JPH09288361A

JPH09288361A - 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカ−トリッジ及び電子写真装置

Info

Publication number: JPH09288361A
Application number: JP8122839A
Authority: JP
Inventors: Hideyuki Takai; 秀幸高井
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1996-04-22
Filing date: 1996-04-22
Publication date: 1997-11-04

Abstract

(57)【要約】【課題】優れた感度特性と安定した繰り返し特性を有す
る電子写真感光体を提供することである。【解決手段】導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送
層の少なくとも二層を有する電子写真感光体において、
該電荷発生層に下記式で示される構造を有するアクリル
樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体並び
に該電子写真感光体を備えたプロセスカ−トリッジ及び
電子写真装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、電子写真感光体で用いる光導電性
物質としてはセレン、硫化カドミウム等の無機光導電性
物質が広く用いられていた。一方、有機光導電性物質と
してはポリ−Ｎ−ビニルカルバゾ−ルに代表される光導
電性ポリマ−や２，５−ビス（ｐ−ジエチルアミノフェ
ニル）−１，３，４−オキサジアゾ−ルのような低分子
の光導電性物質、更にはこのような有機光導電性物質と
各種染料や顔料を組み合わせて用いること等が知られて
いる。有機光導電性物質を用いた電子写真感光体は成膜
性がよく、塗工によって生産できるため、極めて生産性
が高く安価な感光体を提供できる利点を有している。ま
た、使用する染料や顔料の選択により、感色性を自在に
コントロ−ルできる等の利点を有し、これまで幅広い検
討がなされてきた。

【０００３】特に最近では、電荷発生層と電荷輸送層を
積層した機能分離型感光体の開発により、従来の有機電
子写真感光体の欠点とされていた感度や耐久性において
著しい改善がなされ、実用に供されるようになってき
た。

【０００４】機能分離型感光体においける電荷発生層
は、フタロシアニンやアゾ顔料等の電荷発生物質を真空
蒸着やバインダ−樹脂に分散して成膜し形成されるが、
後者の場合が一般的に用いられている。

【０００５】従来より、この電荷発生層に用いられるバ
インダ−樹脂としては各種の樹脂が知られている。例え
ば、ポリビニルブチラ−ル（特開昭５８−１０５１５４
号公報）、ポリビニルピロリドン（特開昭５６−１１３
１４０号公報）、ポリビニルホルマ−ル（特開昭６１−
２３５８４４号公報）、本発明に関連したアクリル系樹
脂に関しては特開昭６３−３１１２５５号公報、特開平
１−２０９４５４号公報等が挙げられる。しかしなが
ら、電荷発生層にこれ等の樹脂を用いた電子写真感光体
は、近年の高感度で繰り返し使用時の良好な電位安定性
を有する感光体といったニ−ズに対して、必ずしも満足
できるものではなかった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た感度特性と安定した繰り返し特性を有する電子写真感
光体を提供することである。また、該電子写真感光体を
用いたプロセスカ−トリッジ及び電子写真装置を提供す
ることである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は導電性支持体上
に電荷発生層及び電荷輸送層の少なくとも二層を設けて
なる電子写真感光体において、該電荷発生層に下記一般
式（１）で示される構造を有するアクリル樹脂を含有す
ることを特徴とする電子写真感光体から構成される。一般式（１）

【化３】式中、Ｒ₁ は水素原子またはメチル基、Ａｒ₁ は置換基
を有してもよいアリ−レン基、Ａｒ₂ 及びＡｒ₃ は置換
基を有してもよいフェニル基を示し、ｍは０〜１０の整
数である。

【０００８】アリ−レン基の具体例としては、フェニレ
ン、ナフチレン、アントラニレン、ピレニレン等の基が
挙げられる。アリ−レン基の有してもよい置換基として
は、例えば塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メチ
ル、エチル等のアルキル基、メトキシ、エトキシ等のア
ルコキシ基等が挙げられ、フェニル基の有してもよい置
換基としては、例えば塩素原子、臭素原子等のハロゲン
原子、メチル、エチル、プロピル等のアルキル基、メト
キシ、エトキシ等のアルコキシ基、フェノキシ等のアリ
−ルオキシ基、ベンジル、フェネチル等のアラルキル
基、フェニル基、トルイル基等の芳香族基等が挙げられ
る。

【０００９】本発明においては、上記アクリル樹脂を電
荷発生層のバインダ−に用いることにより、感度の向上
や繰り返し使用時の電位変動が少なくなるという効果を
発現するものである。こうした効果を発現する理由は明
確ではないが、上記アクリル樹脂中のトリアリ−ルアミ
ン構造部が、電荷発生物質のキヤリア発生効率を高め、
かつ、電荷発生層内のホ−ル輸送効率を高めているもの
と思われる。

【００１０】一般式（１）で示される構造を有するアク
リル樹脂は、下記一般式（３）で示される単量体を重合
することによって得られる。一般式（３）

【化４】式中、Ｒ₁、Ａｒ₁、Ａｒ₂、Ａｒ₃及びｍは一般式（１）
におけると同義である。

【００１１】表１〜９に一般式（３）で示される単量体
の代表的な具体例を掲げる。なお、構造は、一般式
（３）中で変化し得る部分、即ち、Ｒ₁、Ａｒ₁、Ａ
ｒ₂、Ａｒ₃及びｍのみを記載する。

【表１】

【表２】

【表３】

【表４】

【表５】

【表６】

【表７】

【表８】

【表９】

【００１２】前述のように、本発明において用いられる
アクリル樹脂は、一般式（３）で示される単量体を重合
することによって得ることができる。必要に応じて一般
式（１）で示される以外の構造を有するアクリル酸エス
テルあるいはメタクリル酸エステルとの共重合体として
もよい。

【００１３】前記エステルの具体例としては、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、ア
クリル酸ブチル等のアルキルアクリレ−ト、フェニルア
クリレ−ト等のアリ−ルアクリレ−ト、メチルメタクリ
レ−ト、エチルメタクリレ−ト、プロピルメタクリレ−
ト、イソプロピルメタクリレ−ト等のアルキルメタクリ
レ−ト、フェニルメタクリレ−ト等のアリ−ルメタクリ
レ−ト等が挙げられる。共重合体として用いる場合、本
発明の効果を十分に発揮させるためには単量体全部に対
する一般式（３）の単量体のモル比は１０モル％以上、
より好ましくは５０モル％以上である。

【００１４】一般式（３）で示される単量体は、対応す
る水酸基を有するトリアリ−ルアミン化合物とアクリル
酸クロライドあるいはメタクリル酸クロライドとを縮合
することで容易に合成できる。

【００１５】重合体は、上記得られたアクリル酸エステ
ル化合物をトルエン等の溶媒に溶解し、過酸化ベンゾイ
ル、アゾイソブチロニトリル等の重合開始剤を添加して
反応させることにより得ることができる。また、共重合
体は、一般式（３）で示されるアクリル酸エステル化合
物と他のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステ
ルを混合し重合させることにより容易に得ることができ
る。

【００１６】合成例１（化合物例１２の合成）Ｎ，Ｎ−ジ−ｐ−トルイル−４−アミノフェネチルアル
コ−ル１０．０ｇをテトラヒドロフラン１００ミリリッ
トルに溶解させ、ピリジン５ミリリットルを加えた後、
１０℃にてアクリル酸クロライド５．０ｇを滴下した。
滴下後室温に戻し、３時間撹拌を続けた。反応液を２０
０ミリリットルの水に添加し、酢酸エチル１００ミリリ
ットルに２回抽出を行った。抽出液を水１００ミリリッ
トルで３回洗浄して、濃縮後、シリカゲルのカラムクロ
マトにより、酢酸エチル・ヘキサン系で展開して無色粘
性液体９．５ｇを得た。収率８０．６％。

【００１７】合成例２（化合物例１２の重合体の合成）合成例１で得られたＮ，Ｎ−ジ−ｐ−トルイル−４−ア
ミノフェネチルアクリレ−ト５．０ｇをトルエン１５ミ
リリットル中に溶解させ、窒素気流下において７０℃に
てアゾビスイソブチロニトリル５０ｍｇを添加して３時
間反応させた。更に、８０℃にて２時間反応させた後、
反応液をメタノ−ル３００ミリリットルに滴下し、重合
物を析出させた。析出物を濾取後、乾燥させてテトラヒ
ドロフラン３０ミリリットルに溶解させ、メタノ−ル３
００ミリリットルに滴下する再沈精製を３回繰り返し
て、精製品４．２ｇを得た。収率８４％。重量平均分子
量は３．５×１０⁴ であった。

【００１８】合成例３（化合物例１２とメタクリル酸メ
チルエステルとの共重合体の合成）合成例１で得られたＮ，Ｎ−ジ−ｐ−トルイル−４−ア
ミノフェネチルアクリレ−ト４．０ｇとメチルメタクリ
レ−ト１．０ｇをトルエン２０ミリリットル中に溶解さ
せ、窒素気流下において合成例２と全く同様に反応及び
精製を行った。収量は３．８ｇ、収率７６．０％、重量
平均分子量は３．２×１０⁴ 。

【００１９】本発明の電子写真感光体の電荷発生層に用
いられる電荷発生物質としては、ジスアゾ、トリスアゾ
等のアゾ顔料、無金属フタロシアニン、金属フタロシア
ニン等のフタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ジブロモ
アントアントロン等の多環キノン系顔料等従来公知の物
質も用いることができるが、アゾ顔料あるいはフタロシ
アニン顔料を用いることが好ましい。また、感度域のコ
ントロ−ル等の目的でこれ等顔料を２種類以上混合して
用いてもよい。

【００２０】アゾ顔料の中でも特に下記一般式（２）で
示されるベンズアンスロン系のジスアゾ顔料を用いた場
合に、特に感度の面で非常に大きな改善が見られ、フタ
ロシアニン顔料のうち、特にオキシチタニウムフタロシ
アニンを用いた場合に繰り返し使用時の電位安定性が良
好となる。

【００２１】一般式（２）

【化５】式中、Ｃｐはフェノ−ル性水酸基を有するカプラ−残基
を示す。より好ましいカプラ−残基の例としては、下記
一般式（４）で示されるカプラ−残基が挙げられる。一般式（４）

【化６】式中、Ｘはベンゼン環と結合して芳香族炭化水素環ある
いは芳香族複素環を形成するのに必要な残基を示し、具
体的にはナフタレン環、アントラセン環、ジベンゾフラ
ン環、カルバゾ−ル環、ベンズカルバゾ−ル環、ジベン
ズカルバゾ−ル環等を形成するのに必要な残基を示し、
Ｒは水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハ
ロゲン原子、メチル、エチル、プロピル等のアルキル
基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ等のアルコキシ
基、ニトロ基、シアノ基等を示し、ｎは１または２の整
数、ｋは０〜３の整数である。

【００２２】表１０〜１３に一般式（２）で示されるベ
ンズアンスロン系ジスアゾ顔料の具体例を掲げる。

【表１０】

【表１１】

【表１２】

【表１３】

【００２３】オキシチタニウムフタロシアニンは、公知
のいかなる結晶形を用いてもよいが、特開昭６２−６７
０９４号公報等に記載される所謂Ａ型結晶、特開昭６１
−２１７０５０号公報等に記載される所謂Ｂ型結晶、特
開昭６４−１７０６６号公報に記載される所謂Ｙ型結
晶、特開平３−１２８９７３号公報に記載される所謂Ｉ
型結晶等が好ましい。

【００２４】本発明の電子写真感光体は、導電性支持体
上に電荷発生層と電荷輸送層の少なくとも二層を設けて
なる。

【００２５】電荷発生層は電荷発生物質と前述のバイン
ダ−樹脂とを適当な溶剤中で分散した塗布液を塗布、乾
燥して形成される。電荷発生層の膜厚は５μｍ以下、特
には０．１〜１．０μｍの薄膜層とすることが好まし
い。

【００２６】また、必要に応じて、他のバインダ−樹脂
を併用してもよく、こうした樹脂としては、置換基を有
してもよいポリビニルブチラ−ル、ポリビニルベンザ−
ル、ポリアリレ−ト、ポリカ−ボネ−ト、ポリエステ
ル、フェノキシ樹脂、セルロ−ス系樹脂、アクリル樹
脂、ポリウレタン等の樹脂が挙げられ、上記置換基とし
ては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原
子、メチル、エチル、プロピル等のアルキル基、アセチ
ル、ベンジル等のアシル基、ジメチルアミノ等のアルキ
ルアミノ基、フェニルカルバモイル基、、ニトロ基、シ
アノ基、トリフルオロメチル等のハロアルキル基等が挙
げられる。

【００２７】バインダ−樹脂の使用量は、電荷発生層中
の含有率で１０重量％以上、８０重量％以下、好ましく
は２０〜５０重量％である。

【００２８】使用する溶剤は前記の樹脂を溶解し、後述
の電荷輸送層や下引き層を溶解しないものから選択する
ことが望ましい。例えばテトラヒドロフラン、１，４−
ジオキサン等のエ−テル類、シクロヘキサノン、メチル
エチルケトン等のケトン類、ＤＭＦ等のアミン類、酢酸
メチル、酢酸エチル等のエステル類、トルエン、キシレ
ン、クロロベンゼン等の芳香族化合物、メタノ−ル、エ
タノ−ル、２−プロパノ−ル等のアルコ−ル類、クロロ
ホルム、塩化メチレン、ジクロロエチレン、四塩化炭
素、トリクロロエチレン等の脂肪族炭化水素等が挙げら
れる。

【００２９】電荷輸送層は電荷発生層の上または下に積
層され、電界の存在下電荷発生層から電荷キヤリアを受
け取り、これを輸送する機能を有している。電荷輸送層
は電荷輸送物質を必要に応じて適当なバインダ−樹脂と
共に溶剤中に溶解した塗布液を塗布することによって形
成され、その膜厚は５〜４０μｍ、好ましくは１５〜３
０μｍである。

【００３０】電荷輸送物質は電子輸送性物質と正孔輸送
性物質があり、電子輸送性物質としては、例えば２，
４，７−トリニトロフルオレノン、２，４，５，７−テ
トラニトロフルオレノン、クロラニル、テトラシアノキ
ノジメタン等の電子吸引性物質やこれ等電子吸引性物質
を高分子化したもの等が挙げられる。

【００３１】正孔輸送物質としては、例えばピレン、ア
ントラセン等の多環芳香族化合物、カルバゾ−ル系、イ
ンド−ル系、オキサゾ−ル系、チアゾ−ル系、オキサジ
アゾ−ル系、ピラゾ−ル系、ピラゾリン系、チアジアゾ
−ル系、トリアゾ−ル系化合物等の複素環化合物、ｐ−
ジエチルアミノベンズアルデヒド−Ｎ，Ｎ−ジフェニル
ヒドラゾン、Ｎ，Ｎ−ジフェニルヒドラジノ−３−メチ
リデン−９−エチルカルバゾ−ル等のヒドラゾン系化合
物、α−フェニル−４’−Ｎ，Ｎ−ジフェニルアミノス
チルベン、５−［４−（ジ−ｐ−トリルアミノ）ベンジ
リデン］−５Ｈ−ジベンゾ［ａ，ｄ］シクロヘプテン等
のスチリル系化合物、ベンジジン系化合物、トリアリ−
ルメタン系化合物、トリ（ｐ−トリル）］−アミノビフ
ェニル、１−［ジ（ｐ−トリル）］−アミノピレン等の
トリアリ−ルアミン系化合物あるいはこれ等の化合物か
らなる基を主鎖または側鎖に有するポリマ−、例えばポ
リ−Ｎ−ビニルカルバゾ−ル、ポリビニルアントラセン
等が挙げられる。

【００３２】これ等有機電荷輸送物質の他にセレン、セ
レン−テルル、アモルファスシリコン、硫化カドミウム
等の無機材料も用いることができる。

【００３３】バインダ−樹脂としては、例えばアクリル
樹脂、ポリアリレ−ト、ポリカ−ボネ−ト、ポリエステ
ル、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレンコポリ
マ−、ポリアクリルアミド、ポリアミド、塩素化ゴム等
の絶縁性樹脂あるいはポリ−Ｎ−ビニルカルバゾ−ル、
ポリビニルアントラセン等の有機光導電性ポリマ−等が
挙げられる。

【００３４】感光層が形成される導電性支持体として
は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜
鉛、ステンレス、バナジウム、モリブデン、クロム、チ
タン、ニッケル、インジウム、金や白金等が用いられ
る。また、これ等金属または合金を真空蒸着したプラス
チック（例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポル塩
化ビニル、ポリエチレンテレフタレ−ト、アクリル樹脂
等）や導電性粒子（例えばカ−ボンブラック、銀粒子
等）を適当なバインダ−樹脂と共にプラスチックまたは
金属基板上に被覆した支持体あるいは導電性粒子をプラ
スチックや紙に含浸させた支持体等を用いることができ
る。

【００３５】導電性支持体と感光層の中間にバリヤ−機
能と接着機能を有する下引き層を設けることもできる。
下引き層はカゼイン、ポリビニルアルコ−ル、ニトロセ
ルロ−ス、ポリアミド（ナイロン６、ナイロン６６、ナ
イロン６１０、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナ
イロン等）、ポリウレタン、酸化アルミニウム等によっ
て形成される。その膜厚は５μｍ以下、好ましくは０．
１〜３μｍが適当である。

【００３６】本発明の電子写真感光体は電子写真複写機
及びファクシミリのプリンタ−に利用するのみならず、
レ−ザ−ビ−ムプリンタ−、ＣＲＴプリンタ−、ＬＥＤ
プリンタ−、液晶プリンタ−、レ−ザ−製版等の電子写
真応用分野にも広く用いることができる。

【００３７】また、本発明は、前記本発明の電子写真感
光体、及び帯電手段、現像手段及びクリ−ニング手段か
らなる群より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支
持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴と
するプロセスカ−トリッジから構成される。

【００３８】また、本発明は、前記本発明の電子写真感
光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を
有することを特徴とする電子写真装置から構成される。

【００３９】図１に本発明の電子写真感光体を有するプ
ロセスカ−トリッジを有する電子写真装置の概略構成を
示す。図において、１はドラム状の本発明の電子写真感
光体であり、じく２を中心に矢印方向に所定の周速度で
回転駆動される。感光体１は回転過程において、一次帯
電手段３によりその周面に正または負の所定電位の均一
帯電を受け、次いで、スリット露光やレ−ザ−ビ−ム走
査露光等の像露光手段（不図示）からの画像露光光４を
受ける。こうして感光体１の周面に静電潜像が順次形成
されていく。

【００４０】形成された静電潜像は、次いで現像手段５
によりトナ−現像され、現像されたトナ−現像像は、不
図示の給紙部から感光体１と転写手段６との間に感光体
１の回転と同期取りされて給送された転写材７に、転写
手段６により順次転写されていく。像転写を受けた転写
材７は感光体面から分離されて像定着手段８へ導入され
て像定着を受けることにより複写物（コピ−）として装
置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体１の表
面は、クリ−ニング手段９によって転写残りトナ−の除
去を受けて清浄面化され、更に前露光手段（不図示）か
らの前露光光１０により除電処理がされた後、繰り返し
画像形成に使用される。なお、一次帯電手段３が帯電ロ
−ラ−等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は
必ずしも必要ではない。

【００４１】本発明においては、上述の感光体１、一次
帯電手段３、現像手段５及びクリ−ニング手段９等の構
成要素のうち、複数のものをプロセスカ−トリッジとし
て一体に結合して構成し、このプロセスカ−トリッジを
複写機やレ−ザ−ビ−ムプリンタ−等の電子写真装置本
体に対して着脱可能に構成してもよい。例えば一次帯電
手段３、現像手段５及びクリ−ニング手段９の少なくと
も１つを感光体１と共に一体に支持してカ−トリッジ化
し、装置本体のレ−ル１２等の案内手段を用いて装置本
体に着脱可能なプロセスカ−トリッジ１１とすることが
できる。また、画像露光光４は、電子写真装置が複写機
やプリンタ−である場合には、原稿からの反射光や透過
光を用いる、あるいは、センサ−で原稿を読み取り、信
号化し、この信号に従って行われるレ−ザ−ビ−ムの走
査、ＬＥＤアレイの駆動及び液晶シャッタ−アレイの駆
動等により照射される光である。

【００４２】一方、ファクシミリのプリンタ−として使
用する場合には、画像露光光４は受信デ−タをプリント
するための露光光になる。図２はこの場合の１例をブロ
ック図で示したものである。コントロ−ラ−１４は画像
読取部１３とプリンタ−２２を制御する。コントロ−ラ
−１４の全体はＣＰＵ２０により制御されている。画像
読取部１３からの読取りデ−タは、送信回路１６を通し
て相手局に送信される。相手局から受けたデ−タは受信
回路１５を通してプリンタ−２２に送られる。画像メモ
リには所定の画像デ−タが記憶される。プリンタ−コン
トロ−ラ−２１はプリンタ−２２を制御している。１７
は電話である。回線１８から受信された画像（回線を介
して接続されたリモ−ト端末からの画像情報）は、受信
回路１５で復調された後、ＣＰＵ２０によって画像情報
を複号処理され順次画像メモリ１９に格納される。そし
て、少なくとも１頁の画像が画像メモリ１９に格納され
ると、その頁の画像記録を行う。ＣＰＵ２０は、画像メ
モリ１９から１頁の画像情報を読み出し、プリンタ−コ
ントロ−ラ−２１に複号化された１頁の画像情報を送出
する。プリンタ−コントロ−ラ−２１は、ＣＰＵ２０か
らの１頁の画像情報を受け取ると、その頁の画像情報記
録を行うべくプリンタ−２２を制御する。ＣＰＵ２０
は、プリンタ−２２による記録中に、次ぎの頁の受信を
行っている。このようにして、画像の受信と記録が行わ
れる。

【００４３】

【発明の実施の形態】本発明の電子写真感光体は例えば
次のようにして作成される。

【００４４】アルミニウムシ−ト上にメトキシメチル化
ナイロンとアルコ−ル可溶性共重合ナイロンのメタノ−
ル溶液を塗布して下引き層を形成し、この上にベンズア
ンスロン系ジスアゾ顔料と一般式（１）で示される単量
体である化合物例１２からの重合体のテトラヒドロフラ
ン中に分散した液を下引き層上に塗布して電荷発生層を
形成し、この上に電荷輸送層を形成して電子写真感光体
を作成する。

【００４５】また、本発明のカ−トリッジは、前記本発
明の電子写真感光体、及び帯電手段、現像手段及びクリ
−ニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一つの
手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であ
るようにしてなる。

【００４６】また、本発明の電子写真感光体を有するプ
ロセスカ−トリッジを有する電子写真装置は、ドラム状
の本発明の電子写真感光体が所定の周速度で回転駆動さ
れる。感光体は回転過程において、一次帯電手段により
その周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次
いで、スリット露光やレ−ザ−ビ−ム走査露光等の像露
光手段からの画像露光光を受け、こうして感光体の周面
に静電潜像が順次形成され、形成された静電潜像は、次
いで現像手段によりトナ−現像され、現像されたトナ−
現像像は、給紙部から感光体と転写手段との間に感光体
の回転と同期取りされて給送された転写材に、転写手段
により順次転写されていく。像転写を受けた転写材は感
光体面から分離されて像定着手段へ導入されて像定着を
受けることにより複写物（コピ−）として装置外へプリ
ントアウトされる。像転写後の感光体の表面は、クリ−
ニング手段によって転写残りトナ−の除去を受けて清浄
面化され、更に前露光手段からの前露光光により除電処
理がされた後、繰り返し画像形成に使用される。

【００４７】

【実施例】

実施例１５０μｍのアルミニウムシ−ト上に、メトキシメチル化
６ナイロン（数平均分子量３２０００）５ｇとアルコ−
ル可溶性共重合ナイロン（数平均分子量２９０００）１
０部、メトキシメチル化６ナイロン樹脂（平均分子量３
２０００）１０ｇをメタノ−ル９５ｇに溶解した液をマ
イヤ−バ−で塗布し、乾燥後の膜厚が１μｍの下引き層
を形成した。

【００４８】次に、顔料例１４の２ｇを合成例２で得た
バインダ−樹脂１ｇをテトラヒドロフラン５０ｇに溶解
した液に加え、１ｍｍφのガラスビ−ズと共にペイント
シェ−カ−で１５時間分散し、テトラヒドロフランで液
濃度２．５％に希釈した。この分散液を先の下引き層の
上にマイヤ−バ−で塗布し、乾燥後の膜厚が０．２５μ
ｍの電荷発生層を形成した。

【００４９】次に、下記構造式で示される電荷輸送物質
５ｇ

【化７】とポリカ−ボネ−トＺ樹脂（数平均分子量４００００）
５ｇをモノクロロベンゼンに溶解した液を調製し、電荷
発生層の上に塗布し、乾燥後の膜厚が２０μｍの電荷輸
送層を形成し、実施例１の電子写真感光体を作成した。

【００５０】比較例１〜３実施例１で用いたバインダ−樹脂を下記の樹脂に代えた
他は、実施例１と全く同様にして電子写真感光体を作成
した。比較例１で用いた樹脂ポリビニルブチラ−ル樹脂（積水化学（株）製、ＳＬＥ
Ｃ−ＢＭ−Ｓ）比較例２で用いた樹脂ポリエステル樹脂（東洋紡（株）製、バイロン２００）比較例３で用いた樹脂ポリメチルメタクリレ−ト樹脂（星光化学（株）製、Ｊ
−８９９）

【００５１】このようにして作成した各電子写真感光体
を川口電気（株）製静電複写紙試験装置ＭｏｄｅｌＳ
Ｐ−４２８を用いて−５ｋＶのコロナ放電で負に帯電
し、暗所で１秒間保持した後、ハロゲンランプを用いて
照度１０ルックスで露光して帯電特性を評価した。帯電
特性としては表面電位（Ｖ₀ ）と放置後の表面電位（ｖ
_D ）及びこの表面電位が１／２に減衰するに必要な露光
量（Ｅ_1/2 ）を測定した。

【００５２】更に、これ等の電子写真感光体を−６ｋＶ
のコロナ帯電器、露光光学系、現像器、転写帯電器、除
電露光光学系及びクリ−ナ−を備えた電子写真複写機の
シリンダ−に貼り付けた。初期の暗部電位（Ｖ_D ）と明
部電位（Ｖ_L ）をそれぞれ−７００Ｖ付近と−２００Ｖ
付近に設定し、５０００回繰り返し使用した際の暗部電
位の変動量ΔＶ_D と明部電位の変動量ΔＶ_L を測定し
た。なお、電位変動における負符号は電位の絶対値の低
下を示し、正符号は電位の絶対値の増加を示す。上記測
定結果を表１４に示す。

【００５３】

【表１４】

【００５４】この結果から、本発明の電子写真感光体は
電荷発生層に従来のバインダ−樹脂を用いた比較例の電
子写真感光体に比べ、極めて高い感度を有し、繰り返し
使用時の電位安定性が良いことが知られる。

【００５５】実施例２〜１０実施例１で用いたバインダ−樹脂を表１５に示す単量体
を重合して得た樹脂に代えた他は、実施例１と全く同様
にして実施例２〜１０の電子写真感光体を作成し、同様
に評価をした。結果を表１５に示す。

【００５６】

【表１５】

【００５７】実施例１１〜１６実施例１で用いたバインダ−樹脂を表１６に示す単量体
から合成した共重合体に代えた他は、実施例１と全く同
様にして実施例１１〜１６の電子写真感光体を作成し、
同様に評価をした。結果を表１６及び１７に示す。

【００５８】

【表１６】

【表１７】

【００５９】実施例１７〜３１実施例１で用いた電荷発生物質を表１８及び１９に示す
電荷発生物質に代えた他は、実施例１と全く同様にして
実施例１７〜３１の電子写真感光体を作成し、帯電特性
を評価した。結果を表１８及び１９に示す。

【００６０】なお、表１９に示す顔料例２５〜３２は次
の通りである。顔料例２５

【化８】顔料例２６

【化９】顔料例２７

【化１０】顔料例２８

【化１１】顔料例２９：Ａ型オキシチタニウムフタロシアニン顔料例３０：Ｂ型オキシチタニウムフタロシアニン顔料例３１：Ｙ型オキシチタニウムフタロシアニン顔料例３２：Ｉ型オキシチタニウムフタロシアニン

【００６１】比較例４〜１８比較のために実施例１７〜３１において、バインダ−樹
脂をポリビニルブチラ−ル樹脂（積水化学（株）製、Ｓ
・ＬＥＣＢＭ−Ｓ）に代えた電子写真感光体を作成し、
比較した。結果を表１８及び１９に示す。

【００６２】

【表１８】

【表１９】

【００６３】この結果から、本発明の電子写真感光体
は、いずれの電荷発生物質の場合も、比較例に比べて感
度や電位変動が改善されることが知られる。

【００６４】

【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、電荷の発生
効率や電荷発生層内のホ−ル移動性が改善され、感度や
繰り返し使用時の電位安定性に優れるという顕著な効果
を奏する。また、該電子写真感光体はカ−トリッジ及び
電子写真装置に装着して同様に優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカ−
トリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す図。

【図２】本発明の電子写真感光体を有するファクシミリ
のブロックの例を示す図。

【符号の説明】

１本発明の電子写真感光体２軸３一次帯電手段４画像露光光５現像手段６転写手段７転写材８像定着手段９クリ−ニング手段１０前露光光１１プロセスカ−トリッジ１２レ−ル１３画像読取部１４コントロ−ラ− １５受信回路１６送信回路１７電話１８回線１９画像メモリ２０ＣＰＵ２１プリンタ−コントロ−ラ− ２２プリンタ−

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｇ０３Ｇ 21/18 Ｇ０３Ｇ 15/00 ５５６

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸
送層の少なくとも二層を有する電子写真感光体におい
て、該電荷発生層に下記一般式（１）で示される構造を
有するアクリル樹脂を含有することを特徴とする電子写
真感光体。一般式（１）【化１】式中、Ｒ₁ は水素原子またはメチル基、Ａｒ₁ は置換基
を有してもよいアリ−レン基、Ａｒ₂ 及びＡｒ₃ は置換
基を有してもよいフェニル基を示し、ｍは０〜１０の整
数である。
【請求項２】電荷発生層がアゾ顔料を含有する請求項
１記載の電子写真感光体。
【請求項３】アゾ顔料がが下記一般式（２）で示され
るジスアゾ顔料である請求項２記載の電子写真感光体。一般式（２）【化２】式中、Ｃｐはフェノ−ル性水酸基を有するカプラ−残基
を示す。
【請求項４】電荷発生層がオキシチタニウムフタロシ
アニンを含有する請求項１記載の電子写真感光体。
【請求項５】請求項１乃至４のいずれかに記載の電子
写真感光体、及び帯電手段、現像手段及びクリ−ニング
手段からなる群より選ばれる少なくとも一つの手段を一
体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを
特徴とするプロセスカ−トリッジ。
【請求項６】請求項１乃至４のいずれかに記載の記載
の電子写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及
び転写手段を有する電子写真装置。