JPH08101517A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH08101517A
JPH08101517A JP25937494A JP25937494A JPH08101517A JP H08101517 A JPH08101517 A JP H08101517A JP 25937494 A JP25937494 A JP 25937494A JP 25937494 A JP25937494 A JP 25937494A JP H08101517 A JPH08101517 A JP H08101517A
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JP
Japan
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charge
layer
charge transport
transport material
polymer
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Application number
JP25937494A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Niimi
達也 新美
Minoru Umeda
実 梅田
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Priority to US08/535,573 priority patent/US5677094A/en
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 導電性支持体上に、少なくとも電荷発生層と
電荷輸送層を順次積層してなる電子写真感光体におい
て、該電荷輸送層が高分子電荷輸送物質と低分子電荷輸
送物質からなり、低分子電荷輸送物質が電荷発生層側か
ら表面に向かって連続的に低くなることを特徴とする電
子写真感光体及び導電性支持体上に、少なくとも電荷発
生層と電荷輸送層を順次積層した電子写真感光体におい
て、該電荷輸送層が2層以上の多層構成からなり、少な
くとも最も表面に近い層が高分子電荷輸送物質から形成
されることを特徴とする電子写真感光体。 【効果】 本発明の電子写真感光体は、繰り返し使用時
の耐摩耗性に優れると共に残留電位が少なく、かつ優れ
た高速応答性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体に関
し、更に詳しくは複写機、レーザープリンター、レーザ
ーファクシミリ等に好適に利用される電子写真感光体に
関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方法としては、カールソンプロ
セスやその種々の変形プロセスなどが知られており、複
写機やプリンターなどに広く使用されている。このよう
な電子写真方法に用いられる感光体の中でも、有機系の
感光材料を用いたものが、安価、大量生産性、無公害性
などをメリットとして、近年使用され始めている。有機
系の電子写真感光体には、ポリビニルカルバゾール(P
VK)に代表される光導電性樹脂、PVK−TNF
(2,4,7−トリニトロフルオレノン)に代表される
電荷移動錯体型、フタロシアニン−バインダーに代表さ
れる顔料分散型、電荷発生物質と電荷輸送物質とを組み
合わせて用いる機能分離型の感光体などが知られてお
り、特に機能分離型の感光体が注目されている。この機
能分離型の感光体における静電潜像形成のメカニズム
は、感光体を帯電した後光照射すると、光は透明な電荷
輸送層を通過し、電荷発生層中の物質により吸収され、
光を吸収した電荷発生物質は電荷担体を発生し、この電
荷担体は電荷輸送層に注入され、帯電によって生じてい
る電界にしたがって電荷輸送層中を移動し、感光体表面
の電荷を中和することにより静電潜像を形成するもので
ある。機能分離型感光体においては、主に紫外部に吸収
を持つ電荷輸送物質と、主に可視部に吸収を持つ電荷発
生物質とを組み合わせて用いることが知られており、か
つ有用である。
【0003】電荷輸送物質は多くが低分子化合物として
開発されているが、低分子化合物は単独で製膜製がない
ため、通常、不活性高分子に分散・混合して用いられ
る。しかるに低分子電荷輸送物質と不活性高分子からな
る電荷輸送層は一般に柔らかく、カールソンプロセスに
おいては繰り返し使用による膜削れを生じやすいという
欠点がある。更に、この構成の電荷輸送層は電荷移動度
に限界があり、カールソンプロセスの高速化あるいは小
型化の障害となっていた。これは、通常低分子電荷輸送
物質の含有量が50重量%以下で使用されることに起因
している。即ち低分子電荷輸送物質の含有量を増すこと
で確かに電荷移動度は上げられるが、このとき逆に製膜
性が劣化するためである。
【0004】この点を克服するために高分子型の電荷輸
送物質が注目され、例えば、特開昭51−73888号
公報、特開昭54−8527号公報、特開昭54−11
737号公報、特開昭56−150749号公報、特開
昭57−78402号公報、特開昭63−28555号
公報、特開平1−1728号公報、特開平1−1904
9号公報、特開平3−50555号公報等に開示されて
いる。しかしながら、高分子電荷輸送物質からなる電荷
輸送層と電荷発生層とを組み合わせた感光体の光感度
は、上記の低分子電荷輸送物質を用いた場合に比べ著し
く劣っており、この点の改良が強く望まれていた。ま
た、特開平5−34938号公報には、高分子電荷輸送
物質を電荷輸送層に用いた積層感光体の高感度化技術に
関して、低分子電荷輸送物質を電荷発生層ないし電荷輸
送層に添加せしめる技術が開示されている。しかしなが
ら、低分子電荷輸送物質を高分子電荷輸送物質からなる
電荷輸送層に添加すると、繰り返し使用による電荷輸送
層の削れが多くなるという欠点を有する。一方、低分子
電荷輸送物質を電荷発生層に添加した場合は、無添加時
よりは感度の向上が認められるものの満足のいくレベル
に達していなかった。
【0005】上述したように、機能分離型積層感光体の
電荷輸送層を低分子電荷輸送物質と不活性高分子で構成
した場合、電荷移動度すなわち応答性に限界があり、ま
た繰り返し使用による電荷輸送層の削れを生ずるという
不具合点を有する。一方、電荷輸送層に低分子電荷輸送
物質を用いた場合、そのような欠点は克服できるが、そ
の代りに感光体の感度が低いという致命的欠点を生じて
しまう。この点に関しては、低分子電荷輸送物質を併用
することも可能であるが、すべての特性を満足できるも
のではないことは上述したとおりである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、繰り
返し使用時の耐摩耗性に優れ、残留電位の少ない、高速
応答性を有する感光体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】これまで、機能分離型積
層感光体の光キャリア発生は、電荷発生層内で電荷発生
物質が光励起を受けて生ずるものと考えられており、ま
たこのことを実証した例も非常に少なかった。本発明者
らは、ビスアゾ顔料及びトリスアゾ顔料を電荷発生層に
用いた積層感光体の光キャリア発生に関する検討を行な
った結果、光吸収した電荷発生層バルクに励起子(ex
citon)を生じ、この励起子が電荷発生層と電荷輸
送層の界面でフリーキャリアに解離し、光キャリア発生
していることを見出し、ジャパニーズ・ジャーナル・オ
ブ・アプライド・フィジックス誌第29巻12号274
6〜2750頁及びジャーナル・オブ・アプライド・フ
ィジックス誌第72巻1号117〜123頁に報告して
きた。更に本発明者らはその後、鋭意検討を重ねた結
果、次の知見を得た。 (1)電荷発生層と電荷輸送層の界面におけるキャリア
の発生は、有機電荷発生全般にわたって認められるこ
と。 (2)光キャリアの発生量は、電荷発生物質と低分子電
荷輸送物質との接触・混合度合いが多いほど、大きいこ
と。 (3)光キャリアの発生は、電荷発生物質と電子供与性
基を有する重合体との間でも生じ、かつその量は接触・
混合度合いが多いほど、大きいこと。 (4)電荷輸送層を通常のキャスト法で製膜する場合、
低分子化合物(低分子電荷輸送物質)は電荷発生層に浸
み込み、電荷発生物質と十分に接触できるが、高分子化
合物の場合は電荷発生層に浸み込むことができず電荷発
生物質との接触が十分とれないため光キャリア発生量は
少ない(感度が低い)こと。 (5)電荷輸送層から電荷発生層への電荷輸送物質の浸
み込みは、電荷輸送層中の電荷輸送物質濃度に依存する
こと。
【0008】かかる新規な知見に基づき、本発明者ら
は、前記の高分子電荷輸送物質を用いた積層感光体に関
して、 電荷輸送層を低分子電荷輸送物質と高分子電荷輸送物
質とを含有する構成とし、表面側においては高分子電荷
輸送物質濃度を高くし、電荷発生層側では低分子電荷輸
送物質濃度を高くすることで耐摩耗性および高感度のい
ずれをも同時に達成できること、また、 電荷輸送層を2層以上の積層構成とし、表面側におい
ては高分子電荷輸送物質濃度を高くし、電荷発生層側で
は低分子電荷輸送物質濃度を高くすることで、耐摩耗性
および高感度のいずれをも同時に達成できることを見出
し、本発明に至った。
【0009】すなわち、本発明によれば、第一に、導電
性支持体上に、少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を順
次積層してなる電子写真感光体において、該電荷輸送層
が高分子電荷輸送物質と低分子電荷輸送物質からなり、
低分子電荷輸送物質が電荷発生層側から表面に向かって
連続的に低くなることを特徴とする電子写真感光体が提
供され、第二に、導電性支持体上に、少なくとも電荷発
生層と電荷輸送層を順次積層した電子写真感光体におい
て、該電荷輸送層が2層以上の多層構成からなり、少な
くとも最も表面に近い層が高分子電荷輸送物質から形成
されることを特徴とする電子写真感光体が提供される。
【0010】以下、図面を用いて本発明を説明する。図
1は、第1発明において使用する感光体の構成例を示す
断面図であり、導電性支持体11上に、電荷発生層17
と電荷輸送層19が形成されたものであり、電荷輸送層
19は低分子電荷輸送物質濃度傾斜が付いた構成となっ
ている。図2は、第1発明の別の構成例を示す断面図で
あり、導電性支持体11と電荷発生層17の間に中間層
23を設けたものである。図3は、第2発明において使
用する感光体の構成例を示す断面図であり、導電性支持
体11上に、電荷発生層17と電荷輸送層19が形成さ
れたものであり、電荷輸送層19は2層以上の多層構成
となっている。図4は、第2発明の別の構成例を示す断
面図であり、導電性支持体11と電荷発生層17の間に
中間層23を設けたものである。
【0011】次に、本発明の電子写真感光体について更
に詳しく説明する。まず、第1発明の構成、作用・機能
について述べる。第1発明の構成は、導電性支持体上
に、少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を順次積層して
なる電子写真感光体において、該電荷輸送層が高分子電
荷輸送物質と低分子電荷輸送物質からなり、低分子電荷
輸送物質が電荷発生層側から表面に向かって連続的に低
くなることを特徴とする電子写真感光体、および電荷輸
送層最表面の低分子電荷輸送物質濃度が10%以下であ
ることを特徴とする前記電子写真感光体、および電荷輸
送層の電荷発生層に最も近い部分の低分子電荷輸送物質
濃度が20%以上であることを特徴とする前記電子写真
感光体である。
【0012】第1発明の電子写真感光体は高耐摩耗性、
高感度を呈するものであるが、前記した知見に基づけ
ば、このような作用・機能は次のように考察することが
できる。一般に、電荷輸送層に用いる高分子電荷輸送物
質は、分子量が大きいために拡散定数が小さくキャスト
塗工時に電荷発生層に浸み込むことができず、電荷発生
物質との接触は電荷発生層/電荷輸送層の界面だけとな
り、キャリア発生サイトが不足している。これに対し
て、上記第1発明の構成から成る電子写真感光体におい
ては、電荷輸送層内に予め低分子電荷輸送物質を添加し
てあるため、電荷輸送層塗工時に電荷発生層へ低分子電
荷輸送物質が十分に浸み込む。この結果、低分子電荷輸
送物質と電荷発生物質との間のキャリア発生サイトが十
分量確保される。しかして、高分子電荷輸送物質からな
る電荷輸送層を形成しても十分量のキャリア発生サイト
数は保存され、高感度感光体が実現できる。この場合、
電荷発生層に最も近い部分の電荷輸送層の低分子電荷輸
送物質濃度を20%以上好ましくは40%以上にするこ
とにより、この効果はいっそう顕著となる。尚、第1発
明でいう低分子電荷輸送物質濃度とは、電荷輸送層を形
成する物質の総重量に対する低分子電荷輸送物質の重量
を表わしたものである。第1発明のように、電荷輸送層
中の低分子電荷輸送物質濃度の勾配を付け、感光体表面
の低分子電荷輸送物質濃度を10%以下、更に好ましく
は0%にすることによって、高硬度感光体を実現でき、
繰り返し使用時の耐膜削れに優れた特性を示す。単純に
電荷輸送層に高分子電荷輸送物質と低分子電荷輸送物質
を混合して用いた場合には、高分子電荷輸送物質の耐摩
耗性の能力が十分に発揮されない。
【0013】次に、第2発明の構成、作用・機能につい
て述べる。第2発明は、導電性支持体上に、少なくとも
電荷発生層と電荷輸送層を順次積層した電子写真感光体
において、該電荷輸送層が2層以上の多層構成からな
り、少なくとも最も表面に近い層が高分子電荷輸送物質
から形成されることを特徴とする電子写真感光体、およ
び電荷輸送層の内、少なくとも最も表面に近い層が高分
子電荷輸送物質から形成されてなり、かつ少なくとも電
荷発生層に近い層に低分子電荷輸送物質が含有されてな
ることを特徴とする上記電子写真感光体、および電荷発
生層に近い電荷輸送層の低分子電荷輸送物質濃度が20
%以上であることを特徴とする上記電子写真感光体、お
よび電荷輸送層の内、少なくとも最も表面に近い層が高
分子電荷輸送物質とバインダー樹脂から形成されること
を特徴とする上記電子写真感光体、および電荷輸送層の
内、少なくとも最も表面に近い層が高分子電荷輸送物質
から形成されてなり、かつ低分子電荷輸送物質が含有す
る層のバインダー樹脂が高分子電荷輸送物質であること
を特徴とする上記電子写真感光体である。
【0014】第2発明の電子写真感光体は高耐摩耗性、
高感度を呈するが、前記した知見に基づけば、このよう
な作用・機能は次のように考察することができる。すな
わち、電荷輸送層に用いる高分子電荷輸送物質は、分子
量が大きいために拡散定数が小さくキャスト塗工時に電
荷発生層に浸み込むことができず、電荷発生物質との接
触は電荷発生層/電荷輸送層の界面だけとなり、キャリ
ア発生サイトが不足している。一方、第2発明の構成か
ら成る電子写真感光体においては、電荷発生層に最も近
い電荷輸送層に低分子電荷輸送物質を添加してあるた
め、電荷発生層に十分な電荷輸送物質が浸み込み、電荷
発生層において、電荷輸送物質と電荷発生物質との間の
キャリア発生サイトが十分量確保される。しかして、高
分子電荷輸送物質からなる電荷輸送層を形成しても十分
量のキャリア発生サイト数は保存され、高感度感光体が
実現できる。また、電荷発生層に最も近い電荷輸送層の
低分子電荷輸送物質濃度が20%以上である場合には、
この効果はいっそう顕著なものとなる。尚、第2発明で
いう低分子電荷輸送物質とは、電荷輸送層を形成する物
質の総重量に対する低分子電荷輸送物質の重量を表わし
たものである。また電荷発生層中に用いる電荷発生物質
が有機物である場合には、電荷発生物質と電子供与性基
を有する重合体との間で好ましく光キャリアの発生を生
ぜしめることが可能となり、望ましい高感度感光体が実
現できる。更に第2発明の感光体は、最も表面に近い電
荷輸送層が高分子電荷輸送物質で構成されるため、電荷
輸送サイトの高密度化に基づく高電荷移動度を発現で
き、従って、低分子電荷輸送物質−不活性高分子系では
実現できなかった高速応答性を有するようになる。加え
て第2発明の感光体は、最も表面に近い電荷輸送層が高
分子だけで構成されることから、高硬度感光体を実現で
き、繰り返し使用時の耐膜削れに優れた特性を示すよう
になる。また、可撓性の小さな高分子電荷発生物質を用
いる場合には、不活性高分子を併用することは、第2発
明においては有効な手段である。更に、第2発明におい
て低分子電荷輸送物質を含有する層のバインダー樹脂、
および電荷発生層のバインダー樹脂として、高分子電荷
輸送物質を用いることは有効である。
【0015】次に、本発明の電子写真感光体の細部構成
について説明する。まず、第1発明の電子写真感光体に
ついて説明する。導電性支持体11としては、体積抵抗
1010Ω以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウ
ム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金な
どの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの酸化物を、
蒸着またはスパッタリングによりフィルム状もしくは円
筒状のプラスチック、紙等に被覆したもの、あるいはア
ルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス
などの板およびそれらをD.I.,I.I.,押出し、
引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨
などで表面処理した管などを使用することができる。
【0016】次に、電荷発生層17について説明する。
電荷発生層17は、電荷発生物質を主成分とする層で、
必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷
発生物質としては、公知の材料を用いることができる。
例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンな
どのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スク
エアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するア
ゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジ
フェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフ
ェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有する
アゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビ
ススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサ
ジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾ
ール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラ
キノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔
料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、
ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及ビア
ゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミ
ダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物
質は、単独または2種以上の混合物として用いることが
できる。不活性高分子であるバインダー樹脂としては、
ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケト
ン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹
脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルポリマー、ポリ
ビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバ
ゾール、ポリアクリルアミドなどが用いられる。これら
のバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物とし
て用いることができる。
【0017】電荷発生層17を形成する方法には、真空
薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大
きく挙げられる。前者の方法には、真空蒸着法、グロー
放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング
法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、
電荷発生物質としては、上述した材料が好適に使用され
る。また、後述のキャスティング法によって電荷発生層
を設けるには、上述した電荷発生物質を必要ならばバイ
ンダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノ
ン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶媒を
用いてボールミル、アトライター、サンドミル等により
分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、
形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビ
ードコート法などを用いて行なうことができる。以上の
ようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜
5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μm
である。
【0018】次に電荷輸送層19について説明する。電
荷輸送層19は高分子電荷輸送物質と低分子電荷輸送物
質からなり、低分子電荷輸送物質濃度が電荷発生層から
表面に向かって連続的に低くなるように形成される。こ
のような電荷輸送層は濃度の異なる高分子電荷輸送物質
と低分子電荷輸送物質とからなる二種類以上の塗工液を
作成し、高濃度の低分子電荷輸送物質を含む塗工液をま
ず、電荷発生層上に塗工し、その上についでそれより低
濃度の低分子電荷輸送物質を含む塗工液を塗工する工程
を順次塗工することにより形成される。この場合、電荷
輸送層中の低分子電荷輸送物質の濃度は感光体表面側に
あっては、10%以下、更に0%以下にすることが好ま
しく、このような態様を選定することにより高感度で、
繰り返し使用時の耐膜削れに優れた電子写真感光体が得
られる。また、電荷輸送層の電荷発生層に最も近い部分
の低分子電荷輸送物質の濃度は20%以上好ましくは4
0%以上とすることが望ましく、このような態様とする
ことにより、高感度で、繰り返し使用時の耐摩耗性に優
れ、残留電位の少ない電子写真感光体が得られる。
【0019】第1発明に用いられる高分子電荷輸送物質
としては、次のものが挙げられる。 (a)主鎖および/または側鎖にカルバゾール環を有す
る重合体 例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−
82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開
昭54−11737号公報、特開平4−183719号
公報に記載の化合物等が例示される。 (b)主鎖および/または側鎖にヒドラゾン構造を有す
る重合体 例えば、特開昭57−78402号公報、特開平3−5
0555号公報に記載の化合物等が例示される。 (c)ポリシリレン重合体 例えば、特開昭63−285552号公報、特開平5−
19497号公報、特開平5−70595号公報に記載
の化合物等が例示される。 (d)主鎖および/または側鎖に第3級アミン構造を有
する重合体 例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−ア
ミノポリスチレン、特開平1−13061号公報、特開
平1−19049号公報、特開平1−1728号公報、
特開平1−105260号公報、特開平2−16733
5号公報、特開平5−66598号公報、特開平5−4
0350号公報に記載の化合物等が例示される。 (e)その他の重合体 例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特
開昭51−73888号公報、特開昭56−15074
9号公報に記載の化合物等が例示される。
【0020】第1発明に使用される高分子電荷輸送物質
は、上記重合体だけでなく、公知単量体の共重合体や、
ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマーや、
また、例えば特開平3−109406号公報に開示され
ているような電子供与性基を有する架橋重合体等を用い
ることも可能である。第1発明に使用される高分子電荷
輸送物質は、上述した材料群の中でもとりわけ(b)、
(c)、(d)に属するものの使用が好適な効果を与え
ることができる。第1発明に使用される高分子電荷輸送
物質は、必らずしも高分子量である必要はなく、いわゆ
るオリゴマーであってもよい。従って、その重合体の重
量平均分子量は、1000以上のものが好ましく、更に
好ましくは2000〜2000000である。第1発明
に使用される高分子電荷輸送物質は、そのイオン化ポテ
ンシャル(Ip)が6.0eVより小さいときに、良好
な光感度が発現される。
【0021】第1発明で用いる低分子電荷輸送物質に
は、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。電子輸送物
質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テト
ラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,
4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,
7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7
−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチ
オキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデ
ノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−ト
リニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドな
どの電子受容性物質が挙げられる。これらの電荷輸送物
質は、単独または2種以上の混合物として用いることが
できる。
【0022】正孔輸送物質としては、以下に表わされる
電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。例え
ば、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、
ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルメタートおよびその
誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘
導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、
オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダ
ゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−
ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス
(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリル
アントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾ
ン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導
体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジ
ン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘
導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの正
孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用い
ることができる。
【0023】電荷輸送層19に用いられるバインダー樹
脂としては、ポリカーボネート(ビスフェノールZタイ
プ)、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、
ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ
スチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタ
ン、ポリ塩化ビニリデン、アルキッド樹脂、シリコーン
樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルホルマール、ポリアクリレート、ポリア
クリルアミド、フェノキシ樹脂などが用いられる。これ
らのバインダーは、単独または2種以上の混合物として
用いることができる。また、先述の高分子電荷輸送物質
も電荷輸送物質およびバインダー樹脂として有効に使用
できる。電荷輸送層19の膜厚は、5〜100μmが適
当である。また、第1発明において電荷輸送層19中に
可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤として
は、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一
般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま
使用でき、その使用量は、バインダー樹脂に対して0〜
30重量%程度が適当である。レベリング剤としては、
ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーン
オイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロ
アルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用
され、その使用量は、バインダー樹脂に対して0〜1重
量%が適当である。
【0024】導電性支持体11と電荷発生層17との間
に設けられる中間層23は、接着性を向上する目的で設
けられ、その材料としてはSiO2、Al23、シラン
カップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップ
リング剤などの無機材料やポリアミド樹脂、アルコール
可溶性ポリアミド樹脂、水溶性ポリビニルブチラール、
PVAなどの接着性のよいバインダー樹脂などが使用さ
れる。その他、前記接着性のよいバインダー樹脂に、Z
nO、TiO2、ZnSなどを分散したものも使用でき
る。中間層の形成法としては、無機材料単独の場合はス
パッタリング、蒸着などの方法が、また有機材料を用い
た場合は、通常の塗布法が採用される。なお、中間層の
膜厚は5μm以下が適当である。
【0025】また、第1発明においては、耐環境性の改
善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止
する目的で、酸化防止剤を添加することができる。酸化
防止剤は、有機物を含む層ならばいずれに添加してもよ
いが、電荷輸送物質を含む層に添加すると良好な結果が
得られる。
【0026】本発明に用いることができる酸化防止剤と
して、下記のものが挙げられる。 〔モノフェノール系化合物〕2,6−ジ−t−ブチル−
p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,
6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリ
ル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネートなど。 〔ビスフェノール系化合物〕2,2’−メチレン−ビス
−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,
2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチル
フェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6
−t−ブチルフェノール)、4,4’ブチリデンビス−
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)など。 〔高分子フェノール系化合物〕1,1,3−トリス−
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニ
ル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−ト
リス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン、テトラキス−〔メチレン−3−(3’,
5’−ジ−t−ブチル−4’−ビドロキシフェニル)プ
ロピオネート〕メタン、ビス〔3,3’−ビス(4’−
ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックア
ッシド〕グリコールエステル、トコフェロール類など。 〔パラフェニレンジアミン類〕N−フェニル−N’−イ
ソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−
sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニ
ル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、
N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミ
ン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−
p−フェニレンジアミンなど。 〔ハイドロキノン類〕2,5−ジ−t−オクチルハイド
ロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ド
デシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイ
ドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキ
ノン、2−(2−オクダデセニル)−5−メチルハイド
ロキノンなど。 〔有機硫黄化合物〕ジラウリル−3,3’−チオジプロ
ピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオ
ネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネ
ートなど。 〔有機燐化合物類〕トリフェニルホスフィン、トリ(ノ
ニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)
ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−
ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0027】これらの化合物は、ゴム、プラスチック、
油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を
容易に入手できる。第1発明における酸化防止剤の添加
量は、電荷輸送物質100重量%に対して0.1〜10
0重量部、好ましくは2〜30重量部である。
【0028】次に、第2発明の細部構成について述べ
る。第2発明の細部構成において、電荷輸送層の構成を
除き、導電性支持体、電荷発生層、中間層、その他の構
成等については第1発明で説明したものと同様なものが
適用できるので、これら詳細は省略し、ここでは、第2
発明の電荷輸送層の細部構成についてのみ説明する。第
2発明の電荷輸送層19は、図3〜4に示したように、
2種類以上の多層構成からなり、かつ少なくとも最も表
面に近い層に高分子電荷輸送物質を含有する。
【0029】このような構成とすることより、第2発明
の電子写真感光体は高感度であり、また繰り返し使用時
の耐膜削れによる優れたものとなる。また、第2発明の
電荷輸送層は、上記作用効果を更に向上させるために、
次のような態様を採ることが好ましい。 少なくとも最も表面に近い層に高分子電荷輸送物質を
含有させ、かつ少なくとも電荷発生層に近い層に低分子
電荷輸送物質を好ましくは20%以上含有させた態様。 少なくとも最も表面に近い層に高分子電荷輸送物質を
含有させると共にバインダー樹脂を更に含有させる態
様。なお、バインダー樹脂としては、ポリカーボネート
(ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールZタイ
プ)、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、
ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ
スチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタ
ン、ポリ塩化ビニリデン、アルキッド樹脂、シリコーン
樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルホルマール、ポリアクリレート、ポリア
クリルアミド、フェノキシ樹脂などが用いられる。これ
らのバインダーは、単独または2種以上の混合物として
用いることができる。 少なくとも最も表面に近い層に高分子電荷輸送物質を
含有させ、低分子電荷輸送物質を含有する層のバインダ
ー樹脂として高分子電荷輸送物質を含有させた態様。な
お、第2発明で用いる高分子電荷輸送物質および低分子
電荷輸送物質としては、第1発明で例示したものと同様
なものが使用できる。また、第2発明の電荷輸送層の膜
厚は全体として5〜100μm程度が適当である。そし
て、最も表面に近い側の層の膜厚は0.5〜10μm、
好ましくは1〜5μmであり、電荷発生層に最も近い側
の層の膜厚は0.5〜10μm、好ましくは1〜5μm
である。第2発明の電荷輸送層は作成するには、その層
構成に応じた、高分子電荷輸送物質、必要に応じての低
分子電荷輸送物質、バインダー樹脂、可塑剤やレベリン
グ剤を含有した塗工液を調製し、ついで所望の層構成と
なるように、各塗工液を順次塗布乾燥すればよい。
【0030】
【実施例】次に、実施例によって本発明を更に詳細に説
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。尚、使用する部は、すべて重量部を表わす。
【0031】実施例1 φ80mmのアルミニウム円筒状支持体上に、下記組成
の中間層用塗工液、電荷発生層用塗工液を順次、塗布乾
燥して、0.3μmの中間層、0.3μmの電荷発生層
を形成した後、スプレー法にて電荷輸送層用塗工液1、
電荷輸送層用塗工液2を連続して塗布することにより、
21μmの電荷輸送層を形成して、本発明の電子写真感
光体を得た。 〔中間層用塗工液〕 水溶性ポリビニルアセタール 10部 (積水化学工業製:W−101) 水 20部 メタノール 30部 〔電荷発生層用塗工液〕 下記構造の電荷発生物質 4部
【化1】 ポリビニルブチラール 1部 (積水化学工業製:エスレックBL−S) テトラヒドロフラン 200部 シクロヘキサノン 50部 〔電荷輸送層用塗工液1〕 下記構造の低分子電荷輸送物質 10部
【化2】 下記構造の高分子電荷輸送物質 20部
【化3】 テトラヒドロフラン 350部 〔電荷輸送層用塗工液2〕 下記構造の高分子電荷輸送物質 10部
【化3】 テトラヒドロフラン 200部
【0032】実施例2 実施例1と同じ支持体上に、下記組成の電荷発生層用塗
工液を塗布乾燥して、0.2μmの電荷発生層を電荷輸
送層用塗工液1、電荷輸送層用塗工液2、電荷輸送層3
用塗工液をスプレー法にて連続的にして塗布して、25
μmの電荷輸送層を形成して、本発明の電子写真感光体
を作製した。 〔電荷発生層用塗工液〕 下記構造の電荷発生物質 10部
【化4】 ポリビニルエーテル 4部 (BASF社製:Lutonal−A) シクロヘキサノン 300部 テトラヒドロフラン 300部 〔電荷輸送層1用塗工液〕 下記構造の低分子電荷輸送物質 30部
【化5】 テトラヒドロフラン 200部 〔電荷輸送層2用塗工液〕 下記構造の低分子電荷輸送物質 10部
【化5】 下記構造の高分子電荷輸送物質 10部
【化6】 テトラヒドロフラン 300部 〔電荷輸送層3用塗工液〕 下記構造の高分子電荷輸送物質 10部
【化6】 テトラヒドロフラン 300部
【0033】〔実施例3〕実施例1において、電荷輸送
層用塗工液2を以下のものに変更した以外は、全く同様
に電子写真感光体を作製した。 〔電荷輸送層用塗工液2〕 下記構造の低分子電荷輸送物質 2部
【化2】 下記構造の高分子電荷輸送物質 18部
【化3】 テトラヒドロフラン 150部
【0034】〔実施例4〕実施例1において、電荷輸送
層用塗工液2を以下のものに変更した以外は、全く同様
に電子写真感光体を作製した。 〔電荷輸送層用塗工液2〕 下記構造の低分子電荷輸送物質 5部
【化2】 下記構造の高分子電荷輸送物質 20部
【化3】 テトラヒドロフラン 350部
【0035】〔実施例5〕実施例1において、電荷輸送
層用塗工液1を以下のものに変更した以外は、全く同様
に電子写真感光体を作製した。 〔電荷輸送層1用塗工液〕 下記構造の高分子電荷輸送物質 20部
【化3】 下記構造の低分子電荷輸送物質 5部
【化2】 テトラヒドロフラン 200部
【0036】〔実施例6〕実施例1において、電荷輸送
層1用塗工液を以下のものに変更した以外は、全く同様
に電子写真感光体を作製した。 〔電荷輸送層用塗工液1〕 下記構造の低分子電荷輸送物質 2部
【化2】 下記構造の高分子電荷輸送物質 18部
【化3】 テトラヒドロフラン 400部
【0037】実施例7 φ80mmのアルミニウム円筒状支持体上に、下記組成
の中間層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層1
用塗工液、、電荷輸送層2用塗工液を順次、塗布乾燥し
て、0.3μmの中間層、0.2μmの電荷発生層、2
0μmの電荷輸送層1、2μmの電荷輸送層2を形成し
て、本発明の電子写真感光体を作製した。 〔中間層用塗工液〕 ポリビニルアルコール 3部 (クラレ製:クラレポバールPVA−110) メタノール 50部 水 50部 〔電荷発生層用塗工液〕 下記構造の電荷発生物質 3部
【化7】 シクロヘキサノン 70部 4−メチル−2ペンタノン 30部 〔電荷輸送層1用塗工液〕 下記構造の電荷輸送物質 10部
【化8】 ポリカーボネート 10部 (帝人化成(株)製:パンライトK−1300) テトラヒドロフラン 150部 〔電荷輸送層2用塗工液〕 下記構造の高分子電荷輸送物質 10部
【化9】 塩化メチレン 90部
【0038】実施例8 実施例7と同じ支持体上に、下記組成の電荷発生層用塗
工液、電荷輸送層1用塗工液、電荷輸送層2用塗工液、
電荷輸送層3用塗工液を順次、塗布乾燥して、0.2μ
mの電荷発生層、1μmの電荷輸送層1、20μmの電
荷輸送層2、3μmの電荷輸送層3を形成して、本発明
の電子写真感光体を作製した。 〔電荷発生層用塗工液〕 下記構造の電荷発生物質 10部
【化10】 ポリビニルエーテル 4部 (BASF社製:Lutonal−A) シクロヘキサノン 300部 テトラヒドロフラン 300部 〔電荷輸送層1用塗工液〕 下記構造の低分子電荷輸送物質 30部
【化5】 ポリカーボネート 10部 (三菱ガス化学製:ユーピロンZ−300) テトラヒドロフラン 200部 〔電荷輸送層2用塗工液〕 下記構造の低分子電荷輸送物質 10部
【化5】 ポリカーボネート 10部 (三菱ガス化学製:ユーピロンZ−300) テトラヒドロフラン 100部 〔電荷輸送層3用塗工液〕 下記構造の高分子電荷輸送物質 10部
【化11】 塩化メチレン 100部
【0039】実施例9 実施例8において、電荷輸送層1用塗工液を以下のもの
に変更した以外は、全く同様に電子写真感光体を作製し
た。 〔電荷輸送層1用塗工液〕 下記構造の低分子電荷輸送物質 5部
【化5】 テトラヒドロフラン 150部
【0040】実施例10 実施例7において、電荷輸送層2用塗工液を以下のもの
に変更した以外は、全く同様に電子写真感光体を作製し
た。 〔電荷輸送層2用塗工液〕 下記構造の高分子電荷輸送物質 10部
【化12】 ポリカーボネート 3部 (三菱ガス化学製:ユーピロンZ−300) 塩化メチレン 120部
【0041】実施例11 実施例7において、電荷輸送層1用塗工液を以下のもの
に変更した以外は、全く同様に電子写真感光体を作製し
た。 〔電荷輸送層1用塗工液〕 下記構造の電子供与性基を有する重合体 20部
【化9】 下記構造の低分子電荷輸送物質 5部
【化8】 テトラヒドロフラン 200部
【0042】比較例1 実施例1において、電荷輸送層用塗工液2だけで、21
μmの電荷輸送層を形成した以外は、全く同様に電子写
真感光体を作製した。
【0043】比較例2 実施例2において、電荷輸送層用塗工液3だけで、25
μmの電荷輸送層を形成した以外は、全く同様に電子写
真感光体を作製した。
【0044】比較例3 実施例1において、電荷輸送層用塗工液2を下記の組成
のものにかえた以外は、全く同様に電子写真感光体を作
製した。 〔電荷輸送層用塗工液2〕 ポリカーボネート 10部 (出光石油化学製:A2700) テトラヒドロフラン 200部
【0045】比較例4 実施例1において、電荷輸送層を下記組成の電荷輸送層
用塗工液のみを用いて形成した以外は、全く同様に電子
写真感光体を作製した。 〔電荷輸送層用塗工液〕 下記構造の低分子電荷輸送物質 10部
【化2】 ポリカーボネート 10部 (出光石油化学製:A2700) テトラヒドロフラン 200部
【0046】比較例5 実施例7において、電荷輸送層1用塗工液だけで、22
μmの電荷輸送層を形成した以外は、全く同様に電子写
真感光体を作製した。
【0047】比較例6 実施例7において、電荷輸送層2用塗工液だけで、22
μmの電荷輸送層を形成した以外は、全く同様に電子写
真感光体を作製した。
【0048】以上のように作製した実施例1〜11およ
び比較例1〜6の円筒状支持体は、特開昭60−100
167号公報に開示されている測定装置を用いて以下の
ように測定した。まず、−6.5kVの放電電圧にて、
コロナ放電を15秒間行ない、次いで、暗減衰させて表
面電位が−800Vになったところで、6.0luxの
タングステン光を照射した。この時の光照射の際、表面
電位が−400Vになるのに必要な露光量E400(lu
x・sec)、および光照射20秒後の表面電位V20
測定した。更に、上記条件の帯電と露光を同時に1時間
行なって疲労させた後、再び前記と同様の測定を行なっ
た。評価結果を表1に示す。また、実施例1、3、4、
7および比較例1、4の感光体を、電子写真複写機(負
帯電するように改造したリコー社製リコピーFT551
0)にセットし、100000枚のランニングテストを
行なった。この際、10枚目および100000枚目の
画像を評価した。また、ランニングテストにおける電荷
輸送層の膜厚減少量も測定した。評価結果を表2に示
す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、繰り返し使
用時の耐摩耗性に優れると共に残留電位が少なく、かつ
優れた高速応答性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の構成例を示す模式断
面図。
【図2】本発明の電子写真感光体の構成例を示す模式断
面図。
【図3】本発明の電子写真感光体の構成例を示す模式断
面図。
【図4】本発明の電子写真感光体の構成例を示す模式断
面図。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、少なくとも電荷発生
    層と電荷輸送層を順次積層してなる電子写真感光体にお
    いて、該電荷輸送層が高分子電荷輸送物質と低分子電荷
    輸送物質からなり、低分子電荷輸送物質が電荷発生層側
    から表面に向かって連続的に低くなることを特徴とする
    電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 電荷輸送層最表面の低分子電荷輸送物質
    濃度が10%以下であることを特徴とする請求項1の電
    子写真感光体。
  3. 【請求項3】 電荷輸送層の電荷発生層に最も近い部分
    の低分子電荷輸送物質濃度が20%以上であることを特
    徴とする請求項1の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 導電性支持体上に、少なくとも電荷発生
    層と電荷輸送層を順次積層した電子写真感光体におい
    て、該電荷輸送層が2層以上の多層構成からなり、少な
    くとも最も表面に近い層が高分子電荷輸送物質から形成
    されることを特徴とする電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 電荷輸送層の内、少なくとも最も表面に
    近い層が高分子電荷輸送物質から形成されてなり、かつ
    少なくとも電荷発生層に近い層に低分子電荷輸送物質が
    含有されてなることを特徴とする請求項4の電子写真感
    光体。
  6. 【請求項6】 少なくとも電荷発生層に近い電荷輸送層
    の低分子電荷輸送物質濃度が20%以上であることを特
    徴とする請求項5の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 電荷輸送層の内、少なくとも最も表面に
    近い層が高分子電荷輸送物質とバインダー樹脂から形成
    されることを特徴とする請求項4の電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 電荷輸送層の内、少なくとも最も表面に
    近い層が高分子電荷輸送物質から形成されてなり、かつ
    低分子電荷輸送物質が含有する層のバインダー樹脂が高
    分子電荷輸送物質であることを特徴とする請求項5の電
    子写真感光体。
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