JP3863929B2 - 有機薄膜電界発光素子およびその製造方法 - Google Patents

有機薄膜電界発光素子およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、有機薄膜電界発光素子およびその製造方法に関し、さらに詳しくは耐熱性、耐久性に優れた網目構造を有する高分子薄膜からなる電界発光層および/または電荷注入・輸送層が形成されている有機薄膜電界発光素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
薄膜電界発光素子(EL素子)は、面状発光が可能な自己発光素子であり、視認性に優れ、しかも完全固体発光素子であるために耐衝撃性が高いという特長がある。
【0003】
このため、近年、液晶表示装置(LCD)用バックライト、CRTに代わる次世代の表示素子への応用を目的として、EL素子に関する研究開発が盛んに行なわれている。
【0004】
EL素子は、無機EL素子と有機EL素子とに大別される。
このうちZnS/Mn系等の無機EL素子は、駆動電圧が数百ボルトと高く、また、充分な輝度の青色発光が得難いためにフルカラー画像表示が難しい。
【0005】
これに対し、有機EL素子は、駆動電圧が数十ボルトと低く、また、材料の種類に応じて充分な輝度の赤、青または緑色発光が得られ、これらの発光素子を組み合わせることにより表示画像の多色化が容易であり、しかも軽量かつ柔軟であるなどの特長を有している。
【0006】
ところで、有機EL素子は、陰極と、陽極と、これら電極間に挟持された有機薄膜電界発光層とで基本的に構成されたキャリア注入型の発光素子である。これらの電極間に電圧を印加すると、陰極から電界発光層に電子がキャリアとして注入され、陽極から電界発光層にホールがキャリアとして注入され、これらのキャリアが電界発光層中で再結合する。この際、電界発光層が、電界発光材料に固有の波長を有する光を発する。このことから明らかなように、有機EL素子の電界発光効率を高めるためには、キャリアの注入効率および再結合確率を高める必要がある。
【0007】
最近、有機EL素子の陰極/電界発光層間に電子輸送性の材料で形成された電子注入・輸送層、あるいは有機EL素子の陽極/電界発光層間にホール輸送性の材料で形成されたホール注入・輸送層を形成することにより、キャリアの注入効率および再結合確率を高める試みがなされている。
【0008】
たとえば、Appl.Phys.Lett.,Vol.51,No.12(1987)p.913 では、ITO(Indium Tin Oxide)電極上に、ホ−ル輸送層、電子輸送性を有する発光層、MgAg合金製の電子注入電極を順次蒸着して有機EL素子を形成し、これにより有機EL素子の電界発光効率を向上させている。
【0009】
また、Jpn.J.Appl.Phys.,Vol.27,No.2,1988,p269およびJpn.J.Appl.Phys.,Vol.27,No.4,1988,p713では、3層型有機電界発光素子は、ITO電極(正極)上に、ホ−ル注入層、電界発光層、電子注入層およびMgAg電極(負極)を順次積層し、これにより電界発光に必要な電圧の閾値を数Vに低下させている。
【0010】
しかしながら、上記のような積層型有機EL素子は、素子を発光させるために電極間に高電流を流す必要があり、素子を発光させる際にジュール熱で素子の内部が高温になり、電界発光層などの有機層が結晶化して電極から剥離したり、あるいは熱分解などが生じたりして素子が劣化することがあった。
【0011】
上述した有機層の結晶化は、有機層が電極から剥離する原因となる他、結晶化部分でキャリアの注入・輸送が阻害されるため、ダークスポットを生じる原因となる。
【0012】
これに対し、たとえば特開平4−2096号公報では、電界発光性低分子材料、ホール注入性低分子材料および電子輸送性低分子材料をそれぞれ有機高分子薄膜中に含有せしめ、これにより有機電界発光層および/または有機電荷注入・輸送層の結晶化を防止している。
【0013】
また、Synthetic Metals, Vol.55-57,p4031 では、高分子半導体を有機電荷輸送・発光層として用いている。
しかしながら、上記いずれの場合においても、有機高分子材料として直鎖状ポリマーが用いられているため、耐久性、耐熱性には限界があり、さらに耐久性、耐熱性に優れた有機電界発光層および/または有機電荷輸送層が必要とされている。
【0014】
ところで、上記のような有機層は、従来、スピンコート法などのような湿式法で形成されていた。
しかしながら、このような方法で有機層を形成すると、有機層にピンホールが発生し易く、このピンホールが原因となって素子が駆動時に破壊し易くなる。さらに、湿式法で有機層を形成した場合、素子中に不純物が混入し易く、不純物が混入した素子は、劣化し易い。特に湿式法で有機層(下層)上にさらに有機層(上層)を形成する場合には、下層の有機層が溶解あるいは溶出されないように、上層の有機層を形成する際に用いる塗布液の溶剤を選択する必要がある。このように下層と上層とを形成する際に用いることができる材料、あるいはこれらの材料を溶解するための溶剤が制限され、結果的に、有機層を形成する高分子材料、あるいはこの高分子材料に含有させる低分子材料の種類は少ない。
【0015】
【発明の目的】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであって、電界発光層および/または電荷注入・輸送層が有機層で形成され、しかも耐熱性、耐久性に優れた有機薄膜電界発光素子およびその製造方法を提供することを目的としている。
【0017】
【発明の概要】
本発明に係る有機薄膜電界発光素子の製造方法は、少なくとも一方が透明である電極間に、
モノマーAとして下記式〔I〕で表される2官能性モノマーを用い、
モノマーBとして下記式〔II〕で表される多官能性モノマーまたは該モノマーと下記式[III]で表される2官能性モノマーとの混合モノマー:
1(−X)2 …〔I〕
2(−Y)m …〔II〕
3(−Y)2 …〔III〕
[式中、
mは3以上の整数であり、
1 およびR3 は、同一であっても異なっていてもよく、二価の有機基を表し、
2は、m価の有機基(但し、mは3以上の整数である)を表し、
XおよびYの一方は、カルボン酸クロリド基であり、
XおよびYの他方は、カルボヒドラジド基または下記式〔IV〕:
【0018】
【化2】
Figure 0003863929
【0019】
で表されるシリル化カルボヒドラジド基であり、Rは炭素数6以下のアルキルまたはアリール基である。]
を用い、前記モノマーAと前記モノマーBとをそれぞれ別の蒸発源から真空中で蒸発させて、オキサジアゾール単位を有する高分子の前駆体からなる薄膜を形成し、該薄膜を100〜350℃の温度で10〜240分間熱処理してオキサジアゾール単位を有する高分子からなる薄膜で電界発光層および/または電荷注入・輸送層を形成する工程を有することを特徴としている。
【0020】
このようにしてポリオキサジアゾール薄膜からなるホール輸送層を形成する場合、上記R1 、R2 およびR3 のうちの少なくとも1個の基が芳香族三級アミンまたは芳香族三級ジアミンから誘導された基であることが好ましい。
【0021】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る有機薄膜電界発光素子およびその製造方法について図面を用いて具体的に説明する。
【0022】
[有機薄膜電界発光素子]
図1〜4に本発明に係る第1〜4の有機薄膜電界発光素子を示す。
図1に示された本発明に係る第1の有機薄膜電界発光素子10は、負極1/電界発光層3/正極2の積層構造を有し、
図2に示された本発明に係る第2の薄膜電界発光素子10は、負極1/電子注入・輸送層4/電界発光層3/正極2の積層構造を有し、
図3に示された本発明に係る第3の有機薄膜電界発光素子10は、負極1/電界発光層3/ホール注入・輸送層5/正極2の積層構造を有し、
図4に示された本発明に係る第4の薄膜電界発光素子10は、負極1/電子注入・輸送層4/電界発光層3/ホール注入・輸送層5/正極2の積層構造を有している。
【0023】
これら図1〜4に示された本発明に係る第1〜4の有機薄膜電界発光素子では、いずれも負極1(電子注入電極)としてMg、Ag、In、Ca、Alなどで形成された電極が用いられ、正極2(ホール注入電極)としてITO、Auなどで形成された電極が用いられている。
【0024】
負極1、正極2の少なくとも一方は透明であって、この透明電極を通して電界発光層3で発光した光が照射できるようになっている。
また、負極1、正極2のいずれか一方は、通常、ガラスやポリマーフィルムなどの透明基板上に形成される。
【0025】
たとえば、正極2がITO電極である場合、このITO電極は、ガラスやポリマーフィルムなどの透明基板上に薄膜状に形成されている。
さらに、本発明に係る第1の有機薄膜電界発光素子10では、図1に示された電界発光層3が網目構造を有する高分子薄膜で形成され、
本発明に係る第2の有機薄膜電界発光素子10では、図2に示された電子注入・輸送層4、電界発光層3のうちの少なくとも一層、好ましくは両層が網目構造を有する高分子薄膜で形成され、
本発明に係る第3の有機薄膜電界発光素子10では、図3に示された電界発光層3、ホール注入・輸送層5のうちの少なくとも一層、好ましくは両層が網目構造を有する高分子薄膜で形成され、
本発明に係る第4の有機薄膜電界発光素子10では、図4に示された電子注入・輸送層4、電界発光層3、ホール注入・輸送層5の少なくとも一層、好ましくは全層が網目構造を有する高分子薄膜で形成されている。
【0026】
本発明で電界発光層3を網目構造を有する高分子薄膜で形成する場合、この網目構造を有する高分子薄膜は、蒸着重合法で得られ、厚さが100〜2000オングストローム、好ましくは300〜1000オングストロームであることが望ましい。
【0027】
また、本発明で電子注入・輸送層4またはホール注入・輸送層5を網目構造を有する高分子薄膜で形成する場合、この網目構造を有する高分子薄膜は、蒸着重合法で得られ、厚さが100〜5000オングストローム、好ましくは300〜1000オングストロームであることが望ましい。
【0028】
このような網目構造を有する高分子薄膜は、m官能性モノマー(但し、mは3以上の整数である)を含む多官能性モノマーを蒸着重合法で重縮合または重付加することによって得られ、具体的には、オキサジアゾール単位、イミド結合、アミド結合、アミドイミド結合、尿素結合、アゾメチン結合などの1種または2種以上の重合単位が相互に結合し合って形成されている。
【0029】
これらの重合単位のうち、オキサジアゾール単位は、自ら電界発光性を有している。このため、前記網目構造を有する高分子薄膜は、オキサジアゾール単位を含んで形成されていることが好ましい。すなわち、網目構造を有する高分子薄膜がオキサジアゾール単位を有する高分子からなる場合、この高分子薄膜は電界発光性に優れている。
【0030】
とりわけ、網目構造を有するポリオキサジアゾールについて詳述すると下記の通りである。
この網目構造を有するポリオキサジアゾールでは、2価の有機基R1 と、m価の有機基(但し、mは3以上の整数である)R2 とが次式:
【0031】
【化3】
Figure 0003863929
【0032】
で表される2価のオキサジアゾールを介して結合し、これにより網目が形成されている。R1 の全ては上記2価のオキサジアゾールを介してR2 と結合している必要はなく、R1 の一部は上記2価のオキサジアゾールを介してR3 と結合していてもよい。
【0033】
この場合、R3 /(R2 +R3 )×100は、0〜90mol %であることが好ましい。
上記のような網目構造を有するポリオキサジアゾールでは、オキサジアゾール環が自ら発光する性質を有しているので、R1 、R3 が2価の有機基であり、かつR2 がm価の有機基(但し、mは3以上の整数である)である以外に制限はないが、網目構造を有するポリオキサジアゾールで電子輸送層4またはホール輸送層5を形成する場合、網目構造を有するポリオキサジアゾールとしては後述するような原料から製造されたポリオキサジアゾールが好ましい。
【0034】
このうち、R1 、R2 としては、芳香族環を有する有機基が好ましい。R1 、R2 の少なくとも一方が芳香族環を有する有機基、例えばフェニレン基、ビフェニレン基またはトリフェルアミンから誘導される二価の有機基などのような主としてπ電子共役可能な単位で構成され、電荷の非局在化が可能な二価の有機基である場合、電子注入・輸送層4の電子輸送能またはホール注入・輸送層5のホール輸送能を高めることができる。
【0035】
さらに電子注入・輸送層4の電子輸送能を高めたい場合には、例えばChem. Mater., Vol.3 (1991) pp.709-714 およびJ. Imag. Sci., Vol.29, No.2 (1985)pp.69-72に開示されているジフェノキノン誘導体およびフルオレノン誘導体などのような電子注入・輸送性添加剤を、例えば前記ポリオキサジアゾール中のオキサジアゾール単位当たり0.01〜80mol%、好ましくは1〜60mol%の量で添加するとよい。
【0036】
また、ホール注入・輸送層5のホール輸送能をより一層高めたい場合には、例えばChem. Lett., 1989, pp.1145に開示されている4,4',4"-トリス(N,N-ジフェニルアミノ)トリフェニルアミンや4,4',4"-トリス[N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ] トリフェニルアミンなどのトリフェニルアミン誘導体などのようなホール注入・輸送性添加剤を、例えば前記ポリオキサジアゾール中のオキサジアゾール単位当たり0.01〜80mol%、好ましくは1〜50mol%の量で添加するとよい。
【0037】
以上のように、本発明に係る有機薄膜電界発光素子は、特許請求の範囲に記載された範囲内で様々な変形が可能である。
さらに上記図1〜4に示された有機薄膜電界発光素子10は、それぞれ負極1または正極2が形成された面を覆うようにして酸化防止膜などの保護膜が形成されていてもよく、有機薄膜電界発光素子10全体をこれらの保護膜で封止してもよい。このような保護膜を負極1または正極2上に形成すると、負極1または正極2の安定性が増し、薄膜電界発光素子10の実用性および耐久性が向上する。このような保護膜は仕事関数の大きな金属、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂またはフッ素系樹脂などで形成することができる。
【0038】
[有機薄膜電界発光素子の製造方法]
本発明に係る薄膜電界発光素子は、通常、
i ) 基板上に電極1または2を形成する工程、
ii) 電極1または2上に所望により第1の電荷輸送層4または5を蒸着重合法で形成する工程、
iii)電極1または2上、あるいは第1の電荷輸送層4または5上に電界発光層3を蒸着重合法で形成する工程、
iv) 電界発光層3上に所望により第1の電荷輸送層4または5とは反対符号の電荷を輸送する能力を有する第2の電荷輸送層4または5(例えば第1の電荷輸送層が電子輸送層4である場合、第2の電荷輸送層はホール輸送層5)を蒸着重合法で形成する工程、
v ) 電界発光層3上または第2の電荷輸送層4または5上に対向電極1または2((例えば工程i ) で形成された電極が負極1である場合、対向電極は正極2)を形成する工程、および
vi) 所望により対向電極上に電界発光素子の封止層を形成する工程
を経て製造される。
【0039】
また、本発明では、電界発光層3および/または電荷輸送層4および/または5を網目構造が有する高分子薄膜で形成され、また、この高分子薄膜が蒸着重合法で形成されている。
【0040】
特に網目構造を有する高分子薄膜が上記ポリオキサジアゾールで形成されている場合、本発明に係る有機薄膜電界発光素子の製造方法は、少なくとも一方が透明である電極間に、
モノマーAとして下記式〔I〕で表される2官能性モノマーを用い、
モノマーBとして下記式〔II〕で表される多官能性モノマーまたは該モノマーと下記式[III] で表される2官能性モノマーとの混合モノマー:
1(−X)2 …〔I〕
2(−Y)m …〔II〕
3(−Y)2 …〔III 〕
[式中、
mは3以上の整数であり、
1 およびR3 は、同一であっても異なっていてもよく、二価の有機基であり、
2 は、m価の有機基(但し、mは3以上の整数である)であり、
XおよびYの一方は、カルボン酸クロリド基であり、
XおよびYの他方は、カルボヒドラジド基または下記式〔IV〕:
【0041】
【化4】
Figure 0003863929
【0042】
で表されるシリル化カルボヒドラジド基であり、Rは炭素数6以下のアルキルまたはアリール基である。]
を用い、前記モノマーAと前記モノマーBとをそれぞれ別の蒸発源から真空中で蒸発させてオキサジアゾール単位を含まない高分子であってオキサジアゾール単位を有する高分子の前駆体となる高分子薄膜を形成し、該薄膜を100〜400℃、好ましくは200〜350℃の温度で熱処理してオキサジアゾール単位を有する高分子薄膜からなる電界発光層および/または電荷注入・輸送層を形成する工程を経て製造される。この際、適切なオキサジアゾールを有する薄膜を形成する点から、熱処理時間を10〜240分、好ましくは60〜120分に調整することが望ましい。
【0043】
上記式〔I〕で表される2官能性モノマー、上記式〔II〕で表される多官能性モノマー、上記式〔III 〕で表される2官能性モノマーとしては、例えばそれぞれ下記式〔V〕〜〔VII 〕で表されるモノマーが用いられる。
【0044】
【化5】
Figure 0003863929
【0045】
上記式中、Rはl(エル)価の有機基であり、R’はm価の有機基であり、R”はn価の有機基である。
l(エル)=2の場合には、mおよび/またはnは3以上の整数であり、lが3以上の整数である場合にはmまたはnは2である。
【0046】
lが2であり、mが3以上の整数である場合、あるいはlが3以上の整数であり、mが2である場合、上記式〔V〕で表されるモノマーと上記式〔VI〕で表されるモノマーとを反応させる工程を経て網目構造を有するポリオキサジアゾールが製造される。
【0047】
同様にlが2であり、nが3以上の整数である場合、あるいはlが3以上の整数であり、nが2である場合、上記式〔V〕で表されるモノマーと上記式〔VII 〕で表されるモノマーとを反応させる工程を経て網目構造を有するポリオキサジアゾールが製造される。
【0048】
上記のようにして網目構造を有するポリオキサジアゾールを製造する場合、重合時の上記式〔V〕で表されるモノマーと上記式〔VI〕で表されるモノマーとのモル比、あるいは上記式〔V〕で表されるモノマーと上記式〔VII 〕で表されるモノマーとのモル比は、モノマー同士の反応が化学量論的に行われるよう〔V〕:〔VI〕=m:l、〔V〕:〔VII 〕=n:lに調整することが好ましい。
【0049】
このように2官能性モノマー(例えばl=2の場合には上記式〔V〕で表されるモノマー)と3官能性以上の多官能性モノマー(例えばmが3以上の整数である場合には上記式〔VI〕で表されるモノマー)とを反応させる工程を経て網目構造を有するポリオキサジアゾールが製造されるが、このうちの多官能性モノマーは、2官能性モノマーと多官能性モノマーとの混合モノマーであってもよい。この混合モノマー中における2官能性モノマーの含有率は、0〜90mol %であることが好ましい。
【0050】
上述したように、本発明では、上記式〔I〕で表される化合物と上記式〔II〕で表される化合物とを反応させるか、あるいは上記式〔I〕で表される化合物を上記式〔II〕で表される化合物と下記式〔III 〕で表される化合物との混合物と反応させる工程を経て網目構造を有するポリオキサジアゾールが製造される。
【0051】
このポリオキサジアゾールで本発明に係る有機薄膜電界発光素子の電子注入・輸送層を形成する場合、上記式〔I〕〜〔III 〕で表される化合物の少なくとも1種は下記化合物、およびこれらの化合物を結合基で結合して得られる化合物であることが好ましい。
【0052】
【化6】
Figure 0003863929
【0053】
【化7】
Figure 0003863929
【0054】
上記式〔I〕で表される化合物として、あるいは上記式〔III 〕で表される化合物として上記例示化合物が用いられている場合、これら例示化合物中でR4 〜R17のうち2個の置換基は、いずれもカルボン酸クロリド基であるか、あるいはカルボヒドラジド基、上記式〔IV〕に示されたシリル化カルボヒドラジド基から選ばれる1種の反応性置換基である。上記式〔II〕で表される化合物としてm価の上記例示化合物が用いられている場合、これら例示化合物中のR4 〜R17のうちm個の置換基は、いずれもカルボン酸クロリド基であるか、あるいはカルボヒドラジド基、上記式〔IV〕に示されたシリル化カルボヒドラジド基から選ばれる1種の反応性置換基である。
【0055】
上記例示化合物中でその他の置換基は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アラルキル基、アルキルオキシ基からなる群より選ばれる基である。
【0056】
上記式〔I〕〜〔III 〕で表される化合物が、上記例示化合物を結合基で結合して得られる化合物である場合、上記その他の置換基のうち、少なくとも1種は直接結合または−CH2 −、−SiH2 −、−O−、−S−、−C(CH3 2 −、−CH(CH3 )−、−CH(Ph)−、−Si(CH3 2 −などのような結合基であり、この直接結合または結合基を介して複数の化合物が結合している。この場合、この複数の化合物は、互いに同一であっても異なっていてもよく、上記例示化合物群から選択された化合物である。
【0057】
また、ポリオキサジアゾールで本発明に係る有機薄膜電界発光素子のホール注入・輸送層を形成する場合、上記式〔I〕〜〔III 〕で表される化合物の少なくとも1種は下記化合物、およびこれらの化合物を結合基で結合して得られる化合物であることが好ましい。
【0058】
【化8】
Figure 0003863929
【0059】
【化9】
Figure 0003863929
【0060】
上記式〔I〕で表される化合物として、あるいは上記式〔III 〕で表される化合物として上記例示化合物が用いられている場合、これら例示化合物中でR18〜R31のうち2個の置換基は、いずれもカルボン酸クロリド基であるか、あるいはカルボヒドラジド基、上記式〔IV〕に示されたシリル化カルボヒドラジド基から選ばれる1種の反応性置換基である。上記式〔II〕で表される化合物としてm価の上記例示化合物が用いられている場合、これら例示化合物中のR18〜R31のうちm個の置換基は、いずれもカルボン酸クロリド基であるか、あるいはカルボヒドラジド基、上記式〔IV〕に示されたシリル化カルボヒドラジド基から選ばれる1種の反応性置換基である。
【0061】
上記例示化合物中でその他の置換基は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アラルキル基、アルキルオキシ基からなる群より選ばれる基である。
【0062】
上記式〔I〕〜〔III 〕で表される化合物が、上記例示化合物を結合基で結合して得られる化合物である場合、上記その他の置換基のうち、少なくとも1種は直接結合または−CH2 −、−SiH2 −、−O−、−S−、−C(CH3 2 −、−CH(CH3 )−、−CH(Ph)−、−Si(CH3 2 −などのような結合基であり、この直接結合または結合基を介して複数の化合物が結合している。この場合、この複数の化合物は、互いに同一であっても異なっていてもよく、上記例示化合物群から選択された化合物である。
【0063】
ポリオキサジアゾールで本発明に係る有機薄膜電界発光素子の電界発光層を形成する場合、ポリオキサジアゾール自体が自ら蛍光を発する機能を有しているので、上記式〔I〕中のR1 および上記式〔II〕中のR2 が二価の有機基であり、かつ上記式〔III 〕中のR3 は二価の有機基である以外に制限はないが、上記式〔I〕〜〔III 〕で表される化合物として上記例示化合物あるいはこれらを結合して得られる化合物を用いると、電界発光層であるポリオキサジアゾール薄膜に電界発光能のみならず、電荷の注入・輸送能が付与されるので好ましい。
【0064】
1 、R3 として下記のレーザー用色素から誘導される残基を用いると、さらに高い発光強度を得ることができる。
【0065】
【化10】
Figure 0003863929
【0066】
上記式〔I〕で表される化合物として、あるいは上記式〔III〕で表される化合物として上記例示化合物が用いられている場合、これら例示化合物中でR30〜R35のうち2個の置換基は、いずれもカルボン酸クロリド基であるか、あるいはカルボヒドラジド基、上記式〔IV〕に示されたシリル化カルボヒドラジド基から選ばれる1種の反応性置換基である。上記式〔II〕で表される化合物としてm価の上記例示化合物が用いられている場合、これら例示化合物中のR30〜R35のうちm個の置換基は、いずれもカルボン酸クロリド基であるか、あるいはカルボヒドラジド基、上記式〔IV〕に示されたシリル化カルボヒドラジド基から選ばれる1種の反応性置換基である。
【0067】
上記例示化合物中でその他の置換基は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アラルキル基、アルキルオキシ基からなる群より選ばれる基である。
【0068】
上記のような蛍光性染料または顔料を含有し、しかもオキサジアゾール単位を有する高分子薄膜で電界発光層を形成すると、この電界発光層は、電界発光時に蛍光性染料または顔料に固有の蛍光を発する。例えば、蛍光性染料または顔料として、クマリン343、アルミキノリノール錯体、NK757、DCMを用いた場合には、電界発光素子がそれぞれ青緑、緑、黄、赤色に発光する。このように本発明によれば、前記式(I)で表されるポリオキサジアゾール誘導体で形成された電界発光層中に蛍光性染料または顔料を含有させることにより、この蛍光性染料または顔料の種類に応じて電界発光素子の発光色が制御できる。
【0069】
電界発光層および/または電荷注入・輸送層をポリオキサジアゾール薄膜で形成し、かつこのポリオキサジアゾール薄膜を蒸着重合法で形成する場合、このポリオキサジアゾール薄膜は、例えば次の順序で形成される。
【0070】
a)まず、図5に示す真空蒸着装置20の蒸着用チャンバー21内に、被蒸着基板22、例えばITO電極付き基板がこのITO電極(被蒸着面)上に蒸着膜が形成されるようにセットする。
【0071】
b)前記式〔I〕で表される重合用モノマーA、および前記式〔II〕で表される重合用モノマーBを、真空蒸着装置20内の別々の蒸着源23a、23bに入れる。重合用モノマーBとして前記式〔II〕で表されるモノマーと前記式〔III 〕で表されるモノマーとの混合モノマーを用いる場合には、前記式〔III 〕で表されるモノマーをさらに別の蒸着源(図示せず)に入れる。
【0072】
c)蒸着用チャンバー21内の圧力が、通常、10ー2Pa以下、好ましくは10ー3Pa以下になるまで蒸着用チャンバー21内を減圧する。
ここで、前記式〔I〕〜〔III 〕で表されるモノマーがそれぞれ前記式〔VI〕で表されるカルボヒドラジド類である場合、蒸着重合の際にHClが発生して電極ないし装置を腐食することが考えられる。これに対し前記式〔I〕〜〔III 〕で表されるモノマーがそれぞれ前記式〔VII]で表されるシリル化カルボヒドラジド類である場合、上記のような腐食の懸念が緩和される。
【0073】
d)蒸着用チャンバー21内の圧力が所定の値を示すまでの間に、被蒸着面、たとえばITO電極付基板のITO電極面の温度を−50〜200℃、好ましくは20〜100℃の温度に調整する。
【0074】
e)蒸着用チャンバー21内の圧力が所定の圧力に達した後、この圧力下で重合用モノマーAとBとが、好ましくは化学量論的に反応するような量で被蒸着面上に蒸着され、かつ0.1〜10オングストローム/秒、好ましくは1〜4オングストローム/秒の蒸着速度で蒸着膜(重合体)が形成されるように蒸発源23a、23b、さらに必要に応じて前記式〔III 〕で表されるモノマーを収容している蒸着源(図示せず)の温度を制御する。この際の温度は、30〜200℃程度であることが好ましい。
【0075】
f)このようにして膜厚100〜10000オングストローム程度の蒸着重合膜を形成させた後、この蒸着膜を、通常、100〜350℃、好ましくは200〜300℃の温度で、通常、10〜240分間、好ましくは60〜120分間真空中または不活性ガス中で熱処理することによりオキサジアゾール単位を含む薄膜が得られる。この際、e)工程で得られた重合体のカルボヒドラジド単位は、前記熱処理によってオキサジアゾール単位へと変化する。
【0076】
このようにして得られたポリオキサジアゾール薄膜は、3次元網目構造を有しており、ピンホールのない表面が平坦な薄膜であり、極めて高い耐熱性を有している。
【0077】
【発明の効果】
本発明によれば、電界発光層、電子輸送層、ホール輸送層が網目構造を有する高分子薄膜で形成され、この網目構造を有する高分子薄膜によって、従来、有機薄膜電界発光素子で問題とされていた有機層の結晶化、劣化が防止され、耐熱性、耐久性の高い有機薄膜電界発光素子が提供される。
【0078】
また、本発明方法によれば、不純物の混入の少ない、均一な、しかも耐熱性の高い有機薄膜電界発光素子の有機層が形成される。
【0079】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0080】
【実施例1】
[蒸着重合]
基板として、厚さ1000オングストロームのITO付きガラス(HOYA社製)を用いた。この基板を基板洗浄剤(セミコクリーンELグレード、フルウチ化学製)、脱イオン水、アセトン、イソプロピルアルコール(IPA)の順に超音波洗浄した後、沸騰したイソプロピルアルコールから引き上げて乾燥した。
【0081】
このようにして洗浄されたITO付きガラス基板を、真空蒸着装置中の温度制御可能な基板ホルダーに取り付けた。
モノマーとしてN,N',O,O'-テトラキス(トリメチルシリル)-3,5- トリフェニルアミンジカルボニルジヒドラジド2gと市販のトリメシン酸クロリド2g(東京化成製)を用い、それぞれを真空蒸着装置内の別の蒸着源に入れた。
【0082】
蒸着装置内を圧力1×10-3Pa以下になるまで油拡散ポンプにより減圧した後、まず、基板前面に配置され、基板と蒸着源とを遮断するシャッターを閉じた状態にして、蒸着源を赤外線ランプ加熱方式によって加熱した。次いで、それぞれのモノマーが10-8〜10-7mol/sec・cm2 の蒸発速度で蒸着するように温度設定し、基板前面のシャッターを開き、ITO付きガラス基板上に上記モノマーを蒸着させた。このときN,N',O,O'-テトラキス(トリメチルシリル)-3,5- トリフェニルアミンジカルボニルジヒドラジドとトリメシン酸クロリドの蒸発速度のモル比が3:2になるようにした。該基板上の蒸着膜の膜厚が、水晶振動子膜厚計で測定して、厚さ1000オングストロームを示したところで再びシャッターを閉じた。
【0083】
基板ホルダーの温度を300℃まで加熱し、蒸着膜の付着している基板を1時間熱処理した。この操作によって上記N,N',O,O'-テトラキス(トリメチルシリル)-3,5- トリフェニルアミンジカルボニルジヒドラジドとトリメシン酸クロリドとの重合反応を完結させた。
【0084】
このようにしてITO付きガラス基板上にポリオキサジアゾール薄膜を形成した。熱処理後のポリオキサジアゾール薄膜の膜厚を表面形状測定器(DEKTAK−3030、日本真空技術製)により測定したところ、500オングストロームであった。
[ポリオキサジアゾールよりなる重合体薄膜が生成したことの確認]
厚さ0.5mmのAl基板上にN,N',O,O'-テトラキス(トリメチルシリル)-3,5- トリフェニルアミンジカルボニルジヒドラジドとトリメシン酸クロリドとを上記と同様の操作を行うことにより膜厚1μmの蒸着重合膜を形成した後、300℃で1時間熱処理した(試料)。
【0085】
この試料のFT−IRスペクトルを反射法で測定したところ、3212cm-1のヒドラジド基に起因した特性吸収(N−H伸縮振動)と、1666のカルボニル基のC=O伸縮振動が消失し、オキサジアゾール環に起因した1478cm-1、1536cm-1(−C=N−、および>C=C<の伸縮振動)の吸収、および1002cm-1、959cm-1(=C−O−C=伸縮振動)の吸収が観察され、オキサジアゾール環が生成していることが確認された。この薄膜は有機溶剤には溶解しなかった。また、上記蒸着重合によって得られた薄膜のFT−IRスペクトルは、溶液重合法によって得られた薄膜のFT−IRスペクトルと一致した。
【0086】
このことからN,N',O,O'-テトラキス(トリメチルシリル)-3,5- トリフェニルアミンジカルボニルジヒドラジドとトリメシン酸クロリドとの重合反応によりポリオキサジアゾールが生成していることが確認された。
[電解発光素子の作製および発光の確認]
前記ITO付きガラス基板上に設けられたポリオキサジアゾール薄膜(発光層)上に、MgAg電極を共蒸着して、電界発光素子を作製した。なお、MgAg合金の重量組成比(Mg/Ag)は10/1となるように設定した。
【0087】
このようにして得られた電界発光素子は図1に示すタイプの薄膜電界発光素子10であり、ITO電極を正極2とし、MgAg電極を負極1として電極間1,2に直流電圧10Vを印加したところ、青緑色(510nm)の電界発光(EL)が生じた。
【0088】
【実施例2】
[蒸着重合]
実施例1と同様の洗浄されたITO付きガラス基板を、真空蒸着装置中の温度制御可能な基板ホルダーに取り付けた。
【0089】
モノマーとしてN,N',O,O'-テトラキス(トリメチルシリル)トリメシン酸ジヒドラジド2gと3,5-トリフェニルアミンジカルボニルジクロリド2gを用い、それぞれを真空蒸着装置内の別の蒸着源に入れた。
【0090】
蒸着装置内を圧力1×10-3Pa以下になるまで油拡散ポンプにより減圧した後、まず、基板前面に配置され、基板と蒸着源とを遮断するシャッターを閉じた状態にして、蒸着源を赤外線ランプ加熱方式によって加熱した。次いで、それぞれのモノマーが10-8〜10-7mol/sec・cm2 の蒸発速度で蒸着するように温度設定し、基板前面のシャッターを開き、ITO付きガラス基板上に上記モノマーを蒸着させた。このときN,N',O,O'-テトラキス(トリメチルシリル)トリメシン酸ジヒドラジドと3,5-トリフェニルアミンジカルボニルジクロリドの蒸発速度のモル比が2:3になるようにした。該基板上の蒸着膜の膜厚が、水晶振動子膜厚計で測定して、厚さ1000オングストロームを示したところで再びシャッターを閉じた。
【0091】
基板ホルダーの温度を300℃まで加熱し、蒸着膜の付着している基板を1時間熱処理した。この操作によって上記N,N',O,O'-テトラキス(トリメチルシリル)トリメシン酸ジヒドラジドと3,5-トリフェニルアミンジカルボニルジクロリドとの重合反応を完結させた。
【0092】
このようにしてITO付きガラス基板上にポリオキサジアゾール薄膜(発光層)を形成した。熱処理後の各層のポリオキサジアゾール薄膜の膜厚を測定したところ、500オングストロームであった。
[ポリオキサジアゾール薄膜が生成したことの確認]
厚さ0.5mmのAl基板上にN,N',O,O'-テトラキス(トリメチルシリル)トリメシン酸ジヒドラジドと3,5-トリフェニルアミンジカルボニルジクロリドとを上記と同様の操作を行うことにより膜厚1μmの蒸着重合膜を形成した後、300℃で1時間熱処理した(試料)。
【0093】
この試料のFT−IRスペクトルを反射法で測定したところ、3212cm-1のヒドラジド基に起因した特性吸収(N−H伸縮振動)と、1666のカルボニル基のC=O伸縮振動が消失し、オキサジアゾール環に起因した1478cm-1、1536cm-1(−C=N−、および>C=C<の伸縮振動)の吸収、および1002cm-1、959cm-1(=C−O−C=伸縮振動)の吸収が観察され、オキサジアゾール環が生成していることが確認された。この薄膜は有機溶剤には溶解しなかった。また、上記蒸着重合によって得られた薄膜のFT−IRスペクトルは、溶液重合法によって得られた薄膜のFT−IRスペクトルと一致した。
【0094】
このことからN,N',O,O'-テトラキス(トリメチルシリル)トリメシン酸ジヒドラジドと3,5-トリフェニルアミンジカルボニルジクロリドとの重合反応により、ポリオキサジアゾールが生成していることが確認された。
[電解発光素子の作製および発光の確認]
上記のようにしてポリオキサジアゾール薄膜がITO上に形成されているITO付きガラス基板のポリオキサジアゾール薄膜上に、MgAg電極を共蒸着して電界発光素子を作製した。なお、MgAg合金の重量組成比(Mg/Ag)は10/1となるように設定した。
【0095】
このようにして得られた電界発光素子は図1に示すタイプの薄膜電界発光素子10であり、ITO電極を正極2とし、MgAg電極を負極1として電極間1,2に直流電圧10Vを印加したところ、青緑色(510nm)の電界発光(EL)が生じた。
【0096】
【実施例3】
[蒸着重合]
実施例1と同様の洗浄されたITO付きガラス基板を、真空蒸着装置中の温度制御可能な基板ホルダーに取り付けた。
【0097】
モノマーとしてN,N',O,O'-テトラキス(トリメチルシリル)-3,5- トリフェニルアミンジカルボニルジヒドラジド2gと4,4'- ビフェニルジカルボン酸ジクロリド2gと市販のトリメシン酸クロリド2g(東京化成製)を用い、それぞれを真空蒸着装置内の別の蒸着源に入れた。
【0098】
蒸着装置内を圧力1×10-3Pa以下になるまで油拡散ポンプにより減圧した後、まず、基板前面に配置され、基板と蒸着源とを遮断するシャッターを閉じた状態にして、蒸着源を赤外線ランプ加熱方式によって加熱した。次いで、N,N',O,O'-テトラキス(トリメチルシリル)-3,5- トリフェニルアミンジカルボニルジヒドラジドが10-8〜10-7mol/sec・cm2 の蒸発速度で蒸着するように温度設定し、また、4,4'- ビフェニルジカルボン酸ジクロリドの蒸発速度とトリメシン酸クロリドの蒸発速度との和が10-8〜10-7mol/sec・cm2 となるように温度設定した。このときN,N',O,O'-テトラキス(トリメチルシリル)-3,5- トリフェニルアミンジカルボニルジヒドラジドと4,4'- ビフェニルジカルボン酸ジクロリドとトリメシン酸ジクロリドの蒸発速度の比が2:1:1になるようにした。その後、基板前面のシャッターを開き、ITO付きガラス基板上に上記モノマーを蒸着させた。該基板上の蒸着膜の膜厚が、水晶振動子膜厚計で測定して、厚さ1000オングストロームを示したところで再びシャッターを閉じた。
【0099】
基板ホルダーの温度を300℃まで加熱し、蒸着膜の付着している基板を1時間熱処理した。この操作によって上記N,N',O,O'-テトラキス(トリメチルシリル)-3,5- トリフェニルアミンジカルボニルジヒドラジドと4,4'- ビフェニルジカルボン酸ジクロリドとトリメシン酸クロリドとの重合反応を完結させた。
【0100】
このようにしてITO付きガラス基板上にポリオキサジアゾール薄膜を形成した。熱処理後のポリオキサジアゾール薄膜の膜厚を測定したところ、500オングストロームであった。
[ポリオキサジアゾールよりなる重合体薄膜が生成したことの確認]
厚さ0.5mmのAl基板上にN,N',O,O'-テトラキス(トリメチルシリル)-3,5- トリフェニルアミンジカルボニルジヒドラジドと4,4'- ビフェニルジカルボン酸ジクロリドとトリメシン酸クロリドとを上記と同様の操作を行うことにより膜厚1μmの蒸着重合膜を形成した後、300℃で1時間熱処理した(試料)。
【0101】
この試料のFT−IRスペクトルを反射法で測定したところ、3212cm-1のヒドラジド基に起因した特性吸収(N−H伸縮振動)と、1666のカルボニル基のC=O伸縮振動が消失し、オキサジアゾール環に起因した1478cm-1、1536cm-1(−C=N−、および>C=C<の伸縮振動)の吸収、および1002cm-1、959cm-1(=C−O−C=伸縮振動)の吸収が観察され、オキサジアゾール環が生成していることが確認された。この薄膜は有機溶剤には溶解しなかった。また、上記蒸着重合によって得られた薄膜のFT−IRスペクトルは、溶液重合法によって得られた薄膜のFT−IRスペクトルと一致した。
【0102】
このことからN,N',O,O'-テトラキス(トリメチルシリル)-3,5- トリフェニルアミンジカルボニルジヒドラジドと4,4'- ビフェニルジカルボン酸ジクロリドとトリメシン酸クロリドとの重合反応によりポリオキサジアゾールが生成していることが確認された。
[電解発光素子の作製および発光の確認]
前記ITO付きガラス基板上に設けられたポリオキサジアゾール薄膜(発光層)上に、MgAg電極を共蒸着して、電界発光素子を作製した。なお、MgAg合金の重量組成比(Mg/Ag)は10/1となるように設定した。
【0103】
このようにして得られた電界発光素子は図1に示すタイプの薄膜電界発光素子10であり、ITO電極を正極2とし、MgAg電極を負極1として電極間1,2に直流電圧10Vを印加したところ、青緑色(510nm)の電界発光(EL)が生じた。
【0104】
【実施例4】
[蒸着重合]
実施例1と同様の洗浄されたITO付きガラス基板を、真空蒸着装置中の温度制御可能な基板ホルダーに取り付けた。
【0105】
モノマーとしてN,N',O,O'-テトラキス(トリメチルシリル)-3,5- トリフェニルアミンジカルボニルジヒドラジド2gとN,N',O,O'-テトラキス(トリメチルシリル)-5-tert-ブチルイソフタル酸ジヒドラジド2gと市販のトリメシン酸クロリド2g(東京化成製)を用い、それぞれを真空蒸着装置内の別の蒸着源に入れた。
【0106】
蒸着装置内を圧力1×10-3Pa以下になるまで油拡散ポンプにより減圧した後、まず、基板前面に配置され、基板と蒸着源とを遮断するシャッターを閉じた状態にして、蒸着源を赤外線ランプ加熱方式によって加熱した。まず、N,N',O,O'-テトラキス(トリメチルシリル)-3,5- トリフェニルアミンジカルボニルジヒドラジドとトリメシン酸クロリドとがそれぞれ10-8〜10-7mol/sec・cm2 の蒸発速度で蒸着するように温度設定し、基板前面のシャッターを開き、ITO付きガラス基板上に上記モノマーを蒸着させた。このときN,N',O,O'-テトラキス(トリメチルシリル)-3,5- トリフェニルアミンジカルボニルジヒドラジドとトリメシン酸クロリドの蒸発速度のモル比が3:2になるようにした。該基板上の蒸着膜の膜厚が、水晶振動子膜厚計で測定して、厚さ1000オングストロームを示したところで再びシャッターを閉じた。
【0107】
次いでN,N',O,O'-テトラキス(トリメチルシリル)-5-tert-ブチルイソフタル酸ジヒドラジドとトリメシン酸クロリドとが、それぞれ10-8〜10-7mol/sec・cm2 の蒸発速度で蒸着するように温度設定し、基板前面のシャッターを開き、ITO付きガラス基板上に上記モノマーを蒸着させた。このときN,N',O,O'-テトラキス(トリメチルシリル)-5-tert-ブチルイソフタル酸ジヒドラジドの蒸発速度のモル比が3:2になるようにした。該基板上の蒸着膜の膜厚が、水晶振動子膜厚計で測定して、厚さ600オングストロームを示したところで再びシャッターを閉じた。
【0108】
基板ホルダーの温度を300℃まで加熱し、蒸着膜の付着している基板を1時間熱処理した。この操作によって上記N,N',O,O'-テトラキス(トリメチルシリル)-3,5- トリフェニルアミンジカルボニルジヒドラジドとトリメシン酸クロリドとの重合反応およびN,N',O,O'-テトラキス(トリメチルシリル)-5-tert-ブチルイソフタル酸ジヒドラジドとトリメシン酸クロリドとの重合反応を完結させた。
【0109】
このようにしてITO付きガラス基板上に互いに異なる2層のポリオキサジアゾール薄膜を形成した。熱処理後の各層のポリオキサジアゾール薄膜の膜厚を測定したところ、それぞれ500オングストローム、300オングストロームであった。
[互いに異なる2層のポリオキサジアゾール薄膜が生成したことの確認]
厚さ0.5mmのAl基板上にN,N',O,O'-テトラキス(トリメチルシリル)-3,5- トリフェニルアミンジカルボニルジヒドラジドとトリメシン酸クロリドとを上記と同様の操作を行うことにより膜厚1μmの蒸着重合膜を形成した後、300℃で1時間熱処理した(試料)。同様に、厚さ0.5mmのAl基板上にN,N',O,O'-テトラキス(トリメチルシリル)-5-tert-ブチルイソフタル酸ジヒドラジドとトリメシン酸クロリドとを蒸着重合して厚さ1μmの重合体薄膜を形成した後、300℃で1時間熱処理した(試料)。
【0110】
上記2つの試料のFT−IRスペクトルを反射法で測定したところ、3212cm-1のヒドラジド基に起因した特性吸収(N−H伸縮振動)と、1666のカルボニル基のC=O伸縮振動が消失し、オキサジアゾール環に起因した1478cm-1、1536cm-1(−C=N−、および>C=C<の伸縮振動)の吸収、および1002cm-1、959cm-1(=C−O−C=伸縮振動)の吸収が観察され、オキサジアゾール環が生成していることが確認された。この薄膜は有機溶剤には溶解しなかった。また、上記蒸着重合によって得られた薄膜のFT−IRスペクトルは、溶液重合法によって得られた薄膜のFT−IRスペクトルと一致した。
【0111】
このことからN,N',O,O'-テトラキス(トリメチルシリル)-3,5- トリフェニルアミンジカルボニルジヒドラジドとトリメシン酸クロリドとの重合反応およびN,N',O,O'-テトラキス(トリメチルシリル)-5-tert-ブチルイソフタル酸ジヒドラジドとトリメシン酸クロリドとの重合反応により、ポリオキサジアゾールが生成していることが確認された。
[電解発光素子の作製および発光の確認]
上記のようにして互いに異なる2層のポリオキサジアゾール薄膜がITO上に形成されているITO付きガラス基板のポリオキサジアゾール薄膜上に、MgAg電極を共蒸着して、電界発光素子を作製した。なお、MgAg合金の重量組成比(Mg/Ag)は10/1となるように設定した。
【0112】
このようにして得られた電界発光素子は図3に示すタイプの薄膜電界発光素子10であり、ITO電極を正極2とし、MgAg電極を負極1として電極間1,2に直流電圧15Vを印加したところ、青緑色(510nm)の電界発光(EL)が生じた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る第1の有機薄膜電界発光素子の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】図2は、本発明に係る第2の有機薄膜電界発光素子の構成を模式的に示す断面図である。
【図3】図3は、本発明に係る第3の有機薄膜電界発光素子の構成を模式的に示す断面図である。
【図4】図4は、本発明に係る第4の有機薄膜電界発光素子の構成を模式的に示す断面図である。
【図5】図5は、本発明に係る有機薄膜電界発光素子の製造方法を説明するための図面である。
【符号の説明】
10 …有機薄膜電界発光素子
1 …負極
2 …正極
3 …電界発光層
4 …電子注入・輸送層
5 …ホール注入・輸送層
20 …真空蒸着装置
21 …蒸着用チャンバー
22 …被蒸着基板
23a、23b…蒸着源
A、B …モノマー

Claims (2)

  1. 少なくとも一方が透明である電極間に、
    モノマーAとして下記式[I]で表される2官能性モノマーを用い、
    モノマーBとして下記式[II]で表される多官能性モノマーまたは該モノマーと下記式[III]で表される2官能性モノマーとの混合モノマー:
    1(−X)2 …〔I〕
    2(−Y)m …〔II〕
    3(−Y)2 …〔III〕
    [式中、
    mは3以上の整数であり、
    1 およびR3 は、同一であっても異なっていてもよく、二価の有機基を表し、
    2 は、m価の有機基(但し、mは3以上の整数である)を表し、
    XおよびYの一方は、カルボン酸クロリド基であり、
    XおよびYの他方は、カルボヒドラジド基または下記式〔IV〕:
    Figure 0003863929
    で表されるシリル化カルボヒドラジド基であり、Rは炭素数6以下のアルキルまたはアリール基である。]
    を用い、前記モノマーAと前記モノマーBとをそれぞれ別の蒸発源から真空中で蒸発させて、オキサジアゾール単位を有する高分子の前駆体からなる薄膜を形成し、該薄膜を100〜400℃の温度で熱処理してオキサジアゾール単位を有する高分子薄膜となし、該薄膜を電界発光層および/または電荷注入・輸送層とする工程を有することを特徴とする有機薄膜電界発光素子の製造方法。
  2. 前記R1、R2およびR3のうちの少なくとも1個の基が芳香族三級アミンまたは芳香族
    三級ジアミンから誘導された基であることを特徴とする請求項に記載の有機薄膜電界発光素子の製造方法。
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