JPH10198056A - 電子写真感光体、及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、及び電子写真装置

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JPH10198056A
JPH10198056A JP35875796A JP35875796A JPH10198056A JP H10198056 A JPH10198056 A JP H10198056A JP 35875796 A JP35875796 A JP 35875796A JP 35875796 A JP35875796 A JP 35875796A JP H10198056 A JPH10198056 A JP H10198056A
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Japan
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charge
layer
charge transporting
polymer particles
electrophotographic
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JP35875796A
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English (en)
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Taketoshi Hoshizaki
武敏 星崎
Yasuhiro Yamaguchi
康浩 山口
Masakazu Iijima
正和 飯島
Takeshi Agata
岳 阿形
Yasuo Sakaguchi
泰生 坂口
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少なくとも導電性基体上に電荷発生層と電荷
輸送層とを設けた電子写真感光体において、電子写真特
性に優れた高性能なS字型感光体、及びかかるS字型感
光体を利用したデジタル式電子写真装置を提供するこ
と。 【解決手段】 少なくとも導電性基体5上に電荷発生層
3と電荷輸送層とを設けた電子写真感光体において、該
電荷輸送層が電気的不活性マトリックス2中に電荷輸送
性ポリマー粒子1を含有する不均一電荷輸送層7を有す
ることを特徴とする電子写真感光体、及びそれを用いた
電子写真装置であり、好ましくは前記電荷輸送性ポリマ
ー粒子が架橋された電荷輸送性ポリマーを含有するもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性基体、電荷
発生層、及び電荷輸送層を含む電子写真用感光体に関
し、特にデジタル電子写真法に好適な電子写真用感光体
に関する。また、本発明は、これら電子写真感光体を用
いた電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真技術は、高速、高印字品
質が得られる等の利点を有するために、複写機、プリン
ター、ファクシミリ等の分野において、中心的役割を果
たしている。電子写真技術において用いられる電子写真
感光体としては、従来からセレン、セレン−テルル合
金、セレン−ヒ素合金等の無機光導電性材料を用いたも
のが広く知られている。一方、これらの無機系感光体に
比べ、コスト、製造性、廃棄性等の点で優れた利点を有
する有機光導電性材料を用いた電子写真感光体の研究も
活発化し、現在では無機系感光体を凌駕するに至ってい
る。特に、光電導の素過程である光電荷発生と電荷輸送
をそれぞれ別々の層に担わせる機能分離型積層構成のも
のが開発されたことにより、材料選択の自由度が増し、
著しい性能の向上を遂げ、現在ではこの機能分離積層型
の有機感光体が電子写真感光体の主流となっている。機
能分離積層型有機感光体用の電荷発生層としては、キノ
ン系顔料、ぺリレン系顔料、アゾ系顔料、フタロシアニ
ン系顔料、セレン等の電荷発生能を有する顔料を蒸着等
により直接成膜したもの、あるいは高濃度で結着樹脂中
に分散したものが実用されている。一方、電荷輸送層と
しては、ヒドラゾン系化合物、ベンジジン系化合物、ア
ミン系化合物、スチルベン系化合物等の電荷輸送能を有
する低分子化合物を絶縁性樹脂中に分子分散したものが
用いられている。
【0003】ところで、従来、光学的に原稿を感光体上
に結像させて露光するアナログ方式の電子写真式複写機
に用いる感光体としては、濃度階調による中間調の再現
性を良好にするために、図1に示すような光誘起電位減
衰特性を持つ感光体、すなわち、露光量に対し比例的に
電位減衰を起こす感光体(以下、「J字型感光体」とい
い、このような性質を「J字型」という。)が要求され
る。上記の無機系感光体、機能分離型の積層型有機感光
体は全てこの範疇に入る光誘起電位減衰特性を示す。し
かしながら、近年の高画質化、高付加価値化、ネットワ
ーク化等の要請に伴い盛んに研究開発が行われているデ
ジタル方式の電子写真装置では、一般にドット等の面積
率で階調を出す面積階調方式を採用するため、むしろ図
2に示すような、ある露光量に達するまでは電位減衰せ
ず、その露光量を越えると急峻な電位減衰が起こる、い
わゆるS字型の光誘起電位減衰特性を有する感光体(以
下、「S字型感光体」といい、このような性質を「S字
型」という。)を使用することが、画素の鮮鋭度が高め
られる等の点から望ましい。
【0004】S字型光誘起電位減衰特性は、ZnO等の
無機顔料あるいはフタロシアニン等の有機顔料を樹脂中
に粒子分散した単層型感光体において公知の現象である
{例えば、R.M.Schaffert:「Elect
rophotography」,Focal Pres
s,p.344(1975)、J.W.Weigl,
J.Mammino,G.L.Whittaker,
R.W.Radler,J.F.Byrne:「Cur
rent Problems in Electrop
hotography」,Walter de Gru
yter,p.287(1972)}。特に、現在多用
されている半導体レーザーの発信波長である近赤外域に
光感度を有するフタロシアニン系顔料を樹脂中に分散し
たレーザ露光用単層感光体が多数提案されている{例え
ば、グエン・チャン・ケー,相沢;日本化学会誌,p.
393(1986)、特開平1−169454号公報、
同2−207258、同3−31847、同5−313
387}。
【0005】しかしながら、これらの単層型感光体では
単一材料で電荷発生と電荷輸送の両機能を担う必要があ
るものの、両機能共に優れた性能を有する材料は稀有で
あり、実用に耐え得るものは未だ得られていない。特に
顔料粒子は、一般的に多くのトラップレベルを有するた
め、電荷輸送能が低かったり、電荷が残留する等の欠点
があり、電荷輸送を担わせるには不適当である。
【0006】唯一の例外的な実用例はZnO樹脂分散単
層感光体であり、ZnOの親水性を活かし、疎水性トナ
ー付着の有無による面積階調方式で版を形成するオフセ
ット印刷用マスター版として、活用されている{例え
ば、河村「電子写真技術の基礎と応用」,電子写真学会
編,コロナ社,p.424(1988)}。しかしなが
ら、これも高速性、耐刷性に対する要求の低いマスター
版として用いた故の成功例であり、本発明の利用分野で
ある複写機、プリンター等に用いる感光体としては実用
に耐えるレベルにはない。これらの観点から、S字型感
光体においても、材料選択の自由度を上げるため、ひい
ては総合的な感光体特性を向上させるために、機能分離
型の層構成の導入が望まれる。
【0007】この問題に対し、D.M.Pai等は、電
荷発生層と電荷輸送層からなる積層型感光体において、
電荷輸送層として少なくとも2つの電荷輸送領域および
1つの電気的不活性領域を含み、該電荷輸送領域が互い
に接触して回旋状電荷輸送路を形成してなる不均一電荷
輸送層を用いることにより、任意の電荷発生層との組合
せでS字型光誘起電位減衰特性が実現できることを報告
している{特開平6−83077号公報(米国特許第5
306586号明細書)}。この報告の中で、電荷輸送
領域が互いに接触して回旋状電荷輸送路を形成してなる
不均一電荷輸送層の製造方法として、重合体バインダー
中の電荷輸送分子の固溶体から電荷輸送層を製造し且つ
例えば、相の一方を結晶化させることによって製造する
方法、または、電荷輸送ブロックが、不輸送ブロックに
よって包囲されているブロック共重合体より製造する方
法、及び、電荷輸送が可能な無機または有機顔料または
微結晶が絶縁性重合体中に浸漬された不均一な電荷輸送
層を製造する方法が提案されている。
【0008】しかしながら、重合体バインダー中の電荷
輸送分子の固溶体から電荷輸送層を製造し且つ例えば、
相の一方を結晶化させることによって製造する方法で
は、上記条件を満たす化合物が稀であるため、実用に耐
えうる感光体を設計する上で大きな障害となっている。
また、電荷輸送ブロックが、不輸送ブロックによって包
囲されているブロック共重合体より製造する方法は上記
のような問題はないものの、このような共重合体は合成
及び精製が複雑であり、感光体のコストアップに繋がる
という欠点がある。さらに、電荷輸送が可能な無機また
は有機顔料が絶縁性重合体中に浸漬された不均一な電荷
輸送層を製造する方法では、一般的に電荷輸送が可能な
無機または有機顔料は多くのトラップレベルを有するた
め、電荷輸送能が低かったり、電荷が残留する等の欠点
がある。また、有機の微結晶は塗布液を調製する際、溶
剤に対し僅かでも溶解性があると結晶が成長し画質が悪
化してしまうため、有機の微結晶の溶剤に対する溶解性
から、溶剤が限定され、さらに、その溶剤に溶解する結
着樹脂を選ばなければならないことから、使用できる材
料の自由度が低く電子写真感光体の高性能化の妨げとな
っていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、従来
の技術における上記のような事情に鑑みなされたもので
あって、上記のような問題点を克服し得る新規なS字型
感光体構成を提供することを目的とするものである。す
なわち、本発明の目的は、少なくとも導電性基体上に電
荷発生層と電荷輸送層とを設けた電子写真感光体におい
て、電子写真特性に優れた高性能なS字型感光体を提供
することにある。また、本発明の他の目的は、かかるS
字型感光体を利用したデジタル式電子写真装置を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
により達成される。即ち、本発明は、少なくとも導電性
基体上に電荷発生層と電荷輸送層とを設けた電子写真感
光体において、該電荷輸送層が電気的不活性マトリック
ス中に電荷輸送性ポリマー粒子を含有する不均一電荷輸
送層を有することを特徴とする電子写真感光体、及びそ
れを用いた電子写真装置である。
【0011】電荷輸送性ポリマー粒子を不均一電荷輸送
層に用いれば、無機粒子や有機顔料などを用いる場合の
ような多くのトラップレベルを有することはなく、電荷
輸送能が低かったり、電荷が残留する等の欠点を解決で
きる。また、電荷輸送性ポリマー粒子はポリマー粒子で
あるため、塗布液の溶剤に対し僅かな溶解性があって
も、粒子が成長することはなく、画質の悪化がない。ま
た、架橋された電荷輸送性ポリマー粒子を使用すること
で、電荷輸送性ポリマー粒子の耐溶剤性が増し、塗布液
の溶剤が自由に選択でき、結着樹脂の選択に対する自由
度が増すことで、より高性能な電子写真感光体を提供す
ることが可能となる。さらに、上層を積層塗布する際に
電荷輸送性ポリマー粒子が溶解されにくくなる。さら
に、電気的不活性マトリックス中に電荷輸送性ポリマー
粒子を含有してなる不均一電荷輸送層と、電荷輸送性マ
トリックスよりなる層とがこの順序で積層されることに
より、電荷輸送性マトリックスよりなる層が最表層とな
るため、耐摩耗性、耐オゾン性、耐NOX 性などに優れ
た電子写真感光体を提供することができる。さらに、上
記電子写真感光体を、デジタル処理された画像信号にも
とづき露光を行う露光手段を有する電子写真装置に用い
ることにより、画質が良好で安定な電子写真装置を提供
することができる。
【0012】尚、ここで云う電気的不活性とはその輸送
エネルギーレベルが、主たる輸送電荷の輸送エネルギー
レベルから大きくかけ離れており、通常の電界強度で
は、実質的に輸送電荷が注入されることがなく、主たる
電荷にとって事実上の電気的絶縁状態にあることを意味
する。また、電気的不活性マトリックス中に電荷輸送性
ポリマー粒子を含有してなる不均一電荷輸送層において
は、電荷輸送性ポリマー粒子が互いに接触して電荷輸送
路を形成しているものと考えられる。なお、この場合の
「接触」とは電気的な接触を意味しており物理的に直接
接触している必要はなく、電荷輸送性ポリマー粒子間の
ギャップは、電荷がそのギャップを飛び越えることがで
き、且つそこでの捕獲が無視できるならばその存在は許
容される。
【0013】光誘起電位減衰曲線のS字型の尺度には、
例えば、帯電電位を50%減衰させるのに要する露光量
E50%と、10%減衰させるのに要する露光量E10
%との比E50%/E10%を用いることができる。理
想的なJ字型感光体で電位減衰が露光量に比例している
場合、E50%/E10%値は5となる。一般的なJ字
型感光体では、電界強度の低下に伴い、電荷発生効率お
よび/または電荷輸送能が低下し、E50%/E10%
は5を越える値を示す。一方、S字型の究極である、あ
る露光量までは全く電位減衰せず、その露光量で一気に
残留電位レベルまで電位減衰する階段状の光誘起電位減
衰曲線では、E50%/E10%値は1となる。したが
って、S字型とはE50%/E10%値が1以上5未満
の範囲内にあるものとして規定される。また、以下、電
気的不活性マトリックス中に電荷輸送性ポリマー粒子を
含有してなる不均一電荷輸送層を単に「不均一電荷輸送
層」と略記し、また電荷輸送性マトリックスよりなる電
荷輸送層を「均一電荷輸送層」と略記する。
【0014】上記本発明の電子写真感光体が、なぜS字
型光誘起電位減衰特性を発揮するかは必ずしも明らかで
はないが、S字型光誘起電位減衰特性を発揮するために
は、不均一電荷輸送層が関与している電荷を一時停止さ
せる機構と、その後その電荷を輸送する機構が必要とな
る。電荷を一時停止させる機構は電荷発生層より離れて
いるとその間の移動距離に比例して表面電位が減衰する
ため、電荷を一時停止させる機構、つまり、不均一電荷
輸送層は、電荷発生層と近接している方が良好なS字型
を示す。また、電荷を一時停止させたのちは不均一電荷
輸送層の必要はなく、むしろ、直線的に電荷の移動がで
きない不均一電荷輸送層より、スムーズな電荷の移動が
可能な均一電荷輸送層の方が、電荷輸送速度の点からも
有利であると考えられる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電子写真感光体を
構成する各層についてさらに詳しく説明する。図3〜図
6は、本発明の電子写真感光体表面の感光層の断面を示
す模式図である。図3においては、導電性支持体5上に
光電荷発生を担う電荷発生層3が設けられ、その上に電
気的不活性マトリックス2中に電荷輸送性ポリマー粒子
1を含有してなる不均一電荷輸送層7が設けられてい
る。図5においては、導電性支持体5上に光電荷発生を
担う電荷発生層3が設けられ、その上に電気的不活性マ
トリックス2中に電荷輸送性ポリマー粒子1を含有して
なる不均一電荷輸送層7が設けられ、さらにその上にス
ム−ズな電荷輸送を担う均一電荷輸送層8が設けられ、
これらによって電荷輸送層4が形成されている。図4お
よび図6においては、それぞれ図3および図5の構成の
電子写真感光体に、さらに導電性支持体5と電荷発生層
3の間に下引き層6が設けられている。
【0016】図7〜図10は、本発明の他の電子写真感
光体表面の感光層の断面を示す模式図である。図7にお
いては、導電性支持体5上に電気的不活性マトリックス
2中に電荷輸送性ポリマー粒子1を含有してなる不均一
電荷輸送層7が設けられ、その上に光電荷発生を担う電
荷発生層3が設けられている。図9においては、導電性
支持体5上に均一電荷輸送層8が設けられ、その上に電
気的不活性マトリックス2中に電荷輸送性ポリマー粒子
1を含有してなる不均一電荷輸送層7が設けられ、これ
らによって電荷輸送層4が形成され、さらにその上に電
荷発生層3が設けられている。図8および図10におい
ては、それぞれ図7および図9の構成の電子写真感光体
に、さらに導電性支持体5と不均一電荷輸送層7の間に
下引き層6が設けられている。これらの電子写真感光体
は、さらに所望により保護層および/または乱反射層等
を含むことができる。
【0017】前記のように、電荷発生層で発生した電荷
が不均一電荷輸送層で一時停止するまでの間の移動距離
が感光層の全膜厚に対して充分小さければ、その間の電
位減衰は無視できるものとなり、より理想的なS字型感
光体となる。つまり、電荷発生層とS字型化のための不
均一電荷輸送層は近接している方がより良いS字型性を
与える。ただし、電荷の注入や電荷の発生を助ける等の
目的のために電荷発生層と不均一電荷輸送層の間に中間
層を設けることもできる。また、不完全なS字型性を得
るために、電荷発生層と不均一電荷輸送層の間に均一電
荷輸送層を挿入することも可能である。
【0018】導電性支持体としては、不透明または実質
的に透明であるものを使用することができ、アルミニウ
ム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類、及
び、アルミニウム、チタン、ニッケル、クロム、ステン
レス、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、IT
O等の薄膜を設けたプラスチックフィルム、ガラス等、
あるいは導電性付与剤を塗布または含浸させた紙、プラ
スチックフィルムおよびガラス等が挙げられる。これら
の導電性支持体は、ドラム状、シート状、プレート状
等、適宜の形状のものとして使用されるが、これらに限
定されるものではない。さらに必要に応じて導電性支持
体の表面には、画質に影響のない範囲で各種の処理を行
うことができる。例えば、表面の酸化処理や薬品処理、
および、着色処理等、または、砂目立てなどの乱反射処
理等を行うことができる。
【0019】また、導電性支持体と光導電層の間に、一
層または複数層の下引き層を設けてもよい。この下引き
層は、感光層の帯電時において導電性支持体から感光層
への電荷の注入を阻止すると共に、感光層を導電性支持
体に対して一体的に接着保持せしめる接着層としての作
用、あるいは場合によっては導電性支持体からの光の反
射防止作用等を示す。上記下引き層としては、公知のも
のを用いることができ、例えば、ポリエチレン樹脂、ア
クリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビ
ニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩
化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹
脂、水溶性ポリエステル樹脂、アルコール可溶性ナイロ
ン樹脂、ニトロセルロース、カゼイン、ゼラチン、ポリ
グルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱
粉、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド等の樹脂およ
びこれらの共重合体、または、ジルコニウムアルコキシ
ド化合物、チタンアルコキシド化合物、シランカップリ
ング剤等の硬化性金属有機化合物を、単独または2種以
上混合して用いることができる。また、帯電極性と同極
性の電荷のみを輸送し得る材料も使用可能である。下引
き層は、上記の材料を溶剤に分散もしくは溶解し、該分
散液もしくは溶液を塗布し、乾燥・硬化することにより
得られる。また、下引き層の層厚は、0.01〜10μ
mが適当であり、好ましくは0.05〜5μmの範囲で
ある。塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワ
イヤーバーコーティング法、スプレーコティング法、浸
漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイ
フコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の
方法を用いることができる。
【0020】本発明の電子写真感光体での電荷発生層に
おける電荷発生材料としては、従来のJ字型積層感光体
に電荷発生層として用いられている公知のものを使用す
ることができる。例えば、非晶質セレン、セレン−テル
ル合金、セレン−ヒ素合金、その他セレン化合物および
セレン合金、酸化亜鉛、酸化チタン、a−Si、a−S
iC等の無機系光導電性材料、フタロシアニン系、スク
アリウム系、アントアントロン系、ペリレン系、アゾ
系、アントラキノン系、ピレン系、ピリリウム塩、チア
ピリリウム塩等の有機顔料および染料が使用できるが、
これらに限定されるものではない。また、これらの有機
顔料および染料は、単独あるいは2種以上混合して用い
ることができる。
【0021】フタロシアニン系化合物は、デジタル式の
電子写真装置に光源として現在好ましく使用されている
LEDおよびレーザーダイオードの発信波長である60
0〜850nmに優れた光感度を有するため、本発明の
電荷発生材料として特に好ましい。詳しくは、無金属フ
タロシアニン、金属フタロシアニン、および、それらの
ダイマ−であり、金属フタロシアニンの中心金属として
は、Cu、Ni、Zn、Co、Fe、V、Si、Al、
Sn、Ge、Ti、In、Ga、Mg、Pb等が挙げら
れ、またこれら中心金属の酸化物、水酸化物、ハロゲン
化物、アルキル化物、アルコキシ化物等も使用できる。
具体的には、無金属フタロシアニン、チタニルフタロシ
アニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガ
リウムフタロシアニン、1,2−ジ(オキソガリウムフ
タロシアニニル)エタン、バナジルフタロシアニン、ク
ロロインジウムフタロシアニン、ジクロロ錫フタロシア
ニン、銅フタロシアニンなどを挙げることができる。ま
た、これらのフタロシアニン環に任意の置換基を含むも
のも使用することができる。さらにまた、これらのフタ
ロシアニン環中の任意の炭素原子が窒素原子で置換され
たものも有効である。これらフタロシアニン系化合物の
形態としては、アルモルファスまたは公知の全ての結晶
形のものが使用可能である。これらフタロシアニン系化
合物は、単独でも2種以上を混合しても使用することも
可能である。
【0022】これ等フタロシアニン系化合物の中でも、
チタニルフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニ
ン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、1,2−ジ
(オキソガリウムフタロシアニニル)エタン、無金属フ
タロシアニン、バナジルフタロシアニン、およびジクロ
ロ錫フタロシアニンは、特に優れた光感度を有してお
り、電荷発生材料として特に好ましい。これ等のうち特
に好ましい結晶系は、無金属フタロシアニンにおいては
X型が、バナジルフタロシアニンにおいてはα型であ
る。チタニルフタロシアニン結晶においては、CuKα
を線源とするX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ
±0.2°)が、少なくとも9.2°、13.1°、2
0.7°、26.2°および27.1°に強い回折ピー
クを有するもの、少なくとも7.6°、12.3°、1
6.3°、25.3°および28.7°に強い回折ピー
クを有するもの、或いは、少なくとも9.5°、11.
7°、15.0°、23.5°および27.3°に強い
回折ピークを有する水和物のものを挙げることができ
る。クロロガリウムフタロシアニン結晶においては、C
uKαを線源とするX線回折スペクトルのブラッグ角度
(2θ±0.2°)が、少なくとも13.4°および2
7.0°に強い回折ピークを有するもの、或いは、少な
くとも7.4°、16.6°、25.5°および28.
3°に強い回折ピークを有するものを挙げることができ
る。ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶において
は、CuKαを線源とするX線回折スペクトルのブラッ
グ角度(2θ±0.2°)が、少なくとも7.5°、
9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、2
5.1°および28.3°に強い回折ピークを有するも
のを挙げることができる。1,2−ジ(オキソガリウム
フタロシアニニル)エタン結晶においては、CuKαを
線源とするX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±
0.2°)が、少なくとも6.9°、13.0°、1
5.9°、25.6°および26.1°に強い回折ピー
クを有するものを挙げることができる。ジクロロ錫フタ
ロシアニン結晶においては、CuKαを線源とするX線
回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が、
少なくとも8.3°、13.7°および28.3°に強
い回折ピークを有するもの、少なくとも8.5°、1
1.2°、14.5°および27.2°に強い回折ピー
クを有するもの、或いは、少なくとも9.2°、12.
2°、13.4°、14.6°、17.0°および2
5.3°に強い回折ピークを有するものを挙げることが
できる。
【0023】また、殆どのフタロシアニン系化合物が正
孔を主たる輸送電荷とするp型半導体の性質を有してい
るのに対し、ジクロロ錫フタロシアニンは電子を主たる
輸送電荷とするn型半導体である性質を有している。そ
のため、電荷発生材料としてジクロロ錫フタロシアニン
を含み、導電性基体上に電荷発生層と電荷輸送層を順次
積層してなるS字型感光体は、それを負帯電で使用した
場合、高感度で且つ導電性基材からの正電荷の注入が抑
えられ、暗減衰が小さく帯電性が高い良好な電子写真特
性を示す。
【0024】また、六方晶セレンも電荷発生効率に優れ
るため、電荷発生材料として好ましく使用できる。レー
ザー光のビーム径は発信波長が短くなるほど小径化でき
るため、更なる高画質化を目指し、露光用レーザーの短
波長化の検討がなされているが、六方晶セレンの感光域
は約680nm以下の短波長域を覆っているため、六方
晶セレンはこの範囲の短波長レーザー用の電荷発生材料
として特に好ましく用いることができる。
【0025】また電荷発生層は、前記電荷発生材料を真
空蒸着法で直接蒸着することにより、または、前記電荷
発生材料を結着樹脂中に分散または溶解することにより
作製できる。電荷発生層の層厚は一般的には、0.05
〜5μmが適当であり、好ましくは0.1〜2.0μm
の範囲に設定される。電荷発生層に用いる結着樹脂とし
ては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマー
ル樹脂、部分変性ポリビニルアセタール樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリ
塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテ
ート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、シリコン
樹脂、フェノール樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール
樹脂等が挙げられるがこれらに限定されるものではな
い。これらの結着樹脂はブロック、ランダムまたは交互
共重合体であることができる。また、これらの結着樹脂
は、単独あるいは2種以上混合して用いることができ
る。
【0026】電荷発生材料と結着樹脂との配合比(体積
比)は、10:1〜1:10の範囲が好ましい。より好
ましくは、3:1〜1:1の範囲に設定される。電荷発
生材料の結着樹脂に対する配合比が前記範囲より多い
と、暗減衰を増大し機械的特性を悪化させる。また、前
記範囲より少ないと光感度の低下、残留電位の増大等の
障害が起きる。電荷発生材料を結着樹脂中に分散または
溶解することにより電荷発生層を作製する場合には、前
記の電荷発生材料および結着樹脂を溶剤に分散・溶解
し、該混合液を塗布し、乾燥・硬化することにより得ら
れる。塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワ
イヤーバーコーティング法、スプレーコティング法、浸
漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイ
フコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の
方法を用いることができる。
【0027】電荷発生層と不均一電荷輸送層との間の中
間層は、電荷輸送性マトリックスより構成される。該中
間層は、従来のJ字型積層感光体に電荷輸送層として用
いられている公知のものを使用することができる。例え
ば、ベンジジン系化合物、アミン系化合物、ヒドラゾン
系化合物、スチルベン系化合物、カルバゾール系化合物
等のホール輸送性低分子化合物またはフルオレノン系化
合物、マロンニトリル系化合物、ジフェノキノン系化合
物等の電子輸送性低分子化合物を、単独でまたは2種以
上を混合して、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポ
リエステル、ポリスルホン、ポリメチルメタクリレート
等の絶縁性樹脂中に均一分子分散した固溶膜、あるい
は、それ自身電荷輸送能を有する高分子化合物等を用い
ることができる。また、セレン、アモルファスシリコ
ン、アモルファスシリコンカーバイト等の電荷輸送能を
有する無機物質を用いることもできる。電荷輸送性高分
子化合物としては、ポリビニカルバゾール等の電荷輸送
能を有する基を側鎖に含む高分子化合物、特開平5−2
32727号公報等に開示されているような電荷輸送能
を有する基を主鎖に含む高分子化合物、およびポリシラ
ン等を挙げることができる。
【0028】中間層は、電荷発生材料と不均一電荷輸送
層との直接の接触による暗減衰の増大、或いは、安定性
の低下を避け、帯電性の向上、安定性の向上等の効果が
ある。また、電荷発生層が、電荷輸送材料と接触してい
ることにより電荷発生効率が良くなる電荷発生材料を有
する場合には、高感度化できるという効果がある。さら
にまた、電荷発生層から不均一電荷輸送層への注入を助
けることにより、残留電位を下げることができるなどの
効果がある。中間層中に電荷輸送性マトリックスに囲ま
れるような電気的不活性な領域が存在してもよい。
【0029】本発明で用いる該中間層の層厚は0.1〜
10μm、好ましくは0.2〜5μmに設定される。上
記範囲より層厚が薄いと中間層としての効果が不十分で
あり、層厚が厚いと感光層全体としてのS字型性が低下
する傾向にある。中間層は、上記の材料を溶剤に分散も
しくは溶解し、該分散液もしくは溶液を塗布し、乾燥・
硬化することにより得られる。塗布方法としては、ブレ
ードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ス
プレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコ
ーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテン
コーティング法等の通常の方法を用いることができる。
また、気相成膜可能なものは、真空蒸着法等により直接
成膜することもできる。
【0030】不均一電荷輸送層は、電気的不活性マトリ
ックス中に電荷輸送性ポリマー粒子を含有する層であっ
て、絶縁性ポリマー、または、絶縁性マトリックスを形
成しうる化合物を含む液に電荷輸送性ポリマー粒子を分
散処理した塗布液、または、電荷輸送性ポリマー粒子が
分散されている液に絶縁性ポリマー、または、絶縁性マ
トリックスを形成しうる化合物を溶解した塗布液を塗
布、乾燥することにより製造できる。この際、塗布液の
溶剤には前記電荷輸送性ポリマー粒子を溶解しない、ま
たはほとんど溶解しない溶剤を選択しなければならな
い。電荷輸送性ポリマー粒子が架橋されている場合、電
荷輸送性ポリマー粒子の溶解性が下がり、溶剤の選択の
幅が広くなる。さらに、溶剤に溶解する絶縁性ポリマー
の選択の幅も同時に広がることとなり、感光体の高性能
化に有利である。
【0031】電荷輸送性ポリマー粒子は、電荷輸送性基
を導入した原材料を用い、公知のポリマー粒子を製造す
る方法を利用することで製造できる。ポリマー粒子を製
造する方法の具体例としては、粉砕法、乳化重合法、懸
濁重合法、段階重合法、分散重合法、乳化分散法などを
挙げることができるがこれらに限定されるものではな
い。粉砕法とは、ポリマーの塊、または、粒子径の大き
な粉を機械的な力で粉砕することによりポリマー粒子を
製造する方法である。乳化分散法は、ポリマーを有機溶
媒に溶かすか、加熱溶融し、分散媒中で乳化し、溶媒と
必要に応じ分散媒を除去してポリマー粒子を製造する方
法である。
【0032】電荷輸送性ポリマー粒子は分散媒中に分散
された状態、または、分散媒を除去して粉体の状態で得
ることもできる。例えば、電荷輸送性高分子化合物を油
性媒体に溶解し、これを水を主成分とする水性媒体に乳
化分散した後、有機溶媒を除去することにより体積平均
粒径0.01〜10μmまでの電荷輸送性ポリマー粒子
を得ることができる。得られた微粒子は、洗浄操作を行
った後、濾別して粒子単体として取り出して使用しても
良いし、溶媒置換を行った後に分散溶液状態で使用して
もよい。電荷輸送性高分子化合物を溶解する特定の有機
溶媒としては、例えば酢酸エチルなどの酢酸エステル
類、メチレンクロリド等のハロゲン化炭化水素類、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルイソブチ
ルケトンなどのケトン類など水性媒体に混和しないもの
が好ましい。
【0033】電荷輸送性高分子化合物油性層を乳化分散
するために水性媒体中に予め保護コロイドを含有させて
もよい。保護コロイドとしては、水溶性高分子が使用で
き、公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性
高分子の中から適宜選択することができるが、ポリビニ
ルアルコール、ゼラチンおよびセルロース系水溶性高分
子を含ませるのが特に好ましい。また、水性媒体には、
界面活性剤を含有させてもよい。界面活性剤としては、
アニオン性またはノニオン性の界面活性剤の中から、上
記保護コロイドと作用して沈殿や凝集を起こさないもの
を適宜選択して使用することができる。具体的には、ア
ルキルベンゼンスルホン酸ソーダ(例えば、ラウリルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム)、スルホコハク酸ジオク
チルナトリウム塩、ポリアルキレングリコール(例え
ば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)等を
挙げることができる。その使用量は所望する粒径を得る
ため適宜調整して用いることができるが、好ましくは水
性媒体中の0.01〜40重量%、より好ましくは0.
1〜20重量%であることが望ましい。
【0034】また、電荷輸送性ポリマー粒子を架橋し
て、不溶化させることもできる。電荷輸送性ポリマー粒
子は架橋されることで、溶剤に対して溶解しにくくな
り、塗布溶剤の選択の幅が広がるため、結着樹脂の選択
の幅が広がり、より、高性能な電子写真感光体を設計で
きる。
【0035】架橋された電荷輸送性ポリマー粒子は、以
下に説明する方法で作製できる。すなわち、電荷輸送性
を有する化合物および電荷輸送性を有する化合物と反応
するか、またはこれを被覆する化合物を特定の有機溶媒
中に溶解もしくは分散されたものを油性層とし、これら
を、前記の電荷輸送性を有する化合物と反応しうる化合
物、またはこれを被覆する化合物と、これらと必要に応
じてさらに反応しうる成分が含有された水性媒体中で乳
化分散し有機溶媒を除去することにより平均粒径0.0
1〜10μmまでの電荷輸送性ポリマー粒子を得ること
ができる。ここで電荷輸送性を有する化合物は正孔輸送
性、電子輸送性いずれのものでもよい。また、電荷輸送
性を有する化合物は、反応性基を有する高分子化合物で
あっても、反応性基を有する低分子化合物であっても良
い。得られた微粒子は、洗浄操作を行った後、濾別して
粒子単体として取り出して使用しても良いし、溶媒置換
を行った後に分散溶液状態で使用してもよい。
【0036】電荷輸送性ポリマー粒子に用いる電荷輸送
性高分子化合物としては、公知の電荷輸送性高分子化合
物を使用することができる。例えば、ポリビニカルバゾ
ール等の電荷輸送能を有する基を側鎖に含む高分子化合
物、特開平5−232727号公報等に開示されている
ような電荷輸送能を有する基を主鎖に含む高分子化合
物、およびポリシラン等を挙げることができる。電荷輸
送性ポリマー粒子は電荷輸送性高分子化合物を単独また
は2種以上を混合して使用することができる。2種以上
を混合する場合、混合物として粒子化されていても、単
独の粒子を混合してもよい。また、電荷輸送性ポリマー
粒子は、電荷輸送性低分子化合物または、電荷輸送性オ
リゴマーを、溶出により電気的不活性マトリックスの絶
縁性を損なわない範囲で含んでいても良い。電荷輸送性
ポリマー粒子として、下記一般式(1)〜(6)構造を
有する高分子化合物を含有する場合は、高い電荷輸送能
を有し、機械的特性にも優れているので特に好ましい。
【0037】
【化7】
【0038】(AもしくはBは 置換されていてもよい
1価または2価の脂肪族炭化水素基または 芳香族炭化
水素基を示し、かつAまたはBの少なくとも一方は下記
一般式(7)〜(15)を表し、pは5〜5000の整
数を表す。
【0039】
【化8】
【0040】ここで、一般式(7)〜(8)に記載され
るそれぞれのR1〜R4はそれぞれ独立に水素、アルキ
ル基、アルコキシ基、置換アミノ基、ハロゲン、置換あ
るいは、未置換のアリール基を示し、Xは置換あるい
は、未置換の2価のアリール基を示す。k,lはそれぞ
れ0あるいは1から選ばれる整数を示す。Tは炭素数1
〜10の枝分かれしてもよい2価のアルキル、アリル、
アルキルカルボニル、アリルカルボニル、アルキルアミ
ノ、アリルアミノ、水酸化アルキル、水酸化アリル基を
示す。Xで表す置換もしくは未置換の芳香族環を含む2
価の炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基とし
て、下記の基(1)〜(7)から選択されたものが挙げ
られる。フェニル基、置換または未置換のアラルキル
基、ハロゲンを表し、aは、0または 1を意味する。
Vは下記の基(8)〜(17)から選択されたものが挙
げられる。bは、1〜10の整数を意味し、cは、1〜
3の整数を意味する。)
【0041】
【化9】
【0042】
【化10】
【0043】
【化11】
【0044】
【化12】
【0045】表(1)に一般式(1)〜(6)に示す電
荷輸送性高分子の具体例を示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】電荷輸送性を有する反応性基を持つ低分子
化合物としては公知の化合物を使用できる。例えば、正
孔輸送性を有する反応性基を持つ低分子化合物として以
下のものを挙げることができる。
【0051】
【化13】
【0052】
【化14】
【0053】さらに、電子輸送性を有する反応性基を持
つ低分子化合物としては以下のものを挙げることができ
る。
【0054】
【化15】
【0055】また、本発明に記載の電荷輸送性を有する
化合物が反応する、または該電荷輸送性化合物を被覆す
る成分として、たとえばシリルイソシアネート化合物お
よび多価イソシアネート化合物、シランカップリング
剤、チタネートカップリング剤等を用いることができ
る。これらの含有量については、電荷輸送性化合物に対
して好ましくは0.1〜90重量%より好ましくは1〜
60重量%であることが望ましい。以下にこれらの例を
挙げる。
【0056】シリルイソシアネート化合物としては、下
記一般式(16)、(17)および(18)で示される
シリルイソシアネート誘導体およびその縮合物を挙げる
ことができる。 Rm R′k R″n Si(NCO)4-m-k-n 一般式(16) (RO)m (R′O)k (R″O)n Si(NCO)4-m-k-n 一般式(17) Rp (R′O)q Si(NCO)r 一般式(18) (ここで、R、R′およびR″は、それぞれアルキル
基、アリール基またはアルケニル基を示し、m、kおよ
びnは、それぞれ0乃至3の整数であって、m+k+n
≦3を満たし、p、qおよびrは、それぞれ1または2
の整数であって、p+q+r=4を満たす。)
【0057】これらシリルイソシアネート化合物の具体
例としては、(CH3 3 SiNCO、(C2 5 3
SiNCO、(C3 7 3 SiNCO、(C4 9
3 SiNCO、(CH3 )(C2 5 )(C3 7 )S
iNCO、(CH3 )(C25 2 SiNCO、(C
3 2 (C2 5 )SiNCO、(CH3 3 SiN
CO、(CH3 2 Si(NCO)2 、(C2 5 2
Si(NCO)2 、(C3 7 2 Si(NCO)2
(C4 9 2 Si(NCO)2 、CH3 Si(NC
O)3 、C2 5 Si(NCO)3 、C3 7 Si(N
CO)3 、C4 9 Si(NCO)3 、CH2 =CHS
i(NCO)3 、CH2 =C(CH3 )Si(NCO)
3 、(CH3 O)3 SiNCO、(C2 5 O)3 Si
NCO、(C3 7 O)3 SiNCO、(C4 9 O)
3 SiNCO、(C6 5 3 SiNCO等を挙げるこ
とができる。
【0058】また多価イソシアネート化合物を用いるこ
とが可能であり、具体的には例えば、m−フェニレンジ
イソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、
2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレン
ジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネ
ート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネー
ト、3,3′−ジメトキシ−4,4−ビフェニル−ジイ
ソシアネート、3,3′−ジメチルフェニルメタン−
4,4′−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジ
イソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソ
シアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソ
シアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シ
クロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘ
キシレン−1,4−ジイソシアネート等のジイソシアネ
ート、4,4′,4″−トリフェニルメタントリイソシ
アネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネート
のごときトリイソシアネート、4,4′−ジメチルジフ
ェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネ
ートのごときテトライソシアネート、ヘキサメチレンジ
イソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、
2,4−トリレンジイソシアネートとトリメチロールプ
ロパンの付加物、キシリレンジイソシアネートとトリメ
チロールプロパンの付加物、トリレンジイソシアネート
とヘキサントリオールの付加物のごときイソシアネート
プレポリマーが挙げられる。
【0059】さらにシランカップリング剤、チタネート
カップリング剤の具体例としては、例えばビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリス−
(β−メトキシエトキシ)ビニルシラン、ビニルトリア
セトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン、β−メルカプトエチルトリメトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、イソプロ
ピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルメタク
リルイソステアロイルチタネート等の公知の化合物が挙
げられる。
【0060】また、さらに電荷輸送性能を向上させるた
め、該電荷輸送性化合物と反応する成分、または、該電
荷輸送性化合物を被覆する成分に電荷輸送性を付与した
化合物を用いることができる。たとえば電荷輸送性を付
与したものとしては、下記一般式(19)で示される化
合物を挙げることができる。
【0061】
【化16】
【0062】上記式中、Ar1 〜Ar4 は置換或いは未
置換のアリール基を表し、Ar5 は置換或いは未置換の
2価のアリール基を表す。ただし、Ar1 〜Ar5 のう
ち少なくとも1つは、−CH2 CH2 −Y−SiR
1(3-a)(OR2 a で示される置換基を有する。ここで
1 は水素、炭素数1〜10のアルキル基、または、置
換或いは未置換のアリール基を表し、R2 は水素、炭素
数1〜4のアルキル基、または、トリアルキルシリル基
を表し、aは1〜3の整数を表し、Yは2価の基を表
し、kは0または1の整数を表す。
【0063】表(2)にその具体例を示す。
【0064】
【表5】
【0065】電荷輸送性ポリマー粒子を溶液中に分散す
る方法としては、混合撹拌する以外にも公知の分散法を
使用できる。例えば、サンドミル、ボールミル、ペイン
トシェーカー、ホモジナイザーなどを使用する方法や、
超音波を利用する方法などである。
【0066】不均一電荷輸送層中の電荷輸送性ポリマー
粒子の含有量は、5体積%〜70体積%が好ましい。よ
り好ましくは、10体積%〜60体積%であり、さらに
好ましくは20体積%〜50体積%である。上記範囲よ
り少ないと電荷輸送性ポリマー粒子の互いの電気的な接
触が悪くなり、電荷輸送能の低下、残留電位の上昇など
の障害が起きる。また、上記範囲より多いと電荷輸送性
ポリマー粒子の互いの電気的な接触が密となり、実質的
に均一なマトリックスとなり、S字型性が低下するとと
もに、粒子同士の接着性が不足し、機械的強度が低下す
る。不均一電荷輸送層中の電荷輸送性ポリマー粒子の粒
子径は、体積平均粒子径で10μm以下が好ましい。よ
り好ましくは0.05〜5μmである。上記範囲より粒
子径が大きくなると感光体の表面が粗くなり、光の散
乱、回折などにより画像の鮮鋭さなどが悪化するととも
に、S字型性が低下する。
【0067】電子写真装置中で発生するオゾンや酸化性
ガス、あるいは、光、熱による感光体の劣化を防止する
目的で、電荷輸送性ポリマー粒子中に酸化防止剤、光安
定剤、熱安定剤等を添加することができる。酸化防止剤
としては、公知のものを用いることができ、例えば、ヒ
ンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレ
ンジアミン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロ
インダノンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有
機燐化合物等が挙げられる。光安定剤としては、公知の
ものを用いることができ、例えば、ベンゾフェノン、ベ
ンゾトリアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチル
ピペリジン等の誘導体、および、光励起状態をエネルギ
ー移動あるいは電荷移動により失活し得る電子吸引性化
合物または電子供与性化合物等が挙げられる。熱安定剤
としては、公知のものを用いることができ、例えば、有
機酸、無機酸の金属塩、エポキシ化合物、有機亜リン酸
エステル、金属石けん、リン酸塩、有機スズ等が挙げら
れる。
【0068】不均一電荷輸送層の電気的不活性マトリッ
クスを形成する絶縁性高分子化合物としては、公知の絶
縁性高分子化合物を使用することができる。例えば、ポ
リビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、
部分変性ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニ
ル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹
脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、シリコン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。こ
れらの絶縁性高分子化合物はブロック、ランダムまたは
交互共重合体であることができる。また、これらの絶縁
性高分子化合物は、単独あるいは2種以上混合して用い
ることができる。また、これらの絶縁性高分子化合物と
なる結着樹脂の体積抵抗率は、1013Ω・cm以上が好
ましく、より好ましくは1014Ω・cm以上である。体
積抵抗率がこの値より低いと、絶縁性高分子化合物の電
気的絶縁性が損なわれ、S字型性が失われる傾向にあ
る。また、本発明で用いる不均一電荷輸送層の層厚は
0.1〜50μmが適当であり、好ましくは0.2〜1
5μm、さらに好ましくは0.5〜5μmの範囲に設定
される。上記範囲より薄いとS字型性が失われる傾向に
ある。層厚の上限に関しては、用いる不均一電荷輸送層
の電荷輸送能により制限され、応答速度、残留電位等が
許容される範囲内で設定される。
【0069】また、不均一電荷輸送層中に、主たる輸送
電荷と逆極性の電荷のみを輸送し得る化合物を添加する
ことにより、残留電位の低下、繰り返し安定性の向上等
の効果を得ることもでき、電気的不活性マトリックス中
に含まれていることが好ましい。不均一電荷輸送層は、
上記の材料を溶剤に分散もしくは溶解し、該分散液もし
くは溶液を塗布し、乾燥・硬化することにより得られ
る。塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイ
ヤーバーコーティング法、スプレーコティング法、浸漬
コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフ
コーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方
法を用いることができる。
【0070】均一電荷輸送層、すなわち電荷輸送性マト
リックスよりなる層としては、従来のJ字型積層感光体
に電荷輸送層として用いられている公知のものを使用す
ることができる。例えば、ベンジジン系化合物、アミン
系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、
カルバゾール系化合物等のホール輸送性低分子化合物ま
たはフルオレノン系化合物、マロンニトリル系化合物、
ジフェノキノン系化合物等の電子輸送性低分子化合物
を、単独でまたは2種以上を混合して、ポリカーボネー
ト、ポリアリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポ
リメチルメタクリレート等の絶縁性樹脂中に均一分子分
散した固溶膜、あるいは、それ自身電荷輸送能を有する
高分子化合物等を用いることができる。また、セレン、
アモルファスシリコン、アモルファスシリコンカーバイ
ト等の電荷輸送能を有する無機物質を用いることもでき
る。電荷輸送性高分子化合物としては、ポリビニカルバ
ゾール等の電荷輸送能を有する基を側鎖に含む高分子化
合物、特開平5−232727号公報等に開示されてい
るような電荷輸送能を有する基を主鎖に含む高分子化合
物、およびポリシラン等を挙げることができる。
【0071】本発明における均一電荷輸送層としては、
特に製造上、電荷輸送性高分子化合物を用いることが好
ましい。すなわち、不均一電荷輸送層と均一電荷輸送層
を積層成膜する場合、均一電荷輸送層に電荷輸送性低分
子化合物を用いると、電荷輸送性低分子化合物が不均一
電荷輸送層に混入してしまい、不均一電荷輸送層の電気
的不活性マトリックスの主たる電荷に対する絶縁性が低
下することによりS字型性が損なわれたり、あるいは混
入分子が電荷トラップとなり残留電位の増大、輸送能の
低下及び光感度の低下等の障害が発生する。この問題は
特に、湿式塗布法により、各層を成膜する場合に顕著に
なる。もちろん、これらの問題は、上層の塗布溶剤とし
て下層を溶解および膨潤し難いものを選択するか、また
は、電気的不活性マトリックスとして電荷輸送性低分子
化合物と相溶性の無いものを選択する等により、回避す
ることが可能である。ところが、高分子同士は相溶する
ことなく相分離を起こすことが一般的であることが知ら
れており、均一電荷輸送層として、電荷輸送性高分子化
合物を用いた場合、不均一電荷輸送層の電気的不活性マ
トリックス樹脂と相溶することなく相分離するため、上
記のような混入の問題は殆ど発生せず、材料および製造
法の選択に当たっての制約が解消されるという利点を有
する。また、上記理由により、電荷輸送性高分子よりな
る均一電荷輸送層の場合には、層中に分子量1000以
下の電荷輸送性化合物が5%以上含まれないことが望ま
しい。
【0072】さらに均一電荷輸送層の電荷輸送性高分子
化合物として、前記一般式(1)〜(6)で示される電
荷輸送性高分子化合物の場合は、高い電荷輸送能を有
し、機械的特性にも優れているので特に好ましい。
【0073】この均一電荷輸送層中に電荷輸送性マトリ
ックスに囲まれるような電気的不活性な領域が存在して
もよい。例えば表面摩擦の低減、磨耗の低減、または表
面付着物の低減等を目的に絶縁性粒子等を含有させるこ
とができる。また、均一電荷輸送層は輸送能の向上など
のため、電荷輸送性微粒子等を含むことができる。本発
明で用いる均一電荷輸送層の層厚は1〜50μm、好ま
しくは5〜30μmに設定される。均一電荷輸送層は、
上記の材料を溶剤に分散もしくは溶解し、該分散液もし
くは溶液を塗布し、乾燥・硬化することにより得られ
る。塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイ
ヤーバーコーティング法、スプレーコティング法、浸漬
コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフ
コーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方
法を用いることができる。また、気相成膜可能なもの
は、真空蒸着法等により直接成膜することもできる。本
発明において、電荷輸送層全体の厚みは一般的には、5
〜100μmが適当であり、好ましくは10〜50μm
の範囲に設定される。
【0074】電荷発生層と電荷輸送層よりなる光導電層
の上には、さらに必要に応じて保護層を設けてもよい。
この保護層は、帯電部材から発生するオゾンや酸化性ガ
ス等、および紫外光等の化学的ストレス、あるいは、現
像剤、紙、クリーニング部材等との接触に起因する機械
的ストレスから光導電層を保護し、光導電層の実質の寿
命を改善するために有効である。特に、薄層の電荷発生
層を上層に用いる層構成において、効果が顕著である。
【0075】保護層は、導電性材料を適当な結着樹脂中
に含有させて形成される。導電性材料としては、ジメチ
ルフェロセン等のメタロセン化合物、酸化アンチモン、
酸化スズ、酸化チタン、酸化インジウム、ITO等の金
属酸化物等の材料を用いることができるが、これらに限
定されるものではない。結着樹脂としては、ポリアミ
ド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、
ポリスチレン、ポリアクリルアミド、シリコーン樹脂、
メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の公知
の樹脂を用いることができる。また、アモルファスカー
ボン等の導電性無機膜も保護層として用いることができ
る。保護層の電気抵抗は109 〜1014Ω・cmの範囲
が好ましい。電気抵抗がこの範囲を超えると残留電位が
増加し、他方、この範囲未満であると層面方向での電荷
漏洩が無視できなくなり、解像力の低下が生じてしま
う。保護層の層厚は0.5〜20μmが適当であり、好
ましくは1〜10μmの範囲に設定される。また、保護
層を設けた場合、必要に応じて、感光層と保護層との間
に、保護層から感光層への電荷の漏洩を阻止するブロッ
キング層を設けることができる。このブロッキング層と
しては、保護層の場合と同様に公知のものを用いること
ができる。
【0076】本発明の電子写真感光体においては、電子
写真装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは、
光、熱による感光体の劣化を防止する目的で、各層また
は最上層中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等を添加
することができる。酸化防止剤としては、公知のものを
用いることができ、例えば、ヒンダードフェノール、ヒ
ンダードアミン、パラフェニレンジアミン、ハイドロキ
ノン、スピロクロマン、スピロインダノンおよびそれら
の誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等が挙げられ
る。光安定剤としては、公知のものを用いることがで
き、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジ
チオカルバメート、テトラメチルピペリジン等の誘導
体、および、光励起状態をエネルギー移動あるいは電荷
移動により失活し得る電子吸引性化合物または電子供与
性化合物等が挙げられる。熱安定剤としては、公知のも
のを用いることができ、例えば、有機酸、無機酸の金属
塩、エポキシ化合物、有機亜リン酸エステル、金属石け
ん、リン酸塩、有機スズ等が挙げられる。
【0077】さらに、表面磨耗の低減、転写性の向上、
クリーニング性の向上等を目的として、最表面層にフッ
素樹脂等の絶縁性粒子を分散させてもよい。本発明の電
子写真感光体を搭載する電子写真装置としては、電子写
真法を用いるものであれば如何なるものでも構わない
が、特にデジタル処理された画像信号に基づき露光を行
う電子写真装置が好ましい。デジタル処理された画像信
号に基づき露光を行う電子写真装置とは、レーザーまた
はLED等の光源を用い、2値化またはパルス幅変調や
強度変調を行い多値化された光により露光する電子写真
装置であり、例としてLEDプリンター、レーザープリ
ンター、レーザー露光式デジタル複写機などを挙げるこ
とができる。S字型感光体のE50%/E10%値は5
未満の値である。好ましいデジタル特性を発揮するに
は、E50%/E10%値が3未満の値であることが好
ましい。より好ましくは2未満の値である。
【0078】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。しかしながら、本発明は以下の実施例に限定され
るものではなく、当業者は電子写真技術の公知の知見か
ら、以下の実施例に変更を加えることが可能である。 電荷輸送性ポリマー粒子の調製例
【0079】[調製例1]電荷輸送性高分子化合物とし
て、表1に記載のポリエステル樹脂(高分子化合物1)
20gをトルエン150gに溶解し、電荷輸送性高分子
化合物と反応しうる化合物としてトリメチロールプロパ
ンキシリレンジイソシアネート3モル付加物(商品名:
タケネートD110N,武田薬品工業製)3.0gを加
え、油性層混合液を作製する。得られた油性層混合液
を、水性媒体としてポリビニルアルコール1.0%水溶
液1.0kgを用いて8000rpmの回転数にて乳化
分散を行った後、60℃の恒温槽にて3時間常圧にてト
ルエンを除去し,蒸留水で洗浄後凍結乾燥を行い、平均
粒径0.2μmの架橋された電荷輸送性ポリマー粒子を
20g得た。この電荷輸送性ポリマー粒子の有機溶媒に
対する溶解性を調べたところエステル系、アミド系、ハ
ロゲン系、スルホキサイド系などの溶媒に対して不溶で
あることが確認できた。
【0080】[調製例2]電荷輸送性高分子化合物とし
て調製例1のポリエステル樹脂の代わりに、表1に記載
のアクリル樹脂(高分子化合物11)を25g用い、電
荷輸送性高分子化合物と反応する電荷輸送性を付与した
化合物として、表2に記載の化合物(1)を有するもの
を4.1gを用い、さらに水性媒体としてヘキサデシル
ピリジニウムクロライド1水和物1.0%水溶液1.0
kgを用いた以外は同様に操作を行い平均粒径0.3μ
mの架橋された電荷輸送性ポリマー粒子を20g得た。
調製例1と同様にこの電荷輸送性ポリマー粒子の有機溶
媒に対する溶解性を調べたところエステル系、アミド
系、ハロゲン系、スルホキサイド系などの溶媒に対して
不溶であることが確認できた。
【0081】[調製例3]電荷輸送性高分子化合物とし
て表1に記載のポリエステル樹脂(高分子化合物1)2
0gをトルエン150gに溶解し、油性層混合液を作製
した。得られた油性層混合液を、水性媒体としてポリビ
ニルアルコール1.0%水溶液1.0kg中で、800
0rpmの回転数にて乳化分散を行った後、60℃の恒
温槽にて3時間常圧にてトルエンを除去し,蒸留水で洗
浄後凍結乾燥を行い、平均粒径0.2μmの微粒子を2
0g得た。
【0082】[調製例4]電荷輸送性高分子化合物とし
て調製例3の高分子化合物(1)の代わりに、表1に記
載のアクリル樹脂(高分子化合物12)、を25g用
い、水性媒体としてヘキサデシルピリジニウムクロライ
ド1水和物1.0%水溶液1.0kgを用いた以外は同
様に操作を行い平均粒径0.3μmの微粒子を20g得
た。
【0083】[調製例5]電荷輸送性化合物として前記
低分子化合物(3)を20g用い電荷輸送性化合物と反
応しうる化合物としてジビニルベンゼン0.5g、過酸
化ベンゾイル1.1mgを加え、油性層混合液を作製す
る。得られた油性層混合液を、水性媒体としてポリビニ
ルアルコール1.0%水溶液1.0kgを用いて800
0rpmの回転数にて乳化分散を行った後、80℃の恒
温槽にて5時間常圧にてトルエンを除去し,蒸留水で洗
浄後凍結乾燥を行い、平均粒径0.8μmの架橋された
電荷輸送性ポリマー粒子を20g得た。電荷輸送性ポリ
マー粒子の有機溶媒に対する溶解性については調製例1
と同様の結果を示した。
【0084】実施例1 アルミニウム基板上に、ジルコニウムアルコキシド化合
物(商品名:オルガチックスZC540、マツモト製薬
社製)20重量部およびγーアミノプロピルトリエトキ
シシラン(商品名:A1100、日本ユニカー社製)2
重量部とポリビニルブチラール樹脂(エスレック BM
−S、積水化学(株)製)1.5重量部とn−ブタノー
ル70重量部からなる溶液を浸漬コーティング法で塗布
し、170℃において10分間加熱乾燥し、層厚1.0
μmの下引き層を形成した。次にクロロガリウムフタロ
シアニン微結晶4重量部を、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体(商品名:UCARソリューションビニル樹脂V
MCH、ユニオンカーバイド社製)2重量部、キシレン
67重量部、および酢酸ブチル33重量部と混合し、1
mmφガラスビーズとともにサンドグラインダーで2時
間処理して分散した後、得られた塗布液を浸漬コーティ
ング法で上記下引き層上に塗布し、100℃において1
0分間加熱乾燥し、層厚0.2μmの電荷発生層を形成
した。次に、絶縁性高分子化合物である体積抵抗率10
14Ωcm、分子量4万のビスフェーノールZ型ポリカー
ボネート20重量部をモノクロロベンゼン80重量部に
溶解した後、調製例5の電荷輸送性ポリマー粒子を10
重量部加え撹拌して分散させ塗布液を調製した。この塗
布液を、上記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布
し、135℃において1時間加熱乾燥させて、層厚20
μmの電荷輸送層を形成し、図4に示す層構成の電子写
真感光体を作製した。感光層中の電荷輸送性ポリマーの
含有量は約33体積%である。
【0085】このようにして得られた電子写真感光体に
対し、静電複写紙試験装置(エレクトロスタティックア
ナライザーEPA−8100、川口電機製作所社製)を
用いて、常温常湿(20℃、40%RH)の環境下、電
子写真特性の評価を行った。コロナ放電電圧を調整し、
感光体表面を−750Vに帯電させた後、干渉フィルタ
ーを通し750nmに単色化したハロゲンランプ光を感
光体表面上で2mW/m2 の光強度になるように調整
し、7秒間照射したところ、図11に示すS字型の光誘
起電位減衰を示した。また、この光誘起電位減衰曲線か
らE50%値が3.5mJ/m2 、E50%/E10%
値は1.7と算出された。
【0086】比較例1 電荷輸送性ポリマー粒子の代わりに低分子電荷輸送材と
して構造式(10)で示される化合物を加えた以外は、
実施例1と同様に感光体を作製し、実施例1と同様に評
価を行った結果、J字型の光誘起電位減衰曲線を示し
た。
【0087】
【化17】
【0088】実施例2 アルミニウム基板上に実施例1と同様に電荷発生層まで
塗布した。次に、ポリエステル樹脂溶液(アルマテック
スP645、三井東圧化学製)4重量部、メラミン樹脂
(ユーバン20−HS、三井東圧化学製)1重量部、調
製例1の電荷輸送性ポリマー粒子2重量部、シクロヘキ
サノン40重量部、2−ブタノン52重量部の混合物を
ボールミルにて24時間分散した塗布液を上記電荷発生
層上に浸漬塗布し、50℃において1時間乾燥したの
ち、150℃において30分加熱硬化し、層厚5μmの
不均一電荷輸送層を形成した。不均一電荷輸送層中の電
荷輸送性ポリマー粒子の含有量は約25体積%である。
次に、高分子電荷輸送材料である分子量12万の下記構
造式(11)で示される繰り返し単位よりなる化合物1
5重量部をモノクロロベンゼン85重量部に溶解した塗
布液を、上記不均一電荷輸送上に浸漬コーティング法で
塗布し、135℃において1時間加熱乾燥させて、層厚
20μmの均一電荷輸送層を形成し、図6に示す層構成
の電子写真感光体を作製した。
【0089】
【化18】
【0090】このようにして得られた電子写真感光体
を、実施例1と同様にして評価したところ、その光誘起
電位減衰特性はE50%値が3.2mJ/m2 、E50
%/E10%値が1.6のS字型であった。
【0091】実施例3 アルミニウム基板上に実施例1と同様に電荷発生層まで
塗布した。次に、調製例1の電荷輸送性ポリマー粒子8
重量部、非晶質脂肪族ポリオレフィン(商品名:ゼオネ
ックス480、日本ゼオン社製、電気抵抗率1017Ωc
m)7重量部、およびシクロヘキサン80重量部を、2
mmφのガラスビーズを用いてペイントシェーク法によ
り1時間分散処理した後、さらに前記非晶質脂肪族ポリ
オレフィン5重量部を加え溶解した。得られた分散液
を、上記電荷発生層上に浸漬コーティング法にて塗布し
た後、115℃で60分間加熱乾燥させて、層厚20μ
mの不均一電荷輸送層を形成し、図5に示す層構成の電
子写真感光体を作製した。この不均一電荷輸送層中の電
荷輸送性ポリマー粒子の体積比率はおよそ33%であっ
た。このようにして得られた電子写真感光体を、実施例
1と同様にして評価したところ、その光誘起電位減衰特
性はE50%値が5.0mJ/m2 、E50%/E10
%値が2.5のS字型であった。
【0092】実施例4〜7 電荷輸送性ポリマー粒子とその添加量を表3に示すよう
に代えた以外は、実施例3と同様に電子写真感光体を作
製した。このようにして得られた電子写真感光体を、実
施例1と同様にして評価した結果を表3に示す。
【0093】
【表6】
【0094】実施例8 アルミニウム基板上に実施例1と同様に電荷発生層まで
塗布した。次に、調製例2の電荷輸送性ポリマー粒子3
重量部、非晶質脂肪族ポリオレフィン(商品名: ゼオ
ネックス480、日本ゼオン社製、電気抵抗率1017Ω
cm)5重量部、およびシクロヘキサン90重量部を、
2mmφのガラスビーズを用いてペイントシェーク法に
より1時間分散処理した。得られた分散液を、上記電荷
発生層上に浸漬コーティング法にて塗布した後、115
℃で10分間加熱乾燥させて、層厚5μmの不均一電荷
輸送層を形成した。この不均一電荷輸送層中の電荷輸送
性ポリマー粒子の体積比率はおよそ33%であった。次
に、高分子電荷輸送材料である分子量8万の前記構造式
(11)で示される繰り返し単位よりなる化合物15重
量部をモノクロロベンゼン85重量部に溶解した塗布液
を、上記不均一電荷輸送上に浸漬コーティング法で塗布
し、135℃において1時間加熱乾燥させて、層厚15
μmの均一電荷輸送層を形成し、図6に示す層構成の電
子写真感光体を作製した。このようにして得られた電子
写真感光体を、実施例1と同様にして評価したところ、
その光誘起電位減衰特性はE50%値が4.2mJ/m
2 、E50%/E10%値が2.2のS字型であった。
【0095】実施例9 アルミニウム基板の代わりにアルミニウムドラムを使用
した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製
し、これをレーザープリンター(Laser Pres
s 4105、富士ゼロックス社製)に搭載し、印字試
験を行った。この際、最適な露光量を得るため、レーザ
ー光の光路にNDフィルターを入れた。このレーザプリ
ンターの概略の構成図を図12に示す。感光体ドラム9
の周りに前露光用光源(赤色LED)10、帯電用スコ
ロトロン11、レーザー光12、現像器13、転写用コ
ロトロン14およびクリーニングブレード15がプロセ
スの順序に順次配置されている。レーザー光12は、発
信波長780nmの露光用レーザーダイオードを備えた
不図示の露光用レーザー光学系によるレーザー光であ
り、デジタル処理された画像信号に基づき発光する。発
光したレーザー光12はポリゴンミラーと複数のレン
ズ、ミラーによりスキャンされながら感光体上を露光す
るように構成されている。なお、16は用紙を示す。
【0096】比較例2 アルミニウム基板の代わりにアルミニムドラムを使用し
た以外は、比較例1と同様に電子写真感光体を作製し、
実施例9と同様に印字試験を行った。実施例9と比較例
2で得られた印字の品質を比べたところ、実施例9の方
が細線の再現性等の点で、印字品質が優れていた。
【0097】実施例10 アルミニウム基板の代わりにアルミニムドラムを使用し
た以外は、実施例3と同様に電子写真感光体を作製し、
実施例9と同様に印字試験を行った。
【0098】比較例3 電荷輸送性ポリマー粒子を下記構造式(12)の低分子
電荷輸送性結晶粒子に代えた以外は、実施例3と同様に
して電子写真感光体を作製した。このようにして得られ
た電子写真感光体を、実施例1と同様にして評価した結
果、E50%値が5.0mJ/m2 であり、E50%/
E10%値が2.3のS字型であった。
【0099】
【化19】
【0100】更にアルミニウム基板の代わりにアルミニ
ウムドラムを使用した以外は、上記同様に電子写真感光
体を作製し、実施例9と同様に印字試験を行った。実施
例10と比較例3で得られた印字の品質を比べたとこ
ろ、実施例10の方が中間調の均一性の点で、印字品位
が優れていた。
【0101】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、S字型光誘
起電位減衰特性を示す感光体であって、電荷輸送層が電
気的不活性マトリックス中に電荷輸送性ポリマー粒子を
含有する不均一電荷輸送層を含むことによって、電荷輸
送能に優れた、高感度で良好なS字型性を有する電子写
真感光体を提供できるという卓越した効果を奏する。ま
た、本発明のS字型電子写真感光体を使用した電子写真
装置は、デジタル処理された画像信号に基づき露光を行
うことにより、印字品質、および画質の優れた印字画像
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 J字型光誘起電位減衰特性を示す電子写真感
光体の露光量と表面電位との関係を示すグラフである。
【図2】 S字型光誘起電位減衰特性を示す電子写真感
光体の露光量と表面電位との関係を示すグラフである。
【図3】 本発明の電子写真感光体表面の感光層の断面
の一例を示す模式図である。
【図4】 本発明の電子写真感光体表面の感光層の断面
の他の一例を示す模式図である。
【図5】 本発明の電子写真感光体表面の感光層の断面
の他の一例を示す模式図である。
【図6】 本発明の電子写真感光体表面の感光層の断面
の他の一例を示す模式図である。
【図7】 本発明の電子写真感光体表面の感光層の断面
の他の一例を示す模式図である。
【図8】 本発明の電子写真感光体表面の感光層の断面
の他の一例を示す模式図である。
【図9】 本発明の電子写真感光体表面の感光層の断面
の他の一例を示す模式図である。
【図10】 本発明の電子写真感光体表面の感光層の断
面の他の一例を示す模式図である。
【図11】 実施例1で得られた電子写真感光体の露光
量と表面電位との関係を示すグラフである。
【図12】 実施例9で用いたレーザプリンターの概略
構成図である。
【符号の説明】
1:電荷輸送性ポリマー粒子 2:電気的不活性マトリックス 3:電荷発生層 4:電荷輸送層 5:導電性支持体 6:下引き層 7:不均一電荷輸送層 8:均一電荷輸送層 9:感光体ドラム 10:前露光用光源(赤色LED) 11:帯電用スコロトロン 12:レーザー光 13:現像器 14:転写用コロトロン 15:クリーニングブレード 16:用紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿形 岳 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 坂口 泰生 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも導電性基体上に電荷発生層と
    電荷輸送層とを設けた電子写真感光体において、該電荷
    輸送層が電気的不活性マトリックス中に電荷輸送性ポリ
    マー粒子を含有する不均一電荷輸送層を有することを特
    徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記電荷輸送性ポリマー粒子が、架橋さ
    れた電荷輸送性ポリマーを含有することを特徴とする請
    求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記電荷輸送性ポリマ−粒子が、下記一
    般式(1)〜(6)で示される高分子化合物を含有する
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項2のいずれかに
    記載の電子写真感光体。 【化1】 上記式中、AもしくはBは 置換されていてもよい1価
    または2価の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基
    を示し、かつAまたはBの少なくとも一方は下記一般式
    (7)〜(15)を表し、pは5〜5000の整数を表
    す。 【化2】 ここで、一般式(7)〜(8)に記載されるそれぞれの
    1 〜R4 はそれぞれ独立に水素、アルキル基、アルコ
    キシ基、置換アミノ基、ハロゲン、置換あるいは、未置
    換のアリール基を示し、Xは置換あるいは、未置換の2
    価のアリール基を示す。k,lはそれぞれ0あるいは1
    から選ばれる整数を示す。Tは炭素数1〜10の枝分か
    れしてもよい2価のアルキル、アリル、アルキルカルボ
    ニル、アリルカルボニル、アルキルアミノ、アリルアミ
    ノ、水酸化アルキル、水酸化アリル基を示す。Xで表す
    置換もしくは未置換の芳香族環を含む2価の炭化水素基
    またはヘテロ原子含有炭化水素基として、下記の基
    (1)〜(7)から選択されたものが挙げられる。フェ
    ニル基、置換または未置換のアラルキル基、ハロゲンを
    表し、aは、0または1を意味する。Vは下記の基
    (8)〜(17)から選択されたものが挙げられる。b
    は1〜10の整数を意味し、cは1〜3の整数を意味す
    る。 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】
  4. 【請求項4】 50%電位減衰に要する露光量が10%
    電位減衰に要する露光量の1倍以上5倍未満であること
    を特徴とする請求項1ないし3に記載の電子写真感光
    体。
  5. 【請求項5】 導電性基体上に電荷発生層と前記不均一
    電荷輸送層と、電荷輸送性マトリックスからなる均一電
    荷輸送層を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項
    4のいずれかに記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記
    載の電子写真感光体とデジタル処理された画像信号にも
    とづき露光を行う露光手段を有することを特徴とする電
    子写真装置。
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