JP3858588B2 - 電子写真感光体及びその製造方法、並びに電子写真感光体を用いた電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、レーザープリンター等の電子写真装置に用いられる電子写真感光体及びその製造方法、並びに電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来技術】
電子写真感光体は、高速でかつ高印字品質が得られるという利点を有するため、複写機及びレーザービームプリンター等の分野において広く利用されている。これら電子写真装置に用いられる電子写真感光体として、従来、セレン、セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金、硫化カドミウム等無機光導電材料を用いた電子写真感光体がよく用いられていたが、最近では、安価で製造性及び廃棄性の点で優れた利点を有する有機光導電材料を用いた電子写真感光体が主流となってきた。中でも、露光により電荷を発生する電荷発生層と電荷を輸送する電荷輸送層を積層する機能分離型積層有機感光体は、感度・帯電性及びその繰り返し安定性等、電子写真特性の点で優れており、種々の提案が成され、実用化されている。
【0003】
一方、近年、電子写真装置についてカラー化、高速化、高画質化が要求されるのに伴い、これらに対応できる電子写真感光体の開発が盛んに行われている。それらの中の1つが高感度の感光層を有する電子写真感光体の開発であり、高感度の感光層は、電荷発生効率の高いフタロシアン顔料を含めることにより実現可能となる。
【0004】
こうしたフタロシアニン顔料を感光層に含む電子写真感光体の一例が特開平11−95467号公報に開示されている。同公報に開示された電子写真感光体は、導電性支持体上に、電荷発生層及び電荷輸送層からなる感光層を有しており、電荷発生層が、フタロシアニン顔料と、酸価が5〜500であり、且つ酢酸ビニル、エチレン、スチレン、ブタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アミド、クロトン酸及びクロトン酸エステルからなる群より選択された2種以上のモノマーから構成された共重合体とを含有するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の公報に記載の電子写真感光体は、以下に示す課題を有していた。
【0006】
即ち、前述した従来の電子写真感光体は、電子写真装置に組み込んで使用すると、長期使用後における暗減衰が大きくなると共に感度が悪くなり、その結果、かぶりが発生したり、黒点の多発が生じ、画質に悪影響を与えるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、暗減衰を低減し、感度を高くすることができる電子写真感光体及びその製造方法、並びに電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題点について検討した結果、上記問題が生じる原因が、電荷発生層においてフタロシアニン顔料の分散状態が悪いことにあることを見出した。そして、本発明者等は、電荷発生層におけるフタロシアニン顔料の分散特性を向上させるべく鋭意検討を進めた結果、電荷発生材料を分散させる高分子化合物として特定の構成の高分子化合物を用いることにより、電荷発生層における電荷発生材料の分散性を向上させることが可能となり、その結果、電子写真感光体において暗減衰を低減でき、高感度化できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0010】
即ち本発明は、基材と、この基材上に設けられる感光層とを備える電子写真
感光体において、
前記感光層が、電荷発生材料と、下記一般式(II)で表される構成単位及び下
記一般式(III)で表される構成単位を含み、酸価が0.1〜15であり且つ分
子量が100〜10万である高分子化合物とを含有する層を有することを特徴と
する。
【0011】
【化7】
(式中、R4〜R6はそれぞれ水素、アルキル基、フッ素置換アルキル基、臭素置換アルキル基、アリール基、アラルキル基、−COOH又はCOOR7を表し、R7はアルキル基を表す。)
【0012】
【化8】
(式中、R8〜R11はそれぞれ水素、シアノ基、アルキル基、フッ素置換アルキル基、臭素置換アルキル基、アリール基、アラルキル基、−COOH又は−COOR12を表し、R12はアルキル基を表し、R 8 〜R 11 のいずれか1つがシアノ基である。)
上記電子写真感光体によれば、長期使用後における暗減衰が小さく、また感度にも優れる。従って、本発明の電子写真感光体を電子写真装置に用いる場合に、初期、長期使用時ともにかぶりの発生がなく、黒点数も少なくなり、良好な画質を得ることができる。
【0013】
また、本発明は、基材と、この基材上に設けられる感光層とを備える電子写真感光体の製造方法において、
電荷発生材料、及び下記一般式(II)で表される構成単位及び下記一般式(III)で表される構成単位を含み、酸価が0.1〜15であり且つ分子量が100〜10万である高分子化合物を溶剤中に分散させて分散液を得る分散工程と、
前記基材に前記分散液を塗布し乾燥させることにより、前記電荷発生材料及び前記高分子化合物を含有する層を形成する塗布工程と、
を含むことを特徴とする。
【0014】
【化9】
(式中、R4〜R6はそれぞれ水素、アルキル基、フッ素置換アルキル基、臭素置換アルキル基、アリール基、アラルキル基、−COOH又はCOOR7を表し、R7はアルキル基を表す。)
【0015】
【化10】
(式中、R8〜R11はそれぞれ水素、シアノ基、アルキル基、フッ素置換アルキル基、
臭素置換アルキル基、アリール基、アラルキル基、−COOH又は−COOR12を表し
、R12はアルキル基を表し、R 8 〜R 11 のいずれか1つがシアノ基である)
この製造方法の発明によれば、分散液において高分子化合物の作用により電荷発生材料の分散性が高くなる。従って、電荷発生材料の持つ本来の電荷発生効率を発揮させることが可能な電子写真感光体を得ることが可能となり、また、長期使用後における暗減衰が小さく、感度にも優れた電子写真感光体を得ることが可能となる。
【0016】
更に、本発明は、上記電子写真感光体と、
帯電装置、像露光装置、クリーニング装置からなる群より選ばれる少なくとも1つの装置とを一体に支持し、
電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジである。
【0017】
この電子写真プロセスカートリッジによれば、電子写真装置本体に装着して電子写真装置を構成した場合に、初期、長期使用時ともにかぶりの発生がなく、黒点数も少なくなり、良好な画質を得ることができる。
【0018】
また、本発明は、上記電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、
前記帯電装置により帯電される前記電子写真感光体を露光する像露光装置と、
前記像露光装置により露光された部分を現像する現像装置と、
前記現像装置により前記電子写真感光体に現像された像を転写する転写装置と、
を備えることを特徴とする電子写真装置である。
【0019】
この電子写真装置によれば、初期、長期使用時ともにかぶりの発生がなく、黒点数も少なくなり、良好な画質を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
(電子写真感光体)
まず、本発明の電子写真感光体について説明する。
【0021】
本発明の電子写真感光体に用いる基材は導電性基材を有する。導電性基材としては、アルミニウム、銅、鉄、亜鉛、ニッケルなどの金属ドラム、又はシート、紙、プラスチック若しくはガラス上にアルミニウム、銅、金、銀、白金、パラジウム、チタン、ニッケル−クロム合金、ステンレス鋼、銅−インジウム合金等の金属を蒸着したもの、シート、紙、プラスチック若しくはガラス上に酸化インジウム、酸化錫などの導電性金属化合物を蒸着したもの、シート、紙、プラスチック若しくはガラス上に金属箔をラミネートしたもの、又はカーボンブラック、酸化インジウム、酸化錫−酸化アンチモン粉、金属粉、沃化銅等を結着樹脂に分散し、これをシート、紙、プラスチック若しくはガラス上に塗布することによって導電処理した物など公知の材料を用いることができる。
【0022】
導電性基材として金属ドラムを用いる場合、その表面は素管のままであってもよいが、事前に鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウエットホーニングなどの表面処理が行われていても構わない。但し、導電性基材に表面処理したものを用いる方が好ましい。この場合、基材表面が粗面化され、レーザービームのような可干渉光源を用いた場合に感光層内に発生しうる干渉光による木目状の濃度斑(モアレ模様)を防止することが可能となる。
【0023】
本発明に用いる基材は、導電性基材の上に下引層を備えていても良い。このような下引層としては、例えばポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの樹脂化合物のほかに、シリコン、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガンなどを含有する有機金属化合物などが用いられる。これらの有機金属化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物として用いることができる。中でも、シリコン原子若しくはジルコニウム原子を含有する有機金属化合物は残留電位が低く環境による電位変化が少なく、また繰り返し使用による電位の変化が少ないなど性能上優れている。
【0024】
上記シリコン原子を含有する有機金属化合物は特に限定されるものではないが、なかでも特に好ましく用いられる有機金属化合物はビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤が挙げられる。
【0025】
上記ジルコニウム原子を含有する有機金属化合物の例としては、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシドなどが挙げられる。
【0026】
上記チタニウム原子を含有する有機金属化合物の例としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレートなどが挙げられる。
【0027】
上記アルミニウム原子を含有する有機金属化合物の例としては、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。
【0028】
下引き層は、電気特性の向上や光散乱性の向上などの観点から、各種の有機もしくは無機微粉末を含有しても良い。特に、有機微粉末として、電子輸送性を有する多環キノン系顔料、ペリレン顔料、アゾ顔料などの有機顔料、テフロン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、スチレン樹脂粒子が有効であり、無機微粉末としては、酸化チタン、酸化亜鉛、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、リトポン等の白色顔料や、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料としての無機顔料などが有効である。
【0029】
上記微粉末の粒径は通常0.01〜2μmである。また、上記微粉末は必要に応じて添加されるが、微粉末は、下引き層中に通常10〜60重量%、より好ましくは30〜70重量%含有される。下引き層の膜厚は好ましくは0.1〜10μmである。
【0030】
(感光層)
本発明の電子写真感光体は、上記基材の上に感光層を備える。感光層は、単層構造のものであっても、電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離された積層構造のものであってもよく、また、積層構造の場合、電荷発生層と電荷輸送層の積層順序は、いずれが上層にあってもよい。
【0031】
以下、感光層が積層構造のものである場合を例にして説明する。
【0032】
感光層が積層構造のものである場合、感光層は、電荷発生層と電荷輸送層とを備える。
【0033】
(電荷発生層)
電荷発生層は、高分子化合物と電荷発生材料とを含有する。
【0034】
(高分子化合物)
上記高分子化合物は、下記一般式( II )で表される構成単位及び下記一般式(III)で表される構造単位を含む。
【0035】
【化11】
【0036】
上記式中、R 4 〜R 6 はそれぞれ水素、アルキル基、フッ素置換アルキル基、臭素置換アルキル基、アリール基、アラルキル基、−COOH又はCOOR 7 を表し、R 7 はアルキル基を表す。
【0037】
上記アルキル基の炭素数は通常1〜10であり、好ましくは1〜5である。アルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれでもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
【0038】
フッ素置換アルキル基は、上記アルキル基中の全水素をフッ素に置換したものだけでなく、上記アルキル基中の一部の水素をフッ素に置換したものでもよい。
【0039】
臭素置換アルキル基についても、上記アルキル基中の全水素を臭素に置換したものだけでなく、上記アルキル基中の一部の水素を臭素に置換したものでもよい。
【0040】
アリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0041】
アラルキル基中のアルキル基の炭素数は通常1〜10であり、好ましくは1〜5である。このアルキル基も直鎖状、分岐状のいずれでもよい。アラルキル基としては、例えばベンジル基等が挙げられる。
【0044】
上記一般式( II )から分かるように、上記高分子化合物は、その構造中に塩素
を含まないため、この塩素に起因する塩酸による基材の劣化を十分に防止でき、
長期使用時の耐久性に優れる。
【0054】
【化14】
【0055】
上記式中、R8〜R11はそれぞれ水素、シアノ基、アルキル基、フッ素置換アルキル基、臭素置換アルキル基、アリール基、アラルキル基、−COOH又は−COOR12を表し、R12はアルキル基を表し、R 8 〜R 11 のいずれか1つがシアノ基である。上記アルキル基、フッ素置換アルキル基、臭素置換アルキル基、アリール基、アラルキル基はそれぞれ上記一般式(II)について説明したものと同じである。
【0056】
上記高分子化合物は、具体的には、アクリル酸、マレイン酸、エチレン、メチルメタアクリレート、酢酸ビニル、シアノアクリレート等のモノマーのうちの2種以上のモノマー同士の共重合により得られる。
【0057】
上記高分子化合物においては、上記一般式(III)で表される構成単位において、R8〜R11のうちのいずれか1つがシアノ基である。これにより、この高分子化合物中での電荷発生材料の分散性が向上すると共に、不純物によるトラップが消失し、特に暗減衰をより低減させることが可能となる。また、この高分子化合物を電荷発生材料とともに溶剤中に分散させると、分散液の粘度を向上させることができる。
【0058】
また、上記高分子化合物においては、上記一般式(III)で表される構成単位が下記一般式(V)で表される構成単位であることが好ましい。
【0059】
【化15】
【0060】
上記式中、R17、R18は、R13〜R15と同じであるが、R17、R18のいずれか一方又は双方が−COOHである必要はない。
【0061】
上記高分子化合物が上記一般式(V)で表される構成単位を含む場合、高分子化合物における電荷発生材料の分散性が向上する傾向がある。これは、上記一般式(V)で表される構成単位における酸部分の立体配置に起因するものと考えられる。
【0062】
また、上記高分子化合物は、上記一般式(II)で表される構成単位のうち下記化学式(1):
【0063】
【化16】
で表される構成単位と、上記一般式(III)で表される構成単位のうち下記化学式(2):
【化17】
で表される構成単位とからなることが好ましい。
【0064】
この場合、電荷発生材料の分散性が高くなり、電荷発生層におけるクラックの発生が十分に防止されると共に、低コスト化が図れるという利点がある。
【0065】
上記化学式(1)で表される構成単位と、上記化学式(2)で表される構成単位とからなる高分子化合物は、具体的にはスチレンとアクリロニトリルとの共重合により得ることができる。この場合、通常、スチレン1モルに対してアクリロニトリルは0.05〜1モル添加されることが好ましい。
【0066】
(重量平均分子量)
上記高分子化合物の重量平均分子量は100〜10万であり、好ましくは1000〜8万であり、より好ましくは2〜3万である。重量平均分子量が100未満では、機械強度が低くなってバインダとしての機能を果たさなくなり、10万を超えると、溶解性が低下したり不溶となる。
【0067】
(酸価)
上記高分子化合物の酸価は0.1〜15であり、好ましくは0.5〜12である。酸価が0.1未満では、酸による電荷発生材料の分散性向上効果が不十分となり、電子写真感光体の長期使用後における暗減衰が大きくなり感度が低下する。一方、酸価が15を超えると、酸性が強くなり過ぎて逆に電荷発生材料の分散性が悪くなり、電子写真感光体の長期使用後における暗減衰が大きくなり感度が低下する。
【0068】
(電荷発生材料)
上記電荷発生材料としては、フタロシアニン顔料、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、スクアリウム顔料、ピロロピロール顔料、アズレニウム色素等が挙げられる。これらのうちフタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料を用いると、初期、長期使用時ともに黒点数の減少が大きくなる。
【0069】
より良好な画質を得る観点からは、上記フタロシアニン顔料のうち、一般式(3)で表されるフタロシアニン顔料が好ましい。
【0070】
【化18】
(式中zはAl、Ga、In、Si、Ge、Ti、Snなどの金属元素を示し、YはH、OH、O、Cl、Br、IまたはFを示し、Oの場合にはZとYの結合は2重結合になる。XはH、Cl、Br、またはIを示す。mは1から4の整数、nは1または2を示す。更に、zとYが存在せず、zの隣のNが2つともNHの形になっていても良い。)
更に、フタロシアニン顔料としては、Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも7.4°、16.6°、25.5°、28.3°の位置に回折ピークを有するクロルガリウムフタロシアニン、少なくとも7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、28.1°の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン、少なくとも9.5°、11.7°、15.0°、24.1°、27.3°の位置に回折ピークを有するチタニルフタロシアニンの少なくとも1種であることが好ましい。この場合、感度が一層高くなる。
【0071】
なお、上記電荷発生層は、電子写真装置内で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは光 、熱による電子写真感光体の劣化を防止する点から、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤などの添加剤を含有してもよい。
【0072】
酸化防止剤は特に限定されるものではなく、公知のものが使用できるが、酸化防止剤としては、例えばフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、有機硫黄系酸化防止剤又は有機燐系酸化防止剤などが挙げられる。
【0073】
有機硫黄系酸化防止剤および有機燐系酸化防止剤は2次酸化防止剤と言われ、上記フェノール系あるいはアミン系などの1次酸化防止剤と併用すると、これらの相乗効果により、電子写真感光体の劣化を一層防止することができる。
【0074】
上記光安定剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ジチオカルバメート系、テトラメチルピペリジン系などの誘導体が挙げられる。
【0075】
また、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等の観点から、電荷発生層は、1種以上の電子受容性物質を含有してもよい。かかる電子受容性物質としては、例えば無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸などが挙げられる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系や、Cl、CN、NO2等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特に好ましい。
【0076】
電荷発生層の厚さは、一般には0.01〜5μm、好ましくは0.05〜2.0μmの範囲に設定される。
【0077】
(電荷輸送層)
電荷輸送層は、結着樹脂と電荷輸送材料とを含有する。結着樹脂は特に限定されるものではないが、結着樹脂としては、例えばポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、含珪素架橋型樹脂などが挙げられ、これらは単独で又は2種以上混合して使用してもよい。
【0078】
電荷輸送層に用いる電荷輸送材料は、電荷を輸送する機能を持つ材料であれば特に限定されるものではないが、電荷輸送材料としては、例えばオキサジアゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、芳香族第3級アミノ化合物、芳香族第3級ジアミノ化合物、1,2,4−トリアジン誘導体、ヒドラゾン誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、α−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、カルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体などの正孔輸送物質、キノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、フルオレノン化合物、オキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、ジフェノキノン化合物などの電子輸送物質あるいは以上に示した化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体などが挙げられる。これらの電荷輸送材料は、単独で又は2種以上を組み合せて使用できる。
【0079】
電荷輸送材料は、結着樹脂100重量部に対し20重量部〜1000重量部添加されることが好ましい。
【0080】
なお、電荷輸送層においても、電荷発生層の場合と同様の理由から、電荷発生層に用いるのと同様の酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤などの添加剤を含有してもよい。また、電荷発生層の場合と同様の理由から、電荷輸送層は、1種以上の電子受容性物質を含有してもよい。
【0081】
上記電荷輸送層の厚さは一般には5〜50μm、好ましくは10〜30μmの範囲に設定される。
【0082】
(表面保護層)
上記電荷発生層及び電荷輸送層からなる感光層の上には、必要に応じ表面保護層を形成することができる。表面保護層としては、絶縁性樹脂保護層、あるいは絶縁性樹脂の中に抵抗調整剤を添加した低抵抗保護層が挙げられる。低抵抗保護層としては、例えば絶縁性樹脂中に導電性微粒子を分散した層が挙げられる。導電性微粒子としては、電気抵抗が109Ω・cm以下で白色、灰色もしくは青白色を呈する平均粒径が0.3μm以下、好ましくは0.1μm以下の微粒子が適当であり、例えば、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化アンチモン、酸化錫、酸化チタン、酸化インジウム、酸化錫とアンチモンあるいは酸化アンチモンとの固溶体の担体またはこれらの混合物、あるいは単一粒子中にこれらの金属酸化物を混合したもの、あるいは被覆したものがあげられる。中でも、酸化錫、酸化錫とアンチモンあるいは酸化アンチモンとの固溶体は電気抵抗を適切に調節することが可能で、かつ、保護層を実質的に透明にすることが可能であるので、好ましく用いられる。絶縁性樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート等の縮合樹脂や、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリアクリルアミドのようなビニル重合体等が用いられる。
【0083】
以上、積層構造の感光層を有する電子写真感光体について説明したが、感光層が単層構造のものである場合、感光層は、高分子化合物、電荷発生材料及び電荷輸送材料を含有する。高分子化合物及び電荷発生材料は、上述した電荷発生層に用いる高分子化合物及び電荷発生材料と同じものが用いられる。また、電荷輸送材料としては、上述した電荷輸送層に用いる電荷輸送材料と同じものが用いられる。
【0084】
(感光体の層構成)
次に上述した電子写真感光体の層構成について説明する。図1〜図7は、本発明の電子写真感光体の種々の形態を示す断面図である。図1においては、導電性基材3上に電荷発生層1、電荷輸送層2が順次設けられている。図2に示す電子写真感光体は、導電性基材3と電荷発生層1との間に下引き層4を備える点で図1の電子写真感光体と異なる。また、図3に示す電子写真感光体は、電荷輸送層2上に更に保護層5を備える点で図1に示す電子写真感光体と異なる。さらに、図4に示す電子写真感光体は、電荷輸送層2上に更に保護層5を備える点で図2に示す電子写真感光体と異なる。図5〜図7は単層構成のものであり、図5に示す電子写真感光体は、導電性基材3上に感光層6を備えたものであり、図6に示す電子写真感光体は、導電性基材3と感光層6との間に下引き層4を備える点で図5に示す電子写真感光体と異なる。さらに図7に示す電子写真感光体は、感光層6の上に更に保護層5を備える点で図6に示す電子写真感光体と異なる。本発明の電子写真感光体は、図1〜図7に示されるいかなる形態でも使用することができる。
【0085】
(電子写真感光体の製造方法)
次に、本発明の電子写真感光体の製造方法について説明する。以下、電荷発生層と電荷輸送層とからなる感光層を有する電子写真感光体を例にして説明する。
【0086】
はじめに、高分子化合物、電荷発生材料を溶剤中に分散させて電荷発生層形成用分散液を得る(分散工程)。
【0087】
上記分散工程に用いる溶剤は特に限定されるものではないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル類、クロロホルム、ジクロルメタン、ジクロルエタン、四塩化炭素、トリクロルエチレンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどのエステル類、あるいはベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼンなどの芳香族類などがあげられる。また、これらの溶剤は、単独であるいは2種以上混合して用いることができる。また、分散液には平滑性向上のためのレベリング剤としてシリコーンオイルを微量添加することもできる。
【0088】
上記電荷発生材料を上記高分子化合物中に分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、ダイノーミル、サンドミル、コロイドミルなどの方法を用いることができる。
【0089】
なお、分散工程で用いる高分子化合物、電荷発生材料は、前述した電荷発生層に用いる高分子化合物、電荷発生材料と同じである。
【0090】
次に、こうして得られる分散液を基材上に塗布し乾燥させる(塗布工程)。これにより基材上に電荷発生層が形成される。
【0091】
分散液を塗布する方法としては、例えばビード塗布法、ブレード塗布法、ローラー塗布法などの塗布法が挙げられるが、これらのうちの浸漬塗布法が好ましい。浸漬塗布法は、基材を分散液に浸漬して引き上げる方法であり、この場合、分散液を無駄なく使用できるため極めて経済的であり、また作業者の溶剤暴露量も最小限に抑えることができ、安全上のメリットが大きい。また、スプレー塗布法に比べて分散液中での電荷発生材料の分散性がより向上する傾向があり、その結果、得られる電子写真感光体において長期間使用後の暗減衰がより小さくなると共に、感度がより小さくなる。
【0092】
乾燥は、室温での乾燥の後に加熱乾燥することが好ましい。この理由は、ダレ(塗布後の分散液の流動)による膜厚の不均一化を防止するためである。加熱乾燥は、30〜200℃の加熱温度で5分〜2時間の範囲の時間で行うことが好ましい。
【0093】
次に、結着樹脂及び電荷輸送材料を溶剤中に分散させて電荷輸送層形成用の分散液を得る。続いて、この分散液を電荷発生層上に塗布して乾燥させる。こうして電荷発生層上に電荷輸送層が得られる。
【0094】
結着樹脂及び電荷輸送材料としては、前述した電荷輸送層に用いる結着樹脂、電荷輸送材料と同じものが用いられる。また、溶剤は、電荷発生層形成用分散液に用いる溶剤と同様の溶剤が用いられる。
【0095】
電荷輸送層形成用分散液の塗布法としては、例えば浸漬塗布法、スプレー塗布法、ビード塗布法、ブレード塗布法、ローラー塗布法などの塗布法が挙げられる。これらのうち、電荷発生層形成用分散液の場合と同様の理由から、浸漬塗布法が好ましい。
【0096】
乾燥は、室温での乾燥の後に加熱乾燥することが好ましい。この理由は、ダレによる膜厚の不均一かを防ぐためである。加熱乾燥は、30〜200℃の加熱温度で5分〜2時間の範囲の時間で行うことが好ましい。
【0097】
以上のようにして基材上に感光層が形成され、電子写真感光体の製造が完了するが、電子写真感光体は、感光層の上に必要に応じて表面保護層を備えていても良い。
【0098】
この場合、まず表面保護層形成用塗布液を作製し、電荷発生層や電荷輸送層を形成する場合の塗布法と同様の塗布法で、この表面保護層形成用塗布液を感光層の上に塗布する。表面保護層形成用塗布液は、絶縁性樹脂を溶剤中に溶解させることにより作製することができる。このときの溶剤としては、電荷発生層形成用分散液に用いた溶剤と同様の溶剤が用いられる。また、低抵抗保護層を作製する場合には、表面保護層形成用塗布液は、前述した導電性微粒子を含有してもよい。
【0099】
また、基材が導電性基材と、この導電性基材上に設けられる下引き層とで構成される場合、下引き層は次のようにして作製する。即ち、高分子樹脂化合物及び有機金属化合物を溶剤中に溶解した下引き層形成用塗布液を作製し、この下引き層形成用塗布液を導電性基材上に塗布する。ここで用いる溶剤としては、電荷発生層形成用分散液や電荷輸送層形成用分散液を作製する場合に用いる溶剤と同様のものが用いられ、また、塗布液を塗布する方法も電荷発生層形成用分散液や電荷輸送層形成用分散液を塗布する方法と同様の塗布法が用いられる。なお、上記下引き層形成用塗布液中に微粉末を分散させる場合には、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカーなどの方法が用いられる。
【0100】
上記本発明の製造方法によれば、電荷発生層形成用の分散液において微粒子の作用により電荷発生材料の分散性が高くなる。従って、電荷発生層においても電荷発生材料が十分に分散された状態となり、電荷発生材料の持つ本来の電荷発生効率を発揮させることが可能となる。また、長期使用後の暗減衰が小さく、感度にも優れた電子写真感光体を得ることが可能となる。
【0101】
上記のようにして得られる電子写真感光体は、ライトレンズ系複写機、近赤外光もしくは可視光を発するレーザービームプリンター、デイジタル複写機、LEDプリンター、レーザーファクシミリなどの電子写真装置に用いることができる。更に、本電子写真感光体は、一成分系、二成分系の正規現像剤あるいは反転現像剤とも合わせて用いることができる。また本発明の製造法を用いて製造された電子写真感光体は、帯電装置として、帯電ローラーや帯電ブラシ等の接触帯電装置を用いた電子写真装置に用いられる場合に有効である。即ち、電子写真装置において接触帯電装置を用いる場合、電流リークが多くなる傾向があるが、本発明の電子写真感光体によれば、上記のような接触帯電装置を用いる場合でも電流リークの発生が少ない良好な特性が得られる。
【0102】
以上、基材上に電荷発生層及び電荷輸送層が順次設けられた電子写真感光体の製造方法について説明したが、電荷発生層と電荷輸送層とが互いに逆の順序になるように電子写真感光体を製造してもよい。
【0103】
また、本発明の電子写真感光体の製造方法は、感光層が単層構造のものである場合でも適用可能である。
【0104】
この場合、まず高分子化合物、電荷発生材料、電荷輸送材料を溶剤中に分散した感光層形成用分散液を作製する(分散工程)。そして、この分散液を基材上に塗布し乾燥させる(塗布工程)。こうして、基材上に感光層を備えた電子写真感光体が得られる。
【0105】
この場合、電荷発生材料及び溶剤は、上記電荷発生層形成用分散液に用いる電荷発生材料及び溶剤と同じである。電荷輸送材料としては、上記の電荷発生層の説明において例示された電荷輸送材料と同じものが用いられる。
【0106】
(電子写真プロセスカートリッジ)
次に、本発明の電子写真プロセスカートリッジについて説明する。図8は、本発明の電子写真プロセスカートリッジを備えた電子写真装置の一例を示す概略断面図である。図8に示す電子写真装置は、電子写真装置本体を備えており、電子写真装置本体は、現像装置11、転写部材12、定着装置15及び取り付けレール16により構成されている。更に、電子写真装置は、電子写真プロセスカートリッジ17を有している。電子写真プロセスカートリッジ17は、ハウジング18内に電子写真感光体7、コロナ放電方式の帯電装置8、像露光装置10及びクリーニング装置13を一体に支持している。電子写真プロセスカートリッジ17は取り付けレール16に取り付け可能となっている。
【0107】
この電子写真プロセスカートリッジ17によれば、電子写真装置本体に装着して電子写真装置を構成した場合に、初期、長期使用時ともにかぶりの発生がなく、黒点数も少なくなり、良好な画質を得ることができる。
【0108】
なお、図8に示す電子写真プロセスカートリッジ17は、ハウジング18内に電子写真感光体7、コロナ放電方式の帯電装置8、像露光装置10及びクリーニング装置13を一体に支持しているが、本発明の電子写真プロセスカートリッジは、電子写真感光体7以外は、帯電装置8、像露光装置10、クリーニング装置13のうちの少なくとも1つを支持していればよい。但し、この場合、電子写真プロセスカートリッジ17と電子写真装置本体とにより電子写真装置を構成した場合、この電子写真装置は、現像装置11、転写部材12、定着装置15、取り付けレール16、電子写真感光体7、コロナ放電方式の帯電装置8、像露光装置10及びクリーニング装置13を有する必要がある。
【0109】
(電子写真装置)
最後に本発明の電子写真装置について説明する。図9は、本発明の電子写真感光体を備えた電子写真装置の一実施形態を示す概略断面図である。図9に示すように、電子写真装置は、電子写真感光体7を備えており、電子写真感光体7の周囲には、電子写真感光体7の回転方向に沿って順次、帯電装置8、像露光装置10、現像装置11、転写装置12、クリーニング装置13、除電装置14が配置されている。帯電装置8には、電源9により電位が与えられるようになっている。なお、15は定着装置、19は画像出力媒体である。
【0110】
この電子写真装置によれば、初期、長期使用時ともにかぶりの発生がなく、黒点数も少なくなり、良好な画質を得ることができる。
【0111】
図10は、本発明の電子写真装置の他の実施形態を示す概略断面図である。図10に示す電子写真装置は、帯電装置として接触帯電装置8を用いる点で、図9に示す電子写真装置と相違する。この場合、接触帯電装置としては、帯電ローラーや帯電ブラシ等が用いられる。帯電ローラーとしては、例えば導電性を付与したゴム状のBCRとよばれるロール部材などが挙げられる。
【0112】
この電子写真装置においては、接触帯電装置8が電子写真感光体7と接触するため、コロナ放電式の帯電装置を用いる場合と比較してオゾンを発生しにくいというメリットがある。また、電子写真装置において接触帯電装置を用いる場合、電流リークが多くなる傾向があるが、本発明の電子写真装置によれば、上記のような接触帯電装置を用いる場合でも電流リークの発生が少ない良好な特性が得られる。
【0113】
なお、図9、図10に示す電子写真装置は、除電装置14を備えているが、本発明の電子写真装置は、必ずしも除電装置を備える必要はない。
【0114】
以下、本発明の内容を実施例によって具体的に説明するが、本発明がこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0115】
【実施例】
〈高分子化合物の合成〉
(合成例1)
スチレンモノマー0.1193モル、シアノアクリレート0.0298モル、マレイン酸0.0001モル及びアゾビスイソブチロニトリル0.0003モルを100mlのナスフラスコに入れ、これにテトラヒドロフラン0.375モルを注いだ。次に、ナスフラスコにスターラを入れ、還流系を組み、内容物を減圧脱気し、窒素置換した後密閉した。そして、内容物の温度を60℃に保ち、20時間攪拌した。次に、内容物を600mlのn−ヘキサン中に滴下し、滴下終了後、固形分をろ別した。この固形分をアセトン50ml中に溶解し、この溶液を1Lのn−ヘキサン中に徐々に滴下した。滴下終了後、固形分をろ別し、減圧下に70℃で4時間乾燥し、白色粉末状の化合物1を得た。
【0116】
(合成例2)
スチレンモノマーを0.1371モル、シアノアクリレートを0.0125モル、マレイン酸を0.0005モルとした以外は合成例1と同様にして化合物2を得た。
【0117】
(合成例3)
スチレンモノマーを0.0793モル、シアノアクリレートを0.0755モル、マレイン酸を0.0007モルとした以外は、合成例1と同様にして、化合物3を得た。
【0118】
(合成例4)
スチレンモノマーを0.0250モル、マレイン酸を0.0005モルとし、且つシアノアクリレートを用いなかった以外は合成例1と同様にして化合物4を得た。
【0119】
(合成例5)
マレイン酸に代えて、アクリル酸を0.0009モルとした以外は合成例1と同様にして化合物5を得た。
【0120】
(合成例6)
スチレンモノマーを0.15モルとし、シアノアクリレート及びマレイン酸を用いなかった以外は合成例1と同様にして化合物6を得た。
【0121】
(合成例7)
スチレンモノマーを0.148モル、シアノアクリレートを0.125モル、マレイン酸を0.01モルとした以外は合成例1と同様にして化合物7を得た。
【0122】
(合成例8)
マレイン酸を0.0009モルとした以外は合成例1と同様にして化合物8を得た。
【0123】
〈酸価の測定〉
上記のようにして得られた化合物1〜8の酸価の測定をJIS−K0070に準じて、次のようにして行った。即ち、まず化合物1gをn−ブチルアセテート10mlに溶解した。これにフェノールフタレインを1滴加え、この溶液をファクター1に調整した水酸化カリウム1mol%エタノール溶液で滴定した。酸価は下記式(1)から求めた。
【0124】
A=B×5.611・・・(1)
(ただし、Aは酸価であり、単位はKOHmg、Bは滴定に要した水酸化カリウム1mol%エタノール溶液量で単位はmlである。)
このようにして化合物1〜8および比較例3で使用するVMCH(日本ユニカー社製)について酸価を測定した。その結果を表1に示す。
【0125】
【表1】
【0126】
〈分子量の測定〉
得られた化合物1〜8の分子量は以下のようにして測定した。即ち、化合物0.3gを30gのテトラヒドロフランに溶解し、この溶液をゲルパーミッションクロマトグラフ(東ソー社製、HLC−8120GPC)に挿入し、重量平均分子量、及び分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)を測定した。その結果を表1に示す。また、上記と同様にして、比較例3で使用するVMCH(日本ユニカー社製)について重量平均分子量及び分子量分布を測定した。その結果を表1に示す。
【0127】
(実施例1)
導電性基材として、ED管アルミニウム(84mmφ)の表面を、アルミナ球状微粉末(D50=30μm)を用いて液体ホーニング法により中心線平均粗さRa=0.18μmに粗面化処理したものを用いた。
【0128】
一方、ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−S、積水化学社製)4重量部を溶解させたn−ブチルアルコール170重量部に、有機ジルコニウム化合物(アセチルアセトンジルコニウムブチレート)30重量部及び有機シラン化合物(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)3重量部を混合攪拌し、下引き層形成用塗布液を得た。そして、この下引き層形成用塗布液を、浸漬塗布法により導電性基材上に塗布し、150℃で1時間の硬化処理を行い、膜厚1.2μmの下引き層を形成した。
【0129】
次に、電荷発生材料として、Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、28.1°の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン(比重:1.61)2.5重量部、高分子化合物として合成例1で得た化合物1を1.5重量部、およびn−酢酸ブチル96重量部からなる混合物をサンドミルにより4時間分散処理し、電荷発生層形成用分散液を得た。そして、この分散液を、浸漬塗布法により上記下引き層の上に塗布し、これを115℃で15分間乾燥させて膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0130】
次に、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン4重量部、及びビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ300、三菱化学社製)6重量部を、テトラヒドロフラン60重量部及び2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.2重量部に加えて溶解させ、電荷輸送層形成用塗布液を得た。得られた塗布液を、浸漬塗布法により上記電荷発生層の上に塗布し、これを120℃において40分間乾燥させて膜厚25μmの電荷輸送層を形成し、こうして電子写真感光体を得た。
【0131】
こうして得られた電子写真感光体を、接触帯電装置を有するプリンター(PC−PR1000/4R、日本電気社製)に装着して、3万枚のプリントテストを行った。そして、3万枚プリント後の画質の評価を行った。画質の評価は、3万枚プリント後のプリント紙についてかぶりの発生があるかどうかを観察することにより行った。また、3万枚プリント後の電子写真感光体について、スキャンナー装置を用いて帯電電位、暗減衰および感度(表面電位が帯電電位の50%まで減衰するのに必要な露光量)を測定した。結果を表2に示す。
【0132】
なお、スキャンナー装置としては、図11に示すように、電子写真感光体7を帯電する接触帯電装置(BCR)20、電子写真感光体7を露光するLED21、LED21の光量をモニタするLED光量計22、電子写真感光体7の表面電位を測定するプローブ23、プローブ22からの電位信号を検出する表面電位計24を有するものを用いた。
【0133】
帯電電位、暗減衰及び感度は、上記スキャンナ装置により、以下のようにして測定した。
【0134】
帯電電位を測定する場合は、まず感光体7を回転数2000rpmで回転させ、接触帯電装置20で表面を帯電させた。そして、据え付けのプローブ23により電位を測定した。このとき表面電位計24に表示される値を帯電電位とした。
【0135】
暗減衰を算出する場合は、まず感光体7を回転数2000rpmで回転させながら接触帯電装置20で表面を帯電させ、このときの表面電位V1をプローブ23により測定した。その後、5秒間回転させた後の表面電位V2をプローブ23により測定した。そして、上記表面電位V1,V2より暗減衰を測定した。
【0136】
感度を測定する場合、まず感光体7を回転数2000rpmで回転させながら、LED21より光を照射し、この光照射後の感光体7の表面電位をプローブ23により測定した。この表面電位が帯電電位の1/2の値になるまでLEDの光量を増加させた。このときLED光量計22に表示される光量(半減露光量)を感度の代用値とした。
【0137】
【表2】
【0138】
(実施例2〜5)
電荷発生層の高分子化合物として化合物1に代えて、実施例2〜5についてそれぞれ化合物2〜5を用いた以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。
【0139】
こうして得られた電子写真感光体について実施例1と同様の評価を実施した。結果を表2に示す。
【0140】
(比較例1〜3)
電荷発生層の高分子化合物として化合物1に代えて、比較例1,2についてはそれぞれ化合物6,化合物7を、比較例3については塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体(日本ユニカー社製VMCH)を用いた以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。
【0141】
こうして得られた電子写真感光体について実施例1と同様の評価を実施した。結果を表2に示す。
【0142】
表2から分かるように、実施例1〜5に係る電子写真感光体によると、初期特性の帯電性が良好で、暗減衰が小さく、感度も良いことが分かった。また、3万枚プリント後も初期の特性を維持し、画質も良好であった。
【0143】
一方、比較例1,2に係る電子写真感光体によると、初期の帯電性が低く、暗減衰が大きく、感度も悪いことが分かった。また、3万枚プリント後にはこれらは更に劣下し、かぶりが発生した。また、高分子化合物中に塩素を含む比較例3に係る電子写真感光体では、初期の特性は良好であったものの、3万枚プリント後の特性劣下が起こり、かぶりが発生した。
【0144】
(実施例6)
導電性基材として、ED管アルミニウム(84mmφ)の表面を、アルミナ球状微粉末(D50=30μm)を用いて液体ホーニング法により中心線平均粗さRa=0.18μmに粗面化処理したものを用いた。
【0145】
一方、ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−S、積水化学社製)16重量部及びシクロヘキサノン550重量部を混合攪拌し、次いで、この混合液にレゾール型フェノール樹脂(フェノライトJ−325、大日本インキ化学社製)8重量部を加えて攪拌し、さらに、この混合液に酸化チタン顔料60重量部を加えてサンドグラインドミルにより5時間分散処理し、下引き層形成用塗布液を得た。そして、この下引き層形成用塗布液を、浸漬塗布法により上記導電性基材上に塗布し、170℃で1時間の硬化処理を行い、膜厚4μmの下引き層を形成した。
【0146】
次に、電荷発生材料として、Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、9.5°、11.7°、15.0°、24.1°、27.3°の位置に回折ピークを有するチタニルフタロシアニン15重量部、高分子化合物として合成例1で合成した化合物1を10重量部、及びn−ブチルアルコール300重量部からなる混合物をサンドグラインドミルにより4時間分散処理し、電荷発生層形成用分散液を得た。そして、この分散液を、浸漬塗布法により上記下引き層の上に塗布し、これを115℃で15分間乾燥させて膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0147】
次に、N,N−ビス(3、4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン40重量部と、ビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロンZ400、三菱瓦斯化学社製)60重量部に加えて溶解させ、電荷輸送層形成用塗布液を得た。得られた塗布溶液を、浸漬塗布法により上記電荷発生層の上に塗布し、これを135℃で45分間乾燥させて膜厚27μmの電荷輸送層を形成し、こうして電子写真感光体を得た。
【0148】
こうして得られた電子写真感光体を、カラー複写機(A−Color635、富士ゼロックス社製)に装着し、光量を調整してプリントテストを行った。そして、5000枚プリント後の画質について、かぶりの発生の有無と、ドラム1周分の面積内の黒点数を調べた。かぶり発生の有無については目視で評価し、黒点数については、黒点カウンターにて測定した。結果を表3に示す。
(実施例7〜10)
電荷発生層の高分子化合物として化合物1に代えて、実施例7〜10についてそれぞれ化合物2〜化合物5を用いた以外は実施例6と同様にして電子写真感光体を得た。
【0149】
これらの電子写真感光体について実施例6と同様の評価を実施した。結果を表3に示す。
【0150】
(実施例11)
電荷発生材料として、Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも9.5°、11.7°、15.0°、24.1°、27.3°の位置に回折ピークを有するチタニルフタロシアニンに代えて、Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも7.4°、16.6°、25.5°、28.3°の位置に回折ピークを有するクロルガリウムフタロシアニンを用いた以外は実施例6と同様にして電子写真感光体を得た。
【0151】
この電子写真感光体について実施例6と同様の評価を実施した。結果を表3に示す。
【0152】
(比較例4〜6)
電荷発生層の高分子化合物として化合物1に代えて、比較例4,5についてはそれぞれ化合物6,化合物7を、比較例6については塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体(VMCH、日本ユニカー社製)を用いた以外は実施例6と同様にして電子写真感光体を得た。
【0153】
こうして得られた電子写真感光体について実施例6と同様の評価を実施した。結果を表3に示す。
【0154】
【表3】
【0155】
表3から分かるように、実施例6〜11に係る電子写真感光体では、5000枚プリント後もかぶりの発生はなく、黒点の数も少なかった。一方、比較例4〜6に係る電子写真感光体では、5000枚プリント後にかぶりが発生し、黒点も多数発生することが分かった。これは、初期からの電気特性の悪さ、あるいは長期使用後の電気特性の劣下に起因するものと考えられる。
【0156】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の電子写真感光体によれば、長期使用後の帯電電位が高く帯電性が良好となり、暗減衰が小さく、また感度も優れている。従って、本発明の電子写真感光体を電子写真装置に用いる場合に、初期、長期使用時ともにかぶりの発生がなく、黒点数も少なくなり、良好な画質を得ることができる。
【0157】
また、本発明の電子写真感光体の製造方法によれば、長期使用後の帯電電位が高く帯電性が良好となり、暗減衰が小さく、また感度にも優れた電子写真感光体を製造することができる。
【0158】
更に、本発明の電子写真プロセスカートリッジによれば、電子写真装置本体に装着して電子写真装置を構成した場合に、初期、長期使用時ともにかぶりの発生がなく、黒点数も少なくなり、良好な画質を得ることができる。
【0159】
更にまた、本発明の電子写真装置によれば、初期、長期使用時ともにかぶりの発生がなく、黒点数も少なくなり、良好な画質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、機能分離積層構造の電子写真感光体の第1の例を示す断面図である。
【図2】図2は、機能分離積層構造の電子写真感光体の第2の例を示す断面図である。
【図3】図3は、機能分離積層構造の電子写真感光体の第3の例を示す断面図である。
【図4】図4は、機能分離積層構造の電子写真感光体の第4の例を示す断面図である。
【図5】図5は、単層構造の電子写真感光体の第1の例を示す断面図である。
【図6】図6は、単層構造の電子写真感光体の第2の例を示す断面図である。
【図7】図7は、単層構造の電子写真感光体の第3の例を示す断面図である。
【図8】図8は、本発明の電子写真プロセスカートリッジを備えた電子写真装置を示す概略断面図である。
【図9】図9は、本発明の電子写真装置の一例を示す概略断面図である。
【図10】図10は、本発明の電子写真装置の他の例を示す概略断面図である。
【図11】実施例及び比較例で用いたスキャンナー装置を概略的に示す斜視図である。
【符号の説明】
1…電荷発生層、2…電荷輸送層、3…導電性基材、4…下引き層、5…保護層、6…感光層、7…感光体、8…帯電用部材、9…電源、10…画像入力装置、11…現像装置、12…転写装置、13…クリーニング装置、14…除電器、15…定着装置、16…取り付けレール、17…プロセスカートリッジ、18…ハウジング、19…画像出力媒体、20…接触帯電装置、21…LED、22…LED光量計、23…プローブ、24…表面電位計。
Claims (5)
- 基材と、この基材上に設けられる感光層とを備える電子写真感光体に
おいて、
前記感光層が、電荷発生材料と、下記一般式(II)で表される構成単位及び下記一般式
(III)で表される構成単位を含み、酸価が0.1〜15であり且つ重量平均分子量が1
00〜10万である高分子化合物とを含有する層を有することを特徴とする電子写真感光
体。
- 基材と、この基材上に設けられる感光層とを備える電子写真感光体の
製造方法において、
電荷発生材料、及び下記一般式( II )で表される構成単位及び下記一般式( III )で表
される構成単位を含み、酸価が0.1〜15であり且つ分子量が100〜10万である高
分子化合物を溶剤中に分散させて分散液を得る分散工程と、
前記基材に前記分散液を塗布し乾燥させることにより、前記電荷発生材料及び前記高分
子化合物を含有する層を形成する塗布工程と、
を含むことを特徴とする電子写真感光体の製造方法
キル基、アリール基、アラルキル基、−COOH又はCOOR 7 を表し、R 7 はアルキル
基を表す。)
臭素置換アルキル基、アリール基、アラルキル基、−COOH又は−COOR 12 を表し
、R 12 はアルキル基を表し、R 8 〜R 11 のいずれか1つがシアノ基である) - 前記塗布工程において、前記基材に前記分散液を含浸させることにより前記基材に前記分散液を塗布することを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 請求項1に記載の電子写真感光体と、
帯電装置、像露光装置、クリーニング装置からなる群より選ばれる少なくとも1つの装置とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジ。 - 請求項1に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、
前記帯電装置により帯電される前記電子写真感光体を露光する像露光装置と、
前記像露光装置により露光された部分を現像する現像装置と、
前記現像装置により前記電子写真感光体に現像された像を転写する転写装置と、を備えることを特徴とする電子写真装置。
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