JP5035273B2 - 有機感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

有機感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に用いる有機感光体(以後、単に感光体とも云う)、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に関し、更に詳しくは、複写機やプリンターの分野で用いられる電子写真方式の画像形成に用いる有機感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関するものである。
近年、電子写真感光体には有機感光体(以下、単に感光体とも云う)が広く用いられている。有機感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料が開発しやすいこと、環境汚染のない材料を選択できること、製造コストが安い事など他の感光体に対して有利な点があるが、欠点としては機械的強度が弱く異物が付着しやすいこと、化学的な耐久性が弱く、多数枚のプリント時に感光体の静電特性の劣化や、表面の擦過傷の発生等がある。
即ち、有機感光体は、該感光体上に形成されたトナー像を紙等の転写材に転写する時や感光体上の残留トナーをクリーニングする時等に加えられる機械的な外力で発生する表面の異物付着やキズに対する耐久性(耐摩耗性)が要求されている。
即ち、クリーニング手段等による接触摩擦に対する耐摩耗特性が不十分であり、多数枚の複写等で表面層が摩耗され、膜厚が減少するという問題もまだ十分には解決されていない。即ち、表面層が摩耗されていくと、感光体表面に筋状の擦り傷が発生し、この擦り傷が電子写真画像に反映して、ハーフトーン画像に全面による筋が発生し、荒れた画像になりやすい。
又、感光体周辺に配置された現像手段、転写手段、クリーニング手段等により、感光体表面が紙粉やトナー組成物で汚染されやすく、その結果、ダッシュマーク(彗星状の小さなすじ画像)や、転写ヌケ等の周期性の画像欠陥が発生しやすい。
このような表面層の摩耗劣化を防止するために、電荷輸送層のバインダーに耐摩耗性が高いポリカーボネート樹脂、即ち、中心炭素原子がシクロヘキシレン基のポリカーボネート樹脂(ポリカーボネートZ(単に、BPZとも云う)として知られている)や3種の繰り返し構造単位を有する共重合ポリカーボネート樹脂を用いる感光体が提案されている(特許文献1、2)。
しかしながら、これらバインダーを用いて有機感光体の耐摩耗特性を改良する技術では、上記したダッシュマークや擦り傷によるハーフトーン画像の劣化を同時に解決することは困難である。
即ち、耐摩耗特性を強化すると、表面層は傷や摩耗に対しては強くなるが、表面層の汚染が蓄積されやすくなり、ダッシュマークが発生しやすい。一方、耐摩耗特性が弱いと表面層の傷や摩耗が大きくなり、ハーフトーン画質の劣化を起こしやすい。
又、同様の耐摩耗特性を改良する技術としてビスフェノールAの中心炭素原子を酸素原子に置き換えたエーテル結合のポリカーボネート樹脂を用いた感光体が提案されている(特許文献3)。
しかしながら、このエーテル結合のポリカーボネート樹脂は末端基が酸化されやすく、その為、電荷トラップが起こりやすく、上記ダッシュマークの発生と共に、転写メモリーを発生しやすい。特に、後に記す中間転写体を用いたカラー画像形成装置では、感光体に転写紙を介さないで転写帯電を受けるので、転写帯電の履歴現象、即ち、転写メモリーが発生しやすいと云う問題がある。更に、この転写メモリーの問題は高感度のフタロシアニン顔料等を電荷発生物質として用いた場合に、増幅されやすい傾向も見られる。
又、有機感光体の表面層に含フッ素樹脂微粒子を含有させ表面エネルギーを小さくすることにより、耐摩耗特性や表面への異物付着を改善する技術も公開されている(特許文献4)。しかしながら、含フッ素樹脂微粒子を含有させた有機感光体は、画像ボケが発生しやすい。又、表面エネルギーを十分低下させる量の含フッ素樹脂微粒子を表面層に含有させると、レーザ露光光の散乱を引き起こし鮮鋭性を劣化させたり、膜物性も劣化して機械的強度も低下しやすく、前記クリーニング手段等との接触摩擦により、感光体表面に擦り傷が発生する等の問題を引き起こし、必ずしも良好な電子写真画像を提供し得ていない。
特開昭60−172044号公報 特開平7−271062号公報 特開平6−51544号公報 特開昭63−65449号公報
本発明は、前記した有機感光体の対異物付着性と耐摩耗特性との相反する特性を同時に解決し、ダッシュマークや擦り傷によるハーフトーン画像の劣化を防止し、且つ転写メモリーの発生を防止し、長期的に良好な電位特性と良好な電子写真画像を提供できる有機感光体を提供することであり、該有機感光体を用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。
本発明者等は上記課題を解決するために、有機感光体の表面層に検討を加えダッシュマークやハーフトーン画像の劣化を防止すると同時に、転写メモリーの発生を防止できる技術開発を続けた結果、有機感光体の表面層を形成する電荷輸送層に前記したエーテル結合のポリカーボネートに相溶性が高い特定構造の電荷輸送物質を併用することにより、これらダッシュマークやハーフトーン画像の劣化を防止でき、且つ電荷発生物質に高感度のガリウムフタロシアニン顔料を用いても、転写メモリーの発生を同時に改善できることを見出し本発明を完成した。即ち、感光体の表面層としてエーテル結合を有するバインダー樹脂を用いると共に、該バインダーと相溶性が高く、緻密な膜形成が形成できる電荷輸送層を形成することにより、ダッシュマークや擦り傷によるハーフトーン画像の劣化が発生しにくく、且つ転写メモリーの発生も防止できることを見出し本発明を完成した。又、本発明の有機感光体は導電性支持体と感光層の間にN型半導性の無機粒子を含有する中間層を設けることにより、より本発明の効果が発揮できることを見出し本発明を完成した。即ち、本発明の目的は以下のような構成を有することにより達成することができる。
1.導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有する有機感光体において、該電荷発生物質は、ガリウムフタロシアニン顔料を含み、該電荷輸送層が下記一般式(1)で表される構造単位と下記一般式(2)で表される構造単位とを有する共重合ポリカーボネート及び下記一般式(5)で表される電荷輸送物質を含有するものであり、かつ該共重合ポリカーボネートは、一般式(1)の構造単位を、全体の構造体中で30〜70モル%含有する、有機感光体。
Figure 0005035273
(一般式(1)中、Xは酸素原子であり、R〜Rは水素原子、ハロゲン原子、水酸基又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、
一般式(2)中、Aは炭素数1〜10の直鎖、分岐鎖或は環状のアルキリデン基、アリール置換アルキリデン基、及びアリーレン基を示し、R 〜R 16 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)
Figure 0005035273
(一般式(5)中、RおよびR′は、それぞれ水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、R、R′、RおよびR′は、それぞれ水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子または置換アミノ基を表し、m、m′、nおよびn′は、それぞれ1または2の整数を意味する。)
.前記ガリウムフタロシアニン顔料が、Cu−Kαの特性X線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2°)において、少なくとも7.4°、16.6°、25.5°、28.3°の位置に特徴的な回折ピークを有するクロルガリウムフタロシアニン顔料であることを特徴とする前記に記載の有機感光体。
.前記ガリウムフタロシアニン顔料が、Cu−Kαの特性X線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2°)において、少なくとも7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、28.1°の位置に特徴的な回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料であることを特徴とする前記に記載の有機感光体。
.前記ガリウムフタロシアニン顔料が、Cu−Kαの特性X線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2°)において、少なくとも6.8°、12.8°、15.8°、26.6°の位置に特徴的な回折ピークを有するガリウムフタロシアニン顔料であることを特徴とする前記に記載の有機感光体。
.前記電荷輸送層が酸化防止剤を含有することを特徴とする前記1〜のいずれか1項に記載の有機感光体。
.前記導電性支持体と電荷発生層の間にN型半導性粒子を含有する中間層を有することを特徴とする前記1〜のいずれか1項に記載の有機感光体。
.前記N型半導性粒子が金属酸化物であることを特徴とする前記に記載の有機感光体。
.前記N型半導性粒子が酸化チタン又は酸化亜鉛であることを特徴とする前記又はに記載の有機感光体。
.前記N型半導性粒子が酸化チタンであることを特徴とする前記に記載の有機感光体。
10.前記酸化チタンがルチル形酸化チタン顔料又はアナターゼ形酸化チタン顔料であることを特徴とする前記に記載の有機感光体。
11.前記N型半導性粒子が表面処理を施されていることを特徴とする前記10のいずれか1項に記載の有機感光体。
12.前記中間層にポリアミド樹脂のバインダーを含有することを特徴とする前記11のいずれか1項に記載の有機感光体。
13.前記ポリアミド樹脂が融解熱0〜40J/gで、且つ吸水率5質量%以下のポリアミド樹脂であることを特徴とする前記12に記載の有機感光体。
14.前記中間層のバインダー樹脂とN型半導性粒子の体積比がバインダー樹脂1に対しN型半導性粒子1〜2であることを特徴とする前記12又は13に記載の有機感光体。
15.前記中間層の膜厚が1〜10μmであることを特徴とする前記14のいずれか1項に記載の有機感光体。
16.有機感光体上に帯電部材を接触させて帯電する帯電手段を有する画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジにおいて、導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有する有機感光体であって、該電荷発生物質は、ガリウムフタロシアニン顔料を含み、該電荷輸送層が前記一般式(1)で表される構造単位と前記一般式(2)で表される構造単位とを有する共重合ポリカーボネート及び前記一般式(5)で表される電荷輸送物質を含有するものであり、かつ該共重合ポリカーボネートは、前記一般式(1)の構造単位を、全体の構造体中で30〜70モル%含有する有機感光体と該有機感光体上に帯電部材を接触させて帯電する帯電手段、該有機感光体上の静電潜像を顕像化する現像手段、該有機感光体上に顕像化されたトナー像を転写材上に転写する転写手段の少なくとも1つとが一体的に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に装着されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
17. 有機感光体上に帯電部材を接触させて帯電する帯電手段を有する画像形成装置において、該有機感光体が導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有し、該電荷発生物質は、ガリウムフタロシアニン顔料を含み、該電荷輸送層が前記一般式(1)で表される構造単位と前記一般式(2)で表される構造単位とを有する共重合ポリカーボネート及び前記一般式(5)で表される電荷輸送物質を含有するものであり、かつ該共重合ポリカーボネートは、前記一般式(1)の構造単位を、全体の構造体中で30〜70モル%含有する有機感光体である、画像形成装置。
又、以下の(参考1)、(参考2)、(参考4)の態様も好ましい。
(参考1)
導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有する有機感光体において、該電荷輸送層が前記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネート及び下記一般式(3)で表される電荷輸送物質を含有することを特徴とする有機感光体。
Figure 0005035273
(一般式(3)中、Ar及びArは置換又は無置換の芳香族環基を表し、R及びRは水素原子又はアルキル基を表し、Rは水素原子、アルキル基又はハロゲン原子を表す。)
(参考2)
導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有する有機感光体において、該電荷輸送層が前記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネート及び下記一般式(4)で表される電荷輸送物質を含有することを特徴とする有機感光体。
Figure 0005035273
(一般式(4)中、Ar及びArは置換又は無置換の芳香族環基を表し、Rは水素原子、アルキル基又はハロゲン原子を表し、Xはビニレン基又はエチレン基を表す。)
(参考4)
導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有する有機感光体において、該電荷輸送層が前記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネート及び下記一般式(6)で表される電荷輸送物質を含有することを特徴とする有機感光体。
Figure 0005035273
(一般式(6)中、Rは、水素原子またはメチル基を表し、Ar及びArは、それぞれハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基または置換アミノ基を有していてもよいアリール基またはチエニル基を表し、kは1または2の整数を意味する。)
本発明を用いることにより、ダッシュマークやハーフトーン画像の劣化と転写メモリーの発生を同時に改善でき、且つ良好な電子写真画像を作製できる有機感光体を提供することができ、該有機感光体を用いたプロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法を提供することができる。
本発明の画像形成装置の機能が組み込まれた概略図である。 本発明の有機感光体を用いたカラー画像形成装置の構成断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の有機感光体は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有する有機感光体において、前記電荷輸送層が前記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネート及び前記一般式(5)で表される電荷輸送物質を含有することを特徴とする。
本発明の有機感光体は、上記構成を有することにより、ダッシュマークやハーフトーン画像の劣化を防止し、転写メモリーの発生を防止し、且つ長期的に良好な電子写真画像を提供できる。
以下、本発明の有機感光体の構成について説明する。
本発明の有機感光体の電荷輸送層は前記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネートを含有することを特徴とする。
該一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネートとしては繰り返し単位構造が同一の化学構造を有するポリカーボネートでもよいが、より好ましくは、前記一般式(1)及び下記一般式(2)の構造単位を有する共重合ポリカーボネートがより好ましい。
Figure 0005035273
(式中、Aは炭素数1〜10の直鎖、分岐鎖或は環状のアルキリデン基、アリール置換アルキリデン基、及びアリーレン基を示し、R〜R16は水素原子、ハロゲン原子、水酸基又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
以下に、本発明に好ましく用いられるポリカーボネートを例示するが、本発明はこれら例示構造のポリカーボネートに限定されるものではない。
Figure 0005035273
Figure 0005035273
Figure 0005035273
一般式(1)及び一般式(2)の構造単位を有する共重合ポリカーボネートの中では、一般式(1)の構造単位を全体の構造体中で30〜70モル%含有する共重合ポリカーボネートが好ましく、50〜70モル%含有する共重合ポリカーボネートがより好ましい。
本発明に用いられる上記ポリカーボネート樹脂は各構造単位を有するジオール化合物を用いてホスゲン法等の一般的なポリカーボネート合成法により得ることができる。
本発明のポリカーボネートの分子量としては、耐ダッシュマーク性や耐摩耗性などの点を考慮すれば、粘度平均分子量(Mv)が10,000から150,000の範囲であることが好ましく、特には15,000〜100,000の範囲であることが好ましい。
電荷輸送層中に占める上記バインダー樹脂の比率が20〜80質量%、好ましくは30〜60質量%である。又、電荷輸送層では上記ポリカーボネート共重合の他に例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂等を併用して用いてもよい。
本発明の電荷輸送層には電荷輸送物質として、前記一般式(3)で表される化合物をキャリア輸送物質として用いることが好ましい。
又、本発明の電荷輸送層には電荷輸送物質として、前記一般式(4)で表される化合物をキャリア輸送物質として用いることが好ましい。
又、本発明の電荷輸送層には電荷輸送物質として、前記一般式(5)で表される化合物をキャリア輸送物質として用いることを特徴とする。
又、本発明の電荷輸送層には電荷輸送物質として、前記一般式(6)で表される化合物をキャリア輸送物質として用いることが好ましい。
前記一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)及び一般式(6)の各電荷輸送物質は前記一般式(1)の構造単位を有するポリカーボネートとの相溶性が良好であり、これらの電荷輸送物質とポリカーボネートを併用することにより、ミクロな相分離がない均一で異物付着がしにくい電荷輸送層を形成し、ダッシュマークや擦り傷によるハーフトーン画像の劣化を防止し、且つ転写メモリーも起こしにくい安定した電位特性を有することができる。又、前記一般式(3)及び一般式(4)の電荷輸送物質は併用して用いることにより、一般式(1)の構造単位を有するポリカーボネートとの相溶性をより良好にし、好ましい。同様に、前記一般式(5)及び一般式(6)の電荷輸送物質は併用して用いることにより、一般式(1)の構造単位を有するポリカーボネートとの相溶性をより良好にし、好ましい。
前記一般式(3)の化合物の具体例を下記にあげるが、本発明は該具体例に限定されない。
Figure 0005035273
前記一般式(4)の化合物の具体例を下記にあげるが、本発明は該具体例に限定されない。
Figure 0005035273
前記一般式(5)の化合物の具体例を下記にあげるが、本発明は該具体例に限定されない。
Figure 0005035273
Figure 0005035273
前記一般式(6)の化合物の具体例を下記にあげるが、本発明は該具体例に限定されない。
Figure 0005035273
Figure 0005035273
Figure 0005035273
Figure 0005035273
Figure 0005035273
電荷輸送層中の前記ポリカーボネートを用いたバインダー樹脂と電荷輸送物質の質量比はバインダー100質量部に対し、電荷輸送物質30〜200質量部が好ましく、50〜150質量部がより好ましい。
又、電荷輸送層には酸化防止剤を含有させることが好ましい。該酸化防止剤とは、その代表的なものは有機感光体中ないしは有機感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸化作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。
本発明の酸化防止剤とは、感光体中ないしは感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。詳しくは下記の化合物群が挙げられる。
(1)ラジカル連鎖禁止剤
・フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系)
・アミン系酸化防止剤(ヒンダードアミン系、ジアリルジアミン系、ジアリルアミン系)
・ハイドロキノン系酸化防止剤
(2)過酸化物分解剤
・硫黄系酸化防止剤(チオエーテル類)
・燐酸系酸化防止剤(亜燐酸エステル類)
上記酸化防止剤のうちでは、(1)のラジカル連鎖禁止剤が良く、特にヒンダードフェノール系或いはヒンダードアミン系酸化防止剤が好ましい。又、2種以上のものを併用してもよく、例えば(1)のヒンダードフェノール系酸化防止剤と(2)のチオエーテル類の酸化防止剤との併用も良い。更に、分子中に上記構造単位、例えばヒンダードフェノール構造単位とヒンダードアミン構造単位を含んでいるものでも良い。
前記酸化防止剤の中でも特にヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系酸化防止剤が高温高湿時のカブリの発生や画像ボケ防止に特に効果がある。
ヒンダードフェノール系或いはヒンダードアミン系酸化防止剤の表面層中の含有量は0.01〜20質量%が好ましい。0.01質量%未満だとポチが発生しやすく、20質量%より多い含有量では表面層中の電荷輸送能の低下がおこり、残留電位が増加しやすくなり、又膜強度の低下し、筋傷が発生しやすい。
ここでヒンダードフェノールとはフェノール化合物の水酸基に対しオルト位置に分岐アルキル基を有する化合物類及びその誘導体を云う(但し、水酸基がアルコキシに変成されていても良い。)。
ヒンダードアミン系とはN原子近傍にかさ高い有機基を有する化合物である。かさ高い有機基としては分岐状アルキル基があり、例えばt−ブチル基が好ましい。例えば下記構造式で示される有機基を有する化合物類が好ましい。
Figure 0005035273
式中のR13は水素原子又は1価の有機基、R14、R15、R16、R17はアルキル基、R18は水素原子、水酸基又は1価の有機基を示す。
ヒンダードフェノール部分構造を持つ酸化防止剤としては、例えば特開平1−118137号(P7〜P14)記載の化合物が挙げられるが本発明はこれに限定されるものではない。
ヒンダードアミン部分構造を持つ酸化防止剤としては、例えば特開平1−118138号(P7〜P9)記載の化合物も挙げられるが本発明はこれに限定されるものではない。
有機リン化合物としては、例えば、一般式:RO−P(OR)−ORで表される化合物で代表的なものとして下記のものがある。尚、ここにおいてRは水素原子、各々置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。
有機硫黄系化合物としては、例えば、一般式:R−S−Rで表される化合物で代表的なものとして下記のものがある。尚、ここにおいてRは水素原子、各々置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。
以下に代表的な酸化防止剤の化合物例を挙げる。
Figure 0005035273
Figure 0005035273
Figure 0005035273
Figure 0005035273
又、製品化されている酸化防止剤としては以下のような化合物、例えばヒンダードフェノール系として「イルガノックス1076」、「イルガノックス1010」、「イルガノックス1098」、「イルガノックス245」、「イルガノックス1330」、「イルガノックス3114」、「イルガノックス1076」、「3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシビフェニル」、ヒンダードアミン系として「サノールLS2626」、「サノールLS765」、「サノールLS770」、「サノールLS744」、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」が挙げられ、チオエーテル系として「スミライザーTPS」、「スミライザーTP−D」が挙げられ、ホスファイト系として「マーク2112」、「マークPEP−8」、「マークPEP−24G」、「マークPEP−36」、「マーク329K」、「マークHP−10」が挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は、10〜40μmが好ましい。該膜厚が10μm未満では、ハーフトーン画像の劣化が現れやすく、40μmを超えると残電上昇が起こりやすく、鮮鋭性も劣化しやすい。
又、前記電荷輸送層は2層で構成し、表面層となる電荷輸送層に本発明のポリカーボネートを用いた構成にしてもよい。
本発明の電荷発生層にはガリウムフタロシアニン顔料を電荷発生物質として用いることが好ましい。ガリウムフタロシアニン顔料は有機感光体に用いた場合に高感度の特性を有するが、前記したように転写メモリーが発生しやすい。本発明ではこのような高感度ガリウムフタロシアニン顔料の課題を前記した電荷輸送層との組み合わせにより、解決することができる。即ち、高感度ガリウムフタロシアニン顔料を用いた電荷発生層と前記ポリカーボネート及び一般式(3)或いは一般式(4)の電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを積層すると、電荷発生層と電荷輸送層界面での電荷の移動バリアが小さくなると思われ、転写帯電の電荷蓄積がより小さくなると考えられる。
本発明の好ましく用いられるガリウムフタロシアニン顔料としては、Cu−Kαの特性X線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2°)において、少なくとも7.4°、16.6°、25.5°、28.3°の位置に特徴的な回折ピークを有するクロルガリウムフタロシアニン顔料、少なくとも7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、28.1°の位置に特徴的な回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及び少なくとも6.8°、12.8°、15.8°、26.6°の位置に特徴的な回折ピークを有するガリウムフタロシアニン顔料が好ましい。このようなX線回折スペクトルを有するガリウムフタロシアニン顔料を含有した電荷発生層と本発明の前記電荷輸送層を組み合わせることにより、高感度で且つダッシュマークや擦り傷によるハーフトーン画像の劣化或いは転写メモリーを改善し、良好な電子写真画像を提供することができる。
次に、上記のような表面層を有する有機感光体の層構成について記載する。
本発明の有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機電子写真感光体を全て含有する。
以下に本発明に用いられる有機感光体の構成について記載する。
導電性支持体
感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ましい。
円筒状導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
導電性の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗10Ωcm以下が好ましい。本発明の導電性支持体としては、アルミニウム支持体が最も好ましい。該アルミニウム支持体は、主成分のアルミニウム以外にマンガン、亜鉛、マグネシウム等の成分が混合したものも用いられる。
中間層
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、中間層を設けることが好ましい。
本発明に用いられる中間層にはN型半導性粒子を含有することが好ましい。該N型半導性粒子とは、主たる電荷キャリアが電子である粒子を意味する。すなわち、主たる電荷キャリアが電子であることから、該N型半導性粒子を絶縁性バインダーに含有させた中間層は、基体からのホール注入を効率的にブロックし、また、感光層からの電子に対してはブロッキング性が少ない性質を有する。
ここで、N型半導性粒子の判別方法について説明する。
導電性支持体上に膜厚5μmの中間層(中間層を構成するバインダー樹脂中に粒子を50質量%分散させた分散液を用いて中間層を形成する)を形成する。該中間層に負極性に帯電させて、光減衰特性を評価する。又、正極性に帯電させて同様に光減衰特性を評価する。
N型半導性粒子とは、上記評価で、負極性に帯電させた時の光減衰が正極性に帯電させた時の光減衰よりも大きい場合に、中間層に分散された粒子をN型半導性粒子という。
N型半導性粒子としては、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)が好ましく、特に酸化チタンが特に好ましく用いられる。
N型半導性粒子は数平均一次粒子径が3.0〜200nmの範囲の微粒子を用いる。特に、5nm〜100nmが好ましい。数平均一次粒子径とは、微粒子を透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によってフェレ方向平均径としての測定値である。数平均一次粒径が3.0nm未満のN型半導性粒子は中間層バインダー中での均一な分散ができにくく、凝集粒子を形成しやすく、該凝集粒子が電荷トラップとなって転写メモリーが発生しやすい。一方、数平均一次粒径が200nmより大きいN型半導性粒子は中間層の表面に大きな凹凸を作りやすく、これらの大きな凹凸を通してハーフトーン画像の劣化が発生しやすい。又、数平均一次粒径が200nmより大きいN型半導性粒子は分散液中で沈澱しやすく、凝集物が発生しやすく、これもハーフトーン画像の劣化を増大させる。
前記酸化チタン粒子は、結晶形としては、アナターゼ形、ルチル形、ブルッカイト形及びアモルファス形等があるが、中でもルチル形酸化チタン顔料又はアナターゼ形酸化チタン顔料は、中間層を通過する電荷の整流性を高め、即ち、電子の移動性を高め、帯電電位を安定させ、残留電位の増大を防止すると共に、転写メモリーの発生を防止することができ、本発明のN型半導性粒子として最も好ましい。
N型半導性粒子はメチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体で表面処理されたものが好ましい。該メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体の分子量は1000〜20000のものが表面処理効果が高く、その結果、N型半導性粒子の整流性を高め、このN型半導性粒子を含有する中間層を用いることにより、黒ポチ発生が防止され、又、良好なハーフトーン画像の作製に効果がある。
メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体とは−(HSi(CH)O)−の構造単位とこれ以外の構造単位(他のシロキサン単位のこと)の共重合体が好ましい。他のシロキサン単位としては、ジメチルシロキサン単位、メチルエチルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位及びジエチルシロキサン単位等が好ましく、特にジメチルシロキサンが好ましい。共重合体中のメチルハイドロジェンシロキサン単位の割合は10〜99モル%、好ましくは20〜90モル%である。
メチルハイドロジェンシロキサン共重合体はランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれでもよいがランダム共重合体及びブロック共重合体が好ましい。又、共重合成分としてはメチルハイドロジェンシロキサン以外に、一成分でも二成分以上でもよい。
又、N型半導性粒子は下式で表される反応性有機ケイ素化合物で表面処理したものでもよい。
(R)−Si−(X)4−n
(上式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xは加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
上式で表される有機ケイ素化合物において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。また、Xの加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。
また、上式で表される有機ケイ素化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用しても良い。
また、上式で表される有機ケイ素化合物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の場合、複数のXは同一でも異なっていても良い。又、上式で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用いるとき、R及びXはそれぞれの化合物間で同一でも良く、異なっていても良い。
また、前記メチルハイドロジェンシロキサン共重合体や反応性有機ケイ素化合物の表面処理に先立ちN型半導性粒子をアルミナ、シリカ等の無機の表面処理を行ってもよい。
なお、前述のアルミナ、シリカの処理は同時に行っても良いが、特にアルミナ処理を最初に行い、次いでシリカ処理を行うことが好ましい。また、アルミナとシリカの処理をそれぞれ行う場合のアルミナ及びシリカの処理量は、アルミナよりもシリカの多いものが好ましい。
前記酸化チタン等のN型半導性微粒子のアルミナ、シリカ或いはジルコニア等の金属酸化物による表面処理は湿式法で行うことができる。例えば、シリカ、又はアルミナの表面処理を行ったN型半導性粒子は以下の様に作製することができる。
N型半導性粒子として酸化チタン粒子を用いる場合、酸化チタン粒子(数平均一次粒子径:50nm)を50〜350g/Lの濃度で水中に分散させて水性スラリーとし、これに水溶性のケイ酸塩又は水溶性のアルミニウム化合物を添加する。その後、アルカリ又は酸を添加して中和し、酸化チタン粒子の表面にシリカ、又はアルミナを析出させる。続いて濾過、洗浄、乾燥を行い目的の表面処理酸化チタンを得る。前記水溶性のケイ酸塩としてケイ酸ナトリウムを使用した場合には、硫酸、硝酸、塩酸等の酸で中和することができる。一方、水溶性のアルミニウム化合物として硫酸アルミニウムを用いたときは水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリで中和することができる。
本発明に用いられる中間層を形成するために作製する中間層塗布液は前記表面処理酸化チタン等のN型半導性粒子の他にバインダー樹脂、分散溶媒等から構成される。
N型半導性粒子の中間層中での比率は、中間層のバインダー樹脂との体積比(バインダー樹脂の体積を1とすると)で1.0〜2.0倍が好ましい。中間層中でこのような高密度で本発明のN型半導性粒子を用いることにより、中間層の整流性が高まり、膜厚を厚くしても残留電位の上昇や転写メモリーも発生せず、黒ポチを効果的に防止でき、電位変動が小さい良好な有機感光体を形成することができる。又、このような中間層はバインダー樹脂100体積部に対し、N型半導性粒子を100〜200体積部を用いることが好ましい。
一方、これらの粒子を分散し、中間層の層構造を形成するバインダー樹脂としては、粒子の良好な分散性を得る為にポリアミド樹脂が好ましいが、特に以下に示すポリアミド樹脂が好ましい。
即ち、中間層にはバインダー樹脂に融解熱0〜40J/gで、且つ吸水率5質量%以下のポリアミド樹脂が好ましい。該融解熱は0〜30J/gがより好ましく、0〜20J/gが最も好ましい。一方、前記吸水率が5質量%を超えると、中間層中の含水率が上昇し、中間層の整流性が低下し、黒ポチが発生しやすく、ハーフトン画像が劣化しやすい。該吸水率は4質量%以下がより好ましい。
上記樹脂の融解熱はDSC(示差走査熱量測定:Differential Scanning Calorimetory)にて測定する。但し、DSCの測定値と同じ測定値が得られれば、DSC測定法にこだわらない。該融解熱はDSC昇温時の吸熱ピーク面積から求める。
一方、樹脂の吸水率は水中浸漬法による質量変化又はカールフィッシャー法により求める。
中間層のバインダー樹脂としてはアルコール可溶性ポリアミド樹脂が好ましい。有機感光体の中間層のバインダー樹脂としては、中間層を均一な膜厚で形成するために、溶媒溶解性の優れた樹脂が必要とされている。このようなアルコール可溶性のポリアミド樹脂としては、前記した6−ナイロン等のアミド結合間の炭素鎖の少ない化学構造から構成される共重合ポリアミド樹脂やメトキシメチル化ポリアミド樹脂が知られているが、これらの樹脂は吸水率が高く、このようなポリアミドを用いた中間層は環境依存性が高くなる傾向にあり、その結果、たとえば高温高湿や低温低湿下の帯電特性や感度等が変化しやすく、黒ポチの発生やハーフトン画像の劣化を起しやすい。
アルコール可溶性ポリアミド樹脂には、上記のような欠点を改良し、融解熱0〜40J/gで、且つ吸水率5質量%以下の特性を与えることにより、従来のアルコール可溶性ポリアミド樹脂の欠点を改良し、外部環境が変化しても、又有機感光体の長時間連続使用を行っても、良好な電子写真画像を得ることができる。
以下、融解熱0〜40J/gで、且つ吸水率5質量%以下の特性を有するアルコール可溶性ポリアミド樹脂について説明する。
前記アルコール可溶性ポリアミド樹脂としては、アミド結合間の炭素数が7〜30の繰り返し単位構造を全繰り返し単位構造の40〜100モル%含有するポリアミド樹脂が好ましい。
ここで、アミド結合間の炭素数が7〜30の繰り返し単位構造について説明する。前記繰り返し単位構造とはポリアミド樹脂を形成するアミド結合単位を意味する。このことを、繰り返し単位構造がアミノ基とカルボン酸基の両方を持つ化合物の縮合により形成されるポリアミド樹脂(タイプA)と、ジアミノ化合物とジカルボン酸化合物の縮合で形成されるポリアミド樹脂(タイプB)の両方の例で説明する。
即ち、タイプAの繰り返し単位構造は一般式(7)で表され、Xに含まれる炭素数が繰り返し単位構造におけるアミド結合単位の炭素数である。一方タイプBの繰り返し単位構造は一般式(8)で表され、Yに含まれる炭素数もZに含まれる炭素数も、各々繰り返し単位構造におけるアミド結合単位の炭素数である。
Figure 0005035273
一般式(7)中、Rは水素原子、置換又は無置換のアルキル基、Xは置換又は無置換の、アルキレン基、2価のシクロアルカンを含む基、2価の芳香族基及びこれらの混合構造を示し、lは自然数を示す。
Figure 0005035273
一般式(8)中、R、Rは各水素原子、置換又は無置換のアルキル基、Y、Zは各置換又は無置換の、アルキレン基、2価のシクロアルカンを含む基、2価の芳香族基及びこれらの混合構造を示し、m、nは自然数を示す。
前記のごとく、炭素数が7〜30の繰り返し単位構造は置換又は無置換の、アルキレン基、2価のシクロアルカンを含む基、2価の芳香族基及びこれらの混合構造を有する化学構造等が挙げられるが、これらの中で2価のシクロアルカンを含む基を有する化学構造が好ましい。
上記ポリアミド樹脂は繰り返し単位構造のアミド結合間の炭素数が7〜30であるが、好ましくは9〜25、更には11〜20が良い。またアミド結合間の炭素数が7〜30の繰り返し単位構造が全繰り返し単位構造中に占める比率は40〜100モル%、好ましくは60〜100モル%、更には80〜100モル%が良い。
前記炭素数が7より小だと、ポリアミド樹脂の吸湿性が大きく、電子写真特性、特に繰り返し使用時の電位の湿度依存性が大きく、更に黒ポチ等の画像欠陥が発生しやすく、ハーフトン画像が劣化しやすい。30より大であるとポリアミド樹脂の塗布溶媒への溶解が悪くなり、中間層の塗布膜形成に適さない。
又、アミド結合間の炭素数が7〜30の繰り返し単位構造が全繰り返し単位構造中に占める比率が40モル%より小さいと、上記効果が小さくなる。
本発明の好ましいポリアミド樹脂としては下記一般式(9)で示される繰り返し単位構造を有するポリアミドが挙げられる。
Figure 0005035273
一般式(9)中、Yは2価のアルキル置換されたシクロアルカンを含む基、Zはメチレン基、mは1〜3、nは3〜20を示す。
上記一般式(9)中、Yの2価のアルキル置換されたシクロアルカンを含む基は下記化学構造が好ましい。即ち、Yが下記化学構造を有する本発明のポリアミド樹脂は、黒ポチやハーフトーン画像の劣化の防止効果が著しい。
Figure 0005035273
上記化学構造において、Aは単結合、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、Rは置換基で、アルキル基を示し、pは1〜5の自然数を示す。但し、複数のRは同一でも、異なっていても良い。
上記ポリアミド樹脂の具体例としては下記のような例が挙げられる。
Figure 0005035273
Figure 0005035273
Figure 0005035273
上記具体例中の()内の%は繰り返し単位構造のアミド結合間の炭素数が7以上の繰り返し単位構造の比率(モル%)を示す。
上記具体例の中でも、一般式(9)の繰り返し単位構造を有するN−1〜N−4のポリアミド樹脂が特に好ましい。
又、上記ポリアミド樹脂の分子量は数平均分子量で5,000〜80,000が好ましく、10,000〜60,000がより好ましい。数平均分子量が5,000以下だと中間層の膜厚の均一性が劣化し、本発明の効果が十分に発揮されにくい。一方、80,000より大きいと、樹脂の溶媒溶解性が低下しやすく、中間層中に凝集樹脂が発生しやすく、黒ポチやハーフトーン画像の劣化が発生しやすい。
上記ポリアミド樹脂はその一部が既に市販されており、例えばダイセル・デグサ(株)社製のベスタメルトX1010、X4685等の商品名で販売されて、一般的なポリアミドの合成法で作製することができるが、以下に合成例の一例を挙げる。
例示ポリアミド樹脂(N−1)の合成
攪拌機、窒素、窒素導入管、温度計、脱水管等を備えた重合釜にラウリルラクタム215質量部、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン112質量部、1,12−ドデカンシカルボン酸153質量部及び水2質量部を混合し、加熱加圧下、水を留出させながら9時間反応させた。重合物を取り出し、C13−NMRにより共重合組成を求めたところ、N−1の組成と一致した。尚、上記合成された共重合のメルトフローインデックス(MFI)は(230℃/2.16kg)の条件で、5g/10minであった。
上記ポリアミド樹脂を溶解し、塗布液を作製する溶媒としては、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が好ましく、ポリアミドの溶解性と作製された塗布液の塗布性の点で優れている。これらの溶媒は全溶媒中に30〜100質量%、好ましくは40〜100質量%、更には50〜100質量%が好ましい。前記溶媒と併用し、好ましい効果を得られる助溶媒としては、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
本発明の中間層の膜厚は0.3〜10μmが好ましい。中間層の膜厚が0.5μm未満では、黒ポチ、ハーフトーン画像の劣化が発生しやすく、10μmを超えると、残留電位の上昇や転写メモリーが発生しやすく、鮮鋭性が劣化しやすい。中間層の膜厚は0.5〜5μmがより好ましい。
又、上記中間層は実質的に絶縁層であることが好ましい。ここで絶縁層とは、体積抵抗が1×10以上である。本発明の中間層及び保護層の体積抵抗は1×10〜1015Ω・cmが好ましく、1×10〜1014Ω・cmがより好ましく、更に好ましくは、2×10〜1×1013Ω・cmである。体積抵抗は下記のようにして測定できる。
測定条件;JIS:C2318−1975に準ずる。
測定器:三菱油化社製Hiresta IP
測定条件:測定プローブ HRS
印加電圧:500V
測定環境:30±2℃、80±5RH%
体積抵抗が1×10未満では中間層の電荷ブロッキング性が低下し、黒ポチの発生が増大し、有機感光体の電位保持性も劣化し、良好な画質が得られない。一方1015Ω・cmより大きいと繰り返し画像形成で残留電位が増大しやすく、良好な画質が得られない。
感光層
本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取ることが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好ましい感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体構成である。
以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成について説明する。
電荷発生層
電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
電荷発生物質には前記したガリウムフタロシアニン顔料を用いることが好ましい。該ガリウムフタロシアニン顔料以外に、公知の電荷発生物質(CGM)を併用して用いることができる。例えばガリウムフタロシアニン顔料以外のフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを用いることができる。但し、主たる電荷発生物質がガリウムフタロシアニン顔料が好ましい。
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.01μm〜1μmが好ましい。0.01μm未満では十分な感度特性が得られず、残留電位が上昇しやすい。一方、1μmを超えても、感度が低下しやすく、転写メモリーも発生しやすい。
電荷輸送層
本発明の電荷輸送層としては前記した構成の電荷輸送層を用いる。
中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
又、これらの各層の塗布溶液は塗布工程に入る前に、塗布溶液中の異物や凝集物を除去するために、金属フィルター、メンブランフィルター等で濾過することが好ましい。例えば、日本ポール社製のプリーツタイプ(HDC)、デプスタイプ(プロファイル)、セミデプスタイプ(プロファイルスター)等を塗布液の特性に応じて選択し、濾過をすることが好ましい。
次に有機感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられる。なお保護層は前記円形量規制型塗布加工方法を用いるのが最も好ましい。前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
次に、本発明の有機感光体を用いた画像形成装置について説明する。
図1に示す画像形成装置1は、デジタル方式による画像形成装置であって、画像読取り部A、画像処理部B、画像形成部C、転写紙搬送手段としての転写紙搬送部Dから構成されている。
画像読取り部Aの上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台11上に載置された原稿は原稿搬送ローラ12によって1枚宛分離搬送され読み取り位置13aにて画像の読み取りが行われる。原稿読み取りが終了した原稿は原稿搬送ローラ12によって原稿排紙皿14上に排出される。
一方、プラテンガラス13上に置かれた場合の原稿の画像は走査光学系を構成する照明ランプ及び第1ミラーから成る第1ミラーユニット15の速度vによる読み取り動作と、V字状に位置した第2ミラー及び第3ミラーから成る第2ミラーユニット16の同方向への速度v/2による移動によって読み取られる。
読み取られた画像は、投影レンズ17を通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのちA/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フィルタ処理などの処理が施された後、画像データは一旦メモリに記憶される。
画像形成部Cでは、画像形成ユニットとして、像担持体であるドラム状の感光体21と、その外周に、該感光体21を帯電させる帯電手段(帯電工程)22、帯電した感光体の表面電位を検出する電位検出手段220、現像手段(現像工程)23、転写手段(転写工程)である転写搬送ベルト装置45、前記感光体21のクリーニング装置(クリーニング工程)26及び光除電手段(光所電荷発生工程)としてのPCL(プレチャージランプ)27が各々動作順に配置されている。また、現像手段23の下流側には感光体21上に現像されたパッチ像の反射濃度を測定する反射濃度検出手段222が設けられている。感光体21には、本発明の有機感光体を使用し、図示の時計方向に駆動回転される。
回転する感光体21へは帯電手段22による一様帯電がなされた後、像露光手段(像露光工程)30としての露光光学系により画像処理部Bのメモリから呼び出された画像信号に基づいた像露光が行われる。書き込み手段である像露光手段30としての露光光学系は図示しないレーザダイオードを発光光源とし、回転するポリゴンミラー31、fθレンズ34、シリンドリカルレンズ35を経て反射ミラー32により光路が曲げられ主走査がなされるもので、感光体21に対してAoの位置において像露光が行われ、感光体21の回転(副走査)によって静電潜像が形成される。本実施の形態の一例では文字部に対して露光を行い静電潜像を形成する。
本発明の画像形成方法においては、感光体上に静電潜像を形成するに際し、像露光をスポット面積が2×10−9以下の露光ビームを用いて行うことが好ましい。このような小径のビーム露光を行っても、本発明の有機感光体は、該スポット面積に対応した画像を忠実に形成することができる。より好ましいスポット面積は、0.01×10−9〜1×10−9である。その結果400dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数)以上で、256階調を実現するところのきわめて優れた画像品質を達成することができる。
前記露光ビームのスポット面積とは該ビーム光の強度がピーク強度の1/e以上の光強度に対応する面積で表される。
用いられる露光ビームとしては半導体レーザを用いた走査光学系、及びLEDや液晶シャッター等の固体スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布及びローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/eまでの部分をスポット面積とする。
感光体21上の静電潜像は現像手段23によって反転現像が行われ、感光体21の表面に可視像のトナー像が形成される。本発明の画像形成方法では、該現像手段に用いられる現像剤には粉砕系トナー又は重合トナーのいずれを用いてもよいが、形状や粒度分布が均一な重合トナーを本発明の有機感光体と併用することにより、より鮮鋭性が良好な電子写真画像を得ることができる。
又、本発明の有機感光体は現像剤に0.1〜1.0μmの無機外添剤と50nm以下の無機外添剤を含有するトナーを用いた時に、本発明の効果、特にダッシュマークや擦り傷によるハーフトーン画像の劣化の改善効果が大きい。
転写紙搬送部Dでは、画像形成ユニットの下方に異なるサイズの転写紙Pが収納された転写紙収納手段としての給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)が設けられ、また側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット42が設けられていて、それらの何れかから選択された転写紙Pは案内ローラ43によって搬送路40に沿って給紙され、給紙される転写紙Pの傾きと偏りの修正を行う対の給紙レジストローラ44によって転写紙Pは一時停止を行ったのち再給紙が行われ、搬送路40、転写前ローラ43a、給紙経路46及び進入ガイド板47に案内され、感光体21上のトナー画像が転写位置Boにおいて転写極24及び分離極25によって転写搬送ベルト装置45の転写搬送ベルト454に載置搬送されながら転写紙Pに転写され、該転写紙Pは感光体21面より分離し、転写搬送ベルト装置45により定着手段50に搬送される。
定着手段50は定着ローラ51と加圧ローラ52とを有しており、転写紙Pを定着ローラ51と加圧ローラ52との間を通過させることにより、加熱、加圧によってトナーを定着させる。トナー画像の定着を終えた転写紙Pは排紙トレイ64上に排出される。
以上は転写紙の片側への画像形成を行う状態を説明したものであるが、両面複写の場合は排紙切換部材170が切り替わり、転写紙案内部177が開放され、転写紙Pは破線矢印の方向に搬送される。
更に、搬送機構178により転写紙Pは下方に搬送され、転写紙反転部179によりスイッチバックさせられ、転写紙Pの後端部は先端部となって両面複写用給紙ユニット130内に搬送される。
転写紙Pは両面複写用給紙ユニット130に設けられた搬送ガイド131を給紙方向に移動し、給紙ローラ132で転写紙Pを再給紙し、転写紙Pを搬送路40に案内する。
再び、上述したように感光体21方向に転写紙Pを搬送し、転写紙Pの裏面にトナー画像を転写し、定着手段50で定着した後、排紙トレイ64に排紙する。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
次に図2は本発明の有機感光体を用いたカラー画像形成装置(少なくとも有機感光体の周辺に帯電手段、露光手段、複数の現像手段、転写手段、クリーニング手段及び中間転写体を有する複写機あるいはレーザービームプリンタ)の構成断面図である。ベルト状の中間転写体10は中程度の抵抗の弾性体を使用している。
21は像形成体として繰り返し使用される回転ドラム型の感光体であり、矢示の反時計方向に所定の周速度をもって回転駆動される。
感光体21は回転過程で、帯電手段22により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の像露光手段30により画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームによる走査露光光等による画像露光を受けることにより目的のカラー画像のイエロー(Y)の色成分像に対応した静電潜像が形成される。
次いで、その静電潜像がイエロー(Y)の現像手段(イエロー色現像器)23Yにより第1色であるイエロートナーにより現像される。この時第2〜第4の現像手段(マゼンタ色現像器、シアン色現像器、ブラック色現像器)23M、23C、23Bkの各現像器は作動オフになっていて感光体21には作用せず、上記第1色目のイエロートナー画像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
中間転写体70はローラ79a、79b、79c、79d、79eで張架されて時計方向に感光体21と同じ周速度をもって回転駆動されている。
感光体21上に形成担持された上記第1色目のイエロートナー画像が、感光体1と中間転写体70とのニップ部を通過する過程で、1次転写ローラ24aから中間転写体70に印加される1次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写体70の外周面に順次中間転写(1次転写)されていく。
中間転写体70に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光体21の表面は、クリーニング装置26により清掃される。
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のクロ(ブラック)トナー画像が順次中間転写体70上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した重ね合わせカラートナー画像が形成される。
2次転写ローラ24bで、2次転写対向ローラ79bに対応し平行に軸受させて中間転写体70の下面部に離間可能な状態に配設してある。
感光体21から中間転写体70への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための1次転写バイアスはトナーとは逆極性で、バイアス電源から印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜+2kVの範囲である。
感光体21から中間転写体70への第1〜第3色のトナー画像の1次転写工程において、2次転写ローラ24b及び中間転写体クリーニング手段26Aは中間転写体70から離間することも可能である。
ベルト状の中間転写体70上に転写された重ね合わせカラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの転写は、2次転写ローラ24bが中間転写体70のベルトに当接されると共に、対の給紙レジストローラ44から転写紙ガイドを通って、中間転写体70のベルトに2次転写ローラ24bとの当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送される。2次転写バイアスがバイアス電源から2次転写ローラ24bに印加される。この2次転写バイアスにより中間転写体70から第2の画像担持体である転写材Pへ重ね合わせカラートナー画像が転写(2次転写)される。トナー画像の転写を受けた転写材Pは定着手段50へ導入され加熱定着される。
本発明の有機感光体は電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。但し、下記文中の「部」は「質量部」を示す。
参考例1(参考1に対応した実施例)
以下のようにして、評価に用いる感光体を作製した。
感光体1の作製
中間層1
洗浄済み円筒状アルミニウム基体(切削加工によりJISB−0601規定の十点表面粗さRz:0.81μmに加工した)上に、下記中間層塗布液を浸漬塗布法で塗布し、120℃30分で乾燥し、乾燥膜厚1.0μmの中間層1を形成した。
下記中間層分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルター公称濾過精度:5ミクロン、圧力;50kPa)し、中間層塗布液を作製した。
(中間層分散液の作製)
バインダー樹脂:(例示ポリアミドN−1) 1部(1.00体積部)
ルチル形酸化チタンA1(一次粒径35nm;メチルハイドロジェンシロキサンとジメチルシロキサンの共重合体(モル比1:1)を用い、酸化チタン全質量の5質量%の量で表面処理したもの) 3.5部(1.0体積部)
エタノール/n−プロピルアルコール/THF(=45/20/30質量比)10部
上記成分を混合し、サンドミル分散機を用い、10時間、バッチ式にて分散して、中間層分散液を作製した。
電荷発生層
下記成分を混合し、サンドミル分散機を用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(Cu−Kαの特性X線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2°)において、少なくとも7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、28.1°の位置に特徴的な回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料) 20部
シリコーン変性ポリビニルブチラール 10部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 700部
t−ブチルアセテート 300部
電荷輸送層
下記成分を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚25μmの電荷輸送層を形成し、感光体1を作製した。
電荷輸送物質(例示化合物CT3−3) 70部
バインダー樹脂(例示化合物PC−1(Mv:30000)) 100部
酸化防止剤(例示化合物1−1) 8部
テトラヒドロフラン/トルエン(体積比8/2) 750部
感光体2〜15の作製
中間層のN型半導性粒子、バインダー樹脂、乾燥膜厚、電荷発生物質、電荷輸送層のバインダー樹脂、電荷輸送物質、膜厚等を表1のように変更した以外は感光体1と同様にして感光体2〜15を作製した。但し、表1の中間層体積比は感光体1〜15の全ての中間層のバインダー樹脂の体積とN型半導性粒子の体積の合計体積を一定にした上で、バインダー樹脂の体積とN型半導性粒子の体積の比(Vn/Vb)を変えた中間層分散液を作製して、中間層を形成した。
尚、前記感光体1〜15の作製と同時に、各感光体の中間層塗布液を用いて、アルミ蒸着したポリエチレンテレフタレート支持体上に各中間層塗布液を塗布し、前記感光体の乾燥条件と同じ条件で乾燥膜厚10μmの中間層を形成して体積抵抗測定用試料を作製し、各中間層の体積抵抗を測定した。その結果、感光体1〜15の中間層の体積抵抗は全て1×10Ω・cm以上であった。又、表1中の電荷輸送物質C−R、バインダー樹脂PC−K、PC−Z等の構造式を下記に示した。
Figure 0005035273
Figure 0005035273
表中、
A1はルチル形酸化チタン
A2はアナターゼ形酸化チタン
Zは酸化亜鉛
*1はメチルハイドロジェンシロキサンとジメチルシロキサンの共重合体(モル比1:1)
*2はメチルハイドロジェンシロキサンとジメチルシロキサンの共重合体(モル比9:1)
*3はメチルハイドロジェンシロキサンとジメチルシロキサンの共重合体(モル比2:8)
*4はメチルハイドロジェンシロキサンとジエチルシロキサンの共重合体(モル比1:1)
*5はメチルハイドロジェンシロキサンとメチルエチルシロキサンの共重合体(モル比1:1)
*6はメチルハイドロジェンポリシロキサン
*7は一次処理:シリカ・アルミナ、二次処理メチルトリメトキシシラン
尚、表中、表面処理とは粒子の表面に施した表面処理に用いた物質を示す(但し、一次処理のシリカ・アルミナは粒子表面に析出したシリカ・アルミナを意味する)。
又、表中の融解熱、吸水率の測定は以下のようにして行った。
融解熱の測定条件
測定機:島津製作所「島津熱流速示差走査熱量計DSC−50」を用いて測定した。
測定条件:測定試料を上記測定機に設定し、室温(24℃)から測定開始、200℃迄5℃/分で昇温し、次いで室温まで5℃/分で冷却する。これを2回連続で行い、2回めの昇温時の融解による吸熱ピーク面積より融解熱を算出する。
吸水率の測定条件
測定対象の試料を70〜80℃で3〜4時間で十分に乾燥させ、その質量を精密に秤量する。次に、20℃に維持したイオン交換水に試料を投入し、一定時間経過後に引き上げ試料表面の水を清潔な布で拭き取り、質量を測定する。以上の操作を質量増が飽和するまで繰り返し、その結果得られた試料の増加質量(増加分)を初期の質量で除した値を吸水率とした。
表中、炭素数が7以上の単位構造の比率とは、繰り返し単位構造のアミド結合間の炭素数が7以上の繰り返し単位構造の比率(モル%)を示す。
又、表中G1、G2、G3は下記の電荷発生物質を示す。
G1はCu−Kαの特性X線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2°)において、少なくとも7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、28.1°の位置に特徴的な回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料
G2はCu−Kαの特性X線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2°)において、少なくとも7.4°、16.6°、25.5°、28.3°の位置に特徴的な回折ピークを有するクロルガリウムフタロシアニン顔料
G3はCu−Kαの特性X線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2°)において、少なくとも6.8°、12.8°、15.8°、26.6°の位置に特徴的な回折ピークを有するガリウムフタロシアニン顔料
《評価》
得られた感光体を市販のカラープリンターmagicolor2300DeskLaser(ミノルタキューエムエス社製)に搭載し、低温低湿(LL:10℃20%RH)で耐久試験を行った。詳しくは、画素率が7%の文字画像、ハーフトーン画像、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にある画像画像を計2万枚印刷し、スタート時及び5000枚毎に評価した。評価項目と評価基準を以下に示す。
尚、上記カラープリンターのプロセス条件は下記の条件で実施した。
帯電器:鋸歯電極
露光器:半導体レーザ
現像:平均粒径6.5μmで、0.3μmのチタン酸ストロンチウム及び15nmの疎水性シリカの外添剤を含有した非磁性重合トナー、反転現像法
転写:中間転写ベルト使用
クリーニング:クリーニングブレード
定着:加熱定着
プロセススピード:100mm/sec
画像濃度
マクベス社製RD−918を使用して測定。紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定した。多数枚のコピーで残留電位が増加すると、画像濃度が低下する。各1万枚コピー後のべた黒画像部で測定した。
◎:黒ベタ画像が1.2より高い(良好)
○:黒ベタ画像が1.0以上、1.2以下(実用上問題なし)
×:黒ベタ画像が1.0未満(実用上問題あり)
カブリ
カブリ濃度はべた白画像をマクベス社製RD−918を使用し反射濃度で測定した。該反射濃度は相対濃度(印刷していないA4紙の濃度を0.000とする)で評価した。各1万枚コピー後のべた白画像部で測定した。
◎;濃度が0.010未満(良好)
○;濃度が0.010以上、0.020以下(実用上問題ないレベル)
×;濃度が0.020より高い(実用上問題となるレベル)
ダッシュマーク
ハーフトーン画像上に周期性が感光体の周期と一致するダッシュマーク(彗星状の小さなすじ画像)の発生状況を下記の基準で判定した。
◎;0.4mm以上のダッシュマークの頻度:全ての印刷画像が5個/A4以下(良好)
○;0.4mm以上のダッシュマークの頻度:6個/A4以上、10個/A4以下が1枚以上発生(実用上問題なし)
×;0.4mm以上のダッシュマーク画像欠陥の頻度:11個/A4以上が1枚以上発生(実用上問題有り)
黒ポチ
周期性が感光体の周期と一致し、目視できる黒ポチ、黒筋状の画像欠陥が、A4サイズ当たり何個あるかで判定した。
◎;0.4mm以上の画像欠陥の頻度:全ての印刷画像が5個/A4以下(良好)
○;0.4mm以上の画像欠陥の頻度:6個/A4以上、10個/A4以下が1枚以上発生(実用上問題なし)
×;0.4mm以上の画像欠陥の頻度:11個/A4以上が1枚以上発生(実用上問題有り)
擦り傷画像
◎;感光体表面が均一に削られ、ハーフトーン画像が均一で、すっきりとした画像で再現されている(良好)
○;感光体表面に小さな擦り傷が発生しているが、ハーフトーン画像は均一で、すっきりとした画像で再現されている(実用上問題なし)
×;感光体表面に擦り傷が発生し、ハーフトーン画像が、荒れた画像になっている。(実用上問題有り)
転写メモリー
べた黒とべた白の混在した画像を10枚連続して印刷し、続いて均一なハーフトーン画像を印刷し、該ハーフトーン画像中に前記べた黒とべた白の履歴が現れている(メモリー発生)か否(メモリー発生なし)かで判定した。
○;メモリー発生なし。
×;メモリー発生あり。
Figure 0005035273
表2より、電荷輸送層が前記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネート及び前記一般式(3)で表される電荷輸送物質を含有する有機感光体1〜12はダッシュマークや黒ポチ或いは転写メモリーの発生が防止され、しかも、画像濃度が十分で且つカブリ濃度が低い良好な電子写真画像を獲得している。一方、電荷輸送層のバインダーがPC−Kのポリカーボネートの感光体13はダッシュマークが多発し、擦り傷の発生でハーフトーン画像が劣化しており、電荷輸送層のバインダーがPC−Zのポリカーボネートの感光体14はダッシュマークが多発している。又、電荷輸送物質が本発明外のCT−Rを用いた感光体15では、ダッシュマークの発生、擦り傷の発生でハーフトーン画像が劣化し、転写メモリも発生している。
参考例2(参考2に対応した実施例)
参考例1の各感光体の電荷輸送層の電荷輸送物質を表3のように変更した以外は同様にして感光体21〜35を作製した。これら感光体21〜36を参考例1と同じように評価した。評価結果を表4に示す。
Figure 0005035273
Figure 0005035273
表3中、*1は電荷輸送物質を混合使用(CT4−2/CT3−3を質量比6/2で使用)
表4より、電荷輸送層が前記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネート及び前記一般式(4)で表される電荷輸送物質を含有する有機感光体21〜32はダッシュマークや黒ポチ或いは転写メモリーの発生が防止され、しかも、画像濃度が十分で且つカブリ濃度が低い良好な電子写真画像を獲得している。一方、電荷輸送層のバインダーがPC−Kのポリカーボネートの感光体33はダッシュマークが多発し、擦り傷の発生でハーフトーン画像が劣化しており、電荷輸送層のバインダーがPC−Zのポリカーボネートの感光体34はダッシュマークが多発している。又、電荷輸送物質が本発明外のCT−Rを用いた感光体35では、ダッシュマークの発生、擦り傷の発生でハーフトーン画像が劣化し、転写メモリも発生している。
実施例3
参考例1の各感光体の電荷輸送層の電荷輸送物質を表5のように変更した以外は同様にして感光体41〜55を作製した。これら感光体41〜55を参考例1と同じように評価した。評価結果を表6に示す。
Figure 0005035273
Figure 0005035273
表6より、本発明の有機感光体、即ち、電荷輸送層が前記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネート及び前記一般式(5)で表される電荷輸送物質を含有する有機感光体41〜52はダッシュマークや黒ポチ或いは転写メモリーの発生が防止され、しかも、画像濃度が十分で且つカブリ濃度が低い良好な電子写真画像を獲得している。一方、電荷輸送層のバインダーがPC−Kのポリカーボネートの感光体53はダッシュマークが多発し、擦り傷の発生でハーフトーン画像が劣化しており、電荷輸送層のバインダーがPC−Zのポリカーボネートの感光体54はダッシュマークが多発している。又、電荷輸送物質が本発明外のCT−Rを用いた感光体55では、ダッシュマークの発生、擦り傷の発生でハーフトーン画像が劣化し、転写メモリも発生している。
参考例4(参考4に対応した実施例)
参考例1の各感光体の電荷輸送層の電荷輸送物質を表7のように変更した以外は同様にして感光体61〜75を作製した。これら感光体61〜75を参考例1と同じように評価した。評価結果を表8に示す。
Figure 0005035273
表7中、*2は電荷輸送物質を混合使用(CT5−27/CT6−28を質量比6/2で使用)
Figure 0005035273
表8より、電荷輸送層が前記一般式(1)で表される構造単位を有するポリカーボネート及び前記一般式(6)で表される電荷輸送物質を含有する有機感光体61〜72はダッシュマークや黒ポチ或いは転写メモリーの発生が防止され、しかも、画像濃度が十分で且つカブリ濃度が低い良好な電子写真画像を獲得している。一方、電荷輸送層のバインダーがPC−Kのポリカーボネートの感光体73はダッシュマークが多発し、擦り傷の発生でハーフトーン画像が劣化しており、電荷輸送層のバインダーがPC−Zのポリカーボネートの感光体74はダッシュマークが多発している。又、電荷輸送物質が本発明外のCT−Rを用いた感光体75では、ダッシュマークの発生、擦り傷の発生でハーフトーン画像が劣化し、転写メモリも発生している。
1 画像形成装置
21 感光体
22 帯電手段
23 現像手段
24 転写極
25 分離極
26 クリーニング装置
30 露光光学系
45 転写搬送ベルト装置
50 定着手段
250 分離爪ユニット

Claims (17)

  1. 導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有する有機感光体において、
    該電荷発生物質は、ガリウムフタロシアニン顔料を含み、
    該電荷輸送層が下記一般式(1)で表される構造単位と下記一般式(2)で表される構造単位とを有する共重合ポリカーボネート及び下記一般式(5)で表される電荷輸送物質を含有するものであり、かつ
    該共重合ポリカーボネートは、一般式(1)の構造単位を、全体の構造体中で30〜70モル%含有する、有機感光体。
    Figure 0005035273
    (一般式(1)中、Xは酸素原子であり、R〜Rは水素原子、ハロゲン原子、水酸基又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)
    Figure 0005035273
    (一般式(2)中、Aは炭素数1〜10の直鎖、分岐鎖或は環状のアルキリデン基、アリール置換アルキリデン基、及びアリーレン基を示し、R 〜R 16 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)
    Figure 0005035273
    (一般式(5)中、RおよびR'は、それぞれ水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、R、R'、RおよびR'は、それぞれ水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子または置換アミノ基を表し、m、m'、nおよびn'は、それぞれ1または2の整数を意味する)
  2. 前記ガリウムフタロシアニン顔料が、Cu−Kαの特性X線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2°)において、少なくとも7.4°、16.6°、25.5°、28.3°の位置に特徴的な回折ピークを有するクロルガリウムフタロシアニン顔料であることを特徴とする請求項に記載の有機感光体。
  3. 前記ガリウムフタロシアニン顔料が、Cu−Kαの特性X線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2°)において、少なくとも7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、28.1°の位置に特徴的な回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料であることを特徴とする請求項に記載の有機感光体。
  4. 前記ガリウムフタロシアニン顔料が、Cu−Kαの特性X線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2°)において、少なくとも6.8°、12.8°、15.8°、26.6°の位置に特徴的な回折ピークを有するガリウムフタロシアニン顔料であることを特徴とする請求項に記載の有機感光体。
  5. 前記電荷輸送層が酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の有機感光体。
  6. 前記導電性支持体と電荷発生層の間にN型半導性粒子を含有する中間層を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の有機感光体。
  7. 前記N型半導性粒子が金属酸化物であることを特徴とする請求項に記載の有機感光体。
  8. 前記N型半導性粒子が酸化チタン又は酸化亜鉛であることを特徴とする請求項又はに記載の有機感光体。
  9. 前記N型半導性粒子が酸化チタンであることを特徴とする請求項に記載の有機感光体。
  10. 前記酸化チタンがルチル形酸化チタン顔料又はアナターゼ形酸化チタン顔料であることを特徴とする請求項に記載の有機感光体。
  11. 前記N型半導性粒子が表面処理を施されていることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1項に記載の有機感光体。
  12. 前記中間層にポリアミド樹脂のバインダーを含有することを特徴とする請求項6〜11のいずれか1項に記載の有機感光体。
  13. 前記ポリアミド樹脂が融解熱0〜40J/gで、且つ吸水率5質量%以下のポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項12に記載の有機感光体。
  14. 前記中間層のバインダー樹脂とN型半導性粒子の体積比がバインダー樹脂1に対しN型半導性粒子1〜2であることを特徴とする請求項12又は13に記載の有機感光体。
  15. 前記中間層の膜厚が1〜10μmであることを特徴とする請求項6〜14のいずれか1項に記載の有機感光体。
  16. 有機感光体上に帯電部材を接触させて帯電する帯電手段を有する画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジにおいて、
    導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有する有機感光体であって、
    該電荷発生物質は、ガリウムフタロシアニン顔料を含み、
    該電荷輸送層が下記一般式(1)で表される構造単位と下記一般式(2)で表される構造単位とを有する共重合ポリカーボネート及び下記一般式(5)で表される電荷輸送物質を含有するものであり、かつ
    該共重合ポリカーボネートは、下記一般式(1)の構造単位を、全体の構造体中で30〜70モル%含有する有機感光体と
    該有機感光体上に帯電部材を接触させて帯電する帯電手段、該有機感光体上の静電潜像を顕像化する現像手段、該有機感光体上に顕像化されたトナー像を転写材上に転写する転写手段の少なくとも1つとが一体的に支持され、
    画像形成装置本体に着脱自在に装着されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
    Figure 0005035273
    (一般式(1)中、Xは酸素原子であり、R 〜R は水素原子、ハロゲン原子、水酸基又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)
    Figure 0005035273
    (一般式(2)中、Aは炭素数1〜10の直鎖、分岐鎖或は環状のアルキリデン基、アリール置換アルキリデン基、及びアリーレン基を示し、R 〜R 16 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)
    Figure 0005035273
    (一般式(5)中、R およびR 'は、それぞれ水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、R 、R '、R およびR 'は、それぞれ水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子または置換アミノ基を表し、m、m'、nおよびn'は、それぞれ1または2の整数を意味する)
  17. 有機感光体上に帯電部材を接触させて帯電する帯電手段を有する画像形成装置において、
    該有機感光体が導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有し、
    該電荷発生物質は、ガリウムフタロシアニン顔料を含み、
    該電荷輸送層が下記一般式(1)で表される構造単位と下記一般式(2)で表される構造単位とを有する共重合ポリカーボネート及び下記一般式(5)で表される電荷輸送物質を含有するものであり、かつ
    該共重合ポリカーボネートは、下記一般式(1)の構造単位を、全体の構造体中で30〜70モル%含有する有機感光体である、
    画像形成装置。
    Figure 0005035273
    (一般式(1)中、Xは酸素原子であり、R 〜R は水素原子、ハロゲン原子、水酸基又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)
    Figure 0005035273
    (一般式(2)中、Aは炭素数1〜10の直鎖、分岐鎖或は環状のアルキリデン基、アリール置換アルキリデン基、及びアリーレン基を示し、R 〜R 16 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)
    Figure 0005035273
    (一般式(5)中、R およびR 'は、それぞれ水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、R 、R '、R およびR 'は、それぞれ水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子または置換アミノ基を表し、m、m'、nおよびn'は、それぞれ1または2の整数を意味する)
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