供給ローラ43、現像ローラ44、及び、規制部材45からなり、現像槽41の内部にトナーTを貯留している構成となっている。また、必要に応じ、トナーTを補給する補給装置(図示せず)を現像装置4に付帯させてもよい。この補給装置は、ボトル、カートリッジなどの容器からトナーTを補給することが可能に構成される。
供給ローラ43は、導電性スポンジ等から形成される。現像ローラ44は、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケルなどの金属ロール、又はこうした金属ロールにシリコーン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂などを被覆した樹脂ロールなどからなる。この現像ローラ44の表面には、必要に応じて、平滑加工や粗面加工を加えてもよい。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナ
ーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
規制部材45は、シリコーン樹脂やウレタン樹脂などの樹脂ブレード、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、真鍮、リン青銅などの金属ブレード、又はこうした金属ブレードに樹脂を被覆したブレード等により形成されている。この規制部材45は、現像ローラ44に当接し、ばね等によって現像ローラ44側に所定の力で押圧(一般的なブレード線圧は5〜500g重/cm)される。必要に応じて、この規制部材45に、トナーTとの摩擦帯電によりトナーTに帯電を付与する機能を具備させてもよい。
アジテータ42は、回転駆動機構によってそれぞれ回転されており、トナーTを攪拌するとともに、トナーTを供給ローラ43側に搬送する。アジテータ42は、羽根形状、大きさ等を違えて複数設けてもよい。
トナーTの種類は任意であり、粉砕トナーのほか、懸濁重合法や乳化重合法などを用いた重合トナー等を用いることができる。特に、重合トナーを用いる場合には径が4〜8μm程度の小粒径のものが好ましく、また、トナーの粒子の形状も球形に近いものからポテト状の球形から外れたものまで様々に使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化に好適に用いられる。特に乳化重合法を用いた重合トナー、すなわち、乳化重合凝集トナーは粒子の形状がポテト状であり球形から外れたものであるので、転写せずに感光体表面上に残ったトナーをクリーニングブレード等で除去し易く、本発明に用いるトナーとして好ましい。かかる効果は、トナーの粒径が小さくなるほど発揮される。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法など、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー、転写ローラ、転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙、媒体)Pに転写するものである。
クリーニング装置6について特に制限はなく、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、ブレードクリーナーなど、任意のクリーニング装置を用いることができる。クリーニング装置6は、感光体1に付着している残留トナーをクリーニング部材で掻き落とし、残留トナーを回収するものである。但し、感光体表面に残留するトナーが少ないか、殆ど無い場合には、クリーニング装置6は無くても構わない。
定着装置7は、上部定着部材(加圧ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成され、定着部材71又は72の内部には加熱装置73がそなえられている。なお、図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73がそなえられた例を示す。上部及び下部の各定着部材71、72は、ステンレス、アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シートなどが公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71、72は、離型性を向上させる為にシリコーンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
記録紙P上に転写されたトナーは、所定温度に加熱された上部定着部材71と下部定着部材72との間を通過する際、トナーが溶融状態まで熱加熱され、通過後冷却されて記録紙P上にトナーが定着される。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱
ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
以上のように構成された電子写真装置では、次のようにして画像の記録が行なわれる。即ち、まず感光体1の表面(感光面)が、帯電装置2によって所定の電位(例えば−600V)に帯電される。この際、直流電圧により帯電させても良く、直流電圧に交流電圧を重畳させて帯電させてもよい。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像装置4は、供給ローラ43により供給されるトナーTを、規制部材(現像ブレード)45により薄層化するとともに、所定の極性(ここでは感光体1の帯電電位と同極性であり、負極性)に摩擦帯電させ、現像ローラ44に担持しながら搬送して、感光体1の表面に接触させる。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置7を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで、最終的な画像が得られる。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としてもよい。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
また、画像形成装置は更に変形して構成してもよく、例えば、前露光工程、補助帯電工程などの工程を行なうことができる構成としたり、オフセット印刷を行なう構成としたり、更には複数種のトナーを用いたフルカラータンデム方式の構成としてもよい。
以下本発明を実施例と比較例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下において特に指定の無い限り「部」とあるのは「質量部」を表す。なお、電荷輸送層に用いた樹脂の粘度平均分子量は、以下のようにして算出した。
樹脂をジクロロメタンに溶解し、濃度Cが6.00g/Lの溶液を調製する。溶媒(ジクロロメタン)の流下時間t0 が136.16秒のウベローデ型毛細管粘度計を用いて、20.0℃に設定した恒温水槽中で試料溶液の流下時間tを測定する。以下の式に従って粘度平均分子量を算出した。
a=0.438×ηsp+1 ηsp=t/t0 −1
b=100×ηsp/C C=6.00(g/L)
η=b/a
Mv=3207×η1.205
実施例1
膜厚75μmのポリエステルフィルム上にアルミニウムを蒸着させたものを支持体として用い、この上に下記の電荷発生層塗布液を乾燥後の膜厚が0.4μmとなるようにワイヤーバーで塗布して乾燥し、電荷発生層を形成した。この層の上に、下記の電荷輸送層塗
布液をアプリケーターで塗布し、室温で30分間、次いで125℃で20分間乾燥させて、膜厚25μmの電荷輸送層を有する感光体Aを製造した。
この際に用いた電荷輸送層塗布液を、石英ガラス上に乾燥後の膜厚が25μmとなるように塗布、乾燥して得られたサンプルを、同等の石英ガラスをバックグラウンドとして、株式会社島津製作所製分光光度計UV1650PCを用いて427nmの光に対する透過率を測定したところ、99.9%であった。
・電荷発生層塗布液
下記式(G1)で表される化合物1.5部(Heterocycles, vol.52, 399. (2000) 記載の手法に従い合成)に、1,2−ジメトキシエタン30部加え、サンドグラインドミルで8時間粉砕し、微粒化分散処理を行った。続いて、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)0.75部、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製品、PKHH)0.75部を1,2−ジメトキシエタン28.5部に溶解したバインダー溶液と混合し、更に1,2−ジメトキシエタンと4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンの任意割合の混合液13.5部を混合して、固形分濃度4.0質量%の電荷発生層塗布液を調整した。
・電荷輸送層塗布液
下記式(7)で表される化合物70部と、下記式(8)で表されるポリカーボネート樹脂(m:n=51:49、粘度平均分子量30,000)100部を、テトラヒドロフラン480部およびトルエン120部に溶解させて電荷輸送層塗布液を調整した。
Figure 0005460957
実施例2
実施例1において、式(7)で表される化合物の使用量を90部とした電荷輸送層塗布液を使用した以外は、実施例1と同様にして、感光体Bを製造した。この際に用いた電荷輸送層塗布液を用いて、実施例1と同様にして427nmの光に対する膜の透過率を測定したところ、99.9%であった。
実施例3
実施例1において、式(7)で表される化合物の使用量を50部とした電荷輸送層塗布液を使用した以外は、実施例1と同様にして、感光体Cを製造した。この際に用いた電荷輸送層塗布液を用いて、実施例1と同様にして427nmの光に対する膜の透過率を測定したところ、99.9%であった。
実施例4
実施例1において、式(7)で表される化合物の代わりに、下記式(9)で表される化合物を使用した以外は、すべて実施例1と同様にして、感光体Dを製造した。この際に用いた電荷輸送層塗布液を用いて、実施例1と同様にして427nmの光に対する電荷輸送層の透過率を測定したところ、99.9%であった。
Figure 0005460957
実施例5
実施例1において、式(G1)で表される化合物の代わりに、下記式(G1−Cu)で表される化合物(Heterocycles, vol.52, 399. (2000) 記載の手法に従い合成)を使用した以外は、すべて実施例1と同様にして、感光体Eを製造した。
Figure 0005460957
比較例1
実施例1において、式(G1)で表される化合物の代わりに、下記式(G2)で表される化合物(x型:大日本インキ製)を使用した以外は、すべて実施例1と同様にして、感光体Fを製造した。
Figure 0005460957
比較例2
実施例1において、式(G1)で表される化合物の代わりに、下記式(G3)で表される化合物(ω型:特開平3−194560号公報の実施例2の手法に従い合成)を使用した以外は、すべて実施例1と同様にして、感光体Gを製造した。
Figure 0005460957
比較例3
実施例1において、式(G1)で表される化合物の代わりに、下記式(G4)で表される化合物を使用した以外は、すべて実施例1と同様にして、感光体Hを製造した。
Figure 0005460957
<電気特性評価1>
得られた各感光体A〜Hを、感光体特性評価装置(三菱化学(株)製)に装着し、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性の評価を行った。
各感光体を外径80mmのアルミニウム製ドラムに巻き付け、アルミニウム製ドラムと感光体のアルミニウム蒸着層を電気的に導通させ、回転数30rpmの一定回転速度で回転させた。温度25℃、湿度50%の環境下、感光体の初期表面電位が−700Vとなるように帯電させ、露光にはハロゲンランプの光を干渉フィルターで410nmの単色光としたものを用いて、表面電位が−350Vとなる露光量(以下、感度ということがある)と、光量1.11μJ/cm2 で露光した時の表面電位(以下、VLという)を求めた。露光から電位測定までの時間は389ミリ秒とした。除電光には75ルックスの白色光を用いて、露光幅は5mmとした。除電光照射後の残留電位(以下、Vrという)を測定した。
感度は、表面電位が初期の電位の1/2になるのに必要な露光量であり、数値の小さい方がより感度が高いものとなる。また、VLおよびVrは露光後の電位であり、より値の小さい方が電気特性として優れる。結果を下記表2に示す。
Figure 0005460957
比較例3の感光体Hは、露光により電位が低下して光減衰が認められるものの、光減衰の程度が著しく小さかったため、感度を測定することは出来なかった。
<電気特性評価2>
露光にハロゲンランプの光を干渉フィルターで510nmの単色光としたものを用いる以外は、電気特性評価1と同様にして、電気特性の評価を行った。結果を下記表3に示す。
Figure 0005460957
比較例3の感光体Hは、露光により電位が低下して光減衰が認められるものの、光減衰の程度が著しく小さかったため、感度を測定することは出来なかった。
実施例1〜5の感光体は、比較例1〜3の感光体に比し、410nmと、510nmの露光において、感度、VL、Vrがバランスよく良好であり好適な感光体であった。
続いて感光体AおよびFに、白色蛍光灯(三菱オスラム社製ネオルミスーパーFK20SS・W/18)の光を、感光体表面での光強度が2000ルックスになるように調整して10分間照射し、その後暗所で10分間放置した後、同様の測定を行った。
下記表4に、初期表面電位とVLの白色蛍光灯照射前後での電気特性の変化量を示す。変化量の小さい感光体の方が、強い光に暴露された場合でも特性変化が小さいことを示し、感光体の電気特性として、耐強光性能が優れたものである。
Figure 0005460957
実施例1の感光体は、比較例1の感光体に比し強い光に暴露された後でも電位の変化量が小さく、耐強光性能に優れていた。
以上のように、式(1)で表される化合物を含有する感光層を有する感光体は、感度、VL、Vrに代表される電気特性がバランスよく良好であって、しかも強い光に暴露された場合でも劣化し難いものであった。
実施例6
平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業株式会社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3質量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、ヘンシェルミキサーにて混合して得られた表面処理酸化チタン50部と、メタノール120部を混合してなる原料スラリー1kgを、直径約100μmのジルコニアビーズ(株式会社ニッカトー製 YTZ)を分散メディアとして、ミル容積約0.15Lの寿工業株式会社製ウルトラアペックスミル(UAM−015型)を用い、ロータ周速10m/秒、液流量10kg/時間の液循環状態で1時間分散処理し、酸化チタン分散液を作製した。
前記酸化チタン分散液と、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒、および、ε−カプロラクタム[下記式(A)で表わされる化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(B)で表わされる化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(C)で表わされる化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(D)で表わされる化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(E)で表わされる化合物]の組成モル比率が、60%/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、出力1200Wの超音波発信器による超音波分散処理を1時間行い、更に孔径5μmのPTFE製メンブレンフィルター(アドバンテック製 マイテックス LC)により濾過し、表面処理酸化チタン/共重合ポリアミドを質量比が3/1であり、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒の質量比が7/1/2であって、含有する固形分の濃度が18.0質量%の下引き層形成用分散液Aを得た。
Figure 0005460957
この下引き層形成用分散液Aを、陽極酸化されていないアルミニウムシリンダー(外径30mm、長さ376mm、厚さ0.75mm)に浸漬塗布し、乾燥後の膜厚が1.5μmとなるように下引き層を設けた。
次に、実施例1で使用した化合物(G1)1.5部に、1,2−ジメトキシエタン30部加え、サンドグラインドミルで8時間粉砕し、微粒化分散処理を行った。続いて、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)0.75部、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製品、PKHH)0.75部を1,2−ジメトキシエタン28.5部に溶解したバインダー溶液と混合し、更に1,2−ジメトキシエタンと4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンとの任意割合の混合液13.5部を混合して、最終固形分濃度4.0質量%の電荷発生層塗布液を調整した。
この電荷発生層塗布液を使用して、前記下引き層の上に、乾燥後の膜厚が0.3μm(0.3g/m2 )となるように電荷発生層を作製した。
次に、式(CT−1)で表される化合物30部と、CT−2で表される化合物40部と、下記構造式(AO1)を有する酸化防止剤4部、および、下記構造式(A−1:LUMOcal=−1.36eV)を有する電子受容性化合物0.5部、レベリング剤としてシリコーンオイル(商品名 KF96 信越化学工業(株))0.05部、式(9T)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量50,000)100部を、テトラヒドロフラン480部およびトルエン120部に溶解させて電荷輸送層塗布液を調整し、上述の電荷発生層上に、乾燥後の膜厚が18μmとなるように浸漬塗布し、積層型感光層を有する感光体ドラムD1を得た。
Figure 0005460957
Figure 0005460957
実施例7
実施例6において用いた、式(9T)で表される繰り返し構造を有するポリカーボネート樹脂の代わりに、下記式(10T)で表される粘度平均分子量39,200のポリカーボネート樹脂を使用した以外は、実施例6と同様にして、感光体D2を得た。
Figure 0005460957
実施例8
実施例6において用いた、式(9T)で表される繰り返し構造を有するポリカーボネート樹脂の代わりに、下記式(11T)で表される粘度平均分子量28,800のポリカーボネート樹脂を使用した以外は、実施例6と同様にして、感光体D3を得た。
Figure 0005460957
実施例9
実施例6において用いた、式(9T)で表される繰り返し構造を有するポリカーボネート樹脂の代わりに、下記式(12T)で表される粘度平均分子量39,000のポリカーボネート樹脂を使用した以外は、実施例6と同様にして、感光体D4を得た。
Figure 0005460957
実施例10
実施例6において用いた、式(9T)で表される繰り返し構造を有するポリカーボネート樹脂の代わりに、下記式(13T)で表される粘度平均分子量41,000のポリアリレート樹脂を使用した以外は、実施例6と同様にして、感光体D5を得た。
Figure 0005460957
<電気特性評価3>
上記で得られた感光体を、電子写真学会測定標準に従って作製された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)に装着し、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性の評価を行った。
各感光体を電子写真特性評価装置に装着して回転数30rpmの一定回転速度で回転させた。温度25℃、湿度50%の環境下、温度25℃、湿度50%の環境下、感光体の初期表面電位が−700Vとなるように帯電させ、露光はハロゲンランプの光を干渉フィル
ターで450nmの単色光としたものを用いて、表面電位が−350Vとなる露光量(以下、感度ということがある)と光量1.0μJ/cm2 で露光した時の表面電位(以下、VLという)を求めた。露光から電位測定までの時間は、389ミリ秒とした。除電光には75ルックスの白色光を用いて、露光幅は5mmとした。除電光照射後の残留電位(以下、Vrという)を測定した。
感度は、表面電位が初期の電位の1/2になるのに必要な露光量であり、数値の小さい方がより感度が高いものとなる。また、VLは露光後の電位であり、Vrは除電光照射後の電位であり、いずれもより値の小さい方が電気特性として優れる。結果を下記表5に示す。
Figure 0005460957
以上の結果から、種々のバインダーにおいても、良好な電気特性を示していることがわかる。
<画像評価1>
乳化重合凝集トナーが使用されているA3印刷対応であるMICROLINE Pro
9800PS−E(沖データ社製)の露光部を改造し、日進電子製、小型スポット照射型青色LED(B3MP−8:470nm)が感光体に照射できるようにした。この改造装置に、感光体ドラムD1〜D5を装着し、線を描かせたところ、良好な画像が得られた。
また、上記小型スポット照射型青色LEDに、ストロボ照明電源LPS−203KSを接続し、点を書かせたところ、直径8mmの点画像を得ることが出来た。
以上の結果から、本発明の感光体は、いずれの感光体も短波長の単色光に対する感度が高く、高性能な電子写真感光体であることが分かるが、他の大環状系の色素を用いた電子写真感光体は、短波長の単色光に対する感度が必ずしも良好でなく、また、露光光の波長変化による感度の変化が大きく、露光光の波長変動により電気特性が不安定となる。
一方で、本発明の化合物を用いた感光体は、露光光の波長の変化によっても感度の変化が小さく、より広い露光波長範囲において安定した電気特性を発揮するより高性能の感光体であることが分かった。
本発明の電子写真感光体を備えた画像形成装置の一実施態様の要部構成を示す概略図である。
符号の説明
1 感光体
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙、媒体)

Claims (1)

  1. 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が電荷輸送層又は電荷輸送媒体を含み、該電荷輸送層又は該電荷輸送媒体の露光光の透過率が95%以上であり、下記式(1)の構造を有する化合物を含有する電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該電子写真感光体に対し像露光を行ない静電潜像を形成する像露光手段、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段、並びに前記トナーを被転写体に転写する転写手段のうち、少なくとも一つとを備え、且つ380〜430nmの単色光で露光することを特徴とする、画像形成装置。
    Figure 0005460957
    (式(1)中、A、B、C、Dが、下記式(2)で表され、X1 〜X4水素原子を表す
    。また、Mは水素、亜鉛、銅、ニッケル、チタン、ガリウム、バナジウム、珪素、ゲルマニウム、ホウ素の原子または原子団を表す。)
    Figure 0005460957
    (式(2)中、Y1 〜Y4 は置換基を有していてもよい炭素原子を表す。)
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