JP2000098695A - 画像形成装置 - Google Patents
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- JP2000098695A JP2000098695A JP10268066A JP26806698A JP2000098695A JP 2000098695 A JP2000098695 A JP 2000098695A JP 10268066 A JP10268066 A JP 10268066A JP 26806698 A JP26806698 A JP 26806698A JP 2000098695 A JP2000098695 A JP 2000098695A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 繰り返し画像形成を行うことにより画像履歴
に応じて生ずる画像欠陥を防止し、高解像度の画像を安
定して形成することができる画像形成装置を提供する。 【解決手段】 一様に帯電された表面電位を50%電位
減衰に要する露光量が、10%電位減衰に要する露光量
の5倍未満である電子写真感光体を設け、その感光体の
周囲に、帯電、露光、現像及び転写工程の各工程を順次
設けた電子写真方式により複写画像を形成する画像形成
装置において、前記転写工程後に、履歴により感光体表
面の画像部と非画像部との間に生じる残留表面電位差を
低減する手段として、スコロトロン、接触帯電部材又は
光照射手段を有するコロナ帯電器を設けたものである。
に応じて生ずる画像欠陥を防止し、高解像度の画像を安
定して形成することができる画像形成装置を提供する。 【解決手段】 一様に帯電された表面電位を50%電位
減衰に要する露光量が、10%電位減衰に要する露光量
の5倍未満である電子写真感光体を設け、その感光体の
周囲に、帯電、露光、現像及び転写工程の各工程を順次
設けた電子写真方式により複写画像を形成する画像形成
装置において、前記転写工程後に、履歴により感光体表
面の画像部と非画像部との間に生じる残留表面電位差を
低減する手段として、スコロトロン、接触帯電部材又は
光照射手段を有するコロナ帯電器を設けたものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置に関
し、特に一様に帯電された表面電位の減衰に要する露光
量が特定された電子写真感光体を備えたカールソンプロ
セス電子写真方式の画像形成装置に関するものである。
し、特に一様に帯電された表面電位の減衰に要する露光
量が特定された電子写真感光体を備えたカールソンプロ
セス電子写真方式の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真技術は、高速で高印字品
質が得られる等の利点を有するために、複写機、プリン
ター、ファクシミリ等の分野において、中心的役割を果
たしている。その電子写真技術に用いられる電子写真感
光体としては、従来からセレン、セレン−テルル合金、
セレン−ヒ素合金等の無機光導電性材料を使用したもの
が広く知られている。一方、これらの無機系感光体に比
べて、コスト、製造性、廃棄性等の点で優れた利点を持
つ有機光導電性材料を用いた電子写真感光体の研究開発
も活発に行われ、現在ではこのような有機系感光体が無
機系感光体を凌駕するに至っている。
質が得られる等の利点を有するために、複写機、プリン
ター、ファクシミリ等の分野において、中心的役割を果
たしている。その電子写真技術に用いられる電子写真感
光体としては、従来からセレン、セレン−テルル合金、
セレン−ヒ素合金等の無機光導電性材料を使用したもの
が広く知られている。一方、これらの無機系感光体に比
べて、コスト、製造性、廃棄性等の点で優れた利点を持
つ有機光導電性材料を用いた電子写真感光体の研究開発
も活発に行われ、現在ではこのような有機系感光体が無
機系感光体を凌駕するに至っている。
【0003】特に、電子写真感光体は、光電導の素過程
である光電荷発生と電荷輸送という2種の機能をそれぞ
れ別々の層に担わせる機能分離型積層構成のものが開発
されたことにより、材料選択の自由度が増し、著しい性
能の向上が達成された。即ち、電荷発生能と電荷輸送能
の両機能に優れた材料の設計開発は困難であったが、機
能分離型積層構成のものでは、いずれかの機能に優れた
材料を開発することにより高性能の電子写真感光体を得
ることが可能となった。そのため、現在ではこの機能分
離積層型の有機感光体が電子写真感光体の主流となって
いる。
である光電荷発生と電荷輸送という2種の機能をそれぞ
れ別々の層に担わせる機能分離型積層構成のものが開発
されたことにより、材料選択の自由度が増し、著しい性
能の向上が達成された。即ち、電荷発生能と電荷輸送能
の両機能に優れた材料の設計開発は困難であったが、機
能分離型積層構成のものでは、いずれかの機能に優れた
材料を開発することにより高性能の電子写真感光体を得
ることが可能となった。そのため、現在ではこの機能分
離積層型の有機感光体が電子写真感光体の主流となって
いる。
【0004】機能分離積層型有機感光体用の電荷発生層
としては、キノン系顔料、ペリレン系顔料、アゾ系顔
料、フタロシアニン系顔料、セレン等の電荷発生機能に
優れた顔料を蒸着等により直接成膜したもの又はこれら
を高濃度で結着樹脂中に分散したものが実用化されてい
る、一方、電荷輸送層としては、ヒドラゾン系化合物、
ベンジジン系化合物、アミン系化合物、スチルベン系化
合物等の電荷輸送機能に優れた低分子化合物を絶縁性樹
脂中に分子分散したものが用いられている。
としては、キノン系顔料、ペリレン系顔料、アゾ系顔
料、フタロシアニン系顔料、セレン等の電荷発生機能に
優れた顔料を蒸着等により直接成膜したもの又はこれら
を高濃度で結着樹脂中に分散したものが実用化されてい
る、一方、電荷輸送層としては、ヒドラゾン系化合物、
ベンジジン系化合物、アミン系化合物、スチルベン系化
合物等の電荷輸送機能に優れた低分子化合物を絶縁性樹
脂中に分子分散したものが用いられている。
【0005】ところで、光学的に原稿を感光体上に結像
させることにより感光体を露光する従来のアナログ方式
の電子写真式複写機では、濃度階調による中間調の再現
性を良好にするために、図1に示すような光誘起電位減
衰特性を特つ感光体、即ち、露光量に正比例して電位減
衰が起こる感光体(以下、「J字型感光体」という。)
が要求される。上記した従来の無機系感光体及び機能分
離型の積層型有機感光体は、図1に示される光誘起電位
減衰特性を示すものである。
させることにより感光体を露光する従来のアナログ方式
の電子写真式複写機では、濃度階調による中間調の再現
性を良好にするために、図1に示すような光誘起電位減
衰特性を特つ感光体、即ち、露光量に正比例して電位減
衰が起こる感光体(以下、「J字型感光体」という。)
が要求される。上記した従来の無機系感光体及び機能分
離型の積層型有機感光体は、図1に示される光誘起電位
減衰特性を示すものである。
【0006】しかしながら、近年の高画質化、高付加価
値化、ネットワーク化等の要請に伴い、盛んに研究開発
が行われているデジタル方式の電子写真装置では、一般
にドット等の面積率で階調を出す面積階調方式を採用す
るため、むしろ、図2に示すような、ある露光量に達す
るまでは電位減衰せず、その露光量を越えると急峻な電
位減衰が起こる、いわゆるS字型の光誘起電位減衰特性
を有する感光体(以下、「S字型感光体」という。)を
使用する方が、画素の鮮鋭度が高められる等の点から望
ましい。
値化、ネットワーク化等の要請に伴い、盛んに研究開発
が行われているデジタル方式の電子写真装置では、一般
にドット等の面積率で階調を出す面積階調方式を採用す
るため、むしろ、図2に示すような、ある露光量に達す
るまでは電位減衰せず、その露光量を越えると急峻な電
位減衰が起こる、いわゆるS字型の光誘起電位減衰特性
を有する感光体(以下、「S字型感光体」という。)を
使用する方が、画素の鮮鋭度が高められる等の点から望
ましい。
【0007】S字型光誘起電位滅衰特性は、ZnO等の
無機顔料又はフタロシアニン等の有機顔料を樹脂中に粒
子分散した単層型感光体において公知の現象である{例
えば、R.M.Schaffert:「Electro
photography」、Focal Press,
p.344(1975)、J.W.Weigl,J.M
ammino,G.L.Whittaker,R.W.
Radler,J.F.Byrne:「Current
Problems in Electrophoto
graphy」、Walter de Gruyte
r,p.287(1972)}。特に、現在多用されて
いる半導体レーザーの発振波長である近赤外域に光感度
を有するフタロシアニン系顔料を結着樹脂中に分散した
レーザ露光用単層感光体が多数提案されている{例え
ば、グエン・チャン・ケー、相沢:日本化学会誌、p.
393(1986)、特開平1−169454号公報、
同2−207258号公報、同3−31847号公報、
同5−313387号公報}。これらの単層型感光体で
は単一材料で電荷発生と電荷輸送の両機能を担う必要が
ある。
無機顔料又はフタロシアニン等の有機顔料を樹脂中に粒
子分散した単層型感光体において公知の現象である{例
えば、R.M.Schaffert:「Electro
photography」、Focal Press,
p.344(1975)、J.W.Weigl,J.M
ammino,G.L.Whittaker,R.W.
Radler,J.F.Byrne:「Current
Problems in Electrophoto
graphy」、Walter de Gruyte
r,p.287(1972)}。特に、現在多用されて
いる半導体レーザーの発振波長である近赤外域に光感度
を有するフタロシアニン系顔料を結着樹脂中に分散した
レーザ露光用単層感光体が多数提案されている{例え
ば、グエン・チャン・ケー、相沢:日本化学会誌、p.
393(1986)、特開平1−169454号公報、
同2−207258号公報、同3−31847号公報、
同5−313387号公報}。これらの単層型感光体で
は単一材料で電荷発生と電荷輸送の両機能を担う必要が
ある。
【0008】しかし、上記の両機能共に優れた性能を有
する材料は稀有であり、実用に耐え得るものは未だ得ら
れていない。特に、顔料粒子は、一般的に多くのトラッ
プレベルを有するために、電荷輸送能が低いこと、電荷
が残留すること及び繰り返し安定性が低いこと等の欠点
があり、電荷輸送を担わせるには不適当である。この間
題を根本的に解決し、材料選択の自由度を向上させ、ひ
いては総合的な感光体特性を向上させるためには、S字
型感光体においても、機能分離構成の導入が不可欠であ
る。
する材料は稀有であり、実用に耐え得るものは未だ得ら
れていない。特に、顔料粒子は、一般的に多くのトラッ
プレベルを有するために、電荷輸送能が低いこと、電荷
が残留すること及び繰り返し安定性が低いこと等の欠点
があり、電荷輸送を担わせるには不適当である。この間
題を根本的に解決し、材料選択の自由度を向上させ、ひ
いては総合的な感光体特性を向上させるためには、S字
型感光体においても、機能分離構成の導入が不可欠であ
る。
【0009】この間題を解消するために、D.M.Pa
i等は、電荷発生層と電荷輸送層からなる2層構成の積
層型感光体において、その電荷輸送層が、少なくとも2
つの電荷輸送領域及び1つの電気的不活性領域を含み、
その電荷輸送領域が互いに接触して回旋状電荷輸送路を
形成した不均一電荷輸送層を用いることにより、任意の
電荷発生層との組合せでS宇型光誘起電位減衰特性が実
現できることを報告している(特開平6−83077号
公報、米国特許第5,306,586号明細書)。ま
た、本発明者等は、電荷発生層、不均一電荷輸送層及び
均一電荷輸送層からなる3層構成の感光体がS字型光誘
起電位減衰特性を示すことを見出し、上記D.M.Pa
i等の発明より、さらに機能分離を高めることに成功し
た(特開平9−96914号公報)。
i等は、電荷発生層と電荷輸送層からなる2層構成の積
層型感光体において、その電荷輸送層が、少なくとも2
つの電荷輸送領域及び1つの電気的不活性領域を含み、
その電荷輸送領域が互いに接触して回旋状電荷輸送路を
形成した不均一電荷輸送層を用いることにより、任意の
電荷発生層との組合せでS宇型光誘起電位減衰特性が実
現できることを報告している(特開平6−83077号
公報、米国特許第5,306,586号明細書)。ま
た、本発明者等は、電荷発生層、不均一電荷輸送層及び
均一電荷輸送層からなる3層構成の感光体がS字型光誘
起電位減衰特性を示すことを見出し、上記D.M.Pa
i等の発明より、さらに機能分離を高めることに成功し
た(特開平9−96914号公報)。
【0010】しかしながら、これらの発明の鍵となる光
誘起電位減衰特性をS字型にする機能(以下、「S字
化」という。)を担う不均一電荷輸送層としては、具体
的には、フタロシアニン顔料微結晶の樹脂分散膜、六方
晶セレン微結晶の樹脂分散膜、ポリビニルカルバゾール
−ドデシルメタクリレート相分離系ブロック共重合体が
開示されているのみであり、しかも、これらの材料に
は、以下のような問題点があり、上記発明を実用化する
には、新規な不均一電荷輸送層材料の開発が不可欠の課
題であった。
誘起電位減衰特性をS字型にする機能(以下、「S字
化」という。)を担う不均一電荷輸送層としては、具体
的には、フタロシアニン顔料微結晶の樹脂分散膜、六方
晶セレン微結晶の樹脂分散膜、ポリビニルカルバゾール
−ドデシルメタクリレート相分離系ブロック共重合体が
開示されているのみであり、しかも、これらの材料に
は、以下のような問題点があり、上記発明を実用化する
には、新規な不均一電荷輸送層材料の開発が不可欠の課
題であった。
【0011】即ち、フタロシアニン顔料、六方晶セレン
等の電荷発生能を有する着色顔料を不均一電荷輸送層用
の電荷輸送材料として用いると、特に電荷輸送層側から
電荷発生層を露光する場合、不均一電荷輸送層における
光吸収及びそれに伴う電荷発生により、光感度や帯電性
に悪影響が及んだり、繰り返し安定性が低下する等の問
題が生じる。これらの問題は、不均一電荷輸送層に吸収
されない波長域に光感度を有する電荷発生層を用い、か
つその波長域内のみの露光を行う露光装置を用いること
により回避することができるが、その場合でも、使用す
る材料や装置に制約を受けることになる。また、フタロ
シアニン顔料の樹脂分散膜や六方晶セレンの樹脂分散膜
を製造する際には、これらの顔料の粉砕及び/又は分散
工程を必要とする上に、粉砕には莫大なエネルギーを要
し、かつ不純物混入の危険性を伴うものである。また、
一般に安定な分散液を得ることは困難であり好適な分散
溶剤やバインダー樹脂の探索に多大の労力を要すると共
に、選択材料に著しい制約を受ける、また、通常、分散
液中の結晶成長や凝集化による分散液の変性は避けられ
ないから、長期に亘る使用は不可能であり、それゆえ、
分散液を頻繁に交換することが必要となり、コストアッ
プ要因となる。
等の電荷発生能を有する着色顔料を不均一電荷輸送層用
の電荷輸送材料として用いると、特に電荷輸送層側から
電荷発生層を露光する場合、不均一電荷輸送層における
光吸収及びそれに伴う電荷発生により、光感度や帯電性
に悪影響が及んだり、繰り返し安定性が低下する等の問
題が生じる。これらの問題は、不均一電荷輸送層に吸収
されない波長域に光感度を有する電荷発生層を用い、か
つその波長域内のみの露光を行う露光装置を用いること
により回避することができるが、その場合でも、使用す
る材料や装置に制約を受けることになる。また、フタロ
シアニン顔料の樹脂分散膜や六方晶セレンの樹脂分散膜
を製造する際には、これらの顔料の粉砕及び/又は分散
工程を必要とする上に、粉砕には莫大なエネルギーを要
し、かつ不純物混入の危険性を伴うものである。また、
一般に安定な分散液を得ることは困難であり好適な分散
溶剤やバインダー樹脂の探索に多大の労力を要すると共
に、選択材料に著しい制約を受ける、また、通常、分散
液中の結晶成長や凝集化による分散液の変性は避けられ
ないから、長期に亘る使用は不可能であり、それゆえ、
分散液を頻繁に交換することが必要となり、コストアッ
プ要因となる。
【0012】一方、ポリビニルカルバゾール−ドデシル
メタクリレート相分離系ブロック共重合体は、その塗布
液が均一な溶液である上に、乾燥時にミクロ相分離する
ことによって所望の不均一電荷輸送層を与えるものであ
るため、上記のような粉砕/分散に関する問題を根本的
に解消できるという利点がある。また、相分離系ブロッ
ク共重合体は、顔料ではないために上記の光吸収に関す
る問題も発生しない。しかしながら、この相分離系ブロ
ック共重合体は、特殊な2官能基性開始剤を用いて合成
されるものであり、その製造が困難であって高コストで
ある等の欠点があり、さらには、機械的強度が低く、電
荷移動度が小さく、電荷注入性に劣る等の問題もあっ
た。
メタクリレート相分離系ブロック共重合体は、その塗布
液が均一な溶液である上に、乾燥時にミクロ相分離する
ことによって所望の不均一電荷輸送層を与えるものであ
るため、上記のような粉砕/分散に関する問題を根本的
に解消できるという利点がある。また、相分離系ブロッ
ク共重合体は、顔料ではないために上記の光吸収に関す
る問題も発生しない。しかしながら、この相分離系ブロ
ック共重合体は、特殊な2官能基性開始剤を用いて合成
されるものであり、その製造が困難であって高コストで
ある等の欠点があり、さらには、機械的強度が低く、電
荷移動度が小さく、電荷注入性に劣る等の問題もあっ
た。
【0013】ところで、電荷輸送性高分子化合物として
は、従来公知のポリビニルカルバゾールの他に、近年、
トリアリールアミン系電荷輸送性低分子化合物が高い電
荷輸送性を有することが知られるに及んで、トリアリー
ルアミン骨格を主鎖又は側鎖に合む電荷輸送性高分子が
多数開発されている(例えば、米国特許4,806,4
43〜4号明細書、同4,959,288号明細書、特
開昭4−133065〜6号公報、同8−176293
号公報等)が、これらの電荷輸送性高分子は、単独重合
体又は数種のモノマーのランダム共重合体であるため
に、本質的に相分離性を示すことができず、それら単独
ではS字化のための不均一電荷輸送層を形成することは
できない。
は、従来公知のポリビニルカルバゾールの他に、近年、
トリアリールアミン系電荷輸送性低分子化合物が高い電
荷輸送性を有することが知られるに及んで、トリアリー
ルアミン骨格を主鎖又は側鎖に合む電荷輸送性高分子が
多数開発されている(例えば、米国特許4,806,4
43〜4号明細書、同4,959,288号明細書、特
開昭4−133065〜6号公報、同8−176293
号公報等)が、これらの電荷輸送性高分子は、単独重合
体又は数種のモノマーのランダム共重合体であるため
に、本質的に相分離性を示すことができず、それら単独
ではS字化のための不均一電荷輸送層を形成することは
できない。
【0014】この問題を解決するものとして、本発明者
等は、先に上記の電荷輸送性高分子と非相溶性の絶縁性
高分子を加えた相分離性ポリマーブレンドがS字化のた
めの不均一電荷輸送層として有効に機能することを知見
し、発明を行った(特願平8−58858号、同8−1
58520号)。しかし、ポリマーブレンドでは、一般
に相分離スケールが数μm以上の大きさであり、画像の
均質性が低下するという問題があった。また、乾燥速度
や乾燥温度等の成膜条件により、相分離スケールが大き
く変化し、それに伴い電子写真特性が大きく変化すると
いう製造再現性上の問題もあった。
等は、先に上記の電荷輸送性高分子と非相溶性の絶縁性
高分子を加えた相分離性ポリマーブレンドがS字化のた
めの不均一電荷輸送層として有効に機能することを知見
し、発明を行った(特願平8−58858号、同8−1
58520号)。しかし、ポリマーブレンドでは、一般
に相分離スケールが数μm以上の大きさであり、画像の
均質性が低下するという問題があった。また、乾燥速度
や乾燥温度等の成膜条件により、相分離スケールが大き
く変化し、それに伴い電子写真特性が大きく変化すると
いう製造再現性上の問題もあった。
【0015】このような情況の下に、本発明者らは、そ
の不均一電荷輸送層が、少なくとも、繰り返し単位中に
トリアリールアミン構造を有する電荷輸送性ブロックと
絶縁性ブロックとを含み、かつ電荷輸送性ブロックと絶
縁性ブロックとが相分離状態にあるブロック共重合体又
はグラフト共重合体を使用することにより、上記した課
題が解決されて、本発明に用いる電子写真感光体を得る
に至った。
の不均一電荷輸送層が、少なくとも、繰り返し単位中に
トリアリールアミン構造を有する電荷輸送性ブロックと
絶縁性ブロックとを含み、かつ電荷輸送性ブロックと絶
縁性ブロックとが相分離状態にあるブロック共重合体又
はグラフト共重合体を使用することにより、上記した課
題が解決されて、本発明に用いる電子写真感光体を得る
に至った。
【0016】本発明に使用する電子写真感光体が、S字
型光誘起電位減衰特性を発現する機構に関しては、エネ
ルギートラップ説{例えば、北村、小門:電子写真学会
誌Vol.20,p.60(1982)}、D.M.P
aiらが上記の特許で唱えている回旋状電導説、構造ト
ラップ説{例えば、岡:電子写真学会誌Vol.37,
p.54(1998)}等の幾つかの説が提案されてい
るものの、未だ確立されたものではなく、何故にS字型
光誘起電位減衰特性を発揮するかは必ずしも明らかでは
ない。
型光誘起電位減衰特性を発現する機構に関しては、エネ
ルギートラップ説{例えば、北村、小門:電子写真学会
誌Vol.20,p.60(1982)}、D.M.P
aiらが上記の特許で唱えている回旋状電導説、構造ト
ラップ説{例えば、岡:電子写真学会誌Vol.37,
p.54(1998)}等の幾つかの説が提案されてい
るものの、未だ確立されたものではなく、何故にS字型
光誘起電位減衰特性を発揮するかは必ずしも明らかでは
ない。
【0017】しかし、今日までにS字型感光体として報
告されている顔料樹脂分散型単層感光体、D.M.Pa
i等が開示した電荷発生層及び不均一電荷輸送層からな
る電子写真感光体、並びに本発明者等が先に提案した、
電荷発生層、不均一電荷輸送層及び均一電荷輸送層を備
えた電子写真感光体においては、少なくとも電荷輸送層
中における電荷発生領域に隣接する領域が、電気的に不
活性なマトリックス中に電荷輸送性ドメインが分散され
た不均一な構造であるという共通点を認めることができ
る。なお、ここにいう「電気的に不活性なマトリック
ス」とは、マトリックスの輸送エネルギーレベルが、電
荷輸送ドメインの輸送エネルギーレベルより著しく大き
く、通常の電界強度では、そのマトリックスに輸送電荷
が実質的に注入されることがなく、マトリックスが輸送
電荷にとって事実上の電気的絶縁状態にあるようなマト
リックスを意味する。
告されている顔料樹脂分散型単層感光体、D.M.Pa
i等が開示した電荷発生層及び不均一電荷輸送層からな
る電子写真感光体、並びに本発明者等が先に提案した、
電荷発生層、不均一電荷輸送層及び均一電荷輸送層を備
えた電子写真感光体においては、少なくとも電荷輸送層
中における電荷発生領域に隣接する領域が、電気的に不
活性なマトリックス中に電荷輸送性ドメインが分散され
た不均一な構造であるという共通点を認めることができ
る。なお、ここにいう「電気的に不活性なマトリック
ス」とは、マトリックスの輸送エネルギーレベルが、電
荷輸送ドメインの輸送エネルギーレベルより著しく大き
く、通常の電界強度では、そのマトリックスに輸送電荷
が実質的に注入されることがなく、マトリックスが輸送
電荷にとって事実上の電気的絶縁状態にあるようなマト
リックスを意味する。
【0018】D.M.Paiらが唱える回旋状電導説に
よれば、S宇型光誘起電位減衰が起こる過程は、以下の
ようなものと推定されている。まず、不均一電荷輸送層
では、電気的に不活性なマトリックス中に分散された電
荷輸送性ドメインが互いに接触し、回旋状の電荷輸送路
を形成しているものと考えられる。この場合、電子写真
感光体が帯電され感光層に高電界が印加されると、露光
により電荷発生層で発生した電荷は、電界によるクーロ
ン力により電界に沿って、電荷発生層から電荷輸送層に
注入され、電荷輸送性ドメイン中を電界方向に移動す
る。しかし、電荷輸送性ドメインの末端凸部に到達した
ところで、電気的に不活性なマトリックスの障壁に出会
い、電界により移動方向が規制されているため、ここで
その電荷の移動は一旦停止することになる。この間の移
動距離が感光層の全膜厚に対して充分小さければ、この
間の電位減衰は無視できるものとなる。殆ど全ての表面
電荷に相当する電荷が注入された後は、その注入電荷近
傍の表面に垂直な局部的電界は無視できるほど小さくな
り、停止していた電荷は電界による拘束を外れて表面に
垂直な方向以外の方向に拡散することが可能となり、回
旋状に連なる連結路を辿って最初に電荷が停止された所
よりも深部に達する。
よれば、S宇型光誘起電位減衰が起こる過程は、以下の
ようなものと推定されている。まず、不均一電荷輸送層
では、電気的に不活性なマトリックス中に分散された電
荷輸送性ドメインが互いに接触し、回旋状の電荷輸送路
を形成しているものと考えられる。この場合、電子写真
感光体が帯電され感光層に高電界が印加されると、露光
により電荷発生層で発生した電荷は、電界によるクーロ
ン力により電界に沿って、電荷発生層から電荷輸送層に
注入され、電荷輸送性ドメイン中を電界方向に移動す
る。しかし、電荷輸送性ドメインの末端凸部に到達した
ところで、電気的に不活性なマトリックスの障壁に出会
い、電界により移動方向が規制されているため、ここで
その電荷の移動は一旦停止することになる。この間の移
動距離が感光層の全膜厚に対して充分小さければ、この
間の電位減衰は無視できるものとなる。殆ど全ての表面
電荷に相当する電荷が注入された後は、その注入電荷近
傍の表面に垂直な局部的電界は無視できるほど小さくな
り、停止していた電荷は電界による拘束を外れて表面に
垂直な方向以外の方向に拡散することが可能となり、回
旋状に連なる連結路を辿って最初に電荷が停止された所
よりも深部に達する。
【0019】この深部において、先程と同様に電荷は再
び十分な高電界にさらされドメイン内を電界方向に沿っ
て移動し、再び電気的に不活性なマトリックスの障壁に
出会い、移動を停止する。しかし、前の電荷の移動で電
界強度は低下しているので、より多くの電荷が回旋状電
荷輸送路を通って次の絶縁性障壁にまで達する。かくし
て、電荷の移動はカスケード的に起こり、S字型の光誘
起電位減衰となる、というのがD.M.Pai等の説明
である。なお、顔料樹脂分散型の単層S字感光体におい
ては、露光された光は表面近傍で吸収され、そこで電荷
が発生されるため、その光吸収/電荷発生の領域を電荷
発生層、それに続く残りの領域を電荷輸送層と見なすこ
とができ、上記説明が当てはまる。ここで、電界により
移動方向が規制された上記電荷輸送性ドメインの末端凸
部は、一種のトラップと捕らえることができる(以下、
「構造的トラップ」という。)。一般のエネルギーレベ
ル差に起因するトラップ(以下、「エネルギートラッ
プ」という。)では、電界強度の低下と共に、そのトラ
ップからの脱出確率がプール−フレンケル効果により低
下するのに対し、構造的トラップでは、上述の機構から
電界強度の低下と共に脱出確率が増加するという特徴が
ある。
び十分な高電界にさらされドメイン内を電界方向に沿っ
て移動し、再び電気的に不活性なマトリックスの障壁に
出会い、移動を停止する。しかし、前の電荷の移動で電
界強度は低下しているので、より多くの電荷が回旋状電
荷輸送路を通って次の絶縁性障壁にまで達する。かくし
て、電荷の移動はカスケード的に起こり、S字型の光誘
起電位減衰となる、というのがD.M.Pai等の説明
である。なお、顔料樹脂分散型の単層S字感光体におい
ては、露光された光は表面近傍で吸収され、そこで電荷
が発生されるため、その光吸収/電荷発生の領域を電荷
発生層、それに続く残りの領域を電荷輸送層と見なすこ
とができ、上記説明が当てはまる。ここで、電界により
移動方向が規制された上記電荷輸送性ドメインの末端凸
部は、一種のトラップと捕らえることができる(以下、
「構造的トラップ」という。)。一般のエネルギーレベ
ル差に起因するトラップ(以下、「エネルギートラッ
プ」という。)では、電界強度の低下と共に、そのトラ
ップからの脱出確率がプール−フレンケル効果により低
下するのに対し、構造的トラップでは、上述の機構から
電界強度の低下と共に脱出確率が増加するという特徴が
ある。
【0020】本発明に使用する電子写真感光体がS字型
の光誘起電位減衰挙動を呈するのも、電荷輸送性ブロッ
クからなる相が電荷輸送性ドメインを、絶縁性ブロック
からなる相が電気的に不活性なマトリックスをそれぞれ
形成し、上記のような現象が起きているためと推定され
る。
の光誘起電位減衰挙動を呈するのも、電荷輸送性ブロッ
クからなる相が電荷輸送性ドメインを、絶縁性ブロック
からなる相が電気的に不活性なマトリックスをそれぞれ
形成し、上記のような現象が起きているためと推定され
る。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一様に
帯電された表面電位を50%減衰するに要する露光量が
10%電位減衰するに要する露光量の5倍未満の電子写
真感光体は、上述のように、感光体に印加する電場で電
荷の流れを制御することにより、その機能を発現してい
るものと予想され、そのために実際に画像形成装置内に
おいて、次のような問題が発生することがある。
帯電された表面電位を50%減衰するに要する露光量が
10%電位減衰するに要する露光量の5倍未満の電子写
真感光体は、上述のように、感光体に印加する電場で電
荷の流れを制御することにより、その機能を発現してい
るものと予想され、そのために実際に画像形成装置内に
おいて、次のような問題が発生することがある。
【0022】すなわち、画像形成装置において、帯電、
露光、現像及び転写工程を経た感光体は、その転写工程
後には履歴により感光体表面の画像部と非画像部の間に
は残留表面電位に差異が発生する。この電位差を保持し
た状態で、光除電工程において全面露光を受けた場合に
は、電場の高い部分で発生した光電荷は、低い部分で発
生した光電荷に比較して感光層中でより多くトラップさ
れて、次に、再び新たな帯電工程に入る時には、感光層
内部には、画像部と非画像部の履歴に対応してトラップ
された電荷が僅かに残留するようになる。さらに、この
残留電荷は、次のサイクルにおいて露光による光電荷と
何ら異なることなく表面電位の消去に関わるため、前工
程で感光層内部に電荷をより多く保持した部分のみは、
見かけ上、光電荷の発生数が増加したことと同様になっ
て光感度が高くなる。
露光、現像及び転写工程を経た感光体は、その転写工程
後には履歴により感光体表面の画像部と非画像部の間に
は残留表面電位に差異が発生する。この電位差を保持し
た状態で、光除電工程において全面露光を受けた場合に
は、電場の高い部分で発生した光電荷は、低い部分で発
生した光電荷に比較して感光層中でより多くトラップさ
れて、次に、再び新たな帯電工程に入る時には、感光層
内部には、画像部と非画像部の履歴に対応してトラップ
された電荷が僅かに残留するようになる。さらに、この
残留電荷は、次のサイクルにおいて露光による光電荷と
何ら異なることなく表面電位の消去に関わるため、前工
程で感光層内部に電荷をより多く保持した部分のみは、
見かけ上、光電荷の発生数が増加したことと同様になっ
て光感度が高くなる。
【0023】また、光除電工程がない場合には、露光を
受けて電位減衰した部分は電荷が減少するものの、露光
を受けない部分は光発生電荷の量には及ばないが、その
電位を保持する時間中に熱励起電荷等に代表される電荷
を感光層中にトラップし続けるため、再び新たな帯電工
程に入る時には、画像部と非画像部の履歴に対応してト
ラップされた電荷が僅かに残留するようになり、前記し
たと同様の結果を生じることとなる。これらの結果から
発生する感度差により、画像形成装置で均一濃度の画像
を形成する際、特に画像の濃淡が顕著に現れて画質欠陥
が発生するという問題がある。
受けて電位減衰した部分は電荷が減少するものの、露光
を受けない部分は光発生電荷の量には及ばないが、その
電位を保持する時間中に熱励起電荷等に代表される電荷
を感光層中にトラップし続けるため、再び新たな帯電工
程に入る時には、画像部と非画像部の履歴に対応してト
ラップされた電荷が僅かに残留するようになり、前記し
たと同様の結果を生じることとなる。これらの結果から
発生する感度差により、画像形成装置で均一濃度の画像
を形成する際、特に画像の濃淡が顕著に現れて画質欠陥
が発生するという問題がある。
【0024】本発明は、従来の技術における上記した実
情に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目
的は、感光体表面を一様に帯電された表面電位が50%
電位減衰するに要する露光量が、10%電位減衰するに
要する露光量の5倍未満である特定の電子写真感光体を
用いる電子写真方式の画像形成において、繰り返し画像
形成を行うことにより画像履歴に応じて生ずる画像欠陥
を防止し、高解像度の画像を安定して形成することがで
きる画像形成装置を提供することにある。
情に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目
的は、感光体表面を一様に帯電された表面電位が50%
電位減衰するに要する露光量が、10%電位減衰するに
要する露光量の5倍未満である特定の電子写真感光体を
用いる電子写真方式の画像形成において、繰り返し画像
形成を行うことにより画像履歴に応じて生ずる画像欠陥
を防止し、高解像度の画像を安定して形成することがで
きる画像形成装置を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明の画像形成装置
は、一様に帯電された表面電位を50%電位減衰に要す
る露光量が、10%電位減衰に要する露光量の5倍未満
である電子写真感光体を設け、その感光体の周囲に、帯
電、露光、現像及び転写工程の各工程を順次設けた電子
写真方式により複写画像を形成するものであって、前記
転写工程後に、履歴により感光体表面の画像部と非画像
部との間に生じる残留表面電位差を低減する手段とし
て、任意のスクリーン電圧を印加できるようにグリッド
電極を制御可能なスコロトロンを有する帯除電工程を設
けたことを特徴とする。
は、一様に帯電された表面電位を50%電位減衰に要す
る露光量が、10%電位減衰に要する露光量の5倍未満
である電子写真感光体を設け、その感光体の周囲に、帯
電、露光、現像及び転写工程の各工程を順次設けた電子
写真方式により複写画像を形成するものであって、前記
転写工程後に、履歴により感光体表面の画像部と非画像
部との間に生じる残留表面電位差を低減する手段とし
て、任意のスクリーン電圧を印加できるようにグリッド
電極を制御可能なスコロトロンを有する帯除電工程を設
けたことを特徴とする。
【0026】また、本発明の他の画像形成装置は、一様
に帯電された表面電位を50%電位減衰に要する露光量
が、10%電位減衰に要する露光量の5倍未満である電
子写真感光体を設け、その感光体の周囲に、帯電、露
光、現像及び転写工程の各工程を順次設けた電子写真方
式により複写画像を形成するものであって、前記転写工
程後に、履歴により感光体表面の画像部と非画像部との
間に生じる残留表面電位差を低減する手段として、感光
体に交流成分を含むバイアス電圧を印加した帯電部材を
当接させる帯除電工程を設けたことを特徴とする。
に帯電された表面電位を50%電位減衰に要する露光量
が、10%電位減衰に要する露光量の5倍未満である電
子写真感光体を設け、その感光体の周囲に、帯電、露
光、現像及び転写工程の各工程を順次設けた電子写真方
式により複写画像を形成するものであって、前記転写工
程後に、履歴により感光体表面の画像部と非画像部との
間に生じる残留表面電位差を低減する手段として、感光
体に交流成分を含むバイアス電圧を印加した帯電部材を
当接させる帯除電工程を設けたことを特徴とする。
【0027】さらに、本発明の他の画像形成装置は、一
様に帯電された表面電位を50%電位減衰に要する露光
量が、10%電位減衰に要する露光量の5倍未満である
電子写真感光体を設け、その感光体の周囲に、帯電、露
光、現像及び転写工程の各工程を順次設けた電子写真方
式により複写画像を形成するものであって、前記転写工
程後に、履歴により感光体表面の画像部と非画像部との
間に生じる残留表面電位差を低減する手段として、光照
射手段を有するコロナ帯電器からなる帯除電工程を設け
たことを特徴とする。
様に帯電された表面電位を50%電位減衰に要する露光
量が、10%電位減衰に要する露光量の5倍未満である
電子写真感光体を設け、その感光体の周囲に、帯電、露
光、現像及び転写工程の各工程を順次設けた電子写真方
式により複写画像を形成するものであって、前記転写工
程後に、履歴により感光体表面の画像部と非画像部との
間に生じる残留表面電位差を低減する手段として、光照
射手段を有するコロナ帯電器からなる帯除電工程を設け
たことを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。まず、本発明の画像形成装置について図面を参照
して説明する。図3及び図4は、本発明に使用する電子
写真感光体の一例を示す模式的断面図である。図3にお
いては、導電性基体I上に、光電荷の発生を担う電荷発
生層IIが設けられ、その上にS字化のための不均一電荷
輸送層III が設けられている。図4においては、導電性
基体I上に、電荷発生層IIが設けられ、その上に不均一
電荷輸送層IIIが設けられ、さらにその上に均一電荷輸
送層IVが設けられている。また、その感光層は、樹脂中
に電荷発生物質を分散含有してなる単層型であっても、
電荷発生層と電荷輸送層よりなる積層型であってもよ
く、電荷発生層、電荷輸送層とは別にS字化を担うため
の層が設けられていてもよい。さらにまた、これらに
は、所望により下引き層、保護層、乱反射層等を設ける
ことができる。
する。まず、本発明の画像形成装置について図面を参照
して説明する。図3及び図4は、本発明に使用する電子
写真感光体の一例を示す模式的断面図である。図3にお
いては、導電性基体I上に、光電荷の発生を担う電荷発
生層IIが設けられ、その上にS字化のための不均一電荷
輸送層III が設けられている。図4においては、導電性
基体I上に、電荷発生層IIが設けられ、その上に不均一
電荷輸送層IIIが設けられ、さらにその上に均一電荷輸
送層IVが設けられている。また、その感光層は、樹脂中
に電荷発生物質を分散含有してなる単層型であっても、
電荷発生層と電荷輸送層よりなる積層型であってもよ
く、電荷発生層、電荷輸送層とは別にS字化を担うため
の層が設けられていてもよい。さらにまた、これらに
は、所望により下引き層、保護層、乱反射層等を設ける
ことができる。
【0029】本発明に使用する電子写真感光体として
は、50%電位減衰に要する露光量が10%電位減衰に
要する露光量の5倍未満のものであって、すなわち、S
字型光誘起電位減衰特性が示すものである。この帯電電
位を50%減衰させるのに要する露光量E50% と10%
減衰させるのに要する露光量E10% との比(E50% /E
10% )は、5以下の値のものであるが、好ましくは3以
下のものであり、より好ましくは2以下のものである。
は、50%電位減衰に要する露光量が10%電位減衰に
要する露光量の5倍未満のものであって、すなわち、S
字型光誘起電位減衰特性が示すものである。この帯電電
位を50%減衰させるのに要する露光量E50% と10%
減衰させるのに要する露光量E10% との比(E50% /E
10% )は、5以下の値のものであるが、好ましくは3以
下のものであり、より好ましくは2以下のものである。
【0030】本発明の画像形成装置は、電子写真法に用
いる装置でありデジタル処理された画像信号に基づいて
露光を行う電子写真装置である。このデジタル処理され
た画像信号に基づき露光を行う電子写真装置とは、レー
ザーまたはLED等の光源を用いて、2値化またはパル
ス幅変調や強度変調を行い、多値化された光により露光
を行う電子写真装置であり、具体例として、LEDプリ
ンター、レーザープリンター、レーザー露光式デジタル
複写機、レーザー露光式ファックス等を挙げることがで
きる。
いる装置でありデジタル処理された画像信号に基づいて
露光を行う電子写真装置である。このデジタル処理され
た画像信号に基づき露光を行う電子写真装置とは、レー
ザーまたはLED等の光源を用いて、2値化またはパル
ス幅変調や強度変調を行い、多値化された光により露光
を行う電子写真装置であり、具体例として、LEDプリ
ンター、レーザープリンター、レーザー露光式デジタル
複写機、レーザー露光式ファックス等を挙げることがで
きる。
【0031】図5は、本発明の画像形成装置の一例を示
す模式的構成図である。これはレーザープリンターの構
成を示すものであって、感光体ドラム1の周りには、感
光体を帯電させるための静電潜像形成用帯電器2、露光
用レーザー21、現像器3、転写用コロトロン4、帯除
電部材5、クリーニングブレート6及び前露光用光源7
がプロセスの順序に順次配置されている。なお、19は
用紙を示す。
す模式的構成図である。これはレーザープリンターの構
成を示すものであって、感光体ドラム1の周りには、感
光体を帯電させるための静電潜像形成用帯電器2、露光
用レーザー21、現像器3、転写用コロトロン4、帯除
電部材5、クリーニングブレート6及び前露光用光源7
がプロセスの順序に順次配置されている。なお、19は
用紙を示す。
【0032】図6は、本発明によりカラー画像を形成す
るための画像形成装置の一例を示す概略構成図であり、
矢印の方向に回転する感光体1の周囲には、上記した帯
電器2、露光用レーザー21、回転現像器3、転写ドラ
ム4、転写用帯電器4b、帯除電部材5、クリーニング
ブレード6と、前露光用光源7とが配置されている。感
光体ドラム1は、回転駆動手段(図示してない)によっ
て、図6中において時計回り方向に回転されている。露
光用レーザー走査部20は、露光用レーザーダイオード
を備えており、デジタル処理された画像信号に基づき発
光する。発光したレーザー光は、ポリゴンミラーと複数
のレンズ及びミラーにより、走査されながら感光体上を
露光するように構成されている。
るための画像形成装置の一例を示す概略構成図であり、
矢印の方向に回転する感光体1の周囲には、上記した帯
電器2、露光用レーザー21、回転現像器3、転写ドラ
ム4、転写用帯電器4b、帯除電部材5、クリーニング
ブレード6と、前露光用光源7とが配置されている。感
光体ドラム1は、回転駆動手段(図示してない)によっ
て、図6中において時計回り方向に回転されている。露
光用レーザー走査部20は、露光用レーザーダイオード
を備えており、デジタル処理された画像信号に基づき発
光する。発光したレーザー光は、ポリゴンミラーと複数
のレンズ及びミラーにより、走査されながら感光体上を
露光するように構成されている。
【0033】これらの工程により得られたトナー像が転
写された転写材は、剥離爪4eにより転写ドラム4から
分離された後、定着器8により定着され、多色カラー画
像が形成される。なお、4aは記録材吸収用帯電器、4
cは剥離用帯電器、4dは除電用帯電器であり、9は用
紙搬送路、10は結像光学系である。
写された転写材は、剥離爪4eにより転写ドラム4から
分離された後、定着器8により定着され、多色カラー画
像が形成される。なお、4aは記録材吸収用帯電器、4
cは剥離用帯電器、4dは除電用帯電器であり、9は用
紙搬送路、10は結像光学系である。
【0034】本発明における上記の画像形成装置は、一
様に帯電された表面電位を50%電位減衰に要する露光
量が、10%電位減衰に要する露光量の5倍未満である
電子写真感光体を設け、その感光体の周囲に、帯電、露
光、現像及び転写工程の各工程を順次設けた電子写真方
式により複写画像を形成するものであって、前記転写工
程後に、履歴により感光体表面の画像部と非画像部との
間に生じる残留表面電位差を低減する手段として、少な
くともスコロトロン、接触帯電部材及びコロナ帯電器か
ら選ばれる帯除電工程を設ける必要がある。
様に帯電された表面電位を50%電位減衰に要する露光
量が、10%電位減衰に要する露光量の5倍未満である
電子写真感光体を設け、その感光体の周囲に、帯電、露
光、現像及び転写工程の各工程を順次設けた電子写真方
式により複写画像を形成するものであって、前記転写工
程後に、履歴により感光体表面の画像部と非画像部との
間に生じる残留表面電位差を低減する手段として、少な
くともスコロトロン、接触帯電部材及びコロナ帯電器か
ら選ばれる帯除電工程を設ける必要がある。
【0035】その帯除電工程として設けるスコロトロン
としては、任意のスクリーン電圧を印加できるようにグ
リッド電極を制御可能なものであり、好ましくは感光体
の帯電時の電位以下のスクリーン電圧を印加するグリッ
ド電極を持つものである。また、画像形成の転写工程後
に、履歴により感光体表面の画像部と非画像部との間に
生じる残留表面電位を、残留する表面電位の大きい方と
同じ極性であり同等以上のスクリーン電圧を印加したス
コロトロンにより帯除電を行って、クリーニング後に除
電光照射工程に入る時の表面電位差を200V以下にす
るものである。また、その接触帯電部材としては、感光
体に交流成分を含むバイアス電圧を印加した帯電部材を
当接させるものであり、そのバイアス電圧は、帯電工程
時に印加した電圧以下であることが好ましい。
としては、任意のスクリーン電圧を印加できるようにグ
リッド電極を制御可能なものであり、好ましくは感光体
の帯電時の電位以下のスクリーン電圧を印加するグリッ
ド電極を持つものである。また、画像形成の転写工程後
に、履歴により感光体表面の画像部と非画像部との間に
生じる残留表面電位を、残留する表面電位の大きい方と
同じ極性であり同等以上のスクリーン電圧を印加したス
コロトロンにより帯除電を行って、クリーニング後に除
電光照射工程に入る時の表面電位差を200V以下にす
るものである。また、その接触帯電部材としては、感光
体に交流成分を含むバイアス電圧を印加した帯電部材を
当接させるものであり、そのバイアス電圧は、帯電工程
時に印加した電圧以下であることが好ましい。
【0036】さらに、そのコロナ帯電器としては、光照
射手段を有するものであり、直流又は交流の電圧を印加
してコロナ放電が行われるものであることが好ましく、
また、少なくとも一部は光透過性の部材からなり、光照
射手段と感光体の間で感光体に接触することなく近接し
て配置されていることが好ましい。この光照射手段を有
するコロナ帯電器は、クリーニングの前に配置して感光
体上の電荷を除電するものである。光照射を行いながら
コロナ放電を行うことにより感光体の電荷を効果的に除
去するものであるが、帯電までの時間は長いほうが望ま
しい。また、クリーニング装置と帯電装置の間に置くこ
とは、時間を長くする場合には装置が大がかりなものに
なるため、あまり好ましくない。画像形成装置を小型化
させるには、クリーニングの前に配置することが好まし
い。さらに、クリーニングの前に本装置で除電すること
で、感光体と現像剤の結合力を弱めることができて、ク
リーニングを有効に行うことができるという効果もあ
る。
射手段を有するものであり、直流又は交流の電圧を印加
してコロナ放電が行われるものであることが好ましく、
また、少なくとも一部は光透過性の部材からなり、光照
射手段と感光体の間で感光体に接触することなく近接し
て配置されていることが好ましい。この光照射手段を有
するコロナ帯電器は、クリーニングの前に配置して感光
体上の電荷を除電するものである。光照射を行いながら
コロナ放電を行うことにより感光体の電荷を効果的に除
去するものであるが、帯電までの時間は長いほうが望ま
しい。また、クリーニング装置と帯電装置の間に置くこ
とは、時間を長くする場合には装置が大がかりなものに
なるため、あまり好ましくない。画像形成装置を小型化
させるには、クリーニングの前に配置することが好まし
い。さらに、クリーニングの前に本装置で除電すること
で、感光体と現像剤の結合力を弱めることができて、ク
リーニングを有効に行うことができるという効果もあ
る。
【0037】その際、光照射単独では、除電光により発
生した電荷が感光層の移動を終えるのに時間を要するか
ら装置の小型化は難しく、また、コロナ放電は、光照射
に比して短時間で感光層中の電荷を移動させることが可
能であるが、均一に感光層中の電荷を除去するのは困難
である。ところが、光照射とコロナ放電を組み合わせる
ことにより初めて感光体表面及び感光層中のキャリアを
効果的に短時間で除去することが可能である。コロナ放
電は、コロナ放電器のワイヤーに直流或いは交流の電圧
を印加することにより行うことができるが、交流の方が
望ましい。感光体の電荷を除去するには反対極のコロナ
放電を行う必要があり、例えば、負に帯電させて使用す
る感光体の場合にはワイヤーに正の電圧を印加してコロ
ナ放電を行う。その際、感光体表面に正の電荷が残る可
能性があり、このような場合には問題となる。一般に、
交流は、直流に比べてコロナ放電後に反対極の電荷が残
存しないように感光層中の電荷を簡単かつ有利に除去す
ることができる。例えば、交流と直流の電圧を印加して
コロナ放電させ、直流電圧値を0V或いはコロナ放電後
に希望する電位に合わせればよい。また、コロナ放電器
は、一部が光透過性の部材、例えば、ワイヤー背面側
(感光体と反対側)が光透過性部材で形成されているも
のや、ワイヤー背面側(感光体と反対側)に開口部を有
する部材等からなり、その後ろ側(感光体と逆側)から
光照射することが好ましい。コロナ放電器の後ろ側から
光照射することで容易にコロナ放電と光照射を同時に行
うことが可能であり、装置の小型化にも有利である。
生した電荷が感光層の移動を終えるのに時間を要するか
ら装置の小型化は難しく、また、コロナ放電は、光照射
に比して短時間で感光層中の電荷を移動させることが可
能であるが、均一に感光層中の電荷を除去するのは困難
である。ところが、光照射とコロナ放電を組み合わせる
ことにより初めて感光体表面及び感光層中のキャリアを
効果的に短時間で除去することが可能である。コロナ放
電は、コロナ放電器のワイヤーに直流或いは交流の電圧
を印加することにより行うことができるが、交流の方が
望ましい。感光体の電荷を除去するには反対極のコロナ
放電を行う必要があり、例えば、負に帯電させて使用す
る感光体の場合にはワイヤーに正の電圧を印加してコロ
ナ放電を行う。その際、感光体表面に正の電荷が残る可
能性があり、このような場合には問題となる。一般に、
交流は、直流に比べてコロナ放電後に反対極の電荷が残
存しないように感光層中の電荷を簡単かつ有利に除去す
ることができる。例えば、交流と直流の電圧を印加して
コロナ放電させ、直流電圧値を0V或いはコロナ放電後
に希望する電位に合わせればよい。また、コロナ放電器
は、一部が光透過性の部材、例えば、ワイヤー背面側
(感光体と反対側)が光透過性部材で形成されているも
のや、ワイヤー背面側(感光体と反対側)に開口部を有
する部材等からなり、その後ろ側(感光体と逆側)から
光照射することが好ましい。コロナ放電器の後ろ側から
光照射することで容易にコロナ放電と光照射を同時に行
うことが可能であり、装置の小型化にも有利である。
【0038】次に、本発明に用いる上記の電子写真感光
体について説明する。本発明において使用する電子写真
感光体は、導電性基体上に、少なくとも電荷発生層及び
不均一電荷輸送層を備えたものである。その導電性基体
としては、感光体の基体として利用される公知の任意の
種類のものから適宜選択することができる。なお、基体
側から露光を行う場合には、当然のこととして、十分な
光量が感光層に到達するように、その基体は実質的に透
明であることが必要である。本発明に用いられる導電性
基体の具体例としては、アルミニウム、ニッケル、クロ
ム、ステンレス鋼等の金属類、又はアルミニウム、チタ
ン、ジルコニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼、
金、白金、酸化錫、酸化インジウム、ITO等の薄膜を
設けたプラスチックフィルム、ガラス或いはセラミック
ス等、又は導電性付与剤を塗布するか含浸させた紙、プ
ラスチックフィルム、ガラス或いはセラミックス等があ
げられる。また、これらの導電性基体は、ドラム状、シ
ート状、プレート状、ベルト状等の適宜の形状で使用す
ることができる。さらに必要に応じて導電性基体の表面
には、酸化処理、薬品処理、粗面化処理、研磨処理等の
各種の処理を施すことができる。
体について説明する。本発明において使用する電子写真
感光体は、導電性基体上に、少なくとも電荷発生層及び
不均一電荷輸送層を備えたものである。その導電性基体
としては、感光体の基体として利用される公知の任意の
種類のものから適宜選択することができる。なお、基体
側から露光を行う場合には、当然のこととして、十分な
光量が感光層に到達するように、その基体は実質的に透
明であることが必要である。本発明に用いられる導電性
基体の具体例としては、アルミニウム、ニッケル、クロ
ム、ステンレス鋼等の金属類、又はアルミニウム、チタ
ン、ジルコニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼、
金、白金、酸化錫、酸化インジウム、ITO等の薄膜を
設けたプラスチックフィルム、ガラス或いはセラミック
ス等、又は導電性付与剤を塗布するか含浸させた紙、プ
ラスチックフィルム、ガラス或いはセラミックス等があ
げられる。また、これらの導電性基体は、ドラム状、シ
ート状、プレート状、ベルト状等の適宜の形状で使用す
ることができる。さらに必要に応じて導電性基体の表面
には、酸化処理、薬品処理、粗面化処理、研磨処理等の
各種の処理を施すことができる。
【0039】導電性基体と感光層の間に任意的に設けら
れる下引き層は、感光層を導電性基体に対して一体的に
接着保持させる接着層としての作用、感光層塗布時のハ
ジキ等の塗布欠陥を防止する作用、或いは場合によって
は感光層の帯電時に導電性基体から感光層への電荷の注
入を阻止するブロッキング層としての作用等を示す。下
引き層としては、ポリビニルアセタール、ポリビニルア
ルコール、アルコール可溶性ナイロン、ポリエステル、
ポリイミド等の有機樹脂膜、或いは、ジルコニウムアル
コキシド化合物、チタンアルコキシド化合物、シランカ
ップリング剤等の金属有機化合物から形成される硬化膜
等の公知のものを用いることができる。また、帯電極性
と同極性の電荷のみを輸送し得る材料も使用可能であ
る。また、下引き層の膜厚は0.005〜5μmの範囲
で任意に設定されるが、好ましくは0.01〜1μmの
範囲である。その成膜方法としては、ブレードコーティ
ング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーテ
ィング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング
法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティン
グ法、アプリケーターコーティング法等の公知方法を用
いることができる。
れる下引き層は、感光層を導電性基体に対して一体的に
接着保持させる接着層としての作用、感光層塗布時のハ
ジキ等の塗布欠陥を防止する作用、或いは場合によって
は感光層の帯電時に導電性基体から感光層への電荷の注
入を阻止するブロッキング層としての作用等を示す。下
引き層としては、ポリビニルアセタール、ポリビニルア
ルコール、アルコール可溶性ナイロン、ポリエステル、
ポリイミド等の有機樹脂膜、或いは、ジルコニウムアル
コキシド化合物、チタンアルコキシド化合物、シランカ
ップリング剤等の金属有機化合物から形成される硬化膜
等の公知のものを用いることができる。また、帯電極性
と同極性の電荷のみを輸送し得る材料も使用可能であ
る。また、下引き層の膜厚は0.005〜5μmの範囲
で任意に設定されるが、好ましくは0.01〜1μmの
範囲である。その成膜方法としては、ブレードコーティ
ング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーテ
ィング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング
法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティン
グ法、アプリケーターコーティング法等の公知方法を用
いることができる。
【0040】電荷発生層における電荷発生材料として
は、従来のJ字型積層感光体に電荷発生層として用いら
れている公知のものを使用することができる。例えば、
非晶質セレン、セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合
金、その他セレン化合物およびセレン合金、酸化亜鉛、
酸化チタン、a−Si、a−SiC等の無機系光導電性
材料、フタロシアニン系、スクエアリウム系、アントア
ントロン系、ペリレン系、アゾ系、アントラキノン系、
ピレン系、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の有機顔
料および染料が使用できるが、これらに限定されるもの
ではない。また、これらの有機顔料及び染料は、単独で
又は2種以上を混合して用いることができる。また電荷
発生層は、前記電荷発生材料を真空蒸着法により、また
は、前記電荷発生材料を結着樹脂中に分散または溶解す
ることにより作製できる。電荷発生層に用いる結着樹脂
としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホル
マール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、
ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルア
セテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、シリ
コン樹脂、フェノール樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ール樹脂等があげられるがこれらに限定されるものでは
ない。これらの結着樹脂はブロック、ランダムまたは交
互共重合体であることができる。また、これらの結着樹
脂は、単独で又は2種以上を混合して用いることができ
る。
は、従来のJ字型積層感光体に電荷発生層として用いら
れている公知のものを使用することができる。例えば、
非晶質セレン、セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合
金、その他セレン化合物およびセレン合金、酸化亜鉛、
酸化チタン、a−Si、a−SiC等の無機系光導電性
材料、フタロシアニン系、スクエアリウム系、アントア
ントロン系、ペリレン系、アゾ系、アントラキノン系、
ピレン系、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の有機顔
料および染料が使用できるが、これらに限定されるもの
ではない。また、これらの有機顔料及び染料は、単独で
又は2種以上を混合して用いることができる。また電荷
発生層は、前記電荷発生材料を真空蒸着法により、また
は、前記電荷発生材料を結着樹脂中に分散または溶解す
ることにより作製できる。電荷発生層に用いる結着樹脂
としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホル
マール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、
ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルア
セテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、シリ
コン樹脂、フェノール樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ール樹脂等があげられるがこれらに限定されるものでは
ない。これらの結着樹脂はブロック、ランダムまたは交
互共重合体であることができる。また、これらの結着樹
脂は、単独で又は2種以上を混合して用いることができ
る。
【0041】本発明に使用する電子写真感光体には、電
気的不活性マトリックス中に光導電性ドメインが分散さ
れた不均一電荷輸送層が設けられる。その電気的不活性
マトリックスを形成する材料としては、成膜性を有する
任意の絶縁性物質を用いることができる。具体例として
は、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステ
ル、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリイミド、ポリア
クリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、
ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン、フェノール樹脂、メ
ラミン樹脂、エポキシ樹脂等の結着樹脂が挙げられる。
また、これらの結着樹脂は、単独で又は2種以上を混合
して使用することもできる。このマトリックスの電気抵
抗率は1013Ω・cm以上であることが好ましく、より
好ましくは1014Ω・cm以上である。電気抵抗率がこ
の値より低いと、電気的不活性マトリックスの絶縁性が
不十分となり、暗減衰の増大、S字性の低下等の問題が
発生する。また、光導電性ドメインを形成する光導電性
物質としては、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔
料、アゾ系顔料、アズレニウム系顔料、スクエアリウム
系顔料、キナクリドン系顔料、縮合多環キノン系顔料等
の有機顔料、又はセレン、ZnO、CdS、シリコン、
シリコンカーバイド等の無機顔料等の任意の光電荷発生
能と電荷輸送能を有する光導電性物質を用いることがで
きる。これらの中でも、特に無金属フタロシアニン、チ
タニルフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニ
ン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、ジクロロ錫フ
タロシアニン等のフタロシアニン系顔料、ペリレン系顔
料、縮合多環キノン系顔料及び六方晶セレンは、光電荷
発生効率が高いので好ましいものである。また、これら
の材料は、単独で又は2種以上を混合して用いることが
できる。
気的不活性マトリックス中に光導電性ドメインが分散さ
れた不均一電荷輸送層が設けられる。その電気的不活性
マトリックスを形成する材料としては、成膜性を有する
任意の絶縁性物質を用いることができる。具体例として
は、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステ
ル、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリイミド、ポリア
クリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、
ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン、フェノール樹脂、メ
ラミン樹脂、エポキシ樹脂等の結着樹脂が挙げられる。
また、これらの結着樹脂は、単独で又は2種以上を混合
して使用することもできる。このマトリックスの電気抵
抗率は1013Ω・cm以上であることが好ましく、より
好ましくは1014Ω・cm以上である。電気抵抗率がこ
の値より低いと、電気的不活性マトリックスの絶縁性が
不十分となり、暗減衰の増大、S字性の低下等の問題が
発生する。また、光導電性ドメインを形成する光導電性
物質としては、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔
料、アゾ系顔料、アズレニウム系顔料、スクエアリウム
系顔料、キナクリドン系顔料、縮合多環キノン系顔料等
の有機顔料、又はセレン、ZnO、CdS、シリコン、
シリコンカーバイド等の無機顔料等の任意の光電荷発生
能と電荷輸送能を有する光導電性物質を用いることがで
きる。これらの中でも、特に無金属フタロシアニン、チ
タニルフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニ
ン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、ジクロロ錫フ
タロシアニン等のフタロシアニン系顔料、ペリレン系顔
料、縮合多環キノン系顔料及び六方晶セレンは、光電荷
発生効率が高いので好ましいものである。また、これら
の材料は、単独で又は2種以上を混合して用いることが
できる。
【0042】その不均一電荷輸送層の作製方法として
は、任意の適当な方法を採用することができる。例え
ば、適当な溶剤中に上記の結着樹脂を溶解させた溶液
に、上記の光導電性物質の微粒子を分散させ、浸漬コー
ティング法等により塗布した後、乾燥させることにより
得られる。また、予め光導電性物質の微粒子を熱硬化性
樹脂或いはシランカップリング剤等により被覆不溶化
し、それを、適当な溶剤中に絶縁性樹脂を溶解させた溶
液に分散させ、浸漬コーティング法等により塗布した
後、乾燥させることによっても得ることができる。ま
た、絶縁性樹脂中に光導電性物質を均一に分散させたも
のに、加熱処理、溶剤処理等を施すことにより光導電性
物質の微結晶を析出させることによっても得ることもで
きる。さらにまた、絶縁性のブロックと光導電性のブロ
ックからなるブロック共重合体またはグラフト共重合体
において、絶縁性ブロックと光導電性ブロックがミクロ
相分離を形成する系も使用可能であり、この場合、上記
の共重合体を溶解させた溶液を、浸漬コーティング法等
により塗布した後、乾燥させることにより、電気的不活
性マトリックス中に光導電性ドメインが分散された層が
形成される。
は、任意の適当な方法を採用することができる。例え
ば、適当な溶剤中に上記の結着樹脂を溶解させた溶液
に、上記の光導電性物質の微粒子を分散させ、浸漬コー
ティング法等により塗布した後、乾燥させることにより
得られる。また、予め光導電性物質の微粒子を熱硬化性
樹脂或いはシランカップリング剤等により被覆不溶化
し、それを、適当な溶剤中に絶縁性樹脂を溶解させた溶
液に分散させ、浸漬コーティング法等により塗布した
後、乾燥させることによっても得ることができる。ま
た、絶縁性樹脂中に光導電性物質を均一に分散させたも
のに、加熱処理、溶剤処理等を施すことにより光導電性
物質の微結晶を析出させることによっても得ることもで
きる。さらにまた、絶縁性のブロックと光導電性のブロ
ックからなるブロック共重合体またはグラフト共重合体
において、絶縁性ブロックと光導電性ブロックがミクロ
相分離を形成する系も使用可能であり、この場合、上記
の共重合体を溶解させた溶液を、浸漬コーティング法等
により塗布した後、乾燥させることにより、電気的不活
性マトリックス中に光導電性ドメインが分散された層が
形成される。
【0043】上記のような光導電性物質の微粒子を分散
させた塗工液を得るには、任意の適当な方法を用いるこ
とができ、例えば、アトライター分散法、サンドミル
法、ダイノーミル法、サンドグラインダーミル法、ボー
ルミル法、ペイントシェーク法、超音波分散法等があげ
られる。
させた塗工液を得るには、任意の適当な方法を用いるこ
とができ、例えば、アトライター分散法、サンドミル
法、ダイノーミル法、サンドグラインダーミル法、ボー
ルミル法、ペイントシェーク法、超音波分散法等があげ
られる。
【0044】光導電性ドメインと電気的不活性マトリッ
クスの体積比は、2:1〜1:10の範囲で任意に設定
されるが、1:1〜1:4の範囲が好ましい。光導電性
ドメインの体積比が上記範囲より多いと、光導電性ドメ
インが密に接触してしまい、上記のS字型光誘起電位減
衰特性の発現に不可欠な電荷輸送経路の不均一構造が消
失し、S字性が失われる傾向にある。さらにまた、暗減
衰が増加、機械的強度の低下等の障害を招く傾向もあ
る。他方、光導電性ドメインの体積比率が上記範囲より
少ないと、充分な輸送能が得られず、残留電位の増大、
応答速度の低下等の障害を招く傾向にある。ただし、前
者の問題に関しては、光導電性ドメインを形成する粒子
を予め電気的不活性物質で被覆しておくこと等により、
また、後者の問題に関しては、光導電性ドメインとして
針状或いは柱状等の異方性の高いものを用いること等に
より、その傾向を緩和することができる。
クスの体積比は、2:1〜1:10の範囲で任意に設定
されるが、1:1〜1:4の範囲が好ましい。光導電性
ドメインの体積比が上記範囲より多いと、光導電性ドメ
インが密に接触してしまい、上記のS字型光誘起電位減
衰特性の発現に不可欠な電荷輸送経路の不均一構造が消
失し、S字性が失われる傾向にある。さらにまた、暗減
衰が増加、機械的強度の低下等の障害を招く傾向もあ
る。他方、光導電性ドメインの体積比率が上記範囲より
少ないと、充分な輸送能が得られず、残留電位の増大、
応答速度の低下等の障害を招く傾向にある。ただし、前
者の問題に関しては、光導電性ドメインを形成する粒子
を予め電気的不活性物質で被覆しておくこと等により、
また、後者の問題に関しては、光導電性ドメインとして
針状或いは柱状等の異方性の高いものを用いること等に
より、その傾向を緩和することができる。
【0045】また、光導電性ドメイン個々の形状は如何
なるものでも構わないが、例えば、球形、針形、柱形、
不定形等の形状を取ることができる。光導電性ドメイン
の平均粒径は、0.001〜5μmの範囲で任意に設定
されるが、好ましくは0.005〜0.2μmの範囲で
ある。光導電性ドメインの粒径が上記範囲より小さい
と、電荷輸送路が均一な構造に近付き、S字性が損なわ
れる傾向にある。他方、光導電性ドメインの粒径が上記
範囲より大きいと、湿式分散法にて塗布液を製造する場
合、安定な分散液が得られなかったり、好ましい膜厚の
範囲内でのS字化に必要な電荷輸送路の不均一構造の形
成が不可能となり、S字性が損なわれる等の問題が生じ
る。また、各光導電性ドメインは電荷輸送能が維持され
る範囲内であれば如何なるものを含有しても構わない。
さらに、電気的不活性マトリックス中の光導電性ドメイ
ンの90%以下は、電荷輸送材料からなる電荷輸送性ド
メインで置き換えることが可能である。
なるものでも構わないが、例えば、球形、針形、柱形、
不定形等の形状を取ることができる。光導電性ドメイン
の平均粒径は、0.001〜5μmの範囲で任意に設定
されるが、好ましくは0.005〜0.2μmの範囲で
ある。光導電性ドメインの粒径が上記範囲より小さい
と、電荷輸送路が均一な構造に近付き、S字性が損なわ
れる傾向にある。他方、光導電性ドメインの粒径が上記
範囲より大きいと、湿式分散法にて塗布液を製造する場
合、安定な分散液が得られなかったり、好ましい膜厚の
範囲内でのS字化に必要な電荷輸送路の不均一構造の形
成が不可能となり、S字性が損なわれる等の問題が生じ
る。また、各光導電性ドメインは電荷輸送能が維持され
る範囲内であれば如何なるものを含有しても構わない。
さらに、電気的不活性マトリックス中の光導電性ドメイ
ンの90%以下は、電荷輸送材料からなる電荷輸送性ド
メインで置き換えることが可能である。
【0046】不均一電荷輸送層の膜厚は0.1〜30μ
mの範囲で任意に設定されるが、好ましくは0.5〜1
5μmの範囲内であり、さらに好ましくは1〜8μmの
範囲内である。膜厚が上記範囲より薄いと、機械的強度
が弱かったり、照射光が充分に吸収されず膜厚ムラによ
る実効光感度ムラが顕著になったり、S字性が低下する
等の問題が生じる。膜厚の上限に関しては、用いる電気
的不活性マトリックス中に光導電性ドメインが分散され
た層の電荷輸送能により制限され、応答速度、残留電位
等が許容される範囲で設定される。また、電気的不活性
マトリックス中に光導電性ドメインが分散された層中
に、輸送電荷と逆極性の電荷を輸送し得る化合物を添加
することにより、電荷発生効率の向上、残留電位の低
下、繰り返し安定性の向上等の効果を得ることもでき
る。
mの範囲で任意に設定されるが、好ましくは0.5〜1
5μmの範囲内であり、さらに好ましくは1〜8μmの
範囲内である。膜厚が上記範囲より薄いと、機械的強度
が弱かったり、照射光が充分に吸収されず膜厚ムラによ
る実効光感度ムラが顕著になったり、S字性が低下する
等の問題が生じる。膜厚の上限に関しては、用いる電気
的不活性マトリックス中に光導電性ドメインが分散され
た層の電荷輸送能により制限され、応答速度、残留電位
等が許容される範囲で設定される。また、電気的不活性
マトリックス中に光導電性ドメインが分散された層中
に、輸送電荷と逆極性の電荷を輸送し得る化合物を添加
することにより、電荷発生効率の向上、残留電位の低
下、繰り返し安定性の向上等の効果を得ることもでき
る。
【0047】上記の電気的不活性マトリックス中に光導
電性ドメインが分散された不均一電荷輸送層において、
回旋状電荷輸送路の形成は、光導電性ドメイン同士の確
率的な接触に依存する。その接触の確率が多すぎると、
電荷輸送路は回旋状とならず、また一方、その接触の確
率が少な過ぎると、連続した電荷輸送路を形成すること
ができなくなる。なお、光導電性ドメインの互いの接触
は必ずしも直接に接触している必要はなく、光導電性ド
メイン間の非常に薄い絶縁層は、電荷がそのギャップを
飛び越えることができ、かつ、そこでの捕獲が無視でき
るならば、その薄い絶縁層の存在は許容される。また、
ここにいう回旋状電荷輸送路とは、電荷の移動が膜厚方
向、すなわち外部電界方向に対して少なくとも1回以上
逆行するように形成されている電荷輸送路のことであ
る。
電性ドメインが分散された不均一電荷輸送層において、
回旋状電荷輸送路の形成は、光導電性ドメイン同士の確
率的な接触に依存する。その接触の確率が多すぎると、
電荷輸送路は回旋状とならず、また一方、その接触の確
率が少な過ぎると、連続した電荷輸送路を形成すること
ができなくなる。なお、光導電性ドメインの互いの接触
は必ずしも直接に接触している必要はなく、光導電性ド
メイン間の非常に薄い絶縁層は、電荷がそのギャップを
飛び越えることができ、かつ、そこでの捕獲が無視でき
るならば、その薄い絶縁層の存在は許容される。また、
ここにいう回旋状電荷輸送路とは、電荷の移動が膜厚方
向、すなわち外部電界方向に対して少なくとも1回以上
逆行するように形成されている電荷輸送路のことであ
る。
【0048】均一電荷輸送層としては、当業界でJ字型
積層感光体における電荷輸送層として用いられる任意の
ものを使用することできる。例えば、ベンジジン系化合
物、アミン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン
系化合物、カルバゾール系化合物等のホール輸送性低分
子化合物、または、フルオレノン系化合物、マロノニト
リル系化合物、ジフェノキノン系化合物、フラーレン系
化合物等のエレクトロン輸送性低分子化合物を、単独で
又は2種以上を混合して、ポリカーボネート、ポリアリ
レート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリメチルメタ
クリレート等の絶縁性樹脂中に固溶させたもの、或いは
それ自体電荷輸送能を有する電荷輸送性高分子化合物よ
りなるもの等を用いることができる。また、アモルファ
スセレン、六方晶セレン、セレン合金、アモルファスシ
リコン、アモルファスシリコンカーバイド等の電荷輸送
能を有する無機物質を用いることができる。前記電荷輸
送性高分子化合物としては、ポリビニルカルバゾール等
の電荷輸送能を有する基を側鎖に含む高分子化合物、特
開平5−232727号公報等に開示されているような
電荷輸送能を有する基を主鎖に含む高分子化合物及びポ
リシラン等をあげることができる。
積層感光体における電荷輸送層として用いられる任意の
ものを使用することできる。例えば、ベンジジン系化合
物、アミン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン
系化合物、カルバゾール系化合物等のホール輸送性低分
子化合物、または、フルオレノン系化合物、マロノニト
リル系化合物、ジフェノキノン系化合物、フラーレン系
化合物等のエレクトロン輸送性低分子化合物を、単独で
又は2種以上を混合して、ポリカーボネート、ポリアリ
レート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリメチルメタ
クリレート等の絶縁性樹脂中に固溶させたもの、或いは
それ自体電荷輸送能を有する電荷輸送性高分子化合物よ
りなるもの等を用いることができる。また、アモルファ
スセレン、六方晶セレン、セレン合金、アモルファスシ
リコン、アモルファスシリコンカーバイド等の電荷輸送
能を有する無機物質を用いることができる。前記電荷輸
送性高分子化合物としては、ポリビニルカルバゾール等
の電荷輸送能を有する基を側鎖に含む高分子化合物、特
開平5−232727号公報等に開示されているような
電荷輸送能を有する基を主鎖に含む高分子化合物及びポ
リシラン等をあげることができる。
【0049】さらに、均一電荷輸送層として、特に製造
上、電荷輸送性高分子化合物を用いることが好ましい。
すなわち、不均一電荷輸送層と均一電荷輸送層を積層製
膜する場合に、均一電荷輸送層に電荷輸送性低分子化合
物を用いると、その低分子化合物が不均一電荷輸送層に
混入してしまい、電気的不活性マトリックスの輸送電荷
に対する絶縁性が低下することによりS字性が損なわれ
たり、或いは電荷トラップとなることにより残留電位の
増大を招く等の障害が発生する。この問題は特に、湿式
塗布法により、各層を製膜する場合に顕著になる(な
お、この問題は、上層の塗布溶剤に下層を溶解または膨
潤し難いものを選択したり、或いは電気的不活性マトリ
ックスとして、電荷輸送性低分子化合物と相溶性のない
ものを選択する等により回避することが可能である)。
ところが、一般的に高分子化合物同士は相溶することな
く相分離を起こすことが知られており、均一電荷輸送層
が電荷輸送性高分子化合物よりなる場合には、電気的不
活性マトリックス樹脂と相分離するため、上記のような
混入の問題は殆ど発生しない。したがって、材料および
製造法の選択に当たっての制約が解消されるという利点
を有する。
上、電荷輸送性高分子化合物を用いることが好ましい。
すなわち、不均一電荷輸送層と均一電荷輸送層を積層製
膜する場合に、均一電荷輸送層に電荷輸送性低分子化合
物を用いると、その低分子化合物が不均一電荷輸送層に
混入してしまい、電気的不活性マトリックスの輸送電荷
に対する絶縁性が低下することによりS字性が損なわれ
たり、或いは電荷トラップとなることにより残留電位の
増大を招く等の障害が発生する。この問題は特に、湿式
塗布法により、各層を製膜する場合に顕著になる(な
お、この問題は、上層の塗布溶剤に下層を溶解または膨
潤し難いものを選択したり、或いは電気的不活性マトリ
ックスとして、電荷輸送性低分子化合物と相溶性のない
ものを選択する等により回避することが可能である)。
ところが、一般的に高分子化合物同士は相溶することな
く相分離を起こすことが知られており、均一電荷輸送層
が電荷輸送性高分子化合物よりなる場合には、電気的不
活性マトリックス樹脂と相分離するため、上記のような
混入の問題は殆ど発生しない。したがって、材料および
製造法の選択に当たっての制約が解消されるという利点
を有する。
【0050】本発明に使用する電子写真感光体におい
て、上記した不均一電荷輸送層には、少なくとも繰り返
し単位中に電荷輸送性ブロック及び絶縁性ブロックを有
し、かつその両ブロックが相分離状態にあるブロック共
重合体又はグラフト共重合体を含有する電荷輸送性高分
子化合物であることが好ましい。その絶縁性ブロックと
しては、下記一般式(1)で示されるビニル系モノマー
の少なくとも1種を含むものであることが好ましい。
て、上記した不均一電荷輸送層には、少なくとも繰り返
し単位中に電荷輸送性ブロック及び絶縁性ブロックを有
し、かつその両ブロックが相分離状態にあるブロック共
重合体又はグラフト共重合体を含有する電荷輸送性高分
子化合物であることが好ましい。その絶縁性ブロックと
しては、下記一般式(1)で示されるビニル系モノマー
の少なくとも1種を含むものであることが好ましい。
【化4】 (式中、R1 〜R3 は、それぞれ独立に水素原子、ハロ
ゲン原子、置換若しくは未置換のアルキル基又は置換若
しくは未置換のアリール基を示し、R4 はハロゲン原
子、置換若しくは未置換のアルコキシ基、置換若しくは
未置換のアシル基、置換若しくは未置換のアシルオキシ
基又は置換若しくは未置換のアルコキシカルボニル基を
示す。)
ゲン原子、置換若しくは未置換のアルキル基又は置換若
しくは未置換のアリール基を示し、R4 はハロゲン原
子、置換若しくは未置換のアルコキシ基、置換若しくは
未置換のアシル基、置換若しくは未置換のアシルオキシ
基又は置換若しくは未置換のアルコキシカルボニル基を
示す。)
【0051】その電荷輸送性ブロックとしては、下記一
般式(2)で示される構造の少なくとも1種以上を繰り
返し単位として含有する電荷輸送性高分子化合物又は下
記一般式(3)で示される構造の少なくとも1種以上を
繰り返し単位として含有する電荷輸送性高分子化合物
が、高い電荷輸送能を有し機械的特性にも優れているの
で特に好ましい。
般式(2)で示される構造の少なくとも1種以上を繰り
返し単位として含有する電荷輸送性高分子化合物又は下
記一般式(3)で示される構造の少なくとも1種以上を
繰り返し単位として含有する電荷輸送性高分子化合物
が、高い電荷輸送能を有し機械的特性にも優れているの
で特に好ましい。
【化5】 (式中、Ar1 及びAr2 は、それぞれ独立に、置換若
しくは未置換のアリール基を示し、X1 は芳香族環構造
を有する2価の炭化水素基若しくはヘテロ原子含有炭化
水素基を示し、X2 及びX3 は、それぞれ独立に、置換
若しくは未置換のアリーレン基を示し、Lは枝別れして
いても或いは環構造を含んでいてもよい2価の炭化水素
基又はヘテロ原子含有炭化水素基を示し、mは0又は1
である。)上記一般式(2)中のAr1 及びAr2 の好
ましい例としては、置換していてもよいフェニル基があ
げられる。その置換基の好ましい例としては、炭素数1
〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェ
ニル基又はハロゲン原子等があげられる。また、そのX
1 としては、好ましくは、以下の基(a)〜(e)から
選択されたものがあげられる。
しくは未置換のアリール基を示し、X1 は芳香族環構造
を有する2価の炭化水素基若しくはヘテロ原子含有炭化
水素基を示し、X2 及びX3 は、それぞれ独立に、置換
若しくは未置換のアリーレン基を示し、Lは枝別れして
いても或いは環構造を含んでいてもよい2価の炭化水素
基又はヘテロ原子含有炭化水素基を示し、mは0又は1
である。)上記一般式(2)中のAr1 及びAr2 の好
ましい例としては、置換していてもよいフェニル基があ
げられる。その置換基の好ましい例としては、炭素数1
〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェ
ニル基又はハロゲン原子等があげられる。また、そのX
1 としては、好ましくは、以下の基(a)〜(e)から
選択されたものがあげられる。
【0052】
【化6】 (式中、R5 〜R13は、水素原子、炭素数1〜4のアル
キル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基又は
ハロゲン原子を示し、Vは炭素数1〜6のアルキレン
基、フェニレン基、酸素原子又は硫黄原子を示す。pは
0又は1である。) 上記一般式(2)中のLとしては、エステル構造、カー
ボネート構造、エーテル構造、ウレタン構造、アミド構
造又はシロキサン構造を主鎖に有する炭素数1〜20の
2価のヘテロ原子含有炭化水素基が可撓性等の点で好ま
しい。
キル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基又は
ハロゲン原子を示し、Vは炭素数1〜6のアルキレン
基、フェニレン基、酸素原子又は硫黄原子を示す。pは
0又は1である。) 上記一般式(2)中のLとしては、エステル構造、カー
ボネート構造、エーテル構造、ウレタン構造、アミド構
造又はシロキサン構造を主鎖に有する炭素数1〜20の
2価のヘテロ原子含有炭化水素基が可撓性等の点で好ま
しい。
【0053】
【化7】 (式中、Ar3 及びAr4 は、それぞれ独立に、置換若
しくは未置換のアリール基を示し、Yは芳香族環構造を
有する3価の炭化水素基若しくはヘテロ原子含有炭化水
素基を示す。) 均一電荷輸送層の膜厚は1〜50μmの範囲で任意に設
定されるが、特に、5〜30μmの範囲が好ましい。ま
た、感光層の全体の膜厚は、5〜50μmの範囲で任意
に設定されるが、特に、10〜30μmの範囲が好まし
い。
しくは未置換のアリール基を示し、Yは芳香族環構造を
有する3価の炭化水素基若しくはヘテロ原子含有炭化水
素基を示す。) 均一電荷輸送層の膜厚は1〜50μmの範囲で任意に設
定されるが、特に、5〜30μmの範囲が好ましい。ま
た、感光層の全体の膜厚は、5〜50μmの範囲で任意
に設定されるが、特に、10〜30μmの範囲が好まし
い。
【0054】本発明において、感光層の上には必要に応
じて保護層を設けてもよい。この保護層は、帯電部材か
ら発生するオゾンや酸化性ガス等、紫外光等の化学的ス
トレス、或いは現像剤、紙、クリーニング部材等との接
触に起因する機械的ストレスから感光層を保護し、感光
層の実質の寿命を改善するために有効である。特に、電
気的不活性マトリックス中に光導電性ドメインが分散さ
れた層を上層に用いる層構成の場合には、その効果が顕
著である。
じて保護層を設けてもよい。この保護層は、帯電部材か
ら発生するオゾンや酸化性ガス等、紫外光等の化学的ス
トレス、或いは現像剤、紙、クリーニング部材等との接
触に起因する機械的ストレスから感光層を保護し、感光
層の実質の寿命を改善するために有効である。特に、電
気的不活性マトリックス中に光導電性ドメインが分散さ
れた層を上層に用いる層構成の場合には、その効果が顕
著である。
【0055】保護層は、導電性材料を適当な結着樹脂中
に含有させて形成される。導電性材料としては、ジメチ
ルフェロセン等のメタロセン化合物、酸化アンチモン、
酸化スズ、酸化チタン、酸化インジウム、ITO等の金
属酸化物等の材料を用いることができるが、これらに限
定されるものではない。結着樹脂としては、ポリアミ
ド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、
ポリスチレン、ポリアクリルアミド、シリコーン樹脂、
メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の公知
の樹脂を用いることができる。また、アモルファスカー
ボン等の半導電性無機膜も保護層として用いることがで
きる。保護層の電気抵抗は、109 〜1014Ω・cmの
範囲が好ましい。電気抵抗がこの範囲以上になると残留
電位が増加し、他方、この範囲以下になると沿面方向に
おいて電荷漏洩が無視できなくなり、解像力の低下が生
じてしまう。上記の保護層を設けた場合、必要に応じ
て、感光層と保護層との間に、保護層から感光層への電
荷の漏洩を阻止するブロッキング層を設けることができ
る。このブロッキング層としては、保護層の場合と同様
に公知のものを用いることができる。また、帯電極性と
逆極性の電荷のみを輸送できる絶縁層も保護層として有
効である。
に含有させて形成される。導電性材料としては、ジメチ
ルフェロセン等のメタロセン化合物、酸化アンチモン、
酸化スズ、酸化チタン、酸化インジウム、ITO等の金
属酸化物等の材料を用いることができるが、これらに限
定されるものではない。結着樹脂としては、ポリアミ
ド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、
ポリスチレン、ポリアクリルアミド、シリコーン樹脂、
メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の公知
の樹脂を用いることができる。また、アモルファスカー
ボン等の半導電性無機膜も保護層として用いることがで
きる。保護層の電気抵抗は、109 〜1014Ω・cmの
範囲が好ましい。電気抵抗がこの範囲以上になると残留
電位が増加し、他方、この範囲以下になると沿面方向に
おいて電荷漏洩が無視できなくなり、解像力の低下が生
じてしまう。上記の保護層を設けた場合、必要に応じ
て、感光層と保護層との間に、保護層から感光層への電
荷の漏洩を阻止するブロッキング層を設けることができ
る。このブロッキング層としては、保護層の場合と同様
に公知のものを用いることができる。また、帯電極性と
逆極性の電荷のみを輸送できる絶縁層も保護層として有
効である。
【0056】保護層の膜厚は、0.5〜15μmの範囲
が適当であり、好ましくは1〜10μmの範囲である。
ただし、帯電極性と逆極性の電荷のみを輸送できる層を
保護層として用いる場合には、保護層の膜厚の増加に伴
って、S字性が低下する傾向にあり、好ましいS字性を
得るには保護層の膜厚は、感光層全体の膜厚の30%以
下であることが望ましい。
が適当であり、好ましくは1〜10μmの範囲である。
ただし、帯電極性と逆極性の電荷のみを輸送できる層を
保護層として用いる場合には、保護層の膜厚の増加に伴
って、S字性が低下する傾向にあり、好ましいS字性を
得るには保護層の膜厚は、感光層全体の膜厚の30%以
下であることが望ましい。
【0057】また、本発明に使用する電子写真感光体に
おいては、帯電部材から発生するオゾンや酸化性ガス、
或いは光、熱による感光体の劣化を防止する目的で、各
層または最上層中に、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤
等を添加することができる。酸化防止剤としては、公知
のものを用いることができ、例えば、ヒンダードフェノ
ール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、ハ
イドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン又は
それらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等があ
げられる。光安定剤の例としては公知のものを用いるこ
とができ、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジチ
オカルバメート、テトラメチルピペリジン等およびそれ
らの誘導体があげられる。さらに、表面磨耗の低減、転
写性の向上、クリーニング性の向上等を目的として、最
表面層にフッ素樹脂等の絶縁性粒子を分散させることも
できる。
おいては、帯電部材から発生するオゾンや酸化性ガス、
或いは光、熱による感光体の劣化を防止する目的で、各
層または最上層中に、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤
等を添加することができる。酸化防止剤としては、公知
のものを用いることができ、例えば、ヒンダードフェノ
ール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、ハ
イドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン又は
それらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等があ
げられる。光安定剤の例としては公知のものを用いるこ
とができ、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジチ
オカルバメート、テトラメチルピペリジン等およびそれ
らの誘導体があげられる。さらに、表面磨耗の低減、転
写性の向上、クリーニング性の向上等を目的として、最
表面層にフッ素樹脂等の絶縁性粒子を分散させることも
できる。
【0058】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。 (感光体Aの製造)ホーニング処理された84mmφ×
340mmのアルミニウムドラム上に、ジルコニウムア
ルコキシド化合物(商品名:オルガチックスZC54
0、マツモト製薬社製)20重量部、γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン(商品名:A1100、日本ユニ
カー社製)2重量部及びポリビニルブチラール樹脂(エ
スレックBM−S、積水化学(株)製)1.5重量部
と、n−ブチルアルコール35重量部及びイソプロパノ
ール35重量部からなる溶液を浸漬塗布法にて塗布し、
次いで170℃において10分間加熱乾燥し、膜厚1.
0μmの下引き層を形成した。次に、クロロガリウムフ
タロシアニン微結晶4重量部を、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体(商品名:UCARソリューションビニル樹
脂VMCH、ユニオンカーバイド社製)2重量部、キシ
レン67重量部及び酢酸ブチル33重量部と混合し、1
mmφガラスビーズとともにサンドグラインダーで2時
間処理して分散させた後、得られた塗布液を浸漬塗布法
により上記下引き層の上に塗布し、加熱処理することな
く乾燥させて、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成し
た。
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。 (感光体Aの製造)ホーニング処理された84mmφ×
340mmのアルミニウムドラム上に、ジルコニウムア
ルコキシド化合物(商品名:オルガチックスZC54
0、マツモト製薬社製)20重量部、γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン(商品名:A1100、日本ユニ
カー社製)2重量部及びポリビニルブチラール樹脂(エ
スレックBM−S、積水化学(株)製)1.5重量部
と、n−ブチルアルコール35重量部及びイソプロパノ
ール35重量部からなる溶液を浸漬塗布法にて塗布し、
次いで170℃において10分間加熱乾燥し、膜厚1.
0μmの下引き層を形成した。次に、クロロガリウムフ
タロシアニン微結晶4重量部を、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体(商品名:UCARソリューションビニル樹
脂VMCH、ユニオンカーバイド社製)2重量部、キシ
レン67重量部及び酢酸ブチル33重量部と混合し、1
mmφガラスビーズとともにサンドグラインダーで2時
間処理して分散させた後、得られた塗布液を浸漬塗布法
により上記下引き層の上に塗布し、加熱処理することな
く乾燥させて、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成し
た。
【0059】次に、下記一般式(4)に示される共重合
体(重量平均分子量40,000)10重量部をテトラ
ヒドロフラン90重量部に溶解させた溶液を上記電荷発
生層上に浸漬塗布法により塗布した後、115℃で10
分間加熱乾燥させて、膜厚1.5μmの不均一電荷輸送
層を形成した。このブロック共重合体中のトリアリール
アミン構造を持つ電荷輸送性ブロックとポリメチルメタ
クリレート(PMMA)からなる絶縁性ブロックの重量
組成比は、約56:44であった。
体(重量平均分子量40,000)10重量部をテトラ
ヒドロフラン90重量部に溶解させた溶液を上記電荷発
生層上に浸漬塗布法により塗布した後、115℃で10
分間加熱乾燥させて、膜厚1.5μmの不均一電荷輸送
層を形成した。このブロック共重合体中のトリアリール
アミン構造を持つ電荷輸送性ブロックとポリメチルメタ
クリレート(PMMA)からなる絶縁性ブロックの重量
組成比は、約56:44であった。
【0060】
【化8】
【0061】次に、電荷輸送性高分子である下記一般式
(5)で示される繰り返し構造単位よりなる化合物(重
量平均分子量100,000)15重量部をモノクロロ
ベンゼン85重量部に溶解した溶液を、浸漬塗布法にて
塗布した後、135℃で1時間加熱乾燥させて、膜厚1
5μmの均一電荷輸送層を形成することにより感光体A
を得た。
(5)で示される繰り返し構造単位よりなる化合物(重
量平均分子量100,000)15重量部をモノクロロ
ベンゼン85重量部に溶解した溶液を、浸漬塗布法にて
塗布した後、135℃で1時間加熱乾燥させて、膜厚1
5μmの均一電荷輸送層を形成することにより感光体A
を得た。
【0062】
【化9】
【0063】実施例1 上記で得られた感光体Aを、前記した図6に示す「A−
Color635、富士ゼロックス社製」を改造した画
像形成装置に装填し、画像評価を行った。図6において
は、符号1は前記の電子写真感光体を形成する感光体ド
ラムであり、この感光体ドラムの周辺に、電子写真感光
体を帯電させるための静電潜像形成用帯電器2、露光用
レーザー21、回転現像器3、転写ドラム4、転写用帯
電器4b、スコロトロンからなる帯除電部材5、クリー
ニングブレード6と、前露光用光源(LED:600n
m)7とが配置されている。ここでの画像の形成は、感
光体の表面電位を静電潜像形成用帯電器により−650
Vになるように調整し、画像部の現像位置における電位
を−150Vになるようにレーザー光量を設定した。A
−Color635のプロセススピードは160mm/
secであり、現像は黒の単色で行った。帯除電後にお
ける感光体の表面電位は、クリーナーの位置に電位計を
取り付け測定を行った。その画像形成の実験条件、得ら
れた画質の評価及び表面電位差を表1に示す。
Color635、富士ゼロックス社製」を改造した画
像形成装置に装填し、画像評価を行った。図6において
は、符号1は前記の電子写真感光体を形成する感光体ド
ラムであり、この感光体ドラムの周辺に、電子写真感光
体を帯電させるための静電潜像形成用帯電器2、露光用
レーザー21、回転現像器3、転写ドラム4、転写用帯
電器4b、スコロトロンからなる帯除電部材5、クリー
ニングブレード6と、前露光用光源(LED:600n
m)7とが配置されている。ここでの画像の形成は、感
光体の表面電位を静電潜像形成用帯電器により−650
Vになるように調整し、画像部の現像位置における電位
を−150Vになるようにレーザー光量を設定した。A
−Color635のプロセススピードは160mm/
secであり、現像は黒の単色で行った。帯除電後にお
ける感光体の表面電位は、クリーナーの位置に電位計を
取り付け測定を行った。その画像形成の実験条件、得ら
れた画質の評価及び表面電位差を表1に示す。
【0064】実施例2〜4 実施例1において、実験条件を表1中に開示した条件と
したこと以外は、それぞれ実施例1と全く同様にして画
像形成を行い、測定した。得られた結果を表1に示す。 比較例1 実施例1において、スコロトロンからなる帯除電部材5
を設けなかったこと以外は、実施例1と全く同様にして
画像形成を行い、測定した。得られた結果を表1に示
す。
したこと以外は、それぞれ実施例1と全く同様にして画
像形成を行い、測定した。得られた結果を表1に示す。 比較例1 実施例1において、スコロトロンからなる帯除電部材5
を設けなかったこと以外は、実施例1と全く同様にして
画像形成を行い、測定した。得られた結果を表1に示
す。
【0065】
【表1】 上記で得られた画像を目視により観察したところ、実施
例1、2、4では表面電位差の低下により、前サイクル
の画像パターンは次サイクルの領域では画像濃度は殆ど
確認されなかった。また、実施例3では表面電位の低減
能力が実施例1、2、4に比較して充分でないため、前
サイクルの画像パターンが次サイクル領域で濃淡のパタ
ーンで確認されたが、比較例1のものと比べると濃淡の
割合は少かった。これに対して、比較例1では前サイク
ルの画像パターンが次サイクルの領域では濃淡パターン
がはっきりと確認された。
例1、2、4では表面電位差の低下により、前サイクル
の画像パターンは次サイクルの領域では画像濃度は殆ど
確認されなかった。また、実施例3では表面電位の低減
能力が実施例1、2、4に比較して充分でないため、前
サイクルの画像パターンが次サイクル領域で濃淡のパタ
ーンで確認されたが、比較例1のものと比べると濃淡の
割合は少かった。これに対して、比較例1では前サイク
ルの画像パターンが次サイクルの領域では濃淡パターン
がはっきりと確認された。
【0066】実施例5〜8 図6に示す「A−Color635、富士ゼロックス社
製」を改造された画像形成装置の帯除電部材5として、
実施例1のスコロトロンを15mmφの導電性ローラー
に代えたこと以外は、実施例1と全く同様にして画像形
成を行った。その画像形成の実験条件及び得られた画質
の評価を、それぞれ表2に示す。
製」を改造された画像形成装置の帯除電部材5として、
実施例1のスコロトロンを15mmφの導電性ローラー
に代えたこと以外は、実施例1と全く同様にして画像形
成を行った。その画像形成の実験条件及び得られた画質
の評価を、それぞれ表2に示す。
【0067】
【表2】 上記で得られた画像を目視により観察したところ、実施
例5〜8では、前サイクルの画像パターンは次サイクル
の領域では確認されなかった。ただし、実施例7では全
体の感度が向上したことから、全体の濃度が低下し、繰
り返しにより濃度が一定しなかった。
例5〜8では、前サイクルの画像パターンは次サイクル
の領域では確認されなかった。ただし、実施例7では全
体の感度が向上したことから、全体の濃度が低下し、繰
り返しにより濃度が一定しなかった。
【0068】実施例9 前記感光体Aを、市販の負帯電反転現像方式のレーザー
プリンター(A−Color930、富士ゼロックス社
製)を改造した画像形成装置に用い、画像評価を行っ
た。その模式的構成を図7に示す。この画像形成プロセ
スについて簡単に説明すると、感光体1が回転を開始
し、帯電装置2により感光体が−650Vに帯電され
る。次に露光装置により画像信号に応じたレーザー21
を照射し、感光体1上に静電潜像を形成する。次に、現
像装置3により感光体の静電潜像に応じてトナーが飛翔
する。感光体上に得られたトナー像は転写装置4により
用紙19に転写された後、記録紙は感光体から剥離す
る。剥離した記録紙上の未定着トナー像は定着装置より
定着され、所定のプリント画像が得られる。また、転写
装置を通過した感光体及び感光体上に残留したトナー
は、帯除電部材5として設けた光照射手段を有するコロ
ナ帯電器により除電されクリーニングブレード6により
残留トナーは除去されて、次の画像形成プロセスに備え
て初期化される。
プリンター(A−Color930、富士ゼロックス社
製)を改造した画像形成装置に用い、画像評価を行っ
た。その模式的構成を図7に示す。この画像形成プロセ
スについて簡単に説明すると、感光体1が回転を開始
し、帯電装置2により感光体が−650Vに帯電され
る。次に露光装置により画像信号に応じたレーザー21
を照射し、感光体1上に静電潜像を形成する。次に、現
像装置3により感光体の静電潜像に応じてトナーが飛翔
する。感光体上に得られたトナー像は転写装置4により
用紙19に転写された後、記録紙は感光体から剥離す
る。剥離した記録紙上の未定着トナー像は定着装置より
定着され、所定のプリント画像が得られる。また、転写
装置を通過した感光体及び感光体上に残留したトナー
は、帯除電部材5として設けた光照射手段を有するコロ
ナ帯電器により除電されクリーニングブレード6により
残留トナーは除去されて、次の画像形成プロセスに備え
て初期化される。
【0069】ここで用いた光照射手段を有するコロナ帯
電器は、その帯電器の後方側(感光体とは反対方向)は
780nmの波長域に透明な導電性ガラス(ITO)か
らなり、この後方側に配置された露光装置(波長780
nm,LED)により感光体に光照射されるようになっ
ている。
電器は、その帯電器の後方側(感光体とは反対方向)は
780nmの波長域に透明な導電性ガラス(ITO)か
らなり、この後方側に配置された露光装置(波長780
nm,LED)により感光体に光照射されるようになっ
ている。
【0070】この装置の条件として、光照射しながらワ
イヤーにVDC=4.1kV、50μAの正の直流電流を
印加して、画像評価を行った。画像評価はテストパター
ンを用い、前サイクルで露光有り露光無しが次のサイク
ルの画像に影響が現れるか否かについて、1枚毎及び1
00枚の連続走行により画質評価し、その結果を表3に
示す。また、露光有りと露光無しの画像濃度の差は見ら
れなかった。
イヤーにVDC=4.1kV、50μAの正の直流電流を
印加して、画像評価を行った。画像評価はテストパター
ンを用い、前サイクルで露光有り露光無しが次のサイク
ルの画像に影響が現れるか否かについて、1枚毎及び1
00枚の連続走行により画質評価し、その結果を表3に
示す。また、露光有りと露光無しの画像濃度の差は見ら
れなかった。
【0071】比較例2 実施例9において、照射手段を有するコロナ帯電器を動
作させなかったこと以外は、実施例9と同様の操作で画
質を評価した。その結果を表3に示す。
作させなかったこと以外は、実施例9と同様の操作で画
質を評価した。その結果を表3に示す。
【0072】実施例10 光照射手段を有するコロナ帯電器の条件として、光照射
しながらワイヤーに周波数=600Hz,Vp-p =4k
V,VDC=0Vの交流電圧を印加したこと以外は、実施
例9と同様の操作で画質と表面電位を評価した。画質評
価の結果を表3に示す。露光有りと露光無しの画像濃度
の差は見られず、長期に亘って画像濃度は安定であっ
た。
しながらワイヤーに周波数=600Hz,Vp-p =4k
V,VDC=0Vの交流電圧を印加したこと以外は、実施
例9と同様の操作で画質と表面電位を評価した。画質評
価の結果を表3に示す。露光有りと露光無しの画像濃度
の差は見られず、長期に亘って画像濃度は安定であっ
た。
【0073】
【表3】 上記で得られた画像を目視により観察したところ、実施
例9及び10では前サイクルの画像パターンは次サイク
ルの領域では観察されなかった。これに対して、比較例
2では前サイクルの画像パターンが次サイクルの領域で
濃淡パターンとして確認された。
例9及び10では前サイクルの画像パターンは次サイク
ルの領域では観察されなかった。これに対して、比較例
2では前サイクルの画像パターンが次サイクルの領域で
濃淡パターンとして確認された。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
一様帯電された表面電位の50%電位減衰に要する露光
量が10%電位減衰に要する露光量の5倍未満であるこ
とを特徴とする感光体を用い、電子写真方式にて画像を
形成する画像形成装置において、転写工程後において履
歴により画像部と非画像部の間に生じる残留表面電位の
差を低減する手段を設けたから、繰り返し使用による画
像欠陥の発生を防止できるとともに、画像品質及び信頼
性の高い画像を長期に亘り形成できるという優れた効果
が得られる。
一様帯電された表面電位の50%電位減衰に要する露光
量が10%電位減衰に要する露光量の5倍未満であるこ
とを特徴とする感光体を用い、電子写真方式にて画像を
形成する画像形成装置において、転写工程後において履
歴により画像部と非画像部の間に生じる残留表面電位の
差を低減する手段を設けたから、繰り返し使用による画
像欠陥の発生を防止できるとともに、画像品質及び信頼
性の高い画像を長期に亘り形成できるという優れた効果
が得られる。
【図1】 J字型電子写真感光体における露光量と表面
電位の関係を示すグラフである。
電位の関係を示すグラフである。
【図2】 S字型電子写真感光体における露光量と表面
電位の関係を示すグラフである。
電位の関係を示すグラフである。
【図3】 本発明に用いられる電子写真感光体の層構成
の一例を示す断面図である。
の一例を示す断面図である。
【図4】 本発明に用いられる電子写真感光体の層構成
の他の一例を示す断面図である。
の他の一例を示す断面図である。
【図5】 本発明の画像形成装置の一例を示す模式的構
成図である。
成図である。
【図6】 本発明の実施例に用いたカラー画像形成装置
の概略構成図である。
の概略構成図である。
【図7】 本発明の実施例に用いた他のカラー画像形成
装置の模式的構成図である。
装置の模式的構成図である。
I…導電性基体、II…電荷発生層、III …不均一電荷輸
送層、IV…均一電荷輸送層、1…電子写真感光体、2…
帯電装置、3…現像器、4…転写装置、5…帯除電部
材、6…クリーニングブレード、7…前露光用光源、8
…定着器、9…用紙搬送路、10…結像光学系、19…
用紙、20…露光用レーザー走査部、21…露光用レー
ザー。
送層、IV…均一電荷輸送層、1…電子写真感光体、2…
帯電装置、3…現像器、4…転写装置、5…帯除電部
材、6…クリーニングブレード、7…前露光用光源、8
…定着器、9…用紙搬送路、10…結像光学系、19…
用紙、20…露光用レーザー走査部、21…露光用レー
ザー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 康浩 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 東 武敏 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 2H003 BB11 BB14 CC01 DD01 DD03 EE03 EE12
Claims (12)
- 【請求項1】 一様に帯電された表面電位を50%電位
減衰に要する露光量が、10%電位減衰に要する露光量
の5倍未満である電子写真感光体を設け、その感光体の
周囲に、帯電、露光、現像及び転写工程の各工程を順次
設けた電子写真方式により複写画像を形成する画像形成
装置において、前記転写工程後に、履歴により感光体表
面の画像部と非画像部との間に生じる残留表面電位差を
低減する手段として、任意のスクリーン電圧を印加でき
るようにグリッド電極を制御可能なスコロトロンを有す
る帯除電工程を設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 【請求項2】 帯除電工程が、感光体帯電時の電位以下
のスクリーン電圧を印加するグリッド電極を持つスコロ
トロンであることを特徴とする請求項1に記載の画像形
成装置。 - 【請求項3】 一様に帯電された表面電位を50%電位
減衰に要する露光量が、10%電位減衰に要する露光量
の5倍未満である電子写真感光体を設け、その感光体の
周囲に、帯電、露光、現像及び転写工程の各工程を順次
設けて電子写真方式により複写画像を形成する画像形成
装置において、前記転写工程後に、履歴により感光体表
面の画像部と非画像部との間に生じる残留表面電位を、
残留する表面電位の大きい方と同じ極性であり同等以上
のスクリーン電圧を印加したスコロトロンにより帯除電
を行って、クリーニング後に除電光照射工程に入る時の
表面電位差を200V以下にすることを特徴とする画像
形成装置。 - 【請求項4】 一様に帯電された表面電位を50%電位
減衰に要する露光量が、10%電位減衰に要する露光量
の5倍未満である電子写真感光体を設け、その感光体の
周囲に、帯電、露光、現像及び転写工程の各工程を順次
設けた電子写真方式により複写画像を形成する画像形成
装置において、前記転写工程後に、履歴により感光体表
面の画像部と非画像部との間に生じる残留表面電位差を
低減する手段として、感光体に交流成分を含むバイアス
電圧を印加した帯電部材を当接させる帯除電工程を設け
たことを特徴とする画像形成装置。 - 【請求項5】 バイアス電圧が、帯電工程時に印加した
電圧以下であることを特徴とする請求項4に記載の画像
形成装置。 - 【請求項6】 一様に帯電された表面電位を50%電位
減衰に要する露光量が、10%電位減衰に要する露光量
の5倍未満である電子写真感光体を設け、その感光体の
周囲に、帯電、露光、現像及び転写工程の各工程を順次
設けた電子写真方式により複写画像を形成する画像形成
装置において、前記転写工程後に、履歴により感光体表
面の画像部と非画像部との間に生じる残留表面電位差を
低減する手段として、光照射手段を有するコロナ帯電器
からなる帯除電工程を設けたことを特徴とする画像形成
装置。 - 【請求項7】 コロナ帯電器は、直流又は交流の電圧を
印加してコロナ放電が行われるものであることを特徴と
する請求項6に記載の画像形成装置。 - 【請求項8】 コロナ帯電器は、少なくとも一部は光透
過性の部材からなり、光照射手段と感光体の間で感光体
に接触することなく近接配置されていることを特徴とす
る請求項6又は7に記載の画像形成装置。 - 【請求項9】 電子写真感光体が、導電性支持体上に電
荷発生層及び不均一電荷輸送層を備えてなり、その不均
一電荷輸送層は、少なくとも繰り返し単位中に電荷輸送
性ブロック及び絶縁性ブロックを有し、かつその両ブロ
ックが相分離状態にあるブロック共重合体又はグラフト
共重合体を含有するものであることを特徴とする請求項
1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 【請求項10】 絶縁性ブロックが、下記一般式(1)
で表されるビニル系モノマーの少なくとも1種を含むも
のであることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装
置。 【化1】 (式中、R1 〜R3 は、それぞれ独立に水素原子、ハロ
ゲン原子、置換若しくは未置換のアルキル基又は置換若
しくは未置換のアリール基を示し、R4 はハロゲン原
子、置換若しくは未置換のアルコキシ基、置換若しくは
未置換のアシル基、置換若しくは未置換のアシルオキシ
基又は置換若しくは未置換のアルコキシカルボニル基を
示す。) - 【請求項11】 電荷輸送性ブロックが、下記一般式
(2)又は下記一般式(3)で表される構造の少なくと
も1種を繰り返し単位として含むものであることを特徴
とする請求項9に記載の画像形成装置。 【化2】 (式中、Ar1 及びAr2 は、それぞれ独立に、置換若
しくは未置換のアリール基を示し、X1 は芳香族環構造
を有する2価の炭化水素基若しくはヘテロ原子含有炭化
水素基を示し、X2 及びX3 は、それぞれ独立に、置換
若しくは未置換のアリーレン基を示し、Lは枝別れして
いても或いは環構造を含んでいてもよい2価の炭化水素
基又はヘテロ原子含有炭化水素基を示し、mは0又は1
である。) 【化3】 (式中、Ar3 及びAr4 は、それぞれ独立に、置換若
しくは未置換のアリール基を示し、Yは芳香族環構造を
有する3価の炭化水素基若しくはヘテロ原子含有炭化水
素基を示す) - 【請求項12】 電子写真感光体が、均一電荷輸送層を
有するものであることを特徴とする請求項1〜11のい
ずれか1項に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10268066A JP2000098695A (ja) | 1998-09-22 | 1998-09-22 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10268066A JP2000098695A (ja) | 1998-09-22 | 1998-09-22 | 画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000098695A true JP2000098695A (ja) | 2000-04-07 |
Family
ID=17453422
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10268066A Pending JP2000098695A (ja) | 1998-09-22 | 1998-09-22 | 画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000098695A (ja) |
-
1998
- 1998-09-22 JP JP10268066A patent/JP2000098695A/ja active Pending
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