JP3235661B2 - 三ハロゲン化窒素を用いたトリフェニルアミン化合物の製造方法 - Google Patents

三ハロゲン化窒素を用いたトリフェニルアミン化合物の製造方法

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JP3235661B2 JP02909399A JP2909399A JP3235661B2 JP 3235661 B2 JP3235661 B2 JP 3235661B2 JP 02909399 A JP02909399 A JP 02909399A JP 2909399 A JP2909399 A JP 2909399A JP 3235661 B2 JP3235661 B2 JP 3235661B2
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C209/00Preparation of compounds containing amino groups bound to a carbon skeleton
    • C07C209/04Preparation of compounds containing amino groups bound to a carbon skeleton by substitution of functional groups by amino groups
    • C07C209/06Preparation of compounds containing amino groups bound to a carbon skeleton by substitution of functional groups by amino groups by substitution of halogen atoms
    • C07C209/10Preparation of compounds containing amino groups bound to a carbon skeleton by substitution of functional groups by amino groups by substitution of halogen atoms with formation of amino groups bound to carbon atoms of six-membered aromatic rings or from amines having nitrogen atoms bound to carbon atoms of six-membered aromatic rings

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトリフェニルアミン
化合物の製造方法さらに詳しくは電子写真感光体に含有
される電荷輸送材料(ホール輸送材料)として有用なト
リフェニルアミン化合物の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式において使用される
感光体の光導電材料として、セレン(Se)、硫化カド
ミウム(CdS)、硫化亜鉛(ZnS),アモルファス
シリコン(a−Si)などの無機物質が知られている。
これらの無機感光体は多くの長所をもっているが、それ
と同時に種々の欠点、例えば有害であること、廃棄が簡
単にできないこと、コスト高であることなどの欠点をも
っている。このため近年になって、これらの欠点のない
有機物質を用いた有機感光体が数多く提案され、実用化
されている。これらの感光体の構造としては、電荷キャ
リアを発生する材料(以下、電荷発生材料と称する。)
と、発生した電荷キャリアを受け入れ、これを輸送する
材料(以下、電荷輸送材料と称する。)とを別々の層に
した機能分離型感光体と、電荷発生と電荷輸送を同一の
層内で行う単層型感光体が挙げられるが、機能分離型感
光体の方が、材料選択の幅が広く、かつ高感度化が可能
なため、多く採用されている。
【0003】電荷輸送媒体としては、ポリビニルカルバ
ゾールなどの高分子光導電性化合物を用いる場合と、低
分子光導電性化合物をバインダーポリマー中に分散溶解
する場合とがある。高分子光導電性化合物は、単独では
製膜性、接着性が不充分であり、これらの点を改善する
ために可塑剤、バインダーポリマーなどが添加される
が、これらの添加により感度の低減や残留電位の増加を
引き起こすことがあり、実用化は困難である。一方、低
分子光導電性化合物はバインダーポリマーを適当に選択
することによって、容易に機械的特性の優れた感光体を
得ることができるが、感度の点で充分なものとは言えな
い。例えば、米国特許第3,820,989号に記載の
ジアリールアルカン誘導体はバインダーポリマーに対す
る相溶性の問題は少ないが、光に対する安定性が悪く、
これを帯電、露光を繰り返す電子写真用の感光体の感光
層に使用すると、この感光体の感度が反復使用で徐々に
低下するという欠点を有する。また、特開昭58−65
440号公報に記載されているスチルベン化合物は、電
荷保持力および感度は比較的良好であるが、反復使用時
における安定性について満足できるものではない。
【0004】特公昭63−019867号公報に記載さ
れているモノスチリルトリフェニルアミン化合物(式
(101)に例示)、特公平05−042661号公報
および特開昭62−120346号公報に記載されてい
るジスチリルトリフェニルアミン化合物(式(102)
に例示)、特公平06−093124号公報および特開
昭63−163361号公報に記載されているトリスチ
リルトリフェニルアミン化合物(式(103)に例示)
は、電荷保持力、感度が良好で反復使用時における安定
性も良好であるが、電荷の移動度がまだ充分ではなく、
高速電子写真感光体用の電荷輸送材料としてはまだ満足
できるものではない。式(101)〜(103)に示す
これらの化合物は、電荷のホッピングサイトとなるトリ
フェニルアミン構造(式(201))が1分子内に一つ
しか含まれてなく、充分な電荷移動度を得られないた
め、充分な光感度を得ることができない。これらの化合
物には種々の置換基を導入してもよいことなっている
が、複数個のトリフェニルアミンを導入することは示さ
れていない。また、特公平07−013741号公報に
は上記のトリフェニルアミン化合物を複数混合して用い
る電子写真感光体の記載があるが、いずれの化合物もト
リフェニルアミン構造を一つしか含んでなく、複数個の
トリフェニルアミン構造を含有した化合物は示されてい
ない。
【0005】
【化3】
【0006】
【化4】 特願平09−002844号明細書記載のトリフェニル
アミン化合物(下記式(2))は上記の要求を満足させ
るものである。
【0007】
【化5】 (式中、Ar1 〜Ar6 は置換基を有していてもよいフ
ェニル基を示す。Ar基上の置換基は、炭素数が1から
4のアルキル基、炭素数が1から4のアルコキシ基、ア
ミノ基、炭素数が1から4のアルキルアミノ基、炭素数
が1から4のジアルキルアミノ基、炭素数が1から4の
アルキルチオ基であり、これらの置換基がフェニル基上
に複数置換していてもよく、それら置換基は同一でも異
なっていてもよい。R1 〜R6 は水素またはメチル基を
示し、同一であっても異なってもよい。)式(2)で表
されるトリフェニルアミン化合物は4,4’,4”−ト
リホルミルトリフェニルアミンもしくは4,4’,4”
−トリアセチルトリフェニルアミンのトリカルボニル化
合物と、ホスホン酸エステルとを塩基の存在下におい
て、Wittig反応で縮合させることにより得られる
が、化合物に複数のカルボニル基を導入することは困難
であることが多く、目的とするトリホルミル化合物を効
率よく合成することは困難である。また、アミノ化合物
の亜リン酸エステルは不安定であることが多く、目的と
する化合物を効率よく得ることは困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
式(2)で表されるトリフェニルアミン化合物を効率よ
く得ることのできる製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は次のようであ
る。
【0010】次の一般式(1)
【0011】
【化6】 (式中R7 およびR8 は水素またはメチル基を示し同一
でも異なっていてもよい。Ar7 およびAr8 は置換基
を有していてもよいフェニル基を示し、同一でも異なっ
ていてもよい。Ar基上の置換基は、炭素数が1から4
のアルキル基、炭素数が1から4のアルコキシ基、アミ
ノ基、炭素数が1から4のアルキルアミノ基、炭素数が
1から4のジアルキルアミノ基、炭素数が1から4のア
ルキルチオ基であり、これらの置換基がフェニル基上に
複数置換してもよく、それら置換基は同一でも異なって
いてもよい。Xはハロゲン元素を表す。)で示される1
以上のハロゲン化合物をリチオ化した後、三ハロゲン化
窒素(窒素と統合する3つのハロゲン元素は同一でも異
っていてもよい)と反応させることを特徴とする一般式
(2)
【0012】
【化7】 (式中、Ar1 〜Ar6 は置換基を有していてもよいフ
ェニル基を示す。Ar基上の置換基は、炭素数が1から
4のアルキル基、炭素数が1から4のアルコキシ基、ア
ミノ基、炭素数が1から4のアルキルアミノ基、炭素数
が1から4のジアルキルアミノ基、炭素数が1から4の
アルキルチオ基であり、これらの置換基がフェニル基上
に複数置換していてもよく、それら置換基は同一でも異
なっていてもよい。R1 〜R6 は水素またはメチル基を
示し、同一であっても異なってもよい。)で示されるト
リフェニルアミン化合物の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】この製造方法によれば、トリフェ
ニルアミンへのカルボニル基の複数導入を行う必要はな
い。さらに、アミノ化合物の亜リン酸エステルを中間体
として経由する必要がないため、従来の製造方法よりも
効率よく、化合物(2)(以下式(2)などで表される
化合物を、単に化合物(2)などと記すことがある)を
得ることができる。
【0014】化合物(1)は、式(3)で示される4−
ハロゲンベンジハライドまたは式(4)で示される1−
ハロゲノ−4−(1−ハロゲノエチル)ベンゼンを亜リ
ン酸トリエチルと反応させ、得られる亜リン酸エステル
(式(5)または(6))と式(7)で示されるジフェ
ニルアミノベンズアルデヒドとを反応させることにより
得られる。
【0015】
【化8】
【0016】
【化9】
【0017】
【化10】 化合物(3)、化合物(4)の置換基Xはハロゲン元素
を示し、特に塩素、臭素、沃素が望ましい。また置換基
Yはハロゲン元素を示す。置換基XとYは同一でも異っ
ていてもよい。
【0018】亜リン酸エステル(5)または(6)と、
ジフェニルアミノベンズアルデヒド(7)との反応は、
塩基触媒下で行い、適当な溶媒中、室温もしくは加熱し
て行う。塩基としては、ナトリウムメチラート、ナトリ
ウムエチラート、カリウムt−ブチラートなどのアルコ
ラート、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウ
ムアミド、水素化ナトリウムなどが挙げられる。
【0019】溶媒としては、トルエン、ベンゼンなどの
芳香族炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロピ
ルアルコールなどのアルコール類、ジオキサン、テトラ
ヒドロフランなどのエーテル類、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシドなどが使用できる。特
に、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミドが好適で
ある。溶媒量は特に制限はなく、1〜10倍重量量があ
れば充分である。反応は、室温ないし100℃で進行さ
せるが、好ましくは20〜70℃の間である。反応終了
後は、濾過または抽出処理を行った後、必要に応じて再
結晶もしくはカラムクロマトグラフィー、蒸留など公知
の方法で精製を行う。
【0020】化合物(1)のリチオ化は、化合物(1)
とメチルリチウム、ブチルリチウムなどのリチオ化剤と
を反応させることにより行うことができる。
【0021】リチオ化された化合物(1)は、三ハロゲ
ン化窒素と反応させることにより、ハロゲン化リチウム
が脱離し、目的とする化合物(2)が得られる。
【0022】反応させる三ハロゲン化窒素としては、三
塩化窒素(NCl3)、三フッ化窒素(NF3)、三臭化
窒素(NBr3)等を用いることができる。また、一フ
ッ化二塩化窒素(NCl2F)、二フッ化一塩化窒素
(NClF2)、一塩化二臭化窒素(NBr2Cl)、二
塩化一臭化窒素(NBrCl2)等窒素原子と結合する
ハロゲン元素が異なる化合物も本反応に用いることがで
きる。
【0023】三フッ化窒素は、半導体産業で一般的に用
いられている三フッ化窒素ガスをそのまま用いることが
できる。また、当ガスを有機溶媒に溶解させて溶液とし
て反応に用いることもできる。
【0024】三塩化窒素は、P.KovaicらがJ.
Org.Chem.の第34巻911頁(1969年)
に記載している方法で用意することができる。
【0025】三臭化窒素は、三塩化窒素と臭化カリウム
水溶液から調製することができる。反応溶媒としては、
塩化メチレン、クロロホルムなどの塩素系溶媒、ベンゼ
ン、トルエンなどの芳香族系溶媒、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒など各種の溶
媒を使用することができる。反応温度はごく低温から溶
媒の沸点までの幅広い温度で反応が可能であるが、−2
0℃から0℃の範囲で行うことが好ましい。必要に応じ
て、塩化アルミニウムなどのルイス酸を反応触媒として
用いることができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて詳細に説明す
るが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。
【0027】実施例1 (1)亜リン酸エステルの調製 還流冷却器を付けた200mlのナス型フラスコをマグ
ネティックスターラーにセットする。20g(124m
mol)の4−クロロベンジルクロリドをフラスコに入
れ、25g(150mmol)の亜リン酸トリエチルを
加えた。マグネティックスターラーで攪拌しながら、フ
ラスコをオイルバスで加熱し、還流させながら8時間攪
拌した。反応終了後、ポンプで減圧しながら未反応亜リ
ン酸トリエチルを留去させた。フラスコ残留分として、
亜リン酸エステル30.9gを収率95%で得た。
【0028】
【化11】 (2)塩素化合物の調製 乾燥管、滴下ロートを取り付けた200ml三口フラス
コに水素化ナトリウム0.5g(20mml)とN,N
−ジメチルホルムアミド50mlを加え懸濁液とし、マ
グネティックスターラーで攪拌した。フラスコに上記亜
リン酸エステル5.0g(19mmol)を加え、室温
で1時間攪拌した。滴下ロートに4−(4’,4”−ジ
メチルジフェニルアミノ)ベンズアルデヒド5.7g
(19mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド15
ml溶液を加えて40℃で10時間反応させた。反応終
了後、反応溶液に水を加え、トルエンで3回抽出した。
抽出した有機溶液を飽和食塩水で水層が中性になるまで
洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。
【0029】濾過をして硫酸マグネシウムを取り除いた
後、トルエン溶媒を減圧下留去した。残留分をトルエン
−リグロインの7:3混合溶媒で再結晶を行い、4−ク
ロロ−4’−(N,N−ジトリルアミノ)スチルベン
6.6gを収率85%で得た。
【0030】
【化12】 (3)トリフェニルアミンの調製 滴下ロート、乾燥管を付けた100ml三口フラスコに
上記4−クロロ−4’−(N,N−ジトリルアミノ)ス
チルベン2.0g(4.9mmol)とテトラヒドロフ
ラン20mlを入れ、攪拌した。−78℃に冷却し、滴
下ロートからブチルリチウムのヘキサン溶液(濃度1.
6モル/l)mlを滴下した。反応温度を−78℃に保
ちながら、さらに1時間攪拌し、温度を−20℃まで上
昇させた。滴下ロートから塩化窒素0.19gのトルエ
ン溶液4mlをゆっくり滴下し、滴下終了後、さらに2
時間攪拌した。反応終了後、温度を室温まで戻し、水を
加え、トルエンで3回抽出した。抽出した有機溶液を飽
和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。
【0031】濾過をして硫酸マグネシウムを取り除いた
後、トルエン溶媒でシリカゲルクロマトグラフィー単離
を行い、さらにトルエン−リグロイン7:3混合溶媒で
再結晶を行い、4,4’,4”−トリス(4−(N,N
−ジトリルアミノ)スチリル)トリフェニルアミンの黄
色粉末1.4gを収率65%で得た。
【0032】 1H-NMR: δ(CDC13,ppm) 2.3(18H,s,CH3×6), 6.8(3H,d,CH×3) 7.1(3H,d,CH×3), 7.0-8.0(48H,m,ArH)
【0033】
【化13】 (4)上記トリフェニルアミンの電子写真感光体に適用
した例 アルミニウム基板上に、メトキシメチル化ナイロン(ユ
ニチカ(株)製、T−8)よりなるアンダーコート層
(0.1μm厚)を形成し、該アンダーコート層上にn
型チタニルフタロシアニンとポリビニルブチラール(積
水化学(株)製、BX−1)を含む電荷発生層(0.1
μm厚)を形成した。さらに、その上に上記(3)で得
られた4,4’,4”−トリス(4−(N,N−ジトリ
ルアミノ)スチリル)トリフェニルアミンとポリカーボ
ネート(三菱瓦斯化学(株)製、ユーピロンZ−20
0)(0.8:1重量比)のジクロロエタン溶液を塗布
し、90℃で60分間乾燥させて20μm厚の電荷輸送
層を形成させた。膜の塗工性は良好で、塗膜強度も充分
な膜が得られた。電子写真特性の評価は、川口電機社製
の静電記録試験装置(EPA 8100)を用いて−6
kVのコロナ放電で帯電させた後、3秒間暗減衰させ、
5ルックスの白色光を5秒間照射し、その表面電位が1
/2になるまでの時間(秒)を求め、半減露光量を得
た。また、白色光5秒照射後の残留表面電位を測定し
た。その結果、初期の半減露光量は0.238(ルック
ス・秒)で、残留表面電位は−3(ボルト)であり、優
れた光感度を示した。また、1000回後の測定値は半
減露光量0.241(ルックス・秒)、残留表面電位−
5(ボルト)と初期測定値とほぼ同様で、優れた繰り返
し安定性を示した。
【0034】実施例2 滴下ロート、乾燥管、ガス導入管を付けた100ml三
口フラスコに実施例1と同様に調製した4−クロロ−
4’−(N,N−ジトリルアミノ)スチルベン2.0g
(4.9mmol)とテトラヒドロフラン20mlを入
れ、攪拌した。−78℃に冷却し、滴下ロートからブチ
ルリチウムのヘキサン溶液(濃度1.6モル/1)1m
lを滴下した。反応温度を−78℃に保ちながら、さら
に1時間攪拌し、温度を−20℃まで上昇させた。ガス
導入管から三フッ化窒素を0.11g導入した。ガス導
入後、さらに2時間攪拌した。反応終了後、温度を室温
まで戻し、水を加え、トルエンで3回抽出した。抽出し
た有機溶液を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。
【0035】濾過をして硫酸マグネシウムを取り除いた
後、トルエン溶媒でシリカゲルクロマトグラフィー単離
を行い、さらにトルエン−リグロイン7:3混合溶媒で
再結晶を行い、4,4’,4”−トリス(4−(N,N
−ジトリルアミノ)スチリル)トリフェニルアミンの黄
色粉末0.5gを収率23%で得た。 実施例3 滴下ロート、乾燥管を付けた100ml三口フラスコに
実施例1と同様に調製した4−クロロ−4’−(N,N
−ジトリルアミノ)スチルベン2.0g(4.9mmo
l)とテトラヒドロフラン20mlを入れ、攪拌した。
−78℃に冷却し、滴下ロートからブチルリチウムのヘ
キサン溶液(濃度1.6モル/l)1mlを滴下した。
反応温度を−78℃に保ちながら、さらに一時間攪拌
し、温度を−20℃まで上昇させた。滴下ロートから三
臭化窒素0.4gのトルエン溶液10mlをゆっくり滴
下し、滴下終了後、さらに2時間攪拌した。反応終了
後、温度を室温まで戻し、水を加え、トルエンで3回抽
出した。抽出した有機溶液を飽和食塩水で洗浄した後、
硫酸マグネシウムで乾燥した。
【0036】濾過をして硫酸マグネシウムを取り除いた
後、トルエン溶媒でシリカゲルクロマトグラフィー単離
を行い、さらにトルエン−リグロイン7:3混合溶媒で
再結晶を行い、4,4’,4”−トリス(4−(N,N
−ジトリルアミノ)スチリル)トリフェニルアミンの黄
色粉末1.1gを収率50%で得た。 実施例4 実施例1(1)で用いた4−クロロベンジルクロリドの
代わりに、4−ブロモベンジルブロミド30g(124
mmol)を用い、実施例1と同様の反応を行い、亜リ
ン酸エステル37.3gを収率98%で得た。この亜リ
ン酸エステルを実施例1(2)と同様の反応を行い、4
−ブロモ−4’−(N,N−ジトリルアミノ)スチルベ
ンを収率81%で得た。
【0037】上記4−ブロモ−4’−(N,N−ジトリ
ルアミノ)スチルベン2.2g(4.9mmol)を用
い、実施例1(3)と同様の反応を行うことにより、
4,4’,4”−トリス(4−(N,N−ジトリルアミ
ノ)スチリル)トリフェニルアミン1.2gを収率62
%で得た。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の製造方法
により、ホール輸送材料として有用なトリフェニルアミ
ン化合物を効率よく製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 211/54 - 211/56 C07C 209/66 G03G 5/06 312 G03G 5/06 313 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(1) 【化1】 (式中R7 およびR8 は水素またはメチル基を示し同一
    でも異なっていてもよい。Ar7 およびAr8 は置換基
    を有していてもよいフェニル基を示し、同一でも異なっ
    ていてもよい。Ar基上の置換基は、炭素数が1から4
    のアルキル基、炭素数が1から4のアルコキシ基、アミ
    ノ基、炭素数が1から4のアルキルアミノ基、炭素数が
    1から4のジアルキルアミノ基、炭素数が1から4のア
    ルキルチオ基であり、これらの置換基がフェニル基上に
    複数置換してもよく、それら置換基は同一でも異なって
    いてもよい。Xはハロゲン元素を表す。)で示される1
    以上のハロゲン化合物をリチオ化した後、三ハロゲン化
    窒素(窒素と結合する3つのハロゲン元素は同一でも異
    なっていてもよい)と反応させることを特徴とする一般
    式(2) 【化2】 (式中、Ar1 〜Ar6 は置換基を有していてもよいフ
    ェニル基を示す。Ar基上の置換基は、炭素数が1から
    4のアルキル基、炭素数が1から4のアルコキシ基、ア
    ミノ基、炭素数が1から4のアルキルアミノ基、炭素数
    が1から4のジアルキルアミノ基、炭素数が1から4の
    アルキルチオ基であり、これらの置換基がフェニル基上
    に複数置換していてもよく、それら置換基は同一でも異
    なっていてもよい。R1 〜R6 は水素またはメチル基を
    示し、同一であっても異なってもよい。)で示されるト
    リフェニルアミン化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記三ハロゲン化窒素が、三塩化窒素
    (NCl3)、三フッ化窒素(NF3)、または三臭化窒
    素(NBr3)である請求項1に記載のトリフェニルア
    ミン化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記一般式(1)の化合物の置換基Xが
    塩素原子、臭素原子、または沃素原子である請求項1に
    記載のトリフェニルアミン化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記一般式(1)の化合物が4−クロロ
    −4’−(N,N−ジトリルアミノ)スチルベンであ
    り、一般式(2)の化合物が4,4’,4”−トリス
    (4−(N,N−ジトリルアミノ)スチリル)トリフェ
    ニルアミンである請求項1に記載のトリフェニルアミン
    化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記4−クロロ−4’−(N,N−ジト
    リルアミノ)スチルベンが、4−クロロベンジルクロリ
    ドと亜リン酸トリエチルとを反応させて得られる亜リン
    酸エステルと、4−(4’,4”−ジメチルジフェニル
    アミノ)ベンズアルデヒドとを反応させて得られること
    を特徴とする請求項4に記載のトリフェニルアミン化合
    物の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記4−クロロベンジルクロリドの亜リ
    ン酸エステル化が、4−クロロベンシルクロリドと亜リ
    ン酸トリエチルの混合物の加熱還流下で行われることを
    特徴とする請求項5に記載のトリフェニルアミン化合物
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記リチオ化がメチルリチウムまたはブ
    チルリチウムで行われる請求項1に記載のトリフェニル
    アミン化合物の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記ハロゲン化窒素との反応が溶媒の存
    在下−20℃から0℃の範囲で行われることを特徴とす
    る請求項1に記載のトリフェニルアミン化合物の製造方
    法。
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