JPH0995537A - ポリシラン化合物、その製造方法およびその原料 - Google Patents

ポリシラン化合物、その製造方法およびその原料

Info

Publication number
JPH0995537A
JPH0995537A JP8043726A JP4372696A JPH0995537A JP H0995537 A JPH0995537 A JP H0995537A JP 8043726 A JP8043726 A JP 8043726A JP 4372696 A JP4372696 A JP 4372696A JP H0995537 A JPH0995537 A JP H0995537A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
general formula
represented
optionally substituted
atom
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8043726A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4158204B2 (ja
Inventor
Masahito Ueda
将人 上田
Fumi Yamaguchi
扶美 山口
Yukio Fujii
幸男 藤井
Akira Yahagi
公 矢作
Manabu Sasaki
学 佐々木
Takenori Osada
剛規 長田
Makoto Kitano
真 北野
Yasuaki Abe
康明 安部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP04372696A priority Critical patent/JP4158204B2/ja
Publication of JPH0995537A publication Critical patent/JPH0995537A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4158204B2 publication Critical patent/JP4158204B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silicon Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高分子材料としての優れた成形性を有し、かつ
高い正孔ドリフト移動度を有した高分子材料単独からな
る正孔輸送材料を提供することにある。 【解決手段】主鎖骨格が下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1 は、置換されていてもよいアルキル基を示
す。Xは、一般式(2) 【化2】 (式中、R2 は置換されていてもよいアリール基を示
す。)で表される窒素原子を含む基を示し、Ar1 は置
換されていてもよいアリーレン基を示す。Ar2 は置換
されていてもよいアリール基を示す。)で表される繰り
返し構造単位を有することを特徴とするポリシラン化合
物、その製造方法およびその原料であるジハロシラン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光導電性材料や非線
形光学材料、また耐熱性に優れた非酸化物セラミックの
前駆体物質等として有用なポリシラン化合物、さらに詳
しくは正孔ドリフト移動度を高めたポリシラン化合物、
ならびにその製造方法およびその原料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体等に用いられる正
孔輸送材料または電子輸送材料としては、その正孔ドリ
フト移動度または電子ドリフト移動度の大きさおよび耐
久性の面から非晶質セレン等の無機化合物が主として用
いられてきた。しかしながら、これらは有害物質を含有
している場合が多く、その廃棄や公害対策が間題となっ
ている。また、正孔ドリフト移動度の高い非晶質セレン
を用いる場合、真空蒸着法等により薄膜を形成する必要
があり、生産性が劣ることから生産コスト増加の原因と
なっている。
【0003】近年、無機化合物で無公害性の正孔輸送材
料または電子輸送材料として、非晶質ケイ素が注目され
ている。しかしながら、非晶質ケイ素は正孔ドリフト移
動度または電子ドリフト移動度においては優れている
が、薄膜形成時において、主にプラズマCVD法を用い
るため、その生産性に問題があった。
【0004】一方、正孔のみを輸送するものが殆どであ
る有機材料は、無公害の利点を有しており、塗工により
薄膜形成が可能で大量生産が容易である。そのため、生
産コストが大幅に低減でき、また、用途に応じて様々な
形状に加工することができるという長所を有している。
しかしながら、従来の有機正孔輸送材料は、その正孔ド
リフト移動度が低いという問題があり、高い正孔ドリフ
ト移動度を有した有機の正孔輸送材料の出現が強く望ま
れ、有機の正孔輸送材料の正孔ドリフト移動度を向上さ
せる研究が種々行われてきた。
【0005】有機正孔輸送材料の正孔の伝導機構は、正
孔のホッピング伝導であることが知られいる。その正孔
ドリフト移動度を向上させるためには、正孔がサイトか
らサイトへの跳び移る確率を高めることが本質的に重要
である。具体的には、ホッピングサイトの数を増加さ
せ、サイト間の距離を短くすること、また、ホッピング
サイト間のエネルギーレベルをできるだけ一致させ、正
孔が捕獲され次のサイトヘ跳び移りにくくなるような正
孔の捕獲準位の形成がないようにすることが必要であ
る。
【0006】有機正孔輸送材料としては、炭素系光導電
性高分子材料および低分子正孔輸送剤を樹脂に分散させ
た材料が公知である。例えば、炭素系光導電性高分子材
料としてはポリビニルカルバゾールが、低分子正孔輸送
剤を樹脂に分散させた材料としては、アリールアミン誘
導体やヒドラゾン誘導体等をポリカーボネイト等の樹脂
に分散したものが知られている。
【0007】ポリビニルカルバゾールは、ホッピングサ
イトとなるカルバゾール環を側鎖に並ベ、その側鎖上を
ホッピング伝導させる。しかしながら、側鎖に並べた場
合、部分的に隣同士のカルバゾール環が異常に接近して
正孔を捕獲する捕獲準位を形成するため、その正孔ドリ
フト移動度は、室温(約25℃)において約10-7cm
2 /Vsecと著しく低い。
【0008】この炭素系光導電性高分子材料に代わる材
料として、ホッピングサイトを有した低分子正孔輸送剤
を、樹脂中に均一に分散した材料が用いられるようにな
った。
【0009】低分子正孔輸送剤の正孔ドリフト移動度の
向上について、例えば、横山らは一連のアリールアミン
誘導体の樹脂分散系における正孔ドリフト移動度につい
て検討を加え、正孔ドリフト移動度向上のための分子設
計指針として、正孔ホッピングサイトの最小単位をアミ
ノフェニル基(>N−フェニル基)とし、分子内にこの
最小単位を多く合ませること、分子内のπ電子をできる
かぎり非局在化させることを提案している(高橋他, 電
子写真学会誌, Vol. 25 (1986) p236 )。
【0010】また、ビフェニルジアミン化合物とポリカ
ーボネイトの混合物について、ビフェニルジアミン化合
物の濃度が約50重量%の場合、室温(約25℃)にお
いて、正孔ドリフト移動度は約10-5cm2 /Vsec
であるが、ビフェニルジアミン化合物の濃度が約80重
量%では約10-4cm2 /Vsecに、ビフェニルジア
ミン化合物単独では約10-3cm2 /Vsecまで増大
することが開示されている〔M. Stolka et al., J. Phy
s. Chem., Vol. 88 (1984) p4707〕。
【0011】しかしながら、低分子正孔輸送剤を樹脂に
分散した材料の欠点として、低分子正孔輸送剤の濃度が
高くなると、分子の結晶化が起こり易く成形性が著しく
悪くなることが挙げられる。
【0012】一方、上述した従来の炭素を主骨格とする
有機正孔輸送材料に代わる材料として、ケイ素を主骨格
とするポリシラン化合物が注目されてきた。ポリシラン
化合物は、有機溶媒可溶性でフィルム形成能に優れてい
るだけでなく、主鎖のケイ素−ケイ素結合を通して非局
在化した電子が移動することによって正孔が伝導する半
導体としての特性を持つことから有機電子材料として期
待されるようになった(R.G. Kepler et al., Phys. Re
v. B, Vol. 35 (1987) p2818)。
【0013】特に、ポリメチルフェニルシラン化合物に
おいては、正孔ドリフト移動度が高分子単独材料として
は最も高く、室温(約25℃)において約10-4cm2
/Vsecに達することが知られている。この高い正孔
ドリフト移動度に着目し、ポリシラン化合物を電子写真
用感光体の正孔輸送層用材料に用いること(U.S. Pat.
No. 4,618,551 )、有機エレクトロルミネッセンス素子
の正孔輸送層用材料として用いること(特開平2-204996
号公報)、また、イメージセンサの光導電体層用の正孔
輸送材料として用いること(特開平2-155270号公報)が
提案されている。
【0014】一方、ポリシラン化合物の高分子としての
成形性および正孔ドリフト移動度の高さに注目し、低分
子正孔輸送剤を樹脂に分散させた材料に用いられている
ポリカーボネイト等の不活性バインダー樹脂に代わる活
性バインダーとしてポリシラン化合物を用いることが提
案されている。
【0015】例えば、活性バインダーとしてのポリメチ
ルフェニルシラン化合物中に、低分子正孔輸送剤として
フェニレンジアミン誘導体を約50重量%の濃度で添加
し分散させることにより、室温(約25℃)において約
10-3cm2 /Vsecと、ポリメチルフェニルシラン
化合物単独の時より約1桁高い正孔ドリフト移動度が得
られている〔K. Yokoyama et al., J. Chem. Soc.: Che
m. Commun. (1990) p805〕。
【0016】しかしながら、ポリシラン化合物に低分子
正孔輸送剤を分散した系では、高濃度に低分子正孔輸送
剤を分散した場合の結晶化による成形性の低下は免れな
い。
【0017】また、ポリシラン化合物の正孔ドリフト移
動度は、ポリシラン化合物の主鎖間を正孔が跳び移るホ
ッピング伝導によって律速されていることが知られてい
る。
【0018】ポリシラン化合物のホッピング伝導機構と
しては、平面ジグザグ構造にSi原子が10〜30個つ
ながった領域にσ電子が局在してホッピングサイトを形
成し、そのホッピングサイト間を正孔が跳び移ると考え
られている(M. Abkowitz &M. Stolka, Philos. Mag. L
ett. Vol. 58 (1988) p239)。
【0019】一方、平面ジグザグ構造にSi原子が10
〜30個つながった領域が安定に形成されるためには、
ポリシラン化合物一分子中に5 0個以上のSi原子が必
要であると考えられている(R.D. Miller & J. Michl,
Chem. Rev., Vol. 89 (1989)p1359)。しかるに、ホッ
ピングサイトを増加させて、正孔ドリフト移動度を向上
させるには、ポリシラン化合物一分子中のSi原子の
数、すなわち重合度を高くすることが本質的に重要であ
る。また、重合度の高いポリシラン化合物は成膜性にも
優れている。
【0020】一般に、ポリマーの重合度を表すパラメー
タとして、重量平均分子量、数平均分子量、あるいは重
量平均分子量と数平均分子量の比が用いられている。ポ
リシラン化合物においても、重量平均分子量、数平均分
子量がよく用いられる。たとえば、特開平2-133416号公
報には、ポリシラン化合物よりなる重合体ブロックの数
平均重合度が10〜50,000であることと記載さ
れ、特開平2-294654号公報には、ポリシラン化合物の重
量平均分子量が6,000〜200,000であること
が記載されている。
【0021】また、特開平7-64311 号公報には、ポリシ
ラン化合物の重量平均分子量が50,000〜2,50
0,000であり、かつ数平均分子量に比べて10以下
の比率であれば、正孔ドリフト移動度と膜強度が向上す
るとしている。
【0022】しかしながら、重量平均分子量、数平均分
子量、あるいは重量平均分子量と数平均分子量の比は、
ポリシラン化合物の繰り返し構造単位の分子量、すなわ
ち繰り返し構造単位中の側鎖分子の大きさに大きく依存
し、ポリシラン化合物一分子中のSi原子の数を十分反
映していない。
【0023】従来、ポリシラン化合物の製法として、次
の方法が知られている。 (1) ジハロシランのアルカリ金属による脱塩縮合反応
(Kipping法) (2) ヒドロシランの脱水素縮合(C. Aitken et al., J.
Organomet. Chem., Vol. 279 (1985) pC11) (3) 環状化合物の開環重合(H. Sakurai et al., J. A
m. Chem. Soc., Vol. 111(1989) p7641 / K. Matyjasze
wski et al., ACS Symp. Ser. 360 (1988) p78) (4) リチオシランとハロシランの縮合(T.C. Williams
et al., J. Polym. Sci., Vol. 19 (1981) p65)を利用
した脱塩縮合 (5) 電気化学的重合(C. Biran et al., J. Organomet.
Chem., Vol. 382 (1990) pC17/ 特開平3-104893号公
報)
【0024】しかしながら、(2) や(5) の方法では高分
子量のポリマーが得られにくいこと、(3) や(4) の方法
ではモノマー合成が難しいこと等の問題がある。このた
め、ポリシラン化合物の合成法としては現在のところ
(1) のKipping法が唯一の実用的な合成法であ
る。
【0025】Kipping法によれば比較的高分子量
のポリマーが得られるが、ポリシラン化合物として十分
な特性を発揮できる水準の分子量のポリマー、具体的に
は、重量平均分子量(Mw)として約5,000以上
(ポリスチレン換算)のポリマーの収率は通常5〜25
%程度に過ぎず、主として環状体からなる低分子量成分
が多量に生成するという問題があり、収率が高いポリシ
ラン化合物の合成法が求められている。
【0026】また、Kipping法では金属ナトリウ
ムなどのアルカリ金属の存在下、高温で長時間の反応を
行なうため、通常、合成可能なポリシラン化合物の側鎖
はアルキル基、アリール基に限られ、これ以外にはジエ
チルアミノ基、シロキシ基を置換したフェニル基が一部
にあるに過ぎない。
【0027】さらに、Kipping法は側鎖の立体障
害の影響を受け易く、これまで、ナフチル基より立体的
に嵩高い、例えば、トリフェニルアミン、アンスラセ
ン、フェニルカルバゾールなどの光学的に興味のある機
能を有する側鎖を有した高分子量のポリシラン化合物は
報告されていない。
【0028】これに対し、合成可能なポリシラン化合物
に機能性の側鎖を導入する方法も試みられており、ポリ
メチルフェニルシランの側鎖のフェニル基の一部をトリ
フルオロメタンスルフォン酸で置換し、さらに、有機リ
チウム化合物やアルコールを作用させ、Kipping
法では得られない側鎖を含むポリシラン化合物が合成さ
れている(W.Uhlig, J. Organomet. Chem., Vol. 402
(1991) pC45 / K. Matyjaszewski et al., Silicon Bas
ed Polymer Science, Advance in Chem. Ser. 224 ACS
(1988) p285)。
【0029】しかし、ポリシラン化合物の側鎖を置換す
る方法では、強い酸や有機リチウム化合物を用いるため
主鎖のケイ素−ケイ素結合が切断される問題があり、特
に30%以上の側鎖を置換する反応では分子量の低下が
顕著となる。また、ポリマーの反応であるため、側鎖の
分布が制御できない、低分子化合物間の反応のようにポ
リシラン化合物に一旦置換されたトリフレート基を安定
な側鎖に完全に再置換することが難しい等の問題があ
る。
【0030】これら従来の技術は、炭素系光導電性高分
子材料においては、成形性には優れるが正孔ドリフト移
動度が低い、また、低分子正孔輸送剤を樹脂に分散させ
た材料においては、正孔ドリフト移動度を高くするため
低分子正孔輸送剤の濃度を高めると成形性が劣るという
問題点がある。また、高い正孔ドリフト移動度を有し、
かつ成形性に優れた材料としてポリシラン化合物が挙げ
られるが、従来のアルキル基、アリール基を側鎖に持っ
たポリシラン化合物では、正孔ドリフト移動度が約10
-4cm2 /Vsecと不十分である。
【0031】一方、ポリシラン化合物の重合度を表すパ
ラメータとして、重量平均分子量、数平均分子量、ある
いは重量平均分子量と数平均分子量の比が用いられてい
るが、重量平均分子量や数平均分子量は、それらがポリ
シラン化合物の繰り返し構造単位中の側鎖分子の大きさ
に大きく依存することから、ポリシラン化合物の正孔ド
リフト移動度および成膜性を向上させるために重要な、
ポリシラン化合物一分子中のSi原子の数を表すパラメ
ータとしては必ずしも十分ではない。
【0032】また、ポリシラン化合物を合成する方法に
おいては、Kipping法が唯一実用的な方法である
が、側鎖の立体障害の影響を受け易く、嵩高い側鎖を有
する高分子量のポリシラン化合物は未だ合成されていな
い。公知の高分子量のポリシラン化合物の側鎖を置換し
て嵩高い側鎖を有する高分子量のポリシラン化合物を合
成する方法では、主鎖のケイ素−ケイ素結合が切断さ
れ、分子量が低下してしまう。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高分
子材料としての優れた成形性を発揮できる高分子量を有
し、かつ高い正孔ドリフト移動度を有するポリシラン化
合物、その製造方法および該ポリシラン化合物の原料の
ジハロシランを提供することにある。
【0034】
【課題を解決するための手段】上記の従来の技術の問題
点に鑑み、本発明者等は、ポリシラン化合物の正孔ドリ
フト移動度を向上させる方法および成形性に優れた高分
子量のポリシラン化合物を合成する方法について鋭意研
究を続けた結果、特定の置換基を側鎖に有するジハロシ
ランを特定の反応方法を用いて重合することにより、高
分子量で高い正孔ドリフト移動度を持つポリシラン化合
物を製造することができることを見いだし、本発明を完
成させるに至った。
【0035】本発明は、主鎖骨格が下記一般式(1)
【化9】 (式中、R1 は置換されていてもよいアルキル基、シク
ロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す。
Xは不対電子を有する原子または不対電子を有する原子
を含む基で、酸素原子、硫黄原子または一般式(2)
【0036】
【化10】 (式中、R2 は置換されていてもよいアルキル基、シク
ロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示
す。)で表される窒素原子を含む基を示し、Ar1 は置
換されていてもよいアリーレン基を示す。Ar2 は置換
されていてもよいアリール基、下記一般式(3)
【0037】
【化11】 (式中、Ar3 は置換されていてもよいアリーレン基、
3 およびR4 はそれぞれ独立に置換されていてもよい
アルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラ
ルキル基を示す。)で表される芳香族アミン骨格を有す
る基、または、下記一般式(4)
【0038】
【化12】 (式中、Ar4 は置換されていてもよいアリーレン基、
5 およびR6 はそれぞれ独立に、水素原子あるいは置
換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、ア
リール基またはアラルキル基、Ar5 は置換されていて
もよいアリール基を示す。)で表される芳香族エテニレ
ン骨格を有する基を示す。また、Ar1 とAr2 の間、
または、Xを一般式(2)で表したとき、Ar1 とR2
の間、あるいはR2 とAr2 の間に環を形成していても
よい。)で表される繰り返し構造単位と、下記一般式
(5)
【0039】
【化13】 (式中、R7 およびR8 はそれぞれ独立に、置換されて
いてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基
またはアラルキル基を示す。)で表される繰り返し構造
単位とからなり、繰り返し構造単位(1)と繰り返し構
造単位(5)の総単位数に対する繰り返し構造単位
(1)および繰り返し構造単位(5)の単位数の比をそ
れぞれzおよび1−zとしたとき、0.2≦z≦1であ
るポリシラン化合物に係るものである。
【0040】また、本発明は、下記一般式(7)
【化14】 (式中、Yは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表
し、R1 は置換されていてもよいアルキル基、シクロア
ルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す。Xは
不対電子を有する原子または不対電子を有する原子を含
む基であり、酸素原子、硫黄原子または前記一般式
(2)で表される窒素原子を含む基を示す。Ar1 は置
換されていてもよいアリーレン基を示す。Ar2 は置換
されていてもよいアリール基、前記一般式(3)で表さ
れる芳香族アミン骨格を有する基、または、前記一般式
(4)で表される芳香族エテニレン骨格を有する基を示
す。また、Ar1 とAr2 の間、または、Xを一般式
(2)で表したとき、Ar1 とR2の間、あるいはR2
とAr2 の間に環を形成していてもよい。)で表される
ことを特徴とするジハロシランに係るものである。
【0041】また、本発明は、一般式(7)で表わされ
るジハロシラン、または一般式(6)で表わされるジハ
ロシランと一般式(8)
【化15】 (式中、Yは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表
し、R7 およびR8 は前記一般式(5)におけるものを
表す。)で表わされるジハロシランの混合物を、不活性
溶媒中でアルカリ金属により縮重合反応させることを特
徴とするポリシラン化合物の製造方法に係るものであ
る。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリシラン化合物は、主鎖骨格に一般式(1)
で示される繰り返し構造単位を有することを特徴とす
る。また、本発明のジハロシランは、一般式(6)で示
されることを特徴とする。
【0043】一般式(1)で示される繰り返し構造単位
および一般式(6)で示されるジハロシランにおいて、
1 は好ましくは置換されていてもよい1〜10個の炭
素原子を有する直鎖状、分岐状のアルキル基または環状
のシクロアルキル基、6〜24個の炭素原子を有するア
リール基、7〜26個の炭素原子を有するアラルキル基
である。
【0044】具体的には、アルキル基として、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基等を、
シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基等を、ア
リール基としては、フェニル基、ナフチル基、アンスリ
ル基、ビフェニル基等を、アラルキル基としては、ベン
ジル基、フェネチル基、p−メチルベンジル基等を例示
することができる。
【0045】ここで、置換されていてもよいアルキル
基、シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基
の置換基としては、1〜6個の炭素原子を有する直鎖
状、分岐状のアルキル基または環状のシクロアルキル
基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、te
rt−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキ
シル基等が挙げられる。
【0046】一般式(1)で示される繰り返し構造単位
および一般式(6)で示されるジハロシランにおいて、
置換されていてもよいアリーレン基Ar1 は、好ましく
は、置換されていてもよい6〜24個の炭素原子を有す
るアリーレン基である。具体的には、置換されていても
よいフェニレン基、ナフチレン基、アンスリレン基、ビ
フェニレン基等が例示されるが、特に好ましくは、置換
されていてもよいフェニレン基である。
【0047】不対電子を有する原子または不対電子を有
する原子を含む基Xは、酸素原子、硫黄原子または一般
式(2)で表される窒素原子を含む基であるが、好まし
くは、一般式(2)で表される不対電子を有する原子と
して窒素原子を含む基である。
【0048】一般式(2)において、窒素原子に結合し
た基R2 は、好ましくは、置換されていてもよい1〜1
0個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状のアルキル基ま
たは環状のシクロアルキル基、6〜24個の炭素原子を
有するアリール基、7〜26個の炭素原子を有するアラ
ルキル基であるが、さらに好ましくは、置換されていて
もよい6〜24個の炭素原子を有するアリール基であ
る。
【0049】具体的には、アルキル基としては、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基等を、
シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基等を、ア
リール基としては、フェニル基、ナフチル基、アンスリ
ル基、ビフェニル基等を、アラルキル基としては、ベン
ジル基、フェネチル基、p−メチルベンジル基等を例示
することができる。R2 は、特に好ましくは、置換され
ていてもよいフェニル基である。
【0050】ここで、置換されていてもよいアリーレン
基、アリール基、アルキル基、シクロアルキル基および
アラルキル基の置換基としては、1〜6個の炭素原子を
有する直鎖状、分枝状のアルキル基または環状のシクロ
アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シ
クロヘキシル基等が挙げられる。
【0051】一般式(1)および一般式(6)のXに結
合したAr2 において、置換されていてもよいアリール
基としては、好ましくは、6〜24個の炭素原子を有す
るものであり、 フェニル基、 ナフチル基、アンスリル
基、ビフェニル基等が例示されるが、特に好ましくは、
置換されていてもよいフェニル基である。
【0052】また、一般式(3)で表される芳香族アミ
ン骨格を有する基における、置換されていてもよいアリ
ーレン基Ar3 は、好ましくは、置換されていてもよい
6〜24個の炭素原子を有するアリーレン基であり、フ
ェニレン基、ナフチレン基、アンスリレン基、ビフェニ
レン基等が例示されるが、特に好ましくは、置換されて
いてもよいフェニレン基、ビフェニレン基である。
【0053】また、 一般式(3)で表される芳香族アミ
ン骨格を有する基における、R3 およびR4 としては、
好ましくは、置換されていてもよい1〜10個の炭素原
子を有する直鎖状、分岐状のアルキル基または環状のシ
クロアルキル基、6〜24個の炭素原子を有するアリー
ル基、7〜26個の炭素原子を有するアラルキル基を示
すが、さらに好ましくは、置換されていてもよい6〜2
4個の炭素原子を有するアリール基であり、特に好まし
くは置換されていてもよいフェニル基である。
【0054】また、一般式(4)で表される芳香族エテ
ニレン骨格を有する基における、置換されていてもよい
アリーレン基Ar4 は、好ましくは、置換されていても
よい6〜24個の炭素原子を有するアリーレン基であ
り、フェニレン基、ナフチレン基、アンスリレン基、ビ
フェニレン基等が例示されるが、特に好ましくは、置換
されていてもよいフェニレン基である。また、置換され
ていてもよいアリール基Ar5 としては、好ましくは、
6〜24個の炭素原子を有するアリール基であり、フェ
ニル基、ナフチル基、アンスリル基、ビフェニル基等が
例示されるが、特に好ましくは、置換されていてもよい
フェニル基である。
【0055】また、 一般式(4)で表される芳香族エテ
ニレン骨格を有する基におけるR5およびR6 の水素原
子以外の基は、好ましくは、置換されていてもよい1〜
10個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状のアルキル基
または環状のシクロアルキル基、6〜24個の炭素原子
を有するアリール基、7〜26個の炭素原子を有するア
ラルキル基であるが、さらに好ましくは、置換されてい
てもよい6〜24個の炭素原子を有するアリール基であ
り、特に好ましくは置換されていてもよいフェニル基で
ある。
【0056】本発明のポリシラン化合物の特徴である、
一般式(1)で表される繰り返し構造単位中の側鎖Ar
2 −X−Ar1 −基として、該側鎖基をSi原子から切
り離し、下記一般式(6)
【化16】 (式中、Hは水素原子を表し、Ar1 、X、Ar2 は前
記一般式(1)におけるものを表す。)で表される分子
にしたとき、該分子のイオン化ポテンシャル(以下、I
pと記すことがある。)が、6.0eV以下であるよう
な側鎖Ar2 −X−Ar1 −基を選ぶことが好ましい。
イオン化ポテンシャルは、分子内のπ電子が非局在化し
広がっている程度の目安となることから、π電子の広が
りの大きい、イオン化ポテンシャルの小さい分子を側鎖
につけたポリシラン化合物ほど、ホッピングサイトが側
鎖まで広がり、正孔がホッピングサイト間を跳び移る確
率が高くなることから好ましい。イオン化ポテンシャル
が6.0eVより高いと、ホッピングサイトの側鎖への
広がりが十分でなく、正孔がホッピングサイト間を跳び
移る確率が高くならず、正孔ドリフト移動度が向上し難
い。本発明のポリシラン化合物およびジハロシランの特
徴である、一般式(1)で表される繰り返し構造単位お
よび一般式(6)で表されるジハロシラン中の側鎖Ar
2 −X−Ar1 −基の具体例をつぎに記すが、これらの
基に限定されるものではない。式中、Wは酸素原子
(O)または硫黄原子(S)を表し、R1 〜R9はそれ
ぞれ独立にメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ter
t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシ
ル基等を表わす。また、mは0または1の整数、nは0
から2までの整数、oは0から3までの整数、pは0か
ら4までの整数、qは0から5までの整数を表わす。
【0057】
【化17】
【0058】
【化18】
【0059】
【化19】
【0060】
【化20】
【0061】
【化21】
【0062】
【化22】
【0063】本発明のポリシラン化合物の一般式(5)
で示される繰り返し構造単位および本発明の一般式
(7)で示されるジハロシラン中のR7 およびR8 はそ
れぞれ独立に、好ましくは、置換されていてもよい1〜
10個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状のアルキル基
または環状のシクロアルキル基、6〜24個の炭素原子
を有するアリール基、7〜26個の炭素原子を有するア
ラルキル基を示す。
【0064】具体例としては、例えば、アルキル基とし
て、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシ
ル基等が、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル
基等が、アリール基としては、フェニル基、ナフチル
基、アンスリル基、ビフェニル基等が、アラルキル基と
しては、ベンジル基、フェネチル基、p−メチルベンジ
ル基等が挙げられる。
【0065】置換されていてもよいアルキル基、シクロ
アルキル基、アリール基およびアラルキル基の置換基と
しては、好ましくは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖
状、分岐状のアルキル基または環状のシクロアルキル基
で、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、te
rt−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキ
シル基等を挙げることができる。
【0066】本発明のポリシラン化合物の一般式(1)
で示される繰り返し構造単位および本発明の一般式
(6)で示されるジハロシランにおいて、Xは一般式
(2)で表わされる窒素原子を含む基であることが好ま
しく、かつ、R2 は置換されていてもよいフェニル基、
Ar1 が置換されていてもよいフェニレン基、Ar2
置換されていてもよいフェニル基であることが好まし
い。
【0067】また、Xが一般式(2)である本発明のポ
リシラン化合物およびジハロシランにおいて、R2 は置
換されていてもよいフェニル基、Ar1 が置換されてい
てもよいフェニレン基、Ar2 が一般式(3)で表わさ
れるポリシラン化合物であり、かつ、一般式(3)にお
いて、Ar3 が置換されていてもよいフェニレン基、ま
たはビフェニレン基、R3 およびR4 がそれぞれ独立に
置換されていてもよいフェニル基であることが好まし
い。
【0068】また、Xが一般式(2)である本発明のポ
リシラン化合物およびジハロシランにおいて、R2 は置
換されていてもよいフェニル基、Ar1 が置換されてい
てもよいフェニレン基、Ar2 が一般式(4)で表わさ
れるポリシラン化合物であり、かつ、一般式(4)にお
いて、Ar4 が置換されていてもよいフェニレン基、A
5 が置換されていてもよいフェニル基であることが好
ましい。
【0069】また、本発明のポリシラン化合物の一般式
(1)で示される繰り返し構造単位および本発明の一般
式(6)で示されるジハロシランにおいて、Xが酸素原
子または硫黄原子である場合、Ar1 が置換されていて
もよいフェニレン基、Ar2が置換されていてもよいフ
ェニル基であることが好ましい。
【0070】本発明のポリシラン化合物の繰り返し構造
単位(1)と繰り返し構造単位(5)の総単位数に対す
る繰り返し構造単位(1)および繰り返し構造単位
(5)の単位数の比をそれぞれzおよび1−zとしたと
き、zは0.2≦z≦1、好ましくは、0.5≦z≦1
の範囲、特に好ましくは、z=1のものである。zが
0.2未満の場合は、繰り返し構造単位(1)の側鎖の
アリーレン基、Xおよびアリール基の奏する効果が小さ
くなり、正孔ドリフト移動度の向上がみられないことか
ら好ましくない。
【0071】本発明のポリシラン化合物は、一分子中の
平均繰り返し構造単位数を、下記数式(1)
【数2】 (式中、i、kは一分子中の繰り返し構造単位数、fi
はi個の繰り返し構造単位を持つ分子の度数を表す)を
満たすk(以下、DP50と記すことがある)としたと
き、kは、好ましくは70以上、より好ましくは100
以上、最も好ましくは500以上である。70未満の場
合は、ホッピングサイトとなる平面ジグザグ構造にSi
原子がつながった領域が安定に存在できないため、正孔
ドリフト移動度の向上がみられないことから好ましくな
い。また、高分子の特徴である成形性が著しく低下する
ことからも好ましくない。
【0072】上記のような本発明のポリシラン化合物
は、10-4〜10-1cm2 /Vsecの正孔ドリフト移
動度を有する。また、Xが一般式(2)で表され、kが
70以上である本発明のポリシラン化合物は、10-3
10-1cm2 /Vsecの従来にない高いレベルの正孔
ドリフト移動度を達成することができるので特に好まし
い。
【0073】本発明のポリシラン化合物は、酸素および
水分を除去した高純度の不活性化雰囲気下、例えば、高
純度アルゴンガス雰囲気下で、前記一般式(6)で表さ
れる本発明のジハロシラン、または前記一般式(6)で
表される本発明のジハロシランおよび前記一般式(7)
で表されるジハロシランの混合物を、不活性溶媒中でア
ルカリ金属に接触させて縮重合反応させることにより得
られる。
【0074】ジハロシランの混合物を不活性溶媒中でア
ルカリ金属に接触させて縮重合反応させる方法として
は、不活性溶媒に該アルカリ金属を分散させた懸濁液中
に、該ジハロシランを不活性溶媒に溶解した溶液を滴下
することにより、ジハロシランを縮重合反応させる方
法、ジハロシランを不活性溶媒に溶解した溶液中に、該
アルカリ金属の懸濁液を滴下することにより、ジハロシ
ランを縮重合反応させる方法のいずれも用いることがで
きるが、高い正孔ドリフト移動度を有する高分子量のポ
リシラン化合物を合成するには、ジハロシランの不活性
溶媒溶液中にアルカリ金属の懸濁液を滴下することによ
り、ジハロシランを縮重合反応させる方法が好ましい。
【0075】ジハロシランの不活性溶媒溶液中にアルカ
リ金属の懸濁液を滴下させてジハロシランを縮重合反応
させることにより、低分子量成分の生成が抑えられ高分
子量のポリシラン化合物を得ることができる。
【0076】ここで、本発明のジハロシランのハロゲン
原子としては、最も一般的に用いられる塩素原子の他
に、臭素原子やヨウ素原子を用いることもできる。
【0077】本発明で用いられるアルカリ金属として
は、リチウム、ナトリウム、カリウムおよびこれらの合
金を挙げることができる。これらのアルカリ金属は、好
ましくは微粒子、さらに好ましくは平均粒径100μm
以下の微粒子、特に好ましくは平均粒径50μm以下の
微粒子に分散させて用いる。
【0078】アルカリ金属を、微粒子または好ましくは
平均粒径100μm以下の微粒子に分散させて用いるこ
とにより、立体的に大きな側鎖を有する高分子量のポリ
シラン化合物を得ることができる。
【0079】アルカリ金属を、微粒子または好ましくは
平均粒径100μm以下の微粒子に分散させる方法は特
に限定されず、不活性溶媒中でアルカリ金属を溶融させ
機械撹拌する方法、または不活性溶媒中でアルカリ金属
を溶融させ超音波を照射する方法等が挙げられるが、平
均粒径100μm以下の微粒子に分散させるには、不活
性溶媒中でアルカリ金属を溶融させ超音波を照射する方
法が好ましい。
【0080】また、溶媒は、ジハロシランモノマーを溶
解することが可能であり、アルカリ金属とジハロシラン
モノマーに対して不活性な溶媒であれば特に限定され
ず、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族
炭化水素類、ドデカン、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘ
キサン等の脂肪族炭化水素類、ジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、ジオキサン等のエーテル系溶
媒が使用可能である。
【0081】縮合反応は室温から溶媒の沸点の間の温度
で行なうことが可能であり、反応時間は15分から10
0時間と特に制限はない。
【0082】Kipping法に供することのできる、
種々の置換基を有する本発明のジハロシランモノマーは
公知の合成法に基づいて合成することができる。すなわ
ち、いわゆる直接法によって工業的に生産されるアルキ
ルトリクロロシランやテトラクロロシランと有機化合物
のグリニャール試剤やリチウム試剤を用いたメタセシス
反応やヒドロシランとオレフィンやアセチレン化合物の
ヒドロシリル化反応により得ることができる。
【0083】
【実施例】以下、実施例により本発明をより詳しく説明
するが、本発明は本実施例に制限されるものではない。
【0084】ポリマーの分子量は ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフ(Waters社、Maxima−8
20、カラム Ultrastyragel Line
ar:移動相テトラヒドロフラン、以下、GPCと記す
ることがある)を用いて測定した。構造解析は 1H−N
MR、13C−NMR(Bruker社モデルAC200
P)を用いて行なった。
【0085】正孔ドリフト移動度は、既知の方法、例え
ば、スタンダードタイムオブフライト法により測定する
ことができる( F.K. Dolezalek, Photoconductivity
andRelated Phenomena, Eds. J. Mort & D.M. Pai (New
York) Chap. 2 (1976)p27 )。イオン化ポテンシャル
は測定した酸化電位(Eox)から下記式より求めた。 Ip(eV)=Eox+Ag/AgCl参照電極電位
(0.196)+標準水素電極電位(4.5) 酸化電位は、被測定材料0.1mmolのジクロロメタ
ン溶液(支持電解質:0.1molテトラフルオロほう
酸テトラ−n−ブチルアンモニウム)のサイクリックボ
ルタンメトリー(株式会社東方技研製自動評価システ
ム:POTENTIOSTAT/GALVANOSTAT 2000、FUNCTION GENERA
TOR FG−02、作用電極、対抗電極:白金、参照電極:A
g/AgCl電極、掃引速度:50mV/sec)によ
り、ボルタモグラムの半波電位から求めた。
【0086】実施例1 メチル(4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル)
ジクロロシランの合成 特に記載しない場合、反応は通常言われるシュレンク法
に基づいて乾燥アルゴン雰囲気下で行なうものとする。
200℃で乾燥し熱いうちに組み上げ、ラバーセプタ
ム、ガス導入管を装着した。真空引きと乾燥アルゴン充
填を繰り返しながら冷却し、乾燥アルゴンを満たした1
00mlの二つ口フラスコに、4.7gの4−(N,N
−ジフェニルアミノ)ブロモベンゼンを入れ、真空下で
溶融乾燥した。これに直前に金属ナトリウム上で蒸留し
た乾燥テトラヒドロフラン20mlをガスタイトシリン
ジを用いて加え4−(N,N−ジフェニルアミノ)ブロ
モベンゼンを溶解した後、−78℃でn−ブチルリチウ
ム(Aldrich社製、1.6N ヘキサン溶液)
9.4mlを滴下し1時間反応させて、4−(N,N−
ジフェニルアミノ)フェニルリチウムを生成した。
【0087】同様に乾燥した100mlの二つ口フラス
コに直前に水素化カルシウム上で蒸留したメチルトリク
ロロシラン(信越化学製、LS−40)3.8gと乾燥
テトラヒドロフラン10mlを入れ、−78℃に冷却し
たのち前記の4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニ
ルリチウムをテフロン製カニューラを用いて滴下した。
滴下後、一晩反応を行なった後、過剰のメチルトリクロ
ロシランと溶媒を留去し、Kugelrohrを用いて
減圧蒸留(220℃/0.3mmHg)して、2.1g
(収率:45%)の無色透明で粘稠な液体を得た。核磁
気共鳴吸収スペクトル(NMR)ならびにマススペクト
ル(GC−MS)の結果から、この液体はメチル(4−
(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル)ジクロロシラ
ンであることを確認した。
【0088】構造解析データ(NMR)1 H−NMR 0.85ppm(1本:3H) CH3 −Si 6.9〜7.4ppm(11本:14H) (65 )N(64 )−Si (ジオキサン3.57ppm基準)13 C−NMR 5.7ppm(1本) CH3 −Si 121〜151ppm(8本) (65 2 N(64 )−Si (重クロロホルム77.1ppm基準)
【0089】構造解析データ(GC−MS) GC−MS m/e:M+ (ピーク強度)349(1)
334(0.4) 245(0.3) 167(0.5) Me(MeO)2 Si(C64 )N(C652
転換後測定した。
【0090】実施例2 ポリ(メチル(4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェ
ニル)シラン)の合成 実施例1と同じ操作で乾燥した50mlの三つ口フラス
コに乾燥窒素雰囲気下で金属ナトリウム0.55gを入
れ、金属ナトリウム上で乾燥し直前に蒸留したトルエン
15mlを加えた。このフラスコを乾燥アルゴン流通
下、超音波分散器(Branson社製450型)にセ
ットし、98℃〜105℃に加熱しながら超音波を照射
し、金属ナトリウムを平均粒径で50μmに分散した。
分散後、トルエンを留去し、新たに乾燥トルエン3ml
を加え、金属ナトリウム懸濁液とした。
【0091】上記の金属ナトリウム懸濁液の入ったフラ
スコに、磁気撹拌子、熱電対、ラバーセプタムを装着
し、65℃に昇温した。フラスコの内温が安定すると同
時に、実施例1で合成したメチル(4−(N,N−ジフ
ェニルアミノ)フェニル)ジクロロシラン3.3gの乾
燥トルエン溶液6mlをガスタイトシリンジを用い約1
6分間かけて滴下した。滴下後、反応熱でフラスコ内の
温度は一時的に109℃まで上昇した。滴下終了後65
℃で4時間反応させ、その後フラスコを80℃に昇温
し、22時間反応を行なった。
【0092】反応終了後、アルゴン流通下で20mlの
トルエンと3mlのイソプロピルアルコールをフラスコ
に加え過剰の金属ナトリウムを失活させた。沈殿物を遠
心分離操作で分離、トルエンで2回洗浄し可溶物をトル
エン溶液として回収した。トルエン溶液を水洗し無水硫
酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去し透明の樹脂
状物質2.86gを得た。
【0093】得られた樹脂状物質をテトラヒドロフラン
に溶解、イソプロピルアルコールで再沈する操作を繰り
返し、精製ポリマー0.52gを得た。ポリマーの分子
量分布をGPCを用いて測定した結果、高分子量のポリ
シラン化合物が得られたことが確認できた。NMRの結
果は、ポリ(メチル(4−(N,N−ジフェニルアミ
ノ)フェニル)シラン)に対応するものであった。
【0094】構造解析データ1 H−NMR −0.8〜0.6ppm(3H) CH3 −Si 6.2〜7.4ppm(14H) (65 2 N(64 )−Si 積分比 芳香族/CH3 =14.1/3.0 (ジオキサン3.57ppm基準)
【0095】分子量 重量平均分子量(Mw)=3.9×105 数平均分子量(Mn)=4.0×103 Mw/Mn=98 DP50=18 収率 20%(0.52g)
【0096】上記のようにして合成したポリシラン化合
物0.1gを脱水トルエン1.9gに溶解し5重量%の
トルエン溶液にした。このトルエン溶液を0.2μmの
メンブランフィルターで濾過し塗布液とした。この塗布
液を、透明導電膜(ITO)を堆積したガラス基板上
に、真空蒸着法により金属セレンを膜厚0.2μmに蒸
着して電荷発生層を形成し、その上に上記塗布液をスピ
ンコート法により膜厚4.2μmに塗布してポリシラン
化合物正孔輸送層を形成した。さらに、ポリシラン化合
物正孔輸送層の上に真空蒸着法により金電極を蒸着し、
タイムオブフライト測定用の試料とした。
【0097】この試料に透明電極側から、窒素レーザー
励起式色素レーザー(レーザーフォトニクス社製、窒素
レーザー励起色素レーザー、モデルLN1000/LN
102)を用いてフラッシュ光(波長:481nm、フ
ラッシュ時問:1nsec)を当て、通常のタイムオブ
フライト法により正孔ドリフト移動度を測定した。光電
流の測定には、ヒューレットパッカード社製ディジタイ
ジングオシロスコープ、モデル54710A/5471
3Aを用いた。その結果、室温(25℃)、印加電圧2
10V(電界強度:0.5MV/cm)において、正孔
ドリフト移動度1×10-4cm2 /Vsecが得られ
た。
【0098】実施例3 ポリ(メチル(4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェ
ニル)シラン)の合成 実施例1と同様にして乾燥した50mlの三つ口フラス
コに乾燥窒素雰囲気下で金属ナトリウム0.6gを入
れ、金属ナトリウム上で乾燥し直前に蒸留したトルエン
10mlを加えた。このフラスコを乾燥アルゴン流通
下、超音波分散器にセットし、98℃〜105℃に加熱
しながら超音波を照射し、金属ナトリウムを平均粒径で
50μmに分散し金属ナトリウム懸濁液とした。
【0099】上記の金属ナトリウム懸濁液の入ったフラ
スコに、磁気撹拌子、熱電対、ラバーセプタムを装着
し、62℃に昇温した。フラスコの内温が安定すると同
時に、実施例1と同様にして合成し、直前に蒸留したメ
チル(4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル)ジ
クロロシラン2.1gの乾燥トルエン溶液9mlをガス
タイトシリンジを用い約10分間かけて滴下した。滴下
後、反応熱でフラスコ内の温度は一時的に90℃まで上
昇した。滴下終了とともにフラスコを85℃に昇温し、
10時間反応を行なった。
【0100】反応終了後、アルゴン流通下でトルエンと
イソプロピルアルコールをフラスコに加え過剰の金属ナ
トリウムを失活させ、さらに蒸留水を加えて紫色の沈殿
を溶解した。トルエン相を分離し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した後、溶媒を留去し、透明の樹脂状物質1.
65gを得た。得られた樹脂状物質をテトラヒドロフラ
ンに溶解、イソプロピルアルコールで再沈する操作を繰
り返し、精製ポリマー0.25gを得た。ポリマーの分
子量分布をGPCを用いて測定した結果、高分子量のポ
リシラン化合物が得られたことが確認できた。NMRな
らびに元素分析の結果は、ポリ(メチル(4−(N,N
−ジフェニルアミノ)フェニル)シラン)に対応するも
のであった。
【0101】構造解析データ1 H−NMR −0.8〜0.8ppm(3H) CH3 −Si 6.9〜7.4ppm(14H) (65 2 N(64 )−Si 積分比 芳香族/CH3 =13.7/3.0 (ジオキサン3.57ppm基準) 元素分析(重量%) Si C H N 実測値 8.7 79.0 6.0 4.8 予想値 9.8 79.0 6.0 5.0
【0102】分子量 Mw=1.7×106 、Mn=9.2×103 Mw/Mn=185 DP50=2200 収率 13%(0.25g)
【0103】上記で合成したポリシラン化合物を用い
て、実施例2と同様にして、膜厚4.7μmのタイムオ
ブフライト測定用試料を作成した。実施例2と同様の方
法により室温(25℃)、印加電圧235V(電界強
度:0.5MV/cm)において、正孔ドリフト移動度
1×10-3cm2 /Vsecが得られた。
【0104】比較例1 ポリ(メチル(4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェ
ニル)シラン)の合成 実施例1と同じ操作で乾燥した50mlの三つ口フラス
コに乾燥窒素雰囲気下で金属ナトリウム0.47gを入
れ、金属ナトリウム上で乾燥し直前に蒸留したトルエン
15mlを加えた。このフラスコを98℃〜105℃に
加熱しながら超音波を照射し、金属ナトリウムを平均粒
径で50μmに分散した。分散後、トルエンを留去し、
新たに乾燥トルエン3mlを加え、金属ナトリウム懸濁
液とした。
【0105】上記の金属ナトリウム懸濁液の入ったフラ
スコに、磁気撹拌子、熱電対、ラバーセプタムを装着
し、62℃に昇温した。フラスコの内温が安定すると同
時に、実施例1と同様にして合成したメチル(4−
(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル)ジクロロシラ
ン2.1gの乾燥トルエン溶液10mlをガスタイトシ
リンジを用い約10分間かけて滴下した。滴下後、反応
熱でフラスコ内の温度は一時的に109℃まで上昇し
た。滴下終了後65℃で4時間反応を行なった。
【0106】反応終了後、アルゴン流通下で20mlの
トルエンと3mlのイソプロピルアルコールをフラスコ
に加え過剰の金属ナトリウムを失活させた。沈殿物を遠
心分離操作で分離、トルエンで2回洗浄し可溶物をトル
エン溶液として回収した。トルエン溶液を水洗し無水硫
酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去し透明の樹脂
状物質1.22gを得た。得られた樹脂状物質をテトラ
ヒドロフランに溶解、イソプロピルアルコールで再沈す
る操作を繰り返し、精製ポリマー0.85gを得た。N
MRならびに元素分析の結果は、ポリ(メチル(4−
(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル)シラン)に対
応するものであった。
【0107】構造解析データ1 H−NMR −0.6〜0.8ppm(3H) CH3 −Si 6.3〜7.4ppm(14H) (65 2 N(64 )−Si 積分比 芳香族/CH3 =14.3/3.0 (ジオキサン3.57ppm基準)
【0108】 元素分析(重量%) Si C H N 実測値 8.7 78.7 6.0 4.8 予想値 9.8 79.0 6.0 5.0 分子量 Mw=1.2×104 、Mn=2.5×103 Mw/Mn=4.8 DP50=7 収率 53%(0.85g)
【0109】上記で合成したポリシラン化合物を用い
て、実施例2と同様にして、膜厚4.0μmのタイムオ
ブフライト測定用試料を作成した。実施例2と同様の方
法により室温(25℃)、印加電圧200V(電界強
度:0.5MV/cm)において、正孔ドリフト移動度
7×10-5cm2 /Vsecが得られた。
【0110】実施例4 エチル(4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル)
ジクロロシランの合成 実施例1と同じ操作で乾燥した50mlの三つ口フラス
コに、5.0gの4−(N,N−ジフェニルアミノ)ブ
ロモベンゼンを入れ、真空下で溶融乾燥した。これに直
前に金属ナトリウム上で蒸留した乾燥テトラヒドロフラ
ン14mlをガスタイトシリンジを用いて加え4−
(N,N−ジフェニルアミノ)ブロモベンゼンを溶解し
た後、−78℃でn−ブチルリチウム(Aldrich
社製、1.6N ヘキサン溶液)9.6mlを滴下し
2.5時間反応させて、4−(N,N−ジフェニルアミ
ノ)フェニルリチウムを生成した。
【0111】同様に乾燥した100mlの二つ口フラス
コに直前に水素化カルシウム上で蒸留したエチルトリク
ロロシラン(信越化学製、LS−120)3.4gと乾
燥テトラヒドロフラン15mlを入れ、−78℃に冷却
したのち前記の4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェ
ニルリチウムをテフロン製カニューラを用いて滴下し
た。滴下後、一晩反応を行なった後、過剰のエチルトリ
クロロシランと溶媒を留去し、Kugelrohrを用
いて減圧蒸留(210℃/0.3mmHg)して、2.
8g(収率:50%)の無色透明で粘稠な液体を得た。
核磁気共鳴吸収スペクトル(NMR)の結果から、この
液体はエチル(4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェ
ニル)ジクロロシランであることを確認した。
【0112】構造解析データ(NMR)1 H−NMR 0.97〜1.06ppm(3H) CH3 CH2 −S
i 1.12〜1.25ppm(2H) CH3 CH2 −S
i 6.90〜7.40ppm(12本:14H) (65 2 N(64 )−Si (ジオキサン3.57ppm基準)13 C−NMR 6.4ppm CH3 CH2 −Si 13.3ppm CH3 CH2 −Si 121〜151ppm(8本) (65 2 N(64 )−Si (重クロロホルム77.1ppm基準)
【0113】実施例5 ポリ(エチル(4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェ
ニル)シラン)の合成 実施例2のメチル(4−(N,N−ジフェニルアミノ)
フェニル)ジクロロシランの替わりに、実施例4と同様
にして合成したエチル(4−(N,N−ジフェニルアミ
ノ)フェニル)ジクロロシラン4.3gを用い、実施例
2と同様にして合成、精製を行い、精製ポリマー0.3
9gを得た。ポリマーの分子量分布をGPCを用いて測
定した結果、高分子量のポリシラン化合物が得られたこ
とが確認できた。NMRならびに元素分析の結果は、ポ
リ(エチル(4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニ
ル)シラン)に対応するものであった。
【0114】構造解析データ1 H−NMR −0.1〜1.5ppm(5H) 25 −Si 6.2〜7.4ppm(14H) (65 2 N(64 )−Si 積分比 芳香族/C25 =14.1/5.0 (ジオキサン3.57ppm基準) 元素分析(重量%) Si C H N 実測値 8.7 79.7 6.4 4.7 予想値 9.3 79.7 6.4 4.6
【0115】分子量 Mw=2.7×104 、Mn=3.9×103 Mw/Mn=6.9 DP50=15 収率 16%(0.39g)
【0116】上記で合成したポリシラン化合物を用い
て、実施例2と同様にして、膜厚2.3μmのタイムオ
ブフライト測定用試料を作成した。実施例2と同様の方
法により室温(25℃)、印加電圧115V(電界強
度:0.5MV/cm)において、正孔ドリフト移動度
7×10-4cm2 /Vsecが得られた。
【0117】実施例6 ポリ(エチル(4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェ
ニル)シラン)の合成 実施例1と同じ操作で乾燥した50mlの三つ口フラス
コに乾燥窒素雰囲気下で切り出した金属ナトリウム0.
7gと、乾燥トルエン16mlを加えた。このフラスコ
を超音波分散器にセットし、100〜105℃で金属ナ
トリウムを平均粒径で30μmに分散させた。分散後、
フラスコを静置し、上澄みの過剰のトルエン12mlを
シリンジで除いて金属ナトリウム懸濁液とした。
【0118】同様に乾燥した50mlの三つ口フラスコ
に磁気撹拌子、熱電対、ラバーセプタムを装着し、実施
例4と同様にして合成したエチル(4−(N,N−ジフ
ェニルアミノ)フェニル)ジクロロシラン4.9gと乾
燥トルエン4mlを加え溶液とした。このフラスコを8
0℃に昇温した後、前記の金属ナトリウム懸濁液をテフ
ロン製カニューラを用い約10分間かけて滴下した。滴
下によってフラスコ内の温度は一時的に120℃まで上
昇した。滴下開始後4時間反応を行ない、トルエンとイ
ソプロピルアルコールを加え、反応を停止するとともに
過剰の金属ナトリウムを失活させた。
【0119】沈殿物を遠心分離操作で分離、トルエンで
2回洗浄し可溶物をトルエン溶液として回収した。トル
エン溶液を水洗し無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、
溶媒を留去し樹脂状の物質を得た。この樹脂状物質をテ
トラヒドロフラン溶液としイソプロピルアルコールで再
沈、精製を繰り返し、精製ポリマー0.24gを得た。
ポリマーの分子量分布をGPCを用いて測定した結果、
高分子量のポリシラン化合物が得られたことが確認でき
た。NMRならびに元素分析の結果は、ポリ(エチル
(4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル)シラ
ン)に対応するものであった。
【0120】構造解析データ1 H−NMR −0.6〜0.6ppm(5H) 25 −Si 6.6〜7.2ppm(14H) (65 2 N(64 )−Si 積分比 芳香族/C25 =14.1/5.0 (ジオキサン3.57ppm基準) 元素分析(重量%) Si C H N 実測値 8.2 80.0 6.4 4.7 予想値 9.3 79.7 6.4 4.6
【0121】分子量 Mw=1.1×106 、Mn=7.3×103 Mw/Mn=151 DP50=1800 収率 6%(0.24g)
【0122】上記で合成したポリシラン化合物を用い
て、実施例2と同様にして、膜厚5.8μmのタイムオ
ブフライト測定用試料を作成した。実施例2と同様の方
法により、室温(25℃)、印加電圧290V(電界強
度:0.5MV/cm)において、正孔ドリフト移動度
3×10-3cm2 /Vsecが得られた。
【0123】実施例7 エチル(4−(N−(4’−メチルフェニル)−N−フ
ェニルアミノ)フェニル)ジクロロシランの合成 実施例1と同じ操作で乾燥した50mlの三つ口フラス
コに、4.8gの4−(N−(4’−メチルフェニル)
−N−フェニルアミノ)ブロモベンゼンを入れ、真空下
で溶融乾燥した。これに直前に金属ナトリウム上で蒸留
した乾燥テトラヒドロフラン14mlをガスタイトシリ
ンジを用いて加え4−(N−(4’−メチルフェニル)
−N−フェニルアミノ)ブロモベンゼンを溶解した後、
−78℃でn−ブチルリチウム(Aldrich社製、
1.6N ヘキサン溶液)9.7mlを滴下し2.5時
間反応させて、4−(N−(4’−メチルフェニル)−
N−フェニルアミノ)フェニルリチウムを生成した。
【0124】同様に乾燥した100mlの二つ口フラス
コに直前に水素化カルシウム上で蒸留したエチルトリク
ロロシラン(信越化学製、LS−120)3.4gと乾
燥テトラヒドロフラン14mlを入れ、−78℃に冷却
したのち前記の4−(N−(4’−メチルフェニル)−
N−フェニルアミノ)フェニルリチウムをテフロン製カ
ニューラを用いて滴下した。滴下後、一晩反応を行なっ
た後、過剰のエチルトリクロロシランと溶媒を留去し、
Kugelrohrを用いて減圧蒸留(220℃/0.
15mmHg)して、2.8g(収率:51%)の淡黄
色透明で粘稠な液体を得た。核磁気共鳴吸収スペクトル
(NMR)の結果から、この液体はエチル(4−(N−
(4’−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)フェ
ニル)ジクロロシランであることを確認した。
【0125】構造解析データ(NMR)1 H−NMR 0.9〜1.3ppm(5H) 25 −Si 2.2ppm(1本:3H) (CH3 −C64 )−
N 6.7〜7.5ppm(13H) (CH364 )(65 )N(64 )−S
i (ジオキサン3.57ppm基準)13 C−NMR 6〜14ppm(2本) 25 −Si 21ppm(1本) (CH3 −C64 )−N 120〜150ppm(12本) (CH364 )(65 )N(64 )−S
i (重クロロホルム77.1ppm基準)
【0126】実施例8 ポリ(エチル(4−(N−(4’−メチルフェニル)−
N−フェニルアミノ)フェニル)シラン)の合成 実施例5のエチル(4−(N,N−ジフェニルアミノ)
フェニル)ジクロロシランの替わりに、実施例7で合成
し、直前に蒸留したエチル(4−(N−(4’−メチル
フェニル)−N−フェニルアミノ)フェニル)ジクロロ
シラン2.75gを用いて、実施例5と同様にして反
応、精製を行い、精製ポリマー0.13gを得た。ポリ
マーの分子量分布をGPCを用いて測定した結果、高分
子量のポリシラン化合物が得られたことが確認できた。
NMRならびに元素分析の結果は、ポリ(エチル(4−
(N−(4’−メチルフェニル)−N−フェニルアミ
ノ)フェニル)シラン)に対応するものであった。
【0127】構造解析データ1 H−NMR −0.2〜1.6ppm(5H) 25 −Si 1.8〜2.4ppm(3H) (CH3 −C64
−N 6.0〜7.8ppm(13H) (CH364 )(65 )N(64 )−S
i 積分比 芳香族/CH3 /C25 =14.2/3.2
/5.0 (ジオキサン3.57ppm基準) 元素分析(重量%) Si C H N 実測値 8.9 77.6 6.7 4.2 予想値 8.9 79.9 6.7 4.4
【0128】分子量 Mw=1.7×106 、Mn=2.5×104 Mw/Mn=68 DP50=3200 収率 6%(0.13g)
【0129】上記で合成したポリシラン化合物を用い
て、実施例2と同様にして、膜厚7.9μmのタイムオ
ブフライト測定用試料を作成した。実施例2と同様の方
法により、室温(25℃)、印加電圧395V(電界強
度:0.5MV/cm)において、正孔ドリフト移動度
5×10-3cm2 /Vsecが得られた。
【0130】実施例9 エチル(4−(N,N−ビス(4’−メチルフェニル)
アミノ)フェニル)ジクロロシランの合成 実施例1と同じ操作で乾燥した50mlの三つ口フラス
コに、5.0gの4−(N,N−ビス(4’−メチルフ
ェニル)アミノ)ブロモベンゼンを入れ、真空下で溶融
乾燥した。これに直前に金属ナトリウム上で蒸留した乾
燥テトラヒドロフラン14mlをガスタイトシリンジを
用いて加え4−(N,N−ビス(4’−メチルフェニ
ル)アミノ)ブロモベンゼンを溶解した後、−78℃で
n−ブチルリチウム(Aldrich社製、1.6N
ヘキサン溶液)9.6mlを滴下し2.5時間反応させ
て、4−(N,N−ビス(4’−メチルフェニル)アミ
ノ)フェニルリチウムを生成した。
【0131】同様に乾燥した100mlの二つ口フラス
コに直前に水素化カルシウム上で蒸留したエチルトリク
ロロシラン(信越化学製、LS−120)3.3gと乾
燥テトラヒドロフラン14mlを入れ、−78℃に冷却
したのち前記の4−(N,N−ビス(4’−メチルフェ
ニル)アミノ)フェニルリチウムをテフロン製カニュー
ラを用いて滴下した。滴下後、一晩反応を行なった後、
過剰のエチルトリクロロシランと溶媒を留去し、Kug
elrohrを用いて減圧蒸留(230℃/0.15m
mHg)し、3.3g(収率:57%)の淡黄色透明で
粘稠な液体を得た。核磁気共鳴吸収スペクトル(NM
R)の結果から、この液体はエチル(4−(N,N−ビ
ス(4’−メチルフェニル)アミノ)フェニル)ジクロ
ロシランであることを確認した。
【0132】構造解析データ(NMR)1 H−NMR 0.9〜1.3ppm(5H) 25 −Si 2.2ppm(1本:6H) (CH3 −C64 )2
−N 6.7〜7.5ppm(12H) (CH364 2 N(64 )−Si (ジオキサン3.57ppm基準)13 C−NMR 6〜14ppm(2本) 25 −Si 21ppm(1本) (CH3 −C642 −N 119〜152ppm(8本) (CH364 2 N(64 )−Si (重クロロホルム77.1ppm基準)
【0133】実施例10 ポリ(エチル(4−(N,N−ビス(4’−メチルフェ
ニル)アミノ)フェニル)シラン)の合成 実施例5のエチル(4−(N,N−ジフェニルアミノ)
フェニル)ジクロロシランの替わりに、実施例9で合成
し、直前に蒸留したエチル(4−(N,N−ビス(4’
−メチルフェニル)アミノ)フェニル)ジクロロシラン
3.26gを用いて、実施例5と同様にして反応、精製
を行い、精製ポリマー0.18gを得た。ポリマーの分
子量分布をGPCを用いて測定した結果、高分子量のポ
リシラン化合物が得られたことが確認できた。NMRな
らびに元素分析の結果は、ポリ(エチル(4−(N,N
−ビス(4’−メチルフェニル)アミノ)フェニル)シ
ラン)に対応するものであった。
【0134】構造解析データ1 H−NMR −0.2〜1.6ppm(5H) 25 −Si 1.8〜2.6ppm(6H) (CH3 −C64
2 −N 6.0〜7.8ppm(12H) (CH364 2 N(64 )−Si 積分比 芳香族/CH3 /C25 =13.3/6.4
/5.0 (ジオキサン3.57ppm基準) 元素分析(重量%) Si C H N 実測値 8.5 78.8 7.0 4.2 予想値 8.5 80.2 7.0 4.3 分子量 Mw=1.6×106 、Mn=1.2×104 Mw/Mn=133 DP50=2600 収率 7%(0.18g)
【0135】上記で合成したポリシラン化合物を用い
て、実施例2と同様にして、膜厚5.4μmのタイムオ
ブフライト測定用試料を作成した。実施例2と同様の方
法により、室温(25℃)、印加電圧270V(電界強
度:0.5MV/cm)において、正孔ドリフト移動度
5×10-3cm2 /Vsecが得られた。実施例2〜1
0のポリシラン化合物の結果を表1にまとめて記した。
【0136】
【表1】
【0137】比較例2 ポリ(メチルフェニルシラン)の合成 実施例1と同様に乾燥した100mlの三つ口フラスコ
に金属ナトリウム1.3gをとり乾燥トルエン19ml
を加えた。このフラスコを乾燥アルゴン流通下、超音波
を照射し金属ナトリウムを平均粒径で50μmに分散さ
せ、62℃に昇温し、直前に蒸留したメチルフェニルジ
クロロシラン(信越化学 LS−1490)5.0gを
ガスタイトシリンジを用いて約20分間かけて滴下し
た。滴下後、反応熱でフラスコ内の温度は一時的に11
0℃まで上昇し溶媒の還流が認められた。
【0138】滴下終了とともにフラスコを85℃に昇温
し、さらに40分間反応を行なった。反応終了後、アル
ゴン流通下で20mlのトルエンと3mlのイソプロピ
ルアルコールをフラスコに加え過剰の金属ナトリウムを
失活させた。沈殿物を遠心分離操作で分離、トルエンで
2回洗浄し可溶物をトルエン溶液として回収した。トル
エン溶液を水洗し無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、
溶媒を留去し透明の樹脂状物質を得た。
【0139】得られた樹脂状物質をテトラヒドロフラン
に溶解、イソプロピルアルコールで再沈する操作を繰り
返し、精製ポリマー0.8gを得た。ポリマーの分子量
分布をGPCを用いて測定した結果、高分子量のポリシ
ラン化合物が得られたことが確認できた。NMRならび
に元素分析の結果は、ポリ(メチルフェニルシラン)に
対応するものであった。
【0140】構造解析データ1 H−NMR −1.2〜0.3ppm(3H) CH3 −Si 6.0〜7.4ppm(5H) 65 −Si 積分比 芳香族/CH3 =5.0/3.0 (ジオキサン3.57ppm基準) 元素分析(重量%) Si C H N 実測値 22.0 69.0 6.9 <0.3 予想値 23.0 70.0 6.7 0
【0141】分子量 Mw=2.3×105 、Mn=6.2×103 Mw/Mn=37 DP50=80 収率 24%(0.8g)
【0142】上記で合成したポリシラン化合物を用い
て、実施例2と同様にして、膜厚4.0μmのタイムオ
ブフライト測定用試料を作成した。実施例2と同様の方
法により室温(25℃)、印加電圧200V(電界強
度:0.5MV/cm)において、正孔ドリフト移動度
2×10-4cm2 /Vsecが得られた。
【0143】比較例3 比較例2で得られたポリシラン化合物0.5gをテトラ
ヒドロフラン50mlに溶解した溶液に、イソプロピル
アルコール100mlを滴下した。沈殿物を濾別、乾燥
し、高分子量成分のみからなるポリマー0.10gを得
た。
【0144】分子量 Mw=9.8×105 、Mn=1.5×104 Mw/Mn=65 DP50=1800
【0145】上記のポリシラン化合物を用いて、実施例
2と同様にして、膜厚1.3μmのタイムオブフライト
測定用試料を作成した。実施例2と同様の方法により室
温(25℃)、印加電圧65V(電界強度:0.5MV
/cm)において、正孔ドリフト移動度2×10-4cm
2 /Vsecが得られた。
【0146】比較例4 比較例3で沈殿物を濾別した濾液を用いて、さらに再沈
操作を行い、低分子量成分のみからなるポリマー0.2
0gを得た。 分子量 Mw=1.5×104 、Mn=4.2×103 Mw/Mn=3.6 DP50=50
【0147】上記のポリシラン化合物を用いて、実施例
2と同様にして、膜厚4.3μmのタイムオブフライト
測定用試料を作成した。実施例2と同様の方法により室
温(25℃)、印加電圧215V(電界強度:0.5M
V/cm)において、正孔ドリフト移動度3×10-5
2 /Vsecが得られた。
【0148】比較例5 トリフェニルアミンを側鎖に置換したポリ(メチルフェ
ニルシラン)の合成 実施例1と同じ操作で乾燥した50mlの三つ口フラス
コに、ジムロート、磁気攪拌子、ガス導入管、ラバーセ
プタムを装着し、 乾燥アルゴンガス流通下で比較例2と
同様にして合成したポリ(メチルフェニルシラン)1.
0g(重量平均分子量2.8×104 、数平均分子量
9.2×103 )を仕込み真空乾燥した。このフラスコ
に水素化カルシウムから直前に蒸留したクロロホルム1
5mlを加え、ポリ(メチルフェニルシラン)を溶解し
た後、ドライアイス/四塩化炭素浴で−25℃に冷却
し、撹拌下、トリフルオロメタンスルホン酸0.1gを
ゆっくり滴下した。滴下終了後、室温にもどし0.5時
間撹拌した。反応後、溶媒を留去し、乾燥ベンゼン5m
lを加え固形物を溶解した。この操作を二度繰り返し、
トリフレート基(トリフルオロメチルスルフォン酸基)
で置換したポリシラン化合物のベンゼン溶液を得た。N
MRによる解析からポリ(メチルフェニルシラン)のフ
ェニル基の15%がトリフレート基に置換された。
【0149】同様に乾燥した25mlの三つ口フラスコ
にジムロート、磁気撹拌子、ガス導入管、ラバーセブタ
ムを取り付け、 乾燥アルゴン流通下で4−(N,N−ジ
フェニルアミノ)ブロモベンゼン0.94g(純度93
%)を仕込み、真空下で溶融し、乾燥した。このフラス
コに直前にナトリウムから蒸留したテトラヒドロフラン
20mlを加え、4−(N,N−ジフェニルアミノ)ブ
ロモベンゼンを溶解した後、−78℃に冷却し、n−ブ
チルリチウムヘキサン溶液(1.6N)1.5mlをガ
スタイトシリンジを用いて滴下し、1時間反応させて、
4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニルリチウムを
生成した。このフラスコに、先に調製したトリフレート
置換ポリシラン化合物のベンゼン溶液をガスタイトシリ
ンジを用いてゆっくり滴下し、−78℃で1時間、さら
に室温で2時間反応させた。
【0150】反応後、エタノールを少量加え、過剰の4
−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニルリチウムを失
活させた後、溶媒を留去し淡黄色の固体を得た。この樹
脂状固体をテトラヒドロフラン10mlで溶解した後、
100mlのエタノールにゆっくり滴下して再沈精製を
行った。沈澱したポリマーを濾別、水洗、 乾燥し、トリ
フェニルアミンを側鎖に置換したポリ(メチルフェニル
シラン)0.76gを得た。
【0151】得られたポリシラン化合物のNMR、組成
分析による構造解析結果からポリ(メチルフェニルシラ
ン)の側鎖のフェニル基の13%がトリフェニルアミン
に置換されたことが確認できた。分子量測定の結果は、
重量平均分子量1.7×10 4 、数平均分子量8.5×
103 (収率63%)であり、トリフレート基を完全に
置換することができなかったばかりでなく、分子量が低
下した。
【0152】上記で合成したポリシラン化合物を用い
て、実施例2と同様にして、膜厚5.5μmのタイムオ
ブフライト測定用試料を作成した。実施例2と同様の方
法により室温(25℃)、印加電圧275V(電界強
度:0.5MV/cm)において、正孔ドリフト移動度
3×10-5cm2 /Vsecが得られた。比較例1〜5
の結果を表2にまとめて記した。
【0153】
【表2】
【0154】実施例11 エチル(3−(9−フェニル)カルバゾイル)ジクロロ
シランの合成 実施例1と同じ操作で乾燥した100mlの三つ口フラ
スコに、5.5gの3−ブロモ(9−フェニル)カルバ
ゾールを入れ、真空下で溶融乾燥した。これに直前に金
属ナトリウム上で蒸留した乾燥テトラヒドロフラン20
mlをガスタイトシリンジを用いて加え3−ブロモ(9
−フェニル)カルバゾールを溶解した後、−78℃でn
−ブチルリチウム(Aldrich社製、1.6N ヘ
キサン溶液)10mlを滴下し1時間反応させて、3−
リチオ(9−フェニル)カルバゾールを生成した。
【0155】同様に乾燥した100mlの二つ口フラス
コに直前に水素化カルシウム上で蒸留したエチルトリク
ロロシラン(信越化学製、LS−120)3.5gと乾
燥テトラヒドロフラン15mlを入れ、−78℃に冷却
したのち前記の3−リチオ(9−フェニル)カルバゾー
ルをテフロン製カニューラを用いて滴下した。滴下後、
1時間反応を行なった後、過剰のエチルトリクロロシラ
ンと溶媒を留去し、Kugelrohrを用いて減圧蒸
留(0.4mmHg×240℃)し、3.2g(収率:51
%)の無色透明で粘稠な液体を得た。核磁気共鳴吸収ス
ペクトル(NMR)ならびにマススペクトル(GC−M
S)の結果から、この液体はエチル(3−(9−フェニ
ル)カルバゾイル)ジクロロシランであることを確認し
た。
【0156】構造解析データ(NMR)1 H−NMR 0.85ppm(3本:3H) CH3 CH2 −Si 1.0ppm(4本:2H) CH3 CH2 −Si 6.9〜8.2ppm(11本:14H)65 127 N)−Si (ジオキサン3.57ppm基準)13 C−NMR 5.6ppm CH3 CH2 −Si 13.4ppm CH3 CH2 −Si 120〜150ppm(16本)65 127 N)−Si (重クロロホルム77.1ppm基準) 構造解析データ(GC−MS) GC−MS m/e:M+ 361
【0157】実施例12 ポリ(エチル(3−(9−フェニル)カルバゾイル)シ
ラン−コ−エチルフェニルシラン)の合成 実施例1と同じ操作で乾燥した100mlの三つ口フラ
スコに、ラバーセプタムと三方コックを装着し、乾燥窒
素雰囲気下で切り出した金属ナトリウム0.89gと、
乾燥トルエン15mlを加えた。このフラスコを超音波
分散器にセットし、100〜105℃で金属ナトリウム
を平均粒径で30μmに分散させた。分散後、フラスコ
を静置し、上澄みの過剰のトルエン10mlをシリンジ
で除き、磁気撹拌子と熱電対を装着した。
【0158】上記の金属ナトリウム懸濁液の入ったフラ
スコを、70℃に昇温し、フラスコの内温が安定してか
ら、実施例11で合成したエチル(3−(9−フェニ
ル)カルバゾイル)ジクロロシラン3.2gとエチルフ
ェニルジクロロシラン1.8gの混合トルエン溶液9.
5mlをガスタイトシリンジを用い約10分間かけて滴
下した。滴下終了後、反応熱でフラスコ内の温度は一時
的に105℃まで上昇した。滴下終了後、85℃で8時
間反応を行なった。
【0159】反応終了後、アルゴン流通下で20mlの
トルエンと3mlのイソプロピルアルコールをフラスコ
に加え過剰の金属ナトリウムを失活させた。沈殿物を遠
心分離操作で分離、トルエンで2回洗浄し可溶物をトル
エン溶液として回収した。トルエン溶液を水洗し無水硫
酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去し透明の樹脂
状物質3.8gを得た。得られた樹脂状物質をテトラヒ
ドロフランに溶解、イソプロピルアルコールで再沈する
操作を繰り返し、精製ポリマー0.27gを得た。ポリ
マーの分子量分布をGPCを用いて測定した結果、高分
子量のポリシラン化合物が得られたことが確認できた。
NMRならびに元素分析の結果は、ポリ(エチル(3−
(9−フェニルカルバゾイル)−コ−エチルフェニル)
シラン)に対応するものであった。また、NMRによる
解析からエチル(3−(9−フェニル)カルバゾイル)
シラン構造単位の含有量は30%であった。
【0160】構造解析データ1 H−NMR −0.6〜1.0ppm(5H) 25 −Si 6.0〜7.8ppm(12H+5H) (65 −(127 N)−Si+65 −Si 積分比 芳香族/C25 =7.0/5.0 (ジオキサン3.57ppm基準) 元素分析(重量%) Si C H N 実測値 14.0 72.0 6.3 7.4 予想値 15.0 72.0 6.3 7.3 分子量 Mw=1.6×106 、Mn=8.1×104 Mw/Mn=20 DP50=5500 収率 9%(0.27g)
【0161】実施例13 エチル(4−(N−(4’−(2”,2”−ジフェニル
エテニル)フェニル)−N−フェニルアミノ)フェニ
ル)ジクロロシランの合成 実施例1と同じ操作で乾燥した100ml三つ口フラス
コに、4.8gの4−(N−(4’−(2”,2”−ジ
フェニルエテニル)フェニル)−N−フェニルアミノ)
ブロモベンゼンを入れ、真空下で乾燥した。これに直前
に金属ナトリウム上で蒸留した乾燥テトラヒドロフラン
50mlをガスタイトシリンジを用いて加え4−(N−
(4’−(2”,2”−ジフェニルエテニル)フェニ
ル)−N−フェニルアミノ)ブロモベンゼンを溶解した
後、−78℃でn−ブチルリチウム(Aldrich社
製、1.6N ヘキサン溶液)7mlを滴下し1時間反
応させて、4−(N−(4’−(2”,2”−ジフェニ
ルエテニル)フェニル)−N−フェニルアミノ)フェニ
ルリチウムを生成した。
【0162】同様に乾燥した100ml三つ口フラスコ
に直前に水素化カルシウム上で蒸留したエチルトリクロ
ロシラン(信越化学製、LS−120)3.35gと乾
燥テトラヒドロフラン20mlを入れ、−78℃に冷却
したのち前記の4−(N−(4’−(2”,2”−ジフ
ェニルエテニル)フェニル)−N−フェニルアミノ)フ
ェニルリチウムをテフロン製カニューラを用いて滴下し
た。滴下後、一晩反応を行った後、過剰のエチルトリク
ロロシランと溶媒を留去し、再び乾燥トルエン30ml
で抽出し、乾燥アルゴン雰囲気下G5ガラスフィルター
でろ過し、塩を除いた。トルエンとヘキンサの1:3混
合溶媒で再結晶し、淡黄色固体3.1g(収率51%)
を得た。核磁気共鳴吸収スペクトル(NMR)の結果か
ら、この固体はエチル(4−(N−(4’−(2”,
2”−ジフェニルエテニル)フェニル)−N−フェニル
アミノ)フェニル)ジクロロシランであることを確認し
た。
【0163】構造解析データ1 H−NMR 1.1ppm(3H) CH3 CH2 Si 1.3ppm(2H) CH3 CH2 Si 6.8〜7.5ppm(24H) [(65 2 C=CH64 )](65
N(64 )−Si (テトラメチルシラン0.0ppm基準)13 C−NMR 6.43ppm(1本) CH3 CH2 Si 13.2ppm(1本) CH3 CH2 Si 121〜150ppm(18本) [(65 2 C=CH64 )](65
N(64 )−Si (重クロロホルム77.1ppm基準)
【0164】実施例14 ポリ(エチル(4−(N−(4’−(2”,2”−ジフ
ェニルエテニル)フェニル)−N−フェニルアミノ)フ
ェニル)シラン)の合成 200℃で乾燥した50mlの三つ口フラスコにラバー
セプタム、ガス導入管を装着し、真空引きと乾燥アルゴ
ン充填を繰り返しながら冷却した。このフラスコに乾燥
窒素雰囲気下で金属ナトリウム0.26gを入れ、金属
ナトリウム上で乾燥し、直前に蒸留したトルエン25m
lを加えた。このフラスコを乾燥アルゴン流通下、超音
波分散器にセットし、98℃〜105℃に加熱しながら
超音波を照射し、金属ナトリウムを平均粒径で10μm
に分散し金属ナトリウム懸濁液とした。
【0165】同様に乾燥した300mlの三つ口フラス
コに、上記の金属ナトリウム懸濁液をテフロン製カニュ
ーラを用いて移し、磁気撹拌子、熱電対、ラバーセプタ
ムを装着し、95℃に昇温した。フラスコの内温が安定
すると同時に、実施例13で合成し、再結晶法により精
製したエチル(4−(N−(4’−(2”,2”−ジフ
ェニルエテニル)フェニル)−N−フェニルアミノ)フ
ェニル)ジクロロシラン2.8gの乾燥トルエン溶液2
0mlを滴下ロートを用い約30分間かけて滴下した。
滴下後、反応液を10mlに濃縮し、内温を80℃にし
た。フラスコの内温が安定すると同時に、テトラヒドロ
フラン1ml添加した。添加後、反応熱で85℃まで上
昇した。添加終了後80℃で2時間反応を行なった。
【0166】反応終了後、アルゴン雰囲気下で1mlの
イソプロピルアルコールをフラスコに加え過剰の金属ナ
トリウムを失活させた。沈殿物を遠心分離操作で分離、
トルエンで2回洗浄し可溶物をトルエン溶液として回収
した。トルエン溶液を水洗し無水硫酸マグネシウムで乾
燥した後、溶媒を留去し樹脂状物質1.59gを得た。
【0167】得られた樹脂状物質をテトラヒドロフラン
に溶解、イソプロピルアルコールで再沈する操作を繰り
返し、精製ポリマー0.10gを得た。ポリマーの分子
量分布をGPCを用いて測定した結果、高分子量のポリ
シラン化合物が得られたことが確認できた。NMRの結
果は、ポリ(エチル(4−(N−(4’−(2”,2”
−ジフェニルエテニル)フェニル)−N−フェニルアミ
ノ)フェニル)シラン)に対応するものであった。
【0168】構造解析データ1 H−NMR 0.2〜1.2ppm(5H) 25 −Si 6.2〜7.8ppm(24H) [(65 2 C=CH64 )](65
N(64 )−Si 積分比 芳香族/C25 =21.0/5.0 (テトラメチルシラン0.0ppm基準) 分子量 Mw=1.2×105 、Mn=2.4×104 Mw/Mn=5.0 DP50=70 収率 5%(0.10g)
【0169】実施例15 エチル(4−(N−(4’,4”−(N’,N’−ジフ
ェニルアミノ)ビフェニル)−N−フェニルアミノ)フ
ェニル)ジクロロシランの合成 実施例1と同じ操作で乾燥した100ml三つ口フラス
コに、5.0gの4−(N−(4’,4”−(N’,
N’−ジフェニルアミノ)ビフェニル)−N−フェニル
アミノ)ブロモベンゼンを入れ、真空下で乾燥した。こ
れに直前に金属ナトリウム上で蒸留した乾燥テトラヒド
ロフラン50mlをガスタイトシリンジを用いて加え4
−(N−(4’,4”−(N’,N’−ジフェニルアミ
ノ)ビフェニル)−N−フェニルアミノ)ブロモベンゼ
ンを溶解した後、−78℃でn−ブチルリチウム(Al
drich社製、1.6N ヘキサン溶液)6mlを滴
下し1時間反応させて、4−(N−(4’,4”−
(N’,N’−ジフェニルアミノ)ビフェニル)−N−
フェニルアミノ)フェニルリチウムを生成した。
【0170】同様に乾燥した100ml三つ口フラスコ
に直前に水素化カルシウム上で蒸留したエチルトリクロ
ロシラン(信越化学製、LS−120)2.17gと乾
燥テトラヒドロフラン50mlを入れ、−78℃に冷却
したのち前記の4−(N−(4’,4”−(N’,N’
−ジフェニルアミノ)ビフェニル)−N−フェニルアミ
ノ)フェニルリチウムをテフロン製カニューラを用いて
滴下した。滴下後、−78℃で1時間撹拌後、室温にも
どし、過剰のエチルトリクロロシランと溶媒を留去し
た。再び乾燥トルエン55mlで抽出し、乾燥アルゴン
雰囲気下G5ガラスフィルターでろ過し、塩を除いた。
溶媒を除去し、淡緑色の固体5.0gを得た。NMRス
ペクトルの解析結果から、この固体はエチル(4−(N
−(4’,4”−(N’,N’−ジフェニルアミノ)ビ
フェニル)−N−フェニルアミノ)フェニル)ジクロロ
シランであることを確認した。
【0171】構造解析データ1 H−NMR 1.2ppm(3H) CH3 CH2 Si 1.3ppm(2H) CH3 CH2 Si 7.0〜7.6ppm(27H) 〔(65 2 N(64 64 )〕(6
5 )N(64 )−Si (テトラメチルシラン0.0ppm基準)13 C−NMR 6.34ppm(1本) CH3 CH2 Si 13.1ppm(1本) CH3 CH2 Si 121〜150ppm(19本) 〔(65 2 N(64 64 )〕(6
5 )N(64 )−Si (重クロロホルム77.0ppm基準)
【0172】実施例16 ポリ(エチル(4−(N−(4’−(4”−(N’,
N’−ジフェニルアミノ))ビフェニル)−N−フェニ
ルアミノ)フェニル)シラン)の合成 実施例1と同じ操作で乾燥した50mlの三つ口フラス
コに乾燥窒素雰囲気下で金属ナトリウム0.37gを入
れ、乾燥トルエン25mlを加えた。このフラスコを乾
燥アルゴン流通下、超音波分散器にセットし、98℃〜
105℃に加熱しながら超音波を照射し、金属ナトリウ
ムを分散した。分散後、フラスコを静置し、上澄みの過
剰トルエン15mlをシリンジで除き、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル1.5mlを加え金属ナトリウ
ム懸濁液とした。
【0173】同様に乾燥した300mlの三つ口フラス
コに磁気撹拌子、熱電対、ラバーセプタムを装着し、実
施例15で合成したエチル(4−(N−(4’−(4”
−(N’,N’−ジフェニルアミノ)ビフェニル)−N
−フェニルアミノ)フェニル)ジクロロシラン4.8g
と乾燥トルエン10mlを加え溶液とした。このフラス
コを95℃に昇温した後、前記の金属ナトリウム懸濁液
をテフロン製カニューラを用いて10分間かけて滴下し
た。滴下後、反応熱で115℃まで上昇した。滴下終了
後、105℃で30分間反応を行った。
【0174】反応終了後、アルゴン雰囲気下で3mlの
イソプロピルアルコールをフラスコに加え過剰の金属ナ
トリウムを失活させた。沈殿物を遠心分離器で分離、ト
ルエンで2回洗浄し可溶物をトルエン溶液として回収し
た。トルエン溶液を水洗し無水硫酸マグネシウムで乾燥
した後、溶媒を留去し樹脂状物質4.4gを得た。得ら
れた樹脂状物質をテトラヒドロフランに溶解、イソプロ
ピルアルコールで再沈する操作を繰り返し、精製ポリマ
ー0.16gを得た。NMRの結果は、ポリ(エチル
(4−(N−(4’−(4”−(N’,N’−ジフェニ
ルアミノ))ビフェニル)−N−フェニルアミノ)フェ
ニル)シラン)に対応するものであった。
【0175】構造解析データ1 H−NMR 0.0〜1.4ppm(5H) 25 −Si 6.4〜7.6ppm(27H) [(65 2 N(64 64 )](6
5 )N(64 )−Si 積分比 芳香族/C25 =25.5/5.0 (テトラメチルシラン0.0ppm基準) 元素分析(重量%) Si C H N 実測値 5.6 82.6 6.1 5.0 予想値 5.2 83.8 5.9 5.1 分子量 Mw=5.9×104 、Mn=7.4×103 Mw/Mn=8.0 DP50=42 収率 4%(0.16g)
【0176】実施例17 エチル(4−フェノキシフェニル)ジクロロシランの合
成 実施例1と同じ操作で乾燥した100mlの三つ口フラ
スコに磁気撹拌子、滴下ロート、ラバーセプタムを装着
し、マグネシウム1.6gと直前に金属ナトリウム上で
蒸留した乾燥テトラヒドロフラン25mlを入れた。こ
のフラスコに、15.1gの4−フェノキシブロモベン
ゼンをテトラヒドロフラン35mlに溶解した溶液を、
滴下ロートを用いて1.5時間かけて滴下した。滴下終
了後、45℃に加熱し、0.5時間反応させて、4−フ
ェノキシフェニルマグネシウムブロマイドを生成した。
【0177】同様に乾燥した100mlの二つ口フラス
コに直前に水素化カルシウム上で蒸留したエチルトリク
ロロシラン(信越化学製、LS−120)10.9gと
乾燥テトラヒドロフラン80mlを入れ、室温で前記の
4−フェノキシフェニルマグネシウムブロマイドをテフ
ロン製カニューラを用いて滴下した。滴下後、一晩反応
を行なった後、シュレンクフィルターで生成した白色沈
殿物を濾過した。過剰のエチルトリクロロシランと溶媒
を留去し、減圧蒸留(145℃/0.2mmHg)し
て、6.8g(収率:38%)の無色透明で粘稠な液体
を得た。核磁気共鳴吸収スペクトル(NMR)の結果か
ら、この液体はエチル(4−フェノキシフェニル)ジク
ロロシランであることを確認した。
【0178】構造解析データ(NMR)1 H−NMR 1.14ppm(3H) CH3 CH2 −Si 1.3ppm(2H) CH3 CH2 −Si 7.7ppm(9H) (65 )O(64 )−
Si (テトラメチルシラン0.0ppm基準)13 C−NMR 6.3ppm CH3 CH2 −Si 13.2ppm CH3 CH2 −Si 118〜161ppm(8本)(65 )O(6
4 )−Si (重クロロホルム77.1ppm基準)
【0179】実施例18 ポリ(エチル(4−フェノキシフェニル)シラン)の合
成 実施例1と同じ操作で乾燥した50mlの三つ口フラス
コに乾燥窒素雰囲気下で切り出した金属ナトリウム1.
0gと、乾燥トルエン30mlを加えた。このフラスコ
を超音波分散器にセットし,100〜105℃で金属ナ
トリウムを分散させた。分散後、フラスコを静置し、上
澄みの過剰のトルエン25mlをシリンジで除いき金属
ナトリウム懸濁液とした。
【0180】同様に乾燥した50mlの三つ口フラスコ
に磁気撹拌子、熱電対、ラバーセプタムを装着し、実施
例17で合成し、直前に蒸留したエチル(4−フェノキ
シフェニル)ジクロロシラン5.83gと乾燥トルエン
15mlを加え溶液とした。このフラスコを85℃に昇
温した後、前記の金属ナトリウム懸濁液をテフロン製カ
ニューラを用い約10分間かけて滴下した。滴下終了後
40分間反応させ、さらに105℃に昇温、5時間反応
させ、トルエンとイソプロピルアルコールを加え、反応
を停止するとともに過剰の金属ナトリウムを失活させ
た。
【0181】沈殿物を遠心分離操作で分離、トルエンで
2回洗浄し可溶物をトルエン溶液として回収した。トル
エン溶液を水洗し無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、
溶媒を留去し樹脂状の物質を得た。この樹脂状物質をテ
トラヒドロフラン溶液としイソプロピルアルコールで再
沈、精製し、精製ポリマー0.22gを得た。ポリマー
の分子量分布をGPCを用いて測定した結果、高分子量
のポリシラン化合物が得られたことが確認できた。NM
Rの結果は、ポリ(エチル(4−フェノキシフェニル)
シラン)に対応するものであった。
【0182】構造解析データ1 H−NMR −0.3〜1.4ppm(5H) 25 −Si 6.0〜7.6ppm(9H) (65 )O(6
4 )−Si 積分比 芳香族/C25 =8.4/5.0 (ジオキサン3.57ppm基準) 元素分析(重量%) Si C H O 実測値 12.1 73.6 6.3 6.9 予想値 12.4 74.3 6.2 7.1
【0183】分子量 Mw=2.4×106 、Mn=1.3×104 Mw/Mn=185 DP50=7900 収率 5%(0.22g)
【0184】本発明のポリシラン化合物は電子写真感光
体、電子写真平板印刷版等の層状光感応性画像形成部材
の正孔輸送材料、有機電界発光表示素子の正孔輸送材
料、または空間光変調器の光導電性材料、電界効果トラ
ンジスタ、光電池等の有機電子素子、有機光電変換素子
用材料として、さらにヨウ素等をドーピングすることに
より導電性材料として工業的に非常に有用な化合物であ
る。
【0185】
【発明の効果】本発明のポリシラン化合物は、正孔ドリ
フト移動度が高く、高分子量であり成形性に優れてい
る。本発明のジハロシランを原料として、本発明の製造
方法により上記の優れた特性を有する本発明のポリシラ
ン化合物を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平7−189336 (32)優先日 平7(1995)7月25日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 矢作 公 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内 (72)発明者 佐々木 学 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内 (72)発明者 長田 剛規 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内 (72)発明者 北野 真 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内 (72)発明者 安部 康明 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主鎖骨格が下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1 は置換されていてもよいアルキル基、シク
    ロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す。
    Xは不対電子を有する原子または不対電子を有する原子
    を含む基であり、酸素原子、硫黄原子または一般式
    (2) 【化2】 (式中、R2 は置換されていてもよいアルキル基、シク
    ロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示
    す。)で表される窒素原子を含む基を示す。Ar1 は置
    換されていてもよいアリーレン基を示す。Ar2 は置換
    されていてもよいアリール基、下記一般式(3) 【化3】 (式中、Ar3 は置換されていてもよいアリーレン基、
    3 およびR4 はそれぞれ独立に置換されていてもよい
    アルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラ
    ルキル基を示す。)で表される芳香族アミン骨格を有す
    る基、または、下記一般式(4) 【化4】 (式中、Ar4 は置換されていてもよいアリーレン基、
    5 およびR6 はそれぞれ独立に、水素原子あるいは置
    換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、ア
    リール基またはアラルキル基、Ar5 は置換されていて
    もよいアリール基を示す。)で表される芳香族エテニレ
    ン骨格を有する基を示す。また、Ar1 とAr2 の間、
    または、Xを一般式(2)で表したとき、Ar1 とR2
    の間、あるいはR2 とAr2 の間に環を形成していても
    よい。)で表される繰り返し構造単位と、下記一般式
    (5) 【化5】 (式中、R7 およびR8 はそれぞれ独立に置換されてい
    てもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基ま
    たはアラルキル基を示す。)で表される繰り返し構造単
    位とからなり、繰り返し構造単位(1)と繰り返し構造
    単位(5)の総単位数に対する繰り返し構造単位(1)
    および繰り返し構造単位(5)の単位数の比をそれぞれ
    zおよび1−zとしたとき、0.2≦z≦1であること
    を特徴とするポリシラン化合物。
  2. 【請求項2】一般式(1)における側鎖Ar2 −X−A
    1 −基が、該側鎖基をSi原子から切り離し、下記一
    般式(6) 【化6】 (式中、Hは水素原子を表し、Ar1 、X、Ar2 は前
    記一般式(1)におけるものを表す。)で表される分子
    にしたときの、該分子のイオン化ポテンシャル(以下、
    Ipと記すことがある。)が、6.0eV以下であるよ
    うな側鎖Ar2 −X−Ar1 −基であることを特徴とす
    る請求項1記載のポリシラン化合物。
  3. 【請求項3】一般式(1)において、Xを一般式(2)
    で表したとき、R2が置換されていてもよいフェニル
    基、Ar1 が置換されていてもよいフェニレン基、Ar
    2 が置換されていてもよいフェニル基であることを特徴
    とする請求項1記載のポリシラン化合物。
  4. 【請求項4】一般式(1)において、Xを一般式(2)
    で表したとき、R2が置換されていてもよいフェニル
    基、Ar1 が置換されていてもよいフェニレン基、Ar
    2 を一般式(3)で表したとき、Ar3 が置換されてい
    てもよいフェニレン基、またはビフェニレン基、R5
    6 がそれぞれ独立に置換されていてもよいフェニル基
    であることを特徴とする請求項1記載のポリシラン化合
    物。
  5. 【請求項5】一般式(1)において、Xを一般式(2)
    で表したとき、R2が置換されていてもよいフェニル
    基、Ar1 が置換されていてもよいフェニレン基、Ar
    2 を一般式(4)で表したとき、Ar4 が置換されてい
    てもよいフェニレン基、R6 およびAr5 がそれぞれ独
    立に置換されていてもよいフェニル基であることを特徴
    とする請求項1記載のポリシラン化合物。
  6. 【請求項6】一般式(1)において、Xが酸素原子、A
    1 が置換されていてもよいフェニレン基、Ar2 が置
    換されていてもよいフェニル基であることを特徴とする
    請求項1記載のポリシラン化合物。
  7. 【請求項7】正孔ドリフト移動度が10-4〜10-1cm
    2 /Vsecであることを特徴とする請求項1記載のポ
    リシラン化合物。
  8. 【請求項8】一分子中の平均繰り返し構造単位数を、下
    記数式(1) 【数1】 (式中、i、kは一分子中の繰り返し構造単位数、fi
    はi個の繰り返し構造単位を持つ分子の度数を表す)を
    満たすk(以下、DP50と記すことがある。)としたと
    き、kが70以上であることを特徴とする請求項1記載
    のポリシラン化合物。
  9. 【請求項9】一般式(1)において、Xが一般式(2)
    で表され、かつ数式(1)を満たすkが70以上であ
    り、かつ正孔ドリフト移動度が10-3〜10-1cm2
    Vsecであることを特徴とする請求項1記載のポリシ
    ラン化合物。
  10. 【請求項10】下記一般式(7) 【化7】 (式中、Yは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表
    し、R1 は置換されていてもよいアルキル基、シクロア
    ルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す。Xは
    不対電子を有する原子または不対電子を有する原子を含
    む基であり、酸素原子、硫黄原子または前記一般式
    (2)で表される窒素原子を含む基を示す。Ar1 は置
    換されていてもよいアリーレン基を示す。Ar2 は置換
    されていてもよいアリール基、前記一般式(3)で表さ
    れる芳香族アミン骨格を有する基、または、前記一般式
    (4)で表される芳香族エテニレン骨格を有する基を示
    す。また、Ar1 とAr2 の間、または、Xを前記一般
    式(2)で表したとき、Ar1 とR2 の間、あるいはR
    2 とAr2 の間に環を形成していてもよい。)で表され
    ることを特徴とするジハロシラン。
  11. 【請求項11】一般式(7)において、Xを一般式
    (2)で表したとき、R 2 が置換されていてもよいフェ
    ニル基、Ar1 が置換されていてもよいフェニレン基、
    Ar2 が置換されていてもよいフェニル基であることを
    特徴とする請求項10記載のジハロシラン。
  12. 【請求項12】一般式(7)において、Xを一般式
    (2)で表したとき、R 2 が置換されていてもよいフェ
    ニル基、Ar1 が置換されていてもよいフェニレン基、
    Ar2 を一般式(3)で表したとき、Ar3 が置換され
    ていてもよいフェニレン基、またはビフェニレン基、R
    5 およびR6 がそれぞれ独立に置換されていてもよいフ
    ェニル基であることを特徴とする請求項10記載のジハ
    ロシラン。
  13. 【請求項13】一般式(7)において、Xを一般式
    (2)で表したとき、R 2 が置換されていてもよいフェ
    ニル基、Ar1 が置換されていてもよいフェニレン基、
    Ar2 を一般式(4)で表したとき、Ar4 が置換され
    ていてもよいフェニレン基、R6 およびAr5 がそれぞ
    れ独立に置換されていてもよいフェニル基であることを
    特徴とする請求項10記載のジハロシラン。
  14. 【請求項14】一般式(7)において、Xが酸素原子、
    Ar1 が置換されていてもよいフェニレン基、Ar2
    置換されていてもよいフェニル基であることを特徴とす
    る請求項10記載のジハロシラン。
  15. 【請求項15】一般式(7)で表わされるジハロシラ
    ン、または一般式(7)で表わされるジハロシランと一
    般式(8) 【化8】 (式中、Yは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表
    し、R7 およびR8 は前記一般式(5)におけるものを
    表す。)で表わされるジハロシランの混合物を、不活性
    溶媒中でアルカリ金属により縮重合反応させることを特
    徴とするポリシラン化合物の製造方法。
  16. 【請求項16】ジハロシランを不活性溶媒に溶解した溶
    液に、アルカリ金属の懸濁液を滴下することにより、ジ
    ハロシランを縮重合反応させることを特徴とする請求項
    15記載のポリシラン化合物の製造方法。
  17. 【請求項17】縮重合反応を室温から100℃の間の温
    度で行ない、アルカリ金属を微粒子にして用いることを
    特徴とする請求項15または請求項16記載のポリシラ
    ン化合物の製造方法。
JP04372696A 1995-04-10 1996-02-29 ポリシラン化合物、その製造方法およびその原料 Expired - Fee Related JP4158204B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04372696A JP4158204B2 (ja) 1995-04-10 1996-02-29 ポリシラン化合物、その製造方法およびその原料

Applications Claiming Priority (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8392495 1995-04-10
JP16186395 1995-06-28
JP7-161863 1995-06-28
JP16186495 1995-06-28
JP7-161864 1995-06-28
JP7-189336 1995-07-25
JP7-83924 1995-07-25
JP18933695 1995-07-25
JP04372696A JP4158204B2 (ja) 1995-04-10 1996-02-29 ポリシラン化合物、その製造方法およびその原料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0995537A true JPH0995537A (ja) 1997-04-08
JP4158204B2 JP4158204B2 (ja) 2008-10-01

Family

ID=27522338

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04372696A Expired - Fee Related JP4158204B2 (ja) 1995-04-10 1996-02-29 ポリシラン化合物、その製造方法およびその原料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4158204B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1135687A (ja) * 1997-07-17 1999-02-09 Sumitomo Chem Co Ltd ポリシラン共重合体、その製造方法、それを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子写真感光体
JP2003213002A (ja) * 2001-11-19 2003-07-30 Mitsubishi Chemicals Corp 芳香族ジアミン含有高分子化合物およびそれを用いる有機電界発光素子
JP2013040158A (ja) * 2010-11-30 2013-02-28 Shin-Etsu Chemical Co Ltd シラノール基を有するトリアリールアミン誘導体
JP2017031285A (ja) * 2015-07-30 2017-02-09 株式会社神鋼環境ソリューション ポリシラン製造装置及びポリシラン製造方法
JP2017031286A (ja) * 2015-07-30 2017-02-09 株式会社神鋼環境ソリューション ポリシラン製造方法
JP2017031284A (ja) * 2015-07-30 2017-02-09 株式会社神鋼環境ソリューション ポリシラン製造方法
JP2017057310A (ja) * 2015-09-17 2017-03-23 株式会社神鋼環境ソリューション ポリシラン製造方法

Citations (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3481815A (en) * 1967-06-20 1969-12-02 Dow Corning Silane coupling agents for aryl-containing,thermally stable polymers ii
JPS4948948B1 (ja) * 1969-07-26 1974-12-24
JPS5015899A (ja) * 1973-05-07 1975-02-19
JPS5038544A (ja) * 1973-06-27 1975-04-10
JPS6488461A (en) * 1987-09-29 1989-04-03 Nippon Shizai Kk Photosensitive body
JPH03235958A (ja) * 1990-02-13 1991-10-21 Ricoh Co Ltd 電子写真用感光体
US5187310A (en) * 1990-03-14 1993-02-16 Kao Corporation Organic silicon compound, method of its production, and photoreceptor for electrophotography incorporating it
JPH05249720A (ja) * 1991-12-27 1993-09-28 Xerox Corp 高分子アリールアミンシラン化合物及びそれを含有した画像形成部材
JPH05323634A (ja) * 1992-05-26 1993-12-07 Konica Corp 電子写真感光体
US5290963A (en) * 1990-05-12 1994-03-01 Kao Corporation Organic silicon compound, method of its production, and photoreceptor for electrophotography incorporating it
EP0654495A1 (fr) * 1993-11-24 1995-05-24 France Telecom Film photoconducteur formé d'un polymère de silane greffé, procédé de préparation, procédé de formation d'une image électrostatique mettant en oeuvre un tel film et valve optique comportant un tel film
JPH07242830A (ja) * 1994-03-08 1995-09-19 Shin Etsu Chem Co Ltd 導電性重合体組成物
JPH0827275A (ja) * 1994-07-12 1996-01-30 Sumitomo Electric Ind Ltd N−カルバゾリルポリシランおよびオルガノ−n−カルバゾリルジハロゲノシラン化合物
JPH08319353A (ja) * 1995-05-25 1996-12-03 Ricoh Co Ltd ポリシロキサン化合物ならびにその製造方法及びそれを用いた電子写真用感光体
JPH09124665A (ja) * 1995-11-06 1997-05-13 Dow Corning Asia Ltd 有機ケイ素変成電荷輸送性化合物及び該化合物を含有する電荷輸送能を有する硬化性組成物
JPH09124942A (ja) * 1995-11-06 1997-05-13 Dow Corning Asia Ltd ケイ素系正孔輸送材の製造方法
JPH09124943A (ja) * 1995-11-06 1997-05-13 Dow Corning Asia Ltd ポリシロキサン系正孔輸送材料の製造方法
JPH09127710A (ja) * 1995-11-06 1997-05-16 Dow Corning Asia Ltd ケイ素系正孔輸送材の製造方法
JPH09190004A (ja) * 1995-11-06 1997-07-22 Canon Inc 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び画像形成装置
JPH09188764A (ja) * 1995-11-06 1997-07-22 Dow Corning Asia Ltd ポリシロキサン正孔輸送材料の製造方法
JPH09263754A (ja) * 1996-01-24 1997-10-07 Sumitomo Chem Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス素子
JPH11217392A (ja) * 1997-02-28 1999-08-10 Sumitomo Chem Co Ltd 含ケイ素化合物およびそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子

Patent Citations (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3481815A (en) * 1967-06-20 1969-12-02 Dow Corning Silane coupling agents for aryl-containing,thermally stable polymers ii
JPS4948948B1 (ja) * 1969-07-26 1974-12-24
JPS5015899A (ja) * 1973-05-07 1975-02-19
JPS5038544A (ja) * 1973-06-27 1975-04-10
JPS6488461A (en) * 1987-09-29 1989-04-03 Nippon Shizai Kk Photosensitive body
JPH03235958A (ja) * 1990-02-13 1991-10-21 Ricoh Co Ltd 電子写真用感光体
US5187310A (en) * 1990-03-14 1993-02-16 Kao Corporation Organic silicon compound, method of its production, and photoreceptor for electrophotography incorporating it
US5290963A (en) * 1990-05-12 1994-03-01 Kao Corporation Organic silicon compound, method of its production, and photoreceptor for electrophotography incorporating it
JPH05249720A (ja) * 1991-12-27 1993-09-28 Xerox Corp 高分子アリールアミンシラン化合物及びそれを含有した画像形成部材
JPH05323634A (ja) * 1992-05-26 1993-12-07 Konica Corp 電子写真感光体
EP0654495A1 (fr) * 1993-11-24 1995-05-24 France Telecom Film photoconducteur formé d'un polymère de silane greffé, procédé de préparation, procédé de formation d'une image électrostatique mettant en oeuvre un tel film et valve optique comportant un tel film
JPH07242830A (ja) * 1994-03-08 1995-09-19 Shin Etsu Chem Co Ltd 導電性重合体組成物
JPH0827275A (ja) * 1994-07-12 1996-01-30 Sumitomo Electric Ind Ltd N−カルバゾリルポリシランおよびオルガノ−n−カルバゾリルジハロゲノシラン化合物
JPH08319353A (ja) * 1995-05-25 1996-12-03 Ricoh Co Ltd ポリシロキサン化合物ならびにその製造方法及びそれを用いた電子写真用感光体
JPH09124665A (ja) * 1995-11-06 1997-05-13 Dow Corning Asia Ltd 有機ケイ素変成電荷輸送性化合物及び該化合物を含有する電荷輸送能を有する硬化性組成物
JPH09124942A (ja) * 1995-11-06 1997-05-13 Dow Corning Asia Ltd ケイ素系正孔輸送材の製造方法
JPH09124943A (ja) * 1995-11-06 1997-05-13 Dow Corning Asia Ltd ポリシロキサン系正孔輸送材料の製造方法
JPH09127710A (ja) * 1995-11-06 1997-05-16 Dow Corning Asia Ltd ケイ素系正孔輸送材の製造方法
JPH09190004A (ja) * 1995-11-06 1997-07-22 Canon Inc 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び画像形成装置
JPH09188764A (ja) * 1995-11-06 1997-07-22 Dow Corning Asia Ltd ポリシロキサン正孔輸送材料の製造方法
JPH09263754A (ja) * 1996-01-24 1997-10-07 Sumitomo Chem Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス素子
JPH11217392A (ja) * 1997-02-28 1999-08-10 Sumitomo Chem Co Ltd 含ケイ素化合物およびそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1135687A (ja) * 1997-07-17 1999-02-09 Sumitomo Chem Co Ltd ポリシラン共重合体、その製造方法、それを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子写真感光体
JP2003213002A (ja) * 2001-11-19 2003-07-30 Mitsubishi Chemicals Corp 芳香族ジアミン含有高分子化合物およびそれを用いる有機電界発光素子
JP2013040158A (ja) * 2010-11-30 2013-02-28 Shin-Etsu Chemical Co Ltd シラノール基を有するトリアリールアミン誘導体
JP2017031285A (ja) * 2015-07-30 2017-02-09 株式会社神鋼環境ソリューション ポリシラン製造装置及びポリシラン製造方法
JP2017031286A (ja) * 2015-07-30 2017-02-09 株式会社神鋼環境ソリューション ポリシラン製造方法
JP2017031284A (ja) * 2015-07-30 2017-02-09 株式会社神鋼環境ソリューション ポリシラン製造方法
JP2017057310A (ja) * 2015-09-17 2017-03-23 株式会社神鋼環境ソリューション ポリシラン製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4158204B2 (ja) 2008-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5830972A (en) Polysilane, its production process and starting materials therefor
JP4158204B2 (ja) ポリシラン化合物、その製造方法およびその原料
US20050164899A1 (en) Hyperbranched polymers
Son et al. End-capped silole dendrimers on a carbosilane periphery: potential electroluminescent materials
JPH06166746A (ja) チオフェン−シロ−ル共重合体およびその製造方法
JPH08295537A (ja) ガラス複合材料、ガラス複合材料の前駆体、含窒素複合材料、発光素子、電子写真感光体、非線形光学素子およびレーザー素子
US7973190B2 (en) Polycyclic fused ring type π-conjugated organic material, intermediate therefor, process for producing polycyclic fused ring type π-conjugated organic material, and process for producing intermediate of polycyclic fused ring type π-conjugated organic material
JPH09316202A (ja) ケイ素系高分子およびその製造方法
JPH08245636A (ja) セレノロセレノフェンオリゴマおよびその製造方法
JP3951479B2 (ja) 光伝導性ケイ素系高分子およびその製造方法
JPH0827275A (ja) N−カルバゾリルポリシランおよびオルガノ−n−カルバゾリルジハロゲノシラン化合物
JP2001335639A (ja) 可視光伝導性ケイ素系高分子およびその製造方法
JP2853546B2 (ja) フタロシアニン環含有化合物の製造方法
JP2791397B2 (ja) 新規な有機ハロシラン化合物
JPH036232A (ja) 新規な重合体およびその用途
JPH04218533A (ja) シラン誘導体、ポリシラン化合物、その製造方法および用途
JP2991818B2 (ja) 縮合2員環状ジシラニレン−アセチレン化合物およびその製法
JPH02227430A (ja) ポリシラン化合物及びその用途
EP0905172A1 (en) Polysilanes and positive hole transporting materials
JP2020138942A (ja) ヘテロ環含有キノイド化合物または高分子ならびにその製造方法および用途
JPH0959388A (ja) 対称型ピロリル基ペンダントポリシラン類及びその製造方法
EP0905567A1 (en) Hole transporting material
JPH09110993A (ja) シアノフェニルポリシランおよびその製造方法
Mera Contributions to the synthesis of silicon rich oligocarbosilanes and their use as precursors for electrically conductive films
JPH036231A (ja) 新規な重合体およびその用途

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070710

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070903

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20080125

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20080220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080624

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080707

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110725

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110725

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120725

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120725

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130725

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees