JPH08101513A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH08101513A
JPH08101513A JP25936894A JP25936894A JPH08101513A JP H08101513 A JPH08101513 A JP H08101513A JP 25936894 A JP25936894 A JP 25936894A JP 25936894 A JP25936894 A JP 25936894A JP H08101513 A JPH08101513 A JP H08101513A
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Application number
JP25936894A
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English (en)
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Minoru Umeda
実 梅田
Tatsuya Niimi
達也 新美
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繰り返し使用時の耐摩耗性に優れ、しかも残
留電位の少ない、高応答性を有する電子写真感光体を提
供する。 【構成】 導電性支持体上に、少なくとも電荷発生層と
電荷輸送層を積層してなる電子写真感光体において、該
電荷発生層に高分子電荷輸送物質を含有させ、かつ該電
荷輸送層中に低分子電荷輸送層を含有させること(好ま
しくは重量比で、電荷輸送物質/バインダー樹脂≦8/
10)を特徴とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
【0001】本発明は、電子写真感光体に関し、特に複
写機、レーザープリンター、レーザーファクシミリ等に
好適に利用される電子写真感光体に関する。
【従来の技術】
【0002】電子写真方法としては、カールソンプロセ
スやその種々の変形プロセスなどが知られており、複写
機やプリンターなどに広く使用されている。このような
電子写真方法に用いられる感光体としては、有機系の感
光材料を用いたものが、安価、大量生産性、無公害性な
どをメリットを有しており、近年使用され始めている。
有機系の電子写真感光体には、ポリビニルカルバゾール
(PVK)に代表される光導電性樹脂、PVK−TNF
(2,4,7−トリニトロフルオレノン)に代表される
電荷移動錯体型、フタロシアニン−バインダーに代表さ
れる顔料分散型、電荷発生物質と電荷輸送物質とを組み
合わせて用いる機能分離型の感光体などが知られてお
り、特に機能分離型の感光体が注目されている。
【0003】この機能分離型の感光体における静電潜像
形成のメカニズムは、感光体を帯電した後光照射する
と、光は透明な電荷輸送層を通過し、電荷発生層中の電
荷発生物質により吸収され、光を吸収した電荷発生物質
は電荷単体を発生し、この電荷単体は電荷輸送層に注入
され、帯電によって生じている電界にしたがって電荷輸
送層中を移動し、感光体表面の電荷を中和することによ
り静電潜像を形成するものである。機能分離型感光体に
おいては、主に紫外部に吸収を持つ電荷輸送物質と、主
に可視部に吸収を持つ電荷発生物質とを組み合わせて用
いることが知られており、かつ有用である。
【0004】電荷輸送物質は多くが低分子化合物として
開発されているが、低分子化合物は単独で製膜製がない
ため、通常、不活性高分子化合物に分散・混合して用い
られる。しかるに低分子電荷輸送物質と不活性高分子化
合物からなる電荷輸送層は一般に柔らかく、カールソン
プロセスにおいては繰り返し使用による膜削れを生じや
すいという欠点がある。更に、この構成の電荷輸送層は
電荷移動度に限界があり、カールソンプロセスの高速化
あるいは小型化の障害となっていた。これは、通常低分
子電荷輸送物質の含有量が50重量%以下で使用される
ことに起因している。即ち低分子電荷輸送物質の含有量
を増すことで確かに電荷移動度は上げられるが、このと
き逆に製膜性が劣化するためである。
【0005】この点を克服するために高分子型の電荷輸
送物質が注目され、例えば、特開昭51−73888号
公報、特開昭54−8527号公報、特開昭54−11
737号公報、特開昭56−150749号公報、特開
昭57−78402号公報、特開昭63−285552
号公報、特開平1−1728号公報、特開平1−190
49号公報、特開平3−50555号公報等に開示され
ている。しかしながら、高分子電荷輸送物質からなる電
荷輸送層と電荷発生層とを組み合わせた感光体の光感度
は、上記の低分子電荷輸送物質を用いた場合に比べ著し
く劣っており、この点の改良が強く望まれていた。ま
た、特開平5−34938号公報には、高分子電荷輸送
物質を電荷輸送層に用いた積層感光体の高感度化技術に
関して、低分子電荷輸送物質を電荷発生層ないし電荷輸
送層に添加せしめる技術が開示されている。しかしなが
ら、低分子電荷輸送物質を高分子電荷輸送物質からなる
電荷輸送層に添加すると、繰り返し使用による電荷輸送
層の削れが多くなるという欠点を有する。一方、低分子
電荷輸送物質を電荷発生層に添加した場合は、無添加時
よりは感度の向上が認められるものの満足のいくレベル
に達していなかった。
【0006】一方、電荷輸送層に高分子電荷輸送物質を
用いた場合、そのような欠点は克服できるが、その代り
に感光体の感度が低いという致命的欠点を生じてしま
う。この点に関しては、低分子電荷輸送物質を併用する
ことも可能であるが、すべての特性を満足できるもので
はないことは上述したとおりである。更に、積層感光体
の電荷輸送層中の電荷輸送物質濃度(電荷輸送物質/バ
インダー樹脂比)を小さくし、かつ電荷発生層中に低分
子電荷輸送物質を添加する試みがなされているが(特開
昭63−281167号公報)、無添加時よりは感度の
向上が認められるものの満足のいくレベルに達していな
かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、繰り
返し使用時の耐摩耗性に優れ、同時に残留電位の少な
い、高速応答性を有する電子写真感光体を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、導電性
支持体上に、少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を積層
してなる電子写真感光体において、該電荷発生層に高分
子電荷輸送物質を含有し、かつ該電荷輸送層中に低分子
電荷輸送物質を含有することを特徴とする電子写真感光
体が提供され、特に、前記電荷輸送層中の電荷輸送物質
/バインダー樹脂の重量比が、8/10以下であること
を特徴とする前記電子写真感光体が提供される。
【0009】これまで、機能分離型積層感光体の光キャ
リア発生は、電荷発生層内で電荷発生物質が光励起を受
けて生ずるものと考えられており、またこのことを実証
した例も非常に少なかった。本発明者らは、ビスアゾ顔
料及びトリスアゾ顔料を電荷発生層に用いた積層感光体
の光キャリア発生に関する検討を行なった結果、光吸収
した電荷発生層バルクに励起子(exciton)を生
じ、この励起子が電荷発生層と電荷輸送層の界面でフリ
ーキャリアに解離し、光キャリア発生していることを見
出し、ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・
フィジックス誌第29巻12号2746〜2750頁及
びジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス誌第7
2巻1号117〜123頁に報告してきた。
【0010】更に本発明者らはその後、鋭意検討を重ね
た結果、次の知見を得た。 (1)電荷発生層と電荷輸送層の界面におけるキャリア
の発生は、有機電荷発生全般にわたって認められるこ
と。 (2)光キャリアの発生量は、電荷発生物質と低分子電
荷輸送物質との接触・混合度合いが多いほど、大きいこ
と。 (3)光キャリアの発生は、電荷発生物質と高分子電荷
輸送物質との間でも生じ、かつその量は接触・混合度合
いが多いほど、大きいこと。 (4)電荷輸送層を通常のキャスト法で製膜する場合、
低分子化合物(低分子電荷輸送物質)は電荷発生層にし
みこみ、電荷発生物質と十分に接触できるが、高分子化
合物(高分子電荷輸送物質)の場合は電荷発生層にしみ
こむことができず電荷発生物質との接触が十分とれない
ため光キャリア発生量は少ない(感度が低い)こと。 (5)電荷輸送層から電荷発生層への電荷輸送物質のし
みこみは、電荷輸送層の電荷輸送物質濃度に依存するこ
と。
【0011】かかる新規な知見に基づき、本発明者らは
前記の電荷輸送物質を用いた積層感光体の高感度化技術
に関して、電荷発生層に拡散係数の小さな高分子電荷輸
送物質を用いることにより、電荷輸送層積層の際の溶け
だしを押さえることができ、更に、電荷発生層中の光キ
ャリア発生サイトが十分に確保できることにより、電荷
輸送層中の電荷輸送物質濃度を低く設定できることか
ら、高耐摩耗性の感光体を得ることができることを見出
し、本発明に至った。
【0012】本発明の電子写真感光体が高耐摩耗性、高
感度であることは、前記した知見に基づけば、次のよう
に考察することができる。即ち、通常電荷輸送層の耐摩
耗性を上げるため、電荷輸送層に用いる低分子電荷輸送
物質濃度を小さくすることが考えられるが、この場合に
は、電荷発生層への電荷輸送物質のしみこみ量は少なく
なる。このため、電荷輸送物質と電荷発生物質との接触
量も小さくなり、キャリア発生サイトが不足する。この
点に対し、電荷発生層中に低分子電荷輸送物質を添加す
る試みもなされたが、電荷発生層を湿式法で積層する
際、電荷輸送物質は電荷輸送層へと一部溶け出してしま
う。この結果、十分なキャリア発生サイトが確保できな
い。
【0013】一方、前記本発明の構成から成る電子写真
感光体においては、電荷発生層内に予め高分子電荷輸送
物質を添加してあるため、これと、電荷発生物質との間
のキャリア発生サイトが十分量確保されている。しかし
て、低分子電荷輸送物質濃度の小さい電荷輸送層を形成
しても十分量のキャリア発生サイト数は保存され、高感
度感光体が実現できる。又、電荷発生層中に用いる電荷
発生物質が有機物である場合には、電荷発生物質と電子
供与性基を有する重合体との間で好ましく光キャリアの
発生を生じせしめることが可能となり、望ましい高感度
感光体が実現できる。加えて本発明の感光体は、電荷輸
送層が低分子電荷輸送物質濃度の小さい状態で構成され
ることから、高硬度感光体を実現でき、繰り返し使用時
の耐膜削れに優れた特性を示すようになる。
【0014】次に図面を用いて本発明を説明する。図1
は、本発明の電子写真感光体の構成例を示す断面図であ
り、導電性支持体11上に、電荷発生層17と電荷輸送
層19が形成されたものである。図2は、別の構成例を
示す断面図であり、導電性支持体11と、電荷発生層1
7の間に中間層23を設けたものである。
【0015】始めに、本発明において用いられる高分子
電荷輸送物質について述べる。本発明に用いられる高分
子電荷輸送物質としては、次のものが挙げられる。 (a)主鎖および/または側鎖にカルバゾール環を有す
る重合体 該重合体としては、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ールや、特開昭50−82056号公報、特開昭54−
9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開
平4−183719号公報に記載の化合物等が例示され
る。 (b)主鎖および/または側鎖にヒドラゾン構造を有す
る重合体 該重合体としては、例えば、特開昭57−78402号
公報、特開平3−50555号公報に記載の化合物等が
例示される。 (c)ポリシリレン重合体 該重合体としては、例えば、特開昭63−285552
号公報、特開平5−19497号公報、特開平5−70
595号公報に記載の化合物等が例示される。 (d)主鎖および/または側鎖に第3級アミン構造を有
する重合体 該重合体としては、例えば、N,N−ビス(4−メチル
フェニル)−4−アミノポリスチレンや、特開平1−1
3061号公報、特開平1−19049号公報、特開平
1−1728号公報、特開平1−105260号公報、
特開平2−167335号公報、特開平5−66598
号公報、特開平5−40350号公報に記載の化合物等
が例示される。 (e)その他の重合体 その他の重合体としては、例えば、ニトロピレンのホル
ムアルデヒド縮重合体や、特開昭51−73888号公
報、特開昭56−150749号公報に記載の化合物等
が例示される。
【0016】本発明において使用される高分子電荷輸送
物質は、上記重合体だけでなく、公知単量体との共重合
体や、ブロック共重合体、グラフト共重合体、スターポ
リマーや、また、例えば特開平3−109406号公報
に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合
体等を用いることも可能である。本発明に使用される高
分子電荷輸送物質としては、上述した材料群の中でもと
りわけ(b)、(c)、(d)に属するものが優れた効
果を有し、好適に使用することができる。
【0017】本発明において使用される高分子電荷輸送
物質は、必らずしも高分子量である必要はなく、いわゆ
るオリゴマーであってもよい。従って、該高分子電荷輸
送物質の重量平均分子量は、1000以上のものが好ま
しく、更に好ましくは2000〜2000000であ
る。また、本発明において使用される高分子電荷輸送物
質は、そのイオン化ポテンシャル(Ip)が電荷発生物
質のIp値に0.2eVをプラスした値より小さいとき
に、良好な光感光体が発現される。
【0018】導電性支持体11としては、体積抵抗10
10Ω以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニ
ッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金などの金
属、酸化スズ、酸化インジウムなどの酸化物を、蒸着ま
たはスパッタリングによりフィルム状もしくは円筒状の
プラスチック、紙等に被覆したもの、あるいはアルミニ
ウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの
板およびそれらをD.I.,I.I.,押出し、引き抜
きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨などで
表面処理した管などを使用することができる。
【0019】次に、電荷発生層17について説明する。
電荷発生層17は、電荷発生物質と高分子電荷輸送物質
を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を用
いることもある。電荷発生物質としては、公知の材料を
用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無
金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズ
レニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバ
ゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格
を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ
顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フル
オレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格
を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔
料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔
料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペ
リレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔
料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフ
ェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系
顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系
顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられ
る。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混
合物として用いることができる。
【0020】電荷発生層に使用されるバインダー樹脂と
しては、先に記した高分子電荷輸送物質が用いられる
が、必要に応じて他のバインダー樹脂を併用してもよ
い。この際、用いられるバインダー樹脂としては、ポリ
アミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポ
リカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリ
ビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニル
ケトン、ポリスチレン、ポリアクリルアミドなどが用い
られる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以
上の混合物として用いることができる。
【0021】電荷発生層17を形成する方法には、真空
薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティングとが挙げ
られる。前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解
法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応
性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、電荷発生
層17として、上述した材料が良好に形成できる。ただ
し、この場合には同時に用いられる高分子電荷輸送物質
が真空薄膜作製法で層を形成できる場合に限られる。ま
た、後者のキャスティング法によって電荷発生層を設け
るには、電荷発生物質と高分子電荷輸送物質を必要なら
ばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘ
キサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の
溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル等
により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することに
より、形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコー
ト、ビードコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.
01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜
2μmである。
【0022】次に、電荷輸送層19について説明する。
電荷輸送層19は、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を
適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥する
ことにより形成できる。また、必要により可塑剤やレベ
リング剤を添加することもできる。電荷輸送物質には、
電子輸送物質と正孔輸送物質とがある。電子輸送物質と
しては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシ
アノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7
−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テ
トラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テト
ラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサ
ントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ
〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリ
ニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなど
の電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質
は、単独または2種以上の混合物として用いることがで
きる。
【0023】正孔輸送物質としては、以下に表わされる
電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。例え
ば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イ
ミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−
(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1
−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、ス
チリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒ
ドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾー
ル誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、ア
クリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾ
ール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これ
らの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物とし
て用いることができる。
【0024】電荷輸送層19に用いられるバインダー樹
脂としては、ポリカーボネート(ビスフェノールAタイ
プ、ビスフェノールZタイプ)、ポリエステル、メタク
リル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、塩化ビニル、
酢酸ビニル、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、アルキッド
樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビ
ニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリアクリレ
ート、ポリアクリルアミド、フェノキシ樹脂などが用い
られる。これらのバインダーは、単独または2種以上の
混合物として用いることができる。
【0025】電荷輸送層19中の電荷輸送物質濃度は、
電荷輸送物質/バインダー樹脂重量比で、8/10以下
が好ましく、更に好ましくは6/10以下である。これ
以上になると、機械的な耐摩耗性が低下するためであ
る。電荷輸送層19の膜厚は、5〜100μm程度が適
当である。
【0026】また、本発明において電荷輸送層19中に
可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤として
は、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一
般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま
使用でき、その使用量は、バインダー樹脂に対して30
重量%程度以下が適当である。レベリング剤としては、
ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーン
オイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロ
アルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用
され、その使用量は、バインダー樹脂に対して1重量%
以下が適当である。
【0027】導電性支持体11と電荷発生層17との間
に設けられる中間層23は、接着性を向上する目的で設
けられ、その材料としてはSiO2、Al23、シラン
カップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップ
リング剤などの無機材料やポリアミド樹脂、アルコール
可溶性ポリアミド樹脂、水溶性ポリビニルブチラール、
ポリビニルブチラール、PVAなどの接着性のよいバイ
ンダー樹脂などが使用される。その他、前記接着性のよ
いバインダー樹脂に、ZnO、TiO2、ZnSなどを
分散したものも使用できる。中間層の形成法としては、
無機材料単独の場合はスパッタリング、蒸着などの方法
が、また有機材料を用いた場合は、通常の塗布法が採用
される。なお、中間層の膜厚は5μm以下が適当であ
る。
【0028】また、本発明においては、耐環境性の改善
のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止す
る目的で、酸化防止剤を添加することができる。酸化防
止剤は、有機物を含む層ならばいずれに添加してもよい
が、電荷輸送物質を含む層に添加すると良好な結果が得
られる。
【0029】本発明に用いることができる酸化防止剤と
して、下記のものが挙げられる。 モノフェノール系化合物 2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒ
ドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エ
チルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートな
ど。 ビスフェノール系化合物 2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−
エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオ
ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)など。 高分子量フェノール系化合物 1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−
5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメ
チル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−〔メ
チレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ビ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、ビス
〔3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチ
ルフェニル)ブチリックアッシド〕クリコールエステ
ル、トコフェロール類など。 パラフェニレンジアミン類 N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジ
アミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレ
ンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−
フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p
−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’
−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。 ハイドロキノン類 2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジ
ドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノ
ン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t
−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オ
クダデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。 有機硫黄化合物 ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステ
アリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデ
シル−3,3’−チオジプロピオネートなど。 有機燐化合物類 トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホス
フィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリク
レジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキ
シ)ホスフィンなど。
【0030】これらの化合物は、ゴム、プラスチック、
油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を
容易に入手できる。本発明における酸化防止剤の添加量
は、電荷輸送物質100重量%に対して0.1〜100
重量部、好ましくは2〜30重量部である。
【0031】
【実施例】次に、実施例によって本発明を更に詳細に説
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。尚、実施例中使用する部は、すべて重量部を表わ
す。
【0032】実施例1 アルミニウムを蒸着したポリエチレンテレフタレートフ
ィルム上に、下記組成の電荷発生層用塗工液、電荷輸送
層用塗工液を順次、塗布乾燥することにより、0.2μ
mの電荷発生層、20μmの電荷輸送層を形成して、本
発明の電子写真感光体を得た。 〔電荷発生層用塗工液〕 下記構造の電荷発生物質 5部
【化1】 下記構造の高分子電荷輸送物質 3部
【化2】 テトラヒドロフラン 400部 〔電荷輸送層用塗工液〕 下記構造の電荷輸送物質 6部
【化3】 ポリカーボネート 10部 (帝人化成(株)製:パンライトL−1250) 塩化メチレン 100部
【0033】実施例2 実施例1と同じ支持体上に、下記組成の電荷発生層用塗
工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布乾燥することに
より、0.3μmの電荷発生層、25μmの電荷輸送層
を形成して、本発明の電子写真感光体を得た。 〔電荷発生層用塗工液〕 下記構造の電荷発生物質 5部
【化4】 下記構造の高分子電荷輸送物質 5部
【化5】 ポリビニルブチラール 1部 (積水化学工業製:エスレックBL−1) シクロヘキサノン 150部 2−ブタノン 100部 〔電荷輸送層用塗工液〕 下記構造の電荷輸送物質 5部
【化6】 ポリカーボネート 10部 (帝人化成(株)製:パンライトK−1300) テトラヒドロフラン 90部
【0034】実施例3 ハステロイ導電層を設けたポリエチレンテレフタレート
フィルム上に、下記組成の中間層塗工液、電荷発生層用
塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布乾燥すること
により、0.3μmの中間層、0.2μmの電荷発生
層、22μmの電荷輸送層を形成して、本発明の電子写
真感光体を得た。 〔中間層用塗工液〕 アルコール可溶性ナイロン 3部 (東レ製:アミランCM−8000) メタノール 60部 ブタノール 40部 〔電荷発生層用塗工液〕 下記構造の電荷発生物質 4部
【化7】 下記構造の高分子電荷輸送物質 6部
【化8】 シクロヘキサノン 300部 〔電荷輸送層用塗工液〕 下記構造の電荷輸送物質 7部
【化6】 ポリカーボネート 10部 (三菱ガス化学製:ユーピロンZ−200) トルエン 150部
【0035】実施例4 φ80mmのアルミニウム円筒状支持体上に、下記組成
の中間層塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗
工液を順次、塗布乾燥することにより、0.5μmの中
間層、0.3μmの電荷発生層、28μmの電荷輸送層
を形成して、本発明の電子写真感光体を得た。 〔中間層用塗工液〕 二酸化チタン 5部 ポリエステル 2部 (東洋紡績(株)製:バイロン200) 2−ブタノン 110部 4−メチル−2ペンタノン 70部 〔電荷発生層用塗工液〕 下記構造の電荷発生物質 1部
【化9】 下記構造の高分子電荷輸送物質 1部
【化10】 テトラヒドロフラン 100部 シクロヘキサノン 50部 〔電荷輸送層用塗工液〕 下記構造の電荷輸送物質 8部
【化11】 ポリカーボネート 10部 (GE社製:レキサンL−141) 塩化メチレン 200部
【0036】実施例5 実施例4における電荷輸送層用塗工液を下記組成にした
ものに変えた以外は、実施例4と全く同様に電子写真感
光体を作製した。 〔電荷輸送層用塗工液〕 下記構造の電荷輸送物質 6部
【化11】 ポリカーボネート 10部 (GE社製:レキサンL−141) 塩化メチレン 200部
【0037】実施例6 実施例4における電荷輸送層用塗工液を下記組成にした
ものに変えた以外は、全く同様に電子写真感光体を作製
した。 〔電荷輸送層用塗工液〕 下記構造の電荷輸送物質 9部
【化11】 ポリカーボネート 10部 (GE社製:レキサンL−141) 塩化メチレン 200部
【0038】実施例7 実施例4における電荷輸送層用塗工液を下記組成にした
ものに変えた以外は、全く同様に電子写真感光体を作製
した。 〔電荷輸送層用塗工液〕 下記構造の電荷輸送物質 11部
【化11】 ポリカーボネート 10部 (GE社製:レキサンL−141) 塩化メチレン 200部
【0039】比較例1 実施例1において、電荷発生層用塗工液に高分子電荷輸
送物質を加えない以外は、実施例1と全く同様に電子写
真感光体を作製した。
【0040】比較例2 実施例2において、電荷発生層用塗工液に電子供与性基
を有する重合体を加えない以外は、実施例3と全く同様
に電子写真感光体を作製した。
【0041】比較例3 実施例3における電荷発生層用塗工液を下記組成にした
ものに変えた以外は、全く同様に電子写真感光体を作製
した。 〔電荷発生層用塗工液〕 下記構造の電荷発生物質 4部
【化7】 下記構造の電荷輸送物質 6部
【化6】 シクロヘキサノン 300部
【0042】実施例1〜3および比較例1〜3の電子写
真感光体の特性を、静電複写紙試験装置(川口電機製作
所:SP−428型)を用いて次のように評価した。ま
ず、−5.2kVの放電電圧にて、コロナ放電を15秒
間行ない、次いで、暗減衰させて表面電位が−800V
になったところで、4luxのタングステン光を照射し
た。この時の光照射の際、表面電位が−400Vになる
のに必要な露光量E400(lux・sec)、および光
照射30秒後の表面電位V30を測定した。評価結果を表
1に示す。また、実施例4、5、6および7の電子写真
感光体は、リコー社製複写機イマジオ530にて、50
000枚のランニング試験を行なった。この際の10枚
目と50000枚目の画像を目視にて評価した。評価結
果を表2に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、導電性支持体上に、少
なくとも電荷発生層と電荷輸送層を積層してなる電子写
真感光体において、該電荷発生層に高分子電荷輸送物質
を含有させ、かつ該電荷輸送層中に低分子電荷輸送物質
を含有させることにより、電荷輸送層中の電荷輸送物質
の濃度を下げることができ、繰り返し使用時の耐摩耗性
に優れ、同時に残留電位の少ない高速応答性を有する電
子写真感光体が提供される。また電荷輸送層中の電荷輸
送物質/バインダー樹脂の重量比を、8/10以下とす
ることにより、耐摩耗性が更に向上した電子写真感光体
が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の構成例の模式断面図
である。
【図2】本発明の電子写真感光体の別の構成例の模式断
面図である。
【符号の説明】
11…導電性支持体 17…電荷発生層 19…電荷輸送層 23…中間層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、少なくとも電荷発生
    層と電荷輸送層を積層してなる電子写真感光体におい
    て、該電荷発生層に高分子電荷輸送物質を含有させ、か
    つ該電荷輸送層中に低分子電荷輸送物質を含有させるこ
    とを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記電荷輸送層中の電荷輸送物質/バイ
    ンダー樹脂の重量比が、8/10以下であることを特徴
    とする請求項1記載の電子写真感光体。
JP25936894A 1994-09-29 1994-09-29 電子写真感光体 Pending JPH08101513A (ja)

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US08/535,573 US5677094A (en) 1994-09-29 1995-09-28 Electrophotographic photoconductor

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000019765A (ja) * 1998-04-30 2000-01-21 Canon Inc プロセスカ―トリッジ及び電子写真装置
JP2000147804A (ja) * 1998-11-13 2000-05-26 Canon Inc 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2000147815A (ja) * 1998-11-13 2000-05-26 Canon Inc 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置

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JP2000147815A (ja) * 1998-11-13 2000-05-26 Canon Inc 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置

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