JP3899600B2 - シラン化合物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なシラン化合物及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真用感光体の電荷輸送層は、一般に、ポリエステル等のようなバインダーポリマーと、トリアリールアミン、テトラアリールベンジジン系化合物等のような低分子の電荷輸送材料とを含んでおり、成膜性を持たせるためにこれらの低分子の電荷輸送性材料はバインダーポリマー中に分散される。
【0003】
しかし、バインダーポリマー中に低分子の電荷輸送性材料が分散されるために、バインダーポリマー本来の機械的強度が低下してしまい、その結果、電子写真感光体として用いた場合耐久性に劣るという問題がある。
【0004】
上記の欠点を克服すべく、ポリビニルカルバゾール等のように、電荷輸送成分を主鎖に含む電荷輸送性ポリマーが提案されているが、未だ電気特性や強度の面で十分な特性の材料が得られていない。
【0005】
また、近年低分子の電荷輸送材料を有機EL素子として応用することが注目されているが、この場合には、発生するジュール熱により低分子化合物が融解してしまい、寿命の長い安定な素子を得にくいという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、溶解性、成膜性に優れ、強固な膜を形成し、有機EL素子や電子写真感光体等の種々の有機電子デバイスに応用可能な新規化合物及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に対し鋭意検討した結果、特定のシラン化合物が3次元架橋硬化が可能であり、且つその膜が電荷輸送性、耐機械的磨耗性、及び環境安定性に優れ、高い耐久性を示すことを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は一般式(I)で表されるシラン化合物である。
【0009】
【化8】
Figure 0003899600
【0010】
式中、Ar1 〜Ar4 はそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を示し、Ar5 は置換若しくは未置換のアリール基又はアリーレン基を示し、且つAr1 〜Ar5 のうち1〜4個は、−CH=CH−Y−SiR1(3-a)(OR2a 又はAr1 〜Ar5 のうち2〜4個は、−CH2 CH2 −Y−SiR1(3-a)(OR2a で示される置換基を有し、R1 は水素、アルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を示し、R2 は水素、アルキル基又はトリアルキルシリル基を示し、aは1〜3の整数を示し、Yは2価の基(但し単結合を除く)を示し、kは0又は1を示す。
【0011】
また、本発明者らは様々なシラン化合物の合成法を鋭意検討した。従来のシラン化合物の合成法としては、以下に挙げるような方法が知られている。
1) アルケンやアルキンのヒドロシリル化反応を用いた合成法
この方法は水素化ケイ素を種々の条件下で炭素−炭素不飽和結合に付加させ、有機ケイ素化合物を生成させる合成法の一種である。
【0012】
アルケンやアルキンのヒドロシリル化反応の中では、触媒として「有機金属化学」(裳華房、1982年出版)の322頁等に示されるようなSpeier試薬{H2 PtCl6 /IPA(イソプロピルアルコール)}を用いたヒドロシリル化反応が、1×10-7モル程度の触媒添加量で合成が可能なため、Si−C結合を持った様々なシラン化合物を工業的に合成する方法として有用である。
【0013】
しかし、このようなヒドロシリル化反応では異性体や還元反応等による副生成物が混入するため、蒸留等による厳密な精製が必要であり、本発明のような沸点の高いシラン化合物の合成には困難が伴う。
2) Grignard反応を用いた合成法
「The Chemistry of Organic Silicon Compounds」(S.Patai編、1989年出版)の655頁等に示されるように、Grignard試薬を用いることにより、シラン化合物の合成が可能である。
【0014】
しかし、Grignard反応は酸素や水分等に非常に敏感であり、且つ多量の無機塩を生じるため処理が困難であり、工業化するには莫大な費用がかかる。
3) 脱塩酸反応を用いたアミン系シラン化合物の合成法
「The Chemistry of Organic Silicon Compounds」(S.Patai編、1989年出版)の655頁等に示されるように、ハロゲン置換基の付いたシランとアミンの脱塩酸反応により、シラン化合物の合成が可能である。
【0015】
しかし、得られる化合物は特殊なものに限られ、且つ必然的にアミノ基を有するため、電荷輸送材料に用いた場合、電荷トラップとなりやすく、電気特性に悪影響を与えやすいという欠点がある。
4) ウレタン結合形成反応を用いた合成法
特開平3−191358号公報にはウレタン結合を用いる、電荷輸送部位を有するシラン化合物の電子写真感光体への応用例が提案されている。
【0016】
しかしながら、この方法で合成された化合物はヘテロ原子に直接結合した水素原子を有するため大気中の水分を吸着しやすく、電子写真感光体等の有機電子デバイスとして用いる際に、湿度等の影響を受けやすく、環境安定性に欠けるという欠点がある。
【0017】
本発明者らは、これらの方法に対し、wittig反応は、反応の選択性が高く副反応もほとんど起こらないため、処理が容易であり工業化に有利であることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0018】
即ち、本発明は、下記一般式(A)で示される化合物と、下記一般式(B)で示される化合物とを塩基を用いて反応させることにより一般式(I)で表され、Ar1 〜Ar5 の1〜4個が−CH=CH−Y−SiR1(3-a)(OR2a を有するシラン化合物を合成することを特徴とする。
【0019】
【化9】
Figure 0003899600
【0020】
式中、Ar6 〜Ar9 はそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を示し、Ar10は置換若しくは未置換のアリール基又はアリーレン基を示し、且つAr6 〜Ar10のうち1〜4個は、−CHO又は−CH2 Lで置換され、kは0又は1を示し、LはPM(R32 又はHal- P(R33 + を示し、Halはハロゲン原子を示し、MはO又はSを示し、R3 はアルキル基、フェニル基、アルコキシ基、アミノ基を示す。
【0021】
【化10】
Figure 0003899600
【0022】
式中、R1 は水素、アルキル基、置換又は未置換のアリール基を示し、R2 は水素、アルキル基、トリアルキルシリル基を示し、aは1〜3の整数を示し、Yは2価の基を示し、Tは一般式(A)が−CHOを有している場合には−CH2 Lを示し且つ一般式(A)が−CH2 Lを有している場合には−CHOを示し、LはPM(R32 又はHal- P(R33 + を示し、Halはハロゲン原子を示し、MはO又はSを示し、R3 はアルキル基、フェニル基、アルコキシ基、アミノ基を示す。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
【0024】
本発明のシラン化合物は前記一般式(I)で表される。
式中、Ar1 〜Ar4 はそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を示し、具体的には、以下のものが挙げられる。
【0025】
【化11】
Figure 0003899600
【0026】
また、一般式(I)中、kは0又は1を示し、Ar5 は置換若しくは未置換のアリール基又はアリーレン基を示し、具体的には、以下のものが挙げられる。
【0027】
【化12】
Figure 0003899600
【0028】
ここで、Xは−CH=CH−Y−SiR1(3-a)(OR2a 又は−CH2 CH2 −Y−SiR1(3-a)(OR2a を示す。Yは2価の基を示し、具体的には、以下のものが挙げられる。
【0029】
【化13】
Figure 0003899600
【0030】
この中では、特に以下のものが好ましい。
【0031】
【化14】
Figure 0003899600
【0032】
上記のAr1 〜Ar5 のうち1〜4個は、−CH=CH−Y−SiR1(3-a)(OR2a 又は−CH2 CH2 −Y−SiR1(3-a)(OR2a で示される置換基を有していることが必要である。
【0033】
また、Arは以下の基から選択される。
【0034】
【化15】
Figure 0003899600
【0035】
さらに、Z’は以下のものから選択される。
【0036】
【化16】
Figure 0003899600
【0037】
また、Zは以下のものから選択される。
【0038】
【化17】
Figure 0003899600
【0039】
さらに、Wは以下の基から選択される。
【0040】
【化18】
Figure 0003899600
【0041】
また、R4 は水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基若しくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換された置換又は未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基から選択される。さらに、R5 は水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子から選択される。R1 は水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基若しくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換された置換又は未置換のアリール基を示し、R2 は水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたトリアルキルシリル基を示す。また、R6 は水素、炭素数1〜4のアルキル基から選択される。m、s及びs’はそれぞれ0又は1を示し、t及びaはそれぞれ1〜3の整数を示し、y及びzはそれぞれ1〜5の整数を示す。また、xは1〜15の整数を示し、x’及びx”はそれぞれ2〜15の整数を示す。さらに、t’は1又は2の整数を示し、q及びrはそれぞれ1〜10の整数を示す。
【0042】
また、Ar1 〜Ar5 のうち少なくとも1つは2つ以上の共役した芳香族を有するものが光酸化に対して安定であり好ましい。
【0043】
なお、Ar5 は以下のものがより好ましい。
【0044】
【化19】
Figure 0003899600
【0045】
一般式(I)のシラン化合物の具体例を表1〜16に示す。
【0046】
【表1】
Figure 0003899600
【0047】
【表2】
Figure 0003899600
【0048】
【表3】
Figure 0003899600
【0049】
【表4】
Figure 0003899600
【0050】
【表5】
Figure 0003899600
【0051】
【表6】
Figure 0003899600
【0052】
【表7】
Figure 0003899600
【0053】
【表8】
Figure 0003899600
【0054】
【表9】
Figure 0003899600
【0055】
【表10】
Figure 0003899600
【0056】
【表11】
Figure 0003899600
【0057】
【表12】
Figure 0003899600
【0058】
【表13】
Figure 0003899600
【0059】
【表14】
Figure 0003899600
【0060】
【表15】
Figure 0003899600
【0061】
【表16】
Figure 0003899600
【0062】
本発明のシラン化合物を電子写真用感光体の表面保護層に用い、硬化させる場合には、ケイ素を含む置換基を2個以上有するものが、硬度の高い膜を得ることができるため好ましい。
【0063】
一般式(I)で表され、Ar1 〜Ar5 の1〜4個が−CH=CH−Y−SiR1(3-a)(OR2a を有するシラン化合物は、前記一般式(A)で表される化合物と、前記一般式(B)で表される化合物とを不活性ガス下、塩基を用いて反応させることにより、合成することができる。
【0064】
一般式(A)、(B)中、一般式(I)の置換基、数値と同じ置換基、数値については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0065】
一般式(A)中、Ar6 〜Ar9 はそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を示し、具体的には、以下のものが挙げられる。
【0066】
【化20】
Figure 0003899600
【0067】
また、一般式(A)中、Ar10は置換若しくは未置換のアリール基又はアリーレン基を示し、具体的には、以下のものが挙げられる。
【0068】
【化21】
Figure 0003899600
【0069】
ここで、Dは−CHO又は−CH2 Lを示す。LはPM(R32 又はHal- P(R33 + を示し、Halはハロゲン原子を示し、MはO又はSを示す。また、R3 は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、アミノ基を示す。
【0070】
上記のAr6 〜Ar10のうち1〜4個は、−CHO又は−CH2 Lで示される置換基を有していることが必要である。
【0071】
また、一般式(B)中、Tは一般式(A)が−CHOを有している場合には−CH2 Lを示し、一般式(A)が−CH2 Lを有している場合には−CHOを示す。
【0072】
合成の容易さを考慮すると、一般式(A)が−CHO基(ホルミル基)を有し{一般式(A1 )}、一般式(B)が−CH2 L基(リン化合物基)を有する{一般式(B1 )}ことが好ましい。
【0073】
【化22】
Figure 0003899600
【0074】
【化23】
Figure 0003899600
【0075】
一般式(A1 )中、eは1〜4の整数を示す。
合成に用いられる塩基性物質は、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ピリジン、トリエチルアミン、n−ブチルリチウム、フェニルリチウム、水素化ナトリウム等から任意に選択することができる。中でも、本発明のシラン化合物の塩基に対する安定性を考慮すると水素化ナトリウムが特に好ましい。また、塩基性物質の使用量はホスホニウム塩の種類や反応速度に応じて任意に設定できるが、使用量が多くなると処理、分離等が困難になるため、ホスホニウム塩1モルに対して、1から10モル、好ましくは1から1.5モルで用いられる。
【0076】
また、合成においては反応溶媒を用いることができ、このような反応溶媒は、エタノール、クロロホルム、ジクロロメタン、ニトロメタン、ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ペンタン、ベンゼン、キシレン等から任意に選択することができ、さらに、それらの混合溶媒を用いることもできる。なお、溶媒は脱水して用いることが好ましい。これらの中では、立体選択性の高さ、反応後の分離の容易さ等から、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非水性極性溶媒が特に好ましい。
【0077】
また、反応温度は−30〜80℃であることが好ましく、−30〜25℃であることがより好ましく、−10〜5℃であることがさらに好ましい。
【0078】
前記合成に用いるリン化合物を得るための前駆体としては、トリフェニルホスフィン、トリエトキシホスフィン、クロロジフェニルホスフィン、クロロジエトキシホスフィン等が挙げられる。
【0079】
これらの前駆体をHal−CH2 −Y−SiR1(3-a)(OR2a を用いて「総合有機化合実験II」(S.ヒューニッヒ等著、野村裕次郎等訳、532頁、森北出版)、「実験化学講座19(有機合成I)」(57頁、丸善出版)等に記載のWittig方法により合成することができる。
【0080】
このようにして合成された、一般式(I)で表され、Ar1 〜Ar5 の1〜4個が−CH=CH−Y−SiR1(3-a)(OR2a を有するシラン化合物を、一般式(I)で表され、Ar1 〜Ar5 の1〜4個が−CH2 CH2 −Y−SiR1(3-a)(OR2a を有するシラン化合物に還元する還元反応としては、RaneyNi、還元Ni、担持還元Ni(Ni/ケイソウ土)、PtO2 (Adams触媒)、白金黒、担持Pt(Pt/C、Pt/Al23 等)、担持Pd(Pd/C、Pd/BaSO4 、Pd/CaCO3 等)、パラジウム黒、PdO等の水素化固体触媒を用いた接触還元反応や、トリエチルシラン、トリメチルシラン等のシラン化合物、又は他の水素化剤を用いた還元反応等を用いることができる。反応の容易さ、コストの低さ等を考慮すると、RaneyNi、担持Pt、担持Pd等の水素化固体触媒を用いた接触還元反応が好ましい。
【0081】
なお、一般式(I)で表されるシラン化合物のうちケイ素を含む置換基が少ないシラン化合物の方が化学的に安定であり、製造上は有利である。
【0082】
本発明の上記一般式(I)で表される化合物は、電子写真感光体、有機EL素子、太陽電池、有機導電体、電子写真用キャリアのコート材、電荷発生材料の表面処理、アルミニウムやニッケルやネサガラス等と有機感光層との中間層等へ応用することができる。例えば、アルミニウム等の導電性基板上に電荷発生層及び電荷輸送層が形成された電子写真感光体において、本発明の化合物を電荷輸送層に用いることができる。また、アルミニウム等の導電性基板上に電荷発生層、電荷輸送層及び表面保護層が形成された電子写真感光体の表面保護層に用いることができる。より具体的には、本発明の化合物を含む塗布液を塗布することによって電荷輸送層や表面保護層を形成すればよい。また、塗布した後に加熱、又はリン酸、硫酸、アンモニアガス、酢酸、塩酸、チタネート系触媒、アルミニウム系触媒等の触媒を用いることにより硬化膜を形成させてもよい。
【0083】
本発明のシラン化合物を含む電荷輸送層用塗布液には、バインダーポリマー中に本発明のシラン化合物を相溶させたものを用いることができ、このようなバインダーポリマーとしては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン、特開昭64−13061号公報、同64−19049号公報、特開平8−196293号公報、同8−208820号公報、同8−211640号公報等に開示されたポリエステル、ポリカーボネート等の電荷輸送性ポリマー等の公知の樹脂を用いることができるが、これらに限定されるものではない。これらのバインダーポリマーのうち、相溶性、成膜性等の点から、下記構造式(II)〜(VI)で示されるポリカーボネート樹脂、又はそれらを共重合させたポリカーボネート樹脂がより好ましい。
【0084】
【化24】
Figure 0003899600
【0085】
上記構造式中、nは重合度を表し、50〜3000の整数を示す。
これらのバインダーポリマーは単独で用いたり、2種以上混合して用いることができる。電荷輸送材料としての上記シラン化合物とバインダーポリマーとの配合比(重量比)は10:1〜1:5が好ましい。
【0086】
また、本発明のシラン化合物を含む塗布液には、アルミニウム系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の各種のカップリング剤や市販のハードコート剤を添加してもよい。使用可能なアルミニウム系カップリング剤としては、アセトキシアルミニウムジイソプロピレート、アセトエトキシアルミニウムジイソプロピレート、アセトプロポキシアルミニウムジイソプロピレート等がある。また、チタネート系カップリング剤としては、チタンn−ブトキサイド、チタンエトキサイド等がある。さらに、シラン系カップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等がある。また、市販のハードコート剤としては、KP−85(信越シリコーン社製)、CR−39(信越シリコーン社製)、X−12−2208(信越シリコーン社製)、X−40−9740(信越シリコーン社製)、X−41−1007(信越シリコーン社製)、KNS−5300(信越シリコーン社製)、X−40−2239(信越シリコーン社製)、AY42−440(東レダウコーニングシリコーン社製)、AY42−441(東レダウコーニングシリコーン社製)、AY49−208(東レダウコーニングシリコーン社製)等を使用することができる。さらに、表面エネルギーを低下させるため、フッ素を含有する化合物を加えることも効果的である。
【0087】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を詳細に説明する。
【0088】
(合成例1)
−シラン化合物(1)[表1]の合成−
窒素置換した二口フラスコに3−ヨードプロピルトリメトキシシラン25gを入れ、トルエン200mlに溶解させた。次いで、トリフェニルホスフィン27gを加えた。その後、撹拌しながら、7時間加熱還流した後析出した結晶をトルエンでよく洗い減圧下溶媒を除去し、白色結晶のホスホニウム塩36.5gを得た。得られたホスホニウム塩の融点は102.0〜102.5℃であった。また、このホスホニウム塩のIR吸収スペクトルを図1に示す。
【0089】
窒素置換した二口フラスコに上記のホスホニウム塩15gを入れ、無水ジメチルホルムアミド300mlに溶解させた。次いで、反応系を−5℃に冷却し、水素化ナトリウム1.05gを加え、15分撹拌した。その後、撹拌しながら、N−(4−ホルミルフェニル)−N−(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン5.1gを加え、徐々に室温まで温度を上げ、2時間撹拌した。反応終了後、メタノール10mlを加え、さらに反応混合物を3リットルの氷水中に注ぎトルエンで抽出し減圧下溶媒を除去した後、シリカゲルでカラム精製(溶剤:トルエン)し、淡黄色の油状のシラン化合物(1)6gを得た。得られたシラン化合物のIR吸収スペクトルを図2に示す。
【0090】
(合成例2)
−シラン化合物(16)[表4]の合成−
窒素置換した二口フラスコに合成例1で合成したホスホニウム塩15.9gを入れ、無水ジメチルホルムアミド300mlに溶解させた。次いで、反応系を−5℃に冷却し、水素化ナトリウム1.5gを加え、15分撹拌した。その後、撹拌しながら、3,3’−ジメチル−N,N’−ビス(4−ホルミルフェニル)−N,N’−ビス(3,4−ジメチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン6.0gを加え、徐々に室温まで温度を上げ、2時間撹拌した。反応終了後、メタノール30mlを加え、さらに反応混合物を3リットルの氷水中に注ぎトルエンで抽出し減圧下溶媒を除去した後、シリカゲルでカラム精製(溶剤:トルエン)し、淡黄色の油状のシラン化合物(16)6.9gを得た。得られたシラン化合物のIR吸収スペクトルを図3に示す。
【0091】
(合成例3)
−シラン化合物(31)[表6]の合成−
ナス型フラスコに合成例1で合成したシラン化合物(1)6gを入れ、テトラヒドロフラン20ml、エタノール20mlに溶解させた。次いで、5%Pd−C0.1gを加え乾燥水素で置換し、フラスコの口を乾燥水素供給源に接続した状態で、15時間室温で反応させた。反応終了後、Pd−Cを濾過し、溶媒を減圧で除去した後、シリカゲルでカラム精製(溶剤:トルエン)し、さらに再結晶法(溶剤:トルエン/ヘキサン=1/5)により精製し、無色透明の結晶であるシラン化合物(31)4.2gを得た。得られたシラン化合物のIR吸収スペクトルを図4に示す。また、このシラン化合物の融点は71.5〜72℃であった。
【0092】
(合成例4)
−シラン化合物(46)[表9]の合成−
ナス型フラスコに合成例2で合成したシラン化合物(16)6.3gを入れ、テトラヒドロフラン20ml、エタノール20mlに溶解させた。次いで、5%Pd−C0.2gを加え乾燥水素で置換し、フラスコの口を乾燥水素供給源に接続した状態で、15時間室温で反応させた。反応終了後、Pd−Cを濾過し、溶媒を減圧で除去した後、シリカゲルでカラム精製(溶剤:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)し、淡黄色の油状のシラン化合物(46)5.9gを得た。得られたシラン化合物のIR吸収スペクトルを図5に示す。
【0093】
(合成例5)
−シラン化合物(62)[表12]の合成−
窒素置換した二口フラスコに亜リン酸トリエチル50gと(クロロメチル)フェニルトリメトキシシラン40gを入れ、180℃で5時間加熱還流した。その後減圧下(10mmHg)、高温(185℃)で過剰の亜リン酸トリメチルを除去した。更に、残った液体を濾過し、無色の油状のリン化合物50.4gを得た。得られたリン化合物のIR吸収スペクトルを図6に示す。
【0094】
窒素置換した二口フラスコに、上記のリン化合物30gを入れ、無水ジメチルホルムアミド300mlに溶解させた。次いで、反応系を−5℃に冷却し、油性水素化ナトリウム3.3gを加え15分間攪拌した。その後、攪拌しながら、N−(4−ホルミルフェニル)−N−(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン29.7gを加え、徐々に室温まで温度を上げ、2時間攪拌した。反応終了後、500mlのメタノールで二度再沈殿させ、黄色固体のシラン化合物(62)19.8gを得た。得られたシラン化合物のIR吸収スペクトルを図7に示す。
【0095】
(合成例6)
−シラン化合物(35)[表6]の合成−
ナス型フラスコに合成例5で合成したシラン化合物(62)10gを入れ、テトラヒドロフラン100ml、エタノール100mlに溶解させた。次いで、5%Pd−C0.5gを加え乾燥水素で置換し、フラスコの口を乾燥水素供給源に接続した状態で、15時間室温で反応させた。反応終了後、Pd−Cを濾過し、溶媒を減圧で除去した後、シリカゲルでカラム精製(溶剤:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)し、淡黄色の油状のシラン化合物(35)9.5gを得た。得られたシラン化合物のIR吸収スペクトルを図8に示す。
【0096】
(合成例7)
−シラン化合物(5)[表1]の合成−
窒素置換した二口フラスコに亜リン酸トリエチル20gと(クロロメチル)フェニルエチルトリメトキシシラン22gを入れ、180℃で6時間加熱還流した。その後減圧下(10mmHg)、高温(185℃)で過剰の亜リン酸トリメチルを除去した。更に、残った液体を濾過し、淡黄色の油状のリン化合物26.2gを得た。得られたリン化合物のIR吸収スペクトルを図9に示す。
【0097】
窒素置換した二口フラスコに、上記のリン化合物9.55gを入れ、無水ジメチルホルムアミド300mlに溶解させた。次いで、反応系を−5℃に冷却し、油性水素化ナトリウム1gを加え15分間攪拌した。その後、攪拌しながら、N−(4−ホルミルフェニル)−N−(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン8gを加え、徐々に室温まで温度を上げ、2時間攪拌した。反応終了後、1500mlのメタノールで二度再沈殿させ、黄色固体のシラン化合物(5)9.2gを得た。得られたシラン化合物のIR吸収スペクトルを図10に示す。
【0098】
(合成例8)
−シラン化合物(69)[表15]の合成−
ナス型フラスコに合成例7で合成したシラン化合物(5)5gを入れ、テトラヒドロフラン100ml、エタノール100mlに溶解させた。次いで、5%Pd−C0.2gを加え乾燥水素で置換し、フラスコの口を乾燥水素供給源に接続した状態で、15時間室温で反応させた。反応終了後、Pd−Cを濾過し、溶媒を減圧で除去した後、シリカゲルでカラム精製(溶剤:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)し、淡黄色の油状のシラン化合物(69)4.5gを得た。得られたシラン化合物のIR吸収スペクトルを図11に示す。
【0099】
(合成例9)
−シラン化合物(67)[表14]の合成−
窒素置換した二口フラスコに、合成例5で合成したリン化合物25gを入れ、無水ジメチルホルムアミド150mlに溶解させた。次いで、反応系を−5℃に冷却し、油性水素化ナトリウム2.75gを加え15分間攪拌した。その後、攪拌しながら、3,3’−ジメチル−N,N’−ビス(4−ホルミルフェニル)−N,N’−ビス(3,4−ジメチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン19.6gを加え、徐々に室温まで温度を上げ、2時間攪拌した。反応終了後、1リットルのメタノールで二度再沈殿させ、黄色固体のシラン化合物(67)21.1gを得た。得られたシラン化合物のIR吸収スペクトルを図12に示す。
【0100】
(合成例10)
−シラン化合物(50)[表9]の合成−
ナス型フラスコに合成例9で合成したシラン化合物(67)10gを入れ、テトラヒドロフラン100ml、エタノール100mlに溶解させた。次いで、5%Pd−C0.4gを加え乾燥水素で置換し、フラスコの口を乾燥水素供給源に接続した状態で、16時間室温で反応させた。反応終了後、Pd−Cを濾過し、溶媒を減圧で除去した後、シリカゲルでカラム精製(溶剤:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)し、淡黄色の油状のシラン化合物(50)9.2gを得た。得られたシラン化合物のIR吸収スペクトルを図13に示す。
【0101】
(合成例11)
−シラン化合物(20)[表4]の合成−
窒素置換した二口フラスコに、合成例7で合成したリン化合物15gを入れ、無水ジメチルホルムアミド100mlに溶解させた。次いで、反応系を−5℃に冷却し、水素化ナトリウム1.5gを加え15分間攪拌した。その後、攪拌しながら、3,3’−ジメチル−N,N’−ビス(4−ホルミルフェニル)−N,N’−ビス(3,4−ジメチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン10.9gを加え、徐々に室温まで温度を上げ、2時間攪拌した。反応終了後、1リットルのメタノールで二度再沈殿させ、黄色固体のシラン化合物(20)13.1gを得た。得られたシラン化合物のIR吸収スペクトルを図14に示す。
【0102】
(合成例12)
−シラン化合物(72)[表16]の合成−
ナス型フラスコに合成例11で合成したシラン化合物(20)10gを入れ、テトラヒドロフラン100ml、エタノール100mlに溶解させた。次いで、5%Pd−C0.5gを加え乾燥水素で置換し、フラスコの口を乾燥水素供給源に接続した状態で、16時間室温で反応させた。反応終了後、Pd−Cを濾過し、溶媒を減圧で除去した後、シリカゲルでカラム精製(溶剤:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)し、淡黄色の油状のシラン化合物(72)9.1gを得た。得られたシラン化合物のIR吸収スペクトルを図15に示す。
【0103】
(実施例1、2)
合成例1及び2で合成したシラン化合物を用いて以下のように電子写真用感光体を製造した。
【0104】
(下引層の形成)
ホーニング処理した30mmφのアルミニウム円筒基板上にジルコニウム化合物(商品名:オルガチックスZC540、マツモト製薬社製)10重量部、シラン化合物(商品名:A1110、日本ユンカー社製)1重量部、イソプロパノール40重量部及びブタノール20重量部からなる溶液を浸漬コーティング法で塗布し、150℃において10分間加熱乾燥し膜厚0.5μmの下引層を形成した。
【0105】
(電荷発生層の形成)
x−型メタルフリーフタロシアニン1重量部を、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−S、積水化学社製)1重量部及び酢酸n−ブチル100重量部と混合し、ガラスビーズと共にペイントシェーカーで1時間処理して分散した後、得られた塗布液を上記下引層上に浸漬コーティング法で塗布し、100℃において10分間加熱乾燥した。
【0106】
(電荷輸送層の形成)
次にN−(4−メチルフェニル)−N−(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン32重量部と前記構造式(IV)で示されるポリカーボネート樹脂3重量部とを、モノクロロベンゼン20重量部に溶解し、得られた塗布液を、電荷発生層が形成されたアルミニウム基板上に浸漬コーティング法で塗布し、120℃において1時間加熱乾燥、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0107】
(表面保護層の形成)
さらに、合成例1で合成されたシラン化合物3重量部とフェニルトリエトキシシラン1重量部をシリコンハードコート剤(商品名:X−40−2239、信越シリコン社製)6重量部と酢酸エチル5重量部に溶解し、得られた塗布液を、電荷輸送層上に浸漬コーティング法で塗布し、室温で乾燥させて、膜厚3μmの表面保護層を形成した。
【0108】
また、合成例1で合成されたシラン化合物の代わりに合成例2で合成されたシラン化合物を使用した他は上記と同様に電子写真用感光体を製造した。
【0109】
このようにして得られた電子写真用感光体を実機(商品名:XP−11、富士ゼロックス社製)に登載しB4のPPC用紙で1万枚の耐久試験を行った後も、感光体表面には磨耗、傷、剥離、クラック等は見られず、鮮明な画像が得られた。
【0110】
(実施例3)
下記の表面保護層を使用したこと以外は実施例1と同様にして電子写真用感光体を製造した。
【0111】
(表面保護層の形成)
合成例3で合成されたシラン化合物6重量部をシリコンハードコート剤(商品名:X−40−2239、信越シリコン社製)12重量部、シクロヘキサノン10重量部及び酢酸2重量部に溶解し、得られた塗布液を、前記電荷輸送層上に浸漬コーティング法で塗布し、室温で乾燥させて、膜厚3μmの表面保護層を形成した。
【0112】
このようにして得られた電子写真用感光体を実機(商品名:XP−11、富士ゼロックス社製)に登載しB4のPPC用紙で1万枚の耐久試験を行った。結果を表18に示す。
【0113】
(実施例4〜18)
実施例3で使用されたシラン化合物及びシリコンハードコート剤(X−40−2239)の代わりに、表17に示されるものを用いた以外は実施例3と同様にして電子写真用感光体を作成し、耐久性試験を行った。結果を表18に示す。なお、表17中のDMS−S15はチッソ社から入手した。
【0114】
【表17】
Figure 0003899600
【0115】
【表18】
Figure 0003899600
【0116】
(比較例1)
表面保護層を形成しなかったことを除いて実施例3と同様にして電子写真用感光体を作成し、耐久性試験を行った。結果を表18に示す。
【0117】
以上から、本実施例のシラン化合物が溶解性、成膜性に優れ、且つその膜は強固なものであり、優れた繰り返し安定性を示すことがわかった。
【0118】
【発明の効果】
本発明のシラン化合物は新規な化合物であり、溶解性、成膜性に優れ、強固な膜を形成し、有機EL素子や電子写真感光体等の種々の有機電子デバイスに応用可能である。
【0119】
また、本発明の製造方法は反応の選択性が高く、副反応もほとんど起こらないため、効率よく上記シラン化合物を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成例1で合成されたホスホニウム塩のIR吸収スペクトルである。
【図2】合成例1で合成されたシラン化合物のIR吸収スペクトルである。
【図3】合成例2で合成されたシラン化合物のIR吸収スペクトルである。
【図4】合成例3で合成されたシラン化合物のIR吸収スペクトルである。
【図5】合成例4で合成されたシラン化合物のIR吸収スペクトルである。
【図6】合成例5で合成されたリン化合物のIR吸収スペクトルである。
【図7】合成例5で合成されたシラン化合物のIR吸収スペクトルである。
【図8】合成例6で合成されたシラン化合物のIR吸収スペクトルである。
【図9】合成例7で合成されたリン化合物のIR吸収スペクトルである。
【図10】合成例7で合成されたシラン化合物のIR吸収スペクトルである。
【図11】合成例8で合成されたシラン化合物のIR吸収スペクトルである。
【図12】合成例9で合成されたシラン化合物のIR吸収スペクトルである。
【図13】合成例10で合成されたシラン化合物のIR吸収スペクトルである。
【図14】合成例11で合成されたシラン化合物のIR吸収スペクトルである。
【図15】合成例12で合成されたシラン化合物のIR吸収スペクトルである。

Claims (11)

  1. 下記一般式(I)で表されるシラン化合物。
    Figure 0003899600
    [式中、Ar1 〜Ar4 はそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を示し、Ar5 は置換若しくは未置換のアリール基又はアリーレン基を示し、且つAr1 〜Ar5 のうち1〜4個は、−CH=CH−Y−SiR1(3-a)(OR2a 又はAr1 〜Ar5 のうち2〜4個は、−CH2 CH2 −Y−SiR1(3-a)(OR2a で示される置換基を有し、R1 は水素、アルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を示し、R2 は水素、アルキル基又はトリアルキルシリル基を示し、aは1〜3の整数を示し、Yは2価の基(但し単結合を除く)を示し、kは0又は1を示す]
  2. 前記Ar1 〜Ar5 のうち1〜4個が−CH=CH−Y−SiR1(3-a)(OR2a で示される置換基を有する請求項1に記載のシラン化合物。
  3. 前記Ar1 〜Ar4 は置換基を有するフェニル基を示し、Ar5 は置換基を有するアリール基又はアリーレン基を示し、且つAr1 〜Ar5 のうち1〜4個は、−CH=CH−Y−SiR1(3-a)(OR2a 又はAr1 〜Ar5 のうち2〜4個は、−CH2 CH2 −Y−SiR1(3-a)(OR2a で示される置換基を有し、R1 は水素、アルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を示し、R2 は水素、アルキル基又はトリアルキルシリル基を示し、aは1〜3の整数を示し、Yは2価の基(但し単結合を除く)を示し、kは0又は1を示すことを特徴とする請求項1に記載のシラン化合物。
  4. xを1〜15の整数、x’及びx”をそれぞれ2から15の整数としたときに、前記Yが、−(CH2x −、−(Cx'2x'-2 )−、−(Cx"2x"-4 )−、及び置換又は未置換のアリーレン基を少なくとも1種以上含有することを特徴とする請求項2又は3に記載のシラン化合物。
  5. 下記構造式(VII)で表されることを特徴とする請求項2に記載のシラン化合物。
    Figure 0003899600
  6. 下記構造式(VIII)で表されることを特徴とする請求項2に記載のシラン化合物。
    Figure 0003899600
  7. 下記構造式(X)で表されることを特徴とする請求項2に記載のシラン化合物。
    Figure 0003899600
  8. 下記一般式(A)と下記一般式(B)とを塩基を用いて反応させることにより請求項2に記載のシラン化合物を製造するシラン化合物の製造方法。
    Figure 0003899600
    [式中、Ar6 〜Ar9 はそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を示し、Ar10は置換若しくは未置換のアリール基又はアリーレン基を示し、且つAr6 〜Ar10のうち1〜4個は、−CHO又は−CH2 Lで置換され、kは0又は1を示し、LはPM(R32 又はHal- P(R33 + を示し、Halはハロゲン原子を示し、MはO又はSを示し、R3 はアルキル基、フェニル基、アルコキシ基、アミノ基を示す]
    Figure 0003899600
    [式中、R1 は水素、アルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を示し、R2 は水素、アルキル基又はトリアルキルシリル基を示し、aは1〜3の整数を示し、Yは2価の基を示し、Tは一般式(A)が−CHOを有している場合には−CH2 Lを示し且つ一般式(A)が−CH2 Lを有している場合には−CHOを示し、LはPM(R32 又はHal- P(R33 + を示し、Halはハロゲン原子を示し、MはO又はSを示し、R3 はアルキル基、フェニル基、アルコキシ基、アミノ基を示す]
  9. 前記一般式(A)が−CHO基を有し、前記一般式(B)が−CH2 L基を有することを特徴とする請求項8に記載のシラン化合物の製造方法。
  10. 請求項2に記載のシラン化合物に水素を付加してAr1〜Ar5のうち2〜4個が−CH2CH2−Y−SiR1(3-a)(OR2aで示される置換基を有する請求項1に記載のシラン化合物を製造することを特徴とするシラン化合物の製造方法。
  11. 水素化固体触媒を用いた接触還元により水素を付加することを特徴とする請求項10に記載のシラン化合物の製造方法。
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