JPH10251277A - シラン化合物及びその製造方法 - Google Patents
シラン化合物及びその製造方法Info
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- JPH10251277A JPH10251277A JP9180147A JP18014797A JPH10251277A JP H10251277 A JPH10251277 A JP H10251277A JP 9180147 A JP9180147 A JP 9180147A JP 18014797 A JP18014797 A JP 18014797A JP H10251277 A JPH10251277 A JP H10251277A
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Abstract
性、成膜性に優れ、強固な膜を形成する化合物を提供す
る。 【解決手段】 下記一般式(I)で表されるシラン化合
物。 【化1】 [式中、Ar1 〜Ar4 はそれぞれ独立に置換又は未置
換のアリール基を示し、Ar5 は置換若しくは未置換の
アリール基又はアリーレン基を示し、且つAr1〜Ar5
のうち1〜4個は、−CH=CH−Y−SiR1(3-a)
(OR2 )a 又は−CH2 CH2 −Y−SiR
1(3-a)(OR2 )a で示される置換基を有し、R1は水
素、アルキル基、置換又は未置換のアリール基を示し、
R2 は水素、アルキル基、トリアルキルシリル基を示
し、aは1〜3の整数を示し、Yは2価の基を示し、k
は0又は1を示す]
Description
物及びその製造方法に関するものである。
に、ポリエステル等のようなバインダーポリマーと、ト
リアリールアミン、テトラアリールベンジジン系化合物
等のような低分子の電荷輸送材料とを含んでおり、成膜
性を持たせるためにこれらの低分子の電荷輸送性材料は
バインダーポリマー中に分散される。
電荷輸送性材料が分散されるために、バインダーポリマ
ー本来の機械的強度が低下してしまい、その結果、電子
写真感光体として用いた場合耐久性に劣るという問題が
ある。
バゾール等のように、電荷輸送成分を主鎖に含む電荷輸
送性ポリマーが提案されているが、未だ電気特性や強度
の面で十分な特性の材料が得られていない。
L素子として応用することが注目されているが、この場
合には、発生するジュール熱により低分子化合物が融解
してしまい、寿命の長い安定な素子を得にくいという問
題があった。
性、成膜性に優れ、強固な膜を形成し、有機EL素子や
電子写真感光体等の種々の有機電子デバイスに応用可能
な新規化合物及びその製造方法を提供することにある。
に対し鋭意検討した結果、特定のシラン化合物が3次元
架橋硬化が可能であり、且つその膜が電荷輸送性、耐機
械的磨耗性、及び環境安定性に優れ、高い耐久性を示す
ことを見い出し、本発明を完成するに至った。
ラン化合物である。
換又は未置換のアリール基を示し、Ar5 は置換若しく
は未置換のアリール基又はアリーレン基を示し、且つA
r1〜Ar5 のうち1〜4個は、−CH=CH−Y−S
iR1(3-a)(OR2 )a 又は−CH2 CH2 −Y−Si
R1(3-a)(OR2 )a で示される置換基を有し、R1は
水素、アルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基
を示し、R2 は水素、アルキル基又はトリアルキルシリ
ル基を示し、aは1〜3の整数を示し、Yは2価の基を
示し、kは0又は1を示す。
合成法を鋭意検討した。従来のシラン化合物の合成法と
しては、以下に挙げるような方法が知られている。 1) アルケンやアルキンのヒドロシリル化反応を用い
た合成法 この方法は水素化ケイ素を種々の条件下で炭素−炭素不
飽和結合に付加させ、有機ケイ素化合物を生成させる合
成法の一種である。
の中では、触媒として「有機金属化学」(裳華房、19
82年出版)の322頁等に示されるようなSpeie
r試薬{H2 PtCl6 /IPA(イソプロピルアルコ
ール)}を用いたヒドロシリル化反応が、1×10-7モ
ル程度の触媒添加量で合成が可能なため、Si−C結合
を持った様々なシラン化合物を工業的に合成する方法と
して有用である。
は異性体や還元反応等による副生成物が混入するため、
蒸留等による厳密な精製が必要であり、本発明のような
沸点の高いシラン化合物の合成には困難が伴う。 2) Grignard反応を用いた合成法 「The Chemistry of Organic
Silicon Compounds」(S.Pat
ai編、1989年出版)の655頁等に示されるよう
に、Grignard試薬を用いることにより、シラン
化合物の合成が可能である。
分等に非常に敏感であり、且つ多量の無機塩を生じるた
め処理が困難であり、工業化するには莫大な費用がかか
る。 3) 脱塩酸反応を用いたアミン系シラン化合物の合成
法 「The Chemistry of Organic
Silicon Compounds」(S.Pat
ai編、1989年出版)の655頁等に示されるよう
に、ハロゲン置換基の付いたシランとアミンの脱塩酸反
応により、シラン化合物の合成が可能である。
られ、且つ必然的にアミノ基を有するため、電荷輸送材
料に用いた場合、電荷トラップとなりやすく、電気特性
に悪影響を与えやすいという欠点がある。 4) ウレタン結合形成反応を用いた合成法 特開平3−191358号公報にはウレタン結合を用い
る、電荷輸送部位を有するシラン化合物の電子写真感光
体への応用例が提案されている。
物はヘテロ原子に直接結合した水素原子を有するため大
気中の水分を吸着しやすく、電子写真感光体等の有機電
子デバイスとして用いる際に、湿度等の影響を受けやす
く、環境安定性に欠けるという欠点がある。
ttig反応は、反応の選択性が高く副反応もほとんど
起こらないため、処理が容易であり工業化に有利である
ことを見い出し、本発明を完成するに至った。
れる化合物と、下記一般式(B)で示される化合物とを
塩基を用いて反応させることにより一般式(I)で表さ
れ、Ar1 〜Ar5 の1〜4個が−CH=CH−Y−S
iR1(3-a)(OR2 )a を有するシラン化合物を合成す
ることを特徴とする。
換又は未置換のアリール基を示し、Ar10は置換若しく
は未置換のアリール基又はアリーレン基を示し、且つA
r6〜Ar10のうち1〜4個は、−CHO又は−CH2
Lで置換され、kは0又は1を示し、LはPM(R3 )
2 又はHal- P(R3 )3 + を示し、Halはハロゲ
ン原子を示し、MはO又はSを示し、R3 はアルキル
基、フェニル基、アルコキシ基、アミノ基を示す。
未置換のアリール基を示し、R2 は水素、アルキル基、
トリアルキルシリル基を示し、aは1〜3の整数を示
し、Yは2価の基を示し、Tは一般式(A)が−CHO
を有している場合には−CH2Lを示し且つ一般式
(A)が−CH2 Lを有している場合には−CHOを示
し、LはPM(R3 )2 又はHal- P(R3 )3 + を
示し、Halはハロゲン原子を示し、MはO又はSを示
し、R3 はアルキル基、フェニル基、アルコキシ基、ア
ミノ基を示す。
で表される。式中、Ar1 〜Ar4 はそれぞれ独立に置
換又は未置換のアリール基を示し、具体的には、以下の
ものが挙げられる。
し、Ar5 は置換若しくは未置換のアリール基又はアリ
ーレン基を示し、具体的には、以下のものが挙げられ
る。
1(3-a)(OR2 )a 又は−CH2 CH 2 −Y−SiR
1(3-a)(OR2 )a を示す。Yは2価の基を示し、具体
的には、以下のものが挙げられる。
−CH=CH−Y−SiR1(3-a)(OR2 )a 又は−C
H2 CH2 −Y−SiR1(3-a)(OR2 )a で示される
置換基を有していることが必要である。
る。
ル基、炭素数1〜4のアルキル基若しくは炭素数1〜4
のアルコキシ基で置換された置換又は未置換のフェニル
基、炭素数7〜10のアラルキル基から選択される。さ
らに、R5 は水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数
1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子から選択される。
R1 は水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜
4のアルキル基若しくは炭素数1〜4のアルコキシ基で
置換された置換又は未置換のアリール基を示し、R2 は
水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアル
キル基で置換されたトリアルキルシリル基を示す。ま
た、R6 は水素、炭素数1〜4のアルキル基から選択さ
れる。m、s及びs’はそれぞれ0又は1を示し、t及
びaはそれぞれ1〜3の整数を示し、y及びzはそれぞ
れ1〜5の整数を示す。また、xは1〜15の整数を示
し、x’及びx”はそれぞれ2〜15の整数を示す。さ
らに、t’は1又は2の整数を示し、q及びrはそれぞ
れ1〜10の整数を示す。
つは2つ以上の共役した芳香族を有するものが光酸化に
対して安定であり好ましい。
い。
1〜16に示す。
の表面保護層に用い、硬化させる場合には、ケイ素を含
む置換基を2個以上有するものが、硬度の高い膜を得る
ことができるため好ましい。
1〜4個が−CH=CH−Y−SiR1(3-a)(OR2 )
a を有するシラン化合物は、前記一般式(A)で表され
る化合物と、前記一般式(B)で表される化合物とを不
活性ガス下、塩基を用いて反応させることにより、合成
することができる。
置換基、数値と同じ置換基、数値については、同一の符
号を付して説明を省略する。
れ独立に置換又は未置換のアリール基を示し、具体的に
は、以下のものが挙げられる。
くは未置換のアリール基又はアリーレン基を示し、具体
的には、以下のものが挙げられる。
す。LはPM(R3 )2 又はHal - P(R3 )3 + を
示し、Halはハロゲン原子を示し、MはO又はSを示
す。また、R3 は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル
基、炭素数1〜4のアルコキシ基、アミノ基を示す。
−CHO又は−CH2 Lで示される置換基を有している
ことが必要である。
が−CHOを有している場合には−CH2 Lを示し、一
般式(A)が−CH2 Lを有している場合には−CHO
を示す。
が−CHO基(ホルミル基)を有し{一般式(A
1 )}、一般式(B)が−CH2 L基(リン化合物基)
を有する{一般式(B1 )}ことが好ましい。
す。合成に用いられる塩基性物質は、水酸化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウ
ムエトキシド、ピリジン、トリエチルアミン、n−ブチ
ルリチウム、フェニルリチウム、水素化ナトリウム等か
ら任意に選択することができる。中でも、本発明のシラ
ン化合物の塩基に対する安定性を考慮すると水素化ナト
リウムが特に好ましい。また、塩基性物質の使用量はホ
スホニウム塩の種類や反応速度に応じて任意に設定でき
るが、使用量が多くなると処理、分離等が困難になるた
め、ホスホニウム塩1モルに対して、1から10モル、
好ましくは1から1.5モルで用いられる。
とができ、このような反応溶媒は、エタノール、クロロ
ホルム、ジクロロメタン、ニトロメタン、ジメチルスル
ホキシド、ジエチルエーテル、N,N−ジメチルホルム
アミド、テトラヒドロフラン、ペンタン、ベンゼン、キ
シレン等から任意に選択することができ、さらに、それ
らの混合溶媒を用いることもできる。なお、溶媒は脱水
して用いることが好ましい。これらの中では、立体選択
性の高さ、反応後の分離の容易さ等から、N,N−ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非水性極
性溶媒が特に好ましい。
とが好ましく、−30〜25℃であることがより好まし
く、−10〜5℃であることがさらに好ましい。
前駆体としては、トリフェニルホスフィン、トリエトキ
シホスフィン、クロロジフェニルホスフィン、クロロジ
エトキシホスフィン等が挙げられる。
iR1(3-a)(OR2 )a を用いて「総合有機化合実験I
I」(S.ヒューニッヒ等著、野村裕次郎等訳、532
頁、森北出版)、「実験化学講座19(有機合成I)」
(57頁、丸善出版)等に記載のWittig方法によ
り合成することができる。
で表され、Ar1 〜Ar5 の1〜4個が−CH=CH−
Y−SiR1(3-a)(OR2 )a を有するシラン化合物
を、一般式(I)で表され、Ar1 〜Ar5 の1〜4個
が−CH2 CH2 −Y−SiR 1(3-a)(OR2 )a を有
するシラン化合物に還元する還元反応としては、Ran
eyNi、還元Ni、担持還元Ni(Ni/ケイソウ
土)、PtO2 (Adams触媒)、白金黒、担持Pt
(Pt/C、Pt/Al2 O3 等)、担持Pd(Pd/
C、Pd/BaSO4 、Pd/CaCO3 等)、パラジ
ウム黒、PdO等の水素化固体触媒を用いた接触還元反
応や、トリエチルシラン、トリメチルシラン等のシラン
化合物、又は他の水素化剤を用いた還元反応等を用いる
ことができる。反応の容易さ、コストの低さ等を考慮す
ると、RaneyNi、担持Pt、担持Pd等の水素化
固体触媒を用いた接触還元反応が好ましい。
物のうちケイ素を含む置換基が少ないシラン化合物の方
が化学的に安定であり、製造上は有利である。
物は、電子写真感光体、有機EL素子、太陽電池、有機
導電体、電子写真用キャリアのコート材、電荷発生材料
の表面処理、アルミニウムやニッケルやネサガラス等と
有機感光層との中間層等へ応用することができる。例え
ば、アルミニウム等の導電性基板上に電荷発生層及び電
荷輸送層が形成された電子写真感光体において、本発明
の化合物を電荷輸送層に用いることができる。また、ア
ルミニウム等の導電性基板上に電荷発生層、電荷輸送層
及び表面保護層が形成された電子写真感光体の表面保護
層に用いることができる。より具体的には、本発明の化
合物を含む塗布液を塗布することによって電荷輸送層や
表面保護層を形成すればよい。また、塗布した後に加
熱、又はリン酸、硫酸、アンモニアガス、酢酸、塩酸、
チタネート系触媒、アルミニウム系触媒等の触媒を用い
ることにより硬化膜を形成させてもよい。
塗布液には、バインダーポリマー中に本発明のシラン化
合物を相溶させたものを用いることができ、このような
バインダーポリマーとしては、ポリカーボネート樹脂、
ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポ
リ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチ
レン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共
重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹
脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルム
アルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N
−ビニルカルバゾール、ポリシラン、特開昭64−13
061号公報、同64−19049号公報、特開平8−
196293号公報、同8−208820号公報、同8
−211640号公報等に開示されたポリエステル、ポ
リカーボネート等の電荷輸送性ポリマー等の公知の樹脂
を用いることができるが、これらに限定されるものでは
ない。これらのバインダーポリマーのうち、相溶性、成
膜性等の点から、下記構造式(II)〜(VI)で示さ
れるポリカーボネート樹脂、又はそれらを共重合させた
ポリカーボネート樹脂がより好ましい。
3000の整数を示す。これらのバインダーポリマーは
単独で用いたり、2種以上混合して用いることができ
る。電荷輸送材料としての上記シラン化合物とバインダ
ーポリマーとの配合比(重量比)は10:1〜1:5が
好ましい。
には、アルミニウム系カップリング剤、チタネート系カ
ップリング剤、シラン系カップリング剤等の各種のカッ
プリング剤や市販のハードコート剤を添加してもよい。
使用可能なアルミニウム系カップリング剤としては、ア
セトキシアルミニウムジイソプロピレート、アセトエト
キシアルミニウムジイソプロピレート、アセトプロポキ
シアルミニウムジイソプロピレート等がある。また、チ
タネート系カップリング剤としては、チタンn−ブトキ
サイド、チタンエトキサイド等がある。さらに、シラン
系カップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルト
リメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等があ
る。また、市販のハードコート剤としては、KP−85
(信越シリコーン社製)、CR−39(信越シリコーン
社製)、X−12−2208(信越シリコーン社製)、
X−40−9740(信越シリコーン社製)、X−41
−1007(信越シリコーン社製)、KNS−5300
(信越シリコーン社製)、X−40−2239(信越シ
リコーン社製)、AY42−440(東レダウコーニン
グシリコーン社製)、AY42−441(東レダウコー
ニングシリコーン社製)、AY49−208(東レダウ
コーニングシリコーン社製)等を使用することができ
る。さらに、表面エネルギーを低下させるため、フッ素
を含有する化合物を加えることも効果的である。
る。
トキシシラン25gを入れ、トルエン200mlに溶解
させた。次いで、トリフェニルホスフィン27gを加え
た。その後、撹拌しながら、7時間加熱還流した後析出
した結晶をトルエンでよく洗い減圧下溶媒を除去し、白
色結晶のホスホニウム塩36.5gを得た。得られたホ
スホニウム塩の融点は102.0〜102.5℃であっ
た。また、このホスホニウム塩のIR吸収スペクトルを
図1に示す。
ニウム塩15gを入れ、無水ジメチルホルムアミド30
0mlに溶解させた。次いで、反応系を−5℃に冷却
し、水素化ナトリウム1.05gを加え、15分撹拌し
た。その後、撹拌しながら、N−(4−ホルミルフェニ
ル)−N−(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−
4−アミン5.1gを加え、徐々に室温まで温度を上
げ、2時間撹拌した。反応終了後、メタノール10ml
を加え、さらに反応混合物を3リットルの氷水中に注ぎ
トルエンで抽出し減圧下溶媒を除去した後、シリカゲル
でカラム精製(溶剤:トルエン)し、淡黄色の油状のシ
ラン化合物(1)6gを得た。得られたシラン化合物の
IR吸収スペクトルを図2に示す。
ニウム塩15.9gを入れ、無水ジメチルホルムアミド
300mlに溶解させた。次いで、反応系を−5℃に冷
却し、水素化ナトリウム1.5gを加え、15分撹拌し
た。その後、撹拌しながら、3,3’−ジメチル−N,
N’−ビス(4−ホルミルフェニル)−N,N’−ビス
(3,4−ジメチルフェニル)−1,1’−ビフェニル
−4,4’−ジアミン6.0gを加え、徐々に室温まで
温度を上げ、2時間撹拌した。反応終了後、メタノール
30mlを加え、さらに反応混合物を3リットルの氷水
中に注ぎトルエンで抽出し減圧下溶媒を除去した後、シ
リカゲルでカラム精製(溶剤:トルエン)し、淡黄色の
油状のシラン化合物(16)6.9gを得た。得られた
シラン化合物のIR吸収スペクトルを図3に示す。
(1)6gを入れ、テトラヒドロフラン20ml、エタ
ノール20mlに溶解させた。次いで、5%Pd−C
0.1gを加え乾燥水素で置換し、フラスコの口を乾燥
水素供給源に接続した状態で、15時間室温で反応させ
た。反応終了後、Pd−Cを濾過し、溶媒を減圧で除去
した後、シリカゲルでカラム精製(溶剤:トルエン)
し、さらに再結晶法(溶剤:トルエン/ヘキサン=1/
5)により精製し、無色透明の結晶であるシラン化合物
(31)4.2gを得た。得られたシラン化合物のIR
吸収スペクトルを図4に示す。また、このシラン化合物
の融点は71.5〜72℃であった。
6)6.3gを入れ、テトラヒドロフラン20ml、エ
タノール20mlに溶解させた。次いで、5%Pd−C
0.2gを加え乾燥水素で置換し、フラスコの口を乾燥
水素供給源に接続した状態で、15時間室温で反応させ
た。反応終了後、Pd−Cを濾過し、溶媒を減圧で除去
した後、シリカゲルでカラム精製(溶剤:ヘキサン/酢
酸エチル=1/1)し、淡黄色の油状のシラン化合物
(46)5.9gを得た。得られたシラン化合物のIR
吸収スペクトルを図5に示す。
と(クロロメチル)フェニルトリメトキシシラン40g
を入れ、180℃で5時間加熱還流した。その後減圧下
(10mmHg)、高温(185℃)で過剰の亜リン酸
トリメチルを除去した。更に、残った液体を濾過し、無
色の油状のリン化合物50.4gを得た。得られたリン
化合物のIR吸収スペクトルを図6に示す。
化合物30gを入れ、無水ジメチルホルムアミド300
mlに溶解させた。次いで、反応系を−5℃に冷却し、
油性水素化ナトリウム3.3gを加え15分間攪拌し
た。その後、攪拌しながら、N−(4−ホルミルフェニ
ル)−N−(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−
4−アミン29.7gを加え、徐々に室温まで温度を上
げ、2時間攪拌した。反応終了後、500mlのメタノ
ールで二度再沈殿させ、黄色固体のシラン化合物(6
2)19.8gを得た。得られたシラン化合物のIR吸
収スペクトルを図7に示す。
2)10gを入れ、テトラヒドロフラン100ml、エ
タノール100mlに溶解させた。次いで、5%Pd−
C0.5gを加え乾燥水素で置換し、フラスコの口を乾
燥水素供給源に接続した状態で、15時間室温で反応さ
せた。反応終了後、Pd−Cを濾過し、溶媒を減圧で除
去した後、シリカゲルでカラム精製(溶剤:ヘキサン/
酢酸エチル=2/1)し、淡黄色の油状のシラン化合物
(35)9.5gを得た。得られたシラン化合物のIR
吸収スペクトルを図8に示す。
と(クロロメチル)フェニルエチルトリメトキシシラン
22gを入れ、180℃で6時間加熱還流した。その後
減圧下(10mmHg)、高温(185℃)で過剰の亜
リン酸トリメチルを除去した。更に、残った液体を濾過
し、淡黄色の油状のリン化合物26.2gを得た。得ら
れたリン化合物のIR吸収スペクトルを図9に示す。
化合物9.55gを入れ、無水ジメチルホルムアミド3
00mlに溶解させた。次いで、反応系を−5℃に冷却
し、油性水素化ナトリウム1gを加え15分間攪拌し
た。その後、攪拌しながら、N−(4−ホルミルフェニ
ル)−N−(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−
4−アミン8gを加え、徐々に室温まで温度を上げ、2
時間攪拌した。反応終了後、1500mlのメタノール
で二度再沈殿させ、黄色固体のシラン化合物(5)9.
2gを得た。得られたシラン化合物のIR吸収スペクト
ルを図10に示す。
(5)5gを入れ、テトラヒドロフラン100ml、エ
タノール100mlに溶解させた。次いで、5%Pd−
C0.2gを加え乾燥水素で置換し、フラスコの口を乾
燥水素供給源に接続した状態で、15時間室温で反応さ
せた。反応終了後、Pd−Cを濾過し、溶媒を減圧で除
去した後、シリカゲルでカラム精製(溶剤:ヘキサン/
酢酸エチル=2/1)し、淡黄色の油状のシラン化合物
(69)4.5gを得た。得られたシラン化合物のIR
吸収スペクトルを図11に示す。
化合物25gを入れ、無水ジメチルホルムアミド150
mlに溶解させた。次いで、反応系を−5℃に冷却し、
油性水素化ナトリウム2.75gを加え15分間攪拌し
た。その後、攪拌しながら、3,3’−ジメチル−N,
N’−ビス(4−ホルミルフェニル)−N,N’−ビス
(3,4−ジメチルフェニル)−1,1’−ビフェニル
−4,4’−ジアミン19.6gを加え、徐々に室温ま
で温度を上げ、2時間攪拌した。反応終了後、1リット
ルのメタノールで二度再沈殿させ、黄色固体のシラン化
合物(67)21.1gを得た。得られたシラン化合物
のIR吸収スペクトルを図12に示す。
7)10gを入れ、テトラヒドロフラン100ml、エ
タノール100mlに溶解させた。次いで、5%Pd−
C0.4gを加え乾燥水素で置換し、フラスコの口を乾
燥水素供給源に接続した状態で、16時間室温で反応さ
せた。反応終了後、Pd−Cを濾過し、溶媒を減圧で除
去した後、シリカゲルでカラム精製(溶剤:ヘキサン/
酢酸エチル=2/1)し、淡黄色の油状のシラン化合物
(50)9.2gを得た。得られたシラン化合物のIR
吸収スペクトルを図13に示す。
化合物15gを入れ、無水ジメチルホルムアミド100
mlに溶解させた。次いで、反応系を−5℃に冷却し、
水素化ナトリウム1.5gを加え15分間攪拌した。そ
の後、攪拌しながら、3,3’−ジメチル−N,N’−
ビス(4−ホルミルフェニル)−N,N’−ビス(3,
4−ジメチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,
4’−ジアミン10.9gを加え、徐々に室温まで温度
を上げ、2時間攪拌した。反応終了後、1リットルのメ
タノールで二度再沈殿させ、黄色固体のシラン化合物
(20)13.1gを得た。得られたシラン化合物のI
R吸収スペクトルを図14に示す。
(20)10gを入れ、テトラヒドロフラン100m
l、エタノール100mlに溶解させた。次いで、5%
Pd−C0.5gを加え乾燥水素で置換し、フラスコの
口を乾燥水素供給源に接続した状態で、16時間室温で
反応させた。反応終了後、Pd−Cを濾過し、溶媒を減
圧で除去した後、シリカゲルでカラム精製(溶剤:ヘキ
サン/酢酸エチル=2/1)し、淡黄色の油状のシラン
化合物(72)9.1gを得た。得られたシラン化合物
のIR吸収スペクトルを図15に示す。
たシラン化合物を用いて以下のように電子写真用感光体
を製造した。
mmφのアルミニウム円筒基板上にジルコニウム化合物
(商品名:オルガチックスZC540、マツモト製薬社
製)10重量部、シラン化合物(商品名:A1110、
日本ユンカー社製)1重量部、イソプロパノール40重
量部及びブタノール20重量部からなる溶液を浸漬コー
ティング法で塗布し、150℃において10分間加熱乾
燥し膜厚0.5μmの下引層を形成した。
フタロシアニン1重量部を、ポリビニルブチラール樹脂
(商品名:エスレックBM−S、積水化学社製)1重量
部及び酢酸n−ブチル100重量部と混合し、ガラスビ
ーズと共にペイントシェーカーで1時間処理して分散し
た後、得られた塗布液を上記下引層上に浸漬コーティン
グ法で塗布し、100℃において10分間加熱乾燥し
た。
ルフェニル)−N−(3,4−ジメチルフェニル)ビフ
ェニル−4−アミン32重量部と前記構造式(IV)で
示されるポリカーボネート樹脂3重量部とを、モノクロ
ロベンゼン20重量部に溶解し、得られた塗布液を、電
荷発生層が形成されたアルミニウム基板上に浸漬コーテ
ィング法で塗布し、120℃において1時間加熱乾燥、
膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
合成されたシラン化合物3重量部とフェニルトリエトキ
シシラン1重量部をシリコンハードコート剤(商品名:
X−40−2239、信越シリコン社製)6重量部と酢
酸エチル5重量部に溶解し、得られた塗布液を、電荷輸
送層上に浸漬コーティング法で塗布し、室温で乾燥させ
て、膜厚3μmの表面保護層を形成した。
の代わりに合成例2で合成されたシラン化合物を使用し
た他は上記と同様に電子写真用感光体を製造した。
を実機(商品名:XP−11、富士ゼロックス社製)に
登載しB4のPPC用紙で1万枚の耐久試験を行った後
も、感光体表面には磨耗、傷、剥離、クラック等は見ら
れず、鮮明な画像が得られた。
こと以外は実施例1と同様にして電子写真用感光体を製
造した。
たシラン化合物6重量部をシリコンハードコート剤(商
品名:X−40−2239、信越シリコン社製)12重
量部、シクロヘキサノン10重量部及び酢酸2重量部に
溶解し、得られた塗布液を、前記電荷輸送層上に浸漬コ
ーティング法で塗布し、室温で乾燥させて、膜厚3μm
の表面保護層を形成した。
を実機(商品名:XP−11、富士ゼロックス社製)に
登載しB4のPPC用紙で1万枚の耐久試験を行った。
結果を表18に示す。
シラン化合物及びシリコンハードコート剤(X−40−
2239)の代わりに、表17に示されるものを用いた
以外は実施例3と同様にして電子写真用感光体を作成
し、耐久性試験を行った。結果を表18に示す。なお、
表17中のDMS−S15はチッソ社から入手した。
ことを除いて実施例3と同様にして電子写真用感光体を
作成し、耐久性試験を行った。結果を表18に示す。
性、成膜性に優れ、且つその膜は強固なものであり、優
れた繰り返し安定性を示すことがわかった。
あり、溶解性、成膜性に優れ、強固な膜を形成し、有機
EL素子や電子写真感光体等の種々の有機電子デバイス
に応用可能である。
高く、副反応もほとんど起こらないため、効率よく上記
シラン化合物を製造することができる。
収スペクトルである。
スペクトルである。
スペクトルである。
スペクトルである。
スペクトルである。
ペクトルである。
スペクトルである。
スペクトルである。
ペクトルである。
収スペクトルである。
収スペクトルである。
収スペクトルである。
吸収スペクトルである。
吸収スペクトルである。
吸収スペクトルである。
Claims (13)
- 【請求項1】 下記一般式(I)で表されるシラン化合
物。 【化1】 [式中、Ar1 〜Ar4 はそれぞれ独立に置換又は未置
換のアリール基を示し、Ar5 は置換若しくは未置換の
アリール基又はアリーレン基を示し、且つAr1〜Ar5
のうち1〜4個は、−CH=CH−Y−SiR1(3-a)
(OR2 )a 又は−CH2 CH2 −Y−SiR
1(3-a)(OR2 )a で示される置換基を有し、R1は水
素、アルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を
示し、R2 は水素、アルキル基又はトリアルキルシリル
基を示し、aは1〜3の整数を示し、Yは2価の基を示
し、kは0又は1を示す] - 【請求項2】 前記Ar1 〜Ar5 のうち1〜4個が−
CH=CH−Y−SiR1(3-a)(OR2 )a で示される
置換基を有する請求項1に記載のシラン化合物。 - 【請求項3】 前記Ar1 〜Ar5 のうち1〜4個が−
CH2 CH2 −Y−SiR1(3-a)(OR2 )a で示され
る置換基を有する請求項1に記載のシラン化合物。 - 【請求項4】 前記Ar1 〜Ar4 は置換基を有するフ
ェニル基を示し、Ar5 は置換基を有するアリール基又
はアリーレン基を示し、且つAr1 〜Ar5のうち1〜
4個は、−CH=CH−Y−SiR1(3-a)(OR2 )a
又は−CH2CH2 −Y−SiR1(3-a)(OR2 )a で
示される置換基を有し、R1 は水素、アルキル基又は置
換若しくは未置換のアリール基を示し、R2 は水素、ア
ルキル基又はトリアルキルシリル基を示し、aは1〜3
の整数を示し、Yは2価の基を示し、kは0又は1を示
すことを特徴とする請求項1に記載のシラン化合物。 - 【請求項5】 xを1〜15の整数、x’及びx”をそ
れぞれ2から15の整数としたときに、前記Yが、−
(CH2 )x −、−(Cx'H2x'-2 )−、−(Cx"H
2x"-4 )−、及び置換又は未置換のアリーレン基を少な
くとも1種以上含有することを特徴とする請求項2、3
及び4のいずれか1項に記載のシラン化合物。 - 【請求項6】 下記構造式(VII)で表されることを
特徴とする請求項2に記載のシラン化合物。 【化2】 - 【請求項7】 下記構造式(VIII)で表されること
を特徴とする請求項2に記載のシラン化合物。 【化3】 - 【請求項8】 下記構造式(IX)で表されることを特
徴とする請求項3に記載のシラン化合物。 【化4】 - 【請求項9】 下記構造式(X)で表されることを特徴
とする請求項3に記載のシラン化合物。 【化5】 - 【請求項10】 下記一般式(A)と下記一般式(B)
とを塩基を用いて反応させることにより請求項2に記載
のシラン化合物を製造するシラン化合物の製造方法。 【化6】 [式中、Ar6 〜Ar9 はそれぞれ独立に置換又は未置
換のアリール基を示し、Ar10は置換若しくは未置換の
アリール基又はアリーレン基を示し、且つAr6〜Ar
10のうち1〜4個は、−CHO又は−CH2 Lで置換さ
れ、kは0又は1を示し、LはPM(R3 )2 又はHa
l- P(R3 )3 + を示し、Halはハロゲン原子を示
し、MはO又はSを示し、R3 はアルキル基、フェニル
基、アルコキシ基、アミノ基を示す] 【化7】 [式中、R1 は水素、アルキル基又は置換若しくは未置
換のアリール基を示し、R2 は水素、アルキル基又はト
リアルキルシリル基を示し、aは1〜3の整数を示し、
Yは2価の基を示し、Tは一般式(A)が−CHOを有
している場合には−CH2 Lを示し且つ一般式(A)が
−CH2 Lを有している場合には−CHOを示し、Lは
PM(R3 )2 又はHal- P(R3 )3 + を示し、H
alはハロゲン原子を示し、MはO又はSを示し、R3
はアルキル基、フェニル基、アルコキシ基、アミノ基を
示す] - 【請求項11】 前記一般式(A)が−CHO基を有
し、前記一般式(B)が−CH2 L基を有することを特
徴とする請求項10に記載のシラン化合物の製造方法。 - 【請求項12】 請求項2に記載のシラン化合物に水素
を付加して請求項3に記載のシラン化合物を製造するこ
とを特徴とするシラン化合物の製造方法。 - 【請求項13】 水素化固体触媒を用いた接触還元によ
り水素を付加することを特徴とする請求項12に記載の
シラン化合物の製造方法。
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