JP2852956B2 - ヒドラゾン誘導体及びこれを含有する電子写真感光体 - Google Patents

ヒドラゾン誘導体及びこれを含有する電子写真感光体

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JP2852956B2 JP10471690A JP10471690A JP2852956B2 JP 2852956 B2 JP2852956 B2 JP 2852956B2 JP 10471690 A JP10471690 A JP 10471690A JP 10471690 A JP10471690 A JP 10471690A JP 2852956 B2 JP2852956 B2 JP 2852956B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電荷輸送物質として有用な新規ヒドラゾン誘
導体及び当該化合物を用いた電子写真感光体に関する。
〔従来の技術〕
近年電子写真感光材料として広く用いられるものに、
無機系の光導電性物質としてはα−セレン、硫化カドミ
ウム、酸化亜鉛、α−シリコン等があり、また、有機系
の光導電性物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾー
ル、ポリビニルアンスラセンをはじめとする種々の光導
電性ポリマーがある。しかし、これらの光導電性物質は
それぞれ、価格、性能、毒性などの少なからず問題を有
している。
これらの欠点を補い、また高感度化を目的として光導
電性物質の2つの機能、即ち、電荷の発生した電荷の輸
送を、それぞれ別個の物質により行わしめようとする方
法が盛んに提案されている。これらの方式においては、
電荷担体の発生効率の大きい物質(電荷発生物質)と電
荷輸送能力の大きい物質(電荷輸送物質)とを組合せる
ことにより、高感度の電子写真感光体が得られる可能性
が予想される。しかし、電子写真感光体に要求される諸
特性、すなわち、高い表面電位と電荷保持能力を有し、
高感度が高く、残留電位が殆んどない等の特性を同時に
満足するか否かは単にこれらの組合せだけでは予想でき
ない。
また、低分子の有機光導電性物質を用いた場合、これ
ら自体はフィルム形成能力を持たないため、高分子結着
剤に溶解又は分散させてフィルムを形成させる必要があ
る。しかし、分散させた場合は均一なフィルムを得るこ
とが困難であり、溶解させた場合であっても結着剤に対
する溶解性の低いものは経時的に結晶が析出し、電子写
真性能が著しく低下してしまうという問題を有してい
る。このため、有機光導電性物質の結着剤に対する溶解
性の高さが要求される。
一方、本発明に関連するヒドラゾン誘導体あるいはス
テリル化合物誘導体の電子写真感光体への応用として
は、テレフタルアルデヒドビスジフェニルヒドラゾン
(特開昭57−67933号公報)、4−(4′−メトキシス
チリル)ベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン(特開
平2−10367号公報)、ジスチリル化合物誘導体(特開
昭63−269158号公報)などを用いることが知られてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記化合物を電荷輸送物質として使用
した電子写真感光体は、テレフタルアルデヒドジフェニ
ルヒドラゾン又はジスチリル化合物誘導体を用いた場合
には、高分子結着剤に対する溶解性が悪く、実用性に問
題があった。また、4−(4′−メトキシスチリル)ベ
ンズアルデヒドジフェニルヒドラゾンを用いた場合に
は、光感度が充分でなく、残留電位も大きく、さらに電
子写真プロセスに従って反復使用した場合、もとの帯電
特性を回復する能力が低下したり、残留電位が上昇する
等の感光体としての寿命を短くする等の実用上の問題点
を有している。
また、近年電子写真方式の複写機、或はプリンター等
の高速化、小型化に伴い、感光体に対して速い応答性が
要求されているが、これらの要求は未だ満足されていな
いのが実状である。
従って、本発明の目的は、高分子結着剤との相溶性が
良好であり、充分な光感度を有し、残留電位が少なく、
くり返し使用しても光疲労が少なく、高速応答性に優れ
た電荷輸送物質及びこれを用いた電子写真感光体を提供
することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、かかる実情に鑑み、鋭意研究を重ねた
結果、後記一般式(I)で表わされるヒドラゾン誘導体
が、上記課題を解決する優れた電荷輸送物質であること
を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の一般式(I) (式中、R1及びR2は同一又は異なってもよく、それぞれ
水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、メトキシ基又は
エトキシ基を示し、R3及びR4は同一又は異なっていても
よく、それぞれ低級アルキル基、ベンジル基、置換基を
有していてもよいフェニル基又はナフチル基を示すか、
R3とR4が結合して隣接する窒素原子と共に形成する複素
環を示す) で表わされるヒドラゾン誘導体及びこれを含有する電子
写真感光体に関する。
上記一般式(I)中、R1及びR2で示される炭素数1〜
5のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、
プロピル基等が挙げられる。R3とR4で示される低級アル
キル基としては、炭素数1〜5の直鎖又は分枝アルキル
基が挙げられ、置換基を有していてもよいフェニル基と
しては、フェニル基、o−、m−又はp−トリル基、o
−、m−又はp−メトキシフェニル基等が挙げられ、R3
とR4が結合して形成される複素環としては、インドリン
環、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン環、ピペリジン
環、カルバゾール環、1,2,3,4−テトラヒドロキナルジ
ン環等が挙げられる。
本発明において、一般式(I)で表わされるヒドラゾ
ン誘導体の特に好ましい具体例としては、第1表に示す
ものが挙げられる。
本発明のヒドラゾン誘導体(I)は、例えば次の反応
式に従って製造される。
(式中、R1、R2、R3及びR4は前記と同じ意味を有する) すなわち、ホルミル体(II)及び1,1−置換ヒドラジ
ン又はその塩酸塩(III)を、縮合剤の存在下に溶媒中
で反応させることにより製造することができる。
縮合剤としては、例えばピリジン、トリエチルアミン
等の3級アミン;無機酸;酢酸等の有機酸が、溶媒とし
ては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール
類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテ
ル類;その他N,N−ジメチルホルアミド、酢酸等が挙げ
られ、これらは単独又は2種以上を組合せて用いること
ができる。
反応は、ホルミル体(II)に、等モル又はやや過剰の
1,1−置換ヒドラジン又はその塩酸塩(III)を、室温か
ら溶媒の還流温度で1〜10時間程度反応させることによ
り行われる。
原料のホルミル体(II)は、例えば次の反応式に従っ
て合成することができる。
(式中、R1及びR2は前記と同じ意味を有し、R5はメチル
基又はエチル基を示す) すなわち、ベンゾフェノン誘導体(IV)とp−シアノ
ベンジル亜燐酸ジアルキル(V)を塩基の存在下に反応
させてニトリル体(VI)を得、次いでヒドリド還元剤を
用いて還元した後、酸性条件下で加水分解することによ
り合成される。ここで、ヒドリド還元剤としては、例え
ば水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナ
トリウム(Vitride)、水素化ジイソブチルアルミニウ
ム(DIBAH)などが挙げられる。
次に、本発明に係る電子写真感光体について代表的な
例を挙げて説明する。
第1図は、本発明に係る電子写真感光体の一例を示す
ものである。導電性支持体1の上に、電荷発生物質2を
主体とする電荷発生層3と、本発明化合物(I)を均一
に含有する電荷輸送層4とからなる感光層5を設けてな
るものである。
すなわち、第1図に示す感光体においては、電荷輸送
層を透過した光が、電荷発生層中に分散された電荷発生
物質に到達して電荷を発生させ、電荷輸送層は、この電
荷の注入を受けてその輸送を行うものである。
第1図の感光体を製作するには、まず導電性支持体上
に電荷発生物質を真空蒸着する、電荷発生物質の微
粒子を必要に応じて結着剤と混合分散して得られる分散
液を塗布し、乾燥する、電荷発生物質を適当な溶剤に
溶解した溶液を塗布し、乾燥する、などの手段により電
荷発生層を形成する。次にこの電荷発生層の上に、化合
物(I)と結着剤とを均一に溶解した溶液を、塗布乾燥
して電荷輸送層を形成させることによって感光体が得ら
れる。塗布は通常の手段、例えばドクターブレード、ワ
イヤーバーなどを用いて行われる。
電荷発生層の厚さは5μm以下、好ましくは2μm以
下である。電荷輸送層の厚さは3〜50μm、好ましくは
5〜20μmである。また、電荷輸送層中への化合物
(I)の配合割合は10〜90重量%(以下単に「%」で示
す)、好ましくは30〜70%であり、他の電荷輸送物質と
混合して用いることもできる。
本発明における電荷発生物質とは、一般に光を吸収し
て電荷を発生させるものである。無機材料としては、例
えばアモルファスセレン、セレン化砒素、硫化カドミウ
ム、アモルファスシリコンなどが挙げられ;有機材料と
しては、例えばアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、イ
ンジゴ系顔料、ペリレン系顔料、スクアリウム系顔料、
多環キノン系顔料、ピリリウム系染料、ピロロピロール
系顔料などが挙げられる。
導電性支持体としてはアルミニウムなどの金属板、金
属箔又は金属管、アルミニウムなどの金属を蒸着したプ
ラスチックフィルム、導電処理を施した紙などが用いら
れる。
また、結着剤としては、ポリエステル樹脂、ポリ塩化
ビニル、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン
樹脂、ポリカーボネート樹脂などが用いられるが、なか
でもポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂が好適で
ある。
第2図及び第3図に本発明に係る写真感光体の他の例
を示す。すなわち第2図は、導電性支持体1の上に、電
荷発生物質の微粒子を結着剤と共に混合分散して得られ
る分散液に、化合物(I)を含む電荷輸送物質を均一に
溶解させた塗液を塗布、乾燥して作られた感光層5を設
けてなるものである。この場合の感光層の厚さは50〜50
μm、好ましくは10〜25μmである。また第3図は導電
性支持体1の上に、第1図の構成とは逆に化合物(I)
を含有する電荷輸送層を形成し、その上に電荷発生層を
形成したものである。
また、必要に応じて導電性支持体1と感光層5の間に
下引き層を設けてもよい。下引き層としては、ポリアミ
ド、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、カゼイン、
ニトロセルロース、ゼラチンなどが用いられる。下引き
層の膜厚は0.1〜1μmが好適である。
〔実施例〕
次に合成例、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
合成例1 化合物(A)〔式(VI)中、R1=R2=p−CH3O〕の合
成: 4,4′−ジメトキシベンゾフェノン〔式(IV)中、R1
=R2=p−CH3O〕6.0g(25ミリモル)とパラシアノベン
ジル亜燐酸ジエチル〔式(V)中、R5=CH3CH2〕7.0g
(31ミリモル)を乾燥、N,N−ジメチルホルムアミド200
ml中に溶かし、カリウムt−ブトキシド3.5g(31ミリモ
ル)を数回に分け、27〜29℃で30分かけて加えた。終夜
80℃にて反応させ、室温に冷却した後水100mlを加え、
析出した結晶を濾過によりとり出した。母液はベンゼン
にて抽出し、抽出液を、飽和食塩水洗後、乾燥(MgS
O4)し、減圧下にて溶媒を留去した。残渣と先の結晶を
あわせ、シリカゲル(70〜230メッシュ,ナカライテス
ク株式会社製)を充填したカラムクロマトグラフィー
(溶媒:ベンゼン)で精製して、5.1gの黄色結晶を得た
(収率60%)。このものの物性値は、以下のとおりであ
った。
融点118.5〜119.5℃1 H−NMR(CDCl3);δ3.82(s,3H),3.84(s,3H),6.79
(s,1H),6.85−6.88(m,4H),7.06−7.10(m,4H),7.2
5−7.27(m,2H),7.38−7.40(m,4H) MS(m/e値,%);342,341(M+),190,121 合成例2 化合物(B)〔式(II)中、R1=R2=p−CH3O〕の合
成: 合成例1で得たニトリル化合物(A)〔式(VI)中、
R1=R2=p−CH3O〕5.0g(14.6ミリモル)をトルエン10
0ml中に溶かし、水素化ジイソブチルアルミニウム(1M
ヘキサン溶液)16.0ml(16.0ミリモル)を−20℃で15分
かけて適下した。その後、徐々に昇温しながら(−20℃
〜室温)、終夜反応した。反応混合物を氷浴にて冷却し
ながら、3mlのメタノール、つづいて3mlの水を徐々に加
えた。次に40%の硫酸水溶液100mlを加え、室温にて2
時間攪拌した。トルエンにて抽出し(150ml×2)、有
機層を水洗、乾燥(MgSO4)濃縮した。残渣をシリカゲ
ル(70〜230メッシュ,ナカライテスク株式会社製)を
充填したカラムクロマトグラフィー(溶媒:ベンゼン)
で精製して、4.0gの結晶を得た(収率80%)。このもの
の物性値は以下のとおりであった。
融点 134〜135.5℃1 H−NMR(CDCl3);δ3.85,3.86(s,6H),6.85−6.90
(m,5H),7.10(d,J=8.3Hz,2H),7.18(d,J=8.4Hz,2
H),7.25−7.33(m,2H),7.65(d,J=8.3H,2H),9.89
(s,1H) MS(m/e値,%);344(M+),165,43 合成例3 例示化合物1〔式(I)中、R1=R2=p−CH3O,R3=R4
=C6H5〕の合成: 合成例2で合成したアルデヒド化合物(B)〔式(I
I)中、R1=R2=p−CH3〕2g(5.8ミリモル)、塩酸1,1
−ジフェニルヒドラジン1.5(7.0ミリモル)及びピリジ
ン(数滴)を60mlのエタノール中で3時間還流下、撹拌
した。反応混合物を室温に冷却し、終夜放置したのち、
析出した結晶を濾取した。濾取した結晶をシリカゲル
(70〜230メッシュ,ナカライテスク株式会社製)を充
填したカラムクロマトグラフィー(溶媒:ベンゼン)に
て精製し、3.24gの結晶を得た。エタノール(50ml)、
酢酸エチル(25ml)より成る混合溶媒より再結晶して1.
31gの黄色結晶を得た(収率44.1%)。このもの物性値
は以下のとおりであった。
融点 179.5〜180℃1 H−NMR(CDCl3);δ3.82,3.85(s,6H),6.78−6.90
(m,5H),7.00(d,J=8.3Hz,2H),7.05(s,1H),7.10
(d,J=8.8Hz,2H),7.15−7.22(m,6H),7.23−7.30
(m,2H),7.32−7.45(m,6H) MS(m/e値,%);510(M+),341,315,168 合成例4 例示化合物3〔式(I)中、R1=R1=H,R3=R4=C6H5
の合成: 合成例2の方法と同様に合成したアルデヒド化合物
〔例(II)中、R1=R2=H〕2g(7.0ミリモル)、塩酸
1,1−ジフェニルヒドラジン1.6g(7.2ミリモル)及びピ
リジン(数滴)を合成例3と同様に反応させ、後処理し
て、1.6gの結晶を得た(収率50.7%)。このものの物性
値は以下のとおりであった。
融点 125〜127℃1 H−NMR(CDCl3);δ6.90−7.03(m,3H),7.05(s,1
H),7.10−7.45(m,22H) MS(m/e値,%);450(M+),168 合成例5 例示化合物6〔式(I)中、R1=R2=p−CH3O−,R3=C
6H5,R4=CH3〕の合成: 合成例2で合成したアルデヒド化合物(B)〔式(I
I)中、R1=R2=p−CH3O−〕1.0g(2.9ミリモル)、1
−メチル−1−フェニルヒドラジン0.41g(3.34ミリモ
ル)及び酢酸(数滴)をエタノール50ml中で1時間還流
下撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、終夜放置した
のち、析出した結晶を濾取した。濾取した結晶をシリカ
ゲル(70〜230メッシュ,ナカライテスク株式会社製)
を充填したカラムクロマトグラフィー(溶媒:ベンゼ
ン)で精製し、1.35gの油状物を得た。エタノール(50m
l)、酢酸エチル(25ml)より成る混合溶媒より結晶化
させると1.01gの黄色結晶が得られた(収率77.6%)。
このものの物性値は以下のとおりであった。
融点 158.0〜159.2℃1 H−NMR(CDCl3);δ3.40(s,3H),3.35,3.37(s,6
H),6.80−6.95(m,6H),7.02(d,J=8.3Hz,2H),7.13
(d,J=8.7Hz,2H),7.20−7.40(m,6H),7.40−7.50
(m,3H) MS(m/e値,%);448(M+),341,315,106 合成例6 例示化合物7〔式(I)中、R1=R2=p−CH3O−,R3
=C6H5,R4=C6H5CH3〕の合成: 合成例2で合成したアルデヒド化合物(B)〔式(I
I)中、R1=R2=p−CH3O−〕1.0g(2.9ミリモル)、1
−ベンジル−1−フェニルヒドラジン塩酸塩0.75g(3.2
ミリモル)及びピリジン(数滴)を合成例3と同様に反
応させ、後処理を行っところ、1.06gの黄色結晶が得ら
れた(収率70.0%)。このものの物性値は以下のとおり
であった。
融点 168.5〜170.0℃1 H−NMR(CDCl3);δ3.82,3.85(s,6H),5.65(s,2
H),6.75−6.88(m,5H),6.93(t,J=8.3Hz,1H),7.00
(d,J=8.3Hz,2H),7.14(d,J=8.7Hz,2H),7.15−7.40
(m,14H) MS(m/e値,%);524(M+),433,325,91 合成例7 例示化合物13〔式(I)中、 の合成: 合成例2で合成したアルデヒド化合物(B)〔式(I
I)中、R1=R2=p−CH3O〕0.69g(2.0ミリモル)、1
−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロキナルジン0.5g(3.1
ミリモル)及び酢酸(数滴)を合成例5と同様に反応さ
せ、同様に処理して580mgの黄色結晶を得た(収率59.4
%)。このものの物性値は以下のとおりであった。
融点 165〜166℃1 H−NMR(CDCl3);δ1.23(d,J=6.4Hz,3H),1.92−2.
18(m,2H),2.65−2.75(m,1H),2.92−3.05(m,1H),
3.81,3.85(s,6H),4.40−4.52(m,1H),6.75−6.90
(m,6H),7.00−7.08(m,3H),7.10−7.20(m,3H),7.2
0−7.30(m,2H),7.45−7.55(m,3H),7.78(d,J=8.1H
z,1H) MS(m/e値,%);488(M+),343,315,283,244,132,18 合成例8 例示化合物14〔式(I)中、 の合成: 合成例2で合成したアルデヒド化合物(B)〔式(I
I)中、R1=R2=p−CH3O〕1.0g(2.9ミリモル)、1−
アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン590mg(3.8ミ
リモル)及び酢酸(数滴)を合成例5と同様に反応さ
せ、後処理を行うと、690mgの黄色結晶が得られた(収
率50%)。このものの物性値は以下のとおりであった。
融点 185〜186℃1 H−NMR(CDCl3);δ2.10−2.20(m,2H),2.75(t,J=
6.5Hz,2H),3.67(t,J=6.5Hz,2H),3.82,3.85(s,6
H),6.75−6.90(m,6H),6.95−7.05(m,3H),7.08−7.
20(m,3H),7.22−7.30(m,2H),7.40−7.50(m,3H),
7.75(d,J=8.3Hz,1H) MS(m/e値,%);474(M+),456,312,186,71,28 実施例1〜3及び比較例1〜3 (i)クロルシアンブルー0.2gを、ポリカーボネート樹
脂(三菱瓦斯化学株式会社製「ユーピロンE−2000」)
を5%含有するジクロロエタン溶液4gに混ぜ、ジクロロ
エタン20mlを加えたのち、振動ミルを用いて1μm以下
に粉砕して電荷担体発生顔料の分散液を作り、これをア
ルミニウムを蒸着したポリエステルフィルム上に、ワイ
ヤーバーを用いて塗布し、45℃で乾燥して、約1μmの
厚さに電荷担体発生層を作った。
一方、化合物(I)の代表例として前記した例示化合
物1,3及び6のそれぞれ0.2gを上記ポリカーボネート樹
脂を10%含有するジクロロエタン溶液2gに溶解させて電
荷輸送層形成液をつくり、これを上記電荷担体発生層上
にドクターブレードを用いて、乾燥時膜厚約20μmにな
るように塗布し、80℃で2時間乾燥して感光体を作製し
た。
(ii)この感光体について静電複写紙試験装置「SP−42
8型」(川口電機製作所製)を用いてスタティック方式
により電子写真特性を測定した。すなわち、前記感光体
を、−6KVのコロナ放電を5秒間行って帯電させ、表面
電位V0(−ボルト)を測定し、これを暗所で5秒間保持
した後、タングステンランプにより照度5ルックスの光
を照射し、表面電位を1/2及び1/6に減衰させるに必要な
露光量E1/2(ルックス・秒)及びE1/6(ルックス・
秒)、さらに照度5ルックスの光を10秒間照射した後の
表面電位VR(−ボルト)を測定した。結果を第2表に示
す。
比較化合物として下記に示す特開平2−10367号公報
に開示されているヒドラゾン化合物(融点177.5〜179.0
℃)〔比較化合物(1)〕を用い、上記(i)と同様な
感光体を作製し、(ii)と同様に試験した。
また特開昭57−67933号公報に開示されているビスヒ
ドラゾン化合物(融点249.0〜251.5℃)〔比較化合物
(2)〕、特開昭63−269158号公報に開示されているジ
スチリル化合物(融点212〜214℃)〔比較化合物
(3)〕及び、ジスチリル化合物(融点198〜199℃)
〔比較化合物(4)〕をそれぞれ用い、上記(i)と同
様な感光体を作製しようと試みたが、ポリカーボネート
樹脂を10%含有するジクロロエタン溶液に溶解すること
が出来ず、測定が不可能であった。
第2表の結果から明らかなように、本発明の各例示化
合物はいずれも比較化合物(1)に対して低い残留電位
(VR)を示し、更に表面電位を減衰させるのに必要な露
光量E1/2及びE1/6の値が低いことより、感度において
優れていることが明らかである。また初期の表面電位
(V0)についても実用に耐えうる十分に高い値を示して
いる。
更に、高分子結着剤への相溶性も問題なく、実用的で
あることがわかる。
実施例4〜7及び比較例5 ポリエステルフィルム上に蒸着したアルミニウム薄膜
上に、チタニウムフタロシアニンを10-6Torrで約0.8μ
mの厚さに真空蒸着し、電荷発生層を形成した。10%ポ
リカーボネート樹脂を含有するジクロロエタン溶液2g
に、例示化合物1,6,7及び13のそれぞれ0.2gを溶解させ
てなる電荷輸送層形成液を電荷発生層の上にドクターブ
レードを用いて乾燥時膜厚22μmになるように塗布し、
80℃、3時間乾燥して感光体を作製した。この感光体に
ついて実施例1(ii)と同様にして測定した。
比較化合物として、比較例1で使用したヒドラゾン化
合物〔比較化合物(1)〕を用い、上記の方法と同様に
して感光体を作製し、測定した。これらの結果を第3表
に示す。
第3表から明らかなように、各例示化合物は、比較化
合物(1)に対していずれも低い残留電位(VR)を示
し、更に表面電位を減衰させるのに必要な露光量E1/2
及びE1/6の値が低いことより、感度においても優れて
いることが明らかである。また、初期の表面電位(V0
についても実用に耐えうる十分に高い値を示している。
〔発明の効果〕
本発明のヒドラゾン誘導体(I)は、高分子結着剤と
の相溶性が良好であり、これを電荷輸送物質として含有
する電子写真感光体は高感度にして残留電位が少なく、
繰り返し使用しても光疲労が少なく、耐久性に優れてい
る等、電子写真プロセスの分野で最も要求されている特
性を具備し、工業的に有利なものである。
【図面の簡単な説明】
第1〜3図は、本発明に係る電子写真感光体の一例を示
す断面説明図である。 1……導電性支持体,2……電荷発生物質, 3……電荷発生層,4……電荷輸送層, 5……感光層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 萩原 利光 東京都大田区蒲田5丁目36番31号 株式 会社高砂リサーチ・インスティテュート 内 (56)参考文献 特開 昭63−292141(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09B 26/02 G03G 5/06 CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の一般式(I) (式中、R1及びR2は同一又は異なってもよく、それぞれ
    水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、メトキシ基又は
    エトキシ基を示し、R3及びR4は同一又は異なっていても
    よく、それぞれ低級アルキル基、ベンジル基、置換基を
    有していてもよいフェニル基又はナフチル基を示すか、
    R3とR4が結合して隣接する窒素原子と共に形成する複素
    環を示す) で表わされるヒドラゾン誘導体。
  2. 【請求項2】導電性支持体上に、電荷発生物質と電荷輸
    送物質を含む感光層を設けた電子写真感光体において、
    電荷輸送物質として請求項1記載のヒドラゾン誘導体を
    含有することを特徴とする電子写真感光体。
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