JPH1165183A - 電子写真方法および電子写真装置 - Google Patents

電子写真方法および電子写真装置

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JPH1165183A
JPH1165183A JP9218400A JP21840097A JPH1165183A JP H1165183 A JPH1165183 A JP H1165183A JP 9218400 A JP9218400 A JP 9218400A JP 21840097 A JP21840097 A JP 21840097A JP H1165183 A JPH1165183 A JP H1165183A
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JP
Japan
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electrophotographic
charge transport
layer
exposure
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Application number
JP9218400A
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English (en)
Inventor
Taketoshi Azuma
武敏 東
Taketoshi Hoshizaki
武敏 星崎
Ryosaku Igarashi
良作 五十嵐
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】S字型の電子写真感光体を使用して画像を形成
する場合、温度変化に対して光感度の変動量が大きいな
どの問題点を克服して、優れた画質を安定して得ること
ができる電子写真方法およびそのために使用する電子写
真装置を提供する。 【解決手段】 電子写真感光体を均一帯電し、露光によ
り潜像を形成し、該潜像を現像剤を用いて顕像化し、形
成されたトナー像を転写体に転写して画像を形成する電
子写真方法であって、電子写真感光体として、50%電
位減衰に要する露光量が10%電位減衰に要する露光量
の5倍未満であるものを用い、電子写真感光体の表面温
度の変動幅を10℃以内の範囲に調整して画像形成を行
う。温度の調整は、電子写真装置の感光体5に設けた加
熱装置6と、温度センサー9を備えたプロセス制御装置
10によって行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、50%電位減衰に
要する露光量が10%電位減衰に要する露光量の5倍未
満の電子写真感光体を用いて画像形成を行う電子写真方
法およびそれに使用するための電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真技術は、高速、高印字品
質が得られる等の利点を有するために、複写機、プリン
ター、ファクシミリ等の分野において、中心的役割を果
たしている。
【0003】電子写真技術において用いられる電子写真
感光体としては、従来からセレン、セレン−テルル合
金、セレン−ヒ素合金等の無機光導電性材料を用いたも
のが広く知られている。一方、これらの無機系感光体に
比べ、コスト、製造性、廃棄性等の点で優れた利点を有
している有機光導電性材料を用いた電子写真感光体の研
究も活発に行われ、現在では無機系感光体を凌駕するに
至っている。特に、光電荷発生と電荷輸送をそれぞれ別
々の層に担わせる機能分離型積層構成のものが開発され
たことにより、材料選択の自由度が増し、著しく性能が
向上して、現在ではこの機能分離積層型の有機感光体が
電子写真感光体の主流となっている。
【0004】機能分離積層型有機感光体用の電荷発生層
としては、キノン系顔料、ぺリレン系顔料、アゾ系顔
料、フタロシアニン系顔料、セレン等の電荷発生能を有
する顔料を、蒸着等により直接成膜したもの、および高
濃度で結着樹脂中に分散したものが実用化されている。
一方、電荷輸送層としては、ヒドラゾン系化合物、ベン
ジジン系化合物、アミン系化合物、スチルベン系化合物
等の電荷輸送能を有する低分子化合物を絶縁性樹脂中に
分子分散したものが用いられている。
【0005】ところで、従来、光学的に原稿を感光体上
に結像させて露光するアナログ方式の電子写真式複写機
に用いる感光体としては、濃度階調による中間調の再現
性を良好にするために、図1に示すような光誘起電位減
衰特性を持つ感光体、すなわち、露光量に対し比例的に
電位減衰を起こす感光体(以下、「J字型感光体」とい
う。)が要求される。上記従来の無機系感光体および機
能分離型の積層型有機感光体は、全てこの範疇に入る光
誘起電位減衰特性を示すものである。しかしながら、近
年の高画質化、高付加価値化、ネットワーク化等の要請
に伴い盛んに研究開発が行われているデジタル方式の電
子写真装置では、一般にドット等の面積率により階調を
出す面積階調方式を採用するため、むしろ図2に示すよ
うな、ある露光量に達するまでは電位減衰せず、その露
光量を越えると急峻な電位減衰が起こる、いわゆるS字
型の光誘起電位減衰特性を有する感光体(以下、「S字
型感光体」という。)を使用する方が、画素の鮮鋭度が
高められる等の点から望ましい。また、アナログ方式の
電子写真式複写機においても、中間調を必要としない分
野においては、S字型感光体は、文字を鮮明にし背景を
きれいにするために望ましい。
【0006】S字型光誘起電位減衰特性は、ZnO等の
無機顔料またはフタロシアニン等の有機顔料を樹脂中に
粒子分散した単層型感光体において公知の現象である
{例えば、R.M.Schaffert:「Elect
rophotography」,Focal Pres
s,p.344(1975)、J.W.Weigl,
J.Mammino,G.L.Whittaker,
R.W.Radler,J.F.Byrne:「Cur
rent Problems in Electrop
hotography」,Walter de Gru
yter,p.287(1972)}。特に、現在多用
されている半導体レーザーの発振波長である近赤外域に
光感度を有するフタロシアニン系顔料を樹脂中に分散し
たレーザ露光用単層感光体については、多数のものが提
案されている{例えば、グエン・チャン・ケー,相沢;
「日本化学会誌」,p.393(1986)、特開平1
−169454号公報、同2−207258号公報、同
3−31847号公報、同5−313387号公報}。
しかしながら、これらの単層型感光体では、単一材料で
電荷発生と電荷輸送の両機能を担う必要があり、そし
て、両機能共に優れた性能を有する材料は稀有であり、
実用に耐え得るものは未だ得られていない。特に顔料粒
子は、一般的に多くのトラップレベルを有するため、電
荷輸送能が低かったり、電荷が残留する等の欠点があ
り、電荷輸送を担わせるには不適当である。唯一の例外
的な実用例は、ZnO樹脂分散単層感光体であり、この
感光体は疎水性トナー付着の有無による面積階調方式で
版を形成するオフセット印刷用マスター版として、活用
されている{例えば、河村「電子写真技術の基礎と応
用」,電子写真学会編,コロナ社,p.424(198
8)}。しかしながら、この感光体も、電子写真特性に
おける高速性、耐刷性に対する要求の低い印刷用マスタ
ー版として用いた故の成功例であり、本発明の利用分野
である複写機、プリンター、ファクシミリ等に用いる電
子写真感光体としては実用に耐えるレベルにあるもので
はない。
【0007】以上のように、現状では、実用に耐えうる
S字型感光体は皆無であり、S字型感光体の実用化に向
けて、S字型感光体の開発においても、材料選択の自由
度を上げ、総合的な感光体特性を向上させるために、J
字型感光体におけると同様に、機能分離型のものを開発
することが望まれている。
【0008】この問題に対し、D.M.Pai等は、電
荷発生層と電荷輸送層からなる積層型感光体において、
電荷輸送層として、少なくとも2つの電荷輸送領域およ
び1つの電気的不活性領域を含み、それらの電荷輸送領
域が互いに接触して回旋状電荷輸送路を形成する不均一
電荷輸送層を用いることにより、任意の電荷発生層との
組合せによってS字型光誘起電位減衰特性が実現できる
ことを見出し、それに基く発明を特開平6−83077
号公報(米国特許第5306586号明細書)において
開示している。また本発明者等は、電荷発生層、不均一
電荷輸送層、および均一電荷輸送層からなる3層構成の
感光体がS字型光誘起電位減衰特性を示すことを見出
し、上記D.M.Pai等の発明よりもさらに機能分離
度を高めることに成功した(特開平9−96914号公
報)。
【0009】これらの発明において、鍵となる光誘起電
位減衰特性をS字型にする機能(以下、「S字型」とい
う)を担う不均一電荷輸送層の具体例としては、フタロ
シアニン顔料、六方晶セレン等の電荷輸送能を有する顔
料の樹脂分散膜、ポリビニルカルバゾール−ドデシルメ
タクリレート等の相分離系ブロック共重合体膜等が開示
されている。
【0010】しかしながら、これらS字型感光体は、温
度変化に対し光感度の変動量が大きいという問題点を未
だに有している。また機能分離型感光体を負の極性で使
用する際に、なんらかの原因で異常放電が起こった場
合、異常放電の影響が残りやすく、面内の電気特性が均
一にならないという問題を有している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記のような事情に鑑みてなされたものであっ
て、本発明の目的は、S字型の電子写真感光体を使用し
て画像を形成する場合における上記のような問題点を克
服して、優れた画質の画像を安定して得ることができる
電子写真方法およびそのために使用する電子写真装置を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、少なくと
も、50%電位減衰に要する露光量が10%電位減衰に
要する露光量の5倍未満である電子写真感光体に関して
鋭意検討を重ねた結果、その感光体表面の温度の変動幅
を10℃以内に保つことによって、電子写真感光体の環
境安定性、繰り返し安定性、面内均一性等が顕著に向上
することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明の電子写真方法は、電子
写真感光体を均一帯電し、露光により潜像を形成し、該
潜像を現像剤を用いて顕像化し、形成されたトナー像を
転写体に転写して画像を形成するものであって、電子写
真感光体として、50%電位減衰に要する露光量が10
%電位減衰に要する露光量の5倍未満であるものを用
い、該電子写真感光体の表面温度の変動幅を10℃以内
に調整して画像形成を行うことを特徴とする。本発明に
おいて、上記電子写真感光体は、導電性基体上に少なく
とも電荷発生層と電気的不活性マトリックス中に電荷輸
送性ドメインが分散された不均一電荷輸送層を含むもの
であることが好ましく、また、その不均一電荷輸送層
は、電荷輸送ブロックと絶縁性ブロックを含むブロック
共重合体またはグラフト共重合体よりなることが好まし
い。
【0014】また、本発明の電子写真装置は、電子写真
感光体、帯電装置、露光装置、現像装置を備えたもので
あって、電子写真感光体を加熱するための加熱手段およ
び表面温度の変動幅を10℃以内に調整するための制御
手段とを設け、かつ、電子写真感光体として、50%電
位減衰に要する露光量が10%電位減衰に要する露光量
の5倍未満であるものを使用したことを特徴とする。
【0015】なお、光誘起電位減衰特性がS字型である
かJ字型であるかを判定する尺度としては、例えば、帯
電電位を50%減衰させるのに要する露光量E50%と
帯電電位を10%減衰させるのに要する露光量E10%
との比(E50%/E10%)を用いることができる。
理想的なJ字型感光体で電位減衰が露光量に比例してい
る場合、E50%/E10%値は5となる。一般的なJ
字型感光体では、電界強度の低下に伴い、電荷発生効率
および/または電荷輸送能が低下するため、E50%/
E10%値は5を越える値を示す。一方、理想的なS字
型、すなわち、或る露光量までは全く電位減衰せず、そ
の露光量で一気に残留電位レベルまで電位減衰する階段
状の光誘起電位減衰曲線を有するものでは、E50%/
E10%値は1となる。したがって、S字型とは、E5
0%/E10%値が1以上、5未満の値を示すものとし
て規定される。本発明におけるS字型電子写真感光体と
しては、上記のようなデジタル特性を発揮させる場合に
は、E50%/E10%値が3未満の値であるものが好
ましく、より好ましくは2未満の値であるものである。
但し、階調性を高める等の目的でアナログ特性を併用す
る場合には、E50%/E10%値は、およそ1.5〜
4の範囲内で好適な結果が得られるので、この範囲のE
50%/E10%値を与えるものが好適に使用される。
【0016】ところで、S字型感光体での光感度が温度
により大きく変動する理由は必ずしも明らかではない
が、以下のように考えられる。図3は、顔料分散型のS
字型感光体について、三つの露光量(露光強度)での時
間に対する表面電位の関係を示す減衰曲線を示してい
る。露光量が多い場合(通常の光励起電位減衰曲線の減
衰後の裾に相当する)には、表面電位は速やかに減衰す
るが、中間的露光量では、表面電位が時間とともに緩や
かに減衰している。これはJ字型感光体ではみられない
挙動であるとともにS字型感光体に共通して認められる
挙動である。このことは、S字型感光体の見掛け上の光
感度が、入射光量のみではなく、時間に大きく依存する
ことを示している。さらに、時間に影響をあたえる因子
にも大きく依存することとなる。
【0017】ところで、S字型光誘起電位減衰特性の発
現機構に関しては、トラップ説{例えば、北村,小門:
「電子写真学会誌」,Vol.20,p.60(198
2)}、およびD.M.Pai等が上記の特許公報で提
唱している回旋状電導説等、幾つかの提案があり、未だ
確立された学説はないけれども、上記現象を定性的に説
明する説として回旋状電導説が有力である。すなわち、
D.M.Pai等が提唱する回旋状電導説によれば、S
字型光誘起電位減衰が起こる過程は、以下のようなもの
であると推定される。
【0018】まず、不均一電荷輸送層では、電気的不活
性マトリックス中に分散された電荷輸送性ドメインが互
いに接触し、回旋状の電荷輸送路を形成しているものと
考えられている。この場合、電子写真感光体が帯電され
て感光層に高電界が印加されると、露光により電荷発生
層で発生した電荷は、電界によるクーロン力により電界
に沿って電荷発生層から不均一電荷輸送層に注入され、
電荷輸送性ドメイン中を電界方向に移動する。しかし、
電荷輸送性ドメインの末端凸部に到達した所で、電気的
不活性マトリックスの障壁に出会い、電界により移動方
向が規制されているため、そこでその電荷の移動は一旦
停止することになる。この間の移動距離が感光層の全膜
厚に対して充分小さければ、この間の電位減衰は無視で
きるものとなる。殆ど全ての表面電荷に相当する電荷が
注入された後は、注入電荷近傍での表面に垂直な局部的
電界は無視できるほど小さくなり、停止していた電荷は
電界による束縛から逃れ、表面に垂直な方向以外の方向
に拡散することが可能となり、回旋状に連なる連結路を
辿って最初に電荷が停止された所よりも深部に達する。
この深部において、先程と同様に電荷は再び十分な高電
界にさらされ、ドメイン内を電界方向に沿って移動し、
再び電気的不活性マトリックスの障壁に出会い、移動を
停止する。しかし、他の電荷の移動で電界強度は低下し
ているので、より多くの電荷が回旋状電荷輸送路を通り
次の絶縁性障壁にまで達する。かくして、電荷の移動は
カスケード的に起こり、S字型の光誘起電位減衰とな
る、と云うのがD.M.Pai等による説明である。な
お、顔料樹脂分散型の単層感光体の場合には、露光光は
感光体表面近傍で吸収され、そこで電荷が発生するた
め、その光吸収/電荷発生の領域を電荷発生層とみな
し、それに続く残りの領域を電荷輸送層とみなすことが
でき、上記の説明が同様に当てはまる。
【0019】中間的な露光量の場合、電界と電気的不活
性マトリックスの障壁による電荷移動の制限はあるもの
の、その制限から解放されて電荷の拡散により電荷移動
が僅かずつ進行する条件にあり、表面電位は時間ととも
に徐々に減衰することになる。現在では、電荷の拡散の
ドライビングフォースは熱であると考えられており、低
温になるほど拡散の行程が短くなり、電荷移動が起こり
にくくなる。また、S字型感光体においてはJ字型感光
体と同様に、低温になるほど電荷移動速度が遅くなると
いう現象が、上記の現象と重畳することにより、より大
きな温度依存性を示すことになると考えられる。
【0020】また、このようなことから、電荷移動速度
が遅い非晶質の電荷移動材料により構成されているS字
型感光体の場合には、光感度が温度の影響を強く受ける
傾向にあるので、環境の変動に対し安定に使用するため
に本発明による電子写真方法を適用することがより重要
となる。
【0021】また、S字型感光体の層構成を不均一電荷
輸送層と電荷発生層、または電荷輸送層と不均一電荷輸
送層と電荷発生層とに分離した機能分離型にすることも
できる。このような機能分離型構造の場合は、界面での
電荷の注入の確率が温度に影響されやすいためであると
推定されるが、光感度が温度の影響を受けやすくなるの
で、環境変動に対し、安定に使用するためには、本発明
の電子写真方法を適用することがより重要となる。
【0022】さらに、S字型感光体にとって本発明が必
要不可欠であることの理由を述べる。図4には、S字型
感光体の三つの表面温度についての光感度曲線が示され
ている。光感度曲線は、露光強度について、の電位減
衰が殆どない範囲、のある露光量を越えたところで起
こる急峻な電位減衰の範囲、の電位減衰が殆ど終わっ
て減衰のない範囲に分けられる。S字型感光体の光感度
は、温度変化により図4のように、の露光強度の範
囲、の電位減衰の傾き、の電位がそれぞれ変化す
る。J字型感光体の場合であれば、環境が変動しても、
例えば帯電電位や露光強度を変化させることにより、感
光体と現像のコントラスト電位を調整して画質を安定化
させることは可能である。しかしながらS字型感光体
は、上記したような複雑な光感度曲線をとるために、画
像を安定化させるには、帯電強度または露光強度で調整
するよりも、感光体温度を一定にする方が望ましい。し
たがって、感光体温度を一定にすることがより重要にな
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態によっ
て、さらに詳しく説明する。図5ないし図8は、本発明
の電子写真用感光体の断面を示す模式図である。図5に
おいては、導電性支持体1上に、電荷発生層2が設けら
れ、その上にS字化と電荷輸送を担う不均一電荷輸送層
3が設けられている。図6においては、導電性支持体1
上に電荷発生層2が設けられ、その上にS字化を担う不
均一電荷輸送層3が設けられ、さらにその上に主な電荷
輸送を担う均一電荷輸送層4が設けられている。図7に
おいては、導電性支持体1上に不均一電荷輸送層3が設
けられ、その上に電荷発生層2が設けられている。図8
においては、導電性支持体1上に均一電荷輸送層4が設
けられ、その上に不均一電荷輸送層3が設けられ、さら
にその上に電荷発生層2が設けられている。これらの電
子写真感光体は、さらに所望により下引き層、保護層、
および/または乱反射層等を含むことができる。
【0024】前記のように、電荷発生層で発生した電荷
が、不均一電荷輸送層の電気的不活性マトリックスの障
害に出会い、最初に一時停止するまでの間の移動距離が
感光層の全膜厚に対して充分小さければ、その間の電位
減衰は無視できるものとなり、より理想的なS字性を示
す。つまり、電荷発生層とS字化のための不均一電荷輸
送層は近接している方がよりよいS字性を与える。ただ
し、電荷の注入や電荷の発生を助ける等の目的のために
電荷発生層と不均一電荷輸送層の間に適当な中間層を設
けることもできる。また、電荷発生層と不均一電荷輸送
層の間に均一電荷輸送層を挿入し、その均一電荷輸送層
の膜厚を変えることにより、E50%/E10%値を1
〜5の範囲内の任意の値に設定することも可能である。
【0025】本発明の電子写真感光体に用いる導電性支
持体としては、当業界で周知の任意のものから選択で
き、不透明または実質的に透明であることができる。そ
の例としては、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼
等の金属類、およびアルミニウム、チタン、ニッケル、
クロム、ステンレス鋼、金、白金、ジルコニウム、バナ
ジウム、酸化錫、酸化インジウム、ITO等の薄膜を設
けたプラスチック、ガラスおよびセラミックス等、ある
いは導電性付与剤を塗布または含浸させた紙、プラスチ
ック、ガラスおよびセラミックス等があげられる。これ
らの導電性支持体は、ドラム状、シート状、プレート状
等、適宜の形状のものとして使用することができる。さ
らに必要に応じて導電性支持体の表面には、各種の処理
を行うことができる。例えば、表面の酸化処理または薬
品処理および着色処理等、または砂目立て、ホーニング
等の機械的粗面化処理等を施すことができる。支持体表
面の酸化処理および機械的粗面化処理は、支持体表面を
粗面化するのみならず、その上に塗布される層の表面形
状をも制御して、露光用光源として、レーザー等の可干
渉光源を用いた場合に問題となる、支持体表面および/
または積層界面からの反射光に起因する干渉縞の発生を
防止するという効果を発揮する。
【0026】また、導電性支持体と感光体層の間に任意
的に設けられる一層または複数層の下引き層は、感光体
層の帯電時において、導電性支持体から感光体層への電
荷の注入を阻止すると共に、感光体層を導電性支持体に
対して一体的に接着保持せしめる接着層としての作用、
または場合によっては干渉縞の原因となる光の反射を防
止する作用等を示す。
【0027】上記下引き層としては、公知のものを用い
ることができ、例えば、ポリエチレン樹脂、アクリル樹
脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹
脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニル
アセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、水溶性ポ
リエステル樹脂、アルコール可溶性ナイロン樹脂、ニト
ロセルロース、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド等
の樹脂、およびこれらの樹脂を構成するモノマーの共重
合体、または、ジルコニウムアルコキシド化合物、チタ
ンアルコキシド化合物、シランカップリング剤等の硬化
性金属有機化合物があげられ、それらは、単独または2
種以上を混合して用いることができる。また、帯電極性
と同極性の電荷のみを輸送し得る材料も使用可能であ
る。
【0028】下引き層の膜厚は、0.01〜10μmの
範囲が適当であり、好ましくは0.05〜5μmの範囲
である。塗布方法としては、ブレードコーティング法、
ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング
法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エア
ーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の
周知の方法を用いることができる。
【0029】本発明における電子写真感光体の電荷発生
層は、積層型感光体において電荷発生層として用いられ
得る任意のものから選択することができる。例えば、非
晶質セレン、六方晶セレン、セレン−テルル合金、セレ
ン−ヒ素合金、その他のセレン化合物およびセレン合
金、酸化亜鉛、酸化チタン、a−Si、a−SiC等の
無機系光導電性材料、フタロシアニン系、スクアリウム
系、アントアントロン系、ペリレン系、アゾ系、アント
ラキノン系、ピレン系、ピリリウム塩系、チアピリリウ
ム塩系等の有機顔料および染料等があげられる。また、
これらの電荷発生材料は、単独あるいは2種以上混合し
て用いることができる。
【0030】フタロシアニン系化合物は、デジタル式の
電子写真装置に光源として現在広く使用されているLE
Dおよびレーザーダイオードの発振波長である600〜
850nmに優れた光感度を有するため、本発明におけ
る電荷発生材料として特に好ましい。フタロシアニン系
化合物としては、無金属フタロシアニン、金属フタロシ
アニン、およびそれらの誘導体が利用できる。金属フタ
ロシアニンの中心金属としては、Cu、Ni、Zn、C
o、Fe、V、Si、Al、Sn、Ge、Ti、In、
Ga、Mg、Pb、Li等があげられ、またこれら中心
金属の酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、アルキル化
物、アルコキシ化物等も使用できる。具体的には、バナ
ジルフタロシアニン、チタニルフタロシアニン、クロロ
ガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシ
アニン、メトキシガリウムフタロシアニン、クロロイン
ジウムフタロシアニン、ジクロロ錫フタロシアニン、ジ
メトキシけい素フタロシアニン等をあげることができ
る。また、上記化合物のフタロシアニン環に任意の置換
基が導入された置換フタロシアニン類も使用することが
できる。さらにまた、上記フタロシアニン化合物のフタ
ロシアニン環中の任意の炭素原子が窒素原子で置換され
たアザフタロシアニン類も有効である。これらフタロシ
アニン系化合物の形態については、アモルファスまたは
公知の種々の結晶形が全て使用可能である。
【0031】これ等フタロシアニン系化合物の中でも、
チタニルフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニ
ン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、1,2−ジ
(オキソガリウムフタロシアニニル)エタン、無金属フ
タロシアニン、バナジルフタロシアニン、およびジクロ
ロ錫フタロシアニンは、特に優れた光感度および繰り返
し安定性を有しており、本発明に用いる電荷発生材料と
して特に好ましい。さらに、これ等のフタロシアニン系
化合物は、以下に示す結晶形にて用いることが好まし
い。すなわち、無金属フタロシアニンにおいてはX型
が、バナジルフタロシアニンにおいてはα型が好まし
い。チタニルフタロシアニンについては、CuKαを線
源とするX線回折スペクトルにおいて、少なくともブラ
ッグ角度(2θ±0.2°)が、9.2°、13.1
°、20.7°、26.2°および27.1°に強い回
折ピークを有するもの、少なくとも7.6°、12.3
°、16.3°、25.3°および28.7°に強い回
折ピークを有するもの、および、少なくとも9.5°、
11.7°、15.0°、23.5°、27.3°に強
い回折ピークを有するものをあげることができる。クロ
ロガリウムフタロシアニンについては、CuKαを線源
とするX線回折スペクトルにおいて、少なくともブラッ
グ角度(2θ±0.2°)が、13.4°および27.
0°に強い回折ピークを有するもの、および、少なくと
も7.4°、16.6°、25.5°および28.3°
に強い回折ピークを有するものをあげることができる。
ヒドロキシガリウムフタロシアニンについては、CuK
αを線源とするX線回折スペクトルにおいて、少なくと
もブラッグ角度(2θ±0.2°)が、7.5°、9.
9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1
°および28.3°に強い回折ピークを有するものをあ
げることができる。1,2−ジ(オキソガリウムフタロ
シアニニル)エタンについては、CuKαを線源とする
X線回折スペクトルにおいて、少なくともブラッグ角度
(2θ±0.2°)が、6.9°、13.0°、15.
9°、25.6°および26.1°に強い回折ピークを
有するものをあげることができる。ジクロロ錫フタロシ
アニン結晶については、CuKαを線源とするX線回折
スペクトルにおいて、少なくともブラッグ角度(2θ±
0.2°)が、8.3°、13.7°および28.3°
に強い回折ピークを有するもの、少なくとも8.5°、
11.2°、14.5°および27.2°に強い回折ピ
ークを有するもの、および、少なくとも9.2°、1
2.2°、13.4°、14.6°、17.0°および
25.3°に強い回折ピークを有するものをあげること
ができる。
【0032】また、殆どのフタロシアニン系化合物が正
孔を主たる輸送電荷とするp型半導体の性質を有してい
るのに対し、ジクロロ錫フタロシアニン、電子吸引性基
を有するフタロシアニン類およびアザフタロシアニン類
は、電子を主たる輸送電荷とするn型半導体である。し
たがって、n型半導体のフタロシアニン化合物を電荷発
生材料として使用し、導電性基体上に電荷発生層を形成
させ、その上に電荷輸送層を積層したS字型感光体は、
それを負帯電で使用した場合、高感度で、かつ導電性支
持体からの正電荷の注入が抑えられ、暗減衰が小さく帯
電性が高いという良好な電子写真特性を示す。
【0033】また、六方晶セレン、アントラキノン系顔
料、アゾ系顔料およびペリレン系顔料も電荷発生効率に
優れているため、電荷発生材料として好ましく使用でき
る。レーザー光のビーム径は、発振波長が短くなるほど
小径化できるため、更なる高画質化を目指し、露光用レ
ーザーの短波長化の検討がなされているが、これらの化
合物は、紫外域から可視域に高い光感度を有するため、
短波長レーザー用の電荷発生材料として特に好ましく用
いることができる。
【0034】電荷発生層は、前記電荷発生材料を真空蒸
着法により直接成膜することにより、または、前記電荷
発生材料を結着樹脂中に分散または固溶化させることに
より作製することができる。
【0035】電荷発生層に結着樹脂を用いる場合、その
結着樹脂の種類は特に限定されないが、例えば、ポリビ
ニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分
変性ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル
樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、シリコ
ーン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルカルバゾール樹
脂等が用いられる。これらの結着樹脂は、グラフト、ブ
ロック、ランダムまたは交互共重合体であることがで
き、また、これらの結着樹脂は、単独あるいは2種以上
混合して用いてもよい。また電荷輸送性ブロックまたは
グラフト共重合体も電荷発生層用の結着樹脂として有効
である。
【0036】電荷発生材料と結着樹脂との配合比(体積
比)は、10/1〜1/10の範囲が好ましい。より好
ましくは、3/1〜1/1の範囲に設定される。電荷発
生材料の結着樹脂に対する配合比が10/1より多い
と、暗減衰が増大し、また湿式塗布法では均質な膜を得
ることが困難になる。一方、1/10より少ないと光感
度の低下、残留電位の増大等の障害が発生する。また、
本発明において、電荷発生層の膜厚は一般的には0.0
5〜5μmの範囲が適当であり、好ましくは0.1〜
2.0μmの範囲に設定される。塗布方法としては、ブ
レードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、
スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビード
コーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテ
ンコーティング法等の周知の方法を用いることができ
る。
【0037】本発明において、不均一電荷輸送層は、S
字化を担い、電気的不活性マトリックス中に電荷輸送性
ドメインが分散された不均一構造を有し、電荷輸送路を
形成する層であって、その作製に当たっては、任意の適
当な方法を採用することができる。例えば、適当な溶剤
中に絶縁性結着樹脂を溶解させた溶液に、電荷輸送能を
有する材料からなる微粒子(以下、「電荷輸送性微粒
子」という。)を分散させ、浸漬コーティング法等によ
り塗布した後、乾燥させることにより得ることができ
る。また、予め電荷輸送性微粒子を熱硬化性樹脂または
シランカップリング剤等の絶縁性材料により被覆不溶化
したものを、適当な溶剤中に絶縁性の結着樹脂を溶解さ
せた溶液に分散させ、浸漬コーティング法等により塗布
した後、乾燥させることによって得ることもできる。ま
た、絶縁性の結着樹脂中に電荷輸送性物質を均一に分散
させたものに加熱処理、溶剤処理等を施すことにより、
電荷輸送材料の微結晶を析出させることによっても得る
ことができる。さらにまた、絶縁性ブロックと電荷輸送
性ブロックからなるブロック共重合体またはグラフト共
重合体において、絶縁性ブロックがマトリックス、電荷
輸送性ブロックがドメインとなるミクロ相分離状態をな
す系も使用可能である。
【0038】これらの不均一電荷輸送層形成方法におい
て、回旋状電荷輸送路の形成は、電荷輸送性ドメイン同
士の確率的な接触に依存する。その接触の確率が多すぎ
ると、電荷輸送路は回旋状とならず、またその接触の確
率が少なすぎると連続した電荷輸送路が形成できなくな
る。なお、電荷輸送性ドメイン相互の接触は、必ずしも
直接接触である必要はなく、電荷輸送性ドメイン間の非
常に薄い絶縁層があっても、電荷がそのギャップを飛び
越えることができ、かつ、そこでの捕獲が無視できるな
らば、その絶縁層の存在は許容される。ここでいう回旋
状電荷輸送路とは、電荷の移動が膜厚方向、すなわち、
外部電界方向に対して1回以上逆行するように形成され
ている電荷輸送路のことである。
【0039】本発明における不均一電荷輸送層として
は、特に、製造性、コスト等の点から、電荷輸送性微粒
子として難溶性の光導電性顔料を用い、該顔料微粒子を
絶縁性樹脂中に粒子分散させたものを用いることができ
る。光導電性顔料としては、六方晶セレン、セレン化カ
ドミウム、その他のセレン化合物およびセレン合金、硫
化カドミウム、酸化亜鉛、酸化チタン、a−Si、a−
SiC等の無機顔料、フタロシアニン系、スクアリウム
系、アントアントロン系、ペリレン系、アゾ系、アント
ラキノン系、ピレン系、ピリリウム塩系、チアピリリウ
ム塩系等の有機顔料等があげられる。また、これらの光
導電性微粒子は、単独あるいは2種以上混合して用いる
ことができる。
【0040】電気的不活性マトリックスを形成する結着
樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニル
ホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸
ビニル樹脂、ポリ無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹
脂、フェノール樹脂等があげられるが、これらに限定さ
れるものではない。これらの結着樹脂はまた、グラフ
ト、ブロック、ランダムまたは交互共重合体であること
ができる。また、これらの結着樹脂は、単独または2種
以上混合して用いることができる。
【0041】また、不均一電荷輸送層は、電荷輸送性ブ
ロックと絶縁性ブロックよりなるブロック共重合体また
はグラフト共重合体より形成される層であってもよい。
電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックよりなるブロック
共重合体またはグラフト共重合体としては、公知の電荷
輸送性ブロックと絶縁性ブロックよりなるブロック共重
合体またはグラフト共重合体を使用することができる。
例えば、米国特許第3,994,994号明細書に記載
されているビニルカルバゾールとドデシルメタクリレー
トの共重合により製造されたマルチブロック共重合体が
あげられる。その他、米国特許第4,618,551
号、第4,806,443号、第4,818,650
号、第4,935,487号および第4,956,44
0号各明細書に記載されているもの、低分子量のポリシ
ロキサン、脂肪族および芳香族ポリエステル、ポリウレ
タン単位を含み縮合により製造されるブロック共重合体
も使用することができる。さらに電荷輸送性ブロック
が、トリアリールアミン構造を繰り返し単位として含有
する共重合体の場合は、高い電荷輸送能を有しているの
で好ましい。上記の共重合体は、ブロック共重合体また
はグラフト共重合体であれば、その構成ブロックの連結
形式は如何なるものでも構わない。すなわち、電荷輸送
性ブロックをA、絶縁性ブロックをBと表した場合、A
B型、ABA型、BAB型、(AB)n型、(AB)n
A型、およびB(AB)n型のブロック共重合体、電荷
輸送性ブロックを主鎖、絶縁性ブロックを側鎖とするグ
ラフト共重合体、絶縁性ブロックを主鎖、電荷輸送性ブ
ロックを側鎖とするグラフト共重合体、またはABA型
等のブロック共重合体の側鎖にAおよび/またはBをグ
ラフト化したブロック−グラフト共重合体等を使用する
ことができる。
【0042】また、電荷輸送性ブロック、絶縁性ブロッ
クともに、2種類以上の構造単位を含ませることも可能
である。また、電荷輸送性高分子化合物と絶縁性高分子
化合物とを用いることもできる。この場合、共通の構造
単位を含む高分子化合物が好ましい。
【0043】また、これらの電気的不活性マトリックス
となる結着樹脂の体積抵抗率は、1013Ω・cm以上が
好ましく、より好ましくは1014Ω・cm以上である。
体積抵抗率が1013Ω・cmより低いと、電気的不活性
マトリックスの電気的絶縁性が損なわれ、S字性が失わ
れる傾向にある。
【0044】電荷輸送性ドメインと電気的不活性マトリ
ックスの体積比は、9/1〜1/9の範囲で任意に設定
されるが、4/1〜1/6の範囲が好ましい。より好ま
しくは7/3〜1/4の範囲内である。電荷輸送性ドメ
インの体積比率が9/1より多いと、電荷輸送性ドメイ
ンが密に接触してしまい、実質的に均一な構造の電荷輸
送路を形成し、上記のS字型光誘起電位減衰特性の発現
に不可欠な電荷輸送路の不均一構造が消失し、S字性が
失われる傾向にある。さらにまた、暗減衰の増加、機械
的強度の低下等の障害を招く傾向にある。他方、電荷輸
送性ドメインの体積比率が1/9より少ないと、連続し
た電荷輸送路が形成されず、残留電位の増大、光感度の
低下、応答速度の低下等の障害を招く傾向にある。ただ
し、前者の問題に関しては、電荷輸送性ドメインを形成
する粒子を予め電気的不活性物質で不完全に被覆してお
くこと等により、改善することができる。これは、絶縁
性被覆により電荷輸送性ドメイン同士の電気的接触の確
率が低下すると共に、絶縁被覆の不完全部分により回旋
状電荷輸送路の形成が確保されるためである。また、後
者の問題に関しては、電荷輸送性ドメインとして、針
状、柱状または板状等の異方性の高いものを用いること
等により改善することができる。これは、電荷輸送性ド
メインとして異方性の高いものを用いることにより、電
荷輸送性ドメインの体積比が低くても電荷輸送性ドメイ
ン同士の接触する確率を有効に保つことができるからで
ある。
【0045】また、上記のような電荷輸送性微粒子と絶
縁性樹脂からなる不均一電荷輸送層を湿式塗布法により
作成する場合、塗布溶媒としては電荷輸送性微粒子を溶
解しない溶剤を使用することが望ましい。電荷輸送性微
粒子を溶解する溶剤を使用すると、電荷輸送性微粒子を
構成する物質が絶縁性樹脂中に分子分散状態で混入し、
電気的不活性マトリックスの絶縁性が損なわれ、S字性
が低下する傾向にあるためである。
【0046】また、本発明で用いる不均一電荷輸送層の
膜厚は0.1〜50μmが適当であり、好ましくは0.
2〜15μm、さらに好ましくは0.5〜5μmの範囲
に設定される。0.1μmより薄いとS字性が発現しな
い傾向にある。膜厚の上限に関しては、用いる不均一電
荷輸送層の電荷輸送能により制限され、応答速度、残留
電位等が許容される範囲内で設定される。
【0047】電荷輸送性ドメインの平均粒子径は0.0
01〜3μmが好ましく、より好ましくは0.005〜
1μm、特に好ましくは0.01〜0.5μmの範囲で
ある。電荷輸送性ドメインの平均粒子径が3μmより大
きいと、好ましい膜厚の範囲内でのS字化に必要な電荷
輸送路の不均一構造の形成ができなくなり、S字性が失
われることになる。他方、電荷輸送性ドメインの平均粒
子径が0.001μmより小さい場合には、電荷輸送路
が均一な構造に近付き、またS字性が失われることにな
る。不均一電荷輸送中の電荷輸送性ドメインが電荷輸送
性微粒子の凝集体よりなる場合、電荷輸送性ドメインの
粒子径とは、その凝集2次粒子径を指す。但し、電荷輸
送性微粒子が絶縁被覆されている場合には、電荷輸送性
ドメインの粒子径とは、たとえ絶縁被覆化した電荷輸送
性微粒子が凝集体を形成したとしても、電荷輸送性微粒
子自身の粒子径を指す。
【0048】また、不均一電荷輸送層中に、主たる輸送
電荷と逆極性の電荷のみを輸送し得る化合物を添加する
ことにより、残留電位の低下、繰り返し安定性の向上等
の効果を得ることもできる。
【0049】不均一電荷輸送層の塗布方法としては、ブ
レードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、
スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビード
コーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテ
ンコーティング法等の周知の方法を用いることができ
る。
【0050】本発明における電子写真感光体は、帯電
性、機械的強度等の点で、均一電荷輸送層を設けること
が好ましい。均一電荷輸送層としては、輸送電荷極性が
不均一電荷輸送層のそれと一致すれば、如何なるもので
も構わず、当業界でJ字型積層感光体用の電荷輸送層と
して有効であることが知られている任意のものから選択
できる。例えば、ベンジジン系化合物、アミン系化合
物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、カルバ
ゾール系化合物等の正孔輸送性低分子化合物、または、
ジフェノキノン系化合物、フルオレノン系化合物、チオ
ピラン系化合物等の電子輸送性低分子化合物を、単独で
または2種以上を混合して、絶縁性樹脂(例えば、ポリ
カーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリス
ルホン、ポリメチルメタクリレート等)中に均一に分子
分散した固溶膜を用いることができる。或いは、それ自
身電荷輸送能を有する高分子化合物等を用いることがで
きる。また、セレン、a−Si、a−SiC等の電荷輸
送能を有する無機物質を用いることもできる。上記電荷
輸送性高分子化合物としては、ポリビニカルバゾール等
の電荷輸送能を有する基を側鎖に含む高分子化合物、特
開平5−232727号公報等に開示されているような
電荷輸送能を有する基を主鎖に含む高分子化合物、およ
びポリシラン等を挙げることができる。
【0051】また、本発明における電子写真感光体に用
いる均一電荷輸送層としては、特に製造上、電荷輸送性
高分子化合物を用いることが好ましい。すなわち、不均
一電荷輸送層と均一電荷輸送層を積層成膜する場合に、
均一電荷輸送層に電荷輸送性低分子化合物を用いると、
電荷輸送性低分子化合物が不均一電荷輸送層中に混入し
てしまい、不均一電荷輸送層の電気的不活性マトリック
スの輸送電荷に対する絶縁性が低下することによりS字
性が損なわれたり、あるいは不均一電荷輸送層中に混入
した電荷輸送性低分子が不均一電荷輸送層中で電荷トラ
ップとなり残留電位の増大、輸送能の低下及び光感度の
低下等の障害が発生する。この問題は特に、湿式塗布法
により、各層を成膜する場合に顕著になる(もちろん、
これらの問題は、上層の塗布溶剤として下層を溶解およ
び膨潤し難いものを選択したり、または、不均一電荷輸
送層を架橋硬化性のものとして、上層塗布溶剤による溶
解および膨潤が起こらないようにすること等により回避
することが可能である)。ところが、一般に高分子同士
は相溶することなく相分離を起こすことが知られてお
り、均一電荷輸送層として、電荷輸送性高分子化合物を
用いた場合、不均一電荷輸送層樹脂と相溶することなく
相分離するため、上記のような混入の問題は殆ど発生せ
ず、材料および製造法の選択に当たっての制約が解消さ
れるという利点を有する。
【0052】さらに均一電荷輸送層用の電荷輸送性高分
子化合物としては、下記式(1)で表される繰り返し単
位を少なくとも一種含有する電荷輸送性樹脂が、高い電
荷輸送能を有し、且つ可撓性、強度等の機械的特性にも
優れているので特に好ましい。
【0053】
【化1】 (式中、A1 およびA2 は、それぞれ独立に置換または
未置換のアリール基を示し、X1 は芳香族環構造を有す
る2価の炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基を
示し、X2 およびX3 は、それぞれ独立に置換または未
置換のアリーレン基を示し、Lは枝分れもしくは環構造
を含んでもよい2価の炭化水素基またはヘテロ原子含有
炭化水素基を示し、mおよびnは、それぞれ0または1
の整数を意味する。) なお、均一電荷輸送層には、電荷輸送能の向上等を目的
として、電荷輸送性微粒子等を添加することもできる。
【0054】本発明で用いる均一電荷輸送層の膜厚は5
0μm以下、好ましくは30μm以下に設定される。塗
布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバ
ーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コー
ティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコー
ティング法、カーテンコーティング法等の周知の方法を
用いることができる。また、セレン等の気相成膜可能な
ものは、真空蒸着法等により直接成膜することもでき
る。
【0055】本発明において、不均一電荷輸送層および
均一電荷輸送層を含む電荷輸送層全体の合計膜厚は、5
〜50μmの範囲が適当であり、好ましくは7〜40μ
mの範囲に設定される。さらに好ましくは10〜30μ
mの範囲である。
【0056】本発明において、感光体層の上には、必要
に応じて保護層を設けてもよい。保護層は、帯電部材か
ら発生または外気から浸入するオゾンや酸化性ガス等、
および紫外光等の化学的ストレス、あるいは、現像剤、
紙、クリーニング部材等との接触に起因する機械的スト
レスから感光体層を保護し、感光体層の寿命を改善する
ために有効である。
【0057】保護層は、導電性材料を適当な結着樹脂中
に含有させて形成することができる。導電性材料として
は、ジメチルフェロセン等のメタロセン化合物、酸化ア
ンチ39、酸化スズ、酸化チタン、酸化インジウム、I
TO等の金属酸化物等の材料を用いることができるが、
これらに限定されるものではない。結着樹脂としては、
ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボ
ネート、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、シリコー
ン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂
等の公知の樹脂を用いることができる。また、アモルフ
ァスカーボン等の半導電性無機膜も保護層として用いる
ことができる。
【0058】これらの導電性材料を含有する抵抗制御型
の保護層の電気抵抗率は109 〜1014Ω・cmの範囲
内にあることが必要である。電気抵抗率が1014Ω・c
m以上になると、残留電位が増加し、他方、109 Ω・
cm以下になると、沿面方向での電荷漏洩が無視できな
くなり、解像度の低下が生じる。保護層の膜厚は0.5
〜20μmの範囲が適当であり、好ましくは1〜10μ
mの範囲に設定される。
【0059】また、保護層を設けた場合、必要に応じ
て、感光体層と保護層との間に、保護層から感光体層へ
の電荷の漏洩を阻止するブロッキング層を設けることが
できる。このブロッキング層としては、保護層の場合と
同様に公知のものを用いることができる。
【0060】本発明における電子写真感光体において
は、電子写真装置中で発生または外気から浸入するオゾ
ンや酸化性ガス、あるいは、光、熱による感光体の劣化
を防止する目的で、各層または最上層中に酸化防止剤、
光安定剤、熱安定剤等を添加することができる。
【0061】酸化防止剤としては、公知のものを用いる
ことができ、例えば、ヒンダードフェノール、ヒンダー
ドアミン、パラフェニレンジアミン、ハイドロキノン、
スピロクロマン、スピロインダノンおよびそれらの誘導
体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等があげられる。
【0062】光安定剤としては、公知のものを用いるこ
とができ、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾー
ル、ジチオカルバメート、テトラメチルピペリジン等お
よびその誘導体、および光励起状態をエネルギー移動も
しくは電荷移動により失活し得る電子吸引性化合物また
は電子供与性化合物等があげられる。
【0063】さらに、表面摩擦力の低減、磨耗の低減、
または表面への異物付着の低減、転写性の向上、クリー
ニング性の向上等を目的として、最上層中にフッ素樹脂
等の低表面エネルギーの絶縁性物質を分散させてもよ
い。
【0064】次に、本発明の電子写真方法について説明
する。本発明においては、電子写真感光体として、上記
したS字型感光体を使用し、コロナ放電その他の周知の
方法によって均一帯電され、次いで露光により静電潜像
が形成される。電子写真感光体上に形成された静電潜像
は次いで現像剤を用いて周知の方法によって顕像化さ
れ、次いで形成されたトナー像が転写体に転写され定着
されて画像が形成される。この場合、上記電子写真感光
体は、表面温度の変動幅10℃以下で使用され、望まし
くは変動幅5℃以下で、さらに望ましくは変動幅2℃以
下で使用される。変動幅が小さい程、繰り返し使用に際
しての電気特性が安定化し、画質も向上する。
【0065】また、電子写真感光体の表面温度は、30
℃以上に加熱された状態で上記の変動幅をとることがよ
り望ましく、30℃より低い温度では周りの温度変化の
影響を容易に受けやすく、温度調整が難しい。感光体の
温度が高くなるほど周りの影響を受けにくくなり温度調
整がしやすくなり、30℃以上でほぼ周りの影響をを無
視することができる。さらには異常放電等によって生じ
た電気特性のむらが回復しやすくなるので好ましい。し
かしながら、100℃以上になると、トナーが融解しや
すくなったり、感光体の暗減衰が大きくなる等の問題点
が生じるため好ましくない。したがって、感光体の表面
温度は30℃から100℃の範囲にあることが望まし
く、好適には30℃から80℃、さらに好適には30℃
から70℃にあるようにすればよい。
【0066】次に、本発明の電子写真装置について説明
する。本発明の電子写真装置においては、感光体を加熱
する加熱手段および感光体の温度を上記の範囲に調整す
るための制御手段が設けられている。図9にその一例を
示すが、もちろんこれに限定されるものではない。図9
(a)は、加熱装置と制御装置を備えた感光体の概略の
構成図であり、図9(b)は加熱装置の詳細を説明する
図であって、感光体内部に接するシート状の加熱装置を
示す。シート状の加熱装置6は、ヒータ線6aが絶縁シ
ート7に挟まれて構成され、ヒータ線6aの途中にはサ
ーモスタット8が設けられている。また、9は温度セン
サーであり、10はプロセス制御装置である。このシー
ト状の加熱装置6は、丸められて感光体5の中に収めら
れている。サーモスタット8は、感光体の温度が低い時
はヒータに電流が流れるようにオンの状態にあるが、所
定の設定温度を越えた時にはオフになるように設定され
る。
【0067】次に、感光体表面温度を調整し電子写真操
作を行う場合を説明する。まず加熱装置のヒータ線に通
電することにより感光体が加熱されはじめる。感光体の
温度は温度センサー9によりモニターされ、所望の温度
を越えた時は、温度センサーからの信号がプロセスを制
御しているプロセス制御装置10に送られ、この信号が
送られた時に、電子写真プロセスが実行可能になる。感
光体が所望の温度に達していない場合は、信号が送られ
ず電子写真プロセスは実行されない。サーモスタットは
所定の温度A、例えば30℃より低い場合はオン(O
N)、所定の温度B、例えば50℃より高い場合はオフ
(OFF)となり、感光体の温度を制御する。所望する
温度はサーモスタットによって制御されている温度Aと
Bの範囲内にあればよい。
【0068】制御する感光体の温度範囲を狭くすること
が望まれる場合には、AとBの温度が近いサーモスタッ
トを選択すればよい。また、温度上昇を緩やかになるよ
うに加熱効率が高くない加熱装置、例えばヒータの抵抗
が低い加熱装置を用いてもよい。または、温度Aより低
い温度Cで信号を送るための温度センサーを温度センサ
ー9とは別に設け、温度Cを越えた場合に加熱装置に供
給する電力量を少なくすることにより、感光体の温度上
昇の傾きを抑えるような方法を用いてもよい。もちろん
これらの方法を組み合せればさらに感光体の制御される
温度範囲を狭くすることができ効果的である。感光体の
制御されている温度範囲が狭いほど電気特性は安定であ
り望ましい。
【0069】本発明の電子写真感光体を搭載する電子写
真装置としては、電子写真法を用いるものであれば如何
なるものでも構わないが、特にデジタル処理された画像
信号に基づき露光を行う電子写真装置が好ましい。デジ
タル処理された画像信号に基づき露光を行う電子写真装
置とは、レーザーまたはLED等の光源を用い、2値化
またはパルス幅変調や強度変調を行い多値化された光に
より露光を行う電子写真装置であり、例としてLEDプ
リンター、レーザープリンター、レーザー露光式デジタ
ル複写機等をあげることができる。
【0070】また、登載する電子写真感光体のE50%
/E10%値は、5以下の値であることが好ましく、デ
ジタル特性を好適に発揮するには、E50%/E10%
値が3未満の値であることがより好ましい。より好まし
くは2未満の値である。
【0071】本発明の電子写真装置において、電荷発生
層と電荷輸送層を含む電子写真感光体に対して、画像形
成用の露光を電荷輸送層側から行うような構成を採用し
た場合、実効の光感度の低下を防ぐ上で、電荷輸送層は
露光光に対して事実上透明であることが望ましく、用い
た電荷輸送層の吸収スペクトルを勘案し、露光光の波長
を設定する必要がある。好ましくは、電荷輸送層におけ
る露光光の透過率は50%以上であり、より好ましくは
70%以上、さらに好ましくは90%以上である。特
に、電荷輸送層が電荷発生能を有する場合には、電荷輸
送層で発生する電荷が、S字性を発揮するに十分な不均
一電荷輸送路を通過し得ないため、S字性の低下をもた
らすことから、画像形成用の露光光としては、電荷輸送
層の感光域を避ける方が好ましい。しかしながら、低感
度での使用や低いS字性が望まれる場合等には、露光光
に対し吸収のある物質を添加する等の手段により、実効
的な光感度やS字性を調整することもできる。
【0072】また、本発明の電子写真装置においては、
現像後の感光体の初期化、すなわち除電を目的として、
画像形成用の露光手段とは別に、露光手段を併設するこ
とが好ましい。その除電用の露光光としては、電荷輸送
層に吸収されるものであっても吸収されないものであっ
ても構わないが、少なくとも電荷発生層での光電荷発生
を生起することが不可欠である。なお、電荷輸送層が、
電荷発生能を有し、かつ輸送電荷と逆極性の電荷を輸送
し得ない場合には、除電用の露光光としては、電荷輸送
層の感光域を避ける方が好ましい。すなわち、電荷発生
能を有し、かつ輸送電荷に対して逆極性の電荷を輸送し
得ない電荷輸送層を用いた場合に、電荷輸送層の感光域
にある除電光を使用すると、電荷輸送層で電荷が除電光
により発生し、その電荷の内、輸送電荷に対して逆極性
の電荷が輸送されず蓄積されるため、電気特性の不安定
化を招く。ただし、電荷輸送層で電荷発生があっても、
その発生電荷を上回る電荷が電荷発生層で発生されれ
ば、電荷輸送層で発生した輸送電荷に対して逆極性の電
荷は、電荷発生層から電荷輸送層に注入される電荷によ
って中和されるため、上記の問題は顕在化しない。
【0073】また、本発明の電子写真装置においては、
前記光照射処理用の光源を併設することが好ましい。電
子写真装置内に光照射処理用の光源を併設することによ
り、長期の使用により劣化した感光体に対し、簡便に、
光照射処理による再生を行うことができる。また、定期
的に光照射処理を行うことにより、実効の感光体寿命を
向上させることもできる。
【0074】本発明の電子写真感光体を登載する電子写
真装置の好ましい一例を図10に模式的に示す。この装
置はレーザープリンターであり、感光体ドラム11の周
りに除電用光源(ピーク波長800nmの近赤外LE
D)12、帯電用スコロトロン13、画像形成用レーザ
ー露光系14、現像器15、転写用コロトロン16およ
びクリーニングブレード17がプロセスの順序に順次配
置されている。さらに、光照射処理用光源(ピーク波長
630nmの赤色LED)19を併設している。レーザ
ー露光系14は、発振波長780nmのレーザーダイオ
ードを備えており、デジタル処理された画像信号に基づ
き発光する。発光したレーザー光14aはポリゴンミラ
ーと複数のレンズおよびミラーにより走査されながら感
光体上を露光するように構成されている。20はシート
状の加熱装置であって感光体ドラム内周に張り付けられ
ており、図9で説明したように感光体表面の温度が所定
の温度になるように制御手段によって制御されるように
構成されている。なお、18は用紙を示す。
【0075】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。しかしながら、本発明は以下の実施例に限定され
るものではなく、当業者は電子写真技術の公知の知見か
ら、以下の実施例に変更を加えることが可能である。
【0076】合成例1 (両末端にアゾ型重合開始剤を有する電荷輸送性重合体
の合成)3,3′−ジメチル−N,N′−ビス(p,m
−ジメチルフェニル)−N,N′−ビス[4−(2−メ
トキシカルボニルエチル)フェニル]−[1,1′−ビ
フェニル]−4,4′−ジアミン100g、エチレング
リコール200gおよびテトラブトキシチタン5gを、
窒素気流下で3時間加熱還流した。3,3′−ジメチル
−N,N′−ビス(p,m−ジメチルフェニル)−N,
N′−ビス[4−(2−メトキシカルボニルエチル)フ
ェニル]−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジア
ミンが消費されたことを確認した後、0.5mmHgに
減圧し、エチレングリコールを留去しながら230℃に
加熱し、さらに7時間反応を続けた。その後、室温まで
冷却し、塩化メチレンを加え不溶分を溶解させ、アセト
ンから再沈殿することにより、下記の式(2)で表され
る両末端にヒドロキシ基を有する電荷輸送性重合体90
gを得た。得られた重合体の重量平均分子量は7.2×
104 であった。
【0077】
【化2】 (式中、aは約96である。) この両末端にヒドロキシ基を有する電荷輸送性重合体4
3gとトリエチルアミン0.5gをジクロロメタン12
0mlに溶解し、0℃に冷却した。この混合物に、上記
合成例1で得られた4,4′−アゾビス(4−シアノ吉
草酸クロリド)5.6gをジクロロメタン20mlに溶
解した溶液を滴下した。室温で1時間反応させた後に3
0℃に加温し、さらに4時間反応させた。反応混合物か
ら溶媒を留去し、テトラヒドロフランを加えて溶解さ
せ、メタノールに滴下し、1時間撹拌した後に濾別し
た。この再沈殿操作をさらに2回繰り返した。残渣を乾
燥して両末端にアゾ型重合開始剤を有する電荷輸送性重
合体41gを得た。
【0078】合成例2 (下記式(3)で表されるブロック共重合体の合成)
【化3】 (式中、aは約96、bは約115、cは約115であ
る。) 合成例1で得られた末端にアゾ型重合開始剤を有する電
荷輸送性重合体6gとn−ドデシルメタクリレート6g
をトルエン120mlに溶解し、窒素置換した後に60
℃°で65時間加熱した。得られた混合物から溶媒を除
去し、テトラヒドロフランを加えて、この溶液をメタノ
ールに滴下し、1時間撹拌した後に濾別した。得られた
固体は、目的とするブロック共重合体とポリ(n−ドデ
シルメタクリレート)単独重合体の混合物であり、溶解
度差を利用した以下の精製法により、ポリ(n−ドデシ
ルメタクリレート)単独重合体を除去し、目的のブロッ
ク共重合体を得た。すなわち、合成例2の電荷輸送性重
合体は不溶であり、且つポリ(n−ドデシルメタクリレ
ート)が易容である溶剤n−ヘキサンにより、上記混合
物を十分に洗浄することにより、目的とするブロック共
重合体6gを得た。得られたブロック共重合体の 1H−
NMRスペクトルにおける両ブロック固有のプロトンに
対応するピークの積分比から計算される電荷輸送性ブロ
ックとポリ(n−ドデシルメタクリレート)からなる絶
縁性ブロックの体積組成比は、およそ55:45であっ
た。また、合成例のブロック共重合体の絶縁性ブロック
と同一構造を持つポリ(n−ドデシルメタクリレート)
の体積抵抗率は1014Ω・cm以上であった。
【0079】実施例1 ホーニング処理を施したアルミニウム製ドラム上に、ジ
ルコニウムアルコキシド化合物(商品名:オルガチック
スZC540、マツモト製薬社製)10重量部およびシ
ラン化合物(商品名:A1110、日本ユニカー社製)
1重量部とイソプロパノール40重量部およびブタノー
ル20重量部からなる溶液を浸漬コーティング法で塗布
し、150℃において10分間加熱乾燥して、膜厚0.
1μmの下引き層を形成した。CuKαを線源とするX
線回折スペクトルにおいて、少なくともブラッグ角度
(2θ±0.2°)が、7.4°、16.6°、25.
5°および28.3°に強い回折ピークを有するクロロ
ガリウムフタロシアニン微結晶4重量部を、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体(商品名:UCARソリューショ
ンビニル樹脂VMCH、ユニオンカーバイド社製)2重
量部、キシレン67重量部、および酢酸ブチル33重量
部と混合し、ガラスビーズと共にペイントシェーク法で
4時間分散処理した後、得られた塗布液を浸漬コーティ
ング法にて上記下引き層上に塗布し、100℃において
10分間加熱乾燥して、膜厚0.3μmの電荷発生層を
形成した。
【0080】次に、六方晶セレン微結晶15重量部、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体(商品名:UCARソリ
ューションビニル樹脂VMCH、ユニオンカーバイド社
製、電気抵抗率1014Ω・cm)10重量部および酢酸
イソブチル100重量部を、3mmφのステンレス鋼ビ
ーズを用いてアトライターにより200時間分散処理し
た。得られた分散液を、上記電荷発生層上に浸漬コーテ
ィング法にて塗布した後、135℃で10分間加熱乾燥
させて、膜厚1.5μmの不均一電荷輸送層を形成し
た。この不均一電荷輸送層中の六方晶セレンの体積比率
はおよそ30%であった。また、六方晶セレンの平均粒
子径は透過型電子顕微鏡による観察の結果、約0.05
μmであった。次に、高分子電荷輸送材料である重量分
子量8万の下記式(4)で示される化合物15重量部を
モノクロロベンゼン85重量部に溶解した塗布液を、上
記不均一電荷輸送上に浸漬コーティング法にて塗布し、
135℃において1時間加熱乾燥させて、膜厚20μm
の均一電荷輸送層を形成し、図6に示す層構成の電子写
真用感光体を得た。
【0081】
【化4】 (式中、aは約106である。) 上記のようにして得られた電子写真感光体に対し、市販
の負帯電反転現像方式のレーザープリンター(Lase
r Press 4105、富士ゼロックス社製)を改
造した評価装置を用い、感光体の表面温度が30℃にな
るように加熱して、温度変動が2℃以下になるように制
御して、高温高湿(30℃、85%RH)、常温常湿
(20℃、40%RH)、低温低湿(10℃、15%R
H)の3環境下で電気特性と画質の評価を行った。電気
特性は、上記評価装置内の現像器位置に表面電位計を取
付け、現像位置での感光体表面電位を測定することによ
り評価した。画質は、ハーフトーン等のテストパターン
を使用し、前記3環境下で濃度に差があるか否かで評価
した。レーザー露光量を変化させた時の表面電位から得
られた光誘起表面電位減衰曲線を図11に、画質評価の
結果を表1に示す。3環境共に同一の光誘起電位減衰曲
線を示し、この光誘起電位減衰曲線からE50%値が
5.8mJ/m2 、E50%/E10%値が2.0と算
出された。
【0082】実施例2 実施例1で作製した電子写真感光体の表面電位変動が5
℃以下になるように制御し、それ以外は実施例1と同様
の操作によって電気特性と画質の評価を行った。この時
の光誘起表面電位減衰曲線は実施例1と同様であった。
画質評価の結果を表1に示す。 実施例3 実施例1で作製した電子写真感光体の表面電位変動が1
0℃以下になるように制御し、それ以外は実施例1と同
様の操作によって電気特性と画質の評価を行った。この
時の光誘起表面電位減衰曲線は実施例1と同様であっ
た。画質評価の結果を表1に示す。
【0083】比較例1 実施例1で作製した電子写真感光体を感光体を加熱およ
び温度制御しなかった以外は、実施例1と同様の操作で
電気特性を評価した。その際に得られた光誘起表面電位
減衰曲線を図12に、画質評価の結果を表1に示す。3
環境下でそれぞれ異なった光誘起電位減衰曲線を示し
た。3環境下での画像濃度の差は、実施例1〜3の場合
に比べて大きかった。
【0084】実施例4 アルミニウム基板上に、ジルコニウムアルコキシド化合
物(商品名:オルガチックスZC540、マツモト製薬
社製)10重量部およびシラン化合物(商品名:A11
10、日本ユニカー社製)1重量部とイソプロパノール
40重量部およびブタノール20重量部からなる溶液を
浸漬コーティング法で塗布し、150℃において10分
間加熱乾燥して、膜厚0.1μmの下引き層を形成し
た。次にCuKαを線源とするX線回折スペクトルのブ
ラッグ角度(2θ±0.2°)が、少なくとも7.4
°、16.6°、25.5°および28.3°に強い回
折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン微結晶
4重量部を、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(商品
名:UCARソリューションビニル樹脂VMCH、ユニ
オンカーバイド社製)2重量部、キシレン67重量部、
および酢酸ブチル33重量部と混合し、ガラスビーズと
共にペイントシェーク法で2時間処理して分散した。得
られた塗布液を浸漬コーティング法で上記下引き層上に
塗布し、100℃において10分間加熱乾燥して、膜厚
0.5μmの電荷発生層を形成した。
【0085】次に、合成例2で得られた電荷輸送ブロッ
クと絶縁性ブロックを有するブロック共重合体20重量
部をトルエン80重量部に溶解した塗布液を、上記電荷
発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、115℃にお
いて30分間加熱乾燥させて、膜厚20μmの不均一電
荷輸送層を形成し、図6に示す層構成の電子写真用感光
体を作製した。
【0086】上記のようにして得られた電子写真感光体
について、実施例1と同様な方法で電気特性と画質を評
価した。レーザー露光量を変化させたときの表面電位か
ら得られた光誘起表面電位減衰曲線は図11と同一であ
った。また、画質評価の結果を表1に示す。この場合の
光誘起表面電位減衰曲線は3環境共に同一の光誘起電位
減衰曲線を示し、E50%値は3.5mJ/m2 、E5
0%/E10%値は1.6と算出された。さらに、感光
体表面電位を−2000Vに帯電させた後、同様な方法
で電気特性を評価したところ、特に変化はなかった。
【0087】比較例2 実施例4で作製した電子写真感光体を感光体を加熱によ
る温度制御をしなかった以外は、実施例4と同様の操作
で電気特性と画質を評価した。その場合に得られた光誘
起表面電位減衰曲線は3環境下でそれぞれ異なった光誘
起電位減衰曲線を示し、3環境下での画像濃度の差は実
施例4に比較して大きかった。さらに、感光体表面電位
を−2000Vに帯電させた後、同様な方法で電気特性
を評価したところ、光誘起表面電位減衰曲線には光感度
の低下、残留電位の増加がみられた。この場合について
黒ベタハーフトーン画像を評価したところ、濃度むらが
認められた。
【0088】
【表1】 (評価は次の3段階で表示する。○:濃度差なし、△濃
度差少しあり、×:濃度差大)
【0089】
【発明の効果】本発明における電子写真方法において
は、電子写真感光体として、50%電位減衰に要する露
光量が10%電位減衰に要する露光量の5倍未満である
感光体を使用し、感光体の表面温度の変動を10℃以内
の範囲の温度変動になるように温度制御しながら画像形
成を行うので、電子写真感光体が環境安定性、繰り返し
安定性、面内均一性等に優れたものとして優れた画質の
画像を形成するために長期間使用できるという卓越した
効果を奏する。
【0090】また、本発明のS字型電子写真用感光体を
使用した電子写真装置は、デジタル処理された画像信号
に基づき露光を行うことにより、印字品質、および画質
の優れた印字画像を提供することができる。さらに、特
定の露光波長を選択することにより、優れた耐久性が実
現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 J字型電子写真感光体における露光量と表面
電位の関係を示すグラフである。
【図2】 S字型電子写真感光体における露光量と表面
電位の関係を示すグラフである。
【図3】 S字型電子写真感光体における種々の露光量
での時間に対する表面電位の減衰曲線を示すグラフであ
る。
【図4】 S字型電子写真感光体における種々の温度で
の露光量と表面電位の関係を示すグラフである。
【図5】 本発明の電子写真用感光体の一例の模式的断
面図である。
【図6】 本発明の電子写真用感光体の他の一例の模式
的断面図である。
【図7】 本発明の電子写真用感光体の他の一例の模式
的断面図である。
【図8】 本発明の電子写真用感光体の他の一例の模式
的断面図である。
【図9】 本発明の電子写真装置における加熱手段およ
び温度制御手段を説明する説明図である。
【図10】 本発明の電子写真装置の一例の概略構成図
である。
【図11】 実施例1の光誘起電位減衰特性を示すグラ
フである。
【図12】 比較例1の光誘起電位減衰特性を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1…導電性支持体、2…電荷発生層、3…不均一電荷輸
送層(S字化電荷輸送層)、4…均一電荷輸送層、5…
感光体、6…加熱装置、6a…ヒータ線、7…絶縁シー
ト、8…サーモスタット、9…温度センサー、10…プ
ロセス制御装置、11…感光体ドラム、12…除電用光
源(近赤外LEDアレイ)、13…帯電用スコロトロ
ン、14…画像形成用レーザー露光系、14a…レーザ
ー光、15…現像器、16…転写用コロトロン、17…
クリーニングブレード、18…用紙、19…光照射処理
用光源(赤色LEDアレイ)、20…加熱装置。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真感光体を均一帯電し、露光によ
    り潜像を形成し、該潜像を現像剤を用いて顕像化し、形
    成されたトナー像を転写体に転写して画像を形成する電
    子写真方法において、電子写真感光体として、50%電
    位減衰に要する露光量が10%電位減衰に要する露光量
    の5倍未満であるものを用い、該電子写真感光体の表面
    温度の変動幅を10℃以内の範囲に調整して画像形成を
    行うことを特徴とする電子写真方法。
  2. 【請求項2】 前記電子写真感光体が、導電性基体上に
    少なくとも電荷発生層と、電気的不活性マトリックス中
    に電荷輸送性ドメインが分散された不均一電荷輸送層を
    含むことを特徴とする請求項1に記載の電子写真方法。
  3. 【請求項3】 前記電子写真感光体の不均一電荷輸送層
    が、電荷輸送ブロックと絶縁性ブロックを含むブロック
    共重合体またはグラフト共重合体よりなることを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載の電子写真方法。
  4. 【請求項4】 電子写真感光体、帯電装置、露光装置、
    現像装置を備えた電子写真装置において、電子写真感光
    体を加熱するための加熱手段および表面温度の変動幅を
    10℃以内の範囲に調整するための制御手段とを設け、
    かつ該電子写真感光体として、50%電位減衰に要する
    露光量が10%電位減衰に要する露光量の5倍未満であ
    るものを使用したことを特徴とする電子写真装置。
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JP2008176310A (ja) * 2006-12-20 2008-07-31 Mitsubishi Chemicals Corp 電子写真感光体
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