JP4165843B2 - 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関し、詳しくは特定の材料を含有する感光層を有する電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真感光体には、セレン、硫化カドミウム及び酸化亜鉛等の無機光導電材料が広く用いられていた。一方、有機光導電性材料を用いた電子写真感光体としては、ポリ−N−ビニルカリバゾールに代表される光導電性ポリマーや2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールのような低分子の有機光導電性材料を用いたもの、更には、かかる有機光導電性材料と各種染料や顔料を組み合わせたもの等が知られている。
【0003】
有機光導電性材料を用いた電子写真感光体は、成膜性がよく塗工によって生産できるため、極めて生産性が高く安価な電子写真感光体を提供できる利点を有している。また、使用する染料や顔料等の選択により、感光波長域を自在にコントロールできる等の利点を有し、これまで幅広い検討がなされてきた。
【0004】
特に最近では、有機光導電性染料や顔料を含有した電荷発生層と光導電性ポリマーや低分子の有機光導電性材料を含有した電荷輸送層を積層した機能分離型感光体の開発により、従来の有機電子写真感光体の欠点とされていた感度や耐久性に著しい改善がなされてきており、これが有機電子写真感光体の主流となってきている。また、機能分離型感光体において、電荷発生層は電荷発生材料とバインダー樹脂とから構成され、電荷輸送層は電荷輸送材料とバインダー樹脂から構成されているのが一般的であり、これが実用化の中心である。
【0005】
しかしながら、高感度の機能分離型感光体を電子写真装置内で繰り返し使用した場合に、帯電性低下や感度変動を生じ、これが高耐久化の大きな妨げとなっていた。この感光体の繰り返し使用における帯電性低下や感度変動は、一つには感光体が使用される環境下での機械的特性に大きく影響される。
【0006】
すなわち、トナーや紙との摩擦、方法又は負荷によって程度の差はあるが、クリーニング部位による摩擦等、実用上の負荷によって感光層の摩耗が生じ、膜厚が減少する。この感光体の膜厚の減少が帯電性の低下及び感度変動をもたらし、これらの変動が現像系で許容できる範囲を超えると、感光体は寿命を迎えることになる。
【0007】
この摩耗等による感光体の膜厚の減少による帯電性の低下や感度変動に対しては、特開平1−134457号公報に見られる様に電荷輸送材料をポリマー化したり、特開平2−127652号公報の様に電荷輸送層に硬化性のバインダー樹脂を用いこれを硬化することにより電荷輸送層の強度の向上を図ることによって対策しようとする技術が開示されいる。
【0008】
しかし、摩耗による削れ以外の要素に起因する、高感度機能分離型感光体を繰り返し使用した際に生ずる帯電性や感度の変動が存在し、しかもその原因が明らかでないために、それに対しての対策が講じられることもなかった。このことが、有機感光体の高耐久化を妨げる要因の一つとして残る限り、繰り返し使用においても帯電性や感度の変動の生じない高耐久・高安定な感光体は完成するに到らない。従って、この点に関するより一層の改善が強く望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、有機系機能分離型感光体の前記の欠点を解消し、繰り返し使用時における帯電性の低下、感度変動等の感光体特性の変化や劣化が非常に少なく、繰り返し使用時にも安定した性能を発揮することができる高感度な電子写真感光体、該電子写真感光体の製造方法を提供することにある。
【0010】
本発明の別の目的は、繰り返し使用時の電位安定性が良好であり高画質な電子写真感光体、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って、導電性支持体及び該導電性支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体において、
該感光層が、電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に積層した構成であり、
該電荷発生層が、電荷発生材料と下記一般式(1)で示される同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物とを含有する組成物中で、該正孔輸送性化合物を重合又は架橋によって硬化させた層である
ことを特徴とする電子写真感光体が提供される。
【0012】
化12
【0013】
{(式(1)中、Aは正孔輸送性基を示す。P 及びP は下記一般式(14)又は(15)で示される連鎖重合性官能基を示す。P 及びP はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。Zは置換基を有してもよい有機残基を示す。Yは水素原子を示す。a、b及びdは0又は1以上の整数を示す。但し、a=0の場合はb+dは3以上の整数であり、b又はdが0の場合はaは2以上の整数であり、その他の場合はa+b+dは3以上の整数である。また、aが2以上の場合はP は同一であっても異なっていてもよい。dが2以上の場合はP は同一であっても異なっていてもよい。bが2以上の場合はZは同一であっても異なっていてもよい。)
【0014】
化13
【0015】
また、Aの、P との結合部位及びZとの結合部位をそれぞれ水素原子に置き換えた正孔輸送性化合物が、下記一般式(2)、(3)、(4)、(5)及び(7)のいずれかで示される化合物で示される。
【0016】
化14
【0017】
(式(2)中、R 、R 及びR は置換基を有してもよいフェニル基を示す。R 、R 及びR はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
【0018】
化15
【0019】
(式(3)中、R 、R 、R 及びR は置換基を有してもよいフェニル基を示す。R 及びR は置換基を有してもよいフェニレン基を示す。R 、R 、R 及びR とR 及びR はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。Qは置換基を有してもよい有機残基を示す。)
【0020】
化16
【0021】
(式(4)中、R 10 、R 11 、R 12 及びR 13 は置換基を有してもよいフェニル基を示す。R 10 、R 11 、R 12 及びR 13 はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。Ar 及びAr は置換基を有してもよいフェニレン基を示す。Ar 及びAr はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。mは0又は1を示す。但し、m=0の場合、Ar は置換基を有してもよいフェニル基となる。)
【0022】
化17
【0023】
(式(5)中、Ar 及びAr は置換基を有してもよいフェニル基を示す。Ar 及びAr はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。R 14 は置換基を有してもよいフェニル基を示す。
但し、Ar 、Ar 及びR 14 のうちの少なくとも1つは下記一般式(6)で示される置換基を1つ有する。)
【0024】
化18
【0025】
(式(6)中、R 16 は置換基を有してもよいフェニル基を示す。Ar は置換基を有してもよいフェニル基を示す。)
【0026】
化19
【0027】
(式(7)中、R 17 及びR 18 は置換基を有してもよいフェニル基を示す。R 17 及びR 18 はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。Ar は置換基を有してもよいフェニル基を示す。但し、上記一般式(7)で示される化合物は、下記一般式(8)で示される置換基を一つ以上有する。)
【0028】
化20
【0029】
(式(8)中、R 20 は置換基を有してもよいフェニル基を示す。Ar は置換基を有してもよいフェニル基を示す。)}
また、本発明に従って、上記電子写真感光体の製造方法であって、前記重合又は架橋が電子線によるものであることを特徴とする電子写真感光体の製造方法が提供される。
【0030】
更に、本発明に従って、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置が提供される。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0032】
本発明者らは前記欠点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、感光層が、電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に積層した構成であり、電荷発生層が、電荷発生材料と上記一般式(1)で示される同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物とを含有する組成物中で、前記正孔輸送性化合物を重合又は架橋し硬化させた層であることによって問題点を解決することができることを見出し、本発明を完成させた。
【0033】
前述した様に、機能分離型の感光体では電荷発生層と電荷輸送層が積層された構成であり、電荷発生層は電荷発生材料とバインダー樹脂とから構成され、電荷輸送層は電荷輸送材料とバインダー樹脂から構成されているのが一般的である。この構成において光感度の発現は、まず電荷発生層中の電荷発生材料で光が吸収され、これによって光キャリアが発生する。次に、電荷発生材料から電荷輸送層中の電荷輸送材料に光キャリアが注入され、更に電荷輸送層内を輸送されることにより感度が発現するものと考えられている。しかしながら、この光キャリアの発生と注入の現象の詳細は非常に複雑であり、例えば電荷発生材料と電荷輸送材料との位置関係によっても微妙に変化する。
【0034】
近年は、この光キャリアの発生、注入に関する種々の詳細な研究が進められており、例えば電子写真学会誌第35巻第2号(1996)p110〜115に報告されている様に、キャリア注入のみならずキャリア発生においても電荷発生材料と電荷輸送材料との位置関係の重要性が示されており、湿式塗工法によって作成された電荷発生層/電荷輸送層積層タイプの機能分離型感光体において、電荷発生層内に染み込んだ電荷輸送材料がキャリア発生に対して重要な役割をになっていることが報告されている。本発明者らは上述の事実を踏まえて、前記摩耗削れ以外の繰り返し使用時の感光体の帯電性や感度の変動の原因究明及び対策検討を行った。
【0035】
その結果、まだ完全には解明されないものの、上記変動の原因も電荷発生材料と電荷輸送材料との空間的な位置関係が繰り返し使用時に変化していることに起因していることが示唆され、この対策として、電荷発生材料と上記一般式(1)で示される同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物とを含有する組成物中で、前記正孔輸送性化合物を重合又は架橋によって硬化させて電荷発生層を形成させることが非常に有効であることを見出したものである。
【0036】
すなわち本発明は、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、感光層が、電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に積層した構成であり、電荷発生層が、電荷発生材料と上記一般式(1)で示される同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物とを含有する組成物中で、前記正孔輸送性化合物を重合又は架橋によって硬化させた層であることを特徴とするものである。
【0037】
次に、本発明の電子写真感光体の構成を詳細に説明する。
【0038】
本発明の感光体の構成は、導電性支持体上に感光層を有し、感光層は電荷発生層/電荷輸送層をこの順に積層した構成である。電荷輸送層が一般的には正孔輸送性であるため、電荷発生層/電荷輸送層の順の積層構成は負帯電用の感光体となる
【0039】
電子写真感光体の支持体としては、導電性を有するものであればいずれでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレス等の金属や合金をドラム又はシート状に成形したもの、アルミニウム及び銅等の金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化錫等をプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性材料を単独又はバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、またプラスチックフィルム及び紙等が挙げられる。
【0040】
本発明においては、導電層と感光層の中間にバリアー機能と接着機能を持つ下引き層を設けることもできる。下引き層は、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、アルコール可溶アミド、ポリウレタン、ゼラチン等によって形成できる。下引き層の膜厚は0.1μm〜3μmが適当である。
【0041】
本発明の感光体の最も特徴的な層である電荷発生層は、電荷発生材料及び連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物、前記正孔輸送性化合物を重合又は架橋し硬化したものを含有する。電荷発生材料としてはスーダンレッド、ダイアンブルー等のアゾ顔料、ピレンキノン、アントアントロン等のキノン顔料、キノシニアン顔料、ペリレン顔料、インジゴ、チオインジゴ等のインジゴ顔料、フタロシアニン顔料等が使用可能である。
【0042】
次に、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物であるが、まず本発明における連鎖重合性官能基について説明する。本発明における連鎖重合とは、高分子物の生成反応を大きく連鎖重合と逐次重合に分けた場合の前者の重合反応形態を示し、詳しくは例えば技報堂出版 三羽忠広著の「基礎 合成樹脂の化学(新版)」1995年7月25日(1版8刷)P.24に説明されている様に、その形態が主にラジカルあるいはイオン等の中間体を経由して反応が進行する不飽和重合、開環重合そして異性化重合等のことをいう。
【0043】
前記一般式(1)における連鎖重合性官能基Pとは、前述の反応形態が可能な官能基を意味するが、ここではその大半を占め応用範囲の広い不飽和重合あるいは開環重合性官能基の具体例を示す。
【0044】
不飽和重合とは、ラジカル、イオン等によって不飽和基、例えばC=C、C≡C、C=O、C=N、C≡N等が重合する反応であるが、主にはC=Cによる場合が大部分である。不飽和重合性官能基の具体例を表1に示すが、これらに限定されるものではない。
【0045】
【表1】
【0046】
表中、Rは置換基を有してもよいメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、置換基を有してもよいベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基、アンスリル基等のアリール基又は水素原子を示す。
【0047】
開環重合とは、炭素環、オクソ環、窒素ヘテロ環等のひずみを有した不安定な環状構造が触媒の作用で活性化され、開環すると同時に重合を繰り返し鎖状高分子物を生成する反応であるが、この場合基本的にはイオンが活性種として作用するものが大部分である。開環重合性官能基の具体例を表2に示すが、これらに限定されるものではない。
【0048】
【表2】
【0049】
表中、Rは置換基を有してもよいメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、置換基を有してもよいベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基、アンスリル基等のアリール基又は水素原子を示す。
【0050】
上記で説明したような本発明に係わる連鎖重合性官能基は、下記一般式(14)のアクリロイルオキシ基又は一般式(15)のメタクリロイルオキシ基が、重合特性等の点から用いられる。
【0051】
化21
【0052】
次に、本発明における正孔輸送材料について説明する。本発明で「連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物」とは、上記で説明した連鎖重合性基が上記で説明した正孔輸送性化合物に官能基として二つ以上化学結合している化合物を示す。この場合それらの連鎖重合性官能基は、全て同一でも異なったものであってもよい。それらの連鎖重合性官能基を二つ以上有する正孔輸送性化合物としては、下記の一般式(1)である。
【0053】
【化22
【0054】
式(1)中、P及びP上記一般式(14)又は(15)で示される連鎖重合性官能基を示す。PとPはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。Zは置換基を有してもよい有機残基を示す。Yは水素原子を示す。a、b及びdは、0又は1以上の整数を示す。但し、a=0の場合はb+dは3以上の整数であり、b又はdが0の場合はaは2以上の整数であり、その他の場合はa+b+dは3以上の整数である。また、aが2以上の場合はPは同一であっても異なっていてもよい。dが2以上の場合はPは同一であっても異なっていてもよい。またbが2以上の場合はZは同一であっても異なっていてもよい。
【0055】
なおここで、「aが2以上の場合Pは同一でも異なってもよく」とは、それぞれ異なるn種類の連鎖重合性官能基をP11、P12、P13、P14、P15・・・・P1nと示した場合、例えばa=3の時に正孔輸送性化合物Aに直接結合する連鎖重合性官能基Pは3つとも同じものでも、二つ同じで一つは違うもの(例えば、P11とP11とP12とか)でも、それぞれ3つとも異なるもの(例えば、P12とP15とP17とか)でもよいということを意味するものである(「dが2以上の場合Pは同一でも異なってもよく」というのも、「bが2以上の場合、Zは同一でも異なってもよい」というのもこれと同様なことを意味するものである)。
【0056】
上記一般式(1)のAは正孔輸送性基を示し、P やZとの結合部位を水素原子に置き換えた水素付加化合物(正孔輸送化合物)として示せば、下記一般式(2)、(3)、(4)、(5)及び(7)で示される化合物である
【0057】
【化23
【0058】
式(2)中、R、R及びR は置換基を有してもよいフェニル基を示す。
【0059】
、R及びRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、上記一般式(2)のR又はR又はRのうち任意の2つはそれぞれ直接もしくは結合基を介して結合してもよい。その結合基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基、酸素、硫黄原子等のヘテロ原子、CH=CH基等が挙げられる。
【0060】
【化24
【0061】
式(3)中、R、R、R及びR は置換基を有してもよいフェニル基を示す。R、R、R及びRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。R及びR は置換基を有してもよいフェニレン基を示す。RとRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。Qは置換基を有してもよい有機残基を示す。
【0062】
た、上記一般式(3)のR又はR又はRのうち任意の2つあるいはR又はR又はRのうち任意の2つはそれぞれ直接もしくは結合基を介して結合してもよい。その結合基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基、酸素、硫黄原子等のヘテロ原子、CH=CH基等が挙げられる。
【0063】
【化25
【0064】
式(4)中、R10、R11、R12及びR13 は置換基を有してもよいフェニル基を示す。R10、R11、R12及びR13はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
【0065】
Arは置換基を有してもよいフェニレン基を示す。mは0又は1を示す。Arはm=0の場合、置換基を有してもよいフェニル基を示す。m=1の場合は上記Arと同様なフェニレン基を示す。尚、m=1の場合は、ArとArはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
【0066】
た、上記一般式(4)のR10とR11又はR12とR13又はArとArは、それぞれ直接もしくは結合基を介して結合してもよい。その結合基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基、酸素、硫黄原子等のヘテロ原子、CH=CH基等が挙げられる。
【0067】
【化26
【0068】
式(5)中、Ar 及びAr は置換基を有してもよいフェニル基を示す。Ar 及びAr はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。R 14 は置換基を有してもよいフェニル基を示す。
【0069】
但し、Ar、Ar及びR14のうち少なくとも1つは、下記一般式(6)で示される置換基を1つ以上有する。
【0070】
化27
【0071】
式(6)中、Aは、置換基を有してもよいフェニル基を示す。R 16 は置換基を有してもよいフェニル基をす。
【0072】
、A及びR16はそれぞれ直接もしくは結合基を介して結合してもよく、その結合基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基、酸素、硫黄原子等のヘテロ原子、CH=CH基等が挙げられる。
【0073】
【化28
【0074】
式(7)中、R 17 及びR 18 は置換基を有してもよいフェニル基を示す。R 17 及びR 18 はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。Ar は置換基を有してもよいフェニル基を示す。
【0075】
但し、上記一般式(7)で示される化合物は、下記一般式(8)で示される置換基を1つ以上有する。
【0076】
化29
【0077】
式(8)中、Aは置換基を有してもよいフェニル基を示す。R 20 は置換基を有してもよいフェニル基を示す。
【0078】
、A及びR20はそれぞれ直接もしくは結合基を介して結合してもよく、その結合基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基、酸素、硫黄原子等のヘテロ原子、CH=CH基等が挙げられる。
【0079】
また、上記一般式(1)中のZ又は上記一般式(3)中のQは、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアリーレン基、CR21=CR22(R21及びR22はアルキル基、アリール基又は水素原子を示す。R21及びR22はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)、C=O、S=O、SO、酸素原子又は硫黄原子、或いは、これらの組み合わせた有機残基を示す。その中でも下記一般式(9)で示されるものが好ましく、下記一般式(10)で示されるものが特に好ましい。
【0080】
【化30
【0081】
上記一般式(9)中、X、X及びXは置換基を有してもよいメチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素数1以上20以下のアルキレン、(CR23=CR24)m(R23及びR24は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は水素原子を示す。R23及びR24はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。mは1〜5の整数を示す。)、C=O、S=O、SO、酸素原子又は硫黄原子を示す。Ar及びArは置換基を有してもよいアリーレン基(ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、ベンゾチオフェン、ピリジン、キノリン、ベンゾキノリン、カルバゾール、フェノチアジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン等より2個の水素原子を取り除いたアリーレン基。)を示す。p、q、r、s及びtは0〜10の整数を示す。但し、p、q、r、s及びtは同時に0であることはない。
【0082】
化31
【0083】
上記一般式(10)中、X及びXは(CH(gは1〜10の整数を示す。)、(CH=CR25(R25は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は水素原子を示す。hは1〜5の整数を示す。)、C=O、又は酸素原子を示す。Ar10は置換基を有してもよいアリーレン基(ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、ベンゾチオフェン、ピリジン、キノリン、ベンゾキノリン、カルバゾール、フェノチアジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン等より2個の水素原子を取り除いたアリーレン基。)を示す。u、v及びwは0〜10の整数を示す。特に、0〜5の整数の時が好ましい。但し、u、v及びwは同時に0であることはない。
【0084】
なお、上述の一般式(1)〜(10)のR 14 、R 16 〜R 18 、R 20 〜R25Ar〜Ar10、X〜X、Z及びQがそれぞれ有してもよい置換基としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子又はニトロ基又はシアノ基又は水酸基又はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基又はメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基又はフェノキシ基、ナフトキシ基等のアリールオキシ基又はベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基、チエニル基等のアラルキル基又はフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、ピレニル基等のアリール基又はジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジ(p−トリル)アミノ基等の置換アミノ基、スチリル基、ナフチルビニル基等のアリールビニル基等が挙げられる。
【0085】
また、本発明における同一分子内に二つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物は、酸化電位が1.2(V)以下であることが好ましい。つまり前記一般式(1)で示される連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物及び正孔輸送性基Aの水素付加物は、酸化電位が1.2(V)以下であることが好ましく、0.4〜1.2(V)であることがより好ましい。それは、酸化電位が1.2(V)超えると電荷発生材料よりの電荷(正孔)の注入が起こりにくく残留電位の上昇、感度悪化及び繰り返し使用時の電位変動が大きくなる等の問題が生じ、また0.4(V)未満では帯電能の低下等の問題の他に、化合物自体が容易に酸化されるために劣化しやすく、それに起因した感度悪化、画像ボケ及び繰り返し使用時の電位変動が大きくなる等の問題が生じるためである。
【0086】
なお、ここで述べている酸化電位は、以下の方法によって測定される。
【0087】
(酸化電位の測定法)
飽和カロメル電極を参照電極とし、電解液に0.1N(n−Bu)ClO アセトニトリル溶液を用い、ポテンシャルスイーパによって作用電極(白金)に印加する電位をスイープし、得られた電流−電位曲線がピークを示した時の電位を酸化電位とした。詳しくは、サンプルを0.1N(n−Bu)ClO アセトニトリル溶液に5〜10mmol%程度の濃度になる様に溶解する。そしてこのサンプル溶液に作用電極によって電圧を加え、電圧を低電位(0V)から高電位(+1.5V)に直線的に変化させた時の電流変化を測定し、電流−電位曲線を得る。この電流−電位曲線において電流値がピーク(ピークが複数ある場合には最初のピーク)を示した時の電位を酸化電位とした。
【0088】
また更に、上記連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物は正孔輸送能として1×10−7(cm/V.sec)以上のドリフト移動度を有しているものが好ましい(但し、印加電界:5×10V/cm)。1×10−7(cm/V.sec)未満では、電子写真感光体として露光後現像までに正孔が十分に移動できないため見かけ上感度が低減し、残留電位も高くなってしまう問題が発生する場合がある。
【0089】
以下に本発明に係わる、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物の代表例を挙げるがこれらに限定されるものではない。
【0090】
化32
【0091】
【化33
【0092】
【化34
【0093】
化35
【0094】
化36
【0095】
【化37
【0096】
化38
【0097】
【化39
【0098】
化40
【0099】
化41
【0100】
【化42
【0101】
【化43
【0102】
化44
【0103】
化45
【0104】
化46
【0105】
化47
【0106】
【化48
【0107】
化49
【0108】
化50
【0109】
化51
【0110】
【化52
【0111】
化53
【0112】
化54
【0113】
【化55
【0114】
【化56
【0115】
【化57
【0116】
化58
【0117】
【化59
【0118】
化60
【0119】
化61
【0120】
化62
【0121】
【化63
【0122】
化64
【0123】
化65
【0124】
化66
【0125】
【化67
【0126】
化68
【0127】
【化69
【0128】
化70
【0129】
化71
【0130】
化72
【0131】
化73
【0132】
化74
【0133】
化75
【0134】
【化76
【0135】
【化77
【0136】
化78
【0137】
化79
【0138】
化80
【0139】
化81
【0140】
化82
【0141】
本発明において、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物の代表的な合成方法を以下に示す。
【0142】
(合成例1:化合物No.6の合成)
以下のルートに従い合成した。
【0143】
【化83
【0144】
1(50g:0.47mol)、2(406g:1.4mol)、無水炭酸カリウム(193g)及び銅粉(445g)を1,2−ジクロロベンゼン1.2kgと共に180〜190℃で加熱撹拌を15時間行った。反応液を濾過後、減圧下で溶媒を除去し、残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い3を132g得た。
【0145】
3(120g:0.28mol)をメチルセルソルブ1.5kgに加え室温で撹拌しながらナトリウムメチラート(150g)をゆっくり添加した。添加終了後そのまま室温で1時間撹拌後、更に70〜80℃で10時間加熱撹拌を行った。反応液を水にあけ希塩酸で中和後、酢酸エチルで抽出し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧下で溶媒を除去した。残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い4を78g得た。
【0146】
4(70g:0.2mol)及びトリエチルアミン(40g:0.4mol)を、乾燥テトラヒドロフラン(THF)400mlに加え0〜5℃に冷却後、塩化アクリロイル(55g:0.6mol)をゆっくり滴下した。滴下終了後ゆっくり室温に戻し、室温でそのまま4時間撹拌を行った。反応液を水にあけ中和後、酢酸エチルで抽出し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を除去した。残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い5(化合物No.6)を42g得た(酸化電位:0.83V)。
【0147】
(合成例:化合物No.152の合成)
以下のルートに従い合成した。
【0148】
【化84
【0149】
1(70g:0.35mol)、2(98g:0.42mol)、無水炭酸カリウム(73g)及び銅粉(111g)を1,2−ジクロロベンゼン600gと共に180〜190℃で加熱撹拌を10時間行った。反応液を濾過後、減圧下で溶媒を除去し、残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い3を86.2g得た。
【0150】
3(80g:0.26mol)をN,N−ジメチルフォルムアミド(DMF)300gに加え室温で撹拌しながらエタンチオールナトリウム塩(約90%:62g)をゆっくり添加した。添加終了後そのまま室温で1時間撹拌後、更に還流下で3時間加熱撹拌を行った。冷却後反応液を水にあけ希塩酸で弱酸性にし、酢酸エチルで抽出し、有機層を更に1.2Nの水酸化ナトリウム水溶液で抽出し、水層を希塩酸で酸性にして酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧下で溶媒を除去した。残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い4を64g得た。
【0151】
4を(60g:0.21mol)をN,N−ジメチルフォルムアミド300gに加え室温で撹拌しながら苛性ソーダ(8.3g)をゆっくり添加した。添加終了後そのまま室温で30分間撹拌後、1,2−ジヨードエタン(31.7g:0.1mol)をゆっくり滴下した。滴下終了後30分間撹拌後、更に70℃で5時間加熱撹拌を行った。反応液を水にあけトルエンで抽出を行い、有機層を更に水洗後無水硫酸ナトリウムで乾燥し減圧下で溶媒を除去した。残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い5を49.1g得た。
【0152】
DMF182gを0〜5℃に冷却後、オキシ塩化リン63.6gを10℃を超えない様にゆっくり滴下した。滴下終了後15分間そのまま撹拌後、5(42.2g:0.07mol)/DMF102g溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後そのまま30分撹拌後室温に戻し2時間撹拌し、更に80〜85℃に加熱し15時間撹拌を行った。反応液を約15%の酢酸ナトリウム水溶液1.5kgにあけ12時間撹拌を行った。それを中和後、トルエンを用い抽出し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を除去し、残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い6を23g得た。
【0153】
乾燥THF100mlに水素化リチウムアルミニウム0.89gを加え室温で撹拌しているところへ6(15g:0.023mol)/乾燥THF100ml溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後に室温で4時間撹拌後、5%塩酸水溶液200mlをゆっくり滴下した。滴下終了後トルエンで抽出し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を除去し、残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い7を13.6g得た。
【0154】
7(10g:0.015mol)及びトリエチルアミン(6.1g:0.06mol)を、乾燥THF120mlに加え0〜5℃に冷却後、塩化アクリロイル(4.1g:0.045mol)をゆっくり滴下した。滴下終了後ゆっくり室温に戻し、室温でそのまま6時間撹拌を行った。反応液を水にあけ中和後、酢酸エチルで抽出し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を除去した。残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い8(化合物No.152)を6.4g得た(酸化電位:0.78V)。
【0155】
(合成例:化合物No.263の合成)
以下のルートに従い合成した。
【0156】
【化85
【0157】
1(50g:0.123mol)、2(62.4g:0.369mol)、無水炭酸カリウム(25.5g)及び銅粉(32g)を1,2−ジクロロベンゼン200gと共に180〜190℃で加熱撹拌を18時間行った。反応液を濾過後、減圧下で溶媒を除去し、残留物をトルエン/メタノール混合溶媒で2回再結晶を行い3を60.2g得た。
【0158】
DMF242gを0〜5℃に冷却後、オキシ塩化リン(84.8g:553.2mmol)を10℃を超えない様にゆっくり滴下した。滴下終了後15分そのまま撹拌後、3(45.0g:92.2mmol)/DMF135g溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後そのまま30分撹拌後室温に戻し、2時間撹拌し更に80〜85℃に加熱し8時間撹拌を行った。反応液を約15%の酢酸ナトリウム水溶液2.5kgにあけ12時間撹拌を行った。それを中和後、トルエンを用い抽出し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を除去し、残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い4を40.5g得た。
【0159】
乾燥THF100mlに水素化リチウムアルミニウム0.89gを加え室温で撹拌しているところへ4(37g:68mmol)/乾燥THF600ml溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後室温で4時間撹拌後、5%塩酸水溶液500mlをゆっくり滴下した。滴下終了後トルエンで抽出し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を除去し、残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い5を26.3g得た。
【0160】
5(20g:36mmol)及びトリエチルアミン(12.8g:126mol)を、乾燥THF130mlに加え0〜5℃に冷却後、塩化アクリロイル(9.8g:108mmol)をゆっくり滴下した。滴下終了後ゆっくり室温に戻し、室温でそのまま6時間撹拌を行った。反応液を水にあけ中和後、酢酸エチルで抽出し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を除去した。残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い6(化合物No.263)を11.2g得た(酸化電位:0.80V)。
【0161】
本発明においては、前記一般式(1)で示される同一分子内に二つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合・架橋させることで、その感光層中において、正孔輸送能を有する化合物は位置的に固定されるが、特に二つ以上の連鎖重合性官能基を持つ場合には、二つ以上の架橋点をもって3次元架橋構造の中に共有結合を介して取り込まれるため、電位安定性に対する効果は更に大きくなる。前記正孔輸送性化合物は、それのみを重合・架橋させる、あるいは他の連鎖重合性基を有する化合物と混合させることのいずれもが可能であり、その種類/比率は全て任意である。
【0162】
ここで言う他の連鎖重合性基を有する化合物とは、連鎖重合性基を有する単量体あるいはオリゴマー/ポリマーのいずれもが含まれる。正孔輸送性化合物の官能基とその他の連鎖重合性化合物の官能基が同一の基あるいは互いに重合可能な基である場合には、両者は共有結合を介した共重合3次元架橋構造をとることが可能である。
【0163】
また、前記正孔輸送性化合物と連鎖重合性基を有しない単量体あるいはオリゴマー/ポリマーや連鎖重合性以外の重合性基を有する単量体あるいはオリゴマー/ポリマー等から電荷発生層を形成してもよい。更に、場合によっては3次元架橋構造に化学結合的に組み込まれないすなわち連鎖重合性官能基を有しない正孔輸送性化合物を含有することも可能である。
【0164】
本発明の感光体の電荷発生層の製造方法は、前記電荷発生材料と連鎖重合性官能基を有する正孔輸送化合物とを溶剤及び必要によって0.3〜4倍量のバインダー樹脂と共にホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター及びロールミル等の方法でよく分散し、分散液を塗布し、乾燥されて形成される。その膜厚は5μm以下であることが好ましく、特に0.1〜2μmの範囲であることが好ましい。
【0165】
バインダー樹脂を用いる場合、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0166】
電荷発生層の形成方法は、前記電荷発生材料及び前記連鎖重合性基を有する前記正孔輸送性化合物、更に必要によってバインダー樹脂を含有する溶液を塗布後、重合・架橋反応をさせて形成する。これらの溶液を塗布する方法は、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法及びスピンコーティング法等が知られているが、効率性や生産性の点からは浸漬コーティング法が好ましい。
【0167】
本発明において、連鎖重合性基を有する正孔輸送性化合物は、電子線により重合・架橋させることが好ましい。電子線による重合の最大の利点は、重合開始剤を必要としない点であり、これにより非常に高純度な三次元感光層マトリックスの作製が可能となり、良好な電子写真特性が確保される点である。また、短時間でかつ効率的な重合反応であるがゆえに生産性も高く、更には電子線の透過性の良さから、厚膜時や添加剤等の遮蔽材料が膜中に存在する際の硬化阻害の影響が非常に小さいこと等が挙げられる。但し、連鎖重合性基の種類や中心骨格の種類によっては重合反応が進行しにくい場合があり、その際には影響のない範囲内での重合開始剤の添加は可能である。
【0168】
電子線照射をする場合の加速器としては、スキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型及びラミナー型等いずれの形式も使用することができる。電子線を照射する場合に、本発明の感光体においては電気特性及び耐久性能を発現させる上で照射条件が非常に重要である。本発明において、加速電圧は250kV以下が好ましく、最適には150kV以下である。また、照射線量は、好ましくは1Mradから100Mradの範囲、より好ましくは3Mradから50Mradの範囲である。加速電圧が上記を超えると感光体特性に対する電子線照射のダメージが増加する傾向にある。また、照射線量が上記範囲よりも少ない場合には架橋が不十分となりやすく、線量が多い場合には感光体特性の劣化が起こりやすいので注意が必要である。
【0169】
前記連鎖重合性基を有する正孔輸送性化合物を電荷輸送層に用いた場合の前記正孔輸送性化合物の量は、重合硬化後の電荷輸送層膜の全重量に対して、前記一般式(1)で示される連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性基Aの水素付加物が分子量換算で10%以上、好ましくは30%以上含有されていることが望ましい。それ以下であると電位安定への効果が十分でなくなる。
【0170】
積層型感光体の電荷輸送層は、主鎖又は側鎖にビフェニレン、アントラセン、ピレン、フェナントレン等の構造を有する多環芳香族化合物、インドール、カルバゾール、オキサジアゾール、ピラゾリン等の含窒素複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物等の電荷輸送材料を成膜性を有す樹脂に溶解させた塗工液を用いて形成される。
【0171】
この様な成膜性を有する樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメタクリル酸エステル等が挙げられる。電荷輸送層の膜厚は5〜40μmが好ましく、より好ましくは10〜30μmの範囲である。
【0172】
なお、本発明において電荷輸送材料として、特開平1−134457号公報、特開平9−319101号公報に示される高分子電荷輸送化合物を用いた場合に感光体の総合的な耐久性は飛躍的に向上し、摩耗削れの低減と帯電性や感度の変動の低減を両立する。更に、電荷輸送層に電荷発生層と上記一般式(1)で示される同一の同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物、前記正孔輸送性化合物を重合又は架橋し硬化したものの一方又は両方を含有した場合には改善効果が顕著であり、特に安定性、耐久性に優れた感光体となる。また、この場合にも連鎖重合性基を有する正孔輸送性化合物は、熱又は紫外線によって重合・架橋させることが好ましい。
【0173】
本発明における感光層(電荷発生層/電荷輸送層)には、各種添加剤を添加することができる。添加剤とは酸化防止剤及び紫外線吸収剤等の劣化防止剤や、フッ素原子含有樹脂微粒子等の潤剤その他である。
【0174】
図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。
【0175】
図において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1は、回転過程において、一次帯電手段3によりその周面に正又は負の所定電位の均一帯電を受け、次いでスリット露光やレーザービーム走査露光等の像露光手段(不図示)からの画像露光光4を受ける。こうして感光体1の周面に静電潜像が順次形成されて行く。
【0176】
形成された静電潜像は、次いで現像手段5によりトナー現像され、現像されたトナー現像像は、不図示の給紙部から感光体1と転写手段6との間に感光体1の回転と同期して取り出されて給紙された転写材7に、転写手段6により順次転写されて行く。
【0177】
像転写を受けた転写材7は、感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。
【0178】
像転写後の感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、一次帯電手段3が帯電ローラー等のを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0179】
本発明においては、上述の電子写真感光体1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱可能に構成してもよい。例えば、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9の少なくとも一つを感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール12等の案内手段を用いて装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ11とすることができる。
【0180】
また、画像露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいはセンサーで原稿を読みとり、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動等により照射される光である。
【0181】
本発明の電子写真感光体は、電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができる。
【0182】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。なお、「部」は重量部を示す。
【0183】
(実施例1)
まず、導電層用の塗料を以下の手順で調製した。10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50部、フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノール5部及びシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002部を1mmφガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して調製した。この塗料を30mmφのアルミニウムシリンダー上に浸漬塗布方法で塗布し、140℃で30分間乾燥して、膜厚が20μmの導電層を形成した。
【0184】
次に、N−メトキシメチル化ナイロン5部をメタノール95部中に溶解し、中間層用塗料を調製した。この塗料を前記の導電層上に浸漬コーティング法によって塗布し、100℃で20分間乾燥して、膜厚が0.6μmの中間層を形成した。
【0185】
次に、下記構造式(21)のビスアゾ顔料5部、化合物例No.6の正孔輸送性化合物10部及びシクロヘキサノン60部を1mmφガラスビーズを用いたサンドミル装置で24時間分散し、更にテトラヒドロフラン60部を加えて電荷発生層用塗料とした。この塗料を前記の中間層の上に浸漬コーティング法で塗布して、50℃にて10分間乾燥して、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0186】
【化86
【0187】
次いで、下記構造式(22)の正孔輸送性化合物60部及びZ型ポリカーボネート樹脂(重量平均分子量20000)80部をモノクロロベンゼン30部/ジクロロメタン10部の混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用塗料を調製した。
【0188】
【化87
【0189】
この塗料を前記の電荷発生層上にコーティングし、50℃にて10分間乾燥させた後に、加速電圧150kV、照射線量30Mradの条件で電子線を照射し電荷発生層内の樹脂を硬化させ、更に120℃にて30分間乾燥させて膜厚が15μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を得た。
【0190】
作製した電子写真感光体について、電子写真特性及び繰り返し使用時の安定性を評価した。電子写真特性及び繰り返し使用時の安定性は、この感光体をキヤノン(株)製LBP−SXからクリーナー及び現像器を取り除いた機械に装着して評価した。初期の感光体特性[暗部電位Vd、光減衰感度(暗部電位−700V設定で−150Vに光減衰させるために必要な光量)及び残留電位Vsl(光減衰感度の光量の3倍の光量を照射した時の電位)]を測定し、更に10000枚分の非通紙耐久試験を行い、各々の変化値△Vd、△Vl(初期にVlが−150Vとなる光量と同量の光量を耐久後に照射した時のVlの変化量)及び△Vslを求めた。
【0191】
結果を表3に示すが、本発明の感光体では初期の感光体特性が良好であり、繰り返し使用においても感光体特性にはほとんど変化が見られず、非常に安定した良好な特性を示している。
【0192】
(実施例2〜5)
実施例1において正孔輸送性化合物No.6を各々化合物例No.36、203、263及び356に代えた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。その結果を表3に示す。
【0193】
(実施例6)
実施例1と同様にして支持体、導電層、下引き層を形成した。次に、CuKα特性X線回折のブラッグ角(2θ±0.2°)の9.0°、14.2°、23.9°及び27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを3部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBM2、積水化学(株))樹脂1部、化合物例No.358を5部及びシクロヘキサノン35部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して、その後に酢酸エチル60部を加えて電荷発生層用塗料を調製した。この塗料を前記の中間層の上に浸漬塗布法で塗布して、50℃で10分間乾燥し後、加速電圧170kV、照射線量10Mradの条件で電子線を照射し電荷発生層内の樹脂を硬化させ、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0194】
次に、この電荷発生層の上に実施例1と同様に電荷輸送層用塗料を用いて浸漬コーティング法に塗布した後、120℃で30分間加熱乾燥を行い膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。この感光体を実施例1と同様に評価した、その結果を表3に示す。
【0195】
(実施例7〜14)
実施例6において正孔輸送性化合物No.358を表4の様に代えた以外は、実施例6と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。その結果を表3に示す。
【0196】
(実施例15)
実施例6において電荷発生層における正孔輸送性化合物の量を3部とし、更に下記構造式(23)の構造を有するアクリルモノマーを2部添加した以外は、実施例6と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。その結果を表3に示す。
【0197】
【化88
【0198】
(実施例16〜20)
実施例6において電子線の照射条件を表5に示した様に代えた以外は、実施例6と同様に電子写真感光体を作成し、評価した。その結果は、繰り返し使用時の安定性は良好であったが、加速電圧300kV及び照射線量150、200Mradの条件では初期の電子写真特性において、感度の低下や残留電位の上昇が見られた。その結果を表3に示す。
【0199】
(実施例21)
実施例6において電荷発生層を塗布した後に電子線を照射することなく、50℃にて10分間の乾燥のみ行った。次に、化合物例No.358の正孔輸送性化合物60部をモノクロロベンゼン30部/ジクロロメタン30部の混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用塗料を調製した。この塗料を前記の電荷発生層上にコーティングし、50℃にて10分間の乾燥させた後に、加速電圧150kV、照射線量20Mradの条件で電子線を照射し、電荷発生層及び電荷輸送層中の樹脂を硬化させ、膜厚が15μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を得た。
【0200】
この感光体を実施例1と同様に評価した結果、初期特性、繰り返し使用時の安定性共に非常に良好であった。その結果を表3に示す。
【0201】
(実施例23〜25)
実施例21において電荷発生層及び電荷輸送層に用いる正孔輸送性化合物No.358を各々化合物例No.163、263及び264に代えた以外は、実施例21と同様に電子写真感光体を作製し、評価した結果、初期特性、繰り返し使用時の安定性共に非常に良好であった。その結果を表3に示す。
【0202】
(実施例26)
実施例6と同様に電荷発生層まで形成した後、特開平8-248649号公報のP10〜11に記載されている製造法に従って合成した下記構造式(24)のポリカーボネート樹脂20部をテトラヒドロフラン80部に溶解して調製した電荷輸送層用塗料を用いて、前記電荷発生層上に電荷輸送層を形成した。この時の電荷輸送層の膜厚は15μmであった。この電子写真感光体を実施例1と同様に評価した結果、初期特性及び繰り返し使用時の安定性共に良好な結果となった。その結果を表3に示す。
【0203】
【化89
【0204】
(比較例1)
実施例1において電荷発生層に用いた連鎖重合基を有する正孔輸送性化合物の代わりに同量のポリビニルブチラール(商品名:エスレックBM2、積水化学(株))樹脂を用いて、電荷輸送層塗布後の電子線照射を行わない以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。その結果、表3に示す様に初期特性は良好であったが、繰り返し使用後の暗部電位Vdの絶対値は低下し、Vl、Vslの絶対値は共に上昇し、安定性に劣る結果となった。
【0205】
(比較例2)
比較例1において電荷発生層内の電荷発生材料を実施例6のものに代えた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。その結果、表3に示す様に初期特性は良好であったが、繰り返し使用時において暗部電位Vd、Vl、及びVslの絶対値は共に減少し、安定性に劣る結果となった。
【0206】
(比較例3)
実施例6において電荷発生層に用いた連鎖重合性基を持つ正孔輸送性化合物を構造式(22)で示される重合性基を持たない正孔輸送性化合物に代えた以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を作成し、評価した。その結果、表3に示す様に初期特性は良好であったが、繰り返し使用の安定性は、比較例2よりは安定しているが実施例6に比べると不安定であり、安定性が十分ではなかった。
【0207】
表3
【0208】
【表4】
【0209】
【表5】
【0210】
【発明の効果】
本発明の電子写真感光体は、繰り返し使用時の電位の安定性に優れた効果を有する。更に、感度、残留電位等の電子写真特性も非常に良好であり、常に安定した性能を発揮することができる。また、電子写真感光体の効果は、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置においても当然に発揮され、長期間高画質が維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の例を示す図である。

Claims (9)

  1. 導電性支持体及び該導電性支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体において、
    該感光層が、電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に積層した構成であり、
    該電荷発生層が、電荷発生材料と下記一般式(1)で示される同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物とを含有する組成物中で、該正孔輸送性化合物を重合又は架橋によって硬化させた層である
    ことを特徴とする電子写真感光体。
    {(式(1)中、Aは正孔輸送性基を示す。P 及びP は下記一般式(14)又は(15)で示される連鎖重合性官能基を示す。P 及びP はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。Zは置換基を有してもよい有機残基を示す。Yは水素原子を示す。a、b及びdは0又は1以上の整数を示す。但し、a=0の場合はb+dは3以上の整数であり、b又はdが0の場合はaは2以上の整数であり、その他の場合はa+b+dは3以上の整数である。また、aが2以上の場合はP は同一であっても異なっていてもよい。dが2以上の場合はP は同一であっても異なっていてもよい。bが2以上の場合はZは同一であっても異なっていてもよい。)
    また、Aの、P との結合部位及びZとの結合部位をそれぞれ水素原子に置き換えた正孔輸送性化合物が、下記一般式(2)、(3)、(4)、(5)及び(7)のいずれかで示される化合物で示される。
    (式(2)中、R 、R 及びR は置換基を有してもよいフェニル基を示す。R 、R 及びR はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
    (式(3)中、R 、R 、R 及びR は置換基を有してもよいフェニル基を示す。R 及びR は置換基を有してもよいフェニレン基を示す。R 、R 、R 及びR とR 及びR はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。Qは置換基を有してもよい有 機残基を示す。)
    (式(4)中、R 10 、R 11 、R 12 及びR 13 は置換基を有してもよいフェニル基を示す。R 10 、R 11 、R 12 及びR 13 はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。Ar 及びAr は置換基を有してもよいフェニレン基を示す。Ar 及びAr はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。mは0又は1を示す。但し、m=0の場合、Ar は置換基を有してもよいフェニル基となる。)
    (式(5)中、Ar 及びAr は置換基を有してもよいフェニル基を示す。Ar 及びAr はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。R 14 は置換基を有してもよいフェニル基を示す。
    但し、Ar 、Ar 及びR 14 のうちの少なくとも1つは下記一般式(6)で示される置換基を1つ有する。)
    (式(6)中、R 16 は置換基を有してもよいフェニル基を示す。Ar は置換基を有してもよいフェニル基を示す。)
    (式(7)中、R 17 及びR 18 は置換基を有してもよいフェニル基を示す。R 17 及びR 18 はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。Ar は置換基を有してもよいフェニル基を示す。
    但し、上記一般式(7)で示される化合物は、下記一般式(8)で示される置換基を一つ以上有する。)
    (式(8)中、R 20 、Ar は置換基を有してもよいフェニル基を示す。)}
  2. 前記一般式(1)中のZ又は前記一般式(3)中のQが、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアリーレン基、CR21=CR22(R21及びR22は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は水素原子を示す。R21及びR22はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)、C=O、S=O、SO、酸素原子又は硫黄原子、或いは、これらを組み合わせた有機残基である請求項に記載の電子写真感光体。
  3. 上記一般式(1)中のZ又は一般式(3)中のQが、下記一般式(9)又は(10)で示される基である請求項に記載の電子写真感光体。
    (式(9)中、X〜Xは置換基を有してもよいアルキレン基、(CR23=CR24)m(R23及びR24は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は水素原子を示す。R23及びR24はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。mは1〜5の整数を示す。)、C=O、S=O、SO、酸素原子又は硫黄原子を示す。Ar及びArは置換基を有してもよいアリーレン基を示す。p、q、r、s及びtは0〜10の整数を示す。但し、p、q、r、s及びtは同時に0であることはない。)
    (式(10)中、Ar10は置換基を有してもよいアリーレン基を示す。X及びXは(CH(gは1〜10の整数を示す。)、(CH=CR25(R25は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は水素原子を示す。hは1〜5の整数を示す。)、C=O又は酸素原子を示す。u、v及びwは0〜10の整数を示す。但し、u、v及びwは同時に0であることはない。)
  4. 前記同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物の酸化電位が0.4〜1.2(V)である請求項1〜のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法であって、前記重合又は架橋が電子線によるものであることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  6. 記電子線の加速電圧が250kV以下である請求項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  7. 前記電子線の照射線量が1〜100Mradである請求項5又は6に記載の電子写真感光体の製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、該電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーで現像する現像手段、及び、転写工程後の該電子写真感光体上に残余するトナーを回収するクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該電子写真感光体に対して像露光を行い該電子写真感光体上に静電潜像を形成する像露光手段、該電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーで現像する現像手段、及び、該電子写真感光体上のトナー像を転写材上に転写する転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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