JPH1130935A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH1130935A
JPH1130935A JP9199222A JP19922297A JPH1130935A JP H1130935 A JPH1130935 A JP H1130935A JP 9199222 A JP9199222 A JP 9199222A JP 19922297 A JP19922297 A JP 19922297A JP H1130935 A JPH1130935 A JP H1130935A
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image
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JP9199222A
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Yasuhiro Oda
康弘 織田
Taketoshi Azuma
武敏 東
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 デジタル露光を行なう電子写真式の画像形成
装置において、感光体の光誘起電位減衰特性をS字型に
するとともに、特性の向上を図り、高精細なデジタル画
像を安定して得る。 【解決手段】 導電性基体の上に形成される感光体層を
次のような構成とする。電荷発生層を設け、その上に、
電気的不活性マトリックス中に400 〜900nm の波長域の
光に対して電荷を発生させる電荷輸送性ドメインを分散
した電荷輸送制御層を設ける。そして、その上に電荷輸
送性マトリックスからなる電荷輸送層を積層する。ま
た、デジタルの画像信号に基づく像光は前記電荷輸送性
ドメインに電荷を発生させないものとする。一方、前記
電荷輸送性ドメインに電荷を発生させず、前記電荷発生
層で電荷を発生させる波長の除電光を照射する第1の除
電用露光器6と、少なくとも前記電荷輸送性ドメインに
電荷を発生させる除電光を照射する第2の除電用露光器
7とを備えるものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体を
デジタル処理された画像信号に基づいて像露光する画像
形成装置に係り、さらに詳しくは、静電潜像が形成され
る感光体を一様に帯電し、帯電された感光体上に画像情
報に対応して変調された光ビームを照射することにより
感光体上に静電潜像を形成し、トナーの付着によって可
視画像を得るいわゆるデジタル電子写真方式の画像形成
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真技術は、高速で高印字品質のも
のが得られる等の利点を有するため、複写機、プリンタ
ー、ファクシミリ等の画像形成装置において広く利用さ
れており、文字や絵などを表す画像情報に応じて変調さ
れた光ビームを感光体上に照射することにより感光体上
に静電潜像を形成する、いわゆるデジタル電子写真方式
の画像形成装置が、プリンタや複写機の中心的役割を果
たすようになってきた。このようなデジタル画像形成装
置は、白と黒の二値情報によって画像を形成するもので
あり、光ビームを高速でオンオフさせ、いわゆる網点構
造や万線構造の静電画像を形成することによって中間調
の画像をも、高画質で形成することができる。さらに、
このような画像形成装置は、画像形成のアルゴリズムも
比較的簡単であり、また低コストで実現できる。
【0003】一方、電子写真技術に用いられる電子写真
感光体としては、従来からセレン、セレン‐テルル合
金、セレン‐ヒ素合金等の無機光導電性材料を用いたも
のが広く知られている。また、これらの無機系感光体に
比べて、コスト、製造性および廃棄性等の点で優れた利
点を有する有機光導電性材料を用いた電子写真感光体の
研究が活発化し、現在では有機系感光体が無機系感光体
を凌駕するに至っている。特に、光電導の素過程である
光電荷発生と電荷輸送とを、それぞれ別々の層に担わせ
る機能分離型積層構成の感光層からなる感光体が開発さ
れたことにより、材料選択の自由度が増大して、著しい
性能の向上を遂げることができるようになり、現在で
は、この機能分離積層型の有機感光体が電子写真感光体
の主流になっている。
【0004】このような機能分離積層型有機感光体の電
荷発生層としては、キノン系顔料、ペリレン系顔料、ア
ゾ系顔料、フタロシアニン系顔料及びセレン等の電荷発
生能を有する顔料を蒸着等により直接成膜したもの、ま
たはこれらを結着樹脂中に高濃度で分散させたものが実
用化されている。一方、電荷輸送層としては、ヒドラゾ
ン系化合物、ベンジジン系化合物、アミン系化合物、ス
チルベン系化合物等の電荷輸送能を有する低分子化合物
を絶縁性樹脂中に分子分散したものが用いられている。
【0005】ところで、原稿を光学的に感光体上に結像
させて露光するアナログ方式の電子写真複写機等に用い
る感光体として、中間調の再現性を良好にするために、
従来より図6( a) に示すような光誘起電位減衰特性を
有する感光体、すなわち、露光量に対してほぼ比例して
電位減衰を起こす感光体(以下、「J字型感光体」とい
う。)特性が要求されている。従って、上記した無機感
光体、機能分離積層型有機感光体のいずれもこの範疇に
入る光誘起電位減衰特性を示すものであった。
【0006】しかしながら、デジタル方式の電子写真装
置においては、網点構造や万線構造の静電潜像を形成す
ることにより中間調の画像を表現する方式、つまりドッ
ト等の面積率により階調を表す面積階調方式を採用して
おり、画像中の低濃度部(ハイライト部)から高濃度部
まで、一定の光ビームスポット径で、かつ、単位長あた
り一定のドット数ないし線数で潜像形成が行われる。こ
のため、デジタル方式の電子写真装置にJ字型感光体を
使用する場合には、ハイライト部での露光プロファイル
は露光エネルギーがオン、オフのような二値的(デジタ
ル的)には変化せず、コントラストが低下した中間的
(アナログ的)な露光エネルギー分布をもった露光プロ
ファイルとなり、さらに露光量自体も少ないことから、
ドットや万線の再現性が乏しく、粒状感の悪いざらつい
た画像となる。また、温湿環境等に対する階調表現の安
定性も悪いという問題もあり、さらに、小さな文字、特
に小さな漢字文字の再現に対しても線の再現性が乏し
く、つぶれやかすれが生じるという問題もある。
【0007】ハイライト部での露光プロファイルのコン
トラストを向上させるために、単位長あたりのドット数
ないし線数を低くして潜像形成を行う方法も考えられ
る。しかし、この方法ではハイライト部におけるドット
や万線の再現性を向上させることはできるが、ドットな
どの画像構造が認識されやすくなり、また、文字の分解
能も低下して低画質化するといった欠点が新たに生じる
ことになる。一方、光ビームスポット径を十分小さくす
る方式も考えられるが、その場合、光ビームを集光して
感光体上に光ビームスポットを形成する結像光学系が非
常に精密で高価なものとなり、かつ大型化して実用性を
損なう。
【0008】このような問題に対し、図6( b) に示す
ような、ある露光強度に達するまでは帯電電位が減衰せ
ず、露光強度があるしきい値を越えると帯電電位が急激
に減衰する、いわゆるS字型の光誘起電位減衰特性を有
する感光体(以下、「S字型感光体」という。)を用い
ることにより、露光プロファイルのコントラストを向上
する手段が、特開平1−169454号公報に開示され
ている。また、特開平2−282277号公報には、同
様な特性を示す感光体を用いて、中間調画像を再現させ
る手段が記載されている。
【0009】上記S字型感光体の光誘起電位減衰特性
は、ZnO 等の無機顔料またはフタロシアニン等の有機顔
料を樹脂中に粒子分散した単層型感光体において公知の
現象である[例えば、R. M. Schaffert: 「Electro
photography 」, Focal Press, p.344(1975) 、 J.W.
Weigl, J.Mammino, G.L.Whittaker, R.W.Radler, J.F.B
yrne: 「Curennt Problems in Electrophotography」,W
alter de Gruyter, p.287(1972) ]。特に、現在多用さ
れている半導体レーザ及びLEDの発振波長である近赤
外に光感度を有するフタロシアニン系顔料を樹脂中に分
散したレーザ露光用単層感光体が多数提案されている
[例えば、グエン・チャン・ケー,相沢:日本化学会
誌、p.393(1986)、特開平1-169454号公報、同2-207258
号公報、同3-31847 号公報、同5-313387号公報]。
【0010】ところが、上記単層型感光体では、単一材
料が電荷発生及び電荷輸送の両機能を担う必要があり、
両機能ともに優れた性能を有する材料は稀有であって、
実用に耐え得る材料は未だ得られていない。特に、顔料
粒子は、一般に多くのトラップレベルを有するため、電
荷輸送能が低かったり、電荷が残留する等の欠点があ
り、電荷輸送を担わせるには不適当なものである。これ
らの観点から、S字型感光体においても、材料選択の自
由度を上げるため、ひいては総合的な感光体特性を向上
させるために、機能分離型の層構成を有する感光層の導
入が望まれていた。
【0011】この問題に対し、D.M.Pai 等は、電荷発生
層及び電荷輸送層を有する積層型感光体において、電荷
輸送層が、少なくとも2つの電荷輸送領域及び1つの電
気的不活性領域を含み、該電荷輸送領域が互いに接触し
て回旋状電荷輸送路を形成している不均一電荷輸送層を
用い、これと任意の電荷発生層とを組み合わせることに
より、S字型光誘起電位減衰特性が実現できることを報
告している(特開平6−83077号公報、米国特許第
5,306,586号明細書)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記技
術において、電荷輸送層の機能は、光誘起電位減衰特性
をS字型にする機能(以下、「S字化」という。)と電
荷輸送機能とを担っており、従来のJ字型光誘起電位減
衰特性を有する積層型感光体の電荷輸送層に比べてS字
化の機能がされに付加されているために、電荷輸送層の
設計の自由度が制約されるという問題が依然として存在
していた。
【0013】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的は、S字型の光誘起電位減
衰特性を示す感光体の特性を向上し、高精細なデジタル
画像を安定して得ることができる画像形成装置を提供す
るものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に係る画像形成装置は、導電性基体上
に、電荷発生層、電気的不活性マトリックス中に400 〜
900 nmの範囲の波長域の光に対して電荷発生能を有す
る電荷輸送性ドメインを分散してなる電荷輸送制御層、
電荷輸送性マトリックスからなる電荷輸送層とをこの順
に積層してなる電子写真感光体と、デジタル処理された
画像信号に対応して点滅し、前記電荷輸送性ドメインに
電荷を発生させない波長を有する像光を上記電子写真感
光体に照射する露光光源と、上記電荷輸送性ドメインに
電荷を発生させず、電荷発生層で電荷を発生させる波長
の除電光を照射する第1の除電用露光器と、少なくと
も、前記電荷輸送性ドメインに電荷を発生させる波長の
除電光を照射する第2の除電用露光器とを有して構成さ
れる。
【0015】上記のような構成の画像形成装置は次のよ
うな考察のもとに創出されたものである。電子写真感光
体の光誘起電位減衰特性がS字型となる詳細な機構につ
いては必ずしも明確ではないが、従来のJ字型機能分離
積層型感光体に用いられている電荷輸送層の上に、S字
型感光体として知られている顔料樹脂分散層を積層した
2層構成の感光体が、S字型光誘起電位減衰特性を示す
という発見に端を発し、S字型光誘起電位減衰特性の発
現の鍵は、電荷輸送の初期段階に不均一な構造よりなる
電荷輸送路を存在させることであり、必ずしも従来のS
字型感光体に共通する電荷輸送路全路に亘る不均一な構
造は不必要であると考えた。そして、上記D. M. Pai
等の研究をさらに発展させて、S字型感光体のさらなる
機能分離設計が可能であることを見いだし、さらに、そ
の使用条件に対する特性挙動を実験により解明すること
によって上記構成の画像形成装置を完成するに至ったも
のである。
【0016】この画像形成装置は、導電性基体上に電荷
発生層および電荷輸送層の積層構成を有する電子写真感
光体の電荷輸送層を、電気的不活性マトリックス中に電
荷輸送性ドメインが分散されている不均一電荷輸送層
と、電荷輸送性マトリックスからなる均一電荷輸送層と
によって構成する。つまり、上記構成を有する電子写真
感光体では、電荷発生は電荷発生層に担わせ、光誘起電
位減衰曲線のS字化は電気的不活性マトリックス中に電
荷輸送性ドメインが分散されている不均一電荷輸送層
(電荷輸送制御層)に担わせる。そして、主たる電荷輸
送性能は電荷輸送性マトリックスよりなる均一電荷輸送
層に担わせている。これにより機能分離が進められ、感
光体設計の自由度が大幅に向上するものである。
【0017】ただし、このような導電性基体上に電荷発
生層、電荷輸送制御層、電荷輸送層とを順次積層してな
る電子写真感光体は設計上極めて有用ではあるが、電荷
輸送制御層が電荷の輸送性を制御する機能を有するた
め、前サイクルにおける被露光履歴を記録する可能性が
ある。この被露光履歴を解消できないまま次のサイクル
の帯電、露光工程に入ると、潜像形成から現像工程にお
いて前記被露光履歴が顕在化され、これがゴーストを発
生させる原因となる。このゴーストの発生原因は電荷輸
送制御層の電荷輸送性ドメインにトラップされた残留電
荷によるものと考えられ、この残留電荷はサイクル内に
おける表面電位の安定性にも影響を及ぼし、画質の不安
定要因にもなると考えられる。
【0018】このようなゴーストの発生を抑止するため
に、本発明の画像形成装置は、電荷輸送制御層の電荷輸
送性ドメインに電荷を発生させず、電荷発生層では電荷
を発生させる波長の除電光を照射する第1の除電用露光
器、及び電荷輸送制御層の電荷輸送性ドメインに電荷を
発生させる波長の除電光を照射する第2の除電用露光器
とを設ける。そして、まず第2の除電用露光器からの除
電光を電子写真感光体に照射し、電荷輸送制御層の電荷
輸送性ドメインに作用して十分に電荷を発生させてお
く。このような状態で、感光体を一様に帯電し、続いて
画像データによって変調された像光を照射して静電潜像
の形成を行なう。このとき上記電荷輸送制御層の電荷輸
送性ドメインには電荷を発生させない。そして、上記静
電潜像の現像及びトナー像の転写が終了する毎に第1の
除電用露光器により除電光を照射して電荷発生層の前サ
イクルにおける被露光履歴を解消する。
【0019】このような工程では、像露光され、現像さ
れたトナー像を転写した後の除電露光は電荷発生層のみ
に作用するが、電荷輸送制御層の電荷輸送性ドメインは
あらかじめ第2の除電用露光器により十分に露光され、
電荷発生が行なわれていることにより、ゴーストの発生
が防止される。これは電荷輸送性ドメインにトラップさ
れた残留電荷が十分に存在しているためと考えられる。
【0020】一方、電荷輸送制御層の電荷輸送性ドメイ
ンに残留する電荷が原因と考えられるゴーストを解消す
るためには、電荷輸送制御層中の電荷輸送性ドメインと
電荷発生層とが共に電荷を発生する波長の除電光を画像
形成毎に照射して、被露光履歴を消去することによりこ
の問題の解決を図る方法も考えられる。
【0021】しかし、電荷輸送性ドメインと電荷発生層
の両方が電荷発生する波長の除電光を照射する除電光源
を備えた画像形成装置に、上記電子写真感光体を装着し
て連続して画像形成を行い、得られた画像の階調特性を
評価したところ、長時間の繰り返し使用により階調特性
が変化することが判明した。具体的には感光体の光誘起
電位減衰特性がより高感度な特性にシフトし、中間調画
像がより濃く再現されるようになる。
【0022】S字型感光体における光誘起電位減衰特性
の発現機構に関しては未だ確立された説はなく不明な点
も多いが、トラップ説[北村、小門;電子写真学会誌、
Vol.20、p.60(1982) 等]およびD.M.Pai 等が提唱する
回線状電導説等、幾つかの提案がなされている。このよ
うな諸説に鑑みると、前記現象は、電荷輸送制御層内の
電荷輸送性ドメインが所定波長域の光に対して光感度を
有するため、サイクル毎の除電プロセスによって過剰に
活発化され、電荷輸送制御層内にエネルギー的にトラッ
プされた光キャリアによる新たな電荷輸送層が形成され
ることによって光誘起電位減衰特性が変化し、発生する
ものと推定される。
【0023】このような不都合に対して、本願発明に係
る画像形成装置は、像露光及び画像形成する毎に行なう
除電露光では、電荷輸送制御層の電荷輸送性ドメインに
電荷を発生させないものとなっているので感度特性の変
動はほとんど抑止できる。
【0024】請求項2に記載の発明に係る画像形成装置
は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記第1
の除電用露光器が発する除電光に対する前記電荷輸送制
御層の吸光度が0.3以下であることを特徴として構成
される。
【0025】上記電荷輸送制御層は、第1の除電用露光
器が発する除電光に対して100%の透過光であることが理
想であるが、電荷輸送性ドメインが光感度を有するため
100%を実現することはできない。そして、前記電荷輸送
制御層の吸光度が0.3を超えると、画像形成プロセス
における定常的な除電プロセスによる電荷輸送制御層で
の電荷発生が、繰り返し特性に対して影響を及ぼすレベ
ルとなり、通常の画像形成プロセスでの階調特性に変化
を与えることになる。このため、上記のような構成にす
ることにより、通常の画像形成プロセスにおいて階調特
性の変化を実用上問題がない程度に抑えることができ
る。
【0026】請求項3に記載の発明に係る画像形成装置
は、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置にお
いて、画像形成動作を一旦停止させた後、再度画像形成
動作がなされるまでの待機時間を計測する待機時間計測
手段と、この待機時間計測手段に基づいて第2の除電用
露光器による露光を制御する制御手段とを備えて構成さ
れている。
【0027】上記電荷輸送制御層にトラップされた残留
電荷は、時間の経過とともに解放されて不均一となり、
画質の階調特性の不安定要因になると考えられることか
ら、この画像形成装置では、所定時間毎に第2の除電用
露光器により感光体を露光し、電荷輸送制御層に電荷が
トラップされている状態を維持する。これにより、画質
の安定化とゴーストの発生を防止することができるよう
にしたものである。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の態様につい
て説明する。 [画像形成装置の主要部分の構成]図1は、本願に係る
発明の一実施形態である画像形成装置(カラー複写機)
の概略構成図である。この画像形成装置は、一様帯電後
にレーザー光を照射することによって表面に静電潜像が
形成される感光体ドラム1を備えており、この感光体ド
ラム1の上方に、原稿読み取り部10、上記感光体ドラ
ム1の周面に像光を照射する光ビーム走査部20、原稿
読み取り部からの画像信号に基づいて変調された二値信
号を発生するパルス幅変調回路(PWM)30が配置さ
れている。
【0029】また、上記感光体ドラム1の周囲には、感
光体ドラム1の表面を一様に帯電する帯電器2と、感光
体ドラム1上の静電潜像をそれぞれブラック、イエロ
ー、マゼンタ、シアンのトナーにより可視化する4台の
現像装置を搭載した回転式現像装置3と、周面に用紙を
吸着しながら回転する転写ドラム4と、転写後の感光体
ドラム1上に残留するトナーを除去するクリーナー5
と、感光体ドラム1に除電光を照射する第1の除電用露
光器6と第2の除電用露光器7を備えている。
【0030】さらに、上記転写ドラム4の周囲および内
側には、用紙トレイ11から用紙を一枚ずつ取り出して
転写ドラム4に搬送する用紙搬送路12と、用紙を転写
ドラム4に吸着させる記録材吸着用帯電器13と、転写
ドラム4上に吸着された用紙に感光体ドラム1上のトナ
ー像を転写する転写帯電器14と、トナー像が転写され
た用紙を転写ドラム4から剥離する剥離用帯電器15及
び剥離爪16と、用紙上のトナー像を定着する定着装置
9とを備えている。
【0031】[光ビーム走査部の構成]図2は、上記画
像形成装置に使用される光ビーム走査部の構成図であ
る。半導体レーザ21からは、パルス幅変調回路30に
よりオン・オフ制御されたレーザビ−ムが射出される。
このレーザビームはコリメータレンズ22によりコリメ
ートされた後、図中に示す矢印c方向に回転するポリゴ
ンミラー23により繰り返し反射偏向される。さらに、
感光体ドラム1上におけるスポット径調整のためのfθ
レンズ24を経由した後、画像情報を担持した光ビーム
25として、感光体ドラム1上を主走査方向に繰り返し
走査する。光ビーム25による各走査の開始時点は、走
査開始信号生成用光センサ26により感知され、各走査
の開始を表わすSOS(Start Of Scan)信号として
内部に取り込まれる。
【0032】なお、潜像形成用の露光光源は、上記のよ
うなレーザービームを走査するものに限定されず、点滅
が制御されるLEDアレイ等を用いることもできる。た
だし、電荷輸送性ドメインにできるだけ電荷発生をさせ
ない波長を有することが必要である。像光が電荷輸送性
ドメインに電荷発生させる場合には感光体のS字型特性
が失われる傾向にある。
【0033】[パルス幅変調回路の構成]図3はパルス
幅変調回路30の構成を示すブロック図である。三角波
発振器31は、図3に示すように繰返し周波数が低い三
角波311と繰返し周波数が高い三角波312との周波
数の異なる2種類の三角波を発生させる。両三角波31
1,312は共に選択回路33に入力され、選択回路3
3において、中間調画像と文字画像(二値画像)とを判
別する判別信号に基づいて、中間調画像の場合は繰返し
周波数の低い三角波311が、文字画像の場合は繰返し
周波数が高い三角波312が選択されて比較回路32に
伝達される。
【0034】一方、原稿読み取り部10における画像読
取りにより得られた画像信号(デジタル信号)35はD
/A変換器34に入力されてアナログ信号に変換され、
比較回路32に入力される。比較回路32では、このア
ナログ画像信号のレベルと選択回路33によって選択さ
れた三角波のレベルとを比較し、アナログ画像信号のレ
ベルに応じたパルス幅の二値信号を出力する。すなわ
ち、パルス幅変調を行う。変調された二値信号は図2に
示した半導体レーザ21に入力され、その半導体レーザ
21から、その二値信号のパルス幅時間に応じてオン・
オフを繰り返すレーザビーム25が射出される。
【0035】[感光体ドラムの構成]上記感光体ドラム
1は、図4に示すように、電気的に接地された導電性支
持体61の上に電子写真感光体60が形成されたもので
あり、軸線回りに回転駆動される。上記電子写真感光体
60は、電荷発生層62、電荷輸送制御層63、電荷輸
送層64を、この順に積層したものである。この感光体
ドラム1は、帯電器2により表面が一様に帯電された
後、光ビーム走査部20からレーザー光が照射されるこ
とによって光照射部の表面電位が減衰し、表面に静電電
位の差による潜像が形成されるようになっている。
【0036】上記導電性支持体61は、アルミニウムの
円筒状のパイプで構成されている。この導電性支持体6
1に用いるものとしては、不透明なもの又は実質的に透
明なものであってもよく、アルミニウム、ニッケル、ク
ロム、ステンレス鋼等の金属類等、種々のものがあげら
れる。導電性支持体61の表面にはさらに必要に応じ
て、画質に影響のない範囲で各種の処理を行うことがで
きる。例えば、表面の酸化処理や薬品処理及び着色処理
等、又は砂目立て等の乱反射処理等を行うことができ
る。
【0037】上記電荷発生層62は、光が照射されるこ
とによって電荷を発生するキノン系顔料、ペリレン系顔
料、アゾ系顔料等を蒸着等により直接成膜したもの、又
はこれらを結着樹脂中に高濃度で分散させたものをを塗
布して形成されている。
【0038】上記電荷輸送層64は、電荷輸送性マトリ
ックスからなる均一構成の電荷輸送能を呈するものであ
る。また、電荷輸送制御層63は、電気的不活性マトリ
ックス中に電荷輸送性ドメインが分散されてなる不均一
構成の電荷輸送層である。なお、ここで「電気的不活
性」とは、その輸送エネルギーレベルが主たる輸送電荷
の輸送エネルギーレベルから大きくかけ離れており、通
常の電界強度では、実質的に輸送電荷が注入されること
がなく、主たる電荷にとって事実上の電気的絶縁状態に
あることを意味する。
【0039】上記ような構成の感光体は、光誘起電位の
減衰曲線がS字型となるものであり、減衰曲線のS字化
は電気的不活性マトリックス中に電荷輸送性ドメインが
分散されてなる電荷輸送制御層に担わせ、主たる電荷輸
送機能は電荷輸送性マトリックスよりなる均一な電荷輸
送層に担わせて機能の分離を進めたものである。このよ
うな構成とすることによって、材料選択の自由度が増
し、スクリーンドットや万線および細線の高い再現性を
可能としたものである。
【0040】[電子写真感光体の特性]上記電子写真感
光体の光誘起電位の減衰曲線がS字型であることの尺度
には、例えば、帯電電位を50%減衰させるのに要する
露光量E(50%) と10%減衰させるのに要する露光量E
(10%) との比で表されるK=E(50%) /E(10%) の値を
用いることができる。理想的なJ字型感光体であって電
位減衰が露光量に比例している場合には、Kの値は5と
なる。ところが、一般的なJ字型感光体では電界強度の
低下に伴い、電荷発生効率または電荷輸送能が低下し、
Kの値は5を越える値を示す。一方、S字型の究極であ
り、ある一定の露光量までは全く電位減衰せず、その露
光量に達すると一気に残留電位レベルまで減衰する段階
状の光誘起電位減衰曲線では、Kの値は1となる。従っ
て、S字型感光体とは、Kの値が1〜5の範囲内にある
ものとして規定されるが、好ましいデジタル特性を発揮
するには、Kの値は3未満であることが好ましく、より
好ましくは2未満である。
【0041】この様な電子写真感光体60がS字型光誘
起電位減衰特性を発揮する理由は、必ずしも明らかでは
ないが、S字型電位減衰への鍵は電荷輸送の途中、特に
電荷輸送の初期に存在する電荷輸送に関わる不均一構造
が起因すると考えられる。前記したD.M.Pai 等の特許に
よれば、S字型光誘起電位減衰が起こる過程は、以下の
ようなものと推定されている。
【0042】まず、電荷輸送制御層63では、電気的不
活性マトリックス中に分散された電荷輸送性ドメインが
互いに接触し、回旋状電荷輸送路を形成しているものと
考えられている。すなわち、電子写真感光体60が帯電
されて感光層に高電界が加わると、露光により電荷発生
層62で発生した電荷はクーロン力により電界に沿って
電荷発生層から電荷輸送制御層に注入され、電荷輸送性
ドメイン中を表面に垂直な方向に移動するが電気的不活
性マトリックスの障壁に出会い、ここで電荷の移動は一
時停止する。この間の電荷の移動距離が感光層の全膜厚
よりも充分小さければ、その間の電位減衰は無視できる
ものとなる。殆ど全ての表面電荷に相当する電荷が注入
された後は、該電荷近傍の表面に垂直な局部的電界は無
視できるほど小さいものとなり、一時停止していた電荷
は電界の束縛を逃れて表面に垂直な方向以外の方向に移
動することが可能となり、回旋状に連なる連結路を辿っ
て最初に電荷が停止されたところよりも深部に達するこ
とになる。
【0043】この深部においては、電荷は再び充分な高
電界に晒され、かつ先ほどと同様に電気的不活性マトリ
ックスの障壁に出会って移動を停止する。しかし、前の
電荷が移動したことによって電界強度が低下しているた
め、より多くの電荷が回旋状電荷輸送路を通って次の絶
縁性障壁にまで達する。かくして電荷の移動はカスケー
ド的に起こってS字型の光誘起電位減衰となる、とD.M.
Pai 等は説明している。
【0044】しかしながら、電気的不活性マトリックス
の障壁が、殆どの電荷を一時停止させ、その後に電荷の
カスケード的な移動が一旦始まってしまうと、その後の
障壁の必要性はなく、むしろ均一な電荷輸送路を確保し
て電荷をスムーズに移動させる方が有利であると考えら
れる。上記電荷輸送層と電荷輸送制御層とを積層する感
光体は、このような考察に基づいて導き出されたもので
ある。
【0045】[第1の除電用露光器及び第2の除電用露
光器の構成]上記第1の除電用露光記6は、トナー像が
転写された後の感光体ドラムの周面を露光することによ
って残留電荷を消去するものであり、電荷輸送制御層6
3の電荷輸送性ドメインではわずかしか電荷発生がな
く、電荷発生層62では電荷発生する波長域の除電光源
を有するものである。この除電光源としては、例えば、
LED、タングステンランプ、蛍光灯等を用いることが
でき、必要に応じて干渉フィルターによって波長を選別
してもよい。
【0046】上記第2の除電用露光器7は、 400 nm 乃
至900 nmの範囲の波長域の除電光、すなわち、電荷輸送
制御層63の電荷輸送性ドメインで電荷が発生する波長
域の除電光を感光体ドラムに照射するものである。この
第2の除電露光器が有する除電光源も、第1の除電用露
光器と同様に、LED、タングステンランプ、蛍光灯等
を用いることができ、干渉フィルターで波長を選別して
もよい。
【0047】また、上記第2の除電用露光器は、除電露
光制御手段(図示せず)によって点滅が制御されるもの
であり、この除電露光制御手段は、待機時間計測手段
(図示せず)からの出力に基づいて上記制御を行なう。
この待機時間計測手段は、感光体ドラム1を駆動するメ
インモータの駆動信号を入力信号として取り込むことに
よって、先に画像形成を行なった後の待機時間を計測す
るものであり、上記除電露光制御手段は、待機時間計測
手段で計測された、先に画像形成を行なってからの経過
時間にに基づいて、第2の除電用露光器の作動を制御す
るようになっている。なお、上記第2の除電用露光器7
は回転式現像装置3による現像位置と転写ドラム4によ
る転写位置との間に配設されているが、特にこの位置に
限られるものではない。
【0048】図5は、上記除電露光制御手段の動作の一
例を示すブロック図である。待機時間制御手段は感光体
ドラム1を駆動するメインモータ(図示しない)の駆動
信号を取り込むことによって、画像形成動作までの待機
時間tを計測する。計測された待機時間tは、適宜、除
電露光制御手段に取り込まれ、あらかじめ設定された待
機時間to、t1と比較される。制御手段はその結果に応じ
て第2の除電用露光器7の動作を制御する。
【0049】例えば、図5に示すように、待機時間tが
toより小さい場合には第2の除電用露光器7を動作させ
ず、そのまま画像形成動作を行う(A)。待機時間tが
toより大きく、t1より小さい場合には、画像形成動作に
入る前に、感光体ドラム1を回転駆動させ、第2の除電
用露光器7をT1秒間点灯させる(B)。さらに待機時
間tがt1より大きい場合には、画像形成動作に入る前
に、感光体ドラム1を回転駆動させて第2の除電用露光
器7をT2秒間点灯させる。このようにして第2の除電
用露光器7の動作及び除電光量を制御することができ
る。また、除電露光制御手段において、予め設定される
待機時間をより詳細に設定すれば、画像のより均一な階
調特性を実現することができる。
【0050】[画像形成装置の動作]次に、上記のよう
な構成の画像形成装置の動作について説明する。まず、
電源投入時のウォームアップの一定時間、感光体ドラム
1を回転駆動させながら第2の除電用露光器7によって
感光体に除電光の照射を行う。この除電光の照射時間は
上記のように除電露光制御手段によって制御される。次
に画像複写を行うため、原稿読み取り部10の上部に文
字形成面を下向きにして原稿がセットされ、その原稿に
記録された画像が原稿読み取り部10により光電的に読
み取られて画像信号が形成される。
【0051】光ビーム走査部20は、パルス幅変調回路
30でオン・オフ変調された信号に基づいて点滅する光
ビームを生成し、原稿の画像情報を担持した光ビーム2
5(図2参照)を回転する感光体ドラム1上の、主走査
方向(感光体ドラム1の軸線方向)に繰返し走査する。
【0052】一方、感光体ドラム1は回転駆動され、上
記光ビームの走査が行なわれる位置の上流側で帯電器2
により一様に帯電されており、この周面に上記光ビーム
が走査される。これにより、光ビームのオン・オフに従
って感光体層の電位が減衰し、静電電位の差による潜像
が感光体ドラム1の表面上に形成される。
【0053】感光体表面に形成された静電潜像は、回転
式現像装置3と対向する現像位置に移動する。回転式現
像器3は、イエロー、シアン、マゼンタ、黒色のトナー
をそれぞれ収容する4台の現像器により構成されてい
る。各現像器は2成分現像剤の磁気ブラシで反転現像を
行なうものであり、トナーの平均粒径は7μmである。
この回転現像器3は各色に対応した静電潜像を現像する
度に回転し、それぞれ形成された潜像に対応した色のト
ナーでその潜像を可視化する。このとき、現像に用いら
れる現像ロール91には交流成分が重畳されたバイアス
電圧が印加されており、静電潜像の背景部へのトナー付
着が抑制される。
【0054】現像によって得られたトナー像は、感光体
ドラム1の回転により、転写ドラム4と対向する位置
(転写位置)に移動する。一方、転写ドラム4には、用
紙トレイ11から用紙搬送経路12を経由して搬送され
てきた用紙(図示しない)が用紙吸着用帯電器13の作
用により吸着されており、転写ドラム4の矢印a方向へ
の回転にともなって感光体ドラム1と対向した転写位置
に搬送される。感光体ドラム1上に形成されたトナー像
は、この転写位置において、転写帯電器14の作用によ
り、転写ドラム4の外周面に吸着された用紙上に転写さ
れる。
【0055】トナー像を転写した後の感光体ドラム1
は、クリーナ5により残存するトナーの除去が行われ、
第1の除電用露光器6により除電光が照射された後、再
び帯電器2により、第2色目の静電潜像形成のための一
様帯電が行われる。そして、像露光・現像・転写が行な
われ、イエロー、シアン、マゼンタ、黒の各色のトナー
像が順次形成されて、転写ドラム4のの周面上に吸着さ
れた用紙上に、順次重ねて転写される。
【0056】転写ドラム4に吸着された一枚の用紙上
に、イエロー、シアン、マゼンタ、黒の4色のトナー像
の転写が終了すると、その転写ドラム4に吸着された用
紙は剥離用帯電器15によって転写ドラム4との静電的
な吸着力が除去され、剥離爪16により転写ドラム4か
ら剥離された後、定着器9で溶融定着されて画像形成装
置の外部に排出される。一方、用紙が剥離された転写ド
ラム4は除電用帯電器17によって除電され、引き続き
画像形成を行うときは、上記と同様にして次の新たな用
紙が吸着される。
【0057】一方、感光体ドラム1はその表面に形成さ
れた各色毎のトナー像の転写が終了する度に、クリーナ
5により表面に残留したトナーが除去され、第1の除電
用露光器6により除電光が照射される。上記第1の除電
用露光6から照射される除電光は、電荷輸送制御層の電
荷輸送性ドメインにほとんど電荷を発生させない波長域
に設定されており、上記のようの画像形成工程を繰り返
しても、感度の変化はほとんど生じまい。また、このよ
うな第1の除電露光器からの除電光は、電荷輸送性ドメ
インに電荷を発生させるものではないが、第2の除電露
光器によってあらかじめ除電光が十分に照射され、電荷
輸送性ドメインにトラップされた電荷が多く存在する状
態で、像露光及び第1の除電露光器による除電光の照射
が行なわれるので、電荷輸送性ドメインに残留する電荷
に起因したゴーストの発生も抑止される。
【0058】[電子写真感光体の材料の選択及び形成方
法]次に、上記電子写真感光体の各層を構成する材料の
選択及び各層の形成方法等について詳細に説明する。本
発明に使用される電子写真感光体60は、多数の研究開
発が行われているJ字型機能分離積層型感光体にS字化
のための電荷輸送制御層63を付加しただけの構造であ
るため、電荷発生層62および電荷輸送層64について
は、従来公知であるJ字型機能分離積層型感光体の電荷
発生層および電荷輸送層の材料、組成、およびその作成
方法を随時に選択し、使用することができる。このこと
は、S字型感光体の開発の効率化および性能改善の観点
から非常に有利な点であり、本発明に係る感光体の優れ
た利点の一つである。また、従来、S字型感光体として
報告されている電荷輸送路の不均一構造が全層に亘って
いる電子写真感光体においては、全層に亘る電荷輸送路
が不均一であるために高い輸送能は得難いものと懸念さ
れる。これに対して、本発明においては、電荷輸送路の
不均一構造は電荷輸送路の一部である電荷輸送制御層の
みであるとともに、幅広い材料選択が可能であるため、
より容易に高い輸送能を得ることができるものである。
以下に本発明の電子写真感光体を構成する各層について
詳細に説明する。
【0059】図4は、本発明に使用する電子写真用感光
体60の積層構成を示す模式的断面図である。図4にお
いては、導電性支持体61上に、光電荷発生を担う電荷
発生層62が設けられ、その上にS字化のための電荷輸
送制御層63が設けられ、さらにその上に、スムーズな
電荷輸送を担う均一な電荷輸送層64が順次設けられて
おり、この電荷輸送制御層63および均一な電荷輸送層
64によって電荷輸送路が形成されている。図示してい
ないが、導電性支持体61と電荷発生層62の間に下引
き層を設けてもよい。この下引き層は感光体の一様帯電
時において導電性支持体61から感光層への電荷の注入
を阻止すると共に、感光層を導電性支持体61に対して
一体的に接着保持せしめる接着層としての作用、或いは
場合によっては導電性支持体61からの光の反射防止作
用等をするものである。さらに所望の保護層または乱反
射層等を含むこともできる。
【0060】前記したように、電荷発生層62で発生し
た電荷が、電荷輸送制御層63の電気的不活性マトリッ
クスの障壁に出会い、最初に一時停止するまでの間の移
動距離が感光層の全膜厚よりを充分小さければ、その間
の電位減衰は無視できるものとなり、より理想的なS字
型感光体となる。つまり、電荷発生層62とS字化のた
めの電荷輸送制御層63とが接して形成されているもの
が優れたS字性を与えると考えられる。
【0061】本発明に使用される電子写真感光体60に
おいて、電荷発生層62の電荷発生材料としては、従来
のJ字型積層感光体の電荷発生層に用いられている公知
の材料を使用することができる。例えば、非晶質セレ
ン、セレン‐テルル合金、セレン‐ヒ素合金、その他セ
レン化合物およびセレン合金、酸化亜鉛、酸化チタン、
a‐Si、a‐SiC等の無機系光導電性材料、フタロ
シアニン系、スクエアリウム系、アントアントロン系、
ペリレン系、アゾ系、アントラキノン系、ピレン系、ピ
リリウム塩、チアピリリウム塩系等の有機顔料および染
料が使用できるが、これらに限定されるものではない。
また、これらの有機顔料および染料は、単独でまたは2
種以上混合して用いることができる。なお、電荷発生層
62は上記した電荷発生材料を真空蒸着法により、また
は、電荷発生材料を結着樹脂中に分散または溶融するこ
とにより作製することができる。
【0062】電荷輸送制御層63は、電気的不活性マト
リックス中に電荷輸送性ドメインが分散された不均一構
造を有し、該電荷輸送性ドメインが400 〜900 nmの範囲
の波長域の光に対し、電荷発生能を有する電荷輸送路を
形成する層であり、その作製のためには、任意の適当な
方法を採用することができる。例えば、適当な溶剤中に
絶縁性結着樹脂を溶解させた溶液に、電荷輸送材料の微
粒子(以下、「電荷輸送性微粒子」という。)を分散さ
せ、浸漬コーティング法等により塗布した後、乾燥させ
ることにより得ることができる。また、予め電荷輸送性
微粒子を熱硬化性樹脂またはシランカップリング剤等の
絶縁性材料により被覆不溶化したものを、適当な溶剤中
に絶縁性の結着樹脂を溶解させた溶液に分散させ、得ら
れた溶液を浸漬コーティング法等により塗布した後、乾
燥させることによって得ることもできる。
【0063】これらの電荷輸送制御層63の形成方法に
おいて、回旋状電荷輸送経路の形成は電荷輸送性ドメイ
ン同士が接触する確率に依存している。その接触の確率
が多すぎると、電荷輸送経路が回旋状には形成されず、
また、その接触の確率が少なすぎると電荷輸送経路が形
成できなくなる。電荷輸送性ドメイン同士は必ずしも直
接接触している必要はなく、電荷輸送性ドメイン間に非
常に薄い絶縁層があっても、電荷がそのギャップを飛び
越えることができ、かつ、そこでの捕獲が無視できるな
らば、その絶縁層の存在は許容される。ここでいう回旋
状電荷輸送路とは、電荷の移動が膜厚方向に1回以上逆
行するように形成されている電荷輸送路のことである。
【0064】また、電荷輸送制御層63は、より具体的
には、適当な結着樹脂中に電荷輸送性微粒子を分散させ
た分散体から形成することができる。電荷輸送性微粒子
として用いられる材料は、六方晶セレン、セレン化カド
ミウム、その他のセレン化合物およびセレン合金、硫化
カドミウム、酸化亜鉛、酸化チタン、a‐Si、a‐S
iC等の無機系材料、フタロシアニン系、スクエアリウ
ム系、アントアントロン系、ペリレン系、アゾ系、アン
トラキノン系、ピレン系、ピリリウム塩、チアピリリウ
ム塩系等の有機顔料、並びにベンジジン系化合物、アミ
ン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合
物、カルバゾール化合物等のホール輸送性低分子化合物
またはフルオレノン系化合物、マロンニトリル系化合
物、ジフェノキシキノン系化合物等の電子輸送性低分子
化合物等があげられるが、これらに限定されるものでは
ない。これらの電荷輸送材料は、単独で、または2種以
上混合して用いることができる。
【0065】なかでも、六方晶セレン微粒子は、現在デ
ジタル式の電子写真装置に光源として使用されているレ
ーザダイオードの発振波長である700 nm以上の光を実質
的に透過し、700 nm未満の光を吸収すると共に電荷発生
能力を持ち、また、電荷輸送性能にも優れているために
電荷輸送制御層用の電荷輸送性微粒子として特に好まし
い。
【0066】電気的不活性マトリックスとして用いる結
着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニ
ルホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ
ビニルアセテート樹脂、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合
体、シリコン樹脂、フェノール樹脂等があげられるが、
これらに限定されるものではない。これらの結着樹脂
は、ブロック共重合体、ランダム共重合体または交互共
重合体であることができ、また、単独で、或いは2種以
上混合して用いることができる。これらの電気的不活性
マトリックスとなる結着樹脂の体積抵抗率は、1013Ω
・cm以上のものが好ましく、より好ましくは1014Ω
・cm以上のものである。体積抵抗率がこの値より低い
と電気的不活性マトリックスの電気的絶縁性が損なわ
れ、S字性が失われる傾向にある。
【0067】電荷輸送性ドメインと電気的不活性マトリ
ックスの体積比は、3/1 〜1/20の範囲で任意に設定され
るが、7/3 〜1/10の範囲が好ましい。電荷輸送性ドメイ
ンが絶縁被覆処理を施されていない場合、電荷輸送性ド
メインと電気的不活性マトリックスの体積比は、より好
ましくは5/5 〜2/8 の範囲である。電荷輸送性ドメイン
の体積比率が上記範囲より多いと、電荷輸送性ドメイン
が密に接触してしまって実質的に均一な構造の電荷輸送
路を形成し、上記のS字型光誘起電位減衰特性の発現に
不可欠な電荷輸送路の不均一構造が消失し、S字性が失
われる傾向にある。さらにまた、暗減衰の増加、機械的
強度の低下等の障害を招く傾向にある。他方、電荷輸送
性ドメインの体積比率が上記範囲より少ないと充分な電
荷輸送能が得られず、残留電荷の増大、光感度の低下、
応答速度の低下等の障害を招く傾向にある。
【0068】本発明に用いる電荷輸送制御層63の膜厚
は、0.1〜50μmが適当であり、好ましくは0.2
〜15μm、さらに好ましくは0.5〜5μmの範囲に
設定される。この範囲より薄いとS字性が失われる傾向
にある。膜厚の上限に関しては、用いる電荷輸送制御層
63の電荷輸送能により制限され、応答速度、残留電位
等が許容される範囲内で設定される。
【0069】電荷輸送性ドメインの平均粒子径として
は、0.001 〜1μmが好ましく、より好ましくは0.005
〜0.5 μmであり、特に好ましくは0.01〜0.2 μmの範
囲である。電荷輸送性ドメインの平均粒子径が上記範囲
より大きいと、好ましい膜厚の範囲内でS字化に必要な
電荷輸送路の不均一構造の形成が確率的に低くなり、S
字性が失われることになる。電荷輸送制御層63の電荷
輸送性ドメインが、電荷輸送性微粒子の凝集体よりなる
場合には、電荷輸送性のドメインの粒子径とは、その凝
集2次粒子径を指す。ただし、電荷輸送性微粒子が絶縁
被覆されている場合には、電荷輸送性ドメインの粒子径
とは、たとえ絶縁被覆化した電荷輸送性微粒子が凝集体
を形成したとしても、電荷輸送性微粒子自体の粒子径を
指す。
【0070】また、電荷輸送制御層63中に、主たる輸
送電荷と逆極性の電荷のみを輸送し得る化合物を添加す
ることにより、残留電位の低下、繰り返し安定性の向上
等の効果を得ることもできる。その塗布方法としてはブ
レードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、
スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビード
コーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテ
ンコーティング法等の通常の方法を用いることができ
る。
【0071】本発明に使用される電子写真感光体60に
おいて、電荷輸送層64、すなわち電荷輸送性マトリッ
クスよりなる層としては、従来のJ字型積層感光体に電
荷輸送層として用いられている公知のものを使用するこ
とができる。例えば、ベンジジン系化合物、アミン系化
合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、カル
バゾール系化合物等のホール輸送性低分子化合物または
フルオレノン系化合物、マロンニトリル系化合物、ジフ
ェノキシキノン系化合物等の電子輸送性低分子化合物
を、単独にまたは2種以上を混合して、ポリカーボネー
ト、ポリアリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポ
リメチルメタクリレート等の絶縁性樹脂中に均一分子分
散した固溶膜、あるいは、セレン、アモルファスシリコ
ン、アモルファスシリコンカーバイト等の電荷輸送能を
有する無機物質を用いることもできる。電荷輸送性高分
子化合物としては、ポリビニルカルバゾール等の電荷輸
送能を有する基を側鎖に持つ高分子化合物、特開平5−
232727号公報等に開示されているような電荷輸送
能を有する基を主鎖とする高分子化合物およびポリシラ
ン等をあげることができる。
【0072】[効果を確認するための実験]次に、本願
発明の効果を確認するために行なった実験について説明
する。この実験は、図1に示す画像形成装置において、
第1の除電用露光器及び第2の除電用露光器の除電光源
等の条件を変えて画像形成を行ない、その画像の状態を
調査したものである。この実験で用いた画像形成装置の
電子写真感光体は次に示すものである。
【0073】この電子写真感光体60は、図5に示すよ
うに、導電性支持体61上に、電荷発生層62、電荷輸
送制御層63、電荷輸送層64を積層してより構成され
る。上記導電性支持体61は、アルミニウムの円筒状の
パイプを用いている。電荷発生層62は、光導電性顔料
であるクロロガリウムフタロシアニン顔料とポリビニル
プチラール樹脂からなり、これらを2:1の比率で溶媒
中に混合・分散し、導電性支持体61(アルミニウムパ
イプ)上に塗布することにより形成され、厚さが、0.5
μmとなっている。また、電荷発生層62を形成する前
に、中間層(図示しない)をアルミニウムパイプ上に塗
布・形成してもよい。
【0074】電荷輸送制御層63は、六方晶セレン微粒
子と塩化ビニル酢酸‐ビニル共重合体樹脂からなり、こ
れらを溶媒中に混合・分散し、電荷発生層62上に塗布
することにより、2μmの電荷輸送制御層63が形成さ
れている。この電荷輸送制御層中の六方晶セレン微粒子
の体積比率はおよそ30%である。また、六方晶セレン
微粒子の平均微粒子径は0.05μmである。
【0075】電荷輸送層は次に示すようにして形成され
たものである。下記構造式(1) で示される繰り返し単位
よりなり、分子量が8万の化合物を溶剤に溶解し、この
塗布液を、上記電荷輸送制御層63上にディップコーテ
ィング法で塗布・乾燥することにより膜厚20μmの電
荷輸送層64を形成する。このようにして形成された感
光体は図6(b) に実線で示すS字型の光誘起電位減衰特
性を示す。
【0076】
【化1】
【0077】(実験1)この実験は、図1のカラー複写
機に上記感光体を用いるとともに、図7に示す発光特性
を示すように調整されたA、B、C3種類の除電光源を
それぞれ単独で用いた場合のゴーストの発生状況、初プ
リントにおける光誘起電位減衰特性及び5000プリン
ト終了後の光誘起電位減衰特性を調べたものである。こ
の実験において、除電光量は20(erg/cm2 )とした。
また、上記電荷発生層及び電荷輸送制御層の吸光度スペ
クトルを図8に示す。この実験において、ゴーストの発
生の有無は、次のようにして判定する。2cm四方のベタ
パッチを10部連続してプリントした後、印字率20%
のハーフトーン画像をプリントし、ハーフトーン画像上
の残像の有無を調べて決定した。この実験の結果は、表
1に示すとおりであり、この表には、各除電光源A、
B、Cの電荷輸送制御層での吸光度も併せて記載した。
【0078】
【表1】
【0079】この実験の結果より、除電光源Cのよう
に、電荷発生層、電荷輸送制御層の両方に感度を有する
除電光源、すなわち両方で電荷が発生する除電光源を用
いることによって、ゴーストを抑制することができる
が、5000プリント後には感光体の光感度がシフトしてい
ることが判明した。これは電荷輸送制御層の電荷輸送ド
メインが光感度を有するため、繰り返し使用により過剰
に活性化し、エネルギー的にトラップされた光キャリア
による新たな電荷輸送路が形成されたことに起因するも
のと考えられる。なお、実験によれば、感度変化率が5
%を越えると画像の階調特性に変動を与え、実用上問題
となる。従って、画像の階調安定性のためには第1の除
電光源として、吸光度が0.3以下である光源を使用す
ることが望ましいことがわかる。
【0080】(実験2)この実験は、第2の除電光源に
より、あらかじめ感光体を露光しておき、その後、先の
実験と同様に画像形成を行なってゴーストの有無を調査
したものである。第2の除電光源として図7に示すCの
発光特性を有する光源を用い、第1の除電光源すなわち
画像を形成する毎に除電光を照射する光源として、A及
びBの発光特性を有する光源を用い、電源投入時に10
分間、第2の除電光源によって回転駆動された感光体を
照射する。その後、実験1と同様に、ゴーストの発生、
初期における光誘起電位減衰特性及び5000プリント終了
後の光誘起電位減衰特性の評価を行った。この結果を表
2に示す。
【0081】
【表2】
【0082】この結果、電源投入時に一定時間、電荷輸
送制御層に電荷発生能を持たせる波長域で露光すること
によって、ゴーストの発生、光感度特性のシフトを抑制
することができることが判明した。しかし、表3に示す
ように、24時間放置した後に第2の除電光源を使用す
ることなく光誘起電位減衰特性を評価したところ、感度
特性がシフトしていることも判明した。これは、電荷輸
送制御層にトラップされている電荷が時間の経過ととも
に解放されていることを示すものと考えられる。
【0083】
【表3】
【0084】(実験3)この実験は、実験2と同様に、
第2の除電光源としてCを用い、第1の除電光源として
A又はBを用いる。そして、一連のプリント工程を終了
した後、感光体を24時間放置し、その後に回転駆動さ
れた該感光体に、第2の除電光源の光照射時間を変更し
て光感度を測定し、初期値に対する感度変化率を調べた
ものである。この結果を表4に示す。表4に示す結果よ
り、24時間放置した後の感光体に対し、電荷輸送制御
層にて電荷発生能を有するようなCを用いて一定時間、
除電光を照射すれば初期感度に対する感度変化率が低減
されることがわかる。なお、実験により感度変化率は、
5%以下であれば、階調変動に対し実用上問題ないレベ
ルであることが知られている。 以下余白
【0085】
【表4】
【0086】(実験4)この実験は、第2の除電光源と
してCを用い、第1の除電光源としてA又はBを用い、
一連のプリント工程を終了した後、感光体を放置した時
間および第2の除電光源の光照射時間を変更して各々の
場合の感度変化率を測定したものである。この結果を表
5に示す。この結果より、感光体を放置する時間が長く
なれば、初期値に対する感度変動率は大きくなり、ま
た、感度変動率を5%以下におさえるまでの除電光照射
時間が長くなることがわかる。 以下余白
【0087】
【表5】
【0088】(実験5)上記結果を基に、画像形成動作
を一旦停止させた後、再度画像形成動作がなされるまで
の待機時間tと第2の除電光源の露光時間との関係を図
9に示す制御フローのように設定し、この制御フローに
基づいて画像形成装置を動作させて画像の階調再現特性
を評価した。すなわち、待機時間tが3時間より短い場
合には第2の除電用露光器を動作させず、待機時間が6
時間より短い場合に感光体を回転駆動させて第2の除電
用露光器を120秒点灯させる。さらに待機時間が12
時間までは300秒点灯させ、12時間を超える場合に
は第2の除電用露光器を600秒間点灯させる。第2の
除電光源をこのように制御して階調再現特性を評価した
ところ、プリント枚数、放置時間に関わらず、画像には
階調変動がなく、常に良好な階調画像が得られた。な
お、この場合も第1の除電光源としてAを用い、除電光
量は20(erg/cm2 )とした。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る画像
形成装置では、電子写真感光体を所定の構成の電荷輸送
制御層を有するものとすることにより、感光体がS字型
の光誘起電位減衰特性を示すとともに、感光体の材料の
選択の自由度が向上し、高性能の感光体層を安価で容易
に得ることが可能となる。また、感光体の特性に応じた
適切な除電光源を2つ備えることにより、ゴーストの発
生がなく、かつ繰り返し使用したときに階調再現特性に
変動を起こすこともない、階調安定性、階調再現性に優
れた、高画質なデジタル露光方式の画像形成装置とする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態である画像形成装置の概
略構成図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の光ビーム走査部の概
略構成図である。
【図3】図1に示す画像形成装置のパルス幅変調回路の
一例を示すブロック図である。
【図4】図1に示す画像形成装置で用いられる電子写真
感光体の積層構造を示す模式的断面図である。
【図5】図1に示す画像形成装置で用いられる待機時間
計測手段の動作を示すフロー図である。
【図6】従来技術における感光体の光応答特性(a)お
よび図1の画像形成装置で用いられる感光体の光応答特
性(b)を示す図である。
【図7】本願発明の効果を確認するための実験で用いた
除電用露光光源の分光強度特性を示す図である。
【図8】本願発明の効果を確認するための実験で用いた
感光体の電荷発生層および電荷輸送制御層の分光吸光度
特性を示す図である。
【図9】本願発明の効果を確認するための実験で用いた
待機時間計測手段の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 2 帯電器 3 回転式現像装置 4 転写ドラム 5 クリーナー 6 第1の除電用露光器 7 第2の除電用露光器 9 定着装置 10 原稿読み取り部 11 用紙トレイ 12 用紙搬送路 13 記録材吸着用帯電器 14 転写帯電器 15 剥離用帯電器 16 剥離爪 17 除電用帯電器 20 光ビーム走査部 21 半導体レーザ 22 コリメータレンズ 23 ポリゴンミラー 24 fθレンズ 25 光ビーム 26 走査開始信号生成用センサ 30 パルス幅変調回路 31 三角波発信器 32 比較器 33 波形選択回路 34 D /A変換器 35 画像信号 60 電子写真感光体 61 導電性支持体 62 電荷発生層 63 電荷輸送制御層 64 電荷輸送層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に、電荷発生層を設け、そ
    の上に電気的不活性マトリックス中に400〜900n
    mの波長域の光に対して電荷発生能を有する電荷輸送性
    ドメインを分散してなる電荷輸送制御層を設け、さらに
    その上に電荷輸送性マトリックスからなる電荷輸送層を
    積層してなる電子写真感光体と、 デジタル処理された画像信号に対応して点滅し、前記電
    荷輸送性ドメインに電荷を発生させない波長を有する像
    光を前記電子写真感光体上に照射する露光光源と、 前記電荷輸送性ドメインに電荷を発生させず、前記電荷
    発生層では電荷を発生させる波長の除電光を照射する第
    1の除電用露光器と、 少なくとも、前記電荷輸送性ドメインに電荷を発生させ
    る波長の除電光を照射する第2の除電用露光器と、 を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の画像形成装置におい
    て、 前記第1の除電用露光器が発する除電光に対する前記電
    荷輸送制御層の吸光度が0.3以下であることを特徴と
    する画像形成装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の画像形成
    装置において、 画像形成動作を一旦停止させた後、再度画像形成動作が
    なされるまでの待機時間を計測する待機時間計測手段
    と、 この待機時間計測手段に基づいて前記第2の除電用露光
    器の作動を制御する除電光制御手段とを備えたことを特
    徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN1041613C (zh) * 1992-05-13 1999-01-13 柳崇明 生产金属盖易拉罐塑料罐体的设备
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