JPH05310942A - シルセスキオキサンラダーポリマー及びその製造方法 - Google Patents

シルセスキオキサンラダーポリマー及びその製造方法

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JPH05310942A
JPH05310942A JP4143338A JP14333892A JPH05310942A JP H05310942 A JPH05310942 A JP H05310942A JP 4143338 A JP4143338 A JP 4143338A JP 14333892 A JP14333892 A JP 14333892A JP H05310942 A JPH05310942 A JP H05310942A
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polymer
disilane
group
ladder polymer
polycondensation
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JP4143338A
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Yoshiharu Kimura
良晴 木村
Hideki Yamane
秀樹 山根
Shizuo Kitahara
静夫 北原
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 主鎖を構成するSi原子にシリル基が結合し
た新規なシルセスキオキサンラダーポリマー、及びその
製造方法を提供すること。 【構成】 構造式〔I〕 (式中、R1は、同じでも異なってもよく、有機基を表
す。)で表される繰り返し単位を有し、数平均分子量が
1,000〜500,000であるシルセスキオキサン
ラダーポリマー、及び 一般式〔II〕 (R13−Si−Si−(X)3 〔II〕 (式中、R1は有機基を表し、Xは加水分解性基を表
す。)で表されるジシラン化合物を加水分解縮重合させ
ることを特徴とするシルセスキオキサンラダーポリマー
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なシルセスキオキ
サン(silsesquioxane)ラダーポリマー
(ladder polymer)及びその製造方法に
関し、さらに詳しくは、レジスト材料、耐熱性コーティ
ング材料、光反応性高分子材料等として有用な分子側鎖
中にジシラン構造を有するシルセスキオキサンラダーポ
リマー及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オルガノシルセスキオキサンラダーポリ
マーは、溶剤に可溶な耐熱性ポリマーであり、例えば、
耐熱塗料、コーティング材料、絶縁材料等として、ある
いは半導体素子、磁気バブルメモリ素子、表面波フィル
タ素子等の微細パタ−ンを有する電子回路素子や配線パ
タ−ン等を作成する際に用いられるフォトレジストの構
成材料等として、各種分野での用途展開が期待できるた
め、その合成と応用についての検討が行われている。
【0003】従来、オルガノシルセスキラダーポリマー
としては、オルガノトリクロロシランを加水分解した
後、縮重合させることによって得られる種々のラダーポ
リマーが知られている。例えば、フェニルラダーポリシ
ロキサン(特公昭40−15989号公報、特開昭57
−18729公報、特開昭60−108841号公報、
特開平1−26639号公報等)、ポリアルキルセスキ
オキサン(特開昭50−111198号公報、特開昭6
1−108628号公報等)、及びポリアリルシルセス
キオキサン(特開昭62−283128号公報)などが
知られている。また、アリルシルセスキオキサンとクロ
ロメチルシルセスキオキサンとのラダーコポリマー(特
開平3−20331号公報)も知られている。
【0004】しかしながら、これら従来のラダーポリマ
ーは、いずれもはしご状の主鎖を構成するSi原子に置
換基としてフェニル基、アルキル基、ハロゲン置換アル
キル基、アリル基等の有機基が直接結合した構造のもの
であり、その溶液を塗布して製膜した場合、塗膜に亀裂
が生じ易く、しかも塗膜と被着体との密着性が低いとい
う問題点を有している。
【0005】これらの問題点を解決するために、置換基
として種々の極性基を導入したオルガノシルセスキラダ
ーポリマーの合成について検討されてきた。ラダーポリ
マーの特徴を生かしたレジスト材料への応用の試みとし
て、光反応性基の導入も検討されてきた。しかしなが
ら、主鎖を構成するSi原子に置換基として極性基や光
反応性基などの官能基を導入することは、合成条件が厳
しく、これまでに目的が達成されたとはいい難い。ま
た、従来、シリル基が結合したオルガノシルセスキオキ
サンラーダーポリマーは、知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような背景下に、
本発明者らは、オルガノシルセスキオキサンラダーポリ
マーの主鎖を構成するSi原子にシリル基が結合した構
造のラーダーポリマーを合成することができるならば、
ジシラン構造(Si−Si結合)の光反応性を利用した
レジスト材料や光反応性高分子材料などとしての用途展
開が可能であり、また、この光反応性によって従来問題
とされた塗膜の亀裂性と密着性を改善することが可能と
なるのではないかと考え、その合成についての検討を行
った。
【0007】本発明の目的は、主鎖を構成するSi原子
にシリル基が結合した新規なシルセスキオキサンラダー
ポリマーを提供することにある。また、本発明の目的
は、該シルセスキオキサンラダーポリマーの製造方法を
提供することにある。
【0008】本発明者らは、鋭意研究した結果、有機基
と加水分解性基を有する特定のジシラン化合物を加水分
解縮重合させることにより、主鎖を構成するSi原子に
シリル基が結合したジシラン構造を有するシルセスキオ
キサンラダーポリマーの得られることを見いだし、その
知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、構造式〔I〕
【0010】
【化2】 (式中、R1は、同じでも異なってもよく、有機基を表
す。)で表される繰り返し単位を有し、数平均分子量が
1,000〜500,000であるシルセスキオキサン
ラダーポリマーが提供される。
【0011】また、本発明によれば、一般式〔II〕 (R13−Si−Si−(X)3 〔II〕 (式中、R1は有機基を表し、Xは加水分解性基を表
す。)で表されるジシラン化合物を加水分解縮重合させ
ることを特徴とするシルセスキオキサンラダーポリマー
の製造方法が提供される。
【0012】以下、本発明について詳述する。本発明の
構造式〔I〕で表される繰り返し単位を有するシルセス
キオキサンラダーポリマーは、一般式〔II〕で表され
るジシラン化合物を加水分解縮重合させることによって
製造される。
【0013】原料として用いる一般式〔II〕で表され
るシジラン化合物は、通常、式中のR1がアルキル基、
アルキレン基等の炭素数が1〜5の炭化水素基;炭素数
が6〜10の置換または非置換フェニル基;から選択さ
れる有機基であり、Xがハロゲン原子;アセトキシ基、
ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシル基;メトキシ
基、エトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシル基;な
どから選択される加水分解性基である化合物である。
【0014】一般式〔II〕で表されるジシラン化合物
の具体例としては、1,1,1−トリメチル−2,2,
2−トリクロロ−ジシラン、1,1,1−トリメチル−
2,2,2−トリメトキシ−ジシラン、1,1,1−ト
リメチル−2,2,2−トリアセトキシ−ジシラン、
1,1,1−トリエチル−2,2,2−トリクロロ−ジ
シラン、1,1,1−トリエチル−2,2,2−トリメ
トキシ−ジシラン、1,1,1−トリメチル−2,2,
2−トリヒドロキシル−ジシラン、1,1,1−トリメ
チル−2,2,2−トリナフトキシ−ジシラン等が挙げ
られる。
【0015】これらのジシラン化合物は、以下に例示す
る方法によって合成することができる。先ず、トリフェ
ニルクロロシラン等のトリフェニルハロシランとトリメ
チルシラン等のトリアルキルシランとをNa−Kアロイ
の存在下にジエチルエ−テル中で反応させて、1,1,
1−トリアルキル−2,2,2−トリフェニルジシラン
を合成する。
【0016】次いで、1,1,1−トリアルキル−2,
2,2−トリフェニルジシランとアセチルハライドとを
シクロヘキサン等の溶媒中で無水塩化アルミニウムの存
在下に反応させることによって、1,1,1−トリアル
キル−2,2,2−トリクロロ−ジシランを合成する。
この場合、アセチルハライドに代えて酢酸を使用する
と、1,1,1−トリアルキル−2,2,2−トリアセ
トキシ−ジシランが得られる。また、アセチルハライド
に代えてアルコール類を使用すると、1,1,1−トリ
アルキル−2,2,2−トリアルコキシ−ジシランが得
られる。
【0017】一般式〔II〕で表されるジシラン化合物
を加水分解縮重合させるには、通常、氷冷下にジシラン
化合物の有機溶剤溶液と水を接触させて加水分解生成物
(プレポリマー)を生ぜしめ、該加水分解生成物を水の
非存在下に加熱して縮重合させて高分子量のシルセスキ
ラダーポリマーとする方法が採用される。加水分解縮重
合自体は、シラン化合物の公知の加水分解縮重合法を用
いることができ、特に限定されない。
【0018】シラン化合物の加水分解縮重合法として
は、例えば、オルガノトリクロロシランを用いて、加水
分解をトリエチルアミンやジエチルアミン等のアミン類
の存在下に行い、縮重合を塩酸トリメチルアミン等のア
ミンの塩の存在下に行う方法(特開昭53−88099
号公報)、イオン交換水を用いて加水分解を行い、カル
ボジイミド類を触媒として縮重合させる方法(特公昭5
8−50657号公報)、縮重合を窒素加圧下に行う方
法(特開昭59−228885号公報)、オルガノトリ
アセトキシシランを用い、水及び/またはアルコ−ルと
反応させてアルコキシアセトキシシランを生成させ、炭
酸水素ナトリウムの存在下に縮重合させてプレポリマ−
を得、これをアルカリまたはアルカリ土類金属の水酸化
物等の存在下にさらに加熱縮重合させる方法(特開平3
−20331号公報)等の方法が知られている。
【0019】本発明におけるジシラン化合物を用いた加
水分解縮重合法の具体例としては、(1)蒸留水を入れ
た反応容器を氷浴中で冷却しながら、窒素ガス雰囲気下
で、ジシラン化合物の有機溶媒溶液を反応容器内に滴下
する方法、あるいは(2)ジシラン化合物の有機溶媒溶
液を入れた反応容器を氷浴中で冷却しながら、窒素ガス
雰囲気下で、蒸留水を反応容器内に滴下する方法などが
あり、反応生成物は、炭酸水素ナトリウムで中和する。
有機溶剤としては、トルエンなどの芳香族炭化水素が好
ましい。
【0020】このようにして得られた加水分解生成物
(プレポリマー)は、反応混合物から分離して、有機溶
媒に溶解し、縮重合させる。有機溶媒としては、トルエ
ン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素;メチルエ
チルケトン、アセトン等のケトン類;テトラヒドロフラ
ン、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル等のエー
テル類;等の加水分解生成物を溶解する溶媒が選択され
る。好ましくは、非水の芳香族炭化水素である。加水分
解生成物の濃度は、特に制限されないが、通常、70重
量%以下である。
【0021】縮重合させる場合、通常、触媒としてカル
ボジイミド類;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の
アルカリ金属水酸化物;トリエチルアミン等のアミン
類;p−トルエンスルホン酸等のアリ−ルスルホン酸水
和物;酢酸亜鉛;等が用いられる。カルボジイミド類と
しては、ジベンジルカルボジイミド、ジエチルカルボジ
イミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジ−n−ブチ
ルカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、
ジフェニルカルボジイミド、ジ−p−ジメチルアミノカ
ルボジイミド、ジ−p−トリカルボジイミド、t−ブチ
ルシクロヘキシルカルボジイミド、メチル−t−ブチル
カルボジイミド等が挙げられる。
【0022】これらの触媒は、上記の溶媒に溶解するこ
とが必要である。使用量は、生成するラダーポリマーの
分子量によって決定されるが、通常、加水分解生成物1
重量部当り0.005〜0.5重量部の範囲である。縮
重合反応は、低温では反応速度が遅いので、通常は0〜
250℃で行われる。触媒としてカルボジイミド類を使
用すると、このものは脱水縮重合の過程で尿素誘導体と
して析出するので、縮重合反応終了後、析出した尿素誘
導体を濾別し、反応溶液をメタノール等に注ぐことによ
ってシルセスキオキサンラダーポリマーを沈澱物として
得ることができる。
【0023】本発明のシルセスキオキサンラダーポリマ
ーは、触媒添加量、反応温度、反応時間等を調整するこ
とにより、低分子量のものから高分子量のものまで合成
することができるが、通常、ゲルパーミエーションクラ
マトグラフィー(GPC)測定による数平均分子量(標
準ポリスチレン換算)が1,000〜500,000の
範囲にある。上記の方法で得られるシルセスキオキサン
ラダーポリマーは、下記の一般式〔III〕で表される
はしご状のポリマーである。
【0024】
【化3】
【0025】上記の方法で得られるシルセスキオキサン
ラダーポリマーは、重合体鎖の末端にOH基が結合して
いるが、縮重合反応を停止する際に停止剤としてトリメ
チルクロロシラン等のオルガノモノハロゲノシランやト
リメチルイソシアネ−トシラン等のオルガノモノイソシ
アネ−トシラン等のシリル化剤を用いることにより、重
合体鎖末端がシリル化されたラダーポリマーとすること
もできる。また、OH基と反応性することができる原子
団を有する化合物、例えば、アセチルクロライド、アク
リル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等と反応さ
せることによって、他の末端基にすることができる。
【0026】本発明においては、上記のジシラン化合物
〔II〕と共に、一般式〔IV〕 R2−Si−(X)3 〔IV〕 (式中、R2は前記R1と同じ有機基であり、Xも前記と
同じ加水分解性基を表す。)で表される示されるシラン
化合物を用いることにより、シルセスキオキサンラダー
コポリマーを製造することができる。
【0027】このようなシラン化合物としては、例え
ば、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラ
ン、プロピルトリクロロシラン、メチルトリブロモシラ
ン、ビニルトリクロロシラン、プロペニルトリクロロシ
ラン、アリルトリクロロシラン、ビニルトリブロモシラ
ン、フェニルトリクロロシラン、トリルトリクロロシラ
ン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシ
シラン、ビニルトリアルコキシシラン、(メタ)アクリ
ロキシアルキルトリアルコキシシラン、フェニルトリア
ルコキシシラン等が挙げられる。ジシラン化合物とシラ
ン化合物との使用割合は任意であり、用途に適した組合
せ、及び使用割合を適宜選択することができる。加水分
解縮重合は、ジシラン化合物の場合と全く同様に行うこ
とができる。また、同様に、重合体鎖末端をシリル化等
に変換することもできる。
【0028】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例中の部数及び%は、特に断わりがない
限り重量基準である。
【0029】[合成例] (1,1,1−トリメチル−2,2,2−トリフェニル
ジシランの合成)撹拌装置、滴下漏斗、窒素導入口、及
び還流冷却管を備えた2リットルの三口フラスコを減圧
乾燥した後、窒素置換した。これに250mlのトルエ
ン、4.2gのナトリウム、18.9gのカリウムを加
え、100℃まで徐々に昇温し、ナトリウム−カリウム
アロイ(Na−K)を得た。その後、室温まで放冷し、
トルエンをできるだけ除去し、さらに500mlのジエ
チルエーテルを加えた。これを、室温で激しく撹拌し、
Na−Kを細かく分散させ、トリフェニルクロロシラン
50gを溶解させたジエチルエーテル溶液600mlを
徐々に滴下した。滴下終了後、室温でさらに約36時間
撹拌を続けた。
【0030】次いで、トリメチルクロロシラン32.4
mlを溶解したジエチルエーテル溶液230mlを徐々
に滴下し、室温で約10時間撹拌を続けた。この反応溶
液に約300mlの蒸留水を注意して滴下し反応を終了
させた。
【0031】得られた反応溶液を分液漏斗に移し、有機
層を分離して、無水硫酸ナトリウムで一日乾燥した。無
水硫酸ナトリウムを濾別し、ジエチルエーテルを留出す
ると白色の固体が得られた。95%エタノール水溶液で
二度再結晶を行い、50℃で10時間減圧乾燥し、3
8.7gの1,1,1−トリメチル−2,2,2−トリ
フェニルジシラン(CH33Si−Si(C653
無色の針状結晶を得た(収率70%、m.p.108
℃)。
【0032】(1,1,1−トリメチル−2,2,2−
トリクロロジシランの合成)撹拌装置、滴下漏斗、窒素
導入口、及び還流冷却管を備えた300mlの三口フラ
スコを減圧乾燥した後窒素置換した。その中に上記の方
法で得た1,1,1−トリメチル−2,2,2−トリフ
ェニルジシラン20gと無水塩化アルミニウム33.6
gを入れ、200mlのシクロヘキサンに溶解させた。
この溶液を室温で撹拌しながらアセチルクロライド1
4.9mlを徐々に滴下し、3時間撹拌を続けた。
【0033】生成した沈澱物を窒素気流下でデカンテー
ションにより除去した。これを窒素気流中で常圧蒸留に
付し、シクロヘキサンとアセチルクロライドを留出し
た。引き続き減圧蒸留により1,1,1−トリメチル−
2,2,2−トリクロロジシラン(CH33Si−Si
Cl3の無色の針状結晶8.1gを単離した(収率70
%、m.p.108℃、b.p.65℃/40mmH
g)。
【0034】[実施例1] (加水分解)撹拌装置、温度計を備えた500mlの三
口フラスコに蒸留水200mlを入れた。減圧乾燥した
窒素導入口を備えた滴下漏斗を窒素置換し、この中に上
記の方法で得た1,1,1−トリメチル−2,2,2−
トリクロロジシラン5gを溶解させたトルエン溶液15
0mlを入れた。この滴下漏斗をフラスコに取り付け、
窒素を流しながら徐々に滴下した。この際、フラスコ内
の蒸留水を氷浴中で激しく撹拌した。滴下終了後、約3
時間撹拌を継続し反応を完結させた。反応溶液を分液漏
斗に移し、有機層を分離した。これを炭酸水素ナトリウ
ム水溶液で洗浄中和し、無水硫酸ナトリウムで一日乾燥
した後、溶媒を流出させることにより無色の加水分解生
成物2.6gを得た。
【0035】(縮重合)上記の加水分解生成物の全量を
トルエンに50%濃度となるように溶解し、触媒として
ジシクロヘキシルカルボジイミド1.3gを添加した。
この溶液を還流冷却管を取り付けた20mlのフラスコ
に入れ、110℃で約12時間還流させた。反応後、析
出した白色沈澱(尿素化合物、ゲル化物)を濾別した。
濾液を大過剰のメタノ−ル中に注ぎ、白色の沈澱物を得
た。沈澱物を分離して、50℃で10時間減圧乾燥し
た。
【0036】得られた縮重合体(ポリマー)のGPCで
測定した標準ポリスチレン換算の数平均分子量は2,0
00であった。図1に、このポリマーのIRスペクトル
を示したが、シルセスキオキサンラダーポリマーである
ことを示すSi−O−Si結合の伸縮振動に基づく11
00cm-1と1050cm-1付近のダブルピークが観測
された。このポリマーがジシラン構造を有することは、
元素分析により、Siの理論値43.6%に対し分析値
が44%であることから明らかである。
【0037】また、図2に、このポリマーの熱天秤によ
る窒素雰囲気中での熱重量分析(TGA)の結果を示し
たが、残留量の重量分率は38%であり、ポリマー中の
全ての−Si(CH33が脱離した場合の理論値が44
%であることから、Si−Si結合が開裂し、−Si
(CH33基が脱離したことを示している。
【0038】[実施例2]実施例1における加水分解
を、フラスコに1,1,1−トリメチル−2,2,2−
トリクロロジシランのトルエン溶液を入れ、蒸留水を滴
下漏斗より徐々に滴下させる以外は同じ方法で縮重合体
を得た。得られたポリマーのGPCで測定した数平均分
子量は12,600であった。
【0039】IRスペクトルのダブルピークの存在、S
iの元素分析結果、及び熱重量分析の結果から、このポ
リマーがシルセスキオキサンラダーポリマーであること
が分かった。
【0040】
【発明の効果】本発明のシルセスキオキサンラダーポリ
マーは、ジシラン構造を有する光反応性を有するラダー
ポリマーである。その光反応性によって、塗膜の亀裂性
や密着性が改善される。本発明のラダーポリマーは、レ
ジスト材料や光反応性高分子材料等として種々の分野で
用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得たポリマーのIR(赤外吸収)ス
ペクトルである。
【図2】実施例1で得たポリマーの熱重量分析の結果で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/027 H05K 3/06 6921−4E

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造式〔I〕 【化1】 (式中、R1は、同じでも異なってもよく、有機基を表
    す。)で表される繰り返し単位を有し、数平均分子量が
    1,000〜500,000であるシルセスキオキサン
    ラダーポリマー。
  2. 【請求項2】 一般式〔II〕 (R13−Si−Si−(X)3 〔II〕 (式中、R1は有機基を表し、Xは加水分解性基を表
    す。)で表されるジシラン化合物を加水分解縮重合させ
    ることを特徴とするシルセスキオキサンラダーポリマー
    の製造方法。
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