JP3880715B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性基体上に、電荷輸送性ポリマー粒子を含む中間層と感光層を設けた電子写真用感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真感光体に要求される繰り返し安定性は年々厳しいものとなっており、黒点、白点等の画質欠陥の発生を抑制するために、導電性基体と感光層の間に中間層を設けることが検討されている。しかし、絶縁性樹脂を導電性基体上に設けた場合は、残留電位が上昇し、実用に耐え得るものとはならない。また、中間層に導電性材料または導電性粒子を分散して、残留電位を下げることも検討されているが、帯電性の低下および画質欠陥の発生を完全には抑制することができない等の問題点を有している。吸湿性を有するナイロン、ポリビニルアルコール等の樹脂を中間層として用い、イオン導電性により残留電位を下げることも検討されているが(特開平2−47666号公報等)、湿度の低下に伴い残留電位が上昇する等の問題を有している。また、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性有機重合体の薄膜を中間層として使用して残留電位を低下させることも提案されているが(特開平3−41462号公報)、導電性有機重合体は導電性であり、注入電荷に対するブロッキング能がなく、画質欠陥の発生を完全には抑制できない等の問題点を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術における上記のような事情に鑑みなされたものであって、黒点、白点等の画質欠陥の発生がなく、帯電性に優れた、残留電位の少ない電子写真感光体を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、中間層に電荷輸送性ポリマー粒子を含有させることにより解決することができる。すなわち、本発明の電子写真感光体は、導電性基体上に少なくとも中間層と感光層を設けたものであって、その中間層が電気絶縁性樹脂中に後記の一般式(I)〜( VI )で示される電荷輸送性の高分子化合物を含有する電荷輸送性ポリマー粒子が分散された電荷輸送性ポリマー粒子層であることを特徴とする。本発明によれば、中間層中に電荷輸送性を有するポリマー粒子が含有されるため、電荷輸送性能を損なうことなく画質欠陥の発生を抑制することが可能になる。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1ないし図3は、本発明の電子写真用感光体の具体例の模式的断面図であって、図1は、導電性支持体2上に電荷輸送性ポリマー粒子1を含む中間層4が設けられ、その上に感光層3が設けられた単層型のものを示し、図2は、導電性支持体2上に電荷輸送性ポリマー粒子1を含む中間層4が設けられ、その上に電荷発生層5および電荷輸送層6が順次設けられた積層型のものを示し、図3は、導電性支持体2上に電荷輸送性ポリマー粒子1を含む中間層4が設けられ、その上に電荷輸送層6と電荷発生層5が順次設けられた積層型のものを示している。
【0007】
以下、本発明の電子写真感光体を構成する各層について詳しく説明する。
導電性支持体としては、不透明または実質的に透明であることができ、アルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類、およびアルミニウム、チタン、ニッケル、クロム、ステンレス鋼、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、ITO等の薄膜を設けたプラスチックフィルム、ガラス等、および導電性付与剤を塗布または含浸させた紙、プラスチックフィルムおよびガラス等があげられる。これらの導電性支持体は、ドラム状、シート状、プレート状等、適宜の形状のものとして使用することができるが、これらに限定されるものではない。さらに必要に応じて導電性支持体の表面には、画質に影響のない範囲で各種の処理を施すことができる。例えば、表面の酸化処理、薬品処理、着色処理等、または、砂目立て等の乱反射処理等を施すことができる。
【0008】
次に、導電性支持体上に設けられる中間層について説明する。この中間層には、電荷輸送性ポリマー粒子が含有されるが、電荷輸送性ポリマー粒子は、電荷輸送性基を導入した原材料を用い、公知のポリマー粒子を製造する方法を利用することにより製造することができる。ポリマー粒子を製造する方法の具体例としては、粉砕法、乳化重合法、懸濁重合法、段階重合法、分散重合法、乳化分散法等をあげることができるが、これらに限定されるものではない。粉砕法とは、ポリマーの塊、または、粒子径の大きな粉を機械的な力で粉砕することによりポリマー粒子を製造する方法である。乳化分散法は、ポリマーを有機溶媒に溶解するか、加熱溶融し、分散媒中で乳化し、溶媒と必要に応じ分散媒を除去することによってポリマー粒子を製造する方法である。この方法によれば、電荷輸送性ポリマー粒子は、分散媒中に分散された状態、または、分散媒を除去して粉体の状態で得ることができる。
【0009】
例えば、電荷輸送性高分子化合物を油性媒体に溶解し、これを水性媒体に乳化分散した後、有機溶媒を除去することにより平均粒径0.01〜10μmの電荷輸送性ポリマー粒子を得ることができる。得られた微粒子は、洗浄操作を行った後、ろ別して粒子単体として取り出して使用してもよいし、溶媒置換を行った後に分散溶液状態で使用してもよい。電荷輸送性高分子化合物を溶解する特定の有機溶媒としては、例えば、酢酸エチル等の酢酸エステル類、メチレンクロリド等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルイソブチルケトン等のケトン類等、水性媒体に混和しないものが好ましい。電荷輸送性高分子化合物を含む油性相を乳化分散するために、水性媒体中に予め保護コロイドを含有させてもよい。保護コロイドとしては、水溶性高分子が使用でき、公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子の中から適宜選択することができるが、ポリビニルアルコール、ゼラチンおよびセルロース系水溶性高分子を含ませるのが特に好ましい。また、水性媒体には、界面活性剤を含有させてもよい。界面活性剤としては、アニオン性またはノニオン性の界面活性剤の中から、上記保護コロイドと作用して沈殿や凝集を起こさないものを適宜選択して使用することができる。具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)等をあげることができる。その使用量は所望する粒径を得るため適宜調整して用いることができるが、好ましくは0.01〜40重量%、より好ましくは0.1〜20重量%の範囲に設定される。
【0013】
本発明において、電荷輸送性ポリマー粒子に用いる電荷輸送性の高分子化合物は、下記一般式(I)ないし(VI)で示される構造を有する。この電荷輸送性ポリマー粒子を用いた中間層は、高い電荷輸送能を有し、機械的特性にも優れている。
【0014】
【化9】
Figure 0003880715
[式中、AおよびBの少なくともいずれか一方は、下記一般式(1)または(2)で示される2価の基を表し、他方は置換されていてもよい2価の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を表し、A′は、下記一般式(8)または(9)で示される一価の基を表し、pは5〜5000、好ましくは20〜400の整数を表す。
【0015】
【化10】
Figure 0003880715
{式中、R1 〜R4 は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、または置換もしくは未置換のアリール基を表し、Xは、下記式(a)〜(f)で示される置換または未置換の2価の芳香族環含有基を表し、
【化12】
Figure 0003880715
(式中、R9 〜R11は、それぞれフェニル基、置換もしくは未置換のアラルキル基またはハロゲン原子を表し、aおよびbは、それぞれ0または1の整数を意味し、Vは下記式(g)〜(p)から選択された基を表す。
【0016】
【化13】
Figure 0003880715
(ただし、cは1〜10の整数を意味し、dは1〜3の整数を意味する。))、Tは枝分かれしてもよい炭素数1〜10のアルキレン基、アリーレン基、アルキレンカルボニル基、アリーレンカルボニル基、アルキレンイミノ基、アリーレンイミノ基、アルキレンオキシ基またはアリーレンオキシ基を表し、kおよびlは、それぞれ0または1から選ばれる整数を示す。
【化15】
Figure 0003880715
(式中、R1 〜R 、X、T、lおよびkは、上記と同意義を有するが、ただし、k=0の場合、Xは水素原子と結合して末端基を形成する。R1 ないしR4 は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、または置換もしくは未置換のアリール基を表す。)
表1および表3に、上記一般式(I)〜(VI)に示す高分子化合物の具体例を示す。
【表1】
Figure 0003880715
【0018】
【表3】
Figure 0003880715
【0021】
電荷輸送性を有する反応性基を持つ低分子化合物としては、公知の化合物を使用することができる。例えば、正孔輸送性を有する反応性基を持つ低分子化合物として以下のものをあげることができる。
【化17】
Figure 0003880715
【0022】
また、電子輸送性を有する反応性基を持つ低分子化合物としては以下のものをあげることができる。
【0023】
【化18】
Figure 0003880715
【0024】
架橋した電荷輸送性ポリマー粒子を作製するために使用される成分である電荷輸送性を有する化合物と反応するか、またはこれを被覆する化合物としては、例えば、シリルイソシアネート化合物、多価イソシアネート化合物、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等をあげることができる。これらの化合物の含有量は、電荷輸送性を有する化合物に対して、好ましくは0.1〜90重量%、より好ましくは1〜60重量%の範囲で設定される。具体的には、下記のものが例示される。
【0025】
シリルイソシアネート化合物としては、下記一般式(VII )、(VIII)および(IX) で示されるシリルイソシアネート誘導体およびその縮合物があげられる。(R)e (R′)f (R″)g Si(NCO)4-e-f-g (VII )
(RO)e (R′O)f (R″O)g Si(NCO)4-e-f-g (VIII)
(R)h (R′O)i Si(NCO)j (IX)
(式中、R、R′およびR″は、それぞれアルキル基、アリール基またはアルケニル基を示し、e、fおよびgは、それぞれ0ないし3の整数であって、e+f+g≦3を満たし、h、iおよびjは、それぞれ1または2の整数であって、h+i+j=4を満たす。)
シリルイソシアネート化合物の具体例としては、例えば、(CH3 3 SiNCO、(C2 5 3 SiNCO、(C3 7 3 SiNCO、(C4 9 3 SiNCO、(CH3 )(C2 5 )(C3 7 )SiNCO、(CH3 )(C2 5 2 SiNCO、(CH3 2 (C2 5 )SiNCO、(CH3 3 SiNCO、(CH3 2 Si(NCO)2 、(C2 5 2 Si(NCO)2 、(C3 7 2 Si(NCO)2 、(C4 9 2 Si(NCO)2 、CH3 Si(NCO)3 、C2 5 Si(NCO)3 、C3 7 Si(NCO)3 、C4 9 Si(NCO)3 、CH2 =CHSi(NCO)3 、CH2 =C(CH3 )Si(NCO)3 、(CH3 O)3 SiNCO、(C2 5 O)3 SiNCO、(C3 7 O)3 SiNCO、(C4 9 O)3 SiNCO等をあげることができる。
【0026】
多価イソシアネート化合物としては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシ−4,4−ビフェニル−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート等のジイソシアネート類、4,4′,4″−トリフェニルメタントリイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネート等のトリイソシアネート類、4,4′−ジメチルジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネート等のテトライソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、2,4−トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、トリレンジイソシアネートとヘキサントリオールの付加物等のイソシアネートプレポリマーがあげられる。
【0027】
シランカップリング剤およびチタネートカップリング剤としては、例えば、下記のものがあげられる。すなわち、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリス−(β−メトキシエトキシ)ビニルシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、β−メルカプトエチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルメタクリルイソステアロイルチタネート等の公知の化合物があげられる。
【0028】
また、さらに電荷輸送性能を向上させるため、電荷輸送性化合物と反応する成分または電荷輸送性化合物を被覆する成分として電荷輸送性を付与した化合物を用いることができる。たとえば電荷輸送性を付与した化合物としては、下記一般式(X)で示される化合物をあげることができる。
【0029】
【化19】
Figure 0003880715
[式中、Ar1 〜Ar4 は、置換または未置換のアリール基を表し、Ar5 は、置換または未置換のアリーレン基を表し、sは0または1を意味する。ただし、Ar1 〜Ar5 のうちの少なくとも一つは、式:−CH2 CH2 −Y″−Si(R153-r (OR16r で示される置換基を有する。(なお、R15は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、置換または未置換のアリール基を表し、R16は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、またはトリアルキルシリル基を表し、rは1〜3の整数を意味し、Y″は2価の基を表す。)]
【0030】
上記化合物の具体例を表6に示す。
【表6】
Figure 0003880715
【0031】
電子写真装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは、光、熱による感光体の劣化を防止する目的で、電荷輸送性ポリマー粒子中には、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等を添加することができる。酸化防止剤としては、公知のものを用いることができ、例えば、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等があげられる。光安定剤としては、公知のものを用いることができ、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピペリジン等の誘導体、および、光励起状態をエネルギー移動または電荷移動により失活し得る電子吸引性化合物および電子供与性化合物等があげられる。
【0032】
中間層に含まれる電荷輸送性ポリマー粒子の輸送電荷の極性は正でも負でもよいが、帯電極性と同極性であることが好ましい。また、電荷輸送性ポリマー粒子が両方の極性の電荷を輸送できるものであってもよい。また正の電荷のみを輸送できる電荷輸送性ポリマー粒子と負の電荷のみを輸送できる電荷輸送性ポリマー粒子を混合して使用してもよい。
【0033】
中間層における電荷輸送性ポリマー粒子の含有量は、1重量%〜70重量%の範囲が好ましい。より好ましくは、10重量%〜60重量%の範囲である。含有量が1重量%より少ないと電荷輸送性の改善効果が少なく、また、70重量%より多いと粒子間に間隙ができたり、粒子同士の接着性が不足し、機械的強度が低下する。電荷輸送性ポリマー粒子を含む層のマトリックスが電気的不活性の場合は、電荷輸送性ポリマー粒子同士の接触により電荷を輸送することにより、輸送速度を速くし、残留電位を小さくすることができる。そのために、電荷輸送性ポリマー粒子を含む層のマトリックスが電気的不活性の場合は、層中の電荷輸送性ポリマー粒子の含有量を20重量%〜60重量%の範囲にするのが好ましい。
【0034】
中間層に含まれる電荷輸送性ポリマー粒子の粒子径は、体積平均粒子径で5μm以下であることが好ましい。より好ましくは0.05〜2μmの範囲である。上記範囲より粒子径が大きくなると均一な膜の形成が困難になるとともに、光の散乱、回折等により画像の鮮鋭さ等が悪化する。
【0035】
また、本発明における中間層は、電荷輸送性ポリマー粒子が分散した形態であるため、レーザー等のコヒーレントな光源による露光方式の電子写真装置で発生する干渉模様を防止するための光の散乱層としての役割を果たすこともできる。また、電荷輸送性ポリマー粒子により中間層の表面粗さを粗くすることができ、この場合の電荷輸送性ポリマー粒子の粒子径は2次粒子径で0.1〜1μmの範囲が最適である。また、電荷輸送性ポリマー粒子と結着樹脂との屈折率差による回折を利用することもできる。
【0036】
中間層の結着樹脂としては、公知の電気絶縁性樹脂を用いることができ、例えば、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、アルコール可溶性ナイロン樹脂、ニトロセルロース、カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド等の樹脂およびこれらの共重合体、または、ジルコニウムアルコキシド化合物、チタンアルコキシド化合物、シランカップリング剤等の硬化性金属有機化合物を、単独または2種以上を混合して用いることができる。
【0037】
電荷輸送性ポリマー粒子を含む中間層は、上記結着樹脂を含む溶液に電荷輸送性ポリマー粒子を分散することにより得られた塗布液、または、電荷輸送性ポリマー粒子の分散液に結着樹脂を溶解して得られた塗布液を塗布し、乾燥することにより製造できる。この際、塗布液の溶剤としては、電荷輸送性ポリマー粒子を溶解しない溶剤を選択することが必要である。電荷輸送性ポリマー粒子を溶液中に分散する方法としては、混合撹拌する以外にも公知の分散法を使用することができる。例えば、サンドミル、ボールミル、ペイントシェーカー、ホモジナイザー等を使用する方法、および超音波を利用する方法等が使用できる。
【0038】
また、中間層の膜厚は、0.01〜10μmの範囲が適当であり、好ましくは0.05〜5μmの範囲である。塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の一般に使用される方法を用いることができる。
【0039】
上記のようにして形成された中間層は、感光層の帯電時において導電性支持体から感光層への電荷の注入を阻止すると共に、感光層を導電性支持体に対して一体的に接着保持させ接着層としての作用、または場合によっては導電性支持体からの光の反射防止作用等を示す。
【0040】
中間層の上に感光層が形成されるが、感光層は樹脂中に電荷発生物質を分散含有してなる単層型であっても、電荷発生層と電荷輸送層よりなる積層型であってもよい。さらに電荷輸送層は2層以上の層構成を有するものであってもよい。 感光層が単層型の場合は、結着樹脂中に電荷発生材料を分散、塗布することにより作製することができる。また、感光層中には、電荷輸送性低分子化合物および/または電荷輸送性高分子化合物を含有させることができる。さらにまた、光感度の向上、残留電位の低下等の目的で、電子親和性を有する材料を含ませることができる。さらにまた、化学的安定性を保つために、酸化防止剤および/または紫外線吸収剤を含有させることもできる。
【0041】
単層型の感光層における電荷発生材料と結着樹脂との配合比(重量比)は、1:1〜1:100の範囲が好ましい。より好ましくは、1:3〜1:50の範囲に設定される。電荷発生材料の結着樹脂に対する配合比が前記範囲より多いと、暗減衰を増大し、機械的特性を悪化させる。また、前記範囲より少ないと、光感度の低下、残留電位の増大等の障害が発生する。また、単層型における感光層の膜厚は一般的には、1〜100μmの範囲が適当であり、好ましくは5〜50μmの範囲に設定される。塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の一般に使用される方法を用いることができる。
【0042】
感光層が積層構造を有する場合、電荷発生層は、電荷発生材料を真空蒸着法により、または、電荷発生材料を結着樹脂中に分散または溶解して塗布することにより作製することができる。また、電荷発生層には、電荷輸送性低分子化合物および/または電荷輸送性高分子化合物を含有させることができる。さらにまた、化学的安定性を保つため、酸化防止剤および/または紫外線吸収剤を含ませることができる。
【0043】
電荷発生層における電荷発生材料と結着樹脂との配合比(重量比)は、10:1〜1:10の範囲が好ましい。より好ましくは、3:1〜1:1の範囲に設定される。電荷発生材料の結着樹脂に対する配合比が前記範囲より多いと、暗減衰を増大し機械的特性を悪化させる。また、前記範囲より少ないと光感度の低下、残留電位の増大等の障害が起きる。また、本発明で用いる電荷発生層の膜厚は一般的には、0.05〜5μmが適当であり、好ましくは0.1〜2.0μmの範囲に設定される。塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
【0044】
本発明の電子写真用感光体における単層型の感光層および積層型の電荷発生層に用いる電荷発生材料としては、公知のものを使用することができる。例えば、非晶質セレン、セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金、その他セレン化合物およびセレン合金、酸化亜鉛、酸化チタン、a−Si、a−SiC等の無機系光導電性材料、フタロシアニン系、スクアリウム系、アントアントロン系、ペリレン系、アゾ系、アントラキノン系、ピレン系、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の有機顔料および染料が使用できるが、これらに限定されるものではない。また、これらの有機顔料および染料は、単独または2種以上混合して用いることができる。
【0045】
フタロシアニン系化合物は、デジタル式の電子写真装置に光源として現在好まれて使用されているLEDおよびレーザーダイオードの発信波長である600〜850nmに優れた光感度を有するため、本発明の電荷発生材料として特に好ましい。詳しくは、無金属フタロシアニン、金属フタロシアニンであり、金属フタロシアニンの中心金属としては、Cu、Ni、Zn、Co、Fe、V、Si、Al、Sn、Ge、Ti、In、Ga、Mg、Pb等があげられ、またこれら中心金属の酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、アルキル化物、アルコキシ化物等も使用できる。具体的には、無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、ジクロロ錫フタロシアニン等をあげることができる。また、これらフタロシアニン化合物のフタロシアニン核に任意の置換基を含むものも使用することができる。さらにまた、フタロシアニン核中の任意の炭素原子が窒素原子で置換されたものも有効である。これらフタロシアニン系化合物の形態としては、アルモルファスまたは全ての結晶多形のものが使用可能である。
これ等フタロシアニン系化合物の中でも、チタニルフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、およびジクロロ錫フタロシアニンは、特に優れた光感度を有しており、電荷発生材料として特に好ましい。
【0046】
本発明における単層型の感光層および積層型の電荷発生層に用いる結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等があげられるが、これらに限定されるものではない。これらの結着樹脂は、ブロック、ランダムまたは交互共重合体のいずれであってもよい。また、これらの結着樹脂は単独または2種以上混合して用いることができる。
【0047】
積層型の感光層における電荷輸送層としては、従来の積層型電子写真感光体において用いられている公知の材料を使用することができる。例えば、ベンジジン系化合物、アミン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、カルバゾール系化合物等のホール輸送性低分子化合物、またはフルオレノン系化合物、マロノニトリル系化合物、ジフェノキノン系化合物等の電子輸送性低分子化合物を、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。それらのものは、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリメチルメタクリレート等の絶縁性樹脂中に均一分子分散した固溶膜として使用することができる。また、それ自身電荷輸送能を有する高分子化合物等を用いることができる。さらに、セレン、アモルファスシリコン、アモルファスシリコンカーバイト等の電荷輸送能を有する無機物質を用いることもできる。電荷輸送性高分子化合物としては、ポリビニカルバゾール等の電荷輸送能を有する基を側鎖に含む高分子化合物、特開平5−232727号公報等に開示されているような電荷輸送能を有する基を主鎖に含む高分子化合物、およびポリシラン等をあげることができる。
【0048】
さらに電荷輸送層の電荷輸送性高分子化合物として、前記一般式(I)〜(VI)で表される電荷輸送性ポリマーを使用することができ、その場合は、高い電荷輸送能を有し、機械的特性にも優れているので特に好ましい。
【0049】
本発明における電荷輸送層の膜厚は、1〜100μm、好ましくは5〜50μmに設定される。塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の一般に使用される方法を用いることができる。また、気相成膜可能なものは、真空蒸着法等により直接成膜することもできる。
【0050】
単層型の感光層、または電荷発生層と電荷輸送層よりなる積層型の感光層の上には、さらに必要に応じて保護層を設けてもよい。この保護層は、帯電部材から発生するオゾンや酸化性ガス等、および紫外光等の化学的ストレス、または、現像剤、紙、クリーニング部材等との接触に起因する機械的ストレスから感光層を保護し、感光層の実質の寿命を改善するために有効である。特に、薄層の電荷発生層を上層に用いる層構成の場合において、効果が顕著である。
【0051】
保護層は、電荷輸送性ポリマー粒子を適当な結着樹脂中に含有させて形成することができる。結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の公知の樹脂を用いることができる。保護層の膜厚は0.5〜20μmの範囲が適当であり、好ましくは1〜10μmの範囲に設定される。
【0052】
また、保護層を設けた場合、必要に応じて、感光層と保護層との間に、保護層から感光層への電荷の漏洩を阻止するブロッキング層を設けることができる。このブロッキング層としては、保護層の場合と同様に公知のものを用いることができる。
【0053】
本発明の電子写真感光体においては、電子写真装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、または、光、熱による感光体の劣化を防止する目的で、上記各層または最上層中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等を添加することができるが、酸化防止剤としては、公知のものを用いることができ、例えば、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等があげられる。また、光安定剤としては、公知のものを用いることができ、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピペリジン等の誘導体、および、光励起状態をエネルギー移動または電荷移動により失活し得る電子吸引性化合物または電子供与性化合物等があげられる。さらに、表面磨耗の低減、転写性の向上、クリーニング性の向上等を目的として、最表面層にフッ素樹脂等の絶縁性粒子を分散させてもよい。
【0054】
本発明の電子写真感光体は、さらに所望により乱反射層および/または表面保護層等を含むことができる。
【0055】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、当業者は電子写真技術の公知の知見から、以下の実施例に変更を加えることが可能である。
【0056】
<電荷輸送性ポリマー粒子の調製例>
(調製例1)
電荷輸送性高分子化合物として、表1に記載の高分子化合物No.1の20gをトルエン150gに溶解し、電荷輸送性高分子化合物と反応しうる化合物として、トリメチロールプロパンキシリデンジイソシアネート3モル付加物(タケネートD110N、武田薬品工業社製)3.0gを加え、油性混合液を作製した。得られた油性混合液を、水性媒体としてポリビニルアルコール1.0%水溶液1.0kgに加え、8000rpmの回転数にて乳化分散を行った後、60℃の恒温槽にて3時間常圧にてトルエンを除去し、蒸留水で洗浄した後、凍結乾燥を行い、平均粒径0.2μmの架橋された電荷輸送性ポリマー粒子を20g得た。
得られた電荷輸送性ポリマー粒子の有機溶媒に対する溶解性を調べたところ、エステル系、アミド系、ハロゲン系、スルホキサイド系等の溶媒に対して不溶であることが確認できた。
【0057】
(調製例2)
電荷輸送性高分子化合物として、調製例1における高分子化合物No.1に代わりに、表3に記載の高分子化合物No.14の25gを用い、電荷輸送性高分子化合物と反応しうる化合物として、表6に記載の化合物No.1の4.1gを用い、さらに水性媒体としてヘキサデシルピリジニウムクロライド1水和物1.0%水溶液1.0kgを用いた以外は、同様に操作を行い、平均粒径0.3μmの架橋された電荷輸送性ポリマー粒子を20g得た。
同様にこの電荷輸送性ポリマー粒子の有機溶媒に対する溶解性を調べたところ、エステル系、アミド系、ハロゲン系、スルホキサイド系等の溶媒に対して不溶であることが確認できた。
【0058】
(調製例3)
電荷輸送性化合物として、前記例示した低分子化合物−3の20gを用い、電荷輸送性化合物と反応しうる化合物としてジビニルベンゼン0.5g、および過酸化ベンゾイル1.1mgを加えて、油性混合液を作製した。
得られた油性混合液について、水性媒体としてポリビニルアルコール1.0%水溶液1.0kgを用いて、8000rpmの回転数にて乳化分散を行った後、80℃の恒温槽において、5時間常圧にてトルエンを除去し、蒸留水で洗浄した後、凍結乾燥を行って、平均粒径0.8μmの架橋された電荷輸送性ポリマー粒子を20g得た。得られた電荷輸送性ポリマー粒子の有機溶媒に対する溶解性については、調製例1の場合と同様の結果を示した。
【0060】
実施例1
ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−S、積水化学社製)5重量部、n−ブタノール92重量部、および調製例1の電荷輸送性ポリマー粒子3重量部の混合物をボールミルにて24時間分散して塗布液を得た。この塗布液をAlプレート上に浸漬塗布し、130℃において30分間乾燥して、膜厚1μmの中間層を形成した。
ポリカーボネートZ樹脂(ユーピロンZ−400、三菱ガス化学(株)製)8重量部を予めトルエン90部に溶解した溶液に、クロロガリウムフタロシアニン3重量部を加え、24時間サンドミルで分散処理して、感光層用塗布液を調製し、前記中間層上にアプリケート法にて塗布し、100℃で1時間加熱乾燥して、膜厚15μmの感光層を形成し、図1に示す層構造の単層型の電子写真感光体を作製した。
【0061】
上記のようにして得られた電子写真用感光体に対し、静電複写紙試験装置(エレクトロスタティックアナライザーEPA−8100、川口電機製作所社製)を用いて、常温常湿(20℃、40%RH)の環境下、電子写真特性の評価を行った。コロナ放電電圧を調整し、感光体表面を750Vに帯電させた後、干渉フィルターを通して750nmに単色化したハロゲンランプ光を、感光体表面上で2mW/m2 の光強度になるように調整し、7秒間照射し、光誘起電位減衰曲線より半減露光量E50%を求めた。また、露光開始より7秒後の電位を残留電位とした。E50%は6.5mJ/m2 、残留電位は80Vであった。
また、アルミニウム基板の代わりにアルミニウムドラムを使用した以外は、同様にして電子写真用感光体を作製し、レーザープリンター(Laser Press 4105、富士ゼロックス社製)に搭載した。このレーザプリンターは負帯電感光体用であるため、正帯電感光体用に改造したものであった。プリントサンプルをとり、画質評価を行ったところ、白点および黒点ともに発生していなく、良好な画質の画像が得られた。
【0062】
比較例1
電荷輸送性ポリマーを加えなかった以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、実施例1と同様に評価を行った。その結果、残留電位は470Vであった。
比較例2
中間層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、実施例1と同様に画質評価を行った。その結果、画像に黒点が発生していた。
【0063】
実施例2
調製例1で得られた電荷輸送性ポリマー粒子の代わりに、調製例2で得られた電荷輸送性ポリマー粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。その結果、E50%は7.2mJ/m2 、残留電位は50Vであった。
実施例3
調製例1で得られた電荷輸送性ポリマー粒子の代わりに、調製例3で得られた電荷輸送性ポリマー粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、実施例1と同様に評価を行った。その結果、E50%は6.8mJ/m2 、残留電位は60Vであった。
【0067】
【発明の効果】
本発明の電子写真感光体は、導電性基体と感光層の間に、電気絶縁性樹脂中に、上記一般式(I)〜( VI )で示される電荷輸送性の高分子化合物を含有する電荷輸送性ポリマー粒子が分散された電荷輸送性ポリマー粒子層を中間層として設けたため、帯電性に優れ、残留電位の少ないという優れた特性を有しており、上記実施例および比較例の比較から明らかなように、黒点、白点などの画質欠陥のない画像を形成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真用感光体の単層構造の感光層を有する例の模式的断面図である。
【図2】 本発明の電子写真用感光体の積層構造の感光層を有する例の模式的断面図である。
【図3】 本発明の電子写真用感光体の積層構造の感光層を有する他の例の模式的断面図である。
【符号の説明】
1…電荷輸送性ポリマー粒子、2…導電性支持体、3…感光層、4…中間層、5…電荷発生層、6…電荷輸送層。

Claims (1)

  1. 導電性基体上に、少なくとも中間層と感光層を設けた電子写真感光体において、該中間層が電気絶縁性樹脂中に、下記一般式(I)〜( VI )で示される電荷輸送性の高分子化合物を含有する電荷輸送性ポリマー粒子が分散された電荷輸送性ポリマー粒子層であることを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0003880715
    [式中、AおよびBの少なくともいずれか一方は、下記一般式(1)または(2)で示される2価の基を表し、他方は置換されていてもよい2価の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を表し、A′は、下記一般式(8)または(9)で示される一価の基を表し、pは5〜5000の整数を表す。
    Figure 0003880715
    {式中、R 1 〜R 4 は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、または置換もしくは未置換のアリール基を表し、Xは下記式(a)〜(f)で示される置換または未置換の2価の芳香族環含有基を表し、
    Figure 0003880715
    (式中、R 9 〜R 11 は、それぞれフェニル基、置換もしくは未置換のアラルキル基またはハロゲン原子を表し、aおよびbは、それぞれ0または1の整数を意味し、Vは下記式(g)〜(p)から選択された基を表す。
    Figure 0003880715
    (ただし、cは1〜10の整数を意味し、dは1〜3の整数を意味する。))、Tは枝分かれしてもよい炭素数1〜10のアルキレン基、アリーレン基、アルキレンカルボニル基、アリーレンカルボニル基、アルキレンイミノ基、アリーレンイミノ基、アルキレンオキシ基またはアリーレンオキシ基を表し、kおよびlは、それぞれ0または1から選ばれる整数を示す。}
    Figure 0003880715
    (式中、R 1 〜R 、X、T、lおよびkは、上記と同意義を有し、ただし、k=0の場合、Xは水素原子と結合して末端基を形成する。R 1 ないしR 4 は、それぞれ独立 に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、または置換もしくは未置換のアリール基を表す。)]
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