JP3972584B2 - 有機電界発光素子及びその製造方法 - Google Patents

有機電界発光素子及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は有機電界発光素子に関するものであり、詳しくは、有機化合物から成る発光層に電界をかけて光を放出する薄膜型デバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、薄膜型の電界発光(EL)素子としては、無機材料のII−VI族化合物半導体であるZnS、CaS、SrS等に、発光中心であるMnや希土類元素(Eu、Ce、Tb、Sm等)をドープしたものが一般的であるが、上記の無機材料から作製したEL素子は、
1)交流駆動が必要(50〜1000Hz)、
2)駆動電圧が高い(〜200V)、
3)フルカラー化が困難(特に青色)、
4)周辺駆動回路のコストが高い、
という問題点を有している。
【0003】
しかし、近年、上記問題点の改良のため、有機薄膜を用いたEL素子の開発が行われるようになった。特に、発光効率を高めるため、電極からのキャリアー注入の効率向上を目的として電極の種類の最適化を行い、芳香族ジアミンから成る正孔輸送層と8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体から成る発光層とを設けた有機電界発光素子の開発(Appl. Phys. Lett., 51巻, 913頁,1987年)により、従来のアントラセン等の単結晶を用いたEL素子と比較して発光効率の大幅な改善がなされ、実用特性に近づいている。
【0004】
上記の様な低分子材料を用いた電界発光素子の他にも、発光層の材料として、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン]、ポリ(3-アルキルチオフェン)等の高分子材料を用いた電界発光素子の開発や、ポリビニルカルバゾール等の高分子に低分子の発光材料と電子移動材料を混合した素子の開発も行われている。
【0005】
このような状況において、有機電界発光素子の課題としては、駆動安定性の向上と低駆動電圧化の二点が挙げられる。
【0006】
即ち、有機電界発光素子の駆動時における電圧が高く、耐熱性を含めた駆動安定性が低いことは、ファクシミリ、複写機、液晶ディスプレイのバックライト等の光源としては大きな問題であり、特にフルカラーフラットパネル・ディスプレイ等の表示素子としても望ましくない。
【0007】
有機電界発光素子の駆動時の不安定性としては、発光輝度の低下、定電流駆動時の電圧上昇、非発光部分(ダークスポット)の発生等が挙げられる。これらの不安定性の原因はいくつか存在するが、主として、陰極材料、特に、陰極の発光層側の界面の劣化が大きな要因となっていると考えられる。即ち、有機電界発光素子の場合、陰極から有機層側への電子注入を容易に行うために、通常、陰極材料としてはマグネシウム合金やカルシウム等の低仕事関数金属が用いられるが、これらの金属は空気中の水分により酸化されやすく、駆動時の不安定性の大きな要因となっている。低仕事関数金属を用いた陰極は、素子の駆動電圧を低くするためには有効であるが、上述の不安定性のために改善が望まれている。
【0008】
一方、アルミニウムにリチウム金属を0.01〜0.1 重量部含有させた合金よりなる陰極が開示されている(特開平5−121172号公報)。この陰極の形成のためには、リチウム金属の含有量を厳密に制御する必要があるが、真空蒸着法においてアルミニウムとリチウム金属をそれぞれ独立に蒸着源として用いる2元蒸着により、所望の組成比のアルミニウム・リチウム合金の陰極層を形成するのはプロセス上困難である。アルミニウムとリチウムの所望の組成比の合金を予めペレットやターゲットの形で作製しておき、電子ビーム蒸着法やスパッタ法で陰極を形成することも考えられてはいるが、この方法では、リチウムとアルミニウムの蒸気圧及びスパッタ効率の違いにより、成膜を重ねると蒸着源であるアルミニウム・リチウム合金の組成比の変動を起こすという、実用上の問題が存在する。また、金属リチウム原子は拡散しやすく、隣接する有機層に拡散して発光を消光すること、更には、水分には非常に敏感であるため、リチウム原子を含む陰極が形成された素子では、封止精度に対する要求が甚だ厳しいものとなるといった不具合もある。
【0009】
一方、リチウムを6モル%以上含むアルミニウム合金よりなる陰極も開示されているが(特開平4−212287号公報)、このような素子でも既述したリチウム金属原子の不安定性のために厳重な保護膜を必要とし、また、リチウム原子に由来する拡散不安定性を回避することはできない。
【0010】
更に、アルミニウム金属にアルカリ金属のフッ化物を混合した材料よりなる陰極も報告されているが(Appl.Phys.Lett.,73巻,1185頁,1998年)、素子の安定性についての配慮はなされていない。
【0011】
また、陰極をLiOとAlとの別々の2層構造にすることも提案されているが(IEEE Transactions on Election Devices, Vol.44, No.8 pp.1245-1248 (1997))、この場合、膜厚が0.5〜1.5nmのLiOの極薄膜を陰極界面層として形成するため、有機層に対してAl層を完全に被覆できないことが考えられ、再現性にも問題があるとともに、LiOはAlと比較して有機層への付着力に劣り、ダークスポットの発生を招くという問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如く、従来、有機電界発光素子の陰極材料としては、アルミニウム金属にリチウムを合金化させたものやリチウム化合物を混合したものなどが提案されているが、駆動安定性の向上と低駆動電圧化に有効なものは提供されておらず、更には製造プロセスにおいても実用上の問題を有するものであった。
【0013】
本発明は、上記従来の問題点を解決し、低電圧、高発光効率で駆動させることができ、かつ長期間に亙って安定な発光特性を維持でき、耐熱、耐候性に優れた有機電界発光素子と、このような有機電界発光素子を厳密な条件制御を必要とすることなく容易に製造する方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の有機電界発光素子は、基板上に、陽極及び陰極により挟持された発光層を有する有機電界発光素子において、前記陰極が、アルミニウム、インジウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バナジウム、クロム、スズ及び銅よりなる群から選ばれる1種又は2種以上である金属材料、アルカリ金属及び酸素原子を含有し、前記陰極の金属材料の含有率が67.2 94.5at.%、アルカリ金属の含有率が0.4 8.0at.%、炭素原子の含有率が0〜8.1at.%、酸素原子の含有率が4.2 29at.% 、特に 9 29at.%(ただし、酸素原子含有率が 5wt.% 以下である場合を除く。)の範囲内にあることを特徴とする。
【0015】
即ち、本発明者らは、耐熱、耐候性に優れ、低電圧で高輝度に発光し、かつ、駆動時においても安定な発光特性を維持でき、更には、作製時のプロセス条件の範囲が広い有機電界発光素子を実現すべく鋭意検討した結果、陰極をアルカリ金属及び酸素原子を含む金属材料で形成することにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させた。
【0016】
本発明では、アルカリ金属を陰極に含有させることにより、陰極の仕事関数を低くすることが可能となり、電子を注入するための陰極界面のエネルギー障壁を下げることになり、結果として、素子の駆動電圧を下げる効果が奏される。また、酸素原子が存在することにより、前述したリチウム等のアルカリ金属原子の隣接層への拡散を抑制することが可能となると共に、既に酸素を含むことから酸化等の外部環境に対しても化学的に安定化する。即ち、陰極に導入された酸素の一部は金属材料及び/又はアルカリ金属と結合し、金属材料の酸化物の存在でアルカリ金属原子の拡散が抑制される。
【0017】
この結果、低電圧において高輝度、高効率で発光させることが可能となり、高電流密度の駆動においても安定で、保存時の劣化の少ない素子を得ることができる。
【0018】
なお、本発明において、金属材料とは、陰極の主成分を構成するものであり、アルカリ金属以外の金属又は合金を指す。
【0019】
本発明の陰極における金属材料の含有率は通常、50〜95at.%、好ましくは60〜90at.%、アルカリ金属の含有率は通常、0.1〜20at.%、好ましくは0.2〜10at.%、酸素原子の含有率は通常、1〜40at.%、好ましくは3〜30at.%である。また、本発明の陰極は更に炭素原子を30at.%以下、好ましくは10at.%以下の範囲で含有していてもよい。炭素原子は、陰極材料として使用するアルカリ金属の形態により混入する場合がある。炭素原子が存在することにより有機層との親和性が増し、陰極の有機層に対する付着力が向上するという効果が奏される。
【0020】
陰極の金属材料としてはアルミニウム、インジウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バナジウム、クロム、スズ及び銅よりなる群から選ばれる1種又は2種以上が挙げられ、特にアルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。
【0021】
本発明の陰極中に含有されるアルカリ金属としては、通常、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム或いはこれらの混合物が挙げられ、特に、リチウム及び/又はナトリウムが好ましい。
【0022】
また、発光層は、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体を含有することが好ましい。
【0023】
また、陰極の発光層と反対側の面には、アルカリ金属を含有しない金属層が積層されていることが好ましい。
【0024】
このような本発明の有機電界発光素子は、例えば、次の▲1▼〜▲4▼のようにして陰極を形成する工程を備える本発明の有機電界発光素子の製造方法により、プロセス条件に厳密な制約を受けることなく、容易に製造することができる。
▲1▼ 金属材料及びアルカリ金属を蒸着源として、酸化性雰囲気において反応性蒸着することにより陰極を形成する。この方法において、アルカリ金属の蒸着源として、アルカリ金属の窒化物を使用することが好ましい。
▲2▼ 金属材料及びアルカリ金属酸化物を蒸着源として、蒸着することにより陰極を形成する。
▲3▼ 金属材料とアルカリ金属との合金組成物をターゲットとして、酸化性雰囲気で反応性スパッタすることにより陰極を形成する。
▲4▼ 金属材料、アルカリ金属及び酸素原子を含有する組成物をターゲットとして、スパッタすることにより陰極を形成する。
【0025】
上記の▲1▼〜▲4▼の方法であれば、素子の発光特性が良好となるアルカリ金属原子の含有量範囲が広範で、厳密なプロセス制御を行うことなく、良好な陰極を形成できる。
【0026】
また、本発明の有機電界発光素子は、金属材料とアルカリ金属を含有する有機化合物とを蒸着源として共蒸着することにより陰極を形成する工程を備える本発明の有機電界発光素子の製造方法により、プロセス条件に厳密な制約を受けることなく、容易に製造することができる。
【0027】
この場合、アルカリ金属を含有する有機化合物は、真空蒸着時に基板上でアルミニウム等の金属材料と一部反応することにより、アルカリ金属が遊離されて陰極中に含有されることになる。そして、この有機化合物の反応の結果、陰極中に酸素原子とともに炭素原子も含有される結果となり、これらの原子はアルカリ金属の拡散抑制効果で素子の安定性を改善する役割を担う。この共蒸着においては、金属材料に取り込まれるアルカリ金属原子の量に対して、基板上での反応(アルカリ金属の遊離)が律速過程になるので、広い範囲のアルカリ金属の有機化合物の蒸着量に対して、素子に最適なアルカリ金属含有量を付与することができ、従って、所望のアルカリ金属含有量とするためには、有機化合物の蒸着量を制御すれば良い。このため、従来の合金陰極を形成する方法と比較して、蒸着時間等のプロセス条件の自由度が格段に広くなり、プロセス上の利点が非常に大きく、量産に対しても有効な方法である。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0029】
図1〜5は本発明の有機電界発光素子の構造例を模式的に示す断面図であり、1は基板、2は陽極、3は有機発光層、3aは陽極バッファ層、3bは正孔輸送層、3cは電子輸送層、4は陰極、5は保護層を各々表す。
【0030】
基板1は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシートなどが用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホンなどの透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が低すぎると、基板を通過する外気により有機電界発光素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板を用いる場合には、いずれか一方の面又は両面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保するのが好ましい。
【0031】
基板1上には陽極2が設けられる。陽極2は有機発光層3への正孔注入の役割を果たすものである。この陽極2は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウム及び/又はスズの酸化物などの金属酸化物、ヨウ化銅などのハロゲン化金属、カーボンブラック、あるいは、ポリ(3-メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子などにより構成される。陽極2の形成は通常、スパッタリング法、真空蒸着法などにより行われることが多い。また、銀などの金属微粒子、ヨウ化銅などの微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末などの場合には、適当なバインダー樹脂溶液に分散し、基板1上に塗布することにより陽極2を形成することもできる。更に、導電性高分子の場合は電解重合により直接基板1上に薄膜を形成したり、基板1上に導電性高分子を塗布したりすることにより、陽極2を形成することもできる(Appl. Phys. Lett., 60巻,2711頁,1992年)。陽極2は異なる物質で積層して形成することも可能である。陽極2の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常60%以上、好ましくは80%以上とすることが望ましく、この場合、厚みは、通常5〜1000nm、好ましくは10〜500nm程度である。不透明でよい場合は陽極2は基板1と同一でもよい。また、更には上記の陽極2の上に異なる導電材料を積層することも可能である。
【0032】
図1,4の有機電界発光素子では、陽極2の上には有機発光層3が設けられている。有機発光層3は、電界を与えられた電極間において、陽極2から注入された正孔と陰極4から注入された電子を効率良く輸送して再結合させ、かつ、再結合により効率良く発光する材料から形成される。通常、この有機発光層3は発光効率の向上のために、図2に示す様に、正孔輸送層3bと電子輸送層3cに分割して機能分離型にすることが行われる(Appl.Phys.Lett.,51巻,913頁,1987年)。
【0033】
上記の機能分離型素子において、正孔輸送層3bの材料としては、陽極2からの正孔注入効率が高く、かつ、注入された正孔を効率よく輸送することができる材料であることが必要である。そのためには、イオン化ポテンシャルが小さく、しかも正孔移動度が大きく、更に安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくいことが要求される。
【0034】
このような正孔輸送材料としては、例えば、4,4'-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニルで代表される2個以上の3級アミンを含み、2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(特開平5−234681号公報)、4,4',4"-トリス(1-ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族アミン化合物(J. Lumin.,72-74巻、985頁、1997年)、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン化合物(Chem.Commun.,2175頁、1996年)、2,2',7,7'-テトラキス-(ジフェニルアミノ)-9,9'-スピロビフルオレン等のスピロ化合物(Synth.Metals,91巻、209頁、1997年)等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上を混合して用いてもよい。
【0035】
正孔輸送層3bの材料としては、上記の化合物以外に、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルトリフェニルアミン(特開平7−53953号公報)、テトラフェニルベンジジンを含有するポリアリーレンエーテルサルホン(Polym.Adv.Tech.,7巻、33頁、1996年)等の高分子材料も挙げられる。
【0036】
正孔輸送層3bは、上記の正孔輸送材料を塗布法あるいは真空蒸着法により、前記陽極2上に積層することにより形成される。
【0037】
塗布法の場合は、正孔輸送材料の1種又は2種以上に、必要により正孔のトラップにならないバインダー樹脂や塗布性改良剤などの添加剤を添加し、溶解して塗布溶液を調製し、スピンコート法などの方法により陽極2上に塗布し、乾燥して正孔輸送層3bを形成する。この場合、バインダー樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル等を用いることができる。バインダー樹脂はその添加量が多いと正孔移動度を低下させるので、少ない方が望ましく、通常、50重量%以下が好ましい。
【0038】
真空蒸着法の場合には、正孔輸送材料を真空容器内に設置されたルツボに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度にまで排気した後、ルツボを加熱して、正孔輸送材料を蒸発させ、ルツボと向き合って置かれた基板1上の陽極2上に正孔輸送層3bを形成させる。
【0039】
正孔輸送層3bの膜厚は、通常10〜300nm、好ましくは30〜100nmである。この様に薄い膜を一様に形成するためには、一般に真空蒸着法がよく用いられる。
【0040】
なお、正孔注入の効率を更に向上させ、かつ、有機層全体の陽極への付着力を改善させる目的で、図3に示す如く、正孔輸送層3bと陽極2との間に陽極バッファ層3aを形成することも行われている。このような陽極バッファ層3aを形成することにより、初期の素子の駆動電圧が下がると同時に、素子を定電流で連続駆動した時の電圧上昇も抑制できる効果がある。陽極バッファ層に用いられる材料に要求される条件としては、陽極とのコンタクトがよく均一な薄膜が形成でき、熱的に安定であること、即ち、融点及びガラス転移温度が高く、融点としては 300℃以上、ガラス転移温度としては 100℃以上が要求される。更に、イオン化ポテンシャルが低く、陽極からの正孔注入が容易なこと、正孔移動度が大きいことが要求される。
【0041】
このような材料としては、従来、銅フタロシアニン等のタロシアニン化合物(特開昭63−295695号公報)、ポリアニリン(Appl.Phys.Lett.,64巻、1245頁,1994年)、ポリチオフェン(Optical Materials,9巻、125頁、1998年)等の有機化合物や、スパッタ・カーボン膜(Synth.Met.,91巻、73頁、1997年)や、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、モリブデン酸化物等の金属酸化物(J.Phys.D,29巻、2750頁、1996年)が報告されている。
【0042】
陽極バッファ層3aも、正孔輸送層3bと同様にして薄膜形成可能であるが、無機物の場合には、更に、スパッタ法や電子ビーム蒸着法、プラズマCVD法を用いることができる。
【0043】
この様にして形成される陽極バッファ層3aの膜厚は、通常3〜100nm、好ましくは10〜50nmである。
【0044】
正孔輸送層3bの上には電子輸送層3cが設けられる。電子輸送層3cは、電界を与えられた電極間において陰極からの電子を効率よく正孔輸送層3bの方向に輸送するために形成され、従って、電子輸送層3cに用いられる電子輸送性化合物としては、陰極4からの電子注入効率が高く、かつ、注入された電子を効率よく輸送することができる化合物であることが必要である。そのためには、電子親和力が大きく、しかも電子移動度が大きく、更に安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくい化合物であることが要求される。
【0045】
このような条件を満たす材料としては、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体(特開平6−322362号公報)、ビススチリルベンゼン誘導体(特開平1−245087号公報、同2−222484号公報)などが挙げられる。
【0046】
これらの化合物は、いずれも電子輸送性と発光性を併せ持っており、これらの化合物が含まれる層は発光層でもある場合が多いが、もちろん他に発光性を有する化合物を含む層があれば、電子輸送層材料は発光性を有していなくてもよい。
【0047】
なお上記の発光はすべての物質の蛍光を利用したものであるが、最近では燐光を用いた素子も提案されている。即ち、以下に示す白金錯体(T−1)を用いることで、高効率の赤色発光が可能なことが報告された(Nature, 395巻,151頁,1998年)。その後、以下に示すイリジウム錯体(T−2)を以下の化合物(T−3)をホストとする発光層にドープすることで、更に緑色発光で効率が大きく改善されることも報告された(Appl. Phys. Lett., 75巻,4頁,1999年)。このような燐光による発光は、発光層内で起きる正孔−電子の再結合により生成する励起三重項からの発光を利用するものであることから、従来の蛍光が一重項経由であるのに対して、スピン多重度の関係から3倍の発光効率が見込まれる。
【0048】
【化1】
Figure 0003972584
【0049】
これらの化合物を用いた電子輸送層3cは、一般に、電子を輸送する役割と、正孔と電子の再結合の際に発光をもたらす役割を同時に果たすことができる。ただし、正孔輸送層3bが発光機能を有する場合は、電子輸送層3cは電子を輸送する役割だけを果たす場合もある。
【0050】
電子輸送層3cの膜厚は、通常10〜200nm、好ましくは30〜100nmである。
【0051】
電子輸送層3cも正孔輸送層3bと同様の方法で形成することができるが、通常は真空蒸着法が用いられる。
【0052】
なお、素子の発光効率を向上させるとともに発光色を変える目的で、例えば、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体をホスト材料として、クマリン等のレーザ用蛍光色素をドープすること(J.Appl.Phys.,65巻,3610頁,1989年)等が行われている。この方法の利点は、
1)高効率の蛍光色素により発光効率が向上、
2)蛍光色素の選択により発光波長が可変、
3)濃度消光を起こす蛍光色素も使用可能、
4)薄膜性の悪い蛍光色素も使用可能、
等が挙げられる。
【0053】
素子の駆動寿命を改善する目的においても、前記発光層材料をホスト材料として、蛍光色素をドープすることは有効である。例えば、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体をホスト材料として、ルブレンに代表されるナフタセン誘導体(Jpn.J.Appl.Phys.,7A巻、L824頁、1995年)、キナクリドン誘導体(Appl.Phys.Lett.,70巻、1665頁、1997年)をホスト材料に対して 0.1〜10重量%ドープすることにより、素子の発光特性、特に駆動安定性を大きく向上させることができる。発光層ホスト材料に上記ナフタセン誘導体、キナクリドン誘導体等の蛍光色素をドープする方法としては、共蒸着による方法と蒸着源を予め所定の濃度で混合しておく方法がある。
【0054】
機能分離を行わない単層型の有機発光層3としては、先に挙げたポリ(p-フェニレンビニレン)(Nature,347巻,539頁,1990年他)、ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン](Appl.Phys.Lett.,58巻,1982頁,1991年他)、ポリ(3-アルキルチオフェン)(Jpn.J.Appl.Phys.,30巻,L1938頁,1991年他)等の高分子材料や、ポリビニルカルバゾール等の高分子に発光材料と電子移動材料を混合した系(応用物理,61巻,1044頁,1992年)等が挙げられる。
【0055】
有機電界発光素子の発光効率を更に向上させる方法として、このような有機発光層3の上に更に電子注入層を積層することもできる。この電子注入層に用いられる化合物には、陰極からの電子注入が容易で、電子の輸送能力が更に大きいことが要求される。この様な電子輸送材料としては、既に発光層材料として挙げた8−ヒドロキシキノリンのアルミ錯体、オキサジアゾール誘導体(Appl.Phys.Lett.,55巻,1489頁,1989年他)やそれらをポリメタクリル酸メチル(PMMA)等の樹脂に分散した系(Appl.Phys.Lett.,61巻,2793頁, 1992年)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)等が挙げられる。この場合、電子注入層の膜厚は、通常5〜200nm、好ましくは10〜100nmである。
【0056】
陰極4は、有機発光層3に電子を注入する役割を果たす。本発明においては、陰極4として用いられる材料は、陰極を形成する金属材料と、アルカリ金属、及び酸素原子を含有することを特徴とする。陰極を形成する金属材料としては、前述のようにアルミニウム、インジウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バナジウム、クロム、スズ、銅の1種又は2種以上が挙げられ、特に好ましくはアルミニウム又はアルミニウム合金、とりわけ好ましくはアルミニウムが挙げられる。金属材料としては、これらの1種を単独で、或いは2種以上の合金として用いることができる。陰極に含まれるこの金属材料の濃度は、67.2 94.5at.% 範囲である。陰極に含有されるアルカリ金属の濃度は、0.4 8.0at.% 範囲である。また、陰極に炭素原子が含有されている場合は、その炭素原子は、前記金属材料及び/又はアルカリ金属に結合しているものと、結合に関与しないものがあり、これらの総量として、0〜8.1at.% 下の濃度範囲で陰極に含有されることが好ましい。酸素原子も、前記金属材料及び/又はアルカリ金属に結合しているものと、結合に関与しないものがあり、これらの総量として、4.2 29at.%、特に9 29at.%の濃度範囲で陰極に含有される。
【0057】
本発明においては、アルカリ金属を陰極に含有させることにより、陰極の仕事関数を低くすることが可能となり、電子を注入するための陰極界面のエネルギー障壁を下げることになり、結果として、素子の駆動電圧を下げる効果を有する。また、更に、炭素原子と酸素原子が存在する場合には、アルカリ金属原子の隣接層への拡散を抑制することが可能となる。
【0058】
このような組成を有する陰極を形成する方法は前述の通りであるが、より詳細に説明すると以下の通りである。
【0059】
▲1▼ 金属材料とアルカリ金属を蒸着源として酸素を含有する活性雰囲気において、反応性の真空蒸着法により抵抗加熱や電子ビーム加熱で共蒸着する。電子ビーム法の場合は、金属材料とアルカリ金属の合金組成物を蒸着源としてもよい。蒸着時の酸素分圧は10−3〜10−1Paの範囲にあるのが好適である。そのために、酸素を含有する気体を蒸着装置内に導入して、上記圧力範囲内に設定した状態で、共蒸着法により金属材料とアルカリ金属を蒸発させて、基板上に膜形成を行う。アルカリ金属の蒸着源としては、アルカリ金属そのものを用いることも可能であるが、安全かつ安定して蒸発させるためには、アルカリ金属の窒化物(LiN、NaN等)を蒸着源として熱分解させながらアルカリ金属を生成する方法と、LiCrO、NaCrO4等のアルカリ金属のクロム酸塩を蒸着源として熱分解によりアルカリ金属を生成させる方法がある。蒸着源から基板に到達する過程で、更には基板上で、アルカリ金属は酸素雰囲気で酸化され、最終的にはアルカリ金属の酸化物が形成されるが、部分的には金属のままで膜に含有されるものと、基板上でアルミニウム等の金属材料により還元されて金属にもどるものとがあり、形成される陰極中には、部分的にアルカリ金属が含有されることになる。
【0060】
▲2▼ 金属材料とアルカリ金属の酸化物を抵抗加熱又は電子ビーム法により共蒸着する。この場合、アルカリ金属酸化物の蒸着源としては、Li0、NaO、RbO等の酸化物が用いられる。この方法においては、▲1▼と同様に基板上でアルカリ金属酸化物がアルミニウム等の金属材料により部分的に還元されて、陰極を低仕事関数にする効果がある。
【0061】
▲3▼ 金属材料とアルカリ金属との所望の組成比からなる合金組成物のターゲットを用いて、酸素を含有する反応性雰囲気においてスパッタ法で陰極を形成する。具体的には、Arガスを主ガスとし、必要充分な量の酸素ガスを存在させた雰囲気下でDCマグネトロンスパッタ法又はRFマグネトロンスパッタ法で陰極を形成するのが好ましい。この時の圧力は0.5〜50mmTorr(6.7×10 2〜6.7Pa)程度が好ましい。
【0062】
▲4▼ 金属材料とアルカリ金属及び酸素原子を含有する組成物よりなるターゲットを用いて、スパッタ法により陰極を形成する。具体的には、Arガス雰囲気下でDCマグネトロンスパッタ法又はRFマグネトロンスパッタ法で陰極を形成するのが好ましい。この時の圧力は0.5〜50mmTorr(6.7×10 2〜6.7Pa)程度が好ましい。
【0063】
上記▲1▼〜▲4▼の方法においては、発光特性が良好な素子を与える陰極中のアルカリ金属原子の含有量の範囲が、従来の形成方法にてアルカリ金属含有合金陰極を製造した場合と比較して格段に広くなるため(即ちマージンが広くなるため)、プロセス上の利点が非常に大きい。
【0064】
また、本発明に係る陰極は、金属材料と、アルカリ金属を含有する有機化合物とを蒸着源として、真空蒸着法を用いて抵抗加熱や電子ビーム加熱により共蒸着する方法により形成することもできる。この場合、アルカリ金属源として有機化合物を用いるため、陰極中に炭素原子も含まれることとなる。この許容量は上記した通り30at.%以下である。なお、有機化合物中に窒素原子が含まれていても、窒素原子は陰極中に実質的に混入することはない。ここで、蒸着時の圧力は10−7〜10−2Paの範囲にあるのが好適である。
【0065】
ここで用いるアルカリ金属を含有する有機化合物としては、アルカリ金属の錯体もしくは塩から選ばれる。これらの有機化合物の好ましい例としては、次のようなものが挙げられる。
【0066】
▲1▼ 下記一般式(I)で示される8-ヒドロキシキノリンのアルカリ金属錯体/塩
【0067】
【化2】
Figure 0003972584
【0068】
(式中、R〜Rは、各々、独立して水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、アリル基、シアノ基、アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基、α−ハロアルキル基、水酸基、置換基を有していてもよいアミド基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。R ないしR のうち、隣接する置換基、特にR とR 又はR とR はそれぞれ隣接する置換基同士で環を形成してもよい。Mはアルカリ金属原子を示す。)
【0069】
▲2▼ 下記一般式(II)で示されるアルカリ金属錯体/塩
【0070】
【化3】
Figure 0003972584
【0071】
(式中、R〜R10は、各々、独立して水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アリル基、シアノ基、アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基、α−ハロアルキル基、水酸基、置換基を有していてもよいアミド基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。R ないしR10 のうち、隣接する置換基、特にR とR 、R とR 、R とR10はそれぞれ隣接する置換基同士で環を形成してもよい。Mはアルカリ金属原子を示す。)
【0072】
▲3▼下記一般式(III)で示されるアルカリ金属錯体/塩
【0073】
【化4】
Figure 0003972584
【0074】
(式中、R11〜R14は、各々、独立して水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アリル基、シアノ基、アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基、α−ハロアルキル基、水酸基、置換基を有していてもよいアミド基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、R11 とR12、R13とR14はそれぞれ隣接する置換基同士で環を形成してもよい。Xは酸素原子、硫黄原子、又はNR15基を表し、R15は水素原子、アルキル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基を示し、Mはアルカリ金属原子を示す。)
【0075】
▲4▼ 下記一般式(IV)で示されるアルカリ金属のβジケト錯体/塩
【0076】
【化5】
Figure 0003972584
【0077】
(式中、R16及びR17は、各々、独立して水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アリル基、シアノ基、アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基、α−ハロアルキル基、水酸基、置換基を有していてもよいアミド基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、Mはアルカリ金属原子を示す。)
【0078】
▲5▼ 下記一般式(V)で示されるアルカリ金属のカルボン酸塩
【0079】
【化6】
Figure 0003972584
【0080】
(式中、R18はアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アリル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、Mはアルカリ金属原子を示す。)
【0081】
▲6▼ 下記一般式(VI)で示されるアルカリ金属錯体/塩
【0082】
【化7】
Figure 0003972584
【0083】
(式中、R19〜R22は、各々、独立してアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アリル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、Mはアルカリ金属原子を示す。)
【0084】
上記一般式(I)〜(VI)で表されるアルカリ金属の錯体/塩の好ましい具体例を以下に示すが、これらに限定するものではない。
【0085】
【化8】
Figure 0003972584
【0086】
【化9】
Figure 0003972584
【0087】
【化10】
Figure 0003972584
【0088】
このようなアルカリ金属の有機化合物は、真空蒸着時に基板上でアルミニウム等の金属材料と一部反応することにより、アルカリ金属が遊離されて陰極中に含有されることになる。そしてこの反応の結果、陰極中には炭素原子と酸素原子も含有され、これらの原子はアルカリ金属の拡散を抑制するのに有効であり、素子の安定性を高める効果を示す。このような金属材料とアルカリ金属の有機化合物との共蒸着においては、金属材料に取り込まれるアルカリ金属原子の量が、基板上での反応(アルカリ金属の遊離)が律速過程になるので、広い範囲のアルカリ金属の有機化合物の蒸着量に対して、素子に最適なアルカリ金属含有量が得られる。このため、従来の合金陰極を形成する方法と比較して、プロセスの条件幅が格段に広くなり、プロセス上極めて有利であり、量産にも有効である。
【0089】
陰極4の膜厚は通常、陽極2と同様である。
【0090】
陰極4を保護する目的で、図4,5に示す如く、この上に更に、仕事関数が高く大気に対して安定な金属材料からなる保護層5を積層することは素子の安定性を増すため好ましい。保護層5に使用される金属材料は、陰極4に使用される金属材料と同じものであっても異なるものであってもよい。この目的のために使用される金属材料としては、アルミニウム、銅、クロム、金、銀が好ましい。保護層5の膜厚は通常10nm〜1μm程度である。
【0091】
なお、図1〜5は、本発明の有機電界発光素子の実施の形態の一例を示すものであって、何ら本発明の有機電界発光素子の構成を限定するものではない。例えば、図1とは逆の構造、即ち、基板1上に陰極4、有機発光層3、陽極2の順に積層することも可能であり、既述したように少なくとも一方が透明性の高い2枚の基板の間に本発明の有機電界発光素子を設けることも可能である。同様に、図2、図3、図4及び図5に示した有機電界発光素子についても、前記各層構成とは逆の構造に積層することも可能である。
【0092】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
【0093】
実施例1
図5に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法で作製した。
【0094】
ガラス基板1上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を120nm堆積したもの(ジオマテック社製;電子ビーム成膜品;シート抵抗15Ω)を通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングを用いて2mm幅のストライプにパターニングして陽極2を形成した。パターン形成したITO基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行って、真空蒸着装置内に設置した。
【0095】
上記装置の粗排気を油回転ポンプにより行った後、装置内の真空度が2×10−6Torr(約2.7×10−4Pa)以下になるまで液体窒素トラップを備えた油拡散ポンプを用いて排気し、その後、この装置内に配置されたモリブデンボートに入れた以下に示す銅フタロシアニン(結晶形はβ型)を加熱して蒸着を行った。真空度2×10−6Torr(約2.7×10−4Pa)、蒸着時間1分で蒸着を行ない、膜厚10nmの陽極バッファ層3aを形成した。
【0096】
【化11】
Figure 0003972584
【0097】
次に、この装置内に配置されたセラミックルツボに入れた、以下に示す、4,4'-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニルをルツボの周囲のタンタル線ヒーターで加熱して蒸着を行った。この時のルツボの温度は、250〜260℃の範囲で制御した。蒸着時の真空度1.7×10−6Torr(約2.3×10−4Pa)、蒸着時間3分30秒で膜厚60nmの正孔輸送層3bを形成した。
【0098】
【化12】
Figure 0003972584
【0099】
引き続き、発光機能を有する電子輸送層3cの材料として、以下の構造式に示すアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体、Al(CHNO)を正孔輸送層3bと同様にして蒸着した。この時のアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体のルツボ温度は270〜300℃の範囲で制御し、蒸着時の真空度は1.3×10−6Torr(約1.7×10−4Pa)、蒸着時間は3分10秒で、膜厚の75nm電子輸送層3cを形成した。
【0100】
【化13】
Figure 0003972584
【0101】
上記の陽極バッファ層3a、正孔輸送層3b及び電子輸送層3cを真空蒸着する時の基板温度は室温に保持した。
【0102】
ここで、電子輸送層3cまでの蒸着を行った素子を一度前記真空蒸着装置内より大気中に取り出して、陰極蒸着用のマスクとして2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極2のITOストライプとは直交するように素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置し、有機層と同様にして装置内の真空度が2×10−6Torr(約2.7×10−4Pa)以下になるまで排気した。続いて、アルミニウムを蒸着速度が0.3nm/秒となるように蒸発させる一方で、前記Li有機化合物(1−1)を350℃で加熱制御して、蒸着速度をアルミニウムに対して10%として、2元同時蒸着法により膜厚10nmとなるように陰極4を形成した。蒸着時間は30秒で行った。この時の真空度は1.2×10−5Torr(約1.6×10−3Pa)であった。更に続いて、装置の真空を破らないで、アルミニウムをモリブデンボートを用いて70nmの膜厚で積層して保護層5とした。アルミニウム蒸着時の真空度は1.0×10−5Torr(約1.3×10−3Pa)、蒸着時間は4分であった。以上の2層型陰極の蒸着時の基板温度は室温に保持した。
【0103】
以上の様にして、 2mm× 2mmのサイズの有機電界発光素子が得られた。この素子を陰極蒸着装置から取り出した後、大気中において陽極と陰極間に順方向の電圧を印加して発光特性を測定した。この素子の発光特性を表1に示す。表1において、発光輝度は250mA/cmの電流密度での値、発光効率は 100cd/mでの値、輝度/電流は輝度−電流密度特性の傾きを、電圧は 100cd/mでの値を各々示す。また、この素子の電圧−輝度特性を図6のグラフに示す。
【0104】
また、リチウム、炭素及び酸素を含有するアルミニウム陰極層をX線光電子分光法とSIMS法により分析したところ、アルミニウム原子が94.5at.%、炭素原子が 1.0at.%、酸素原子が4.2at.%、リチウム原子が 0.4at.%であった。
【0105】
実施例2
アルミニウムに対するLi有機化合物(1−1)の蒸着速度を40%として、有機発光層に接する陰極層を形成した他は実施例1と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表1に、電圧−輝度特性を図6に示す。
【0106】
実施例1と同様にして、アルミニウムとLi有機化合物を共蒸着した陰極層の分析を行ったところ、アルミニウム原子が67.2at.%、炭素原子が 8.1at.%、酸素原子が23.6at.%、リチウム原子が 1.2at.%であった。酸素原子の90%はアルミニウムと結合した酸素であった。
【0107】
実施例3
Li有機化合物として(1−1)の代わりに、(1−2)を用いた他は、実施例1と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表1に、電圧−輝度特性を図6に示す。
【0108】
実施例4
Li有機化合物として(1−1)の代わりに、(3−5)を用いた他は、実施例1と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表1に、電圧−輝度特性を図6に示す。
【0109】
比較例1
陰極をアルミニウムの蒸着のみで作製した他は実施例1と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表1に、電圧−輝度特性を図6に示す。
【0110】
実施例5
実施例1において、陰極を以下の方法で形成したこと以外は同様にして素子を作製した。
【0111】
即ち、実施例1と同様にして、電子輸送層3cまでの蒸着を行った素子を一度前記真空蒸着装置内より大気中に取り出して、陰極蒸着用のマスクとして2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極2のITOストライプとは直交するように素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置し、有機層と同様にして装置内の真空度が2×10−6Torr(約2.7×10−4Pa)以下になるまで排気した。続いて、バリアブルリークバルブにより純度99.9995%の酸素ガスを、装置内の圧力が2×10−5Torr(約2.7×10−3Pa)に維持されるように導入した。その後、アルミニウムと窒化リチウムを蒸着源として、2元同時蒸着法により膜厚30nmとなるように、炭素原子を実質的に含有しない陰極4を形成した。蒸着時間は2分で行った。アルミニウムに対する窒化リチウムの含有量は 1.5重量%であった。更に続いて、装置の真空を破らないで、アルミニウムをモリブデンボートを用いて40nmの膜厚で、リチウムと酸素を含有するアルミニウム膜の上に積層して陰極4を完成させた。アルミニウム蒸着時の真空度は1.5×10−5Torr(約2.0×10−3Pa)、蒸着時間は1分20秒であった。以上の2層型陰極の蒸着時の基板温度は室温に保持した。
【0112】
この素子の発光特性を表1に、電圧−輝度特性を図7に示す。
【0113】
なお、この素子のリチウムと酸素を含有するアルミニウム陰極層をX線光電子分光法とSIMS法により分析したところ、金属状態のアルミニウム原子が72at.%、酸化された状態のアルミニウム原子が7at.%、酸素原子が18at.%、リチウム原子が1.5at.%であった。
【0114】
実施例6,7
陰極中のリチウム原子の含有量を、各々、3.0at.%と8.0at.%とした他は実施例5と同様にして素子を作製した。これらの素子の発光特性を表1に示す。
【0115】
なお、実施例6で作製した素子を窒素雰囲気下室温にて2週間保存した後、非発光部の面積を評価したところ、1%未満であり、保存安定性に優れることが確認された。
【0116】
比較例2
酸素を導入しないで、アルミニウム金属とリチウム金属を二元蒸着して陰極を製造した他は、実施例5と同様にして、素子を作製した。即ち、アルミニウムにはモリブデン金属ボートを使用し、リチウム源としてはクロム酸リチウム塩(サエスゲッターズ社製アルカリディスペンサー)を使用し、真空度1.0×10−5Torrでアルミニウムの蒸着速度は0.5nm/秒とし、リチウムの含有濃度2.4重量%、膜厚80nmの陰極を形成した。
【0117】
この素子を製造直後と、窒素雰囲気下室温で2週間保存した後の発光特性を測定し、結果を表1に示した。
【0118】
この素子は保存後、50%の面積が非発光部となり、保存時の劣化が激しかった。
【0119】
実施例8
電子輸送層3cとして前記ホスト化合物(T−3)に、燐光物質(T−2)を5重量%ドープした層を膜厚30nmで設け、その上に更に電子注入層として、以下のアルミニウム混合配位子錯体(T−4)を膜厚10nmで成膜し、更に8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体を膜厚35nmで成膜した他は、実施例5と同様に素子を作製したところ、波長512nmに発光ピークをもつ有機電界発光素子が得られた。この素子の発光特性を表1に示す。
【0120】
【化14】
Figure 0003972584
【0121】
【表1】
Figure 0003972584
【0122】
表1から明らかなように、アルミニウムよりなる陰極を形成した比較例1の素子では発光特性が著しく劣る。また、陰極に酸素を含有しない比較例2の素子では、経時による発光特性の劣化が著しく、素子としての実用性に欠ける。
【0123】
これに対して、本発明によれば、低電圧で高輝度かつ高発光効率で発光する素子が提供される。
【0124】
特に、実施例5〜7より、幅広いリチウム含有量で良好な発光特性を安定に得ることができることがわかる。
【0125】
実施例9
陰極の有機層に接する界面側に、厚さ1.5nmのフッ化リチウム層を設けた後、アルミニウムを主成分としリチウムを3.0at.%含有する陰極層を40nmの厚さに積層して陰極とした他は、実施例5と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表2に示し、電圧−輝度特性を図7のグラフに示す。また、素子の耐熱性試験を、250mA/cmという高い電流密度で駆動した時の輝度低下で評価した。この結果を図8のグラフに示す。
【0126】
比較例3
アルミニウム中にリチウムと酸素を含有させない他は実施例9と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表2と図7のグラフに、高電流密度での駆動結果を図8に示した。
【0127】
これらの結果から、アルミニウムのみの陰極では、実施例9と比べると、電圧が高く、経時による輝度劣化も速いことが判明した。
【0128】
実施例10
アルカリ金属の蒸着源として、窒化リチウムの代わりに、酸化リチウムを用い、蒸着時に酸素を導入しないで、真空度が5×10−6Torr(約6.7×10−4Pa)の状態で陰極を形成した他は、実施例5と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性は表2に示す通りであり、低電圧で高輝度かつ高発光効率で発光する素子であった。また、高電流密度での駆動結果は図8の通り良好であった。
【0129】
なお、この素子の陰極組成を実施例5と同様に分析したところ、金属状態のアルミニウム原子が52at.%、酸化された状態のアルミニウム原子が16at.%、酸素原子が29at.%、リチウム原子が3at.%であった。
【0130】
実施例11
アルカリ金属の蒸着源として、酸化リチウムの代わりに酸化ナトリウムを用いた他は、実施例10と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性は表2及び図7に示す通りであり、低電圧で高輝度かつ高発光効率で発光する素子であった。
【0131】
この素子の陰極組成を実施例5と同様に分析したところ、金属状態のアルミニウム原子が83at.%、酸化された状態のアルミニウム原子が7at.%、酸素原子が9at.%、ナトリウム原子が0.5at.%であった。XPSで更にナトリウム原子の状態を調べたところ、30%が酸化された状態であった。
【0132】
【表2】
Figure 0003972584
【0133】
【発明の効果】
以上詳述した通り、金属材料、アルカリ金属及び酸素原子を含有する陰極を形成した本発明の有機電界発光素子によれば、低電圧において高輝度、高効率で発光させることが可能となり、更には高電流密度の駆動においても安定であり、保存時の劣化の少ない素子が提供される。
【0134】
また、本発明の有機電界発光素子の製造方法によれば、このような陰極を、厳密なプロセス制御を行うことなく容易に形成することができる。
【0135】
従って、本発明の有機電界発光素子は、フラットパネル・ディスプレイ(例えばOAコンピュータ用や壁掛けテレビ)、車載表示素子、携帯電話表示や面発光体としての特徴を生かした光源(例えば、複写機の光源、液晶ディスプレイや計器類のバックライト光源)、表示板、標識灯への応用が考えられ、その技術的価値は大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機電界発光素子の実施の形態を示す模式断面図である。
【図2】本発明の有機電界発光素子の他の実施の形態を示す模式断面図である。
【図3】本発明の有機電界発光素子の別の実施の形態を示す模式断面図である。
【図4】本発明の有機電界発光素子の更に別の実施の形態を示す模式断面図である。
【図5】本発明の有機電界発光素子の異なる実施の形態を示す模式断面図である。
【図6】実施例1〜4及び比較例1における電圧−輝度特性を表すグラフである。
【図7】実施例5,9,11及び比較例3における電圧−輝度特性を表すグラフである。
【図8】実施例9,10及び比較例3における駆動時間−輝度特性を表すグラフである。
【符号の説明】
1 基板
2 陽極
3 有機発光層
3a 陽極バッファ層
3b 正孔輸送層
3c 電子輸送層
4 陰極
5 保護層

Claims (11)

  1. 基板上に、陽極及び陰極により挟持された発光層を有する有機電界発光素子において、前記陰極が、アルミニウム、インジウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バナジウム、クロム、スズ及び銅よりなる群から選ばれる1種又は2種以上である金属材料、アルカリ金属及び酸素原子を含有し、前記陰極の金属材料の含有率が67.2 94.5at.%、アルカリ金属の含有率が0.4 8.0at.%、炭素原子の含有率が0〜8.1at.%、酸素原子の含有率が4.2 29at.%(ただし、酸素原子含有率が 5wt.% 以下である場合を除く。)の範囲内にあることを特徴とする有機電界発光素子。
  2. 基板上に、陽極及び陰極により挟持された発光層を有する有機電界発光素子において、前記陰極が、アルミニウム、インジウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バナジウム、クロム、スズ及び銅よりなる群から選ばれる1種又は2種以上である金属材料、アルカリ金属及び酸素原子を含有し、前記陰極の金属材料の含有率が 67.2 94.5at.% 、アルカリ金属の含有率が 0.4 8.0at.% 、炭素原子の含有率が 0 8.1at.% 、酸素原子の含有率が 9 29at.% の範囲内にあることを特徴とする有機電界発光素子。
  3. 前記アルカリ金属がリチウム及び/又はナトリウムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機電界発光素子。
  4. 前記発光層が、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体を含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  5. 前記陰極の発光層と反対側の面に、アルカリ金属を含有しない金属層が積層されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の有機電界発光素子を製造する方法であって、金属材料及びアルカリ金属を蒸着源として、酸化性雰囲気において反応性蒸着することにより前記陰極を形成する工程を有することを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
  7. 前記アルカリ金属の蒸着源として、アルカリ金属の窒化物を使用することを特徴とする請求項6に記載の有機電界発光素子の製造方法。
  8. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の有機電界発光素子を製造する方法であって、金属材料及びアルカリ金属酸化物を蒸着源として、蒸着することにより前記陰極を形成する工程を有することを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
  9. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の有機電界発光素子を製造する方法であって、金属材料とアルカリ金属との合金組成物をターゲットとして酸化性雰囲気で反応性スパッタすることにより前記陰極を形成する工程を有することを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
  10. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の有機電界発光素子を製造する方法であって、金属材料、アルカリ金属及び酸素原子を含有する組成物をターゲットとしてスパッタすることにより前記陰極を形成する工程を有することを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
  11. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の有機電界発光素子を製造する方法であって、金属材料とアルカリ金属を含有する有機化合物とを蒸着源として、共蒸着することにより前記陰極を形成する工程を有することを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
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