JP2012093480A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、電荷発生層をPN接合の二層で構成した有機感光体を用いて、有機感光体の繰り返し使用時の高帯電電位での電位安定性やカブリの発生の防止、高感度の安定した維持ができる画像形成方法及び画像形成装置を提供することである。
【解決手段】有機感光体の周辺に、少なくとも帯電手段、像露光手段、現像手段、転写手段及び光除電手段を有し、繰り返し画像形成を行う画像形成方法において、該有機感光体が、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層が順次積層されており、該電荷発生層がN型の電荷発生顔料を含有する第一電荷発生層とP型の電荷発生顔料を含有する第二電荷発生層を積層した構造を有し、且つ、前記像露光手段の像露光に対し、第二電荷発生層は感度を有するが、第一電荷発生層は感度を有さず、前記光除電手段の光除電光に対しては第一電荷発生層及び第二電荷発生層共に感度を有することを特徴とする画像形成方法。
【選択図】図1

Description

本願発明は複写機やプリンター等に用いられる画像形成方法及び画像形成装置に関するものである。
電子写真感光体はセレン系感光体、アモルファスシリコン感光体のような無機感光体に比して素材の選択の幅が広いこと、環境適性に優れていること、生産コストが安いこと等の大きなメリットがあり、近年無機感光体に代わって有機感光体の主流となっている。
一方、近年の電子写真方式の画像形成方法は、パソコンのハードコピー用のプリンターとして、また通常の複写機においても画像処理の容易さや複合機への展開の容易さから、LEDやレーザを像露光光源とするデジタル方式の画像形成方式が急激に浸透してきた。更に、デジタル画像の精細化を進めて、高画質の電子写真画像を作製する技術が開発されている。例えば、スポット面積の小さいレーザ光で像露光を行い、ドット潜像の密度を上げて、高精細の潜像を形成し、該潜像を小粒径トナーで現像し、高画質の電子写真画像を作製する技術が公開されている(特許文献1)。
高画質化を達成する為に、有機感光体に対し、単位膜厚当たりの電界強度を高め、膜厚を厚くしなくても、帯電電位を高める技術が要求されている。
このような単位膜厚当たりの電界強度を高める技術の達成の為には、有機感光体を構成する中間層、電荷発生層、電荷輸送層のそれぞれで、技術開発が進められている。例えば、中間層では、導電性支持体からの電荷の注入を効果的に防止する技術であり、電荷輸送層では、電荷輸送物質と相溶性が高く、しかも絶縁性の高いバインダー樹脂の開発が求められている。
このような電界強度を高める技術の開発の中で、電荷発生層では、像露光で発生した電荷キャリアを中間層及び電荷輸送層へ電子或いは正孔の電荷キャリアをスムーズに受け渡す機能が求められる。
しかしながら、連続した多数枚の画像形成においては、電荷発生層での電荷キャリアの1回毎の電荷キャリアの消去が不十分となり、電荷発生層の中での電荷の蓄積が進み、残留電位が高く成りやすい。特に、中間層、電荷輸送層の単位膜厚当たりの電界強度が高くなることにより、残留電位が高くなったり、カブリが発生しやすくなる。
上記のような電荷発生層での問題を解決する方法として、電荷発生層をN型顔料の電荷発生層とその上にP型顔料の電荷発生層の2層で構成する技術が公開されている(特許文献2)。
しかしながら、上記特許文献2で示された技術は、PN接合の電荷発生層の感光体の構成のみであり、感光体の構成のみでは、感光体の単位膜厚当たりの電界強度を高めた場合の電位安定性や残留電位の増大やカブリの発生の問題を解決し得ないことが明らかに成った。
特開2001−255685号公報 特開2004−354575号公報
本発明の目的は、上記の問題点を解決することにあり、高感度特性を有するチタニルフタロシアニン顔料等を電荷発生物質として用いた有機感光体の単位膜厚当たりの電界強度を強くするために、感光体に高帯電電位を付与しても、感光体の電位安定性が保たれ、カブリの発生が防止でき、高感度のレスポンスが得られ、繰り返し使用しても、安定して良好な電子写真画像を得ることができる画像形成方法及び画像形成装置を提供することであり、更に詳しくは、電荷発生層をPN接合の二層で構成した有機感光体を用いて、有機感光体の繰り返し使用時の高帯電電位での電位安定性やカブリの発生の防止、高感度の安定した維持ができ、その結果、良好な電子写真画像を得ることができる画像形成方法及び画像形成装置を提供することである。
我々は上記問題点について検討を重ねた結果、即ち、有機感光体の電荷発生層を二層で構成すると同時に、該電荷発生層の二層の構成を生かすためには、該二層をPN接合とすると同時に、下層の電荷発生層には、上層の電荷発生層で発生した像露光による電荷キャリアを、下層の電荷発生層には、上層で発生した電子キャリアのスムーズな受け渡しをする機能に、機能分離した使い方をすることが必要であることを見出し、本願発明を完成した。
即ち、本発明の目的は以下のような構成を持つことにより達成される。
1.有機感光体の周辺に、少なくとも帯電手段、像露光手段、現像手段、転写手段及び光除電手段を有し、繰り返し画像形成を行う画像形成方法において、該有機感光体が、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層が順次積層されており、該電荷発生層がN型の電荷発生顔料を含有する第一電荷発生層とP型の電荷発生顔料を含有する第二電荷発生層を積層した構造を有し、且つ、前記像露光手段の像露光に対し、第二電荷発生層は感度を有するが、第一電荷発生層は感度を有さず、前記光除電手段の光除電光に対しては第一電荷発生層及び第二電荷発生層共に感度を有することを特徴とする画像形成方法。
2.前記P型の電荷発生顔料がチタニルフタロシアニンと(2R、3R)−2,3−ブタンジオール及び/又は(2S、3S)−2,3−ブタンジオールとの付加体を含有する顔料であることを特徴とする前記1記載の画像形成方法。
3.前記導電性支持体と電荷発生層の間に中間層を有し、該中間層は、N型無機酸化物粒子を含有することを特徴とする前記1又は2に記載の画像形成方法。
4.前記N型無機酸化物粒子が酸化チタンである前記3に記載の画像形成方法。
5.有機感光体の周辺に、少なくとも帯電手段、像露光手段、現像手段、転写手段及び光除電手段を有し、繰り返し画像形成を行う画像形成装置において、該有機感光体が、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層が順次積層されており、該電荷発生層がN型の電荷発生顔料を含有する第一電荷発生層とP型の電荷発生顔料を含有する第二電荷発生層を積層した構造を有し、且つ、前記像露光手段の像露光に対し、第二電荷発生層は感度を有するが、第一電荷発生層は感度を有さず、前記光除電手段の光除電光に対しては第一電荷発生層及び第二電荷発生層共に感度を有することを特徴とする画像形成装置。
本願発明の画像形成方法を採用することにより、有機感光体に高い帯電電位を付与でき、現像時に広い感光体電位のダイナミックレンジが得られ、カブリの発生がない良好な電子写真画像が得られる。
本発明の画像形成装置の機能が組み込まれた概略図である。 本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。 本発明の有機感光体を用いたカラー画像形成装置の構成断面図である。 白色LEDの分光スペクトルの図である。
本願発明の画像形成方法は、有機感光体の周辺に、少なくとも帯電手段、像露光手段、現像手段、転写手段及び光除電手段を有し、繰り返し画像形成を行う画像形成方法において、該有機感光体が、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層を順次積層されており、該電荷発生層がN型の電荷発生顔料を含有する第一電荷発生層とP型の電荷発生顔料を含有する第二電荷発生層を積層した構造を有し、且つ、像露光光に対し、第二電荷発生層は感度を有するが、第一電荷発生層は感度を有さず、光除電光に対しては第一電荷発生層及び第二電荷発生層共に感度を有することを特徴とする。
本願発明の画像形成方法を採用することにより、有機感光体に高い帯電電位を付与でき、現像時に広い感光体電位のダイナミックレンジが得られ、カブリの発生がない良好な電子写真画像が得られる。
以下、本願発明について、詳細に説明する。
先ず、本願発明に用いられる有機感光体について、記載する。
本願発明に係わる有機感光体は、電荷発生層がN型の電荷発生顔料を含有する第一電荷発生層とP型の電荷発生顔料を含有する第二電荷発生層を積層した構造を有する。
該PN接合を有するダブルの電荷発生層を構成することにより、一方には電荷発生の機能を、もう一方には、電子キャリアの搬送の機能を持たせて、高帯電電位での繰り返し使用時の感度や電位安定性を高める機能を付与できる。そして、この機能分離の構造を生かすため、像露光には第二電荷発生層のみが関与できるような画像形成方法を採用することが必要である。
ここで、本発明のN型顔料とP型顔料の判別方法について説明する。
導電性支持体上に膜厚10μmの電荷発生層(バインダー中に顔料を50質量%分散させた分散液と用いて電荷発生層を形成する)を形成する。該電荷発生層に負極性に帯電させて、光減衰特性を評価する。又、正極性に帯電させて同様に光減衰特性を評価する。
N型顔料とは、上記評価で、負極性に帯電させた時の光減衰が正極性に帯電させた時の光減衰よりも大きい顔料である。
P型顔料とは、上記評価で、正極性に帯電させた時の光減衰が負極性に帯電させた時の光減衰よりも大きい顔料である。
第一の電荷発生層に用いられるN型の電荷発生物質には、公知のN型顔料が用いられる。このような顔料としては、多環キノン顔料、ペリレン系顔料、ピランスロン系顔料、ハロゲン原子等の置換基を有するアゾ顔料等の公知の有機顔料を挙げることができる。
一方、第二の電荷発生層に用いられるP型の電荷発生物質には、像露光に対し、高感度特性を示すP型の顔料が好ましい。このような顔料としては、フタロシアニン系顔料が好ましい。
フタロシアニン系顔料としては、金属フタロシアニン顔料、無金属フタロシアニン系顔料等、多くのフタロシアニン顔料が挙げられるが、中でも、チタニルフタロシアニン顔料が好ましく、更に、Y型フタロシアニン等のフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線の回折角度:ブラッグ角2θで、27.3°に最大なピークを有するチタニルフタロシアニン顔料)やチタニルフタロシアニンと(2R、3R)−2,3−ブタンジオール及び/又は(2S、3S)−2,3−ブタンジオールとの付加体を含有する顔料が好ましく、最も好ましくは、感度や帯電安定性で温湿度依存性が小さいチタニルフタロシアニンと(2R、3R)−2,3−ブタンジオール及び/又は(2S、3S)−2,3−ブタンジオールとの付加体を含有する顔料である。
〔2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンの作製方法〕
2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニン、例えば、チタニルフタロシアニンと(2R,3R)−2,3−ブタンジオール又は(2S,3S)−2,3−ブタンジオールの少なくともいずれかとの付加体は、チタニルフタロシアニンと(2R,3R)−2,3−ブタンジオール又は(2S,3S)−2,3−ブタンジオール(以後、ブタンジオール化合物ということがある)とを各種溶媒中で室温あるいは加熱下で反応させことで合成することができる。原料であるチタニルフタロシアニンは、フタロニトリルと四塩化チタンから得る合成法、ジイミノイソインドリンとアルコキシチタンから得る合成法、フタロニトリルと尿素とアルコキシチタンから得る合成法等通常知られている何れの合成法も用いることが出来るが、特にはジイミノイソインドリンとアルコキシチタンから得られる塩素含有量の少ない高純度なチタニルフタロシアニンが好ましい。またチタニルフタロシアニンはアシッドペースト処理等の方法により無定形化してからブタンジオール化合物と反応させるものが好ましい。無定型チタニルフタロシアニンとブタンジオール化合物との付加反応には、通常5〜30倍の溶媒が使用される。溶媒には特に制限はなくクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、アニソール、クロロナフタレン、キノリンなどの芳香族溶媒からメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジグライムなどのエーテル系溶媒、さらにはジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒、その他ハロゲン系溶媒、エステル系溶媒など多数を挙げることができる。
チタニルフタロシアニンとブタンジオール化合物との反応は下記に示すが、広範囲な温度条件下で行うことができ、反応温度は25〜300℃の範囲が好ましく、BET比表面積が20m/g以上の顔料を合成するためには、30〜100℃の範囲であることがより好ましい。
Figure 2012093480
ブタンジオール化合物はチタニルフタロシアニン1モルに対して通常0.2〜2.0モルの割合で添加される。等モルの付加体であるためには、ジオール化合物を前記割合で1.0モル以上使用することが必要である。ジオール化合物を前記割合で1.0モル以下の添加量の場合には、得られた付加体はチタニルフタロシアニンとの混晶となる。
〔P型顔料及びN型顔料の分散〕
本願発明に係わるP型顔料及びN型顔料を用いて、第一及び第二の電荷発生層等の分散液を作るには、これらの顔料を溶媒中で分散する。溶媒としては特に制限はなくメチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジグライムなどのエーテル系溶媒、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブタノールなどのアルコール系溶媒、その酢酸エチル、酢酸t−ブチルなどのエステル系溶媒、トルエン、クロロベンゼンなどの芳香属溶媒、ジクロロエタン、トリクロロエタンなどのハロゲン系溶媒など多数を挙げることが出来る。
分散液中にはバインダーを添加することが出来る。バインダーとしては使用する溶媒に溶解する範囲で広く選ぶことが出来る。例えばポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステルおよびこれらのコポリマーなど多数に上る。バインダーと顔料の比率は特に制限はないが通常1/10から10/1である。バインダーが少ないと分散液が不安定になり、多すぎると電気抵抗が高くなって電子写真感光体にしたとき繰り返しで残留電位が上昇するなどの欠点が起きやすい。
第一電荷発生層及び第二電荷発生層の各電荷発生層に含有されるN型又はP型顔料はそれぞれ、複数のN型顔料、あるいはP型顔料を併用して用いることができる。
電荷発生層の膜厚は、第一及び第二共0.05μm〜2μmが好ましい。
次に、電荷発生層以外の本願発明に係わる有機感光体の構成について記載する。
本発明において、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機電子写真感光体を全て含有する。
上記有機感光体の構成は、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層を順次積層される。又、導電性支持体と電荷発生層の間には必要により中間層を設けてもよい。又、必要に応じ、電荷輸送層の上に保護層を設けてもよい。
(導電性支持体)
本発明の感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状或いは円筒状の導電性支持体が用いられる。
本発明の円筒状の導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
導電性支持体の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗10Ω・cm以下が好ましい。
本発明で用いられる導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
(中間層)
本発明においては導電性支持体と第一電荷発生層の間に、バリヤー機能を備えた中間層を設けることが好ましい。
又、本発明の電子写真感光体は、第一電荷発生層のN型顔料、第二電荷発生層のP型顔料の電荷発生物質を含有すると共に、導電性支持体上にN型無機酸化物粒子を含有する中間層を設けることが好ましい。このような電荷発生層と中間層を併用することにより、帯電時間や露光工程から現像工程迄の感光体の移動時間が短い高速の画像形成プロセスで用いた時、発生しやすい帯電電位の不安定さを解消し、高速プロセスでのカブリの発生、残留電位の上昇、画像濃度の低下を防止し、同時に周期性の画像欠陥の発生を防止した、鮮鋭性が良好な電子写真画像を得ることができる。
ここで、N型無機酸化物粒子とは、主たる導電性キャリアを電子とする性質をもつ微粒子を示す。すなわち、導電性キャリアを電子とする性質とは、該N型無機酸化物粒子を絶縁性バインダーに含有させることにより、基体からのホール注入を効率的にブロックし、また、感光層からの電子に対してはブロッキング性を示さない性質を有するものをいう。
ここで、N型無機酸化物粒子の判別方法について説明する。
導電性支持体上に膜厚5μmの中間層(中間層を構成するバインダー樹脂中に粒子を50質量%分散させた分散液を用いて中間層を形成する)を形成する。該中間層に負極性に帯電させて、光減衰特性を評価する。又、正極性に帯電させて同様に光減衰特性を評価する。
N型無機酸化物粒子とは、上記評価で、負極性に帯電させた時の光減衰が正極性に帯電させた時の光減衰よりも大きい場合に、中間層に分散された粒子をN型無機酸化物粒子という。
前記N型無機酸化物粒子は、具体的には酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等の微粒子が挙げられるが、本発明では、特に酸化チタンが好ましく用いられる。
本発明に用いられるN型無機酸化物粒子の平均粒径は、数平均一次粒径において10nm以上500nm以下の範囲のものが好ましく、より好ましくは10nm〜200nm、特に好ましくは、15nm〜50nmである。
数平均一次粒径の値が前記範囲内にあるN型無機酸化物粒子を用いた中間層は層内での分散を緻密なものとすることができ、十分な電位安定性、及び黒ポチ発生防止機能を有する。
前記N型無機酸化物粒子の数平均一次粒径は、例えば酸化チタンの場合、透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によりフェレ径の数平均径として測定される。
本発明に用いられるN型無機酸化物粒子の形状は、樹枝状、針状および粒状等の形状があり、このような形状のN型無機酸化物粒子は、例えば酸化チタン粒子では、結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型及びアモルファス型等があるが、いずれの結晶型のものを用いてもよく、また2種以上の結晶型を混合して用いてもよい。その中でもルチル型のものが最も良い。
N型無機酸化物粒子に行われる疎水化表面処理の1つは、複数回の表面処理を行い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物による表面処理を行うものである。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理であり、最後に反応性有機ケイ素化合物の表面処理を行うことが好ましい。
尚、アルミナ処理、シリカ処理、ジルコニア処理とはN型無機酸化物粒子表面にアルミナ、シリカ、或いはジルコニアを析出させる処理を云い、これらの表面に析出したアルミナ、シリカ、ジルコニアにはアルミナ、シリカ、ジルコニアの水和物も含まれる。又、反応性有機ケイ素化合物の表面処理とは、処理液に反応性有機ケイ素化合物を用いることを意味する。
この様に、酸化チタン粒子の様なN型無機酸化物粒子の表面処理を少なくとも2回以上行うことにより、N型無機酸化物粒子表面が均一に表面被覆(処理)され、該表面処理されたN型無機酸化物粒子を中間層に用いると、中間層内における酸化チタン粒子等のN型無機酸化物粒子の分散性が良好で、かつ黒ポチ等の画像欠陥を発生させない良好な感光体を得ることができるのである。
又、本発明に用いられる中間層は前記半導性粒子をバインダー樹脂中に分散し中間層を形成することが好ましい。該中間層のバインダー樹脂としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら下引き樹脂の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さくできる樹脂としてはポリアミド樹脂が好ましい。又、前記半導性粒子の平均粒径は0.01〜1μmが好ましい。このような中間層の膜厚は、0.5〜20μmが好ましい。
本発明に用いられる酸化チタン粒子の形状は、樹枝状、針状および粒状等の形状があり、このような形状の酸化チタン粒子は、例えば酸化チタン粒子では、結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型及びアモルファス型等があるが、いずれの結晶型のものを用いてもよく、また2種以上の結晶型を混合して用いてもよい。その中でもルチル型で且つ粒状のものが最も良い。
本発明の酸化チタン粒子は表面処理されていることが好ましく、表面処理の1つは、複数回の表面処理を行い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理を行うものである。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理を行い、最後に反応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理を行うことが好ましい。
尚、アルミナ処理、シリカ処理、ジルコニア処理とは酸化チタン粒子表面にアルミナ、シリカ、或いはジルコニアを析出させる処理を云い、これらの表面に析出したアルミナ、シリカ、ジルコニアにはアルミナ、シリカ、ジルコニアの水和物も含まれる。又、反応性有機ケイ素化合物の表面処理とは、処理液に反応性有機ケイ素化合物を用いることを意味する。
この様に、酸化チタン粒子の様な酸化チタン粒子の表面処理を少なくとも2回以上行うことにより、酸化チタン粒子表面が均一に表面被覆(処理)され、該表面処理された酸化チタン粒子を中間層に用いると、中間層内における酸化チタン粒子等の酸化チタン粒子の分散性が良好で、かつ黒ポチ等の画像欠陥を発生させない良好な感光体を得ることができるのである。
上記反応性有機ケイ素化合物としては下記一般式(1)で表される化合物が挙げられるが、酸化チタン表面の水酸基等の反応性基と縮合反応をする化合物であれば、下記化合物に限定されない。
一般式(1)
(R)−Si−(X)4−n
(式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xは加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
一般式(1)で表される有機ケイ素化合物において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフルオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。また、Xの加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。
また、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用しても良い。
また、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の場合、複数のXは同一でも異なっていても良い。又、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用いるとき、R及びXはそれぞれの化合物間で同一でも良く、異なっていても良い。
又、表面処理に用いる好ましい反応性有機ケイ素化合物としてはポリシロキサン化合物が挙げられる。該ポリシロキサン化合物の分子量は1000〜20000のものが一般に入手しやすく、又、黒ポチ発生防止機能も良好である。
特にメチルハイドロジェンポリシロキサンを最後の表面処理に用いると良好な効果が得られる。
(電荷輸送層)
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
電荷輸送物質(CTM)としては公知の電荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。
電荷輸送層(CTL)に用いられるバインダー樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれの樹脂かを問わない。例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。これらの中で吸水率が小さく、CTMの分散性、電子写真特性が良好なポリカーボネート樹脂が最も好ましい。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し10〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の膜厚は10〜40μmが好ましい。
電荷輸送層の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
次に電子写真感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお保護層は前記円形量規制型塗布加工方法を用いるのが最も好ましい。前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
次に、本願発明の実施に係わる画像形成装置について記載する。
図1に示す画像形成装置1は、デジタル方式による画像形成装置であって、画像読取り部A、画像処理部B、画像形成部C、転写紙搬送手段としての転写紙搬送部Dから構成されている。
画像読取り部Aの上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台11上に載置された原稿は原稿搬送ローラ12によって1枚宛分離搬送され読み取り位置13aにて画像の読み取りが行われる。原稿読み取りが終了した原稿は原稿搬送ローラ12によって原稿排紙皿14上に排出される。
一方、プラテンガラス13上に置かれた場合の原稿の画像は走査光学系を構成する照明ランプ及び第1ミラーから成る第1ミラーユニット15の速度vによる読み取り動作と、V字状に位置した第2ミラー及び第3ミラーから成る第2ミラーユニット16の同方向への速度v/2による移動によって読み取られる。
読み取られた画像は、投影レンズ17を通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのちA/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フィルタ処理などの処理が施された後、画像データは一旦メモリに記憶される。
画像形成部Cでは、画像形成ユニットとして、像担持体であるドラム状の感光体21と、その外周に、該感光体21を帯電させる帯電手段(帯電工程)22、帯電した感光体の表面電位を検出する電位検出手段220、現像手段(現像工程)23、転写手段(転写工程)である転写搬送ベルト装置45、前記感光体21のクリーニング装置(クリーニング工程)26及び光除電手段(光除電工程)としてのPCL(プレチャージランプ)27が各々動作順に配置されている。また、現像手段23の下流側には感光体21上に現像されたパッチ像の反射濃度を測定する反射濃度検出手段222が設けられている。感光体21には、本発明に係わる有機感光体を使用し、図示の時計方向に駆動回転される。
回転する感光体21へは帯電手段22による一様帯電がなされた後、像露光手段(像露光工程)30としての露光光学系により画像処理部Bのメモリから呼び出された画像信号に基づいた像露光が行われる。書き込み手段である像露光手段30としての露光光学系は図示しないレーザダイオードを発光光源とし、回転するポリゴンミラー31、fθレンズ34、シリンドリカルレンズ35を経て反射ミラー32により光路が曲げられ主走査がなされるもので、感光体21に対してAoの位置において像露光が行われ、感光体21の回転(副走査)によって静電潜像が形成される。本実施の形態の一例では文字部に対して露光を行い静電潜像を形成する。
本発明の画像形成装置においては、感光体上に静電潜像を形成するに際し、像露光手段の像露光光に対して、第二電荷発生層は感度を有するが、第一電荷発生層は感度を有さない。即ち、潜像形成の源泉は第二電荷発生層のみを利用する。像露光光源としては、半導体レーザ又は発光ダイオードが好ましい。これらの像露光光源を用いて、書込みの主査方向の露光ドット径を10〜100μmに絞り込み、有機感光体上にデジタル露光を行うことにより、400dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数)以上から2500dpiの高解像度の電子写真画像をうることができる。
前記露光ドット径とは該露光ビームの強度がピーク強度の1/e以上の領域の主走査方向にそった露光ビームの長さ(Ld:長さが最大位置で測定する)を云う。
用いられる光ビームとしては半導体レーザを用いた走査光学系及びLEDの固体スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布及びローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/e以上の領域を本発明に係わる露光ドット径とする。
感光体21上の静電潜像は現像手段23によって反転現像が行われ、感光体21の表面に可視像のトナー像が形成される。本発明の画像形成方法では、該現像手段に酸化防止剤を含有するトナーを用いられる現像剤が用いられる。
転写紙搬送部Dでは、画像形成ユニットの下方に異なるサイズの転写紙Pが収納された転写紙収納手段としての給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)が設けられ、また側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット42が設けられていて、それらの何れかから選択された転写紙Pは案内ローラ43によって搬送路40に沿って給紙され、給紙される転写紙Pの傾きと偏りの修正を行う対の給紙レジストローラ44によって転写紙Pは一時停止を行ったのち再給紙が行われ、搬送路40、転写前ローラ43a、給紙経路46及び進入ガイド板47に案内され、感光体21上のトナー画像が転写位置Boにおいて転写極24及び分離極25、爪分離手段250等によって、転写紙P上に転写され、該転写紙Pも感光体から分離され、その後、転写紙Pは転写搬送ベルト装置45の転写搬送ベルト454に載置搬送され、転写搬送ベルト装置45により定着手段50に搬送される。
定着手段50は定着ローラ51と加圧ローラ52とを有しており、転写紙Pを定着ローラ51と加圧ローラ52との間を通過させることにより、加熱、加圧によってトナーを定着させる。トナー画像の定着を終えた転写紙Pは排紙トレイ64上に排出される。
光除電手段(光除電工程)としてのPCL(プレチャージランプ)27の除電光としては、第一電荷発生層のN型顔料及び第二電荷発生層のP型顔料のいずれにも吸収される除電光が好ましい。即ち、第一電荷発生層の短波長感度から第二電荷発生層の長波長感度のいずれの波長成分を有する除電光が好ましい。このような除電光としては、青、緑、赤の波長成分を有する白色LED(発光ダイオード)や白色蛍光灯等を用いた除電光が好ましい。
以上は転写紙の片側への画像形成を行う状態を説明したものであるが、両面複写の場合は排紙切換部材170が切り替わり、転写紙案内部177が開放され、転写紙Pは破線矢印の方向に搬送される。
更に、搬送機構178により転写紙Pは下方に搬送され、転写紙反転部179によりスイッチバックさせられ、転写紙Pの後端部は先端部となって両面複写用給紙ユニット130内に搬送される。
転写紙Pは両面複写用給紙ユニット130に設けられた搬送ガイド131を給紙方向に移動し、給紙ローラ132で転写紙Pを再給紙し、転写紙Pを搬送路40に案内する。
再び、上述したように感光体21方向に転写紙Pを搬送し、転写紙Pの裏面にトナー画像を転写し、定着手段50で定着した後、排紙トレイ64に排紙する。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
図2は、本願発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段(帯電工程)2Y、露光手段(露光工程)3Y、現像手段(現像工程)4Y、一次転写手段(一次転写工程)としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkを中心に、回転する帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、像露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、及び、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段6Y、6M、6C、6Bkより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体ドラム1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、あるいは、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段6Y(以下、単にクリーニング手段6Y、あるいは、クリーニングブレード6Yという)を配置し、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体ドラム1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段6Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体ドラム1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体ドラム1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成されるもの、あるいは、レーザ光学系などが用いられる。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として一体に結合して構成し、この画像形成ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写材Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材等の感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体と云う。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに当接する。
二次転写ローラ5bは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、及びクリーニング手段6bとから成る。
次に図3は本願発明の他の一実施形態を示すカラー画像形成装置(少なくとも有機感光体の周辺に帯電手段、露光手段、複数の現像手段、転写手段、クリーニング手段及び中間転写体を有する複写機あるいはレーザビームプリンタ)の構成断面図である。ベルト状の中間転写体70は中程度の抵抗の弾性体を使用している。
1は像形成体として繰り返し使用される回転ドラム型の感光体であり、矢示の反時計方向に所定の周速度をもって回転駆動される。
感光体1は回転過程で、帯電手段(帯電工程)2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の像露光手段(像露光工程)3により画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビームによる走査露光光等による画像露光を受けることにより目的のカラー画像のイエロー(Y)の色成分像(色情報)に対応した静電潜像が形成される。
次いで、その静電潜像がイエロー(Y)の現像手段:現像工程(イエロー色現像器)4Yにより第1色であるイエロートナーにより現像される。この時第2〜第4の現像手段(マゼンタ色現像器、シアン色現像器、ブラック色現像器)4M、4C、4Bkの各現像器は作動オフになっていて感光体1には作用せず、上記第1色目のイエロートナー画像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
中間転写体70はローラ79a、79b、79c、79d、79eで張架されて時計方向に感光体1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
感光体1上に形成担持された上記第1色目のイエロートナー画像が、感光体1と中間転写体70とのニップ部を通過する過程で、1次転写ローラ5aから中間転写体70に印加される1次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写体70の外周面に順次中間転写(1次転写)されていく。
中間転写体70に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光体1の表面は、クリーニング装置6aにより清掃される。
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のクロ(ブラック)トナー画像が順次中間転写体70上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した重ね合わせカラートナー画像が形成される。
2次転写ローラ5bで、2次転写対向ローラ79bに対応し平行に軸受させて中間転写体70の下面部に離間可能な状態に配設してある。
感光体1から中間転写体70への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための1次転写バイアスはトナーとは逆極性で、バイアス電源から印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜+2kVの範囲である。
感光体1から中間転写体70への第1〜第3色のトナー画像の1次転写工程において、2次転写ローラ5b及び中間転写体クリーニング手段6bは中間転写体70から離間することも可能である。
ベルト状の中間転写体70上に転写された重ね合わせカラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの転写は、2次転写ローラ5bが中間転写体70のベルトに当接されると共に、対の給紙レジストローラ23から転写紙ガイドを通って、中間転写体70のベルトに2次転写ローラ5bとの当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送される。2次転写バイアスがバイアス電源から2次転写ローラ5bに印加される。この2次転写バイアスにより中間転写体70から第2の画像担持体である転写材Pへ重ね合わせカラートナー画像が転写(2次転写)される。トナー画像の転写を受けた転写材Pは定着手段24へ導入され加熱定着される。
本発明の画像形成装置は電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。尚、下記文中「部」とは「質量部」を表す。
(感光体1の作製)
下記の様に感光体1を作製した。
円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、表面粗さRz=1.5(μm)の導電性支持体を用意した。
〈中間層〉
下記組成の中間層塗布液を作製した。
ポリアミド樹脂X1010(ダイセルデグサ株式会社製) 1部
N型無機酸化物粒子シリカ・アルミナ処理及びメチルハイドロジェンポリシロキサン処理の表面処理をした酸化チタン(数平均粒径35nm) 1.1部
エタノール 20部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行った。
上記塗布液を用いて前記支持体上に、110℃で20分乾燥後の膜厚2μmとなるよう浸漬塗布法で塗布した。
〈第一電荷発生層〉
電荷発生物質:下記例示化合物N1(N型顔料) 30部
ポリビニルブチラール樹脂(BX−1:積水化学社製) 10部
メチルエチルケトン 700部
シクロヘキサノン 300部
を混合し、サンドミルを用いて15時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.1μmの第一電荷発生層を形成した。
〈第二電荷発生層〉
電荷発生物質:(2R,3R)−2,3−ブタンジオールを付加したチタニルフタロシアニン顔料とチタニルフタロシアニン顔料の混晶P2(P型顔料) 20部
ポリビニルブチラール樹脂(BL−S:積水化学社製) 10部
メチルエチルケトン 700部
シクロヘキサノン 300部
を混合し、サンドミルを用いて15時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記第一電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.4μmの第二電荷発生層を形成した。
〈電荷輸送層〉
電荷輸送物質:下記化合物A 150部
バインダー:ポリカーボネート(Z300:三菱瓦斯化学社製) 300部
酸化防止剤(Irganox1010:BASFジャパン社製) 6部
トルエン/テトラヒドロフラン=1/9体積% 2000部
シリコンオイル(KF−96:信越化学社製) 1部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法を用いて、110℃で60分乾燥後膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、感光体1を作製した。
Figure 2012093480
感光体2〜19の作製
感光体1の作製において、中間層中の無機粒子、第一電荷発生層、第二電荷発生層中のN型顔料とP型顔料の種類、膜厚を表1のように変化させた以外は感光体1と同様にして感光体2〜19を作製した。
Figure 2012093480
表1中の「なし」は対応する層(中間層や各電荷発生層)が存在しないことを意味する。
表1中の感光体19で、(P1とN3の混合)は、混合比率が質量比で1:1である。
表1中、の各記号は下記の物質を示す。
H:シリカ・アルミナ処理及びメチルハイドロジェンポリシロキサン処理の表面処理をした酸化チタン(数平均粒径35nm)のN型無機酸化物粒子
I:シリカ・アルミナ処理及びオクチルトリメトキシシラン処理の表面処理をした酸化チタン(数平均粒径35nm)のN型無機酸化物粒子
J:シリカ・ジルコニア処理及びメチルトリメトキシシラン処理の表面処理をした酸化チタン(数平均粒径35nm)のN型無機酸化物粒子
K:シリカ・アルミナ処理及びオクチルトリメトキシシラン処理の表面処理をした酸化亜鉛(数平均粒径180nm)のN型無機酸化物粒子
P1:Cu−Kα特性X線の回折角度:ブラッグ角2θで、27.3°に最大なピークを有するチタニルフタロシアニン顔料
P2:(2R,3R)−2,3−ブタンジオールを付加したチタニルフタロシアニン顔料とチタニルフタロシアニン顔料の混晶
P3:(2S,3S)−2,3−ブタンジオールを付加したチタニルフタロシアニン顔料とチタニルフタロシアニン顔料の混晶
N1、N2、N3、N4、N5は下記の化合物を表す。
尚、N2は(1)と(2)の混合物であり、N3のnは3〜5の混合物である。
Figure 2012093480
Figure 2012093480
N3の合成例(n=3〜5の混合物)
8,16−ピランスレンジオン:5.0g、ヨウ素:0.25gをクロロ硫酸:50gに溶解し、臭素5.9gを滴下した。70℃にて5時間加熱撹拌し、室温まで冷却後氷500gにあけた。濾過、水洗した後乾燥し、顔料粗品8.5gを得た。顔料粗品5.0gをパイレックス(登録商標)ガラスチューブに入れ、このチューブを、チューブの長さに沿って約460℃〜約20℃の温度勾配(1mの長さで、約460℃〜約20℃の温度勾配をつけた)を生ずる炉の内側に置いた。ガラスチューブ内を約1×10−2Paに減圧し、精製すべき顔料粗品が置かれた位置を約460℃に加熱した。生成した蒸気をチューブの低温側に移動、凝縮させ、約300〜400℃の間の領域に凝縮した昇華物3.3gを得た。
マススペクトル測定の結果、n=3〜5の混合物であり、n=3/n=4/n=5のピーク強度比は16/67/17であった。
評価1
常温常湿(20℃50%RH)環境下で、これら感光体1〜19を、静電複写紙試験装置[(株)川口電機製作所製、EPA−8300]を用いて、次のような測定を行った。
先ず、−8kVのコロナ放電を15秒間行って帯電させた後、感光体表面電位が−800Vになるまで暗減衰させ、タングステンランプ光を単色光フィルター(680nm又は780nm)を通して、又は、図4のスペクトル波長成分を有する白色LEDを用いて、照度が1μW/cmの単色光又は白色LED光を照射して、表面電位が−400Vまで減衰する時間Δtを測定し、次式により感度Sに換算した。
Sλ=(800−400)/(10×Δt) [V・m/J]
尚、請求項の「感度を有さない」とは、露光波長の感度で、以下のように定義する。
感度Sλ<5×10[V・m/J]と定義する。但し、Sλのλは680nm、780nm又は白色LEDの露光波長である。
感光体1〜19いずれも除電光の白色LEDに感度を有しており、又、感光体1〜9、14〜19は露光波長の680nm、780nmのいずれにも感度を有し、感光体11は780nmに感度を有し、感光体10、12、13は680、780nmのいずれにも感度を有さない。したがって、N1色素の電荷発生層、N3色素の電荷発生層、N4色素の電荷発生層は白色光に感度を有し、680、780nm共に感度を有さず、N2の電荷発生層は白色光と680に感度を有し、780nmに感度を有さない。P1色素の電荷発生層、P2色素の電荷発生層、P3色素の電荷発生層は白色光と680、780nmに感度を有する。
Figure 2012093480
評価2
以上のようにして得た感光体1〜19をコニカミノルタビジネステクノロジーズ社製のデジタル複写機bizhub920改造機(スコロトロン帯電器、半導体レーザ像露光器(露光波長680nm)、除電光(図4の分光スペクトルを有する白色LED光源)、反転現像手段を有するA4紙85枚/分機)に搭載し、画像出力試験を行った。評価は、基本的に画素率が7%の文字画像、ハーフトーン画像、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあるオリジナル画像をA4で1枚間欠モードにて1万枚の複写を行った後、評価した。評価結果を表3に示す。
評価条件
感光体のラインスピード;420mm/秒
像露光工程から現像工程までの移動時間;0.108秒
帯電条件
帯電器;スコロトロン帯電器(負帯電)
帯電電位;スコロトロン帯電器のグリット電圧を変化により、−500V〜−1000Vに帯電電位を変化させた。
露光条件:680nmの半導体レーザによる像露光
露光ビーム:半導体レーザで、ドット密度400dpiの像露光を行った。
現像条件
現像剤は、体積平均粒径6.5μmのトナーと樹脂コートキャリアの2成分現像剤を使用した。
転写条件:静電転写
クリーニング条件:クリーニングブレードを使用
光除電条件:白色のLED光(第一、第二電荷発生層が共に除電される)による光除電を行った。
評価項目及び評価方法
常温常湿(20℃50%RH)環境下(NN)での感光体電位のダイナミックレンジの評価
前記1万枚の複写後、グリット電圧を−800Vに設定し、現像部の現像器に代えて表面電位測定器を設置し、未露光部電位(べた白部)Vと露光部電位(べた黒部)Vを測定し、|V−V|の大きさを評価した。
◎;|V−V|が700V以上で、感光体の単位膜厚当たりの電界強度が非常に高い(良好)
○;|V−V|が650V以上、700V未満で、感光体の単位膜厚当たりの電界強度が十分にある(実用上問題なし)
×;|V−V|が650V未満で、感光体の単位膜厚当たりの電界強度が低い(実用上問題有り)
低温低湿(10℃10%RH)環境下(LL)での感度の評価
前記1万枚の複写後、現像部の現像器に代えて表面電位測定器を設置し、未露光部電位(べた白部)Vに対し1/2Vに電位低下させる露光量から低温低湿時の感度を評価した。前記評価1の常温常湿の感度と比較し、感度の環境変動に対する評価を示す。
◎;1/2Vに電位低下させる露光量が、0.12μJ/cm未満下で、感度が非常に高い(良好)
○;1/2Vに電位低下させる露光量が、0.12μJ/cm以上、0.25μJ/cm未満で、感度が十分にある(実用上問題なし)
×;1/2Vに電位低下させる露光量が、0.25μJ/cm以上で、感度が不足している(実用上問題有り)
低温低湿(10℃10%RH)環境下(LL)での高帯電電位でのカブリの評価
前記1万枚の複写後、帯電器のグリット電圧を−1000Vにし、感光体に帯電電位:−1000Vを印加した条件で実機画像だしを行い、画像カブリの評価を行った。
カブリ濃度はべた白画像をマクベス社製RD−918を使用し反射濃度で測定した。該反射濃度は相対濃度(複写していないA4紙の濃度を0.000とする)で評価した。
◎;濃度が0.010未満(良好)
○;0.010〜0.020(実用上問題ないレベル)
×;0.020より大(実用上問題となるレベル)
Figure 2012093480
表3から明らかなように、680nmに感度を示さないN型の電荷発生顔料を有する第一電荷発生層及び680nmに感度を有するP型の電荷発生顔料を有する第二電荷発生層を有する感光体1、3、4、5、7〜9の感光体は各評価項目において、良好な評価を得ているが、680nmの像露光光に第一電荷発生層及び第二電荷発生層共に感度を有する感光体2、6、18は高帯電電位でのカブリの評価が劣り、第二電荷発生層を有しない感光体10〜14は、電位のダイナミックレンジの評価やLL感度の評価が劣り、第一電荷発生層を有しない感光体15、16、19も高帯電電位でのカブリの評価が劣っている。
評価3
評価2において、評価条件の内、露光条件:680nmの半導体レーザによる像露光を780nmの半導体レーザによる像露光に変更した以外は同様にして、感光体1〜19を評価した。評価結果を表4に示す。
Figure 2012093480
表4から明らかなように、780nmに感度を示さないN型の電荷発生顔料を有する第一電荷発生層及び680nmに感度を有するP型の電荷発生顔料を有する第二電荷発生層を有する感光体1〜9の感光体は各評価項目において、良好な評価を得ているが、780nmの像露光光に第一電荷発生層及び第二電荷発生層共に感度を有する感光体18は高帯電電位でのカブリの評価が劣り、第二電荷発生層を有しない感光体10〜14ダイナミックレンジの評価やLL感度の評価が劣り、第一電荷発生層を有しない感光体15、16、19も高帯電電位でのカブリの評価が劣っている。
評価4
評価2において、評価条件の内、光除電条件の白色のLEDを赤色のLED(680nmのLED光)に代えて、感光体1を評価した。
Figure 2012093480
表5から明らかなように、赤色のLEDに感光体1の第一電荷発生層は感応しないため、電位のダイナミックレンジの評価が劣化している。
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段

Claims (5)

  1. 有機感光体の周辺に、少なくとも帯電手段、像露光手段、現像手段、転写手段及び光除電手段を有し、繰り返し画像形成を行う画像形成方法において、該有機感光体が、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層が順次積層されており、該電荷発生層がN型の電荷発生顔料を含有する第一電荷発生層とP型の電荷発生顔料を含有する第二電荷発生層を積層した構造を有し、且つ、前記像露光手段の像露光に対し、第二電荷発生層は感度を有するが、第一電荷発生層は感度を有さず、前記光除電手段の光除電光に対しては第一電荷発生層及び第二電荷発生層共に感度を有することを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記P型の電荷発生顔料がチタニルフタロシアニンと(2R、3R)−2,3−ブタンジオール及び/又は(2S、3S)−2,3−ブタンジオールとの付加体を含有する顔料であることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
  3. 前記導電性支持体と電荷発生層の間に中間層を有し、該中間層は、N型無機酸化物粒子を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  4. 前記N型無機酸化物粒子が酸化チタンである請求項3に記載の画像形成方法。
  5. 有機感光体の周辺に、少なくとも帯電手段、像露光手段、現像手段、転写手段及び光除電手段を有し、繰り返し画像形成を行う画像形成装置において、該有機感光体が、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層が順次積層されており、該電荷発生層がN型の電荷発生顔料を含有する第一電荷発生層とP型の電荷発生顔料を含有する第二電荷発生層を積層した構造を有し、且つ、前記像露光手段の像露光に対し、第二電荷発生層は感度を有するが、第一電荷発生層は感度を有さず、前記光除電手段の光除電光に対しては第一電荷発生層及び第二電荷発生層共に感度を有することを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017090690A (ja) * 2015-11-11 2017-05-25 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置

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