JP4816361B2 - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、電子写真方式の画像形成に用いられる画像形成方法及び画像形成装置に関するものである。
従来、近赤光に発振波長を有する半導体に感応する素材としてフタロシアニン類が注目されてきた。昭和40年代にすでにフタロシアニン類の電子写真感光体への応用が述べられている(特許文献1)。
その後、結晶型を特定したフタロシアニン類の電子写真への発表が次々となされ、1989年にはチタニルフタロシアニンで光量子効率が0.8を越えるものも発表された(特許文献2、非特許文献1)。
このように、フタロシアニン類は半導体レーザへ感応する素材としてプリンターやデシタル複写機に広く利用されているが解決すべき問題点もある。
近年、印刷分野やカラー印刷の分野において、電子写真方式の複写機やプリンタを使用される機会が増加している。該印刷分野やカラー印刷の分野においては、高画質のデジタルのモノクロ画像或いはカラー画像を求める傾向が強い。このような要求に対し、露光光源のLEDやレーザ光のビーム径を小さく絞り込み、高精細のデジタル画像を形成することが提案されている(特許文献3)。しかしながら、露光のビーム径を絞り込み、感光体上に高細密のドット静電潜像(以後、静電潜像を単に潜像とも云う)を形成しても、最終的に得られる電子写真画像は、十分な高画質を達成し得ていないのが現状である。
その原因は、電子写真感光体の静電潜像の形成や静電潜像への適切な現像条件が十分に解明されていず、細密なドット潜像の形成とそのドット潜像をトナー画像の形成に必要な現像条件の両方を備えた画像形成方法が確立されていないことによる。
即ち、電子写真感光体としては、従来の400dpi(dpiとは1インチ当たりのドット数)等のデジタル画像用に開発された有機感光体(以後、単に感光体とも云う)を用いて、例えば、1200dpiの像露光を行っても、細密なドット静電潜像を形成できるとは限らず、又、その後の現像で、該ドット潜像を個々に且つ高濃度に再現できる現像方法がまだ十分に達成されていないため、個々のドット画像が独立に再現できなかったり、消失したりして、細密な電子写真画像が十分に達成されていない。
本願発明者等は、上記細密なドット静電潜像を形成できない原因について、詳細に検討した結果、これらの原因は、感光体を構成する電荷発生層及び電荷輸送層のいずれにも存在することが見出された。
即ち、電荷発生層には、小さな露光ビーム径で潜像を形成する為に、高感度の電荷発生物質を用いると、高感度の電荷発生物質は短時間で多量のキャリアを発生し、互いのキャリアが反発しあって、キャリアの拡散が発生しやすく、その結果、ドット潜像がぼけやすいという問題が発生していることを見出した。
一方、電荷輸送層のドット潜像の劣化については、以下のような文献が報告されている(非特許文献2)。即ち、高精細の静電潜像を忠実に再現するためには露光/非露光部の電位コントラストが十分確保されている必要があるが、その為には像露光により発生したキャリアが感光体の表面に到達するまでのキャリアの拡散を押さえることが重要である。高密度画像の潜像劣化は、電荷輸送層の拡散定数(D)とドリフト移動度(μ)との比D/μが大きくなると静電潜像への拡散の効果が無視できず、電荷輸送層の膜厚が大きくなると潜像劣化は大きくなると報告されている。
特公昭49−4438号公報 特開平3−35245号公報 特開平5−119503号公報 木下等 Japan Hardcopy ′89論文集 103(1989) 日本画像学会誌第38巻第4号296頁
本願発明の目的は、上記で記載したような従来技術の問題点を解決し、1200dpi以上の高細密のデジタルのドット潜像を形成でき、ドット画像のつぶれや消失が発生しない高細密の電子写真画像を形成できる画像形成方法及び画像形成装置を提供することである。
本発明者等は鋭意検討した結果、電荷発生層のキャリアの拡散を防止するには、高感度のフタロシアニン顔料に、露光波長に対しては感度が低く、キャリアの拡散を防止できるN型顔料を併用し、同時に電荷輸送層のキャリアの拡散も小さくすることが効果的であることを見出し、本願発明を完成した。即ち、本願発明の目的は、以下の構成を有する画像形成方法及び画像形成装置を用いることによる達成される。
.有機感光体への書き込み手段がレーザ又は発光ダイオードのビーム光を用いており、該書き込み手段の解像度が1200dpi以上である電子写真方式を用いた画像形成方法において、該ビーム光を、導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有し、電荷発生層が、電荷発生物質として、フタロシアニン顔料と前記ビーム光のピーク波長に対し、吸収を有しないN型顔料を含有し、前記電荷輸送層が、下記一般式(1)で表される電荷輸送物質を含有する有機感光体上に照射して、静電潜像を形成することを特徴とする画像形成方法。

Figure 0004816361
〔一般式(1)中、R及びRは各々水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、n及びmは0〜4の整数を示す。〕
.有機感光体への書き込み手段がレーザ又は発光ダイオードのビーム光を用いており、該書き込み手段の解像度が1200dpi以上である電子写真方式を用いた画像形成装置において、前記有機感光体が、導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有し、電荷発生層が、電荷発生物質として、フタロシアニン顔料と前記ビーム光のピーク波長に対し、吸収を有しないN型顔料を含有し、前記電荷輸送層が、下記一般式(1)で表される電荷輸送物質を含有する有機感光体上に照射して、静電潜像を形成することを特徴とする画像形成装置。
Figure 0004816361
〔一般式(1)中、R1及びR2は各々水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、n及びmは0〜4の整数を示す。〕
本発明の画像形成方法及び画像形成装置を用いることにより、1200dpi以上の高細密のデジタルのドット潜像を形成でき、ドット画像のつぶれや消失が発生しない高細密の電子写真画像を形成できる画像形成方法及び画像形成装置を得ることができる。
以下、本発明について、詳細に説明する。
又、本願発明の画像形成方法は、有機感光体への書き込み手段がレーザ又発光ダイオードのビーム光を用いており、該書き込み手段の解像度が1200dpi以上である電子写真方式を用いた画像形成方法であり、該ビーム光を、導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有し、電荷発生層が、電荷発生物質として、フタロシアニン顔料と前記ビーム光のピーク波長に対し、吸収を有しないN型顔料を含有し、前記電荷輸送層が、前記一般式(1)で表される電荷輸送物質を含有する有機感光体上に照射して、静電潜像を形成することを特徴とする。
又、本願発明の画像形成装置は、有機感光体への書き込み手段がレーザ又発光ダイオードのビーム光を用いており、該書き込み手段の解像度が1200dpi以上である電子写真方式を用いた画像形成装置であり、前記有機感光体が、導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有し、電荷発生層が、電荷発生物質として、フタロシアニン顔料と前記ビーム光のピーク波長に対し、吸収を有しないN型顔料を含有し、前記電荷輸送層が、前記一般式(1)で表される電荷輸送物質を含有する有機感光体上に照射して、静電潜像を形成することを特徴とする。
上記有機感光体、画像形成方法及び画像形成装置を用いることにより、解像度が1200dpi以上である電子写真方式を用いた画像形成方法において、高細密のデジタルのドット潜像を形成でき、ドット画像のつぶれや消失が発生しない高細密の電子写真画像を形成することができる。
有機感光体上に、1200dpi以上の微細なドット露光を行うと、有機感光体の表面に形成されるドット潜像は太りやすい傾向が見られる。即ち、ドット露光により発生する電荷キャリアの拡散が電荷発生層及び電荷輸送層で生じ、ドット潜像が太りやすいと考えられる。本発明の有機感光体は、ドット潜像の太りを防止し、30μm前後のビーム径のレーザ光やLED(発光ダイオード)等で、露光されたドット潜像の太りを小さくし、ドット潜像をクリアに形成するため、有機感光体の構成を電荷発生層及び電荷輸送層のそれぞれで改良し、電荷キャリアの拡散を小さくして静電潜像を形成し、該静電潜像をトナー画像に顕像化することにより、ドット画像のつぶれや消失を防止し、1ドットラインの再現性を高濃度で達成することができる。
本願発明の有機感光体は電荷発生層及び電荷輸送層を有する。電荷発生層は、電荷輸送物質として、フタロシアニン顔料とビーム光のピーク波長に対し、吸収を有しないN型顔料を含有する。
フタロシアニン顔料としては、長波長のLEDやレーザ光に対し、高感度特性を有するチタニルフタロシアニン顔料、例えばヒドロキシガリウムフタロシアニン(特開平5−263007号公報)、クロルガリウムフタロシアニンなどのガリウムフタロシアニン類、X線回折スペクトル(±0.2度の許容範囲)で26.3度に最大ピークを持つA型チタニルフタロシアニン(特開昭62−97064号公報)、7.6、28.6度に特徴的なピークを有するB型チタニルフタロシアニン(特開昭61−239248号公報)、27.3度に最大ピークを有するY型チタニルフタロシアニン(特開平3−35245号公報)及び立体規則性をもった2,3−ブタンジオールのチタニルフタロシアニン付加体(特開平8−82942号公報)等として知られるチタニルフタロシアニン類を使用できる。中でも、Y型チタニルフタロシアニン(y−TiOPc)が好ましい。
このような高感度の電荷発生物質は、露光と共に、瞬時に多量の電荷キャリアを発生するので、キャリア同士の反発が強くなり、キャリアの拡散が大きくなりやすい。このキャリアの拡散を防止するのに、露光光に対して感度が小さいペリレン顔料や多環キノン顔料のN型顔料をP型顔料のフタロシアニン顔料と共に併用することにより、キャリア密度を下げて、キャリア同士の反発を抑え、電荷キャリアの拡散を防止することができる。
N型顔料とは、主たる電荷キャリアが電子である顔料を意味しP型顔料とは、主たる電荷キャリアが正孔である顔料を意味する。
ビーム光のピーク波長に対し、吸収を有しないN型顔料とは、露光波長のビーム光のピーク波長に対し、フタロシアニン顔料の吸収の1/10以下の吸収特性を示すN型顔料をいう。
この吸収特性は、比較の対象となるフタロシアニン顔料及びN型顔料について、それぞれ独立に測定試料を作製して測定する。測定試料は、透明支持体上に、顔料密度を3mg/100cm2(ポリビニルブチラール樹脂「エスレックBL−1」(積水化学社製)1mg/100cm2中に分散した電荷発生層を形成して作製する。測定器はU−3500Spectrophotometer(日立(株)製)を用い、ビーム光のピーク波長で測定する。
又、本発明では、ビーム光のピーク波長は、半導体レーザやLED光源では、使用する半導体レーザやLED光源の商品カタログ値或いは資料の値をそのまま採用する。ピーク波長が不明な場合は、分光強度を測定し、ピーク波長を決定する。
上記で定義された本願発明に用いられるN型顔料としれは、ペリレン顔料や多環キノン顔料が好ましく用いられる。これらのペリレン顔料や多環キノン顔料は、光の吸収波長が700nm未満であるため、700nmより長波長のピーク波長を有するビーム光を用いれば(例えば、780nmの半導体レーザ等)、上記吸収特性を十分に満足する(一方、フタロシアニン顔料は780nmのビーム光に対し、十分な吸収特性を有しているので)。具体的には、ペリレン顔料としては、下記で示される化合物が挙げられる。
Figure 0004816361
Figure 0004816361
Figure 0004816361
Figure 0004816361
一方、多環キノン顔料としては、下記で示される化合物が挙げられる。
Figure 0004816361
Figure 0004816361
Figure 0004816361
一方、電荷輸送層も電荷発生層から注入されたキャリアが拡散しやすい。この為、電荷輸送層のキャリアの拡散も防止することが好ましい。電荷輸送層のキャリアの拡散の大きさを測る目安としては、電荷輸送層の拡散定数(D)とドリフト移動度(μ)との比:D/μを評価することであるが、本願発明では、このD/μを75以下にして、感度を保ちながらドット再現性を改善することが好ましい。
D/μを75以下にするには、電荷輸送層の電荷輸送物質(CTM)の種類と量を選択することが必要である。一般に、高移動度の電荷輸送物質を多量に用いるとD/μの値が小さくなりやすく、電荷キャリアの拡散は小さくなりやすいが、他方で、膜物性が低下し、膜減耗量が増加しやすい。この膜物性の低下を避けるには、D/μを35〜70の範囲に設定することがより好ましい。
本発明では上記のようなD/μの値を得て、尚かつ、膜物資の劣化を発生させないため、前記一般式(1)で示される電荷輸送物質を用いる。
前記一般式(1)の具体例としては次の化合物を挙げることができる。
Figure 0004816361
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電荷輸送物質としては、前記一般式(1)の電荷輸送物質と共に、他の電荷輸送物質を併用することもできる。併用する電荷輸送物質としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、スチリル化合物、ビドラゾン化合物、オキサゾロン化合物、ピラゾリン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾールなどを挙げることができる。
本発明において、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機感光体を全て含有する。
本発明に係わる感光体の構成は、導電性支持体上に感光層として電荷発生層および電荷輸送層を順次積層した構成を有する。更に、導電性支持体と感光層の間に中間層を設けることが好ましい。
以下に本発明に係わる有機感光体の層構成の好ましい具体例について記載する。
導電性支持体
本発明に係わる感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状或いは円筒状の導電性支持体が用いられる。
円筒状の導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、円筒度が5〜40μmが好ましく、7〜30μmがより好ましい。
この円筒度とは、JIS規格(B0621−1984)による。即ち、円筒基体を2つの同軸の幾何学的円筒で挟んだとき、同軸2円筒の間隔が最小となる位置の半径の差で表し、本発明では該半径の差をμmで表す。円筒度の測定方法は円筒状基体の両端10mmの2点、中心部、両端と中心部の間を3等分した点の4点、計7点の真円度を測定し求める。測定器は非接触万能ロール径測定機((株)ミツトヨ製)を用いて測定できる。
導電性支持体の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。
本発明で用いられる導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
中間層
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、中間層を設けることが好ましい。
本発明に用いられる中間層にはN型半導性粒子を含有することが好ましい。該N型半導性粒子とは、主たる電荷キャリアが電子である粒子を意味する。すなわち、主たる電荷キャリアが電子であることから、該N型半導性粒子を絶縁性バインダーに含有させた中間層は、基体からのホール注入を効率的にブロックし、また、感光層からの電子に対してはブロッキング性が少ない性質を有する。
N型半導性粒子としては、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)が好ましく、特に酸化チタンが特に好ましく用いられる。
N型半導性粒子は数平均一次粒子径が3.0〜200nmの範囲の微粒子を用いる。特に、5nm〜100nmが好ましい。数平均一次粒子径とは、微粒子を透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によってフェレ方向平均径としての測定値である。数平均一次粒径が3.0nm未満のN型半導性粒子は中間層バインダー中での均一な分散ができにくく、凝集粒子を形成しやすく、該凝集粒子が電荷トラップとなって転写メモリーが発生しやすい。一方、数平均一次粒径が200nmより大きいN型半導性粒子は中間層の表面に大きな凹凸を作りやすく、これらの大きな凹凸を通してポチが発生しやすい。又、数平均一次粒径が200nmより大きいN型半導性粒子は分散液中で沈澱しやすく、凝集物が発生しやすく、その結果、ポチが発生しやすい。
前記酸化チタン粒子は、結晶形としては、アナターゼ形、ルチル形、ブルッカイト形及びアモルファス形等があるが、中でもルチル形酸化チタン顔料又はアナターゼ形酸化チタン顔料は、中間層を通過する電荷の整流性を高め、即ち、電子の移動性を高め、帯電電位を安定させ、残留電位の増大を防止すると共に、高密度のドット画像を形成することができ、本発明に係わるN型半導性粒子として最も好ましい。
N型半導性粒子はメチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体で表面処理されたものが好ましい。該メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体の分子量は1000〜20000のものが表面処理効果が高く、その結果、N型半導性粒子の整流性を高め、このN型半導性粒子を含有する中間層を用いることにより、黒ポチ発生が防止され、又、高密度のドット画像の作製に効果がある。
メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体とは−(HSi(CH3)O)−の構造単位とこれ以外の構造単位(他のシロキサン単位のこと)の共重合体が好ましい。他のシロキサン単位としては、ジメチルシロキサン単位、メチルエチルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位及びジエチルシロキサン単位等が好ましく、特にジメチルシロキサンが好ましい。共重合体中のメチルハイドロジェンシロキサン単位の割合は10〜99モル%、好ましくは20〜90モル%である。
メチルハイドロジェンシロキサン共重合体はランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれでもよいがランダム共重合体及びブロック共重合体が好ましい。又、共重合成分としてはメチルハイドロジェンシロキサン以外に、一成分でも二成分以上でもよい。
又、N型半導性粒子は下式で表される反応性有機ケイ素化合物で表面処理したものでもよい。
(R)n−Si−(X)4-n
(上式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xは加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
上式で表される有機ケイ素化合物において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。また、Xの加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。
また、上式で表される有機ケイ素化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用しても良い。
また、上式で表される有機ケイ素化合物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の場合、複数のXは同一でも異なっていても良い。又、上式で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用いるとき、R及びXはそれぞれの化合物間で同一でも良く、異なっていても良い。
また、前記メチルハイドロジェンシロキサン共重合体や反応性有機ケイ素化合物の表面処理に先立ちN型半導性粒子をアルミナ、シリカ等の無機の表面処理を行ってもよい。
なお、前述のアルミナ、シリカの処理は同時に行っても良いが、特にアルミナ処理を最初に行い、次いでシリカ処理を行うことが好ましい。また、アルミナとシリカの処理をそれぞれ行う場合のアルミナ及びシリカの処理量は、アルミナよりもシリカの多いものが好ましい。
本発明に用いられる中間層を形成するために作製する中間層塗布液は前記表面処理酸化チタン等のN型半導性粒子の他にバインダー樹脂、分散溶媒等から構成される。
N型半導性粒子の中間層中での比率は、中間層のバインダー樹脂との体積比(バインダー樹脂の体積を1とすると)で1.0〜2.0倍が好ましい。中間層中でこのような高密度で本発明に係わるN型半導性粒子を用いることにより、中間層の整流性が高まり、膜厚を厚くしても残留電位の上昇や転写メモリーも発生せず、黒ポチを効果的に防止でき、電位変動が小さい良好な有機感光体を形成することができる。又、このような中間層はバインダー樹脂100体積部に対し、N型半導性粒子を100〜200体積部を用いることが好ましい。
一方、これらの粒子を分散し、中間層の層構造を形成するバインダー樹脂としては、粒子の良好な分散性を得る為にポリアミド樹脂が好ましいが、特に以下に示すポリアミド樹脂が好ましい。
中間層のバインダー樹脂としてはアルコール可溶性ポリアミド樹脂が好ましい。有機感光体の中間層のバインダー樹脂としては、中間層を均一な膜厚で形成するために、溶媒溶解性の優れた樹脂が必要とされている。このようなアルコール可溶性のポリアミド樹脂としては、前記した6−ナイロン等のアミド結合間の炭素鎖の少ない化学構造から構成される共重合ポリアミド樹脂やメトキシメチル化ポリアミド樹脂が知られている。
又、下記ポリアミド樹脂も中間層のポリアミド樹脂として好ましく用いられる。
Figure 0004816361
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又、上記ポリアミド樹脂の分子量は数平均分子量で5,000〜80,000が好ましく、10,000〜60,000がより好ましい。数平均分子量が5,000以下だと中間層の膜厚の均一性が劣化し、本発明の効果が十分に発揮されにくい。一方、80,000より大きいと、樹脂の溶媒溶解性が低下しやすく、中間層中に凝集樹脂が発生しやすく、黒ポチが発生しやすく、ドット再現性が劣化しやすい。
上記ポリアミド樹脂はその一部が既に市販されており、例えばダイセル・デグサ(株)製のベスタメルトX1010、X4685等の商品名で販売されて、一般的なポリアミドの合成法で作製することができる。
上記ポリアミド樹脂を溶解し、塗布液を作製する溶媒としては、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が好ましく、ポリアミドの溶解性と作製された塗布液の塗布性の点で優れている。これらの溶媒は全溶媒中に30〜100質量%、好ましくは40〜100質量%、更には50〜100質量%が好ましい。前記溶媒と併用し、好ましい効果を得られる助溶媒としては、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
本発明に係わる中間層の膜厚は0.3〜10μmが好ましい。中間層の膜厚が0.5μm未満では、黒ポチ、ハーフトーン画像にポチ等が発生しやすく、10μmを超えると、残留電位の上昇が発生しやすく、ドット再現性が劣化しやすい。中間層の膜厚は0.5〜5μmがより好ましい。
又、上記中間層は実質的に絶縁層であることが好ましい。ここで絶縁層とは、体積抵抗が1×108以上である。本発明に係わる中間層及び保護層の体積抵抗は1×108〜1015Ω・cmが好ましく、1×109〜1014Ω・cmがより好ましく、更に好ましくは、2×109〜1×1013Ω・cmである。体積抵抗は下記のようにして測定できる。
測定条件;JIS:C2318−1975に準ずる。
測定器:三菱油化社製Hiresta IP
測定条件:測定プローブ HRS
印加電圧:500V
測定環境:30±2℃、80±5RH%
体積抵抗が1×108未満では中間層の電荷ブロッキング性が低下し、黒ポチの発生が増大し、有機感光体の電位保持性も劣化し、良好な画質が得られない。一方1015Ω・cmより大きいと繰り返し画像形成で残留電位が増大しやすく、良好な画質が得られない。
感光層
電荷発生層
本発明に係わる有機感光体には、電荷発生層に電荷発生物質(CGM)として、フタロシアニン顔料と露光時のビーム光のピーク波長に対し、吸収を有しないN型顔料を含有する。該CGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.3μm〜2μmが好ましい。
電荷輸送層
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
電荷輸送物質(CTM)としては前記した一般式(1)の電荷輸送物質を含有する。電荷輸送層(CTL)に用いられるバインダー樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれの樹脂かを問わない。例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。これらの中で吸水率が小さく、CTMの分散性、電子写真特性が良好なポリカーボネート樹脂が最も好ましい。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し50〜200質量部が好ましい。
電荷輸送層は、2層構成とし、第一の電荷輸送層の上に表面保護層を兼ねた第二の電荷輸送層を設けることが好ましい。本発明に係わる電荷輸送層の膜厚は15〜35μmであるが、該膜厚は複数の電荷輸送層の場合は、その合計膜厚を云う。この合計膜厚が15μm未満では、有機感光体の帯電電位を500V以上の安定して、均一な帯電電位を維持することが難しく、このため、画像濃度の低下、カブリの発生が生じやすい。一方膜厚が35μmを超えると、潜像形成時の電荷キャリアの拡散が大きくなり、ドット画像が太り、ドット画像の再現性が劣化しやすい。
本願発明において、表面の保護層(以下、OCLとも云う)には無機微粒子を含有させることが好ましく、更に、数平均一次粒径が、20〜400nmのシリカ、アルミナ、酸化チタン及びチタン酸ストロンチウムから選択された1種以上の無機微粒子であることが好ましい。
上記数平均一次粒径は、透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子(凝集粒子は除き)として観察し、画像解析によりフェレ径の数平均径として測定される。尚、フェレ径(Feret)とは、粒子をはさむ2本の平行線間の距離で定義される定方向接線径として定義されている。
上記無機微粒子の数平均一次粒径が20nm未満では無機微粒子の保護層中での均一分散性が劣化しやすく、感光層や導電性支持体との接着性が劣化したり、又、モアレも発生しやすい。無機微粒子の数平均一次粒径が400nmより大きいと、感光層や導電性支持体との接着性が劣化したり、トナーのクリーニング不良による筋状の画像欠陥が発生しやすい。
これらの無機微粒子は塗工液および塗工膜中の分散性向上を目的として、表面処理剤による無機微粒子の表面の改質が施されてもよい。一般的な表面処理剤としては、シランカップリング剤、シラザン、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネートカップリング剤、ジルコニウム有機化合物、脂肪酸化合物等が挙げられる。また、無機物による表面処理として、無機微粒子表面のアルミナ、ジルコニア、酸化スズ、シリカ処理が知られており、本発明において、これらの表面処理を適用してもよい。このうち脂肪酸化合物とシランカップリング剤は分散性向上のみならず、感光体の残留電位の低減に対しても寄与することが多く有用である。
保護層の無機微粒子含有率はバインダー樹脂に対し6〜30質量%が好ましい。6質量%未満であると、十分な耐摩耗性向上効果が得られない。一方、含有率が30質量%を上回ると、保護層内に均一な膜形成が難しく、却って、接触部材(クリーニングブレードや帯電装置)による感光体の摩耗量が大きく成りやすい。
本願発明の保護層は前記したように、第2の電荷輸送層として構成することが好ましい。即ち、保護層に電荷が蓄積しないように、表面層には電荷輸送物質を含有させることが好ましい。
又、保護層には前記微粒子や電荷輸送物質を分散させ、膜形成を可能とするバインダー樹脂を含有する。該バインダー樹脂としては、後記する電荷輸送層と同一のバインダー樹脂を用いてもよいが、保護層の耐摩耗特性をより強化する為に、シロキサン系樹脂層等の三次元硬化樹脂を用いてもよい。このほかに表面層には酸化防止剤等の添加剤を含有させてもよい。
保護層の膜厚は、0.5〜10μmが好ましく、1〜8μmがより好ましい。
保護層の塗工方法としては浸漬法、スプレー塗工法、量規制型塗布装置(塗布量をコントロールして、保護層の膜厚を制御する塗布装置)を用いることができるが、保護層の膜厚を正確に制御し、下層の中間層や感光層全体を覆うには量規制型塗布装置を用いて塗布することが好ましい。
上記量規制型塗布装置としては、円形スライドホッパ型塗布ヘッドや押し出し型塗布ヘッドを用いた塗布装置が挙げられる。これらの中でも、後述する円形スライドホッパ型塗布ヘッドを有する塗布装置(以後、円形スライドホッパ型塗布装置又はスライド型塗布装置ともいう)が好ましく用いられる。このような円形塗布ヘッドを有する塗布装置は、円筒状導電性支持体のほとんど全体(上端の一部を除き)を塗布液に浸漬して塗布する浸漬塗布に比し、塗布装置内で分散液を滞留させず、ワンウエイで保護層を形成するので、微粒子の分散粒子は、分散液中で凝集シェアを繰り返し受けることなく、又、微粒子の塗布液中の沈降を防止して(分散媒に比し、微粒子は比重が高く沈降しやすい)均一な保護層を形成することができる。しかも、感光体製造毎に分散液を作製できるので、分散液の経時による凝集や沈降を防止でき、且つ保護層形成時に、円筒状導電性支持体に既に形成されている下層を溶解せずに塗布できることから、塗布乾燥時も微粒子の凝集が少なく、均一な分散性を有する保護層を形成することができる。又、ビード形成塗布は塗布膜厚を塗布装置から吐出される塗布液流量で正確に制御することができ、膜厚のバラツキが少なく、且つ光学的に均一な保護層を形成できる。その結果、鮮鋭性が良好な電子写真画像を形成することができる。
本発明に係わる有機感光体には酸化防止剤を含有させることが好ましい。酸化防止剤を電荷輸送層に含有させることにより、感光体表面の化学的特性を安定化し、ドット再現性の劣化を防止することができる。
酸化防止剤とは、感光体中ないしは感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。詳しくは下記の化合物群が挙げられる。
(1)ラジカル連鎖禁止剤
・フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系)
・アミン系酸化防止剤(ヒンダードアミン系、ジアリルジアミン系、ジアリルアミン系)
・ハイドロキノン系酸化防止剤
(2)過酸化物分解剤
・硫黄系酸化防止剤(チオエーテル類)
・燐酸系酸化防止剤(亜燐酸エステル類)
上記酸化防止剤のうちでは、(1)のラジカル連鎖禁止剤が良く、特にヒンダードフェノール系或いはヒンダードアミン系酸化防止剤が好ましい。又、2種以上のものを併用してもよく、例えば(1)のヒンダードフェノール系酸化防止剤と(2)のチオエーテル類の酸化防止剤との併用も良い。更に、分子中に上記構造単位、例えばヒンダードフェノール構造単位とヒンダードアミン構造単位を含んでいるものでも良い。
前記酸化防止剤の中でも特にヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系酸化防止剤が高温高湿時のカブリの発生や先端部濃度低下防止に特に効果がある。
ヒンダードフェノール系或いはヒンダードアミン系酸化防止剤の保護層中の含有量は0.01〜20質量%が好ましい。0.01質量%未満だとカブリやポチが発生しやすく、20質量%より多い含有量では保護層中の電荷輸送能の低下がおこり、残留電位が増加しやすくなり、画像濃度が低下し、又膜強度の低下し、筋傷が発生しやすい。
ここでヒンダードフェノールとはフェノール化合物の水酸基に対しオルト位置に分岐アルキル基を有する化合物類及びその誘導体を云う(但し、水酸基がアルコキシに変成されていても良い。)。
ヒンダードアミン系とはN原子近傍にかさ高い有機基を有する化合物である。かさ高い有機基としては分岐状アルキル基があり、例えばt−ブチル基が好ましい。例えば下記構造式で示される有機基を有する化合物類が好ましい。
Figure 0004816361
式中のR13は水素原子又は1価の有機基、R14、R15、R16、R17はアルキル基、R18は水素原子、水酸基又は1価の有機基を示す。
ヒンダードフェノール部分構造を持つ酸化防止剤としては、例えば特開平1−118137号(P7〜P14)記載の化合物が挙げられるが本発明はこれに限定されるものではない。
ヒンダードアミン部分構造を持つ酸化防止剤としては、例えば特開平1−118138号(P7〜P9)記載の化合物も挙げられるが本発明はこれに限定されるものではない。
有機リン化合物としては、例えば、一般式:RO−P(OR)−ORで表される化合物で代表的なものとして下記のものがある。尚、ここにおいてRは水素原子、各々置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。
有機硫黄系化合物としては、例えば、一般式:R−S−Rで表される化合物で代表的なものとして下記のものがある。尚、ここにおいてRは水素原子、各々置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。
又、製品化されている酸化防止剤としては以下のような化合物、例えばヒンダードフェノール系として「イルガノックス1076」、「イルガノックス1010」、「イルガノックス1098」、「イルガノックス245」、「イルガノックス1330」、「イルガノックス3114」、「イルガノックス1076」、「3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシビフェニル」、ヒンダードアミン系として「サノールLS2626」、「サノールLS765」、「サノールLS770」、「サノールLS744」、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」が挙げられ、チオエーテル系として「スミライザーTPS」、「スミライザーTP−D」が挙げられ、ホスファイト系として「マーク2112」、「マークPEP−8」、「マークPEP−24G」、「マークPEP−36」、「マーク329K」、「マークHP−10」が挙げられる。
本発明に係わる保護層は電荷輸送物質を含有することが好ましい。電荷輸送物質(CTM)としては公知の正孔輸送性(P型)の電荷輸送物質(CTM)を用いることが好ましい。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。
保護層中のバインダー樹脂と電荷輸送物質の質量比はバインダー100質量部に対し、電荷輸送物質30〜200質量部が好ましく、50〜150質量部がより好ましい。
中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
又、これらの各層の塗布溶液は塗布工程に入る前に、塗布溶液中の異物や凝集物を除去するために、金属フィルター、メンブランフィルター等で濾過することが好ましい。例えば、日本ポール社製のプリーツタイプ(HDC)、デプスタイプ(プロファイル)、セミデプスタイプ(プロファイルスター)等を塗布液の特性に応じて選択し、濾過をすることが好ましい。
次に有機感光体を製造するための塗布加工方法としては、ライドホッパー型塗布装置の他に、浸漬塗布、スプレー塗布等の塗布加工法が用いられる。本発明に係わる保護層の形成には円形スライドホッパー型塗布装置を用いるのが最も好ましい。
上記塗布液供給型の塗布装置の中でもスライドホッパー型塗布装置を用いた塗布加方法は、前記した低沸点溶媒を用いた分散液を塗布液として用いる場合に最も適しており、円筒状の感光体の場合は特開昭58−189061号公報等に詳細に記載されている円形スライドホッパー型塗布装置等を用いて塗布することが好ましい。
次に、本発明に係わる有機感光体を用いた画像形成装置について説明する。
図1に示す画像形成装置1は、デジタル方式による画像形成装置であって、画像読取り部A、画像処理部B、画像形成部C、転写紙搬送手段としての転写紙搬送部Dから構成されている。
画像読取り部Aの上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台11上に載置された原稿は原稿搬送ローラ12によって1枚宛分離搬送され読み取り位置13aにて画像の読み取りが行われる。原稿読み取りが終了した原稿は原稿搬送ローラ12によって原稿排紙皿14上に排出される。
一方、プラテンガラス13上に置かれた場合の原稿の画像は走査光学系を構成する照明ランプ及び第1ミラーから成る第1ミラーユニット15の速度vによる読み取り動作と、V字状に位置した第2ミラー及び第3ミラーから成る第2ミラーユニット16の同方向への速度v/2による移動によって読み取られる。
読み取られた画像は、投影レンズ17を通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのちA/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フィルタ処理などの処理が施された後、画像データは一旦メモリに記憶される。
画像形成部Cでは、画像形成ユニットとして、像担持体であるドラム状の感光体21と、その外周に、該感光体21を帯電させる帯電手段(帯電工程)22、帯電した感光体の表面電位を検出する電位検出手段220、現像手段(現像工程)23、転写手段(転写工程)である転写搬送ベルト装置45、前記感光体21のクリーニング装置(クリーニング工程)26及び光除電手段(光徐電工程)としてのPCL(プレチャージランプ)27が各々動作順に配置されている。また、現像手段23の下流側には感光体21上に現像されたパッチ像の反射濃度を測定する反射濃度検出手段222が設けられている。感光体21には、本発明に係わる有機感光体を使用し、図示の時計方向に駆動回転される。
回転する感光体21へは帯電手段22による一様帯電がなされた後、像露光手段(像露光工程)30としての露光光学系により画像処理部Bのメモリから呼び出された画像信号に基づいた像露光が行われる。書き込み手段である像露光手段30としての露光光学系は図示しないレーザダイオードを発光光源とし、回転するポリゴンミラー31、fθレンズ34、シリンドリカルレンズ35を経て反射ミラー32により光路が曲げられ主走査がなされるもので、感光体21に対してAoの位置において像露光が行われ、感光体21の回転(副走査)によって静電潜像が形成される。本実施の形態の一例では文字部に対して露光を行い静電潜像を形成する。
本発明の画像形成装置においては、感光体上に静電潜像を形成するに際し、発振波長がN型顔料の吸収波長よりも、長波長の半導体レーザ又は発光ダイオードを像露光光源として用いることを前提としている。これらの像露光光源を用いて、書込みの主査方向のビーム径(ビーム光の直径委)を10〜50μmに絞り込み、有機感光体上にデジタル露光を行うことにより、1200dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数)以上から4800dpiの高解像度の電子写真画像をうることができる。
前記ビーム径とは該ビーム光の強度が最大ピーク強度の1/e2以上の領域の主走査方向にそったビーム光の長さ(Ld:長さが最大位置で測定する)を云う。
用いられるビーム光としては半導体レーザを用いた走査光学系及びLEDの固体スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布及びローレンツ分布等があるがそれぞれの最大ピーク強度の1/e2以上の領域を本発明に係わるビーム径とする。
又、ビーム径の測定でバラルキが見られる場合は、各々、ランダムに20ドットを測定し、その平均値を本発明のビーム径とする。
本願発明の有機感光体上に、上記のようなビーム光を用いて1200dpi以上の画素を形成することにより、1ドットラインの再現性がよくて、高精細なドット画像が達成できる。
感光体21上の静電潜像は現像手段23によって反転現像が行われ、感光体21の表面に可視像のトナー像が形成される。本発明の画像形成方法では、該現像手段に用いられる現像剤には重合トナーを用いることが好ましい。形状や粒度分布が均一な重合トナーを本発明に係わる有機感光体と併用することにより、より鮮鋭性が良好な電子写真画像を得ることができる。
転写紙搬送部Dでは、画像形成ユニットの下方に異なるサイズの転写紙Pが収納された転写紙収納手段としての給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)が設けられ、また側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット42が設けられていて、それらの何れかから選択された転写紙Pは案内ローラ43によって搬送路40に沿って給紙され、給紙される転写紙Pの傾きと偏りの修正を行う対の給紙レジストローラ44によって転写紙Pは一時停止を行ったのち再給紙が行われ、搬送路40、転写前ローラ43a、給紙経路46及び進入ガイド板47に案内され、感光体21上のトナー画像が転写位置Boにおいて転写極24及び分離極25によって転写搬送ベルト装置45の転写搬送ベルト454に載置搬送されながら転写紙Pに転写され、該転写紙Pは感光体21面より分離し、転写搬送ベルト装置45により定着手段50に搬送される。
定着手段50は定着ローラ51と加圧ローラ52とを有しており、転写紙Pを定着ローラ51と加圧ローラ52との間を通過させることにより、加熱、加圧によってトナーを定着させる。トナー画像の定着を終えた転写紙Pは排紙トレイ64上に排出される。
以上は転写紙の片側への画像形成を行う状態を説明したものであるが、両面複写の場合は排紙切換部材170が切り替わり、転写紙案内部177が開放され、転写紙Pは破線矢印の方向に搬送される。
更に、搬送機構178により転写紙Pは下方に搬送され、転写紙反転部179によりスイッチバックさせられ、転写紙Pの後端部は先端部となって両面複写用給紙ユニット130内に搬送される。
転写紙Pは両面複写用給紙ユニット130に設けられた搬送ガイド131を給紙方向に移動し、給紙ローラ132で転写紙Pを再給紙し、転写紙Pを搬送路40に案内する。
再び、上述したように感光体21方向に転写紙Pを搬送し、転写紙Pの裏面にトナー画像を転写し、定着手段50で定着した後、排紙トレイ64に排紙する。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
図2は、本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段(帯電工程)2Y、露光手段(露光工程)3Y、現像手段(現像工程)4Y、一次転写手段(一次転写工程)としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkを中心に、回転する帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、像露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、及び、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段5Y、5M、5C、5Bkより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体ドラム1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、あるいは、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Y(以下、単にクリーニング手段5Y、あるいは、クリーニングブレード5Yという)を配置し、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体ドラム1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体ドラム1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体ドラム1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成されるもの、あるいは、レーザ光学系などが用いられる。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写材Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材等の感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体と云う。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに圧接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに圧接する。
二次転写ローラ5bは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に圧接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、及びクリーニング手段6bとから成る。
次に図3は本発明の有機感光体を用いたカラー画像形成装置(少なくとも有機感光体の周辺に帯電手段、露光手段、複数の現像手段、転写手段、クリーニング手段及び中間転写体を有する複写機あるいはレーザビームプリンタ)の構成断面図である。ベルト状の中間転写体70は中程度の抵抗の弾性体を使用している。
1は像形成体として繰り返し使用される回転ドラム型の感光体であり、矢示の反時計方向に所定の周速度をもって回転駆動される。
感光体1は回転過程で、帯電手段(帯電工程)2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の像露光手段(像露光工程)3により画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビームによる走査露光光等による画像露光を受けることにより目的のカラー画像のイエロー(Y)の色成分像(色情報)に対応した静電潜像が形成される。
次いで、その静電潜像がイエロー(Y)の現像手段:現像工程(イエロー色現像器)4Yにより第1色であるイエロートナーにより現像される。この時第2〜第4の現像手段(マゼンタ色現像器、シアン色現像器、ブラック色現像器)4M、4C、4Bkの各現像器は作動オフになっていて感光体1には作用せず、上記第1色目のイエロートナー画像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
中間転写体70はローラ79a、79b、79c、79d、79eで張架されて時計方向に感光体1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
感光体1上に形成担持された上記第1色目のイエロートナー画像が、感光体1と中間転写体70とのニップ部を通過する過程で、1次転写ローラ5aから中間転写体70に印加される1次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写体70の外周面に順次中間転写(1次転写)されていく。
中間転写体70に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光体1の表面は、クリーニング装置6aにより清掃される。
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のクロ(ブラック)トナー画像が順次中間転写体70上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した重ね合わせカラートナー画像が形成される。
2次転写ローラ5bで、2次転写対向ローラ79bに対応し平行に軸受させて中間転写体70の下面部に離間可能な状態に配設してある。
感光体1から中間転写体70への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための1次転写バイアスはトナーとは逆極性で、バイアス電源から印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜+2kVの範囲である。
感光体1から中間転写体70への第1〜第3色のトナー画像の1次転写工程において、2次転写ローラ5b及び中間転写体クリーニング手段6bは中間転写体70から離間することも可能である。
ベルト状の中間転写体70上に転写された重ね合わせカラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの転写は、2次転写ローラ5bが中間転写体70のベルトに当接されると共に、対の給紙レジストローラ23から転写紙ガイドを通って、中間転写体70のベルトに2次転写ローラ5bとの当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送される。2次転写バイアスがバイアス電源から2次転写ローラ5bに印加される。この2次転写バイアスにより中間転写体70から第2の画像担持体である転写材Pへ重ね合わせカラートナー画像が転写(2次転写)される。トナー画像の転写を受けた転写材Pは定着手段24へ導入され加熱定着される。
本発明の画像形成方法は電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。尚、下記文中「部」とは「質量部」を表す。
評価1
感光体1の作製
下記の様に感光体1を作製した。
円筒形アルミニウム支持体(直径:100mmφ)の表面を切削加工し、十点表面粗さRz=1.5(μm)の導電性支持体を用意した。
〈中間層〉
中間層1
上記導電性支持体上に、下記中間層塗布液を浸漬塗布法で塗布し、120℃30分で乾燥し、乾燥膜厚1.0μmの中間層1を形成した。
下記中間層分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルター公称濾過精度:5ミクロン、圧力;50kPa)し、中間層塗布液を作製した。
(中間層分散液の作製)
バインダー樹脂:(例示ポリアミドN−1) 1部(1.00体積部)
N型半導性粒子:ルチル形酸化チタンA1(一次粒径35nm;メチルハイドロジェンシロキサンとジメチルシロキサンの共重合体(モル比1:1)を用い、酸化チタン全質量の5質量%の量で表面処理したもの) 3.5部(1.0体積部)
エタノール/n−プロピルアルコール/THF(=45/20/30質量比)10部
上記成分を混合し、サンドミル分散機を用い、10時間、バッチ式にて分散して、中間層分散液を作製した。
〈電荷発生層:CGL〉
電荷発生物質(CGM):y−TiOPcと前記CGM1−11(6/4) 24部
ポリビニルブチラール樹脂「エスレックBL−1」(積水化学社製) 8部
2−ブタノン/シクロヘキサノン=4/1(v/v) 300部
上記組成物を混合し、サンドミルを用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
〈電荷輸送層1(CTL1)〉
電荷輸送物質(CTM):前記T2 75部
ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 100部
酸化防止剤(下記化合物AO−1) 2部
THF/トルエン混合液(体積比3/1混合) 700部
シリコンオイル(KF−54:信越化学社製) 0.5部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液1を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上にスライドホッパー法で塗布し、110℃70分の乾燥を行い、乾燥膜厚20.0μmの電荷輸送層1を形成した。
〈電荷輸送層2(CTL2)=保護層〉
上記電荷輸送層塗布液1の組成に、シランカップリング剤で疎水化処理された数平均一次粒径が50nmの疎水性シリカを20部添加分散して、電荷輸送層塗布液2を作製し、前記電荷輸送層1上に、スライドホッパー法で塗布し、110℃70分の乾燥を行い、乾燥膜厚5.0μmの電荷輸送層2を形成し、感光体1を作製した。
感光体1の作製において、y−TiOPcとは、Cu−Kα特性X線によるX線回折スペクトルで最大ピークを示す角度2θが27.3±0.2であるチタニルフタロシアニン顔料)
Figure 0004816361
感光体2〜9の作製
感光体1の作製において、CGMのy−TiOPcと前記CGM1−11の比率を(6/4)から表1に示したように変更し、電荷輸送物質の添加量を表1に示したように変更した以外は感光体1と同様にし、感光体2〜9を作製した。
Figure 0004816361
上記表中、Aはy−TiOPcを表し、BはCGM1−11を表す。
評価1
評価機としてコニカミノルタビジネステクノロジーズ社製デジタル複写機Sitios7085改造機(780nmの半導体レーザを使用、ビーム径30μmで、1200dpiの露光条件に改造した)を用い、該複写機に感光体1〜9を搭載し評価した。評価項目と評価基準を下記に示す。
評価基準
1ドットラインの評価
白地のA4紙に1ドットラインと黒べた画像を作製し、下記の基準で評価した。
◎:1ドットラインが連続して再現されており、黒べたの画像濃度が1.2以上(良好)
○:1ドットラインは連続して再現されているが、黒べたの画像濃度が1.2未満〜1.0以上(実用性に問題なし)
×:1ドットラインが切断されて再現されているか、又は1ドットラインが連続して再現されていても、黒べたの画像濃度が1.0未満(実用性に問題有り)
2ドットラインの評価
べた黒の画像の中に、2ドットラインの白線を作製し、下記の基準で評価した。
◎:2ドットラインの白線が連続して再現されており、黒べたの画像濃度が1.2以上(良好)
○:2ドットラインの白線は連続して再現されているが、黒べたの画像濃度が1.2未満〜1.0以上(実用性に問題なし)
×:2ドットラインの白線が切断されて再現されているか、又は2ドットラインの白線は連続して再現されていても、黒べたの画像濃度が1.0未満(実用性に問題有り)
上記のべた画像濃度は、マクベス社製RD−918を使用して測定。紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定した。
D/μの評価
D/μ測定試料の作製
フッ素ドープの酸化スズをコートした透明導電性ガラス板上前記した感光体1〜9の電荷輸送層1及び2を塗布し、更にその上に、対向電極4として、膜厚1μmの金層を蒸着で形成して、各感光体に対応したD/μ測定試料を作製した。
D/μの測定
D/μの測定は、これらの試料を用いて、文献Phys.Rev.B−1996,4755(分子分散ポリマー中のキャリア拡散(1))記載のTime−of−Flight法で測定し(測定条件:20℃、30V/μmの電界強度)、同文献記載の方法で、μ(cm2/V・sec)とD(cm2/sec)を測定し、D/μ(V)の値を決定した。
結果を表2に示す。
Figure 0004816361
表2から明らかなように、本願発明の有機感光体の構成要件を有する感光体1〜5、8、9等(フタロシアニン顔料と前記ビーム光のピーク波長に対し、吸収を有しないCGM1−11を電荷発生物質に用い、T2の電荷輸送物質を用いた感光体)は、1ドットライン及び2ドットラインの各評価が良好であるのに対し(電荷輸送層のD/μも75以下である)、フタロシアニン顔料のみの電荷発生層で構成された感光体6は1ドットライン及び2ドットラインの各評価がいずれも劣化している。又、ペリレン顔料のみの電荷発生層で構成された感光体7は、レーザ光に対する感度が全く不足しており、1ドットライン及び2ドットラインの各評価がいずれも劣化している。
評価2(電荷発生物質の変更)
感光体10〜12の作製
前記感光体1の作製において、CGMを表3のようにに変更した以外は同様にして感光体10〜12を作製した。又、感光体10〜12に対応したD/μ測定試料も、前記したと同様の構成で作製した。これらの感光体及びD/μ測定試料を用いて、感光体1と同様の評価をした。評価結果を表4に示す。
Figure 0004816361
上記表中、CはCu−Kαの特性X線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2°)において、少なくとも7.4°、16.6°、25.5°、28.3°の位置に特徴的な回折ピークを有するクロルガリウムフタロシアニン顔料を表し、DはCGM2−1を表す。
Figure 0004816361
表4から明らかなように、本願発明の有機感光体の構成要件を有する感光体10〜12(ガリウムフタロシアニン顔料と前記ビーム光のピーク波長に対し、吸収を有しないCGM2−1を電荷発生物質に用い、T2の電荷輸送物質を用いた感光体)は、1ドットライン及び2ドットラインの各評価が良好である。
評価3(電荷輸送物質の変更)
感光体13〜18の作製
前記感光体1の作製において、電荷輸送層1及ぶ2(保護層)の電荷輸送物質の種類と添加量を表5のように変更した以外は同様にして感光体13〜18を作製した。又、感光体13〜18に対応したD/μ測定試料も、前記したと同様の構成で作製した。これらの感光体及びD/μ測定試料を用いて、感光体1と同様の評価をした。評価結果を表6に示す。
Figure 0004816361
表5中、TR−1及びTR−2は下記電荷輸送物質を示す。
Figure 0004816361
Figure 0004816361
表6から明らかなように、本願発明の有機感光体の構成要件を有する感光体13〜16等(フタロシアニン顔料と前記ビーム光のピーク波長に対し、吸収を有しないCGM1−11を電荷発生物質に用い、T3又はT4の電荷輸送物質を用いた感光体)は、1ドットライン及び2ドットラインの各評価が良好であるのに対し(電荷輸送層のD/μも75以下である)、電荷輸送物質に本発明外のTR−1又はTR−2を用いた感光体17、18は、D/μ値も高く、1ドットライン及び2ドットラインの各評価がいずれも劣化している。
評価4(2400dpiでの評価)
感光体1を用いて、評価1で行った評価条件のビーム径を30nmから15nmに変更し、2400dpiの露光を行った。
その結果、1ドットライン及び2ドットラインの再現性も良好であり、十分な画像濃度が得られた。
本発明の画像形成装置の機能が組み込まれた概略図である。 本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。 本発明の有機感光体を用いたカラー画像形成装置の構成断面図である。
符号の説明
1 画像形成装置
21 感光体
22 帯電手段
23 現像手段
24 転写極
25 分離極
26 クリーニング装置
30 露光光学系
45 転写搬送ベルト装置
50 定着手段
250 分離爪ユニット

Claims (2)

  1. 有機感光体への書き込み手段がレーザ又は発光ダイオードのビーム光を用いており、該書き込み手段の解像度が1200dpi以上である電子写真方式を用いた画像形成方法において、該ビーム光を、導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有し、電荷発生層が、電荷発生物質として、フタロシアニン顔料と前記ビーム光のピーク波長に対し、吸収を有しないN型顔料を含有し、前記電荷輸送層が、下記一般式(1)で表される電荷輸送物質を含有する有機感光体上に照射して、静電潜像を形成することを特徴とする画像形成方法。
    Figure 0004816361
    〔一般式(1)中、R及びRは各々水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、n及びmは0〜4の整数を示す。〕
  2. 有機感光体への書き込み手段がレーザ又は発光ダイオードのビーム光を用いており、該書き込み手段の解像度が1200dpi以上である電子写真方式を用いた画像形成装置において、前記有機感光体が、導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有し、電荷発生層が、電荷発生物質として、フタロシアニン顔料と前記ビーム光のピーク波長に対し、吸収を有しないN型顔料を含有し、前記電荷輸送層が、下記一般式(1)で表される電荷輸送物質を含有する有機感光体上に照射して、静電潜像を形成することを特徴とする画像形成装置。
    Figure 0004816361
    〔一般式(1)中、R 及びR は各々水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、n及びmは0〜4の整数を示す。〕
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