JP2705432B2 - メタクリル基含有ビス(4’−フタル酸無水物)シロキサン誘導体及びその製造方法 - Google Patents

メタクリル基含有ビス(4’−フタル酸無水物)シロキサン誘導体及びその製造方法

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JP2705432B2 JP3566792A JP3566792A JP2705432B2 JP 2705432 B2 JP2705432 B2 JP 2705432B2 JP 3566792 A JP3566792 A JP 3566792A JP 3566792 A JP3566792 A JP 3566792A JP 2705432 B2 JP2705432 B2 JP 2705432B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シロキサンの両末端に
フタル酸無水物が結合し、シロキサン鎖の側鎖にメタク
リル基を有する下記一般式(1)で表され、感光性を有
するポリイミド樹脂の原料などに有用な新規シロキサン
誘導体及びその製造方法に関する。
【0002】
【化4】 (但し、式中R、R及びRは各々互いに同一又は
異種のメチル基、エチル基、プロピル基、ビニル基、ア
リル基、フェニル基、トリル基及びベンジル基から選ば
れる1価炭化水素基を示し、nは1〜20の整数であ
る。)
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、下記一般式(4)で表される1,3−ビス(4’−
フタル酸無水物)−1,1,3,3−テトラオルガノジ
シロキサンが知られており、ポリイミド樹脂の原料など
に用いられている。
【0004】
【化5】 (但し、式中Rはアルキル基、アルケニル基、アリール
基等の炭素数1〜10の1価炭化水素基を示す。)
【0005】上記一般式(4)で表される化合物のう
ち、Rがメチル基である下記式(5)で表される1,3
ービス(4’−フタル酸無水物)−1,1,3,3−テ
トラメチルジシロキサンの製造方法としては従来次の方
法が知られている。
【0006】
【化6】
【0007】(I)無水トリメリット酸塩化物とジクロ
ロテトラメチルジシランとを反応させて4−(クロロジ
メチルシリル)フタル酸無水物とし、この化合物を加水
分解して、式(5)で表される化合物を得る方法(特開
昭61−83192号公報)。
【0008】(II)4−ブロモ−オルト−キシレンを
リチウム化合物とし、これにジクロロジメチルシランを
反応させてジメチル(3,4−ジメチルフェニル)クロ
ロシランを合成した後、チオフェンと反応させ、得られ
た2,5−ビス(3,4−ジメチル−フェニルジメチル
シリル)チオフェンを酸化し、更に脱水閉環させて、式
(5)の化合物を得る方法(ジャーナル・オブ・オーガ
ニックケミストリー、第38巻、4271ページ(19
73年))。
【0009】(III)ジクロロジメチルシランとハロ
ゲノ−オルト−キシレンのグリニャール試薬とを反応さ
せてジメチル(3,4−ジメチルフェニル)クロロシラ
ンとし、これを加水分解して1,3ビス(3,4−ジメ
チルフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロ
キサンを得、次いでこの化合物を酸化し、更に脱水閉環
させて、式(5)で表される化合物とする方法(特開昭
63ー270690号公報)。
【0010】このうち上記(I)の方法においては、得
られた式(5)で表される化合物に代表される一般式
(4)で表されるポリ無水物シロキサンをヘキサオルガ
ノシクロトリシロキサン又はオクタオルガノシクロテト
ラシロキサンの様なシクロポリシロキサンと平衡化する
ことにより、下記一般式(6)で表されるポリフタル酸
無水物シロキサンが得られることが報告されている(特
開昭62−263227号公報)
【0011】
【化7】 (但し、式中Rは上記と同様の意味を示し、mは1〜2
000の整数である。)
【0012】しかしながら、上記方法では、もし式
(5)中のRにメタクリル基の様な二重結合が含まれて
いると、式(6)で表されるポリフタル酸無水物シロキ
サンを製造する際、平衡化に100℃前後の高温で長時
間の加熱が必要であるため、R基中の二重結合が分子内
あるいは分子間で架橋するおそれがあるという不都合が
ある。
【0013】従って、従来上記式(6)で表されるポリ
フタル酸無水物シロキサンにメタクリル基を導入した化
合物は知られていないが、ポリイミド樹脂の原料として
ポリイミド樹脂の可能性を広げるため、例えば感光性樹
脂として用いるためメタクリル基を含むポリフタル酸無
水物シロキサンの開発が要望されている。
【0014】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
メタクリル基及びフタル酸無水物を有するシロキサン誘
導体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、下記一般
式(2)で表される3−(ジクロロオルガノシリル)プ
ロピルメタクリレートと下記一般式(3)で表されるク
ロロ(4’−フタル酸無水物)ジオルガノシランとを共
加水分解することにより、シロキサン鎖の両末端にフタ
ル酸無水物が結合し、シロキサン鎖の側鎖にメタクリル
基が導入された下記一般式(1)で表される新規メタク
リル基含有ビス(4’−フタル酸無水物)シロキサン誘
導体が得られること、この場合、上記方法によれば、容
易に、しかも任意にメタクリル基の数(下記一般式
(1)中のn)をコントロールすることができ、その上
高温で長時間の加熱が不要であるためメタクリル基が架
橋するおそれがないものであることを知見し、本発明を
なすに至ったものである。
【0016】
【化8】 (但し、式中R、R及びRは各々互いに同一又は
異種のメチル基、エチル基、プロピル基、ビニル基、ア
リル基、フェニル基、トリル基及びベンジル基から選ば
れる1価炭化水素基を示し、nは1〜20の整数であ
る。)
【0017】従って、本発明は、上記一般式(1)で表
されるメタクリル基含有ビス(4’−フタル酸無水物)
シロキサン誘導体、及び上記一般式(2)で表される3
−(ジクロロオルガノシリル)プロピルメタクリレート
と上記一般式(3)で表されるクロロ(4’−フタル酸
無水物)ジオルガノシランとを共加水分解することから
なる上記一般式(1)で表されるメタクリル基含有ビス
(4’−フタル酸無水物)シロキサン誘導体の製造方法
を提供する。
【0018】以下、本発明について更に詳しく説明する
と、本発明のメタクリル基含有ビス(4’−フタル酸無
水物)シロキサン誘導体は下記一般式(1)で表される
ものである。
【0019】
【化9】
【0020】ここで、式中R、R及びRは各々互
いに同一又は異種のメチル基、エチル基、プロピル基、
ビニル基、アリル基、フェニル基、トリル基及びベンジ
ル基から選ばれる1価炭化水素基である。また、nは1
〜20の整数、好ましくは1〜10の整数である。
【0021】このようなシロキサン誘導体として具体的
に下記化合物を挙げることができる。
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】
【0024】
【化12】
【0025】この式(1)で表されるシロキサン誘導体
は、両末端にフタル酸無水物を有し、しかも側鎖にメタ
クリル基を有するので、用途としては例えば感光性、耐
熱性を有し、各種半導体素子用あるいは液晶表示素子用
配向膜、多層プリント版絶縁膜用等のコーティング用途
として有用な感光性ポリイミド樹脂の原料として有用で
ある。
【0026】本発明の式(1)で表されるシロキサン誘
導体は上述したように下記一般式(2)で表される3−
(ジクロロオルガノシリル)プロピルメタクリレートと
下記一般式(3)で表されるクロロ(4’−フタル酸無
水物)ジオルガノシランとを共加水分解することにより
得ることができる。
【0027】
【化13】 (但し、式中R1、R2及びR3は上記と同様の意味を示
す。)
【0028】この場合、式(2)で表される3−(ジク
ロロオルガノシリル)プロピルメタクリレート1モルに
対して式(3)で表されるクロロ(4’−フタル酸無水
物)ジオルガノシランを0.01〜5モル、好ましくは
0.1〜2モルの範囲で使用し、好ましくは溶媒を用い
て共加水分解させることができる。反応の際の溶媒とし
ては、テトラヒドロフラン、アセトン、ジエチルエーテ
ル、イソプロピルエーテル、ジクロロメタン、クロロホ
ルム、トルエン、キシレン等が挙げられ、これらを単独
で又は2種以上を混合して用いることができる。これら
の溶媒の中ではテトラヒドロフラン、アセトンが好まし
い。この際の反応温度は0℃〜溶媒の沸点、好ましくは
0℃〜室温で反応させる。反応温度が高すぎると式
(3)で表される化合物が2分子加水分解して下記式
(7)で表される1,3−ビス(4’−フタル酸無水
物)−1,1,3,3−テトラオルガノジシロキサンの
生成割合が増加し、目的とする式(1)で表されるシロ
キサン誘導体の生成率が低下するおそれがある。反応時
間は通常1〜48時間、代表的には6〜24時間であ
る。
【0029】
【化14】 (但し、式中R2及びR3は上記と同様の意味を示す。)
【0030】また、加水分解に使用する水の量は、式
(2)、式(3)の化合物に対して大過剰に使用し、具
体的には式(2)と式(3)の化合物の合計100重量
部に対して500〜3,000重量部の範囲とすること
が好ましい。加水分解に際し、まず水と溶媒の混合物に
式(2)で表される3−(ジクロロオルガノシリル)プ
ロピルメタクリレートをゆっくりと滴下し、次いで式
(3)で表されるクロロ(4’−フタル酸無水物)ジオ
ルガノシランをゆっくり滴下することが好ましく、これ
によって式(7)で表される化合物の副生を少なくする
ことができる。
【0031】反応終了後、トルエン、ジエチルエーテ
ル、イソプロピルエーテルなどの溶媒を加え、反応生成
物をこの溶媒層に移し、該溶媒層を採取した後、水洗
し、塩酸を除去し、その後溶媒を留去して式(1)で表
されるシロキサン誘導体の粗生成物を得ることができ
る。
【0032】なお、共加水分解の際、式(1)分子内の
酸無水物が加水分解されて、下記式(8)で表されるビ
ス(4’−フタル酸)シロキサン誘導体が一部生成する
ことがある。
【0033】
【化15】 (但し、式中R1、R2及びR3はそれぞれ上記と同様の
意味を示す。)
【0034】このため、共加水分解による粗生成物に、
無水酢酸を式(3)の化合物の仕込み量1モルに対して
1〜2モル加え、更に重合禁止剤、例えばハイドロキノ
ンモノメチルエーテルを添加し、トルエン、キシレンな
どの溶媒を用いて加熱脱水反応を行い、式(8)の化合
物を目的の式(1)のシロキサン誘導体に変換すること
が好ましい。この場合の反応温度は50℃〜溶媒の沸
点、好ましくは50〜90℃である。反応温度が余り低
すぎると反応の進行が遅すぎて実用的でなく、一方高す
ぎると生成物分子内のメタクリル基が重合して溶媒不溶
物になるおそれがある。反応時間は通常10分〜3時
間、代表的には30分〜1時間である。溶媒の使用量は
反応熱、容積効率等を考慮して決定すれば良い。反応
後、ヘキサン等を用いて再沈殿化を行うことにより、式
(1)で表されるシロキサン誘導体が得られる。
【0035】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。
【0036】[実施例1] (1)共加水分解 リフラックスコンデンサー、温度計、撹拌機及び滴下ロ
ートを備えた2リットルフラスコに純水500ml及び
テトラヒドロフラン150mlを仕込んだ後、フラスコ
内を5℃に冷却し、3−(ジクロロメチルシリル)−プ
ロピルメタクリレート(12.0g、5.0×10-2
ル)のテトラヒドロフラン溶液80mlを2時間かけて
滴下した。滴下終了後、反応溶液を撹拌しながら5℃で
1時間熟成させた。
【0037】熟成終了後、5℃に冷却しながら4−(ク
ロロジメチルシリル)−フタル酸無水物(24.0g、
1.0×10-1モル)のテトラヒドロフラン溶液220
mlを4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応溶液を
撹拌しながら25℃で12時間熟成させた。反応終了
後、トルエンを200ml加え、有機層を250mlの
水で3回洗浄した後、溶媒を減圧下に留去することによ
り無色液体31.8gを得た。
【0038】(2)加熱脱水 リフラックスコンデンサー、温度計及び撹拌機を備えた
500mlフラスコに反応生成物、無水酢酸(10.5
g、1.0×10-1モル)、トルエン150ml及びハ
イドロキノンモノメチルエーテル0.1gを加えた後、
反応溶液を撹拌させながら80℃で30分加熱した。加
熱終了後、ヘキサンを用いて再沈殿化を行うことにより
白色固体15.7gを得た(収率52%)。
【0039】得られた化合物について1HーNMR及び
赤外線吸収スペクトルによる同定を行った。その結果、
得られた化合物は下記式(1−a)で表される構造を有
することが確認された。
【0040】
【化16】
【0041】
【化17】
【0042】[実施例2] (1)共加水分解 リフラックスコンデンサー、温度計、撹拌機及び滴下ロ
ートを備えた2リットルフラスコに純水400ml及び
テトラヒドロフラン120mlを仕込んだ後、フラスコ
内を5℃に冷却し、3−(ジクロロメチルシリル)プロ
ピルメタクリレート(12.0g、5.0×10-2
ル)のテトラヒドロフラン溶液80mlを2時間かけて
滴下した。滴下終了後、反応溶液を撹拌しながら5℃で
1時間熟成させた。
【0043】熟成終了後、5℃に冷却しながら4−(ク
ロロジメチルシリル)−フタル酸無水物(8.0g、
3.3×10-2モル)のテトラヒドロフラン溶液150
mlを3時間かけて滴下した。滴下終了後、トルエンを
200ml加え、有機層を250mlの水で3回洗浄し
た後、溶媒を留去することにより、無色液体16.5g
を得た。
【0044】(2)加熱脱水 リフラックスコンデンサー、温度計及び撹拌機を備えた
500mlフラスコに反応生成物、無水酢酸(3.4
g、3.3×10-2モル)、トルエン100ml及びハ
イドロキノンモノメチルエーテル0.1gを加えた後、
反応溶液を撹拌させながら80℃で30分加熱した。加
熱終了後、ヘキサンを用いて再沈殿化を行うことによ
り、白色固体7.3gを得た(収率45%)。プロトン
NMR及びIR分析から生成物は下記式(1−b)で表
される構造の化合物であることが確認された。
【0045】
【化18】
【0046】以下、参考例を示し、本発明のメタクリル
基含有ビス(4’−フタル酸無水物)シロキサン誘導体
の利用例を示す。
【0047】[参考例1]上記実施例1で得られた式
(1−a)で表されるシロキサン誘導体(8.7g、
0.014モル)を窒素気流中でジエチレングリコール
ジメチルエーテル30gに溶解した溶液を調製した。次
に、この溶液に2,2ービス[4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル]プロパン(5.8g、0.014モ
ル)をジエチレングリコールジメチルエーテル30gに
溶解したアミン溶液を系の温度が40℃を越えないよう
に滴下した。滴下終了後、更に15時間撹拌を行い、ポ
リアミック酸溶液を得た。
【0048】次に、このポリアミック酸溶液に無水酢酸
(29g、0.28モル)とピリジン(11g、0.0
14モル)を加え、50℃で2時間撹拌した。反応後メ
タノールを用いて再沈殿化し、下記式(A)で表される
感光性ポリイミド12g(85%)を得た。
【0049】
【化19】
【0050】得られたポリイミド5gをトリエチレング
リコールジメチルエーテル15gに溶解し、更に2,4
−ジエチルチオキサントン0.1gと2−ベンジル−2
−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)
−ブタン−1−オン0.25gを加えて、感光性樹脂溶
液組成物を調製した。
【0051】得られた溶液をスピンナーでシリコンウェ
ーハ上に回転塗布し、次に80℃で1時間乾燥し、厚さ
2μmの塗膜を得た。この塗膜面をマスクを通して高圧
水銀灯(250W)で1分間露光した。露光後、ジエチ
レングリコールジメチルエーテルで現像し、2ープロパ
ノールでリンスを行い、これを150℃で1時間、更に
200℃で1時間加熱処理して鮮明な樹脂パターンを得
た。
【0052】得られたポリイミド樹脂皮膜の耐熱性は3
50℃以上であり、良好な耐熱性を示し、また、シリコ
ンウェーハに対する接着性も良好であった。
【0053】[参考例2]窒素気流中で実施例1で得ら
れた式(1−a)で表されるシロキサン誘導体(6.1
g、0.01モル)と3,3’,4,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸ニ無水物(2.9g、0.01モル)
をジエチレングリコールジメチルエーテル35gに溶解
した溶液を調製した。次に、この溶液に2,2−ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン
(8.2g、0.02モル)をジエチレングリコールジ
メチルエーテル35gに溶解したアミン溶液を系の温度
が40℃を越えないように滴下した。滴下終了後、更に
15時間撹拌を行い、ポリアミック酸溶液を得た。
【0054】次に、このポリアミック酸溶液に無水酢酸
(41g、0.4モル)とピリジン(16g、0.2モ
ル)を加え、50℃で2時間撹拌した。反応後、メタノ
ールを用いて再沈殿化し、下記式(B)で表される感光
性ポリイミド14g(84%)を得た。
【0055】
【化20】
【0056】得られたポリイミド5gをトリエチレング
リコールジメチルエーテル15gに溶解し、更に2,4
−ジエチルチオキサントン0.1gと2−ベンジル−2
−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)
−ブタン−1−オン0.25gを加え、これに下記構造
式を有する化合物(C)0.5gを添加した。
【0057】
【化21】
【0058】得られた感光性樹脂溶液組成物をスピンナ
ーでシリコンウェーハ上に回転塗布し、次に80℃で1
時間乾燥し、厚さ2mmの塗膜を得た。この塗膜面をマ
スクを通して高圧水銀灯(250W)で1分間露光し
た。露光後、ジエチレングリコールジメチルエーテルで
現像し、2−プロパノールでリンスを行い、これを15
0℃で1時間、更に200℃で1時間加熱処理して鮮明
な樹脂パターンを得た。得られたポリイミド樹脂皮膜の
シリコンウェーハに対する接着性は良好であった。
【0059】[参考例3]窒素気流中で、上記実施例2
で得られた式(1−b)で表されるシロキサン誘導体
(9.8g、0.01モル)と2,2−ビス(3,4−
ベンゼンジカルボン酸アンヒドリド)パーフルオロプロ
パン(4.4g、0.01モル)をジエチレングリコー
ルジメチルエーテル80gに溶解した溶液を調製した。
次に、この溶液に4,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル(4.0g、0.02モル)を加えて撹拌した。20
時間撹拌し、ポリアミック酸溶液を得た。
【0060】次に、このポリアミック酸溶液に無水酢酸
(41g、0.4モル)とピリジン(16g、0.2モ
ル)を加え、50℃で2時間撹拌した。反応後、メタノ
ールを用いて再沈殿化し、下記式(D)で表される感光
性ポリイミド14g(80%)を得た。
【0061】
【化22】
【0062】得られたポリイミド5gをトリエチレング
リコールジメチルエーテル15gに溶解し、更に3,
3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)
0.1gとN−フェニルグリシン0.25gを加えて感
光性樹脂溶液組成物を調製した。
【0063】得られた溶液をスピンナーでシリコンウェ
ーハ上に回転塗布し、次に80℃で1時間乾燥し、厚さ
3mmの塗膜を得た。この塗膜面をマスクを通して高圧
水銀灯(250W)で1分間露光した。露光後、ジエチ
レングリコールジメチルエーテルで現像し、2−プロパ
ノールでリンスを行い、これを150℃で1時間、更に
200℃で1時間加熱処理して鮮明な樹脂パターンを得
た。得られたポリイミド樹脂皮膜の耐熱性は350℃以
上であり、良好な耐熱性を示し、また、シリコンウェー
ハに対する接着性も良好であった。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のメタクリ
ル基含有ビス(4’−フタル酸無水物)シロキサン誘導
体は、シロキサン鎖の両末端にフタル酸無水物が結合
し、シロキサン鎖の側鎖にメタクリル基を有するもの
で、感光性ポリイミド樹脂の原料等として有用である。
また本発明のかかるシロキサン誘導体の製造方法によれ
ば、容易に、しかも高温で長時間の加熱が不要であるた
めメタクリル基が架橋するおそれがなく、その上任意に
メタクリル基の数をコントロールすることができるもの
である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/038 501 G03F 7/038 501 504 504 7/075 511 7/075 511 H01L 21/027 H01L 21/30 502R (72)発明者 秋葉 秀樹 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−263227(JP,A) 特開 平2−80415(JP,A) 特開 平5−202188(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるメタクリル
    基含有ビス(4’−フタル酸無水物)シロキサン誘導
    体。 【化1】 (但し、式中R、R及びRは各々互いに同一又は
    異種のメチル基、エチル基、プロピル基、ビニル基、ア
    リル基、フェニル基、トリル基及びベンジル基から選ば
    れる1価炭化水素基を示し、nは1〜20の整数であ
    る。)
  2. 【請求項2】下記一般式(2) 【化2】 (但し、式中Rはメチル基、エチル基、プロピル基、
    ビニル基、アリル基、フェニル基、トリル基及びベンジ
    ル基から選ばれる1価炭化水素基を示す。)で表される
    3−(ジクロロオルガノシリル)プロピルメタクリレー
    トと下記一般式(3) 【化3】 (但し、式中R及びRは各々互いに同一又は異種の
    メチル基、エチル基、プロピル基、ビニル基、アリル
    基、フェニル基、トリル基及びベンジル基から選ばれる
    1価炭化水素基を示す。)で表されるクロロ(4’−フ
    タル酸無水物)ジオルガノシランとを共加水分解するこ
    とを特徴とする請求項1記載のメタクリル基含有ビス
    (4’−フタル酸無水物)シロキサン誘導体の製造方
    法。
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