JP5594291B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法に関する。
有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(有機ELディスプレイ)等に用いられる有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)は、例えば、蛍光性有機化合物や燐光性有機化合物等の発光性有機化合物を含む発光層を、陰極と陽極で挟んだ構成を有するものであり、この発光性有機化合物に電界を印加することにより、励起・発光する素子である。
この有機EL素子の発光原理は、概ね以下の通りと考えられている。まず、陽極から発光層に注入された正孔と、陰極から発光層に注入された電子が、その発光層において再結合することにより、蛍光性有機化合物等の励起子が生成する。次いで、その励起子が失活する際に、エネルギーが光(蛍光、燐光)成分として放出されることにより発光すると考えられている。
ところで、有機EL素子の実用化に当たっては種々の耐久性が要求される。特に、屋外や車載等での使用形態を考慮して、有機EL素子には、高温環境下での駆動安定性及び保存安定性、例えば85℃以上での保存安定性が要求される。
ところが、従来の有機EL素子をこうした高温下で保存すると、駆動電圧が増加する問題があった。また、高温保存中にITOから正孔注入層の一部が剥がれ、正孔が注入されずに発光しない部分、ダークスポットが生成するという問題点があった。これらの問題点については、従来より耐久性の高い材料を用いることにより改善が図られてきた。ホール輸送性材料に、特定の3級アミン化合物を用いることによる耐熱性の向上が報告されている(例えば、特許文献1参照)が、昨今のより一層の高温環境下での駆動安定性及び保存安定性の要求に対して、高温耐久性と発光効率や寿命を両立する材料を得ることは困難であった。
また、陽極と発光層との間に、特定の異方導電性を有する無機化合物含有層を設けた構造による高温保存安定性の向上が報告されている(例えば、特許文献2参照)が、特定の異方導電性を得るために、素子の作製方法が限定されてしまい、汎用性の低いものであった。
一方で、有機EL素子において、各種の有機化合物のアルカリ金属塩を使用する技術が知られている(例えば、特許文献3〜5参照)。しかしいずれも陰極界面近傍における電子注入性向上が目的であり、高温保存安定性や圧力耐性、素子作製環境における水分量に対するロバストネス、ダークスポットの増加抑制等に対する効果について、何ら示唆する記載はなかった。
特にウェットプロセスにより形成された正孔注入層を用いた有機EL素子において、高温保存中に層中の残留溶媒の膨張、気化等に起因すると考えられる、上記ITOからの正孔注入層の剥離やダークスポット発生の問題は一層顕著で、改良手段が求められていた。
特開2004−186027号公報 特開2000−243572号公報 特開2004−14512号公報 特開2009−76461号公報 特開2003−303691号公報
本発明は、上記の問題を解決すべくなされたものであり、汎用性が高く、かつ高温安定性に優れ、高温保存後におけるダークスポットの生成を抑制でき、高温保存後における駆動電圧の変化を抑制した有機EL素子の提供を目的とする。また本発明は、有機EL素子作製中の環境水分量変化に対してロバストのある有機EL素子の提供を目的とする。また本発明は、外部から加圧を受けた場合の圧力耐性に優れ、加圧によるダークスポットの生成を抑制した有機EL素子の提供を目的とする。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成された。
1.基板上に、少なくとも陽極及び陰極と、該陽極及び該陰極との間に、少なくとも発光層、正孔注入層及び電子注入層を含む複数の機能層を有する有機EL素子において、発光層と電子注入層との間の該発光層に隣接する機能層がマトリックス材料に膜強化剤を添加した膜強化機能層であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
2.前記膜強化機能層が、電子輸送層であることを特徴とする前記1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
3.前記膜強化機能層の膜厚が10〜200nmであることを特徴とする前記1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
4.前記膜強化機能層に用いられる膜強化剤が、有機化合物のアルカリ金属塩であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
5.前記膜強化剤が、脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩であることを特徴とする前記4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
6.前記脂肪族カルボン酸の炭素数が4以下であることを特徴とする前記5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
7.前記脂肪族カルボン酸が酢酸であることを特徴とする前記6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
8.前記アルカリ金属塩のアルカリ金属がカリウムまたはセシウムであることを特徴とする前記4〜7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
9.前記アルカリ金属がセシウムであることを特徴とする前記8に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
10.前記膜強化剤の添加量が、膜強化機能層に対し1.5〜35質量%であることを特徴とする前記4〜9のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
11.前記膜強化剤の添加量が、膜強化機能層に対し3〜25質量%であることを特徴とする前記10に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
12.前記正孔注入層がウェットプロセスにより形成されることを特徴とする前記1〜11のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
13.前記膜強化機能層が、該膜強化機能層を構成するマトリックス材料のガラス転移温度より低い温度まで加熱する安定化処理を施されていることを特徴とする前記1〜12のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
14.前記13に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、発光層と電子注入層との間の該発光層に隣接する機能層を、前記膜強化剤を添加したマトリックス材料を用いて膜強化機能層として形成した後、該マトリックス材料のガラス転移温度より低い温度まで加熱する安定化処理に供することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
本発明により、汎用性が高く、かつ高温保存安定性に優れ、高温保存後におけるダークスポットの生成を抑制でき、高温保存後における駆動電圧の変化を抑制した有機EL素子、及び有機EL素子作製中の環境水分量変化に対してロバストのある有機EL素子、及び外部から加圧を受けた場合の圧力耐性に優れ、加圧によるダークスポットの生成を抑制した有機EL素子を提供することができた。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、有機EL素子を構成する機能層の少なくとも1層をマトリックス材料と膜強化剤とを含有する膜強化機能層とすることで、高温保存におけるダークスポットの発生及び駆動電圧の変化を抑制でき、かつ素子作製中の環境水分量変化に対してロバストのある、かつ外部より圧力をかけても素子へのダメージが少なく性能への影響が少なくできることを見出し、本発明をなすに至った。
本発明においては、少なくとも1層以上の機能層をマトリックス材料に膜強化剤を添加し、機能層の硬度を増加させた膜強化機能層とし、高温保存や外部からの圧力に対する保護膜として利用することを特徴とする。これまでの素子構成では、高温保存下において、層中の残留溶媒、または素子作製環境から層中に取り込まれた水分の膨張、気化等に起因すると考えられる応力により、ITOから正孔注入層の一部が剥がれてしまうという問題があったが、膜強化剤を加え機能層の硬度が増加することにより、剥がれる際に発生する膜の歪みを押さえ込み、剥がれを抑制する。さらに、剥がれることで発生した膜の歪みに由来する、駆動電圧の変化も抑制することができる。また膜硬度が増加したことにより、封止工程や素子形成後における素子への折り曲げ等の圧力に対しても耐性ができ、性能の劣化を抑制することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、機能層とは、陽極と陰極との間に設けられ有機ELを構成する各層をいう。機能層には、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層、発光層、電子輸送層、電子注入層、正孔ブロック層等が含まれる。
本発明において、膜強化剤を含有する膜強化機能層は、発光層以外の機能層であることが好ましく、発光層に隣接する機能層であることがより好ましく、発光層と電子注入層との間の機能層であることが最も好ましい。本発明において、膜強化機能層は2層以上あってもよい。
本発明において、膜強化剤とは、機能層の硬度を増加させる材料であり、下記方法で測定した機能層の水平方向及び垂直方向のせん断力の平均増加率が1.1倍以上の材料をいう。ただし、機能層の散乱性に変化を与えるフィラー(例えば、ZnO、SnO、TiO、Al、In、SiO、GeO、MgO、BaO、MoO、ZiO、V、CaO、SrO等を含む微粒子)や、各種の有機、無機微粒子は、機能層の硬度を増加させないので含まれない。また、架橋を利用する架橋性有機化合物や、熱、紫外線等のエネルギーにより硬化する樹脂や硬化型接着材は含まれない。
機能層の膜硬度は、下記の方法でせん断力を評価する。
膜強化剤を添加した膜強化機能層までを積層した有機EL素子サンプルと、膜強化剤を含有させずに同様に積層した有機EL素子サンプルとを用意し、各々、ダイプラウインテス性サイカスNN−04型の硬度測定器(SAICAS)を用い、膜のせん断力を測定する。測定条件としては、サンプリングステップは0.2sec/pointで、ダイヤモンド製1mm幅の刃を使用し、剪断角度は45°、押圧荷重を2μN、バランス加重1μNとし、垂直速度1nm/sec、水平速度100nm/secにて切削を行い、水平方向及び垂直方向での力を記録し、水平方向及び垂直方向のせん断力とする。
本発明における膜強化機能層は、膜強化剤を添加したことで、機能層の水平方向及び垂直方向のせん断力の平均が1.2倍以上増加することが好ましく、1.3倍以上増加することがより好ましく、1.5倍以上増加することが最も好ましい。
本発明における膜強化剤は、膜の中でマトリックス材料に静電的または配位的な作用を及ぼすことにより、マトリックス材料間に相互作用を与え、膜を強化する材料であり、マトリックス材料と共有結合せずに膜を強化する材料である。
本発明において用いられる膜強化剤は、有機物のアルカリ金属塩、有機物のアルカリ土類金属塩が好ましく、有機物のアルカリ金属塩がより好ましい。有機物の種類としては特に制限はないが、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸、酪酸塩、吉草酸塩、カプロン酸塩、エナント酸塩、カプリル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩、イソフタル酸塩、テレフタル酸塩、サリチル酸塩、ピルビン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、アジピン酸塩、メシル酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩が挙げられ、好ましくはギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、カプロン酸塩、エナント酸塩、カプリル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、より好ましくはギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩等の脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩が好ましく、脂肪族カルボン酸の炭素数が4以下であることが好ましい。最も好ましくは酢酸塩である。
有機物のアルカリ金属塩のアルカリ金属の種類としては特に制限はないが、Na、K、Csが挙げられ、好ましくはK、Cs、さらに好ましくはCsである。有機物のアルカリ金属塩としては、前記有機物とアルカリ金属の組み合わせが挙げられ、好ましくは、ギ酸Li、ギ酸K、ギ酸Na、ギ酸Cs、酢酸Li、酢酸K、酢酸Na、酢酸Cs、プロピオン酸Li、プロピオン酸Na、プロピオン酸K、プロピオン酸Cs、シュウ酸Li、シュウ酸Na、シュウ酸K、シュウ酸Cs、マロン酸Li、マロン酸Na、マロン酸K、マロン酸Cs、コハク酸Li、コハク酸Na、コハク酸K、コハク酸Cs、安息香酸Li、安息香酸Na、安息香酸K、安息香酸Cs、より好ましくは酢酸Li、酢酸K、酢酸Na、酢酸Cs、最も好ましくは酢酸Csである。
膜強化剤の濃度により、素子の寿命等への影響が出てくるため、膜強化剤の含有量は添加する機能層に対し好ましくは1.5〜35質量%であり、より好ましくは3〜25質量%であり、最も好ましくは5〜15質量%である。
本発明において、マトリックス材料とは、膜強化剤等の機能材料を含有し保持する媒体として機能する基材をいう。
本発明において、マトリックス材料に膜強化剤を添加した膜強化機能層とは、該機能層を形成する主となるマトリックス材料と膜強化剤が両存していることを特徴とする。両存という点で、前記特開2004−14512号及び前記特開2009−76461号の構成とは異なる。また該マトリックス材料は前記特開2003−303691号に記載の金属ではない。
本発明に関わる機能層において、膜強化剤を添加するマトリックス材料には、例えば、有機ELの正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層、発光層、電子輸送層、電子注入層、正孔ブロック層等に用いられる各種の有機材料を用いることができるが、好ましくは、アリールアミン誘導体、イミダゾール誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等、チアジアゾール誘導体、さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料、アニリン系共重合体、導電性高分子オリゴマーであり、より好ましくは、ジベンゾフラン誘導体、モノニトロ置換フルオレン誘導体、ジニトロ置換フルオレン誘導体である。
機能層中における膜強化剤の分布は均一分布で構わないが、好ましくは発光層に近いほど薄くなる傾斜分布である。
膜強化剤を添加した機能層の製膜方法に特に制限はないが、好ましくはスピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法、ダイコート法、スプレー法等のウェットプロセスの塗布方法、さらに好ましくは、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが生成しにくい等の点から、スピンコート法、ダイコート法、インクジェット法、スプレー法、印刷法等の塗布法による成膜が好ましい。本発明において、膜強化剤を添加した機能層の膜厚は、好ましくは10〜200nmであり、より好ましくは20〜150nmであり、最も好ましくは25〜100nmである。
本発明における膜強化機能層は、マトリックス材料に膜強化剤を添加し、上記の方法を用いて層形成した後、膜強化機能層を構成するマトリックス材料のガラス転移温度より低い温度まで加熱する安定化処理を施すことが好ましい。安定化処理を行う安定化処理温度をT(℃)、膜強化機能層を構成するマトリックス材料のガラス転移温度をTg(℃)としたとき、50<T<Tg−20であることが好ましく、70<T<Tg−40であることがより好ましい。また、膜強化機能層の安定化処理温度は、膜強化機能層の隣接層を構成するマトリックス材料のガラス転移温度より低いことが好ましい。安定化処理時間は、好ましくは10分〜6時間、より好ましくは20分〜4時間、最も好ましくは、30分〜3時間である。安定化処理は、膜強化機能層の形成後であって、封止工程より前に行うが、膜強化機能層の形成後であって、かつ次の層を形成する前であることが好ましい。また、安定化処理は、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく、窒素雰囲気下、またはアルゴン雰囲気下で行うことがより好ましい。不活性ガス以外のガス含有量は50ppm未満が好ましく、20ppm未満がより好ましく、10ppm未満が最も好ましい。
本発明における膜強化機能層は、機能層が膜強化剤を添加することで、膜硬度が増加していることを特徴とする。
以下に本発明の有機EL素子の層構成の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
《有機EL素子の構成層》
(i)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
前記膜強化機能層は、発光層以外の機能層であることが好ましく、発光層に隣接する機能層であることが好ましい。膜強化機能層は、発光層と電子注入層との間の機能層であることがより好ましい。膜強化機能層は、発光層に隣接し、比較的膜厚が厚い電子輸送層であることが好ましい。
《注入層:正孔注入層、電子注入層》
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、上記の如く陽極と発光層または正孔輸送層の間、及び陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層で、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されており、正孔注入層と電子注入層とがある。
正孔注入層は、特開平9−45479号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、本発明の正孔注入材料としては、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体等を含むポリマーやアニリン系共重合体、ポリアリールアルカン誘導体、または導電性ポリマーがあり、好ましくはポリチオフェン誘導体、ポリアニリン誘導体、ポリピロール誘導体、さらに好ましくはポリチオフェン誘導体である。
電子注入層は、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。上記バッファー層(注入層)はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるがその膜厚は0.1nm〜5μm程度、好ましくは0.1〜100nm、さらに好ましくは0.5〜10nm、最も好ましくは0.5〜4nmである。
《正孔輸送層》
正孔輸送材料としては上記正孔注入層のものを使用することができるが、さらには、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。
芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、さらには、米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。
さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。
また、特開平4−297076号公報、特開2000−196140号公報、特開2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)、特表2003−519432号公報に記載されているような、いわゆるp型半導体的性質を有するとされる正孔輸送材料を用いることもできる。
正孔輸送層は上記正孔輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。正孔輸送層の膜厚については、特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。この正孔輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。
《電子輸送層》
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
従来、単層の電子輸送層、及び複数層とする場合は発光層に対して陰極側に隣接する電子輸送層に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができ、例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。さらに上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、GaまたはPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。その他、メタルフリーもしくはメタルフタロシアニン、またはそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることができる。また、発光層の材料として例示したジスチリルピラジン誘導体も、電子輸送材料として用いることができるし、正孔注入層、正孔輸送層と同様にn型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。
電子輸送層は上記電子輸送材料を、例えば、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。電子輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。電子輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。
また、不純物をドープしたn性の高い電子輸送層を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、同10−270172号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
《発光層》
本発明に係る発光層は、電極または電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
本発明に係る発光層は、含まれる発光材料が前記要件を満たしていれば、その構成には特に制限はない。
また、同一の発光スペクトルや発光極大波長を有する層が複数層あってもよい。各発光層間には非発光性の中間層を有していることが好ましい。
本発明における発光層の膜厚の総和は1〜100nmの範囲にあることが好ましく、さらに好ましくは、より低い駆動電圧を得ることができることから50nm以下である。なお、本発明でいう発光層の膜厚の総和とは、発光層間に非発光性の中間層が存在する場合には、当該中間層も含む膜厚である。
個々の発光層の膜厚としては1〜50nmの範囲に調整することが好ましい。青、緑、赤の各発光層の膜厚の関係については、特に制限はない。
発光層の作製には、後述する発光材料やホスト化合物を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、インクジェット法等の公知の薄膜化法により製膜して形成することができる。
本発明においては、各発光層には複数の発光材料を混合してもよく、また燐光発光材料と蛍光発光材料を同一発光層中に混合して用いてもよい。
本発明においては、発光層の構成として、ホスト化合物、発光材料(発光ドーパント化合物ともいう)を含有し、発光材料より発光させることが好ましい。
本発明に係る有機EL素子の発光層に含有されるホスト化合物としては、室温(25℃)における燐光発光の燐光量子収率が0.1未満の化合物が好ましい。さらに好ましくは燐光量子収率が0.01未満である。また、発光層に含有される化合物の中で、その層中での体積比が50%以上であることが好ましい。
ホスト化合物としては、公知のホスト化合物を単独で用いてもよく、または複数種併用して用いてもよい。ホスト化合物を複数種用いることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機EL素子を高効率化することができる。また、後述する発光材料を複数種用いることで異なる発光を混ぜることが可能となり、これにより任意の発光色を得ることができる。
本発明に用いられるホスト化合物としては、従来公知の低分子化合物でも、繰り返し単位をもつ高分子化合物でもよく、ビニル基やエポキシ基のような重合性基を有する低分子化合物(蒸着重合性発光ホスト)でもよい。
公知のホスト化合物としては、正孔輸送能、電子輸送能を有しつつ、かつ発光の長波長化を防ぎ、なおかつ高Tg(ガラス転移温度)である化合物が好ましい。ここで、ガラス転移点(Tg)とは、DSC(Differential Scanning Colorimetry:示差走査熱量法)を用いて、JIS−K−7121に準拠した方法により求められる値である。
公知のホスト化合物の具体例としては、以下の文献に記載されている化合物が挙げられる。例えば、特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等が挙げられる。
次に、発光材料について説明する。
本発明に係る発光材料としては、蛍光性化合物、燐光発光材料(燐光性化合物、燐光発光性化合物等ともいう)を用いることができるが、燐光発光材料であることが好ましい。
本発明において、燐光発光材料とは励起三重項からの発光が観測される化合物であり、具体的には室温(25℃)にて燐光発光する化合物であり、燐光量子収率が25℃において0.01以上の化合物であると定義されるが、好ましい燐光量子収率は0.1以上である。
上記燐光量子収率は第4版実験化学講座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定できる。溶液中での燐光量子収率は種々の溶媒を用いて測定できるが、本発明において燐光発光材料を用いる場合、任意の溶媒のいずれかにおいて上記燐光量子収率(0.01以上)が達成されればよい。
燐光発光材料の発光は原理としては2種挙げられ、一つはキャリアが輸送されるホスト化合物上でキャリアの再結合が起こってホスト化合物の励起状態が生成し、このエネルギーを燐光発光材料に移動させることで燐光発光材料からの発光を得るというエネルギー移動型、もう一つは燐光発光材料がキャリアトラップとなり、燐光発光材料上でキャリアの再結合が起こり燐光発光材料からの発光が得られるというキャリアトラップ型であるが、いずれの場合においても、燐光発光材料の励起状態のエネルギーはホスト化合物の励起状態のエネルギーよりも低いことが条件である。
燐光発光材料は、有機EL素子の発光層に使用される公知のものの中から適宜選択して用いることができるが、好ましくは元素の周期表で8〜10族の金属を含有する錯体系化合物であり、さらに好ましくはイリジウム化合物、オスミウム化合物、または白金化合物(白金錯体系化合物)、希土類錯体であり、中でも最も好ましいのはイリジウム化合物である。
以下に、リン光ドーパントとして用いられる化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。これらの化合物は、例えば、Inorg.Chem.,40巻、1704〜1711に記載の方法等により合成できる。
本発明に係る有機EL素子には、蛍光発光体を用いることもできる。蛍光発光体(蛍光性ドーパント)の代表例としては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素、または希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。
また、従来公知のドーパントも本発明に用いることができ、例えば、国際公開第00/70655号パンフレット、特開2002−280178号公報、同2001−181616号公報、同2002−280179号公報、同2001−181617号公報、同2002−280180号公報、同2001−247859号公報、同2002−299060号公報、同2001−313178号公報、同2002−302671号公報、同2001−345183号公報、同2002−324679号公報、国際公開第02/15645号パンフレット、特開2002−332291号公報、同2002−50484号公報、同2002−332292号公報、同2002−83684号公報、特表2002−540572号公報、特開2002−117978号公報、同2002−338588号公報、同2002−170684号公報、同2002−352960号公報、国際公開第01/93642号パンフレット、特開2002−50483号公報、同2002−100476号公報、同2002−173674号公報、同2002−359082号公報、同2002−175884号公報、同2002−363552号公報、同2002−184582号公報、同2003−7469号公報、特表2002−525808号公報、特開2003−7471号公報、特表2002−525833号公報、特開2003−31366号公報、同2002−226495号公報、同2002−234894号公報、同2002−235076号公報、同2002−241751号公報、同2001−319779号公報、同2001−319780号公報、同2002−62824号公報、同2002−100474号公報、同2002−203679号公報、同2002−343572号公報、同2002−203678号公報等が挙げられる。
本発明においては、少なくとも一つの発光層に2種以上の発光材料を含有していてもよく、発光層における発光材料の濃度比が発光層の厚さ方向で変化していてもよい。
《中間層》
本発明において、各発光層間に非発光性の中間層(非ドープ領域等ともいう)を設ける場合について説明する。
非発光性の中間層とは、複数の発光層を有する場合、その発光層間に設けられる層である。
非発光性の中間層の膜厚としては1〜20nmの範囲にあるのが好ましく、さらには3〜10nmの範囲にあることが隣接発光層間のエネルギー移動等相互作用を抑制し、かつ素子の電流電圧特性に大きな負荷を与えないということから好ましい。
この非発光性の中間層に用いられる材料としては、発光層のホスト化合物と同一でも異なっていてもよいが、隣接する2つの発光層の少なくとも一方の発光層のホスト材料と同一であることが好ましい。
非発光性の中間層は非発光層、各発光層と共通の化合物(例えば、ホスト化合物等)を含有していてもよく、各々共通ホスト材料(ここで、共通ホスト材料が用いられるとは、燐光発光エネルギー、ガラス転移点等の物理化学的特性が同一である場合やホスト化合物の分子構造が同一である場合等を示す。)を含有することにより、発光層−非発光層間の層間の注入障壁が低減され、電圧(電流)を変化させても正孔と電子の注入バランスが保ちやすいという効果を得ることができる。さらに、非ドープ発光層に各発光層に含まれるホスト化合物と同一の物理的特性または同一の分子構造を有するホスト材料を用いることにより、従来の有機EL素子作製の大きな問題点である素子作製の煩雑さをも併せて解消することができる。
本発明で有機EL素子を用いる場合、ホスト材料はキャリアの輸送を担うため、キャリア輸送能を有する材料が好ましい。キャリア輸送能を表す物性としてキャリア移動度が用いられるが、有機材料のキャリア移動度は一般的に電界強度に依存性が見られる。電界強度依存性の高い材料は正孔と電子注入・輸送バランスを崩しやすいため、中間層材料、ホスト材料は移動度の電界強度依存性の少ない材料を用いることが好ましい。
また、一方では正孔や電子の注入バランスを最適に調整するためには、非発光性の中間層は後述する阻止層、即ち正孔阻止層、電子阻止層として機能することも好ましい態様として挙げられる。
以下、本発明の有機EL素子の正孔輸送材料、発光ホスト、電子輸送材料等に用いられる化合物の好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
(正孔輸送材料)
なお、上記nは重合度を表し、重量平均分子量が50,000〜200,000の範囲となる整数を表す。重量平均分子量がこの範囲未満では、溶媒への溶解性の高さから製膜時に他の層と混合する懸念がある。また製膜できたとしても、低い分子量では発光効率が上がらない。重量平均分子量がこの範囲より大きい場合は、合成、精製の難しさにより問題が生じる。分子量分布が大きくなると共に、不純物の残存量も増加するため、有機EL素子の発光効率、電圧、寿命は悪化する。
これらの高分子化合物は、Makromol.Chem.,193,909頁(1992)等に記載の公知の方法で合成することができる。
(発光ホスト)
(電子輸送材料)
これらの化合物は、特開2007−288035号公報、Chem.Mater.,2008,20,5951、実験化学講座第5版(日本化学会編)等に記載の公知の方法を参照して合成することができる。
《陽極》
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。あるいは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等湿式成膜法を用いることもできる。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。さらに膜厚は材料にもよるが、通常は、10〜1000nmの範囲であり、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
《陰極》
一方、陰極としては仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。なお、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極または陰極のいずれか一方が透明または半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
また、陰極に上記金属を1〜20nmの膜厚で作製した後に、陽極の説明で挙げた導電性透明材料をその上に作製することで、透明または半透明の陰極を作製することができ、これを応用することで陽極と陰極の両方が透過性を有する素子を作製することができる。
《支持基板》
本発明の有機EL素子に用いることのできる支持基板(以下、基体、基板、基材、支持体等とも言う)としては、ガラス、プラスチック等の種類には特に限定はなく、また透明であっても不透明であってもよい。支持基板側から光を取り出す場合には、支持基板は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な支持基板としては、ガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げることができる。リジットな基板よりもフレキシブルな基板で、膜強化機能層の効果が大きく現れるため、特に好ましい支持基板は、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能な樹脂フィルムである。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート(TAC)、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類またはそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリルあるいはポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)あるいはアペル(商品名三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等を挙げられる。
樹脂フィルムの表面には、無機物、有機物の被膜またはその両者のハイブリッド被膜が形成されていてもよく、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が0.01g/(m・24h)以下のバリア性フィルムであることが好ましく、さらには、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定した酸素透過度が、10−3cm/(m・24h・atm)以下、水蒸気透過度が10−3g/(m・24h)以下の高バリア性フィルムであることが好ましく、前記の水蒸気透過度が10−5g/(m・24h)以下であることがさらに好ましい。
バリア膜を形成する材料としては、水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることができる。さらに該膜の脆弱性を改良するために、これら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
バリア膜の形成方法については特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができるが、特開2004−68143号公報に記載されているような大気圧プラズマ重合法によるものが特に好ましい。
不透明な支持基板としては、例えば、アルミ、ステンレス等の金属板、フィルムや不透明樹脂基板、セラミック製の基板等が挙げられる。
本発明の有機EL素子の発光の室温における外部取り出し効率は、1%以上であることが好ましく、より好ましくは5%以上である。ここに、外部取り出し量子効率(%)=有機EL素子外部に発光した光子数/有機EL素子に流した電子数×100である。
また、カラーフィルター等の色相改良フィルター等を併用しても、有機EL素子からの発光色を、蛍光体を用いて多色へ変換する色変換フィルターを併用してもよい。色変換フィルターを用いる場合においては、有機EL素子の発光のλmaxは480nm以下が好ましい。
《封止》
本発明に用いられる封止手段としては、例えば、封止部材と電極、支持基板とを接着剤で接着する方法を挙げることができる。
封止部材としては、有機EL素子の表示領域を覆うように配置されておればよく、凹板状でも平板状でもよい。また透明性、電気絶縁性は特に問わない。
具体的には、ガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等が挙げられる。ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を挙げることができる。また、ポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を挙げることができる。金属板としては、ステンレス、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、亜鉛、クロム、チタン、モリブテン、シリコン、ゲルマニウム及びタンタルからなる群から選ばれる一種以上の金属または合金からなるものが挙げられる。
本発明においては、素子を薄膜化できるということからポリマーフィルム、金属フィルムを好ましく使用することができる。さらには、ポリマーフィルムは、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、1×10−3cm/(m・24h・atm)以下、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が1×10−3g/(m・24h)以下のものであることが好ましい。
封止部材を凹状に加工するのは、サンドブラスト加工、化学エッチング加工等が使われる。
接着剤として具体的には、アクリル酸系オリゴマー、メタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化及び熱硬化型接着剤、2−シアノアクリル酸エステル等の湿気硬化型等の接着剤を挙げることができる。また、エポキシ系等の熱及び化学硬化型(二液混合)を挙げることができる。また、ホットメルト型のポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィンを挙げることができる。また、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を挙げることができる。
なお、有機EL素子が熱処理により劣化する場合があるので、室温から80℃までに接着硬化できるものが好ましい。また、前記接着剤中に乾燥剤を分散させておいてもよい。封止部分への接着剤の塗布は市販のディスペンサーを使ってもよいし、スクリーン印刷のように印刷してもよい。
また、有機層を挟み支持基板と対向する側の電極の外側に該電極と有機層を被覆し、支持基板と接する形で無機物、有機物の層を形成し封止膜とすることも好適にできる。この場合、該膜を形成する材料としては、水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることができる。さらに該膜の脆弱性を改良するために、これら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることが好ましい。これらの膜の形成方法については、特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができる。
封止部材と有機EL素子の表示領域との間隙には、気相及び液相では、窒素、アルゴン等の不活性気体やフッ化炭化水素、シリコンオイルのような不活性液体を注入することが好ましい。また真空とすることも可能である。また、内部に吸湿性化合物を封入することもできる。
吸湿性化合物としては、例えば、金属酸化物(例えば、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等)、硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸コバルト等)、金属ハロゲン化物(例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、フッ化セシウム、フッ化タンタル、臭化セリウム、臭化マグネシウム、沃化バリウム、沃化マグネシウム等)、過塩素酸類(例えば、過塩素酸バリウム、過塩素酸マグネシウム等)等が挙げられ、硫酸塩、金属ハロゲン化物及び過塩素酸類においては無水塩が好適に用いられる。
《保護膜、保護板》
有機層を挟み支持基板と対向する側の前記封止膜、あるいは前記封止用フィルムの外側に、素子の機械的強度を高めるために保護膜、あるいは保護板を設けてもよい。特に封止が前記封止膜により行われている場合には、その機械的強度は必ずしも高くないため、このような保護膜、保護板を設けることが好ましい。これに使用することができる材料としては、前記封止に用いたのと同様なガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等を用いることができるが、軽量かつ薄膜化ということからポリマーフィルムを用いることが好ましい。
《光取り出し》
有機EL素子は空気よりも屈折率の高い(屈折率が1.7〜2.1程度)層の内部で発光し、発光層で発生した光のうち15%から20%程度の光しか取り出せないことが一般的にいわれている。これは、臨界角以上の角度θで界面(透明基板と空気との界面)に入射する光は、全反射を起こし素子外部に取り出すことができないことや、透明電極ないし発光層と透明基板との間で光が全反射を起こし、光が透明電極ないし発光層を導波し、結果として光が素子側面方向に逃げるためである。
この光の取り出しの効率を向上させる手法としては、例えば、透明基板表面に凹凸を形成し、透明基板と空気界面での全反射を防ぐ方法(米国特許第4,774,435号明細書)、基板に集光性を持たせることにより効率を向上させる方法(特開昭63−314795号公報)、素子の側面等に反射面を形成する方法(特開平1−220394号公報)、基板と発光体の間に中間の屈折率を持つ平坦層を導入し、反射防止膜を形成する方法(特開昭62−172691号公報)、基板と発光体の間に基板よりも低屈折率を持つ平坦層を導入する方法(特開2001−202827号公報)、基板、透明電極層や発光層のいずれかの層間(含む、基板と外界間)に回折格子を形成する方法(特開平11−283751号公報)等がある。
本発明においては、これらの方法を本発明の有機EL素子と組み合わせて用いることができるが、基板と発光体の間に基板よりも低屈折率を持つ平坦層を導入する方法、あるいは基板、透明電極層や発光層のいずれかの層間(含む、基板と外界間)に回折格子を形成する方法を好適に用いることができる。
本発明はこれらの手段を組み合わせることにより、さらに高輝度あるいは耐久性に優れた素子を得ることができる。
透明電極と透明基板の間に低屈折率の媒質を光の波長よりも長い厚みで形成すると、透明電極から出てきた光は、媒質の屈折率が低いほど外部への取り出し効率が高くなる。
低屈折率層としては、例えば、エアロゲル、多孔質シリカ、フッ化マグネシウム、フッ素系ポリマー等が挙げられる。透明基板の屈折率は一般に1.5〜1.7程度であるので、低屈折率層は屈折率がおよそ1.5以下であることが好ましい。また、さらに1.35以下であることが好ましい。
また、低屈折率媒質の厚みは媒質中の波長の2倍以上となるのが望ましい。これは低屈折率媒質の厚みが、光の波長程度になってエバネッセントで染み出した電磁波が基板内に入り込む膜厚になると、低屈折率層の効果が薄れるからである。
全反射を起こす界面もしくはいずれかの媒質中に回折格子を導入する方法は、光取り出し効率の向上効果が高いという特徴がある。この方法は回折格子が1次の回折や2次の回折といった所謂ブラッグ回折により、光の向きを屈折とは異なる特定の向きに変えることができる性質を利用して、発光層から発生した光のうち層間での全反射等により外に出ることができない光を、いずれかの層間もしくは、媒質中(透明基板内や透明電極内)に回折格子を導入することで光を回折させ、光を外に取り出そうとするものである。
導入する回折格子は、二次元的な周期屈折率を持っていることが望ましい。これは発光層で発光する光はあらゆる方向にランダムに発生するので、ある方向にのみ周期的な屈折率分布を持っている一般的な1次元回折格子では、特定の方向に進む光しか回折されず、光の取り出し効率がさほど上がらない。しかしながら、屈折率分布を二次元的な分布にすることにより、あらゆる方向に進む光が回折され、光の取り出し効率が上がる。
回折格子を導入する位置としては前述の通り、いずれかの層間もしくは媒質中(透明基板内や透明電極内)でもよいが、光が発生する場所である有機発光層の近傍が望ましい。
このとき、回折格子の周期は媒質中の光の波長の約1/2〜3倍程度が好ましい。
回折格子の配列は正方形のラチス状、三角形のラチス状、ハニカムラチス状等、二次元的に配列が繰り返されることが好ましい。
《集光シート》
本発明の有機EL素子は基板の光取り出し側に、例えば、マイクロレンズアレイ状の構造を設けるように加工したり、あるいは所謂集光シートと組み合わせることにより、特定方向、例えば、素子発光面に対し正面方向に集光したりすることにより、特定方向上の輝度を高めることができる。
マイクロレンズアレイの例としては、基板の光取り出し側に一辺が30μmでその頂角が90度となるような四角錐を2次元に配列する。一辺は10μm〜100μmが好ましい。これより小さくなると回折の効果が発生して色付く、大きすぎると厚みが厚くなり好ましくない。
集光シートとしては、例えば、液晶表示装置のLEDバックライトで実用化されているものを用いることが可能である。このようなシートとして、例えば、住友スリーエム社製輝度上昇フィルム(BEF)等を用いることができる。プリズムシートの形状としては、例えば、基材に頂角90度、ピッチ50μmの△状のストライプが形成されたものであってもよいし、頂角が丸みを帯びた形状、ピッチをランダムに変化させた形状、その他の形状であってもよい。
また、発光素子からの光放射角を制御するために、光拡散板・フィルムを集光シートと併用してもよい。例えば、(株)きもと製拡散フィルム(ライトアップ)等を用いることができる。
《有機EL素子の作製方法》
本発明の有機EL素子の作製方法の一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる有機EL素子の作製法を説明する。
まず適当な基体上に所望の電極物質、例えば、陽極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10〜200nmの膜厚になるように、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ陽極を作製する。
次に、この上に有機EL素子材料である正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、正孔阻止層の有機化合物薄膜を形成させる。
これら各層の形成方法としては、前記の如く蒸着法、ウェットプロセス(スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、印刷法)等があるが、本発明における正孔注入層はウェットプロセスを用いて形成することが好ましい。正孔注入層以外の機能層の形成においても、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが生成しにくい等の点から、本発明においてはウェットプロセスが好ましく、中でも、スピンコート法、インクジェット法、印刷法等の塗布法による成膜が好ましい。
本発明に係る有機EL材料を溶解または分散する液媒体としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル等の脂肪酸エステル類、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、デカリン、ドデカン等の脂肪族炭化水素類、DMF、DMSO等の有機溶媒を用いることができる。また分散方法としては、超音波、高剪断力分散やメディア分散等の分散方法により分散することができる。
これらの層を形成後、その上に陰極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは、50nm〜200nmの範囲の膜厚になるように、例えば、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陰極を設けることにより所望の有機EL素子が得られる。
また作製順序を逆にして、陰極、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順に作製することも可能である。このようにして得られた多色の表示装置に、直流電圧を印加する場合には陽極を+、陰極を−の極性として電圧2〜40V程度を印加すると発光が観測できる。また交流電圧を印加してもよい。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
《用途》
本発明の有機EL素子は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。発光光源として、例えば、家庭用照明、車内照明、時計や液晶用のバックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源、さらには表示装置を必要とする一般の家庭用電気器具等広い範囲の用途が挙げられるが、特にカラーフィルターと組み合わせた液晶表示装置のバックライト、照明用光源としての用途に有効に用いることができる。
本発明の有機EL素子においては、必要に応じ成膜時にメタルマスクやインクジェットプリンティング法等でパターニングを施してもよい。パターニングする場合は、電極のみをパターニングしてもよいし、電極と発光層をパターニングしてもよいし、素子全層をパターニングしてもよく、素子の作製においては、従来公知の方法を用いることができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」を表す。
実施例1
《有機EL素子1−1の作製》
陽極としてガラス上にITOを100nm成膜した基板(NHテクノグラス社製:NA−45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をiso−プロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
この透明支持基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製、Baytron P AI 4083)を純水で50%に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコート法により製膜した後、150℃にて30分保持し、膜厚60nmの正孔注入層を設けた。
この基板を、窒素ガス(グレードG1)を用いた窒素雰囲気下に移し、例示正孔輸送材料(8)(Mw=80,000)をクロロベンゼンに0.5質量%溶解した溶液を1500rpm、30秒でスピンコート法により製膜した後、160℃で30分間保持し、膜厚30nmの正孔輸送層とした。
さらに、下記組成の発光層組成物を1500rpm、30秒でスピンコート法により製膜した後、120℃で30分間保持し膜厚50nmの発光層を形成した。
(発光層組成物)
H−A 22.4質量部
Ir−A 2.5質量部
Ir−1 0.05質量部
Ir−14 0.05質量部
酢酸イソプロピル 2,000質量部
続いて、30mgのET−Aを4mlのテトラフルオロプロパノール(TFPO)に溶解した溶液を1500rpm、30秒でスピンコート法により製膜した後、120℃で30分間保持し、膜厚30nmの電子輸送層とした。
続いて、基板を大気に曝露することなく真空蒸着装置へ取り付けた。また、モリブデン製抵抗加熱ボートにKFを入れたものを真空蒸着装置に取り付け、真空槽を4×10−5Paまで減圧した後、前記ボートに通電して加熱してKFを0.02nm/秒で前記電子輸送層上に蒸着して、膜厚2nmの電子注入層を形成した。引き続き、アルミニウム100nmを蒸着して陰極を形成し、有機EL素子1−1(比較例)を作製した。
《有機EL素子1−2の作製》
有機EL素子1−1の作製において、電子注入層をCHCOOCsに変更した以外は同様にして、有機EL素子1−2(比較例)を作製した。
《有機EL素子1−3の作製》
有機EL素子1−1の作製において、正孔輸送層への膜強化剤の添加以外は同様にして、有機EL素子1−3を作製した。膜強化剤添加を添加した正孔輸送層は30mgの例示正孔輸送材料(8)に6質量%となるようCHCOOCsを加え、4mlのテトラフルオロプロパノール(TFPO)に溶解した溶液を1500rpm、30秒でスピンコート法により製膜した後、120℃で30分間保持し、膜厚30nmの膜強化機能層とした。
《有機EL素子1−4及び1−5の作製》
有機EL素子1−3の作製において、アルカリ金属塩を添加する層を表1のように変更した以外は同様にして、有機EL素子1−4及び1−5を作製した。
《有機EL素子1−6の作製》
有機EL素子1−3の作製において、正孔輸送層の例示正孔輸送材料(8)を正孔輸送材料HT−Dに変更し、アルカリ金属塩CHCOOCsを添加せずに正孔輸送層を塗布乾燥後、加熱したまま、高圧水銀ランプ(株式会社オーク製作所製OHD−110M−ST)を用い30mW/cmの紫外光を20秒間照射し、さらに120℃で30分間加熱したこと以外は同様にして、有機EL素子1−6を作製した。
《有機EL素子の評価》
(駆動電圧)
有機EL素子を室温(約23〜25℃)、1,000cd/mの定輝度条件下による点灯を行い、点灯開始直後の駆動電圧を測定した。ここで、発光輝度の測定はCS−1000(コニカミノルタセンシング社製)を用いた。駆動電圧は、有機EL素子1−1の駆動電圧を1.0とする相対値で表す。
(ダークスポット)
ダークスポットは、85℃で500時間放置した後の素子を発光させた状態で顕微鏡観察し、数を計測し、下記評価ランクに従って評価した。
ダークスポット(スポット状の非発光部)の発生割合
◎:発生数0個/mm(ダークスポットの発生が全くない。)
○:発生数1個/mm
△:発生数2〜4個/mm
×:発生数5個以上/mm
評価の結果を表1に示す。
表1から、有機EL素子1−1、1−2、1−6に比べ、有機EL素子1−3〜1−5は、ダークスポットが少ないことが確認された。また、有機EL素子1−5はダークスポットが見られず、駆動電圧の変化もなく、最も優れた性能を示した。
実施例2
《有機EL素子2−1の作製》
実施例1の有機EL素子1−1と同様にして陰極まで作製した有機EL素子に対して、下記方法による封止を施し、有機EL素子2−1(比較例)を作製した。
(封止)
バリア層として厚さ100μmのアルミ箔を準備し、アルミ箔の片面に熱硬化型の液状接着剤(エポキシ系樹脂)を厚さ30μmで塗設し、封止部材とした。有機EL素子の第1電極、第2電極の引き出し電極の端部は外に出るように、封止部材の接着剤面と素子の有機層面を重ね合わせ、ドライラミネート法により接着を行った。
《有機EL素子2−2〜2−9の作製》
アルカリ金属塩を表2のように変更した以外は実施例1の有機EL素子1−5と同様にして、有機EL素子を作製し、有機EL素子2−1と同様の方法で封止を施し、有機EL素子2−2〜2−9を作製した。
《有機EL素子2−10の作製》
有機EL素子2−9の作製において、電子輸送層の電子輸送材料ET−Aを電子輸送材料HS−110に変更した以外は同様にして、有機EL素子2−10を作製した。
《有機EL素子の評価》
(外部圧力耐性)
封止のドライラミネートの際の圧力により、有機EL素子がダメージを受けダークスポットが発生する。そこで外部圧力耐性の評価は、封止直後のダークスポット数により評価した。ダークスポットは、有機EL素子を発光させた状態で顕微鏡観察し、数を計測し、下記評価ランクに従って評価した。
ダークスポット(スポット状の非発光部)の発生割合
◎:発生数0個/mm(ダークスポットの発生が全くない。)
○:発生数0個より多く2個未満/mm
△:発生数2個以上〜5個未満/mm
×:発生数5個以上/mm
(ダークスポット)
実施例1と同様の方法により評価した。
(発光寿命)
有機EL素子を室温下、初期輝度1,000cd/mとなる電流による定電流条件下で連続点灯を行い、初期輝度の半分の輝度になるのに要する時間(τ1/2)を測定した。発光寿命は有機EL素子2−1の発光寿命を1.0とする相対値で表す。
評価の結果を表2に記す。
表2から、比較例の有機EL素子2−1、2−2に比べ、脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩を含有させた本発明の有機EL素子2−3〜2−10は、外部圧力耐性が上がり、ダークスポットの発生抑制に効果が確認された。また有機EL素子2−9、2−10は、寿命低下もなく、外部圧力耐性の上昇、ダークスポットの抑制においても最も優れた性能を示した。
また、ガラス/ITO基板の代わりに、PEN(ポリエチレンナフタレート)フィルム上(帝人デュポンフィルム社製:Q65FWA125μm)にITOを130nm製膜した基板を用い、有機EL素子2−1及び有機EL素子2−9、2−10と同等の製膜、封止を行った素子を、有機EL素子2−1a及び有機EL素子2−9a、2−10aとして各々作製し、外部圧力耐性、ダークスポット、素子寿命を同様に評価したところ、ガラス/ITO基板を用いた場合の、有機EL素子2−1に対する有機EL素子2−9、2−10の性能向上よりも、PEN/ITO基板を用いた場合の、有機EL素子2−1aに対する有機EL素子2−9a、2−10aの性能向上の方が大きく発現された。さらに、これらの素子を100回折り曲げる前後でのダークスポット数の計量を行い、折り曲げにより生じる圧力に対する外部圧力耐性を測定したところ、アルカリ金属塩無しの有機EL素子2−1、及び有機EL素子2−1aでは折り曲げ後に大幅にダークスポットが増加したのに対し、酢酸セシウムを添加した有機EL素子2−9、2−10、及び有機EL素子2−9a、2−10aではダークスポット数はほぼ変化せず、折り曲げに対する圧力に対しても本発明が効果的であることを確認した。
(機能層の膜硬度の評価)
有機EL素子の機能層の膜硬度は、ダイプラウインテス性サイカスNN−04型の硬度測定器(SAICAS)を用い、膜のせん断力を測定することで評価した。測定条件としては、サンプリングステップは0.2sec/pointで、ダイヤモンド製1mm幅の刃を使用し、剪断角度は45°、押圧荷重を2μN、バランス加重1μNとし、垂直速度1nm/sec、水平速度100nm/secにて切削を行い、水平方向及び垂直方向の力を記録し、水平方向及び垂直方向のせん断力とした。
膜のせん断力の測定は、有機EL素子2−1、及び2−9、2−10と同様の方法で電子輸送層まで積層したサンプル2−1(A)、及び2−9(A)、2−10(A)を各々作製し、SAICASにより評価を行った。その結果、サンプル2−1(A)では、膜のせん断力は394MPa、サンプル2−9(A)では663MPa、サンプル2−10(A)では670MPaと、膜硬度が1.7倍に増加していることを確認した。膜強化剤の添加により膜硬度が増加し、有機膜全体が歪みにくくなり、高温保存により正孔注入層の一部だけがITOから剥がれるという現象を抑制していると推察される。また硬くなったことによりダメージを受け難くなり、外部圧力耐性が上がったものと考えられる。
同様の方法で有機EL素子2−2〜2−8についても、サンプル2−2(A)〜2−8(A)を各々作製し、膜硬度を評価した。サンプル2−1(A)に対して、サンプル2−2(A)の膜硬度にはほとんど差が確認されなかったが、サンプル2−3(A)では1.1倍、サンプル2−4(A)では1.2倍、サンプル2−5(A)では1.3倍、サンプル2−6(A)〜サンプル2−8(A)では1.5〜1.6倍の膜硬度が増加した。
実施例3
《有機EL素子3−1〜3−9の作製》
膜強化剤の添加量を表3のように変更した以外は、実施例1の有機EL素子1−5と同様の方法で、有機EL素子3−1〜3−9を作製した。
《有機EL素子3−10の作製》
電子輸送層以外は、実施例1の有機EL素子1−5と同様の方法で、本発明の有機EL素子3−10を作製した。電子輸送層は5mgのET−Aに6質量%となるようCHCOOCsを加え、4mlのテトラフルオロプロパノール(TFPO)に溶解した溶液を1500rpm、30秒でスピンコート法により製膜した後、120℃で30分間保持し、膜厚5nmの膜強化機能層とした。
《有機EL素子3−11の作製》
電子輸送層以外は、実施例1の有機EL素子1−5と同様の方法で、本発明の有機EL素子3−11を作製した。電子輸送層は100mgのET−Aに6質量%となるようCHCOOCsを加え、4mlのテトラフルオロプロパノール(TFPO)に溶解した溶液を1500rpm、30秒でスピンコート法により製膜した後、120℃で30分間保持し、膜厚100nmの膜強化機能層とした。
《有機EL素子3−12の作製》
電子輸送層以外は、実施例1の有機EL素子1−5と同様の方法で、本発明の有機EL素子3−12を作製した。電子輸送層は100mgのET−Aに6質量%となるようCHCOOCsを加え、4mlのテトラフルオロプロパノール(TFPO)に溶解した溶液を600rpm、30秒でスピンコート法により製膜した後、120℃で30分間保持し、膜厚300nmの膜強化機能層とした。
《有機EL素子の評価》
(ダークスポット)
実施例1と同様の方法により評価した。
(駆動電圧変化量)
有機EL素子を室温(約23〜25℃)、1,000cd/mの定輝度条件下による点灯を行い、点灯開始直後の駆動電圧を測定した。次に素子を85℃環境下で500時間保存後、同様の方法で駆動電圧を測定し、保存前後の駆動電圧差を算出した。
(発光寿命)
有機EL素子を室温下、初期輝度1,000cd/mとなる電流による定電流条件下で連続点灯を行い、初期輝度の半分の輝度になるのに要する時間(τ1/2)を測定した。発光寿命は、有機EL素子3−1の発光寿命を1.0とする相対値で表した。
評価の結果を表3に示す。
表3から、膜強化剤の添加量増加によりダークスポットや駆動電圧変化の抑制効果が増加するが、過剰になると寿命の低下が発生することが分かる。また電子輸送層の膜厚が薄すぎる場合にはダークスポット抑制効果が小さく、さらに電子輸送層の膜厚が厚すぎる場合は、寿命の低下が発生することが分かる。
実施例4
《有機EL素子4−1、4−2の作製》
素子作製時の窒素雰囲気下中の水分量を表4のように変更した以外は、実施例3の有機EL素子3−1と同様の方法で、比較例の有機EL素子4−1、4−2を作製した。
《有機EL素子4−3、4−4の作製》
素子作製時の窒素雰囲気下中の水分量を表4のように変更した以外は、実施例3の有機EL素子3−5と同様の方法で、本発明の有機EL素子4−3、4−4を作製した。
《有機EL素子4−5、4−6の作製》
素子作製時の窒素雰囲気下中の水分量を表4のように変更した以外は、実施例2の有機EL素子2−10と同様の方法で、本発明の有機EL素子4−5、4−6を作製した。
《有機EL素子の評価》
(駆動電圧変化量)
実施例3と同様の方法で測定した。
評価の結果を表4に示す。
表4から、比較例の有機EL素子4−1、4−2では環境水分量により駆動電圧変化量が大きく変化するのに対し、本発明の有機EL素子4−3、4−4、4−5、4−6では環境水分量に影響されにくいことが分かる。

Claims (14)

  1. 基板上に、少なくとも陽極及び陰極と、該陽極及び該陰極との間に、少なくとも発光層、正孔注入層及び電子注入層を含む複数の機能層を有する有機EL素子において、発光層と電子注入層との間の該発光層に隣接する機能層がマトリックス材料に膜強化剤を添加した膜強化機能層であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記膜強化機能層が、電子輸送層であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記膜強化機能層の膜厚が10〜200nmであることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記膜強化機能層に用いられる膜強化剤が、有機化合物のアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記膜強化剤が、脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記脂肪族カルボン酸の炭素数が4以下であることを特徴とする請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記脂肪族カルボン酸が酢酸であることを特徴とする請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記アルカリ金属塩のアルカリ金属がカリウムまたはセシウムであることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 前記アルカリ金属がセシウムであることを特徴とする請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 前記膜強化剤の添加量が、膜強化機能層に対し1.5〜35質量%であることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 前記膜強化剤の添加量が、膜強化機能層に対し3〜25質量%であることを特徴とする請求項10に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  12. 前記正孔注入層がウェットプロセスにより形成されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  13. 前記膜強化機能層が、前記マトリックス材料のガラス転移温度より低い温度まで加熱する安定化処理を施されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  14. 請求項13に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、発光層と電子注入層との間の該発光層に隣接する機能層を、前記膜強化剤を添加したマトリックス材料を用いて膜強化機能層として形成した後、該マトリックス材料のガラス転移温度より低い温度まで加熱する安定化処理に供することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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