JP5652186B2 - 電子写真感光体、その製造方法及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、その製造方法及び画像形成装置 Download PDF

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本発明は、感度が高く湿度依存性のない電子写真感光体と、それを用いた画像形成装置に関するものである。
近年、電子機器の発達にともない電子写真を利用した複写機やプリンターの使用頻度が益々高まっており、高感度な電子写真感光体(以下、単に感光体ということがある)が、次々に発表されている。なかでも粉末X線回折スペクトルにてブラッグ角2θの27.2±0.2°に最大ピークを有するY型チタニルフタロシアニン(以後、単にY型顔料ともいう)は高感度な素材として知られ学会報告もされている。さらにこのY型チタニルフタロシアニンが乾燥した不活性ガス中での脱水処理によって光量子効率が低下することが見いだされた。常温常湿度環境に放置して水を再吸収させると再び量子効率が上がることから、Y型顔料は水を含んだ結晶構造を有し、水分子が光によって生成した励起子のホールとエレクトロンとの解離を促進し、これが高い光量子効率を示す原因の一つと推測されている。
このような素材を電荷発生物質として用いた電子写真感光体では、環境、特に湿度変動により感度特性が変化することが懸念されてきた。このY型顔料の感度が湿度依存性が大きいという欠点は、近年、高画質を要求されるにつれて問題とされる度合い高くなってきた。例えば夜雨が降り、翌日晴天になった場合、有機感光体の密閉された部分(現像器付近)は前日の高湿度雰囲気を保持しており、感光体の他の開放された部分との間に感度差が生じ、朝一の運転開始直後に中間濃度の画像に感度差によって生じた、帯状の画像欠陥が発生する。
この湿度依存性を解決するために、水の代わりに他の極性基をY型顔料に付与する試みがあり、2,3−ブタンジオールとの付加体チタニルフタロシアニン顔料も報告されている(特許文献1)。
さらに、立体規則性を有した2,3−ブタンジオールのチタニルフタロシアニン付加体がその中で特に優れた性質をもつものとして報告されており(特許文献2、3)、中でも、2,3−ブタンジオールのチタニルフタロシアニン付加体と、チタニルフタロシアニンの混晶が高感度を示す顔料として報告されている(特許文献4)。
しかしながら、これらの公開された技術はいずれも感度の湿度依存性が改善された反面、尚、前記Y型顔料に比して感度不足であり、また、繰り返し使用での電位安定性が不十分で、感光体としての耐久性等に問題があった。
このため、高画質、高速性、高耐久性を要求される高速のデジタル複写機等の電子写真感光体に採用するには、湿度依存性の改良と共に、いっそうの高感度化と繰り返しの電位安定性等の総合的な性能の改善を行うことが必要がある。
特開平5−273775号公報 特開平7−173405号公報 特開平8−82942号公報 特開平9−230615号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされた。
即ち、本発明の目的は、電荷発生物質に2,3−ブタンジオールのチタニルフタロシアニン付加体を用いた場合に問題となる感度の低下や電位安定性を改善し、湿度依存性が小さい電子写真感光体を提供することであり、該電子写真感光体を用いた画像形成装置を提供することである。
本願発明の上記課題は、従来の2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニン顔料(感度の湿度依存性が小さい)の長所を生かしたまま、感度をY型チタニルフタロシアニン顔料以上に改善し、且つ繰り返し電位安定性を改善するには、2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニン顔料の結晶構造を詳細に解析し、結晶構造中の深いキャリアトラップを少なくすることが必要であるとの推論に基づき、2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニン顔料の結晶構造と感度や電位安定性の関連性を追求した結果、2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニン顔料を含有し、特定のX線回折スペクトルを有する電荷発生層を用いると、感度の改善、電位安定性の改善及び感度の湿度依存性が小さい電子写真感光体を得ることができることを見いだし、本願発明を達成した。
本発明の目的は、下記構成を採ることにより達成される。
1.導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有する電子写真感光体において、前記電荷発生層は、チタニルフタロシアニンと、(2R,3R)−2,3−ブタンジオール又は(2S,3S)−2,3−ブタンジオールの少なくともいずれかとの付加体を含む顔料を含有し、かつ前記顔料の水を含有する分散液の塗布によって形成され、該電荷発生層のX線回折スペクトルが、CuKα特性X線に対するブラッグ角2θ(±0.2°)で、少なくとも7.5°及び8.3°に回折ピークを有し、ブラッ角8.3°のピークに対するブラッ角7.5°のピークの強度比が0.05〜0.6の範囲にあることを特徴とする電子写真感光体。
2.前記1に記載の電子写真感光体に静電潜像を形成する手段、該静電潜像をトナー現像する手段、形成されたトナー画像を画像支持体に転写する手段、転写後のトナー画像を定着する手段を、少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。
3.導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有する電子写真感光体を製造する方法において、チタニルフタロシアニンと、(2R,3R)−2,3−ブタンジオール又は(2S,3S)−2,3−ブタンジオールの少なくともいずれかとの付加体を含む顔料、水、および分散溶媒を含有する電荷発生層塗布液の塗膜を形成して、前記電荷発生層のX線回折スペクトルがCuKα特性X線に対するブラッグ角2θ(±0.2°)で、少なくとも7.5°及び8.3°に回折ピークを有し、ブラッ角8.3°のピークに対するブラッ角7.5°のピークの強度比が0.05〜0.6の範囲にある前記電荷発生層を形成する工程を含む、電子写真感光体の製造方法。
本願発明の電子写真感光体は上記構成を有することにより、電荷発生物質に2,3−ブタンジオールのチタニルフタロシアニン付加体を用いた場合に問題となる感度の低下や電位安定性を改善し、湿度依存性が小さい感光体としての総合的な性能を改善した電子写真感光体を提供することができ、該電子写真感光体を用いた画像形成装置を提供することである。
本願発明の顔料を含有する電荷発生層のX線回折スペクトルの一例。 本発明の電子写真感光体を用いたカラー画像形成装置の断面構成図。 X線回折スペクトルで、ブラッグ角2θ(±0.2°)27.2°に特徴的なピークを有するY型チタニルフタロシアニンのスペクトル図。
本願発明に係わる電荷発生層の構成につき以下説明する。
本願発明のチタニルフタロシアニンと、(2R,3R)−2,3−ブタンジオール又は(2S,3S)−2,3−ブタンジオールの少なくともいずれかとの付加体を含む顔料(本願発明の顔料)とは、1つの顔料粒子の中に、少なくともチタニルフタロシアニンと、(2R,3R)−2,3−ブタンジオール又は(2S,3S)−2,3−ブタンジオールの少なくともいずれかとの付加体とを含有する顔料を意味する。
本願発明の顔料を有する電荷発生層のX線回折スペクトルは、CuKα特性X線に対するブラッグ角2θ(±0.2°)で、少なくとも7.5°及び8.3°に回折ピークを有し、ブラッ角8.3°のピークに対するブラッ角7.5°のピークの強度比が0.05〜0.6の範囲にあることが必要である。
上記のX線回折スペクトルを有する電荷発生層を有することにより、本願発明の電子写真感光体は、電荷発生物質に2,3−ブタンジオールのチタニルフタロシアニン付加体を用いた場合に問題となる感度の低下や電位安定性を改善し、湿度依存性が小さい感光体としての総合的な性能を改善した電子写真感光体を提供することができる。
上記X線回折スペクトルの特性を有する電荷発生層を得るには、本願発明の顔料の分散時にB型チタニルフタロシアニンを混合するか、或いは、チタニルフタロシアニンと、(2R,3R)−2,3−ブタンジオール又は(2S,3S)−2,3−ブタンジオールの少なくともいずれかとの付加体を含む顔料に水を作用させブタンジオールの一部を脱離させて、X線回折スペクトルの特定のピークの強度比を0.05〜0.6の範囲に制御することができる。
B型チタニルフタロシアニン顔料の結晶型は、X線回折スペクトルのブラッグ角2θ(±0.2°)で、7.5°に最大ピークを有し、22.6°、24.5°、25.4°、28.7°等にも顕著なピークを有する結晶構造であるが、該B型チタニルフタロシアニン顔料を、チタニルフタロシアニンと2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料に混合して分散すると、両者の顔料が均一な混合状態を形成する。その結果、ブラッグ角2θ(±0.2°)で、7.5°に相当するB型チタニルフタロシアニンの結晶領域は、チタニルフタロシアニンと2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料よりもイオン化ポテンシャルが小さいため、チタニルフタロシアニンと2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料中でトラップされたキャリアを放出し、繰り返し電位安定性等の改善に効果があるものと推計している。
一方、B型チタニルフタロシアニン顔料を混合しなくても、チタニルフタロシアニンと2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料の分散時に微量の水分(分散溶媒に対し、約0.05〜2.0質量%)を加え、分散することにより、チタニルフタロシアニンと2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料に、ブラッグ角2θ(±0.2°)で7.5°のピークを新しく出現させることができる。
上記水を加えた分散による7.5°のピークの出現は、分散中の水の作用による2,3−ブタンジオール付加体からのチタニルフタロシアニンの分離と、分離したチタニルフタロシアニンがB型の結晶構造を形成したものと推定される。
その結果生じた結晶構造は、チタニルフタロシアニンと2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料の結晶構造であるブラッグ角2θ(±0.2°)で、8.3°のピークと7.5°のピークとの両方が出現する。
本願発明では、ブラッ角8.3°のピークに対するブラッ角7.5°のピークの強度比が0.05〜0.6の範囲にあることを特徴とするが、このピーク強度比を得る方法を以下に記載する。
B型チタニルフタロシアニンを混合する場合は、チタニルフタロシアニンと2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料100質量部に対し、B型チタニルフタロシアニン顔料を0.5〜20質量部の間で混合することが上記強度比を達成する上で好ましい。
一方、分散時に水を添加して上記強度比を調製する場合は、用いる分散溶媒や分散方法、分散時間によっても異なるが、分散溶媒100質量部に対し、0.05〜2.0質量部の範囲が好ましい。
(チタニルフタロシアニンと、(2R,3R)−2,3−ブタンジオール又は(2S,3S)−2,3−ブタンジオールの少なくともいずれかとの付加体よりなる顔料)について記載する。
〔2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンの作製方法〕
チタニルフタロシアニンと(2R,3R)−2,3−ブタンジオール又は(2S,3S)−2,3−ブタンジオールの少なくともいずれかとの付加体は、チタニルフタロシアニンと(2R,3R)−2,3−ブタンジオール又は(2S,3S)−2,3−ブタンジオール(以後、ブタンジオール化合物ということがある)とを各種溶媒中で室温あるいは加熱下で反応させことで合成することができる。原料であるチタニルフタロシアニンは、フタロニトリルと四塩化チタンから得る合成法、ジイミノイソインドリンとアルコキシチタンから得る合成法、フタロニトリルと尿素とアルコキシチタンから得る合成法等通常知られている何れの合成法も用いることが出来るが、特にはジイミノイソインドリンとアルコキシチタンから得られる塩素含有量の少ない高純度なチタニルフタロシアニンが好ましい。またチタニルフタロシアニンはアシッドペースト処理等の方法により無定形化してからブタンジオール化合物と反応させるものが好ましい。無定型チタニルフタロシアニンとブタンジオール化合物との付加反応には、通常5〜30倍の溶媒が使用される。溶媒には特に制限はなくクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、アニソール、クロロナフタレン、キノリンなどの芳香族溶媒からメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジグライムなどのエーテル系溶媒、さらにはジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒、その他ハロゲン系溶媒、エステル系溶媒など多数を挙げることができる。
チタニルフタロシアニンとブタンジオール化合物との反応は下記に示すが、広範囲な温度条件下で行うことができ、反応温度は25〜300℃の範囲が好ましく、BET比表面積が20m/g以上の顔料を合成するためには、30〜100℃の範囲であることがより好ましい。
Figure 0005652186
ブタンジオール化合物はチタニルフタロシアニン1モルに対して通常0.2〜2.0モルの割合で添加される。等モルの付加体であるためには、ジオール化合物を前記割合で1.0モル以上使用することが必要である。ジオール化合物を前記割合で1.0モル以下の添加量の場合には、得られた付加体はチタニルフタロシアニンとの混晶となる。
本願発明に係わるチタニルフタロシアニンと、(2R,3R)−2,3−ブタンジオール又は(2S,3S)−2,3−ブタンジオールの少なくともいずれかとの付加体を含む顔料はその合成時の顔料で、BET比表面積が20m/g以上であることが望ましい。このようにBET比表面積が大きく、小粒径の顔料を含有させた電荷発生層の塗布液を低シェア分散して、合成時の顔料の結晶を破砕することなく維持したとき、良好な感度、繰り返し電位安定性を有する感光体を作製することができる。
〔本願発明の顔料の分散〕
本願発明の顔料(チタニルフタロシアニンと2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料)を用いて、電荷発生層等の分散液を作るには、これらの顔料を溶媒中で分散する。溶媒としては特に制限はなくメチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジグライムなどのエーテル系溶媒、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブタノールなどのアルコール系溶媒、その酢酸エチル、酢酸t−ブチルなどのエステル系溶媒、トルエン、クロロベンゼンなどの芳香属溶媒、ジクロロエタン、トリクロロエタンなどのハロゲン系溶媒など多数を挙げることが出来る。
分散液中にはバインダーを添加することが出来る。バインダーとしては使用する溶媒に溶解する範囲で広く選ぶことが出来る。例えばポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステルおよびこれらのコポリマーなど多数に上る。バインダーと顔料の比率は特に制限はないが通常1/10から10/1である。バインダーが少ないと分散液が不安定になり、多すぎると電気抵抗がたかくなって電子写真感光体にしたとき繰り返しで残留電位が上昇するなどの欠点が起きやすい。
本願発明に用いられる分散手段としては、顔料合成時の結晶を維持したまま、破砕を伴わず二次凝集をほぐすような低シェア分散(低セン断の分散)が好ましい。低シェア分散としては、超音波分散や比重の小さいメディア(ガラス(比重:2.5)ビーズ等)を用いたメディア分散が好ましい。
電荷発生層の膜厚は0.1μm〜2μmが好ましい。
分散状態の指標としては、前記したように、電荷発生層のブラッ角8.3°のピークに対するブラッ角7.5°のピークの強度比が0.05〜0.6の範囲に入るように、分散時の分散液にかかるシェアを調整することにより行うことができる。具体的には、分散方法や分散時に用いるメディアの径や量、分散時間などにより制御することができる。
本発明者らの検討結果によると、電荷発生層のブラッ角8.3°のピークに対するブラッ角7.5°のピークの強度比が0.05〜0.6の範囲にある場合、感度の湿度依存性がないにもかかわらず、高感度で繰り返し電位安定性が高い電子写真感光体を得ることが出来ることが判明した。
図1は、本願発明の顔料を含有する電荷発生層のX線回折スペクトルの一例である。
図1(a)は、ブラッグ角2θ(±0.2°)で、8.3°のピークに対する7.5°のピークの比(7.5°/8.3°)が本願発明の範囲内の特性を示す。
図1(b)は、ブラッグ角2θ(±0.2°)で、8.3°のピークに対する7.5°のピークの比(7.5°/8.3°)が本願発明の範囲外の特性を示す。
〔感光体の作製〕
本発明の有機感光体の作製に当たっては公知の技術をそのまま使うことが出来る。以下、本発明に用いられる有機感光体の構成について記載する。
本発明において、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機電子写真感光体を全て含有する。
上記有機感光体の層構成は、特に限定はないが、基本的には電荷発生層、電荷輸送層、或いは電荷発生・電荷輸送層(電荷発生と電荷輸送の機能を同一層に有する層)等の感光層から構成されるが、その上に表面層を塗設した構成でもよい。又、表面層は保護層の機能と電荷輸送の機能を有していることが好ましい。
以下に本発明に用いられる具体的な感光体の構成について記載する。
(導電性支持体)
本発明の感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状或いは円筒状の導電性支持体が用いられる。
本発明の円筒状の導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
導電性支持体の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗10Ω・cm以下が好ましい。
本発明で用いられる導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
(中間層)
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤー機能を備えた中間層を設けることが好ましく、特にはポリアミド等のバインダー樹脂中に酸化チタン微粒子を分散含有させる中間層が好ましい。該酸化チタン粒子の平均粒径は、数平均一次粒径で10nm以上400nm以下の範囲が良く、15nm〜200nmが好ましい。10nm未満では中間層によるモアレ発生の防止効果が小さい。一方、400nmより大きいと、中間層塗布液の酸化チタン粒子の沈降が発生しやすく、その結果中間層中の酸化チタン粒子の均一分散性が悪く、又黒ポチも増加しやすい。数平均一次粒径が前記範囲の酸化チタン粒子を用いた中間層塗布液は分散安定性が良好で、且つこのような塗布液から形成された中間層は黒ポチ発生防止機能の他、環境特性が良好で、且つ耐クラッキング性を有する。
本発明に用いられる酸化チタン粒子の形状は、樹枝状、針状および粒状等の形状があり、このような形状の酸化チタン粒子は、例えば酸化チタン粒子では、結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型及びアモルファス型等があるが、いずれの結晶型のものを用いてもよく、また2種以上の結晶型を混合して用いてもよい。その中でもルチル型で且つ粒状のものが最も良い。
本発明の酸化チタン粒子は表面処理されていることが好ましい。中でも複数回の表面処理を行い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理を行うものが好ましい。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理を行い、最後に反応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理を行うことが好ましい。
尚、アルミナ処理、シリカ処理、ジルコニア処理とは酸化チタン粒子表面にアルミナ、シリカ、或いはジルコニアを析出させる処理を云い、これらの表面に析出したアルミナ、シリカ、ジルコニアにはアルミナ、シリカ、ジルコニアの水和物も含まれる。又、反応性有機ケイ素化合物の表面処理とは、処理液に反応性有機ケイ素化合物を用いることを意味する。
この様に、酸化チタン粒子の表面処理を少なくとも2回以上行うことにより、酸化チタン粒子表面が均一に表面被覆(処理)され、該表面処理された酸化チタン粒子を中間層に用いると、中間層内における酸化チタン粒子の分散性が良好で、かつ黒ポチ等の画像欠陥を発生させない良好な感光体を得ることができるのである。
表面処理に用いる好ましい反応性有機ケイ素化合物としてはメチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキチシルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等の各種アルコキシシラン及びメチルハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。
(感光層)
本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取ることが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好ましい感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体構成である。
以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成について説明する。
(電荷発生層)
電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
本発明の有機感光体には、電荷発生物質として前述のブタンジオール付加体チタニルフタロシアニン顔料を使用するが、他のフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを併用して用いることができる。
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.1μm〜2μmが好ましい。
(電荷輸送層)
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
電荷輸送物質(CTM)としては公知の電荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。
電荷輸送層(CTL)に用いられるバインダー樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれの樹脂かを問わない。例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。これらの中で吸水率が小さく、CTMの分散性、電子写真特性が良好なポリカーボネート樹脂が最も好ましい。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し10〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の膜厚は10〜40μmが好ましい。
以上、本発明の最も好ましい感光体の層構成を例示したが、本発明では上記以外の感光層構成でも良い。
感光層の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
次に有機感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお保護層は前記円形量規制型塗布加工方法を用いるのが最も好ましい。前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
〔画像形成装置〕
図2は、本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
本発明の画像形成装置においては、感光体上に静電潜像を形成するに際し、発振波長が350〜850nmの半導体レーザー又は発光ダイオード(LED)を、像露光光源として用いるのが望ましい。これらの像露光光源を用いて、書込みの主査方向の露光ドット径を10〜100μmに絞り込み、有機感光体上にデジタル露光を行うことにより、600dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数)から2400dpi、或いは、それ以上の高解像度の電子写真画像をうることができる。
前記露光ドット径とは該露光ビームの強度がピーク強度の1/e以上の領域の主走査方向にそった露光ビームの長さ(Ld:長さが最大位置で測定する)を云う。
用いられる光ビームとしては半導体レーザーを用いた走査光学系及びLEDの固体スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布及びローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/e以上の領域を本発明に係わる露光ドット径とする。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Y(感光体ドラム1Y)の周囲に配置された帯電手段(帯電工程)2Y、露光手段(露光工程)3Y、現像手段(現像工程)4Y、一次転写手段(一次転写工程)としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkを中心に、回転する帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、及び、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段6Y、6M、6C、6Bkより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体ドラム1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、あるいは、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段6Y(以下、単にクリーニング手段6Y、あるいは、クリーニングブレード6Yという)を配置し、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体ドラム1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段6Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体ドラム1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体ドラム1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子とから構成されるもの、あるいは、レーザー光学系などが用いられる。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として一体に結合して構成し、この画像形成ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された画像支持体(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての画像支持体Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、画像支持体P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された画像支持体Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や画像支持体等の感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体と云う。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5bにより画像支持体Pにカラー画像を転写した後、画像支持体Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに当接する。
二次転写ローラ5bは、ここを画像支持体Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、及びクリーニング手段6bとから成る。
本発明の電子写真感光体は電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用した軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
以下に、本発明の構成と効果を実施態様にて示すが、無論、本発明の態様はこれらに限定されるものではない。なお、文中「部」とは、「質量部」を表す。
合成例1
(無定型チタニルフタロシアニンの合成)
1,3−ジイミノイソインドリン;29.2gをオルトジクロロベンゼン200mlに分散し、チタニウムテトラ−n−ブトキシド;20.4gを加えて窒素雰囲気下に150〜160℃で5時間加熱した。放冷後、析出した結晶を濾過し、クロロホルムで洗浄、2%塩酸水溶液で洗浄、水洗、メタノール洗浄して、乾燥後、26.2g(収率91%)の粗チタニルフタロシアニンを得た。ついで粗チタニルフタロシアニンを5℃以下で濃硫酸250ml中で1時間攪拌して溶解し、これを20℃の水5Lに注いだ。析出した結晶を濾過し、充分に水洗してウエットペースト品225gを得た。ついでウエットペースト品を冷凍庫にて凍結し、再度解凍した後、濾過、乾燥して無定型チタニルフタロシアニン24.8g(収率86%)を得た。
(本願発明の顔料(CG−1)の合成)
前述の無定型チタニルフタロシアニン10.0gと(2R,3R)−2,3−ブタンジオール0.94g(0.6当量比)(当量比はチタニルフタロシアニンに対する当量比、以後同じ)をオルトジクロロベンゼン(ODB)200ml中に混合し60〜70℃で6.0時間加熱撹拌した。一夜放置後、該反応液にメタノールを加えて生じた結晶を濾過し、濾過後の結晶をメタノールで洗って((2R,3R)−2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料)CG−1:10.3gを得た。CG−1のX線回折スペクトルでは、8.3°、24.7°、25.1°、26.5°にピークがある。マススペクトルにおいて576と648にピークがあり、IRスペクトルでは970cm−1付近のTi=O、630cm−1付近にO−Ti−Oの両吸収が現れる。また熱分析(TG)では390〜410℃に約7%の質量減少があることから、チタニルフタロシアニンと(2R,3R)−2,3−ブタンジオールの1:1付加体(前記化1で示した脱水縮合構造)と非付加体(付加していない)チタニルフタロシアニンの混晶と推定される。
得られたCG−1のBET比表面積を流動式比表面積自動測定装置(マイクロメトリックス・フローソープ型:島津製作所)で測定したところ、31.2m/gであった。
合成例2(本願発明の顔料(CG−2)の合成)
合成例1において、(2R,3R)−2,3−ブタンジオールの代わりに(2S,3S)−2,3−ブタンジオールを用いた他は同様にして、(2S,3S)−2,3−ブタンジオール−チタニルフタロシアニン付加体を含有する顔料CG−2:10.5gを得た。CG−2のX線回折スペクトルでは、8.3°、24.7°、25.1°、26.5°にピークがみられ、IRスペクトルでは970cm−1付近のTi=O、630cm−1付近にO−Ti−Oの両吸収が現れる。CG−2のBET比表面積は、30.5mであった。
感光体1の作製
円筒状アルミニウム基体上に、下記の組成の中間層塗布液を浸漬塗布して、膜厚4.0μmの中間層を形成した。
〈中間層塗布液〉
下記組成を循環式湿式分散機を用いて分散した。
ポリアミド樹脂「CM8000」(東レ社製) 10部
酸化チタン(数平均一次粒径35nm、一次表面処理;シリカ・アルミナ処理、
二次表面処理;メチルハイドロジェンポリシロキサン処理) 30部
メタノール 100部
その上に下記の電荷発生層塗布液を、浸漬塗布して、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
〈電荷発生層塗布液〉
下記組成を混合し、循環式超音波ホモジナイザーRUS−600TCVP(株式会社日本精機製作所製、19.5kHz,600W)(略称:循環ホモジ)にて循環流量40L/Hで0.5時間、分散した。
電荷発生物質:合成例1のCG−1 24部
ポリビニルブチラール樹脂「エスレックBL−1」(積水化学社製) 12部
溶媒:3−メチル−2−ブタノン/シクロヘキサノン=4/1(V/V) 400部
水: 8部
その上に下記の組成を混合した電荷輸送層塗布液を塗布して、110℃;60分加熱乾燥し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し感光体1を作製した。
〈電荷輸送層塗布液〉
電荷輸送物質:(下記化合物A) 200部
ポリカーボネート「ユーピロンZ300」(三菱瓦斯化学社製) 300部
2,6−ジ−t−ブチル−4−フェニルフェノール 5部
トルエン/テトラヒドロフラン=1/9(v/v) 2000部
Figure 0005652186
尚、上記電荷発生層を透明ガラスプレート上に塗布乾燥した試料を用いて、X線回折スペクトルを測定し、ブラッ角8.3°のピークに対するブラッ角7.5°のピークの強度比は0.52であった。該X線回折スペクトルを図1(a)に示す。
感光体2の作製
感光体1において、電荷発生物質塗布液1の水の添加量を8部から4部に変更した以外は同様にして感光体2を作製した。
感光体3の作製
感光体1において、電荷発生物質塗布液1の水の添加量を8部から6部に変更した以外は同様にして感光体3を作製した。
感光体4の作製
感光体1において、電荷発生物質塗布液1の水の添加量を8部から10部に変更した以外は同様にして感光体4を作製した。
感光体5の作製
感光体3の作製において、電荷発生物質として合成例2で得られたCG−2に変更した以外は同様にして感光体5を作製した。
感光体6の作製
感光体1において、電荷発生層塗布液を、下記条件の超音波分散に変更した以外は同様にして感光体5を作製した。
〈電荷発生層塗布液〉
下記組成を混合し、循環式超音波ホモジナイザーRUS−600TCVP(株式会社日本精機製作所製、19.5kHz,600W)(略称:循環ホモジ)にて循環流量40L/Hで0.5時間、分散した。
電荷発生物質:合成例1のCG−1 22部
電荷発生物質:B型チタニルフタロシアニン(東洋インキ(株)製) 2部
ポリビニルブチラール樹脂「エスレックBL−1」(積水化学社製) 12部
溶媒:3−メチル−2−ブタノン/シクロヘキサノン=4/1(V/V) 400部
感光体7の作製
感光体6において、CG−1の量を20部に、B型チタニルフタロシアニンの量を4部に変更した以外は同様にして感光体7を作製した。
感光体8の作製
感光体6において、CG−1の量を18部に、B型チタニルフタロシアニンの量を6部に変更した以外は同様にして感光体8を作製した。
感光体9の作製
感光体7において、合成例1のCG−1を合成例2のCG−2に変更した以外は同様にして感光体9を作製した。
感光体10の作製
感光体1において、電荷発生物質塗布液1の水の添加量を8部から0.00部に変更した以外は同様にして感光体10を作製した。
感光体11の作製
感光体1において、電荷発生物質塗布液1の水の添加量を8部から12部に変更した以外は同様にして感光体11を作製した。
上記感光体2〜11についても感光体1と同様に、電荷発生層を透明ガラスプレート上に塗布乾燥した試料を用いて、X線回折スペクトルを測定し、ブラッ角8.3°のピークに対するブラッ角7.5°のピークの強度比を求めた。その結果を、表1にまとめて示した。
特性評価
以上のようにして得た感光体No.1〜11を、基本的に図2の構成を有する市販のフルカラー複合機bizhub PRO C6500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製;600dpi、780nmの半導体レーザーの露光光を使用、反転現像プロセス)を用いて評価した。尚、上記フルカラー複合機は画像形成ユニットを4組有しているので、それぞれの画像形成ユニットの感光体を同一種類の感光体(例えば、感光体1の場合は、4本の感光体1を用意して)で統一して、評価を行った。各評価は、30℃80%RHの条件で、YMCBk各色印字率2.5%のA4画像を中性紙のA4紙に10万枚の画出し耐刷試験を行い、その後、下記の個別の環境条件下で評価した。
画像評価
上記デジタル複写機bizhub PRO C6500で、環境条件30℃、80%RHでの10万枚の画出し耐刷試験前後に、A4紙に露光部画像(黒ベタ画像)、未露光部画像(白べた画像)を作製し、画像濃度、カブリを評価した。
画像濃度:
マクベス反射濃度計「RD−918」を使用して画像濃度を測定した。紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定した。多数枚のコピーで、感度の低下や残留電位の増加があると、画像濃度が低下する。
◎:黒ベタ画像が1.2以上
○:黒ベタ画像が1.0〜1.2未満
×:黒ベタ画像が1.0未満
画像カブリ:
マクベス反射濃度計「RD−918」を用いて、印字されていないコピー用紙(白紙)の濃度を20カ所、絶対画像濃度で測定し、その平均値を白紙濃度とする。次に、コピー画像の白地部分を同様に20カ所、絶対画像濃度で測定し、その平均濃度から前記白紙濃度を引いた値をカブリ濃度として評価した。未露光部電位の低下が大きくなるとカブリが発生する。
◎:ベタ白画像濃度が0.005未満(良好)
○:ベタ白画像濃度が0.005以上0.01未満(実用上問題なし)
×:0.01以上(実用上問題あり)
〈湿度メモリ〉
上記デジタル複写機bizhub PRO C6500を高温高湿環境下(HH:33℃、80RH%)に24時間放置後、低温低湿環境下(LL:10℃、20RH%)に置き、30分後、コピーした。オリジナル画像で0.4の濃度のハーフトーン画像を0.4の濃度になるようコピーし、コピー画像の濃度差(ΔHD=最大濃度−最小濃度)で判定した。画像濃度はマクベス反射濃度計「RD−918」を使用して測定した。
◎:ΔHDが0.05以下(良好)
○:ΔHDが0.05より大で0.1未満(実用上問題なし)
×:ΔHDが0.1以上(実用上問題あり)
Figure 0005652186
表1から明らかなように、本発明内の感光体1〜5(ブラッ角の7.5°/8.3°のピーク強度比)が本願発内であり、感光体1〜9はいずれの特性も少なくとも実用上問題がないが、ピーク強度比が本発明外の感光体10及び11は少なくともいずれかの特性に問題があることがわかる。
感光体12(比較例)の作製
感光体1において、電荷発生層のCG−1をY型チタニルフタロシアニンに代えた以外は同様にして感光体12を作製した。尚、Y型チタニルフタロシアニンはX線回折スペクトル(図3)で、27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料であり、下記合成例により合成した顔料である。
Y型チタニルフタロシアニンの合成例
ジイミノイソインドリンとチタニウムテトラブトキシドからチタニルフタロシアニン粗品を合成し、これを硫酸に溶かし水に注いで生じた沈殿を濾過し水で十分に洗って無定型チタニルフタロシアニン顔料含水ペーストを得た。この顔料含水ペースト(固形分換算約10g)をオルトジクロロベンゼン100mlと水100mlの混合液(水層は分離している)に分散し、70℃で6時間加熱後、メタノールに注いで生じた結晶を濾過し、乾燥してY型チタニルフタロシアニンを得た。
上記感光体12を感光体1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
Figure 0005652186
表2から明らかなように、Y型チタニルフタロシアニンを電荷発生物質として用いた感光体12は、本願発明の感光体1と同様に画像濃度やカブリの評価は良好であるが、湿度メモリの評価が劣っている。
1Y、1M、1C、1Bk 感光体ドラム
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット

Claims (3)

  1. 導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有する電子写真感光体において、前記電荷発生層は、チタニルフタロシアニンと、(2R,3R)−2,3−ブタンジオール又は(2S,3S)−2,3−ブタンジオールの少なくともいずれかとの付加体を含む顔料を含有し、かつ前記顔料の水を含有する分散液の塗布によって形成され、該電荷発生層のX線回折スペクトルが、CuKα特性X線に対するブラッグ角2θ(±0.2°)で、少なくとも7.5°及び8.3°に回折ピークを有し、ブラッ角8.3°のピークに対するブラッ角7.5°のピークの強度比が0.05〜0.6の範囲にあることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 請求項1に記載の電子写真感光体に静電潜像を形成する手段、該静電潜像をトナー現像する手段、形成されたトナー画像を画像支持体に転写する手段、転写後のトナー画像を定着する手段を、少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。
  3. 導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有する電子写真感光体を製造する方法において、
    チタニルフタロシアニンと、(2R,3R)−2,3−ブタンジオール又は(2S,3S)−2,3−ブタンジオールの少なくともいずれかとの付加体を含む顔料、水、および分散溶媒を含有する電荷発生層塗布液の塗膜を形成して、前記電荷発生層のX線回折スペクトルがCuKα特性X線に対するブラッグ角2θ(±0.2°)で、少なくとも7.5°及び8.3°に回折ピークを有し、ブラッ角8.3°のピークに対するブラッ角7.5°のピークの強度比が0.05〜0.6の範囲にある前記電荷発生層を形成する工程を含む、電子写真感光体の製造方法。
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